JP2007215730A - 超音波探触子とこれを用いた超音波診断装置および超音波探傷装置ならびに超音波探触子の製造方法 - Google Patents

超音波探触子とこれを用いた超音波診断装置および超音波探傷装置ならびに超音波探触子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電体層の一部に分極が不完全な部分ができてしまうことを抑え、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子およびその超音波探触子を用いた超音波診断装置および超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】圧電体層2と電極層3が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層4が形成された圧電振動子1を有し、前記側面電極層4は、前記側面電極層4と電気的に接続されない前記電極層3に位置する幅が、前記側面電極層4と電気的に接続される前記電極層3に位置する幅よりも狭くなっている構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、診断、治療などの医療分野や、非破壊検査などの産業用分野で利用される超音波探触子と、超音波探触子を用いた超音波診断装置及び超音波探傷装置に関する。
近年、圧電振動子を二次元配列した2次元アレイ超音波探触子を用いて、走査方向に加えてスライス方向にもダイナミックフォーカスなどの手法を用いて超音波画像の画質を向上させたり、あるいは電子的な制御によって超音波ビームを3次元に走査し三次元超音波画像を作成する装置が開発されてきている。
このような2次元アレイ超音波探触子では、圧電振動子の大きさが非常に小さくなる。このため、各圧電振動子の電気インピーダンスが極めて高くなり、各圧電振動子とケーブルあるいは装置本体との間で、電気的なインピーダンス整合がとれなくなり、感度低下の原因となってしまう。
そこで、各圧電振動子を積層型にするという技術が提案されている。図6に従来提案されている積層型の圧電振動子の概略図を示す。圧電振動子61は、複数の圧電体層62および複数の電極層63を所定順序で積層して構成される。具体的には、圧電振動子61の上下面と、隣接する二つの圧電体層62の間に2層の計4層の電極層63が設けられる。
複数の電極層63は、一つおきにシグナル電極とグランド電極になる。シグナル電極を第一側面に形成した側面電極層64に接続し、グランド電極を第二側面(第一側面と反対側の側面)に形成した側面電極層64に接続させる。この際、シグナル電極を接続した側面電極層64にグランド電極が接続しないように、あるいはグランド電極を接続した側面電極層64にシグナル電極が接続しないように、接続させたくない電極層63の端面部分と側面電極層64の間に絶縁層65を形成している。
2つの側面電極層64によって共通接続された、シグナル電極に相当する電極層63とグランド電極に相当する電極層63に電圧信号が印加される。この構成の場合、圧電体層62の層数をN層とすれば、積層しない場合と比べて、圧電振動子61の電気的なインピーダンスを1/N2に下げることができる。
上述した従来の積層型の圧電振動子61は、電極層63の端面が圧電振動子61側面に露出しているために絶縁層65を介した構成をとっているが、グランド電極である電極層63とシグナル電極である側面電極層64、あるいはシグナル電極である電極層63とグランド電極である側面電極層64が近接しており、対向している電極層3間の距離、つまり圧電体層62の厚みよりも距離が近くなってしまう。
この圧電振動子61に対して分極処理を施した場合、本来であれば積層されているシグナル電極とグランド電極の電極層63の間にのみ電界がかかってほしいが、それより距離が近いグランド電極である電極層63とシグナル電極である側面電極層64、あるいはシグナル電極である電極層63とグランド電極である側面電極層64との間に電界がかかってしまい、圧電体層62内の電界の乱れが発生した(特許文献1参照)。
特開平11−299779号公報
しかしながら、前記従来の構成では、圧電体層の一部に分極が不完全な部分ができてしまうために、圧電特性が劣化してしまい、圧電振動子の感度低下を招いてしまうという課題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、圧電体層の一部に分極が不完全な部分ができてしまうことを抑え、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子およびその超音波探触子を用いた超音波診断装置および超音波探傷装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層と電気的に接続されない前記電極層に位置する幅が、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅よりも狭くなっている構成を有している。
この構成により、分極処理時に側面電極層と電極層との間で発生する不要な電界が抑制され、各圧電体層において良好な分極状態を得ることができ、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層に電気的に接続される2つの前記電極層の間では前記圧電振動子側面の端部に配置されている構成を有している。
この構成により、分極処理時に側面電極層と電極層との間で発生する不要な電界が圧電振動子の側面端部近傍のみに限定され、圧電振動子中央付近の不要電界の発生が抑制され、より良好な分極状態を作り出すことができ、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
