JP2007210987A - ウイルス性疾患の予防または治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウイルス性心筋炎およびウイルス性心筋炎に関連するウイルス性疾患の予防または治療剤を提供する。
【解決手段】一般式(1):
Figure 2007210987

(式中、−A−A−は基−CH−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基、またはRとRとが一緒にメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−などを示す)で示される化合物、特にエプレレノンを有効成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、エプレレノン(eplerenone)〔化学名:Pregn-4-ene-7,21-dicarboxylic acid,9,11-epoxy-17-hydroxy-3-oxo-,γ-lactone, methyl ester,(7α,11α,17α)-〕またはその類縁化合物を有効成分とするウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎を発症しえるピコルナウイルス科(例えば、コクサッキーウイルスおよびエコーウイルス)、オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス)、レトロウイルス科(例えば、HIVウイルス)、コロナウイルス科(例えば、SARSウイルス)に属するRNAウイルス;肝炎ウイルス(A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス);アデノウイルス、パルボウイルス、およびヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス)などのDNAウイルスによって引き起こされる各種のウイルス性疾患の予防または治療剤に関する。さらに、本発明はエプレレノンまたはその類縁化合物を有効成分とするウイルス性心筋炎、並びにウイルス性細胞傷害の予防または治療剤に関する。
心筋炎は心筋の炎症性病変に基づく心筋障害である。病因的にはウイルス感染によるウイルス性心筋炎、細菌等による細菌感染性心筋炎、および膠原病やサルコイドーシス等による非感染性心筋炎に分類される。日常遭遇する心筋炎の殆どは、コクサッキーウイルス、エコーウイルス(以上、ピコルナウイルス科に属するRNAウイルス)、インフルエンザウイルス(オルソミクソウイルス科に属するRNAウイルス)、HIVウイルス(レトロウイルス科に属するRNAウイルス)、SARSウイルス(コロナウイルス科に属するRNAウイルス);A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス(以上、肝炎ウイルス);アデノウイルス、パルボウイルス、およびヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス)などのDNAウイルス等のウイルスによるものであり(非特許文献1〜16など参照)、原因不明の特発性心筋炎もそれらの殆どがウイルス性であると考えられている。一般に、心筋炎は急性に発症し、ほぼ完全に治癒するものが多いが、心機能障害が長期にわたり持続するものもある。
心筋炎の臨床症状は、炎症症状と心症状とからなり、殆ど無症状のものから、心不全や不整脈により急速に死に至るものまで種々である。特にウイルス性心筋炎においては、感染初期に発熱、咳嗽、頭痛、咽頭痛、全身倦怠感などの風邪様症状や吐き気、嘔吐、下痢、腹痛等の消化器症状が出現し、その後に動悸、胸痛、不整脈、息切れ、心不全、アダムスーストークス症候群、夜間の呼吸困難、脚のむくみ、顔面蒼白、チアノーゼ、四肢末梢の冷感、関節痛、筋肉痛、発疹などの多彩な症状が出現する。
このようにウイルス性心筋炎は風邪様症状を示すため、風邪と誤診されやすい疾患である一方、誤診による鎮痛解熱剤(非ステロイド系消炎剤)の投薬は心筋の破壊を悪化させる危険性があるため注意が必要である。しかし、心筋炎をおこしたウイルスに直接効く薬は未だなく、合併症を防止するための対症療法(安静、利尿剤、酸素吸入、食事の塩分制限など)が治療の中心になっているのが現状である。このため、ウイルス性心筋炎を効果的に治療ないし予防することのできる薬剤の開発が切望されている。
一般に、ウイルス性疾患の予防には主にウイルスワクチンが用いられているが、ワクチンは一般に各々のウイルスに特異的であり、それぞれに対応する特定のウイルスに対してのみ有効である。また、ウイルスは変異株が多く、同一のウイルスに対してもワクチンが有効でないことも多い。更に、副作用の少ないワクチンを数多く開発することは極めて困難である。また、ワクチンとは別に種々の抗ウイルス剤(アシクロビル、ガンシクロビル、アラAなど)も開発され実用化されているが、これらの抗ウイルス剤も副作用が強く、広く臨床に用いることは困難である。インターフェロンもまたウイルス性肝炎等の治療に応用されているが、発熱などの副作用が高頻度に出現するという問題を含んでいる。また、ガンマグロブリンも広くウイルス性疾患の治療に用いられているが、その成績は必ずしも一定ではない。
