JP2007212711A - 保護回路、半導体回路基板、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

保護回路、半導体回路基板、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Shin Koide
慎 小出
Hiroko Oka
裕子 岡
Shin Fujita
伸 藤田
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Abstract

【課題】TFT等の回路素子と同時プロセスでPINダイオードを作製する際に、同時作
製時に付随してマスク用導電層が形成された状態であっても、PINダイオードを逆バイ
アスで使用するときに、マスク用導電層の電位変化によりPINダイオードの逆バイアス
の電流が変動して不必要な漏れ電流を生じることがない保護回路、半導体回路基板、電気
光学装置の駆動回路、電気光学装置及び電子機器を提供することである。
【解決手段】ポリシリコンの半導体層を有する素子で構成された回路を有する絶縁基板と
、前記絶縁基板上に、ポリシリコンの半導体層を用いて作製されたPINダイオードと、
前記PINダイオードのイントリンシック層の上に形成されたマスク用導電層とを具備し
、前記マスク用導電層を特定の電位に固定し、前記PINダイオードのアノードは複数の
電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間の電位の高い方に接続する

【選択図】図1

Description

本発明は、液晶装置等において、静電気に対する耐性を向上させる保護回路、半導体回
路基板、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置及び電子機器に関する。
液晶装置等の電気光学装置の駆動回路は、例えば外部からの電源供給を受けて走査線や
データ線を駆動する内蔵回路として電気光学パネルの基板に作り込まれたり、或いは外付
けIC回路として該基板に後付けされたりする。このような駆動回路の劣化又は破壊の要
因としては、駆動回路或いはこれを備える電気光学装置の製造工程における実装時或いは
組み立て時、出荷時や貯蔵時、更には出荷後の製品使用時などにおける、温度及び湿度、
機械的な衝撃の付加等に加え、特に電気光学装置の組み立て時又は運搬時に問題となる静
電気放電のストレスによる破壊、即ち静電破壊が挙げられる。組み立て時等に駆動回路或
いは電気光学装置の周辺で静電気が発生し、これが駆動回路に接続された配線に印加され
ると、駆動回路が劣化又は破壊される。この結果、製造における歩留まり低下及び出荷後
における装置故障を招いてしまう。
そこで、このような静電気による駆動回路の劣化又は破壊を防止するために、保護回路
が、駆動回路の信号入出力に関係する信号経路に設けられる(例えば、特許文献1参照)
。より具体的には、保護回路は、例えば駆動回路外部からクロック信号、反転クロック信
号、スタートパルス等の各種信号が入力される入力端子に対して入力保護回路として設け
られる。或いは、走査信号、エンドパルス等の駆動回路外部への各種信号が出力される出
力端子に対して出力保護回路として設けられる。
特許文献1には、液晶装置等の電気光学装置において、その駆動回路の静電気に対する
耐性を向上させる保護回路は、複数の電源線のうち少なくとも2本の相異なる電位が供給
される電源線間に設けられており、その2本の電源線のうち一方に印加された静電気を他
方へ逃がす電気経路を提供するものであり、静電保護素子としてダイオード、N型トラン
ジスタ又はP型トランジスタ若しくはPIN接合型トランジスタを含んで構成されている

特開2005−49637号公報
ところで、PINダイオードを駆動回路の静電保護素子として用いる場合、低温ポリシ
リコンの薄膜トランジスタ(以下、TFT)と同時プロセスで、PINダイオードを作製
すると、TFTのゲート電極と同じものが、PINダイオードのイントリンシック層の上
に、絶縁酸化膜を介在して形成される。このPINダイオードに付随するゲート電極と同
じもの(以下、マスク用導電層という)は、通常のPINダイオードには必要のないもの
であるが、PINダイオードのイントリンシック層にTFT作製時のn−が不純物として
入らないようにカバーをするために必要である。このようにマスク用導電層は製造時以外
は必要ないものであり、これを削除するためには別途工程が必要になる。そのための製造
コストが増えるので削除することなく残しておく。しかし、マスク用導電層をフローティ
ング状態にしておくと、そのマスク用導電層と周囲の容量結合、ノイズ、もしくは静電気
によって電位状態が定まらず、マスク用導電層の電位変化によりPINダイオードの逆バ
イアスの電流が変動し、時として入力信号から不必要な電流が流れ出す問題(図8のI−
V特性の点線に示すフローティング時の特性を参照)があった。すなわち、PINダイオ
ードのマスク用導電層がフローティングで電位が固定されていないと、(1)順方向電圧VF
を負に大きくしていくと、逆バイアス時の漏れ電流が跳ね上がるように急増することと、
(2)フローティングのマスク用導電層に静電気が溜まりPINダイオードの特性が変化し
、逆バイアス電流に変動を生じる、という問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、TFT等の回路素子と同時プロセスでPINダ
イオードを作製する際に、同時作製時に付随してマスク用導電層が形成された場合に、そ
の状態であっても、PINダイオードを逆バイアスで使用するときに、マスク用導電層の
電位変化によりPINダイオードの逆バイアス電流が変動して不測の電流を生じることが
ない保護回路、半導体回路基板、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置及び電子機器を
提供することを目的とするものである。
本発明による保護回路は、ポリシリコンの半導体層を有する素子で構成された回路を有
する絶縁基板と、前記絶縁基板上に、ポリシリコンの半導体層を用いて作製されたPIN
ダイオードと、前記PINダイオードのイントリンシック層の上に形成されたマスク用導
電層と、を具備し、前記マスク用導電層を特定の電位に固定し、前記PINダイオードの
アノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間の電位の
高い方に接続することを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、マスク用導電層を特定の電位に固定し、PINダイ
オードのアノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間
