JP2007222960A - ラッピング加工方法および加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラッピング処理能率および研磨精度を向上することのできるラッピング加工方法および加工装置を提供する。
【解決手段】ラッピング加工方法は、セラミックスよりなる加工サンプル10の表面を砥石6によりラッピング加工するラッピング加工方法であって、加工サンプル10にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む加工液5を加工サンプル10と砥石6との間に供給してラッピング加工する。加工液5はエマルジョン型の水溶性切削油またはソリューション型の水溶性切削油を含んでいることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、ラッピング加工方法および加工装置に関し、より特定的には、セラミックスよりなる被加工物の表面を研磨材料によりラッピング加工するラッピング加工方法および加工装置に関する。
窒化ケイ素セラミックスやサイアロンセラミックスは、高強度、高硬度、高耐熱性、および高耐食性という優れた機械的性質を有しているため、軸受やエンジン部品などの機械部品として使用されている。一方で、上記のように優れた機械的強度を有しているために、窒化ケイ素セラミックスやサイアロンセラミックスは加工面から見て難研削性を有している。このため、窒化ケイ素セラミックスやサイアロンセラミックスなどの研削加工にはダイヤモンドやCBNなどの高硬度の砥石や砥粒が用いられ、その加工能率はあまり高くない。
セラミックス材料に致命的欠陥を生じることなく加工能率を向上する技術として、特開平7−132448号公報(特許文献1)には、研削砥石の作業面の周速度および送り速度を最適化する技術が開示されている。具体的には、研削砥石の作業面の周速度を50〜300m/秒とし、かつ研削砥石の作業面の作業方向への送り速度を50〜200m/分とする技術が開示されている。
しかし、たとえばセラミックス材料に仕上げのラッピング処理を施す場合、砥石と被加工物の相対速度は250m/分以下の比較的遅い速度条件が適用される。上記特許文献1の技術は、比較的速い加工速度でセラミックスを研削加工する場合を想定したものであるので、セラミックス材料に仕上げのラッピング処理を施す際の加工条件には適用することができなかった。
セラミックス材料のラッピング処理の能率を向上し得る技術として、特開2003−145416号公報(特許文献2)には、トライボケミカル反応を利用した技術が開示されている。具体的には、セラミック焼結体で構成されている研磨材料であって、その焼結体の粒界、粒内、気孔の1種以上の部分に被研磨セラミックスを溶解反応させる元素を含んでいる研磨材料を用いて、セラミック材料を水中で研磨する技術が開示されている。これにより、水中でセラミックス材料の磨耗を促進させることができるので、ラッピング処理の能率を向上することができる。
また、セラミックス材料のラッピング処理の能率を向上し得る技術として、ファインセラミックス成形・加工と接合技術編集委員会編、「ファインセラミックス成形・加工と接合技術」、91ページ〜96ページ(非特許文献1)には、メカノケミカル反応を利用した技術が開示されている。具体的には、酸化クロム、酸化鉄、または酸化セリウムなどの軟質粒子を樹脂ボンドで固定した定盤を用いてワークが研磨される。この方法では、軟質粒子とワークとの接触点局部で高圧が生じて固相反応が生じる。そして固相反応による生成物が摩擦力によって除去され、ワークの研磨が進行する。
特開平7−132448号公報 特開2003−145416号公報 ファインセラミックス成形・加工と接合技術編集委員会編、「ファインセラミックス成形・加工と接合技術」、91ページ〜96ページ
しかしながら、上記特許文献2の技術では研磨材料がセラミックス焼結体よりなっている。このため、研磨材料の製造の際、セラミックスの材料を混合して加圧成形および希ガス雰囲気における焼結などを行なう必要があり、複雑な製造工程を経る必要がある。また、研磨材料がセラミックス焼結体よりなっているため、研磨材料のサイズや形状にも制約がある。その結果、研磨材料を量産加工することが困難であるので、ラッピング処理能率を向上することは困難であった。
