JP2007220570A - 燃料電池発電セル - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池発電セルのガス流路の流路壁面に一つ以上の微細な溝を備えることで、連続的に円滑にガス拡散層の表面上から液水を排出することができる燃料電池発電セルを提供する。
【解決手段】電解質膜3の両面に燃料極11及び酸化剤極10をそれぞれ配置してなり、燃料極11側のガス流路4Bに燃料ガスの供給を受け、酸化剤極10側のガス流路4Aに酸化剤ガスの供給を受けることで発電する燃料電池発電セルであり、この燃料電池発電セルは、ガス流路4A、4Bを構成する流路壁面が親水性を備えており、流路壁面に微細な溝6を一つ以上備えていることで、液水がガス流路内にとどまることなく排除される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池発電セルに関し、特に液水の排出が円滑に行えるガス流路を有する燃料電池発電セルに関する。
燃料電池システムは、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。この燃料電池システムは、電解質膜を挟んで設けられた一対の電極の内の一方の陽極に対して水素を含有する燃料ガスを供給するとともに、他方の陰極に対して酸素を含有する酸化剤ガスを供給することで、これらの一対の電極の電解質膜側の表面で生じる下記の電気化学反応を利用して、電極から電気エネルギーを取り出すものである。(例えば、特許文献1参照)。
陽極(燃料極)反応 :H→2H+2e ・・・・・・・(1)
陰極(酸化剤極)反応:2H+2e+(1/2)O → HO・・(2)
燃料ガスを陽極に対して供給する方法としては、水素貯蔵装置から直接陽極に対して供給したり、水素を含有する燃料を改質することで得られる水素含有ガスを陽極に対して供給する方法が知られている。
水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。陰極に供給する燃料(酸化剤)ガスとしては、一般的に空気が利用されている。
そして、燃料電池システムにより発電を行った結果、上記(2)式の右辺にあるように水が必然的に生成される。この水は発電部位の周囲環境により、ガスとしてあるいは液体として発生してくる。
しかし、燃料電池が例えば自動車の動力源として使用される場合には、使用条件、例えば燃料電池発電セルの温度が40℃以下であって、ガス流速が遅く、圧力が約2気圧等であったりするときに、酸化剤ガス側のガス拡散層の表面には多数の水滴が生成されることが、観察実験から確認されている。
この生成される水滴の量が多いと、ガス流通溝(ガス流路)の内部では、液水がガス拡散層の表面を覆ってしまい、酸化剤極において酸化剤ガスが発電セル内部の発電面まで到達できず、いわゆるフラッディング現象が生じる。このフラッディング現象が発生すると、燃料電池発電セルの発生する電圧が低下してひいては発電不能となり、燃料電池を動力源とするアプリケーションが運転不能となる事態に陥る。
そこで、ガスの流通方向が重力鉛直方向になるようガス流路溝を設置することを前提として、ガス流路壁面の一部に撥水剤を塗布することで、ガス流路溝の出口付近での液水の生成を防ぐことを可能にしているものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−106914号公報 特開平11−97041号公報
しかし、前述した特許文献2に開示されている方法では、重力鉛直方向にガス流路溝を設置することを前提としているため、燃料電池の配置の自由度がなかった。また、撥水剤が塗布されるのは、ガス流路溝の壁面の流路の一部であるために、撥水性がガス流路溝内で不連続であるため、必ずしも円滑な液水の排除を促すことはできなかった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、燃料電池発電セルのガス流路の流路壁面に一つ以上の微細な溝を備えることで、連続的に円滑にガス拡散層の表面上から液水を排出することができる燃料電池発電セルを提供することを目的としている。
即ち、本発明の燃料電池発電セルは、電解質膜の両面に燃料極及び酸化剤極をそれぞれ配置してなり、上記燃料極側のガス流路に燃料ガスの供給を受け、上記酸化剤極側のガス流路に酸化剤ガスの供給を受けることで発電する燃料電池発電セルであり、上記ガス流路を構成する流路壁面が、親水性を備えており、上記流路壁面に微細な溝を一つ以上備えていることを特徴とする。
本発明の燃料電池発電セルによれば、燃料電池発電セルのガス流路の流路壁面に一つ以上の微細な溝を備えることで、連続的に円滑にガス拡散層の表面上から液水を排出することができる。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して並行な方向に、一つ以上設置されている。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して垂直な方向に、一つ以上設置されている。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して並行な方向、垂直な方向及びこれらの方向ベクトルを成分に持つ方向に、それぞれ一つ以上設置されている。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガス流路の部位により異なる。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して連続的に変化する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して垂直な方向に連続的に変化する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して並行及び垂直な方向、又はそれらの方向を成分にもつ方向に連続的に変化する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記ガス流路の断面形状が、矩形断面であり、上記流路壁面の各面での接触角が、流路天井<流路側壁<ガス拡散層なる関係をもつ。