JP2007228503A - アンテナ駆動用ジンバル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナ駆動用ジンバル装置について、可動部に搭載されたアンテナの回転半径を小さくしたジンバル構造を得ることを目的とする。
【解決手段】 アンテナ1及び可動部側給電部30を有する可動部2と、可動部2を球面内で揺動可能に支持する球面軸受9と、球面軸受9を固定し、支持部側給電部70が設けられた支持部4と、球面軸受周辺に設けられ、可動部2に回転トルクを与える磁気トルカ6と、支持部側給電部70が取り付けられた固定部60と可動部側給電部30に取り付けられた回転部62とを有して、可動部側給電部30を支持部側給電部70に対して直交する2軸周りに回転可能に接続したロータリージョイント10とを備えて、ロータリージョイント10を可動部2の回転中心に配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】 アンテナ1及び可動部側給電部30を有する可動部2と、可動部2を球面内で揺動可能に支持する球面軸受9と、球面軸受9を固定し、支持部側給電部70が設けられた支持部4と、球面軸受周辺に設けられ、可動部2に回転トルクを与える磁気トルカ6と、支持部側給電部70が取り付けられた固定部60と可動部側給電部30に取り付けられた回転部62とを有して、可動部側給電部30を支持部側給電部70に対して直交する2軸周りに回転可能に接続したロータリージョイント10とを備えて、ロータリージョイント10を可動部2の回転中心に配置した。
【選択図】 図1
Description
この発明は、回転中心で直交する2軸の周りにアンテナを揺動させる、アンテナ駆動用ジンバル装置に関するものである。
従来、飛しょう体に搭載されるジンバル装置は、回転中心で直交する2軸を回転軸とし、円錐形状のレドーム内の限られた空間の中で、可動部に支持されたアンテナを首振動作させていた(例えば、特許文献1参照)。
この種のジンバル機構は、一般に、門型の回転支持部の外側もしくは内側にモータ、及び角度検出器を配置し、門型の回転支持部の内側に可動部を有していた。
従来のジンバル装置は、所望のアンテナ首振角を得ようとした場合、回転支持部のフレームやモータ等との干渉回避のために、アンテナ開口面と回転中心との間に一定の距離を設ける必要があった。この距離が長くなるとアンテナの回転半径が大きくなり、慣性モーメントが大きくなって、ひいては可動部における機械共振周波数の低下を招き、サーボ特性に悪影響を及ぼす。
近年、垂直、水平偏波を切換えて送信する直交偏波共用アンテナや、ラジアル導波路を用いて直線偏波を励振するラジアルラインアンテナ等の、高機能アンテナが実現化されている(例えば、特開2003−139852、特開2001−177339参照)。このようなアンテナは給電回路が複雑な構造をなし、スロットアレイアンテナのような薄型のアンテナと比べてアンテナの厚みが増してしまう。ジンバル装置に搭載されるアンテナ厚みが増すと、干渉回避のためにアンテナの回転半径を必然的に大きくせざるを得ず、その結果、可動部における機械共振周波数が低下し、サーボ特性に悪影響を及ぼすという問題があった。加えて、可動部の重心位置を回転中心に一致させるためのバランス取りが難しくなるという問題があった。
このような問題は、アンテナ主軸を所望方向に指向させるアンテナの指向制御を行う上で、その制御系の応答に大きな影響を与えることになる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アンテナ駆動用ジンバル装置において、アンテナの回転半径を小さくしたジンバル構造を得ることを目的とする。
この発明によるアンテナ駆動用ジンバル装置は、アンテナ及び可動部側給電部を有する可動部と、前記可動部を球面内で揺動可能に支持する球面軸受と、前記球面軸受を固定し、支持部側給電部が設けられた支持部と、前記球面軸受周辺に設けられ、前記可動部に回転トルクを与える磁気トルカと、前記可動部側給電部が取り付けられた回転部と、前記支持部側給電部が取り付けられ支持部に固定された固定部を有し、前記可動部側給電部を前記支持部側給電部に対して直交する2軸周りに回転可能に接続したロータリージョイントとを備え、前記ロータリージョイントは前記可動部の回転中心に配置されたことを特徴とする。
また、球面軸受は、球面軸受殻と球面軸受殻が摺動する球面軸受ホルダとを有し、前記磁気トルカは、前記球面軸受ホルダの外周面に沿って球面形状をなすステータと、前記球面軸受ホルダの外周面に沿って球面形状をなすロータとから構成され、前記球面軸受ホルダはセラミックで構成されても良い。
この発明によれば、アンテナ駆動用ジンバル装置において、アンテナの回転半径を小さくすることができるという効果を奏する。
実施の形態1.
