JP2007215989A - 人工股関節 - Google Patents

Abstract

【課題】人工股関節のボールをより良好な配置にする改善が施された構造を提供する。
【解決手段】部分球形内側軸受表面２に部分球形ボールヘッド３が取り付けられた部分球形カップ１からなる人工股関節であり、ボールヘッド３は、協働する略平坦な表面１４を備え、略平坦な表面１４は、ボール３の赤道の平面に平行で平坦なコーダル下部平面として形成されている。ボールヘッド３をステムのスピゴットに取付ける前に、平坦な表面１４は、ボール３がカップ２内の適所に配置されることを可能にし、カップ２内で、ボールヘッド３の平面はカップの口部８と向かい合い、次いで、ボールは直径赤道を越えて延在する拡張部分９および１０によってカップ１に保持される構成である。
【選択図】図４

Description

本発明は、部分球形（部分的に球形である）内側軸受表面を備えるカップと、前記内側軸受内で自由運動を可能にするために前記内側軸受表面と協働する直径を有するボールヘッドと、を備える人工股関節に関する。

人工股関節の前記ボールは、ソケット内に配置するための取付部品を、前記ボール内に取付けられるように設計されており、そのような取付部品は、例えば、大腿骨ステムであっても良い。この種のカップは既知であり、例えば合成プラスチック材料または金属から形成される単一要素で構成され、前記内側軸受表面はまた、インサートとして形成され、前記インサートは、更に合成プラスチック材料、金属、セラミックまたは金属セラミック複合材料製とすることも可能であり、かつ外側ハウジング内で支持され、前記ハウジングは、共に使用される臼蓋窩と係合しており、例えば接合剤または機械的手段、例えば鋲又はネジによって、適所で固定されている。

この種のカップに関する他の既知の構造において、前記内側軸受表面は、前記臼蓋窩に係合する外側の裏打ちとは異なる材料から形成された内側層又はインサートに取付けられることがある。二重可動カップは一般的に内側軸受表面を備え、前記内側軸受表面は、部分球形ボールヘッドが取付けられ、外側及び内側の軸受表面を有する部分球形要素に自由支持で取付けられ、前記外側軸受表面は、前記臼蓋窩に係合する外側ハウジングの前記内側軸受表面と係合している。この種のカップは、より良い角度運動の可動性及び抗脱臼特性をもたらす。

これらの全ての構造において、より特定には二重可動カップにおいて、ボールヘッドを前記内側軸受表面に対して保持する手段を備えることが有効である。これを実現するためには様々な方法があり、例えば、固い材料を備えることが存在し、前記内側軸受表面の内部にボールヘッドを保持することの様々な方法が存在する。変形材料は使用できず、１つのアレンジとしてリング又は円が使用されることがあるが、このことは、第３の部品を必要とし、摩耗のリスクを伴う。別のアレンジとしては、前記ヘッドに２つの平面を備え、カップ内に挿入する前にヘッドを９０度回転し、次いで再度ヘッドを９０度戻す構成とすることが可能である。この種の構造の不利な点は、特別なヘッドが必要であり、ヘッドの先端が切り取られた形状のため摩耗のリスクを伴うことにある。この種のシステムは、特許文献１に開示されている。

本願の出願人による特許文献２もまた、この種の構造を開示しており、特許文献２の中で、カップの内側軸受表面は、１８０度を越える角度に渡って延在し、入り口部に隣接する前記内側軸受表面の一部には略平坦な面が形成され、前記略平坦な面は、前記半球内側軸受表面の中心から所定の半径を有する、前記半球内側軸受表面は、残りの部分の半径よりも短く、前記半球内側軸受表面の中に、ボールヘッドが、その部分球形表面上で協働する略平坦な面を有し、前記部分球形表面上に、共に使用されるステムを取付け保持する手段が設けられており、前記ステムを先に取付けることは、ボールヘッドがカップ内に配置され、回転することを可能にするが、前記ボールヘッドは前記カップ内で保持されており、前記部分球形内側軸受表面及びヘッドの部分球形軸受表面の寸法および構成は、取付け時の前記ヘッドの挿入中には、前記ヘッドの平行移動を生じさせるように構成されている。

この種の構造は、前記ヘッドの各対向する側部に三日月形状の保持領域を備えているが、前記ボールを適所で保持することは、前記半球軸受表面の中心から所定の半径を有する略平坦な面に依存している。
仏国特許発明第２７８５５２５号明細書 欧州特許出願公開第５２５１９６５号明細書

