JP2007213989A - スイッチ装置の製造方法、スイッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチ装置の操作部の操作時に発生する衝突音の低減と製造工程の簡略化を図ること。
【解決手段】操作ノブ5を操作することにより、電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置を以下の工程で製造する。先ず、操作ノブ5を取り付けるケース1を供給する。次に、操作ノブ5の操作時に操作ノブ5が衝突するケース1上の筒9の上面9dと段差面9eへ、硬化状態で弾性を有する光硬化樹脂20の液体を供給する。次に、光硬化樹脂20の液体が供給された上面9dと段差面9eに対して、紫外線を照射する。次に、操作ノブ5の操作時に操作ノブ5に設けたプランジャ12が摺れる筒9の溝16へ、潤滑材23を供給する。次に、ケース1上の筒9に操作ノブ5を取り付け、ケース1内に電気的接点が実装された回路基板を配置して、操作ノブ5の揺動操作により該電気的接点を切り換え可能にする。
【選択図】図10

Description

本発明は、操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置と該スイッチ装置の製造方法に関するものである。
操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置では、操作部の操作時に、操作部の機構的な動作により、操作部とこれを支える部材とが衝突して、音が発生することがある。この衝突音は、利用者にとって不快で、騒音となっている。そこで、操作時の衝突音を低減するため、下記の特許文献1〜5に開示されているように、操作部と支える部材とが衝突する箇所に、ゴム片やバネ片といった衝撃を吸収する弾性体を取り付けることや、樹脂製の操作部または支える部材と一体で衝突面積の小さな突起等を設けることが従来から行われている。
特開2004−14265号公報 特開2000−260254公報 特開平6−28946号公報 実用新案登録第3036270号公報 特開平10−64371号公報
近年スイッチ装置の製造は、大半が人手によらず、自動機による自動化ラインで行われている。自動化ラインで、操作部とこれを支える部材との衝突箇所にゴム片を取り付ける場合、自動機で、先ず被取り付け面に接着剤を塗布し、次にゴム片をつかんで被取り付け面に供給し、次に接着剤を乾燥させてゴムを固定しなければならず、工程数が増加する。また、自動機で被取り付け面に対してゴム片を正確に位置決めして供給しなければならず、実現が困難である。特に、ゴム片が小さくなればなるほど、自動機でゴム片をつかむことや供給することは一層困難になる。このような製造上の問題は、ゴム片の代わりにバネ片を取り付ける場合も同様である。また、ゴム片やバネ片を追加するために、部品代が増加する。一方、樹脂製の操作部と支える部材との衝突箇所にこれらと一体で突起等を設ける場合は、一般に操作部や支える部材はある程度強度が高く硬さのある合成樹脂等の材料から形成されるため、突起等もある程度高強度で硬くなり、該突起では衝突音はあまり低減されない。
本発明は、上述した問題点を解決するものであって、その課題とするところは、スイッチ装置の操作部の操作時に発生する衝突音の低減と製造工程の簡略化を図ることにある。
本発明は、操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置および該スイッチ装置の製造方法であって、操作部の取り付け台を供給する工程、次に、操作部の操作時に操作部が衝突する取り付け台の箇所に、硬化状態で弾性を有する光硬化樹脂の液体を供給する工程、次に、光硬化樹脂の液体が供給された取り付け台の面に対して、紫外線を照射する工程、次に、操作部の操作時に操作部が摺れる取り付け台の箇所に、潤滑材を供給する工程、次に、取り付け台に操作部および電気的接点を取り付ける工程を経て製造する。