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記ガス流路の断面形状が、三角形断面であり、上記流路壁面の各面での接触角が、流路側壁<ガス拡散層なる関係をもつ。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記ガス流路の断面面積が、上記ガス流路に沿って変化する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記酸化剤極側の上記ガス流路の断面面積が、上記ガスの流通方向における上流部から下流部へ流れるに従い拡大する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記ガス流路の断面形状における頂点角が、上記ガス流路に沿って変化する。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施形態では、上記酸化剤極側の上記ガス流路の断面形状が、上記ガスの流通方向における上流部では三角形状に連続的に変化し、上記ガスの流通方向における下流部では矩形状に連続的に変化する。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の好ましい実施例の燃料電池発電セルを説明する前に、本発明の好ましい実施例の燃料電池発電セルの特徴を判り易くするために、図14を参照しながら、前提となる燃料電池スタックの燃料電池発電セルの構造における1つの要素を説明する。
図14に示す1つ要素は、燃料電池発電セルであり、この燃料電池発電セルは繰り返しして積層されることにより、燃料電池スタックを構成する。
そこで、図14に示す燃料電池発電セルの構造について簡単に説明する。
図14に示す燃料電池発電セルは、固体電解質膜103と、この固体電解質膜103の一方の面に配置された燃料極111と、固体電解質膜103の他方の面に配置された酸化剤極110を有している。燃料極111は、ガス拡散層102と、触媒層を有しており、触媒層は固体電解質膜103の一方の表面に設置されている。酸化剤極110は、ガス拡散層102と、触媒層を有しており、触媒層は固体電解質膜103の他方の表面に設置されている。
図14のセパレータ板101は、凹凸形状部分を有している。この凹凸形状部分の内の凹部状の部分はガス流路104であり、ガス流路104はガス流路溝あるいはチャンネルと呼ばれている。このガス流路104にはガスが流通する。凹凸形状部分の内の凸部状の部分は、リブ105と呼ばれる。
図14のガス流路104の断面形状は矩形断面であり、ガス流路104の流路壁面は、ガス拡散層102に面する面(以下、ガス拡散層面という)104Fと、セパレータ板1のリブ105が構成する2つの流路側壁104G,104Gと、ガス拡散層102に対向する面(以下、流路天井という)104Hにより形成されている。
流路側壁104Gと流路天井104Hは、酸化チタンや親水性樹脂によりコーティングされており、接触角が約10度から45度程度になるように親水処理されている。この時に、セパレータ板101のガス流路104の壁面に、生成した液水が付着すると、液状になり溜まることがある。さらに発電を続けると、付着した液滴は溜まりつつ成長を続けて、ついにはガス流路104を閉塞するほどに成長してしまうことになる。このため、いわゆるフラッディング状態を引き起こし、著しい発電性能の低下につながるために、これを避けなければならない。
(実施例1)
図1は、本発明の好ましい実施例1の燃料電池発電セルを示している。
図1(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図1(B)は、図1(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。
図1の燃料電池発電セルは、固体電解質膜3と、この固体電解質膜3の一方の面に配置された燃料極11と、固体電解質膜3の他方の面に配置された酸化剤極10を有している。燃料極11は、ガス拡散層(もしくはGDL:Gas diffusion layer)2と、触媒層を有しており、触媒層は固体電解質膜3の一方の表面に設置されている。酸化剤極10は、ガス拡散層2と、触媒層を有しており、触媒層は固体電解質膜3の他方の表面に設置されている。
図1に示す酸化剤極10と燃料極11には、それぞれセパレータ板1A、1Bが配置されている。各セパレータ板1A、1Bは、凹凸形状部分を有している。一方のセパレータ板1Aの凹凸形状部分の凹部状の部分はガス流路4Aであり、他方のセパレータ板1Bの凹凸形状部分の凹部状の部分はガス流路4Bである。ガス流路4A,4Bはガス流路溝あるいはチャンネルとも呼ばれている。凹凸形状部分の内の凸部状の部分は、リブ5である。
このガス流路4Aには、酸化剤ガスが図1の紙面垂直方向に沿ってガス流通方向(ガス流れ方向)に流通し、ガス流路4Bには、燃料ガスが図1の紙面垂直方向に沿ってガス流通方向(ガス流れ方向)に流通する。このように、燃料極11が燃料ガスの供給を受け、酸化剤極10が酸化剤の供給を受けることにより、燃料電池発電セルは発電をする。
図1のガス流路4A,4Bの断面形状は矩形断面であり、ガス流路4A,4Bの流路壁面は、ガス拡散層2の面(以下、ガス拡散層面という)4Fと、セパレータ板1A、1Bのリブ5が構成する向かい合う2つの流路側壁4G、4Gと、ガス拡散層面4Fに対面する天井面(以下、流路天井という)4Hを有している。
ガス流路4A,4Bは、これらのガス拡散層面4Fと、2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hにより囲まれて形成されており、ガス流路4A,4Bは2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hを有する。
ここで、図1に示す本発明の燃料電池発電セルの実施例と、図14に示す一般的な燃料電池発電セルとの差異について説明する。
図14に示す一般的な燃料電池発電セルでは、2つの流路側壁104G,104Gと、流路天井104Hはいすれも平面形状であり、ガス流路104は2つの流路側壁104G,104Gと流路天井104Hにより囲まれている。
