JP2007221764A - 可変周波数発振回路、およびそれを備えた高周波回路 - Google Patents

可変周波数発振回路、およびそれを備えた高周波回路 Download PDF

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智浩 江川
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知之 三宅
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Abstract

【課題】小型化を図ると共に、広い周波数帯域での連続的な発振が可能な可変周波数発振回路を提供する。
【解決手段】電圧の可変制御が可能な少なくとも2つの電源を有する電源部1と、電源部1に接続され交流信号を発振する周波数可変部2と、電源部1および周波数可変部2に接続され入力信号を増幅して外部に出力する信号増幅部3とを備える可変周波数発振回路10であって、電源部1における少なくとも1つの電源V1は、電源V1から周波数可変部2に供給される電流を制御して、周波数可変部2から発振される交流信号20の周波数を制御すると共に、周波数制御された交流信号20は、電源部1における少なくとも1つの電源V4に接続される信号増幅部3により増幅されて交流信号21として外部に出力される。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数発振回路に関するものであって、特に、電圧制御によって周波数を可変することが可能な周波数発振回路、およびそれを備えた高周波回路に関するものである。
近年、携帯電話、PHS、およびワイヤレスLAN(WLAN)等の個別の移動体および無線ネットワーク通信システム用携帯端末が、それぞれの規格を基に、実用的に持ち運びが容易な重量や容積レベルで開発されている。
しかしながら、利用周波数帯、基地局および端末等がそれぞれの通信システムに応じて別々に開発されているため、利用者は複数の電話端末、PDA、PC用WLANカードおよびノートPCなどを常時携帯し、それぞれ携帯電話、メールまたはWLAN等の個別の端末装置を使い別々に利用しなければならず、不便が生じている。また、携帯電話機は今後さらに多くの通信規格、すなわち複数の周波数に対応できるものが要求されると予想される。そして、このような複数の通信規格に対応するためには、携帯電話機に使用される電圧制御発振(VCO)回路において、発振周波数帯域を広くする必要がある。
図10にVCO回路の一例を示す。例えば、電源100および接地電位配線GNDに接続されスイッチング素子110および113、またはスイッチング素子111および112の組み合わせを同時にONにし、LC回路部101に設けられたコンデンサに十分電荷を蓄えた後、同時にOFFにすると、LC回路部101が共振周波数f=1/(2×π×√(L×C))で発振する。このとき、出力端子102および103から出力される信号は相補信号である。ただし、LC回路部101のみでは、寄生抵抗による損失が生じるため発振はいずれ止まってしまう。
そこで、電源100に正の電源電位を印加し、接地電位配線GNDに接地電位を印加し、電流を供給すると共に、負性抵抗部104および105を設けることによって、LC回路部101に恒久的に共振波を発振させることができる。すなわち、出力端子102および103の電圧は時間と共に変化し、例えば出力端子102がロウ(LOW)になり、出力端子103がハイ(HIGH)になると、Pチャネルトランジスタ110がオフになり、Nチャネルトランジスタ112がオンになる。
この結果、出力端子102には接地電位が印加される。また、Pチャネルトランジスタ111がオンになり、Nチャネルトランジスタ113がオフになるため、出力端子103には電源電位が印加される。同様に、出力端子102がハイになり、出力端子103がロウになると、出力端子102には電源電位が印加され、出力端子103に接地電位が印加される。これにより、出力端子102および103からの発振が減衰することなく持続する。
ここで、1つのVCO回路で全ての周波数に対応しようとすると、VCO回路の制御電圧に対する発振周波数の感度が高くなり、外来ノイズや電源電圧変動に弱くなるという不具合が生じる。
そこで、並列LC回路の共振現象を利用したVCO回路において、容量スイッチを備えることによって発振周波数を段階的に変化させるVCO回路や、可変インダクタもしくは可変キャパシタを備えることによって発振周波数を変化させるVCO回路が提案されている。その一例として、例えば、特許文献1には、容量スイッチおよび可変キャパシタを備えたVCO回路が開示されている。
図11は、特許文献1のVCO回路の概略構成を示す回路図である。VCO回路200はLC共振型発振回路であり、ソースが共通接続され、かつ互いにゲートとドレインとが交差結合された一対のNチャネルMOSトランジスタM1およびM2と、該トランジスタM1およびM2の共通ソースと接地点GNDとの間に接続された定電流源IOと、各トランジスタM1およびM2のドレインと電源電圧端子Vccとの間にそれぞれ接続されたインダクタL1およびL2と、上記トランジスタM1およびM2のドレイン端子間に直列に接続されたバラクタ・ダイオードなどからなる可変容量素子(キャパシタ)C1、C2と、トランジスタM1およびM2のドレイン端子間に直列に接続された容量素子C11−スイッチSW1−容量素子C12と、これらと並列に接続されたC21−SW2−C22、C31―SW3−C32、…、C81−SW8−C82とから構成されている。
そして、可変容量素子C1およびC2の接続ノードNOにループフィルタからの制御電圧Vが印加されることによって、発振周波数が連続的に変化する。一方、スイッチSW1〜SW8に自動バンド切替回路からのバンド切替制御信号VB0〜VB7が供給され、VB0〜VB7がそれぞれハイレベルかロウレベルのいずれかに切り替えられることによって、発振周波数が段階的に変化すように構成されている。
そして、LC共振回路を構成する容量素子を複数個並列に設けて、バンド切替制御信号VB0〜VB7で接続する容量素子を段階的に切り替えてCの値を変化させることによって、V−Vvco特性に従った発振制御を行なうことができ、使用する周波数に応じていずれかの特性を選択して動作させるように構成されている。このようにして、VCO回路200がカバーすべき周波数帯域を広くすることができる。
また、特許文献2には、MEMSを用いた可変インダクタが開示されている。図12は、特許文献2の可変インダクタの概略構成を示す図である。図12(a)は導体板を挿入する前の可変インダクタの概略構成を示す平面図であり、図12(b)は図12(a)のa−a断面図であり、図12(c)は導体板を挿入した後の可変インダクタの概略構成を示す平面図であり、図12(d)は図12(c)のb−b断面図である。
図12に示すように、可変インダクタ300は、半導体基板301上に、一般的な製造工程によりスパイラルインダクタ302が形成されてなるものである。そして、スパイラルインダクタ302の近傍には、導体板303が移動可能に設けられている。導体板303は、アクチュエータ(図示せず)等により移動される。なお、スパイラルインダクタ302の近傍とは、スパイラルインダクタ302により発生する磁束304を変化させることが可能な位置を意味する。
導体板303が図12(a)に示す状態にある場合には、図12(b)に示すように、磁束304はほとんど変化を受けず、スパイラルインダクタ302のインダクタンスは、形状と巻数で決まるインダクタンスとなる。そして、図12(c)に示すように、導体板303をスパイラルインダクタ302上に水平移動させていくと、導体板303の表面ではスパイラルインダクタ302による磁束304を受けて渦電流が発生し、スパイラルインダクタ302からの磁束304の磁路が狭まることになる。すなわち、図12(d)に示すように、導体板303によって、結果的に磁束304を遮断するような作用が生じる。これにより、スパイラルインダクタ302における単位電流当たりの磁束数の変化量が減少し、インダクタンスが減少する。したがって、導体板303の移動距離が大きくなればなるほど、すなわち、インダクタを覆う導体板303の面積が大きくなればなるほど、インダクタンスは減少していく。