の電位の高い方に接続することで、PINダイオードを逆バイアス状態で静電保護素子と
して用いた場合に、絶縁基板上にポリシリコンによる回路を形成する際に同時に形成され
るPINダイオードのマスク用導電層の電位がフローティングすることなく、PINダイ
オードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑える
ことができる。従って、PINダイオードを静電保護素子として安定に使用することがで
きる。
本発明において、前記マスク用導電層を、特定の電位に固定するために、前記PINダ
イオードのカソード又はアノードに接続したことを特徴とする。
このような構成によれば、駆動回路等の被保護回路を静電保護素子であるPINダイオ
ードと共に同時に形成する際に、PINダイオードのマスク用導電層をカソード又はアノ
ードに接続するだけで、PINダイオードのマスク用導電層の電位を安定させることがで
きる。
本発明において、前記PINダイオードは、複数のPINダイオードが直列接続されて
いることを特徴とする。
このような構成によれば、マスク用導電層を特定電位に固定したPINダイオードを複
数直列接続することによって、PINダイオードを2個直列接続した場合(図8参照)の
ように逆バイアス電流(即ち漏れ電流)を非常に少なくすることが可能である。
本発明において、前記電源と、前記回路に信号を入出力する入力端子又は出力端子との
間に、前記PINダイオードが接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、入力端子又は出力端子に静電気などによって正又は負の過大
な電圧が印加された場合、その印加電圧がPINダイオードの順方向であるとダイオード
がオンして電荷を電源側に逃がし、入力端子又は出力端子に接続した駆動回路などの回路
を保護することができる。
本発明において、前記カソード及びアノードはそれぞれn+層及びp+層で構成され、
前記n+層と前記イントリンシック層の間にn−層が存在することを特徴とする。
このような構成によれば、n+層とイントリンシック層の間に低濃度不純物(n−)層
を存在させることによって、順方向電圧VFを低くしたときの逆バイアス電流の増大を防
ぐことができる。アノードとカソード間に逆バイアスの過大な電圧が与えられても逆バイ
アス時の特性の変動が小さく抑えられ、不測の逆バイアス電流が増大することがない。
本発明による半導体回路基板は、ポリシリコンの半導体層を有する素子で構成された回
路を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に、ポリシリコンの半導体層を用いて作製された
PINダイオードと、前記PINダイオードのイントリンシック層の上に形成されたマス
ク用導電層と、を有し、前記マスク用導電層を特定の電位に固定し、前記PINダイオー
ドのアノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間の電
位の高い方に接続する保護回路を具備したことを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、マスク用導電層を特定の電位に固定し、PINダイ
オードのアノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間
の電位の高い方に接続することで、PINダイオードを逆バイアス状態で静電保護素子と
して用いた場合に、絶縁基板上にポリシリコンによる回路を形成する際に同時に形成され
るPINダイオードのマスク用導電層の電位がフローティングすることなく、PINダイ
オードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑える
ことができる。
本発明の電気光学装置の駆動回路は、上記の保護回路又は上記の半導体回路基板を備え
たことを特徴とする。
このような構成によれば、PINダイオードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電
流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑え、かつ高い静電気耐性を持った電気光学装置の駆動
回路を実現することができる。
本発明において、上記の電気光学装置の駆動回路は、液晶装置,有機エレクトロルミネ
センス装置又は無機エレクトロルミネセンス装置の駆動回路であることを特徴とする。
このような構成によれば、PINダイオードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電
流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑え、かつ高い静電気耐性を持った液晶装置,有機もし
くは無機エレクトロルミネセンス装置の駆動回路を実現することができる。
本発明の電気光学装置は、上記の駆動回路を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、PINダイオードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電
流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑え、かつ高い静電気耐性を持った電気光学装置を実現
することができる。
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、PINダイオードのI−V特性が安定になり、逆バイアス電
流(即ち漏れ電流)が増えるのを抑え、かつ高い静電気耐性を持った電子機器を実現する
ことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の保護
回路を、電気光学装置としてのTFTアクティブマトリクス駆動形式の液晶装置に適用し
たものである。
<1;液晶装置の構成>
先ず本発明に係る電気光学装置の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は
、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、液晶装置1は、主要部として、本発明に係る「電気光学パネル」の
一例たる液晶パネル100、画像信号処理回路300、タイミングジェネレータ400、
及び電源回路500を備える。
液晶パネル100は、画像表示領域110、駆動回路120及び検査回路140を備え
る。
液晶パネル100は、その画像表示領域110に画素スイッチング用のスイッチング素
子としてTFT116、画素電極等を形成した素子基板と、対向電極等を形成した対向基