これに対して、図1に示すように本発明の実施例1では、セパレータ板1A、1Bのガス流路4A,4Bの流路壁面を構成している2つの流路側壁(側壁面)4G、4Gと、流路天井(対向壁面ともいう)4Hは、ともに親水性を有しており、2つの流路側壁(側壁面ともいう)4G、4Gと、流路天井(対向壁面ともいう)4Hには、それぞれに微細な溝6が設けられていることが特徴的である。
微細な溝6は、図1(A)に示すように、断面三角形を有しており、図1(B)に示すように、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向(ガス流通方向)に並行になるように設置されている。
図1の実施例では、液水がガス拡散層2の上で滴状に成長してくると、この液水はセパレータ板1A、1Bの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hに触る。そして、液水はそれぞれの微細な溝6に触れると、セパレータ板1A、1Bの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hが親水性であるために、液水と、流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hと、気体との間に表面張力が働き、液水は表面エネルギーを最小にしようとしながら、液水は流路側壁4G、4Gの平面部分と流路天井4Hの平面部分よりも、それぞれの微細な溝6に集中して沿って広がって流れていく。このため、液水が、流路側壁4G、4Gと流路天井4Hにおいて、滴状に留まることが無い。
このように、実施例1は、ガス流路の流路壁面の微細な溝付近に接した液水が、微細な溝に沿って速やかに移動するために、流路壁面内に液水がとどまることがなく、円滑にかつ確実に排除できる。しかも、微細な溝の形成されている方向が、ガスの流通方向に並行な方向であるので、液水は微細な方向に沿って広く移動できることから、より効果的に液水の排除が可能になる。
フラッディング現象は、液水が留まることに起因して発生するため、液水がガス拡散層2の上の一定箇所に留まらせること無く排除できれば良い。
本発明の実施例1及び以下に説明する本発明の他の実施例においては、微細な溝6が燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に沿って、それぞれのガス流路4A,4Bについて、3本設置されている。
しかし、微細な溝6の本数は3本に限ることはなく、燃料電池発電セルの部位によっては本数を変更しても構わない。なお、表面張力による液水の移動力を得るには、この微細な溝6を流路とみなしたときの等価直径が、0.5mm以下であることが望ましい。
(実施例2)
図2は、本発明の好ましい実施例2の燃料電池発電セルを示している。
図2(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図2(B)は、図2(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図2(A)は、図2(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図2の実施例2については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図2の実施例2の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図2に示す実施例2では、液水を導くための複数の微細な溝6が、ガス流路4A,4Bの流路壁面を構成している2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hに渡って、ガス流通方向と垂直な方向に設けてある。複数の微細な溝6は、図2(B)に示すように、例えば等間隔をおいて配列されている。この複数の微細な溝6は、一つ以上設置されている。
この実施例2では、微細な溝6がガス流路の壁面を周方向に取り囲んでおり、ガス拡散層2から成長した液水(液滴ともいう)が、壁面の微細な溝6に触ったときに、液水が微細な溝6にひきこまれる構造となっている。
ガス拡散層2から成長する滴水が、大きく成長する前に微細な溝6に触るため、速やかに液水が移動することができ、結果として液水の移動量を増すことができる。
この周方向の微細な溝6は、燃料電池発電セルの部位により、配置する微細な溝6の数を変えてもかまわない。また、必要に応じて複数の微細な溝6の間隔は、部位によって変えることができる。
このように実施例2では、微細な溝がガスの流通方向に対して垂直な方向に、すなわちガス流路の周囲に渡って設置されているので、ガス拡散層付近でこの微細な溝に接触した液水は、速やかにガス拡散層から離脱して排除される。
(実施例3)
図3は、本発明の好ましい実施例3の燃料電池発電セルを示している。
図3(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図3(B)は、図3(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図3(A)は、図3(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図3の実施例3については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図3の実施例3の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図3に示す実施例3では、液水を導くための複数の微細な溝6が、ガス流路4A,4Bの流路壁面を構成している2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hにおいて、実施例1と実施例2に比べると、より多く設けられている。
微細な溝6(6Aで示す)は、ガス流通方向に対して並行な方向に設置され、別の微細な溝6(6Bで示す)は、ガス流通方向に対して垂直な方向に設置されている。さらに別の微細な溝6(6Cで示す)は、ガス流通方向に対して並行な方向と垂直な方向の方向ベクトルを成分に持つ方向(斜め方向)に設置されている。
