JP2007222852A - 有機性廃棄物の高速発酵処理方法および発酵処理物 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品産業から排出される汚泥を再利用し、短期間で完熟汚泥コンポストを作製することのできる有機性廃棄物の高速発酵処理方法および発酵処理物を提供する。
【解決手段】稲ワラ、麦ワラ、芦、葦、トウモロコシ茎葉、サトウキビ茎葉、ケナフから少なくとも1つが選ばれる繊維性バイオマスを破砕する破砕工程と、破砕工程において破砕された繊維性バイオマスを有機性廃棄物に混合する混合工程と、混合工程において混合された混合物に空気を送風して発酵を行う発酵工程とを備え、混合工程おいては、水分調整を行うことが好ましく、発酵工程においては、下方から空気を送風し上方から排気し、発酵を行う発酵槽内を陰圧にすることが望ましい。
【選択図】図1
【解決手段】稲ワラ、麦ワラ、芦、葦、トウモロコシ茎葉、サトウキビ茎葉、ケナフから少なくとも1つが選ばれる繊維性バイオマスを破砕する破砕工程と、破砕工程において破砕された繊維性バイオマスを有機性廃棄物に混合する混合工程と、混合工程において混合された混合物に空気を送風して発酵を行う発酵工程とを備え、混合工程おいては、水分調整を行うことが好ましく、発酵工程においては、下方から空気を送風し上方から排気し、発酵を行う発酵槽内を陰圧にすることが望ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機性廃棄物である食品産業汚泥の高速発酵処理方法およびその高速発酵処理方法により得られた発酵処理物に関する。
日本では現在およそ1,700万トンの活性汚泥が食品産業から排出されている。食品産業から排出される汚泥は業種に左右されず、乾燥汚泥当たり窒素7%、リン4%、カリウム0.8%とかなり均一な成分からなる。この汚泥の主成分は食品廃水を浄化処理した微生物の死骸で多くの場合、重金属を含まず極めて安全性が高い。したがって、この汚泥を再利用すれば、廃棄物として廃棄される食品汚泥が減り、地球環境への負荷を低くするものと期待される。しかし、その90%は焼却、埋め立て処分され、ほとんど再利用されていない。
食品産業から排出される汚泥が再利用されない理由には大きく二つある。一つには、現行の汚泥発酵法ではモミガラ、オガクズなどの副資材を大量に混合し水分調整した後に発酵が行われるが、難分解性の副資材の発酵完熟に3ヶ月程を要すること、二つには、大量に副資材を混合するために食品汚泥の高い肥料性が希釈されてしまうことである。
このような背景から、本発明者は裁断新聞紙などの古紙を副資材として80%以上の水分含量の食品汚泥に混合し、縦型通風装置付きの発酵槽内で加温していない空気を通風して10日ほどで完熟汚泥コンポストを作製する方法を確立した(特許文献1参照)。この方法で得られたコンポストは肥効性が高く、しかも根障害を全く引き起こさず、画期的なものであった。しかし、古紙は再利用の技術が進んでいるため、この方法を実施するための古紙の確保が難しいという問題があった。したがって、古紙に代わる新たな副資材が求められていた。
特許第3499484号公報
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、古紙に代わる新たな副資材を用いて、食品産業から排出される汚泥を再利用し、短期間で完熟汚泥コンポストを作製することのできる有機性廃棄物の高速発酵処理方法および発酵処理物を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、破砕した繊維性バイオマスを混合することにより食品産業から排出される汚泥を高速で発酵処理することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の請求項1の発明は、繊維性バイオマスを破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された繊維性バイオマスを有機性廃棄物に混合する混合工程と、前記混合工程により混合された混合物に空気を送風して発酵を行う発酵工程とを備えたことを特徴とする有機性廃棄物の高速発酵処理方法である。
本発明の請求項2の発明は、前記混合工程において、水分調整を行うことを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法である。
本発明の請求項3の発明は、前記発酵工程において、下方から空気を送風し上方から排気することを特徴とする請求項1または2記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法である。
