以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域の中央位置上方には、識別可能な識別情報としての特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。
特別図柄表示装置4の下方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7や、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図3)によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり(普通当り)、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞により始動条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成される特別図柄を可変表示する。各特別図柄には、例えば各図柄が示す数字と同一の番号といった、各々の特別図柄に対応した図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、特定の停止図柄が遊技者に把握されることを困難にするために、例えば「00」〜「99」を示す数字など、より多種類の図柄を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、特別図柄表示装置4にて特図ゲームでの確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特別可変入賞球装置7が備える開閉板を開閉させることによる特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数値を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄として大当り図柄である「7」を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板により、所定の開放期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において大入賞口が開放され、開放されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球が受け止められて大入賞口への入賞が可能となり、その後に大入賞口を閉鎖することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ24(図3)によって検出され、その検出結果に基づき所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。このように、大当り遊技状態は、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、通常遊技状態とは、例えばパチンコ遊技機1の電源投入直後などにおける初期設定状態のような、大当り遊技状態以外の遊技状態のことである。
遊技盤2の前面には、遊技領域のほぼ全面を覆うように、画像表示装置5が配置されている。ここでの「ほぼ全面」とは、少なくとも遊技領域の周縁部に設けられる装飾部材31、32、33等よりも内側となる領域のことである。画像表示装置5は、例えばLCDパネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどを用いて構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。例えば、画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を変動可能に表示する可変表示を行う。この例では、画像表示装置5に「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。そして、特別図柄表示装置4における特別図柄の変動が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動(例えば図柄の切換やスクロール)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定飾り図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが停止表示(導出表示)される。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を、第1の演出モード#1と、第2の演出モード#2のいずれかに設定することができる。第1の演出モード#1と第2の演出モード#2とでは、画像表示装置5での演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様、遊技効果ランプ9の点灯動作態様などといった、各種の演出状態が異なっている。第1及び第2の演出モード#1、#2の選択は、例えば画像表示装置5に所定のデモ画面(デモンストレーション画面)が表示されている所定期間内に、操作スイッチ40の所定操作(例えば押下操作)が検出されたことに対応して、切り替えることができる。
例えば、第1の演出モード#1に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄が、変動可能に表示される。これに対して、第2の演出モード#2に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「一」〜「八」の漢数字を示す図柄が、変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、各数字を示す図柄を所定の順番に表示あるいは消去させることで、飾り図柄の可変表示が行われる。具体的な一例として、第1の演出モード#1に設定されている場合には、「1」〜「8」の数字を示す図柄を順番に表示し、「8」の数字を示す図柄に続いて「1」の数字を示す図柄を表示する。また、第2の演出モード#2に設定されている場合には、「一」〜「八」の数字を示す図柄を順番に表示し、「八」の数字を示す図柄に続いて「一」の数字を示す図柄を表示する。
特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示された大当りが発生する場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示される。したがって、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示された後に、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されることになる。
画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。また、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。また、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を、画像表示装置5の表示領域に配置された特別図柄始動記憶表示エリアとは別個に設けるようにしてもよい。
この画像表示装置5の画面上には、例えば図2に示すように、各種画像の表示が行われる表示領域5Aと、画像表示が行われない非表示領域5Bとが設けられている。例えば、特別図柄表示装置4の前面部分や、遊技領域の周縁部に設けられる装飾部材31、32、33の背面部分、及び遊技領域を外れた遊技機用枠3の背面部分などには、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(例えば偏光板など)、液晶を制御する回路などが設けられておらず、物理的に画像を表示せずに透明なままの非表示領域5Bとなっている。他方、表示領域5Aの裏面には、例えば背後から表示領域5Aを照射するバックライトや、パチンコ遊技機1の内部を隠蔽する隠蔽部材などが設けられている。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図3)によって検出され、その検出に基づき特図ゲームを実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3)によって入賞領域となる大入賞口を開成・閉成制御する開閉板を備えて構成される。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、大入賞口を閉成した状態にある。他方、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド82によって大入賞口を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。ここで、大入賞口に入賞して遊技盤2の背面に導かれた遊技球のうち一方の領域(V入賞領域;特別領域)に入ったものはV入賞スイッチ23(図3)で検出された後にカウントスイッチ24で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ24で検出されるようにしてもよい。この場合、遊技盤2の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイドが設けられていてもよい。そして、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、V入賞スイッチ23によって遊技球が検出されることが、次のラウンドへと移行できるための条件となるようにしてもよい。あるいは、V入賞領域を設けずに、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、常に次のラウンドへと移行できるようにしてもよい。
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力する効果音発生装置としてのスピーカ8L、8Rが設けられている。さらに遊技領域周辺部には、電飾部材としての遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7等)の周囲には電飾部材に含まれる装飾用LEDが設置されていてもよい。遊技機用枠3の左下部位置には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を変更するためなどに遊技者等によって操作される操作スイッチ40が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。主基板11と演出制御基板12との間には、主基板11から演出制御基板12へと伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども設けられている。その他にも、パチンコ遊技機1には、払出制御基板や発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種基板が設けられていてもよい。
電源基板10は、主基板11や演出制御基板12等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10は、例えば変圧回路と、直流電圧生成回路と、電源監視回路とを備えて構成される。また、電源基板10には、押下操作などの所定操作に応じてクリア信号を出力するクリアスイッチや、バックアップ電源となるコンデンサが設けられていてもよい。加えて、電源基板10には、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチが設けられていてもよい。あるいは、電源スイッチは、パチンコ遊技機1において、電源基板10の外に設けられていてもよい。
図3に示す主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示を制御する一方で、普通図柄表示装置20の点灯/点滅/発色制御を行うことにより普通図柄表示装置20における普通図柄の変動表示を制御する。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド80XXhは、特別図柄表示装置4による特図ゲームで特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXhは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して異なるEXTデータが設定される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。
ここで、リーチとは、画像表示装置5にて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、画像表示装置5にてキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
コマンド90XXhは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果の種類などを示す表示結果通知コマンドである。表示結果通知コマンドでは、例えば飾り図柄の可変表示などの実行結果として停止表示される飾り図柄の表示結果が、リーチとならずにハズレとなる通常ハズレであるか、リーチとなった後にハズレとなるリーチハズレであるか、リーチとなった後に大当りとなるかなどといった、表示結果の種類に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA000hは、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて大当りとなったことにより、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXhは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。コマンドB000hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、乱数回路114と、入出力ポート115とを備えて構成されている。CPU111は、ROM112に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM113をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。
主基板11では、乱数回路114によって、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、主基板11の側では、大当り判定用の乱数値や普通当り判定用の乱数値、リーチ判定用の乱数値、可変表示パターン決定用の乱数値などが用いられる。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値を示す数値データの全てまたは一部は、乱数回路114にてカウントされればよい。また、これらの乱数値の一部を示す数値データは、CPU111が乱数回路114とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
大当り判定用の乱数値は、大当りの発生によりパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。すなわち、大当り判定用の乱数値は、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示での表示結果の種類が大当りとなるかハズレとなるかの判定を行うために用いられる。普通当り判定用の乱数値は、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。リーチ判定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。可変表示パターン決定用の乱数値は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値である。
ROM112には、ゲーム制御用のユーザプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM112は、CPU111が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照される普通当り判定テーブル、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどが含まれている。
大当り判定テーブルは、大当り判定用の乱数値が特図ゲームの表示結果を大当りとすることを示す大当り判定値データと合致するか、特図ゲームの表示結果をハズレとすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。普通当り判定テーブルは、普通当り判定用の乱数値が普通図ゲームの表示結果を「当り」とすることを示す普通当り判定値データと合致するか、普通図ゲームの表示結果を「ハズレ」とすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。リーチ判定テーブルは、リーチ判定用の乱数値が飾り図柄の可変表示態様をリーチとすることを示すリーチ判定値データと合致するか、リーチとしない通常ハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。
ROM112に記憶される決定テーブルには、特図ゲームでの可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定するための確定特別図柄決定テーブルや、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれている。
可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の総可変表示時間を示すデータや、可変表示開始コマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられていればよい。
RAM113には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM113には、特図保留記憶部、普通図保留記憶部、確定特別図柄記憶部、遊技制御フラグ設定部、遊技制御タイマ設定部、遊技制御カウンタ設定部、遊技制御バッファ設定部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が進入(入賞)して特別図柄表示装置4による特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部は、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された大当り判定用の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普通図保留記憶部は、遊技領域に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過して普通図柄表示装置20による普通図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の普通図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない普通図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普通図保留記憶部は、通過ゲート41を遊技球が通過した順番で保留番号と関連付けて、その通過による実行条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された普通当り判定用の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
確定特別図柄記憶部は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて可変表示結果として導出表示される確定特別図柄を示すデータを記憶する。遊技制御フラグ設定部は、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路101を介して各種スイッチから伝送された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。遊技制御タイマ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。遊技制御カウンタ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。遊技制御バッファ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM113とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
入出力ポート115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御コマンドを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作スイッチ40からの配線も接続されている。図3に示すように、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123と、ウォッチドッグ付リセットIC124と、電力制御回路125とが搭載されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。また、図6には、演出制御基板12に搭載されたウォッチドッグ付リセットIC124や電力制御回路125も示されている。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135と、リセット/割込みコントローラ136と、電断検出回路137とを備えている。CPU131は、ROM132に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM133をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、図7に示すような予告決定用の乱数値SR1などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、演出制御基板12の側で、例えば確定飾り図柄決定用の乱数値などといった、その他の乱数値が用いられてもよい。確定飾り図柄決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示における表示結果として導出表示する確定飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。こうした乱数値を示す数値データの全部または一部は、乱数回路134にてカウントされればよい。また、こうした乱数値を示す数値データの一部は、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
図7に示す予告決定用の乱数値SR1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなどを予告するための予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。
ROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、確定飾り図柄決定用の乱数値に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。予告決定テーブルは、予告決定用の乱数値に基づき、予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告演出の態様を示す予告パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。
予告決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202とが、ROM132に記憶されている。この実施の形態では、飾り図柄が可変表示されている所定期間において可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを予告する予告パターンとして、予告A〜予告Dのパターンが用意されているものとする。予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択された場合には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなってから確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間などといった、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、経過時間に伴って画像表示装置5の画面上における演出キャラクタや背景画像の表示が変化して可変表示結果が大当りとなることを予告する予告演出表示が実行される。ここで、演出キャラクタは、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字や数字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示すものであればよい。なお、可変表示パターンが通常ハズレパターンである場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチとならずに飾り図柄が可変表示されている所定期間において、予告演出表示が実行されればよい。
図9(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Aの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、人物を示すキャラクタCH1が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図9(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Bの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、自動車を示すキャラクタCH2が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図9(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Cの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、星を示すキャラクタCH3が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図9(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Dの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、所定のキャラクタCH4が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図10(A)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告なしが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図10(B)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図10(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図10(D)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図10(E)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。このように、演出動作の態様が第2の演出モード#2に設定されている場合には、予告なしが選択されたこと、あるいは予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択されたことに対応して、互いに異なる背景画像が表示される。
図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202はそれぞれ、予告決定用の乱数値SR1と、予告を実行しない旨の決定結果あるいは予告A〜予告Dのいずれかの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果とを、対応付ける設定データなどから構成されている。ハズレ時予告決定テーブル201では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「50」が予告を実行しない旨の決定結果に、「51」〜「85」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「86」〜「95」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「96」〜「99」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。これに対して、大当り時予告決定テーブル202では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「5」が予告を実行しない旨の決定結果に、「6」〜「15」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「16」〜「30」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「31」〜「50」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「51」〜「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合には、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を参照して予告パターンの決定を行う一方で、可変表示結果が大当りとなる場合には、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を参照して予告パターンの決定を行うことにより、各予告パターンによる予告が図8(C)に示すような確率で選択されて実行されることになる。すなわち、この実施の形態では、可変表示結果がハズレとなるハズレ時に、50/100の確率で予告が実行されない一方、35/100の確率で予告A、10/100の確率で予告B、4/100の確率で予告C、1/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。これに対して、可変表示結果が大当りとなる大当り時には、5/100の確率で予告が実行されない一方、10/100の確率で予告A、15/100の確率で予告B、20/100の確率で予告C、50/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。
