JP2007224707A - コンテナハウス用ユニット及びコンテナハウス - Google Patents
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Abstract
【課題】幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結して同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いる場合の連結作業を容易にする。
【解決手段】一階居室ユニット11〜13の廊下側は前面開放型コーナーキャスティング40Aとし、一階居室ユニット11,13,14,16の外壁側は側面開放型コーナーキャスティング40Bとし、一階居室ユニット14〜16のバルコニー側は後面開放型コーナーキャスティング40Cとし、一階居室ユニット11〜16の居室内の連結位置についてはユニット内側に長いタイプでユニット内面側に開口部51が形成された内面開放長型コーナーキャスティング40Dを用いる。
【選択図】 図4
【解決手段】一階居室ユニット11〜13の廊下側は前面開放型コーナーキャスティング40Aとし、一階居室ユニット11,13,14,16の外壁側は側面開放型コーナーキャスティング40Bとし、一階居室ユニット14〜16のバルコニー側は後面開放型コーナーキャスティング40Cとし、一階居室ユニット11〜16の居室内の連結位置についてはユニット内側に長いタイプでユニット内面側に開口部51が形成された内面開放長型コーナーキャスティング40Dを用いる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、コンテナハウスを建築する際のコンテナハウス用ユニット同士を連結する技術に関するものである。
従来より、予め工場で内装や外装が仕上げられた複数のコンテナハウス用ユニットを組立てて連棟させることにより現地での据付けが容易な、コンテナハウスが知られている(例えば、特許文献1,2)。
特開2004−068285号公報(0013,図3)
特開2004−257115号公報(0011,図3)
特許文献1は、各室ユニット間の結合に当たって、コーナーキャスティングを取り外し、天面枠とその上層の室ユニットの底面枠とをボルトで連結し、隣接する室ユニットの柱骨同士を通しボルトで連結する方法を提案している。
特許文献2は、二つのコンテナハウスを水平方向に連棟させる構造として、コンテナハウスの縦枠体の下部に外側へ張り出す様に取り付けられた取付金具の間に間隔調整用のスペーサを挟み込んで連結する方法を提案している。
この様に、特許文献1の技術では海上輸送されてきたコンテナハウス用のユニットからコーナーキャスティングを取り外す必要がある。また、特許文献2の技術では、取付金具を取り付けなければならない。このため、従来の技術では、海上輸送用のコンテナを輸送されてきた状態のままでそのまま用いることができないという問題がある。
なお、特許文献1には、コーナーキャスティングを残し、室ユニットを縦横に連結していく際にその孔を利用することもできる旨の記載もあるが、その具体的な方法等については開示されていない。
そこで、本発明者は、輸送されてきたコンテナハウス用ユニットをそのまま連結できる様にすることを目的として、先に、特願2005−235197号を出願したが、コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いる場合の連結構造については、改善の余地がある。
そこで、本願は、コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いる場合に、連結作業を容易に実施できる様にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本願は、次の(1)〜(3)のいずれかのコンテナハウス用ユニットを提案する。
(1)直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(1−1)前記連結に用いるコーナーキャスティングには、該連結作業を行うために作業者が工具や手を挿入することのできる開口部を備えていること。
(1−2)前記連結に用いるコーナーキャスティングの内の少なくとも一つを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
(1−1)前記連結に用いるコーナーキャスティングには、該連結作業を行うために作業者が工具や手を挿入することのできる開口部を備えていること。
(1−2)前記連結に用いるコーナーキャスティングの内の少なくとも一つを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
(2)直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(2−1)長手方向一方の端部のコーナーキャスティングは、当該端部を開口部としたこと。
(2−2)長手方向他方の端部のコーナーキャスティングは、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