さらに、本発明の超音波探触子は、前記側面電極層の、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅は、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層の幅と概等しい構成を有している。
この構成により、側面電極層と電気的に接続するべき電極層とは電気的に確実に接続することができると同時に、分極処理時に側面電極層と電極層との間で発生する不要な電界が抑制され、各圧電体層において良好な分極状態を得ることができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波診断装置は、上述した本発明の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波診断装置本体とを含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る超音波探触子の長所を活かし、精度の高い超音波診断を行うことができる。
さらに、本発明の超音波探傷装置は、上述した本発明の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波探傷装置本体とを含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る超音波探触子の長所を活かし、精度の高い非破壊検査を行うことができる。
また、本発明の超音波探触子の製造方法は、圧電振動子を有し、前記圧電振動子の製造方法は、電極層と圧電体層を交互に積層して積層体を形成する工程と、側面電極層と電気的に接続しない前記電極層との間に絶縁層を形成する工程と、電気的に接続する前記電極層が電気的に接続するように前記側面電極層を形成する工程とを含み、前記絶縁層は真空薄膜形成法によって形成される手段とを有することを特徴とする。
これにより、絶縁層の厚み精度が向上し圧電振動子の配列ばらつきが抑えられ、絶縁層全体にわたって均一な絶縁特性を確保することができ、各圧電体層において良好な分極状態を売ることができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
さらに、本発明の超音波探触子の製造方法は、圧電振動子を有し、前記圧電振動子の製造方法は、電極層と圧電体層を交互に積層して積層体を形成する工程と、側面電極層と電気的に接続しない前記電極層との間に絶縁層を形成する工程と、電気的に接続する前記電極層が電気的に接続するように前記側面電極層を形成する工程とを含み、前記側面電極層は真空薄膜形成法によって形成される手段とを有することを特徴とする。
これにより、側面電極層の厚み精度が向上し圧電振動子の配列ばらつきが抑えられ、側面電極層全体にわたって均一な導電性を確保できるため、感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明の超音波探触子は、絶縁層を形成する工程内にレーザで絶縁層を除去する工程を含むことを特徴とする。
これにより、側面電極層と、前記側面電極層と接続しない電極層との絶縁を確保することができ、各圧電体層において良好な分極状態を売ることができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
本発明に係る超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層と電気的に接続されない前記電極層に位置する幅が、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅よりも狭くなっていることにより、分極処理時に側面電極層と電極層との間で発生する不要な電界が抑制され、各圧電体層において良好な分極状態を得ることができ、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができる。
また、本発明に係る超音波診断装置は、上述した超音波探触子を使用しているため、より正確な診断をすることが可能となる。
さらに、本発明に係る超音波探傷装置は、上述した超音波探触子を使用しているため、より正確な非破壊検査をすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る超音波探触子について、図面を用いて説明する。
<第一の実施の形態>
本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子の概略図を図1に示す。
図1に示した圧電振動子1が2次元に複数配列して超音波探触子を構成する。その音響放射面側に超音波を効率よく送受信するための音響整合層や超音波を収束させるための音響レンズなどが配置されても良い。また、音響放射面の反対側には、不要な超音波を吸収減衰させるための背面負荷材が配置されても良い。
図1において、圧電体層2は、PZTなどの圧電セラミクス材料からなり、電気入力を変換して超音波を発生する、あるいは受波した超音波信号を電気信号に変換して受信するためのものであり、図1では3層の圧電体層2を有している。
電極層3は、たとえば白金などの導電性材料からなり、圧電体層2に対して電気的な入出力をするためのものであり、図1では、圧電振動子1の上面と下面、内部に2層の計4層の電極層3が存在する。側面電極層4は、圧電振動子1の対向する2つの側面上に、例えば金スパッタや焼付け銀などの導電性材料によって形成されており、1つおきの電極層3と電気的に接続され、シグナル電極あるいはグランド電極として共通接続させるものである。