また、非特許文献1の技術は軟質粒子とワークとの摩擦熱による固相反応を利用しているので、非特許文献1の技術を湿式加工に適用すると摩擦熱が小さくなり、ラッピング処理能率が低下するという問題があった。この問題は引用文献1にも記載されている。また、研磨によって削り取られた軟質粒子で定盤が目詰まりし、ラッピング処理能率が低下するという問題があった。さらに、軟質粒子よりなる定盤は研磨の際に変形しやすいので、研磨精度が低下するという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ラッピング処理能率および研磨精度を向上することのできるラッピング加工方法および加工装置を提供することである。
本発明のラッピング加工方法は、セラミックスよりなる被加工物の表面を研磨材料によりラッピング加工するラッピング加工方法であって、被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子(以下、「上記粒子」と記すこともある)を含む液体を被加工物と研磨材料との間に供給してラッピング加工する。
本発明のラッピング加工装置は、セラミックスよりなる被加工物の表面を研磨材料によりラッピング加工するラッピング加工装置であって、研磨材料と、被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む液体を被加工物と研磨材料との間に供給するための供給部と、被加工物を含む液体を研磨材料から排出するための排水部と、第1槽と第2槽とを有する筐体とを備えている。第1槽には排水部から排出された液体が供給され、かつ第2槽には第1槽から溢れた液体が流れ込み、かつ第2槽の液体が供給部から供給される。
本願発明者は、ラッピング処理の能率および研磨精度の向上のために有効な手段について鋭意検討した結果、被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む液体を被加工物と研磨材料との間に供給することが有効であることを見出した。すなわち、本発明のラッピング加工方法および加工装置によれば、被加工物の摩擦面でトライボケミカル反応が起こり、被加工物の反応生成物が生じる。研磨材料は、この反応生成物を除去すると同時に被加工物の表面も機械的に除去し、被加工物の新たな表面を作り出す。そして、被加工物の新たな表面においてトライボケミカル反応が再び起こり、被加工物の反応生成物が生じる。本発明ではこのような作用が繰り返し起こる。その結果、被加工物の表面を化学的・機械的に除去することができるので、ラッピング処理能率を向上することができる。
ここで、トライボケミカル反応とは、被加工物に対して摩擦を加えることにより、その摩擦エネルギにより摩擦面で化学反応が進んで反応生成物が生じる現象である。トライボケミカル反応によれば、表面の化学反応が進まない温度および雰囲気でも化学反応を起こすことができる。被加工物の反応生成物は通常、元の被加工物よりも軟らかいため、被加工物そのものよりも除去しやすい。
また、本発明のラッピング加工方法および加工装置によれば、研磨材料がセラミックス焼結体よりなっている必要がないため、研磨材料を製造するために複雑な製造工程を経る必要がなく、研磨材料のサイズや形状にも制約がない。また上記液体は、被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を液体に添加することにより容易に得られる。したがって、ラッピング処理能率を向上することができる。
また、本発明のラッピング加工方法および加工装置によれば、研磨材料を自由に選択することができるので、研磨材料として軟質粒子を用いる必要がない。このため、研磨の際の研磨材料の変形を抑止することができるので、研磨精度を向上することができる。また、研磨によって削り取られた研磨材料は上記液体により除去されるので、研磨材料が目詰まりしにくくなり、ラッピング処理能率が向上する。
加えて、本発明のラッピング加工装置によれば、第1槽に供給された上記液体に含まれる異物(研磨粉や脱落した砥粒など)の粒径は被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子の粒径に比べて大きいので、上記異物の沈降速度は上記粒子の沈降速度に比べて速い。このため、上記異物は第1槽の底部に滞留し第2槽に流れ込み難くなるが、上記粒子は第1槽において均一に分散し第1槽とほぼ同一の濃度で第2槽に流れ込む。その結果、上記異物のみを除去した上記液体を再び供給することができ、上記液体をリサイクルして使用することができる。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、被加工物は窒化ケイ素またはサイアロンを含んでいる。
