JP2007227690A - リフレクターとそれを用いた発光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】高輝度・高効率の小型発光モジュールと、それに用いるリフレクターを提供する。
【解決手段】複数の凹面反射面RSを有する単一のリフレクターRTであって、各凹面反射面RSがリフレクターRTの中心軸CXに対して回転対称に配置されている。各凹面反射面RSは隣接する凹面反射面RSとの境界において外形の一部が切り欠かれており、リフレクターRTをその中心軸CXに沿って正面から見たとき、隣接する凹面反射面RSとの境界がリフレクターRTの中心軸CXに向いた直線を成している。
【選択図】図2

Description

本発明はリフレクターとそれを用いた発光モジュールに関するものであり、例えば、LED(light emitting diode:発光ダイオード)チップを発光体とする反射型の発光モジュールと、それに用いるリフレクターに関するものである。
特許文献1には、凹面反射面を有するリフレクターとLEDチップとを組み合わせて成る反射型の発光モジュールが提案されている。その発光モジュールは、リフレクターで反射した光のみを射出する、いわゆる反射型LEDの構成になっている。その構成では、LEDチップに接続された電極リードが放熱体としても作用するため、ある程度の高効率化が可能となる。特許文献2には、凹面反射面を有する1つのリフレクターに複数のLEDチップを配置して成る反射型の発光モジュールが提案されている。その発光モジュールは、複数のLEDチップを1つの反射面で配光する構成になっているため、高輝度化が可能となる。
特開2005−322701号公報 特開2002−9347号公報
特許文献1記載の発光モジュールの用途として例えばプロジェクターの照明用光源装置を想定した場合には、高輝度化のために同一の発光モジュールを複数並列に並べる必要がある。そして、複数の発光モジュールを並列に配置すると、全体が大型化してしまうと同時に表示パネルに対する照明が非効率になってしまう。特許文献2記載の発光モジュールでは、1つの反射面に対し複数のLEDチップが用いられるため、光源の大きさが実質的に大きくなってしまう。その結果、配光角度が非常に大きくなってしまい、配光特性に優れた高効率の発光モジュールを実現することができなくなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、高輝度・高効率の小型発光モジュールと、それに用いるリフレクターを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明のリフレクターは、複数の凹面反射面を有する単一のリフレクターであって、各凹面反射面は隣接する凹面反射面との境界において外形の一部が切り欠かれていることを特徴とする。
第2の発明のリフレクターは、複数の凹面反射面を有する単一のリフレクターであって、各凹面反射面がリフレクターの中心軸に対して回転対称に配置されており、リフレクターをその中心軸に沿って正面から見たとき、隣接する凹面反射面との境界がリフレクターの中心軸に向いた直線を成していることを特徴とする。
第3の発明のリフレクターは、上記第1又は第2の発明において、前記凹面反射面が少なくとも1つの焦点を持つ回転対称面であり、前記凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点から焦点までの距離とほぼ等しく、前記回転対称面が2以上の焦点を持つ場合には前記凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点からその面頂点に近い方の焦点までの距離とほぼ等しいことを特徴とする。
第4の発明の発光モジュールは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明に係るリフレクターと、前記凹面反射面と同数のLEDと、を有する発光モジュールであって、前記LEDがLEDチップとLEDチップを固定する電極リードを有しており、前記LEDチップが各凹面反射面の焦点位置又はその近傍に配置されており、各LEDチップに対し電極リードが前記凹面反射面とは反対側に配置されていることを特徴とする。
第5の発明の発光モジュールは、上記第4の発明において、前記凹面反射面を4面有することを特徴とする。
第6の発明の発光モジュールは、上記第4又は第5の発明において、前記LEDの発光色がRGBの少なくとも3色であることを特徴とする。
第7の発明の発光モジュールは、上記第4〜第6のいずれか1つの発明において、前記電極リードの形状が、前記凹面反射面の光軸に対して垂直な平面上でのサイズのうち最も小さいサイズよりも、前記凹面反射面の光軸に対して平行方向のサイズの方が大きいことを特徴とする。
第8の発明の発光モジュールは、上記第4〜第7のいずれか1つの発明において、前記LEDチップと接している電極リードが全て同一方向を向いていることを特徴とする。
第1又は第2の発明によれば、リフレクターが複数の凹面反射面を有する単一構成になっているため、高輝度・高効率としながら全体の小型化が可能になるとともに組み立て作業が不要になる。さらに、隣接する凹面反射面との境界において各凹面反射面の外形の一部が切り欠かれており、あるいはリフレクターをその中心軸に沿って正面から見たとき、隣接する凹面反射面との境界がリフレクターの中心軸に向いた直線を成しているため、リフレクターがその中心軸に対して垂直方向に小さくなって、より一層の小型化が可能となる。したがって、高輝度・高効率の小型発光モジュールを実現することができる。また第2の発明によれば、各凹面反射面がリフレクターの中心軸に対して回転対称に配置されているため、均質発光の可能な高輝度・高効率の小型発光モジュールを実現することができ、一般的な回転対称光学系に適用した場合に照明ムラ等を防止することができる。
