JP2007226085A - カラーフィルタ基板とその製造方法、及びカラー液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ基板とその製造方法、及びカラー液晶表示装置 Download PDF

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克之 五十嵐
Takakazu Fukuchi
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Abstract

【課題】 製造工数を低減しつつ遮光性の良好なカラーフィルタ基板を提供する。
【解決手段】 少なくとも3原色を含む互いに異なる色の着色部16R、G、Bを有するカラーフィルタ13と、カラーフィルタ13の一部を含み、カラーフィルタ13の当該一部上にカラーフィルタ13の色と異なる色の層18G、18Bを重ねて形成した遮光部12と、カラーフィルタ13の他の一部上に、遮光部12の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層14を有する構成とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、携帯電話や電子手帳などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータのモニタ等に用いられるカラー液晶表示装置、このカラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板及びこのカラーフィルタ基板の製造方法に関する。
従来より、カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板は、RBG等の3原色の着色部を、3原色が繰り返すように並べて形成したものが一般的である。このように、着色部を並べて形成する構成においては、隣り合う色の混色を防止する必要があるため、着色部の間にブラックマトリックスを配設することによって、または、隣り合う着色部の端部同士を重ね合わせることによって、遮光を行なう構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2593644号公報
しかしながら、着色部を形成する工程と別にブラックマトリックスを形成する工程を行なって、着色部の間にブラックマトリックスを配設する場合には、ブラックマトリックスを形成する工程において、フォトリソグラフィー法により、ブラックマトリックス用の溶液の塗布工程、その他、露光、現像等の工程が必要となり、カラーフィルタ基板の製造ための全体的な工数が多くなる。工数は、カラーフィルタ基板の製造コスト低減のためには少ないほうが望ましい。
また、隣り合う着色部の端部同士を重ね合わせて、遮光を行なう構成では、重ね合わせが隣り合う2色の着色部で行なわれるため、他の1色に対応する波長の光が透過してしまい、遮光性が十分でないという問題がある。加えて、この構成では、着色部を形成する工程と別に、画像表示部を囲むように配設されるいわゆる額縁部をブラックマトリックスと同様に形成する必要があり、上述したのと同様の事情がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、製造工数を低減しつつ遮光性の良いカラーフィルタ基板とその製造方法、及びカラーフィルタ基板を備えたカラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明のカラーフィルタ基板は、少なくとも3原色を含む互いに異なる色の着色部を有するカラーフィルタと、前記カラーフィルタの一部を含み、前記カラーフィルタの前記一部上に当該カラーフィルタの色と異なる色の層を重ねることにより少なくとも3原色を重ねて形成した遮光部とを有する。また、前記カラーフィルタの他の一部上に、前記遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層と、前記遮光部の上面及び前記平坦化層の上面の上側に形成された透明電極とを有する。
したがって、少なくとも3原色を重ね合わせた遮光部によって、遮光部を形成するための単独の工程が不要となり、製造工数を低減しつつ遮光性が良好であり、低コストで良好な品質のカラーフィルタ基板が提供される。このカラーフィルタ基板は、カラー液晶表示装置に搭載されるにあたり、透過型、反射型、半透過型等、どのようなタイプのカラー液晶表示装置にも適用可能である。