窒化ケイ素およびサイアロンは、トライボケミカル反応が起こりやすい材料であるので、本発明のラッピング加工方法および加工装置によるラッピング処理能率が特に高い。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、上記液体はエマルジョン型の水溶性切削油またはソリューション型の水溶性切削油を含んでいる。
これにより、上記液体がラップ液としての役割を果たすとともに、上記粒子の分散溶媒としての役割を果たす。また、研磨材料の目詰まりを防止することができる。さらに、エマルジョン型の水溶性切削油またはソリューション型の水溶性切削油を用いることにより、上記粒子を上記液体中に均一に分散させることができる。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、上記液体は水または水溶液を含んでおり、かつ上記液体のpHが9以上12以下である。
これにより、上記液体がラップ液としての役割を果たすとともに、上記粒子の分散溶媒としての役割を果たす。また、水または水溶液中に粒子を均一に分散させるためには、表面電位を正または負に帯電させることが望ましい。pH5以上pH9未満の中性領域では、粒子の表面電位が0付近となり粒子同士の凝集が起こりやすく望ましくない。pH5未満の酸性領域では粒子の分散はしやすくなるものの、加工装置や研磨材料が腐食するという問題や液体の取り扱いの安全性への懸念がある。pH9以上pH12以下のアルカリ性領域では、粒子の分散が良好で、かつ加工装置や研磨材料の腐食の問題がなく液体の取り扱いの安全性もあまり問題にならない。pHが12より大きいアルカリ性領域では、加工装置や研磨材料が腐食するという問題や液体の取り扱いの安全性への懸念がある。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、上記粒子の硬度は被加工物の硬度以下である。
これにより、上記粒子によって被加工物がトライボケミカル反応を起こすとともに、上記粒子によって被加工物に無用な加工傷や欠陥が生じることを防止できる。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、上記粒子は、ケイ素、鉄、クロム、およびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素の酸化物よりなっている。
これらの酸化物は、セラミックスのトライボケミカル反応を促進させる効果を有するので上記粒子として適している。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において、研磨材料の砥粒は被加工物と同等以上の硬度を有することが望ましい。
上記の研磨材料は、被加工物と同等以上の硬度の砥粒を有することで、トライボケミカル反応による反応生成物を効率的に除去することができるとともに、研磨材料の形状精度を維持することができる。
本発明のラッピング加工方法において好ましくは、少なくとも一方に研磨材料を取り付けた2つの定盤の間に被加工物を配置し、2つの定盤を相対的に移動させることにより被加工物をラッピング加工する。
これにより、被加工物に対して平面ラップ加工や球体のラップ加工を行なうことができる。
本発明のラッピング加工方法および加工装置において好ましくは、液体は室温より高く80℃以下、より好ましくは60℃以下の温度である。
液体の温度を室温よりも高くすることで、トライボケミカル反応が促進され、ラッピング加工処理能率をさらに向上することができる。また、液体の温度を80℃以下、より好ましくは60℃以下とすることで、作業の安全性や管理の容易性を確保することができる。
本発明のラッピング加工装置において好ましくは、供給部から供給する液体の温度を制御するための制御装置がさらに備えられている。
これにより、ラッピング加工処理に適する温度に液体の温度を制御することができるので、ラッピング加工処理能率をさらに向上することができる。
本発明のラッピング加工方法および加工装置によれば、ラッピング処理能率および研磨精度を向上することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
