JP2007222833A - 硫黄分吸収材料およびそれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒素酸化物触媒の硫黄被毒を再生する場合、再生するために特別な制御システムが必要である。また再生時に燃費の悪化が生じる。ディーゼルエンジン等の排気浄化系において、窒素酸化物浄化触媒が硫黄被毒を受けない浄化装置を提供する。
【解決手段】担体にゼオライトを用いた硫黄分吸収材料を、窒素酸化物浄化触媒に対して排気の上流側に設置し、一旦吸収した硫黄分を、通常の内燃機関の状況では実質的に脱離しないことで、窒素酸化物浄化触媒の被毒を防止する。酸化触媒を組合せることにより、硫黄分吸収材料の性能をより一層向上することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の排気中に含まれる硫黄分を吸収する材料に関し、またそれを用いて内燃機関の排気を浄化する装置に関する。
内燃機関から発生する窒素酸化物を浄化するために、触媒を用いて窒素酸化物を還元し、窒素とする技術が多く用いられている。通常のガソリンエンジンでは貴金属を複数用いた三元触媒が用いられ、その技術はほぼ完成の域に達している。
またリーンバーンのガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは、空燃比が通常のガソリンエンジンに比べて大きいことから、三元触媒は使用できない。三元触媒に変えて尿素を用いた選択還元(Selective Catalytic Reduction 、SCR)等の手法があるが、近年、窒素酸化物吸蔵型の浄化触媒が開発され用いられている。これは空燃比が理論空燃比より大きい時に、触媒に窒素酸化物を取り込み、加速時のように空燃比が理論空燃比に近づいた時に、取り込んだ窒素酸化物を還元して窒素として放出するものである。
これら空燃比が大きい領域で使用される内燃機関の窒素酸化物浄化触媒は、燃料に含まれる硫黄分によって被毒され、性能低下を引き起こすという問題を有している。これは燃料またはエンジンオイルに由来する硫黄酸化物が窒素酸化物と類似した挙動を取ることにより、浄化触媒に取り込まれて、本来窒素酸化物が反応すべき触媒の活性点を減少させるためである。
燃料中の硫黄分は、重質な燃料ほど多量に含まれ、ガソリン中には数十ppm しか含まれないが、軽油には数百ppm のオーダーで含まれている。このため軽油を燃料とするディーゼル機関では、上記の窒素酸化物浄化触媒の活性低下が特に生じやすい。
硫黄被毒した窒素酸化物浄化触媒は、空燃比が理論空燃比に近い領域において高温処理する事で硫黄分を還元し、硫化水素の形で放出する事で触媒活性を回復させる手法が用いられる。
例えば特開平06−088518号公報(特許文献1)には、空燃比が理論空燃比より大きく、かつ排気が高温の時、または窒素酸化物浄化触媒が高温の時に、空燃比を間欠的にまたは連続して理論空燃比近傍または理論空燃比より小さくして、窒素酸化物浄化触媒を被毒している硫黄分を脱離させて触媒を再生する方法が述べられている。
また特開平06−066129号公報(特許文献2)には、窒素酸化物浄化触媒への硫黄分の吸収量を推定する手段を設け、設定された量を超えた硫黄分が吸収された場合に、排気をヒータ加熱するとともに、空燃比を理論空燃比近傍に制御することで、吸収された硫黄分を触媒から脱離させ再生させる方法が述べられている。
特開平06−336914号公報(特許文献3)では、窒素酸化物浄化触媒に対して排気の上流側に硫黄分吸収材料を設置し、それぞれに流れ込む酸素濃度を調節する手段を設けている。これによって、あらかじめ窒素酸化物浄化触媒に流れ込む排気の酸素濃度を低下させて、硫黄分が触媒に吸収しにくい状態を作っておいて、その後硫黄分吸収材料に流れ込む酸素濃度を低下して硫黄分吸収材料に吸収された硫黄分を放出することを可能としている。
特開平06−088518号公報 特開平06−066129号公報 特開平06−336914号公報
触媒に一旦吸収された硫黄分を除去する方法では、硫黄分除去に際して空燃比を理論空燃比近傍にする制御を行うため、燃料が多量に消費されて燃費の悪化を招く。また、そのような脱離処理に際しては650℃以上の高温を要するために、窒素酸化物触媒中の貴金属にシンタリングを生じる可能性があり、そのため触媒特性の劣化をきたす懸念もある。
またこれらの方法では、硫黄分除去に対する制御が必要になり、排気処理関連のシステムの複雑化の一因となっている。