ウイルス性疾患においては、しばしば細胞傷害を伴うことが知られている。この細胞傷害は、ウイルスの増殖による直接的な傷害のほか、ウイルス感染によって引き起こされる種々の免疫反応が関与すると考えられている。従って、ウイルス性疾患の予防および治療に際しては、このようなウイルス感染に伴う細胞傷害を予防しまた治療することも極めて重要である。
ところで、エプレレノン(eplerenone)〔化学名:Pregn-4-ene-7,21-dicarboxylic acid,9,11-epoxy-17-hydroxy-3-oxo-,γ-lactone, methyl ester,(7α,11α,17α)-〕は、選択的アルドステロン阻害薬として、高血圧および心不全の治療に有効であることが知られている。また、エプレレノンを含む一連の類縁化合物も、そのアルドステロン拮抗作用に基づいてカリウム節約型利尿剤として、また高血圧、心不全または肝硬変の治療に有効であることが知られている(特許文献1など参照)。しかしながら、これらの化合物がウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎やウイルス感染に伴う細胞傷害に対して予防または治療効果があることについては知られていない。
Grist NR et al. J Hyg 73:162-172, 1964 Bell EJ et al. J Hyg 93:197-203, 1984 Arch Virol 145: 2575-2600, 2000 Bowles NE et al. J Am Coll Cardiol 42:466-472, 2003 Onitsuka H et al. J Cardiol 37:315-323, 2001 Barbaro G. Herz 30:486-492, 2005 Felker GM. N Engl J Med 342:1120-1122, 2000 Chen J et al. Zhonghua Bing Li Xue Za Zhi 32: 516-520, 2003 Yazu et al. Nippon Shokakibyo Gakkai Zasshi 85:1304-1307, 1988 Ursell PC et al., Hum Pathol 15:481-484, 1984 Matsumori A et al. Lab Inv 80:1137-1142, 2000 Pauschinger M et al. Circulation 99: 1348-1354, 1999 Kohl et al. Circulation 108: 945-950, 2003 Bowles NE et al. J Am Coll Cardiol 42:466-472, 2003 Bowles NE et al. J Am Coll Cardiol 42:466-472, 2003 Kyto V et al. Clin Infect Dis 40: 683-688, 2005 特開昭59−231100号公報
本発明は、ウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎および当該ウイルス性心筋炎を発症し得るウイルスが引き起こす各種のウイルス性疾患の予防または治療を効果的に行うことを可能とする薬剤を提供することを目的とする。また、本発明は、ウイルス性の細胞傷害の予防または改善を可能とする薬剤を提供することを目的とする。
本発明者は、研究活動の中で、意外にも高血圧治療剤または心不全治療剤として知られ、FDAで高血圧治療剤および心不全治療薬として承認されているエプレレノン(eplerenone)〔化学名:Pregn-4-ene-7,21-dicarboxylic acid,9,11-epoxy-17-hydroxy-3-oxo-,γ-lactone, methyl ester,(7α,11α,17α)-〕が、あらたにウイルス性心筋炎の予防または治療に有効であることを見いだし、ウイルス性心筋炎を発症し得るウイルス感染によって引き起こされる各種のウイルス性疾患の予防または治療に有効であることを確信した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。即ち、本発明は、エプレレノンまたはその類縁化合物を有効成分とするウイルス性疾患、とくにウイルス性心筋炎の予防または治療剤を提供するものである。なお、本発明は、公知の医薬化合物であるエプレレノン(eplerenone)について、新規な医薬用途を提供するものである。
本発明には、下記の態様が含まれる:
項1.一般式(1):
Figure 2007210987
(式中、−A−A−は基−CH2−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基を示すか、またはRとRとが一緒にαまたはβ配置のメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−またはαまたはβ配置の
Figure 2007210987
を示す:Xは2個の水素原子またはオキソ基を示す:YとYとが一緒に酸素架橋−O−を示すか、
はヒドロキシル基、Yはヒドロキシル基、低級アルコキシ基またはXがHである場合に低級アルカノイルオキシ基を示す。)
で示される化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を有効成分とするウイルス性疾患の予防または治療剤。なお、上記化合物(1)には、Yがヒドロキシル基であって、Xがオキソ基である、いわゆる17β−ヒドロキシ−21カルボン酸が含まれる。
項2.一般式(1)で示される化合物が、下式:
Figure 2007210987
で示されるエプレレノンである項1記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
項3.前記ウイルス性疾患が、ウイルス性心筋炎を発症しえるウイルスによって引き起こされるものである項1または2に記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
項4.前記ウイルス性心筋炎を発症しえるウイルスが、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、インフルエンザウイルス、HIVウイルス、SARSウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ンウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、およびサイトメガロウイルスからなる群から選択される少なくとも1つである項3に記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
項5.ウイルス性疾患がウイルス性心筋炎である、項1乃至4のいずれかに記載するウイルス性疾患の予防または治療剤。
項6.一般式(1):
Figure 2007210987
(式中、−A−A−は基−CH−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基を示すか、またはRとRとが一緒にαまたはβ配置のメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−またはαまたはβ配置の
Figure 2007210987
を示す:Xは2個の水素原子またはオキソ基を示す:YとYとが一緒に酸素架橋−O−を示すか、Yはヒドロキシル基、Yはヒドロキシル基、低級アルコキシ基またはXがHである場合に低級アルカノイルオキシ基を示す)
で示される化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を有効成分とする、ウイルス性細胞傷害の改善または予防剤。なお、上記化合物(1)には、Yがヒドロキシル基であって、Xがオキソ基である、いわゆる17β−ヒドロキシ−21カルボン酸が含まれる。
項7.一般式(1)で示される化合物が、下式:
Figure 2007210987
で示されるエプレレノンである項6記載のウイルス性細胞傷害の改善または予防剤。
本発明によれば、エプレレノン(eplerenone)〔化学名:Pregn-4-ene-7,21-dicarboxylic acid,9,11-epoxy-17-hydroxy-3-oxo-,γ-lactone, methyl ester,(7α,11α,17α)-〕またはその類縁化合物を有効成分とする新規なウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎および当該ウイルス性心筋炎を発症し得るウイルスによって引き起こされる各種のウイルス性疾患の予防または治療剤、ならびにウイルス性細胞傷害の予防または治療剤を提供することができる。また本発明によれば、エプレレノンおよびその類縁化合物の医薬用途として、従来公知の高血圧や心不全に対する治療剤に加えて、ウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎および当該ウイルス性心筋炎を発症し得るウイルスによって引き起こされる各種ウイルス性疾患の予防または治療剤、およびウイルス性細胞傷害の予防または治療剤といった新たな医薬用途を提供するものである。
本発明のウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎および当該ウイルス性心筋炎を発症し得るウイルスによって引き起こされる各種のウイルス性疾患(以下、本発明ではかかる疾患を「ウイルス性心筋炎に関連するウイルス性疾患」ともいう)の予防または治療剤、およびウイルス性細胞傷害の予防または治療剤(以下、本明細書ではこれらの予防または治療剤を包括的に「本発明の予防または治療剤」ともいう)は、いずれも、下記一般式(1):
Figure 2007210987
(式中、−A−A−は基−CH−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基を示すか、またはRとRとが一緒にαまたはβ配置のメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−またはαまたはβ配置の
Figure 2007210987
を示す:Xは2個の水素原子またはオキソ基を示す:YとYとが一緒に酸素架橋−O−を示すか、Yはヒドロキシル基、Yはヒドロキシル基、低級アルコキシ基またはXがHである場合に低級アルカノイルオキシ基を示す。)
で示される化合物を有効とすることを特徴とする。
上記化合物(1)において「低級」なる用語で示した有機基は、特に断りのない限り、1〜7個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するものを意味する。