本発明は、人工股関節のボールをより良好な配置にする改善が施された構造を提供することを目的とする。

本発明によると、人工股関節は、部分球形内側軸受表面、球形中心を有するカップおよびボールヘッドを備え、直径赤道の平面が前記球形中心を通って延在しており、前記ボールヘッドは、前記カップ内で自由運動を可能にし前記内側軸受表面と協働するための直径を有し、前記ボールヘッドの赤道の平面と平行で平坦なコーダル下部表面を有しており、前記コーダル下部表面内で、前記内側軸受表面は、２つ以上の等しく間隔を空けて配置された拡張部分を備え、前記２つ以上の拡張部分は、前記直径赤道を越えて前記カップの口部へ向けて延在しており、前記直径赤道の下側には２つ以上の緩和部分が備えられ、前記拡張部分同士の間で前記緩和部分の表面は曲率が大きくなっており、前記ボールヘッドの前記平面を前記内側軸受表面における拡張部分の一つの表面と交差する方向に動かして、前記ボールヘッドの平面を前記カップの口部と向かい合う位置へ前記ボールヘッドを回転することによって、前記緩和部分は、前記ボールヘッドを前記カップ内へ挿入可能となっており、前記ボールヘッドは、前記直径赤道を越えて延在する前記拡張部分によって前記カップに保持されている。

このようにして、この構造が、ボールヘッドを適所に保持するための２つ以上の領域を備えていることが認識される。

１つの好ましい構造において、人工股関節は、前記内側軸受表面は２つの拡張部分を備えており、前記２つの拡張部分同士の距離は、前記ボールヘッドにおける前記平面のコーダル長さの中心と前記平面から前記ボールヘッドの外側湾曲表面までの最大距離との間の距離よりわずかに大きくなっていると良い。

前記２つの拡張部分は、互いに対角線上に配置されることが可能であるか、または、互いに対して１７９度から９０度の間に傾斜することが可能である。

好ましくは、前記拡張部分同士の周囲角度は１２０度である。

本発明による別の構造において、前記内側軸受表面は３つの拡張部分を備えており、前記３つの拡張部分は前記カップの周囲で間隔をおいて配置されており、各拡張部分のコーダル長さの中心から他の拡張部分のいずれかのコーダル長さの中心までの距離は、前記ボールヘッドの前記平面のコーダル長さの中心と前記平面から前記ボールヘッドの外側湾曲表面までの最大距離との間の距離よりわずかに大きくなっている。３つの緩和部分が設けられ、各部分は、全体的な参照符号３２で表される。

３つの拡張部分は、等間隔で配置されていることが可能であるか、または、非対称であることが可能である。

好ましくは、前記３つの拡張部分同士の周囲角度は１２０度である。

前記内側軸受表面およびボールヘッドの寸法および構造は、前記ボールヘッドの挿入中に平行移動を生じさせるように構成され、前記拡張部分によって保持される位置に前記ボールヘッドを変位させる。

前記カップの前記口部の横軸は、挿入されているときに前記ボールヘッドの前記平面と略平行であり、前記カップの前記内側軸受表面の横軸からオフセットしている

好ましくは、前記オフセットが１０ｍｍ以下である。

前記カップの前記内側軸受表面が、内側軸受層に設けられることが可能であり、前記内側軸受層は、二重可動カップを取付けるために裏打ち内部の他の軸受層内を動くことが可能なインサートとして形成されることが可能である。

この種の構造において、前記他の軸受層の前記内側軸受表面は、２つ以上の等間隔に配置された拡張部分を備え、前記拡張部分は、前記他の軸受層の前記内側軸受表面の直径赤道を越えてその口部へ向けて延在し、２つ以上の緩和部分は前記直径赤道の上側にあり、前記拡張部分同士の間で前記緩和部分の表面は曲率が大きくなっており、前記内側軸受層の前記口部を前記軸受表面拡張部分の一つの表面と交差する方向に動かし、前記口部が前記他の軸受層の口部と向かい合う位置へ前記内側軸受層インサートを回転することによって、前記内側軸受層が前記他の軸受層内に挿入されることを可能にしており、前記内側軸受層インサートは、前記直径中心を越えて延在する前記拡張部分によって前記他の軸受層に保持されている。