実施の形態1に係るアンテナ駆動用ジンバル装置は、球面滑り軸受(以下、球面軸受)内に可動部を配置し、球面軸受の内外周辺に磁気トルカを構成して、可動部にアンテナを取り付けるとともに、アンテナの回転中心に2軸回転するロータリージョイントを配置した。これによって、アンテナの回転半径を小さくしたことを特徴とする。以下、図を用いて実施の形態1のアンテナ駆動用ジンバルについて説明する。
実施の形態1に係るアンテナ駆動用ジンバル装置は、球面滑り軸受(以下、球面軸受)内に可動部を配置し、球面軸受の内外周辺に磁気トルカを構成して、可動部にアンテナを取り付けるとともに、アンテナの回転中心に2軸回転するロータリージョイントを配置した。これによって、アンテナの回転半径を小さくしたことを特徴とする。以下、図を用いて実施の形態1のアンテナ駆動用ジンバルについて説明する。
図1、図2、図3は、この発明の実施の形態1によるアンテナ駆動用ジンバル装置の外観図であり、図1はアンテナ駆動用ジンバル装置の正面図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は磁気トルカ及び球面軸受ホルダを外した状態を示す正面図である。図2は図1の側面図であり、図2(a)は側面図、図1(b)はステータ及び球面軸受ホルダを外した状態を示す側面図である。図3は図1の平面図である。
図において、アンテナ駆動用ジンバル装置は、アンテナ1を有した可動部2と、可動部2を揺動自在に支持する球面軸受9と、球面軸受9を支持する支持部4と、磁気トルカ6と、ロータリージョイント10を備えて構成される。また、アンテナ1、球面軸受殻9a、ホルダ5、可動部側給電部30、及び信号処理部20は、ジンバル可動部2を構成する。説明の都合上、図中に、アンテナ1をヨー軸周りに揺動させる仮想的な回転軸である第1回転軸3aと、アンテナ1をピッチ軸周りに揺動させる仮想的な回転軸である第2回転軸3bを示している。第1回転軸3aと第2回転軸3bは可動部2の回転中心で、アンテナ可動方向を制限しつつ互いに直交している。
アンテナ1は、内部にアンテナ素子の配列されたアンテナ開口面、アンテナ素子に給電する導波管、給電回路や、電力分配器等から構成され、アンテナ素子から電波を送信及び受信する。
球面軸受9は、外周面に球面形状を成す球面軸受殻9aと、内周面に球面形状を成し、球面軸受殻9aとの間に僅かな間隙を有して球面軸受殻9aを摺動可能に支持する球面軸受ホルダ9bと、から構成される。球面軸受殻9aは、球面の一部をリング状に切り出した形状を成している。また、球面軸受ホルダ9bは、球面の外側を2分割して門型に立設した形状を成している。
球面軸受殻9aは可動部の内部機器を保持する回転フレームを兼用している。すなわち、アンテナ1は、球面軸受殻9aに設けられたアンテナ取付穴(図1(b)で球面軸受殻9aの上方に位置する穴)に嵌合され、球面軸受殻9aに取り付けられている。また、可動部側給電部30は、球面軸受殻9aの取付部(図1(b)の球面軸受殻9a下方に位置する部材)に嵌合されて、球面軸受殻9aに取り付けられる。
信号処理部20は、球面軸受殻9aの内部空間に収容されて、1対の可動部側給電部30にそれぞれ取り付けられる。信号処理部20は,送信部と受信部を備えている。アンテナ1と信号処理部20の送信部と受信部との間は、導波管50によって接続されている。一方の可動部側給電部30は、信号処理部20の送信部に接続される送信系の導波管を備え、他方の可動部側給電部30は、信号処理部20の受信部に接続される受信系の同軸線66を備えている。
支持部4は、底板40と、底板40に対し門型を成して立設した1対のフレーム41とから構成される。底板40はアンテナ駆動用ジンバル装置全体を支えており、アンテナ駆動用ジンバル装置を外部機器に据え付けるための固定部を構成している。門型に立設された球面軸受ホルダ9bは、支持部4の底板40に固定されている。
磁気トルカ6は、ロータ6aとステータ6bとの組み合わせ体であり、両者対を成して磁気トルカとして動作する。ステータ6bは、支持部4の底板40に立設され、磁性体で構成される。ステータ6bの内面は球面の一部形状を成す。
