JP2007212413A - 対象物識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域信号を用いて効率的に相関情報を得る。
【解決手段】広帯域信号発生回路101により発生した広帯域信号を送信アンテナ103より送信する。受信アンテナ104で受信した広帯域信号をサブバンド分割回路106で所定数のサブバンド信号に分割する。分割後AD変換回路107でサブバンド信号をそれぞれデジタルデータに変換し、サブバンド合成回路108に供給する。サブバンド合成回路108は、個々のサブバンド信号と送信信号の相関をとる粗サーチと、サブバンド間の比較による精サーチの両方を行い、送信信号と受信信号の正しい相関情報を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域信号を用いて対象物を識別する対象物識別装置に関する。
従来より、各種の対象物を識別する装置として、レーダ装置が広く利用されている。このレーダ装置は、基本的に電波を送信して対象物からの反射波を受信し、送信波と反射波の相違に基づき対象物を識別する。例えば、パルスを送信して、送信から受信するまでの時間から対象物までの距離を検出する。
ここで、このようなレーダ装置における距離分解能は送信パルスの帯域幅に比例する(非特許文献1)。従って、距離分解能を上げるには送信パルスを広帯域化することが必要となる。
しかし、送信パルスを広帯域化すると、受信側では高周波の信号を処理する必要がありその処理が難しくなる。例えば、受信信号をAD変換処理する場合に、そのサンプリング周波数が非常に高くなってしまうという問題がある。
ここで、超長基線干渉計(VLBI)という距離計測技術が知られている(非特許文献2)。このVLBIは、電波を送信するものではないが、2つの広帯域信号の比較から距離を求める。そして、このVLBIにおいては、広帯域信号をサブバンド信号に分割し、サブバンド信号同士の比較を行っており、これによって、比較の対象をサブバンドとして、演算処理を容易にしている。
なお、車両に搭載するレーダ装置については、特許文献1などに記載がある。
特開平10−54874号公報 吉田孝、「改訂 レーダ技術」、電子情報通信学会、1996年 高橋富士信、近藤哲朗、高橋幸雄、「VLBI技術」、オーム社、1997年
本発明は、広帯域信号を送信しつつ、受信波の処理が容易な対象物識別装置を提供することを目的とする。
本発明は、広帯域信号を送信する送信機と、対象物からの反射波を受信する受信機と、受信した広帯域信号を複数のサブバンド信号に分割するサブバンド変換部と、得られた複数のサブバンド信号について、送信した広帯域信号における対応する信号との相関演算を行い、両信号の相関情報を算出する粗サーチ部と、複数のサブバンド信号間の位相差に基づいて、前記相関情報を補正した相関情報を得る精サーチ部と、を有することを特徴とする。
また、前記相関情報は、送信した信号に対する受信した信号の遅延時間であることが好適である。
また、送信する広帯域信号についての情報を記憶する記憶手段を有し、前記粗サーチ部は、前記記憶手段から読み出した情報を利用して相関演算を行うことが好適である。
また、前記サブバンド変換部は、複数のサブバンド信号についてそれぞれベースバンド帯のサブバンド信号に変換して出力し、このサブバンド変換部から出力される複数のベースバンド帯のサブバンド信号についてAD変換部によりAD変換し、前記粗サーチ部および精サーチ部は、AD変換後のベースバンド帯の複数のサブバンド信号について処理を行うことが好適である。
また、前記サブバンド変換部は、前記受信した広帯域信号を互いに離隔した複数のサブバンド信号に分割することが好適である。
本発明によれば、広帯域信号の受信信号をサブバンドに分割して処理する。従って、処理対象の帯域幅が小さくなりその処理が容易になる。また、個々のサブバンド信号について送信信号との相関を検出する粗サーチと、サブバンド信号間の位相差を検出して補正する精サーチを組み合わせるため正確な相関情報を得ることができる。
以下、本発明に係る対象物識別装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態に係るレーダ装置の全体構成を示すブロック図である。広帯域信号発生回路101は、例えば0〜2GHzの帯域幅を有する広帯域信号を発生する。発生された広帯域信号は送信回路102において所定の搬送波(例えば26GHz)が混合され、高周波信号(例えば24GHz〜28GHz)にアップコンバートされる。アップコンバートされた広帯域信号は送信アンテナ103から対象物を識別したい方向(対象物が存在する方向)に放射される。
