JP2007209888A - 微少溶液吐出部材、微少溶液吐出装置、及び、微少溶液吐出方法 - Google Patents

微少溶液吐出部材、微少溶液吐出装置、及び、微少溶液吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 微少溶液吐出部材、微少溶液吐出装置、及び、微少溶液吐出方法に関し、簡単な構成によりサブpl〜flオーダーの微少量の溶液を精度良く吐出する。
【解決手段】 少なくとも尖頭部2を有する微少溶液吐出部材1の側壁に微少溶液吐出部材1内部の液体の流路に対して複数の圧電素子5,6を直列に押圧可能に配置した微少溶液吐出制御機構4を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は微少溶液吐出部材、微少溶液吐出装置、及び、微少溶液吐出方法に関するものであり、特に、バイオや医療分野における微少な細胞への薬液の投入や、マイクロデバイスへの微少溶液の投入といった微少溶液吐出機構における吐出量の微少制御を可能にあるための構成に特徴のある微少溶液吐出部材、微少溶液吐出装置、及び、微少溶液吐出方法に関するものである。
近年、バイオや医療などの分野では、新薬開発等のために微少な細胞への薬液の投入が重要になっており、また、マイクロデバイス分野においても、MEMSへの微少溶液の注入が行われており、そのために、微少量の溶液を精度良く吐出する機構が必要となっている。
特に、マイクロデバイスへの溶液の注入量としてはpl(ピコリットル)オーダーが、また、大きさが数十μm程度と小さい細胞への薬液投入量としてはfl(フェムトリットル)オーダーが要求されている。
このような微少溶液吐出装置においてはマイクロピペット、シリンジ、或いは、キャピラリと呼称される先端部に穴が開いた針状の微少溶液吐出部材を用いて微少量の溶液を吐出しているので、ここで、図8を参照して従来の微少溶液吐出装置の要部を説明する。
図8参照
図8は、従来の微少溶液吐出装置の要部の概念的構成図であり、溶液を押し出すシリンジポンプ31、シリンジポンプ31から押し出された溶液を導く配管チューブ32、及び、配管チューブ32に係合部材(図示を省略)を介して接続されるマイクロピペット33から構成される。
この場合のシリンジポンプ31は、プラスチック或いはガラスから構成され、また、配管チューブ32は、例えば、内径が1mmφのテフロン(登録商標)チューブから構成され、また、マイクロピペット33はプラスチックから構成されるとともに、長さが2.5cm程度で外径が2〜3mmの円筒部34と長さが2.5cm程度のテーパ状の尖頭部35から構成される。
しかし、配管チューブを通してマイクロピペットへ微少溶液を押し出して吐出する場合、配管内での圧力損失や抵抗、配管の膨張などにより、シリンジポンプで押し出された体積に対して、ピペットから吐出される溶液の体積は一定とはならず、配管の構造や距離などに依存して正確な微少溶液の吐出が困難であった。
そこで、このような微少溶液吐出装置において微少吐出量を制御することが必要になるにつれて、キャピラリーチューブやマイクロピペット構造に圧電素子を組み合わせて微少溶液を吐出する構造が提案されており、例えば、薬液を投入するキャピラリーチューブの周囲に圧電素子をつけ、その駆動により液の吐出を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
或いは、チャンバーに圧電素子を設けて、チャンバーから溶液を吐出すること(例えば、特許文献2参照)や、マイクロピペットの側壁の一部をダイアフラムとし、そこへピエゾ素子を取付け微少液体の送出を行なうこと(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
特開2000−019184号公報 特許3463929号 特許2783984号
しかし、現存する溶液吐出機構としては、数十plオーダーの溶液を吐出するのが限界であり、かつ、正確な吐出量制御もできていないのが現状である。
また、上述のように、圧電素子をキャピラリーチューブやマイクロピペットに組み合わせるだけでは、溶液の逆流が発生するなど、効率の良い溶液吐出が困難である。
特に、微少溶液を吐出するためのピペット先端は細く、コンダクタンスが小さい場合が多く、むしろコンダクタンスが大きい送液側に大半の薬液が逆流してしまうことが問題となる。