上記の可変インダクタ300をVCO回路のLC回路部に備えて、インダクタンスの変化を利用することによってVCO回路から発振される周波数の帯域を広くする方法も検討されている。
特開2005−109618号 特開2005−64308号
ところが、上記従来の構成では、以下の問題点がある。
すなわち、特許文献1に開示されている容量スイッチおよび可変キャパシタを備えたVCO回路では、部品数が増大するため回路サイズが増大するという問題点がある。また、現在の可変キャパシタの変化量が小さいため、連続的に、かつ、数GHzから数十GHzまでおよぶ広い周波数帯域での発振を行なうことも困難である。
また、特許文献2に記載されているMEMSを用いた可変インダクタを備えたVCO回路では、インダクタ上に導体板が必要なため、回路部の厚さが増大してしまう。また、駆動部を有するため、モバイル機器として使用する際に、インダクタと導体板の相対的な位置ずれが生じ、モバイル機器としての性能が悪化してしまう。また、インダクタンスの変化量が小さいため、連続的に、かつ、数GHzから数十GHzまでおよぶ広い周波数帯域での発振を行なうことも困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路を構成する部品数の低減および回路の小型化を図ると共に、広い周波数帯域での連続的な発振が可能な可変周波数発振回路、およびそれを備えた高周波回路を提供することである。
本発明の可変周波数発振回路は、上記の課題を解決するために、電圧の可変制御が可能な少なくとも2つの電源を有する電源部と、該電源部に接続され交流信号を発振する周波数可変部と、該電源部および該周波数可変部に接続され入力信号を増幅して外部に出力する信号増幅部とを備える可変周波数発振回路であって、前記電源部における少なくとも1つの電源は、該電源から前記周波数可変部に供給される電流を制御して、前記周波数可変部から発振される交流の第1出力信号の周波数を制御すると共に、前記周波数制御された第1出力信号は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される前記信号増幅部により増幅されて第2出力信号として外部に出力されることを特徴としている。
上記の構成によれば、電源部における少なくとも1つの電源は、周波数可変部に対する供給電流を可変制御することによって、周波数可変部から発振される交流信号の周波数を制御している。そして、周波数可変部から発振される交流信号は、電源部における少なくとも1つの電源に接続される信号増幅部により増幅されて第2出力信号として外部に出力される。
すなわち、上記電源は上記電流を可変制御しているため、周波数可変部から発振される交流信号の周波数は、上記電流の変化に依存することになる。このようにして電源により周波数制御された交流信号が、信号増幅部によって増幅されて外部に出力されるため、高周波数帯の出力信号が得られると共に、広い周波数帯域の出力信号を得ることができる。
また、周波数可変部から発振される周波数を制御することができるため、周期的に変化する連続的な周波数の発振が可能となる。さらに、従来用いられているコイルやコンデンサ等が不要なため、回路を構成する部品数を低減でき、回路の小型化が可能となる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、交流信号を発振する発振素子を含み、前記電源部における少なくとも1つの電源は、前記発振素子に供給する電流の大きさを可変制御することが好ましい。
上記の構成によれば、電源は発振素子に対する供給電流の大きさを可変制御することによって、発振素子から発振される交流信号の周波数を制御している。すなわち、発振素子から発振される交流信号の周波数は、上記電流の大きさに依存することになる。したがって、電源により発振素子に対する供給電流の大きさを制御することによって、高周波数帯の出力信号が得られると共に、広い周波数帯域の出力信号を得ることができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、磁性材料と非磁性材料とを積層してなる、交流信号を発振する磁気素子を含み、前記電源部における少なくとも1つの電源は、前記磁気素子に供給する電流の大きさを可変制御することが好ましい。
これにより、電源から磁気素子に電流が入力されると、スピン偏極により該磁気素子から交流信号が発振される。そして、発振された交流信号の周波数を電源により制御することによって、広い周波数帯域での連続的な発振が可能となる。
このように、電圧(電流)制御によって周波数を可変することが可能な磁気素子を発振回路に用いることによって、発振回路の部品数の削減、小型化を図ると共に、広い周波数帯域での連続的な発振が可能となる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される外部磁場発生部をさらに含み、上記電源は、上記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の大きさを可変制御することが好ましい。
上記の構成によれば、磁気素子には、外部磁場発生部から磁場が印加される。そして、前記磁場の大きさは電源により可変制御されている。
これにより、磁気素子には印加される磁場の大きさに応じた電流が流れ、磁気素子からは、該磁場の大きさに応じた交流信号が発振される。このように、磁気素子に印加する磁場の大きさを電源が制御することによって、磁気素子から発振される周波数を制御することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される外部磁場発生部をさらに含み、上記電源は、上記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の方向を可変制御することが好ましい。
上記の構成によれば、磁気素子には、外部磁場発生部から磁場が印加される。そして、前記磁場の方向は電源により可変制御されている。
これにより、磁場の方向を可変制御して磁気素子に流れる電流の大きさを制御することができるため、磁気素子からは磁場の方向の変化に応じて交流信号が発振される。このように、磁気素子に印加する磁場の方向を電源が制御することによって、磁気素子から発振される周波数を制御することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、前記磁気素子に対して、可変ではない一定の磁場を供給可能な磁場供給装置をさらに含むことが好ましい。
これにより、可変ではない一定の磁場を磁気素子に供給することができるため、磁気素子から発振される周波数を安定させることができる。また、電源部からの供給電流を用いることなく、磁気素子に磁場を供給することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、前記磁気素子に対して、可変ではない一定の磁場を供給可能な磁場供給装置を含み、かつ、電気的に可変制御した磁場を供給可能であることが好ましい。
これにより、可変ではない一定の磁場および電気的に可変制御した磁場を、磁気素子に供給することができるため、磁気素子から発振される周波数を可変および安定させることができる。また、電源部からの供給電流を用いることなく、磁気素子に磁場を供給することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記第1出力信号の周波数が所望の値になるように、前記周波数可変部に電流を供給する電源を制御する制御回路を備えていることが好ましい。
これにより、発振素子から発振される周波数を所望の値に制御することができるため、携帯電話等の外部から受信する外部交流信号に対応するように、発振周波数を制御することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記信号増幅部は、MOSFETと第1抵抗部とを備え、前記MOSFETのゲート部に前記第1出力信号が入力されると共に、前記MOSFETのドレイン部に、前記第1抵抗部を介して前記電源部における少なくとも1つの電源が接続されていることが好ましい。