従って、前述のように、内側軸受表面と前記他の軸受層との間の配置構成は、ボールヘッドとカップとの間の配置構成に類似している。

前記カップは、接合剤を用いて、または接合剤を用いずに臼蓋窩に取付ける構造とすることが可能である。

前記ボールヘッドの平坦な表面は、ステムまたは他の取付部品を取付けるためのソケットを備えていることが可能であり、そのような取付部品は、大腿骨ステムの形態であることが可能である。

また、本発明は取付部品も組み込む上述のような人工股関節も含む。

本発明の利点は、いくつかの標準サイズのボールヘッドを使用することが可能であり、カップ内に入ることが、軸受表面に対するボールヘッドの操作が正確であるように、拡張部分の寸法によって厳密に管理できることにある。

本発明は、様々な方法で実行することが可能であり、次に、いくつかの実施形態は、例として、且つ、添付の図面を参照して、説明することができる。

図１〜図４に示された構造について、本発明は、人工大腿関節に適用され、人工大腿関節は部分球形カップ１を備え、部分球形カップ１は、単一の材料、例えば合成プラスチック材料から形成されており、臼蓋窩の適所に構成されており、部分球形内側軸受表面２を備え、部分球形ボールヘッド３（図４参照）が取付けられており、部分球形ボールヘッド３は、大腿に位置するためにステム４（図２４参照）に取付けられることが可能である。ステム４は、テーパ状スピゴット５を支持する肩部を備え、テーパ状スピゴット５は、ボールヘッドのテーパ状ソケット６に配置され維持される構造となっている。この取付方法は既知であり、ステムおよびスピゴットの構造もそれ自体既知であるため、さらには説明しない。

図１〜図４から見られるように、内側軸受表面２は、１８０度を越える角度で周囲に延在している。部分球形内側軸受表面の球形中心は、参照番号Ｃによって示され、参照番号Ｃを通って、参照番号Ｅによって示される直径赤道の平面が延在している。

内側軸受表面２は、２つの直径方向に間隔をおいた拡張部分９および１０を備え、拡張部分９および１０はまた直径赤道Ｅの下方にあり、拡張部分９および１０の間で、参照符号１１および１２によって示されるように、各側部の軸受表面は曲率が大きくされている。緩和部分１１および１２の各々は、２つの部位から構成されている。一方の側部で緩和部分は２つの部分円筒形表面１１ａ，１１ｂによって構成され、他方の側部では部分円筒形表面１２ａ，１２ｂによって構成されている。図１において、表面１１ａおよび１２ａの各々の半径は、破線１３によって示され、半径の中心は、参照符号１４によって示されている。２つの部分円筒形部分１１ｂおよび１２ｂの各々の半径は、破線１５によって示され、中心は参照符号１６によって示され、中心１６から破線１５が延在している。

図１において、中心１４および１６は、球形中心Ｃから側方向に離れて変位していることが示されている。

半径１３および１５の長さはボールヘッドの直径よりもわずかに長く、図３に最良に示されるように、各表面は主軸４０と平行に延在している。これらの部分円筒形表面は、直径赤道Ｅからカップの口部８へ向けて外向きに延在することも示されている。表面１１ａ，１２ａおよび１１ｂ，１２ｂの各対は、最初にカップ内に挿入されるときに、ボールヘッド３の隣接する直径を受け入れるための役割をする。

ヘッドの挿入中、ヘッドをわずかに変位させるため、ヘッドの平行移動が若干行われる。各側部に三日月形状の配置領域があるためである。中心１４および１６の軸は、主軸４０から変位しており（図２に示されるように）、そのため、ボールが挿入されるときには、図４に示されるように、ボールの平坦な表面１４は拡張部分９または１０の一方に密接に隣接し、適切な部分円筒形表面１１ａ，１２ａまたは１１ｂ，１２ｂは、ボールがカップ内に進むことを可能にしている。ボールヘッドが直径赤道Ｅを越えて進むため、その部分球形表面３はカップの部分球形表面２に係合し、図１で見た場合、カップは右側または左側のいずれかへ動かされる、主軸４０と同一線上にボールヘッド３の平行移動させるためである。

この平行移動は、右側または左側のいずれかで引き起こされ、図４に示されるものでは、右側へ動いている。

図７〜図１２は、ボールヘッド挿入中の一連の動作を示している。

図７に示されるように、ボールヘッド３は、エントリー位置にあり、半径中心１４および１６の間のオフセットのため若干右側へ変位される。図９に示されるように、ボールは、どちらの側に入るかによって、対応する表面１１ａ−１２ａまたは対応する表面１１ｂ−１２ｂの間を通過することが可能となる。