このような各予告パターンによる予告の選択確率に基づき、各予告パターンによる予告演出表示が行われた場合に可変表示結果が大当りとなる期待度(すなわち、その予告が出現した場合に大当りとなる確率)としての大当り信頼度(予告の大当り信頼度)を定めることができる。例えば、各予告パターンによる予告の大当り信頼度は、((大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))/((ハズレ時における当該予告パターンの選択確率)×(ハズレ確率)+(大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))として求めることができる。
パチンコ遊技機1では、表示結果が大当りとなる可変表示の実行回数に比べて、表示結果がハズレとなる可変表示の実行回数の方が十分に多くなるように、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率(大当り確率)が定められている。例えば、図8(C)に示すように大当り確率が1/300である場合には、平均的にみて、表示結果がハズレとなる可変表示が299回実行されるうちに、表示結果が大当りとなる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に高い確率で実行される予告にて用いられる画像は、低い確率で実行される予告にて用いられる画像に比べて、高い頻度で画像表示装置5の画面上に表示されることになる。
事前転送設定テーブルは、各種の演出画像を示す画像要素データを含む複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データを、その画像要素が画像表示装置5の画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121が備えるCGROM142(図15)からVDP141内の一時記憶メモリ155(図15)へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。事前転送設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図12(A)に示すような事前転送設定テーブル211が用いられる。図12(A)に示す事前転送設定テーブル211は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されており、事前転送設定テーブル211から読み出すテーブルデータは、事前転送カウンタにおけるカウント値である事前転送カウント値によって決定される。
事前転送設定テーブル211には、事前にCGROM142から一時記憶メモリ155へと転送すべき画像要素データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N(Nは任意の自然数)、書込アドレス#1〜#N、画像要素データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。ここで、画像表示装置5の画面上に各画像要素が表示される頻度は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であるか第2の演出モード#2であるかによって差異が生じる。例えば、第1の演出モード#1では飾り図柄として「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄が用いられる一方で、第2の演出モード#2では飾り図柄として「一」〜「八」の漢数字を示す図柄が用いられる。したがって、第2の演出モード#2に設定されているにもかかわらず、第1の演出モード#1の場合に表示頻度が高くなるように設定されている「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄に対応した画像要素データを一時記憶メモリ155に一時記憶させても、これらの画像要素データが用いられる機会はなくなってしまい、一時記憶メモリ155の使用効率が低下する。そこで、この実施の形態では、図12(B)に示すように、第1の演出モード#1に対応した事前転送設定テーブル211Aと、第2の演出モード#2に対応した事前転送設定テーブル211Bとを予め用意して、演出状態に対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データを登録することで、登録されていない所要の画像要素データに対応した画像要素による演出の実行頻度に比べて、対応する画像要素による演出の実行頻度が高い画像要素データが、事前にCGROM142から一時記憶メモリ155へと転送されるようにする。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図13(A)に示すような構成を有する演出制御パターンテーブル221が用いられる。この演出制御パターンテーブル221には、画像表示装置5における表示動作の内容や、スピーカ8L、8R等の音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。演出制御パターンテーブル221に格納される複数種類の演出制御パターンはそれぞれ、例えば図14に示すように、演出制御タイマ設定値、演出制御タイマ判定値#1〜#n(nは任意の自然数)、表示制御データ#1〜#n、音声制御データ#1〜#n、ランプ制御データ#1〜#nといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5での表示内容や、スピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9による演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
演出制御パターンテーブル221には、例えば画像表示装置5にて飾り図柄の可変表示が実行される期間内における演出動作に対応した複数種類の演出制御パターンが格納されている。また、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行される期間内における演出動作に対応した演出制御パターンも、演出制御パターンテーブル221に格納されている。この実施の形態では、図13(B)に示すように、第1の演出モード#1に対応した演出制御パターンテーブル221Aと、第2の演出モード#2に対応した演出制御パターンテーブル221Bとが予め用意されており、各演出制御パターンテーブル221A、221Bを構成するデータが、ROM132の所定領域に記憶されている。
図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、確定飾り図柄記憶部、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部、可変表示パターン格納部、表示結果格納部、特図保留記憶数格納部、ラウンド数格納部、予告パターン格納部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
ここで、確定飾り図柄記憶部は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄を示すデータを記憶する。演出制御フラグ設定部は、例えば画像表示装置5の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。演出制御タイマ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。演出制御カウンタ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
また、演出制御バッファ設定部には、演出制御基板12にて受信した主基板11からのコマンドを一時的に格納するための演出側受信コマンドバッファなどが設けられる。可変表示パターン格納部は、例えば可変表示開始コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された可変表示パターンなどを特定可能なデータを格納する。表示結果格納部は、例えば表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された表示結果の種類などを特定可能なデータを格納する。特図保留記憶数格納部は、主基板11から通知された特図保留記憶数を特定可能なデータを格納する。ラウンド数格納部は、例えば大当りラウンド数通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された大当り遊技状態におけるラウンド数を特定可能なデータを格納する。予告パターン格納部は、予告演出表示を実行するために決定した予告パターンを特定可能なデータを格納する。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声制御指令、ランプ制御部123へと伝送されるランプ制御指令などが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、操作スイッチ40から伝送される検出信号(スイッチ操作検出信号)の入力端子や、電力制御回路125から供給される電源電圧を入力するための入力端子が含まれている。入出力ポート135の出力ポートには、ウォッチドック付リセットIC124を初期化させるクリア信号を出力するための出力端子が含まれている。なお、電力制御回路125から供給される電源電圧は、入出力ポート135とは異なる専用の電源端子に入力されてもよい。
リセット/割込みコントローラ136は、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部あるいは外部で発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ136が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のシステムリセット端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のユーザリセット端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、あるいは、インターバルリセット信号が発生したことなどといった、所定の要因により発生するリセットである。
また、リセット/割込みコントローラ136が制御する割込みには、Xクラス割込み(XIRQ)、Iクラス割込み(IRQ)、ソフトウェア割込み(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった4種類の割込みが含まれている。Xクラス割込みは、所定のXIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生する割込みである。Iクラス割込みは、ユーザプログラムにより割込み要求の受付を許可/禁止できる割込みであり、所定のIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、所定のタイマ回路からの割込み要求信号が発生したこと、所定の通信回路からの割込み要求信号が発生したことなどといった、予め定められた各種の割込み要因により発生する割込みである。
電断検出回路137は、電力制御回路125を介して電源基板10から供給される電源電圧を監視し、電源電圧の低下が検出された場合に、電源断の発生をCPU131等に通知するためのものである。例えば、電断検出回路137は、電源電圧が予め定められた電断判定値以下に低下した場合に、電源断の発生を示す電源断信号をオン状態とする。他方、電源電圧が電断判定値よりも高電圧となっている場合には、電源断信号をオフ状態とする。電断検出回路137から出力された電源断信号は、例えばCPU131に伝送されて、電源断が発生したか否かを確認するために用いられる。
図3に示す表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御を行うものである。例えば、表示制御部121は、画像表示装置5に画像の切換表示を実行させることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
図15は、表示制御部121のハードウェア構成例を示すブロック図である。図15に示すように、表示制御部121には、VDP141(Video Display Processor)と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5にて画像表示を行うための高速描画機能や表示出力機能などを有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、画像表示装置5にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶する。CGROM142が記憶する画像データには、複数種類の飾り図柄などを示す複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。
VDP141は、図15に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157と、動画像用デコーダ158を備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、CGROM142から読み出された画像要素データの一時記憶メモリ155に対する転送を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いてCGROM142から一時記憶メモリ155へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えている。
CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている画像要素データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子などを含んで構成されている。描画回路154は、一時記憶メモリ155に一時記憶された画像要素データに基づき画像表示装置5における画像の表示用データを作成するための描画処理を実行する。また、描画回路154は、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155B内に設けられた第1〜第Xピクチャバッファ155−1〜155−X(図17)から、動画像用デコーダ158によりデコードされたピクチャデータを順次に読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことで、動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置5に順次表示させることによる動画像の再生を可能にする。
一時記憶メモリ155は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、CGROM142から読み出された画像要素データを一時記憶する。図16は、一時記憶メモリ155におけるアドレスマップの一例を示す図である。図16に示すように、一時記憶メモリ155には、固定アドレスエリア155Aと、自動転送エリア155Bとが設けられている。
固定アドレスエリア155Aは、画像表示装置5の画面上に表示される飾り図柄や演出キャラクタ、背景画像などといった複数種類の画像要素のうちで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データを一時記憶する記憶領域である。例えば、設定されている演出モードに対応して可変表示される飾り図柄は、毎回の可変表示が実行されている期間において、少なくとも1回は画像表示装置5の画面上に表示される。これに対して、可変表示結果が大当りとなることを予告するために用いられる演出キャラクタは、可変表示の開始時に対応する予告演出を実行する旨の決定がなされたときに限り、その可変表示が実行されている所定期間内にて画像表示装置5の画面上に表示されることになる。すなわち、飾り図柄となる画像要素は、予告演出用の演出キャラクタとなる画像要素に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されている。また、予告演出用の演出キャラクタのうちでも、大当り信頼度の低い予告演出で用いられる演出キャラクタの方が、大当り信頼度の高い予告演出で用いられる演出キャラクタに比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されていることになる。
自動転送エリア155Bは、固定アドレスエリア155Aに画像要素データが記憶される画像要素に比べて画像表示装置5における表示頻度が低い画像要素を示す画像要素データを一時記憶する記憶領域である。また、自動転送エリア155Bは、例えば動画像データといった、固定アドレスエリア155Aには記憶されない各種のデータを一時記憶する。例えば、自動転送エリア155Bには、動画像用デコーダ158がCGROM142から読み出された動画像データのデコードを行うことにより再生された複数のピクチャデータを一時記憶するために、図17に示すような第1〜第Xピクチャバッファ155−1〜155−X(Xは任意の自然数)となる記憶領域が設けられている。この実施の形態では、一時記憶メモリ155におけるアドレスSTADDからアドレスENADDまでの記憶領域が、自動転送エリア155Bに設定される。このアドレスSTADD及びアドレスENADDは、後述する記憶領域設定コマンド(図20)によって、CPU131からVDP141に対して通知される。
フレームバッファメモリ156は、例えば一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理などにより作成される画像の表示用データを記憶する。例えば、フレームバッファメモリ156は、画像表示装置5における1画面分の表示領域に画像を表示させるために用いられる画像データの容量よりも大きな記憶容量を有している。フレームバッファメモリ156では、アドレス管理を容易にするために、例えば図18に示すように、表示用データを記憶する表示用データエリアにおいて、画像表示装置5の画面上における表示領域5Aのみならず非表示領域5Bに対しても、アドレスが割り当てられている。
図15に示す表示回路157は、フレームバッファメモリ156から読み出した表示用データを階調データとし、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に画像を表示させるための回路である。
動画像用デコーダ158は、例えば動き補償予測符号化によりデータ圧縮された状態でCGROM142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。
また、VDP141には、CGROM142から読み出されて一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aあるいは自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データを特定可能とするテーブルとして、例えば図19に示すようなインデックステーブル251が設けられている。図19に示すインデックステーブル251では、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられて格納されている。ここで、「開始アドレス」は、CGROM142に記憶されている画像要素データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像要素データが示す演出画像の水平方向の大きさを示す。「読出完了フラグ」は、CGROM142から読み出された画像要素データの一時記憶メモリ155に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や自動転送エリア155Bから読み出されてフレームバッファメモリ156への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図20は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131からVDP141に対して送信される表示制御指令となる各種コマンドの具体例を示す図である。図20に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定コマンド、事前転送コマンド、自動転送表示コマンド、固定アドレス指定表示コマンド、動画像デコード開始コマンド、動画像デコードNOPコマンドなどといったコマンドが、表示制御指令としてCPU131からVDP141に対して送信される。
記憶領域設定コマンドは、一時記憶メモリ155における記憶領域の設定を指令するためのコマンドである。例えば、記憶領域設定コマンドは、自動転送エリア155Bの先頭となるアドレスSTADD、自動転送エリア155Bの末尾となるアドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
事前転送コマンドは、CGROM142に記憶されている画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データについて、事前に一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送するよう指令するためのコマンドである。例えば、事前転送コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレスや、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレス、CGROM142から読み出して固定アドレスエリア155Aへと転送する画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
自動転送表示コマンドは、CGROM142に記憶されている画像要素データのうちで、事前に一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送されていない画像要素データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、フレームバッファメモリ156に書き込ませて、当該画像要素データが示す画像要素を画像表示装置5の画面上に表示するよう指令するためのコマンドである。ここで、VDP141における自動的な転送設定には、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの記憶アドレスをCPU131からは指定せずに、VDP141の内部で自動的に設定されることが含まれている。例えば、自動転送表示コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、CGROM142から読み出される画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
固定アドレス指定表示コマンドは、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと事前に転送された画像要素データについて、フレームバッファメモリ156に書き込ませて、当該画像要素データが示す画像要素を画像表示装置5の画面上に表示するよう指令するためのコマンドである。例えば、固定アドレス指定表示コマンドは、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、固定アドレスエリア155Aから読み出される画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
なお、CGROM142における画像要素データの読出アドレスに代えて、例えば読出対象となる画像要素データが示す演出画像に付された識別情報(例えば画像要素データが示す演出キャラクタのキャラクタ番号)などといった、CGROM142から読み出す画像要素データの読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。また、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスに代えて、例えば画像表示装置5の画面上における画像要素の表示座標(例えば画像要素における左上部の表示座標)などといった、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。さらに、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレスや読出アドレスに代えて、例えば図18に示すインデックステーブル251にて画像要素データと対応付けられるインデックス番号などといった、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込位置や読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。
動画像デコード開始コマンドは、VDP141が備える動画像用デコーダ158に対して、動画像データのデコード開始を指令するためのコマンドである。動画像デコードNOPコマンドは、VDP141が備える動画像用デコーダ158に対して、動画像データのデコード待機(NOP;No OPeration)を指令するためのコマンドである。
CGROM142は、画像表示装置5にて飾り図柄を含めた各種の演出画像を表示するために使用される各種の画像要素データや動画像データなどを記憶しておくためのものである。図21は、CGROM142におけるアドレスマップの一例を示す図である。図21に示すように、CGROM142には、スプライト描画用の画像要素データを記憶するための領域であるスプライトデータエリア142Aと、符号化された動画像データを記憶するための領域である動画像データエリア142Bとが設けられている。この実施の形態では、CGROM142におけるアドレスSPSTAからアドレスSPENDまでの記憶領域が、スプライトデータエリア142Aに設定されている。また、CGROM142におけるアドレスMVSTAからアドレスMVENDまでの記憶領域が、動画像データエリア142Bに設定されている。
スプライトデータエリア142Aでは、飾り図柄を含めた演出キャラクタのそれぞれを示す画像要素データ等が、例えば図22に示すように、予め定められたアドレスに記憶されている。VDP141では、例えば転送制御回路152がCGROMインタフェース153を介してCGROM142の読出アドレスを指定して読出制御信号をオン状態とすることにより、CGROM142に記憶された画像要素データ等を読み出すことができる。
動画像データエリア142Bに記憶されている動画像データは、動き補償予測符号化によりデータ圧縮されており、例えば図23に示すようなストリーム構成を有している。動画像データエリア142Bには、複数種類の動画像データがそれぞれ、例えば動画像による1単位の遊技演出の種類ごとに1つの動画像ファイルに格納された状態で記憶されている。各動画像ファイルは、ファイルヘッダと、少なくとも1つのフレームヘッダ及びフレームごとの圧縮データとを含む。例えば、1フレーム分の圧縮データは、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかに分類され、フレームヘッダには、いずれのピクチャの種類を識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
図3に示す音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令などに基づき、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御を行うものである。例えば、音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令に対応した音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる音声出力回路などを含んでいる。
ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令などに基づき、遊技効果ランプ9等における点灯動作、消灯動作、点滅動作などの制御を行うものである。例えば、ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令に対応したランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯動作、消灯動作、点滅動作などを行わせるランプドライバ回路などを含んでいる。
なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された所定の制御基板上に搭載されていてもよい。
ウォッチドッグ付リセットIC124は、ウォッチドッグ回路を内蔵したリセット用のICである。ウォッチドッグ付リセットIC124は、例えば所定のクロック信号の立上がりエッジまたは立下がりエッジに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値をアップカウントまたはダウンカウントする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されるクリア信号がオン状態となったことに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値を初期化する。
ここで、ウォッチドッグ回路にて計測可能な時間、すなわちウォッチドッグ回路のタイマ値が初期値から最終値までアップカウントまたはダウンカウントされるまでの時間は、演出制御用マイクロコンピュータ120にて演出動作を制御するためのタイマ割込みが発生する周期よりも長くなるように設定されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120においてCPU131がタイマ割込みの発生に対応した割込み処理を定期的に実行している場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されるクリア信号が定期的にオン状態となることから、タイマ値が最終値に達することはない。他方、CPU131によってタイマ割込みの発生に対応した割込み処理が正常に実行されない場合には、クリア信号がオン状態にならないため、タイマ値が最終値に達することになる。こうしてウォッチドッグ回路のタイマ値が最終値に達してタイムアウトしたときには、所定のリセット信号をオン状態として出力し、電力制御回路125に入力させる。
電力制御回路125は、電源基板10から供給された電源電圧を、演出制御基板12上の各部位に配送するための回路である。この実施の形態では、電力制御回路125に、ウォッチドッグ付リセットIC124から出力されたリセット信号が入力される。そして、このリセット信号がオン状態となった場合に、電力制御回路125は、演出制御用マイクロコンピュータ120に対する電源電圧の供給を所定時間が経過するまで停止させた後に、電源電圧の供給を再開させる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、電力制御回路125からの電源電圧の供給が停止されると動作を停止し、電源電圧の供給が再開された場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が開始された場合と同様にして再び起動する。なお、ウォッチドッグ付リセットIC124や電力制御回路125は、電源基板10から供給された電源電圧を、演出制御用マイクロコンピュータ120内の各部位に配送するか遮断するかを切り替えるための回路として、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵されていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって図24のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。図24に示す遊技制御メイン処理を開始すると、まず、割込み禁止に設定し(ステップS1)、割込みモードの設定を行う(ステップS2)。例えば、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込み禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS3)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行う(ステップS5)。その後、RAM113をアクセス可能に設定する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、CPU111は、パチンコ遊技機1において例えば電源基板10に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判定する(ステップS7)。このとき、CPU111は、クリアスイッチの状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリアスイッチがオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリアスイッチの状態をもう1回確認する。このとき、クリアスイッチがオフ状態であれば、クリアスイッチはオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリアスイッチがオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリアスイッチの状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリアスイッチの状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7にてクリアスイッチがオフ状態であるときには(ステップS7;No)、RAM113のバックアップ領域に所定のバックアップデータがあるか否かの判定を行う(ステップS8)。例えば、ステップS8の処理において、CPU111は、RAM113の遊技制御フラグ設定部などに設けられたバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、バックアップフラグがオンであれば、RAM113の所定領域における記憶データのチェックサムを算出するなどして記憶データが正常であるか否かを判定し、正常であると判定された場合には、バックアップデータがあると判断する。これに対して、バックアップフラグがオフである場合や、記憶データが正常ではない場合には、バックアップデータがないと判断する。
ステップS8にてバックアップデータがあると判定された場合には(ステップS8;Yes)、CPU111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、例えばRAM113のバックアップ領域に保存されていたプログラムカウンタの退避値をプログラムカウンタに設定することで、そのアドレスに対応する処理に復帰する。
ステップS7にてクリアスイッチがオン状態である場合や(ステップS7;Yes)、ステップS8にてバックアップデータがないと判定された場合には(ステップS8;No)、RAM113をクリアして初期化するとともに(ステップS10)、演出制御基板12等といったサブ基板の初期化を行う(ステップS11)。このときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などもクリアして初期状態とする。
この後、CPU111は、割込みの設定を行う(ステップS12)。例えば、ステップS12の処理において、CPU111は、ROM112に記憶されている割込み初期設定データに基づきCTCのレジスタ設定を行うことなどにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに遊技の進行を制御するためのタイマ割込みを発生させるようにする。また、ステップS12の処理では、所定のレジスタ設定を行うことなどにより、複数種類の割込み要因に対応した複数種類の割込み処理における優先順位を設定するようにしてもよい。
ステップS12の処理を実行した後には、割込み禁止としてから(ステップS13)、メイン側乱数値更新処理を実行して(ステップS14)、割込みを許可するという(ステップS15)、一連の処理を繰り返し実行する。ステップS14にて実行されるメイン側乱数値更新処理は、主基板11の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図25は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて遊技の進行を制御するためのタイマ割込みが発生するごとにCPU111によって実行される遊技制御割込み処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込みなどのマスク可能な割込みが発生すると、CPU111は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。図25に示す遊技制御割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、内部レジスタを退避した後(ステップS20)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS21)。続いて、図24のステップS14と同様のメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS22)。次に、例えばステップS21におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、始動入賞処理を実行する(ステップS23)。始動入賞処理では、始動口スイッチ22からの始動入賞信号がオン状態となることにより普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞が検出されたことに応じて、大当り判定用の乱数値を示す数値データを乱数回路114等から抽出して、RAM113の特図保留記憶部に記憶させるなどの処理を実行する。
始動入賞処理に続いて、CPU111は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS24)。特別図柄プロセス処理では、RAM113の遊技制御フラグ設定部に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS25)。CPU111は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。
さらに、CPU111は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS26)。例えば、コマンド制御処理では、RAM113の遊技制御バッファ設定部に設けられた各種の送信コマンドバッファに送信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その送信コマンドに対応する格納データを読み出す。そして、読出データを入出力ポート115に設けられた所定の出力ポートにセットすることなどにより、サブ基板に対する制御コマンドの送信を制御する。その後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS27)。
続いて、CPU111は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行う(ステップS28)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各スイッチから入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS29)。そして、ステップS20にて退避したレジスタの内容を復帰させるとともに(ステップS30)、割込みを許可してから(ステップS31)、遊技制御割込み処理を終了する。
図26は、特別図柄プロセス処理として、図25に示すステップS24にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す特別図柄プロセス処理において、CPU111は、RAM113の遊技制御フラグ設定部に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS100〜S106の各処理を実行する。
ステップS100の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、RAM113の特図保留記憶部に格納された大当り判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS101の可変表示開始時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定特別図柄を設定する処理や、特別図柄及び飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始時処理では、例えば確定特別図柄に対応した制御データをRAM113の遊技制御バッファ設定部にも受けられた演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して表示結果通知コマンドを送信するための設定を行う。加えて、可変表示開始時処理では、例えば特別図柄及び飾り図柄の可変表示パターンに対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS102の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、RAM113の遊技制御タイマ設定部に設けられた可変表示タイマにおけるタイマ値に基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける残りの可変表示時間を計測する処理などを含んでいる。ステップS103の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理では、特別図柄表示装置4にて確定特別図柄を導出表示させて特別図柄の可変表示を終了させる。
ステップS104の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを送信するための設定を行う。また、大入賞口開放前処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作における初期化処理などを含んでいる。ステップS105の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口における1回あたりの開放時間をチェックする処理などを含んでいる。また、大入賞口開放中処理では、特別可変入賞球装置7による大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。ステップS106の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図27のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の演出初期設定処理を実行する(ステップS51)。
図28は、図27のステップS51にて実行される演出初期設定処理の一例を示すフローチャートである。この演出初期設定処理において、CPU131は、まず、割込み禁止に設定し(ステップS301)、割込みモードの設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302では、演出制御用マイクロコンピュータ120の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS303)。また、演出制御用マイクロコンピュータ120における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS304)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行う(ステップS305)。その後、RAM133をアクセス可能に設定する(ステップS306)。
この後、例えばVDP141に所定の初期化信号を送信してから、VDP141の内蔵レジスタにセットするための初期設定データを送信するなどといった、VDP141の初期設定を行う(ステップS307)。このとき、VDP141では、演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した初期化信号や初期設定データなどに基づき、例えば、一時記憶メモリ155やフレームバッファメモリ156の記憶内容を初期化したり、転送制御回路152や描画回路154あるいは動画像用デコーダ158などにより実行中の処理を初期化や中断したり、画像表示装置5の表示画面に対応したフレームバッファメモリ156における記憶領域の割当てを行って表示領域(例えば実表示領域や仮想表示領域など)を設定したり、画像表示装置5における表示画像の更新周期を設定したりするなどといった、各種設定動作のうちの少なくとも1つを行う処理が実行されればよい。また、例えばROM132に記憶されている乱数初期設定データに基づき乱数回路134の動作設定を行うことなどにより、演出制御基板12の側で用いられる乱数値を生成するための設定を行う(ステップS308)。さらに、例えばROM132に記憶されている割込み初期設定データに基づきリセット/割込みコントローラ136の設定やCTCのレジスタ設定を行うことなどにより、割込みの設定を行ってから(ステップS309)、演出初期設定処理を終了する。また、演出初期設定処理では、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出モードフラグをクリアして、その値を“0”に初期化しておく。
ステップS309における設定では、例えばCTCのレジスタ設定を行うことなどにより、演出制御用マイクロコンピュータ120にて所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに演出動作を制御するためのタイマ割込みを発生させるようにする。加えて、ステップS309における設定では、演出制御用マイクロコンピュータ120にて発生する各種の割込み要因に対応して実行する割込み処理の優先順位を設定する。この実施の形態では、例えば図29に示すように、主基板11から送信された演出制御コマンドを受信した場合に発生するコマンド受信割込みに対応した割込み処理(コマンド受信割込み処理)の優先順位が最も高く、続いて演出制御用マイクロコンピュータ120にて電源断の発生を監視するための電断チェック用タイマ割込みに対応した割込み処理(演出側電断チェック割込み処理)、演出動作を制御するための演出制御用タイマ割込みに対応した割込み処理(演出制御割込み処理)の順番となるように、各割込み処理の優先順位を定める。
以上のような演出初期設定処理に続いて、CPU131は、VDP141が備える一時記憶メモリ155における記憶領域を、図16に示すような固定アドレスエリア155Aと自動転送エリア155Bとに設定するための指令を行う記憶領域設定指令処理を実行する(図27のステップS52)。
図30は、図27のステップS52にて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、図16に示すような自動転送エリア155Bとなる記憶領域を設定するためのデータとして、STADDの設定データと、ENADDの設定データとを、ROM132から読み出す(ステップS321、S322)。そして、ステップS321、S322にて読み出した設定データに基づき、記憶領域設定コマンドとなる表示制御指令を作成して、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS323)。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後、CPU131は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などといった演出制御基板12における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行する(図27のステップS53)。
図31は、図27のステップS53にて実行される演出制御復旧処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御復旧処理において、CPU131は、まず、RAM133のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS331)。ステップS331の処理では、例えばRAM133の所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、演出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。この演出チェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM133のバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間は演出チェックサムバッファの内容が保存されることになる。算出されたチェックサムと演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、RAM133の所定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS331におけるチェック結果が正常である場合には(ステップS331;Yes)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS332)。演出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、演出制御フラグ設定部に設定される。そして、この演出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、演出バックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS332の処理では、例えば演出バックアップフラグの値として「55H」が演出制御フラグ設定部に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。なお、ステップS332のような演出バックアップフラグがオンとなっているか否かの判定を、ステップS331のようなチェック結果の判定よりも先に行い、演出バックアップフラグがオンであるときにRAM133のデータチェック結果が正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS332にて演出バックアップフラグがオンであるときには(ステップS332;Yes)、演出バックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS333)、CPU131が、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS334)。具体的な一例として、ステップS334の処理では、まず、ROM132に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM133内の作業領域に設定する。ここで、RAM133の作業領域がバックアップ電源によってバックアップされている場合には、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていればよい。続いて、バックアップ電源によりバックアップされるRAM133のバックアップ領域から、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを読み出し、その読出データに応じてCPU131の内蔵レジスタやRAM133の作業領域の設定を、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動される以前の状態に復旧させる。
この後、CPU131は、ステップS334での設定に基づき、例えばVDP141に復旧後の状態に応じた表示制御指令となるコマンドを送信することなどにより、VDP141における各種制御の再開設定を行ってから(ステップS335)、演出制御復旧処理を終了する。なお、ステップS335の処理を実行した後には、例えばステップS334における制御状態の復帰によりプログラムカウンタに設定された退避値に対応する処理への復帰を行うようにすればよい。
また、ステップS331におけるチェック結果が正常ではない場合や(ステップS331;No)、ステップS332にて演出バックアップフラグがオフである場合には(ステップS332;No)、RAM133の初期化を行う(ステップS336)。ステップS336の処理に続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行ってから(ステップS337)、演出制御復旧処理を終了して図27に示すステップS54の処理に進む。
以上のような演出制御復旧処理を実行した後にステップS54の処理に進んだ場合には、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aとなる記憶領域に、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを一時記憶させるための指令を行う事前転送指令処理を実行する(ステップS54)。
図32は、図27のステップS54などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、演出モードフラグに対応する事前転送設定テーブル211をセットする(ステップS351)。例えば、演出モードフラグの値が“0”である場合には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1であることに対応して、図12(B)に示す事前転送設定テーブル211Aを、表示制御部121が備えるVDP141に対して事前転送コマンドを送信するために用いるテーブルに決定する。これに対して、演出モードフラグの値が“1”である場合には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2であることに対応して、図12(B)に示す事前転送設定テーブル211Bを、VDP141に対して事前転送コマンドを送信するために用いるテーブルに決定する。
続いて、CPU131は、RAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値である事前転送カウント値を「0」に初期化する(ステップS352)。そして、事前転送カウント値が「0」であることに対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS353)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS354)。そして、ステップS354にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、CGROM142における画像要素データの読出位置を示す読出アドレスを特定する(ステップS355)。
また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS356)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aとなる記憶領域にて画像要素データを一時記憶させる書込位置を示す書込アドレスを特定する(ステップS357)。
さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS358)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル211のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS359)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送コマンドを作成し、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS360)。このときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS361)。
続いて、ステップS361にて更新した処理数が、所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS362)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS362;No)、ステップS354の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS362;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS363)、事前転送指令処理を終了する。