化合物(1)において低級アルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基から誘導されたアルコキシカルボニル基を挙げることができる。好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、およびイソプロポキシカルボニル基である。また低級アルコキシ基は、炭素数1〜4のアルキル基から誘導されるものが好ましく、特に好適にはメトキシ基を挙げることができる。低級アルカノイル基は、炭素数1〜7の直鎖アルキル基から誘導されるものが好ましく、例えばホルミル基およびアセチル基を挙げることができる。6,7−及び/又は15,16−位におけるメチレン架橋は、β配置であるのが有利である。−A−A−および−B−B−はいずれも基−CH−CH−であることが好ましい。
好ましい化合物(1)はYとYが一緒に酸素架橋−O−を形成してなるものである。さらに好ましくはXがオキソ基を示す化合物である。特に好ましい化合物(1)は、Rが水素原子、Rが低級アルコキシカルボニル基、およびXがオキソ基であって、YとYが一緒に酸素架橋−O−を形成してなるものである。
Xがオキソ基で、Yがヒドロキシル基である化合物(17β−ヒドロキシ−21−カルボン酸)は、遊離形態であることもできるが、塩の形態を有していても良い。かかる塩としては薬学的に許容される塩であればよく、例えばナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムやカリウム等のアルカリ土類金属、または有機窒素含有塩基から誘導されるアンモニウム塩を挙げることができる。ここで有機窒素含有塩基としては、低級アルキルアミン(例えばトリエチルアミン)、ヒドロキシ低級アルキルアミン〔例えば2−ヒドロキシエチルアミン、ジ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン)、シクロアルキルアミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン)、またはベンジルアミン(例えば、ベンジルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミド);窒素含有ヘテロ環式化合物、例えば芳香族ヘテロ環式化合物(例えば、キノリン、ピリミジン)、または少なくとも部分的に飽和されたヘテロ環式環を有する化合物(例えば、N-エチルピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはN,N’-ジメチルピペラジン)が該当する。
化合物(1)には、下記の化合物が含まれる:
(1)9α,11α-エポキシ-7α-メトキシカルボニル-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、
(2)9α,11α-エポキシ-7α-エトキシカルボニル-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、
(3)9α,11α-エポキシ-7α-イソプロポキシカルボニル-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、およびこれらの1,2-デヒドロ類縁体。
(4)9α,11α-エポキシ-6α,7α-メチレン-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、
(5)9α,11α-エポキシ-6β,7β-メチレン-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、
(6)9α,11α-エポキシ-6β,7β;15β,16β-ビスメチレン-20-スピロオキシ-4-エン-3,21-ジオン、およびこれらの1,2-デヒドロ類縁体。
(7)9α,11α-エポキシ-7α-メトキシカルボニル-17β-ヒドロキシ-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、
(8)9α,11α-エポキシ-7α-エトキシカルボニル-17β-ヒドロキシ-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、
(9)9α,11α-エポキシ-7α-イソプロポキシカルボニル-17β-ヒドロキシ-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、
(10)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-6α,7α-メチレン-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、
(11)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-6β,7β-メチレン-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、
(12)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-6β,7β;15β,16β-ビスメチレン-3-オキソ-プレグネ-4-エン-21-カルボン酸、およびこれらの酸のアルカリ金属塩、またはこれらの塩およびアルカリ金属塩に対応する1,2-デヒドロ類縁体。
(13)9α,11α-エポキシ-15β, 16β-メチレン-3,21-ジオキソ-20-スピロオキシ-4-エン-7α-カルボン酸メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、