さらに、透明電極の下面に接する酸化ケイ素層を設けたり、透明電極の下面に接する面にプラズマアッシングを行うことにより、透明基板の接着性が向上し、さらに良好な品質のカラーフィルタ基板が提供される。酸化ケイ素層の形成、プラズマアッシング処理は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行なってもよい。
また、本発明のカラー液晶表示装置では、上述のようなカラーフィルタ基板を備えている。したがって、少なくとも3原色を重ね合わせた遮光部によって、遮光部を形成するための単独の工程が不要となり、製造工数を低減しつつ遮光性の良好な、低コストで良好な品質のカラーフィルタ基板を搭載し、低コストで良好な品質のカラー液晶表示装置が提供される。カラー液晶表示装置のタイプは、透過型、反射型、半透過型等、どのようなタイプであっても良い。
また、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法では、少なくとも3原色を含む互いに異なる色の着色部を有するカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程と、カラーフィルタの一部上に当該カラーフィルタの色と異なる色の層を重ねることにより少なくとも3原色を重ねてカラーフィルタの前記一部を含む遮光部を形成する遮光部形成工程とを有する。また、カラーフィルタの他の一部上に、遮光部の上面の高さに合わせるように平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、遮光部の上面及び平坦化層の上面の上側に透明電極を形成する透明電極形成工程とを有する。
したがって、少なくとも3原色を重ね合わせて遮光部を形成することによって、遮光部を形成するための単独の工程が不要となり、製造工数を低減しつつ遮光性が良好であるから、低コストで良好な品質のカラーフィルタ基板、カラー液晶表示装置の製造に寄与するカラーフィルタ基板の製造方法が提供される。製造されるこのカラーフィルタ基板は、カラー液晶表示装置に搭載されるにあたり、透過型、反射型、半透過型等、どのようなタイプのカラー液晶表示装置にも適用可能である。この製造方法には、フォトリソグラフィー法を適用することが可能である。
また、カラーフィルタ形成工程が、3原色の着色部のうちの1色の着色部を形成するための第1の液体を塗付する第1の塗布工程と、3原色の着色部のうちの他の1色の着色部を形成するための第2の液体を塗付する第2の塗布工程と、3原色の着色部のうちの残りの1色の着色部を形成するための第3の液体を塗付する第3の塗布工程とを有するようにすることができる。そして、遮光部形成工程が、第1の塗付工程で塗付された第1の液体によって形成された第1の層の上側に、第2の塗付工程と同時に第2の液体を塗付する第1の工程と、第1の工程で塗付された第2の液体によって形成された第2の層の上側に、第3の塗付工程と同時に第3の液体を塗付する第2の工程とを有することとすることができる。このようにすれば、遮光部形成工程をカラーフィルタ形成工程と並行して行って遮光部を形成することによって、遮光部を形成するための単独の工程が不要となり、製造工数を低減しつつ遮光性が良好であるから、低コストで良好な品質のカラーフィルタ基板、カラー液晶表示装置の製造に寄与するカラーフィルタ基板の製造方法が提供される。
さらに、透明電極の下面に接する酸化ケイ素層を形成する酸化ケイ素層形成工程を有することとしたり、透明電極の下面に接する面をプラズマアッシングするプラズマアッシング工程を有することとしたりすると、透明基板の接着性が向上し、さらに良好な品質のカラーフィルタ基板が提供される。酸化ケイ素層形成工程、プラズマアッシング工程は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行なってもよい。
本発明によれば、少なくとも3原色を重ね合わせた遮光部によって、遮光部を形成するための単独の工程が不要となり、製造工数を低減しつつ遮光性を良好にすることができるから、低コストで良好な品質のカラーフィルタ基板を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ基板は、基板上に複数色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板であって、複数の着色部を重ねることにより可視光を吸収する黒色の遮光部と、カラーフィルタ基板上の遮光部が設けられていない部分に、遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層をそなえている。