板とを、互いに電極形成面を対向させて且つ一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶
を挟持することで構成されている。なお、素子基板には、対向基板の共通電極と素子基板
の駆動回路120を電気的に接続する上下導通端子121が設けてある。
タイミングジェネレータ400は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するよ
うに構成されている。タイミングジェネレータ400の一部であるタイミング信号出力手
段により、最小単位のクロックであり各画素を走査するためのドットクロックが作成され
、このドットクロックに基づいて、Yクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB
、Y側エンドパルスYEP、Xクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、Y転
送開始パルスDY及びX転送開始パルスDXが生成される。
画像信号処理回路300は、外部から入力画像データが入力されると、この入力画像デ
ータに基づいて画像信号を生成して、この画像信号を画像信号供給線L1及び駆動回路1
20を介して液晶パネル100に供給する。
尚、この例では、説明を簡略化するため、画像信号は白黒の階調を表すものとするが、
本発明はこれに限定されるものではなく、画像信号をRGB各色に対応するR信号、G信
号、及びB信号から構成してもよい。この場合には、画像信号供給線を3本を一対として
設ければよい。
電源回路500は、複数の電位の電源を生成して、駆動回路120を介して液晶パネル
100に供給する。電源回路500について詳細な説明は後述する。
本実施形態では特に、液晶パネル100は駆動回路内蔵型であり、その素子基板上に、
本発明に係る「駆動回路」の一例として、走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路1
50を含む駆動回路120が構築されている。このような駆動回路120は、好ましくは
、画像表示領域110に作り込まれる各画素に係るTFT116等と共に、素子基板の周
辺領域に作り込まれる。但し、このような駆動回路は、少なくとも部分的に外付けICと
して構成され、周辺領域に後付けされてもよい。
液晶パネル100は更に、その素子基板の中央を占める画像表示領域110に、縦横に
配線されたデータ線114及び走査線112を備え、それらの交点に対応する各画素に、
マトリクス状に配列された画素電極118及び画素電極118をスイッチング制御するた
めのTFT116を備える。尚、本実施形態では特に、走査線112の総本数をm本(但
し、mは2以上の自然数)とし、データ線114の総本数をn本(但し、nは2以上の自
然数)として説明する。
データ線駆動回路150は、画像信号供給線L1から供給される画像信号を各データ線
114に順次供給する。TFT116のソース電極には、データ線駆動回路150より画
像信号が供給されるデータ線114が電気的に接続されている一方、TFT116のゲー
ト電極には、後述する走査信号が供給される走査線112が電気的に接続されるとともに
、TFT116のドレイン電極には、画素電極118が接続されている。そして、各画素
部は、画素電極118と、対向基板に形成された共通電極と、これら両電極間に挟持され
た液晶とによって構成される結果、走査線112とデータ線114との各交点に対応して
、マトリクス状に配列されることになる。
検査回路140は、点灯検査を行うときに、各データ線114に検査用信号を供給して
各画素を点灯させるためのものである。
尚、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、蓄積容量119が、画素電極1
18と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に付加されている。例えば、画素電極
118の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量119
により保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されること
となる。
<2;走査線駆動回路の構成>
次に、図2を参照して、駆動回路120における走査線駆動回路130の詳細な構成に
ついて説明する。図2は、走査線駆動回路130の構成を示すブロック図である。走査線
駆動回路130の主要部は、Y側シフトレジスタ131及びY側レベルシフタ132を含
む構成となっている。尚、走査線駆動回路130において、Y側シフトレジスタ131及
びY側レベルシフタ132によって、本発明に係る「駆動手段」が構成される。
Y側シフトレジスタ131には、タイミングジェネレータ400からYクロック信号Y
CK、反転Yクロック信号YCKB、及びY転送開始パルスDYが入力される。Y側シフ
トレジスタ131は、Y転送開始パルスDYが入力されると、Yクロック信号YCK及び
反転Yクロック信号YCKBに同期して、Y側転送パルスYP1、YP2、YP3、・・
・、YPm−1、YPmを順次生成する。尚、図2には図示しないが、Y側シフトレジス
タ131は、m本の走査線112に対応してm段より構成されており、第1段目から第m
段目に向かう方向で、各段よりY側転送パルスYP1、YP2、YP3、・・・、XPm
−1、YPmが順次出力される。そして、Y側シフトレジスタ131の最終段より、Y側
転送パルスYPmが当該Y側シフトレジスタ131のY側エンドパルスYEPとしても出
力される。
また、図2に示すようにY側レベルシフタ132は、m本の走査線112に対応してm
段より構成されており、Y側レベルシフタ132からは、夫々電圧レベルがレベルシフト
されたY側転送パルスYP1、YP2、YP3、・・・、YPm−1、YPmが、Y側駆
動信号Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1、Ymとして順次出力される。
ここで、走査線駆動回路130には、図1に示す電源回路500より、第1Y側電源V
DDY、第2Y側電源VSSY、第3Y側電源VHHY、及び第4Y側電源VLLYが供
給される。即ち、図2に示すように、走査線駆動回路130には、第1Y側電源VDDY
が供給される第1Y側電源線501a、第2Y側電源VSSYが供給される第2Y側電源
線502a、第3Y側電源VHHYが供給される第3Y側電源線503a、及び第4Y側
電源VLLYが供給される第4Y側電源線504aを含むY側電源線群510aが設けら
れている。
Y側シフトレジスタ131は、図2に示すように、第1Y側電源線501a及び第2Y
側電源線502aに電気的に接続されている。即ち、Y側シフトレジスタ131は、第1