(2−1)長手方向一方の端部のコーナーキャスティングは、当該端部を開口部としたこと。
(2−2)長手方向他方の端部のコーナーキャスティングは、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
(3)直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(3−1)全てのコーナーキャスティングを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
(3−1)全てのコーナーキャスティングを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。
これら本発明のコンテナハウス用ユニットによれば、コンテナハウスを組み立てる際には、開口部からの作業により、ユニット同士をボルト締めして連結することができる。
ここで、コーナーキャスティングは、一般に、ユニットの外側となるコーナーの三面を構成する厚板を備えている。そして、この三面を構成する厚板には、懸架用として、長円形状の孔が形成されている。
そこで、本発明の(1)のコンテナハウス用ユニットでは、例えば、コンテナの幅方向(左右)に2個のユニットを並べて連結する場合には、左側のユニットの右側のコーナーキャスティングの右側面と、右側のユニットの左側のコーナーキャスティングの左側面とを直接又はスペーサを介して連結する様にボルト締めすればよい。この場合、連結部分のコーナーキャスティングの長手方向の端面を構成する厚板を予め取り除いて(1−1)の開口部を備えさせておくことで、ボルト締めの作業をユニットの外側から容易に実施することができる。この場合、左右に連結したユニットを基礎に固定する作業も、この開口部からの作業で容易に実施することができる。また、本発明の(1)のコンテナハウス用ユニットは、例えば、幅方向(左右)に2個のユニットを並べると共に、長手方向にも2個のユニットを並べて4個のユニットで一つのフロアを構成する組み立ても可能である。この場合、この4個のユニットの連結部のコーナーキャスティングを(1−2)の構成としておくのである。こうすることで、ユニットの内側の開口部から手や工具を挿入して、4個のユニットのボルト締めによる連結固定、さらには、これらのユニットを基礎に固定する作業を実行することができる。
本発明の(2)のコンテナハウス用ユニットは、長手方向一方端は当該端部を開口部としたコーナーキャスティングとし、他方端はユニット内面側に伸びた部分に開口部を有するコーナーキャスティングとして規格化されている。前述の様に、幅方向(左右)に2個のユニットを並べると共に、長手方向にも2個のユニットを並べて4個のユニットで一つのフロアを構成する組み立てを行うときは、(2−2)のコーナーキャスティングを備える端部同士を長手方向の連結部とする様にコンテナハウス用ユニットを並べることで、前述の様な連結固定作業を容易に実施することができる。
さらに、本発明の(3)のコンテナハウス用ユニットは、コンテナハウスを組み立てる際、全てのユニットがユニット内面側に設けられたコーナーキャスティングの開口部からの作業で、上下方向、左右方向、長手方向のどの方向への連結固定も容易に実施することができる。従って、長手方向に3個以上連結固定する場合も容易にこれを実施することができる。
ここで、(4)これらの本発明の(1)〜(3)のコンテナハウス用ユニットにおいて、(4−1)「前記長く伸びた部分のユニット内面側の開口部は、ユニット下側に位置する場合は上面に向かって開口する上面開口部として構成し、ユニット上側に位置する場合は下面に向かって開口する下面開口部として構成したこと。」という構成を採用するとさらに作業性が向上する。
従って、本願は、上記目的を達成するコンテナハウスとして、次の構成からなるコンテナハウスを提案する。
即ち、直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられたコンテナハウス用ユニットを、前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結して建築されるコンテナハウスであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウスである。
(5−1)前記コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いること。
(5−2)前記コンテナハウス用ユニットとして、前記(1)〜(4)のいずれかのコンテナハウス用ユニットを、同一フロアの4個のユニットの連結部に、前記ユニット内面側に前記開口部を備えるコーナーキャスティングが位置する様に用いること。
即ち、直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられたコンテナハウス用ユニットを、前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結して建築されるコンテナハウスであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウスである。
(5−1)前記コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いること。