第3の発明によれば、凹面反射面が少なくとも1つの焦点を持つ回転対称面であり、凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点から焦点までの距離とほぼ等しく、回転対称面が2以上の焦点を持つ場合には凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点からその面頂点に近い方の焦点までの距離とほぼ等しくなっているため、リフレクターをその中心軸に対して垂直方向及び平行方向に小さくするとともに、光の利用効率及び配光特性を良好にすることができる。
第4の発明によれば、LEDチップが各凹面反射面の焦点位置又はその近傍に配置されており、各LEDチップに対し電極リードが凹面反射面とは反対側に配置されているので、LEDチップからの光はほとんど全て凹面反射面で反射される。このため、高い光利用効率を達成することができる。また、電極リードが放熱体として作用するため、LEDチップの高温化を防止して高輝度化を達成することができる。
第5の発明によれば、リフレクターが凹面反射面を4面有する構成になっているため、リフレクターの外形(つまり、リフレクターをその中心軸に沿って正面から見たときの形状)が正方形に近くなる。したがって、複数の発光モジュールを中心軸が互いに平行になるように水平方向や垂直方向に並べる際、隙間が生じないように密に並べることができる。また第6の発明によれば、LEDの発光色が3原色RGBの少なくとも3色になっているため、フルカラー発光可能な発光モジュールとすることができる。
第7の発明によれば、電極リードの形状が、凹面反射面の光軸に対して垂直な平面上でのサイズのうち最も小さいサイズよりも、凹面反射面の光軸に対して平行方向のサイズの方が大きい構成になっているため、電極リードで遮光される反射光量を最小限に抑えながら、電極リードによる高い放熱効果を得ることができる。また第8の発明によれば、LEDチップと接している電極リードが全て同一方向を向いた構成になっているため、冷媒(空気,液体等)の流れを妨げることなく電極リードに冷媒を触れさせることにより、放熱効果を向上させて高輝度化を達成することができる。
以下、本発明に係るリフレクターとそれを用いた発光モジュールの実施の形態等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1(A)に4つの凹面反射面RSを有するリフレクターRTの一実施の形態を示し、図2にリフレクターRTにおける各凹面反射面RSの形状,位置関係等を示す。図1(A)は凹面反射面RSの正面側外観を示しており、図2(A)は凹面反射面RSの断面形状を示しており、その光軸AX及び中心軸CXと対応するように、凹面反射面RSの正面側外観を図2(B)で示している。図1(A)及び図2に示すリフレクターRTは、凹面反射面RSを4面有する単一構成になっている。このようにリフレクターが複数の凹面反射面を有する構成であれば、各凹面反射面に発光体(例えばLEDチップ)を配置することにより、発光装置(後述する発光モジュールMJに相当する。)の高輝度化が可能となる。その高輝度化は発光体の数が多いほど向上するので、必要とされる輝度が高いほど凹面反射面の数を多く設定することにより、高輝度化の要求に応えることができる。図3に、凹面反射面RSの数が異なる3つのタイプのリフレクターRTの具体例を示す。図3において、(A)は凹面反射面RSを3面有するリフレクターRTを示しており、(B)は凹面反射面RSを4面有するリフレクターRT(図1(A)及び図2に示すリフレクターRTと同じ構成である。)を示しており、(C)は凹面反射面RSを5面有するリフレクターRTを示している。
上記のように複数の凹面反射面を有するリフレクターが単一構成であることにより、全体の小型化が可能になるとともに組み立て作業等が不要になる。1つの凹面反射面を有するリフレクターを並列に複数並べようとすると、並べることで誤差が発生し、並べて組み立てるという行為が必要になり、リフレクター間に隙間が生じることにもなる。これは発光装置全体の大型化、さらには出てくる光の大型化に起因するシステム(照明光学系等)の大型化といった問題を招くことになる。複数の凹面反射面が一体化されていれば、こういった問題は生じない。したがって、複数の凹面反射面を有するリフレクターを単一構成とすることが好ましい。
一般に、発光体の発光面積が同じであれば同じ明るさが得られるので、例えば、1つの凹面反射面で発光面積を4倍にしようとすると、4個の発光体と2倍の大きさの凹面反射面が必要になる。1つの凹面反射面で4個の発光体を用いた場合、光学的感度を同じにすれば発散角が大きくなるので、焦点距離を2倍に大きくしなければならなくなる。焦点距離を大きくすると、凹面反射面は深くなるため発光装置は光軸方向に厚くなってしまう。また、発光体同士近いので冷却しにくいという問題も生じる。1つの凹面反射面に3原色RGB3つの発光体を用いた場合も同様であり、各色で発散角が異なってしまうことから上記と同様の問題が発生する。それに対し、図1(A)及び図2に示すリフレクターRTのように複数の凹面反射面を有する構成とすれば、各凹面反射面に発光素子を配置することにより、発散角や焦点距離を大きくしなくても発光面積を大きくすることが可能となる。つまり、発光装置を厚くせずに高輝度化を達成することができる。
図1(A)及び図2に示すリフレクターRTは、各凹面反射面RSがリフレクターRTの中心軸CXに対して回転対称に配置された構成になっている。このように各凹面反射面がリフレクターの中心軸に対して回転対称に配置された構成であれば、一般的な回転対称光学系に適用した場合に照明ムラ等を防止することができる。例えば、プロジェクター等への応用を考えた場合、デジタル・マイクロミラー・デバイス(digital micromirror device)やLCD(liquid crystal display)等の空間変調素子、照明光学系、投影光学系等は回転対称軸を持っているのが通例である。そのような光学構成へ応用する場合、発光装置からの光にムラが発生しないようにするため、各凹面反射面がリフレクターの中心軸に対して回転対称であることが好ましい。