このように実施例3では、複数の微細な溝6の方向が一つの決まった方向ではなく任意の自由な幾つかの方向に沿って配置されている。このため、速やかな液水の移動が、2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hの全域に渡って可能である。しかもこれだけではなく、ガス流路4A,4B内において、液水が潤沢にある箇所から不足がちな領域へ円滑に移動することを可能にする。
ガス拡散層付近でこの微細な溝に接触した液水が、速やかにガス拡散層から離脱して、しかも並行方向にも微細な溝があるので、液水は広い領域を移動することができるため、ガス流路にある液水が円滑に排除できる。
(実施例4)
図4は、本発明の好ましい実施例2の燃料電池発電セルを示している。
図4(A)は、図4(C)におけるB−B線に沿った断面構造を示し、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図4(B)は、図4(C)におけるC−C線に沿った断面構造を示している。図4(C)は、図4(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。
図4の実施例4については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図4の実施例4の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図4に示す実施例4では、液水を導くための微細な溝6の断面形状が、燃料電池発電セルの部位により、例えば三角形から四角形へと変えている。図4(A)では、微細な溝6(6Dで示す)の断面が四角形であるが、図4(B)では、微細な溝6(6Eで示す)の断面が三角形である。これらの微細な溝6D、6Eは、ガス流通方向に並行な方向に沿って連続して設置されている。実施例4では、その他に、図3の実施例3と同様な微細な溝6B、6Cが設置されている。
このように微細な溝6D、6Eにおける形状の変化は、図4(B)に示す微細な溝6Dの頂点における液水の曲率半径7と、図4(C)に示す微細な溝6Eの頂点における液水の曲率半径8とを変化させることとなる。このため、液面の表面張力に差をつけることができ、微細な溝6D、6Eにおける液水の移動力を生じさせることができる。
曲率半径7は、ガス流路の壁面が親水性で頂点角の大きい角部に液水が付着した場合であり、曲率半径8は、ガス流路の壁面が親水性で頂点角の小さい角部に液水が付着した場合である。
同様に、微細な溝6D、6Eの断面面積を変化することによっても、同じように液面の表面張力に差をつけることができ、微細な溝6D、6Eにおける液水の移動力を生じさせることができる。
実施例4では、微細な溝の断面面積と形状を、ガス流路内の位置により変化させることで、液水の表面張力の差を引き起こすために、効果的な液水の移動を促すことが可能になる。
(実施例5)
図5は、本発明の好ましい実施例5の燃料電池発電セルを示している。
図5(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図5(B)は、図5(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図5(A)は図5(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図5の実施例5については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図5の実施例5の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図5の実施例5では、複数の微細な溝6は、ガス流通方向に対して並行な方向に設置されている。各微細な溝6の断面面積が、ガス流路4A,4B内で全域、もしくは、ある指定区間内に渡って連続的に変化している。これにより、微細な溝6の方向成分に関する液水の表面張力差を設けることができる。
微細な溝6内において、ある長さのある微細な溝6の中ほどに微小な液滴が付着したときでも、いずれかの部位に含まれる液水は、微細な溝6の方向成分に関する表面張力差により生じる移動力により移動することができる。微細な溝6の断面面積の変化率は、部位によって異なってもよく、あるいは一定であっても構わない。また、微細な溝6が複数ある場合、微細な溝6の断面面積の変化する方向については、図5(B)に示すように互いに変化する向きが同じであっても、図示はしていないが異なっていても良い。
実施例5では、その他に、図3の実施例3と同様な微細な溝6B、6Cが設置されている。実施例5では、微細な溝の断面面積と形状を、ガスの流通方向に並行な方向に対して、ガス流路内の位置により、連続的に変化させることで、表面張力の差を連続的に発生させるため、ガスの流通方向に関する液水の移動の不連続性が解消できる。
(実施例6)
図6は、本発明の好ましい実施例6の燃料電池発電セルを示している。
図6(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図6(B)は、図6(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図6(A)は図6(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図6の実施例6については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図6の実施例6の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図6の実施例6では、ガス流路4A,4Bの周方向にそって構成される微細な溝6(6Fで示す)の断面面積が、ガス流路4A,4B内で全域に渡って連続的に変化しているか、もしくはガス流路4A,4Bのある指定区間内に渡って連続的に変化している。これにより、ある程度長い微細な溝6(6F)の中ほどに微小な液水が付着したときでも、微細な溝6(6F)内の液水は、移動力を失わずに移動し続けることができる。
実施例6では、その他に、微細な溝6A、6Cが設置されている。実施例6では、微細な溝の断面面積と形状が、ガスの流通方向に垂直な方向に対して、ガス流路内の位置により、連続的に変化されていることで、表面張力の差を連続的に発生させるため、ガスの流通方向と垂直な方向に関する液水の移動の不連続性が解消できる。