図27のステップS54にて以上のような事前転送指令処理を実行した後には、割込み禁止としてから(ステップS55)、演出側乱数値更新処理を実行して(ステップS56)、割込みを許可するという(ステップS57)、一連の処理を繰り返し実行する。ステップS56にて実行される演出側乱数値更新処理は、演出制御基板12の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部などに、各種の割込みに対応した割込みフラグが設けられている。なお、このような割込みフラグに代えて、CPU131に内蔵された割込みレジスタを用いるようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120にて各種の割込みが発生した場合には、例えばリセット/割込みコントローラ136によって発生した割込みの種類に対応した割込みフラグがオン状態にセットされる。このとき、リセット/割込みコントローラ136は、割込みの発生をCPU131に通知するための割込み信号をオン状態にセットする。CPU131では、マスク可能な割込みが発生した場合に、割込みが許可されていれば、リセット/割込みコントローラ136からの割込み信号がオン状態となったことに応答して、RAM133の演出制御フラグ設定部などに設けられたそれぞれの割込みフラグをチェックすることにより、発生した割込み要因を特定する。そして、同時に複数種類の割込み要因が発生している場合には、優先順位が高くなるように設定されているものから、発生した割込み要因に対応する割込み処理を実行する。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生するとコマンド受信割込みフラグがオン状態となり、CPU131は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタなどといった内蔵レジスタの内容をスタックにセーブする。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU131は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、コマンド受信割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後に、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、スタックにセーブした内蔵レジスタの内容を復帰させるとともに割込みを許可してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、電源断の発生を監視するための電断チェック用タイマ割込みが発生した場合に、CPU131は、図33のフローチャートに示すような演出側電断チェック割込み処理を実行する。このとき、CPU131は、自動的に割込み禁止状態に設定する。図33に示す演出側電断チェック割込み処理において、CPU131は、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部などに設けられた電断チェック用タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS71)。これとともに、例えばプログラムカウンタなどといった内蔵レジスタの内容をスタックにセーブして退避する(ステップS72)。この後、電断検出回路137からの電源断信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS73)。
ステップS73にて電源断信号がオン状態である場合には(ステップS73;Yes)、所定の電断判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS74)。ここで、CPU131は、ステップS73にて最初に電源断信号がオン状態であると判定されてからの経過時間を計測し、ステップS74の処理では、計測された経過時間が電断判定時間に達したか否かを判定すればよい。この場合、ステップS73にて続けて電源断信号がオン状態であると判定されている期間では、経過時間の計測が継続される。これに対して、ステップS73にて一旦電源断信号がオフ状態であると判定されたことにより、経過時間の計測動作を初期化すればよい。
ステップS73にて電源断信号がオフ状態であると判定された場合や(ステップS73;No)、ステップS74にて電断判定時間が経過していないと判定された場合には(ステップS74;No)、ステップS72にて退避した内蔵レジスタの内容を復帰させてから(ステップS75)、演出側電断チェック割込み処理を終了する。このときには、CPU131が割込みを許可すればよい。
ステップS74にて電断判定時間が経過したと判定された場合には(ステップS74;Yes)、例えばRAM133の所定領域における記憶データなどを用いて、演出バックアップ用データの設定を行う(ステップS76)。ここで、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた各種フラグの値やRAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた各種タイマのタイマ値により演出制御用マイクロコンピュータ120での制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況が特定することができるのであれば、これらのフラグやタイマの値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。また、例えばCPU131の内蔵レジスタ(例えばプログラムカウンタ)の格納値などから演出制御用マイクロコンピュータ120での制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況が特定することができるのであれば、こうした内蔵レジスタの格納値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。あるいは、フラグやタイマの値を示すデータと内蔵レジスタの格納値を示すデータとを組み合わせることにより、演出バックアップ用データを構成してもよい。その他にも、演出制御用マイクロコンピュータ120での制御状態や表示制御部121での各種処理の進行状況を特定して再起動後に復旧可能とする任意のデータが、演出バックアップ用データに含まれてもよい。
ステップS76の処理に続いて、CPU131は、例えばRAM133の所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出することなどにより、チェックデータを作成する(ステップS77)。そして、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグをオン状態にセットしてから(ステップS78)、RAM133へのアクセスを禁止する(ステップS79)。なお、RAM133の一部が電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされる場合には、ステップS76にて設定した演出バックアップ用データや、ステップS77にて作成したチェックデータ、ステップS78にてオン状態に設定した演出バックアップフラグを示すデータなどを、それぞれの処理の終了時などにRAM133のバックアップ領域に記憶させるようにすればよい。この後、CPU131は、所定のループ処理に入り、演出制御用マイクロコンピュータ120の動作停止まで待機する。
演出制御用マイクロコンピュータ120において演出の進行を制御するための演出制御用タイマ割込みが発生した場合に、CPU131は、図34のフローチャートに示すような演出制御割込み処理を実行する。このとき、CPU131は、自動的に割込みのマスクを行い、演出制御割込み処理の実行中に同じ優先順位の割込み要因に対応する割込み処理の実行を開始させないようにする。なお、このときにマスクが行われることによっても、演出制御用タイマ割込みよりも優先順位が高い割込み要因に対応した割込み処理の実行は許可される。図34に示す演出制御割込み処理を開始すると、CPU131は、まず、演出制御用タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS91)、例えばプログラムカウンタなどといった内部レジスタの内容をスタックにセーブして退避する(ステップS92)。
続いて、CPU131は、例えば入出力ポート135に含まれる所定の出力ポートにウォッチドッグクリア信号をオン状態とするための制御データをセットすることなどにより、ウォッチドッグ付リセットIC124をクリアする(ステップS93)。次に、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS94)。また、CPU131は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS95)。この演出制御プロセス処理では、パチンコ遊技機1における演出動作の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示やスピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより各種の演出を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS96)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。この後、ステップS92にて退避したレジスタの内容を復帰させてから(ステップS97)、演出制御割込み処理を終了する。なお、演出制御割込み処理を終了するときには、CPU131がマスク解除を行えばよい。
図35は、図34のステップS95にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す演出制御プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS150〜S155の各処理が実行される。
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS151の可変表示制御設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示制御設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、例えば図13(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類に対応するものを選択する処理などを含んでいる。
ステップS152の図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御タイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば画像表示装置5の表示制御や、スピーカ8L、8Rの音声出力制御、遊技効果ランプ9の点灯制御などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した演出制御データが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を演出制御タイマに設定する。この後、演出制御タイマのカウントダウン動作を開始するとともに、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS153の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を大当り演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御タイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS154の大当り演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS155の大当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了演出処理は、例えば画像表示装置5に画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図36は、図35のステップS150にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、主基板11から送信される可変表示開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201にて可変表示開始コマンドの受信がなければ(ステップS201;No)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、デモ表示中フラグは、後述するステップS205の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS214、S217の処理のいずれかが実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
ステップS202にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS202;No)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、デモ表示待ち時間は、表示結果がハズレとなる飾り図柄の可変表示が終了したタイミングや、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したタイミングから、デモンストレーション画像からなるデモ画面の表示を画像表示装置5にて開始させるまでの待機時間として予め設定された所定時間である。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(ステップS203;No)、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS203にてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(ステップS203;Yes)、CPU131がVDP141に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、デモ画面表示を開始させるための設定を行う(ステップS204)。例えば、CPU131は、CGROM142に記憶されたデモ画面表示用の画像データにおける先頭アドレスを読出アドレスとし、画像表示装置5の画面上における左上端の座標に対応したフレームバッファメモリ156のアドレスを書込アドレスとする固定アドレス指定表示コマンドを作成して、VDP141に対して送信する。こうしたデモ画面表示の開始設定により、画像表示装置5では、例えば図37に示すようなデモ画面の表示が行われ、遊技者に対して操作スイッチ40の操作を促す報知を行うことができる。
ステップS204での設定によりデモ画面表示が開始されることに対応して、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS205)。また、このときには、図24のステップS53と同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS206)。これにより、画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始という、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。
ステップS202にてデモ表示中フラグがオンである場合や(ステップS202;Yes)、ステップS206の処理を実行した後には、操作スイッチ40からの検出信号である操作スイッチ信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS207)。ここで、操作スイッチ信号は、操作スイッチ40が所定の操作(例えば押下操作)を検出したときに、オン状態となる。ステップS207にて操作スイッチ信号がオン状態であれば(ステップS207;Yes)、演出モードを切り替えるための設定を行う。すなわち、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS208)、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS208;“0”)、“1”に更新する一方(ステップS209)、“1”であれば(ステップS208;“1”)、“0”に更新する(ステップS210)。
ステップS209またはステップS210の処理を実行した後には、図27のステップS54などと同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS211)。これにより、演出モードの切替によりパチンコ遊技機1における新たな演出動作の態様が決定されたことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。
ステップS207にて操作スイッチ信号がオフ状態である場合や(ステップS207;No)、ステップS211の処理を実行した後には、所定のデモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS212)。このとき、デモ表示期間が終了していれば(ステップS212;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS213)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS214)。ステップS213では、例えばCPU131がVDP141に対して、画像表示装置5における表示を初期化させる表示制御指令を送信すればよい。他方、ステップS212にてデモ表示期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS212;No)、ステップS213、S214の処理をスキップして可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
また、ステップS201にて可変表示開始コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS201;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS215)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS215;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS216)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS217)。他方、ステップS215にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS215;No)、ステップS216、S217の処理をスキップする。この後、演出制御プロセスフラグの値を、可変表示制御設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS218)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図38は、図35のステップS151にて実行される可変表示制御設定処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示制御設定処理において、CPU131は、まず、例えばRAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから表示結果の種類を特定し、特定された表示結果の種類は大当りであるかハズレであるかの判定を行う(ステップS241)。
ステップS241にて表示結果の種類が大当りである場合には(ステップS241;Yes)、大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS242)。例えば、ステップS242の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一となる確定飾り図柄を決定する。
ステップS241にて表示結果の種類が大当りではない場合には(ステップS241;No)、例えばRAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから可変表示パターンを特定し、特定された可変表示パターンはリーチパターンであるか否かの判定を行う(ステップS243)。このとき、特定された可変表示パターンがリーチパターンであれば(ステップS243;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS244)。
例えば、ステップS244の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5における「左」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、画像表示装置5における「右」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である右確定飾り図柄とすることに決定し、左・右の確定飾り図柄とは異なる図柄番号の飾り図柄を、画像表示装置5における「中」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である中確定飾り図柄に決定する。中確定飾り図柄を決定する処理の具体的な一例として、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。そして、このとき特定された加算値が「0」以外の値であれば、特定した加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。これに対して、特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。
ステップS243にて特定された可変表示パターンがリーチパターンではない場合(ステップS243;No)、その可変表示パターンは通常ハズレパターンであるとの判断に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS245)。例えば、ステップS245の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、演出制御基板12の側にて更新される右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている右確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、右確定飾り図柄を決定する。なお、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、右確定飾り図柄を決定すればよい。あるいは、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定される加算値には「0」が含まれないように、右確定飾り図柄決定テーブルを構成するようにしてもよい。例えば、右確定飾り図柄決定テーブルは、右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データと、加算値「1」〜「7」とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。
ステップS242、S244、S245の処理のいずれかを実行した後には、例えば決定した確定飾り図柄を特定可能とするデータをRAM133に設けられた確定飾り図柄記憶部に記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS246)。続いて、ステップS241と同様に、表示結果の種類が大当りであるかハズレであるかの判定を行う(ステップS247)。そして、大当りであると判定されれば(ステップS247;Yes)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を設定する(ステップS248)。これに対して、ハズレであると判定された場合には(ステップS247;No)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を設定する(ステップS249)。
ステップS248、S249の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路134等により更新される予告決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS250)。そして、ステップS250にて抽出した乱数値SR1に基づき、ステップS248、S249のいずれかにて設定した予告決定テーブル201、202を参照することにより、予告パターンの決定を行う(ステップS251)。
ステップS251の処理を実行した後には、演出制御パターンの決定を行う(ステップS252)。例えば、ステップS251において、CPU131は、RAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから特定された可変表示パターンと、RAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから特定された表示結果の種類と、ステップS251にて決定した予告パターンとに対応する演出制御パターンを、図13(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから選択して、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するためのパターンに決定する。このとき、CPU131は、演出モードフラグの値が“0”であるか“1”であるかの判定を行い、“0”である場合には第1の演出モード#1に対応して図13(B)に示す演出制御パターンテーブル221Aを用いて演出制御パターンの選択を行う。これに対して、演出モードフラグの値が“1”である場合には第2の演出モード#2に対応して図13(B)に示す演出制御パターンテーブル221Bを用いて演出制御パターンの選択を行う。そして、演出制御パターンに対応するタイマ初期値を演出制御タイマに設定する(ステップS253)。例えば、ステップS253の処理では、CPU131が図14に示すような演出制御パターンの先頭領域に示される演出制御タイマ設定値を特定し、特定されたタイマ設定値を演出制御タイマにおけるタイマ初期値として設定すればよい。続いて、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御データに基づき、入出力ポート135に含まれる出力ポートから表示制御部121に対して所定の表示制御指令となる制御信号を送出するなどといった、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS254)。このときには、音制御部122に対して音声制御指令を送出することや、ランプ制御部123に対してランプ制御指令を送出することなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作や、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作などといった、各種の演出動作の制御も行われる。その後、演出制御プロセスフラグの値を図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS255)、可変表示制御設定処理を終了する。
図39は、図35のステップS152にて実行される図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御タイマにおける値である演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS271)。そして、ステップS271にて更新された演出制御タイマ値が、例えば図14に示すような演出制御パターンに含まれる演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれかと合致するか否かを判定する(ステップS272)。このとき、タイマ判定値のいずれかと合致すれば(ステップS272;Yes)、その合致すると判定された判定値に対応して演出制御パターンに格納されている表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった、各種制御データを読み出す(ステップS273)。そして、ステップS273にて読み出された表示制御データに基づき、画像表示装置5における表示の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS274)。
ステップS274にて表示の更新タイミングであれば(ステップS274;Yes)、所定の表示更新指令処理を実行する(ステップS275)。これに対して、表示の更新タイミングではない場合には(ステップS274;No)、ステップS275の処理をスキップする。続いて、ステップS273での読出データに対応する音声やランプの制御指令を送出する(ステップS276)。
ステップS272にて演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれとも合致しない旨の判定がなされた場合や(ステップS272;No)、ステップS276の処理を実行した後には、例えばステップS273での読出データが所定の終了コードであるか否かを判定することや、あるいはステップS271にて更新された演出制御タイマ値が所定値(例えば「0」)に達したか否かを判定することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS277)。このとき、可変表示の終了タイミングではなければ(ステップS277;No)、図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS277にて可変表示の終了タイミングであると判定された場合には(ステップS277;Yes)、例えばRAM133の演出制御カウンタ設定部に設けられた可変表示回数カウンタの値である可変表示回数カウント値を、1加算するなどして更新する。続いて、ステップS278にて更新した可変表示回数カウント値が、所定の事前転送実行判定値(例えば「100」)に達したか否かを判定する(ステップS279)。