このように、操作部が衝突する取り付け台の箇所に光硬化樹脂の液体を供給して、紫外線を照射すると、該光硬化樹脂を硬化させて弾性体化させることができる。このため、操作部の操作時に、操作部が取り付け台と衝突せずに光硬化樹脂と衝突して、その衝突や衝撃が光硬化樹脂で緩衝され、発生する衝突音を確実に低減することが可能となる。また、取り付け台の衝突箇所への光硬化樹脂の液体の供給と、紫外線の照射により、該衝突箇所に弾性体を固着でき、ゴム片やバネ片等の別部品を正確に位置決めして取り付ける必要がないので、別部品の追加による部品代の増加と、工程数の増加を抑えつつ、製造工程を簡略化することが可能となる。また、操作部が摺れる取り付け台の箇所に、紫外線の照射前に潤滑材を供給すると、紫外線の照射時に該潤滑材が揮発するおそれがあるが、上記のように紫外線の照射後に潤滑材を供給すると、該潤滑材が揮発せず、操作部と取り付け台の摺れ合う箇所の磨耗を長期に渡って確実に防ぐことが可能となる。さらに、先ず取り付け台を供給し、この後該取り付け台に対して、光硬化樹脂の供給、紫外線の照射、潤滑材の供給、および操作部と電気的接点の取り付けの各工程を一括して順次行うので、当該スイッチ装置を自動化ラインで容易に製造することが可能となる。
また、他の本発明は、操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置および該スイッチ装置の製造方法であって、操作部を供給する工程、次に、操作部の操作時に操作部が取り付けられている取り付け台と衝突する操作部の箇所に、硬化状態で弾性を有する光硬化樹脂の液体を供給する工程、次に、光硬化樹脂の液体が供給された操作部の面に対して、紫外線を照射する工程、次に、操作部の操作時に取り付け台と摺れる操作部の箇所に、潤滑材を供給する工程、次に、取り付け台に操作部および電気的接点を取り付ける工程を経て製造する。
このように、取り付け台と衝突する操作部の箇所に光硬化樹脂の液体を供給して、紫外線を照射すると、該光硬化樹脂を硬化させて弾性体化させることができる。このため、操作部の操作時に、操作部と取り付け台とが衝突せずに、光硬化樹脂と取り付け台とが衝突して、その衝突や衝撃が光硬化樹脂で緩衝され、発生する衝突音を確実に低減することが可能となる。また、操作部の衝突箇所への光硬化樹脂の液体の供給と、紫外線の照射により、該衝突箇所に弾性体を固着でき、ゴム片やバネ片等の別部品を正確に位置決めして取り付ける必要がないので、別部品の追加による部品代の増加と、工程数の増加を抑えつつ、製造工程を簡略化することが可能となる。また、紫外線の照射後に、取り付け台と摺れる操作部の箇所に潤滑材を供給するので、紫外線の照射時に、該潤滑材が揮発せず、操作部と取り付け台の摺れる箇所の磨耗を長期に渡って確実に防ぐことが可能となる。さらに、先ず操作部を供給し、この後該操作部に対して、光硬化樹脂の供給、紫外線の照射、および潤滑材の供給の各工程を一括して順次行い、それから取り付け台への該操作部および電気的接点の取り付けの工程を行うので、当該スイッチ装置を自動化ラインで容易に製造することが可能となる。
本発明によれば、操作部と取り付け台の衝突箇所に光硬化樹脂の液体を供給して、紫外線を照射することにより、該光硬化樹脂を硬化させて弾性体化させるので、操作部の操作時に、光硬化樹脂により操作部と取り付け台との衝突が阻止されて緩衝され、発生する衝突音を確実に低減することが可能となる。また、ゴム片やバネ片等の別部品を正確に位置決めして取り付ける必要がないので、部品代の増加と工程数の増加を抑えつつ、製造工程を簡略化することが可能となる。また、紫外線の照射後に操作部と取り付け台の摺れる箇所に潤滑材を供給するので、紫外線の照射時に該潤滑材が揮発せず、該箇所の磨耗を長期に渡って確実に防ぐことが可能となる。