これにより、発振素子から発振された交流信号(第1出力信号)を、信号増幅部において、第1出力信号に起因した交流信号つまり第1抵抗部の抵抗値に略比例した大きさの交流信号に増幅することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記信号増幅部は、MOSFETと第1抵抗部とを備え、前記MOSFETのゲート部に、前記電源部における少なくとも1つの電源が接続され、かつ前記第1出力信号が入力されると共に、前記MOSFETのドレイン部に、前記第1抵抗部を介して前記電源部における少なくとも1つの電源が接続されていることが好ましい。
これにより、発振素子から発振された交流信号(第1出力信号)を、信号増幅部において、第1出力信号に起因した交流信号つまり第1抵抗部の抵抗値に略比例した大きさの交流信号に増幅することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記第1出力信号の電圧を増幅する第2抵抗部と、該第2抵抗部により増幅された信号の直流信号成分を除去するフィルタとをさらに備え、前記フィルタから出力される信号と、前記電源部における少なくとも1つの電源から出力される出力信号とが加算された信号が、前記MOSFETのゲート部に入力されることが好ましい。
これにより、第1出力信号が第2抵抗部により増幅された信号の直流信号成分がフィルタにより除去される。そして、前記フィルタにより除去された信号と電源から出力された信号とが加算されて、MOSFETのゲート部に入力されるため、ゲート部の電圧制御を行なうことができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記第1出力信号の電圧を増幅する第2抵抗部、または前記第1出力信号の直流信号成分を除去するフィルタをさらに備え、前記第2抵抗部から出力される信号または前記フィルタから出力される信号と、前記電源部における少なくとも1つの電源から出力される出力信号とが加算された信号が、前記MOSFETのゲート部に入力されることが好ましい。
これにより、第1出力信号が第2抵抗部により増幅された信号または第1出力信号がフィルタにより直流成分が除去された信号と、電源から出力される信号とが加算されて、MOSFETのゲート部に入力されるため、ゲート部の電圧制御を行なうことができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記第1出力信号および前記第2出力信号のうちの少なくとも一方は、直流成分を含んだ交流信号であることが好ましい。
これにより、第1出力信号および第2出力信号のうちの少なくとも一方は、直流成分を含んだ交流信号であるので、MOSFETのゲート部の電圧を制御することが可能となる。したがって、携帯電話等の外部から受信する外部交流信号と第2出力信号とを組み合わせることにより、外部交流信号のデータを取り出すことができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記電源部における少なくとも1つの電源から前記信号増幅部に供給される電圧を制御して、前記MOSFETの特性を制御する制御回路を備えることが好ましい。
ここで、MOSFETの特性とは、具体的には、ゲート電圧およびドレイン電圧を変化させることによって、増幅度が変化する特性を言う。
上記の構成によれば、電源部における少なくとも1つ電源から信号増幅部へ供給される電圧を制御して、MOSFETの特性を制御することができるので、外部に出力される交流信号の大きさを制御することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記周波数可変部は、前記電源部のそれぞれの電源に接続される、磁性材料と非磁性材料とを積層してなる、交流信号を発振する磁気素子と、前記電源から供給される電流に応じた磁場を発生すると共に該磁場を前記磁気素子に印加する外部磁場発生部とを含み、前記制御回路は、前記磁気素子から出力される前記第1出力信号の周波数を所望の値にすべく、前記電源から前記磁気素子に供給される電流の大きさと、前記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の大きさおよび方向とが可変するように、前記各電源から前記磁気素子および前記外部磁場発生部に供給される電流を制御することが好ましい。
前記磁気素子から出力される第1信号の振幅および周波数は、電源から供給される電流の大きさと外部磁場発生部から印加される磁場の強度とに依存する。
上記の構成によれば、前記各電源から前記磁気素子および前記外部磁場発生部に供給される電流を制御することによって、前記電源から前記磁気素子に供給される電流の大きさと、前記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の大きさおよび方向とを可変制御している。これにより、スピン偏極により磁気素子から出力される第1信号の振幅と周波数とを所望の値に変調することができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記制御回路は、前記第1出力信号の周波数が、前記電源部に入力される複数の値を有する信号の各値に対応して段階的に変調するように、前記各電源から前記磁気素子および前記外部磁場発生部に供給される電流を制御することが好ましい。
これにより、磁気素子から出力される第1信号の発振周波数を段階的に変調させることができるため、複数の値を入力信号として処理すると共に、各値に応じて周波数変調された信号を得ることができる。
また、本発明の可変周波数発振回路は、上記記載の可変周波数発振回路において、前記磁気素子は、前記電源部の電源から供給される電流の大きさと、前記外部磁場発生部から印加される磁場の大きさおよび方向とに応じて、前記電源部に入力される複数の値を有する信号の各値に対応するように段階的に変調された周波数を有する交流信号を前記第1出力信号として出力することが好ましい。
上記の構成によれば、磁気素子においてスピン偏極が生じ、該磁気素子から、前記電源部に入力される複数の値を有する信号の各値に対応するように段階的に変調された周波数を有する交流信号を得ることができる。
また、本発明の高周波回路は、上記記載の可変周波数発振回路を備えている構成である。
これにより、回路構成を簡素化および縮小化した高周波回路を得ることができる。また、この高周波回路によれば、情報を含んだ信号から直接的に出力信号を生成することが可能となる。
本発明の可変周波数発振回路は、以上のように、電源から前記周波数可変部に供給される電流を制御して、前記周波数可変部から発振される交流の第1出力信号の周波数を制御する構成である。
これにより、周波数可変部から発振される交流信号の周波数は、電流の変化に依存することになるため、電流の変化に応じた広い周波数帯域の出力信号を得ることができる。したがって、回路を構成する部品数の低減および回路の小型化を図ると共に、小型化を図ると共に、広い周波数帯域での連続的な発振が可能な可変周波数発振回路を提供することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態における、電圧を制御することによって周波数を可変することが可能な発振素子を備えた可変周波数発振回路について以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、可変周波数発振回路10の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、可変周波数発振回路10は、電源部1と周波数可変部2と信号増幅部3とを備えている。
電源部1は、電圧(電流)を任意に制御可能な4つの電源V1、V2、V3およびV4を備えている。電源V1、V2およびV3は後述の周波数可変部2に接続され、電源V4は後述の信号増幅部3に接続されている。