ステップS279にて事前転送実行判定値に達していれば(ステップS279;Yes)、図27のステップS54などと同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS280)。これにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したという、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令することができる。このときには、可変表示回数カウンタをクリアして、そのカウント値を“0”に設定するなどの初期化を行う(ステップS281)。ステップS279にて事前転送実行判定値に達していない場合には(ステップS279;No)、ステップS280、S281の処理をスキップする。
この後、所定の大当り開始コマンド受信待機用初期値を演出制御タイマに設定し(ステップS282)、演出制御プロセスフラグを大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS283)、図柄可変表示中処理を終了する。
図40は、図39のステップS275にて実行される表示更新指令処理の一例を示すフローチャートである。この表示更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御タイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像要素を特定する(ステップS371)。続いて、ステップS371にて特定した画像要素が、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であるか否かの判定を行う(ステップS372)。
ステップS372にて事前転送の対象となる画像要素であると判定された場合には(ステップS372;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS373)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS374)。さらに、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量を特定する(ステップS375)。その後、ステップS373〜S375にて特定した固定アドレスエリア155Aにおける読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、固定アドレス指定表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS376)。
ステップS372にて事前転送の対象となる画像要素ではないと判定された場合には(ステップS372;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS377)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS378)。さらに、更新対象となる画像要素を示す画像データのデータ量を特定する(ステップS379)。その後、ステップS377〜S379にて特定したCGROM142における読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、自動転送表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS380)。
この後、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS381)。そして、指令が完了していなければ(ステップS381;No)、ステップS371の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了すれば(ステップS381;Yes)、表示更新指令処理を終了する。
図41は、図35のステップS154にて実行される大当り演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り演出処理において、CPU131は、まず、主基板11から送信される大当りラウンド数通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りラウンド数通知コマンドの受信があれば(ステップS291;Yes)、例えば図13に示すような演出制御パターンテーブル221に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから大当りラウンド数に対応した演出制御パターンを読み出すことなどといった、大当りラウンド数に対応して演出動作を制御するための設定を行う(ステップS292)。ステップS291にて大当りラウンド数通知コマンドの受信がなければ(ステップS291;No)、ステップS292の処理をスキップする。
続いて、主基板11から送信される大当り終了コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS293)。そして、大当り終了コマンドの受信があれば(ステップS293;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS294)、大当り演出処理を終了する。これに対して、ステップS293にて大当り終了コマンドの受信がなければ(ステップS293;No)、演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS295)。
ステップS295の処理を実行した後には、演出制御パターンから読み出した表示制御データや、ステップS295にて更新した演出制御タイマ値などに基づいて、動画像データを用いた動画像の表示を行う動画像表示期間であるか否かを判定する(ステップS296)。ステップS296にて動画像表示期間である場合には(ステップS296;Yes)、所定の動画像表示中処理を実行する(ステップS297)。これに対して、動画像表示期間ではない場合には(ステップS296;No)、ステップS297の処理をスキップする。この後、演出制御パターンから読み出した各種制御データに対応して、その他の演出制御に関する指令を行うための処理を実行してから(ステップS298)、大当り演出処理を終了する。
図42は、図41のステップS297にて実行される動画像表示中処理の一例を示すフローチャートである。この動画像表示中処理において、CPU131は、まず、動画像データを用いて再生される画像が、1フレーム目の画像であるか否かを判定する(ステップS391)。例えば、ステップS391の処理において、CPU131は、演出制御タイマ値やCGROM142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する動画像読出ポインタの格納値などから、動画像ファイルを新たに読み出すのか継続して読み出すのかを特定する。そして、動画像ファイルを新たに読み出す場合には、1フレーム目の画像であると判定する一方で、継続して読み出す場合には、1フレーム目の画像ではないと判定すればよい。
ステップS391にて1フレーム目の画像であると判定された場合には(ステップS391;Yes)、例えば動画像読出ポインタの値を読出対象となる動画像ファイルに対応した読出アドレスに設定することなどといった、動画像再生用に設けられたレジスタの初期設定を行う(ステップS392)。これに対して、1フレーム目の画像ではないと判定された場合には(ステップS391;No)、前回の動画像表示中処理が終了するときに後述するステップS399の処理で退避されたレジスタの内容を復帰させる(ステップS393)。
この後、CPU131は、動画像デコード開始コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS394)。また、CPU131は、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられたイベント割込み待ちタイマを初期化して、経過時間の計測をスタートさせる(ステップS395)。続いて、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割込みフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS396)。ここで、イベント割込みフラグは、VDP141にて1フレーム分の画像に対応したピクチャデータの再生が完了したときに、VDP141が備える動画像用デコーダ158にてイベント割込みが発生したことに対応してオン状態にセットされる。
ステップS396にてイベント割込みフラグがオンである場合には(ステップS396;Yes)、イベント割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS397)、例えば1つの動画像ファイルに格納された動画像データに対応して、最終フレームのデコードが完了したか否かを判定する(ステップS398)。ステップS398にて最終フレームのデコードが完了していないと判定された場合には(ステップS398;No)、レジスタの内容を退避する(ステップS399)。これに対して、最終フレームのデコードが完了したと判定された場合には(ステップS398;Yes)、ステップS399の処理をスキップする。この後、CPU131は、動画像デコードNOPコマンドを作成してVDP141に送信してから(ステップS400)、動画像表示中処理を終了する。
また、ステップS396にてイベント割込みフラグがオフである場合には(ステップS396;No)、イベント割込み待ちタイマにおけるタイマ値であるイベント割込み待ちタイマ値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS401)。そして、ステップS401における更新後のイベント割込み待ちタイマ値が、所定の制限時間判定値に達したか否かを判定する(ステップS402)。このとき、制限時間判定値に達していなければ(ステップS402;No)、ステップS396の処理に戻る。これに対して、ステップS402にて制限時間判定値に達したと判定された場合には(ステップS402;Yes)、所定のループ処理に入り、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動されるまで待機する。
図43は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるリセット/割込みコントローラ136により実行されるリセット/割込み制御処理の一例を示すフローチャートである。このリセット/割込み制御処理において、リセット/割込みコントローラ136は、まず、主基板11から送信された演出制御コマンドを受信したことによるコマンド受信割込みが発生したか否かを判定する(ステップS411)。このとき、コマンド受信割込みが発生していれば(ステップS411;Yes)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたコマンド受信割込みフラグをオン状態にセットする(ステップS412)。
ステップS411にてコマンド受信割込みが発生していないと判定された場合には(ステップS411;No)、例えば電断チェック用に設けられた所定のCTCがタイムアウトしたことによる電断チェック用タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ステップS413)。このとき、電断チェック用タイマ割込みが発生していれば(ステップS413;Yes)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた電断チェック用タイマ割込みフラグをオン状態にセットする(ステップS414)。
ステップS413にて電断チェック用タイマ割込みが発生していないと判定された場合には(ステップS413;No)、例えば演出制御用に設けられた所定のCTCがタイムアウトしたことによる演出制御用タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ステップS415)。このとき、演出制御用タイマ割込みが発生していれば(ステップS415;Yes)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出制御用タイマ割込みフラグをオン状態にセットする(ステップS416)。
ステップS415にて演出制御用タイマ割込みが発生していないと判定された場合には(ステップS415;No)、VDP141からのイベント割込み信号がオン状態となったか否かを判定することにより、イベント割込みが発生したか否かを判定する(ステップS417)。このとき、イベント割込みが発生していれば(ステップS417;Yes)、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割込みフラグをオン状態にセットする(ステップS418)。
ステップS417にてイベント割込みが発生していないと判定された場合には(ステップS417;No)、その他の割込みが発生したか否かを判定する(ステップS419)。このとき、何らかの割込みが発生していれば(ステップS419;Yes)、発生した割込みに対応して、例えば所定の割込みフラグをオン状態にセットするなどといった、予め定められた処理を実行する(ステップS420)。ステップS419にて割込みが発生していないと判定された場合や(ステップS419;No)、ステップS412、S414、S416、S418、S420の処理のいずれかを実行した後には、ステップS411の処理に戻る。
図44は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える電断検出回路137により実行される電断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電断検出処理において、電断検出回路137は、まず、電力制御回路125から演出制御用マイクロコンピュータ120への供給電圧が、電断検出判定値として予め定めた電圧値以下となっているか否かを判定する(ステップS421)。このとき、供給電圧が電断検出判定値以下であれば(ステップS421;Yes)、所定の電断発生判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS422)。ここで、電断検出回路137は、ステップS421にて最初に供給電圧が電断検出判定値以下であると判定されてからの経過時間を計測し、ステップS422の処理では、計測された経過時間が電断発生判定時間に達したか否かを判定すればよい。この場合、ステップS421にて続けて供給電圧が電断検出判定値以下であると判定されている期間では、経過時間の計測が継続される。これに対して、ステップS421にて一旦供給電圧が電断検出判定値を超えたと判定されることにより、経過時間の計測動作を初期化すればよい。なお、電断発生判定時間を最小値(例えば「0」)に設定しておけば、ステップS421にて供給電圧が電断検出判定値以下であると判定された場合に、直ちに電断発生判定時間が経過したと判断することができる。
ステップS422にて電断発生判定時間が経過したと判定された場合には(ステップS422;Yes)、CPU131へと伝送される電源断信号をオン状態に設定する(ステップS423)。ステップS423にて電源断信号をオン状態に設定した後には、後述するステップS425にて電源断信号がオフ状態に設定されるまで、継続してオン状態の電源断信号を出力するようにすればよい。ステップS423の処理を実行した後には、ステップS421の処理に戻る。
また、ステップS421にて供給電圧が電断検出判定値となる電圧値を超えていると判定された場合には(ステップS421;No)、所定の電断終了判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS424)。ここで、電断検出回路137は、ステップS421にて最初に供給電圧が電断検出判定値を超えていると判定されてからの経過時間を計測し、ステップS424の処理では、計測された経過時間が電断終了判定時間に達したか否かを判定すればよい。この場合、ステップS421にて続けて供給電圧が電断検出判定値を超えていると判定されている期間では、経過時間の計測が継続される。これに対して、ステップS421にて一旦供給電圧が電断検出判定値以下になったと判定されることにより、経過時間の計測動作を初期化すればよい。なお、電断終了判定時間を最小値(例えば「0」)に設定しておけば、ステップS421にて供給電圧が電断検出判定値を超えたと判定された場合に、直ちに電断終了判定時間が経過したと判断することができる。
ステップS424にて電断終了判定時間が経過したと判定された場合には(ステップS424;Yes)、CPU131へと伝送される電源断信号をオフ状態に設定する(ステップS425)。ステップS425にて電源断信号をオフ状態に設定した後には、前述したステップS423にて電源断信号がオン状態に設定されるまで、継続してオフ状態の電源断信号を出力するようにすればよい。ステップS424にて電断終了判定時間が経過していないと判定された場合や(ステップS424;No)、ステップS425の処理を実行した後には、ステップS421の処理に戻る。
図45は、VDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令となるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信コマンドがなければ(ステップS601;No)、ステップS601の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS601にて受信コマンドがある場合には(ステップS601;Yes)、その受信コマンドが記憶領域設定コマンドであるか否かを判定する(ステップS602)。そして、記憶領域設定コマンドであれば(ステップS602;Yes)、所定の記憶領域設定処理を実行する一方(ステップS603)、記憶領域設定コマンドでなければ(ステップS602;No)、受信コマンドが事前転送コマンドであるか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて受信コマンドが事前転送コマンドであれば(ステップS604;Yes)、所定の事前転送処理を実行する一方(ステップS605)、事前転送コマンドでなければ(ステップS604;No)、受信コマンドが自動転送表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS606)。ステップS606にて受信コマンドが自動転送表示コマンドであれば(ステップS606;Yes)、所定の自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。ステップS606にて受信コマンドが自動転送表示コマンドではない場合や(ステップS606;No)、ステップS607の処理を実行した後には、ステップS601の処理に戻る。
図46は、図45のステップS603にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、一時記憶メモリ155をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS621)。続いて、記憶領域設定コマンドに含まれるデータから、自動転送エリア155Bの先頭アドレスとなるアドレスSTADDを特定する(ステップS622)。そして、このとき特定したアドレスSTADDを、VDP141の内部レジスタにセットして格納する(ステップS623)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定コマンドに含まれるデータから、自動転送エリア155Bの最終アドレスとなるアドレスENADDを特定する(ステップS624)。そして、このとき特定したアドレスENADDを、VDP141の内部レジスタにセットして格納してから(ステップS625)、記憶領域設定処理を終了する。
図47は、図45のステップS605にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS641)。続いて、事前転送コマンドに含まれるデータから、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS642)。また、事前転送コマンドに含まれるデータから、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS643)。そして、ステップS641〜S643にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142のスプライトデータエリア142Aから読み出した画像要素データを固定アドレスエリア155Aに転送するためにデータ転送の開始設定を行う(ステップS644)。例えば、ステップS644において、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS645)、完了していなければ(ステップS645;No)、ステップS645の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS645にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS645;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS646)、事前転送処理を終了する。ステップS646の処理において、転送制御回路152は、固定アドレスエリア155Aへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図48は、図45のステップS607にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS661)。続いて、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS662)。例えば、ステップS662の処理において、転送制御回路152は、インデックステーブル251を参照して、自動転送エリア155Bのうちで、「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像要素データが記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像要素データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
続いて、転送制御回路152は、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS663)。そして、ステップS661〜S663にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142のスプライトデータエリア142Aから読み出した画像要素データを自動転送エリア155Bに転送するためにデータ転送の開始設定を行う(ステップS664)。例えば、ステップS664において、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS665)、完了していなければ(ステップS665;No)、ステップS665の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS665にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS665;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS666)、自動転送制御処理を終了する。ステップS666の処理において、転送制御回路152は、自動転送エリア155Bへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。また、この自動転送制御処理にて画像要素データを転送する場合には、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの転送先アドレス(書込アドレス)を描画回路154に通知して、描画回路154により画像要素データを読出可能にしてもよい。
図49は、VDP141が備える描画回路154により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路154は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令となるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、ステップS501の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、その受信コマンドが固定アドレス指定表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、固定アドレス指定表示コマンドであれば(ステップS502;Yes)、所定の固定アドレス指定表示処理を実行する一方(ステップS503)、固定アドレス指定表示コマンドでなければ(ステップS502;No)、受信コマンドが自動転送表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。
ステップS504にて受信コマンドが自動転送表示コマンドであれば(ステップS504;Yes)、所定の自動転送表示処理を実行する(ステップS505)。ステップS504にて受信コマンドが自動転送表示コマンドではない場合や(ステップS504;No)、ステップS505の処理を実行した後には、ステップS501の処理に戻る。
また、描画回路154は、図49のフローチャートに示すような描画処理の他にも、例えば所定の動画像描画処理を実行する。この動画像描画処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120からの動画像デコード開始コマンドを受信したことに応答して、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155B内に設けられた第1〜第Xピクチャバッファ155−1〜155−Xから、動画像用デコーダ158によりデコードされたピクチャデータを順次に読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことで、表示用データの更新を行う。
図50は、図49のステップS503にて実行される固定アドレス指定表示処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定表示処理において、描画回路154は、まず、固定アドレス指定表示コマンドに含まれるデータから、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS521)。続いて、ステップS521にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル251を参照し、読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS522;Yes)、固定アドレス指定表示コマンドに含まれるデータから、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS523)。そして、例えばステップS523にて特定した書込アドレスに基づき、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う(ステップS524)。例えば、ステップS524の処理において、描画回路154は、ステップS523にて特定された書込アドレスが、フレームバッファメモリ156にて画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに割り当てられたアドレスと合致するか否かを判定し、合致する場合には、書込先が非表示領域になると判断する。
ステップS524にて書込先が非表示領域ではないと判定された場合には(ステップS524;No)、ステップS521にて特定した読出アドレスから画像要素データを読み出し、ステップS523にて特定した書込アドレスに書き込む(ステップS525)。こうしてステップS525にてフレームバッファメモリ156に画像要素データが書き込まれることにより、表示用データの作成が行われることになる。
ステップS524にて書込先が非表示領域であると判定された場合には(ステップS524;Yes)、ステップS525の処理をスキップする。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ120からの固定アドレス指定表示コマンドを受信していても、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応した書込位置となる場合には、描画回路154により画像要素データが一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aから読み出されてフレームバッファメモリ156に書き込まれることが、制限される。
この後、フレームバッファメモリ156に画像要素データを書き込むことによる描画(表示用データの作成)が完了したか否かを判定し(ステップS526)、完了していなければ(ステップS526;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS527)、ステップS524の処理に戻る。他方、ステップS526にて描画が完了すれば(ステップS526;Yes)、固定アドレス指定表示処理を終了する。