(実施例7)
図7は、本発明の好ましい実施例7の燃料電池発電セルを示している。
図7(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図7(B)は、図7(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図7(A)は、図7(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図7の実施例7については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図7の実施例7の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図7の実施例7では、ガス流路4A,4Bの壁面内では、図5の実施例5と同様にして、自由な方向に複数の微細な溝6(6G、6H、6Iで示す)が設けられている。各微細な溝6(6G、6H、6I)の断面面積は、それぞれの長さ方向に沿って増加又は減少している。
微細な溝6Gは、ガス流通方向に並行な方向に沿って形成されており、微細な溝6Hは、ガス流通方向に垂直な方向に沿って形成されている。そして、微細な溝6Iは、ガス流通方向に並行な方向と垂直な方向のそれぞれの方向成分の合成方向に沿って形成されている。このため、微細な溝6(6G、6H、6I)は、ガス流路内の位置により、連続的に変化させているので、表面張力の差を連続的に発生させるため、液水はガス流路内の自由な方向に連続的に円滑に移動できる。
図7に示すセパレータ板1A、1Bは、カーボンを基本材料とした固形のソリッド体や、多孔質構造を備えた材料を用いて、切削や型を用いた流し込みにより形成されたり、あるいは、金属板をプレス加工し形成することにより形成される。なお,流し込み形成に型を用いる際には、ゴム質材により型を構成することで、複雑な入り組んだ形状のセパレータ板1A、1Bが形成できる。
(実施例8)
図8は、本発明の好ましい実施例8の燃料電池発電セルを示している。
図8(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図8(B)は、図8(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図8(A)は、図8(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図8の実施例8については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図8の実施例8の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図8の実施例8では、微細な溝6をそれぞれ有する流路側壁4Gと、流路天井4Hにおいて、液水が壁面に接触した際の接触角がそれぞれ異なるよう構成されている。つまり、2つの流路側壁4Gの接触角θsと流路天井4Hの接触角θpとが異なり、2つの流路側壁4Gの接触角θsと、流路天井4Hの接触角θpと、ガス拡散層2の接触角θdと、の関係は、次のような関係になっている。
流路側壁4Gの接触角θs<流路天井4Hの接触角θp<ガス拡散層2の接触角θd
このように2つの流路側壁4G、4Gと、流路天井4Hと、ガス拡散層2における液水の濡れ性に対して段階的な変化をつけておくと、例えば直径0.3mmほどの水滴が流路側壁4Gと流路天井4Hに触れた際には、水滴が濡れて壁面に沿って広がり、その広がりは接触角が小さい流路側壁4Gに達する。
さらに、流路側壁4Gの接触角が小さいために水滴は流路側壁4Gの面に広がろうとするので、結果的に水滴は最初に触れた例えば流路天井4Hから流路側壁4Gへと移動してゆく。
実施例8では、液水の移動は、微細な溝6(6A、6B、6C)を介して容易になる。このようにして、ガス拡散層からの液水の離脱を促すことができる。
なお、微細な溝6の断面形状は特に限定されず、図8に示すように例えば断面四角形である。また、微細な溝6の形成方向は、特に限定されない。
(実施例9)
図9は、本発明の好ましい実施例9の燃料電池発電セルを示している。
図9(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図9(B)は、図9(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図9(A)は、図9(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図9の実施例9については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図9の実施例9の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図8の実施例8では、ガス流路4A,4Bは、2つの流路側壁4G、4Gと流路天井4Hを有しており、断面四角形である。
しかし、図9の実施例9では、ガス流路4A,4Bは、2つの流路側壁4L、4Lとガス拡散層2の面とにより断面三角形に形成されている。流路側壁4L、4Lには、それぞれ少なくとも一つ以上の微細な溝6が設けられており、微細な溝6は例えば断面三角形状である。
このため、ガス流路4A,4Bの断面形状に現れる流路側壁4L、4Lどうしの合わさる角度は鋭角であり、流路側壁4L、4Lとガス拡散層2の面との角度は鈍角になっているので、気固液3相の成す液体の接触角を積極的に変化させている。
流路側壁4G、4Gの接触角θsとガス拡散層2の接触角θdとの関係は、流路側壁4G、4Gの接触角θs<ガス拡散層2の接触角θd、である。
したがって、実施例9では、液水の移動が微細な溝6を介して容易になる。このようにして、ガス拡散層からの液水の離脱を促すことができる。
(実施例10)
図10は、本発明の好ましい実施例10の燃料電池発電セルを示している。
図10(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図10(B)は、図10(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。図10(A)は、図10(B)におけるB−B線に沿った断面構造を示している。