対象物で反射された広帯域信号は、受信アンテナ104において受信され、受信回路105に供給される。受信回路105は、受信信号について所定の中間周波数(IF)にダウンコンバートし、得られたIF信号をサブバンド分割回路106に供給する。
サブバンド分割回路106は、IF信号について、互いに異なる中心周波数を有する複数のサブバンド信号に分割する。例えば、受信される広帯域信号が24GHz〜28GHzの信号であれば、これを帯域幅数十〜数百MHz程度のサブバンド信号に分割する。特に、この例では広帯域信号の帯域全体をサブバンド信号に分割するのではなく、互いに離隔したとびとびの複数のサブバンド信号に分割する。例えば、5チャネル、8チャネルなどのサブバンド信号を得る。そして、サブバンド分割回路106は、得られた複数のサブバンド信号について、すべてのサブバンド信号を0〜数百MHzの帯域の信号に周波数変換する。なお、ベースバンドに近い周波数帯であれば、必ずしもベースバンドではなくてもよく、また効率は悪いがベースバンド帯域へ周波数変換しなくてもよい。
ここで、図2は、受信回路105において得られる広帯域信号、サブバンド分割回路106におけるサブバンド信号およびそのベースバンド帯域への変換を説明する図である。
すなわち、図2の左図に示すように、受信信号は送信信号と同様に、24GHz〜28GHz程度の広帯域信号201である。サブバンド分割回路106は、この広帯域信号201について、狭帯域のサブバンド信号202に分割する。このサブバンド信号202は、周波数軸上で互いに離隔している。そして、この複数のサブバンド信号がそれぞれ同一のベースバンド帯域のサブバンド信号に周波数変換される。
ベースバンド帯域に変換された複数のサブバンド信号は、それぞれ別々のAD変換回路107(107−1〜107−n)に供給される。例えば、8つのサブバンド信号があれば、8つのAD変換回路107が設けられる。AD変換回路107は、入力されてくるベースバンド帯域のサブバンド信号についてサンプリングクロックに従ってサンプリングしてデジタルデータに変換する。ここで、AD変換回路107は、0〜数百MHzのサブバンド信号についてAD変換すればよいため、サンプリングクロックもそれに合わせて設定すればよい。
AD変換回路107で得られたデジタルのサブバンド信号(ベースバンド帯域)は、サブバンド合成回路108に供給され、ここで各サブバンド信号について、別々に送信した広帯域信号との相関をとるとともに、各サブバンド信号のトータルとしての相関をとり、受信信号の送信信号に対する遅延時間を検出する。なお、このサブバンド合成回路108の処理の詳細については後述する。
そして、サブバンド合成回路108の計算結果である遅延時間が距離測定部109に供給され、供給される遅延時間から識別すべき対象物(目標物)との相対距離が算出される。
図3には、図1の回路についての具体的な構成が示されている。パルス発生器301は、帯域幅2GHz程度の広帯域信号を発生する。このパルス発生器301の発生する信号は、図4の左側に示すような出力される信号の周波数が時間軸において順次変化するチャープ信号、もしくは図4の右側に示すように時間軸上におけるパルス幅が広帯域信号に対応して十分狭いインパルス状のパルス信号である。
このパルス信号は、周波数軸上では、図5に示すように占有帯域0Hz〜2GHzで帯域幅2GHzの広帯域信号である。
パルス発生器301において発生した広帯域信号は、送信回路302に供給される。この送信回路302は、局部発振器321、ミキサ322、パワーアンプ323、およびバンドパスフィルタ324からなっている。広帯域信号はミキサ322に供給され、ここで局部発振器321から供給される周波数fc(例えば26GHz)の搬送波と混合され、RF帯(この場合24GHz〜28GHz)の信号に周波数変換(アップコンバート)される。すなわち、図6に示すように0〜2GHzの広帯域信号が、fc−2GHz〜fc+2GHz帯の信号に周波数変換される。