Y側電源VDDY及び第2Y側電源VSSYによって駆動し、Y側転送パルスYP1、Y
P2、YP3、・・・、YPm−1、YPmは、夫々第1Y側電源VDDYの電位及び第
2Y側電源VSSYの電位間の電圧となる。
また、Y側レベルシフタ132は、図2に示すように、第3Y側電源線503a及び第
4Y側電源線504aに電気的に接続されている。Y側レベルシフタ132によって、Y
側転送パルスYP1、YP2、YP3、・・・、YPm−1、YPmは夫々、第1Y側電
源VDDYの電位及び第2Y側電源VSSYの電位間の電圧から、第3Y側電源VHHY
の電位及び第4Y側電源VLLYの電位間の電圧へレベルシフトされる。
液晶装置1において、例えば液晶パネル100の組み立て時又は運搬時などの非動作時
に又は電源供給が行われている動作時に、特に駆動回路120或いはこれに接続された各
種配線に静電気が発生した場合、該駆動回路のうち走査線駆動回路130を構成するY側
シフトレジスタ131及びY側レベルシフタ132に発生した静電気が印加されると、Y
側シフトレジスタ131及びY側レベルシフタ132の一部又は全部が破壊又は劣化され
る恐れがある。
走査線駆動回路130には、特に当該走査線駆動回路130に外部から信号が入力され
る入力端子側、及び当該走査線駆動回路130より外部に信号が出力される出力端子側の
うち少なくとも一方に対して保護回路が設けられる他、Y側電源線群510aに対しても
保護回路が設けられる。図2には、入力端子側に対して設けられる保護回路をY側入力保
護回路133として示し、出力端子側に対して設けられる保護回路をY側出力保護回路1
34として示し、Y側電源線群510aに対して設けられる保護回路をY側電源間保護回
路135として示してある。
図2において、Y側入力保護回路133は、例えばYクロック信号YCK、反転Yクロ
ック信号YCKB、及びY転送開始パルスDYが入力される信号線に対して設けられると
共に、Y側エンドパルスYEPが出力される信号線に対してY側出力保護回路134aが
設けられ、Y側駆動信号Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1、Ymが出力される信号線
に対してY側出力保護回路134bが設けられている。
尚、本実施形態では、Y側電源線群510a及び後述するX側電源線群510bに対し
て一つの電源間保護回路が設けられてもよい。
<3;データ駆動回路の構成>
次に、図3を参照して、駆動回路120におけるデータ線駆動回路150の詳細な構成
について説明する。図3は、データ線駆動回路150の構成を示すブロック図である。デ
ータ線駆動回路150の主要部は、X側シフトレジスタ151及びX側レベルシフタ15
2を含む構成となっている。尚、データ線駆動回路150において、X側シフトレジスタ
151及びX側レベルシフタ152によって、本発明に係る「駆動手段」が構成される。
X側シフトレジスタ151は、図2に示すY側シフトレジスタ131と同様の構成を有
し、同様の動作を行う。X側シフトレジスタ151は、図3には図示しないが、n本のデ
ータ線114に対応してn段より構成されている。そして、タイミングジェネレータ40
0からXクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、及びX転送開始パルスDX
が入力されると、Xクロック信号XCK及び反転Xクロック信号XCKBに同期して、第
1段目から第n段目に向かう生成方向で、X側転送パルスXP1、XP2、XP3、・・
・、XPn−1、XPnを順次生成する。また、X側シフトレジスタ151の最終段より
、X側転送パルスXPnがX側エンドパルスXEPとしても出力される。
また、X側レベルシフタ152は図2に示すY側レベルシフタ132と同様の構成を有
する。X側レベルシフタ152は、n本のデータ線114に対応してn段より構成されて
おり、X側レベルシフタ152から、夫々電圧レベルがレベルシフトされたX側転送パル
スXP1、XP2、XP3、・・・、XPn−1、XPnが、X側駆動信号X1、X2、
X3、・・・、Xn−1、Xnとして順次出力される。尚、データ線駆動回路150から
画像信号は、X側レベルシフタ152からX側駆動信号X1、X2、X3、・・・、Xn
−1、Xnが夫々出力されるタイミングで、順次データ線114に供給される。
ここで、データ線駆動回路150には、図2に示す走査線駆動回路130と同様、電源
回路500より4種の電源が供給され、該4種の電源と対応する4種の電源線を含むX側
電源線群510bが設けられている。
X側シフトレジスタ151は、電源回路500より第1X側電源線501b及び第2X
側電源線502bを介して供給される第1X側電源VDDX及び第2X側電源VSSXに
よって駆動する。よって、X側転送パルスXP1、XP2、XP3、・・・、XPn−1
、XPnは、夫々第1X側電源VDDXの電位及び第2X側電源VSSXの電位間の電圧
となる。
また、X側レベルシフタ152は、電源回路500より第3X側電源線503b及び第
4X側電源線504bを介して供給される第3X側電源VHHX及び第4X側電源VLL
Xによって駆動する。即ち、X側レベルシフタ152によって、X側転送パルスXP1、
XP2、XP3、・・・、XPn−1、XPnは夫々、第1X側電源VDDXの電位及び
第2X側電源VSSXの電位間の電圧から、第3X側電源VHHXの電位及び第4X側電
源VLLXの電位間の電圧へレベルシフトされる。
更に、データ線駆動回路150にも、走査線駆動回路130と同様に、X側入力保護回
路153、X側出力保護回路154、及びX側電源間保護回路155が設けられる。図3
において、X側入力保護回路153は、例えばXクロック信号XCK、反転Xクロック信
号XCKB、及びX転送開始パルスDXが入力される信号線に対して設けられると共に、
X側エンドパルスXEPが出力される信号線に対してX側出力保護回路154aが設けら
れ、X側駆動信号X1、X2、X3、・・・、Xn−1、Xnが出力される信号線に対し
てX側出力保護回路154bが設けられている。
<4;保護回路の構成及び動作>
次に、図2に示すY側入力保護回路133と、Y側出力保護回路134a及び134b
と、Y側電源間保護回路135、並びに図3に示すX側入力保護回路153と、X側出力
保護回路154a及び154bと、X側電源間保護回路155とについて、夫々構成及び
動作を説明する。
尚、本実施形態では、電源回路500から走査線駆動回路130に供給される4種の電
源の電位は、第4Y側電源VLLY、第2Y側電源VSSY、第1Y側電源VDDY、及
び第3Y側電源VHHYの順に高くなるものとする。また、電源回路500からデータ線
駆動回路150に供給される4種の電源の電位は、第4X側電源VLLX、第2X側電源