図10の実施例10については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図10の実施例10の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図10の実施例10は、図9の実施例9に似ているが、微細な溝6の断面形状がガスの流通方向に沿って変化している。このように微細な溝6の断面積が変化していくと、水滴が流路側壁4Lに付着した際に、流路側壁4L、4Lが構成する隅部分の角度、及び微細な溝6での気固液接触角がガスの流通方向に沿って変化するため、液水は連続的に移動することになる。なお、ガス流路4A,4Bの断面形状は、矩形でも三角形でも良く、限定されない。
実施例10では、ガス流路の断面面積がガス流路の上流部と下流部とでは変化させる。このため、表面張力の変化を引き起こすため、液水をガス流通方向に沿って円滑に移動することができる。
(実施例11)
図11は、本発明の好ましい実施例11の燃料電池発電セルを示している。
図11(A)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図11(B)は、図11(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。
図11の実施例11については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図11の実施例11の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図11の実施例11では、酸化剤極(カソード)10のガス流路4Aの断面面積の変化が、酸化剤極10における矢印で示すガス流通方向に沿って、つまり上流部から下流部に流れるにしたがって拡大するように、ガス流路4Aを設置したものである。この酸化剤極10においてガス流路4Aがガス流通方向へ広がるのに対応して、微細な溝6も同様に断面面積が広がっている。
酸化剤極10のガス流路4Aでは、発電により水が気体状態である蒸気が、投入酸素量の2倍の体積として生成される。ガス流路4Aの下流部に行くに従い、ガス流路4Aの内部を流れる酸化剤ガスは増加するとともに、飽和蒸気圧に達したガス中の水は気体として存在できなくなり、気体から液体へ凝固し、流路側壁4L、4Lなどに付着する。
通常、ガス流路4Aの下流部では、微細な溝6が設けられていない場合には、この付着した液水が基点となって、さらにガス中の水分は液体へと変化するため、水滴が成長する一途となり、いずれは液水がガス流路4Aを塞いでしまう。一方、ガス流路4Aの上流部では、下流部での液水生成を抑えるために、湿度の低いガスを投入することが多いが、湿度が低いため、液水から蒸気へと蒸発しやすい環境になっている。
このことは、プロトン移動を行う固体電解質3やこれに隣接する触媒層付近のアイオノマー中に含まれる液水が蒸発して乾燥を促進させるために、スルホン酸系の膜や炭化水素系の材料では発電性能が著しく低下する。
このとき、下流部で凝固するほど余っている液水を上流部へ移動する機構としては、上述したようにガス流路4Aの断面面積の変化が、上流部から下流部に流れるに従って拡大すれば、前述のような燃料電池発電セルの性能低下が抑えられる。
実施例11では、酸化剤極のガス流路の断面面積が上流部から下流部へ流れるに従って拡大させることにより、表面張力は下流部から上流部に向かって合力が発生するため、液水はガス流通方向の上流部側に移動することができる。
(実施例12)
図12は、本発明の好ましい実施例11の燃料電池発電セルを示している。
図12(A)と図12(B)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルの断面構造を示している。図12(C)は、図12(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。
図12の実施例12については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図12の実施例12の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図12の実施例12では、酸化剤極10のガス流路4Aの断面形状が、途中から例えば背の低い二等辺三角形から、正三角形へと変化している。この他に、酸化剤極10のガス流路4Aの断面形状は、三角形から四角形へ変化するようにしても構わない。
このように、酸化剤極10のガス流路4Aの断面形状が、二等辺三角形から正三角形に変化する変化点があると、変化点においては酸化剤極10のガス流路4Aの流路側壁4L、4Lが形成している頂点角の角度が変わり、この頂点角の部分に付着した液水の曲率半径が変化する。
微細な溝6の断面形状における変化点は、ガス流路4Aの断面形状の変化点に合わせて形成しても良いし、合わせなくて別の位置に微細な溝6の変化点を設けても良い。
一般的に、液水が接する部分における頂点角の角度が小さいほうが、付着した液水の曲率半径が小さくなるため、毛細管圧力の差が現れ、この差が液水移動のための駆動力となる。すなわち、ガス流路4Aの流路側壁4L、4Lの壁面濡れ性が親水性のときに、この変化点をまたがって存在する液水は、頂点角の小さい側へ移動する。
なお、流路側壁4L、4Lの接触角はθsで示し、ガス拡散層面の接触角はθdで示している。実施例12では、ガス流路の上流部と下流部とで表面張力の変化は、ガス流路の断面形状の違いにより引き起こすため、液水のガス流通方向の移動が、簡単な構造により引き起こすことができる。
(実施例13)
図13は、本発明の好ましい実施例11の燃料電池発電セルを示している。
図13(A)と図13(B)は、燃料ガスと酸化剤ガスの流れ方向に対して垂直な面における燃料電池発電セルのB−B断面構造とC−C断面構造を示している。図13(C)は、図13(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示している。