また、角度検出器7は、ロータ7aとステータ7bとの組み合わせ体であり、両者対を成して角度検出器として動作する。角度検出器7は、ロータ7aとステータ7bの両方に巻線方向が互いに直交する2つのコイルを設けて構成される。ステータ7bのコイルに交流電流を流すと、ロータ7aの回転角によってロータ7aの2つのコイルが出力する交流電圧の位相が変化する。角度検出器7は、この位相情報に基づいてロータ7aの回転角を求めることができる。支持部4の底板40には、フレーム41を間に挟む反対側に、ステータ7bが立設している。ステータ7bの内面は球面の一部形状を成す。なお、図3では図示の都合上、ロータ6a、7aに線が重ならないように球面軸受殻9aの左右を切欠いて図示しているが、球面軸受殻9aは図示部には切欠きがなく円弧形状を成している。
1対の支持部側給電部70は1対のフレーム41にそれぞれ支持される。一方の支持部側給電部30は、信号処理部20の送信部に接続される送信系の導波管を備え、他方の支持部側給電部30は、信号処理部20の受信部に接続される受信系の同軸線66を備えている。
可動部側給電部30には、球面軸受殻9aの回転中心に対しアンテナ1と反対側に1対のホルダ5が設けられている(図1(b)の下方に位置する)。
対をなす一方のホルダ5の外面は球面形状部を有し、この球面形状部分にロータ6aの内面が固定されている。ロータ6aは内外面が球殻の一部形状をなし、コイルで構成される。ロータ6aの外周面は、球面軸受殻9aの摺動面を含む球面に接して配置されている。
対をなす一方のホルダ5の外面は球面形状部を有し、この球面形状部分にロータ6aの内面が固定されている。ロータ6aは内外面が球殻の一部形状をなし、コイルで構成される。ロータ6aの外周面は、球面軸受殻9aの摺動面を含む球面に接して配置されている。
対をなす他方のホルダ5は、球面軸受殻9aの回転中心を挟んで一方のホルダ5と反対側に、ロータ7aを固定している。他方のホルダ5の外面は球面形状部を有し、この球面形状部分にロータ7aの内面が取り付けられている。ロータ7aは内外面が球殻の一部形状をなす。ロータ7aの外周面は、球面軸受殻9aの摺動面を含む球面に接して配置されている。
また、ホルダ5は切欠き部を有し、切欠き部内に角速度検出器8が収容され固定されている。角速度検出器8は、第1回転軸3a、及び第2回転軸3bまわりの角速度を検出する。
また、ホルダ5は切欠き部を有し、切欠き部内に角速度検出器8が収容され固定されている。角速度検出器8は、第1回転軸3a、及び第2回転軸3bまわりの角速度を検出する。
ロータリージョイント10は、固定部60と、回転部61と、回転部62と、軸受63を備えて構成される。回転部61は、1対の固定部60の間に配置され、軸受63によって固定部60に対し第2回転軸3b周りに回転可能に軸支される。1対の回転部62は、回転部61の両側にそれぞれ配置され、軸受63によって回転部61に対し第1回転軸3a周りに回転可能に軸支される。回転部61は、内部にベンドを有した円形導波管65と同軸線66が形成されている。1対のフレーム41は、ロータリージョイント10の1対の固定部60をそれぞれ軸支している。回転部61の回転軸と回転部62の回転軸(第1回転軸3a、第2回転軸3b)は直交し、その2つの回転軸の交差点は可動部2の回転中心に位置している。また、導波管65及び同軸線66は、それぞれの両端部の中心が回転部62の中心(第1回転軸3a)もしくは固定部60の中心(第2回転軸3b)に一致するように配置されている。1対の支持部側給電部70は、ロータリージョイント10の1対の固定部60にそれぞれ接続される。可動部側給電部30はロータリージョイント10の回転部62に接続される。
なお、信号処理部20の受信部出力が導波管に接続されている場合は、可動部側給電部30に接続されるロータリジョイント10は、同軸線66の代わりに導波管を用いても良いことは言うまでもない。
これによって、支持部側給電部70が導波管65、同軸線66を介して可動部側給電部30に接続されるので、可動部側給電部30が支持部側給電部70に対して第1回転軸3a及び第2回転軸3bの周りに回転しても、可動部側給電部30と支持部側給電部70との間で、導波管もしくは同軸線66を通じた電気的な接続が維持される。なお、図3に示した例はロータリージョイント10の一例であり、特に導波管形状や同軸線66の配線形状には様々な態様があって、図3の例に限られたものではない。