図1は、パワーウィンドウ装置に用いられるスイッチ装置100を示す図である。(a)にはスイッチ装置100の斜視図を示し、(b)にはスイッチ装置100の断面図を示している。1はスイッチ装置100のケースである。ケース1の下面側は開口している。2はスイッチ装置100の蓋である。蓋2はケース1の開口を塞ぐように、ケース1に嵌め合わされている。3は蓋2から突出するように設けられたコネクタである。コネクタ3には、図示しない制御装置と電気的に接続するためのケーブルが嵌合される。図1(a)に示す4はケース1上に設けられた窓ロックスイッチのプッシュロック型の操作ノブである。操作ノブ4は、車両の窓を開閉できないようにロックしまたは当該ロックを解除するために押下操作される。5はケース1上に設けられた窓開閉スイッチのタンブラ型の操作ノブである。各操作ノブ5は、車両の各窓をそれぞれ開閉するために揺動操作される。ケース1、蓋2、および操作ノブ4、5は、ある程度強度が高く硬さのあるABS等の合成樹脂から形成されている。図1(b)に示す6はケース1の内部に設けられた回路基板である。回路基板6には、コネクタ3、窓開閉スイッチの本体7、および図示しない窓ロックスイッチの本体等の電子部品が実装されている。窓開閉スイッチの本体7は、スライドスイッチから構成されている。本体7から突出するように設けられたアクチュエータ7aが前後にスライド移動することにより、本体7の内部に設けられた図示しない電気的接点がON(導通)またはOFF(非導通)の状態に切り換わる。
図2は、ケース1を示す図である。(a)にはケース1の斜視図を示し、(b)にはケース1の断面図を示している。8はケース1の上面に設けられた図1の操作ノブ4が装着される筒である。9はケース1の上面に設けられた図1の操作ノブ5が装着される筒である。筒8、9の内側は、ケース1の内部と連通している。9aは筒9の外壁に一体形成された軸である。10はケース1の側面に設けられた鍔である。図示しないネジを鍔10に形成された孔10aに下方から上方へ貫通させて、ケース1の上部に配置された図示しないカバーに螺合することにより、ケース1に該カバーが取り付けられる。この取り付け状態で、ケース1の上面はカバーに覆われ、操作ノブ4、5はカバーに形成された開口から操作可能に露出する。
図3は、操作ノブ5を示す図である。(a)には操作ノブ5の上方斜視図を示し、(b)には操作ノブ5の下方斜視図を示し、(c)には操作ノブ5の下面図を示し、(d)には操作ノブ5の側方断面図を示している。5bは操作ノブ5のキャップ部である。5cはキャップ部5bの側壁に形成された孔である。11はキャップ部5bの内側に下方へ突出するように設けられたアームである。13はキャップ部5bの内側に下方へ突出するように設けられた筒である。12は筒13の内側に突出するように装着されたプランジャである。14はキャップ部5bの内面の上前側に形成された突起である。15はキャップ部5bの内面の後側に形成された突起である。図2に示すケース1上の筒9の上部開口9bを覆うように、図3に示す操作ノブ5のキャップ部5bを上方から筒9へかぶせて、筒9の軸9aに操作ノブ5の孔5cを嵌合させることにより、図1に示すように操作ノブ5が軸9aを中心として揺動可能に筒9に支持されて、ケース1に取り付けられる。
図4は、スイッチ装置100の操作ノブ5近傍の断面図である。上述したようにケース1に操作ノブ5を取り付けると、図4(a)に示すようにプランジャ12が筒9の下部開口9cに設けられたV字形の溝16に係合する。プランジャ12はコイルバネ17に引っ掛けられて筒9内に保持され、コイルバネ17の弾性力によって溝16の底に押し付けられている。溝16の前後の斜面16f、16bには、段差16dが形成されている。アーム11は筒9の上下開口9b、9cを貫通して、ケース1の内部に突出している。図1(b)に示したように回路基板6はケース1の内部に配置されて、ケース1と該ケース1に嵌め合わされた蓋2に支持される。その際、窓開閉スイッチの本体7は操作ノブ5の下方に位置し、アーム11は回路基板6の本体7近傍に形成された図示しない孔を貫通し、アクチュエータ7aはアーム11の先端に形成された凹部11aに嵌め込まれる。これにより、操作ノブ5を揺動操作すると、該操作力がアーム11によりアクチュエータ7aに伝達されて、アクチュエータ7aが前後にスライドし、本体7の内部の電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わる。このとき、プランジャ12が溝16の斜面16f、16b(図4)に沿って移動して、段差16dを乗り越えることにより、クリック感が発生して、プランジャ12とコイルバネ17を介して操作ノブ5に伝わる。