本発明の請求項4の発明は、前記発酵工程において、発酵を行う発酵槽内を陰圧にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法である。
本発明の請求項5の発明は、前記繊維性バイオマスは、稲ワラ、麦ワラ、芦、葦、トウモロコシ茎葉、サトウキビ茎葉、ケナフから選ばれる、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法である。
本発明の請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法により得られたことを特徴とする発酵処理物である。
本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法によれば、古紙に代わる新たな副資材として、廃棄物としての稲ワラ、麦ワラ、トウモロコシ茎葉などの繊維性バイオマスを用いることにより、今まで廃棄されていた食品汚泥と繊維性バイオマスを同時に再利用することができる。またその高速発酵処理方法により得られた発酵処理物は、安全性が高く、肥効性の高いコンポストとして利用できる。
以下、本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法の実施形態について稲ワラを副資材として使用する場合を例に、本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法の工程図を示す図1を参照しながら本発明を詳細に説明する。
本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法は、繊維性バイオマスを破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された繊維性バイオマスを有機性廃棄物に混合する混合工程と、前記混合工程により混合された混合物に空気を送風して発酵を行う発酵工程とを備えたものである。前記破砕工程で繊維性バイオマスを破砕する際は、鋭利ではない刃を用いて破砕するか、あるいは破砕機で裁断した後、ツイストミルなどで捩じり破砕を施すか、あるいは捩じり破砕機を用いて破砕する。破砕した繊維性バイオマスと食品汚泥とを混合した混合物には、発酵工程で団粒ポーラス構造ができる。団粒ポーラス構造とは、団粒間および団粒内部に小さめの間隙を持ち、団粒内部に小さめの間隙を持つ構造である。混合物が団粒ポーラス構造を持った発酵処理物となると、底部から送風した空気が間隙内を乱流し、極めて長い自由流路長が生じる。このため、混合物中心部の発酵熱がすみずみに行き渡り、槽内全領域で高温発酵が起こる。なお、鋭利な刃を持つ切断機を用いて切断すると、繊維がそのまま切断され、前記混合工程における混合時に、食品汚泥からの水分が繊維性バイオマスに吸収されにくいため水分調整をうまく行えないため好ましくない。
なお、前記混合工程において、好ましくは水分調整を行う。水分調節は、水分含量が80%以上である食品汚泥に水分含量を10%以下に乾燥した繊維性バイオマスを添加して混合することにより、食品汚泥からの水分を繊維性バイオマスに吸収させることにより行い、混合物全体の水分含量を60%〜75%に低化させる。
また、前記発酵工程において、好ましくは下方から空気を送風し上方から排気する。混合物に下方から空気を送り込むことで好気的発酵を促進させることができる。なお、副資材を用いた発酵処理は基本的には嫌気発酵であり発酵温度が低い。しかし、本発明のように破砕した副資材を用いることにより、混合物中に微小空間が確保され、混合物の空気接触面積が拡大し、好気発酵が可能となる。また、空気を送風することにより、同時に水分の蒸発を促進し、好気発酵による発酵熱が効果的に水分蒸発に使用される。なお、送風する空気は室温でよく、通常は加温をする必要はないが、寒冷地で外気を直接発酵槽内に送り込むときは、発酵時間を早めるために30度程度に加温することが望ましい。さらに下部から上部に上がってくる空気を排気する際は、速やかに排気を行うことが望ましい。速やかに排気を行うことで結露水の逆流を防ぐことができ、その結果、発酵時間を短縮することができる。
また、前記発酵工程において、好ましくは発酵を行う発酵槽内を陰圧にする。発酵槽内を陰圧にするのは、発酵槽内からの空気の漏れを防ぎ、排気ブロワーから効率的に空気を排気するためである。