絶縁層5は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂、SiO2膜などの絶縁材料からなり、側面電極層4と電気的に接続しない電極層3との絶縁を得るために、電気的に接続しない電極層3の側面に露出している部分を覆うように施されたものである。
図1の側面電極層4は、電気的に接続するべき電極層3と接続する位置では、電極層3の露出している部分全体と電気的に接続できるように圧電振動子1側面の幅全体を占める割合で形成され、電気的に接続しない電極層3の位置では、その幅が狭くなるように構成している。この構成にすることで、電気的に接続するべき電極層3とは電気的に確実に接続することができると同時に、電気的に接続しない電極層3と側面電極層4との重なり部分およびその近傍の側面電極層4の割合を減らすことで、分極処理時に側面電極層4と電極層3との間で発生する不要な電界を抑制することができ、各圧電体層2において良好な分極状態を得ることができる。
図2に本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子の作成手順を示す概略図を示す。図2では、側面電極層4を形成する一側面側から見た図になっている。
まず、(a)に示すように、例えばPZTのような圧電セラミクス材料のグリーンシートを圧電体層2として用い、例えば銀パラジウムや白金などのペーストを電極層3として用いて、それらを交互に積層、一体焼結させることで、積層体6を形成する。なお、一体焼結する段階では上面と下面の電極層3はない状態で焼結して、焼結後に例えば焼付け銀や金スパッタなどを用いて上面と下面の電極層3を形成してもよい。
次に(b)に示すように、例えばポリイミド樹脂などの絶縁材料を、電気的に接続しない電極層3の側面に露出している部分にのみ選択的に配置できるように作成したメタルマスクを用いて印刷塗布し、乾燥および加熱硬化させて、絶縁層5を形成する。
なお、絶縁層5を形成する方法としては、上記印刷塗布する方法のほかに、真空蒸着法、スパッタ法やイオンプレーティング法などの真空薄膜作成法も可能であり、絶縁層5の厚み寸法精度を上げて絶縁層5全体にわたって均一な絶縁特性を確保するためには後者の方法が良い。
作成した圧電振動子を複数配列して超音波探触子を形成する際にも、絶縁層5の厚み精度が高ければ配列間隔のばらつきを抑制する効果もある。また、予めマスクを用いて絶縁層5を選択的に形成するのではなく、絶縁層5形成後にレーザなどを用いて不要な絶縁層5を除去する方法もあり、マスク配置が困難な微小な積層体6に対しては、絶縁層5の形状精度や位置精度を確保するためには後者の方法が好ましい。
つづいて(c)に示すように、例えば銀ペーストなどの導電性材料を用いて、所望の電極形状となるように作成したメタルマスクを用いて前記導電性材料を印刷塗布後、乾燥焼成して側面電極層4を形成する。
この場合においても、(b)の絶縁層5形成時と同様に、例えばクロム、チタン、ニッケル、銀、金などの金属材料を蒸着やスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空薄膜作成法にて側面電極層4を形成することが可能である。作成した圧電振動子1を複数配列することで超音波探触子を形成するが、絶縁層5や側面電極層4の厚みのばらつきが大きいと配列したときの間隔がばらつくことも考えられるので、なるべく厚みのばらつきを抑えたほうが良く、真空薄膜作成法による絶縁層5および側面電極層4の形成は厚みのばらつきを抑えるのに有利である。
また、側面電極層4の厚み精度が向上することで均一かつ安定した導電性が得られ、分極時に電極層3間に安定した電界を発生させることができ良好な分極状態を得ることができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子1を有する超音波探触子を提供することができる。
上述した作成手順を図2で示した側面と対向する側面においても実施する。その際、絶縁層5を形成する位置は、図2の上から3層目の電極層3の端面上であり、側面電極層4によって電気的に接続される電極層3は、図2の上から2層目と4層目(下面)の電極層3である。これによって、側面電極層4によって電気的に接続された電極層3は2系統に分かれ、それぞれシグナル電極およびグランド電極に対応する。このシグナル電極とグランド電極間に直流電圧を印加して各圧電体層2の分極処理を行い、圧電振動子1を作成することができる。
なお、図2では、ひとつの圧電振動子1を作成する工程について説明したが、一度に複数個の積層体6を並べた状態に対して、絶縁層5、側面電極層4を形成して複数個の圧電振動子1を同時に作成しても良いし、横に長い積層体6をひとつ形成して、絶縁層5、側面電極層4を形成したのちに、ひとつの圧電振動子1サイズに切り出して作成することも可能である。この場合は、切り出したときに所望の形状になるように側面電極層4を形成しておく必要がある。
以上のように本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子によれば、超音波探触子を構成する圧電振動子1の側面電極層4が、電気的に接続するべき電極層3と接続する位置では、電極層3の露出している部分全体と電気的に接続できるように電極層3の幅全体を占める幅で形成され、電気的に接続しない電極層3の位置では、その幅が狭くなるように構成することで、電気的に接続するべき電極層3とは電気的に確実に接続することができる。