周波数可変部2は、電源部1から入力される信号の周波数を可変して出力するものであり、磁気素子(発振素子)4と外部磁場発生部5とを備えている。磁気素子4の詳細については後述する。
信号増幅部3は、周波数可変部2から出力された信号を増幅して外部に出力するものであり、MOSFETと第1抵抗部6とを備えている。信号増幅部3の詳細については後述する。
このように、可変周波数発振回路10は、電源部1の電源V1、V2およびV3が周波数可変部2に接続され、電源V4が信号増幅部3に接続され、周波数可変部2と信号増幅部3とが接続されている構成である。
ここで、各部の構成について以下に詳細に説明する。
まず、電源部1の詳細について説明する。電源部1の電源V1は、周波数可変部2の磁気素子4に接続されており、印加電圧の大きさ、すなわち磁気素子4に対する電流を制御することができるものである。また、電源V2およびV3は、周波数可変部2の外部磁場発生部5、具体的には例えばCu細線、またはCu細線で形成されたコイル、に接続されており、外部磁場発生部5から磁気素子4に印加される外部磁場の大きさおよび印加方向を制御することができるものである。そして、電源V1、V2およびV3の少なくとも1つの電源を制御することによって、磁気素子4からは図3に示すような交流信号(第1出力信号)20が発振される。この発振方法については後述する。
また、電源V1、V2およびV3の電圧を可変することによって、図3のAで示す周波数可変部2から発振される交流信号20の周波数や、同図のBで示す交流信号20の振幅を制御することができる。交流信号20および電源V4は信号増幅部3に接続されている。
次に、周波数可変部2の構成について図2を用いて詳細に説明する。図2は、周波数可変部2の概略構成を示すブロック図である。
周波数可変部2は、上述のように磁気素子4と外部磁場発生部5とを備えている。磁気素子4は、例えば、Appl. Phys. Lett. 86, 082506 (2005)等に記載されている。磁気素子4は、複数の磁性材料と非磁性材料とが積層して形成され、交流信号を発振するものである。すなわち、表面側から電極41、絶縁層42、自由層43、中間層44、固定層45、基板46が順に積層されており、高MR比(138%)を得られる構造となっている。上記構成部材の具体的材料としては、電極41、絶縁層42、自由層43、中間層44、固定層45、基板46は、それぞれ例えば、Au、SiO2、Ni80Fe20、Cu、Co90Fe10、Si等により構成されている。そして、電源部1の電源V1が固定層45に接続されている。
ここで、磁気素子4における動作について説明する。
電源V1から入力された直流電流を固定層45側から導入すると、スピン偏極した電流によって自由層43のスピンが才差運動を起こす。これにより、自由層43と固定層45との磁化の相対角度が周期的に変化するため、磁気抵抗効果によって、素子抵抗も周期的に変化する。つまり、磁気素子4から出力される電圧は、周期的に変化する電圧として出力される。
また、磁気素子4には、外部磁場発生部5から外部磁場が印加される。外部磁場の大きさおよび方向は、例えば図2に示すような配線51および52から発生する磁場の重ね合わせによって制御されている。配線51および52は、それぞれ電源部1の電源V2およびV3に接続されており、配線51および52に流れる電流は、図2の紙面において、配線51については上方から下向きに、また配線52については紙面に対して垂直方向に流れるように構成されている。そして、配線51および52の電流方向と電流量によって、合成磁場の大きさと向きが制御されている。
上記のように磁場の大きさは電源部1により可変制御されているため、磁気素子4からは、印加される磁場の大きさに応じた交流信号20が発振される。このように、磁気素子4に印加する磁場の大きさを電源部1が制御することによって、磁気素子4から発振される周波数を制御することができる。
また、電源部1は磁場の方向を可変制御しているため、磁気素子4に流れる電流の大きさを制御することができる。そのため、磁気素子からは、印加される磁場の方向の変化に応じて可変制御された交流信号が発振される。このように、磁気素子に印加する磁場の方向を電源が制御することによって、磁気素子から発振される周波数を制御することができる。
上記のような磁気素子4を用いることによって、連続的に、かつ、数GHzから数十GHzまでおよぶ広い周波数帯域での発振が可能となる。具体的には、磁気素子4からの発振周波数は30GHzまで可能となる。なお、本実施形態では磁気素子4には、GMR素子(Giant Magnetic Resistance)を用いたが、素子抵抗を十分取れるものであればよく、例えば、磁気抵抗比のさらに大きいTMR素子(Tunneling Magnetic Resistance)を用いてもよい。また、各種RF部品としての使用を前提とするならば、素子抵抗が問題となる。すなわち、磁気素子4における発振周波数は、電流量、素子電流によって可変している。RF部品としては、1〜5V程度の駆動で発振する事が望ましい。
なお、本実施形態では、磁気素子4に電源部1からの電圧と外部磁場発生部5からの外部磁場とが印加される構成であるが、これに限定されるものではなく、磁気素子4には電源部1からの電圧のみが印加される構成であってもよい。この場合には、電源部1は、電源V2およびV3を省略した構成とすることができる。
また、本実施形態では、磁気素子4に対して外部の電源を利用して電圧を印加する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、電源V2、V3および外部磁場発生部5に代わって、可変ではない一定の磁場が供給される磁場供給装置を備える構成であってもよい。具体的には例えば、周波数可変部2内に、永久磁石を配置する構成が挙げられる。そして、永久磁石を磁気素子4近辺に配置する構成の場合には、超小型磁石の作製方法として用いられるエアロゾル法によって配置することができる。なお、電源V2および3と、上記磁場供給装置の両方を備える構成としてもよい。
また、周波数可変部2は、磁気素子4に対して、可変ではない一定の磁場を供給可能な上記磁場供給装置を含み、かつ、電気的に可変制御した磁場を供給可能である構成であってもよい。これにより、可変ではない一定の磁場および電気的に可変制御した磁場を、磁気素子に供給することができるため、磁気素子から発振される周波数を可変および安定させることができる。また、電源部からの供給電流を用いることなく、磁気素子に磁場を供給することができる。
次に、信号増幅部3の詳細について説明する。図4は、信号増幅部3の概略構成を示すブロック図である。
信号増幅部3は、上述のようにMOSFETと第1抵抗部6とを備えている。信号増幅部3では、周波数可変部2から出力された交流信号20が上記MOSFETのゲート部に入力され、電源V4がMOSFETのドレイン部に接続されている構成である。これにより、周波数可変部2から出力された交流信号20を、信号増幅部3で増幅し、この増幅された交流信号(第2出力信号)21を外部に出力することができる。このとき、外部に出力される交流信号21の大きさは、第1抵抗部6の抵抗値に略比例する。また、電源V1、V2、V3およびV4のうち、少なくとも1つの電源は、制御回路36(図7参照)によって電圧(電流)を任意に制御可能に構成されている。
以上のように、本実施形態における可変周波数発振回路10においては、磁気素子4に電源V1から直流電流が入力されると、スピン偏極により交流信号20が出力される。なお、磁気素子4から出力される交流信号20の周波数は、上記直流信号の大きさと外部磁場発生部5からの磁場強度に依存することになる。そして、交流信号20に同期した交流信号20が信号増幅部3のMOSFETのゲート部に入力されることによって、増幅された高周波の交流信号21が外部に出力される。
上述した構成を備える可変周波数発振回路10は、電圧(電流)を制御することによって周波数を変化させる発振器であり、信号増幅部3により所望の出力パワーを得ることができるため、VCO回路に適用可能である。そして、従来用いられているコイルやコンデンサ等が不要なため、回路を構成する部品数を低減することができ、小型のVCO回路を実現することができる。