VSSX、第1X側電源VDDX、及び第3X側電源VHHXの順に高くなるものとする
。更に、電源回路500から走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路150に供給さ
れる8種の電源の電位は、第2Y側電源VSSYと第2X側電源VSSXとが同等の電位
であり、第1Y側電源VDDYと第1X側電源VDDXとが同等の電位であると共に、第
4Y側電源VLLY、第4X側電源VLLX、第2Y側電源VSSY(第2X側電源VS
SX)、第1Y側電源VDDY(第1X側電源VDDX)、第3X側電源VHHX、及び
第3Y側電源VHHYの順に高くなるものとする。
[第1の実施形態]
図4及び図5は本発明の第1の実施形態に係り、図4は本発明の第1の実施形態の保護
回路が適用される電気光学装置の一例である液晶装置の斜視図を示し、図5は図4の液晶
装置の縦断面図を示している。
図4に示す液晶装置は、駆動回路素子、TFT等のスイッチ素子及びPINダイオード
等の静電保護素子が形成され、画素電極を有した素子基板101と、この素子基板101
に対向配置される、共通電極を有した対向基板102と、素子基板101と対向基板10
2の間にシール材を用いて封入された図示しない液晶と、素子基板101の張り出し部に
設けられて、外部回路に接続するための外部接続端子104とと、パネルの両面に配設さ
れた偏光板(図5の符号101h,102dを参照)と、で構成されている。なお、液晶
パネル100は、上記の液晶装置の構成から偏光板を除いたものを指している。
液晶パネル100における素子基板101には、ガラス基板に多結晶シリコン(以下、
ポリシリコン)の半導体層を有する素子で構成された回路(図5では例えば駆動回路の一
部を構成するインバータ101aがこれに相当する)が形成され、また同じガラス基板に
ポリシリコンの半導体層を用いて画素毎にスイッチ素子であるTFT(薄膜トランジスタ
:図1の符号116を参照)が形成され、かつ同じガラス基板にポリシリコンの半導体層
を用いて、静電気に対する耐性を向上させるためのPINダイオード(図5の符号101
bを参照)が形成されている。
図5に示すように、素子基板101には、P型MOSトランジスタP1とN型MOSト
ランジスタN1で構成されるインバータ101aが形成されている一方、静電保護素子と
してのPINダイオード101bが形成されている。
インバータ101aの一方のトランジスタを構成するN型MOSトランジスタN1は、
ソース領域(n+/n−)とイントリンシック領域(i)とドレイン領域(n+/n−)
からなる半導体層と、この半導体層の上を覆うようにゲート絶縁膜として形成される酸化
膜101cと、酸化膜101cの上に設けたゲート電極106とを備え、ソース領域(n
+/n−)とドレイン領域(n+/n−)にはそれぞれコンタクトホールを介した金属配
線によるソース端子及びドレイン端子が層間絶縁膜101e上に引き出されている。酸化
膜101cの上部及び下部にはそれぞれ下地絶縁膜101d及び層間絶縁膜101eが形
成されている。
インバータ101aのもう一方のトランジスタを構成するP型MOSトランジスタP1
は、ソース領域(p+)とイントリンシック領域(i)とドレイン領域(p+)からなる
半導体層と、この半導体層の上を覆うようにゲート絶縁膜として形成される酸化膜101
cと、酸化膜101cの上に設けたゲート電極107とを備え、ソース領域(p+)とド
レイン領域(p+)にはそれぞれコンタクトホールを介した金属配線によるソース端子及
びドレイン端子が層間絶縁膜101e上に引き出されている。N型MOSトランジスタN
1のドレイン端子とP型MOSトランジスタP1のドレイン端子は、金属配線で共通接続
されている。
PINダイオード101bは、上記インバータ101aと同時プロセスで同一絶縁基板
の同一層に形成されている。PINダイオード101bは、アノードであるp+層(p型
半導体層),イントリンシック層(真性半導体層),カソードであるn+層(n型半導体
層)からなる半導体層と、この3つの半導体層の上を覆うように形成される絶縁膜として
の酸化膜101cと、前述のゲート電極106,107と同時プロセスで形成されるマス
ク用導電層108とを有し、p+層とn+層にはそれぞれコンタクトホールを介した金属
配線のアノード端子A及びカソード端子Kが層間絶縁膜101e上に引き出され、マスク
用導電層108にはコンタクトホールを介した金属配線の端子Gが層間絶縁膜101e上
に引き出され且つ端子Gとn+層に接続するカソード端子Kとは金属配線で共通に接続さ
れている。
なお、素子基板101の周辺における、符号101fは層間絶縁膜、101gは配向膜
、101hは偏光板である。
また、対向基板102の周辺における、符号102aは配向膜、102bは共通電極、
102cは遮光膜としてのブラックマトリクス、102dは偏光板である。
上記の構成では、駆動回路の一部であるインバータ101aは低温ポリシリコン技術に
より非晶質シリコンをレーザにより結晶化したポリシリコンを活性層に使用して作製され
る。これと同時プロセスで、PINダイオード101bが作製される。静電保護素子とし
てのPINダイオード101bは、複数の異なった電位を供給する複数の電源間に接続さ
れて、アノード及びカソード間に逆バイアス電圧が印加されるように接続して使用される
低温ポリシリコンのTFTと同時プロセスで、PINダイオードを作製すると、インバ
ータ101aのゲート電極106,107と同じもの(即ちマスク用導電層108)が、
PINダイオード101bのイントリンシック層(i)の上に酸化膜101cを介して形
成される。このPINダイオード101bに付随するマスク用導電層108は、前述した
ようにPINダイオードそのものには必要ないものであるが、PINダイオードのイント
リンシック層にインバータやTFT作製時のn−が不純物として入らないようにカバーを
するために必要である。しかしながら、その付随するマスク用導電層108はPINダイ
オード101bを逆バイアスで使用する際に、マスク用導電層108がフローティング状
態で使用されると、マスク用導電層108の電位変動がPINダイオード101bの逆バ
イアス電流に影響を及ぼす。
そこで、以下の本発明の実施形態では、付随して作製されるマスク用導電層108が存
在していても、PINダイオード101bのマスク用導電層108がカソード端子と電気
的に接続されているので、従来のようにマスク用導電層108の電位が変動して不測の電
流が流れることがないようにしている。なお、マスク用導電層108は特定の電位に固定
(接続)されていればよく、カソード接続だけに限定されるものではない。
図6は本発明の第1の実施形態の保護回路を示す回路図である。
本実施形態では、例えば図2における、Y側入力保護回路133と、Y側出力保護回路
