JP2007224572A - スラブコンクリート用天端標示具とその延長金具、およびそれらを利用したコンクリートスラブの形成方法 - Google Patents

スラブコンクリート用天端標示具とその延長金具、およびそれらを利用したコンクリートスラブの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 既に市場に提供されているスラブ天端指示具に比較して簡便且つ低廉に生産可能であり、しかも正確にスラブ天端を指示可能とすることができる新たなコンクリート打設工事におけるスラブコンクリート用天端標示具とその延長金具、およびそれらを利用したコンクリートスラブの形成方法を提供する。
【解決手段】 スペーサー型位置決め用基部2の上部に、支柱部3を鉛直状に立設すると共に、該支柱部3上端に、逆円錐台形の下端側41にナット部42、天端標示縁44となる上端側43に同心状ボルト部45を立設した分界下位コーン4のナット部42を螺着し、該ボルト部45に、円錐台形の分界上位コーン5の同心状ナット部53を離脱可能に螺合し、天端標示縁44,52同士を接合するよう冠装してなるスラブコンクリート用天端標示具1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄筋コンクリートの打設に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に、スラブコンクリートの天端(被り厚)を正確に指示可能とする、スラブ天端用標示金具を製造する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
鉄筋コンクリート造の建築物は、コンクリート内部の中性化、凍結融解、アルカリ骨材反応等の劣化と、それに伴う鉄筋の発錆、膨張、およびその膨張圧力によるコンクリートの亀裂や崩壊等の発生を防止し、また、十分な耐火性能を確保し、海岸近くの建造物にあっては塩害を防止する等、コンクリートの耐久強度を高め、建物の耐久寿命を延ばすという目的から、壁コンクリートやスラブコンクリート等の工事の際に、鉄筋の被り厚を十分に確保する必要がある。
壁コンクリート工事に際し、コンクリート打設空間を挟み対峙する壁型枠の双方間に、棒状セパレーターの両端に木製あるいは樹脂製のコーンを連結したフォームタイと称される締付金具を掛け渡し、各コーンからセパレーターと同心状に延伸された雄ネジを利用して両壁型枠背面側に配されたバタを、コーンとの間に緊締し、設計どおりに両壁型枠面同士の位置決めを行うものとするのが一般的な施工となっており、要所々々毎にフォームタイを設けることにより、精度良く位置決めされた壁型枠によって鉄筋被り厚の不足という致命的な欠陥の発生を、確実に防止することができるものとなっている。
しかしながら、スラブコンクリート工事に際しては、施工者によって様々な施工方法が採られており、本願出願人の施工にあっては、例えば鉄筋被り厚の設定を必要とするスラブ天端が型枠に接しておらず、露出状となっていることから、生コンクリートを充填するときには、水平で均質且つ十分な鉄筋被り厚を確保できるよう、予めスラブ天端のコンクリート充填用の目標物を適宜面積範囲毎に設置しておく必要があり、このため上端に雄ネジを有する鉄棒の先端にコーンを螺着したものを縦横鉄筋に鈍し鉄線等を用いて立設状に結束し、コーンの螺合度合いを調節して高の設定を行い、スラブ天端の打設目標位置を標示し、生コンクリートをスラブ型枠内に充填するときに、適宜面積範囲毎に立設した各鉄棒先端のコーン上端を目標に打設作業を進め、コンクリートの養成が完了した後に、各コーンの上端に露出状となっている六角ナットもしくはボルト部分を工具を用いて螺解し、コンクリート中に一体化した鉄棒からコーンだけを取り外した上、各コーンを取り除いた跡穴に、モルタルやセメントペースト等コンクリート系素材を充填し、天端面を仕上げるという施工を行うことが多かった。
このような鉄棒とコーンの組み合わせによる指標金具では、コーン上端の六角ナットやボルト等が、スラブ天端に望むコーン上端周縁の中央から外側に露出してしまい、スラブコンクリート用の型枠内に流し込む生コンクリートが、コーン上端周縁を乗り越えて流入してしまい、取り外しの際に六角ナットやボルト等に工具を嵌合させることができなくなってしまい、取り外し作業に多大な時間と労力とを費やさざるを得ない事態が多く発生してしまうという欠点があり、これを防止する目的から、生コンクリートの打設作業を開始する前に、各コーンの上端面とそこに露出する六角ナットやボルト等を、ビニールテープを用いて覆い隠して置くという工夫をしているが、広大な工事面積に渡り、数多く配された指標金具の夫々に隙間無くビニールテープを被着する作業もまた多大な工数を要し、さらにコンクリート養成後のコーンの取り外し作業に際しても、一個毎、硬化したコンクリート諸共ビニールテープを剥がし取る必要がある等、スラブコンクリート工事の効率化を妨げる要因の一つとなっていた。
(従来の技術)
その打開策として、例えば特開2005−344379号公報の「スラブコンクリート打設用天端指示具」発明として提案されているもののように、鉄筋に取り付け可能な取付け手段と、それから上方に立ち上げられた高さ調整用支柱と、該支柱上端から上方に向けて規制すべき被り厚寸法に設定されたセメント系材料から形成された本体とを含むものとしたことにより、打設すべきスラブ天端を示すよう鉄筋に固定可能であり、コンクリート打設後には、天端指示具の設置箇所も、セメント系材料からなる本体が被り厚を確保可能としたものや、特開2000−38807号公報に開示された「鉄筋用保持具」発明のように、所定の上下間隔を置いて平行し、あるいはそれらに交叉状となる複数本の鉄筋を支持可能な凹部や切欠きを複数適所の夫々に形成した保持具本体を有し、該保持具本体に対し、所望の被り厚さ又はコンクリート天端の位置を示す水準器を、クリップを介して立設状に装着したものとすることにより、保持具本体が鉄筋用のスペーサーとしての機能を果たすと共に、スプリングによって支持された水準器が、生コンクリートの充填に際して柔軟に変形し、設定位置に復帰可能となり、水準器の破損による打設不良の発生を防止可能としたもの等が散見される。
しかし、前者の「スラブコンクリート打設用天端指示具」発明は、長ナットに螺着させた支柱下端を、締付ネジを有する取り付け手段によって横筋の中途部に取り付けるようにしたものとなっているが、締付けネジの締め付け具合に不具合が生じた場合には、天端を指示する本体を支える支柱が長ナット諸共降下もしくは横筋を中心に回転してしまう虞があるという欠点を有し、また、後者の「鉄筋用保持具」発明は、その保持具本体を上下に配されている横筋を支持できるようにするため、多数適所に凹部や切欠きを形成した比較的大型の金属板あるいは合成樹脂等の成型品としなければならず、大量に生産するためには、複雑な製造工程と大型の金型とが必要となり、生産工数が多く、一般的なスラブ天端指示具に比べて高価なものとなってしまい、建設コストを引き上げる原因となってしまうことが懸念されるという欠点を残していた。
(1)特開2005−344379号公報 (2)特開2000−38807号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある「スラブコンクリート打設用天端指示具」や「鉄筋用保持具」などでは、何れも本願出願人が用いていた上端に雄ネジを有する鉄棒の先端にコーンを螺着し、縦横鉄筋に鈍し鉄線等を用いて立設状に結束し、コーンの螺合度合いを調節して高さ調節を行えるようにした天端指示具に比較すれば、より効率的に配筋作業と天端指示具の設置とを行うことができるようにしてはあっても、前者の「スラブコンクリート打設用天端指示具」の場合、より確実な締め付け固定作業と、コンクリート打設前における取り付け状態の確認作業とが不可欠となってしまい、工数の増加に繋がるという欠点があり、また、後者の「鉄筋用保持具」では、鉄筋構造を支持する強度部品としての機能を兼ねているため、一般的な天端指示具に比較して高価なものとなってしまうという欠点を有しており、何れの場合にも天端指示具の設置コストを削減することが困難になるという問題を解決し得なかった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、一般的なコンクリート打設工事用もしくは型枠工事用として広く市販されている既存部品を組み合わせることにより、既に市場に提供されているスラブ天端指示具に比較して簡便且つ低廉に生産可能であり、しかも正確にスラブ天端を指示可能とすることができる新たなコンクリート打設工事における天端標示技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のスラブコンクリート用天端標示具とその延長金具、およびそれらを利用した新規なコンクリートスラブの形成方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例からも明確に理解されるように、この発明のスラブコンクリート用天端標示具は、基本的に以下に示すとおりの構成から成り立っている。
即ち、スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持された所定長の直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合してなるものとした構成を要旨とするスラブコンクリート用天端標示具である。
この基本的な構成からなるスラブコンクリート用天端標示具を表現を変えて示すと、スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持された所定長の直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合し、コンクリート打設の際、分界下位コーンの天端標示縁となる大径の上端側からの生コンクリートの流入を阻止するようにした上、コンクリートの所定養生期間後には、分界上位コーンならびに分界下位コーン共に取り外して生ずる抜去跡穴に生コンクリートその他を充填、隠蔽するものとした構成からなるスラブコンクリート用天端標示具となる。