(5−2)前記コンテナハウス用ユニットとして、前記(1)〜(4)のいずれかのコンテナハウス用ユニットを、同一フロアの4個のユニットの連結部に、前記ユニット内面側に前記開口部を備えるコーナーキャスティングが位置する様に用いること。
本発明によれば、海上や陸上を輸送されてきたコンテナハウス用ユニットをそのまま連結することができるから、作業が容易である。また、かかる効果を発揮するにも拘わらず、ユニットは、海上輸送や陸上輸送に十分に耐え、かつ、クレーン等によるハンドリングにも支障を来すことがない。また、コーナーキャスティングの厚板を介してユニット同士、あるいはユニットと基礎とを連結することができるので、建築基準を十分に満足することができる。そして、本発明によれば、コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いる場合の連結作業を容易に実施することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態として、ワンルーム式アパートを建設する例について説明する。
実施形態により建設するワンルーム式アパート1の間取り図を図1に示す。図示の様に、このワンルーム式アパート1は、一階フロア10に2室と、二階フロア20に2室の合計4室二階建ての構成となっている。各居室10A,10B,20A,20Bには、玄関、ホール、キッチン、洋室、トイレ、洗面所、浴室、収納1、収納2とバルコニーとが備わっている。なお、「洗」は洗濯機置き場を、「冷」は冷蔵庫置き場を示している。また、階段31と、一階廊下32と、二階廊下33とを備えている。
このワンルーム式アパート1の一階フロア10は、図2に示す様に、一階居室ユニット11〜16と、一階階段ユニット17と、一階階廊下ユニット18と、一階バルコニーユニット19とを連結して建築される。同じく二階フロア20は、図3に示す様に、予め内装や外装が仕上げられた二階居室ユニット21〜26と、二階階段ユニット27と、二階階廊下ユニット28と、二階バルコニーユニット29とを連結して建築される。
一階居室ユニット11〜16及び二階居室ユニット21〜26は、いずれも、海上輸送用の20フィートコンテナを母体として、その組み立て位置に応じた内装や外装が施されている。
この居室ユニット11等を構成するコンテナ同士はコーナーキャスティングを介して互いに連結されることによってワンルーム式アパート1の居室10A,10B,20A,20Bを構成することができる。
ここで、一階居室ユニット11〜16においては、図4(A),(B)に示す様に、廊下側の一階居室ユニット11〜13の廊下側に位置するコーナーキャスティング40Aは、いずれも廊下に面する前面側を開口部51として開放されている。以下、前面側を開口とされているものを、「前面開放型コーナーキャスティング40A」という。また、廊下側の一階居室ユニット11,13とバルコニー側の一階居室ユニット14,16の外壁側のコーナーキャスティング40Bは、側面側を開口部51として開放されている。以下、側面側を開口とされているものを、「側面開放型コーナーキャスティング40B」という。さらに、バルコニー側の一階居室ユニット14〜16のバルコニー側のコーナーキャスティング40Cは、後面側を開口部51として開放されている。以下、後面側を開口とされているものを、「後面開放型コーナーキャスティング40C」という。また、一階居室ユニット11〜16の居室内の連結位置にあるコーナーキャスティング40Dは、それぞれ、ユニット内側に長いタイプのものとなっており、ユニット内面側に開口部51が形成されている。以下、ユニット内面側に開口を有する長いタイプのものを、「内面開放長型コーナーキャスティング40D」という。
同じく、二階居室ユニット21〜26においては、図5(A)に示す様に、二階床側については、一階居室ユニット11〜16と同じく、廊下に面する位置は前面開放型コーナーキャスティング40Aとし、バルコニーに面する位置は後面開放型コーナーキャスティング40Cとし、外壁側の連結位置は側面開放型コーナーキャスティング40Bとし、居室内連結位置を内面開放長型コーナーキャスティング40Dとしている。
一方、二階居室ユニット21〜26の天上側については、図5(B)に示す様に、各角部について、開口部のない封鎖型コーナーキャスティング40Eを備える構成としている点で、一階居室ユニット11〜16と異なる構造としてある。これは、本実施形態は二階建てのワンルーム式アパート1を対象としていることから、これらの位置については、さらに上下左右にコンテナユニットを連結しないからである。
次に、これら居室ユニット11〜16,21〜26を構成するコンテナ同士の連結方法について説明する。
まず、図4(A)に示した配置で一階居室ユニット11〜16を固定するため、図6に示す様に、必要箇所にアンカーボルト53を埋め込んだ状態の基礎55を敷設する。そして、図7に示す様に、この基礎55のアンカーボルト埋設箇所に、一階居室ユニット11〜16のコーナーキャスティング40A等の底面に挟み込むためのスペーサ60A等をセットする。