本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法に用いることができる前記繊維性バイオマスとしては、稲ワラ以外に、麦ワラ、芦、葦、トウモロコシ茎葉、サトウキビ茎葉、ケナフを用いることができる。このような繊維性バイオマスを用いることにより、食品汚泥との混合物に団粒ポーラス構造を形成し、急速発酵が可能となる。
このようにして、本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法により得られた発酵処理物は、安全性が高く、肥効性の高いコンポストとして利用できる。
図2は、本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法に用いられる発酵装置の一例を示す概略図である。なお、本発明の有機性廃棄物の高速発酵処理方法に用いられる発酵装置の構成は、本実施形態に限定されるものではない。
図2において1は発酵槽であり、その底部は2重構造になっており、その間隙の上部には、孔を多数備え通気性を有する底板2が設けられている。そして、送風ブロワー3は発酵槽1の外部に設置されており、発酵槽1の底面と底板2の間隙に空気を送り込むように構成されている。そして、送風ブロワー3から発酵槽1の底部に送り込まれた空気は、底板2の孔を通って、発酵槽1内に堆積した混合物Aに送り込まれるようになっている。中蓋4は、発酵槽1内の混合物Aに被せて使用するようになっている。中蓋4には、蛇腹構造の排気筒5が設けられており、排気筒5は、外蓋6の排気口に接続している。混合物Aを通過した空気は、中蓋4の孔を通り発酵槽1上部へと送られ、発酵槽1上部へ送られた空気は、排気筒5を通過し、外蓋6の排気口に接続した排気ブロワー7から発酵槽1外部へ排気されるようになっている。
なお発酵槽1と外蓋6の材質は、断熱性の、木製、金属製、プラスチック製、コンクリート製などどれでも良く、内部で発生した熱が外部に放出されにくいものであれば十分である。熱が外部に放出されにくい材質で発酵槽を構成することにより、発酵により発生した熱の発酵槽外への放熱が制限され、発酵工程において発酵熱が効果的に水分蒸発に使用される。
本実施例の発酵装置を用いた有機性廃棄物の高速発酵処理は、以下のような手順で行われる。まず、食品汚泥などの有機性廃棄物に破砕機を用いて破砕した繊維性バイオマスを加え、ミキサーを用いて攪拌、混合し、その混合物を発酵槽1に投入する。そこへ次に中蓋4、外蓋6を発酵槽1に装着し、送風ブロアー3から送風を行う。発酵槽1内に送風された空気は、底板2の孔を通って、発酵槽1内に堆積した混合物Aに送り込まれる。混合物Aを通過した空気は、混合物Aに被せられた中蓋4の孔を通り、発酵槽1上部へと送られる。なお、中蓋4は、水分蒸発による混合物の減容に対して、混合物の保温効果と混合物の減容によって生ずる発酵槽1内部の上方空間における結露から混合物を保護するために設けられており、堆積した混合物Aの減容にともない、排気筒5の蛇腹構造が伸び、中蓋4は混合物Aに被さったままとなる。発酵槽1上部へ送られた空気は、中蓋4に設けられた排気筒5を通過し、外蓋6の排気口に接続した排気ブロワー7から発酵槽1外部へ速やかに排気される。外蓋6は、発酵槽1内を気密状態に保ち、発酵により発生した発酵熱の外部への放出を防ぐために設けられている。
(稲ワラを用いた有機性廃棄物の高速発酵処理方法/古紙を用いた有機性廃棄物の発酵処理方法の比較)
繊維性バイオマスとして稲ワラを用い、有機性廃棄物の高速発酵処理を行った。稲ワラは、破砕機(UC−130,ウエノテックス,新潟)で20mm、45mmに裁断したもの、この後、さらにツイストミル(TM−130,ウエノテックス,新潟)で捩じり破砕を施したもの、捩じり破砕機(SKGM−1000,エスケーテック,新潟)を用いて破砕したものを用いた。なお、破砕した稲ワラは、鋭利な刃物で裁断された形状ではなく、表面はめくれ、繊維はランダムに切断されたものであった。
繊維性バイオマスとして稲ワラを用い、有機性廃棄物の高速発酵処理を行った。稲ワラは、破砕機(UC−130,ウエノテックス,新潟)で20mm、45mmに裁断したもの、この後、さらにツイストミル(TM−130,ウエノテックス,新潟)で捩じり破砕を施したもの、捩じり破砕機(SKGM−1000,エスケーテック,新潟)を用いて破砕したものを用いた。なお、破砕した稲ワラは、鋭利な刃物で裁断された形状ではなく、表面はめくれ、繊維はランダムに切断されたものであった。
また比較のために、従来技術で用いられていた古紙を稲ワラの代わりに使用して、同様に発酵処理を行った。古紙は、裁断機(MS440MA,明光商会,東京)で5×10mmに裁断したものを用いた。