以上説明したように、この実施の形態1は次の構成を特徴とする。
球面軸受9を構成する球面軸受殻9aは、可動部2の外周に配置され支持部4に固定された球面軸受ホルダ9bに対して、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を回転の中心とした球面で構成された2軸独立構造を有し、可動部2の外周に配置される。すなわち、第1回転軸3a及び第2回転軸3bの交点は、球面軸受の中心に一致している。
球面軸受9を構成する球面軸受殻9aは、可動部2の外周に配置され支持部4に固定された球面軸受ホルダ9bに対して、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を回転の中心とした球面で構成された2軸独立構造を有し、可動部2の外周に配置される。すなわち、第1回転軸3a及び第2回転軸3bの交点は、球面軸受の中心に一致している。
また、磁気トルカを構成するロータ6aは、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を中心とする球面で構成された2軸独立構造を有し、可動部2の外周における球面軸受周辺に配置されている。磁気トルカを構成するステータ6bは、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を中心とする球面で構成された2軸独立構造を有し、可動部2の外周に配置され、支持部4の底板40に固定されている。
更に、角度検出器を構成するロータ7aは、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を回転の中心とした球面で構成された2軸独立構造を有し、可動部2の外周における球面軸受周辺に配置される。ステータ7bは、直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの交点である回転中心を中心とする球面で構成され、可動部2の外周に配置されて、支持部4の底板40に固定される。
更にまた、ロータリージョイント10の回転中心が、第1回転軸3a及び第2回転軸3bの交点である球面軸受9の回転中心に一致している。
なお、ホルダ5は、可動部2の重心位置を第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの回転中心に合わせるようにバランスを取るための、バランス部材として用いられている。
なお、ホルダ5は、可動部2の重心位置を第1回転軸3a、及び第2回転軸3bの回転中心に合わせるようにバランスを取るための、バランス部材として用いられている。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
支持部側給電部70の導波管からロータリージョイント10を介して可動部側給電部30の導波管に送出された送信信号は、信号処理部20の送信部に給電される。信号処理部20は、送信部に給電された送信信号を電力増幅してアンテナ1に送信電波を送出し、アンテナ1は送信電波を放射する。また、アンテナ1で受けた受信電波は導波管を経由して信号処理部20の受信部に出力され、受信部では受信信号の信号処理を行う。例えば、受信信号を低雑音増幅し、増幅した受信信号と送信信号とを周波数混合してビデオ信号を生成する。信号処理部20で信号処理されたビデオ信号は、可動部側給電部30の同軸線66を通じてロータリージョイント10に入力される。ロータリージョイント10は入力信号を支持部側給電部70の同軸線66に出力する。