(14)9α,11α-エポキシ-15β, 16β-メチレン-3,21-ジオキソ-20-スピロオキシ-1,4-ジエン-7α-カルボン酸メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、
(15)9α,11α-エポキシ-3-オキソ-20-スピロオキシ-4-エン-7α-カルボン酸メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、
(16)9α,11α-エポキシ-6β, 7β-メチレン-20-スピロオキシ-4-エン-3-オン、
(17)9α,11α-エポキシ-6β, 7β;15β, 16β-ビスメチレン-20-スピロオキシ-4-エン-20-オン、
(18)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-3-オキソ-アンドロスタ-4-エン-7α-カルボン酸メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、
(19)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-6α, 7α-メチレン-アンドロスタ-4-エン-3-オン、
(20)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-6β, 7β-メチレン-アンドロスタ-4-エン-3-オン、
(21)9α,11α-エポキシ-17β-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシプロピル)-6β, 7β;15β,16β-ビスメチレン-アンドロスタ-4-エン-3-オン、
前記のアンドロスタン−化合物の17α-(3-アセトキシプロピル)-類縁体、および17α-(3-ホルミルオキシプロピル)-類縁体、ならびにアンドロスタ-4-エン-3-オン系および20-スピロオキシ-4-エン-3-オン系の前記化合物の1,2-デヒドロ類縁体。
化合物(1)として好ましくは、−A−A−が基−CH−CH−:Rが水素原子、Rがα配置のメトキシカルボニル基、−B−B−基が−CH−CH−、YとYとが一緒に酸素架橋−O−を形成し、Xがオキソ基である、下式(2)で示されるエプレレノン(eplerenone)〔化学名:Pregn-4-ene-7,21-dicarboxylic acid,9,11-epoxy-17-hydroxy-3-oxo-,γ-lactone, methyl ester,(7α,11α,17α)-〕である。
Figure 2007210987
当該エプレレノン(2)およびその類縁化合物である化合物(1)は、いずれも公知の化合物であり、制限はされないが、米国特許第4559332号公報または特開昭59-231100号公報の記載に従って製造することができる。
本発明の予防または治療剤は、エプレレノン(2)またはその類縁体(化合物(1))を遊離形態で含むものであってもよいが、薬学的に許容される塩の形態で含むものであってもよい。このような塩を形成する方法は特に制限されないが、例えば、適当な溶媒中で、適当な酸と処理する方法を例示することができる。具体的には、溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等)中で、エプレレノンを酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸等)と処理することにより、エプレレノンの薬学的に許容される塩を調製することができる。
本発明において、かかるエプレレノン(2)および類縁化合物(1)の薬学的に許容可能な塩は、低毒性であるため、動物とりわけ哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ウサギ、マウス、ラット等)に対するウイルス性疾患、特にウイルス性心筋炎やそれに関連するウイルス性疾患の予防または治療剤、ならびにウイルス性の細胞傷害の改善または予防剤として有用である。
本発明において、「心筋炎」とは、心筋の炎症性病変に基づく心筋障害をいう。また、「ウイルス性心筋炎」とは、感染性心筋炎のうち、ウイルスを病因(agent)とするものをいう。この「ウイルス性心筋炎」は、ウイルス抗体に対する抗体価または心筋組織からのウイルスの検出の有無により、膠原病やサルコイドーシス等による「非感染性心筋炎」とは明確に区別することができる。また本発明が対象とする「ウイルス性心筋炎」は、ウイルス抗体に対する抗体価および細菌に対する抗体価、または心筋組織からのウイルスまたは細菌の検出の有無により、ウイルス以外の細菌等による「感染性心筋炎」とは明確に区別することができる。すなわち、本発明でいう「ウイルス性心筋炎」は、細菌による「感染性心筋炎」とは明確に異なる疾患である。かかる「ウイルス性心筋炎」と「非感染性心筋炎」および「感染性心筋炎」との区別に関しては、例えば、文献Viral infection of the heart, J.E.Banatvala編集、Edward Arnold社出版、ロンドン1993 pp1−257を参照することができる。