図4(a)に示す操作ノブ5の未操作状態から、キャップ部5bの前方を押し下げるように、操作ノブ5を揺動操作して行くと、図4(b)に示すように操作ノブ5の内側の突起14の先端面14aが、ケース1の筒9の前側の上面9dに衝突して、操作ノブ5の揺動が停止される。このとき、不快で騒音となる衝突音が発生する。また、キャップ部5bの前方を引き上げるように、操作ノブ5を揺動操作して行くと、図4(c)に示すように操作ノブ5の内側の突起15の先端面15aが、ケース1の筒9の後側の段差面9eに衝突して、操作ノブ5の揺動が停止される。このときも、不快で騒音となる衝突音が発生する。対して、図1の操作ノブ4を押下操作しても、操作ノブ4はケース1の上面や筒8等と衝突せず、不快で騒音となる衝突音は発生しない。よって、以下では、操作ノブ5の操作時に発生する衝突音を低減するための、スイッチ装置100の製造工程について詳細に説明する。操作ノブ5は、本発明における操作部の一実施形態を構成する。ケース1は、本発明における取り付け台の一実施形態を構成する。
図5〜図9は、本発明の第1実施形態に係るスイッチ装置100の製造工程を説明するための図である。以下で説明する製造工程は、工場の自動化ラインで自動機により行われる。先ず、図5に示すようにケース1をジグ18上に供給する。このとき、ケース1はジグ18に形成された窪み18aに嵌め込まれて、側面と下面を窪み18aの側壁と底壁に支持され、鍔10をジグ18の凸部18bの上面に支持され、鍔10に形成された孔10aに凸部18bに形成されたボス18cが貫通される。つまり、ケース1はジグ18により上以外の方向へ動かないように支持される。
次に、図6に示すようにケース1と光硬化樹脂20の液体を注入するディスペンサ19とを対向させて、操作ノブ5の操作時に操作ノブ5が衝突するケース1の箇所、即ち図4(b)、(c)に示した突起14、15の先端面14a、15aが衝突する筒9の上面9dおよび段差面9eに、ディスペンサ19から光硬化樹脂20の液体を供給する。光硬化樹脂20としては、未硬化状態(液体状態)で所定の粘性を有し、硬化状態(固体状態)でケース1や操作ノブ5の樹脂材料より高い所定の弾性を有するアクリル系またはシリコン系の光硬化樹脂を用いる。光硬化樹脂20の液体の組成物、組成物の割合、および供給量は、硬化状態で厚みが1mm程度になるように設定する。
次に、図7に示すようにケース1と紫外線を発するランプ21とを対向させて、光硬化樹脂20の液体が供給されたケース1の筒9の面9d、9eに対して、ランプ21から紫外線を照射し、該光硬化樹脂20の液体を硬化させる。紫外線の照射強度と照射時間の積である照射エネルギーは、光硬化樹脂20が液体から所定の弾性を有した固体に変化するように設定する。
次に、図8に示すようにケース1と潤滑材23を注入するディスペンサ22とを対向させて、操作ノブ5の操作時に操作ノブ5が摺れるケース1の箇所、即ち図4(b)、(c)に示したプランジャ12の先端が摺れる溝16の斜面16f、16bに、ディスペンサ22から潤滑材23を供給して塗布する。潤滑材23としては、所定の粘性を有するオイルまたはグリスを用いる。
次に、図9に示すようにケース1の筒9に操作ノブ5を取り付ける。このとき、図9(b)に示すようにプランジャ12を溝16に係合させ、アーム11(図3)を筒9へ貫通させてケース1の内部に突出させる。また、ケース1の筒8に操作ノブ4を取り付ける。そして、ケース1をジグ18から外して、図1に示したようにケース1の内部に回路基板6を配置して、ケース1に蓋2を嵌め合わせる。この際、図1(b)に示したように窓開閉スイッチの本体7のアクチュエータ7aをアーム11の先端の凹部11aに嵌め込んで、操作ノブ5の操作により該本体7の内部の電気的接点を切り換え可能にする。また、図示しない窓ロックスイッチの本体と操作ノブ4を係合させて、操作ノブ4の操作により該本体の内部の電気的接点を切り換え可能にする。