図1(A)及び図2に示すリフレクターRTは、各凹面反射面RSの隣接構成に特徴のある構成になっている。例えば、各凹面反射面RSは隣接する凹面反射面RSとの境界において外形の一部が切り欠かれている点に特徴がある。その切り欠かれた部分は、図1(A)及び図2(B)に示す直線状の境界を構成するので、この観点から言えば、リフレクターRTをその中心軸CXに沿って正面から見たとき、各凹面反射面RSが隣接する凹面反射面RSとの境界がリフレクターRTの中心軸CXに向いた直線LNを成している点に特徴がある。つまり、リフレクターRTを正面側から見たとき、隣接する凹面反射面RSとの境界はリフレクターRTの中心軸CXを中心として放射状に延びる直線LNを成している点に特徴がある。各凹面反射面RSの隣接構成を上記のように設定することは、以下に説明するように、発光装置の高輝度・高効率化を損なうことなくリフレクターRTの小型化に大きく寄与する。
図1(A)に示すリフレクターRTとの比較のために、4つの凹面反射面RS’を有するリフレクターRT’の正面側外観を図1(B)に示す。4つの凹面反射面RS’は、図1(A)に示す実施の形態と同様、リフレクターRTの中心軸CXに対して回転対称に配置されている。ただし、同一サイズの円形状開口を有する4つの凹面反射面RS’は、隣接するものに対して一点で接するように配置されている。この配置では、凹面反射面RS’間に大きな隙間が存在するため光利用効率が低くなる。図1(B)に示す接触状態から、光軸AX間距離を短縮するように各凹面反射面RS’を中心軸CXに近づけていくと、中心軸CXに対する回転対称性を保ちながら、隣接する凹面反射面RS’との接点から各凹面反射面RS’の外形の一部が切り欠かれていく。その切り欠かれた部分が境界となり、2つの凹面反射面RS’の重なりが凹形状の曲線を成すことになる。
上記2つの凹面反射面RS’の重なりから成る凹形状の曲線を中心軸CXに沿って見ると、その射影形状(つまり中心軸CXに対して垂直な平面に射影された曲線の形状)は直線である。その直線は、各凹面反射面RS’が中心軸CXに近づいていくにしたがって長くなり、それとともに凹面反射面RS’間の隙間とリフレクターRT’全体のサイズは小さくなっていく。そして、全ての直線が中心軸CXの位置に到達すると、図1(A)に示すように凹面反射面RS間に隙間の無い状態が得られ、隣接する凹面反射面RSとの境界がリフレクターRTの中心軸CXから放射状に延びる直線LNとなる。この隙間の無い状態に達したときの光軸AX間距離(すなわち隣接する凹面反射面RSの回転中心間隔)は、各凹面反射面RSの開口直径(つまり外形直径)よりも当然短いが、必要に応じて光軸AX間距離を更に短縮してもよい。その設定は、必要とされる条件(リフレクター全体のサイズ,凹面反射面のサイズ,凹面反射面の数等)に応じて適宜決定すればよいが、一般的なプロジェクター用の発光装置を想定した場合、各条件のバランスを考慮して、光軸AX間距離は各凹面反射面の開口半径(つまり外形半径)よりも短いことが好ましい。
上述したように、各凹面反射面が隣接する凹面反射面との境界において外形の一部が切り欠かれた構成、あるいは、リフレクターをその中心軸に沿って正面から見たとき、隣接する凹面反射面との境界がリフレクターの中心軸に向いた直線を成す構成にすれば、凹面反射面同士が密に詰まるため、発光装置の高輝度・高効率化を損なうことなくリフレクターの外形を小さくして、リフレクター全体を小型化することが可能となる。なお、凹面反射面の外形の一部を切り欠くと、その切り欠き部は正面側に凹の曲線となるので、隣り合う凹面反射面との境界が正面側に凹の曲線となっているものは、凹面反射面の外形の一部を切り欠いたものとみなす。
凹面反射面が少なくとも1つの焦点を持つ回転対称面(例えば、球面;放物面,楕円面,多項式非球面等の回転対称非球面)であり、凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点から焦点までの距離とほぼ等しく、回転対称面が2以上の焦点を持つ場合(例えば楕円面の場合)には凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点からその面頂点に近い方の焦点までの距離とほぼ等しい構成とすれば、リフレクターを径方向及び厚み方向に小さくするとともに、光の利用効率及び配光特性を良好にすることができる。例えば図1(A)及び図2に示すリフレクターRTの場合、図2(A)の断面で示すように、凹面反射面RSの光軸AX方向の厚みdは、凹面反射面RSの面頂点Oから焦点Fまでの距離とほぼ等しくなっている。これに対し、図2(A)において破線で示すように、凹面反射面RSの光軸AX方向の厚みd’が凹面反射面RSの面頂点Oから焦点Fまでの距離よりも大きければ、リフレクターRTが径方向(リフレクターRTの中心軸CXに対して垂直方向),厚み方向(リフレクターRTの中心軸CXに対して平行方向)共に大きくなることは一目瞭然である。なお、ここでいう焦点は厳密な意味での焦点のみを意味するものではなく、ある物点から光を放射させたとした場合に、凹面反射面により集光される位置を焦点とする。
また、回転対称面から成る凹面反射面を用いる場合、発光体(例えばLEDチップ)は焦点付近に配置されるのが一般的であり、それにより配光特性を最適化することができる。その際、発光体は電極リードに固定されているために、発光体からの光は図2(A)中の左側(つまり凹面反射面RS側)へ半球状に発せられることになる。したがって、凹面反射面RSの光軸AX方向の厚みdを凹面反射面RSの面頂点Oから焦点Fまでの距離以上に厚くしても、その厚くした部分(破線部分)には光が到達しないので、リフレクターRTは無駄に大きくなってしまう。配光特性を良好にするために焦点付近に発光体を配置することを考えた場合、光利用効率を良好にしながら凹面反射面を必要最小限の大きさにしようとすれば、凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点から焦点(2以上ある場合は面頂点に近い方の焦点)までの距離とほぼ等しい構成とするのが好ましく、それにより、最も小型で最も光利用効率の良いリフレクターで配光特性の良好な発光装置を実現することができる。