本発明の課題は、上記を解決し燃費向上を向上させ、かつ触媒の耐久性を向上させることにある。
上述の問題は、硫黄被毒を受ける窒素酸化物触媒の、排気の上流側に、硫黄分を吸収する材料を設置し、これに燃料中に含まれる硫黄分を吸収させることで解決可能である。この硫黄吸収材料は、ハニカム状構造体を用いて支持すると簡便である。
上記課題を解決する硫黄分吸収材料は、ゼオライト担体にアルカリおよび/またはアルカリ土類を含む硫黄分吸収成分を担持させたことを特徴とする。アルカリ金属では、特にナトリウム,カリウムが好ましく、またアルカリ土類金属ではバリウム,マグネシウムが好ましい。これらの成分の担持量は、排ガス流路と吸収能力の関係から、140〜180g/L担持することが好ましい。
このような硫黄分吸収材料を内燃機関の排気系に設置することにより、窒素酸化物浄化触媒の被毒を防止できるが、その際、これらの硫黄分吸収材料は窒素酸化物浄化触媒に対して、排気の上流側に配置する必要がある。吸収された硫黄分であっても、脱離することにより後流側の窒素酸化物触媒を劣化させるため、一旦吸収した硫黄分を実質的に脱離させない必要がある。
前記ゼオライト担体には、例えばY型ゼオライト,モルデナイト,フェリエライト,構造コードMFIのゼオライト,ベータ型ゼオライトを用いることができる。これらのゼオライトは単一成分であっても、これらを主成分の一つとする混合物であってもかまわない。
また、これらの硫黄吸収材料は酸化触媒と併用することにより高い効果が得られる。酸化触媒は、硫黄吸収材料と混合して一体として用いてもよいが、硫黄吸収材料の設置位置の、排気の上流側に酸化触媒を設置することで、これらの硫黄吸収材料をより効果的に使用することが可能である。酸化触媒の活性成分としては貴金属を用いるとよい。また、貴金属の担体は3ないし6族元素化合物,アルミニウム化合物,ケイ素化合物,ゼオライト、またはこれらを主体とした混合物を用いるのがよい。
この硫黄分吸収材料を用いる内燃機関としては、硫黄分を含む燃料を用いるさまざまな種類への適用が考えられるが、特にディーゼル機関で有効である。
本発明によれば、硫黄分吸収材料を窒素酸化物浄化触媒の排気上流に設置することで、燃料に起因する発生硫黄分を硫黄分吸収材料に吸収させ、これを実質的に脱離させないことで、窒素酸化物浄化触媒に流入する排気中に硫黄分が含まれなくなる。これによって窒素酸化物浄化触媒の被毒を防止して、長期間にわたる安定な窒素酸化物浄化機能の維持を可能とする。
図1には本発明にかかる硫黄分吸収材料を用いた排気浄化装置の一例を示す。
内燃機関1から排出された排気は排気通路2を通って、酸化触媒3に入る。ここで排気中の硫黄分は三酸化硫黄まで酸化される。三酸化硫黄は後段の硫黄分吸収材料4で吸収される。硫黄分が除かれた排気中には、まだ窒素酸化物が含まれているので、これをさらに後段の窒素酸化物浄化触媒5で浄化する。
上記硫黄分吸収材料4に一旦吸収された硫黄分は、引き続いてどのような排気組成,温度になっても、実質的にそこから脱離することがないものを使用する。したがって後段の窒素酸化物浄化触媒へと流出することがない。このため、窒素酸化物浄化触媒は燃料に由来する硫黄分で被毒する事がなく長期間にわたって安定な浄化性能を示す。
この図では窒素酸化物触媒は、その前段の酸化触媒,硫黄吸収材料と離れて描いているが、位置関係が図1と同じであれば、窒素酸化物浄化触媒は硫黄吸収材料のすぐ後段に併設してもかまわない。
(脱離なし)
本発明で示した硫黄吸収材料における硫黄吸収成分であるアルカリ金属元素含有化合物とアルカリ土類元素含有化合物の両方を含む混合物、またはそれらを主体としその他の化合物を含む混合物は、排気中の硫黄分と反応して容易に硫酸塩を形成する。これらの硫酸塩は分解温度が通常の内燃機関の排気温度よりも高い領域であるため、一旦形成されると極めて安定であり、実質的に硫黄分の脱離が生じない。本発明では、一旦吸収させた硫黄分を外部からの制御によって強制的に脱離させることがないので、そのような制御が不要であり制御系の複雑化を伴わない。
(酸化触媒)