本発明において、ウイルス性心筋炎を引き起こすウイルスは、その限りにおいて特に制限されない。かかるウイルス性心筋炎を引き起こすウイルスには、DNAウイルスまたはRNAウイルスに属する病原ウイルスが含まれる。そのような病原ウイルスのうち、DNAウイルスとしては、例えば、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス等)、アデノウイルス、パルボウイルス、B型肝炎ウイルス等を挙げることができる。また上記病原ウイルスのうち、RNAウイルスとしては、例えば、ピコルナウイルス科に属するウイルス(例えば、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、脳心筋炎ウイルス、A型肝炎ウイルス)、オルソミクソウイルス科に属するウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、レトロウイルス科に属するウイルス(例えば、HIVウイルス)、コロナウイルス科に属するウイルス(例えば、SARSウイルス)、その他、レオウイルス、トガウイルス、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、カリシウイルスを挙げることができる。また、ウイルス性心筋炎を引き起こすDNAウイルスまたはRNAウイルスに属する病原ウイルスには、肝炎ウイルス、特にA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスが含まれる。好適なウイルスとしては、上記ピコルナウイルス科に属するウイルス(例えば、コクサッキーウイルスおよびエコーウイルス)、各種の肝炎ウイルス(特にA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)を挙げることができる。
本発明の予防または治療剤は、かかるウイルス性心筋炎を発症しえるウイルスによって引き起こされる各種のウイルス性疾患(ウイルス性心筋炎に関連するウイルス性疾患)に罹患した患者の治療または予防に好ましく適用し得る。
かかるウイルス性疾患としては、ウイルス性肝炎(A型、B型、C型、E型、G型、TTV型)、アデノウイルス感染症、インフルエンザ、ウイルス性肺炎、ウイルス性気管支炎、ヘルペス感染症(単純ヘルペス、EBウイルス(伝染性単核症)、帯状疱疹)、ポリオ、エイズ(HIV感染症)、成人T細胞白血病(ATL)、パピローマ、麻疹、風疹、突発性発疹、伝染性紅斑、ウイルス性脳炎、ウイルス性髄膜炎、サイトメガロウイルス感染症、流行性耳下腺炎、水痘、狂犬病、ウイルス性腸炎、ウイルス性心膜炎、コクサッキーウイルス感染症、エコーウイルス感染症、腎症候性出血熱、ラッサ熱、SARSウイルス感染症等を例示することができる。中でも、本発明の薬剤は、ウイルス性肝炎(A型、B型、C型、E型、G型、TTV型)、アデノウイルス感染症、インフルエンザ、ヘルペス感染症、ウイルス性脳炎、サイトメガロウイルス感染症、ウイルス性腸炎、ウイルス性心膜炎、SARSウイルス感染症に対して特に好ましく適用可能である。
本発明の予防または治療剤は、ウイルス性の細胞傷害の改善または予防剤としても有効である。ここに、「ウイルス性の細胞傷害」とは、ウイルス感染によって生じる細胞傷害を意味し、例えば心筋細胞の壊死や細胞浸潤線組化などが含まれる(この「ウイルス性の細胞傷害」の詳細に関しては、例えば文献Viral infection of the heart, J.E.Banatvala編集、Edward Arnold社出版、ロンドン1993 pp1−257を参照することができる)。
エプレレノン(2)および類縁化合物(1)またはこれらの薬理学的に許容される塩は、経口的に、非経口的に、吸入法、直腸投入、あるいは局所投与により用いることができ、医薬品組成物あるいは製剤(例えば、粉末、顆粒、錠剤、ピル剤、カプセル剤、注射剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤など)として用いることができる。それらは本発明のエプレレノン(2)および類縁化合物(1)またはその薬学的に許容される塩を単独で、あるいは医薬として許容される担体(アジュバント剤、賦形剤、補形剤及び/又は希釈剤など)と混合して用いることができる。医薬用の組成物は通常の方法に従って製剤化することができる。
なお、本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むものである。注射用調剤、例えば無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製されうる。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液などの製剤上許容される非経口投与可能な希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用することのできるベヒクルあるいは溶剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液などが挙げられる。さらに、通常溶剤または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いられうる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪油または脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も包含される。
直腸投与用の座剤は、その薬物と適当な低刺激性の補形剤、例えばココアバターやポリエチレングリコール類といった常温では固体であるが腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造できる。