始めに、本実施の形態におけるラッピング加工装置の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置の主な構成を示す平面図であり、図2は本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置の主な構成を示す側面図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるラッピング加工装置1は、セラミックスよりなる加工サンプル10の表面を平面ラッピング加工するラッピング加工装置であって、2つの定盤2および3と、研磨材料としての砥石6と、供給部としての供給管4と、排水部としての排水口7および排水管8とを主に備えている。
2つの定盤2および3は3つの加工サンプル10の各々を挟むように、平らな面が水平方向に延びるように配置されている。2つの定盤のうち下側の定盤2は円の平面形状を有しており、定盤2の上面には環状の砥石6が固定されている。定盤2および砥石6は、回転軸2aに接続されたモータ(図示なし)によって一体となって自転可能とされている。2つの定盤のうち上側の定盤(アタッチメント)3は円の平面形状を有しており、回転軸3aに接続されたモータ(図示なし)によって自転可能とされている。定盤3の表面には環状の溝(図示なし)が形成されており、この溝内に加工サンプル10が配置される。定盤3は加工サンプル10に対して下方向(定盤2の方向)の荷重を加え、加工サンプル10を定盤2および3の間に固定する。定盤2および3の回転速度はたとえば250m/分とされる。
定盤2上には、定盤3の他に供給管4の一端が配置されている。供給管4はポンプ(図示なし)を介してタンク9(図3)内へ延在している。タンク9の構造については後述する。供給管4によって液体としての加工液5が砥石6上に連続的に供給される。これにより、加工液5は加工サンプル10と砥石6との間に供給される。また、砥石6および定盤2には排水口7が開口されている。排水口7は排水管8と接続されており、排水管8はタンク9内へ延在している。砥石6上に供給された加工液5は、排水口7および排水管8を通じてタンク9へ排出される。
加工サンプル10は、セラミックスよりなっており、たとえば窒化ケイ素セラミックスやサイアロンセラミックスなどよりなっている。窒化ケイ素セラミックスおよびサイアロンセラミックスは、トライボケミカル反応が起こりやすい材料であるので、ラッピング処理能率を特に向上することができる。
砥石6は、加工サンプル10と同等以上の硬度を有することが望ましい。たとえば窒化ケイ素を加工する場合には、ダイヤモンド、CBN、炭化ホウ素、炭化ケイ素またはアルミナなどよりなる砥粒を含んでいることが好ましい。また、砥石6は、たとえばレジンボンド、ビドリファイドボンド、メタルボンド、または電着ボンドなどの結合材を用いて定盤2に固定されている。
図3は本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置のタンクの構成を示す断面図である。図1〜図3を参照して、本実施の形態におけるラッピング加工装置1は、筐体としてのタンク9をさらに備えている。タンク9は3つの滞留槽9a〜9cを有しており、滞留槽9a〜9cの各々にはいずれも加工液5が満杯に入っている。加工液5の液面の高さは、滞留槽9a(第1槽)が最も高く、次いで滞留槽9bが二番目に高く、滞留槽9c(第2槽)がもっとも低い。これにより、滞留槽9aの上部から溢れ出した加工液5は滞留槽9bへ流れ込み、滞留槽9bの上部から溢れ出した加工液5は滞留槽9cへ流れ込む。また、排水管8の他端は滞留槽9a内に差し込まれており、これにより滞留槽9aには排水管8から排出された加工液5が供給される。さらに、供給管4の他端はポンプ14を介して滞留槽9c内に差し込まれており、これにより滞留槽9cの加工液5がポンプ14の動力によって供給管4を通じて砥石6上へ供給される。つまり、加工液5はタンク9などを通じて循環して使用される。
また、滞留槽9c内には温度計13が設けられている。また、タンク9の外周にはヒータ11aが取り付けられており、供給管4の外周にはヒータ11bが取り付けられている。温度計13、ヒータ11aおよび11bの各々は、温度制御装置12と電気的に接続されている。温度制御装置12は、温度計13で測定された温度に基づいてヒータ11aおよび11bを加熱し、それにより加工液5の温度を制御する。その結果、適切な温度の加工液5を砥石6上へ供給することができる。加工液5の温度は室温より高く80℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。加工液5の温度を室温より高くすることで、トライボケミカル反応が促進され、ラッピング加工処理能率をさらに向上することができる。また、加工液5の温度を80℃以下、より好ましく60℃以下とすることで、作業の安全性や管理の容易性を確保することができる。