このような硫黄吸収材料の設置位置に対して、排気の上流側に硫黄分を酸化する酸化触媒を設置することで、硫黄吸収材料の吸収能力を一層増すことができる。これは酸化触媒によって硫黄分が三酸化硫黄の形になって、硫黄吸収成分であるアルカリ金属含有化合物,アルカリ土類金属含有化合物と反応しやすくなるからである。また前記酸化触媒は、後述するように硫黄吸収材料と一体化しても上記硫黄分を三酸化硫黄とする機能がある限り、硫黄吸収材料の特性を向上できる。上記酸化触媒は活性成分を貴金属とし、担体は3ないし6族元素化合物またはアルミニウム化合物またはケイ素化合物またはそれらを主体とした混合物、あるいはゼオライトとして構成することによって、硫黄分を三酸化硫黄に酸化する反応を容易に生じさせることが可能となる。
(基体について)
これらの硫黄分吸収材料は、ハニカム形状を有する基体に、担体をコーティングし、硫黄分吸収成分を分散させた構造の材料を用いることができる。基体は例えばコーディエライトをはじめとする無機材料でよく、コーティングの方法は限定されない。ハニカム状構造体に支持されることにより、圧損を低く抑え排気通路中に設置することが可能である。また、担体としてゼオライトを用いた場合、前記硫黄吸収成分の分散性が良好で、これらの硫黄吸収成分の特性を充分活かすことができる。または、硫黄分吸収材料は、粒状もしくは繊維状の基体または担体に、硫黄分を吸収する成分を分散した構造の材料を用いることができる。
図2には、酸化触媒と硫黄分吸収材料を一体化した場合の排気浄化装置の一例を示す。図1と類似しているが、酸化触媒一体化硫黄吸収材料8が内燃機関から排出される硫黄分を酸化して吸収する。酸化触媒一体化硫黄吸収材料も、図1の硫黄吸収材料と同様、一旦吸収した硫黄分はその後どのような条件下おいても実質的に脱離しない。この後段に窒素酸化物浄化触媒5が設置されており、図1と同様、硫黄分が流れてこないために長期にわたって安定な窒素酸化物浄化が可能である。
酸化触媒一体化硫黄吸収材料の構造は、例えば図3のように酸化触媒と硫黄分吸収材料とを交互に配置することが可能である。また、さらに細分してモザイク状に配置することも、ランダムに配置することによっても、酸化触媒が硫黄分を酸化する機能がある限り有効である。
以下実施例で具体的に本発明を説明する。
400セル/平方インチのコーディエライトハニカムに、Y型ゼオライトを150g/Lウォッシュコートした。これに硝酸ナトリウムと酢酸バリウムの混合溶液を、ナトリウム重量に換算して11.5g/L 、バリウム重量に換算して68.7g/Lとなるよう含浸した。その後、空気中650℃で1時間焼成して硫黄分吸収材料1とした。
同じ400セル/平方インチのコーディエライトハニカムにγ−アルミナを150g/Lウォッシュコートした。これに塩化白金酸溶液を、白金重量に換算して3g/Lとなるよう含浸した。これを水素気流中600℃で1時間焼成して酸化触媒1とした。
石英ガラス反応管中のガス流れ方向に対して上流側から、酸化触媒ハニカム,硫黄吸収材料ハニカムの順になるよう配置し、電気炉で300℃に昇温して硫黄分を含むガスを5時間流通した。ガス成分としては乾燥時換算で酸素10vol%,一酸化炭素0.2vol%,一酸化窒素200volppm,二酸化硫黄150ppm ,残部窒素である。これに水をガス全量に対して気体標準状態容積換算で3vol% となるよう添加した。ガス流通の空間速度は
40000h-1とした。
出口は水トラップを設け、その後段に二酸化硫黄分析計を置いて、二酸化硫黄濃度を測定した。水トラップ中の総硫黄量を酸素ボンブ燃焼法で測定し、これに二酸化硫黄分析計で測定した総二酸化硫黄量を加えて、硫黄分吸収材料で吸収できなかった硫黄分を求めた。その結果、硫黄を加えた量に対して0.05wt%であり、99.95%が吸収されていた。
前記ガス流通試験後、空燃比が理論空燃比に近い領域を模擬したガスを流通しながら、常温から700℃まで電気炉で昇温し、二酸化硫黄ならびに硫化水素の濃度を測定した。流通ガス組成は乾燥時換算で、酸素0.5vol%,一酸化炭素0.5vol%,一酸化窒素800
volppm ,残部窒素とした。これに水をガス全量に対して気体標準状態容積換算で3vol%となるよう添加した。ガス流通の空間速度は40000h-1とした。出口の水トラップ中の総硫黄量と二酸化硫黄分析計の分析値、及び硫化水素の分析値を合計した結果、放出された硫黄分の量は、前述の添加硫黄分の量に対して0.003wt%であり、99.9%以上が加熱後も保持されていた。
これらの試験の後、硫黄吸収材料を粉砕し、硫黄分析計を用いてその粉末中の硫黄分を定量した。その結果、最初に二酸化硫黄で加えた量の約99.9%が検出された。
これらの結果から、硫黄分はほぼ全て硫黄分吸収材料に吸収され、700℃以下では脱離しないことがわかった。