より具体的には、スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持され、該基部据置き箇所から設計スラブ天端までの距離から被り厚を減じた寸法以下の長さとした直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合してなるものとしたスラブコンクリート用天端標示具となる。
(関連する発明1)
上記したスラブコンクリート用天端標示具に関連し、この発明には、それに組み合わせて使用する延長金具も包含されている。
即ち、所定長さに設定された直棒状で、分界下位コーン下端側のナット部に螺合可能な雄ネジが少なくとも上端所定範囲に刻設されてなる延長棒を有し、その下端には、据置き棒体支柱部上端に同心状で上下進退調節且つ位置決め螺着を可能とするようにした連結用長ナットの上端を同心状に一体化するか、もしくは一体化可能となるように設け、当該延長棒の上端寄り中途適所に、配設、使用の際に隣接配置されている鉄筋に締着可能とするネジ緊締機構を有した鉄筋固定金具を熔接、一体化してなるものとした、この発明の基本をなす前記スラブコンクリート用天端標示具に利用する延長金具である。
(関連する発明2)
また、この発明には、それらを利用したコンクリートスラブの形成方法も包含されている。
即ち、 スラブ天端標示工程により、スラブ用型枠コンクリート打設面かまたはスラブ用鉄筋上側面か等の適所に据置き棒体位置決め用基部の下面適応部位を当接、載置状とし、予めコンクリート打設厚とその被り厚、および据置き手段とを考慮した所定長さ寸法に設定の当該据置き棒体を、その支柱部の中途適所で、隣接状に配設されている鉄筋適所に結束線等の鉄筋固定金具類を用いて鉛直状に締着するようにすると共に、当該支柱部上端に装着した分界上・下位コーンの天端標示縁を設計スラブ天端位置に一致させるよう、同支柱部上端側雄ネジと分界下位コーン下端側のナット部との螺合具合を上下進退調整、操作するようにして、スラブ打設範囲の適宜面積範囲毎に、このスラブコンクリート用天端標示具を配設するようにした後、スラブ型枠内に所要量の生コンクリートを打設してスラブ形成をするコンクリート打設工程中に、既に設置済みとした全ての天端標示具夫々の分界上・下位コーンの天端標示縁の属す同一平面を基準にして生コンクリートを打設、養生するか、生コンクリートを打設して所定養生期間を置いてモルタル仕上げをするかしてしまってから、次の最終工程により、スラブ天端面から露出状となっている全ての分界上位コーンの螺解、撤去し、引き続きスラブコンクリートに埋没状となっている分界下位コーンも螺解、撤去した上、スラブ表面に残る各抜去跡穴に対してモルタルその他を充填するか、それと同時に全面にモルタル均し仕上げをするかするようにし、据置き棒体支柱部上端を含む各抜去跡穴を隠蔽してしまうようにする、この発明の基本を成すスラブコンクリート用天端標示具を利用したコンクリートスラブの形成方法である。
これをより具体的に示すと、スラブ天端標示工程により、スラブ用型枠コンクリート打設面かまたはスラブ用鉄筋上側面か等の適所に据置き棒体位置決め用基部の下面適応部位を当接、載置状にすると共に、同支柱部上端に前記請求項7記載の延長金具下端の連結用長ナットを螺合し、該延長金具継ぎ足しでコンクリート打設厚とその被り厚、および据置き手段とに応じた所定長さ寸法に設定の当該据置き棒体を、該延長金具延長棒に用意したネジ緊締機構を用いて鉛直状に締着するようにすると共に、同延長棒上端に装着した分界上・下位コーンの天端標示縁を設計スラブ天端位置に一致させるよう、同延長金具延長棒上端側雄ネジと分界下位コーン下端側のナット部との螺合具合を上下進退調整、操作するようにして、スラブ打設範囲の適宜面積範囲毎に、このスラブコンクリート用天端標示具を配設するようにした後、スラブ型枠内に所要量の生コンクリートを打設してスラブ形成をするコンクリート打設工程中に、既に設置済みとした全ての天端標示具夫々の分界上・下位コーンの天端標示縁の属す同一平面を基準にして生コンクリートを打設、養生するか、生コンクリートを打設して所定養生期間を置いてモルタル仕上げをするかしてしまってから、次の最終工程により、スラブ天端面から露出状となっている全ての分界上位コーンの螺解、撤去し、引き続きスラブコンクリートに埋没状となっている分界下位コーンも螺解、撤去した上、スラブ表面に残る各抜去跡穴に対してモルタルその他を充填するか、それと同時に全面にモルタル均し仕上げをするかするようにし、据置き棒体支柱部上端を含む各抜去跡穴を隠蔽してしまうようにしたコンクリートスラブの形成方法ということができる。
以上のとおり、この発明のスラブコンクリート用天端標示具によれば、一般的なコンクリート打設工事用もしくは型枠工事用として広く市販されている既存部品を組み合わせることにより、既に市場に提供されているスラブ天端指示具に比較して簡便且つ低廉に生産可能であり、しかも正確にスラブ天端を指示可能とすることができるコンクリート打設工事における新たな天端標示技術を提供することができるものであり、特に、コンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持された所定長の直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成したことから、支柱部の下端を支持する位置決め用基部を、スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能とし、縦方向の位置決め固定を、より正確なものとすることができ、しかも工場生産の過程に支柱部の長さを、設置場所のコンクリート被り厚寸法に合わせて予め截断、調節して置くことが可能となり、コンクリート打設現場における切断や熔断、熔接作業等を不要にして設置作業を合理化することができるものとなるという大きな特徴が得られる。
そして、この据置き棒体支柱部上端雄ネジに、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合するようにしてあることから、分界下位コーンの小径端側ナット部と支柱部上端雄ネジとの螺合位置を、設置現場における手作業によって簡便に変更し、同分界下位コーン大径端側の天端標示縁の高さ位置を微調整することができ、従前よりもさらに効率的且つ正確な天端標示作業を可能にするという秀れた効果を発揮できる。
さらに、分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部に、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心に同心状のナット部か、もしくはボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合するようにしてあることから、従来型の「スラブコンクリート打設用天端指示具」や「鉄筋用保持具」のような表示突部上端ポイントによる点状の天端指示に比較して、分界上下位各コーン天端標示縁同士による水平面状の円形接合線部分によって周囲360°に渡る水平線をも同時に標示することが可能となり、支柱部を鉛直状に設置することによる被り厚の標示に加え、コンクリート天端の水平線成分をも正確に標示でき、しかも分界上位コーンを、分界下位コーンの天端標示縁内の開口を閉塞するよう冠装してあり、打設作業中の生コンクリートが分界下位コーン内に流入してしまう弊害を確実に阻止すると共に、コンクリートの養成を終えた後には、従前までのようなビニールテープの剥がし取り等の煩雑な作業が一切不要となり、分界上位コーンから順次、もしくは分界上位コーン諸とも分界下位コーンまでを取り外し、スラブ天端に開口する抜去跡穴に生コンクリート、モルタルあるいはセメントペースト等のコンクリートに強固に一体化し、コンクリートに準ずる強度を確保し得るものを充填して分な強度および水密性が得られる被り厚を確保できるという大きな利点を得ることができる。


加えて、当該スラブコンクリート用天端標示具は、据置き棒体を構成する位置決め用基部と支柱部、分界下位コーンおよび分界上位コーンの各主要部品の全てを、一般的なコンクリート打設工事用もしくは型枠工事用として広く市販されている既存部品によって比較的容易に調達できる上、それらに多少の加工を加えて組み立て、実現することができ、既に市場に提供されているスラブ天端指示具に比較して格段に簡便且つ低廉に生産可能であり、スラブ天端を正確に指示可能とし、しかも位置決め用基部を、スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能なコンクリート系素材製でスペーサー型のものとしてあり、スラブ用型枠コンクリート打設面上に載置しただけで支柱部の鉛直姿勢を実現でき、あるいは横筋の概略円柱状周壁面上に安定的に載置することができる上、その素材ならびに寸法、形状によって位置決め用基部周囲のコンクリート被り厚を十分に確保することができるという特段の効果を得るものとなる。
また、据置き棒体支柱部の上端雄ネジに、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側に同心状のナット部、天端標示縁となる大径の上端側中央に同心状ボルト部を立設、もしくは同心状ナット部を形成してなる分界下位コーンの小径の下端側ナット部を、上下進退調節自在に位置決め(逆止め)ナットを介在、螺合するようにしてあることから、一度、分界下位コーンの支柱部への螺合高さ位置を決定し、位置決め(逆止め)ナットを締め付けてしまえば、配筋作業中や生コンクリートの打設作業中等に、うっかり当接してしまったときなどにも、分界下位コーンが不用意に回転するのを阻止し、設定されたコンクリート被り厚が変更されてしまうのを確実に阻止するという利点が得られる。