経口投与用の固形投与剤型としては、上記した粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などが挙げられる。そのような剤型において、活性成分化合物は、少なくとも一つの添加物、例えばショ糖、乳糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成または半合成のポリマー類またはグリセリド類と混合することができる。そのような剤型物は、通常の剤型のようにさらに別の添加物を含んでもよい。別の添加物としては、例えば不活性希釈剤、マグネシウムステアレートなどの滑沢剤、パラベン類、ソルビン酸などの保存剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗酸化剤、崩壊剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パフューム剤などが挙げられる。錠剤およびピル剤は、さらにエンテリックコーティングすることもできる。
経口投与用の液剤としては、医薬として許容されるシロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などが挙げられる。これらは、当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水を含んでいてもよい。
ある特定の患者の投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。エプレレノン(2)および類縁化合物(1)またはその薬理学的に許容される塩は、低毒性で安全に使用することができる。当該化合物の1日の投与量は、患者の状態や体重、投与経路などによって異なるが、例えば成人のウイルス性心筋炎またはそれに関連するウイルス性疾患の治療薬剤として投与する場合、経口投与では、一日量約0.01〜150mg、好ましくは0.1〜100mg、静注では、一日量約0.01〜50mg、好ましくは0.01〜20mgを1回または2回ないし3回に分けて投与するのが好ましい。
以下に、試験例によって本発明の効果を明らかにするが、これらは単なる例示であり、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
試験例1 ウイルス性心筋炎に対する治療効果の評価
4週齢の雄のDBA/2マウス60匹に脳心筋炎ウイルス(ピコルナウイルス科、encephalomyocarditis virus; 入手先American Type Culture Collection, Manassas, VA, USA)、1プラック形成単位を腹腔内に接種し、これを脳心筋炎ウイルス性心筋炎モデル動物とした(Matsumori A. et al: Jpn Circ J 45: 1403-1408, 1981)。
(1)心重量・体重比および心筋組織病変の評価
マウスをエプレレノン投与群と対照群の2群(各群30匹ずつ)にわけ、エプレレノン投与群には、ウイルス接種同日よりエプレレノン200mg/kgを混餌にて投与した(n=30)。対照群にはエプレレノンを含まない餌を投与した(n=30)。ウイルス接種5日後、体重測定した後、心臓を取り出し、重量を測定し、心重量・体重比を算出した。次いで心臓を左心室を水平面に切断し10%ホルマリンで固定してパラフィン切片を作製し、心筋細胞壊死および細胞浸潤の有無を評価するためにヘマトキシリン、エオジン染色、ならびに心筋細胞壊死および線維化を評価するためにマッソン・トリクローム染色を行った。心筋組織における病変の広がりは、フィンガルリンク社製マイクロアナライザー画像計測ソフトによって解析し、心筋切片の中で心筋病変の占める面積の割合(%)を算出した。なお、統計処理はt検定を用いて比較検討した。
結果を表1に示す。
Figure 2007210987
表1に示すようにエプレレノンの投与により、脳心筋炎ウイルス性心筋炎モデル動物における心重量および心重量・体重比の減少が有意に抑制されることがわかる。また心臓の病理組織学的所見(組織像)から、エプレレノンの投与により、心筋細胞の壊死および炎症細胞浸潤を示す心筋病変が有意に軽減抑制されることが認められた(p<0.05)。
(2)生存率評価
エプレレノン投与群と対照群の脳心筋炎ウイルス性心筋炎モデル動物をそれぞれ40匹ずつ用意し、上記(1)と同様に、エプレレノン投与群には、ウイルス接種同日よりエプレレノン200mg/kgを混餌にて投与し(n=40)、対照群にはエプレレノンを含まない餌を投与し(n=40)、14日間に亘って飼育を行い、生存率(%)を評価した。生存率の評価はカプラン・マイヤー生存分析に基づいて行い、ログランク試験にて有意差を検定した。結果を図1に示す。図1に示すように、対照群(−■−)では脳心筋炎ウイルス接種14日以内に40匹中34匹が死亡したが(生存率15%)、エプレレノン投与群(−●−)では40匹中25匹が死亡したのみで生存率(37.5%)は有意に改善した(p<0.05)。
(3)筋炎組織内のマスト細胞数の評価
ウイルス性心筋炎ではその炎症反応の惹起に、マスト細胞が重要な役割を果たすことが知られている(Fairweather D et al. Autoimmunity 37:131-145, 2004)。そこで、マスト細胞による炎症反応に対するエプレレノンの効果を検討するため、採取した心筋炎組織をトルイジンブルーで染色し、心筋炎組織中のマスト細胞数を計測した。その結果、ウイルス接種28日後のマスト細胞数は、対照群(エプレレノン非投与群)が2.4個/mm2(n=6)であったのに対して、エプレレノン投与群は1.6個/mm2 (n=15)と有意に減少していることが確認された(p<0.05)。このことから、エプレレノン投与により、ウイルス感染による炎症反応が抑制されることがうかがわれた。