ボールがその座位置に到達し、平らな表面１４が直径赤道Ｅと平行になるように回転したとき、図１１および図１２に示されるように、ボールは完全に着座している。図１１には、拡張部分９および１０が、カップの口部を挟んで間隔をおいて配置された２つの点で、どのようにボールヘッドを適所で保持するかが示されている。

ステム４がテーパ状ソケット６の適所に挿入されるときには、自由可動のボールヘッドを取り外すことが防止される。

主軸４０と軸１４または１６との間のオフセットは、１０ｍｍまでであっても良く、好ましくは約２ｍｍまたは３ｍｍであると良い。

図４に示されるように、ボールヘッド３は、協働する略平坦な表面１４を備え、略平坦な表面１４は、ボールの赤道の平面に平行で平坦なコーダル下部平面として形成されている。ボールヘッドをステム４のスピゴット５に取付ける前に、平坦な表面１４は、ボールがカップ内の適所に配置されることを可能にし、カップ内で、ボールヘッドの平面はカップの口部８と向かい合って、次いで、ボールは直径赤道Ｅを越えて延在する拡張部分９および１０によってカップに保持される。ボールヘッドがカップ内に入る方向は、矢印によって示される。

スピゴット５は、手術処置中のあらゆる時にボールヘッド３内でロックされることが可能であり、例えば、臼蓋窩内に組立てられる前、臼蓋窩内に組立て中に、または、カップが接合剤で固められるかまたは他のいずれの手段によって適所に保持された後に、ボールはカップ内でロックされることが可能である。

図５は、裏打ちにライナーを用いるカップに、本発明をどのように適用することができるかを示しており、他の図面に使用されるものと類似の部品を示すために同一の参照符号が使用されている。この構造において、カップ２０は外側裏打ち２１を備え、外側裏打ち２１は、金属または合成プラスチック材料または他のいずれの適切な材料から形成され、ライナー２２を備えており、ライナー２２も、同様のいずれの適切な材料、例えば合成プラスチック材料、金属、セラミックまたは金属セラミック複合材料から形成されている。ライナーの構造は、図１，図２および図３に示されたカップの構造に類似し、本発明は同一の方法で取付けられる。

図６は、本発明をどのように二重可動カップに適用することが可能かを示している。これまでと同様に、先の構造と類似の部品を示すために同一の参照符号が使用されるが、この構造では、カップは、外側軸受表面２６を有する裏打ち２５を備え、裏打ち２５の中に軸受インサート２８が保持され、本構造は、図５に示されたものと類似している。裏打ち２５の外側は、外側シェル２３内に配置され、外側シェル２３の中で動くことが可能である。この種の二重可動カップは、より大きな範囲の運動を関節にもたらす。

図５および６の両方に示された構造において、ボールヘッドが入る方法は、図１〜図４に示された先行する構造に関して記載されたものと類似している。

図１３は、カップの代替の構造の平面図であり、３つの拡張部分が設けられる。この構造において、カップ３０は内側軸受表面２を備えており、３つの拡張部分３１が、設けられ、カップのまわりに等しく間隔をおいて配置されている。各拡張部分３１のコーダル長さの中心から他の２つの拡張部分いずれかのコーダル長さの中心の中心までの距離は、ボールヘッドの平面１４のコーダル長さの中心と前記平面からボールヘッド自体の湾曲した外側表面までの最大距離との間の距離よりもわずかに大きくなっている。３つの緩和部分が設けられ、各部分は、全体で参照符号３２によって示されている。各緩和部分は、２つの部分円筒形表面３２ａおよび３２ｂを備えている。部分円筒形表面３２ａおよび３２ｂの各々は、部分的に円筒形となっており、円筒形の半径は、図１８に最も明確に示されている。各緩和部分３２は、２つの湾曲した部分円筒形表面３２ａ，３２ｂを備えている。図１９に示されるように、円筒形の半径中心は、中心Ｃからオフセットしており、半径１０ｍｍまでで、好ましくは約２または３ｍｍで、円周まわりに等間隔で配置されている。

これらの半径の中心はオフセットしているため、内腔へ入るときに、中心のオフセットに依存して３方向のいずれかへ平行移動する。この構造の利点は、追加の接触表面がもたらされ、図１〜図４に示された構造に対してボールを適所に保持することにある。