支持部側給電部70の導波管からロータリージョイント10を介して可動部側給電部30の導波管に送出された送信信号は、信号処理部20の送信部に給電される。信号処理部20は、送信部に給電された送信信号を電力増幅してアンテナ1に送信電波を送出し、アンテナ1は送信電波を放射する。また、アンテナ1で受けた受信電波は導波管を経由して信号処理部20の受信部に出力され、受信部では受信信号の信号処理を行う。例えば、受信信号を低雑音増幅し、増幅した受信信号と送信信号とを周波数混合してビデオ信号を生成する。信号処理部20で信号処理されたビデオ信号は、可動部側給電部30の同軸線66を通じてロータリージョイント10に入力される。ロータリージョイント10は入力信号を支持部側給電部70の同軸線66に出力する。
磁気トルカを構成するロータ6a及びステータ6bは、所定の制御電流を通電することによって、アンテナ1を含む可動部2を駆動するトルクを得る。磁気トルカにより得られたトルクによって、可動部2は直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3b周りに揺動する。また、角度検出器を構成するロータ7aとステータ7bは、その相対角度変位に応じて、第1回転軸3a及び第2回転軸3bまわりの回転角を検出し、検出した角度情報を出力する。
図4は、磁気トルカ6の構造の一例を示すものであり、(a)は磁気トルカのロータの構成例を示す図、(b)は磁気トルカのステータの構成例を示す図である。図において、磁気トルカ6は2軸方向に可動できるように構成される。具体的には、ロータ6aは、摺動する球面内に各可動軸方向に対応した複数のコイル101、102を交互に平行に配置し(図の一点鎖線がピッチ方向、図の点線がヨー方向)、両可動軸方向のコイルを直交配置している。コイル101、102は矩形リング状の磁性材料の心材(磁性体)104の周囲にそれぞれ巻線される。それぞれのコイル101、102は、電流制御器103に接続されている(図中、コイル101、102と電流制御器103との接続を一部略す)。
ステータ6bは、ロータ6aが摺動する球面内に、隣接する磁石の極が異なるように、N極とS極の磁石を交互に二次元配置している。ロータ6aの隣接するコイル101、102は、紙面に垂直方向に磁界が発生するようにコイルを巻き、巻き方向は同一にする。コイル101、102に流す電流を電流制御器103で制御し、コイル101、コイル102に流す電流の方向を逆にすることにより、ロータ6aがステータ6bに対して摺動する球面の接線方向に電磁力を得る。これによって、ロータ6aがステータ6bに対して駆動するトルクが得られる。また、制御電流の大きさを変えることにより、トルクの大きさを所望の大きさに可変することができる。なお、制御方式についてはこれに限られない。
以上の構成により、この実施の形態1によるアンテナ駆動用ジンバル装置は、球面軸受殻9a及び球面軸受ホルダ9bで構成される球面軸受9を用いて可動部2を回転可能に支持することによって、可動部2を軸支する軸受を支える支持部フレームとアンテナ1との干渉を避けることができる。また、アンテナ1と干渉する部品は、支持部4に固定されたフレーム41に両端を支持され、第1回転軸3a及び第2回転軸3bの2軸周りに回転するロータリージョイント10程度の大きさをなした小型で軽量なものに限られる。このため、アンテナ1と第1回転軸3a及び第2回転軸3bとの距離を短くすることができる。また、これによりアンテナ1の回転半径が小さくなり、可動部を小型化することができる。ひいては、アンテナ1の首振角をより大きく取ることができる。
なお、フレーム41は、ロータリージョイント10を支持する両端の間隔を、アンテナ1の幅よりも短くすることができ、図1の例ではアンテナ1の幅よりも半分以上短い。
なお、フレーム41は、ロータリージョイント10を支持する両端の間隔を、アンテナ1の幅よりも短くすることができ、図1の例ではアンテナ1の幅よりも半分以上短い。
また、2軸独立構造を有する磁気トルカ(ロータ6a、ステータ6b)と角度検出器(ロータ7a、ステータ7b)を、可動部外周に配置するとともに、各ロータとステータを球面軸受殻9aと球面軸受ホルダ9bにそれぞれ分離配置しているので、磁気トルカと角度検出器の構成品が全て可動部2に取り付けられる場合に比べて、可動部2の質量を軽量化することができる。
更に、トルカ、角度検出器等がアンテナ1と干渉しないので、アンテナ1と第1回転軸3a及び第2回転軸3bとの距離を更に短くすることができ、アンテナ1の回転半径がより小さくなって、可動部を更に小型化できる。