また、特許文献1或いは特許文献3においては、キャピラリーチューブやマイクロピペットの上流側にバルブ構造を構成しているが、構造が複雑になるため、小型化が困難であることや、装置の価格が上昇するなどの弊害があり、バルブ構造の組み込みも問題となっている。
したがって、本発明は、簡単な構成によりサブpl〜flオーダーの微少量の溶液を精度良く吐出することを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図における符号7,9は、それぞれガイド部材及びシリンジポンプである。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも尖頭部2を有する微少溶液吐出部材1であって、微少溶液吐出部材1の側壁に微少溶液吐出部材1内部の液体の流路に対して複数の圧電素子5,6を直列に押圧可能に配置した微少溶液吐出制御機構4を備えたことを特徴とする。
なお、微少溶液吐出部材1とは、マイクロピペット、シリンジ、或いは、キャピラリ等の総称である。
上述の微少溶液吐出制御機構4を設けることによって、複雑なバルブ構造などを構成することなく、安定して微少な溶液を吐出できる機構を構成することができる。
即ち、複数の圧電素子5,6を直列に押圧可能に配置することにより逆流防止弁などの複雑な構造を組み込むことなく配管チューブ8部分での送液ロスをなくすことが可能になり、それによって、pl乃至flオーダーの微少な溶液を再現性よく吐出することができる。
なお、後付けの公知文献サーチにおいて、サーチ範囲を広げた結果、インクジェットプリンタ分野において、吐出の高速化のために2個のピエゾ素子を流路中に形成することが提案されている(必要ならば、特開昭61−025849号公報参照)。
しかし、提案時における吐出量は現在医薬分野やマイクロマシン分野で要請されている吐出量と比べて桁違いに大きすぎ、且つ、目的及び技術分野が異なっているので、サブpl乃至flオーダーの微少な溶液を正確に吐出することは全く考慮されていないものである。
このような微少溶液吐出部材1としては、尖頭部2の後端に外径が一定の筒状部3を有するものが一般的であり、筒状部3の側壁に微少溶液吐出制御機構4を取り付けることになる。
このような微少溶液吐出部材1としては、尖頭部2からの一回の吐出量が1ピコリットル以下、より典型的には100フェムトリットル以下が典型的である。
上述の微少溶液吐出部材1を備えることによって、pl乃至flオーダーの微少な溶液を正確に吐出することができる微少溶液吐出装置を構成することができる。
上述の微少溶液吐出部材1を駆動する場合、微少溶液吐出部材1に備わる微少溶液吐出制御機構4を構成する複数個の圧電素子5,6をそれぞれ駆動開始タイミングに時間差を持たせる、特に、上流側から順に駆動するとともに、互いの圧電素子5,6が同時に押圧する時間が存在するように駆動すれば良い。
或いは、微少溶液吐出部材1に備わる微少溶液吐出制御機構4を構成する複数個の圧電素子5,6をそれぞれ駆動時の立ち上がり速度に差を持たせる、特に、複数個の圧電素子5,6の内の上流側の圧電素子5の立ち上がり速度を下流側の圧電素子6の立ち上がり速度より大きくするとともに、互いの圧電素子5,6が同時に押圧する時間が存在するように駆動すれば良い。
また、駆動に際しては、一回の吐出量が設定値より少ない場合、上流側の圧電素子5を押圧した状態で、下流側の圧電素子6の押圧量を増加させてさらに吐出を行うようにしても良い。
また、圧電素子5,6の一回の押圧駆動による吐出量を測定し、所定の吐出量に達するまで吐出動作を繰り返すようにしても良く、それによって、吐出量の制御をより精度良く行うことができる。
本発明によれば、複雑な構造を組み込むこと無く微少溶液の正確な吐出が可能となり、それによって、装置そのもののコスト削減が可能となるとともに、小型化やマルチ化が可能となり、装置の高速化も可能となる。
本発明は、少なくとも尖頭部、例えば、テーパ状の尖頭部を有する微少溶液吐出部材の側壁に微少溶液吐出部材内部の液体の流路に対して複数の圧電素子、典型的には2個の圧電素子を直列に押圧可能に配置した微少溶液吐出制御機構を設け、複数個の圧電素子をそれぞれ駆動開始タイミングに時間差を持たせる、特に、上流側から順に駆動するとともに、互いの圧電素子が同時に押圧する時間が存在するように駆動か、或いは、複数個の圧電素子をそれぞれ駆動時の立ち上がり速度に差を持たせる、特に、複数個の圧電素子の内の上流側の圧電素子の立ち上がり速度を下流側の圧電素子の立ち上がり速度より大きくするとともに、互いの圧電素子が同時に押圧する時間が存在するように駆動するものである。