実施例1と同様に、硫黄吸収材料2を調製した。ただし硫黄分吸収材料の担体には、
150g/Lのモルデナイトをウォッシュコートして用いた。
実施例1と同様に、酸化触媒2を調整した。400セル/平方インチのコーディエライトハニカムに175g/Lのチタニアをウォッシュコートした。これにヘキサアンミン白金塩溶液−硝酸ロジウム溶液を、白金2.4g/L,ロジウム0.2g/Lとなるよう含浸した。これを空気中600℃で1時間焼成して酸化触媒2とした。
実施例1と同様に、空燃比が大きい領域で二酸化硫黄を添加したときの硫黄分吸収処理と、それに続いて空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9% 以上であった。
実施例1と同様に、硫黄吸収材料3を調整した。ただし硫黄分吸収材料の担体には、
150g/Lのフェリエライトをウォッシュコートして用いた。
実施例2と同様に、酸化触媒3を調製した。ただし担体には、シリカを用いた。
実施例1と同様に、二酸化硫黄を含む空燃比が大きい領域での硫黄分吸収処理,空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9%以上であった。
実施例1と同様に、硫黄吸収材料4を調整した。ただし硫黄分吸収材料の担体には、
150g/Lの構造コードMFIのゼオライトをウォッシュコートして用いた。
実施例1と同様に、酸化触媒4を調製した。ただし担体には175g/LのY型ゼオライトをウォッシュコートして用いた。
実施例1と同様に、二酸化硫黄を含む空燃比が大きい領域での硫黄分吸収処理,空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。ただし、硫黄分吸収処理の吸収温度は350℃、吸収時間は1時間とした。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9%以上であった。
実施例1と同様に、硫黄吸収材料5を調整した。ただし担体には175g/Lのベータ型ゼオライトをウォッシュコートして用いた。硫黄吸収成分は硝酸カリウムと酢酸バリウムの混合溶液を用い、カリウム重量に換算して19.6g/L 、バリウム重量に換算して68.7g/L となるよう含浸した。その後空気中650℃で1時間焼成した。
実施例2と同様に、酸化触媒5を調整した。ただし担体には160g/Lのフェリエライトをウォッシュコートして用いた。
実施例1と同様に、二酸化硫黄を含む空燃比が大きい領域での硫黄分吸収処理,空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9%以上であった。
実施例1と同様に、硫黄吸収材料6を調整した。ただし担体には150g/Lのモルデナイトをウォッシュコートして用いた。
実施例1と同様に、酸化触媒6を調整した。400セル/平方インチのコーディエライトハニカムに180g/Lの酸化ランタン20wt%−ジルコニア80wt%の粉末をウォッシュコートした。これにジニトロジアンミン白金溶液を、白金に換算して2.5g/Lとなるよう含浸した。これを空気中600℃で1時間焼成した。
実施例1と同様に、二酸化硫黄を含む空燃比が大きい領域での硫黄分吸収処理,空燃比が理論空燃比に近い領域での硫黄分脱離処理を行った。その結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9%以上であった。
図3に示すように酸化触媒と硫黄分吸収材料を交互に計8層並べた。硫黄分吸収材料,酸化触媒は実施例1と同一である。
実施例1と同様の硫黄分吸収・脱離処理を行った結果、硫黄分吸収材料に吸収され、保持され続けた硫黄は最初の仕込量の99.9%以上であった。
酸化触媒,硫黄分吸収触媒の下流側に、窒素酸化物浄化触媒を配置して、ディーゼルエンジン排気の窒素酸化物浄化性能の時間依存性を調べた。酸化触媒と硫黄分吸収材料とは実施例5と同一である。試験は加速のために、燃料中にチオフェンを2000ppm 添加して実施した。チオフェン添加後の燃料中の総硫黄分は硫黄換算で約600wtppm である。エンジンを空燃比14で10分運転した後、空燃比1.5で1分運転するサイクルを一定の時間になるまで繰り返した。
上記運転パターンを実施した場合の、窒素酸化物浄化率の変化を図4に示した。触媒での窒素酸化物浄化率は、窒素酸化物浄化触媒の前後からガスをサンプリングして、それぞれ窒素酸化物量を分析して求めた。比較例として、酸化触媒,硫黄分吸収材料を挿入せず、窒素酸化物浄化触媒単独で同様の試験を実施した場合の窒素酸化物浄化率の変化を併せて示す。