あるいは、本発明のカラーフィルタ基板は、基板上に少なくとも三原色を含む互いに異なる色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板であって、三原色の着色部が積層されて形成される遮光部と、着色部の上の遮光部が設けられていない領域に、遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層を備えている。
また、本発明は、第一色に着色された第一の着色領域と、第二色に着色された第二の着色領域と、第三色に着色された第三の着色領域と、遮光領域とを有し、第一色、第二色、第三色が互いに異なるとともに三原色を構成するカラーフィルタ基板の製造方法に関し、基板上の第一の着色領域と前記遮光領域に第一色の着色層を形成する工程と、基板上の第二の着色領域と遮光領域に第二色の着色層を形成する工程と、基板上の第三の着色領域と遮光領域に第三色の着色層を形成する工程と、第一の着色領域、第二の着色領域、第三の着色領域に平坦化層を設けることにより、該カラーフィルタ基板の表面を平坦化する平坦化層形成工程と、を備えている。さらに、平坦化層上に酸化ケイ素層を形成する酸化ケイ素層形成工程、または、平坦化層上をプラズマアッシングするプラズマアッシング工程を有することとした。
また、本発明は、少なくとも三原色を含む互いに異なる色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板と、対向電極が形成された対向基板と、カラーフィルタ基板上に形成された透明電極と対向電極の間に設けられた液晶を備えるカラー液晶表示装置に関し、カラーフィルタ基板が、三原色の着色部が積層されて形成される遮光部と、着色部の上の遮光部が設けられていない領域に、遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層と、を備えるとともに、透明電極が遮光部の上面及び平坦化層の上面に形成されている。さらに、透明電極の下面に接する酸化ケイ素層を設けた。あるいは、透明電極の下面に接する面がプラズマアッシング処理されている。
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1に本実施例のカラーフィルタ基板及びこれを備えた透過型のカラー液晶表示装置の断面図を模式的に示す。カラー液晶表示装置100は、カラーフィルタ基板1と、カラーフィルタ基板1に対向配置された対向基板2と、カラーフィルタ基板1と対向基板2との間に形成された液晶層3と、カラーフィルタ基板1の外側に配設された下偏光板4と、対向基板2の外側に配設された上偏光板5とを有している。
図2に、図1の一部を拡大して示す。図示するように、カラーフィルタ基板1は、ガラスによって構成された透明基板11と、透明基板11の液晶層3側の表面に形成され後述する3原色で着色されたカラーフィルタ13と、カラーフィルタ13の一部を含み遮光を行う遮光部12と、カラーフィルタ13の他の一部上にカラーフィルタ13に重なり合うように形成された平坦化膜14と、平坦化膜14の液晶層3側の面に所定のパターンで形成された透明電極15と、透明電極15の液晶層3側の面に設けられた図示しないポリイミド製の配向膜を有している。
対向基板2は、ガラスによって構成された透明基板21と、透明基板21の液晶層3側の表面に所定のパターンで形成された対向電極22と、対向電極22の液晶層3側の面に設けられた図示しない配向膜を有している。ここでは、液晶層3を、カラーフィルタ基板1と対向基板2との間に封入される液晶31と、液晶31をカラーフィルタ基板1と対向基板2との間に封入するとともにカラーフィルタ基板1と対向基板2との間隔を所定の大きさに設定するためのシール材32と、透明電極15と透明電極22との間に位置し、シール材32とともにカラーフィルタ基板1と対向基板2との間隔を所定の大きさに設定するためのスペーサ33として見做している。カラーフィルタ基板1と対向基板2と液晶層3によって表示パネル6が構成され、下偏光板4と上偏光板5は、表示パネル6を挟み込むように対をなして配設されている。
カラーフィルタ13は、光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれの色で着色された層である。カラーフィルタ13は、遮光部12を構成する部分以外の部分であって周縁部17を除く部分を着色部16R、16G、16Bとして有しており、着色部16R、16G、16Bで、透過光をそれぞれの色で着色している。
なお周縁部17の色は赤色(R)であり、図1における左右方向における左端の着色部16Rと同色となっている。これは、後述するように、周縁部17とこの着色部16Rは同一の工程で形成されるためである。また、カラーフィルタ13の、遮光部12を構成する部分は、かかる周縁部17及び着色部16Rと同色である。これも同様の理由による。