さらにまた、分界上・下位コーンを、互いに異なる色に着色したものか、あるいは分界上位コーン下端側の天端標示縁に沿って分界下位コーンとは異なる色の細線状標示帯を形成したものか、もしくは分界上・下位コーンの互いに大径で天端標示縁とする下端側あるいは下端側に沿ってそれらコーン自体とは異なる色の細線状標示帯を形成したものかの、何れか一つの形態を採用するようにしてあることから、天端標示縁に高い視認性を与えることが可能となり、施工ミスの発生をより確実に防止できると共に、据置き棒体支柱部先端の分界上・下位コーンが危険を知らせ、コンクリート打設前および打設後の取り回し作業中の電源コードやホース等の引っ掛かり、あるいは躓きや転倒事故等の発生を未然に防止して一段と作業の安全性を高めるという効果を奏する。
この据置き棒体支柱部として、全長に渡り雄ネジが刻設された直状の長めの全ネジ金属棒を採用し、それを設計スラブ厚に応じた所定長さ寸法のものに截断して使用するようにしたものでは、簡便な作業だけで組み立て、生産可能となり、煩雑なネジ切りや熔接等の作業が不要になって支柱部を効率的に大量生産することができ、両端の雄ネジ部分が、位置決め用基部への接続や、分界下位コーンあるいは延長金具のナット部あるいは連結用長ナットとの接続にそのまま利用でき、螺合具合を変更することによって連結高さ位置を微調整することが可能となるという格別の効果が得られるものとなる。
さらに、この支柱部が、上端寄りの中途適所に、配設、使用する際、隣接配置されている鉄筋に締着可能とするネジ緊締機構を有した鉄筋固定金具を熔接、一体化してなるものでは、据置き棒体の位置決め用基部によってその基端側を安定的に立設状とした支柱部の上端側であって分界下位コーンの近傍箇所をより確りと位置決めすることができ、従来からのなまし鉄線等による締め付け固定に比較して強固な固定を実現し得ることとなり、現場作業中の人や資材などの引っ掛かりによるスラブコンクリート用天端標示具自体の傾きや脱落等を確実に防止できることとなる。
この発明のスラブコンクリート用天端標示具に対し、所定長さの直棒状であって少なくとも上端所定範囲に、分界下位コーンの小径端側ナット部に螺合可能な雄ネジを刻設した延長棒の下端に、支柱部上端に同心状且つ上下進退調節、位置決め螺着可能な連結用長ナットの上端を同心状一体化、もしくは同心状一体化可能に設け、同延長棒の上端寄りとなる中途適所に、設置の際に隣接配置された鉄筋に締着可能とするネジ緊締機構を有した鉄筋固定金具を熔接、一体化してなる延長金具を設けたものでは、支柱部先端に該延長金具の基端を接続し、同延長金具先端に分界下位コーンを接続することが可能となり、据置き棒体位置決め用基部から分界下位コーンまでの長さが、予定した据置き棒体支柱部の長さを超えてしまうようなときに、施工現場であっても熔接やネジ切り加工等の煩雑な作業を要さず、簡便に継ぎ足して必要寸法を確保することができるようになる上、延長棒の上端寄りとなる中途適所に設けられた鉄筋固定金具が、そのネジ緊締機構によって実現できることから、鈍し鉄線等を利用した従前からの結束状の固定に比較し、さらに確実且つ強固な固定を実現できるという効果を発揮するものとなる。
一方、この発明のスラブコンクリート用天端標示具を利用したコンクリートスラブの形成方法によれば、スラブ天端標示工程により、据置き棒体位置決め用基部の下面適応部位を、スラブ用型枠コンクリート打設面に当接させるよう載置するか、または水平な横筋上側面に載置するかの何れかの設置状態とし、その上方に配された横筋か、もしくは近傍に隣接する縦筋かの何れか一方もしくは双方に対し、支柱部の適所を結束線等の鉄筋固定金具類を用いて適宜締着させることにより、当該位置決め用基部に対し、設置の際に鉛直状姿勢となるよう予め一体化された据置き棒体支柱部を、特別な調整等も必要とせずに鉛直状に取り付け、固定することができ、しかもこの発明の天端標示具を工場生産時に、予め型枠内設置箇所の被り厚寸法を考慮した長さ寸法に設定した支柱部を組み込んだものとすることができ、設置現場における作業を簡略化し、正確且つ迅速に設置作業を行えることになる。
また、予め分界上位コーンを冠装状に仮着するか、あるいは生コンクリート打設作業前までの間に冠装するかの何れかとし、据置き棒体支柱部上端に装着した分界上・下位コーンの天端標示縁を、設計スラブ天端に一致させるよう、支柱部上端側雄ネジと分界下位コーン小径端側ナット部との螺合具合を操作して上下進退、調整するようにした上、スラブ打設範囲の適宜面積範囲毎の夫々に、スラブコンクリート用天端標示具を同様に設置するようにしたものでは、各分界上・下位コーンの天端標示縁が、打設前における仮想スラブ天端面上に平面状円形線を明確に表示することから、従来技術として取り上げた「スラブコンクリート打設用天端指示具」や「鉄筋用保持具」によってスラブ天端をポイントで標示する場合に比較し、より正確な天端標示を実現すると共に、その秀れた視認性によってコンクリート打設前に設置された各スラブコンクリート用天端標示具の被り厚標示位置を、測量器や計測器等を用いて設置ミスの有無を簡便且つ迅速にチェックすることができるという実益を得ることができるものとなる。
そして、この形成方法で、スラブ型枠内に生コンクリートを充填し、スラブ天端を仕上げるコンクリート打設工程中に、各天端標示具、分界上・下位コーンの接合箇所である天端標示縁を繋ぐ同一平面状にスラブ天端面を均し、分界上位コーンだけがスラブ天端面上に突出するよう仕上げるようにしたものでは、前掲した従前までの「スラブコンクリート打設用天端指示具」や「鉄筋用保持具」のように、標示用突端部分がスラブ天面に埋没状となってしまうものに比較して、生コンクリートの過剰供給を確実に阻止して正確な施工の状況を一目で確認できる上、広いスラブ天面に渡って仕上がり精度を迅速に目視確認でき、施工ミスを大幅に減少させることができるという効果を発揮するものとなる。
この形成方法の最終工程により、コンクリートが十分に硬化した後に、スラブ天端面から露出する各分界上位コーンを螺解して取り外した上、スラブ天端面に埋没状となっている分界下位コーンを螺解して取り除く際、該分界下位コーンが逆円錐台形に形成されていて硬化後のコンクリートから簡単に回転操作して螺解、離脱させ、効率的に取り外すことができる上、取り外した分界上・下位コーンは、次回以降も、この発明の基本を成すスラブコンクリート用天端標示具として、据置き棒体だけを追加した上にその分界上・下位コーンとして組み込み、再利用可能となることから、スラブコンクリートの施工コストの削減に有効であるという特徴も有している。
そして、分界下位コーンを取り除いて開口した各抜去跡穴に、モルタルなどを充填して平面状に仕上げるという作業工程を実施し、据置き棒体支柱部上端の上に十分な被り厚を確保することが可能となり、従来型として前出した「スラブコンクリート打設用天端指示具」や「鉄筋用保持具」のように、標示用突端部分がスラブ天端に望むものを使用した場合に比較し、高いスラブ強度および防水性を確保して耐久強度に秀れたコンクリートスラブを実現可能とするという効果が得られることになる。
さらに、据置き棒体の位置決め用基部の下面適応部位を当接、載置状とするスラブ用型枠コンクリート打設面か、またはスラブ用鉄筋上側面か等の適所から、標示スラブ天端までの距離が大きい場合には、支柱部上端と分界下位コーンとの間に延長金具を継ぎ足した天端標示具にすることが可能であり、特に一部に深い設置場所が散在するような施工現場において有効であって、寸法の異なる据置き棒体支柱部からなる天端標示具を製造しておいたり、施工現場において急遽熔接やネジ切り等の煩雑な作業をしなくても済むことになる上、支柱部上端と延長金具の延長棒下端とを連結用長ナットによって連結したものでは高さ調整が簡単、確実になり、延長棒上端と分界下位コーンとの間の高さ調節機能に加えて調節範囲を拡大することができ、該延長棒に一体化された鉄筋固定金具では、そのネジ緊締機構が位置決め用基部から離れた分界上・下位コーンを、近接配置の鉄筋に対し、より確実に固定できるものとなり、延長金具を設けない場合と略同等かそれ以上の固定、支持強度を確保し、より精度の高い天端標示機能を発揮できるという大きな特徴を発揮するものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
据置き棒体は、後述の分界上・下位コーンをコンクリート打設箇所における型枠上所定高さ位置に安定的に留め置く機能を果たすものであり、位置決め用基部とそれを支持材として立設状に所定高さまで延伸する支柱部とから構成される。
その位置決め用基部は、上端に分界上・下位コーンを装着した支柱部の下端を、設置の際にそれらの直下に配置するスラブ用型枠コンクリート打設面かまたは平面状あるいは円柱状等のスラブ用鉄筋上側面か等の適所に載置状に当接し、下方への降下を確実に阻止し、安定的に支持可能にすると共に、型枠天面に接するよう設置されたときにも、打設コンクリートと一体化して十分な被り厚を確保できるようにするという機能を果たし、コンクリートと略同等程度の支持強度を確保でき、しかも打設コンクリートに同化して十分な強度と防水性とを確保できる素材からなるものとしなければならず、型枠上など平坦面上に設置したときにガタつきや傾いたりすることがなく、支柱部を鉛直状に安定、支持できる形状とすべきであり、また、概略円柱棒状の横筋上面に組み合わせるときのように、円形断面部材上に載置するときにもズレ動かず、安定的に載置できるような、後述する実施例において採用する事例のような凹欠状底面に形成したものとすることが可能であり、周壁面の複数適所に鉄筋載置用凹凸形状を形成してなる既存のスペーサーを利用したものとすることもでき、それらに支柱部下端を挿入、一体化するための下孔を穿孔したものやネジ孔を穿孔したもの、あるいは、位置決め用基部成形時に支柱部下端を埋入、一体化するなど、各種手段によって以下の支柱部下端を一体化しなければならない。
