JP2007213823A - 補助電源モジュール - Google Patents

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正春 宮久
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Abstract


【課題】不使用時に空気電池を外部から遮断した状態に保持でき、且つ使用時に所定の大きな放電容量で即座に放電を開始して適用電子機器の主電源の充電などを短時間で完了することができる補助電源モジュールを提供する。
【解決手段】外装ケース3が、内部空間に空気電池9が収容されて、一側面41に形成された通気孔41aと、空気電池9の出力電力を供給すべき機器2に対し電気的接続するための接続部4,7とを備えてなる。外装ケース3の一側面41に取り付けられたシャッタ部材12が、自身に形成された空気供給孔12aが通気孔41aから離間することにより通気孔41aを閉塞して外装ケース3を密閉する第1の状態と、空気供給孔12aが通気孔41aに合致して外装ケース3の内部空間を空気供給孔12aおよび通気孔41aを介して外部に連通させる第2の状態との間で移動するように設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、主として、ディジタルスチールカメラ、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話機、ノート型パソコンなどの携帯型電子機器の駆動電源としての二次電池に対する充電用、予備電源用または大電流供給用の補助電源などの用途に好適に使用できる補助電源モジュールに関するものである。
一般に、上記携帯型電子機器の駆動電源としては、小型且つ軽量で高出力を取り出し得ることから、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池などの二次電池が用いられている。ところが、これらの二次電池は、充電することによって繰り返し使用することができる利点がある反面、充電電源を必要とし、また充電完了までに時間を要することから、緊急の使用時に間に合わないことがあり、これが携帯型電子機器の使用拡大を妨げている要因になっている。
そこで、二次電池を使用の目的で携帯しているときに、一次電池を用いて携帯型電子機器の主電源としての二次電池の充電を行うことにより上述した問題の解消を図ることが考えられる。例えば、ディジタルスチールカメラでは、これをディジタルスチールカメラケースに収納することにより、ディジタルスチールカメラケースに設けた太陽電池によってディジタルスチールカメラの駆動電源の二次電池を充電できるように図った太陽電池付きディジタルスチールカメラケースが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、ディジタルスチールカメラケースに付けられる程度の寸法の太陽電池は、発生する電力が微弱であるため、上記二次電池に所望の充電を行うためには、ディジタルスチールカメラを収納したディジタルスチールカメラケースを直射日光下に長時間放置しなければならず、必要時に急速充電することができないことから、結局、緊急の使用時に間に合わすことができない。
また、上述した問題の解消を図ったディジタルスチールカメラの充電装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この充電装置は、例えば単3電池を充電用の外部電池として収納した外部電池アダプタをディジタルスチールカメラ本体に着脱自在に装着することにより、上記外部電池によりカメラ本体に収納されている主電源を急速に充電できるようになっている。ところが、この充電装置は、外部電池としてアルカリマンガン電池や酸化銀電池などの一次電池を用いるので、急速充電が可能な高出力と電池容量とを得ようとすれば、一次電池の使用本数が多くなって装置自体が大型化してしまい、常時携帯するのに不向きなものになってしまう。
一方、上記外部電池として空気電池を用いれば、上述した大型化の問題を解消した充電用の補助電源装置を得ることが可能であると思われる。すなわち、空気電池は、空気中の酸素を正極活物質として活用することから、正極活物質を電池缶内に詰め込む必要がないので、同一容積の一次電池に比べて、電池缶内に多くの負極活物質を充填することが可能となって大容量を得ることができる。そのため、空気電池は、電池の重量に対する電池の容量である重量エネルギー密度または電池の体積に対する電池の容量である体積エネルギー密度が高く、且つ高出力の放電が可能であり、これに加えて、空気中の酸素を活物質として用いることから、環境への負荷が小さいという利点もあり、小型の携帯型電子機器に対する充電用の補助電源装置の外部電池として最も相応しい特長を有する一次電池であると言える。
これに対し、従来では、軽負荷時および重負荷時にそれぞれ対応してその時に必要な空気量に自動的に調整して空気を導入できるようにした空気電池が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この空気電池は、電池缶に、空気中の酸素を電気化学反応に利用する空気極と、空気を内部に導入するための空気導入孔とが設けられ、空気導入孔が、空気極での酸素消費により生じる気圧差に対応して開口部の大きさが変化する空気孔シャッター機能を有するフィルムによって覆われた構成になっている。この空気電池では、放電していないときに空気孔シャッター機能によりフィルムが閉じ、放電するときに空気極での酸素消費により生じる気圧差によりフィルムが内方に引っ張られて空気導入孔が開口することにより、空気が電池缶内に導入される。