図13の実施例13については、図1の実施例1とは異なる部分について説明するが、図1の実施例1の構成部分と同じ図13の実施例13の構成部分については、同じ符号を記しており図1の実施例1の説明を用いる。
図13の実施例13では、酸化剤極10のガス流路4Aの断面形状が、例えば連続的に三角形から四角形へ変化している。つまり、ガス流路4Aの断面形状は上流部では三角形であり、下流部では矩形になるように連続的に変化している。
微細な溝6の頂点角に付着した液水は、つねにその両脇で曲率半径が異なるため、液水の移動のための駆動力をつねに得ることができ、実施例12の効果が連続的に得られることになる。特に、酸化剤極10のセパレータ板1Aは、金属薄板などのプレスにより形成することが容易である。
実施例13では、ガス流路の上流部では三角形状の断面を有しており、下流部では矩形断面を有していることから、下流部から上流部へ移動させる表面張力の発生を、簡単な構造により引き起こすことができる。
以上のように、本発明の各実施例では、燃料電池スタックの特にガス流路4A、4B内での液水の滞留を防止することにより、燃料電池システムは常に安定性した運転を実施することができる。
本発明の実施例によれば、ガス流路の流路壁面(流路側壁と流路天井)を親水性とし、流路壁面には一つ以上の微細な溝を設けることで、流路壁面の微細な溝付近に接した液水がこれに沿って速やかに移動するため、流路の断面内に液水が留まることなく、液水は円滑に排除できる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の方向がガスの流通方向と並行な方向であるので、液水は微細な溝に沿って広く移動することができ、より効果的に液水の排除を行うことが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の方向をガスの流通方向に対して垂直な方向に、すなわち微細な溝はガス流路を覆うようにガス流路の周囲に渡って設置することで、ガス拡散層付近かつこの微細な溝に接触した液水は、速やかにガス拡散層から離脱して排除できる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の方向をガスの流通方向に対して垂直な方向に、すなわち微細な溝はガス流路を覆うようにガス流路の周囲に渡って設置することで、ガス拡散層付近かつこの微細な溝に接触した液水が、速やかにガス拡散層から離脱し、また並行方向にも、さらには垂直方向と並行方向の方向ベクトルを成分に持つ方向にも、それぞれ微細な溝が設置されているため,液水は広く移動することができ、ガス流路内にある液水を排除することが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の断面面積と形状が、ガス流路内の位置により変化することで、表面張力の差を引き起こすために、効果的な液水の移動を促すことが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の断面面積と形状が、ガスの流通方向に対し,ガス流路内の位置により、連続的に変化することで、表面張力の差が連続的に発生するために、ガスの流通方向における液水の移動現象の不連続性を解消して、液水を円滑に排水することが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の断面面積と形状が、ガスの流通方向に垂直な方向に対し,ガス流路内の位置により、連続的に変化させることで、表面張力の差を連続的に発生させるため、ガス流通方向と垂直な方向に沿った液水の移動の不連続性を解消して、液水をスムーズに排水することが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝の断面面積と形状は、ガスの流通方向およびこれ垂直な方向,もしくはこれらの方向成分の合成方向に対し、ガス流路内の位置により、連続的に変化されることで、表面張力の差が連続的に発生するために、ガス流路の面上において、液水の移動が自由な方向に連続的にできる。
本発明の実施例によれば、微細な溝を持つガス流路の断面形状が例えば矩形状であり,流路天井と流路側壁とガス拡散層の各面自体の接触角が、流路天井<流路側壁<ガス拡散層、となる関係をもつことで、液水がガス拡散層から離脱することを促すことが可能となる。
本発明の実施例によれば、微細な溝を持つガス流路の断面形状が例えば三角形であり,流路側壁とガス拡散層の各面自体の接触角が、流路側壁<ガス拡散層、となる関係をもつことで、液水がガス拡散層から離脱することを促すことが可能となる。
本発明の実施例によれば、ガス流路の断面積を上流部と下流部とで変化させることにより、表面張力の変化を引き起こすため、液水をガスの流通方向にそって移動することができる。
本発明の実施例によれば、酸化剤極(カソード)側のガス流路の断面積が、上流部から下流部へ流れるに従って拡大することにより、表面張力は下流部から上流部に向かって合力が発生するため、液水をガスの流通方向における上流部方向に移動することができる。
本発明の実施例によれば、ガス流路の上流部と下流部とで表面張力の変化を、断面形状の違いにより引き起こすため、液水のガス流通方向への移動を、簡便な製作だけで、引き起こすことができる。
本発明によれば、ガス流路の上流部では三角形断面とし、下流部では矩形断面とすることで、下流部から上流部へ移動させる表面張力の発生は、簡便な構造により引き起こすことができる。
上述した本発明の各実施例は、任意に組み合わせて用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形例が考えられる。例えば、図示の各実施例では、複数の微細な溝が形成されているが、これに限らず、各実施例では、ガス流路を構成する流路壁面には、一つ以上の微細な溝が形成されていれば良い。ガス流路の断面形状は、三角形や四角形に限らず、他の形状であっても良い。