ここで、図2及び図3を参照して、本発明の実施例1の微少溶液吐出装置を説明する。
図2及び図3参照
図2は、本発明の実施例1の微少溶液吐出装置の要部の概念的構成図であり、また、図3は、微少溶液吐出装置を構成する微少溶液吐出制御機構の概略的平面図であり、溶液を押し出す送液シリンジポンプ11、送液シリンジポンプ11から押し出された溶液を導く配管チューブ12、配管チューブ12に係合部材(図示を省略)を介して接続されるマイクロピペット13、及び、微少溶液吐出制御機構16から構成される。
この場合の送液シリンジポンプ11は、プラスチック或いはガラスから構成され、また、配管チューブ12は、例えば、内径が1mmφのテフロン(登録商標)チューブから構成され、また、マイクロピペット13はプラスチックから構成されるとともに、長さが2.5cm程度で外径が2〜3mmの円筒部14と長さが2.5cm程度のテーパ状の尖頭部15から構成される。
また、微少溶液吐出制御機構16は、図3に示すように内部にマイクロピペット13の円筒部14を収容するとともに、溶液の14の流路に対して2個の圧電素子18,19を直列に収容するステンレス鋼製のガイド部材17から構成される。
この2個の圧電素子18,19は、例えば、PZTからなる積層型圧電素子からなり、例えば、一辺が5mm程度の立方体に近い形状からなる。
この圧電素子18,19のぞれぞれに電圧を印加することによって、圧電素子はピエゾ効果によって伸長してマイクロピペット13の円筒部14を押圧することよって、円筒部14がガイド部材17と圧電素子18,19との間で変形して溶液が移動する。
この時、下流側の圧電素子19は、溶液を押し出す作用をし、もう一方の上流側の圧電素子18は溶液の逆流を防止する作用をする。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施例2の微少溶液吐出方法を説明する。
図4及び図5参照
図4は、本発明の実施例2の微少溶液吐出方法のフローチャートであり、また、図5は、2つの圧電素子の駆動状態のタイムチャートである。
まず、図4に示すように、
A:後方の送液シリンジポンプ11から、マイクロピペット13内へ薬液を送る。
次いで、
B:マイクロピペット13を所定の位置に移動させ、セルへの薬液滴下の場合はセルの上方へ、細胞への薬液注入の場合は細胞にマイクロピペット13を挿入する。
次いで、図5に示すように、
C:圧電素子18を延伸させることによってマイクロピペット13の円筒部14を押圧して、円筒部14を収縮する。
続いて、
D:圧電素子18を延伸させた状態において、圧電素子19を延伸させることによって、マイクロピペット13の円筒部14を押圧して薬液を液滴として吐出する。
この時、上流側の圧電素子18によりマイクロピペット13の後方のコンダクタンスが小さくなっており、あたかもバルブ効果のような働きを有するため、薬液は、効率良く尖頭部15の先端から吐出されることになる。
次いで、
E:圧電素子18を復元して後方からの薬液を取り込み、次いで、
F:圧電素子19を復元して、マイクロピペット13の内部へ薬液を取り込む。
この時点で、予め測定した一回の吐出量と印加電圧との相関から、必要な量の薬液が滴下もしくは注入されたかどうかを判断し、さらに薬液の吐出が必要な場合は、再び圧電素子18及び圧電素子19の延伸動作を順次繰り返して、薬液の吐出を行う。
このように、本発明の実施例2においては、図5に示すように、直列に配置した2個の圧電素子の駆動開始タイミングに差を設けるとともに、同時に延伸している時間を設けているので、薬液が逆流することなく、精度良く所定量を吐出することができる。
なお、この実施例2においては、2個の圧電素子18,19は同じ構成とする。
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施例3の微少溶液吐出方法を説明する。
図6及び図7参照
図6は、本発明の実施例3の微少溶液吐出方法のフローチャートであり、また、図7は、2つの圧電素子の駆動状態のタイムチャートである。
まず、図6に示すように、
A:後方の送液シリンジポンプ11から、マイクロピペット13内へ薬液を送る。
次いで、
B:マイクロピペット13を所定の位置に移動させ、セルへの薬液滴下の場合はセルの上方へ、細胞への薬液注入の場合は細胞にマイクロピペット13を挿入する。