図1(A)及び図2に示すリフレクターRTを備えた発光モジュールMJの外観を、図4の斜視図と図5の正面図で示す。この発光モジュールMJは、リフレクターRTと、凹面反射面RSと同数のLEDと、を有する発光装置の一例であり、搭載されているLEDは、その構成要素として、LEDチップTP,電極リード(アノード)LA及び電極リード(カソード)LCを有している。発光体として用いられているLEDには、小型・安価で低消費電力であるというメリットがある。また、電球のように切れないため交換不要であり、放電ランプのように発光開始までに時間がかからず速やかに起動できる等のメリットもある。リフレクターRTは凹面反射面RSを有するミラーケースから成っており、凹面が形成されたプラスチック板の凹面部分にアルミニウム,銀等のコーティングを施して凹面反射面RSとしている。凹面反射面RSにはLEDチップTP等を保護するためにエポキシ樹脂,シリコーン樹脂等の耐熱樹脂が封入されている。
図4及び図5に示すように、発光モジュールMJは凹面反射面RSを4面有するリフレクターRTを備えている。凹面反射面を4面有する構成は、発光装置を複数配置する場合のコンパクト化に有効である。前述したように、リフレクターが複数の凹面反射面を有する構成であれば、各凹面反射面にLEDチップを配置することにより発光装置の高輝度化が可能となる。凹面反射面RSの数が4面であれば、その外形(つまり、リフレクターRTをその中心軸CXに沿って正面から見たときの形状)は正方形に近くなり、そのようなリフレクターRTを備えた発光モジュールMJも、外形は正方形に近くなる。複数の発光モジュールMJを中心軸が互いに平行になるように水平方向や垂直方向に並べる際、発光モジュールMJの外形が正方形に近ければ、発光モジュールMJ間に隙間が生じないように密に並べることができる。したがって、プロジェクター等の装置に複数の発光モジュールMJをコンパクトに搭載することが可能となる。
発光モジュールMJの一例として、その具体的な構造を以下に示す。
リフレクターRTの外形:15.5mm×15.5mm
凹面反射面RSの直径:10.5mm
凹面反射面RSの厚さ:2.95mm
凹面反射面RSの曲率半径:5.6mm
凹面反射面RSのコーニック定数:−0.8(楕円面)
隣接する凹面反射面RSの回転中心間距離:4.9mm
LEDチップTPのサイズ:0.9mm×0.9mm×0.250mm
電極リード(カソード)LCのサイズ:1.0mm×4.0mm×7.0mm
電極リード(アノード)LAのサイズ:0.3mm×0.3mm×6.0mm
凹面反射面RSの頂点からLEDチップ面までの距離:2.675mm
凹面反射面RSの頂点から電極リード(カソード)LCまでの距離:2.925mm
凹面反射面RSの頂点から電極リード(アノード)LAまでの距離:2.800mm
隣接するLEDチップTPの中心間距離:5.1mm
図4及び図5に示す発光モジュールMJでは、LEDチップTPが各凹面反射面RSの焦点位置又はその近傍に配置されており、各LEDチップTPに対し電極リードLCが凹面反射面RSとは反対側に配置されている。いわゆる反射型LEDの構成では、LEDチップが固定されている電極リード(カソード)と凹面反射面とが対向しているので、LEDチップからの光は凹面反射面側にしか発せられない。したがって、LEDチップを各凹面反射面の焦点位置又はその近傍に配置し、各LEDチップに対し電極リードを凹面反射面とは反対側に配置すれば、LEDチップからの光はほとんど全て凹面反射面で反射されるため、高い光利用効率を達成することができる。また、LEDチップでは放熱が必要になるが、LEDチップが固定される電極リードは放熱体も兼ねるので、電極リードでLEDチップを速やかに冷やすことができる。したがって、LEDチップの高温化を防止して高輝度化を達成することができる。一般に、ジャンクション温度を一定に保てるまでは電流量に比例した光パワー(明るさ)が得られるが、ジャンクション温度が高くなると、追加投入電流は熱となってしまう。したがって、放熱を効果的に行えば、ジャンクション温度を一定に保てる電流を大きくすることができる。その結果、投入電流に比例した明るさが得られるので、高輝度な発光モジュールを実現することができる。
電極リードLA,LCの材料としては、例えば、銅,アルミニウム等の電気伝導度の良い金属が好ましい。銅,アルミニウム等の金属は、403W/m/K,236W/m/Kといった非常に良い熱伝導率を有している。したがって、LEDチップTPが固定される電極リード(カソード)LCの材質として上記電気伝導度の良い金属を採用すれば、電気を通すという機能と同時にLEDチップTPからの発熱を逃がす放熱の機能も得ることができる。また、凹面反射面RSと対向している電極リードLCに関しては、その表面が鏡面又は反射コートされた面であることが望ましい。そのように表面処理を施しておけば、凹面反射面RSからの反射光が入射してきた場合でも再び凹面反射面RSに向けて反射させることができ、また、電極リードLCの放熱体としての機能を向上させることもできる。LEDチップTPが固定されていない方の電極リード(アノード)LAは、凹面反射面RS間の境界(直線LN)上に重なるように配置されるのが好ましい。凹面反射面RS間の境界からは有効な反射光がほとんど得られないので、電極リード(アノード)LAを凹面反射面RS間の境界上に配置すれば、ケラレを極力少なくして光利用効率を向上させることができる。なお、アノードとカソードは逆でもよい。つまり、電極リードLAをカソードとし、電極リードLCをアノードとして用いてもよい。