実開昭56−79126号公報 特開平8−304898号公報 特開平11−195438号公報
しかしながら、空気電池を用いた好適な上記補助電源装置を得るためには、空気中における正極活物質として活用する酸素を必要とする時にのみ効果的、且つ効率的に空気電池内に導入できる構成を新たに案出する必要がある。つまり、特許文献3に記載の空気電池を用いて補助電源装置を構成した場合には、空気電池が放電を開始して或る程度の気圧差が生じないと空気導入孔が開口せず、且つ放電容量が或る程度の大きさに達しないと空気導入孔が十分に開口しないので、適用電子機器の主電源である二次電池を急速に充電したい場合に間に合わない。
また、上記特許文献3に記載の空気電池の空気孔シャッター機能は、所要の曲げ弾性率またはヤング率を有するフィルムに十文字状の切り込みが形成され、このフィルムが、切り込みを空気導入孔に対向させた配置で取り付けられた構成になっており、放電に伴う酸素消費によって起こる微小な圧力欠損に対応してフィルムの十文字状の切り込みが変形しながら開閉するようになっている。したがって、この空気電池では、主電源への充電を要していないときであっても、フィルムの切り込みを通じて電池缶内部が電池外部の大気と僅かに連通しているので、酸素と反応して消耗され、また空気電池のゲル状負極合剤の水分が僅かずつであっても蒸発して、放電特性が低下する。しかも、空気電池を大きな放電容量に設定した場合であっても、そのときに生じる気圧差によってフィルムが比較的大きく変形されるが、このフィルムの存在によって空気導入孔の全てが開口されないので、空気の導入量がどうしても不十分となり、この点からも電子機器の主電源の急速充電には到底対応できない。
さらに、補助電源装置の外装ケースに空気供給孔を単に設けて空気を外装ケース内に取り込むだけでは、大気中に含まれている酸素以外の炭酸ガスや水分(水蒸気)などの成分の影響を受けて空気電池が劣化し易く、空気電池の性能を十分に活用することができない。上記空気電池の劣化は、電池反応の際に大気中に含まれている酸素以外の上記成分によって空気電池に収容されている電解液(苛性カリ)の劣化が進行することに起因して発生する。したがって、空気電池の特性を十分に発揮させて空気電池が持っている電気容量を確実に取り出すためには、使用時にのみ適切に空気を外装ケースの内部に取り込むようにして、不使用時に電池缶の内部空間を外部に対し遮断して劣化が進行しない構造を有する空気導入機構の設計が必要となる。
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、不使用時に空気電池を外部から遮断した状態に保持でき、且つ使用時に所定の大きな放電容量で即座に放電を開始して適用電子機器の主電源の充電などを短時間で完了することができる補助電源モジュールを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の補助電源モジュールは、内部空間に空気電池が収容され、一側面に形成された通気孔と、前記空気電池の出力電力を供給すべき電子機器に対し電気的接続するための接続部とを有する外装ケースと、前記一側面に移動可能に取り付けられたシャッタ部材とを備えてなり、前記シャッタ部材が、自身に形成された空気供給孔が前記通気孔から離間することにより前記通気孔を閉塞して前記外装ケースを外部から遮断した密閉状態とする第1の状態と、互いに合致した前記空気供給孔および前記通気孔を介して前記外装ケースの内部空間を外部に連通させる第2の状態との間で移動するように設けられていることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明の補助電源モジュールにおける通気孔が外装ケースの全表面積に対し2〜30%の割合となる開口率に設定して形成されている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2の発明の補助電源モジュールにおける外装ケースの一側面に複数個の通気孔が所定の配置で形成され、シャッタ部材が、板材に前記通気孔と同一数の空気供給孔が同一配置で形成されて、前記各空気供給孔が前記各通気孔から離間した第1の状態と前記各空気供給孔が前記各通気孔に合致する第2の状態との範囲内で前記一側面に対しスライド移動するように設けられている。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか一項の発明の補助電源モジュールにおける外装ケース内に二酸化炭素吸収材が設けられている。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか一項の発明の補助電源モジュールにおける通気孔または空気供給孔の一方が、気体の通過が可能な二酸化炭素吸収材で閉塞されている。
請求項1の発明によれば、接続部を介して携帯型電子機器に電気的接続した状態で、シャッタ部材を操作して第2の状態に設定することにより、外装ケースが通気孔によって設定された所定の開口率に即座に開口する状態となって、電池外部から空気を極めて効果的、且つ効率的に外装ケース内に導入することができるから、外装ケースに収納されている空気電池が、所定の放電容量による放電を即座に開始する。したがって、この補助電源モジュールは、例えば、適用電子機器の主電源に対する充電を即座に開始でき、且つ十分な空気の導入量によって短時間の間に充電を完了する急速充電を行うことができる。