一方の支柱部は、位置決め用基部の上側適所に一体に結合、もしくは一体化可能であって、上端側に分界下位コーンの小径端側を昇降調節自在とするよう取り付け可能とし、位置決め用基部上方の所定被り厚位置に、分界上・下位コーンを位置決め調節および仮固定可能に支持する機能を果たすものであり、鉄筋に準ずる形状、寸法、材質からなるものとし、位置決め用基部をスラブ用型枠コンクリート打設面かまたはスラブ用鉄筋上側面か等の適所に載置状に当接させたときに、少なくとも分界下位コーンを接続する支柱部先端が鉛直状の姿勢に保持されるようにしなければならず、上端に加わる鉛直下向きの荷重を直接的に位置決め用基部に伝達できるよう直棒状に形成され、後述する実施例にも示すように、上端から所定範囲か、あるいは全長に渡る範囲かの何れかに、分界下位コーンの小径端側に設けられたナット部に同心状に螺合し、その螺合具合を変更することによって昇降、移動させて上下位置を微調整可能とする雄ネジが刻設されたものとしなければならず、必要に応じて位置決め用基部の適所に設けられたナット部あるいはその他の連結部に対して一体化可能な雄ネジかその他の連結部を設けたものとすることができ、より具体的には、上端となる一端または上下端となる両端の所定範囲に雄ネジを形成したものか、あるいは全ネジの直状鋼棒から形成したものとする。
分界下位コーンは、その上方に組み合わされる別体の分界上位コーンと共に、上記の据置き棒体支柱部上端側に取り付けられ、その上端縁が、打設予定スラブコンクリートの天端位置とそれより上との境界を明確に標示する天端標示縁として機能するものであり、当該支柱部上端側所定範囲の雄ネジへの螺合、螺解により、スラブコンクリートの天面標示位置を上下進退微調整可能となるようにし、その機能を全うして設計どおりの厚さにコンクリートが打設され、所定期間の養生を経過した後、同支柱部雄ネジから回転、螺解操作することによって当該コンクリート面から抜去できるようにし、必要があれば再利用されることになり、そのために下端中央に支柱部雄ネジに螺合可能なナット部を設け、打設、硬化後のコンクリートから円滑に抜去できるよう、全体形状は、後述する実施例にも取り上げているように、逆円錐台形の外郭形状に形成されたものとし、小径の方を下端側に、大径の方を上端側とする姿勢とし、下端側中央にナット部を設けると共に、上端側中央にナット部を設けるか、もしくは天端標示縁中央に同心状のボルト部を立設するかしたものとすべきで、既存のフォームタイ用に市販されている樹脂製や木製等のコーンを流用する外、半球型、半卵型等のように平断面が、下方から上方に拡大する垂直軸心周りの回転、立体形状に形成したものとしてもよく、また、その全体外観色は、その上方に別体のものとして組み合わせる分界上位コーンと明確に異なる色のものとするか、または、外周全体外観色が分界上位コーンと明確に異なっていても、同色もしくは色合いが似ていても、何れか一方あるいは双方の天端標示縁部分だけを、ハッキリとした線状に着色、標示して、より標示機能を高めたものとすることができる外、支柱部雄ネジに螺合、組み合わせたナット部の下には、調整した位置が何かの理由で変更しないようにする位置決め(逆止め)ナットを螺着したものとするのが望ましい。
分界上位コーンは、上記分界下位コーンの上に対をなすよう、据置き棒体支柱部上端側で、当該分界下位コーンが螺合、調整組み合わされた後に引き続き脱着自在に組み合わされもので、同分界下位コーンの上端を天端標示縁として生コンクリートを打設する必要から、天端標示縁ギリギリまで生コンクリートを流す結果、当該分界下位コーンがそのコンクリート中に埋没して見えなくしてしまうのを防止すると共に、同分界下位コーンの大径の上端側にコンクリートが付着、侵入して硬化し、その後の取り外しに支障を来してしまわないようにする機能を果たすものであり、分界下位コーン天端標示縁上にピッタリ一致するようにし、分界下位コーン天端標示縁と相俟ってその境界で打設位置を標示するようにした天端標示縁を下端に形成したものとしなければならず、より具体的に示すと、全体形が円錐台形(略分界下位コーンを上下逆転した形)に形成され、大径の下端側に、分界下位コーン天端標示縁に相対する天端標示縁を形成し、その中央に分界下位コーンの体型端側中央に設けた同心状ボルト部もしくは同心状ナット部に螺合可能な同心状ナット部か同心状ボルト部を設けたものとし、後述する実施例に示すように、建設用資材として市場に提供されているフォームタイ用の樹脂製あるいは木製等のコーンを転用、組み合わせたものとしてもよく、上記分界下位コーン同様、その全体外観色は、下方に別体のものとして組み合わせる分界下位コーンと明確に異なる色のものとするか、または、外周全体外観色が分界下位コーンと明確に異なっていても、同色もしくは色合いが似ていても、何れか一方あるいは双方の天端標示縁部分だけを、ハッキリとした線状に着色、標示して、より標示機能を高めたものとすると良い。
これら分界上・下位コーンは、互いの上下寸法を等しいもの同士、あるいは上下寸法の異なるもの同士を組み合わせたものとすることが可能であり、また、夫々のナット部やボルト部は、分界上・下位コーン夫々に一体型のものか、鉄鋼、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム、ジュラルミン、チタン、マグネシウム等の金属製、もしくはポリカーボネート、ABS、PP等の各種合成樹脂製や、各種FRP(繊維強化樹脂)製等として、分界上・下位コーンの夫々にインサート成形あるいは後着けによって一体化したものとすることができる。
延長金具は、据置き棒体の支柱部上端を鉛直上方に向けて実質的に延伸可能とする機能を果たすものであり、支柱部と同様の強度を有する直状の延長棒から形成し、延長棒下端には支柱部上端の雄ネジを同心状に螺合、接続可能とするナット部を一体化、もしくは支柱部上端の雄ネジに螺合可能な連結用長ナットを螺着可能とする雄ネジ部を形成したものとし、上端には支柱部上端の雄ネジと同様の雄ネジを刻設し、分界下位コーンを同心状に螺着可能なものとしなければならず、全長に渡って雄ネジを形成したものなどによることができ、また、天端標示具として配設したときの位置を固定するため、近接配置となる横筋に対して締め付け可能なネジ緊締機構を有する鉄筋固定金具を予め熔着したものとしたり、場合によっては施工現場においてこの鉄筋固定金具を延長金具の中途適所に熔着、一体化するようにしたものとすることができる外、前記した分界下位コーンがそうであったように、据置き棒体支柱部との接続に用いる連結用長ナットの上下端夫々には、調整した位置の変更を無くす目的で位置決め(逆止め)ナットを螺合、装着したものとすべきであろう。
一方、この発明の天端標示具を利用したコンクリートスラブの形成方法は、生コンクリート打設前の段取りとして、スラブ天端を標示する分界下位コーンの上に分界上位コーンを対にして組み合わせたものとすることにより、後に行う打設作業によってスラブコンクリート型枠内に充填する生コンクリートが、分界下位コーンの上から周り込んだり、埋没状として見えなくしてしまう不都合を無くし、効率良く設計どおりのスラブ厚にしてコンクリートスラブを形成しようとするものであり、使用するスラブコンクリート用天端標示具は、工場で全て組み立てたものを施工現場に搬入、配設するのが望ましいものの、施工現場において支柱部の截断や雄ネジの刻設作業等を行い、位置決め用基部、分界下位コーンおよび分界上位コーン等と組み合わせ、組み立てていくようにすることも可能であり、さらに、スラブ型枠内全域にスラブコンクリート用天端標示具、分界下位コーンを配設しておき、分界上位コーンだけは、生コンクリート打設作業の直前まで延期しておき、該分界上位コーンを螺合、組み合わせる段階に分界下位コーンの位置をチェックするよう作業を進めることもできる。
分界上・下位コーンを、円錐台形およびその上下を逆転した円錐台形に形成したものとし、同心状に設けられたナット部が、据置き棒体の支柱部上端の雄ネジに螺着されたものとし、同位置決め用基部をスラブ用型枠コンクリート打設面もしくは横筋上側面に当接してから当該支柱部を鉛直状に設置した上、分界下位コーンだけ、あるいは分界上・下位コーン共に同支柱部上端に螺合してその高さ位置を所定の被り厚に応じた位置に調節をしてしまうと、分界上・下位コーン夫々の天端標示縁の境界部分が自動的に水平の帰順せんとなり、所定面積毎に立設、配置してある各スラブコンクリート用天端標示具のこれら天端標示縁相互の境界を基準に、生コンクリートをスラブコンクリート型枠内に順次打設していくようにすると、天端位置を正確に揃えたコンクリートスラブに形成することが可能となる上、当然スラブ天端の正しい水平性も確保したコンクリート打設作業を進められることとなる。
また、スラブコンクリートの厚み寸法が大きい場合や、位置決め用基部を支持する横筋からスラブ天端までの距離が比較的大きい場合に、工場もしくは施工現場等の何れかにおいて標準サイズに形成してある据置き棒体支柱部先端と分界下位コーンとの間に延長金具を組み込み、当該スラブコンクリート用天端標示具の全長を大きい寸法に延長させたものとして使用することが可能となり、その際には、熔接や接着等の煩雑な作業を不要とするよう支柱部先端の雄ネジに連結用長ナットを螺着し、その上端に延長棒の下端を螺着するものとし、該延長棒の上端に分界下位コーンを螺着し、更に分界上位コーンをその上に対に組み合わせ、使用すればよく、少数の役もの的サイズの据置き棒体にも標準サイズに形成したものと同一のものの充当が可能となる。
延長金具を使用する場合には、工場もしくは施工現場において延長棒の上端寄りとなる適所に、ネジ緊締機構を有する鉄筋固定金具を熔接、結合したものとすべきであり、取付け箇所の横筋に対し、市販の鉄筋固定金具を、そのネジ緊締機構によって固着し、該固着済みの鉄筋固定金具に対して、その直近に立設したスラブコンクリート用天端標示具の支柱部適所を熔接、一体化したものとすることができ、当該鉄筋固定金具の熔着箇所は、その熔着強度を高めるため、支柱部上端寄りとなる分界下位コーン螺着箇所の直下付近か、あるいはそれに近い位置かの何れかに熔着したものとするのが望ましい。