着色部16R、16G、16Bは、図1、図2における左右方向において、遮光部12によって区切られた態様で多数回、周期的に繰り返すように形成されている。なお、カラーフィルタ13は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に代えて、マゼンタ、イエロー、シアンの3色の着色部で形成しても良い。なお、本出願において、3原色とは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のみならず、マゼンタ、イエロー、シアンの3色であってもよい。また、カラーフィルタ13は、これらの3色のみならず、他の色の着色部を含むものであっても良い。たとえば、3原色を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色としたときに、さらにシアンを含むようにしても良い。このように着色部は少なくとも3原色を含む互いに異なる色で構成すればよい。
透明電極15は、カラー液晶表示装置100がパッシブ型であるため、着色部16R、16G、16Bが周期的に配設された図1の左右方向に交差するパターンでコモンラインとして形成されるが、カラー液晶表示装置100がアクティブ型である場合には、パターンニングせず、成膜用のマスクを用いて成膜したままの状態を電極としてよい。
図3に他の実施例の反射型のカラー液晶表示装置100の断面図を示す。図示するように、カラー液晶表示装置100は、図1に示した透過型でなく、反射型であっても良い。図1に示した透過型のカラー液晶表示装置100と重複する部分は同じ符号を図示するに留め説明を省略する。この反射型のカラー液晶表示装置100は、外光を反射させるための反射層としての金属反射膜7を、透明基板11とカラーフィルタ13との間に有している。図1に示した透過型のカラー液晶表示装置100に備えられていた下偏光板4は備えていない。上偏光板5には、金属反射膜7で反射して位相がずれた光を戻すための1/4波長板や、金属反射膜7で正反射した光のまぶしさを防止するための散乱機能を付加させるとよい。
図4にさらに他の実施例の半透過型のカラー液晶表示装置100の断面図を示す。図示するように、カラー液晶表示装置100は、図1に示した透過型、図3に示した反射型でなく、半透過型であっても良い。図1、図3に示した透過型、反射型のカラー液晶表示装置100と重複する部分は同じ符号を図示するに留め説明を適宜省略する。この半透過型のカラー液晶表示装置100に設けられた金属反射膜7には、着色部16R、16G、16Bのそれぞれに対応する部分の一部が除去されて孔71が形成されている。そのため、この各着色部16R、16G、16Bは、反射部及び透過部の両方の機能がある。
これらの構成のカラー液晶表示装置100において、遮光部12と、カラーフィルタ13と、平坦化膜14と、透明電極15とは、同様のパターンで形成されており、この点で、何れのカラー液晶表示装置100においてもカラーフィルタ基板1の構成は共通のものとなっている。
このような共通の構成のうち、遮光部12及びカラーフィルタ13の形成パターンの一部を拡大した平面図を図5に示す。図5における左右方向は、図1、図2における左右方向に一致している。遮光部12は、格子形状に形成された格子状部としてのブラックマトリックス41を有している。ブラックマトリックス41は着色部16R、16G、16Bの透過光の混色を防止するものである。カラーフィルタ13は、着色部16R、16G、16Bがブラックマトリックス41の格子形状に対応し、互いに区切られた長方形のアイランド状となるように構成されている。1組の着色部16R、16G、16Bは、1画素に相当する領域を構成している。
図2に示したように、遮光部12は、カラーフィルタ13の一部、具体的には赤色の層18Rの一部を含んでおり、この一部上に、この部分のカラーフィルタ13の色である赤色(R)と異なる2色すなわち緑色(G)、青色(B)の層18G、18Bを重ねて形成している。このように、3原色の層18R、18G、18Bを重ねることにより、図2における上下方向から見るとほぼ黒色をなし、この部分を透過しようとする光がほぼ完全に遮断される。
従来の遮光部は、その全体が黒色であった。その一方で遮光部12は、3原色の層18R、18G、18Bを重ねることで黒色を得ているので、擬似遮光部ということが可能なものであり、ブラックマトリックス41は、擬似ブラックマトリックスということが可能なものである。