また、不使用時には、シャッタ部材を第1の状態に保持しておくことにより、外装ケースが電池外部に対し遮断した密閉状態に保持され、外装ケース内の空気電池は、これの空気導入孔から酸素が導入されないことから、空気電池の消耗を防ぐことができると共に、放電特性の劣化の進行が防止される。この補助電源モジュールは、空気電池を所定の放電容量で即座に放電させることができることから、適用電子機器の主電源の充電用としての用途の他に、主電源に代わる予備電源またはディジタルスチールカメラにおけるフラッシュ使用時のように大電流出力が必要なときの補助電源などの用途にも好適に使用することもできる。
請求項2の発明によれば、外装ケースの全表面積に対する開口率が2%以上に設定されているので、空気電池を高率放電させることができるとともに、外装ケースの全表面積に対する開口率が30%以下に設定されているので、大気中の二酸化炭素が空気電池の内部に侵入する割合を低く抑制でき、二酸化炭素により空気電池の電解液等が劣化して放電高率の数値が著しく低下するのを防止することができるから、高率放電特性と開封保存特性の両方が向上する。
請求項3の発明によれば、シャッタ部材をスライド移動させて通気孔を開閉することにより、比較的小さなスペース内でシャッタ部材の所要の動作が得られるスペース効率の高い構成とすることができるので、全体をコンパクトな外形とすることが可能となり、例えばディジタルスチールカメラ、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話機またはノート型パソコンなどの携帯型電子機器と共にこれらの駆動電源として気軽に常時携帯することができる。
請求項4の発明によれば、外装ケース内に導入された空気中に含まれている二酸化炭素を二酸化炭素吸収材で吸収できるので、空気電池が電池反応する際に空気中の酸素以外の炭酸ガスや水蒸気が存在した場合に発生する空気電池の電解液の劣化の進行を抑制することができ、良好な放電特性を長期間にわたり維持することができる。
請求項5の発明によれば、空気供給孔または通気孔の一方が二酸化炭素吸収材で閉塞されていることにより、外装ケース内に空気を導入する際に、その空気中に含まれている二酸化炭素を二酸化炭素吸収材で吸収して外装ケース内への侵入を阻止できるので、空気電池が電池反応する際に空気中の酸素以外の炭酸ガスや水蒸気が存在した場合に発生する空気電池の電解液の劣化の進行を抑制することができ、良好な放電特性を長期間にわたり維持することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る補助電源モジュール1と適用電子機器2との関連を示す斜視図であり、同図には、適用電子機器2として、ディジタルスチールカメラを例示してある。上記補助電源モジュール1は、比較的偏平な直方体形状の外装ケース3の内部空間に、適用電子機器2の駆動源の二次電池からなる主電源8の充電用外部電池として、複数個(例えば4個)の空気電池9が同一平面上で四角形を形作る配置で並べて収納されており、その外装ケース3の前側面(図の手前側面)にプラス側およびマイナス側の各接続プラグ(接続部)4,7が突設されている。
上記4個の空気電池9は、後述するように、各2個がそれぞれ並列接続され、その2つの並列回路がプリント配線回路基板の充電制御回路に直列接続され、充電制御回路から各接続プラグ4,7に接続されている。2つの接続プラグ4,7は、適用電子機器2の接続端子孔10,11に挿入されることによって適用電子機器2の主電源8の充電回路に電気的接続される。また、外装ケース3の一側面(図の左側面)には、シャッタ部材12が図の上下方向に向けスライド移動、つまり昇降するように取り付けられている。このシャッタ部材12の詳細については後述する。
図2(a)は上記補助電源モジュール1を示す縦断面図、同図(b),(c)はそれぞれ(a)のA−A線およびB−B線に沿った断面図である。外装ケース3は、後面開口した矩形状の容器形態となったケース本体13の開口部が蓋体14で施蓋されてなる。ケース本体13および蓋体14は、電気絶縁性材料、例えばアクリル樹脂やフェノール樹脂などのプラスチック材料により形成されている。図2(a)に明示するように、ケース本体13の内部空間における四隅箇所には、前面から突出して蓋体14の内面に接触する位置まで延びるボス17がそれぞれ一体形成されており、外装ケース3は、ケース本体13の後面開口部が蓋体14で施蓋された状態で、ボルト18を蓋体14の取付孔からボス17のねじ孔にねじ込んで締結することにより、ケース本体13と蓋体14とが一体化された構成になっている。
図3は、図2(a)のC−C線に沿った拡大断面図を示し、同図に基づき空気電池9の構成を予め説明する。この実施形態では、ボタン形の空気電池9を用いた場合を例示してあり、この空気電池9は、容器状の正極缶19の底面部に複数個(この実施形態において4個)の空気導入孔20が形成され、この正極缶19の内部に、空気中の酸素を正極反応に利用する空気極21と、亜鉛などの負極活物質および電解液からなるゲル状負極合剤22とが、セパレータ23を介在した状態で収容され、正極缶19の開口部がリング状の絶縁ガスケット27を介在した電気絶縁状態で負極缶28により封口された構成になっている。