また、ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS522;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS528)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS528;No)、ステップS522の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS528にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS528;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS529)、固定アドレス指定表示処理を終了する。
図51は、図49のステップS505にて実行される自動転送表示処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送表示処理において、描画回路154は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS541)。続いて、ステップS541にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル251を参照し、読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS542)。
ステップS542にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS542;Yes)、自動転送表示コマンドに含まれるデータから、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS543)。そして、例えばステップS543にて特定した書込アドレスに基づき、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う(ステップS544)。例えば、ステップS544の処理において、描画回路154は、ステップS543にて特定された書込アドレスが、フレームバッファメモリ156にて画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに割り当てられたアドレスと合致するか否かを判定し、合致する場合には、書込先が非表示領域になると判断する。
ステップS544にて書込先が非表示領域ではないと判定された場合には(ステップS544;No)、ステップS541にて特定した読出アドレスから画像要素データを読み出し、ステップS543にて特定した書込アドレスに書き込む(ステップS545)。こうしてステップS545にてフレームバッファメモリ156に画像要素データが書き込まれることにより、表示用データの作成が行われることになる。
ステップS544にて書込先が非表示領域であると判定された場合には(ステップS544;Yes)、ステップS545の処理をスキップする。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ120からの自動転送表示コマンドを受信していても、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応した書込位置となる場合には、描画回路154により画像要素データが一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bから読み出されてフレームバッファメモリ156に書き込まれることが、制限される。
この後、フレームバッファメモリ156に画像要素データを書き込むことによる描画(表示用データの作成)が完了したか否かを判定し(ステップS546)、完了していなければ(ステップS546;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS547)、ステップS544の処理に戻る。他方、ステップS546にて描画が完了すれば(ステップS546;Yes)、描画に用いた画像要素データと対応付けてインデックステーブル251に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS548)、自動転送表示処理を終了する。
また、ステップS542にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS542;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS549)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS549;No)、ステップS542の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS549にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS549;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS550)、自動転送表示処理を終了する。
図52は、VDP141が備える動画像用デコーダ158により実行される動画像デコード処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ158は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの動画像デコード開始コマンドを受信したことに応答して、図52に示すような動画像デコード処理の実行を開始する。この動画像デコード処理では、まず、CGROM142に記憶されている演出に使用する動画像データから1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS561)。ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番とデコードされる順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャをデコードしたあとにデコードされる。ステップS561の処理において、動画像用デコーダ158は、演出制御用マイクロコンピュータ120から通知された演出に使用する動画像データの情報に基づき、CGROM142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する読出ポインタの値(読出ポインタ値)や、一時記憶メモリ155に設けられた第1〜第Xピクチャバッファ155−1〜155−Xのうちでデコード後のピクチャデータを蓄積させるものを指定するピクチャバッファポインタの値(ピクチャバッファポインタ値)の設定を行うようにすればよい。
ステップS561にてピクチャデータを読み出した後、動画像用デコーダ158は、その読出データをデコードし(ステップS562)、デコード後のピクチャデータをピクチャバッファポインタ値に対応した第1〜第Xピクチャバッファ155−1〜155−Xのいずれかに書き込んで記憶させる(ステップS563)。続いて、読出ポインタ値の更新と(ステップS564)、ピクチャバッファポインタ値の更新を行い(ステップS565)、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力する(ステップS566)。このときには、例えばイベント割込み信号の出力期間を計測するためのタイマをスタートさせて、そのタイマ値が所定の信号出力期間判定値に達したか否かを判定することなどにより、信号出力期間が終了したか否かを判定する(ステップS567)。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からイベント割込み信号を受け付けたことに対する応答信号を受信したか否かの判定を行うことにより、信号出力期間が終了したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS567にて信号出力期間が終了しない場合には(ステップS567;No)、ステップS567の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、信号出力期間が終了した場合には(ステップS567;Yes)、イベント割込み信号の出力を停止してから(ステップS568)、動画像デコード処理を終了する。
次に、本実施例における具体的な動作の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、電源基板10から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が演出初期設定処理を実行した後(図27のステップS51)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141に対して記憶領域設定コマンドが送信される(図30のステップS323)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定コマンドにより通知されたアドレスSTADDとアドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図46のステップS623、S625)、一時記憶メモリ155における記憶領域が、固定アドレスエリア155Aと自動転送エリア155Bとに設定されることになる。
図53は、演出制御基板12に搭載された表示制御部121における画像データ処理動作の概要を示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ120ではCPU131が、演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して事前転送指令処理を実行する(図27のステップS54)。そして、事前転送指令処理では、例えば図12(B)に示す事前転送設定テーブル211A、211Bのうちから、演出モードフラグの値に対応したものをセットする(図32のステップS351)。続いて、処理数及び事前転送カウント値に応じて読み出したテーブルデータから特定された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、事前転送コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS354〜S360)。
例えば、第1の演出モード#1に対応して用意された事前転送設定テーブル211Aでは、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄に対応した画像要素データや、予告A、予告Bといったハズレ時における選択確率が比較的に(予告Cや予告Dに比べて)高い予告演出で用いられるキャラクタCH1、CH2に対応した画像要素データを、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データとして、その読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータが格納されている。また、第2の演出モード#2に対応して用意された事前転送設定テーブル211Bでは、「一」〜「八」の数字を示す飾り図柄に対応した画像要素データや、予告A、予告Bといったハズレ時における選択確率が比較的に高い予告演出で用いられる背景画像に対応した画像要素データを、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素を示す画像要素データとして、その読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すテーブルデータが格納されている。
CPU131が図27のステップS54にて事前転送指令処理を実行する場合には、ステップS51における演出初期設定処理にて演出モードフラグをクリアして“0”に更新したことに基づき、事前転送設定テーブル211Aのテーブルデータに対応した画像要素データの転送を指令する。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。この事前転送処理では、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図47のステップS641〜S645)。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと入賞したことに応じて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための実行条件が成立する。こうした実行条件の成立に基づき、例えば画像表示装置5では飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が可変表示パターンに対応した演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、画像表示装置5における表示の更新タイミングであれば(図39のステップS274;Yes)、表示更新指令処理を実行する(ステップS275)。この表示更新指令処理では、更新対象となる画像要素が固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であるか否かを判定する(図40のステップS372)。
例えば、更新対象となる画像要素に対応した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すデータがテーブルデータとして事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかに格納されている場合に、その画像要素は固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素であると判定される(ステップS372;Yes)。より具体的に、第1の演出モード#1に設定されている場合には、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄のいずれかや、予告A、予告Bの予告演出で用いられるキャラクタCH1、CH2のいずれかが更新対象であれば、事前に転送する対象となる画像要素であると判定される。この判定結果に基づき、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量などを特定し、固定アドレス指定表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS373〜S376)。
VDP141では、例えば描画回路154が、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して(図49のステップS502;Yes)、固定アドレス指定表示処理を実行する(ステップS503)。この固定アドレス指定表示処理では、インデックステーブル251において固定アドレスエリア155Aからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」であり(図50のステップS522;Yes)、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域ではない場合に(ステップS524;No)、固定アドレス指定表示コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づき、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる(ステップS521〜S527)。
また、更新対象となる画像要素に対応した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などを示すデータが事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれにも格納されていない場合には、その画像要素は固定アドレスエリア155Aに画像要素データを事前に転送する対象となる画像要素ではないと判定される(図40のステップS372;No)。より具体的に、第1の演出モード#1に設定されている場合には、予告C、予告Dの予告演出で用いられるキャラクタCH3、CH4などが更新対象であれば、事前に転送する対象となる画像要素ではないと判定される。この判定結果に基づき、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、CGROM142における画像要素データの読出アドレス、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、更新対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量などを特定し、自動転送表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS377〜S380)。
VDP141では、まず、例えば転送制御回路152が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。この自動転送制御処理では、CGROM142における画像要素データの読出アドレスは、自動転送表示コマンドに含まれるデータから特定する(図48のステップS661)。その一方で、一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル251を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像要素データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS662)。そして、自動転送表示コマンドにより通知された画像要素データのデータ量などに基づき(ステップS663)、CGROM142から読み出した画像要素データを一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに書き込んで記憶させる(ステップS664、S665)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路154が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して(図49のステップS504;Yes)、自動転送表示処理を実行する(ステップS505)。この自動転送表示処理では、インデックステーブル251において自動転送エリア155Bからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」であり(図51のステップS542;Yes)、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域ではない場合に(ステップS544;No)、例えば転送制御回路152から通知された自動転送エリア155Bにおける画像要素データの読出アドレスや、自動転送表示コマンドにより通知された画像要素データの書込アドレス、データ量などに基づき、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる(ステップS541〜S547)。
表示回路157は、画像表示装置5における表示画像の更新周期でフレームバッファメモリ156の記憶データを表示用データとして読み出し、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に画像を表示させる。
特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果が大当りとなった後に、パチンコ遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態に移行すると、例えば画像表示装置5では、大当り遊技状態に応じた画像を表示することによる演出を行う。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が大当り遊技状態におけるラウンド数などに対応した演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、動画像表示期間であれば(図41のステップS296;Yes)、動画像表示中処理を実行する(ステップS297)。この動画像表示中処理では、動画像デコード開始コマンドを作成してVDP141に送信する(図42のステップS394)。
VDP141では、動画像用デコーダ158が、動画像デコード開始コマンドを受信したことに応答して、図52のフローチャートに示すような動画像デコード処理を実行する。この動画像デコード処理では、ステップS562の処理を実行することにより1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータのデコードが完了するごとに、ステップS566の処理を実行してイベント割込み信号を出力するようにしている。そのため、例えばステップS562におけるピクチャデータのデコード処理に障害が発生した場合のように、ピクチャデータのデコードが完了しない場合には、イベント割込み信号が出力されないことになる。演出制御用マイクロコンピュータ120では、リセット/割込みコントローラ136が図43に示すステップS417の処理を実行するとともに、CPU131が図42に示すステップS396の処理を実行することにより、VDP141からイベント割込み信号が出力されたか否かを判定することができる。そして、ステップS402にてイベント割込み信号が出力されずにイベント割込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達した旨の判定がなされた場合には(ステップS402;Yes)、所定のループ処理に入る。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、演出制御用タイマ割込みが発生すると、CPU131が自動的に割込みのマスクを行い、演出制御割込み処理の実行中に同じ優先順位の割込み要因に対応する割込み処理の実行を開始させないようにする。そのため、CPU131がステップS402におけるYesの判定によりループ処理に入ると、それ以後は、さらに演出制御割込み処理の実行を開始させることができなくなる。
図34のフローチャートに示す演出制御割込み処理では、ステップS93の処理によりウォッチドッグ付リセットIC124をクリアする。そのため、演出制御割込み処理の実行が開始されずに所定時間が経過すると、ウォッチドッグ付リセットIC124にてタイムアウトが発生し、電力制御回路125に伝送されるリセット信号がオン状態となる。電力制御回路125では、ウォッチドッグ付リセットIC124から伝送されたリセット信号がオン状態となった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120に対する電源電圧の供給を所定時間が経過するまで停止させた後に、電源電圧の供給を再開させる。ここで、電力制御回路125が電源電圧の供給を停止させるときには、その電圧値を比較的緩やかに低下させるようにすればよい。このようにして、電力制御回路125は、演出制御用マイクロコンピュータ120に対する電源電圧の供給を停止させた後、所定時間が経過してからその供給を再開させることで、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させる。これにより、例えばVDP141の動画像用デコーダ158によるピクチャデータのデコード処理で障害が発生するなどして、VDP141からイベント割込み信号が出力されずに予め定められた待機時間が経過した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、図27に示すステップS51にて演出初期設定処理を実行する。そして、図28のフローチャートに示す演出初期設定処理のステップS307にて、VDP141の初期設定を行うことで、例えばVDP141の動画像用デコーダ158に障害が発生していても、これを解除して初期状態に戻すことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、表示結果がハズレとなる特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了した後に、あるいは、大当り遊技状態が終了した後に、可変表示の開始条件が成立しないために主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信されずにデモ表示待ち時間が経過すると(図36のステップS203;Yes)、画像表示装置5にて図37に例示するようなデモ画面表示を開始させるための設定が、CPU131により行われる(ステップS204)。こうしたデモ画面表示が開始されることに対応して、CPU131は、事前転送指令処理を実行する(ステップS206)。この事前転送指令処理により、事前転送設定テーブル211A、211Bのうちで演出モードフラグの値に対応したものから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。
このように、画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始という、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS605)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図47のステップS641〜S645)。
また、特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了する際には、CPU131によって可変表示回数カウント値が更新され(図39のステップS278)、この可変表示回数カウント値が事前転送実行判定値に達した場合には(ステップS279;Yes)、CPU131が事前転送指令処理を実行する(ステップS280)。この事前転送指令処理でも、事前転送設定テーブル211A、211Bのうちで演出モードフラグの値に対応したものから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。
このように、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したという、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS605)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図47のステップS641〜S645)。
その他にも、例えば大当り遊技状態への制御が開始されたことなどといった、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送を指令するようにしてもよい。
転送制御回路152は、CGROM142から読み出した画像要素データを一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aまたは自動転送エリア155Bに書き込むことによる画像要素データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル251の更新を行う。
例えば、事前転送コマンドに応じたCGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへのデータ転送が完了した場合には(図47のステップS645;Yes)、固定アドレスエリア155Aへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録する(ステップS646)。
また、例えば、自動転送表示コマンドに応じたCGROM142から一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bへのデータ転送が完了した場合には(図48のステップS665;Yes)、自動転送エリア155Bへと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録する(ステップS666)。こうしたインデックステーブル251の登録内容に基づいて、描画回路154は一時記憶メモリ155から画像要素データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かを判定することができる。
例えば、描画回路154は、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して、固定アドレスエリア155Aからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル251において「オン」となっているか否かを判定する(図50のステップS522)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS522;Yes)、描画回路154が固定アドレスエリア155Aから画像要素データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させることにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS523〜S527)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS522;No)、描画回路154が固定アドレスエリア155Aから画像要素データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで(ステップS528;No)、ステップS522の処理を繰り返し実行して待機する。この待機中には、固定アドレスエリア155Aから読み出した画像要素データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路154は、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して、自動転送エリア155Bからの読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル251において「オン」となっているか否かを判定する(図51のステップS542)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS542;Yes)、描画回路154が自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させることにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS543〜S548)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS542;No)、描画回路154が自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで(ステップS549;No)、ステップS542の処理を繰り返し実行して待機する。この待機中には、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データを用いた表示用データの作成が実行されない。