電極リード(カソード)LCは板状を成しており、図4に示すように、互いに直交する3方向のサイズのうち、光軸AX(図2)に対して平行方向(厚み方向)のサイズをxとし、幅方向のサイズをyとし,焦点Fから凹面反射面RS周辺に向けて延びる方向のサイズをzとすると、光軸AXに対して垂直方向のサイズyよりも光軸AX方向のサイズxの方が大きくなっている。電極リードLCには放熱の役割もあるため、電極リードLCの表面積が大きいほど放熱効果は大きくなる。しかし、電極リードLCが光軸AXに対して垂直方向に大きいと、凹面反射面RSで反射した光を遮光してしまい、発光モジュールMJからの発光効率を低下させることになる。電極リードLCを光軸AX方向に厚くすると、その表面積の増大により放熱効果は大きくなるが、遮光面積はほとんど増えないため光利用効率を良好に保つことができる。したがって、電極リードの形状は、凹面反射面の光軸に対して垂直な平面上でのサイズのうち最も小さいサイズよりも、凹面反射面の光軸に対して平行方向のサイズの方が大きいことが好ましい。そのような構成にすれば、電極リードで遮光される反射光量を最小限に抑えながら、電極リードによる高い放熱効果を得ることが可能となる。更に好ましくは、幅(y):厚み(x)は1:2〜1:6が良い。これは、放熱の効果と全体の大きさとのバランスを考慮した場合、良く冷えるとともに大きすぎない条件である。
図4及び図5に示す発光モジュールMJでは、LEDチップTPと接している電極リードLCが同一の方向を向いている。放熱は電極リードLCそのもので行われるが、電極リードLCに冷媒(例えば、空気,液体等の流体)を触れさせることによって更に放熱効果を向上させることができる。その際、空冷や水冷で空気や液体の流れをせき止めずに効率良く冷媒を流すためには、電極リードLCが同一方向を向いていること(つまり全ての電極リードLCの配向方向が同一であること)が好ましい。その冷媒の流れを、図5中の白抜き矢印で示す。電極リードLCが同一方向を向いていないと(例えば、中心軸CXを中心とする放射状に電極リードLCを配置にした場合)、空気や液体の流れが悪くなり、冷却効率が悪化して輝度低下を招くことになる。LEDチップと接している電極リードが全て同一方向を向いた構成とすれば、冷媒の流れを妨げることなく電極リードに冷媒を触れさせることにより、放熱効果を向上させて高輝度化を達成することができる。
上記のように電極リードLCが同一の方向を向いていると、発光モジュールMJを複数配置する際に制約が生じる場合がある。電極リードLCの端は接点として電源と接続されるため、空間的にある程度の大きさが必要となる。つまり、発光モジュールMJは電極リードLCに対して平行方向に大きくなりやすい。そして、その方向(例えば、図5の上下方向)で発光モジュールMJを隣接させると、隣接距離が大きくなり、システム全体の大型化を招くことになる。したがって、電極リードが全て同一方向を向いた発光モジュールを複数配置する構成では、発光モジュールの隣接方向と電極リードの方向とが垂直であること(つまり電極リードの配向方向に対して垂直方向に発光モジュールを配列すること)が好ましい。そのように構成すれば、複数の発光モジュールを密に配置してコンパクト化を図ることができる。
次に、図4及び図5に示す発光モジュールMJを備えた光源ユニットUNを説明する。図6及び図7にタイプ1の光源ユニットUNを示し、図8及び図9にタイプ2の光源ユニットUNを示す。図6と図8は、タイプ1,2の光源ユニットUNの外観を斜視図でそれぞれ示している。また、図7(A)と図9(A)はタイプ1,2の光源ユニットUNの外観を正面図でそれぞれ示しており、図7(B)と図9(B)は図7(A)と図9(A)におけるP−P’線断面をそれぞれ示している。タイプ1,2の光源ユニットUNは、いずれも発光モジュールMJと放熱体HSとから成っており、その違いは放熱体HSが有する放熱フィンFNの向きにある。図6,図8中の白抜き矢印で示すように、放熱体HSは冷媒を放熱フィンFNに沿って一方向に流す構成になっており、それに対して垂直方向の流れは放熱体HS内部の壁面によって規制される。なお、図7,図9に示すように、電極リード(アノード)LAとLEDチップTPとは電線で接続されている。
タイプ1の光源ユニットUN(図6,図7)では、電極リードLCの向きと放熱フィンFNの向きとが垂直になっている。前述したように、電極リードLCが全て同一方向を向いた発光モジュールMJを複数配置する場合、電極リードLCの方向に対して発光モジュールMJの隣接方向を垂直にすることがコンパクト化を図る上で好ましい。そのように発光モジュールMJを複数配置した場合(後述する図11参照。)、放熱フィンFNの向きが発光モジュールMJの隣接方向(電極リードLCに対して垂直方向)に対して平行になるように放熱体HSを発光モジュールMJに取り付ければ、一方向の冷媒の流れで全ての放熱体HSを放熱させることができる。例えば、3原色RGBに対応した3つの光源ユニットUNを並べた場合、放熱フィンFNの向きが揃っているため、ファン等で一気に冷やすことができる。したがって、光源ユニットUNを複数配置する場合には、放熱フィンFNの向きは電極リードLCに対して垂直方向が好ましい。
タイプ2の光源ユニットUN(図8,図9)では、電極リードLCの向きと放熱フィンFNの向きとが平行になっている。つまり、電極リードLCと放熱フィンFNとが同一の方向を向いている。このように構成すれば、一方向の冷媒の流れで電極リードLCと放熱フィンFNの両方を放熱させることができる。したがって、光源ユニットUNを1つ配置する場合には、放熱フィンFNの向きは電極リードLCの配向方向に対して平行方向であることが好ましい。
上述したような発光モジュールに採用するLEDの発光色は、RGBの少なくとも3色であることが好ましい。LEDの発光色が少なくともRGBの3色であれば、フルカラー発光の可能な発光モジュールを実現することができる。フルカラー発光の可能な発光装置としては、RGBに対応した3つの発光モジュールからの光を色合成ミラーや色合成プリズムで合成する光学構成が知られているが、色合成のための部品や空間が必要となるので好ましくない。また、1つの凹面反射面に複数のLEDを詰め込んだものも知られているが、良好な配光特性を得ることは困難である。リフレクターとその凹面反射面と同数のLEDとを有する発光モジュール(例えば、図4及び図5に示す発光モジュールMJ)をフルカラーのプロジェクターに用いることを考えた場合、RGBやRGBYの光を順番に点灯し、空間変調素子の画像信号と同期させることにより、小型で高効率なフルカラーの発光モジュールを実現することができる。