上記空気極21は、集電体(図示せず)の一面(図の上面)に触媒層(図示せず)が担持され、且つ集電体の他面(図の下面)に撥水膜29が固定された構成を有している。上記集電体としては、導電性を有する金属ネット、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどが用いられ、その形成素材としては、ステンレス、ニッケル、ステンレスや鉄にニッケルめっきを施したものが用いられる。上記触媒層は、酸素還元触媒能を有する種々の金属酸化物に活性炭、ポリテトラフルオロエチレンなどの分散液を添加した混合物よりなる。また、撥水膜29には、気体透過能および撥水性を有するフッ素樹脂多孔膜が用いられる。さらに、正極缶19の内底面には空気拡散紙24が設けられており、この空気拡散紙24と撥水膜29との間には、空気拡散室30が設けられている。撥水膜29は、電解液の電池外部への漏液を防止するとともに、空気極21への酸素供給を担う機能を有している。
上記空気電池9は、正極缶19の突出部19aの外面にシール材(図示せず)を貼着して全ての空気導入孔20を閉塞することにより、電池内部への空気の進入を阻止した放電不能状態で市販される。この空気電池9は、使用時に、図3に図示するようにシール材を剥がして所定の電池装着箇所に取り付けられることにより、空気導入孔20から内部に導入された空気中の酸素が正極活物質として電気化学反応を起こして、電力が出力される。したがって、空気電池9は、シール材を剥がして空気導入孔20を開口させた駆動可能状態で外装ケース3内に収容されるので、空気電池9の不使用時に外装ケース3が電池外部に対し遮断された密閉状態に維持されないと、外装ケース3内に侵入した空気中に含まれている酸素以外の炭酸ガスや水分などの成分の影響を受けて徐々に劣化してしまう。また、空気電池9の使用時には、外装ケース3内に十分な空気を取り入れないと、放電特性が低下してしまう課題がある。この実施形態の補助電源モジュール1は、このような課題を解消した構成を有しており、この点についての詳細は後述する。
図2に戻って、補助電源モジュール1の他の構成について説明する。図2(a),(c)に明示するように、外装ケース3におけるケース本体13および蓋体14の各々の対向面には、上下2対の正極側保持板部31,32および負極側保持板部33,34が外装ケース3の内方側に向け一体に突設されている。ケース本体13の対をなす上下各2個の保持板部31,32には、各2個ずつの空気電池9の正極缶19の上部および下部がそれぞれ嵌まり込む形状の凹所31a,32aが形成されているとともに、蓋体14の対をなす上下各2個の保持板部33,34には、各2個ずつの空気電池9の負極缶28および正極缶19の一部の上部および下部がそれぞれ嵌まり込む形状の凹所33a,34aが形成されている。
したがって、各凹所31a,32a,33a,34aに嵌め入れられた各空気電池9は、正極缶19が上下1対の正極側保持板部31,32により上下から挟み込まれて上下左右への移動が阻止された状態に保持され、且つ負極缶28が上下1対の負極側保持板部33,34により上下から挟み込まれて上下左右への移動が阻止された状態に保持されるとともに、正極側保持板部31,32および負極側保持板部33,34により前後から挟み込まれて前後方向への移動が阻止された状態に保持される。つまり、各空気電池9は、上下2対の正極側保持板部31,32および負極側保持板部33,34により完全な位置決め状態で確実に保持される。このとき、図3に示すように、各空気電池9は、正極缶19および負極缶28がそれぞれケース本体13および蓋体14の各々の内面に対し隙間を存した配置で保持される。
また、ケース本体13における蓋体14との対向面には、図2(a)に2点鎖線で示すように、2つの正極側接続板37がそれぞれ上下各一対の正極側保持板部31,32の間に位置する配置で固着されており、正極側接続板37は、各空気電池9に対向する2箇所が十文字形状に形成されて、その十文字形状の4箇所にそれぞれ、図3に明示する突出形状の接続端子部37aが一体に形成されている。その各4個の接続端子部37aは、図2(a)および図3に示すように、空気電池9の正極缶19の突出部19aの周縁における45°の等間隔の箇所に弾性的に接触して電気的接続されている。これにより、図3に示すように、左右各2個の空気電池9の各々の正極缶19が正極側接続板37を介して互いに電気的接続されるとともに、正極缶19の突出部19aと正極側接続板37との間に隙間が確保されており、その隙間を通って外装ケース3内の空気が空気電池9の4個の空気導入孔20にスムーズに導入されるようになっている。
一方、蓋体14におけるケース本体13との対向面には、図3に示すように、2つ(一方のみ図示)の負極側接続板38がそれぞれ上下各一対の負極側保持板部33,34の間に位置する配置で固着されている。負極側接続板38は、各空気電池9に対向する2箇所に、負極缶28に弾性的に接触する2個の接続端子部38aが一体に突設されている。これにより、左右各2個の空気電池9は、各々の負極缶28が負極側接続板38を介して互いに電気的接続されている。
したがって、左右の各2個の空気電池9はそれぞれ、正極側接続板37および負極側接続板38を介して並列接続され、この上下各2個の空気電池9の並列回路における上方側の正極側接続板37と下方側の負極側接続板38とが図3のリード線39を介して互いに電気的接続され、2つの並列回路における下方側の正極側接続板37と上方側の負極側接続板38とがリード線(図示せず)を介して図2(a)に図示のプリント配線回路基板40に接続されている。すなわち、4個の空気電池9は、左右の各2個が互いに並列接続されて、その2つの並列回路がプリント配線回路基板40に直列接続されている。プリント配線回路基板40には、同時に駆動する4個の空気電池9の出力電力を適用電子機器2に適応する駆動用電力に制御して、プラス側およびマイナス側の各接続プラグ4,7を通じて出力する充電制御回路が形成されている。