ここで、従来の遮光部は、その全体が黒色であるため、3原色の層を形成する工程、言い換えると着色部を形成する工程とは別に、遮光部を形成していた。そのため、かかる工程と別に遮光部を形成する工程、たとえばフォトリソグラフィー法により、ブラックマトリックス用の溶液の塗布工程、その他、露光、現像等の工程が必要となり、カラーフィルタ基板の製造ための全体的な工数が多かった。かかる工数は、カラーフィルタ基板の製造コスト低減のためには少ないほうが望ましい。
その他、従来においても、隣り合う着色部の端部同士を重ね合わせて、擬似的に遮光を行なう構成が採用されることもあったが、このような構成では、重ね合わせが隣り合う2色の着色部のみで行なわれるため、他の1色に対応する波長の光が透過してしまい、遮光性が十分でないという問題があった。加えて、この構成では、3原色の着色部を形成する工程と別に、3原色の着色部のすべてによって構成される画像表示部を囲むように配設されるいわゆる額縁部をブラックマトリックスと同様に形成する必要があり、上述した全体が黒色の遮光部を形成する場合と同様の事情がある。
しかしながら、本発明にかかるカラーフィルタ基板1においては、上述のように、遮光部12を、3原色の層18R、18G、18Bを重ねることにより形成するものであり、遮光部12を擬似的に黒色に形成するものであるため、図6及び図7を参照しながら次に述べるように遮光部12を形成するための単独の工程が不要であって、かかる事情を考慮し、またかかる問題を解決したものとなっている。図6に本発明のカラーフィルタ基板1の製造方法の一部のフローチャートを示す。ここで、カラーフィルタ基板1の製造方法の一部とは、遮光部12、カラーフィルタ13、平坦化膜14、透明電極15の形成にかかる部分である。また、図7に、図6に示したカラーフィルタ基板1の製造方法に従ってカラーフィルタ基板1が製造されていく様子を(a)から(e)まで時系列順に並べた側断面図を示す。図7は図1に示した透過型のカラー液晶表示装置100に対応したものであるが、図3に示した反射型のカラー液晶表示装置100、図4に示した半透過型のカラー液晶表示装置100についても同様に製造することができる。
図6に示すように、遮光部12、カラーフィルタ13、平坦化膜14、透明電極15を形成するにあたっては、まず基板洗浄工程を行う(S1)。ここで、基板洗浄工程における洗浄は、図1に示した透過型のカラー液晶表示装置100においては透明基板11を対象にするものであり、図3に示した反射型のカラー液晶表示装置100においては金属反射膜7を形成された透明基板11を対象にするものであり、図4に示した半透過型のカラー液晶表示装置100においては孔71を形成された金属反射膜7を有する透明基板11を対象にするものである。
なお、金属反射膜7はスパッタリングまたは真空蒸着法等の真空成膜法により、光を通さないレベルの膜厚で形成する。十分な遮光性を得るため金属反射膜7の膜厚は少なくとも0.10μmとされる。金属反射膜7がアルミニウムあるいはアルミニウム合金の場合には膜厚は0.125μm程度、銀あるいは銀合金の場合には膜厚は0.10μm程度とするのが一般的である。また、孔71は、金属反射膜7をフォトリソグラフィー法により反射部と透過部とが形成されるようにパターニングし、エッチングにより所定の部分を削除することで形成される。
基板洗浄工程(S1)に次いで、レジストコートを行なう(S2)。ここでは、液状のフォトレジストを塗布する。フォトレジストは、感光性のアクリル系樹脂に、形成すべき層18R、18G、18Bの色に応じた色、言い換えると着色部16R、16G、16Bのそれぞれの色と同じ色に応じた顔料等を混ぜた顔料分散型レジストである。
レジストコート(S2)に次いで、プリベーク(S3)を行ない、続いて所定のパターンで露光して(S4)レジストを硬化させ、現像(S5)によって硬化した部分以外のレジストを除去し、ポストベーク(S6)を230℃で行なって完全に固定する。
このS1からS6までの工程を、図7(a)ないし(c)に示すごとく、フォトリソグラフィー法で、層18R、層18G、層18Bを形成するように、この順で3回繰り返す。図6において、Rは層18Rを意味し、Gは層18Gを意味し、Bは層18Bを意味している。層18R、層18G、層18Bの厚さはそれぞれ1μmとされる。
このようにS1からS6までの工程を、層18Rを形成するように行なう際には、図7(a)に示すパターンで層18Rを形成するように露光のパターニングを行なう。S1からS6までの工程を、層18Gを形成するように行なう際には、図7(b)に示すパターンで層18Rを形成するように露光のパターニングを行なう。層18Rを形成するように行なう際には、図7(c)に示すパターンで層18Rを形成するように露光のパターニングを行なう。層18Rを形成するパターニングは、図7や図1における左右方向において端部に位置する遮光部12及び周縁部17を一体に連続して形成するように行なわれる。