LEDの発光色がRGBの少なくとも3色の場合、例えば、図4及び図5に示す発光モジュールMJではリフレクターRTが凹面反射面RSを4面有する構成になっているので、4つのLEDチップTPを全て同一色としてもよく{例えば3つの発光モジュールMJにおいて、同一色の4つのLEDチップTP(RRRR,GGGG,BBBB)をそれぞれ用いる。}、RGBYの組み合わせとしてもよく、RGGBの組み合わせとしてもよい。また、RGB,RGBY等のようにLEDを順番に点灯させてフルカラー表示を行う際、その点灯タイミングを適正に設定することにより、全体の輝度を向上させることができる。具体的には図10に示す点灯タイミング(1フレーム:例えば1/30秒)で、例えば、4色同一の発光モジュールMJを3つ用いて、(A)に示すように単純にRGBを3分割する構成でもよいが、RGBYやRGGBの組み合わせの発光モジュールMJを1つ用いて、(B)に示すようにGの時間を多くしたり、(C)に示すように同時に2つ以上点灯する時間帯を設けたり、(D)に示すようにYをGと重ねる時間を作ったりしてもよい。
次に、4つのLEDチップTPが全て同一色の発光モジュールMJを3つ備えたプロジェクターを説明する。図11にタイプ1の3つの光源ユニットUN(赤色光源ユニットUR,青色光源ユニットUB,緑色光源ユニットUG)の配置状態を示し、それらを光源装置として備えたプロジェクターの概略光学構成を図12に示す。赤色光源ユニットURは4つのLEDチップTPが全て赤色発光を行うものであり、青色光源ユニットUBは4つのLEDチップTPが全て青色発光を行うものであり、緑色光源ユニットUGは4つのLEDチップTPが全て緑色発光を行うものである。図11に示す光源ユニットUR,UB,UGの配置では、放熱フィンFNの向きが揃っているため、ファン等で一気に冷やすことが可能である(図11,図12中、冷媒の流れを白抜き矢印で示す。)。
図12において、MRはR反射用のミラー、MBはR透過・B反射用のダイクロイックミラー、MGはR反射・B反射・G透過用のダイクロイックミラー、L1,L2は集光度調整用の凸レンズ、CLはコンデンサーレンズ、RIはロッドインテグレータ、M1〜M3は第1〜第3ミラー、PAは表示パネル、PLは投影光学系である。なお、ここでは表示パネルPAとしてデジタル・マイクロミラー・デバイスを想定しているが、これに限らない。投影光学系PLに適した他の非発光・反射型(又は透過型)の表示素子やライトバルブ(LCD等)を用いても構わない。
図12に示すように、光源ユニットUR,UB,UGから投影光学系PLまでがプロジェクターの主要部を成す光学エンジン部である。その光学エンジン部において、ミラーMR,MB,MGと、凸レンズL1,L2と、コンデンサーレンズCLと、ロッドインテグレータRIと、第1〜第3ミラーM1〜M3と、から成る照明光学系により、光源ユニットUR,UB,UGからの光が表示パネルPAに導かれる。照明光学系により照明された表示パネルPAの表示画像は、投影光学系PLによってスクリーン(不図示)に投影される。
各部の構成を更に詳しく説明する。光源ユニットUR,UB,UGは、いずれも発光モジュールMJと放熱体HSとから成るタイプ1の構成を有している(図6及び図7)。各発光モジュールMJが備えているリフレクターRTの凹面反射面RSは、楕円面(又は放物面)から成っており、各光源ユニットUR,UB,UGは、対応する発光色の弱い収束光(又は平行光束)をそれぞれ射出する。光源ユニットURからの射出光はミラーMRで反射された後、凸レンズL1,ミラーMB,凸レンズL2の順に通過し、ミラーMGで反射されてコンデンサーレンズCLに入射する。光源ユニットUBからの射出光はミラーMBで反射された後、凸レンズL2を通過し、ミラーMGで反射されてコンデンサーレンズCLに入射する。光源ユニットUGからの射出光はミラーMGを透過した後、コンデンサーレンズCLに入射する。上記のようにRの光が凸レンズL1,L2を透過し、Bの光が凸レンズL2を透過することにより、光源ユニットUR,UB,UGからの射出光の、コンデンサーレンズCLへの集光度は同等になる。そして、色合成後の照明光は、コンデンサーレンズCLにより集光されてロッドインテグレータRIの入射端面近傍で結像する。
ロッドインテグレータRIは、4枚の平面ミラーを貼り合わせて成る中空ロッド方式の光強度均一化手段であり、入射端面から入射してきた光を、その側面(すなわち内壁面)で何度も繰り返し反射することによりミキシングし、光の空間的なエネルギー分布を均一化して射出端面から射出する。ロッドインテグレータRIの入射端面と射出端面の形状は、表示パネルPAの表示面と相似の四角形になっている。また、ロッドインテグレータRIの入射端面は照明系瞳に対して共役になっており、ロッドインテグレータRIの射出端面は表示パネルPAの表示面に対して共役になっている。上記ミキシング効果により射出端面での輝度分布は均一化されるため、表示パネルPAは効率良く均一に照明されることになる。なお、ロッドインテグレータRIは中空ロッドに限らず、四角柱形状のガラス体から成るガラスロッドでもよい。また、表示パネルPAの表示面形状と適合するならば、その側面についても4面に限らない。したがって、用いるロッドインテグレータRIとしては、複数枚の反射ミラーを組み合わせて成る中空筒体、多角柱形状のガラス体等が挙げられる。
ロッドインテグレータRIを射出した光は、第1〜第3ミラーM1〜M3から成る反射光学系に入射する。そして、反射光学系がロッドインテグレータRIの射出端面の像を表示パネルPAの表示面上に形成する。反射光学系を構成している第1,第3ミラーM1,M3の各反射面は凹面反射面になっており、第2ミラーM2の反射面は凸面反射面になっている。第1ミラーM1の凹面反射面によって、ロッドインテグレータRIの入射端面近傍の2次光源が再結像して、第2ミラーM2の凸面反射面近傍に3次光源が形成される。3次光源からの光は、第3ミラーM3の凹面反射面によって表示パネルPAに導かれる。表示パネルPAに入射した光は、ON/OFF状態(例えば±12°の傾き状態)の各マイクロミラーで反射されることにより空間的に変調される。その際、ON状態のマイクロミラーで反射した光のみが投影光学系PLに入射し、第3ミラーM3の凹面反射面のパワーによって投影光学系PLの入射瞳に効率良く導かれる。そして、投影光学系PLによりスクリーンに投射される。