豆腐工場の排水処理工程から廃棄される約100kgの食品汚泥に、副資材として稲ワラ、または古紙を混合した。混合はモルタルミキサー(PM―38G,マゼラー)を用い、36rpmで攪拌混合し、発酵槽の底から70cmの高さまで混合物を投入した。堆積させた後、中蓋と外蓋を発酵槽に装着し、ブロアー(VB―002―G,HITACHI)を用いて送風を開始した。送風量は毎分28リットル、排気量を毎分30リットルに制御し内部をやや陰圧にして空気の漏れを防いだ。正確な制御は風量計(OVAL,PLM30−10pcw)で計測しながらバルブの開閉で行なった。
発酵槽内の混合物に温度センサー(安立計器,Bh6−E−J2−M1−L1000−TC5−ASP)を3本、発酵槽の混合物表面から10、35、60cmの深度でかつ発酵槽中心に差し込み、自動的に一時間毎に発酵槽温度データを12チャンネルデータコレクター(安立計器,DATA COLLECTER,AM7012,Type K)に集積した。
高温発酵の後に温度が30〜40度に下降した時に切り返しを行い、再発酵を観察した。切り返しにおいては、まず混合物を外部に取り出し、十分にほぐし、混合した後、再び発酵槽に投入して一回目の発酵と同じように中蓋、外蓋を発酵槽にセットした。送風量は体積の減少を考慮し、毎分14リットル、排気量を毎分14リットルになるように調整した。
切り返し後の温度センサーの位置は混合物表面から10cm、堆積高の1/2、底から10cmの3箇所に差し込み、上と同様に温度データを取り込んだ。
発酵過程はさまざまな指標を用いて測定することが出来るが、もっとも簡便でかつ正確なのは温度を指標とすることである。この温度指標は最も一般的に広く用いられる方法である。
破砕した稲ワラ(UC−130,ウエノテックス,およびSKGM−1000,エスケーテック使用破砕品)を混合した汚泥は、送風開始後一日で混合物温度は70度に達して、5日後には30度に急下降した。ここで切り返しを行い再発酵を行ったが、温度は再び70度付近まで上昇した。再び10日後には温度は30度付近まで下降した。これを再び切り返し、3次発酵を行ったところ、温度の上昇はせいぜい50度で3次発酵は極めて低く、易分解性内容物は、ほとんど資化され尽くしたと思われた。その証拠に4次発酵は行われなかった。稲ワラを混合した汚泥の発酵中の温度推移は図3に示すとおりである。また、このような温度変化は、破砕機 (UC−130,ウエノテックス,新潟)で20mm、45mmに破砕したもの、この後、さらにツイストミル(TM−130,ウエノテックス,新潟)で捩じり破砕を施したもの、破砕機(SKGM−1000,エスケーテック,新潟)で破砕したもの何れでも同じであった。
一方、古紙を混合した汚泥の発酵中の温度推移は図4に示すとおりであり、およそ10日間で一時発酵が終了し、切り返しを行い再発酵をしたところ、一次発酵に比較して非常に低い温度の2次発酵が観察された。この温度変化は、古紙混合汚泥に特徴的なことである。また特に特徴的な点は、混合物上中下での温度がほぼ同じに高温であることである。これらの温度分布は、おがくずや籾殻と汚泥の混合物では決して観察されない。
以上のとおり、稲ワラを用いた場合は、第1回目の発酵は約6日で終了し、第2回目も約6日で終了した。古紙を用いた場合の第1回目の発酵が10日ほどで終了することから、稲ワラを用いた有機性廃棄物の発酵処理方法が発酵速度において、古紙を用いた有機性廃棄物の発酵処理方法を凌駕していることが証明された。
(コマツナ植害試験による食品汚泥コンポストの評価)
実施例1の一次発酵によって得られた発酵処理物をコンポストして使用し、コマツナ種子の発芽および根障害の調査を、農林水産省公定法に従って行った。設定した試験区は肥料別に、稲ワラを用いた高速発酵処理により得られた発酵処理物を使用した稲ワラコンポスト区(以下、稲ワラ)、従来技術である比較としての古紙を用いた発酵処理により得られた発酵処理物を使用した古紙コンポスト区(以下、古紙)、比較としての化学肥料を用いた化学肥料区(以下、化学)、および施肥しない無肥料区の4区を設定した。稲ワラ、古紙、化学の3区では更に施肥量別に標準量施肥(以下、標準)、2倍量施肥(以下、2倍)、4倍量施肥(以下、4倍)の3区を設定した。試験はすべて2連で行なった。
実施例1の一次発酵によって得られた発酵処理物をコンポストして使用し、コマツナ種子の発芽および根障害の調査を、農林水産省公定法に従って行った。設定した試験区は肥料別に、稲ワラを用いた高速発酵処理により得られた発酵処理物を使用した稲ワラコンポスト区(以下、稲ワラ)、従来技術である比較としての古紙を用いた発酵処理により得られた発酵処理物を使用した古紙コンポスト区(以下、古紙)、比較としての化学肥料を用いた化学肥料区(以下、化学)、および施肥しない無肥料区の4区を設定した。稲ワラ、古紙、化学の3区では更に施肥量別に標準量施肥(以下、標準)、2倍量施肥(以下、2倍)、4倍量施肥(以下、4倍)の3区を設定した。試験はすべて2連で行なった。