封鎖型コーナーキャスティング40Eとの連結を行う箇所には、ほぼ正方形で中心にアンカーボルト53を挿通するための孔61を備えた角柱状凸部62を有する平板型スペーサ60Aをセットする。また、前面開放型コーナーキャスティング40A、側面開放型コーナーキャスティング40B及び後面開放型コーナーキャスティング40Cとの連結を行う箇所には、平板型スペーサ60Aを2枚並べた大きさで、角柱状凸部62を2個備え、長手方向中心に立設した垂直板63を有する逆T型スペーサ60Bをセットする。この逆T型スペーサ60Bの垂直板63には、後述するボルト締結用のボルト挿通孔64,64が上下二箇所設けられている。一方、内面開放長型コーナーキャスティング40Dとの連結を行う箇所には、平板型スペーサ60Aを4枚集合させたサイズで4個の角柱状凸部62を有し、平板部の上面に2枚の帯板を交差させた十字板65が立設された上面十字型スペーサ60Cをセットする。この上面十字型スペーサ60Cの十字板65にも、ボルト挿通孔64,64が上下二箇所を対として4組設けられている。
こうして、スペーサ60A,60B,60Cを基礎55の必要箇所にセットしたら、一階居室ユニット11〜16を、図4(A)の配置となる様に基礎55の上に載置する。このとき、図8(A)に示す様に、各ユニット11〜16の底面に位置するコーナキャスティング40A等の底面側の懸架用の孔42と各スペーサ60A〜60Cの角柱状凸部62とで位置合わせをする。
ここで、一階居室ユニット11,12を基礎55に連結する方法を詳しく説明する。図8(A)に示す様に、居室ユニットを構成するコンテナの角部に備えられる前面開放型コーナーキャスティング40Aは、厚板41a,41bによるL字状の部分を備えている。このL字状の部分の水平方向の厚板41aに形成された懸架用の孔42を介して基礎55から立ち上げられているアンカーボルト53をナット57で締めることによって、居室ユニット11,12を基礎55に連結固定する。この作業は、前面開放型コーナーキャスティング40Aの開口部51を介して前面から工具や手を差し入れて実施することができる。
ここで、角柱状凸部62の高さは、コーナーキャスティング40Aの厚板41a,41bとほぼ同じ厚さ(約35〜40mm)である。従って、居室ユニット11,12を基礎55の上にセットしたときに、角柱状凸部62とコーナーキャスティング40Aの底の厚板41aとは、上面がほぼ面一となる。
締結の際には、この厚板41aとナット57の間に、当て板67を当ててボルト締めを行う。この当て板67は、懸架用の孔42の幅よりも大きく、ボルトの軸を挿通することのできる貫通孔69を備えたものである。また、この当て板67は、コーナーキャスティング40Aの厚板41a,41bとほぼ同じ厚さ(約20mm)である。
また、一階居室ユニット11,12を互いに締結する。この締結作業は、図8(A)に示す様に、前面開放型コーナーキャスティング40Aの垂直方向の厚板41bに形成されたボルト挿通用の孔43、及び逆T型スペーサ60Aの垂直板63に形成されたボルト挿通孔64を介して、ボルト・ナット45を挿入・締結することによって行われる。この作業も、前面開放型コーナーキャスティング40Aの開口部51を介して前面から工具や手を差し入れて実施することができる。
次に、一階居室ユニット11,12,13,14の床面側を連結する作業について説明する。図9に示す様に、居室ユニット11〜14の床面側連結箇所となる角部に備えられている内面開放長型コーナーキャスティング40Dは、それぞれのユニットの内面側に長く伸びた形状を呈すると共に、ユニット内面側に開口部51を備えているので、この開口部51から工具や手を差し入れ、アンカーボルト53をナット57で締めて、居室ユニット11〜14を基礎55に連結固定する。
また、同じく、ユニット内面側の開口部51から工具や手を差し入れ、各コーナーキャスティング40Dの垂直方向の厚板41bに形成されたボルト挿通用の孔43及び上面十字型スペーサ60Cの十字板65に形成されたボルト挿通孔64を介して、ボルト・ナット45を挿入・締結する。こうして、一階居室ユニット11,12,13,14の床面側を基礎55及び隣接するユニットに対して連結固定することができる。
次に、一階居室ユニット11,12と二階居室ユニット21,22とを廊下側において連結する作業について説明する。図10に示す様に、居室ユニット11,12の廊下側の天上側角部に備えられている前面開放型コーナーキャスティング40Aは、一階居室ユニット11,12を基礎55に連結固定したのと同じく、前面側の開口部51から工具や手を差し入れ、ボルト・ナット45を用いて連結固定する。
ここで、コーナーキャスティング40Aの間には、図11に示す様な十字型スペーサ71を挟み込む。この十字型スペーサ71は、逆T型スペーサ60Aにおける角柱状凸部62及び垂直板63と同様の角柱状凸部73及び垂直板75を上下に備えたものである。
次に、一階居室ユニット11,12と二階居室ユニット21,22とを、バルコニー側、即ち、居室の内側において連結する作業について説明する。図12に示す様に、一階居室ユニット11,12のバルコニー側の天上側角部に備えられている内面開放長型コーナーキャスティング40Dと、二階居室ユニット21,22のバルコニー側の床面側角部に備えられている内面開放長型コーナーキャスティング40Dとには、各ユニットの内面側に開口部51があり、ここから工具や手を差し入れ、ボルト・ナット45を用いて、隣接するコーナーキャスティング同士を連結固定することができる。