なお、本実施形態における可変周波数発振回路10において、上記第1出力信号および上記第2出力信号のうちの少なくとも一方は、直流成分を含んだ交流信号であることが好ましい。これにより、第1出力信号および第2出力信号のうちの少なくとも一方は、直流成分を含んだ交流信号であるので、MOSFETのゲート部の電圧を制御することが可能となる。
昨今の携帯電話は、外部交流信号と、携帯電話内部に備えた発振信号とを混合することによりデータ化している。したがって、携帯電話等の外部から受信する外部交流信号と上記第2出力信号とを組み合わせることにより、外部交流信号のデータを取り出すことができる。
ここで、本実施形態における可変周波数発振回路10の別の形態について以下に説明する。図5は、図1に示す可変周波数発振回路10において、周波数可変部2と信号増幅部3との間に、さらにフィルタ7および/または第2抵抗部8を備える構成である。
電源部1は、電圧(電流)を任意に制御可能な5つの電源V1、V2、V3、V4およびV5を備えている。電源V1、V2およびV3は周波数可変部2に接続されており、その構成は図1と同様である。
図5(a)は、図1に示す可変周波数発振回路10にさらにフィルタ7を備えた場合の可変周波数発振回路10の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、周波数可変部2から出力される交流信号20は、フィルタ7を介して信号増幅部3に入力される。電源V4およびV5は信号増幅部3に接続されている。なお、信号増幅部3に入力される交流信号20は、フィルタ7により直流成分がカットされた信号である。この交流信号20および電源V5は、信号増幅部3のMOSFETのゲート部に接続されている。なお、電源V5は直流成分の電圧である。そして、ゲート部に入力される電圧を直流成分と交流成分とに分けることによって、電圧制御時に、少なくともどちらか一方を制御することができる。そして、ゲート電圧は電源V5によって制御されているため、MOSFETの動作を安定化させることができる。
なお、電源V4を、図4で示したように、MOSFETのドレイン部に接続することによって、交流信号20を信号増幅部3で増幅し、この増幅された交流信号21を外部に出力することができる。なお、外部に出力される交流信号21の大きさは、第1抵抗部6の抵抗値に略比例する。
図5(b)は、図1に示す可変周波数発振回路10にさらに第2抵抗部8を備えた場合の可変周波数発振回路10の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、周波数可変部2から出力される交流信号20は、第2抵抗部8を介して信号増幅部3に入力される。電源V4およびV5は信号増幅部3に接続されている。なお、交流信号20および電源V5は、信号増幅部3のMOSFETのゲート部に接続されている。電源V5は直流成分の電圧であり、ゲート電圧を制御することが可能である。なお、電源V5を省略した構成であってもよい。そして、第2抵抗部8は、磁気素子4の抵抗値に対してより大きい抵抗値を持つため、交流信号20は第2抵抗部8によって増幅される。増幅された交流信号20は信号増幅部3で増幅され交流信号21が外部に出力される。
図5(c)は、図1に示す可変周波数発振回路10にさらにフィルタ7および第2抵抗部8を備えた場合の可変周波数発振回路10の概略構成を示すブロック図である。上述のように、第2抵抗部8は、磁気素子4の抵抗値に対してより大きい抵抗値を持つため、交流信号20は第2抵抗部8で増幅される。また、フィルタ7を介した交流信号20は直流成分がカットされている。この交流信号20と電源V4およびV5とは信号増幅部3に接続されており、交流信号20および電源V5は信号増幅部3のMOSFETのゲート部に接続されている。そして、電源V5は直流成分の電圧でありゲート部に接続する電圧を直流成分と交流成分とに分けることによって、電圧制御時に、少なくともどちらか一方を制御することができる。また、ゲート電圧は電源V5によって制御されているため、MOSFETの動作を安定化させることができる。
なお、電源V1〜V5のうち、少なくとも1つの電源は、制御回路36(図7参照)によって電圧(電流)が制御されている。
また、制御回路36は、電源V1〜V5のうち少なくとも1つの電源から信号増幅部3に供給される電圧を制御して、MOSFETの特性を制御する構成であることが好ましい。ここで、MOSFETの特性とは、具体的には、ゲート電圧およびドレイン電圧を変化させることによって、増幅度が変化する特性を言う。
上記の構成によれば、電源部における少なくとも1つ電源から信号増幅部へ供給される電圧を制御して、MOSFETの特性を制御することができるので、外部に出力される交流信号の大きさを制御することができる。
なお、図5の構成においても上述のように、例えば、永久磁石を用いて可変ではない一定の磁場が供給される構成としてもよい。
次に、図5(c)の構成を例にとって周波数の発振条件について具体的に示す。
電源V1は、例えば、第2抵抗部8が5000Ωのとき、3.144Vである。このとき、磁気抗効果素子の単位面積当たりの抵抗をRA=2.4Ωμmとし、図2に示したような電極41と自由層43とのコンタクト部Nのサイズを100nm×100nmとすると、磁化が平行な場合の磁気素子4の抵抗は240Ωとなる。スピン注入による磁化反転電流密度を6×10A/cmとすれば、磁気素子4が発振するために必要な電流は、最大0.6mAとなり、このとき、磁気素子4への印加電圧は0.144Vとなる。これをRFデバイスとして使用する場合には、電源電圧として、1〜5V程度であることが望ましい。磁気素子4は、複数の積層された磁性層と非磁性層からなるため、各層の断面積および膜厚を制御して素子抵抗を最適化しておく必要がある。
次に、磁気素子4における出力パワーを求める。まず、磁気素子4に流れる電流変化量Iは次式で表される。
Figure 2007221764
上式(1)において、Iは磁化が平行な場合の素子電流、Iapは磁化が反平行な場合の素子電流、Rは磁化が平行の場合の素子抵抗、Rapは磁化が反平行の場合の素子抵抗、ΔRは素子抵抗変化量、Rは第2抵抗部8の抵抗、γは固定層の磁化と才差運動の回転軸との角度、βは自由層の磁化と才差運動の回転軸との角度である。ここで、MR比=138%より、Rap=570Ω、ΔR=330Ωとなる。そして、R=5000Ω、sin(γ)・sin(β)=0.1とし、上記条件を含めると、電流変化量Ioutの振幅の大きさは±3.9μAとなる。
これらより、フィルタ7によって直流成分をカットした交流信号20における電圧の振幅の大きさは±8.9mVとなる。次に、電源V5=0.68V、電源V4=3V、第1抵抗部6をRload=10Ωとすると、MOSFETで増幅して外部出力される交流信号21の振幅の大きさは±70mVとなる。
また、交流信号21の出力パワーWは次式で表される。
Figure 2007221764
上式(2)において、チャネルの奥行き長さZ=100μm、チャネル長L=0.3μm、チャネル酸化膜厚さd=2nmとすると、出力パワーW=−3.3dBm(0.47mW)となる。この値は、一般的なVCO回路に必要な出力が−10dBm(0.1mW)であるため、本実施形態における可変周波数発振回路10がVCO回路として使用できることを示している。
次に、MOSFETの周波数応答について具体的に示す。
入力電流Iinに対する出力電流Ioutの比が1になる周波数、つまり、デバイスの出力端が短絡されている場合にデバイスがもはや入力信号を増幅できないような周波数fをMOSFETの最大動作周波数とし、Iout/Iin=1とおくと、fは次式で表される。
Figure 2007221764