134a及び134bにおいて、それらの回路の信号の入力端子又は出力端子512と電
源線501a,502aとの間の静電保護、及び、電源線502aと電源線503a,5
04aの間の静電保護、及び、電源線501aと電源線503a,504aの間の静電保
護を図ることが可能な構成を示している。電源線503a,501a,502a,504
aの電位間には、VHHY>VDDY>VSSY>VLLY の関係がある。
なお、本実施形態は、図2の回路を例として説明しているが、複数の電源間の電位の高
低に同様な大小の関係がある回路及び基板に対して、広く応用することが可能である。
図6には、信号の入力端子又は信号の出力端子を端子512として示してある。例えば
、端子512には入力信号としてYクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB、
及びY転送開始パルスDYなどが入力される。また、端子512に電気的に接続された信
号線513上に存在するインバータ回路を示す構成要素に515を付してある。インバー
タ回路515は、信号の入力端子512をP型MOSトランジスタP1とN型MOSトラ
ンジスタN1の共通接続ゲートに接続し、P型MOSトランジスタP1とN型MOSトラン
ジスタN1のドレイン同士を信号線513に接続し、P型MOSトランジスタP1のソース
を電源線501aに接続し、N型MOSトランジスタN1のソースを電源線502aに接
続した構成となっている。このインバータ回路515は静電保護対象となる回路であれば
よく、インバータ回路に限定されるものではないが、ここでは、保護対象の一例としてイ
ンバータ回路を挙げている。
図6において、端子512と、電源線501a又は502aとの間の電気経路514は
、2つのPINダイオード514a及び514bを用いて構成されている。
PINダイオード514aのカソードは電源線501aに接続し、PINダイオード5
14aのアノードは信号入力の端子512に接続している。また、PINダイオード51
4bのカソードは信号入力の端子512に接続し、PINダイオード514bのアノード
は電源線502aに接続している。
また、電源線502aと、電源線503a又は504aとの間の電気経路516は、2
つのPINダイオード516a及び516bを用いて構成されている。PINダイオード
516aのカソードは電源線503aに接続し、PINダイオード516aのアノードは
電源線502aに接続し、PINダイオード516bのカソードは電源線502aに接続
し、PINダイオード516bのアノードは電源線504aに接続している。同様に、電
源線501aと、電源線503a又は504aとの間の電気経路517は、2つのPIN
ダイオード517a及び517bを用いて構成されている。PINダイオード517aの
カソードは電源線503aに接続し、PINダイオード517aのアノードは電源線50
1aに接続し、PINダイオード517bのカソードは電源線501aに接続し、PIN
ダイオード517bのアノードは電源線504aに接続している
3つの導電線のうちの隣接する2つの導電線(中間電位線と上位電源線、又は、中間電
位線と下位電源線)間でPINダイオードを接続するには、PINダイオードのアノード
は複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは前記複数の電源間の電位の高い方に
接続する。これによって、各PINダイオードを逆バイアスに接続し、しかも3つの導電
線間の中間電位の導電線にいずれの導電線電位より正又は負の高電位の静電気が印加され
た場合は、PINダイオードが順方向に導通して静電気を電源線に逃がし上記のインバー
タ回路515に印加するのを防止することができる。
ここで使用するPINダイオードは全て、ポリシリコンの半導体層であるp+層のアノ
ードとn+層のカソード間のイントリンシック層の上部に前述のマスク用導電層が形成さ
れた構成では、そのマスク用導電層は例えばカソードと共通に接続する。このような接続
構成とすることによって、PINダイオードのマスク用導電層の電位がカソード電位に固
定され、マスク用導電層の電位変動を抑えて、PINダイオードの逆バイアス状態におけ
る逆バイアス電流(漏れ電流)を非常に少なくすることができる。このため、高電位の静
電気が順方向に印加されない通常の使用状態においては、PINダイオードに逆方向に高
電位の電圧がかかった場合でも漏れ電流が少なく低消費電力の半導体回路を実現すること
が可能となる。
図7は本発明の第1の実施形態の保護回路の変形例を示す回路図である。
図7の保護回路では、図6の回路ではPINダイオードにおけるマスク用導電層をその
カソードに接続していたのに代えて、マスク用導電層をアノードに接続したものである。
つまり、マスク用導電層の電位をアノード電位に固定するようにしたものである。図7に
おけるPINダイオードの各符号には(’)を付してある。それ以外の構成及び作用効果
は、図6と同様である。但し、マスク用導電層をカソードに接続した場合の方がアノード
に接続した場合よりも逆バイアス時の漏れ電流が少ない。
次に、図6の電気経路514における静電気のバイパス動作について説明する。図7の
動作についも同様である。
端子512より信号線513に、第1Y側電源VDDYの電位より高電位の静電気が印
加された場合、電気経路514において、矢印A1に示すように、2つのダイオード51
4a及び514bのうち一方のダイオード514aによって、静電気は信号線513から
第1Y側電源線501aに放出される。また、端子512より信号線513に、第2Y側
電源VSSYの電位より低電位の静電気が印加された場合、電気経路514において、矢
印A2に示すように、他方のダイオード514bによって、静電気は信号線513から第
2Y側電源線502aに放出される。従って、端子512より信号線513に静電気が印
加されても、該静電気を電気経路514によって信号線513から逃がすことが可能とな
り、該静電気の回路515への印加を防止することができる。
他の電気経路516,517の動作についても同様である。
次に、PINダイオードのI−V特性について説明する。本発明の実施形態でPINダ
イオードにおけるマスク用導電層の電位をアノードでもカソードでもない第3の一定電位
(−5Vと−10V)にした場合における、PINダイオードの特性についても説明する
図8は、PINダイオードのI−V特性である。横軸を順方向電圧VFにとっているの
で、VFが正のときに大きな電流が流れる。順方向電圧VFが負の場合即ち逆バイアスの
場合、理想的には電流が流れないが、暗状態であっても、若干の電流が流れる。
マスク用導電層がフローティングのときは、点線で示したように、順方向電圧VFを低
くすると、逆バイアス電流が増加することがしばしば観測される。図8では順方向電圧V