なお、一階と二階を連結固定する際には、図13に示す様に、先に一階側のユニット11,12を、十字型スペーサ71を挟んだ状態にて連結固定しておき、十字型スペーサ71の角柱状凸部73に、円錐台形状の頭部を有するダボ80を嵌め込んでおいて二階側のユニット21,22の位置決めをし易くしておくと作業がスムーズになる。
こうして、図14に示す様に、基礎55の上に一階居室ユニット11〜16の6個のコンテナユニットを連結固定し、さらに、その上に二階居室ユニット21〜26の6個のコンテナユニットを連結固定し、合計12個のコンテナユニットにより、4室の居室を有するワンルーム式アパート1の本体が組み立てられる。なお、この組み立てに当たっての側面開放型コーナーキャスティング40B及び後面開放型コーナーキャスティング40Cの部分御連結固定は、前面開放型コーナーキャスティング40Aの部分の連結固定と同様に、建物の外側に面する開口部51からの作業により実施することができる。こうして本体を組み立てたら、一階階段ユニット17、一階階廊下ユニット18、一階バルコニーユニット19、二階バルコニーユニット29、二階階段ユニット27、二階階廊下ユニット28及び二階バルコニーユニット29を建物の外側からの作業にて順次連結固定することにより、本実施形態のワンルーム式アパート1が完成する。
本実施形態によれば、開口部51からコーナーキャスティング40A,40B,40C,40D内に工具や手を差し入れてユニット同士をボルト締めにより連結することができる。特に、内面開放長型コーナーキャスティング40Dを備えることにより、完成時に建物内部となる連結箇所があっても組み立てることができるので、20フィートコンテナをベースとするユニットにより、ワンルーム式アパート1を容易に組み立てることができる。
また、上下方向の連結に用いる孔42には、スペーサ60A等の角柱状凸部62が嵌め込まれており、しかも、この角柱状凸部62は、コーナーキャスティングを構成する厚板とほぼ同じ厚さ(約20mm)であり、かつ、この凸部62の上(又は下)に、孔42の幅よりも大きい厚さ約20mmの当て板67が当てられているから、ボルトによる締結力は、孔42が形成された厚板41aに対して十分に作用する。よって、十分な強度の連結が可能となる。
また、実施形態では、コーナキャスティング40A,40B,40C,40Dには開口部51を設けたが、懸架用の孔42を有する2面の厚板41a,41bは備えられている。また、コーナキャスティング40A等に開口部51を設けただけなので、余分な張り出しもない。よって、コーナーキャスティング自体の強度は十分に確保されており、余分な張り出しがないから通常のコンテナ輸送方法を採用することができ、クレーン等で懸架することも可能である。従って、輸送時における取扱い上の支障を来すことがない。また、コーナキャスティング40A等の厚板同士を連結固定する構造となっているので、建築基準を十分に満足することができる。
さらに、実施形態では、スペーサ60A等を挟み込むこととしたので、ユニットの間隔を調整することができると共に、ユニットが一体化され十分な連結強度が得られる。
また、スペーサ60A等に一体的に設けられた凸部62を備えていることから、スペーサ60A等を挟み込む際に正確に位置合わせをすることができる。
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、図15(A)に示す様に、床面側も天上側も、廊下側は前面開放型コーナーキャスティング40Aとし、バルコニー側は内面開放長型コーナーキャスティング40Dとしたユニットと、図15(B)に示す様に、床面側も天上側も、廊下側は内面開放長型コーナーキャスティング40Dとし、バルコニー側は後面開放型コーナーキャスティング40Cとしたユニットとを用いて、図15(C)に示す様な配置方法にて連結固定する様にしてもよい。この場合、ユニットの基本構造を規格化することができる。
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態は、図16(A)に示す様に、全てのコーナーキャスティングを、内面開放長型コーナーキャスティング40Dとしたユニットを用いて、図16(B)に示す様な配置方法にて連結固定する様にしてもよい。この場合、より一層ユニットの基本構造を規格化することができる。また、図16(C)に示す様に、長手方向に3個以上を連結することも可能である。
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態は、図17,図18に示す様に、居室ユニット111〜114の床面側連結箇所となる角部に備えられているユニット内面に伸びる長型コーナーキャスティング140Dとして、ユニット内面側方ではなく、ユニット内面上方に向かって開口する上面開口部151を備えた。なお、図19に示す様に、一階居室ユニット111,112の天井側は、逆に、下方に向かって開口する下面開口部152が形成されており、この下面開口部152と二階居室ユニット121,122の上面開口部151とからの作業によって連結固定を実行する。これにより、連結作業がさらに容易になる。なお、ユニットを製造する際に、床板や天上板を長手方向の枠部材の付近のみを未施行の状態で製造し、ユニット同士の連結後に当該未施行部分の床板や天上板を施行するだけでよく、側面側に開口部を形成した第1〜第3実施形態よりもさらに有利である。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