スラブ型枠内に打設した生コンクリートが硬化し、スラブコンクリート中に埋入状となった据置き棒体支柱部上端か、あるいはそれに組み合わされた延長金具上端かの何れかの上端から螺解、抜去してしまった分界上・下位コーンは、回収して工場に持ち帰るか、そのまま施工現場においてかの何れかで、新たに追加した据置き棒体か、それに連結した延長金具等に組み合わせるようにし、新たなスラブコンクリート用天端標示具または延長金具を組み込んだ新たなスラブコンクリート用天端標示具として再生し、次回以降の別のスラブコンクリート施工のスラブ天端標示工程およびコンクリート打設工程に繰り返し利用することも可能になる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の分解状態にあるスラブコンクリート用天端標示具の斜視図に示される事例は、スラブコンクリート用型枠9天面や鉄筋8上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能なコンクリート系素材製でスペーサー型とした据置き棒体の位置決め用基部2の上部適所に、所定長に設定された鉛直棒状であって少なくとも上端所定範囲に雄ネジ31が刻設された据置き棒体の支柱部3を立設状に一体化すると共に、該支柱部3上端雄ネジ31には、逆円錐台形であって、小径の下端側41に同心状のナット部42、天端標示縁44となる大径の上端側43の中央に同心状ボルト部45を立設、もしくは同心状ナット部を形成してなる分界下位コーン4の下端側41ナット部42を、上下進退調節自在に螺合した上、該分界下位コーン4天端標示縁44側のボルト部45もしくはナット部に、大径の下端側51の外径が下位コーン4天端標示縁44に一致する逆円錐台形であって大径の上端側43,下端側51、天端標示縁44,52同士を接合、冠装可能とし、天端標示縁52の中央に同心状ナット部54もしくはボルト部を配設してなる分界上位コーン5の、ナット部54もしくはボルト部を離脱可能に螺合した構成からなる、この発明のスラブコンクリート用天端標示具における代表的な一実施例を示すものである。
当該スラブコンクリート用天端標示具1における据置き棒体の位置決め用基部2は、図1中に示すように、市販の超高強度・高性能コンクリート(圧縮強度80ないし90N/・2)製の橋梁用スペーサーからなり、所定の厚みを有するブロック体の上下左右夫々の中央に、横筋8の上側周壁面に係合状に載置、または側面に係合状に当接、あるいは横筋8下面を係合状に支持可能とする谷型凹欠部21,21,……を形成し、当該位置決め用基部2下面の中央凹欠部21を挟み下向きに突出する脚状突部22,22が、スラブコンクリート型枠9の天面上に安定的に接地、可能なものに形成され、同位置決め用基部2上面の中央凹欠部21から外れた一側に、鉛直下向きに穿孔された概略円柱状の固着穴23を穿孔してある。
また、据置き棒体の支柱部3は、長さ200・の鋼棒からなり、全長に渡ってM8の全ネジ加工が施され、クロメート鍍金処理(電気亜鉛鍍金処理)してあり、基端部分が位置決め用基部2の上面固着穴23に差し込まれ、セメントあるいは鉄鋼およびコンクリート用接着剤等によって強固に一体化され、位置決め用基部2上に鉛直状に立設されたものとしており、当該支柱部3は、1mあるいは1.5mの全ネジ鋼棒から截断したものとする。
据置き棒体の前記位置決め用基部2は、前述のように既製品としてのスペーサー用コーンを利用したものとしているが、据置き棒体支柱部3の基端部分を、位置決め用基部2を模った図示しない成型用型枠内に配置させ、同成型用型枠中にコンクリート、モルタルあるいはセメントペースト等を充填して養成、硬化することにより、同支柱部3基端部分に当該位置決め用基部2を所定形状のものとして一体成型するようにしたものとすることもできる。
分界下位コーン4は、市販されているフォームタイ用のコーンからなり、白色の合成樹脂成型品であって逆円錐台形に形成され、小径の下端側41端面中央には長ナット状であり、他方端側に後述のボルト部45が同心状に一体化されたナット部42が、同心状下向きにネジ穴を開口するよう配され、強固に一体化されていると共に、該ナット部42の大径の上端側43には、同上端側43の中央から25・突出するM8の同心状ボルト部45が立設され、上端側43内側に露出する同心状ボルト部45基部に、長ナット外周壁面状であって各種レンチに嵌合可能な六角筒状のレンチ嵌合部46を形成したものとなっており、当該上端側43の平面円形状周縁部分が、天端標示縁44を形成してある。
そして、この分界下位コーン4は、その小径の下端側41のナット部42を、支柱部3の上端雄ネジ31に対し、厚さ3・の鋼板を六角平板状にプレス加工し、中央にM8のねじ孔を穿設してなる位置決め(逆止め)ナット7を介在、螺着してある。
一方、分界上位コーン5は、前記分界下位コーン4同様、市販のフォームタイ用コーンを採用し、赤色に着色した合成樹脂製のものであり、前記分界下位コーン4を逆転した形の円錐台形として、大径の下端側51の外周縁部分を、分界下位コーン4の天端標示縁44に冠装状に一致、当接可能な天端標示縁52とし、小径の上端側53の中央にM8の同心状ナット部54を一体的に固着し、そのネジ孔を天端標示縁52に同心状に配したものとし、分界下位コーン4の同心状ボルト部45に螺合、一体化したものとしている。
図2の分解状態にあるスラブコンクリート用天端標示具の斜視図に示される事例は、据置き棒体の位置決め用基部2の形状を変更し、支柱部3の下端を着脱可能に螺着するよう変更したものであり、同位置決め用基部2は概略円筒状であって、その下端側を、先端が球面状とした円錐型に形成した型枠の上端中央に、下端閉鎖型のM9の鋼製長ナット24を配置させ、同型枠内に高強度・高性能コンクリートの生コンクリートを充填して養成、硬化させた後、離型することによって製造したものであり、上端面中央に長ナット24の上端が露出、開口し、円柱状の外周壁面を有し、下端中央に球面状突部25を形成したものに成形してある。
この実施例の分界下位コーン4も、白色の市販合成樹脂成型品であって逆円錐台形のものであり、その下向きとなる小径の下端側41中央に、該分界下位コーン4に一体成型されたM9長ナット47の下端部分からなるナット部42が、そのネジ孔を下向きに露出させるよう同心状に配され、該長ナット47の天端標示縁44の中央付近まで延伸し、上端が同心状ナット部45に形成してあり、長ナット47の六角形外周壁面は、同大径の上端側43の天端標示縁44内側に、レンチ嵌合部46を形成するよう同心状に露出したものとなる。
また、分界上位コーン5は、赤色に着色してはあるものの、上記分界下位コーン4と同様の白色の合成樹脂成型品を応用したものであり、分界下位コーン4をひっくり返した円錐台形のものとして使用するもので、小径の上端側53の中央には、M9六角ボルトの頭部を上向き、先端を下向きに同心状に貫通させた同心状ボルト部54を設けたものとし、該同心状ボルト部54の先端を、前記分界下位コーン4の同心状ナット部45の上端に螺着させ、分界上・下位コーン4,5双方の天端標示縁44,52同士を互いに当接状として対になるよう組み合わせている。
図3の分解状態にある延長金具の斜視図に示される事例は、所定長さの直棒状であって、少なくとも上端所定範囲に分界下位コーン4の小径の下端側41ナット部42に螺合可能な雄ネジ62を刻設した延長棒61の下端に、支柱部3上端に同心状且つ上下進退調節、位置決め螺着可能な連結用長ナット63の上端を同心状一体化、もしくは同心状一体化可能に設け、同延長棒61の上端寄りとなる中途適所に、配設したときに隣接配置されることとなる鉄筋8に締着可能とするネジ緊締機構65を有した鉄筋固定金具64を熔着した、この発明のスラブコンクリート用天端標示具に利用する延長金具6である。
延長棒61は、長さ300・の鋼棒製であって、全長に渡ってM8の雄ネジが刻設され、黒染めまたはパーカーライジングによる防錆処理が施されており、その下端に長さ60・、M8の連結用長ナット63の上端が、位置決め(逆止め)ナット7を介在させて螺着されており、該連結用長ナット63の下端は、位置決め(逆止め)ナット7を介在させて、例えば図1中の支柱部3上端の雄ネジ31に螺合、接続されたものとしている。
延長棒61の上端寄りとなる中途適所の外周面には、正面V字型またはL字型、側断面U字状に形成され、正面V(L)字型両端から中央に向け、U字型側断面の底部に一対のボルト貫通用長溝67,67を穿孔した固定枠部66の適所を熔着、一体化した上、V字型あるいはLに折曲されたL型ボルト68の両端夫々を、固定枠部66の各ボルト貫通用長溝67,67に貫通させ、該L型ボルト68の中央角部分と、固定枠部66の中央角部分との間に菱形もしくは四角形状の横筋8緊締用枠部分を形成するよう組み合わせ、各ボルト貫通用長溝67,67を貫通したL型ボルト68各端にワッシャーおよびナット69,69を装着し、ネジ緊締機構65を有する鉄筋固定金具64を形成してあり、この延長棒61は、1mあるいは1.5mの全ネジ鋼棒から截断したものを採用している。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明のスラブコンクリート用天端標示具1は、この発明に包含されるコンクリートスラブの形成方法を実施可能とするものであり、以下ではその、スラブコンクリート用天端標示具1を使用したコンクリートスラブの形成方法の手順に従い、その作用について述べて行くこととする。
図4のスラブコンクリート用天端標示具によるスラブ天端標示状態の側面図に示すように、鉄筋8,8,……の設置を完了したスラブコンクリート用型枠(図示せず)中の、適所毎にスラブコンクリート用天端標示具1を設置する作業内容となるスラブ天端標示工程は、図1に示した実施例1のスラブコンクリート用天端標示具1における据置き棒体の支柱部3の全長を、生産もしくは組み立て工場にて予め、被り厚寸法を考慮した長さに設定したものを施工現場に搬入し、図4中に示すように、据置き棒体の位置決め用基部2の下面中央に形成された谷型凹欠部21を、横筋8の周壁面上側に係合状とするよう配置した上、それよりも上方に配置された横筋8の側周面に、対応する支柱部3の周壁面を接合状に交叉させ、鈍し鉄線81,81,……を用いて結束状に結合させる。このとき、図1中に示したように、所定の厚みを有する位置決め用基部2谷型凹欠部21が、水平に設置された横筋8に載置状に組み合わされることより、自動的に据置き棒体の支柱部3が鉛直状の姿勢となる。