さらに、電気的に接続しない電極層3と側面電極層4との重なり部分およびその近傍の側面電極層4の割合を減らすことで、分極処理時に側面電極層4と電極層3との間で発生する不要な電界を抑制することができ、各圧電体層2において良好な分極状態を得ることができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子1を有する超音波探触子を提供することができる。
続いて、本発明の第一の実施の形態に係る別の超音波探触子を構成する圧電振動子の概略図を図3に示す。図1との違いは、側面電極層4の形状である。図3の側面電極層4は、電気的に接続するべき電極層3と接続する位置では、電極層3の露出している部分全体と電気的に接続できるように電極層3の幅全体を占める割合で形成されていることは図1と同様であるが、それ以外の側面電極層4は圧電振動子1側面の両端部にのみ形成されている。
この構成によって、電気的に接続するべき電極層3とは電気的に確実に接続することができると同時に、電気的に接続しない電極層3と側面電極層4との重なり部分およびその近傍の側面電極層4の割合を減らすことで、分極処理時に側面電極層4と電極層3との間で発生する不要な電界を抑制することができ、各圧電体層2において良好な分極状態を得ることができる。
特に、電気的に接続するべき電極層3に位置する側面電極層4を除いた側面電極層4を側面端部のみに形成したことで、電気的に接続しない電極層3と側面電極層4との間の不要な電界の発生が圧電振動子1の側面端部近傍のみに限定され、圧電振動子1中央付近の不要電界の発生が抑制され、より良好な分極状態を作り出すことができる。
図3の圧電振動子1の作成方法については、図2と同様であり、図2(c)で説明した側面電極層4の形状を図3の側面電極層4の形状になるようにすれば良い。
以上のように本発明の第一の実施の形態に係る別の超音波探触子によれば、超音波探触子を構成する圧電振動子1の側面電極層4が、電気的に接続するべき電極層3と接続する位置では、電極層3の露出している部分全体と電気的に接続できるように電極層3の幅全体を占める割合で形成され、それ以外の側面電極層4は圧電振動子1側面の端部にのみ形成されることによって、電気的に接続するべき電極層3とは電気的に確実に接続することができる。
さらに、電気的に接続するべき電極層3に位置する側面電極層4を除いた側面電極層4を側面端部のみに形成したことで、電気的に接続しない電極層3と側面電極層4との間の不要な電界の発生が圧電振動子1の側面端部近傍のみに限定され、圧電振動子1中央付近の不要電界の発生が抑制され、より良好な分極状態を作り出すことができるため、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子1を有する超音波探触子を提供することができる。
なお、図1で示した側面電極層4の形状は、接続するべき電極層3の位置から、接続しない電極層3の位置まで、電極層3の幅が連続的に狭くなっていくような場合について説明し、図3では、側面両端部分のみが接続されている場合について説明したが、これら形状にとらわれることなく、接続するべき電極層3と側面電極層4との重なりを最大限に確保し、接続しない電極層3と側面電極層4との重なり位置およびその近傍における側面電極層4の占める割合が少なくなるような電極形状であれば、どのような形状であっても本発明を逸脱するものではない。
また、図1及び図3では圧電体層2が3層の場合について説明したが、圧電体層2の層数は2層以上であれば何層であっても構わない。
さらに、図1および図3で示した圧電振動子1は、電極層3の端面が圧電振動子1側面に露出している場合について説明したが、側面電極層4と接続する必要のない端面は側面に露出していなくても良く、その場合はさらに不要な電界の発生が抑制されるために好ましい。
また、図3では、圧電振動子1側面の両端部に側面電極層4を配置する場合について説明したが、両端ではなく片端だけでも良い。両端の場合、両端近傍において不要な電界の発生はあるが、両端で接続しているのでたとえ片端が断裂したとしても導通確保は可能であり、確実性が高い。片端の場合、分極時の不要な電界の発生はさらに抑えられるが、両端時よりも側面電極層4内での導通確保の確実性劣化、電気抵抗の増加等も考えられるので、側面電極層4の幅を両端時よりも広げるなどすると良い。
<第二の実施の形態>
次に、本発明に係る超音波診断装置の一例を示す概略図を図5に示す。
図4に示す超音波診断装置は、超音波診断装置本体7と、これと電気的に接続された超音波探触子8とを備えており、超音波探触子8は、第1の実施の形態に係る超音波探触子の構成を備えている。
上述した構成の超音波診断装置の動作について説明する。まず、操作者が、超音波探触子8の超音波送受信面を被検者9の体表面に当てる。この状態で、超音波診断装置本体7から超音波探触子8に電気信号(駆動信号)が送信される。駆動信号は、超音波探触子8内の圧電振動子において超音波に変換されて、被検者9に送波される。この超音波は被検者9の体内で反射され、反射波の一部が超音波探触子8内の圧電振動子で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波診断装置本体7に入力される。入力された受信信号は、超音波診断装置本体7にて信号処理され、例えば断層画像としてCRTなどの表示装置に出力される。
上述した超音波診断装置において、超音波探触子8としては、第1の実施の形態で説明したような本発明の超音波探触子が使用される。このような超音波診断装置によれば、第1の実施の形態で示した超音波探触子の長所を活かし、精度の高い超音波診断を行うことができる。
<第三の実施の形態>