1・・・ワンルーム式アパート、 10・・・一階フロア、 10A,10B・・・一階居室、 11〜16・・・一階居室ユニット、 17・・・一階階段ユニット、 18・・・一階階廊下ユニット、 19・・・一階バルコニーユニット、 20・・・二階フロア、 20A,20B・・・二階居室、 31・・・階段、 32・・・一階廊下、 33・・・二階廊下、 21〜26・・・二階居室ユニット、 27・・・二階階段ユニット、 28・・・二階階廊下ユニット、 29・・・二階バルコニーユニット、 40A・・・前面開放型コーナーキャスティング、 40B・・・側面開放型コーナーキャスティング、 40C・・・後面開放型コーナーキャスティング、 40D・・・内面開放長型コーナーキャスティング、 40E・・・封鎖型コーナーキャスティング、 41a,41b・・・厚板、 42・・・懸架用の孔、 43・・・ボルト挿通用の孔、 45・・・ボルト・ナット、 51・・・開口部、 53・・・アンカーボルト、 55・・・基礎、 57・・・ナット、 60A・・・平板型スペーサ、 60B・・・逆T型スペーサ、 60C・・・上面十字型スペーサ、 61・・・アンカーボルトを挿通するための孔、 62・・・角柱状凸部、 63・・・垂直板、 64・・・ボルト挿通孔、 65・・・十字板、 67・・・当て板、 69・・・貫通孔、 71・・・十字型スペーサ、 73・・・角柱状凸部、 75・・・垂直板、 80・・・ダボ、 91・・・スペーサ、 92・・・当て板、 93・・・凸部のある当て板、 94・・・凸部のない当て板、 95・・・台、 96・・・ダボ、 97・・・当て板、 98・・・凸部、 99・・・スペーサ、 111〜114・・・一階居室ユニット、 121,122・・・二階居室ユニット、 140D・・・長型コーナーキャスティング、 151・・・上面開口部、 152・・・下面開口部。
Claims (5)
- 直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(1−1)前記連結に用いるコーナーキャスティングには、該連結作業を行うために作業者が工具や手を挿入することのできる開口部を備えていること。
(1−2)前記連結に用いるコーナーキャスティングの内の少なくとも一つを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。 - 直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(2−1)長手方向一方の端部のコーナーキャスティングは、当該端部を開口部としたこと。
(2−2)長手方向他方の端部のコーナーキャスティングは、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。 - 直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられ、複数個を前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結することでコンテナハウスを建築するためのコンテナハウス用ユニットであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス用ユニット。
(3−1)全てのコーナーキャスティングを、当該コーナーキャスティングに連結される枠部材の連結端よりもユニット内に長く伸びた部分を有し、当該長く伸びた部分のユニット内面側に前記開口部を備えるものとしたこと。 - さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のコンテナハウス用ユニット。
(4−1)前記長く伸びた部分のユニット内面側の開口部は、ユニット下側に位置する場合は上面に向かって開口する上面開口部として構成し、ユニット上側に位置する場合は下面に向かって開口する下面開口部として構成したこと。 - 直方体の枠を構成する枠部材の各角部にコーナーキャスティングを備え、予め内装や外装が仕上げられたコンテナハウス用ユニットを、前記コーナーキャスティングの部分でボルト締めによって連結して建築されるコンテナハウスであって、以下の構成を採用したことを特徴とするコンテナハウス。
(5−1)前記コンテナハウス用ユニットを、幅方向に2個以上、長手方向に2個以上連結することにより、同一フロアに4個以上のコンテナハウス用ユニットを用いること。
(5−2)前記コンテナハウス用ユニットとして、請求項1〜4のいずれか記載のコンテナハウス用ユニットを、同一フロアの4個のユニットの連結部に、前記ユニット内面側に前記開口部を備えるコーナーキャスティングが位置する様に用いること。
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