更にまた、アンテナ1の質量と、第1回転軸3a及び第2回転軸3bとアンテナ1との距離に比例して増加する、アンテナ回転軸まわりのアンバランスモーメントを、小さくすることができる。このため、バランス部材を小型化することができるとともに、可動部の質量を更に軽量化できる。
また、アンテナ1の回転半径が小さく、かつ可動部の質量が軽量化することにより、可動部の捩り共振周波数を高域に移動させることができ、結果的に可動部剛性を高くすることができる。また、これによって制御帯域を高くできるので、振動外乱に対して安定した制御系を構成することが可能となる。
加えて、回転軸まわりの慣性モーメントを小さくできるため、2軸独立構造を有する磁気トルカ(ロータ6a、ステータ6b)で発生する所要トルクを小さくすることが可能となる。
ここで、アンテナ1の回転半径が小さくなる理由について更に説明する。
図5は、従来のアンテナ駆動用ジンバルと、実施形態1のアンテナ駆動用ジンバルとの、回転半径の相違を説明するための概念図である。図5(a)は従来のアンテナ駆動用ジンバル、図5(b)は実施形態1のアンテナ駆動用ジンバルを示す。
図5は、従来のアンテナ駆動用ジンバルと、実施形態1のアンテナ駆動用ジンバルとの、回転半径の相違を説明するための概念図である。図5(a)は従来のアンテナ駆動用ジンバル、図5(b)は実施形態1のアンテナ駆動用ジンバルを示す。
図5(a)において、従来のアンテナ駆動用ジンバルは、フレーム16によってアンテナ1の回転軸101が回転自在に軸支されている。フレーム16は、玉軸受やコロ軸受等の転がり軸受103によって回転軸101を支持している。したがって、フレーム16は転がり軸受103を嵌め込む必要上、フレーム16の最上面(両肩)は回転軸101からある程度の高さを有している。また、アンテナ1の回転軸102が回転軸101に対して回転自在に軸支されている。フレーム16内側もしくは外側(図示の例では内側)の回転軸101上には、アンテナ1に回転力を与えるトルカ14と、アンテナ1の回転角度を検出する角度検出器15を備えている。100はアンテナ1の回転中心を示す。
一方、図5(b)において、実施形態1によるアンテナ駆動用ジンバルは、球面軸受9によってアンテナ1が回転自在に軸支されている。100はアンテナ1の回転中心を示す。球面軸受9の回転中心部周辺には、ロータリージョイント10が設けられている。ロータリージョイント10はフレーム41に支持されている。フレーム41は重量が軽く小型のロータリージョイント10のみを支持すればいいので、フレーム41の最上面(両肩)は回転中心100に対しロータリージョイント10の外径程度の高さを持っていれば良い。なお、トルカ6と角度検出器7は、球面軸受9の摺動面、極端に言えば球面軸受9内部に設けられているので、その図示を省略した。
図5(a)の従来のアンテナ駆動用ジンバルの概念図において、回転中心100の周りに回転軸102がアンテナ1の首振り角を取ったとき、小さなアンテナ首振り角でもアンテナ1とフレーム16とが干渉する。これは、フレーム16の両肩の幅が広く、かつフレーム16の両肩の高さが高いからである。また、回転軸101上にモータ16と角度検出器14が配置されるので、それとの干渉を避けられる位置まで、回転中心100から離した位置にアンテナ1を配置する必要がある。したがって、アンテナの回転半径は自然と大きくなってしまう。
これに対し、図5(b)の実施形態1のアンテナ駆動用ジンバルの概念図にて回転中心10の周りにアンテナ1の首振り角をとったとき、フレーム41の両肩の幅が短く、かつフレーム41の両肩の高さが低いので、アンテナ1とフレーム41は、大きなアンテナ首振り角を取っても干渉しない。したがって、アンテナの回転半径を、図5(a)に比して短くすることができる。
以上説明したとおり、この実施の形態1によるアンテナ駆動用ジンバル装置は、アンテナ1及び可動部側給電部30を有する可動部2と、可動部2を球面内で揺動可能に支持する球面軸受9と、球面軸受9を固定し、支持部側給電部70が設けられた支持部4と、球面軸受周辺に設けられ、可動部2に回転トルクを与える磁気トルカ6と、支持部側給電部70が取り付けられた固定部60と可動部側給電部30に取り付けられた回転部62とを有して、可動部側給電部30を支持部側給電部70に対して直交する2軸周りに回転可能に接続したロータリージョイント10とを備えて、ロータリージョイント10を可動部2の回転中心に配置しているので、アンテナの回転半径を小さくすることができるという効果を奏する。