図１７は、軸受拡張部分３１の１つの面と交差する方向にボールの平面１２を動かし、次いで、ボール上の平面１２がカップの口部に向き合う位置へボールヘッドを回転することによって、ボールをどのようにカップ内に挿入することができるかを示している。これまでと同様に、ボールヘッドは内側軸受表面の前記直径赤道を越えて延在する拡張部分３１によって保持される。

図１９、２０および２１は、ボールヘッド３がどのようにカップに配置されるかを示している。図１９は、エントリー位置にあるボールヘッド３を示し、ボールヘッド上の平面１４は、拡張部分３１の面と交差する方向に進む。ボールヘッドの形状は、緩和部分３２ｂおよび３２ａに適用して形成されている。図２０に示されるように、ボールヘッド３は、左側へ平行移動してカップ内でさらに動くことが可能であり、中心位置に配置される。図２１は、平面１４がカップの口部の方向に向けられ、ステム４を取付ける準備がされるように回転されたときのボールヘッドを示している。

平行移動は、同様に３方向のいずれかの向きに配置されることが可能であり、オフセットの３つの中心、すなわち、適切に曲率を大きくした部分の各々の１つが、図１８では、参照符号３５，３６および３７によって示されている。中心軸は、文字Ｃによって示されている。

図２２〜図２５は、本発明による二重可動カップの構造を示している。この構造において、外側シェル５５が設けられ、外側シェル５５内に自由可動内側軸受ライナー５６が配置されている。ボールヘッドは、前記に記載された構造に類似した方法で保持されるが、この構造では、内側軸受部材５６はまた、外側軸受表面５７も備え、外側軸受表面５７は外側シェル５５の内側軸受表面５８に係合する。外側シェル５５の内側軸受表面には、２つ以上の等しく間隔をおいた拡張部分を設けることが可能であり、２つ以上の拡張部分は、直径赤道を越えて外側シェル５５の口部および図２３では参照符号５９によって示される２つ以上の緩和部分へ向けて延在している。２つの拡張部分を使用する構造は、図２１〜図２５に示されている。これらの緩和部分の表面は、参照符号６０によって示される軸受表面拡張部分の１つの面と交差する方向に内側軸受層５６の口部を動かし、次いで、内側軸受層５６の口部がハウジング５５の口部に面する位置へ回転することによって、内側軸受層５６が外側ハウジング５５内に挿入されることを可能にし、内側軸受層５６は、次いで、直径赤道を越えて延在する拡張部分６０によって軸受層によって保持されている。

よって、前述した構造はボールヘッドおよび内側軸受層の接続に関連して他の図面に記載されたものと類似している。

図２３は、構造物がどのように最終的に組立てられ、かつステム４が適所に配置されているかを示しており、図２４は、組立てられた部品を端部断面図として示している。

図２６，図２７および図２８は、本発明による別の構造を示しており、カップ６４は２つの間隔をおいて配置された拡張部分を備えているが、２つの拡張部分は互いに対角線上にはない。この構造は、図１３〜図２１に示された３拡張部分構造と類似しており、３つの拡張部分から１つを引いたものである。従って、図１３〜図２１に示されたものと類似の部品を示すために、同一の参照符号が使用される。この構造の２つの拡張部分３１は、１２０度の周囲角度だけ間隔をおいて配置されているが、この構造では、図面の左手側で緩和部分３２のみが２つの湾曲した部分円筒形表面３２ａ，３２ｂを備えている。参照符号６５で示されて残りの緩和部分は、中心３５を基に形成された単一緩和部分５５ａと、カップの他の側部で中心３７を基に形成された単一緩和部分６６と、から構成されている。