図3に明示するように、外装ケース3の左側面は、ケース本体13から後方に向け一体に突設されて蓋体14の対向面に当接されたガイド板部41により構成されており、図1に示したシャッタ部材12は、上記ガイド板部41の外面に対しスライドするように重ね合わされた状態で、ケース本体13および蓋体14の各々の一側端から内方に向けた直交方向に屈曲して一体に延出されたガイド片13a,14aと上記ガイド板部41とにより形成された前後2つのガイド溝42,43に保持されながら昇降するように設けられている。
上記保持電源モジュール1の左側面図である図4に示すように、上記シャッタ部材12には空気供給孔12aが形成されており、その空気供給孔12aは、この実施形態において、縦方向に4個並んだ配列が左右2列に配されて、計8つが形成されている。また、シャッタ部材12は、上端部を外方に向け屈曲して設けられた操作片12bにより上下動操作されるようになっているとともに、上動されたときに、外面における上記操作片12bの近傍箇所に膨出形成されたストッパ突出部12cが、同図に2点鎖線で示すように、ケース本体13上端桟部に当接することにより、所定の上限位置に位置決め静止されるようになっている。
一方、ケース本体13のガイド板部41には、シャッタ部材12の空気供給孔12aに対し同一形状で、且つ同一数の通気孔41aが空気供給孔12aと同一の配置で形成されている。但し、通気孔41aは、シャッタ部材12が図4に実線で図示する下限位置(第1の状態)に位置決めされたときに、各空気供給孔12aに対し全く重ね合わずに齟齬状にずれる相対位置関係に設定して形成されており、シャッタ部材12が上動されて図4の2点鎖線で示す上限位置(第2の状態)に位置決めされたときに、シャッタ部材12の各空気供給孔12aが対応する通気孔41aに合致して、外装ケース3の内部が通気孔41aおよび空気供給孔12aを通じて電池外部の大気と連通状態となる。これの詳細については後述するが、全ての通気孔41aまたは全ての空気供給孔12aは、外装ケース3の全表面積に対し2〜30%の開口率となるように設定して形成されている。但し、通気孔41aおよび空気供給孔12aは外装ケース3の内部空間に均等に空気が導入できる孔形状および配置とすることが好ましい。
さらに、上記補助電源モジュール1には、シャッタ部材12を上限位置および下限位置にそれぞれ軽く制止するための構成が設けられている。すなわち、図4のD−D線に沿った拡大断面図である図5に示すように、蓋体14のガイド片14aにおけるシャッタ部材12との対向面には、ほぼ半球状の係合突部14bが膨出形成されている。一方、シャッタ部材12におけるガイド片14aとのスライド面には、上記係合突部14bが択一的に嵌まり込むことのできるほぼ半円弧状の断面形状を有する上下一対の係止凹部12d,12eが凹設されているとともに、この両係止凹部12d,12eが、これらよりも浅い深さの直線状のガイド溝部12fによって連通されている。
さらに、上述と同様の制止構造がケース本体13のガイド片13a側にも設けられている。すなわち、図4に示すように、ケース本体13のガイド片13aにも上記係合突部14bと同一形状の係合突部13bが膨出形成され、シャッタ部材12におけるガイド片13aとのスライド面には、上記係合突部13bが択一的に嵌まり込むことのできるほぼ半円弧状の断面形状を有する上下一対の係止凹部12g,12hが凹設されているとともに、この両係止凹部12g,12hが、これらよりも浅い深さの直線状のガイド溝部12iによって連通されている。
図3に示すように、ケース本体13のガイド板部41には、シャッタ部材12に対するスライド面における前後両端近傍箇所に、シール部材44が溝状凹所に嵌合した状態で保持されている。このシール部材44は、ガイド板部41とこれに対し摺動するシャッタ部材12との間をほぼ密閉する。さらに、ケース本体13のガイド板部41における蓋体14に当接する端面にもシール部材47が溝状凹所に嵌合した状態で保持されて、ガイド板部41と蓋体14との間がほぼ密閉されている。
また、ケース本体13のガイド板部41におけるシャッタ部材12とのスライド面に対し反対側の内面には、二酸化炭素吸収シート(二酸化炭素吸収材)48が貼着されており、この二酸化炭素吸収シート48によりガイド板部41の各通気孔41aが閉塞されている。上記二酸化炭素吸収シート48は、空気中に含まれる二酸化炭素を吸収するが、空気中の酸素などの気体を通過させることが可能なものである。
つぎに、上記補助電源モジュール1の使用形態および作用について説明する。この補助電源モジュール1は、偏平な直方体形状の外装ケース3の内部に4個の空気電池9が四角形を形作る配置で内装されただけの簡単な構造であって、小型の外形を有するものであるから、例えばディジタルスチールカメラ、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話機、ノート型パソコンなどの適用電子機器2(図1)と共にこれらの駆動電源として気軽に常時携帯することができる。