さらに、滞留槽9a内には滞留槽9aの水位を測定するための水位計17が設けられており、滞留槽9a上には滞留槽9a内に溶媒(たとえば水)を供給するための給水源15が設けられている。水位計17および給水源15の各々は水位制御装置16に電気的に接続されている。水位制御装置16は、滞留槽9aの水位が低いことを検知した場合には、給水源15から滞留槽9aへ水を供給する。その結果、滞留槽9a〜9cの水位を一定に保つことができる。
本実施の形態においては、上記のラッピング加工装置1を用いて、以下の方法により加工サンプルが加工される。
まず、定盤3にラッピング前の加工サンプル10を取り付け、定盤2および3の間に配置する。次に、加工サンプル10にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む加工液5を砥石6上に供給する。加工液5中の粒子の硬度は加工サンプル10の硬度以下であり、加工液5中の粒子はたとえば酸化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム、または酸化チタンなどよりなっている。これらの粒子を用いることによって加工サンプル10のトライボケミカル反応を促進することができるとともに、加工サンプル10を機械的に研磨することができる。また加工液5の溶媒は、たとえばエマルジョン(乳濁液)型の水溶性切削油、ソリューション(固溶)型の水溶性切削油、水、または水溶液などよりなっており、加工液の溶媒のpHは9以上12以下である。これにより、加工液5がラップ液としての役割を果たすとともに、上記粒子の分散溶媒としての役割を果たす。また、砥石6の目詰まりを防止することができる。なお、「エマルジョン型」とは、水溶性切削油成分がコロイド状に分散して存在することのできる液体であり、「ソリューション型」とは、水溶性切削油成分が溶解して存在することのできる液体を意味している。
上記粒子の添加量は0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。上記粒子の添加量を0.2質量%とすることにより、加工サンプル10にトライボケミカル反応が起こりやすくなる。上記粒子の添加量を15質量%以下とすることにより、上記粒子が砥石6による加工サンプル10の機械的な除去の妨げになることを抑止することができ、加工速度の低下を抑止することができる。
また、上記粒子の平均粒径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。上記粒子の平均粒径を3μm以下とすることにより、加工サンプル10への接触頻度を高め、上記粒子の単位体積あたりのトライボケミカル反応の反応効率を高めることができる。また溶媒中で上記粒子が沈殿しにくくなり、溶媒中での分散状態を維持することができる。これにより、加工サンプル10の表面における加工生成物の生成効率を高め、加工速度を十分に向上することができる。また、上記粒子の粒度は砥石6の粒度と同等以下であることが好ましい。上記粒子の粒度を砥石6の粒度と同等以下とすることにより上記粒子が砥石6による加工サンプル10の機械的な除去の妨げになることを抑止することができ、加工速度の低下を抑止することができる。
加工液5を砥石6上に供給した状態で、回転軸2aおよび3aの各々を回転させる。また定盤2の回転により、加工液5は加工サンプル10と砥石6との間に流れ込む。その結果、定盤2および3と、3つの加工サンプル10の各々との間にすべりが生じ、加工サンプル10がたとえば球状にラッピング加工される。また加工サンプル10の表面にトライボケミカル反応が生じる。
加工サンプル10と砥石6との間から流れ出した加工液5には、研磨粉や脱落した砥粒などの異物が含まれている。異物が含まれている加工液5は、排水口7および排水管8を介してタンク9の滞留槽9aの底部に供給される。滞留槽9aへの加工液5の供給により、滞留槽9a内の加工液5が滞留槽9aと滞留槽9bとを隔てる隔壁の上部から溢れ出し、滞留槽9bへ流れ込む。このとき、滞留槽9aに供給された加工液5に含まれる異物の粒径は上記粒子の粒径に比べて大きいので、加工液5に含まれる異物の沈降速度は上記粒子の沈降速度に比べて速い。このため、加工液5に含まれる異物は滞留槽9aの底部に滞留し滞留槽9bに流れ込み難くなるが、滞留槽9aから滞留槽9bへ流れ込む加工液5に含まれる上記粒子の濃度はほとんど変わらない。これにより、加工液5に含まれる異物が除去される。同様に、滞留槽9cを設けることで加工液5に含まれる異物が一層除去される。そして、異物のみが除去された加工液5は所望の温度に加熱され、供給管4を介して再び供給される。