次いで、図5に示すように、
C:圧電素子19を延伸させると同時に、圧電素子18を圧電素子19の2倍の立ち上がり速度で延伸させてマイクロピペット13の円筒部14を押圧して、円筒部14を収縮することによって、薬液を液滴として吐出する。
この場合、圧電素子18と圧電素子19を同じ構成とした場合には、圧電素子18に印加する電圧を2倍にすれば良いし、圧電素子18の積層数を圧電素子19の積層数の2倍にした場合には、同じ電圧を印加すれば良い。
この時、上流側の圧電素子18による円筒部14の収縮量が増えるため、マイクロピペット13の後方のコンダクタンスが小さくなっており、あたかもバルブ効果のような働きを有し、薬液は効率良く尖頭部15の先端から吐出されることになる。
この時点で、予め測定した一回の吐出量と印加電圧との相関から、必要な量の薬液が滴下もしくは注入されたかどうかを判断し、さらに薬液の吐出が必要な場合は、
D:再び圧電素子19にさらに電圧を加えて円筒部14を収縮させて薬液の吐出を行う。
次いで、
E:圧電素子18を復元して後方からの薬液を取り込み、次いで、
F:圧電素子19を復元して、マイクロピペット13の内部へ薬液を取り込む。
ここで、再び、予め測定した一回の吐出量と印加電圧との相関から、必要な量の薬液が滴下もしくは注入されたかどうかを判断し、さらに薬液の吐出が必要な場合は、再び、C以降の工程を順次繰り返して、薬液の吐出を行う。
このように、本発明の実施例3においては、直列に配置した2個の圧電素子の駆動開始タイミングに差を設けるとともに、同時に延伸している時間を設けているので、薬液が逆流することなく、精度良く所定量を吐出することができる。
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は各実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、上記の実施例2及び実施例3においては、吐出量が設定値か否かの判定を予め測定した一回の吐出量と印加電圧との相関から判定しているが、光学的手段或いは電気的手段によって吐出量をリアルタイムに測定できる場合には、リアルタイムに測定した結果に基づいて微少溶液吐出制御を行えば良い。
また、上記の各実施例においては、2個の圧電素子を薬液の流路に対して直列に配置しているが、2個に限られるものではなく、3個以上の圧電素子を直列に配置しても良いものであり、同じ構成の圧電素子を用いる場合には、上流側から時間差をもって順次延伸させれば良い。
或いは、同じ構成の圧電素子を用いて同時駆動する場合には、上流側の圧電素子に印加する電圧を大きくして立ち上がり速度を順に大きくすれば良い。
さらに、異なった構成の圧電素子を用いて同時駆動する場合には、上流側の圧電素子の積層数を大きくして、同じ電圧を印加すれば良いし、場合によっては異なった電圧を印加するようにしても良い。
また、上記の実施例3においては、上流側の圧電素子の立ち上がり速度を2倍としているが、2倍に限られるものではなく、1.5倍でも3倍でも良く、マイクロピペットの内径及び材質に依存するコンダクタンスに応じて決定すれば良い。
また、上記の実施例1に記載した各構成要素の材質は単なる一例であり、使用目的に応じて適宜材質を選択すれば良い。
例えば、反応性の高い薬液を吐出する場合には、送液シリンジポンプ、配管チューブ、及び、マイクロピペットとして薬液と反応しない材質を選択する必要がある。
また、上記の各実施例においては、微少溶液吐出装置は、配管チューブ及び送液シリンジポンプを備えているが、本発明はマイクロピペットと微少溶液吐出制御機構に特徴があるものであり、配管チューブ及び送液シリンジポンプは必ずしも必須の構成ではない。
例えば、配管チューブとして機能する閉流路を形成した板状体の出口側に係合部材を介してマイクロピペットを取り付けるとともに、入口側に送液シリンジポンプとは異なった送液機構を設けても良いものである。
ここで再び図1を参照して、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
再び、図1参照
(付記1) 少なくとも尖頭部2を有する微少溶液吐出部材1であって、微少溶液吐出部材1の側壁に微少溶液吐出部材1内部の液体の流路に対して複数の圧電素子5,6を直列に押圧可能に配置した微少溶液吐出制御機構4を備えたことを特徴とする微少溶液吐出部材。