ミキサ322の出力は、パワーアンプ323によって送信信号として適した振幅にまで増幅され、その後バンドパスフィルタ324によって、アップコンバートされた広帯域信号を含む必要な帯域のみに帯域制限される。
送信回路302の出力である。RF帯の広帯域信号(レーダパルス)は送信アンテナ303から対象物に向けて放射される。例えば、車載レーダであって、前方監視用であれば、前方のみに放射されるが、周辺すべての監視用であれば、周辺すべてに向けて放射される。また、広帯域信号は2GHzの帯域を有するため、高い分解能で対象物の識別が可能である。
送信されたレーダパルスは、対象物で反射され、この対象物からの反射波は、受信アンテナ304に受信される。受信アンテナ304には、受信回路305が接続されており、受信信号がここに供給される。この受信回路305はバンドパスフィルタ351を有しており、受信信号はまずバンドパスフィルタ351に供給される。バンドパスフィルタ351は、受信信号中のノイズを除去しレーダパルスについての対象物による反射波の帯域の信号が取り出される。バンドパスフィルタ351には、低雑音アンプ352が接続されており、受信信号がここで増幅され、ミキサ354に供給される。ミキサ354には、局部発振器353からの信号も供給されている。この局部発振器353の発振周波数は、搬送波の周波数fcであり、ミキサ354によりダウンコンバートされて0〜2GHz帯域の広帯域信号(IF信号)が取り出される。
0〜2GHz帯域のIF信号は、サブバンド分割回路306に供給される。サブバンド分割回路306は、電力分配機361を有しており、0〜2GHz帯域の広帯域信号は、ここで所望の数(予め定められたサブバンド信号の数)に電力分配されて、それぞれ別の帯域の信号を取り出す複数のバンドパスフィルタ362に供給される。図においては3つのみを記載したが、例えば8つのバンドパスフィルタ362が設けられる。各バンドパスフィルタ362は、数十〜数百(例えば、85MHz)の帯域幅を有し、またその中心周波数は、0〜2GHzの帯域の中で互いに離隔して配置されている。そこで、この複数のバンドパスフィルタ362において、0〜2GHz帯域の広帯域信号を分割した互いに離隔した狭帯域のサブバンド信号が得られる。
例えば、図7に示すように、各サブバンドの帯域幅fbは85MHzであって、サブバンドの中心周波数f(k=1〜8)はそれぞれ、42MHz、125MHz、375MHz、875MHz、1375MHz、1542MHz、1792MHz、1959MHzに設定される。ここで、k番目のサブバンド信号をy(t)と定義する。
複数のバンドパスフィルタ362からのサブバンド信号は、それぞれ対応するミキサ363に供給される。このミキサ363には、それぞれ局部発振器365からの信号が供給され、これによって各ミキサ363からの出力は、図8に示すように、0〜fb(Hz)のベースバンド帯域のサブバンド信号y (t)に周波数変換される。この例では、各ミキサ363に供給される局部発振器365からの信号の周波数は、各サブバンド信号中心周波数に合わせ、42MHz、125MHz、375MHz、875MHz、1375MHz、1542MHz、1792MHz、1959MHzに設定されている。
従って、サブバンド信号y(t)と、ベースバンド帯域のサブバンド信号y (t)には、次の関係が成り立つ。
[数1]
(t)=y (t)・ei2π(fk−0.5fb)t
ここで、fkは、k番目のサブバンド信号の中心周波数である。
複数のミキサ363からの出力は、それぞれ対応するバンドパスフィルタ364に供給され、ここにおいて0〜fbの帯域の信号が選択されてノイズが除去される。
このようにして得られた各バンドパスフィルタ364の出力(この例では8つ)が、サブバンド分割回路306から出力され、これがAD変換回路307に供給される。
このAD変換回路307は、供給されてくるベースバンド帯域のサブバンド信号に対応する複数のAD変換回路371を有しており、各サブバンド信号は対応するAD変換回路371に供給され、ここでデジタル信号に変換される。ここで、AD変換回路371は、ベースバンド帯域のサブバンド信号y (t)をデジタル変換するので、AD変換回路371に必要なサンプリング周波数は、2・fb(Hz)以上となる。例えば、サンプリング周波数として170MHzが採用される。