ポットあたりの窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)量を各50mg含むポットを標準量区とし、2倍量はそれぞれ100mg、4倍量はそれぞれ200mgの各要素を含んでいる。化学肥料は窒素、リン、カリウムをそれぞれ硫安、過燐酸石灰、塩加カリを組み合わせて調製した。古紙、稲ワラの両コンポストのリン、カリウム量を調製する際にも、過燐酸石灰、塩化カリを用いた。
ふるいがけ、風乾した、前歴のない砂壌土500gに、窒素、リン、カリウムを一定量に調整した肥料を混合し、ノボパウエルポットに入れた。最大容水量の60%になるように水を加え、コマツナ種子21粒を等間隔になるようピンセットを用いて播いた。20℃、10,000ルックス照射で明暗周期12時間に設定したバイオフォトチャンバー(LX―3200F,TAITEC)を用いコマツナを栽培した。水分管理は試験開始後10日目まで土壌水分調整後の水分状態を保つように減水分を補填し、11日目以降はコマツナの生育に応じて表面が乾燥しない程度に給水した。
図5に示したように、稲ワラ区はすべての濃度において古紙区と同じかあるいは生育が旺盛であった。特に4倍量と高濃度になったときの発芽率は古紙区のそれより優良であった。一方化成肥料区は標準量区では古紙、稲ワラ区に比べ遜色ないが2倍量区、4倍量区になると生育できない障害が生じた。
1回目、2回目発酵を終了した両コンポストとも、コマツナ根の発育に対する障害はなく、両者ともに古紙混合法によって作製したコンポストと全く同等の優秀なコンポストであることが証明された。
(コンポストの肥料成分分析)
古紙混合汚泥由来のコンポスト、稲ワラ混合汚泥由来のコンポストの窒素、リン、カリウムの含量を測定した。乾燥物あたりの重量%で表現すると、古紙コンポストはN=4.1%、P=2.7%、K=0.5%であったが、稲ワラコンポストではそれらは、N=4.2%、P=2.6%、K=2.8%とカリウムの含量が古紙コンポストより増加している。これは明らかに稲ワラから由来する、カリウム塩化物の影響である。
古紙混合汚泥由来のコンポスト、稲ワラ混合汚泥由来のコンポストの窒素、リン、カリウムの含量を測定した。乾燥物あたりの重量%で表現すると、古紙コンポストはN=4.1%、P=2.7%、K=0.5%であったが、稲ワラコンポストではそれらは、N=4.2%、P=2.6%、K=2.8%とカリウムの含量が古紙コンポストより増加している。これは明らかに稲ワラから由来する、カリウム塩化物の影響である。
1発酵槽
2底板
3送風ブロワー
4中蓋
5排気筒
6外蓋
7排気ブロワー
A混合物
2底板
3送風ブロワー
4中蓋
5排気筒
6外蓋
7排気ブロワー
A混合物
Claims (6)
- 繊維性バイオマスを破砕する破砕工程と、前記破砕工程において破砕された繊維性バイオマスを有機性廃棄物に混合する混合工程と、前記混合工程において混合された混合物に空気を送風して発酵を行う発酵工程とを備えたことを特徴とする有機性廃棄物の高速発酵処理方法。
- 前記混合工程において、水分調整を行うことを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法。
- 前記発酵工程において、下方から空気を送風し上方から排気することを特徴とする請求項1または2記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法。
- 前記発酵工程において、発酵を行う発酵槽内を陰圧にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法。
- 前記繊維性バイオマスは、稲ワラ、麦ワラ、芦、葦、トウモロコシ茎葉、サトウキビ茎葉、ケナフから選ばれる、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の有機性廃棄物の高速発酵処理方法により得られたことを特徴とする発酵処理物。
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JP2006050070A JP2007222852A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 有機性廃棄物の高速発酵処理方法および発酵処理物 |
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