上式(3)において、Cminはチャネル酸化膜の容量、Zはチャネルの奥行き長さ、Lはチャネル長さ、dはチャネル酸化膜の厚さ、εはシリコンの誘電率、εoxはチャネル酸化膜の誘電率、Vはゲート電圧、Vは閾値電圧、Nはシリコン基板の不純物濃度、Ψは表面ポテンシャル、gは伝達コンダクタンスである。ここで例えば、Z=100μm、L=0.3μm、d=2nmとすると、fは700GHzとなり、本実施形態における可変周波数発振回路10での高周波数応答は十分である。これにより、一定の増幅度を持たせたMOSFETに適用可能である事が確認できた。
以上より、数十GHzものミリ波領域まで、発振周波数を可変することが可能な素子を用いて発振を行なうにあたり、十分な出力パワーを有する発振回路を構成することができる。
次に、可変周波数発振回路10から発振される周波数の制御方法について具体的に説明する。
図6は、位相ロックループ(PLL、Phase Lock Loop)を用いた発振回路の概略構成を示すブロック図である。
PLLは、周波数安定性を実現するための基準発振器31および周波数制御の対象であるVCO回路32の2つの発振器により発振される周波数の位相を比較して、周波数制御などを行なうものである。同図に示す発振回路は、本実施形態における可変周波数発振回路10からなる発振器VCO回路32を制御するために、分周器33、位相比較器34、ループフィルタ35を備えている。
ここで、PLLの動作について簡単に説明する。まず、基準発振器31から出力される基準信号と、VCO回路32から出力される出力信号を分周器33により分周した信号とが、位相比較器34に入力され、位相比較器34において両信号の位相差が検出され出力される。位相比較器34から出力された信号は、ループフィルタ35により交流成分のない直流信号に変換され、VCO回路32に補正信号として入力される。そして、VCO回路32に入力された直流信号(補正信号)によって基準信号に近づくように周波数が制御される。
このように、PLLは、基準発振器31の出力信号とVCO回路32の出力信号とを比較して、VCO回路32の出力信号が変動したときは変動分を打ち消すようにVCO回路32を制御する。この制御方法としては、ループフィルタ35からの変動信号に基づいて、制御回路36によって電源部1への電圧制御が行なわれる。例えば、磁気素子4への印加電圧を制御する電源V1、または、VCO回路32の外部磁場発生部5への印加電圧を制御する電源V2およびV3、または、ドレイン電圧を制御する電源V4、または、ゲート電圧を制御する電源V5、を制御することができる。
これにより、外部に出力される交流信号の大きさを制御して、安定した周波数制御を実現することができる。なお、ここでは、ドレイン電圧V4等をも制御して、VCO回路32からの出力電圧も制御しているが、これは、VCO回路32で制御している周波数によって、出力電圧(振幅)が変動するためである。
次に、本実施形態における可変周波数発振回路10からなるVCO回路32と従来のVCO回路との回路サイズの比較結果を具体的に示す。
本実施形態を示すVCO回路(a)と比較する対象となる回路は、図7に示した一般的なVCO回路(b)と、容量スイッチを備えた従来のVCO回路(c)と、MEMSを用いた可変インダクタおよびバラクタなどを用いた可変キャパシタを備えた従来のVCO回路(d)とである。このとき、送受信を行なう周波数は9種類、具体的には、DTV:440〜770MHz、2G携帯:800MHz、3G携帯:2GHz、4G携帯:3.4〜4.2/4.4〜4.9GHz、GPS:1.2/1.5GHz、Bluetooth:2.45Ghz、WLAN:2.4/5.2GHz、UWB:数十GHz、RFID、に対応したものであるとする。
上記比較の結果、体積比では、(a):(b):(c):(d)=0.13(0.28×0.34×0.35mm):1.0(0.95×0.8×0.35mm):2.2(1.45×1.15×0.35mm):2.8(1.0×0.75×1.0mm)となった。これは、磁気素子4の面積サイズ(0.1×0.2mm)がコイル(〜0.4×〜0.4mm)やコンデンサ(〜0.25×〜0.25mm)やMEMSを用いた可変インダクタの体積(〜0.4×〜0.4×1.0mm)に比べて小さいからである。
また、図1、2、4および5に示すように、スイッチ、コイル、コンデンサおよびMOSFETをはじめとする発振回路の部品数の低減によって、発振回路の小型化を実現している。
次に、制御回路36を用いて電源部1を制御することによって、周波数可変部2から出力される交流信号(第1出力信号)20を生成する構成について以下に説明する。
図7は、制御回路36を備えた可変周波数発振回路10の概略構成を示すブロック図である。図8(a)は、電源部1に入力される信号22の波形を示す図であり、図8(b)は、磁気素子4に印加される、外部磁場発生部5から発生される磁場の変化を示す図であり、図8(c)は、磁気素子4から出力される信号の波形を示す図である。ここで、信号22は、図8(a)に示すように、複数の値、例えばVsig、2Vsigおよび3Vsigを一定の周期で切り替えることによって情報を形成しているデジタル信号であるとする。
制御回路36は、周波数可変部2から発振される交流信号20の周波数が、電源部1に入力される複数の値を有する信号の各値に対応して段階的に変調するように、電源部1における少なくとも1つの電源、例えば電源V1から周波数可変部2に供給される電流の大きさを制御する構成である。以下では、図7に示すように、図1に示す構成と同様、電源V1に磁気素子4を接続し、電源V2および電源V3に外部磁場発生部5を接続した構成として説明する。
まず、信号22が、制御回路36を介して電源部1に入力される。その後、電源部1の電源V1、電源V2および電源V3から、制御回路36により電流値すなわち電流の大きさおよび方向が制御された信号が出力される。そして、電源V2および電源V3から出力された信号が、図2に示すように外部磁場発生部5に入力されると、外部磁場発生部5から該信号に応じた磁場が発生する。ここで、外部磁場発生部5が、例えば金属細線によるコイルによって形成されている場合、コイル中に発生する磁場Hの大きさは次式で表される。
Figure 2007221764
上式(4)において、cは光速、nはコイルの巻き数、Iはコイルに対して印加される電流の大きさである。なお、永久磁石などの一定の磁場を供給する磁場供給装置を同じ位置に配置して併用する構成とした場合には、磁場供給装置の一定磁場とコイルの可変磁場とのベクトル和が試料に対して印加されることになる。
これにより、外部磁場発生部5から発生される磁場の値は、図8(b)に示すように、信号22の値の変化に対応したものとなる。具体的には、信号22のVsig、2Vsigおよび3Vsigの値は、それぞれ、H、H+ΔH、H+2ΔHに対応する。そして、この外部磁場発生部5から発生した磁場が、周波数可変部2内の磁気素子4に印加され、磁気素子4から交流信号20が出力される。磁気素子4を構成する材料に、上述した磁性材料を用いた場合、磁気素子4から出力される交流信号20の発振周波数fは、次式(5)で表される。なお、この式(5)は、Nature 425,380(2003)において、式(1)として記載されているものである。
Figure 2007221764
上式(5)において、γは磁気回転比、Hは印加磁場、Hanは異方性磁場、Hは磁化固定相によるカップリングを表したものである。ここで、4πMeffは4πMeff=4πM−2K/Mで表されるものであり、Mは飽和磁化、Kは垂直方向の異方性定数を表している。
したがって、周波数可変部2から発振される周波数の値は、入力信号22の値(Vsig、2Vsig、3Vsig)の変化に応じて、図8(c)に示す値(f、f′、f″)に変化する。
以上のように、図7に示す構成によれば、外部磁場発生部5から発生した磁場を印加している状態の磁気素子4に対して、電源V1から直流信号が供給されると、スピン偏極により磁気素子4から交流信号20が出力される。このとき、交流信号20の振幅および周波数は、電源V1から供給される直流信号の大きさと外部磁場発生部5から発生する磁場の強度とに依存する。そのため、電源V1において、磁気素子4に印加する直流信号を変調することによって振幅の変調が可能となる。また、外部磁場発生部5において、電源V2および電源V3から供給される信号に対応して磁場強度を変調させることによって周波数の変調が可能となる。したがって、回路の構成を複雑にすることなく、所望の振幅と周波数とを同時に制御した信号を得ることができる。