図10は、上述した第1実施形態の製造工程を経て製造されたスイッチ装置100の操作ノブ5近傍の断面図である。ケース1の筒9の上面9dと段差面9eには、硬化して弾性体となった光硬化樹脂20が固着されている。図10では、光硬化樹脂20を上面9dと段差面9eに隆起状態で固着させているが、必ずしもこうする必要はなく、例えば光硬化樹脂20を平べったく上面9dと段差面9eに固着させてもよい。図10(a)に示す操作ノブ5の未操作状態から、キャップ部5bの前方を押し下げて、操作ノブ5を揺動操作して行くと、図10(b)に示すように操作ノブ5の突起14の先端面14aが筒9の上面9dに衝突せずに、上面9dに固着された光硬化樹脂20と衝突して、操作ノブ5の揺動が停止される。このとき、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、不快で騒音となる衝突音は発生しない。また、プランジャ12が潤滑材23により溝16の斜面16bの上を滑らかに移動して、段差16dを乗り越えることにより、良好なクリック感が発生して、操作ノブ5に伝わる。
また、図10(a)に示す操作ノブ5の未操作状態から、キャップ部5bの前方を引き上げて、操作ノブ5を揺動操作して行くと、図10(c)に示すように操作ノブ5の突起15の先端面15aが筒9の段差面9eに衝突せずに、段差面9eに固着された光硬化樹脂20と衝突して、操作ノブ5の揺動が停止される。このときも、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、不快で騒音となる衝突音は発生しない。また、プランジャ12が潤滑材23により溝16の斜面16fの上を滑らかに移動して、段差16dを乗り越えることにより、良好なクリック感が発生して、操作ノブ5に伝わる。
以上の第1実施形態のように、操作ノブ5の突起14、15の先端面14a、15aが衝突するケース1の筒9の上面9dおよび段差面9eに、光硬化樹脂20の液体を供給して、紫外線を照射することで、該光硬化樹脂20を硬化させて弾性体化させることができる。このため、操作ノブ5の操作時に、操作ノブ5の突起14、15の先端面14a、15aが筒9の上面9dおよび段差面9eと衝突せずに、光硬化樹脂20と衝突して、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、発生する衝突音を確実に低減することが可能となる。
また、筒9の上面9dおよび段差面9eへの光硬化樹脂20の液体の供給と、紫外線の照射により、該面9d、9eに弾性体を固着でき、従来のようにゴム片やバネ片等の別部品を正確に位置決めして取り付ける必要がないので、別部品の追加による部品代の増加と、工程数の増加を抑えつつ、製造工程を簡略化することが可能となる。
また、操作ノブ5に設けたプランジャ12が摺れるケース1の溝16の斜面16f、16bに、ランプ21からの紫外線の照射前に潤滑材23を供給すると、紫外線の照射時に該潤滑材23が揮発するおそれがあるが、上述したようにランプ21からの紫外線の照射後に潤滑材23を供給すると、該潤滑材23が揮発せず、プランジャ12と溝16の斜面16f、16bの磨耗を長期に渡って確実に防ぐことが可能となる。また、窓開閉スイッチの本体7やその他の電子部品が実装された回路基板6のケース1内への設置も、ランプ21からの紫外線の照射後に行っているので、回路基板6上の電子部品および電気回路が紫外線により損傷するのを防ぐことが可能となる。
また、先ずケース1を供給し、この後該ケース1に対して、光硬化樹脂20の供給、紫外線の照射、潤滑材23の供給、および操作ノブ5とスイッチ本体7等を実装した電気回路6の取り付けの各工程を一括して順次行うので、これらの各工程をケース1と操作ノブ5に対して分配して別々に行うより、スイッチ装置100を自動化ラインで容易に製造することが可能となる。
さらに、紫外線の照射エネルギー量や光硬化樹脂20の反応性や硬化性等を調節することにより、光硬化樹脂20の硬化状態での厚みを詳細に制御できるので、操作ノブ5が衝突するケース1の筒9の上面9dおよび段差面9eに、光硬化樹脂20を所定の厚みで精度良く硬化させて固着することが可能となる。このため、硬化状態の光硬化樹脂20の厚みが厚くなりすぎて、操作ノブ5の操作量が減少して、操作性が低下するのを確実に防止することが可能となる。