本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例1の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例2の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例3の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例4の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例5の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例6の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例7の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例8の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例9の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例10の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例11の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例12の構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池発電セルの好ましい実施例13の構造を示す断面図である。 一般的な燃料電池スタックのセル構造の1つの要素を示す断面図である。
符号の説明
1A セパレータ板
1B セパレータ板
2 ガス拡散層(GDL:Gas diffusion layer)
3 固体電解質膜
4A ガス流路(チャンネル)
4B ガス流路(チャンネル)
4G 流路側壁(流路壁面)
4H 流路天井(流路壁面)
5 リブ
6 微細な溝
7 壁面が親水性で、頂点角の大きい角部に液水が付着した場合の曲率半径
8 壁面が親水性で、頂点角の小さい角部に液水が付着した場合の曲率半径
10 酸化剤極
11 燃料極
102 ガス拡散層
103 触媒層が表面に設置された固体電解質膜
104G 流路側壁
104H 流路天井
110 酸化剤極
111 燃料極

Claims (14)

  1. 電解質膜の両面に燃料極及び酸化剤極をそれぞれ配置してなり、上記燃料極側のガス流路に燃料ガスの供給を受け、上記酸化剤極側のガス流路に酸化剤ガスの供給を受けることで発電する燃料電池発電セルにおいて、
    上記ガス流路を構成する流路壁面が、親水性を備えており、上記流路壁面に微細な溝を一つ以上備えていることを特徴とする燃料電池発電セル。
  2. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して並行な方向に、一つ以上設置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電セル。
  3. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して垂直な方向に、一つ以上設置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電セル。
  4. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝が、上記ガスの流通方向に対して並行な方向、垂直な方向及びこれらの方向ベクトルを成分に持つ方向に、それぞれ一つ以上設置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電セル。
  5. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガス流路の部位により異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  6. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して連続的に変化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  7. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して垂直な方向に連続的に変化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  8. 上記流路壁面に設けられた上記微細な溝の断面面積と形状とが、上記ガスの流通方向に対して並行及び垂直な方向、又はそれらの方向を成分にもつ方向に連続的に変化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  9. 上記ガス流路の断面形状が、矩形断面であり、上記流路壁面の各面での接触角が、流路天井<流路側壁<ガス拡散層なる関係をもつことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  10. 上記ガス流路の断面形状が、三角形断面であり、上記流路壁面の各面での接触角が、流路側壁<ガス拡散層なる関係をもつことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  11. 上記ガス流路の断面面積が、上記ガス流路に沿って変化することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  12. 上記酸化剤極側の上記ガス流路の断面面積が、上記ガスの流通方向における上流部から下流部へ流れるに従い拡大することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  13. 上記ガス流路の断面形状における頂点角が、上記ガス流路に沿って変化することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
  14. 上記酸化剤極側の上記ガス流路の断面形状が、上記ガスの流通方向における上流部では三角形状に連続的に変化し、上記ガスの流通方向における下流部では矩形状に連続的に変化することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の燃料電池発電セル。
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