S1からS6までの工程を3回繰り返すことで、互いに異なる3色の着色部16R、16G、16Bを持つカラーフィルタ13を形成するカラーフィルタ形成工程が完了する。このカラーフィルタ形成工程の完了と同時に、遮光部12を形成する遮光部形成工程も完了する。すなわち、S1からS6までの工程を1回目に行なったときにはカラーフィルタ13を構成する層18Rが図7(a)に示すように形成されるが、さらにS1からS6までの工程を行ない、図7(b)に示すように層18Rの一部上に層18Rの色である赤色(R)と異なる色である緑色(G)の層18Gを重ねる。またさらにS1からS6までの工程を行い、図7(c)に示すように層18Rと層18Gとが重なった部分にこれらの層18R、18Gの色と異なる色である青色(B)の層18Bを重ねることで、遮光部12の形成が完了する。このように、遮光部形成工程は、カラーフィルタ13の一部上に、この部分のカラーフィルタ13を成す層18Rの色と異なる2色の層18G、18Bを重ねることで、かかる部分のカラーフィルタ13を含む遮光部12を形成するものとなっている。
カラーフィルタ形成工程において、着色部16Rを形成するため図7(a)に示すように赤色のフォトレジストを透明基板11に塗布する工程を第1の塗付工程とし、着色部16Gを形成するため図7(b)に示すように緑色のフォトレジストを透明基板11に塗布する工程を第2の塗付工程とし、着色部16Bを形成するため図7(c)に示すように青色のフォトレジストを透明基板11に塗布する工程を第3の塗付工程とする。
そうすると、遮光部形成工程は、第1の塗付工程で塗布された赤色のフォトレジストによって形成された層18Rの上に、図7(b)に示すように第2の塗付工程と同時に緑色のフォトレジストを塗布する第1の工程と、第2の塗付工程で塗布された緑色のフォトレジストによって形成された層18Gの上に、図7(c)に示すように第3の塗付工程と同時に緑色のフォトレジストを塗布する第2の工程とを有している。
したがって、遮光部形成工程がカラーフィルタ形成工程と並行して行われるので、遮光部形成工程を特別に行う必要がなく、カラーフィルタ基板1の製造ための工数が低減され、製造コストも低減される。また重ね合わせを3原色で行って擬似的に黒色を形成するため、遮光性が十分に担保され、良好である。
なお、層18Rを形成する工程は、図7(a)に示すように、着色部16G、16Bを形成すべき部分において透明基板11を露出させるようにパターニングを行うものである。層18Gを形成する工程は、図7(b)に示すように、層18Rを形成する工程において露出した透明基板11の一部を埋めるようにパターニングを行なうものである。層18Bを形成する工程は、図7(c)に示すように、層18Rを形成する工程において露出した透明基板11の他の一部を埋めるようにパターニングを行なうものである。
このようにしてS1からS6までの工程を3回繰り返して遮光部12およびカラーフィルタ13を形成すると、平坦化膜14を形成するために、基板の洗浄を行なって(S7)から、液状をなす熱硬化性のアクリル系樹脂またはこれとエポキシ樹脂との複合樹脂により、塗付工程すなわち平坦化膜塗布工程を行なう(S8)。
平坦化膜塗付工程では、かかる樹脂の塗布を、遮光部12と着色部16R、16G、16Bと周縁部17とに重なり合うように行なう。各層18R、18G、18Bが1μmの厚さであることから、遮光部12の上面と着色部16R、16G、16Bの上面との高低差は2μmであり、また遮光部12の上面と周縁部17の上面との高低差も2μmであって、これらは一致する。
よって、かかる2μmの高低差を埋めるように、樹脂の塗布に次いで、フォトリソグラフィー法により、図7(d)に示すように、遮光部12に重なった部分を除去して、着色部16R、16G、16B、周縁部17のみに重なり合うようにすれば、着色部16R、16G、16Bに重なった樹脂と遮光部12に重なった樹脂との高さを、遮光部12の上面の高さに合わせることができる。
この状態で樹脂を固定するためにポストベーク(S9)を行い、平坦化膜14が形成される。このようにして平坦化層形成工程が行われる。平坦化膜14は、次に形成する透明電極15の密着性、パターニング耐性、さらには後述するシール材32のとの接着性を担保するものである。上述のように、周縁部17を残すように層18Rのパターニングを行なうのは、平坦化膜形成工程においてこのように平坦化膜14を形成すると、その上面が遮光部12の上面と一致した状態で全体で面一となるうえ、周縁部17上に形成されるシール材32の密着性が良好であるとともに、さらには、かかる面一となることで、液晶層3の層厚の制御が容易となることにおいても利点があるためである。