なお、本実施の形態においては、滞留槽が3個(3段)である場合について示したが、滞留槽の個数は任意であり、2個(2段)以上8個(8段)以下であることが好ましい。2個以上とすることにより比較的大きな粒径の異物を沈降させることができ、8個以下とすることにより上記粒子自体が沈降して上記粒子の濃度が低下することを抑止することができる。
本実施の形態におけるラッピング加工方法および加工装置1によれば、加工サンプル10の摩擦面でトライボケミカル反応が起こり、加工サンプル10の反応生成物が生じる。砥石6は、この反応生成物を除去すると同時に加工サンプル10の表面も機械的に除去し、加工サンプル10の新たな表面を作り出す。そして、加工サンプル10の新たな表面においてトライボケミカル反応が再び起こり、加工サンプル10の反応生成物が生じる。本実施の形態ではこのような作用が繰り返し起こる。その結果、加工サンプル10の表面を化学的・機械的に除去することができるので、ラッピング処理能率を向上することができる。
また、砥石6がセラミックス焼結体よりなっている必要がないため、砥石6を製造するために複雑な製造工程を経る必要がなく、砥石6のサイズや形状にも制約がない。また加工液5は、酸化ケイ素などの粒子を溶媒に添加することにより容易に得られる。したがって、ラッピング処理能率を向上することができる。
また、砥石6を自由に選択することができるので、砥石6として軟質粒子を用いる必要がない。このため、研磨の際の砥石6の変形を抑止することができるので、研磨精度を向上することができる。また、研磨によって削り取られた砥石6は加工液5により除去されるので、砥石6が目詰まりしにくくなり、ラッピング処理能率が向上する。
一方、従来のように、加工サンプル10に対してメカノケミカル作用やトライボケミカル作用を生じさせるような粒子を定盤に固定したラッピング方法では、本実施の形態ほどの加工精度と加工速度とを両立することは困難であり、また定盤の目詰まりによって加工効率がすぐに低下するため、量産加工には不向きである。本実施の形態のラッピング加工方法および加工装置によれば、従来のラッピング方法に比べて優れた効果を得ることができる。
加えて、本実施の形態のラッピング加工装置1によれば、滞留槽9aに供給された加工液5に含まれる異物の粒径は加工サンプル10にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子の粒径に比べて大きいので、上記異物の沈降速度は上記粒子の沈降速度に比べて速い。このため、上記異物は滞留槽9aの底部に滞留し滞留槽9bおよび9cに流れ込み難くなるが、上記粒子は滞留槽9aにおいて均一に分散し滞留槽9cとほぼ同一の濃度で滞留槽9および9cに流れ込む。その結果、上記異物のみを除去した加工液5を再び供給することができ、加工液5をリサイクルして使用することができる。特に、従来のフィルタを用いて上記粒子の除去を行なうと、上記粒子がフィルタに捕獲され加工液5中の上記粒子の濃度が低下するという問題や、上記粒子によってフィルタが頻繁に目詰まりするなどの問題が生じる。
なお、本発明のラッピング加工装置は、上記のように水平方向に延びる2つの定盤の上に被加工物が配置される場合の他、鉛直方向に延びる2つの定盤に挟まれるように被加工物が配置される構造であってもよい。また以下に説明するように、定盤回転軸と同心状の溝部を少なくとも一方の定盤に有し、同溝部に球状の被加工物が装填されることで球体を加工する構造であってもよい。
図4は本発明の一実施の形態における他のラッピング加工装置の構成を示す斜視図である。図4を参照して、本実施の形態における球体のラッピング加工装置21は、2つの定盤22および29と、供給管24と、排水管25と、タンク26とを主に備えている。定盤22および29はともに円の平面形状を有しており、定盤22および29の各々の表面に装着された砥石に溝22aおよび29aが形成されている。2つの定盤に形成された溝22aおよび29aは複数の加工サンプル23の各々を挟むように、向かい合って配置されている。定盤29の回転軸はプーリと接続されており、モータ、プーリ、およびベルト(いずれも図示せず)によって構成される回転機構によって定盤29は駆動される。一方、定盤22は、油圧シリンダ(図示せず)などの押圧機構によって定盤29の方向へ適切な圧力で押圧される。