(付記2) 上記尖頭部2の後端に外径が一定の筒状部3を有するとともに、前記筒状部3の側壁に上記微少溶液吐出制御機構4を取り付けたことを特徴とする付記1記載の微少溶液吐出部材。
(付記3) 上記尖頭部2からの一回の吐出量が1ピコリットル以下であることを特徴とする付記1または2に記載の微少溶液吐出部材。
(付記4) 付記1乃至3のいずれか1に記載の微少溶液吐出部材1を備えたことを特徴とする微少溶液吐出装置。
(付記5) 付記1または2に記載の微少溶液吐出部材1に備わる微少溶液吐出制御機構4を構成する複数個の圧電素子5,6をそれぞれ駆動開始タイミングに時間差を持たせるとともに、互いの圧電素子5,6が同時に押圧する時間が存在するように駆動することを特徴とする微少溶液吐出方法。
(付記6) 上記複数個の圧電素子5,6を、上流側から順に駆動することを特徴とする付記5記載の微少溶液吐出方法。
(付記7) 付記1または2に記載の微少溶液吐出部材1に備わる微少溶液吐出制御機構4を構成する複数個の圧電素子5,6をそれぞれ駆動時の立ち上がり速度に差を持たせるとともに、互いの圧電素子5,6が同時に押圧する時間が存在するように駆動することを特徴とする微少溶液吐出方法。
(付記8) 上記複数個の圧電素子5,6の内の上流側の圧電素子5の立ち上がり速度を下流側の圧電素子6の立ち上がり速度より大きくすることを特徴とする付記7記載の微少溶液吐出方法。
(付記9) 一回の吐出量が設定値より少ない場合、上記上流側の圧電素子5を押圧した状態で、上記下流側の圧電素子6の押圧量を増加させてさらに吐出を行うことを特徴とする付記6または8に記載の微少溶液吐出方法。
(付記10) 上記圧電素子5,6の一回の押圧駆動による吐出量を測定し、所定の吐出量に達するまで吐出動作を繰り返すことを特徴とする付記5乃至9のいずれか1に記載の微少溶液吐出方法。
本発明の活用例としては、バイオや医療分野における微少な細胞への薬液の投入等が典型的であるが、マイクロマシン分野におけるMEMSに対する微少溶液の注入用にも適用されるものであり、いずれにしても、サブpl(ピコリットル)乃至fl(フェムトリットル)の微少量の溶液吐出機構として適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1の微少溶液吐出装置の要部の概念的構成図である。 微少溶液吐出装置を構成する微少溶液吐出制御機構の概略的平面図である。 本発明の実施例2の微少溶液吐出方法のフローチャートである。 本発明の実施例2における2つの圧電素子の駆動状態のタイムチャートである。 本発明の実施例3の微少溶液吐出方法のフローチャートである。 本発明の実施例3における2つの圧電素子の駆動状態のタイムチャートである。 従来の微少溶液吐出装置の要部の概念的構成図である
符号の説明
1 微少溶液吐出部材
2 尖頭部
3 筒状部
4 微少溶液吐出制御機構
5 圧電素子
6 圧電素子
7 ガイド部材
8 配管チューブ
9 シリンジポンプ
11 送液シリンジポンプ
12 配管チューブ
13 マイクロピペット
14 円筒部
15 尖頭部
16 微少溶液吐出制御機構
17 ガイド部材
18 圧電素子
19 圧電素子
31 シリンジポンプ
32 配管チューブ
33 マイクロピペット
34 円筒部
35 尖頭部

Claims (5)

  1. 少なくとも尖頭部を有する微少溶液吐出部材であって、微少溶液吐出部材の側壁に微少溶液吐出部材内部の液体の流路に対して複数の圧電素子を直列に押圧可能に配置した微少溶液吐出制御機構を備えたことを特徴とする微少溶液吐出部材。
  2. 上記尖頭部からの一回の吐出量が1ピコリットル以下であることを特徴とする請求項1記載の微少溶液吐出部材。
  3. 請求項1または2に記載の微少溶液吐出部材を備えたことを特徴とする微少溶液吐出装置。
  4. 請求項1または2に記載の微少溶液吐出部材に備わる微少溶液吐出制御機構を構成する複数個の圧電素子をそれぞれ駆動開始タイミングに時間差を持たせるとともに、互いの圧電素子が同時に押圧する時間が存在するように駆動することを特徴とする微少溶液吐出方法。
  5. 請求項1または2に記載の微少溶液吐出部材に備わる微少溶液吐出制御機構を構成する複数個の圧電素子をそれぞれ駆動時の立ち上がり速度に差を持たせるとともに、互いの圧電素子が同時に押圧する時間が存在するように駆動することを特徴とする微少溶液吐出方法。
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