図1および図4中に示すように、据置き棒体の支柱部3の上端に螺着されている分界上・下位コーン4,5の天端標示縁44,52を、設計によるスラブ天端位置に一致させるよう、分界下位コーン4下端のナット部42と、据置き棒体支柱部3上端との螺合具合を調節し、上下微調整した後、位置決め(逆止め)ナット7を締め付けて強固に固定したものとし、同様の作業を、適宜面積範囲毎の夫々に行い、複数のスラブコンクリート用天端標示具1,1,……を同様に設置したものとし、設置された複数のスラブコンクリート用天端標示具1,1,……は、夫々が確りと固定されているか確かめるべきであり、必要に応じて各分界上・下位コーン4,5天端標示縁44,52の高さ位置が正確に設定されているか否かを測量器や計測機器類を用いて検証するのが望ましい。
コンクリート打設工程は、図4中に示すように、スラブ型枠(図示せず)内にモルタル91を充填し、スラブ天端を仕上げる作業中に、各スラブコンクリート用天端標示具1,1,……の各分界上・下位コーン4,5の接合箇所である天端標示縁44,52を繋ぐ同一平面状にスラブ天端面92を均すように仕上げることとなる。
スラブ天端面仕上げ工程では、図1および図4に示すように、コンクリート91が十分に養成、硬化した後に、スラブ天端面92から露出している各分界上位コーン5を、分界下位コーン4の同心状ボルト部45から螺解して取り外した上、スラブ天面内に埋没状となっている分界下位コーン4を、レンチ嵌合部46にレンチを嵌合させて螺解し、コンクリート91に一体化した据置き棒体の支柱部3の雄ネジ31から螺解して取り除き、抜去跡穴93の内周壁面に、結合状態を強化する接着剤を塗布するか、あるいは省略するかした後に、モルタルを充填して仕上げ、硬化させることとなる。
また、内周壁面に接着剤を塗布した抜去跡穴93に対し、分界下位コーン4と同形のブロック状に成型され、下端側中央に支柱部3雄ネジ31に螺着可能な長ナットを埋設、一体化してなる高強度コンクリート製の充填駒を螺設、充填して抜去跡穴93を平滑面状に閉じたものとすることができ、さらに、取り外した分界上・下位コーン4,5は、新たに準備した位置決め用基部2および支柱部3等に組み込み、新たなスラブコンクリート用天端標示具1として次回、以降のスラブコンクリート打設工事の際の天端標示に再利用することが可能である。
実施例2の図2中に示したスラブコンクリート用天端標示具1は、スラブ天端標示工程に際し、図5の別体型の鉄筋固定金具を用いて設置されたスラブコンクリート用天端標示具の斜視図に示すように、スラブコンクリート用型枠の天面に、位置決め用基部2の球面状突部25を当接させ、鉛直状の姿勢とした支持部3の周壁面を隣接する横筋8,8に交叉させ、下側の横筋8に対して鈍し鉄線81,81,……を用いて結着する一方、上側の横筋8に交叉させた支柱部3には、両端に係合爪を形成した平面U字型の鉄筋固定金具64固定枠部66を装着し、該鉄筋固定金具64の中央に貫通、螺着されたネジ緊締機構65となる先鋭状の緊締ネジ68を締め付けて強固に固定させたものとし、据置き棒体の支柱部3上端に螺着される分界下位コーン4を、比較的長尺のものに変更してスラブ天端の標示位置を上側に移動、設定したものとすることができる。
実施例3の図3中に示した延長金具6を、図1のスラブコンクリート用天端標示具1における位置決め用基部2の上面中央、谷型凹欠部21に支柱部3を立設したものに変更してなるスラブコンクリート用天端標示具1に、図6の延長金具を組み込んでなるスラブコンクリート用天端標示具によるスラブ天端標示状態の側面図に示すよう用いて、スラブ天端標示工程を行う場合には、予め支柱部3と分界下位コーン4小径の下端側41のナット部42との間に延長金具6の延長棒61を組み込み、該延長棒61の下端に、連結用長ナット63の上端を位置決め(逆止め)ナット7を介在させて連結し、該連結用長ナット63の下端に、支柱部3上端を位置決め(逆止め)ナット7を介在させ、同一鉛直線上に連結し、該延長棒61の上端に分界下位コーン4の下端側41のナット部42を、位置決め(逆止め)ナット7を介在させて螺着し、全長を設置箇所の被り厚寸法を考慮した長さに設定した後、スラブコンクリート用型枠9天面上の設置箇所に、位置決め用基部2下面の脚状突部22,22を当接させるよう載置し、据置き棒体支柱部3および延長棒61を鉛直状の姿勢に立設したものとする。
据置き棒体の支柱部3の中途適所に交叉状に隣接させた下側の横筋8に対し、鈍し鉄線81,81,……を用いて強固に結着した上、予め延長棒61の中途適所に固定枠部66が熔接されている場合には、連結用長ナット63と延長棒61との螺合具合を上下微動させ、該鉄筋固定金具64固定枠部66のV字型あるいはL字型の谷部分を、交叉状に隣接する上側の横筋8周壁面下側に合致させるよう調節し、角部分を上側の横筋8周壁面上側に合致させたL型ボルト68の両端をボルト貫通用長溝67,67に貫通させ、露出する両端夫々にワッシャーおよびナット69,69を螺着させ、強固に締め付け固定したものとする。
また、鉄筋固定金具64固定枠部66が固着されていない延長棒61を使用する場合には、別体の固定枠部66を該延長棒61中途適所に当接するよう隣接配置させると共に、該固定枠部66のV字型あるいはL字型の谷部分を、交叉状に近接する上側の横筋8周壁面下側に合致させ、L型ボルト68のボルト貫通用長溝67,67に貫通させた両端、夫々に、ワッシャーおよびナット69,69を螺着させ、強固に締め付け固定した後に、延長棒61中途適所と、これに当接状となっている固定枠部66適所とを熔接によって強固に一体化させたものとする。
図1、図3および図6中に示すように、該延長金具6延長棒61上端に装着されている分界上・下位コーン4,5の天端標示縁44,52を、設計スラブ天端位置に一致させるよう、延長棒61上端側雄ネジ62と、分界下位コーン4小径の下端側41ナット部42との螺合具合を上下進退調整した上、該ナット部42直下の位置決め(逆止め)ナット7を締め付けて緩み止めし、強固に固定したものとする。同様にスラブ打設範囲の適宜面積範囲毎の夫々に、必要に応じてスラブコンクリート用天端標示具1、ならびに延長金具6を組み込んだスラブコンクリート用天端標示具1を設置する。
この後に続くコンクリート打設工程、および最終工程は、前記実施例1および実施例2の作用の項で示したものと同様の作業を行うこととなり、各実施例の何れの場合にも、最終工程中にスラブ天端から取り外した分界上・下位コーン4,5は、次回以降の天端標示あるいはフォームタイ用の部品として再利用することができる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例1ないし3に示した各スラブコンクリート用天端標示具1および延長金具6は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1ないし図6中に示した、据置き棒体の位置決め用基部2と支柱部3、および分界上・下位コーン4,5ならびにそれらの同心状ボルト部45や同心状ナット部54、位置決め(逆止め)ナット7、延長棒61、連結用長ナット63、鉄筋固定金具64等の各部品は、何れも型枠支保工に一般的に使用されているスペーサーやフォームタイ、あるいは鉄筋連結用の部品であり、それらを組み合わせることによって簡便且つ迅速に組み立て製造することができ、比較的廉価にて大量に入手し易い部品からなっていることから、従前までに使用されていたスラブ天端標示用の専用部品に比較して格段に経済的なコンクリート打設工事を実現可能とすることができるという秀れた効果を発揮するものとなる。
特に、据置き棒体位置決め用基部2にスペーサー用の部品を用いたものでは、縦横に複雑に設置されている鉄筋に対しても的確に組み合わせることが可能であると共に、スラブ下面の被り厚の確保や、鉄筋やコンクリートとの一体化、結合強度も十分に確保することができる上、図1中に示した位置決め用基部2によれば、図4中に示したように、下面の谷側凹欠部21に横筋8の上面を接合するよう載置することが可能である外、上面谷側凹欠部21に横筋8を載置し、あるいは側面谷側凹欠部21,21の何れか一方もしくは双方に横筋8(,8)を当接させるよう設置することが可能であり、また、図6中に示したように、下面の谷型凹欠部21を挟み配置され、平行な二直線状の接地を可能とした脚状突部22,22が、上部の支柱部3および分界上・下位コーン4,5を鉛直状に支持するものとなり、測量器や水準器等を用いた調節を不要として作業効率を格段に向上できるという特徴が得られる。
実施例2のスラブコンクリート用天端標示具1のように、据置き棒体の位置決め用基部2を、図2および図5中に示すよう、下端に球面状突部25を形成したものとした場合には、スラブコンクリート用型枠(図示せず)の天面に当接させた球面状突部25を様々な傾斜角度に調節し、支柱部3および分界上・下位コーン4,5の姿勢を適宜調節することが可能となり、傾斜した設置面上にも鉛直状に設置することができ、しかも隣接する横筋8等に固定した後には、支柱部3および分界上・下位コーン4,5を、下側から確りと支持して不用意な沈み込み等による天端標示位置の移動を確実に阻止して正確なスラブコンクリートの打設工事を実現可能とすることができる。
図5中に示した分界下位コーン4のように、上下方向の長さの異なるものを利用することにより、延長金具等を使用せずに天端標示位置を変更、調節することが可能であり、比較的長尺な分界下位コーン4を使用した場合には、分界下位コーン4を取り去った後の抜去跡穴が深く形成され、この抜去跡穴にコンクリートを充填した部分の被り厚をより多くして高い信頼性が得られるコンクリートスラブの建造を可能とし、また、同図5中の平面U字型の鉄筋固定金具64のネジ緊締機構65に、先鋭状の緊締ネジ68を用いたものでは、緊締ネジ68先端が支柱部3のネジ山間に係合状に刺し込まれ、高い摩擦力を確保して強固な固着を実現し、さらに正確な天端標示を実現できるものとなる。