したがって、緩和部分は前記の実施形態に適用されたものと類似している。

拡張部分３１同士の間の周囲角度は、利便性の良いいずれの適切な角度に設定することが可能である。

図２６，図２７および図２８に示された種類の構造は、図２２〜図２５に示された構造に適用されることが可能である。

本発明の実施形態を表し、２つの拡張部分を有している部分球形臼蓋窩カップを下方から見た概略平面図である。 図１の断面ＩＩ−ＩＩの側立断面図である。 図１の断面ＩＩＩ−ＩＩＩの側立断面図である。 取付けられていない状態のボールヘッドが図１〜図３に示されたカップ内にどのように挿入されるかを示す概略分解斜視図である。 本発明による、図１〜図４に示されたものに類似する裏打ちが設けられたカップの概略断面図である。 図５に示されたものに類似し、二重可動カップとして構成されたカップの概略断面図である。 図１〜図４に示されたように、エントリー位置にあるボールヘッドを備えたカップを示す平面図である。 エントリー位置にあるボールヘッドを示す図７の断面ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩの概略断面図である。 エントリー位置にあるボールヘッドを示す図７の断面ＩＸ−ＩＸの概略断面図である。 所定の配置位置にあるボールヘッドを示す平面図である。 所定の配置位置にあるボールヘッドを示す断面ＸＩ−ＸＩの概略断面図である。 所定の配置位置にあるボールヘッドを示す断面ＸＩＩ−ＸＩＩの概略断面図である。 本発明にしたがって、３つの等しく間隔をおいた拡張部分を有するカップの代替構造の下からの平面図である。 図１３に示されたカップの断面ＸＩＶ−ＸＩＶの概略断面図である。 図１３に示されたカップの断面ＸＶ−ＸＶの概略側立断面図である。 図１３、図１４および図１５に示されたカップの一方の側からの概略斜視図である。 ボールがどのように図１３〜図１６に示されたカップ内に挿入されるかを示す概略分解斜視図である。 図１３に類似する下からの平面図であり、軸受表面の緩和部分の構造を示している。 図１８に類似する平面図であり、エントリー位置にあるボールヘッドを示す。 図１９に類似する平面図であり、挿入位置にあるボールを示している。 エントリー位置および操作位置への回転後のボールヘッドを示す平面図である。 本発明を組み込む二重可動方式の人工関節について、一方の側から見た概略断面図である。 図２２に示されたカップの概略断面図である。 図２２に示されたカップを示す概略断面図であり、所定の配置位置にあるボールヘッドおよび内側ライナーおよび適所にある取付ステムを備えているものである。 図２２に示された関節の概略端断面図である。 互いに対して傾斜している２つの拡張部分を備えている、本発明によるカップの別の代替構造を示した平面図である。 図２６に示されたカップの断面ＸＸＶＩＩ−ＸＸＶＩＩの概略断面図である。 図２６に示されたカップの断面ＸＸＶＩＩＩ−ＸＸＶＩＩＩの側立面断面図である。

符号の説明

１ 部分球形カップ
２ 部分球形内側軸受表面
３ 部分球形ボールヘッド、部分球形表面
４ ステム
５ テーパ状スピゴット
６ テーパ状ソケット
８ 口部
９ 拡張部分
１０ 拡張部分
１１ 緩和部分
１１ａ 部分円筒形表面
１１ｂ 部分円筒形表面
１２ 緩和部分、平面
１２ａ 部分円筒形表面
１２ｂ 部分円筒形表面
１３ 破線
１４ 半径の中心、平らな表面、平面
１５ 破線
１６ 中心
２０ カップ
２１ 外側裏打ち
２２ ライナー
２３ 外側シェル
２５ 裏打ち
２６ 外側軸受表面
２８ 軸受インサート
３０ カップ
３１ ３つの拡張部分
３２ 緩和部分
３２ａ 湾曲した部分円筒形表面
３２ｂ 湾曲した部分円筒形表面
３５ オフセットの中心
３６ オフセットの中心
３７ オフセットの中心
４０ 主軸
５５ 外側シェル、外側ハウジング
５５ａ 単一緩和部分
５６ 自由可動内側軸受ライナー
５７ 外側軸受表面
５８ 内側軸受表面
６０ 軸受表面拡張部分、拡張部分
６４ カップ
６５ 残りの緩和部分
６６ 単一緩和部分
Ｃ 部分球形内側軸受表面の球形中心、中心軸
Ｅ 直径赤道

Claims (19)