また、これによって、可動部質量の低減、可動部慣性モーメントの低減、可動部剛性の向上、及びアンテナ首振角の増大を可能とするアンテナ駆動用ジンバル装置を得ることができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2におけるアンテナ駆動用ジンバル装置の外観図であり、アンテナを第2回転軸3bまわりに回転させた状態を表す図である。同図中、実施の形態1と同一符号のものは同一のものである。
図6は、この発明の実施の形態2におけるアンテナ駆動用ジンバル装置の外観図であり、アンテナを第2回転軸3bまわりに回転させた状態を表す図である。同図中、実施の形態1と同一符号のものは同一のものである。
この実施の形態2では、可動部2の外周に配置した球面軸受ホルダ(電波透過性球面軸受ホルダ)18として、セラミックス素材から成形されたセラミック製球面軸受ホルダを用いる。勿論、球面軸受ホルダ18として、高剛性かつ電波透過性が良い複合材料等の他の材料を用いても良いことは言うまでもない。
次に、この発明の作用について説明する。アンテナ首振角が大きくなった場合、アンテナ1で送信または受信する電波19は、可動部外周に配置した球面軸受ホルダ18によりブロッキングされる。しかし、球面軸受ホルダ18の厚さtを、次の数1により求めた波長λの半分の整数倍とすることにより、電波19は透過損失を小さくした状態で球面軸受ホルダ18を透過できる。
したがって、アンテナ1で送信または受信する電波19は、球面軸受ホルダ18を小さい透過損失で透過することができるため、ブロッキングに対してアンテナ首振角のを設ける必要が無くなり、アンテナ首振角を増大できる。また、ブロッキングによるアンテナの利得低下を低減することができる。
波長λは、光速c、材料の比透磁率μ、材料の比誘電率ε、及び伝搬周波数fの関係から、数1で求める。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3におけるアンテナ駆動用ジンバル装置の外観図である。同図中、実施の形態1と同一符号のものは同一のものである。
図において、信号処理部12は、第1回転軸3a及び第2回転軸3bに対してアンテナ1と反対に配置したものであり、ホルダ13はバランス部材として作用する。
図7は、この発明の実施の形態3におけるアンテナ駆動用ジンバル装置の外観図である。同図中、実施の形態1と同一符号のものは同一のものである。
図において、信号処理部12は、第1回転軸3a及び第2回転軸3bに対してアンテナ1と反対に配置したものであり、ホルダ13はバランス部材として作用する。
次に、この実施の形態3の動作について説明する。アンテナ1の質量により発生する直交する第1回転軸3a、及び第2回転軸3bまわりのアンバランスモーメントを小さくするため、前記回転軸に対しアンテナ1と反対に信号処理部12を配置する。これによって、アンテナ1配置側の質量を軽量化可能とする。
また、前記回転軸に対しアンテナ1と信号処理部12を反対に配置することにより、前記回転軸まわりに発生するアンバランスモーメント小さくできるため、アンバランスモーメントをキャンセルするためのバランス部材を小型化できる。すなわち、ホルダ13は、実施の形態1で説明したホルダ5よりも大きさと重量を小さくすることができる。
したがって、アンテナ可動部の質量を更に軽量化でき、可動部の剛性をより向上することが可能となり、更には第1回転軸3a及び第2回転軸3bまわりの慣性モーメントを小さくできる。
なお、以上説明した実施の形態1〜3によるアンテナ駆動用ジンバル装置は、搭載機器の小型軽量化が必要とされる、飛しょう体への搭載に適しているが、アンテナの小型化を図る必要のあるものならば、他の移動体に搭載しても良い。