このようにして、AD変換回路307において得られたデジタルのサブバンド信号(この例では8つのチャンネル)は、サブバンド合成回路308に供給される。このサブバンド合成回路308は、メモリ381からの送信側の広帯域信号と各チャンネルのサブバンド信号との相関演算を行いサブバンド信号毎の相関を求める相関器382(この例では8つ)と、この相関器382から出力を利用して1つのサブバンド内の周波数に基づくスペクトルの位相の相違を補償する遅延時間の補正および複数のサブバンド信号を統合した全体(全チャンネル)の相関を求めるバンド幅合成回路383からなっている。
このようにして、送信波に対する受信波の到達遅延時間Δτ’を求め、これが距離測定部309に供給される。そして、求めた到達遅延時間Δτ’に基づいて、距離測定部309が対象物との相対距離Rを、R=cΔτ’/2により求める。ここで、cは光速である。
ここで、サブバンド合成回路308において、1つ1つのサブバンド信号と対応する送信信号の相関を求める粗サーチと、複数のサブバンド信号全体を統合した相関を考慮する精サーチの両方を行う。そこで、これらの内容について、以下に説明する。
<粗サーチ>
まず、粗サーチについて説明する。相関器382では、送信する広帯域信号における対応するサブバンド信号(送信サブバンド信号)との相関演算により遅延時間を求める。ここで、受信側のサブバンド信号y(t)に対応する送信側のレーダパルスのサブバンド信号をx(t)とし、このベースバンド帯域の信号をx (t)とすれば、相関器382では、x(t)とy(t)との相関を求めることになる。しかし、ここではx (t)と、y (t)をフーリエ変換したスペクトルである、X (f)と、Y (f)との相互スペクトルS (f)を求める。
[数2]
(f)=X (f)・Y v*(f
なお、は複素共役を表す。
各チャネルの相互スペクトルS (f)は、バンド幅合成回路383に供給される。バンド幅合成回路383は、各チャネルの相互スペクトルS (f)について、次に式により相関関数F(Δτ)を求める。
[数3]
(Δτ)=(1/(J−1))Σ[S (f)・e−i2πfjvΔτ](j=1〜J)
ここで、Jはサブバンド信号の数、fjvはベースバンド帯域の指標jに対する周波数である。
続いて、次式のように、各チャネルの相関関数を合計した粗決定サーチ関数F(Δτ)を求める。
[数4]
F(Δτ)=Σ[F(Δτ)](k=1〜n)
バンド幅合成回路383は、F(Δτ)を最大にするΔτを探索する。ここでは、得られたΔτの値をΔτとする。
ここで、受信波は、対象物に反射して戻ってきたものであり、その遅延時間だけ送信側信号を遅延させれば、送信側信号と受信側信号の相関が最も大きくなる。例えば、図9に示すように、送信波および受信波のパルスを鈍らせたものについて、比較的粗くサンプリングし、送信波に所定の遅延時間τを与えながらこれらの相互スペクトルX(f)・Y(f)を求める場合を考える。
τを変化させることで送信波と受信波の全体として相関が最も大きくなる遅延時間τが求められる。
ここで、送信波x(t)のフーリエ変換をX(f)とした場合、x(t)についてΔτだけ時間をずらした、x(t+Δτ)のフーリエ変換は、X’(f)=e−iφX(f)と表される。ここで、φ=2πfΔτであり、fは周波数である。
時間軸におけるΔτの遅延は、フーリエ変換後において周波数に比例した位相ずれとして現れる。すなわち、図10に示すように、時間軸上で送信波をΔτだけ遅延させるとフーリエ変換(FFT)後においては周波数軸上においては高い周波数においてその成分の位相が大きく回転されることになる。
従って、x(t)とy(t)の相互スペクトルX(f)・Y(f)に対して、Δτだけ位相を補正したものはx(f)・Y(f)・e−i2πfΔτと表せる。
Δτを動かすことはY(f)の位相を回転させることに対応し、図11に示すように相関値が最大になるところを探すことによって、最も尤もらしい遅延時間Δτを求めることができる。
これによって、サブバンド信号毎に別々の演算によって遅延時間Δτを求めることができる。
そして、すべてのサブバンド信号についての相関の和F(Δτ)が最大になるようなΔτを求めて粗サーチの検索結果Δτが得られる。
<精サーチ>
次に、バンド幅合成回路383は、次式によって全チャネルを合成した相関関数である精決定サーチ関数D(Δτ’)を用いて、相関が最大となる遅延時間Δτ’を求める。
[数5]
D(Δτ’)=(1/N)Σ[F(Δτ)・e−i(2πf0vΔτ’+Δφk](k=1〜N)