Fが−5V付近から逆バイアス電流が急増している。その理由は、マスク用導電層がアノ
ード電極に対して相対的に高いカソード電位の影響を受け易い非対称構造になっているか
らである(図示せず)と考えることができる。
フローティングのマスク用導電層に静電気がチャージされた場合はもっと逆バイアス電
流の増大があることが分かっている。さらに、液晶パネル等の電気光学パネルでPINダ
イオードを静電保護素子として使用した場合は、周囲の電界もしくは部材の固定電荷の影
響も受けてマスク用導電層の電位が変動して同様に逆バイアス電流が増大することもある
一方、マスク用導電層をカソードに接続、又はアノードに接続した場合は、順方向電圧
VFがさほど低くない範囲では逆バイアス電流はそれほど大きくならない。そして、順方
向電圧VFをさらに低くしてもそれほど逆バイアス電流は増大しない。
経験的に多くの場合、図8に示したように、マスク用導電層をアノードに接続した場合
よりもカソードに接続した場合の方が逆バイアス電流は小さい傾向を示す。
さらに、マスク用導電層をカソードに接続したPINダイオードを2つ直列接続にする
(これについては第2の実施形態で説明する)と、図示したように、逆バイアス電流はよ
り小さくできる。
さらに、マスク用導電層電位をアノードでもカソードでもない第3の一定電位(−5V
と−10V)にした場合には、その電位によっては逆バイアス電流が大きくなる場合があ
る。しかしながら、マスク用導電層がフローティングの場合のように電流の急増はない。
一定電位(−10V)よりも一定電位(−5V)の場合の方が逆バイアス電流が少ない。
次に、図9に、PINダイオードの構造を示す。図9において、(a)はPINダイオー
ドの回路図記号であり、マスク用導電層108がカソードに接続していることを記号とし
て表現したものである。図9(b),(c)はそれぞれ、(a)の回路図で示した付随するマス
ク用導電層108の電位をカソード接続によって固定したPINダイオードの端子接続の
構造を示す平面図と断面図である。
ポリシリコン(p-Si)層はn+層、イントリンシック層(iと表記)、p+層の領域を
有する。イントリンシック層iに被さるようにマスク用導電層108がゲート絶縁膜10
1cを介して存在している。マスク用導電層を除去すると、駆動回路或いはTFTのLD
D構造を作るために前面に注入される低濃度不純物(n−)がイントリンシック層iに混
入するから、覆い隠すようにマスク用導電層108を被せる必要がある。
ここでは、n+層からコンタクトホールを介して取り出したカソード端子Kと、マスク
用導電層108からコンタクトホールを介して取り出した端子Gとが電気的に接続してい
る。そのためにマスク用導電層108には常にカソードと同じ電位が与えられる。
なお、‘イントリンシック’は完全に不純物を注入していない多結晶シリコンを一般的
には指すが、ここでは言葉の意味として低濃度不純物(n−)以下の低い濃度の不純物を
含んでいても良い。
[第2の実施形態]
図10は本発明の第2の実施形態の保護回路を示す回路図である。
図10の構成は、図6のマスク用導電層をカソード接続した各PINダイオードの構成
に代えて、マスク用導電層をカソード接続したものを2個直列接続したPINダイオード
の構成に置き換えたものであるので、詳細な説明は省略する。
図10で、PINダイオード521a〜521dが図6の電気経路514、PINダイ
オード522a〜522dが図6の電気経路516、PINダイオード523a〜523
dが図6の電気経路517、にそれぞれ対応しており、作用は図6と同様である。
本実施形態は、図6及び図7で説明した、マスク用導電層をカソード又はアノードに電
気的に接続したPINダイオードを、複数(図では2つ)直列接続する構成としたもので
ある。このように構成すれば、図8のPINダイオードのI−V特性に示されるように、
例えばマスク用導電層をカソード接続したものを2つ直列接続した場合(図8では+2直
列と表記)には、逆バイアス電圧を大きくしたとき(即ち順方向電圧VFが負方向に大き
くしたとき)に、流れる逆バイアス電流は他の接続例の中で最も小さく最も良好なI−V
特性が得られる。
[第3の実施形態]
図11は本発明の第3の実施形態の保護回路に使用されるPINダイオードの構造を示
している。
図11(a),(b)はそれぞれ図9(b),(c)に対応している。図11(a)は図9(a)の
回路図で示した付随するマスク用導電層108の電位を固定したPINダイオードの端子
接続の構造を示す平面図であり、図11(b)はその断面図である。
図11(a),(b)では、図9(b),(c)とは異なり、PINダイオードのカソードであ
るn+層とイントリンシック層(i)の間に低濃度不純物(n−)層を形成したものである
。このn−層の入ったPINダイオードの製造工程については、TFT或いはインバータ
などの回路と同様なので省略する。
この実施形態の場合にも、逆バイアス電圧VFを低くし負の電圧値を大きくしたときの
逆バイアス電流の増大(図8の点線の特性)を防げるし、アノードとカソード間に大きな
電圧が与えられても特性の変動を小さく抑えて電圧に対する耐性が高くなるという特徴が
ある。従って、高い静電気電圧が与えられてもPINダイオードにダメージがなく、性能
の良い保護回路が得られる。
本実施形態によれば、従来問題であった、フローティングのマスク用導電層に起因する
PINダイオードの逆バイアス電流の増大を防ぐことができる。つまり、マスク用導電層
の電位をカソードもしくはアノードに固定したので、逆バイアスが高くなっても(すなわ
ち低いVFでも)不測の逆バイアス電流の増大がない。そのために本発明を用いることで
信頼性の高い静電保護回路を備えた液晶装置等の電気光学装置を提供できる。高い静電気
耐性を持つので、静電気の管理を省略して製造工程を簡素化でき、製造コストを低くでき
る。PINダイオードの逆バイアス電流を低くすることができるので、電源からのリーク
電流が少なくなることと、入力信号を駆動するICの出力インピーダンスにも余裕ができ
るので、消費電力の低下も期待できる。
なお、本発明による保護回路は、半導体回路基板、電気光学装置の駆動回路、電気光学
装置及び電子機器にそれぞれ搭載して使用することが可能である。
図12は、以上述べた実施形態のような保護回路を備えた電気光学装置による電子機器
の例を示す斜視図であり、例として携帯電話機の外観を示している。図12に示すように
、電子機器として携帯電話機600の表示部601に、上述した保護回路付きの電気光学
装置(例えば静電保護素子としてのPINダイオード搭載の液晶装置)が用いられる。
電子機器としては、携帯電話機の他にも、例えば、光源と該光源から出射された光を変
調するライトバルブと、該ライトバルブにより変調された光を投射するための光学系を備