以上の第1実施形態では、ケース側に光硬化樹脂および潤滑材を供給するようにしたが、これ以外に、操作ノブ側に光硬化樹脂および潤滑材を供給するようにしてもよい。この場合を第2実施形態として以下に説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係るスイッチ装置100’を示す図である。第1実施形態では、図1〜図5および図8〜図10に示したようにケース1の筒9の内側に溝16が設けられ、操作ノブ5の内側に筒13、プランジャ12、およびコイルバネ17が設けられていたが、第2実施形態では、図11に示すようにケース1’の筒9の内側に筒13’、プランジャ12’、およびコイルバネ17’が設けられ、操作ノブ5’の内側に溝16’が設けられている。これ以外の各部の構造は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では便宜上、第1実施形態と同一若しくは対応する部分には同一符号を付している。
図12〜図16は、本発明の第2実施形態に係るスイッチ装置100の製造工程を説明するための図である。以下で説明する製造工程は、工場の自動化ラインで自動機により行われる。先ず、図12に示すように操作ノブ5’をジグ24上に供給する。このとき、操作ノブ5’はジグ24に形成された窪み24aに嵌め込まれて、側面と下面を窪み24aの側壁と底壁に支持され、上以外の方向へ動かないようになる。
次に、図13に示すように操作ノブ5’とディスペンサ19とを対向させて、操作ノブ5’の操作時にケース1’と衝突する操作ノブ5’の箇所、即ち筒9の上面9dおよび段差面9eと衝突する操作ノブ5’の内側の突起14、15の先端面14a、15aに、ディスペンサ19から光硬化樹脂20の液体を供給する。
次に、図14に示すように操作ノブ5’とランプ21とを対向させて、光硬化樹脂20の液体が供給された操作ノブ5’の突起14、15の先端面14a、15aに対して、ランプ21から紫外線を照射し、該光硬化樹脂20の液体を硬化させる。
次に、図15に示すように操作ノブ5’とディスペンサ22とを対向させて、操作ノブ5’の操作時にケース1’と摺れる操作ノブ5’の箇所、即ちケース1’に設けたプランジャ12’の先端が摺れる溝16’の斜面16f、16bに、ディスペンサ22から潤滑材23を供給して塗布する。
次に、操作ノブ5’をジグ24から外して、図16に示すようにジグ18上に供給されたケース1’の筒9に取り付ける。このとき、操作ノブ5’の内側の溝16’にケース1’に設けたプランジャ12’を係合させ、操作ノブ5’のアーム11を筒9へ貫通させてケース1’の内部に突出させる。また、ケース1’の筒8に操作ノブ4を取り付ける。そして、ケース1’をジグ18から外して、図11に示したようにケース1’の内部に回路基板6を配置して、ケース1’に蓋2を嵌め合わせる。このとき、窓開閉スイッチの本体7のアクチュエータ7aをアーム11の先端の凹部11aに嵌め込んで、操作ノブ5’の操作により該本体7の内部の電気的接点を切り換え可能にする。また、図示しない窓ロックスイッチの本体と操作ノブ4を係合させて、操作ノブ4の操作により該本体の内部の電気的接点を切り換え可能にする。
図17は、上述した第2実施形態の製造工程を経て製造されたスイッチ装置100’の操作ノブ5’近傍の断面図である。操作ノブ5’の内側の突起14、15の先端面14a、15aには、硬化して弾性体となった光硬化樹脂20が設置されている。図17(a)に示す操作ノブ5’の未操作状態から、キャップ部5bの前方を押し下げて、操作ノブ5’を揺動操作して行くと、図17(b)に示すように操作ノブ5’の突起14の先端面14aとケース1’の筒9の上面9dとが衝突せずに、先端面14aに固着された光硬化樹脂20と上面9dとが衝突して、操作ノブ5’の揺動が停止される。このとき、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、不快で騒音となる衝突音は発生しない。また、プランジャ12’が潤滑材23により溝16’の斜面16bの上を滑らかに移動して、段差16dを乗り越えることにより、良好なクリック感が発生して、操作ノブ5’に伝わる。