以上の実験例から、ウイルス性心筋炎を発症するウイルスに起因する炎症や細胞傷害に対して、エプレレノンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することによって炎症や侵害の進展の抑制または改善効果が認められた。本発明の薬剤は、ウイルス性心筋炎またはウイルス性心筋炎に関連するウイルス性疾患の治療効果があり、また該疾患の予防にも有効である。
処方例1
(1)錠剤
下記組成を有するエプレレノン含有錠剤を常法により製造する。
エプレレノン 1mg
乳糖 90mg
結晶セルロース 25mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg。
処方例2 ソフトカプセル剤(1カプセル中)
<処方>
エプレレノン 30mg
ポリエチレングリコール−300 300mg
ポリソルベート80 20mg
<製造方法>
常法により、エプレレノンにポリエチレングリコール−300およびポリソルベート80を加え、ソフトカプセルに充填して製造する。
処方例3 注射剤(1アンプル 10ml中)
エプレレノン 0.3%(30mg)
ポリエチレングリコール−300 20.0%(2g)
エタノール 60.0%(6g)
注射用蒸留水 残 部
全 量 10ml。
<製造方法>
常法により、エプレレノンにエタノールおよびポリエチレングリコール−300を加えて溶解し、注射用蒸留水を加えて全量10mlとする。これにより、1アンプル中エプレレノンを30mg含有した注射剤を得る。
試験例1(2)における、脳心筋炎ウイルス性心筋炎モデル動物(エプレレノン投与群、対照群)の生存率(%)の結果を示すグラフである。黒丸はエプレレノン投与群、黒四角はエプレレノン非投与群(対照群)を示す。

Claims (7)

  1. 一般式(1):
    Figure 2007210987
    (式中、−A−A−は基−CH−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基を示すか、またはRとRとが一緒にαまたはβ配置のメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−またはαまたはβ配置の
    Figure 2007210987
    を示す:Xは2個の水素原子またはオキソ基を示す:YとYとが一緒に酸素架橋−O−を示すか、
    はヒドロキシル基、Yはヒドロキシル基、低級アルコキシ基またはXがHである場合に低級アルカノイルオキシ基を示す。)
    で示される化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を有効成分とするウイルス性疾患の予防または治療剤。
  2. 一般式(1)で示される化合物が、下式:
    Figure 2007210987
    で示されるエプレレノンである請求項1記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
  3. 前記ウイルス性疾患が、ウイルス性心筋炎を発症しえるウイルスによって引き起こされるものである請求項1または2に記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
  4. 前記ウイルス性心筋炎を発症しえるウイルスが、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、インフルエンザウイルス、HIVウイルス、SARSウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、およびサイトメガロウイルスからなる群から選択される少なくとも1つである請求項3に記載のウイルス性疾患の予防または治療剤。
  5. ウイルス性疾患がウイルス性心筋炎である、請求項1乃至4のいずれかに記載するウイルス性疾患の予防または治療剤。
  6. 一般式(1):
    Figure 2007210987
    (式中、−A−A−は基−CH−CH−または−CH=CH−基:Rは水素原子、Rはα配置の低級アルコキシカルボニル基を示すか、またはRとRとが一緒にαまたはβ配置のメチレン基を示す:−B−B−は基−CH−CH−またはαまたはβ配置の
    Figure 2007210987
    を示す:Xは2個の水素原子またはオキソ基を示す:YとYとが一緒に酸素架橋−O−を示すか、Yはヒドロキシル基、Yはヒドロキシル基、低級アルコキシ基またはXがHである場合に低級アルカノイルオキシ基を示す。)
    で示される化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を有効成分とする、ウイルス性細胞傷害の改善または予防剤。
  7. 一般式(1)で示される化合物が、下式:
    Figure 2007210987
    で示されるエプレレノンである請求項6記載のウイルス性細胞傷害の改善または予防剤。
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