ここで、f0kは、k番目のサブバンドチャネルのRF周波数帯の中心周波数であり、Δφkはk番目のサブバンドの送受信回路内での位相シフトの値であり、Nはサブバンドの数である。
そして、D(Δτ’)を最大にするΔτ’を求める。得られたΔτ’がレーダパルスの遅延時間となり、これに基づき対象物との相対距離Rが求められる。
ここで、このような精サーチについて、説明する。図12に示すように、粗サーチによって、サブバンド信号の1つについてその位相について補償して遅延時間が求められている。しかし、これは1つ1つのサブバンド信号についての演算である。従って、図13に示すように、広帯域信号の帯域全体を見れば、1つのサブバンド信号の相互スペクトルについて位相が回転していなくても他のサブバンド信号の相互スペクトルについて位相が回転しているかもしれない。
そこで、遅延時間を微小に変更して、全チャンネルのサブバンド信号を統括した相関について最大値を求めれば、サブバンド毎の周波数の相違に基づく位相の回転を補償することができる。前述のD(Δτ’)の最大値となるΔτ’を求めることがこれに該当する。
ここで、本実施形態においては、サブバンド信号は互いに離隔したとびとびの中心周波数を持った信号である。従って、図13に示すように、360度を単位とする位相ずれは判定できない。すなわち、0.1回転の位相ずれか1.1、2.1、3.1回転の位相ずれかの判定はできない。
しかし、本実施形態では、精サーチの前に粗サーチを行っている。従って、粗サーチで求めたΔτにより、正しいΔτ’を選択することができる。粗サーチによるΔτは位相ずれにおいて360度以上の誤差はないと考えられるからである。
<メモリ381の利用>
本実施形態では、メモリ381に送信側の広帯域信号のサブバンド信号を記憶しておき、この送信側サブバンド信号と受信側サブバンド信号の相関を演算する。
ここで、このメモリ381には、送信側サブバンド信号x(t)をベースバンドに周波数変換し、さらにフーリエ変換した周波数スペクトルX(t)を予め計算して保持しておく。これによって、レーダパルスである広帯域信号から、サブバンド信号x(t)を得、これをベースバンド帯域のサブバンド信号x (t)に変換し、さらにフーリエ変換したX (t)を得るという処理をサブバンド合成回路308において行う必要がなくなる。
なお、到達遅延時間を検出するためには、パルス発生器301から広帯域信号は発生されるタイミング(送信タイミング)を知っておく必要がある。また、送信側サブバンド信号の遅延は、メモリ381から読み出しタイミングの方を広帯域信号発生のタイミングからずらすことによって達成できる。
なお、必ずしもメモリ381を利用する必要はなく、パルス発生器301から出力される広帯域信号→x(t)→x (t)→X (t)という処理を行ってもよい。
<実施例>
図14に、対象物(目標)との相対距離が9.246mの場合の相関関数を示す。粗決定サーチ関数F(Δτ)は粗い精度だが60nsec近辺に1つだけ相関ピークが出ている。一方、精決定サーチ関数D(Δτ’)は、ピークの幅が0.5nsec程度と高い精度が出ているが、同じ高さのピークが複数出ている。そこで、F(Δτ)と、D(Δτ’)の両方が最大になるところでということで、相関関数が最大となるのはΔτ’は61.5nsecの方だということがわかる。遅延時間を距離に変換すると、9.24mとなる。
このように、本実施形態によれば、サンプリング周波数170MHzのAD変換回路を用いて帯域幅2GHzの広帯域信号の相関演算を実現することができる。
<その他>
上記実施形態によれば、受信側において広帯域信号を互いに離隔した複数のサブバンド信号に分割した。これによって、計算量を減少して効率的な遅延時間の算出が行えるが、必ずしもこれに限定されることなく、広帯域信号の全帯域についてカバーするようにサブバンド信号に分割してもよい。
また、インパルス型のレーダパルスを利用することによって、搬送波を使用せずに送受信を行うことも可能である。
上記実施形態においては、対象物との相対距離を求めた。しかし、距離に限らず送信信号と受信信号の相関情報に基づき、相対速度、相対加速度など対象物についての各種の情報を得ることもできる。
さらに、上述の実施形態では、サブバンド合成において、各サブバンドについて差をつけなかった。しかし、対象物識別の状況や目的に応じてサブバンド信号の中心周波数に重みをつけて処理を行ってもよい。例えば、近傍の対象物の場合には、低周波のサブバンド信号については重みを0にし、中間の周波数については重みを小さくするなどの手法を採用することができる。