図1ないし図6中に示すように、据置き棒体の位置決め用基部2と分界下位コーン4との間を、据置き棒体支柱部3によって繋いだものでは、縦横に複雑に張り巡らされた鉄筋8,8,……の極狭い間隙を通じて縦設することが可能となり、しかも同支柱部3を、全長に雄ネジ31を刻設した金属棒材から形成したものとし、短縮の必要性が発生した場合にも、施工現場において中途適所から切断し、適宜防錆処理を施した切断端に据置き棒体の位置決め用基部2、分界下位コーン4あるいは延長金具6の連結用長ナット63等を適宜接続してそのまま利用することが可能となる上、こうした全ネジ型の鋼棒等は、建設用資材として比較的大量且つ廉価に入手可能であり、経済的にも秀れた構造であるということができる。
一方、分界上・下位コーン4,5は、フォームタイ用のコーンをそのまま流用することができることから、型枠、支保工を行う建築業者であれば当然、大量に在庫しているものであり、しかも耐久性が高く何度でも破損するまで再利用することができることから、極めて経済的である上、従来型の先端露出型の天端標示部品に比較して十分な被り厚を確保でき、しかも半永久的な利用によって産業廃棄物の削減にも繋がり、自然環境にも適したコンクリートスラブの形成することができるものである。
さらに、実施例3の図1、図3および図6中に示したように、延長金具6を位置決め用基部2と支柱部3との結合箇所に変更を加えたスラブコンクリート用天端標示具1に組み込んだときには、施工現場において長さの異なる据置き棒体の支柱部3を組み替える作業が不要となり、しかも連結用長ナット63の螺合具合の調節によって延長棒61の連結長さを微調整することが可能となり、延長棒61上端と分界下位コーン4小径の下端側41、ナット部42との螺合具合の調節に加えて、被り厚の調節、可能範囲を大幅に拡大することができ、延長棒61の交換や切断作業を省略し、簡便且つ迅速な設置作業を実現することができる。
図3および図6中に示すように、延長金具6延長棒61の上端寄りとなる適所に、鉄筋固定金具64の固定枠部66を熔接したものでは、分界上・下位コーン4,5の直下付近に鉄筋固定金具64を配置させるものとし、位置決め用基部2から比較的遠く離れて配置される分界上・下位コーン4,5を、近接する横筋8に対してより強固に定着できるようにし、据置き棒体支柱部3および延長棒61によって長尺化してしまったスラブコンクリート用天端標示具1の天端標示の精度を正確に保持できるものとすることができる。
前記実施例1ないし3のスラブコンクリート用天端標示具1ならびに延長金具6を用いたコンクリートスラブの形成方法によると、スラブ天端標示工程にあっては、工場において必要被り厚に応じて切断された据置き棒体支柱部3を同位置決め用基部2および分界上・下位コーン4,5に組み込み済みのものを施工現場に搬入し、適宜面積毎の適所夫々に、図4ないし図6に示した状態に適宜設置することが可能であり、図4中に示したスラブコンクリート用天端標示具1によれば、位置決め用基部2の下面中央に形成された円筒面状の谷型凹欠部21を下側の横筋8の周面壁上に載置、係合状に組み合わせたものとし、上側の横筋8に交叉するよう当接させた据置き棒体の支柱部3を鈍し鉄線81,81,……によって結着したものでは、1箇所の結着作業によって支柱部3および分界上・下位コーン4,5を鉛直状に強固に固定することができ、従来型の天端標示具に比較して設置作業の効率を格段に向上させることができる。
図5中に示したスラブコンクリート用天端標示具1のものでは、据置き棒体の位置決め用基部2の下端球面状突部25を、スラブコンクリート用型枠(図示せず)天面上に接地させ、水準器を用いる等して支柱部3の姿勢を鉛直状に調節した後に、下側の横筋8に対して鈍し鉄線81,81,……を用いて結着することが可能であり、スラブコンクリート用型枠9天面上が平滑でない場合や傾斜している場合等に正確な配設を実施することができ、また、平面U字型の折曲部分を支柱部3中途対応箇所に取り回すよう装着し、上側の横筋8に両端係合爪を係合させた鉄筋固定金具64の中央に、ネジ緊締機構65となる緊締ネジ68を螺着、貫通させ、該緊締ネジ68の先鋭状、先端部分を、据置き棒体の支柱部3に周壁ネジ山間に食い込ませるよう締め付けて支柱部3を強固に固定し、上下方向に移動不能に支持するものとし、さらに確実な固定、支持を実現したものとすることができる。
また、同図5中に示したように、支柱部3上端に螺着される分界下位コーン4を、比較的長尺のものに変更し、スラブ天端の標示位置を上側に移動、設定するようにしたものでは、被り厚の調整範囲を拡大し、さらに自由度の大きな天端標示を実現して支柱部3の交換や切断等の長さ調節作業を大幅に削減することができ、しかも分界下位コーン4を取り去った後の抜去跡穴93を深く設定し、支柱部3先端部分の被り厚をより深く確保することとなり、従来型の天端標示具のように、標示用先端部分を天端に配置させたまま残す指示具に比較して耐久性および防水性に秀れたコンクリートスラブを形成することができる。
図3および図6中に示した延長金具6を用いるようにしたものでは、施工現場における据置き棒体支柱部3の交換作業を不要とし、延長金具6を追加するだけで簡便に作業を進めることができ、しかも連結用長ナット63が、支柱部3上端との間に、長さ調節機能を持たせて連結できるものとなり、被り厚の調節範囲を拡大することができ、延長棒61の切断や、寸法の異なる延長金具6との交換頻度を大幅に削減して作業効率を格段に向上させることができる。
また、図6中に示したように、鉄筋固定金具64を、延長金具6の上端寄りとなる適所に熔接によって結合したものでは、その上端側に連結された分界上・下位コーン4,5の支持強度を高め、作業者や工具類、生コンクリート充填用ホース等の当接によって不用意に天端標示位置が変化してしまわないよう強固に支持できるものとすることができ、しかも、この鉄筋固定金具64の取り付けは、工場における生産の際に取り付けたものとすることができる外、施工現場にて横筋8との配置関係に応じて適宜、位置決め熔接できるという自由度を兼ね備えたものとなっており、作業環境に応じて自在に対応することができる。
コンクリート打設工程にあっては、図4および図6中に示すように、スラブコンクリート用型枠9内にモルタル91を充填する作業中に、適宜単位面積毎に設置された各スラブコンクリート用天端標示具1,1,……の分界上・下位コーン4,5天端標示縁44,52を基準にしてスラブ天端面92を仕上げることができ、鉛直状に配設されている据置き棒体の支柱部3(または延長棒61)上端に螺着された分界上・下位コーン4,5は、その天端標示縁44,52が円形水平面状に配置されており、その周囲360°の方向からスラブ天端面92を各天端標示縁44,52に一致させるよう平滑面状に仕上げることにより、従前までのポイントで天端を示す天端標示具に比較してより正確なスラブ天端面92に仕上げることができ、施工精度を格段に向上させることができる。
また、分界下位コーン4を白色、分界上位コーン5を赤色に夫々色分けして組み合わせたものでは、天端標示縁44,52が際立って明確化され、誤って分界下位コーン4の一部または全部をスラブ天端面92上側に露出させた状態に生コンクリートを充填してしまったり、分界上位コーン5の一部または全部をスラブ天端面92下に埋没させてしまったりといった失態を極力少なくすることができる。
コンクリートスラブの形成方法における最終工程は、図4および図6中に示すように、スラブ天端面92を仕上げ、スラブコンクリートを十分に養成、硬化させた後にスラブ天端面9上に突出し、スラブ天端面9上に突出している赤色の分界上位コーン5,5,……が秀れた視認性を発揮し、分界上・下位コーン4,5の除去作業における取り外し忘れ等の施工ミスを確実に防止し、より効率的なものとすることができ、さらに、分界下位コーン4は、図1および図2中に示すように、大径の上端側43内側に露出する同心状ボルト部(同心状ナット部)45基部に、レンチ嵌合部46を形成したものとし、天端標示縁44内に露出する該レンチ嵌合部46に各種レンチを嵌合させて螺合による結合状態を解いて簡便に取り外すことができ、強固な螺着、埋没等によって除去不能となってしまう事態を解消し、作業不良の発生を確実に防止できるものなる。
また、この工程で分界下位コーン4を取り去った後の抜去跡穴93の内周壁面に、結合を強化する接着剤を塗布してから、モルタル91を充填する代わりに、抜去跡穴93に対し、分界下位コーン4と同形のブロック状に成型され、小径端側中央に支柱部3雄ネジ31に螺着可能な長ナットを埋設、一体化した高強度コンクリート製の充填駒を用意し、該充填駒の外周壁面にも接着剤を塗布した上で挿入、螺設して抜去跡穴93を埋めるようにしたものでは、工場生産による充填駒は、施工現場における手作業による生コンクリートの打設作業に比較して品質が安定しており、作業途中における生コンクリートの硬化等の心配が解消され、余った生コンクリートの処理も不要となって無駄が無くなり、迅速で非常に効率的な作業を実現化できるものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明のスラブコンクリート用天端標示具、およびその延長金具、ならびにそれらを利用したコンクリートスラブの形成方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの天端指示具に比較して大幅に軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、型枠支保工におけるスラブ天端標示の作業性を大幅に改善し得るものになることから、建設資材を取り扱う建築パーツ業界をはじめ、人手不足や建設期間の短縮の問題、あるいは高品質な施工などという課題が山積する建設業界において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明のスラブコンクリート用天端標示具、およびその延長金具、ならびにそれらを利用したスラブコンクリート天端標示打設方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