また、図17(a)に示す操作ノブ5’近傍の未操作状態から、キャップ部5bの前方を引き上げて、操作ノブ5’を揺動操作して行くと、図17(c)に示すように操作ノブ5’の突起15の先端面15aと筒9の段差面9eとが衝突せずに、先端面15aに固着された光硬化樹脂20と段差面9eとが衝突して、操作ノブ5’の揺動が停止される。このときも、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、不快で騒音となる衝突音は発生しない。また、プランジャ12’が潤滑材23により溝16’の斜面16fの上を滑らかに移動して、段差16dを乗り越えることにより、良好なクリック感が発生して、操作ノブ5’に伝わる。
以上の第2実施形態のように、ケース1’の筒9の上面9dおよび段差面9eと衝突する操作ノブ5’の突起14、15の先端面14a、15aに、光硬化樹脂20の液体を供給して、紫外線を照射することで、該光硬化樹脂20を硬化させて弾性体化させることができる。このため、操作ノブ5’の操作時に、操作ノブ5’の突起14、15の先端面14a、15aと筒9の上面9dおよび段差面9eとが衝突せずに、光硬化樹脂20と筒9の上面9dおよび段差面9eとが衝突して、その衝突や衝撃が光硬化樹脂20で緩衝され、発生する衝突音を確実に低減することが可能となる。
また、操作ノブ5’の突起14、15の先端面14a、15aへの光硬化樹脂20の液体の供給と、紫外線の照射により、該面14a、15aに弾性体を固着でき、従来のようにゴム片やバネ片等の別部品を正確に位置決めして取り付ける必要がないので、別部品の追加による部品代の増加と、工程数の増加を抑えつつ、製造工程を簡略化することが可能となる。
また、ランプ21からの紫外線の照射後に、プランジャ12’が摺れる操作ノブ5’の溝16’の斜面16f、16bへ潤滑材23を供給するので、紫外線の照射時に、該潤滑材23が揮発せず、プランジャ12’と溝16’の斜面16f、16bの磨耗を長期に渡って確実に防ぐことが可能となる。
さらに、先ず操作ノブ5’を供給し、この後該操作ノブ5’に対して、光硬化樹脂20の供給、紫外線の照射、および潤滑材23の供給の各工程を一括して順次行い、それからケース1’への該操作ノブ5’および回路基板6の取り付けの工程を行うので、光硬化樹脂20の供給、紫外線の照射、および潤滑材23の供給の各工程をケース1’と操作ノブ5’に対して分配して別々に行うより、スイッチ装置100’を自動化ラインで容易に製造することが可能となる。
本発明は、以上で述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、ケースと操作ノブが摺れ合う箇所であるプランジャと溝のうち、溝側に潤滑材を供給した例を挙げたが、これ以外に、プランジャ側に潤滑材を供給するようにしてもよい。この場合、ケースと操作ノブのうち、潤滑材を供給する方に対して光硬化樹脂の供給および紫外線の照射を行うようにすると、自動化ラインによるスイッチ装置の製造工程を簡略化することができる。
また、以上の実施形態では、本発明をパワーウィンドウ装置に用いられるスイッチ装置の窓開閉スイッチに適用した場合を例に挙げたが、本発明は窓ロックスイッチやドアロックスイッチ等にも適用することができる。また、扉開閉装置等に用いられるスイッチ装置のスイッチにも適用することができる。さらに、車載以外の用途に用いられるスイッチ装置のタンブラ型、プッシュ型、鍵盤型、ダイヤル型等の各種のスイッチにも適用することが可能である。