えた、投射型表示装置である。さらに、電子機器としては、他にも、テレビジョンや、ビ
ューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ペ
ージャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS
端末、ディジタルスチルカメラ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして
、これらの各種の電子機器に対して、本発明に係る保護回路を備えた電気光学装置が適用
可能である。
また、本発明の電気光学装置は、アクティブマトリクス型の液晶パネル(例えば、TF
T(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液
晶表示パネル)だけでなく、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルにも同様に適用する
ことが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、無機エレクトロルミネッセンス装
置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプ
レイ装置、電子放出を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction E
lectron-Emitter Display 等)、DLP(Digital Light Processing)(別名DMD:Di
gital Micromirror Device)等の各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用する
ことが可能である。
なお、本発明は、半導体基板に素子を形成する表示用デバイス、例えばLCOS(Liqu
id Crysta1 On Silicon)などの反射型の電気光学装置にも適用可能である。
LCOSでは素子基板として単結晶シリコン基板を用い、画素や周辺回路に用いるスイ
ッチング素子としてトランジスタを単結晶シリコン基板に形成する。また、画素には反射
型の画素電極を用い、画素電極の下層に画素の各素子を形成する。
本発明の実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図。 図1における走査線駆動回路の構成を示すブロック図。 図1におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態の保護回路が適用される電気光学装置の一例である液晶装置の斜視図。 図4の液晶装置の縦断面図。 本発明の第1の実施形態の保護回路を示す回路図。 本発明の第1の実施形態の保護回路の変形例を示す回路図。 PINダイオードのI−V特性を示す図。 PINダイオードの構造を示す回路図記号、平面図及び断面図。 本発明の第2の実施形態の保護回路を示す回路図。 本発明の第3の実施形態の保護回路に使用されるPINダイオードの構造を示す平面図及び断面図。 本発明の実施形態の保護回路を備えた電気光学装置による電子機器の一例を示す斜視図。
符号の説明
1…液晶装置(電気光学装置)、100…液晶パネル(電気光学パネル)、101…素子
基板(絶縁基板)、101a…インバータ(駆動回路の一部)、101b…PINダイオー
ド、102…対向基板、103…液晶(電気光学物質)、108…マスク用導電層、110
…画像表示領域、120…駆動回路。

Claims (10)

  1. ポリシリコンの半導体層を有する素子で構成された回路を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に、ポリシリコンの半導体層を用いて作製されたPINダイオードと、
    前記PINダイオードのイントリンシック層の上に形成されたマスク用導電層と、を具
    備し、
    前記マスク用導電層を特定の電位に固定し、
    前記PINダイオードのアノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは
    前記複数の電源間の電位の高い方に接続することを特徴とする保護回路。
  2. 前記マスク用導電層を、特定の電位に固定するために、前記PINダイオードのカソー
    ド又はアノードに接続したことを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
  3. 前記PINダイオードは、複数のPINダイオードが直列接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の保護回路。
  4. 前記電源と、前記回路に信号を入出力する入力端子又は出力端子との間に、前記PIN
    ダイオードが接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の保
    護回路。
  5. 前記カソード及びアノードはそれぞれn+層及びp+層で構成され、
    前記n+層と前記イントリンシック層の間にn−層が存在することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1つに記載の保護回路。
  6. ポリシリコンの半導体層を有する素子で構成された回路を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に、ポリシリコンの半導体層を用いて作製されたPINダイオードと、
    前記PINダイオードのイントリンシック層の上に形成されたマスク用導電層と、を有
    し、
    前記マスク用導電層を特定の電位に固定し、
    前記PINダイオードのアノードは複数の電源間の電位の低い方に接続し、カソードは
    前記複数の電源間の電位の高い方に接続する保護回路を具備したことを特徴とする半導体
    回路基板。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の保護回路又は請求項6に記載の半導体回路基板
    を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  8. 請求項7に記載の電気光学装置の駆動回路は、液晶装置,有機エレクトロルミネセンス
    装置又は無機エレクトロルミネセンス装置の駆動回路であることを特徴とする電気光学装
    置の駆動回路。
  9. 請求項7又は8に記載の駆動回路を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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