なお、制御回路36の具体的な構成例としては、ダイオード、FETまたはトランジスタのような非線形な電子素子あるいは電子回路を用いて、信号応答によって直接出力する構成や、マトリックスをメモリに格納して読み込み・出力のための回路と組み合わせる構成などが挙げられる。後者の構成の場合には、周波数可変部2における磁気素子4の構造を変えることによりその特性が変わったとしても、それに応じてメモリの部分を替えることで対応できるので、回路構成の点からいえば有利である。
また、電源V2および電源V3から外部磁場発生部5に印加される電圧を、直流成分を含んだ交流電圧とすることにより、磁気素子4に印加される磁場の大きさおよび方向を連続的に変化させることが可能となるため、周波数可変部2における発振周波数も連続的な値を持つことが可能となる。したがって、入力信号22は、図7に示す構成ではデジタル信号として説明したが、これに限定されるものではなく、アナログ信号であってもよい。この場合でも、同様な操作を行なうことができる。
また、図7に示す構成では、入力信号22が取る値は3つであるが、これに限定されるものではなく、4つ以上であってもよい。この場合には、電源部1の出力値、外部磁場発生部5における発生磁場の値、磁気素子4における発振周波数の値の数が、入力信号22が取る値の数に応じて増加するのみであり、別の構造を設ける必要は無い。
ここで、上述の可変周波数発振回路10を高周波回路11に適用することによって、高周波回路11の出力側における回路構成は、従来用いられている図9(a)に示す構成から、図9(b)に示す構成となる。
図9(a)に示す従来の高周波回路では、入力信号と、PLL回路134によって発生させた特定の周波数の搬送波とを混合器132により混合させた後、変調器133により発振周波数の変調を行っている。このように、従来の構成では、混合器132を用いた発振回路が必要となるため、回路の部品数の増大化および回路サイズの増大化という問題が生じる。
これに対して、本実施形態における高周波回路11によれば、従来の混合器132、変調器133およびPLL回路134が不要となり、構成素子および回路の数が少なくなるため全体の回路構成が簡素になる。したがって、低コスト性に優れた高周波回路を提供することが可能になる。
以上より、電圧制御によって周波数を可変することが可能な磁気素子4を備えた可変周波数発振回路は、インダクタ、キャパシタ等を用いた従来の発振回路と比較して、MOSFETをはじめとする発振回路の部品数を低減して小型・薄型化が可能となると共に、連続的、かつ、数十GHzまでおよぶ広いRF信号を出力することが可能となる。なお、本実施形態では、発振回路の応用として、VCO回路を例に上げて説明したが、周波数可変の発振回路の応用であれば、これに限定されるものではない。
本実施の形態における可変周波数発振回路は、電圧の可変を可能とした少なくとも2つの電源を有する電源部と、周波数可変部と、信号増幅部からなる可変周波数発振回路において、少なくとも1つの電源は前記周波数可変部に供給され、前記電源からの供給電流を制御することによって前記周波数可変部から発振される第1信号の周波数制御を行ない、少なくとも1つの電源は前記信号増幅部に供給され、前記第1信号を、前記信号増幅部で増幅し、この増幅された第2信号を外部出力とする構成であってもよい。
また、前記第1信号および前記第2信号の少なくとも1つは、直流成分を含んだ交流信号であってもよい。
また、前記周波数可変部は、複数の磁性材料と非磁性材料を積層した、交流信号を発振する磁気素子を有する構成であってもよい。
また、前記電源部の少なくとも1つの電源は、前記磁気素子に供給される電流の大きさを可変とする構成であってもよい。
また、前記電源部の少なくとも1つの電源は、前記磁気素子に印加する印加磁場の大きさを可変とする構成であってもよい。
また、前記電源部の少なくとも1つの電源は、前記磁気素子に印加する印加磁場の方向を可変とする構成であってもよい。
また、前記外部磁場発生部が、前記電源部を用いることなく、可変ではない一定の磁場を供給可能な磁場供給装置を有する構成であってもよい。
また、前記供給装置と、さらに電気的に可変される印加磁場を供給する装置が、搭載されていてもよい。
また、前記供給電流を可変とする電源を制御して、前記第1信号の周波数を所望の値に制御する回路を有する構成であってもよい。
また、前記信号増幅部はMOSFETと第1抵抗部を有し、前記第1信号を前記MOSFETのゲート部に、前記電源部の少なくとも1つの電源を、前記第1抵抗部を介して前記MOSFETのドレイン部に接続する構成であってもよい。
また、前記信号増幅部はMOSFETと第1抵抗部を有し、前記電源部の少なくとも1つの電源および前記第1信号を前記MOSFETのゲート部に、前記電源部の少なくとも1つの電源を、前記第1抵抗部を介して前記MOSFETのドレイン部に接続する構成であってもよい。
また、前記第1信号に対して、第2抵抗部、あるいは/および、フィルタを設け、前記第2抵抗部によって、信号電圧を増幅し、前記フィルタによって直流信号成分を除去した信号と、前記電源部の少なくとも1つの電源からの出力を足し合わせて、前記MOSFETのゲート部に接続する構成であってもよい。
また、前記電源部の少なくとも1つの電源から前記信号増幅部へ供給される供給電圧を制御して、前記MOSFETの特性を制御する回路を有する構成であってもよい。
また、前記制御回路は、前記周波数可変部に対して印加される電流値を制御することによって前記周波数可変部において発振される信号の発振周波数を多段階的に変調し、複数の値を有する信号を入力信号として処理し、各値に対応した周波数に変調された第1信号として出力する構成であってもよい。
また、本実施形態における高周波回路は、電圧を可変可能とした少なくとも2つの電源を有する電源部と、周波数可変部と、信号増幅部と、前記電源部における電圧値・電流値を制御できる制御回路からなる可変周波数発振回路であって、少なくとも1つの電源は前記周波数可変部に供給され、前記制御回路を用いて前記電源からの供給電流を制御することによって前記周波数可変部から発振される第1信号の周波数制御を行ない、前記第1信号を前記信号増幅部で増幅し、この増幅された第2信号を外部出力とする可変周波数発振回路を備える構成であってもよい。
可変電源、磁性材料を用いた磁気素子および前記磁気素子に対して磁場を印加する外部磁場発生部を備える可変周波数発振回路において、入力信号を前記磁気素子に印加する磁場の変調に用いることにより発振周波数の制御を行ない、前記可変電源から前記磁気素子に印加する直流信号によって振幅の制御を行ない、周波数と振幅とが同時に変調された信号を外部出力とする構成であってもよい。
広周波数数帯域の周波数を連続的に発振する小型の発振回路を実現できるため、複数の周波数に対応可能な携帯情報端末等に適用することができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図である。 上記可変周波数発振回路に備えられる周波数可変部の概略構成を示すブロック図である。 上記可変周波数発振回路から出力される交流信号の波形を示す図である。 上記可変周波数発振回路に備えられる信号増幅部の概略構成を示すブロック図である。 (a)は上記可変周波数発振回路にさらにフィルタを備えた場合の可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図であり、(b)は上記可変周波数発振回路にさらに第2抵抗部を備えた場合の可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図であり、(c)は上記可変周波数発振回路にさらにフィルタおよび第2抵抗部を備えた場合の可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図である。 PLLを用いた可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図である。 制御回路を備えた可変周波数発振回路の概略構成を示すブロック図である。 (a)は電源部に入力される信号の波形を示す図であり、(b)は磁気素子に印加される、外部磁場発生部から発生される磁場の変化を示す図であり、(c)は磁気素子から出力される信号の波形を示す図である。 (a)は従来の高周波回路の概略構成を示すブロック図であり、(b)は図7に示す可変周波数発振回路を備えた高周波回路の概略構成を示すブロック図である。 従来のVCO回路の概略構成を示す図である。 従来の、容量スイッチおよび可変キャパシタを備えたVCO回路の概略構成を示す図である。 (a)は従来の、MEMSを用いた可変インダクタにおける導体板を挿入する前の可変インダクタの概略構成を示す平面図であり、(b)は(a)のa−a断面図であり、(c)は上記導体板を挿入した後の可変インダクタの概略構成を示す平面図であり、(d)は(c)のb−b断面図である。