その補助電源モジュール1を携帯するに際しては、不使用時に、図6(a)に示すように、シャッタ部材12を下限位置に下降させて、シャッタ部材12の各空気供給孔12aをガイド板部41の各通気孔41aに対し全く重ね合わない齟齬状の相対配置に位置させることにより、シャッタ部材12で各通気孔41aを閉塞した状態とする。このとき、外装ケース3は、上述のようにガイド板部41の各通気孔41aがシャッタ部材12で閉塞されているのに加えて、上下動可能なシャッタ部材12とガイド板部41との間が二つのシール部材44で密閉され、且つ蓋体14とガイド板部41との間がシール部材47で密閉されている。すなわち、外装ケース3は、内部空間が電池外部の大気に対しほぼ完全に遮断された密閉状態になっている。
また、図4および図5に示すシャッタ部材12の左右においてそれぞれ上下2つ有する係止凹部12d,12e、12g,12hのうちの上方側の係止凹部12d,12gにそれぞれ蓋体14およびケース本体13の各々のガイド片14a,13aの係合突部14b,13bが嵌まり込むことにより、外装ケース3は、上述した大気に対しほぼ完全に遮断された状態に保持される。
そして、適用電子機器2において、例えば、主電源8である二次電池の充電が必要であることを示す充電サインが表示されたときには、図1に矢印で示すように、補助電源モジュール1のプラス側およびマイナス側の接続プラグ4,7を適用電子機器2の接続端子孔10,11に挿入することにより、補助電源モジュール1を適用電子機器2に電気的接続状態に取り付ける。
そののち、図6(b)に示すように、補助電源モジュール1のシャッタ部材12を、これの操作片12bを指で上方に持ち上げてストッパ突出部12cがケース本体13の上端桟部に当接するまで上動させることにより、上限位置に位置決め停止させる。このとき、シャッタ部材12は、上方の各係合凹部12d,12gが係合突部14b,13bから離脱したのち、ガイド溝部12f,12iに摺接する係合突部14b,13bによりガイド板部41から僅かに離間する方向に弾性変形された状態を保持しながら上動されていき、下方の各係合凹部12e,12hに係合突部14b,13bが嵌まり込むことにより、上記上限位置に保持される。この上限位置にシャッタ部材12が位置決めされると、図6(b)に示すように、シャッタ部材12の全ての空気供給孔12aがガイド板部41の対応する通気孔41aに合致して、外装ケース3が開口状態となる。つまり、外装ケース3の内部空間は、合致した各通気孔41aおよび空気供給孔12aを通じて電池外部の大気と連通状態となる。
そして、合致状態の各空気供給孔12aおよび通気孔41aを通じて外装ケース3の内部空間に流入した空気中に含まれている酸素は、各空気電池9の空気導入孔20から電池内部に導入される。したがって、各空気電池9は、導入された酸素を空気極21が正極反応に利用して駆動することにより、放電を開始する。この各空気電池9の出力電力は、プリント配線回路基板40に設けられた充電制御回路の制御を受けて、適用電子機器2の主電源8に対し所要の充電用電力に制御して供給される。
適用電子機器2において、主電源8の充電完了サインが表示されたならば、シャッタ部材12を下限位置に押し下げる操作を行う。これにより、補助電源モジュール1は、各通気孔41aがシャッタ部材12で閉塞されて外装ケース3が再び密閉状態に保持され、それに伴って各空気電池9は放電を停止し、且つゲル状負極合剤22の水分の蒸発が極力抑制されて放電特性の劣化の進行が防止された状態に保持される。
上記補助電源モジュール1では、上述した特許文献3に記載の空気電池のように、放電に伴う酸素消費によって起こる微小な圧力欠損に対応して開閉するフィルムの十文字状の切り込みを通じて空気を取り込むことから、空気電池が放電を開始して或る程度の気圧差が生じないと空気孔が開口せず、且つ放電容量が或る程度の大きさに達しないと空気孔が十分に開口しないものとは異なり、シャッタ部材12を上限位置まで持ち上げると同時に、外装ケース3を、各通気孔41aによって設定された所定の開口率に開口して、電池外部から空気を極めて効果的、且つ効率的に外装ケース3内に即座に導入することができるから、各空気電池9が、所定の放電容量による放電を即座に開始する。したがって、この補助電源モジュール1は、適用電子機器2の主電源8に対する充電を即座に開始でき、且つ十分な空気の導入量によって短時間の間に急速充電を完了することができる。
また、この補助電源モジュール1は、各空気電池9を所定の放電容量で即座に放電させることができることから、上述した適用電子機器2の主電源8の充電用としての用途の他に、主電源8に代わる予備電源またはディジタルスチールカメラにおけるフラッシュ使用時のように大電流出力が必要なときの補助電源などの用途にも好適に使用することができる。
また、上記補助電源モジュール1では、各通気孔41aが二酸化炭素吸収シート48で閉塞されていることにより、外装ケース3内に空気を導入する際に、その空気中に含まれている二酸化炭素を二酸化炭素吸収シート48で吸収して外装ケース3内への侵入を阻止できるので、空気電池9が電池反応するときに炭酸ガスが存在した場合に発生する空気電池9の電解液の劣化の進行を抑制することができる。この二酸化炭素吸収シート48としては、多孔質基材の表面または内部に二酸化炭素吸収材の粉末を充填したもの、あるいはバインダを用いてペレット状としたものなどを用いるのが好ましい。また、二酸化炭素吸収シート48は、ガイド板部41に代えて、シャッタ部材12の外面に貼着して、各空気供給孔12aを閉塞するようにしてもよい。さらに、二酸化炭素吸収シート48を貼着するのに代えて、空気供給孔12aまたは通気孔41aの何れか一方を、二酸化炭素吸収材を直接充填して形成した二酸化炭素吸収膜により閉塞する構成としてもよい。要は、空気供給孔12aまたは通気孔41aの何れか一方が二酸化炭素吸収材で閉塞されていれば、上述した効果を得ることができる。