1 アンテナ、2 可動部、3a 第1回転軸、3b 第2回転軸、4 支持部、5 ホルダ、6 磁気トルカ、6a ロータ、6b ステータ、7 角速度検出器、7a ロータ、7b ステータ、8 角速度検出器、9 球面軸受、9a 球面軸受殻、9b 球面軸受ホルダ、10 ロータリージョイント、12 信号処理部、13 ホルダ、18 球面軸受ホルダ、20 信号処理部、30 可動部側給電部、40 底板、41 フレーム、70 支持部側給電部、101 コイル、102 コイル、103 電流制御器。
Claims (4)
- アンテナ及び可動部側給電部を有する可動部と、
前記可動部を球面内で揺動可能に支持する球面軸受と、
前記球面軸受を固定し、支持部側給電部が設けられた支持部と、
前記球面軸受周辺に設けられ、前記可動部に回転トルクを与える磁気トルカと、
前記可動部側給電部が取り付けられた回転部と、前記支持部側給電部が取り付けられ支持部に固定された固定部を有し、前記可動部側給電部を前記支持部側給電部に対して直交する2軸周りに回転可能に接続したロータリージョイントと、
を備え、
前記ロータリージョイントは、前記可動部の回転中心に配置されたことを特徴とするアンテナ駆動用ジンバル装置。 - 前記球面軸受は、球面軸受殻と、球面軸受殻が摺動する球面軸受ホルダとを有し、
前記磁気トルカは、前記球面軸受ホルダの外周面に沿って球面形状をなすステータと、前記球面軸受ホルダの外周面に沿って球面形状をなすロータとから構成されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ駆動用ジンバル装置。 - 前記球面軸受は、セラミックで構成されることを特徴とする請求項2記載のアンテナ駆動用ジンバル装置。
- 前記可動部は、回転中心に対してアンテナと反対側に、アンテナの送信もしくは受信信号を処理する信号処理部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のアンテナ駆動用ジンバル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006050036A JP2007228503A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | アンテナ駆動用ジンバル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006050036A JP2007228503A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | アンテナ駆動用ジンバル装置 |
Publications (1)
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JP2007228503A true JP2007228503A (ja) | 2007-09-06 |
Family
ID=38549824
Family Applications (1)
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JP2006050036A Pending JP2007228503A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | アンテナ駆動用ジンバル装置 |
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JP (1) | JP2007228503A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115436882A (zh) * | 2021-06-01 | 2022-12-06 | 广州极飞科技股份有限公司 | 旋转雷达和无人机 |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006050036A patent/JP2007228503A/ja active Pending
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