図12に示すプロジェクターにおいては、パワーを有する光学面として2つの凹面反射面と1つの凸面反射面のみを反射光学系に有する構成になっている。このため、照明光学系の部品点数の削減とコンパクト化を達成することが可能であり、色収差が発生しないため色ムラの発生もなく、照度低下を抑えることができる。したがって、良好な光学性能を保持しつつ、コンパクトで量産性やコスト面で有利な光学部品を用いることが可能となり、表示装置の低コスト化・コンパクト化・高性能化を達成することが可能となる。
また、投影光学系PLは表示パネルPA側に斜めノンテレセントリックな構成になっており、表示パネルPAから投影光学系PLの入射瞳に向けて光線が集光されるようにレイアウトされている。ノンテレセントリックな光学系の場合、投影光学系がコンパクトになるというメリットがある反面、照明光学系においてコンデンサーレンズ機能を有する光学素子が大きくなるという不具合もある。このプロジェクターのように、照明光学系においてパワーを有する光学素子として、凹面反射面を有する第1,第3ミラーM1,M3を用いるとともに、照明系瞳近傍(すなわち3次光源近傍)に凸面反射面を有する負パワーの第2ミラーM2を配置すれば、コンデンサーレンズとして機能する第3ミラーM3に対し、像高{つまり表示パネルPAの表示面(像面)上での位置}の違う光線ごとに角度差を大きくつけて入射させることができる。したがって、小さなスペースで効率的に光線を広げて、表示パネルPA側にノンテレセントリックな投影光学系PL向きの照明光学系を構成することができる。
このプロジェクターの場合、ロッドインテグレータRIの射出端面と照明系瞳との間にリレーレンズ機能を有する第1ミラーM1を配置して、ロッドインテグレータRIの入射端面と照明系瞳とが共役になるように第1ミラーM1のパワーが設定されている。また、照明系瞳と表示パネルPAとの間にコンデンサーレンズ機能を有する第3ミラーM3を配置して、投影系瞳よりも表示パネルPA側に位置する投影光学系PLの一部と合わせて、照明系瞳と投影系瞳とが共役になるように第3ミラーM3のパワーが設定されている。それとともに、リレーレンズ機能を有する第1ミラーM1とコンデンサーレンズ機能を有する第3ミラーM3とで、ロッドインテグレータRIの射出端面と表示パネルPAの表示面とが共役になるように設定されている。この構成によると、ロッドインテグレータRIの射出端面から出た光を、小型の表示パネルPAに効率的に導いて、その表示面からの反射光を投影光学系PLに効率的に導くことができる。したがって、照明光学系において高い光学性能を保持しながら照度低下を少なくすることが可能となり、しかも表示装置の低コスト化・コンパクト化を達成することができる。
また、凹面反射面を有する第1,第3ミラーM1,M3間において、凸面反射面を有する第2ミラーM2が、ロッドインテグレータRIの光軸と投影光学系PLの光軸とが略平行になるように光路を折り曲げ、ロッドインテグレータRIの光軸方向と表示パネルPAの表示面の法線方向とが略一致するように光路を折り曲げる構成になってる。このように、ロッドインテグレータRIの光軸と投影光学系PLの光軸とが略平行になるように、又はロッドインテグレータRIの光軸方向と表示パネルPAの表示面の法線方向とが略一致するように、2つの凹面反射面の間に凸面反射面を有することが望ましい。第1,第3ミラーM1,M3間で光路を折り曲げることにより、表示装置全体の光学構成をコンパクト化することが可能となり、さらに設計基準軸の共通化による誤差の低減、位置調整の簡素化、レイアウトの自由度の確保等が可能となる。また、第1,第3ミラーM1,M3を一部品化することにより、2つの凹面反射面を1つの部品に一体化することが好ましく、これにより部品点数の削減、誤差の低減及び精度の向上を達成することが可能となる。
第1,第3ミラーM1,M3に設けられている凹面反射面と第2ミラーM2に設けられている凸面反射面は、いずれも自由曲面形状を成している。この実施の形態のように反射面のパワーのみで照明光学系を構成する場合には、そのうちの少なくとも1面を自由曲面にすれば、それに応じた照明効率の向上が可能となる。例えば、表示パネルPAとしてデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いた場合、表示面に対する斜め照明が必須となるが、自由曲面を用いれば斜め照明に際しても歪曲等の収差を良好に補正することができる。それにより、投影光学系PLの入射瞳に向けて効率的に光を導いて、表示を明るくすることができる。つまり、ロッドインテグレータRIの射出端面に対して共役な表示パネルPAへの結像性能(例えばボケや歪曲)を高めることができるので、表示パネルPAでの反射光を投影光学系PLの入射瞳に効率的に集めて、照明効率を上げることが可能となるのである。また、画面中の位置による照度変化も少なくできるので、明るさムラの低減も可能となる。
このプロジェクターにおいて第1,第3ミラーM1,M3の凹面反射面を自由曲面形状にしているのは、表示パネルPAに最も近い凹面反射面やロッドインテグレータRIの射出端面に最も近い凹面反射面を自由曲面形状にすることが、上記照明効率の向上や明るさムラの低減を達成する上で有効だからである。表示パネルPAとしてデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いた場合、表示パネルPAに最も近い凹面反射面を自由曲面にすると、ON状態のマイクロミラーで反射した照明光を効率良く投影系瞳に導くことができる。したがって、照明効率の向上や明るさムラの低減を効果的に達成することが可能である。また、ロッドインテグレータRIの射出端面に最も近い凹面反射面を自由曲面形状にすると、射出端面を表示パネルPA上で結像させる際の収差補正を良好に行うことが可能となる。それによって、歪曲やボケの低減による照明効率の向上を更に効果的に達成することができる。