定盤22および29の間には、供給管24の一端が接続されている。供給管24はポンプ(図示せず)を介してタンク26内へ延在している。供給管24によって加工液(図示せず)が加工サンプルと砥石との間に供給される。また、定盤22および29の下には排水管25が接続されており、排水管25はタンク26内へ延在している。加工液は排水管25を介してタンク26内へ排水され、タンク26から供給管24を介して定盤22および29の間に供給される。
なお、ロータリーコンベア(図示せず)上の加工サンプル23は、シュート28を介して定盤22の溝22aと定盤29の溝29aとの間に供給され、溝22aおよび29aの砥石によって研磨された後、シュート27を介してコンベア上へ排出される。
ラッピング加工装置21では、前述のラッピング加工装置1とほぼ同様の原理により球状の加工サンプル23がラッピング加工され、ラッピング加工装置1と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態においては、被加工物を機械ラッピング加工により平面ラッピング加工する場合および球体をラッピング加工する場合について示したが、本発明はラッピング加工全般に適用可能であり、たとえば円筒ラッピング加工や、ハンドラッピング加工などにも適用可能である。
本実施例では、ラッピング加工の加工速度に及ぼす加工液の影響について調べた。具体的には、図1および図2に示すラッピング加工装置を用いて、窒化セラミックスよりなる加工サンプルをラッピング加工した。加工サンプルとしては直径15mm×高さ10mmの円筒形状のものを使用し、アタッチメントに3つの加工サンプルを固定した。砥石としては、比較例1ではダイヤモンドを使用し、比較例2および本発明例3〜7ではアルミナを使用した。ダイヤモンドおよびアルミナの粒度はいずれも2000番のものを使用した。砥石と下側の定盤との結合材としてはレジンボンドを使用した。また、加工液としては以下のものを使用した。
比較例1および2:従来の加工液である白灯油系の油性加工液を使用した。
本発明例3:水で適度に希釈したエマルジョン型の水溶性切削油(出光興産製、ダフニーミルクールML)に2質量%の酸化ケイ素(シーアイ化成製、Nanotek)を分散させた加工液を使用した。
本発明例4:水で適度に希釈したエマルジョン型の水溶性切削油に2質量%の酸化鉄(戸田工業製、100ED)を分散させた加工液を使用した。
本発明例5:水で適度に希釈したエマルジョン型の水溶性切削油に2質量%の酸化クロム(日本化学工業製、クロメックスS−1)を分散させた加工液を使用した。
本発明例6:水で適度に希釈したエマルジョン型の水溶性切削油に2質量%の酸化チタン(シーアイ化成製、Nanotek)を分散させた加工液を使用した。
本発明例7:水で適度に希釈したソリューション型の水溶性切削油(出光興産製、ダフニーアクアクール)と2質量%の酸化ケイ素とを混合した混合加工液を使用した。
それぞれの試料についてのラッピング加工の加工速度比を表1に示す。なお、表1の加工速度比は、比較例1の加工速度を1とした場合の値である。
Figure 2007222960
表1を参照して、本発明例3〜7では比較例2の100倍以上の加工速度となっており、加工速度が大きく向上している。また、比較例1で使用しているダイヤモンドは、本発明例3〜7で使用しているアルミナよりも高い硬度を有しているにも関わらず、本発明例3〜7では比較例1と同等以上の加工速度が得られている。以上の結果より、本発明の加工液を使用することによって、加工能率が向上することがわかる。
本実施例では、ラッピング加工の加工速度に及ぼす加工液の温度の影響について調べた。具体的には、実施例1と同様の方法を用いて、窒化セラミックスよりなる加工サンプルをラッピング加工した。砥石としては2000番の粒度のアルミナを使用し、砥石と下側の定盤との結合材としてはレジンボンドを使用した。また、加工液としては、エマルジョン型の水溶性切削油に2質量%の酸化ケイ素を分散させた加工液(上記本発明例3の加工液)を使用した。加工液の温度については10℃〜80℃の範囲で変化させてそれぞれの温度での加工速度を測定した。加工液温度とラッピング加工の加工速度比との関係を図5に示す。なお、図5の加工速度比は、加工液の温度が20℃(室温)の場合の加工速度を1とした場合の値である。