符号の説明
1 電源部
2 周波数可変部
3 信号増幅部
4 磁気素子(発振素子)
5 外部磁場発生部
6 第1抵抗部
7 フィルタ
8 第2抵抗部
10 可変周波数発振回路
11 高周波回路
20、21 交流信号
36 制御回路
V1〜V5 電源

Claims (18)

  1. 電圧の可変制御が可能な少なくとも2つの電源を有する電源部と、該電源部に接続され交流信号を発振する周波数可変部と、該電源部および該周波数可変部に接続され入力信号を増幅して外部に出力する信号増幅部とを備える可変周波数発振回路であって、
    前記電源部における少なくとも1つの電源は、該電源から前記周波数可変部に供給される電流を制御して、前記周波数可変部から発振される交流の第1出力信号の周波数を制御すると共に、
    前記周波数制御された第1出力信号は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される前記信号増幅部により増幅されて第2出力信号として外部に出力されることを特徴とする可変周波数発振回路。
  2. 前記周波数可変部は、交流信号を発振する発振素子を含み、
    前記電源部における少なくとも1つの電源は、前記発振素子に供給する電流の大きさを可変制御することを特徴とする請求項1に記載の可変周波数発振回路。
  3. 前記周波数可変部は、磁性材料と非磁性材料とを積層してなる、交流信号を発振する磁気素子を含み、
    前記電源部における少なくとも1つの電源は、前記磁気素子に供給する電流の大きさを可変制御することを特徴とする請求項1に記載の可変周波数発振回路。
  4. 前記周波数可変部は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される外部磁場発生部をさらに含み、
    上記電源は、上記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の大きさを可変制御することを特徴とする請求項3に記載の可変周波数発振回路。
  5. 前記周波数可変部は、前記電源部における少なくとも1つの電源に接続される外部磁場発生部をさらに含み、
    上記電源は、上記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の方向を可変制御することを特徴とする請求項3に記載の可変周波数発振回路。
  6. 前記周波数可変部は、前記磁気素子に対して、可変ではない一定の磁場を供給可能な磁場供給装置をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の可変周波数発振回路。
  7. 前記周波数可変部は、前記磁気素子に対して、可変ではない一定の磁場を供給可能な磁場供給装置を含み、かつ、電気的に可変制御した磁場を供給可能であることを特徴とする請求項3に記載の可変周波数発振回路。
  8. 前記第1出力信号の周波数が所望の値になるように、前記周波数可変部に電流を供給する電源を制御する制御回路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変周波数発振回路。
  9. 前記信号増幅部は、MOSFETと第1抵抗部とを備え、
    前記MOSFETのゲート部に前記第1出力信号が入力されると共に、前記MOSFETのドレイン部に、前記第1抵抗部を介して前記電源部における少なくとも1つの電源が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の可変周波数発振回路。
  10. 前記信号増幅部は、MOSFETと第1抵抗部とを備え、
    前記MOSFETのゲート部に、前記電源部における少なくとも1つの電源が接続され、かつ前記第1出力信号が入力されると共に、
    前記MOSFETのドレイン部に、前記第1抵抗部を介して前記電源部における少なくとも1つの電源が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の可変周波数発振回路。
  11. 前記第1出力信号の電圧を増幅する第2抵抗部と、該第2抵抗部により増幅された信号の直流信号成分を除去するフィルタとをさらに備え、
    前記フィルタから出力される信号と、前記電源部における少なくとも1つの電源から出力される出力信号とが加算された信号が、前記MOSFETのゲート部に入力されることを特徴とする請求項9または10に記載の可変周波数発振回路。
  12. 前記第1出力信号の電圧を増幅する第2抵抗部、または前記第1出力信号の直流信号成分を除去するフィルタをさらに備え、
    前記第2抵抗部から出力される信号または前記フィルタから出力される信号と、前記電源部における少なくとも1つの電源から出力される出力信号とが加算された信号が、前記MOSFETのゲート部に入力されることを特徴とする請求項9または10に記載の可変周波数発振回路。
  13. 前記第1出力信号および前記第2出力信号のうちの少なくとも一方は、直流成分を含んだ交流信号であることを特徴とする請求項9または10に記載の可変周波数発振回路。
  14. 前記電源部における少なくとも1つの電源から前記信号増幅部に供給される電圧を制御して、前記MOSFETの特性を制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の可変周波数発振回路。
  15. 前記周波数可変部は、前記電源部のそれぞれの電源に接続される、磁性材料と非磁性材料とを積層してなる、交流信号を発振する磁気素子と、前記電源から供給される電流に応じた磁場を発生すると共に該磁場を前記磁気素子に印加する外部磁場発生部とを含み、
    前記制御回路は、前記磁気素子から出力される前記第1出力信号の周波数を所望の値にすべく、前記電源から前記磁気素子に供給される電流の大きさと、前記外部磁場発生部から前記磁気素子に印加される磁場の大きさおよび方向とが可変するように、前記各電源から前記磁気素子および前記外部磁場発生部に供給される電流を制御することを特徴とする請求項8に記載の可変周波数発振回路。
  16. 前記制御回路は、前記第1出力信号の周波数が、前記電源部に入力される複数の値を有する信号の各値に対応して段階的に変調するように、前記各電源から前記磁気素子および前記外部磁場発生部に供給される電流を制御することを特徴とする請求項15に記載の可変周波数発振回路。
  17. 前記磁気素子は、前記電源部の電源から供給される電流の大きさと、前記外部磁場発生部から印加される磁場の大きさおよび方向とに応じて、前記電源部に入力される複数の値を有する信号の各値に対応するように段階的に変調された周波数を有する交流信号を前記第1出力信号として出力することを特徴とする請求項16に記載の可変周波数発振回路。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の可変周波数発振回路を備えた高周波回路。
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