図4からわかるように、窒素酸化物浄化触媒単独では運転時間の経過とともに浄化率が低下するのに対し、硫黄吸収材料と酸化触媒を窒素酸化物浄化触媒の上流に設置した場合には、浄化率がほとんど低下しない。
本発明による硫黄分吸収材料を用いた排気浄化装置の一例。 硫黄分吸収材料と酸化触媒が一体となった排気浄化装置の一例。 酸化触媒と一体化した硫黄分吸収材料の構造の一例。 本発明による酸化触媒,硫黄分吸収材料を用いた場合の、窒素酸化物浄化触媒の浄化率の時間変化、および比較として従来の窒素酸化物浄化触媒単独での浄化率の時間変化を示した図である。
符号の説明
1…内燃機関、2…排気通路、3…酸化触媒、4…硫黄分吸収材料、5…窒素酸化物浄化触媒、6…酸化触媒一体化硫黄分吸収材料。

Claims (11)

  1. 内燃機関の排ガスを浄化する装置であって、
    ゼオライトを含有する担体と、前記担体上に担持されたアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の少なくともいずれかを含有する硫黄分吸収成分と、を有し、前記排ガスの流路上に設けられた硫黄分吸収材料と、前記硫黄分吸収成分が設けられた位置の後流側に設けられた窒素酸化物浄化触媒と、を有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 請求項1に記載された排ガス浄化装置であって、
    前記担体はY型ゼオライト,モルデナイト,フェリエライト,ベータ型ゼオライト,
    MFI型ゼオライトの少なくともいずれかを含有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  3. 請求項1または2に記載された排ガス浄化装置であって、
    前記硫黄分吸収材料が設けられた位置の上流側に、排ガスを酸化する酸化触媒が設けられていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  4. 請求項2のいずれかに記載された排ガス浄化装置において、前記酸化触媒は、二酸化硫黄を三酸化硫黄に酸化する酸化触媒であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  5. 請求項3または4のいずれかに記載された排ガス浄化装置において、前記酸化触媒は、前記硫黄分吸収材料と一体に形成されており、層構造を有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれかに記載された排ガス浄化装置において、
    前記酸化触媒は、活性成分として貴金属を含有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  7. 請求項3ないし6のいずれかに記載された排ガス浄化装置において、
    前記酸化触媒は、3ないし6族元素化合物,アルミニウム化合物,ケイ素化合物、またはゼオライトを含有する担体に担持されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載された排ガス浄化装置において、
    前記内燃機関はディーゼル機関であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  9. 請求項1ないし8に記載された排ガス浄化装置において、前記硫黄分吸収材料は、ハニカム状構造体に支持されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  10. ゼオライトを含有する担体と、前記担体上に担持されたアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の少なくともいずれかを含有する硫黄分吸収成分と、を有することを特徴とする硫黄分吸収材料。
  11. 請求項10に記載された硫黄分吸収材料において、
    前記ゼオライトはY型ゼオライト,モルデナイト,フェリエライト,ベータ型ゼオライト,MFI型ゼオライトの少なくともいずれかであることを特徴とする硫黄分吸収材料。
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