平坦化膜14の形成後、図7(e)に示すように透明電極15を遮光部12と上面及び平坦化層の上面に成膜によって形成する(S10)。透明電極15はスパッタリングで所望の膜厚、抵抗値特性で形成される。このようにして透明電極形成工程が行われる。透明電極15には、インジウム(In)とスズ(Sn)の酸化物からなる導電材料を用いる。さらに配向膜をオフセット印刷法により形成し、カラーフィルタ基板1を形成する。
このように、透明電極15は、遮光部12の上面と平坦化層の上面との上側に直接形成されるが、透明電極15の密着性向上のために、透明電極15の下面に接する酸化ケイ素層を形成する酸化ケイ素層形成工程(図6(S1’))を行い、この酸化ケイ素層すなわちシリコン酸化膜を介して間接的に透明電極を形成してもよい。酸化ケイ素(SiO)は、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、その他これらの間の組成をとるものとすることができる。
同様に、透明電極15の密着性向上のため、透明電極15の下側の面に接する面をプラズマアッシングするプラズマアッシング工程(図6(S2’))を行ってその面に微小な凹凸を形成したいわゆる荒れた状態としても良い。透明電極15を遮光部12の上面及び平坦化層の上面の上側に直接形成する場合にあってはこれらの上面をプラズマアッシング処理し、透明電極15を酸化ケイ素層上に形成する場合にあっては酸化ケイ素層の上面をプラズマアッシング処理する。
酸化ケイ素層形成工程、プラズマアッシング工程は両方を行っても良いし、何れか一方のみを行なっても良い。
このようにして、図7(e)に示すようにカラーフィルタ基板1が形成される。このカラーフィルタ基板1を用いて、図1、図3、図4に示したカラー液晶表示装置100が形成される。すなわち、透明電極22を透明電極15と同様にして透明基板21に形成することで対向基板2を形成する。スペーサ33を散布法により均一に分布させ、シール材32をスクリーン印刷法により形成し、カラーフィルタ基板1と対向基板2とを張り合わせ、カラーフィルタ基板1と対向基板2との間隙に形成された空間に液晶31を注入して液晶層3を形成して、カラー液晶表示装置100を形成する。偏光板4、5はそれぞれ、適時、カラーフィルタ基板1、対向基板2に形成する。
したがって、このようなカラーフィルタ基板を持つカラー液晶表示装置100では、カラーフィルタ基板1の製造ための工数が低減され、製造コストも低減されているため、このカラー液晶表示装置においても、その製造のための工数が低減され、製造コストも低減されている。またカラーフィルタ基板1において3原色の重ね合わせで擬似的に黒色の遮光部12を形成するため、遮光性も十分に担保され、良好なものとなっている。
以上、本発明を適用したカラーフィルタ基板、これを有するカラー液晶表示装置、カラーフィルタ基板の製造方法を説明したが、本発明にかかるカラーフィルタ基板、これを有するカラー液晶表示装置、カラーフィルタ基板の製造方法を構成する各要素については前述した例の各要素に限らず任意に変更可能である。
たとえば、3原色以外の色の層を形成する場合、上述のS1からS6までの工程を4回以上繰り返し、3原色以外の色の着色部を形成するとともに、カラーフィルタを形成することとなる。この場合、3原色の層を重ねて遮光部を形成するのであれば、3原色以外の色の層を形成するのは、3原色の層を形成する工程との関係においてどのタイミングで行なっても良い。よって、3原色以外の色の層を形成する場合、この層が3原色の層の間に位置していても良い。
また、上述の実施例では、着色部16R、16G、16Bが繰り返す方向、たとえば図1における左右方向において、その何れか一端に位置する着色部の色で周縁部17を構成したが、かかる着色部の色と周縁部17の色は必ずしも一致しなくて良い。3原色以外の色の層を形成する場合、かかる着色部の色を3原色以外の色としても良いし、周縁部17の色を3原色以外の色としても良い。
上述の実施例のように、いわゆる額縁部を構成する部分における最下層の色を、着色部16R、16G、16Bが繰り返す方向、たとえば図1における左右方向において、その何れか一端に位置する着色部の色で構成し、この着色部とかかる部分とを同時に形成するようにすることで、カラーフィルタ基板1の製造工数が最小に抑えられるが、かかる着色部の色とかかる部分の色は必ずしも一致しなくて良い。3原色以外の色の層を形成する場合も同様である。