さらに、上記補助電源モジュール1では、図3に示すように、各空気電池9に個々に対応して正極接続板37に各々4つずつ設けた接続端子部37aが、空気電池9の正極缶19に対し電気的に接続する本来の機能に加えて、正極缶19をケース本体13に対し所定の隙間を設けた状態で四角形を形作る4点で接触して保持する機能とを備えている。これにより、外装ケース3内に流入したのち拡散された空気は、接続端子部37aによって設けられた正極缶19とケース本体13との隙間を通って空気導入孔20から各空気電池9の内部にスムーズに導入される。この点からも、各空気電池9は、シャッタ部材12を上限位置に持ち上げた時点で一層確実に駆動を開始する。
なお、上記実施形態では、シャッタ部材12をスライド移動により通気孔41aを開閉するようにして、比較的小さなスペース内でシャッタ部材12の所要の動作が得られるスペース効率の高い構成とした場合を例示したが、シャッタ部材12は、上記構成に限らず、例えば、外装ケースに形成した円弧状の通気孔とほぼ同形状の空気供給孔を備えた円板を回転させるロータリー方式の構成としても、高いスペース効率で通気孔41aの所要の開閉動作を得ることができる。
また、適用電子機器2に対する接続構造は、実施形態に例示した正負の接続プラグ4,7を設ける構成に代えて、例えば、専用の接続コードの両端に取り付けられた各プラグを補助電源モジュールおよび適用電子機器に各々設けられた各ジャックにそれぞれ差し込む構成や、或いは、補助電源モジュールを適用電子機器の取付用凹所に嵌め入れると、補助電源モジュールと適用電子機器との各々の接続端子が互いに接続された状態で、適用電子機器に設けた固定用ロックボタンが補助電源モジュールの係合凹部に挿入して、補助電源モジュールが適用電子機器に対し着脱自在に固定される構成としてもよい。要は、補助電源モジュール1を適用電子機器2に対し着脱自在に電気的接続できればよい。
また、本発明の補助電源モジュール1を実際に試作して実験を行ったので、その実験結果の評価について説明する。空気電池9は、空気極21として、金属酸化物、黒鉛、活性炭およびフッ素系結着剤を主成分とする触媒をネット状の集電体に圧着したものを用いた。また、電解液として、電解液濃度が34wt%KOHのアルカリ電解液を用いて作製した。そして、シャッタ部材12として、全ての空気供給孔12aの外装ケース3の全表面積に対する開口率を、0.5、1、2、5、10、18、20、25、30、35、40にそれぞれ設定した11種類を製作して、これらシャッタ部材12を個々に異なる外装ケース3に対し実施形態と同様にスライド自在に取り付けた。
上述11種類の各外装ケース3内に、上記空気電池9を同一平面上に四角形を形作る配置で4個並べてそれぞれ収納し、0.5mm×5mmの断面積と1cmの長さを有する複数本のニッケルリード線の両端を上記4つの空気電池9にスポット溶接することにより、その4つの空気電池9を直列接続するとともに、この4つの空気電池9の直列回路の両端のプラス側とマイナス側とに一端を接続したニッケルリード線をプラス側およびマイナス側の各接続プラグ4,7にスポット溶接により接続して、11種類の補助電源モジュールを作製した。
上記11種類の各補助電源モジュールにおける外装ケース3の開口状態を評価する方法として、シャッタ部材12を上限位置に位置決めして各空気供給孔12aを通気孔41aに合致させることにより各空気電池9の空気極21を外気と連通させた状態で、20°の温度と60%の相対湿度に設定した恒温槽内に挿入して、10間保存し、その保存後に、空気電池9を1個当たり50mA/cm2 の電流密度で放電させて、空気電池9の放電容量C1を求めた。この得られた放電容量C1と、各空気電池9に含まれる亜鉛重量から計算される理論容量C2(mAh)とに基づき、空気電池9の放電効率P(%)を求めた。この放電効率P(%)は、〔P(%)=(C1/C2)×100〕の式から算出した。ここで、放電効率P(%)の数値が大きい程放電特性の優れた補助電源モジュール1であると言える。
上記試験の結果、全ての空気供給孔12aの外装ケース3の全表面積に対する開口率を2、5、10、18、20、25、30、35、40にそれぞれ設定した補助電源モジュールでは、初期の放電効率P(%)の数値が70%以上となり、高率放電が可能である。このことから、空気電池9を高率放電させるためには、空気供給孔12aまたは通気孔41aの外装ケース3の全表面積に対する開口率を2%以上に設定する必要があることが判明した。
一方、全ての空気供給孔12aの外装ケース3の全表面積に対する開口率を2、5、10、18、20、25、30にそれぞれ設定した補助電源モジュールでは、保存後の放電効率P(%)の数値が60%以上を維持していた。このことから、外装ケース3の全表面積に対する空気供給孔12aおよび通気孔41aによる開口率が30%以上になると、大気中の二酸化炭素が空気電池9の内部に侵入する割合が高くなって、二酸化炭素により空気電池9の電解液等が劣化し、上記保存後の放電高率P(%)の数値が著しく低下するものと思われる。