1. 部分球形内側軸受表面、球形中心を有するカップおよびボールヘッドを備え、直径赤道の平面が前記球形中心を通って延在 しており、前記ボールヘッドは、前記カップ内で自由運動を可能にし前記内側軸受表面と協働するための直径を有し、前記ボールヘッドの赤道の平面と平行で平坦なコーダル下部表面を有しており、前記コーダル下部表面内で、前記内側軸受表面は、２つ以上の等しく間隔を空けて配置された拡張部分を備え、前記２つ以上の拡張部分は、前記直径赤道を越えて前記カップの口部へ向けて延在しており、前記直径赤道の下側には２つ以上の緩和部分が備えられ、前記拡張部分同士の間で前記緩和部分の表面は曲率が大きくなっており、前記ボールヘッドの前記平面を前記内側軸受表面における拡張部分の一つの表面と交差する方向に動かして、前記ボールヘッドの平面を前記カップの口部と向かい合う位置へ前記ボールヘッドを回転することによって、前記緩和部分は、前記ボールヘッドを前記カップ内へ挿入可能となっており、前記ボールヘッドは、前記直径赤道を越えて延在する前記拡張部分によって前記カップに保持されている人工股関節。
2. 前記内側軸受表面は２つの拡張部分を備えており、前記２つの拡張部分同士の距離は、前記ボールヘッドにおける前記平面のコーダル長さの中心と前記平面から前記ボールヘッドの外側湾曲表面までの最大距離との間の距離よりわずかに大きくなっている請求項１に記載の人工股関節。
3. 前記２つの拡張部分は、互いに対角線上に配置されている請求項２に記載の人工股関節。
4. 前記２つの拡張部分は、互いに対して１７９度から９０度の間で傾斜している請求項２に記載の人工股関節。
5. 前記２つの拡張部分同士の周囲角度は１２０度である請求項４に記載の人工股関節。
6. 前記内側軸受表面は３つの拡張部分を備えており、前記３つの拡張部分は前記カップの周囲で間隔をおいて配置されており、各拡張部分のコーダル長さの中心から他の拡張部分のいずれかのコーダル長さの中心までの距離は、前記ボールヘッドの前記平面のコーダル長さの中心と前記平面から前記ボールヘッドの外側湾曲表面までの最大距離との間の距離よりわずかに大きくなっている請求項１に記載の人工股関節。
7. 前記３つの拡張部分は、等間隔で配置されている請求項６に記載の人工股関節。
8. 前記３つの拡張部分は、非対称に形成されている請求項６に記載の人工股関節。
9. 前記３つの拡張部分同士の周囲角度は１２０度である請求項７に記載の人工股関節。
10. 前記内側軸受表面およびボールヘッドの寸法および構造は、前記ボールヘッドの挿入中に平行移動を生じさせるように構成され、前記拡張部分によって保持される位置に前記ボールヘッドを変位させる請求項１〜９のいずれか一項に記載の人工股関節。
11. 前記カップの前記口部の横軸は、挿入されているときに前記ボールヘッドの前記平面と略平行であり、前記カップの前記内側軸受表面の横軸からオフセットしている請求項１０に記載の人工股関節。
12. 前記オフセットが１０ｍｍ以下である請求項５に記載の人工股関節。
13. 前記カップの前記内側軸受表面が、内側軸受層に設けられている請求項１〜１２のいずれか1項に記載の人工股関節。
14. 前記内側軸受層は、二重可動カップを取付けるために裏打ち内部の他の軸受層内を動くことが可能なインサートとして形成されている請求項１３に記載の人工股関節。
15. 前記他の軸受層の前記内側軸受表面は、２つ以上の等間隔に配置された拡張部分を備え、前記拡張部分は、前記他の軸受層の前記内側軸受表面の直径赤道を越えてその口部へ向けて延在し、２つ以上の緩和部分は前記直径赤道の上側にあり、前記拡張部分同士の間で前記緩和部分の表面は曲率が大きくなっており、前記内側軸受層の前記口部を前記軸受表面拡張部分の一つの表面と交差する方向に動かし、前記口部が前記他の軸受層の口部と向かい合う位置へ前記内側軸受層インサートを回転することによって、前記内側軸受層が前記他の軸受層内に挿入されることを可能にしており、前記内側軸受層インサートは、前記直径中心を越えて延在する前記拡張部分によって前記他の軸受層に保持されている請求項１４に記載の人工股関節。
16. 前記カップは、接合剤を用いて臼蓋窩に取付ける構造となっている請求項１〜９のいずれか１項に記載の人工股関節。
17. 前記カップは、接合剤を用いずに臼蓋窩に取付ける構造となっている請求項１〜１５のいずれか1項に記載の人工股関節。
18. 前記ボールヘッドの平坦な表面は、ステムまたは他の取付部品を取付けるためのソケットを備えている請求項１〜１７のいずれか1項に記載の人工股関節。
19. 前記ソケットに配置するかまたは配置するためのステムまたは他の取付部品を組み込んでいる請求項１８に記載の人工股関節。

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