図5を参照して、加工液の温度上昇とともに加工速度が向上している。この結果より、加工液の温度を室温より高くすることによって加工能率が一層向上することがわかる。
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
本発明のラッピング加工方法および加工装置は、窒化ケイ素セラミックスやサイアロンセラミックスのラッピング加工に好適である。
本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置の主な構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置の主な構成を示す側面図である。 本発明の一実施の形態におけるラッピング加工装置のタンクの構成を示す断面図である。 本発明の一実施の形態における他のラッピング加工装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例2における加工液温度と加工速度比の関係を示す図である。
符号の説明
1,21 ラッピング加工装置、2,3,22,29 定盤、2a,3a 回転軸、4,24 供給管、5 加工液、6 砥石、7 排水口、8,25 排水管、9,26 タンク、9a〜9c 滞留槽、10,23 加工サンプル、11a,11b ヒータ、12 温度制御装置、13 温度計、14 ポンプ、15 給水源、16 水位制御装置、17 水位計、22a,29a 溝、27,28 シュート。

Claims (9)

  1. セラミックスよりなる被加工物の表面を研磨材料によりラッピング加工するラッピング加工方法であって、
    前記被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む液体を前記被加工物と前記研磨材料との間に供給してラッピング加工することを特徴とする、ラッピング加工方法。
  2. 前記被加工物は窒化ケイ素またはサイアロンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のラッピング加工方法。
  3. 前記液体はエマルジョン型の水溶性切削油またはソリューション型の水溶性切削油を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のラッピング加工方法。
  4. 前記液体は水または水溶液を含み、かつ前記液体のpHが9以上12以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のラッピング加工方法。
  5. 前記粒子は、ケイ素、鉄、クロム、およびチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素の酸化物よりなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のラッピング加工方法。
  6. 少なくとも一方に前記研磨材料を取り付けた2つの定盤の間に前記被加工物を配置し、前記2つの定盤を相対的に移動させることにより前記被加工物をラッピング加工することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のラッピング加工方法。
  7. 前記液体は室温より高く80℃以下の温度であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のラッピング加工方法。
  8. セラミックスよりなる被加工物の表面を研磨材料によりラッピング加工するラッピング加工装置であって、
    前記研磨材料と、
    前記被加工物にトライボケミカル反応を起こさせるような粒子を含む液体を前記被加工物と前記研磨材料との間に供給するための供給部と、
    前記被加工物を含む前記液体を前記研磨材料から排出するための排水部と、
    第1槽と第2槽とを有する筐体とを備え、
    前記第1槽には前記排水部から排出された前記液体が供給され、かつ前記第2槽には前記第1槽から溢れた前記液体が流れ込み、かつ前記第2槽の前記液体が前記供給部から供給されることを特徴とする、ラッピング加工装置。
  9. 前記供給部から供給する液体の温度を制御するための制御装置をさらに備える、請求項8に記載のラッピング加工装置。
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