第1実施形態のスイッチ装置を示す図である。 第1実施形態のスイッチ装置のケースを示す図である。 第1実施形態のスイッチ装置の操作ノブを示す図である。 第1実施形態のスイッチ装置の操作ノブ近傍の断面図である。 第1実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第1実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第1実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第1実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第1実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第1実施形態の製造工程を経て製造されたスイッチ装置の操作ノブ近傍の断面図である。 第2実施形態のスイッチ装置を示す図である。 第2実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第2実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第2実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第2実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第2実施形態のスイッチ装置の製造工程を説明する図である。 第2実施形態の製造工程を経て製造されたスイッチ装置の操作ノブ近傍の断面図である。
符号の説明
1、1’ ケース
5、5’ 操作ノブ
7 窓開閉スイッチの本体
9 筒
9d 筒の上面
9e 筒の段差面
14、15 操作ノブの突起
14a、15a 突起の先端面
16、16’ 溝
20 光硬化樹脂
23 潤滑材
100、100’ スイッチ装置

Claims (4)

  1. 操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置の製造方法であって、
    前記操作部の取り付け台を供給する工程、
    次に、前記操作部の操作時に操作部が衝突する前記取り付け台の箇所に、硬化状態で弾性を有する光硬化樹脂の液体を供給する工程、
    次に、前記光硬化樹脂の液体が供給された前記取り付け台の面に対して、紫外線を照射する工程、
    次に、前記操作部の操作時に操作部が摺れる前記取り付け台の箇所に、潤滑材を供給する工程、
    次に、前記取り付け台に前記操作部および前記電気的接点を取り付ける工程からなることを特徴とするスイッチ装置の製造方法。
  2. 操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置であって、
    前記操作部の操作時に操作部が衝突する前記取り付け台の箇所に、紫外線の照射により硬化した状態で弾性を有する光硬化樹脂が固着されており、
    前記操作部の操作時に操作部が摺れる前記取り付け台の箇所に、前記紫外線の照射後に供給された潤滑材が塗布されていることを特徴とするスイッチ装置。
  3. 操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置の製造方法であって、
    前記操作部を供給する工程、
    次に、前記操作部の操作時に操作部が取り付けられている取り付け台と衝突する操作部の箇所に、硬化状態で弾性を有する光硬化樹脂の液体を供給する工程、
    次に、前記光硬化樹脂の液体が供給された前記操作部の面に対して、紫外線を照射する工程、
    次に、前記操作部の操作時に前記取り付け台と摺れる操作部の箇所に、潤滑材を供給する工程、
    次に、前記取り付け台に前記操作部および前記電気的接点を取り付ける工程からなることを特徴とするスイッチ装置の製造方法。
  4. 操作部を操作することにより電気的接点がONまたはOFFの状態に切り換わるスイッチ装置であって、
    前記操作部の操作時に操作部が取り付けられている取り付け台と衝突する操作部の箇所に、紫外線の照射により硬化した状態で弾性を有する光硬化樹脂が固着されており、
    前記操作部の操作時に前記取り付け台と摺れる操作部の箇所に、紫外線の照射後に供給された潤滑材が塗布されていることを特徴とするスイッチ装置。
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