また、表示パネルPAの表示面の縦方向をy軸方向とし横方向をz軸方向とすると、第1,第3ミラーM1,M3の凹面反射面は、いずれもy軸方向とz軸方向とにそれぞれ非対称な自由曲面形状を有している。このように、反射光学系を構成する凹面反射面のうちの少なくとも1面は、y軸方向とz軸方向とにそれぞれ非対称な自由曲面形状を有することが望ましい。こうすることで、その凹面反射面に当たる位置によって光線の反射方向を制御しやすくなるため、結像や歪曲の光学性能を向上させることができる。また、このプロジェクターの場合、図12から分かるように、物体面(ロッドインテグレータRIの射出端面)と像面(表示パネルPAの表示面)とが主にz軸方向に大きくなっており、各凹面反射面の自由曲面もそのレイアウトを反映した形状で最適化されている。
さらに、ロッドインテグレータRIの射出端面の中心から表示パネルPAを通過し、投影光学系PLの入射瞳中心に至る光線が、自由曲面形状の凹面反射面に当たる点での曲率半径について、自由曲面形状を有する凹面反射面が条件:|自由曲面形状を有する凹面反射面への入射光線と射出光線とを含む平面に垂直であるとともに、その凹面反射面の法線ベクトルを含む平面で切られる曲率半径|<|自由曲面形状を有する凹面反射面への入射光線と射出光線とを含む平面で切られる曲率半径|の関係を満足し、その自由曲面形状が面対称性を有しないことが望ましい。この構成によると、光学性能の向上を図り、歪曲を減少させたり、結像性能を向上させたりすることが可能になる。ひいては、照明効率を高めることが可能になる。
各ミラーM1〜M3の反射面を構成する基板材料としては、ガラス,プラスチック,金属,セラミック等、いずれの材料を用いてもよく、必要に応じたものを用いればよい。例えば、温度変化による結像性能の劣化を防ぐには、ガラス等の形状変化の少ない材料が好ましく、コストを低減するには、PMMA(polymethyl methacrylate),PC(polycarbonate)等のプラスチック材料が好ましい。照明効率を高くするには基板上に反射率の高いコートを施す必要があり、具体的にはAl(アルミニウム)やAg(銀)等の金属反射薄膜を形成したり、誘電体をコートした増反射膜を形成したりすればよい。また、数十層の誘電体から成る多層膜をコートしてもよい。その場合、金属膜とは異なり、金属による光吸収がないため、使用時にも吸収光が熱に変わるといった不具合がないので好ましい。また、反射面の可視光での反射率は、概ね90%以上の反射率があることが好ましい。
リフレクターの一実施の形態における凹面反射面の隣接構成による効果を説明するための正面図。 リフレクターの一実施の形態における凹面反射面の薄型化の効果を説明するための図。 凹面反射面を複数有するリフレクターの具体例を示す正面図。 発光モジュールの一実施の形態の外観を示す斜視図。 発光モジュールの一実施の形態の外観を示す正面図。 光源ユニット(タイプ1)の外観を示す斜視図。 光源ユニット(タイプ1)の正面側外観及び断面構造を示す図。 光源ユニット(タイプ2)の外観を示す斜視図。 光源ユニット(タイプ2)の正面側外観及び断面構造を示す図。 発光モジュールの点灯タイミングを示す図。 RGBの光源ユニット(タイプ1)の配置状態を示す正面図。 図11の光源ユニット(タイプ1)を備えたプロジェクターの概略光学構成を示す平面図。
符号の説明
RT リフレクター
RS 凹面反射面
LN 直線(境界)
CX 中心軸
AX 光軸
F 焦点
TP LEDチップ(発光体)
LC 電極リード(カソード)
LA 電極リード(アノード)
MJ 発光モジュール(発光装置)
HS 放熱体
FN 放熱フィン
UN 光源ユニット
UR 赤色光源ユニット
UG 緑色光源ユニット
UB 青色光源ユニット
PL 投影光学系
PA 表示パネル

Claims (8)

  1. 複数の凹面反射面を有する単一のリフレクターであって、各凹面反射面は隣接する凹面反射面との境界において外形の一部が切り欠かれていることを特徴とするリフレクター。
  2. 複数の凹面反射面を有する単一のリフレクターであって、各凹面反射面がリフレクターの中心軸に対して回転対称に配置されており、リフレクターをその中心軸に沿って正面から見たとき、隣接する凹面反射面との境界がリフレクターの中心軸に向いた直線を成していることを特徴とするリフレクター。
  3. 前記凹面反射面が少なくとも1つの焦点を持つ回転対称面であり、前記凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点から焦点までの距離とほぼ等しく、前記回転対称面が2以上の焦点を持つ場合には前記凹面反射面の光軸方向の厚みが凹面反射面の面頂点からその面頂点に近い方の焦点までの距離とほぼ等しいことを特徴とする請求項1又は2記載のリフレクター。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリフレクターと、前記凹面反射面と同数のLEDと、を有する発光モジュールであって、前記LEDがLEDチップとLEDチップを固定する電極リードを有しており、前記LEDチップが各凹面反射面の焦点位置又はその近傍に配置されており、各LEDチップに対し電極リードが前記凹面反射面とは反対側に配置されていることを特徴とする発光モジュール。
  5. 前記凹面反射面を4面有することを特徴とする請求項4記載の発光モジュール。
  6. 前記LEDの発光色がRGBの少なくとも3色であることを特徴とする請求項4又は5記載の発光モジュール。
  7. 前記電極リードの形状が、前記凹面反射面の光軸に対して垂直な平面上でのサイズのうち最も小さいサイズよりも、前記凹面反射面の光軸に対して平行方向のサイズの方が大きいことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の発光モジュール。
  8. 前記LEDチップと接している電極リードが全て同一方向を向いていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の発光モジュール。
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