したがって、上記試験の結果、外装ケース3は、全表面積に対する開口率が2〜30%となる割合で開口するように設定して通気孔41aおよび空気供給孔12aを形成すれば、初期および保存後の放電高率P(%)として共に高い数値を得ることができ、高率放電特性と開封保存特性の両特性が良好となる。特に、外装ケース3の全表面積に対する開口率が2〜18%の範囲内の割合で開口するように設定して通気孔41aおよび空気供給孔12aを形成すれば、初期および保存後の放電高率P(%)が共に70%以上に維持され、好ましい。
一方、二酸化炭素吸収シート48は、LiOH、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、Ba(OH)2 、Sr(OH)2 、Li2 ZrO3 、Li2 SiO3 、Li4 SiO4 、MgO、活性炭およびゼオライトなどの二酸化炭素吸収材の粉末を、多孔質基材の表面に置き、粉末の上から平板で擦り付けて多孔質基材の表面や内部に充填して作製した。上記二酸化炭素吸収材は、平均粒径が40μmの粉末として用いるのが好ましい。また、上記多孔質基材としては、例えば、タピルス(株)製のポリフェニレンサンファイド(PPS)からなる空孔率が70〜90%程度の不織布を用いた。また、二酸化炭素吸収シート48としては、上述した二酸化炭素吸収材の粉末にバインダーとしてPTFE粉末を20wt%加えて混合し、その混合粉末に19.7MPa/cm2 の圧力を加えてペレット化したものを用いることもできる。
外装ケース3の全表面積に対する開口率が15%の割合で開口するように設定して通気孔41aおよび空気供給孔12aを形成した外装ケース3を用いて、二酸化炭素吸収シート48の機能に関する実験を行い、その実験結果を評価した。その結果、初期の放電高率P(%)は、二酸化炭素吸収シート48の使用の有無に拘らず、80%以上の良好な数値を示したが、保存後の放電高率P(%)は、二酸化炭素吸収シート48を用いた場合に75%の数値を得られたのに対し、上記シート48を使用しない場合に71%以下に低下した。これにより、二酸化炭素吸収シート48を用いれば、空気電池の開封保存特性が向上することが判明した。
この発明に係る補助電源モジュールは、接続部を介して携帯型電子機器に電気的接続した状態で、シャッタ部材を操作して第2の状態に設定することにより、空気電池が、所定の放電容量による放電を即座に開始するので、適用電子機器の主電源に対する充電を即座に開始でき、且つ十分な空気の導入量によって短時間の間に急速充電を完了することができる。また、不使用時には、シャッタ部材を第1の状態に保持しておくことにより、外装ケースが電池外部に対し遮断した密閉状態に保持されて、空気電池が消耗されるのを防ぐことができる。したがって、この補助電源モジュールは、空気電池を所定の放電容量で即座に放電させることができることから、適用電子機器の主電源の充電用としての用途に好適に利用できる他に、主電源に代わる予備電源またはディジタルスチールカメラにおけるフラッシュ使用時のように大電流出力が必要なときの補助電源などの用途にも好適に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る補助電源モジュールと適用電子機器との関連を示す斜視図。 (a)は同上の補助電源モジュールを示す縦断面図、(b),(c)はそれぞれ(a)のA−A線およびB−B線に沿った断面図。 図2(a)のC−C線に沿った拡大断面図。 同上の補助電源モジュールを示す左側面図。 図4のD−D線に沿った拡大断面図。 (a),(b)は同上の補助電源モジュールの動作を説明するための簡略斜視図。
符号の説明
1 補助電源モジュール
2 適用電子機器
3 外装ケース
4,7 接続プラグ(接続部)
9 空気電池
12 シャッタ部材
12a 空気供給孔
41 ガイド板部(一側面)
41a 通気孔
48 二酸化炭素吸収シート(二酸化炭素吸収材)

Claims (5)

  1. 内部空間に空気電池が収容され、一側面に形成された通気孔と、前記空気電池の出力電力を供給すべき電子機器に対し電気的接続するための接続部とを有する外装ケースと、
    前記一側面に移動可能に取り付けられたシャッタ部材とを備えてなり、
    前記シャッタ部材が、自身に形成された空気供給孔が前記通気孔から離間することにより前記通気孔を閉塞して前記外装ケースを外部から遮断した密閉状態とする第1の状態と、互いに合致した前記空気供給孔および前記通気孔を介して前記外装ケースの内部空間を外部に連通させる第2の状態との間で移動するように設けられていることを特徴とする補助電源モジュール。
  2. 通気孔が外装ケースの全表面積に対し2〜30%の割合となる開口率に設定して形成されている補助電源モジュール。
  3. 外装ケースの一側面に複数個の通気孔が所定の配置で形成され、
    シャッタ部材が、板材に前記通気孔と同一数の空気供給孔が同一配置で形成されて、前記各空気供給孔が前記各通気孔から離間した第1の状態と前記各空気供給孔が前記各通気孔に合致する第2の状態との範囲内で前記一側面に対しスライド移動するように設けられている請求項1または2に記載の補助電源モジュール。
  4. 外装ケース内に二酸化炭素吸収材が設けられている請求項1ないし3の何れか一項に記載の補助電源モジュール。
  5. 通気孔または空気供給孔の一方が、気体の通過が可能な二酸化炭素吸収材で閉塞されている請求項1ないし4の何れか一項に記載の補助電源モジュール。
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