上述の実施例では、着色部16R、16G、16Bは、例えば図1において、左方からこの順で繰り返すように配設され、またこの色の順で透明基板11上に層を形成したが、色の繰り返しの順、層の形成の順は、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の順に限るものでなく、適宜選択される。3原色以外の色の層を形成する場合も同様である。
本発明の透過型のカラー液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 図1に示したカラー液晶表示装置の一部の拡大側断面図である。 本発明の反射型のカラー液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明の半透過型のカラー液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の一部を示す平面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一部のフローチャートである。 本発明のカラーフィルタ基板の製造の過程を模式的に示す工程図である。
符号の説明
1 カラーフィルタ基板
12 遮光部
13 カラーフィルタ
14 平坦化層
15 透明電極
16R、16G、16B 着色部
100 カラー液晶表示装置
S1〜S6 カラーフィルタに関して:カラーフィルタ形成工程
S1〜S6 遮光部に関して:遮光部形成工程
S7〜S9 平坦化層形成工程
S10 透明電極形成工程
S’1 酸化ケイ素層形成工程
S’2 プラズマアッシング工程

Claims (8)

  1. 基板上に複数色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板であって、
    前記複数の着色部を重ねることにより可視光を吸収する黒色の遮光部と、
    前記カラーフィルタ基板上の前記遮光部が設けられていない部分に、前記遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 基板上に少なくとも三原色を含む互いに異なる色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板であって、
    前記三原色の着色部が積層されて形成される遮光部と、
    前記着色部の上の前記遮光部が設けられていない領域に、前記遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ基板。
  3. 第一色に着色された第一の着色領域と、第二色に着色された第二の着色領域と、第三色に着色された第三の着色領域と、遮光領域とを有し、前記第一色、第二色、第三色が互いに異なるとともに三原色を構成するカラーフィルタ基板の製造方法であって、
    基板上の前記第一の着色領域と前記遮光領域に前記第一色の着色層を形成する工程と、
    前記基板上の前記第二の着色領域と前記遮光領域に前記第二色の着色層を形成する工程と、
    前記基板上の前記第三の着色領域と前記遮光領域に前記第三色の着色層を形成する工程と、
    前記第一の着色領域、前記第二の着色領域、前記第三の着色領域に平坦化層を設けることにより、該カラーフィルタ基板の表面を平坦化する平坦化層形成工程と、を備えるカラーフィルタ基板の製造方法。
  4. 前記平坦化層上に酸化ケイ素層を形成する酸化ケイ素層形成工程を有することを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  5. 前記平坦化層上をプラズマアッシングするプラズマアッシング工程を有することを特徴とする請求項3または4に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  6. 少なくとも三原色を含む互いに異なる色の着色部が形成されたカラーフィルタ基板と、
    対向電極が形成された対向基板と、
    前記カラーフィルタ基板上に形成された透明電極と前記対向電極の間に設けられた液晶と、を備えるカラー液晶表示装置において、
    カラーフィルタ基板が、前記三原色の着色部が積層されて形成される遮光部と、前記着色部の上の前記遮光部が設けられていない領域に、前記遮光部の上面の高さに合わせるように形成される平坦化層と、を備えるとともに、前記透明電極が前記遮光部の上面及び前記平坦化層の上面に形成されたことを特徴とするカラー液晶表示装置。
  7. 前記透明電極の下面に接する酸化ケイ素層を有することを特徴とする請求項6に記載のカラー液晶表示装置。
  8. 前記透明電極の下面に接する面がプラズマアッシングされていることを特徴とする請求項6または7に記載のカラー液晶表示装置。
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