分解状態にあるスラブコンクリート用天端標示具を示す斜視図である。 一部に変更を加えたスラブコンクリート用天端標示具を分解して示す斜視図である。 分解状態にある延長金具を示す斜視図である。 施工された天端標示具を縦断面化して示す側面図である。 一部に変更を加えた天端標示具の施工状態を示す斜視図である。 延長金具を組み込んだ天端標示具を縦断面化して示す側面図である。
符号の説明
1 スラブコンクリート用天端標示具
2 据置き棒体の位置決め用基部
21 同 谷型凹欠部
22 同 脚状突部
23 同 固着穴
24 同 長ナット
25 同 球面状突部
3 据置き棒体の支柱部
31 同 雄ネジ
4 分界下位コーン
41 同 下端側
42 同 ナット部
43 同 上端側
44 同 天端標示縁
45 同 同心状ボルト部(もしくは同心状ナット部)
46 同 レンチ嵌合部
47 同 長ナット
5 分界上位コーン
51 同 下端側
52 同 天端標示縁
53 同 上端側
54 同 同心状ナット部(もしくはボルト部)
6 延長金具
61 同 延長棒
62 同 雄ネジ
63 同 連結用長ナット
64 同 鉄筋固定金具
65 同 ネジ緊締機構
66 同 固定枠部
67 同 ボルト貫通用長溝
68 同 L型ボルト(緊締ネジ)
69 同 ワッシャーおよびナット
7 位置決め(逆止め)ナット
8 横筋
81 同 鈍し鉄線
9 スラブコンクリート用型枠
91 同 生コンクリート
92 同 スラブ天端面
93 同 抜去跡穴

Claims (9)

  1. スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持された所定長の直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合してなるものとしたことを特徴とするスラブコンクリート用天端標示具。
  2. スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持された所定長の直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合し、コンクリート打設の際、分界下位コーンの天端標示縁となる大径の上端側からの生コンクリートの流入を阻止するようにした上、コンクリートの所定養生期間後には、分界上位コーンならびに分界下位コーン共に取り外して生ずる抜去跡穴に生コンクリートその他を充填、隠蔽するものとしたことを特徴とするスラブコンクリート用天端標示具。
  3. スラブ用型枠コンクリート打設面やスラブ用鉄筋上側面等の適所に少なくとも下面適応部位を当接、載置可能としたコンクリート系素材製でスペーサー型の位置決め用基部と、該位置決め用基部に下端が支持され、該基部据置き箇所から設計スラブ天端までの距離から被り厚を減じた寸法以下の長さとした直状棒材であり、少なくともその上端所定範囲に雄ネジを刻設した支柱部とによって据置き棒体に形成した上、該据置き棒体支柱部の上端雄ネジには、全体が逆円錐台形であって、小径の下端側中心に同心状のナット部と、大径で天端標示縁とする上端側中心から同心状で所定長上方に突出状となるボルト部か、もしくは同上端側中心から下方に同心状のナット部かの何れかとを形成した分界下位コーンの下端側のナット部を、上下進退調節自在に螺合すると共に、該分界下位コーンの上端側のボルト部もしくはナット部には、別体であって、大径の下端側外径が前記分界下位コーンの上端側大径寸法に一致させた全体が円錐台形であって、その大径で天端標示縁とする下端側中心から上方に同心状のナット部か、もしくは同下端側中心から同心状で所定長下方に突出状となるボルト部かの何れかを形成した分界上位コーンの、当該ナット部もしくはボルト部の何れかを着脱自在に螺合してなるものとしたことを特徴とするスラブコンクリート用天端標示具。
  4. 分界上・下位コーンを相互を、互いに異なる色に着色したものとするか、あるいは分界上位コーンの天端標示縁とする上端側に沿って分界下位コーンとは異なる色の細線状標示帯を形成したものとするか、もしくは分界上位コーンの天端標示縁である下端側および分界下位コーンの天端標示縁である上端側各天端標示縁に沿ってそれら夫々のコーン自体とは異なる色の細線状標示帯を形成したものとするかの、何れか一つの形態を採用してなるものとした、前記請求項1ないし3何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具。
  5. 据置き棒体は、その支柱部を全長に渡って雄ネジが刻設された直状で適宜長さの全ネジ金属棒とし、適用箇所のコンクリート打設厚とその被り厚、および据置き手段とによって決まる所定長さ寸法に応じ、余分な全ネジ金属棒部分を裁断、除去して該当支柱部となすようにし、適用箇所の如何に係わらず共通のものの採用を可能にした、前記請求項1ないし4何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具。
  6. 据置き棒体は、その支柱部が、上端寄りの中途適所に、配設、使用の際に隣接配置されている鉄筋に締着可能とするネジ緊締機構を設けてなる鉄筋固定金具を熔接、一体化してなるものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具。
  7. 所定長さに設定された直棒状で、分界下位コーン下端側のナット部に螺合可能な雄ネジが少なくとも上端所定範囲に刻設されてなる延長棒を有し、その下端には、据置き棒体支柱部上端に同心状で上下進退調節且つ位置決め螺着を可能とするようにした連結用長ナットの上端を同心状に一体化するか、もしくは一体化可能となるように設け、当該延長棒の上端寄り中途適所に、配設、使用の際に隣接配置されている鉄筋に締着可能とするネジ緊締機構を有した鉄筋固定金具を熔接、一体化してなるものとした、前記請求項1ないし6何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具に利用する延長金具。
  8. スラブ天端標示工程により、スラブ用型枠コンクリート打設面かまたはスラブ用鉄筋上側面か等の適所に据置き棒体位置決め用基部の下面適応部位を当接、載置状とし、予めコンクリート打設厚とその被り厚、および据置き手段とを考慮した所定長さ寸法に設定の当該据置き棒体を、その支柱部の中途適所で、隣接状に配設されている鉄筋適所に結束線等の鉄筋固定金具類を用いて鉛直状に締着するようにすると共に、当該支柱部上端に装着した分界上・下位コーンの天端標示縁を設計スラブ天端位置に一致させるよう、同支柱部上端側雄ネジと分界下位コーン下端側のナット部との螺合具合を上下進退調整、操作するようにして、スラブ打設範囲の適宜面積範囲毎に、このスラブコンクリート用天端標示具を配設するようにした後、スラブ型枠内に所要量の生コンクリートを打設してスラブ形成をするコンクリート打設工程中に、既に設置済みとした全ての天端標示具夫々の分界上・下位コーンの天端標示縁の属す同一平面を基準にして生コンクリートを打設、養生するか、生コンクリートを打設して所定養生期間を置いてモルタル仕上げをするかしてしまってから、次の最終工程により、スラブ天端面から露出状となっている全ての分界上位コーンの螺解、撤去し、引き続きスラブコンクリートに埋没状となっている分界下位コーンも螺解、撤去した上、スラブ表面に残る各抜去跡穴に対してモルタルその他を充填するか、それと同時に全面にモルタル均し仕上げをするかするようにし、据置き棒体支柱部上端を含む各抜去跡穴を隠蔽してしまうようにする、前記請求項1ないし6何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具を利用したコンクリートスラブの形成方法。
  9. スラブ天端標示工程により、スラブ用型枠コンクリート打設面かまたはスラブ用鉄筋上側面か等の適所に据置き棒体位置決め用基部の下面適応部位を当接、載置状にすると共に、同支柱部上端に前記請求項7記載の延長金具下端の連結用長ナットを螺合し、該延長金具継ぎ足しでコンクリート打設厚とその被り厚、および据置き手段とに応じた所定長さ寸法に設定の当該据置き棒体を、該延長金具延長棒に用意したネジ緊締機構を用いて鉛直状に締着するようにすると共に、同延長棒上端に装着した分界上・下位コーンの天端標示縁を設計スラブ天端位置に一致させるよう、同該延長金具延長棒上端側雄ネジと分界下位コーン下端側のナット部との螺合具合を上下進退調整、操作するようにして、スラブ打設範囲の適宜面積範囲毎に、このスラブコンクリート用天端標示具を配設するようにした後、スラブ型枠内に所要量の生コンクリートを打設してスラブ形成をするコンクリート打設工程中に、既に設置済みとした全ての天端標示具夫々の分界上・下位コーンの天端標示縁の属す同一平面を基準にして生コンクリートを打設、養生するか、生コンクリートを打設して所定養生期間を置いてモルタル仕上げをするかしてしまってから、次の最終工程により、スラブ天端面から露出状となっている全ての分界上位コーンの螺解、撤去し、引き続きスラブコンクリートに埋没状となっている分界下位コーンも螺解、撤去した上、スラブ表面に残る各抜去跡穴に対してモルタルその他を充填するか、それと同時に全面にモルタル均し仕上げをするかするようにし、据置き棒体支柱部上端を含む各抜去跡穴を隠蔽してしまうようにする、前記請求項1ないし6何れか一項記載のスラブコンクリート用天端標示具に、前記請求項7記載の延長金具を組み合わせものを利用したコンクリートスラブの形成方法。
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JP7194964B2 (ja) 2017-12-26 2022-12-23 株式会社エヌ・エス・ピー 調節補助具及び調節具

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