次に、本発明に係る超音波探傷装置の一例を示す概略図を図5に示す。
図5に示す超音波探傷装置は、超音波探傷装置本体10と、これと電気的に接続された超音波探触子8とを備えており、超音波探触子8は、第1の実施の形態に係る超音波探触子の構成を備えている。
上述した構成の超音波探傷装置の動作について説明する。まず、操作者が、超音波探触子14の超音波送受信面を被検物11の表面に当てる。この状態で、超音波探傷装置本体10から超音波探触子8に電気信号(駆動信号)が送信される。駆動信号は、超音波探触子8内の圧電振動子において超音波に変換されて、被検物11に送波される。この超音波は被検物11の内部の傷や欠陥で反射され、反射波の一部が超音波探触子8内の圧電振動子で受波され、電気信号(受信信号)に変換されて、超音波探傷装置本体10に入力される。入力された受信信号は、超音波探傷装置本体10にて信号処理され、例えば断層画像としてCRTなどに表示される。
上述した超音波探傷装置において、超音波探触子8としては、第1の実施の形態で説明したような本発明の超音波探触子が使用される。このような超音波探傷装置によれば、第1の実施の形態で示した超音波探触子の長所を活かし、精度の高い非破壊検査を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる超音波探触子は、圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層と電気的に接続されない前記電極層に位置する幅が、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅よりも狭くなっていることにより、分極処理時に側面電極層と電極層との間で発生する不要な電界が抑制され、各圧電体層において良好な分極状態が得られ、圧電特性が良好で感度劣化のない圧電振動子を有する超音波探触子を提供することができ、この超音波探触子を使用した超音波診断装置は、正確な超音波診断を可能とする効果を有し、診断、治療などの医療分野に有用であり、また、この超音波探触子を使用した超音波探傷装置は、非破壊検査などの産業用分野で有用である。
本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子の概略図 本発明の第一の実施の形態に係る超音波探触子を構成する圧電振動子の作成手順を示す概略図 本発明の第一の実施の形態に係る別の超音波探触子を構成する圧電振動子の概略図 本発明の第二の実施の形態に係る超音波診断装置の一例を示す概略図 本発明の第三の実施の形態に係る超音波探傷装置の一例を示す概略図 従来提案されている積層型の圧電振動子の概略図
符号の説明
1,61 圧電振動子
2,62 圧電体層
3,63 電極層
4,64 側面電極層
5,65 絶縁層
6,66 積層体
7 超音波診断装置本体
8 超音波探触子
9 被検者
10 超音波探傷装置本体
11 被検物

Claims (8)

  1. 圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層と電気的に接続されない前記電極層に位置する幅が、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅よりも狭くなっていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 圧電体層と電極層が交互に積層され、積層方向に垂直な側面に側面電極層が形成された圧電振動子を有し、前記側面電極層は、前記側面電極層に電気的に接続される前記電極層の間は前記圧電振動子側面の端部に配置されていることを特徴とする超音波探触子。
  3. 前記側面電極層の、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層に位置する幅は、前記側面電極層と電気的に接続される前記電極層の幅と概等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波探触子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波診断装置本体とを含む超音波診断装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波探触子と、前記超音波探触子と電気的に接続された超音波探傷装置本体とを含む超音波探傷装置。
  6. 電極層と圧電体層を交互に積層して積層体を形成する工程と、側面電極層と電気的に接続しない前記電極層との間に絶縁層を形成する工程と、電気的に接続する前記電極層が電気的に接続するように前記側面電極層を形成する工程とを含み、前記絶縁層は真空薄膜形成法によって形成される手段とをゆうるすることを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  7. 電極層と圧電体層を交互に積層して積層体を形成する工程と、側面電極層と電気的に接続しない前記電極層との間に絶縁層を形成する工程と、電気的に接続する前記電極層が電気的に接続するように前記側面電極層を形成する工程とを含み、前記側面電極層は真空薄膜形成法によって形成される手段とを有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  8. 前記絶縁層を形成する工程内にレーザで絶縁層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超音波探触子の製造方法。
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