さらに、送信される広帯域信号について周波数特性を均一でなくしてもよい。これによって、受信側においては条件付きの相関演算を行い、検出したい対象に応じた処理を行うことができる。さらに、送信チャープ信号について、アップチャープや、ダウンチャープを適宜用いることによって、送信元の識別が行える。
このように、本実施形態においては、サブバンド信号を用いるが、そのサブバンド信号がどのような送信信号に基づいて発生されたかという送信信号について情報を持っておくことができる。従って、この送信信号についての情報に応じて受信側における相関演算を検出対象に応じて適切なものに変更することができる。
また、受信信号の周波数特性などに基づき、送信信号についての重み付けを変更し、受信信号が検出に適切なものになるように、フィードバック制御することも可能である。
実施形態のレーダ装置の概略構成を示すブロック図である。 サブバンド信号への変換などを説明する図である。 実施形態のレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。 レーダパルスの例を示す図である。 広帯域信号を示す図である。 アップコンバートした送信信号を示す図である。 サブバンド信号を示す図である。 ベースバンド帯域への周波数変換を説明する図である。 一般的な相関演算を説明する図である。 こまかなずれを示す図である。 位相のずれを説明する図である。 サブバンド内の位相ずれを示す図である。 サブバンド間の位相ずれを示す図である。 粗決定サーチ関数および精決定サーチ関数の例を示す図である。
符号の説明
101 広帯域信号発生器、102,302 送信回路、103,303 送信アンテナ、104,304 受信アンテナ、105,305 受信回路、106,306 サブバンド分割回路、107,307,371 AD変換回路、108,308 サブバンド合成回路、109,309 距離測定部、301 パルス発生器、324,351,362,364 バンドパスフィルタ、321,353,365 局部発振器、322,354,363 ミキサ、323 パワーアンプ、352 低雑音アンプ、361 電力分配機、381 メモリ、382 相関器、383 バンド幅合成回路。

Claims (5)

  1. 広帯域信号を送信する送信機と、
    対象物からの反射波を受信する受信機と、
    受信した広帯域信号を複数のサブバンド信号に分割するサブバンド変換部と、
    得られた複数のサブバンド信号について、送信した広帯域信号における対応する信号との相関演算を行い、両信号の相関情報を算出する粗サーチ部と、
    複数のサブバンド信号間の位相差に基づいて、前記相関情報を補正した相関情報を得る精サーチ部と、
    を有することを特徴とする対象物識別装置。
  2. 請求項1に記載の対象物識別装置において、
    前記相関情報は、送信した信号に対する受信した信号の遅延時間であることを特徴とする対象物識別装置。
  3. 請求項1または2に記載の対象物識別装置において、
    送信する広帯域信号についての情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記粗サーチ部は、前記記憶手段から読み出した情報を利用して相関演算を行うことを特徴とする対象物識別装置。
  4. 請求項3に記載の対象物識別装置において、
    前記サブバンド変換部は、複数のサブバンド信号についてそれぞれベースバンド帯のサブバンド信号に変換して出力し、
    このサブバンド変換部から出力される複数のベースバンド帯のサブバンド信号についてAD変換部によりAD変換し、
    前記粗サーチ部および精サーチ部は、AD変換後のベースバンド帯の複数のサブバンド信号について処理を行うことを特徴とする対象物識別装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の対象物識別装置において、
    前記サブバンド変換部は、前記受信した広帯域信号を互いに離隔した複数のサブバンド信号に分割することを特徴とする対象物識別装置。
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