画像表示装置5において例えば図37に示すようなデモ画面の表示が開始された後に、操作スイッチ40における所定のスイッチ操作(例えば押下操作)の検出に対応して、操作スイッチ40から演出制御基板12に伝送される操作スイッチ信号がオン状態となった場合には(図36のステップS207;Yes)、演出モードフラグの値が“0”と“1”とで切り替えられる(ステップS208〜S210)。このように切替可能な演出モードフラグの値に基づき、例えばCPU131が図38のステップS252の処理を実行することなどにより、パチンコ遊技機1における演出動作内容が決定される。このステップS252の処理では、演出モードフラグの値が“0”であるか“1”であるかに対応して、図13(B)に示す演出制御パターンテーブル221A、221Bのいずれかを用いることにより、演出制御パターンの選択が行われる。このように、演出モードフラグの値を切り替えることにより、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を決定することができる。
そして、CPU131が図36に示すステップS208〜S210の処理により演出モードフラグの値を切り替えた場合には、ステップS211にて事前転送指令処理を実行する。この事前転送指令処理では、ステップS208〜S210の処理により切り替えられた演出モードフラグの値に対応して、事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかから読み出したテーブルデータに基づき、事前転送コマンドが作成されてVDP141に送信される。例えば、演出モードフラグの値が“1”から“0”へと切り替えられた場合には、切替後の演出モードフラグにより特定される第1の演出モード#1に対応して用意された事前転送設定テーブル211Aを用いて、事前転送コマンドが作成される。他方、演出モードフラグの値が“0”から“1”へと切り替えられた場合には、切替後の演出モードフラグにより特定される第2の演出モード#2に対応して用意された事前転送設定テーブル211Bを用いて、事前転送コマンドが作成される。
このように、演出モードフラグの値の切替によりパチンコ遊技機1における演出動作の態様が変更された場合には、変更後における演出動作の態様として決定された演出モードに対応して事前転送設定テーブル211A、211Bのいずれかを用いることにより、画像表示装置5において表示頻度が高くなるように設定された画像要素データが特定される。そして、こうして特定された画像要素データの転送を指令する事前転送コマンドが、CPU131によって作成されてVDP141へ送信されることになる。VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送コマンドを受信したことに応答して(図45のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行し(ステップS605)、事前転送コマンドにより通知された画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量などに基づいて、CGROM142から画像要素データを読み出して一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに転送する(図47のステップS641〜S645)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動された場合には、CPU131が図27に示すステップS53にて演出制御復旧処理を実行する。ここで、演出制御用マイクロコンピュータ120では、電断検出回路137が図44のフローチャートに示すような電断検出処理を実行しており、ステップS421にて電力制御回路125からの供給電圧が電断検出判定値以下となった後に(ステップS421;Yes)、ステップS422にて電断発生判定時間が経過すれば(ステップS422;Yes)、CPU131へと伝送される電源断信号をオン状態に設定する(ステップS423)。CPU131では、図33のフローチャートに示すような演出側電断チェック割込み処理が実行される。この演出側電断チェック割込み処理は、演出制御割込み処理よりも優先順位が高いことから、演出制御用タイマ割込みの発生により割込みのマスクが行われた場合でも、電断チェック用タイマ割込みの発生に対応して、その実行を開始することができる。
このような演出側電断チェック割込み処理において、CPU131は、ステップS73にて電断検出回路137から伝送される電源断信号がオン状態であると判定された後に(ステップS73;Yes)、ステップS74にて電断判定時間が経過すれば(ステップS74;Yes)、演出制御用マイクロコンピュータ120における演出動作の制御状態をバックアップするための処理を実行する。すなわち、CPU131は、ステップS76の処理を実行することにより、バックアップ電源によりバックアップされているRAM133のバックアップ領域に、演出制御用マイクロコンピュータ120への電圧供給が停止される以前における制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを設定して記憶させる。
CPU131は、図31のフローチャートに示す演出制御復旧処理のステップS334にて、RAM133のバックアップ領域に記憶されている演出バックアップ用データを読み出すことで、制御状態を演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動される以前の状態に復旧させることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、CGROM142に記憶されている複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、例えば事前転送設定テーブル211Aに読出アドレス、書込アドレス、データ量を示すテーブルデータが格納され、CPU131が図27のステップS54にて事前転送指令処理を実行することで、事前に一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへと転送するよう指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図45のステップS605にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。そして、CPU131が図39のステップS275にて表示更新指令処理を実行し、図40のステップS372における事前転送の対象となる画像要素であるとの判定結果に応じて、ステップS376にて固定アドレス指定表示コマンドが作成されてVDP141に送信される。VDP141では描画回路154が、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して図49のステップS503にて固定アドレス指定表示処理を実行することにより、固定アドレスエリア155Aの読出アドレスから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156における書込アドレスに書き込んで記憶させる。これにより、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、固定アドレスエリア155Aにおける読出アドレスを指定することで一時記憶メモリ155に事前に記憶されているデータを容易に再利用することができ、CGROM142から毎回読み出す必要がなくなるので、表示演出における制御負担を軽減することができる。
これに対して、CGROM142に記憶されている複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が低くなるように設定された画像要素データについては、CPU131が図39のステップS275にて表示更新指令処理を実行し、図40のステップS372における事前転送の対象となる画像要素ではないとの判定結果に応じて、ステップS380にて自動転送表示コマンドが作成されてVDP141に送信されることにより、CGROM142からフレームバッファメモリ156へと転送するよう指令される。自動転送表示コマンドを受信したVDP141では、転送制御回路152が、図45のステップS607にて自動転送制御処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに転送する。そして、描画回路154が、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して図49のステップS505にて自動転送表示処理を実行することにより、自動転送エリア155Bから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156における書込アドレスに書き込んで記憶させる。これにより、画像表示装置5における表示頻度が低くなるように設定された画像要素データについては、CGROM142における読出アドレスと、フレームバッファメモリ156における書込アドレスとを指定すれば、自動転送エリア155Bにおける記憶アドレスを指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になるとともに、プログラム設計の負担を軽減することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるリセット/割込みコントローラ136により、図43のステップS417にて、VDP141からのイベント割込み信号がオン状態となることによるイベント割込みの発生が検出される。演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、図42のステップS402にて、リセット/割込みコントローラ136によりイベント割込みの発生が検出されずにイベント割込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達すると、所定のループ処理に入り、演出制御用タイマ割込みの発生に対応する演出制御割込み処理の実行を開始させないようにする。そして、図34に示すステップS93の処理が実行されないためにウォッチドッグ付リセットIC124にてタイムアウトが発生し、電力制御回路125にオン状態のリセット信号が入力された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120に対する電源電圧の供給を停止した後、所定時間が経過してからその供給を再開することで、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させる。この場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が開始された場合などと同様に、CPU131が図27に示すステップS51の演出初期設定処理を実行し、図28のステップS307にてVDP141の初期設定を行う。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ120の側でVDP141におけるイベント割込みの発生が検出されずに、予め定められた待機期間が経過した場合に、専用の処理を実行することなく、VDP141の初期設定を行うことができ、プログラム容量の増大や処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
例えば画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始や、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したこと、あるいは大当り遊技状態への制御が開始されたことなどといった、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、図36のステップS206や図39のステップS280などにてCPU131が事前転送指令処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図45のステップS605にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。これにより、固定アドレスエリア155Aの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
また、VDP141の描画回路154は、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aまたは自動転送エリア155Bから画像要素データを読み出す際に、インデックステーブル251にて対応する「転送完了フラグ」が「オン」に設定されているか否かに対応して、読み出した画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込むことによる表示用データの作成を実行するか否かの決定を行う。これにより、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aや自動転送エリア155Bに転送される画像要素データと、これらの固定アドレスエリア155Aや自動転送エリア155Bから読み出して表示用データの作成に利用する画像要素データとを整合させることが可能になり、適切な画像要素データを用いた表示演出を行うことができる。
CPU131が図36に示すステップS208〜S210の処理により演出モードフラグの値を切り替えた場合には、ステップS211にて事前転送処理を実行することで、変更後の演出モードに対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、CGROM142から一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aへの転送が指令される。この指令に応じて、VDP141では転送制御回路152が、図45のステップS605にて事前転送処理を実行することにより、CGROM142から画像要素データを読み出して固定アドレスエリア155Aに転送する。これにより、演出画像の表示態様に対応して表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを変更可能となり、固定アドレスエリア155Aを有効に利用して表示演出における制御負担をさらに軽減することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、電力制御回路125からの供給電圧が電断検出判定値以下となった後に、電断発生判定時間が経過すれば、電断検出回路137が図44に示すステップS423の処理を実行することにより、電源断信号をオン状態に設定する。CPU131では、演出制御用タイマ割込みよりも優先順位が高い電断チェック用タイマ割込みに対応する割込み処理として、図33のフローチャートに示すような演出側電断チェック割込み処理を実行する。そして、電断検出回路137から伝送される電源断信号がオン状態となった後に、電断判定時間が経過すれば、ステップS76にて演出バックアップ用データをRAM133のバックアップ領域に設定して記憶させる。そして、CPU131が演出制御用マイクロコンピュータ120の再起動に対応して図27に示すステップS53の演出制御復旧処理を実行した場合には、図31のステップS334にてRAM133のバックアップ領域に記憶されている演出バックアップ用データにより、演出制御用マイクロコンピュータ120の制御状態を再起動される以前の状態に復旧させる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ120の側でVDP141におけるイベント割込みの発生が検出されずに、予め定められた待機期間が経過した場合に、途中となっていた表示動作を再起動後に続きから実行することができ、異常な表示状態からのより適切な復旧が可能になる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120が再起動される場合に、制御状態を復旧させるための特別な制御を行う必要がないので、処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
VDP141では、動画像用デコーダ158が図52に示すステップS562でのデコードを行った後に、ステップS566の処理により演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が図42のステップS394にて動画像デコード開始コマンドをVDP141に送信した後に、リセット/割込みコントローラ136が図43のステップS417にてイベント割込みの発生を検出せずに、CPU131がステップS402にて制限時間判定値に達したと判定することで、所定のループ処理に入る。その後、ウォッチドッグ付リセットIC124におけるタイムアウト発生に基づき、電力制御回路125が演出制御用マイクロコンピュータ120に対する電源電圧の供給を所定時間が経過するまで停止させてから再開させることで、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させる。これにより、動画像データのデコードに異常が発生して動画像の再生が中断された場合でも、所定の待機期間が経過すれば異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
画像表示装置5の画面上には、例えば特別図柄表示装置4の前面における配置部分や装飾部材31、32、33の背面における配置部分などに、画像表示が制限される非表示領域5Bが設けられている。VDP141が備える描画回路154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して図50のフローチャートに示すような固定アドレス指定表示処理を実行し、ステップS524にて画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う。そして、書込先が非表示領域となる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120から固定アドレス指定表示コマンドを受信していても、ステップS525の処理をスキップすることにより、フレームバッファメモリ156に対する画像要素データの書き込みを制限する。また、描画回路154は、演出制御用マイクロコンピュータ120から自動転送表示コマンドを受信したことに応答して図51のフローチャートに示すような自動転送表示処理を実行し、ステップS544にて画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う。そして、書込先が非表示領域となる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120から自動転送表示コマンドを受信していても、ステップS545の処理をスキップすることにより、フレームバッファメモリ156に対する画像要素データの書き込みを制限する。これにより、画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応して割り当てられたフレームバッファメモリ156のアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。
また、VDP141では描画回路154が自動的に書込先が非表示領域である場合の書き込みを制限するようにしているので、パチンコ遊技機1などの遊技機を設計する段階で非表示領域5Bに画像を表示させないための配慮を行う必要がなくなり、パチンコ遊技機1などの遊技機の設計負担を軽減することができる。加えて、VDP141が備える描画回路154により図50に示すステップS524や図51に示すステップS544のような処理を実行することで、演出制御用マイクロコンピュータ120の側では、画像要素の表示位置が画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに含まれるか否かを判断する必要がなく、非表示領域5Bが存在しない場合と同様の処理によって表示演出における制御負担の増大を防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、VDP141が備える描画回路154が図50に示すステップS524や図51に示すステップS544のような処理を実行することで、画像要素データの書込先が非表示領域となる場合にフレームバッファメモリ156への書き込みを制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の側において、書込先が非表示領域となる場合におけるフレームバッファメモリ156への書き込みを制限するための処理を実行するようにしてもよい。
この場合、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、図39のステップS275にて実行する表示更新指令処理として、図40のフローチャートに示すような処理に代えて、図54のフローチャートに示すような処理を実行する。図54に示す表示更新指令処理では、まず、図40のステップS371、S372と同様にして、表示を更新する対象となる画像要素を特定するとともに(ステップS701)、特定された画像要素が事前に転送する対象となるものであるか否かの判定を行う(ステップS702)。そして、事前に転送する対象となるものである場合には(ステップS702;Yes)、図40のステップS373と同様にして、固定アドレスエリア155Aにおける画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS703)。また、事前に転送する対象ではない場合には(ステップS702;No)、図40のステップS377と同様にして、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS707)。ステップS703、S707の処理を実行した後、図54に示す表示更新指令処理では、図55のフローチャートに示す書込アドレス設定処理を実行する(ステップS704、S708)。
図55に示す書込アドレス設定処理では、まず、図54のステップS701にて特定された表示を更新する対象となる画像要素の配置が、画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応した配置を含んでいるか否かを判定する(ステップS721)。例えば、CPU131は、演出制御パターンから読み出した表示制御データから画像表示装置5の画面上における画像要素の表示位置(例えば表示座標)を特定し、表示対象となる画像要素のサイズ(例えば幅や高さなど)から、画像要素の少なくとも一部が非表示領域5B内に配置されるか否かを判定する。そして、画像要素の少なくとも一部が非表示領域5B内に配置される場合には、非表示領域5Bに対応した配置を含んでいると判断する。
ステップS721にて非表示領域5Bに対応した配置を含んでいないと判定された場合には(ステップS721;No)、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスとして、表示対象の画像要素の全体を画像表示装置5の画面上に表示させるためのアドレスを設定してから(ステップS722)、書込アドレス設定処理を終了して、図54に示すステップS705やステップS709の処理に進む。例えば、CPU131は、表示対象の画像要素を構成する全ての画素についてフレームバッファメモリ156における書込アドレスを指定することで、画像要素の全体を画像表示装置5の画面上に表示させるようにする。
これに対して、ステップS721にて非表示領域5Bに対応した配置を含んでいると判定された場合には(ステップS721;Yes)、その画像要素の全体が非表示領域5B内に配置されるのか、一部が非表示領域5B内に配置されるのかを判定する(ステップS723)。このとき、一部が非表示領域5B内に配置されて全体が非表示領域5B内に配置されるわけではないと判定した場合には(ステップS723;No)、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスとして、非表示領域5Bに対応する書込先を除外したアドレスを設定してから(ステップS724)、書込アドレス設定処理を終了して、図54に示すステップS705やステップS709の処理に進む。例えば、CPU131は、表示対象の画像要素を構成する各画素についてフレームバッファメモリ156における書込アドレスを特定し、その書込アドレスのうちで非表示領域5Bに割り当てられたアドレスを除外することで、表示領域5Aに割り当てられたアドレスのみがVDP141に通知されるように設定する。
また、ステップS723にて画像要素の全体が非表示領域5Bに配置されると判定した場合には(ステップS723;Yes)、図54に示すステップS711の処理に進む。これにより、画像要素の全体が非表示領域5Bに配置される場合には、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスが設定されず、VDP141への転送表示コマンドの送信も行われないことになる。
図55に示すステップS704にて書込アドレス設定処理を実行した後にステップS705の処理に進んだ場合には、フレームバッファメモリ156に書き込まれる画像要素データのデータ量である書込データ量を特定する(ステップS705)。その後、ステップS703〜S705にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、書込データ量に基づき、固定アドレス指定表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS706)。また、ステップS708にて書込アドレス設定処理を実行した後にステップS709の処理に進んだ場合には、フレームバッファメモリ156に書き込まれる画像要素データのデータ量である書込データ量を特定する(ステップS709)。その後、ステップS707〜S709にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、書込データ量に基づき、自動転送表示コマンドを作成してVDP141に送信する(ステップS710)。
ステップS706、S710の処理のいずれかを実行した後や、図55のステップS723にて画像要素の全体が非表示領域5Bに配置されると判定した場合には、全ての表示対象となる画像要素についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS711)。そして、指令が完了していなければ(ステップS711;No)、ステップS701の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了すれば(ステップS711;Yes)、表示更新指令処理を終了する。
このようにして、CPU131は、図55のステップS721にて画像要素の配置が非表示領域5Bに対応した配置を含んでいるか否かの判定を行う。そして、非表示領域5Bに対応した配置を含んでいる場合には、非表示領域5Bに対応する書込先を除外した書込アドレスを設定したり、書込アドレスの設定を行わないようにすることで、フレームバッファメモリ156に対する画像要素データの書き込みを制限する。これにより、画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応して割り当てられたフレームバッファメモリ156のアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。
また、CPU131は自動的に書込先が非表示領域である場合の書き込みを制限するようにしているので、パチンコ遊技機1などの遊技機を設計する段階で非表示領域5Bに画像を表示させないための配慮を行う必要がなくなり、遊技機の設計負担を軽減することができる。加えて、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131により図55のフローチャートに示すような書込アドレス設定処理を実行することで、VDP141の側では、画像要素の表示位置が画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに含まれるか否かを判断する必要がなく、非表示領域5Bが存在しない場合と同様の処理によって表示演出における制御負担の増大を防止できる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図56は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口する筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。
スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールDL、DC、DRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。画像表示装置510には、1つの透明な透視窓が設けられており、例えばリールDL、DC、DRに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、この透視窓から見えるように配置されている。画像表示装置510の画面上には、例えば図57に示すように、各種画像の表示が行われる表示領域510Aと、画像表示が制限される非表示領域510Bとが設けられている。そして、画像表示装置510において可変表示装置501の前面に配置された透視窓の部分は、上記実施の形態における画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bと同様に、画像表示が制限される非表示領域510Bとなっている。すなわち、非表示領域510には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(例えば偏光板など)、液晶を制御する回路などが設けられておらず、物理的に画像を表示せずに透明なままとなっている。他方、表示領域510Aの裏面には、例えば背後から表示領域510Aを照射するバックライトや、スロットマシン500の内部を隠蔽する隠蔽部材などが設けられている。
リールDL、DC、DRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールDL、DC、DRの外周部に描かれた図柄は、画像表示装置510の透視窓を通して各々上中下三段に表示されている。
各リールDL、DC、DRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図58)によって回転させることで、各リールDL、DC、DRの図柄が画像表示装置510の透視窓を通して連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールDL、DC、DRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、画像表示装置510の透視窓を通して視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールDL、DC、DRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の上部には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えている。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512が設けられており、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図58)により検知されたことに基づき、各リールDL、DC、DRが回転し、各リールDL、DC、DRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールDL、DC、DRの回転が停止し、画像表示装置510の透視窓を通して表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールDL、DC、DRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールDL、DC、DRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス及びJACINなどの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。また、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいてJACINとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図58に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールDL、DC、DRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールDL、DC、DRの内部に設けられ、各リールDL、DC、DRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールDL、DC、DRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。また、演出制御基板620には、上記実施の形態におけるウォッチドッグ付リセットIC124と同様の回路も搭載されている。なお、ウォッチドッグ付リセットICや電力制御回路などの回路は、電源基板から供給された電源電圧を、演出制御用マイクロコンピュータ630内の各部位に配送するか遮断するかを切り替えるための回路として、演出制御用マイクロコンピュータ630に内蔵されていてもよい。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラ、電断検出回路などを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像処理を実行するVDPと、画像表示装置510にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶するCGROMとを備えて構成されている。
表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態と同様に、ホストインタフェース、転送制御回路、CGROMインタフェース、描画回路、一時記憶メモリ、フレームバッファメモリ、表示回路、動画像用デコーダなどが設けられている。また、表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態におけるインデックステーブル251と同様のテーブルが設けられている。表示制御部631が備えるVDPに設けられた一時記憶メモリには、上記実施の形態における一時記憶メモリ155と同様に、固定アドレスエリアや自動転送エリアが設けられている。表示制御部631が備えるVDPに設けられたフレームバッファメモリでは、アドレス管理を容易にするために、上記実施の形態におけるフレームバッファメモリ156と同様に、表示用データを記憶する表示用データエリアにおいて、画像表示装置510の画面上における表示領域510Aのみならず非表示領域510Bに対しても、アドレスが割り当てられている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための処理が、CPUによって実行される。
表示制御部631が備えるCGROMは、複数種類の画像要素データを記憶することで、画像要素データ記憶手段を構成する。このCGROMに記憶されている画像要素データのうちで、画像表示装置510における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、例えば上記実施の形態における事前転送設定テーブル211Aと同様の構成を有するテーブルに読出アドレス、書込アドレス、データ量を示すテーブルデータが格納されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、上記実施の形態における図27のステップS54と同様にして事前転送指令処理を実行することで、演出制御用マイクロコンピュータ630の起動に対応して事前に表示制御部631が備えるVDPに設けられた一時記憶メモリの固定アドレスエリアに対する画像要素データの転送を指令し、表示制御部631が備えるVDPの転送制御回路に、上記実施の形態における図45のステップS605と同様にして事前転送処理を実行させることにより、表示制御部631が備えるCGROMから画像要素データを読み出して固定アドレスエリアに転送して記憶させることで、起動時転送設定制御手段を構成する。また、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、上記実施の形態における図39のステップS275と同様にして表示更新指令処理を実行し、上記実施の形態における図40のステップS372と同様に事前転送の対象となる画像要素であるとの判定結果に応じて、上記実施の形態におけるステップS376と同様にして固定アドレス指定表示コマンドが作成し表示制御部631が備えるVDP141に送信することで、高設定画像要素表示指令手段を構成する。表示制御部631が備えるVDPでは描画回路が、固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して上記実施の形態における図49のステップS503と同様に固定アドレス指定表示処理を実行することにより、固定アドレスエリアの読出アドレスから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリにおける書込アドレスに書き込んで記憶させることで、第1画像要素データ処理手段を構成する。
このような構成により、画像表示装置510における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データについては、表示制御部631が備えるVDPに設けられた一時記憶メモリの固定アドレスエリアにおける読出アドレスを指定することで、一時記憶メモリに事前に記憶されているデータを容易に再利用することができ、表示制御部631が備えるCGROMから毎回読み出す必要がなくなるので、表示演出における制御負担を軽減することができる。
これに対して、表示制御部631が備えるCGROMに記憶されている複数種類の画像要素データのうちで、画像表示装置510における表示頻度が低くなるように設定された画像要素データについては、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUにより上記実施の形態における図39のステップS275と同様にして表示更新指令処理を実行し、上記実施の形態における図40のステップS372と同様に事前転送の対象となる画像要素ではないとの判定結果に応じて、上記実施の形態におけるステップS380と同様にして自動転送表示コマンドを作成し表示制御部631が備えるVDPに送信することで、表示制御部631が備えるCGROMからVDPに設けられたフレームバッファメモリへと転送するよう指令される。自動転送表示コマンドを受信した表示制御部631のVDPでは、転送制御回路が、上記実施の形態における図45のステップS607と同様にして自動転送制御処理を実行することにより、表示制御部631が備えるCGROMから画像要素データを読み出してVDPに設けられた一時記憶メモリの自動転送エリアに転送することで、低設定データ転送手段を構成する。また、表示制御部631が備えるVDPに設けられた描画回路は、自動転送表示コマンドを受信したことに応答して上記実施の形態における図49のステップS505と同様に自動転送表示処理を実行することにより、自動転送エリアから読み出した画像要素データをフレームバッファメモリにおける書込アドレスに書き込んで記憶させる。こうした表示制御部631のVDPが備える転送制御回路や描画回路などにより所定の処理を実行することで、第2画像要素データ処理手段が構成される。
このような構成により、画像表示装置510における表示頻度が低くなるように設定された画像要素データについては、表示制御部631が備えるCGROMにおける読出アドレスと、VDPに設けられたフレームバッファメモリにおける書込アドレスとを指定すれば、一時記憶メモリの自動転送エリアにおける記憶アドレスを指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になるとともに、プログラム設計の負担を軽減することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるリセット/割込みコントローラは、上記実施の形態における図43のステップS417と同様に、表示制御部631が備えるVDPからのイベント割込み信号がオン状態となることによるイベント割込みの発生を検出することで、完了信号検出手段を構成する。演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、上記実施の形態における図42のステップS402と同様にして、リセット/割込みコントローラによりイベント割込みの発生が検出されずにイベント割込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達すると、所定のループ処理に入り、演出制御用タイマ割込みの発生に対応する割込み処理の実行を開始させないようにする。この演出制御用タイマ割込みの発生に対応する割込み処理では、上記実施の形態における図34に示すステップS93と同様の処理を実行して、演出制御基板620に搭載されたウォッチドッグ付リセットICをクリアする。こうした割込み処理が実行されないために演出制御基板620に搭載されたウォッチドッグ付リセットICにてタイムアウトが発生し、演出制御基板620に搭載された電力制御回路にオン状態のリセット信号が入力された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ630に対する電源電圧の供給を停止した後、所定時間が経過してからその供給を再開することで、演出制御用マイクロコンピュータ630のを再起動させる演出制御再起動手段を構成する。また、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、上記実施の形態における図27に示すステップS51の演出初期設定処理と同様の処理を実行し、上記実施の形態における図28のステップS307と同様にして、表示制御部631が備えるVDPの初期設定を行うことで、画像処理初期設定手段を構成する。このとき、表示制御部631が備えるVDPでは、演出制御用マイクロコンピュータ630から受信した初期化信号や初期設定データなどに基づき、例えば、一時記憶メモリやフレームバッファメモリの記憶内容を初期化すること、転送制御回路や描画回路あるいは動画像用デコーダなどにより実行中の処理を初期化や中断すること、画像表示装置510の表示画面に対応したフレームバッファメモリにおける記憶領域の割当てを行って表示領域を設定すること、画像表示装置510における表示画像の更新周期を設定することなどといった、各種設定動作のうちの少なくとも1つを行う処理が実行されればよい。
このような構成により、演出制御用マイクロコンピュータ630が再起動された場合には、スロットマシン500への電力供給が開始された場合などと同様に、表示制御部631が備えるVDPの初期設定を行うことができる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ630の側で表示制御部631が備えるVDPにおけるイベント割込みの発生が検出されずに、予め定められた待機期間が経過した場合に、専用の処理を実行することなく、VDPの初期設定を行うことができ、プログラム容量の増大や処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
例えば画像表示装置510におけるデモ画面の表示開始や、可変表示装置501における図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達したこと、あるいは大当り遊技状態への制御が開始されたことなどといった、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、上記実施の形態における図36のステップS206や図39のステップS280などの処理と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが事前転送指令処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき、表示制御部631が備えるCGROMからVDPに設けられた一時記憶メモリの固定アドレスエリアへの転送を指令する転送条件成立時指令手段を構成する。このとき送信された事前転送コマンドに応じて、表示制御部631が備えるVDPでは転送制御回路が、上記実施の形態における図45のステップS605と同様にして事前転送処理を実行することにより、表示制御部631が備えるCGROMから画像要素データを読み出して固定アドレスエリアに転送する。こうした処理が実行されることで、条件成立時転送設定制御手段が構成される。このような構成により、表示制御部631が備えるVDPに設けられた一時記憶メモリの固定アドレスエリアにおける記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
表示制御部631が備えるVDPに設けられた転送制御回路は、上記実施の形態における図47のステップS646や図48のステップS666と同様の処理を実行し、一時記憶メモリへのデータ転送が完了した場合に、一時記憶メモリに一時記憶された画像要素データを特定可能とするインデックステーブルにおいて「転送完了フラグ」を「オン」に設定することで、転送完了データ設定手段を構成する。また、表示制御部631が備えるVDPに設けられた描画回路は、一時記憶メモリの固定アドレスエリアまたは自動転送エリアから画像要素データを読み出す際に、上記実施の形態における図50のステップS522や図51のステップS542と同様の処理を実行することなどにより、VDPに設けられたインデックステーブルにて対応する「転送完了フラグ」が「オン」に設定されているか否かに対応して、読み出した画像要素データをフレームバッファメモリに書き込むことによる表示用データの作成を実行するか否かの決定を行うことで、作成決定手段を構成する。
このような構成により、表示制御部631が備えるCGROMからVDPに設けられた一時記憶メモリの固定アドレスエリアや自動転送エリアに転送される画像要素データと、これらの固定アドレスエリアや自動転送エリアから読み出して表示用データの作成に利用する画像要素データとを整合させることが可能になり、適切な画像要素データを用いた表示演出を行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、上記実施の形態における図36に示すステップS208〜S210の処理と同様にして演出モードフラグの値を切り替えた場合に、上記実施の形態におけるステップS211と同様に事前転送指令処理を実行し、上記実施の形態における図32のステップS351と同様にして演出モードフラグに対応する事前転送設定テーブルをセットし、演出モードフラグの値に応じて画像表示装置510における表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを特定することで、画像要素データ特定手段を構成する。この場合に送信した事前転送コマンドに応じて、表示制御部631が備えるVDPの転送制御回路に、上記実施の形態における図45のステップS605と同様にして事前転送処理を実行させることにより、表示制御部631が備えるCGROMから画像要素データを読み出して固定アドレスエリアに転送して記憶させる演出状態判定時転送設定制御手段を構成する。このような構成により、遊技機における現在の演出状態での表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを特定して固定アドレスエリアに転送することができ、一時記憶メモリを有効に利用して表示演出における制御負担をさらに軽減することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ630では、演出制御基板620に搭載された電力制御回路からの供給電圧が電断検出判定値以下となった後に、電断発生判定時間が経過すれば、電断検出回路が上記実施の形態における図44のステップS423と同様の処理を実行することにより、電源断信号をオン状態に設定することで、電源監視手段を構成する。演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUでは、演出制御用タイマ割込みよりも優先順位が高い電断チェック用タイマ割込みに対応する割込み処理として、上記実施の形態における図33のフローチャートに示す演出側電断チェック割込み処理と同様の処理を実行する。そして、電断検出回路から伝送される電源断信号がオン状態となった後に、電断判定時間が経過すれば、上記実施の形態における図33のステップS76と同様に、演出バックアップ用データをデータ記憶手段となるRAMのバックアップ領域に設定して記憶させることで、データ退避手段を構成する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、演出制御用マイクロコンピュータ630の再起動に対応して、上記実施の形態における図27に示すステップS53と同様にして演出制御復旧処理を実行する。こうして、上記実施の形態における図31のステップS334と同様に、RAMのバックアップ領域に記憶されている演出バックアップ用データにより、演出制御用マイクロコンピュータ630の制御状態を再起動される以前の状態に復旧させることで、状態復旧手段を構成する。また、上記実施の形態における図31のステップS335と同様に、表示制御部631が備えるVDPにおける各種制御の再開設定を行うことで、再開制御手段を構成する。
このような構成により、演出制御用マイクロコンピュータ630の側で表示制御部631が備えるVDPにおけるイベント割込みの発生が検出されずに、予め定められた待機期間が経過した場合に、途中となっていた表示動作を再起動後に続きから実行することができ、異常な表示状態からのより適切な復旧が可能になる。また、演出制御用マイクロコンピュータ630が再起動される場合に、制御状態を復旧させるための特別な制御を行う必要がないので、処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
表示制御部631が備えるVDPでは、動画像用デコーダが上記実施の形態における図52に示すステップS562と同様にして動画像データのデコードを行った後、上記実施の形態におけるステップS466の処理と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630に対してイベント割込み信号を出力させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ630では、CPUが上記実施の形態における図42のステップS394と同様にして動画像デコード開始コマンドを表示制御部631が備えるVDPに送信した後、リセット/割込みコントローラが上記実施の形態における図43のステップS417と同様の処理によりイベント割込みの発生を検出せずに、CPUが上記実施の形態における図42に示すステップS402と同様にして制限時間判定値に達したと判定することで、所定のループ処理に入る。その後、演出制御基板620に搭載されたウォッチドッグ付リセットICにおけるタイムアウト発生に基づき、演出制御基板620に搭載された電力制御回路が演出制御用マイクロコンピュータ630に対する電源電圧の供給を所定時間が経過するまで停止させてから再開させることで、演出制御用マイクロコンピュータ630を再起動させる。これにより、動画像データのデコードに異常が発生して動画像の再生が中断された場合でも、所定の待機期間が経過すれば異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
画像表示装置510の画面上には、例えば可変表示装置501の前面における配置部分などに、画像表示が制限される非表示領域510Bが設けられている。表示制御部631が備えるVDPに設けられた描画回路は、演出制御用マイクロコンピュータ630からの固定アドレス指定表示コマンドを受信したことに応答して上記実施の形態における図50に示す固定アドレス指定表示処理と同様の処理を実行し、上記実施の形態におけるステップS524と同様にして画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行うことで、書込位置判定手段を含んだ配置判定手段を構成する。そして、書込先が非表示領域となる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ630から固定アドレス指定表示コマンドを受信していても、上記実施の形態におけるステップS525と同様の処理をスキップすることにより、表示制御部631が備えるVDPに設けられたフレームバッファメモリに対する画像要素データの書き込みを制限する表示用データ書込制限手段を構成する。あるいは、表示制御部631が備えるVDPに設けられた描画回路は、演出制御用マイクロコンピュータ630から自動転送表示コマンドを受信したことに応答して上記実施の形態における図51に示す自動転送表示処理と同様の処理を実行し、上記実施の形態におけるステップS544と同様にして画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行うことで、書込位置判定手段を含んだ配置判定手段を構成する。そして、書込先が非表示領域となる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ630から自動転送表示コマンドを受信していても、上記実施の形態におけるステップS545と同様の処理をスキップすることにより、表示制御部631が備えるVDPに設けられたフレームバッファメモリに対する画像要素データの書き込みを制限する表示用データ書込制限手段を構成する。
これにより、画像表示装置510の画面上における非表示領域510Bに対応して割り当てられたフレームバッファメモリのアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。また、表示制御部631が備えるVDPでは、描画回路が自動的に書込先が非表示領域である場合の書き込みを制限するようにしているので、スロットマシン500などの遊技機を設計する段階で非表示領域に画像を表示させないための配慮を行う必要がなくなり、遊技機の設計負担を軽減することができる。加えて、表示制御部631が備えるVDPに設けられた描画回路により上記実施の形態における図50に示すステップS524や図51に示すステップS544と同様の処理を実行することで、演出制御用マイクロコンピュータ630の側では、画像要素の表示位置が画像表示装置510の画面上における非表示領域510Bに含まれるか否かを判断する必要がなく、非表示領域510Bが存在しない場合と同様の処理によって表示演出における制御負担の増大を防止できる。
演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、図54に示す表示更新指令処理や図55に示す書込アドレス設定処理と同様の処理を実行するようにしてもよい。この場合には、上記実施の形態における図55のステップS721と同様にして画像要素の配置が非表示領域510Bに対応した配置を含んでいるか否かの判定を行うことで、配置判定手段を構成する。そして、非表示領域510Bに対応した配置を含んでいる場合には、上記実施の形態における図55のステップS724と同様にして非表示領域510Bに対応する書込先を除外した書込アドレスを設定したり、上記実施の形態における図55のステップS723でYesと判定された場合と同様に書込アドレスの設定を行わないようにすることで、表示制御部631が備えるVDPに設けられたフレームバッファメモリに対する画像要素データの書き込みを制限する表示用データ書込制限手段を構成する。
このような構成により、画像表示装置510の画面上における非表示領域510Bに対応して割り当てられたフレームバッファメモリのアドレスに画像要素データを書き込んで表示用データを作成する場合に比べて、表示演出における制御負担を軽減することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUにより自動的に書込先が非表示領域である場合の書き込みを制限することで、スロットマシン500などの遊技機を設計する段階で非表示領域に画像を表示させないための配慮を行う必要がなくなり、遊技機の設計負担を軽減することができる。加えて、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUにより上記実施の形態における図55のフローチャートに示すような書込アドレス設定処理と同様の処理を実行することで、表示制御部631が備えるVDPでは、画像要素の表示位置が画像表示装置510の画面上における非表示領域510Bに含まれるか否かを判断する必要がなく、非表示領域510Bが存在しない場合と同様の処理によって表示演出における制御負担の増大を防止できる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ630が備えるCPUは、演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づき、例えば入賞していない通常の遊技期間中や、入賞の発生によりレギュラーボーナスやビッグボーナスの遊技状態に移行している期間中、あるいはデモ画面を表示している期間中などに、上記実施の形態における図39に示すステップS275にて実行される表示更新指令処理と同様の処理を実行して、画像表示装置510の画面上にて、画像要素データを用いて作成された表示用データに対応した画像による演出を実行させるようにしてもよい。
以上説明したように、この発明をスロットマシンにも適用することができ、スロットマシンに適用した場合であってもパチンコ遊技機に適用した場合と同様の効果を得ることができる。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御部が備えるVDPに対して、固定アドレス指定表示コマンドと自動転送表示コマンドとを区別して送信するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出制御用マイクロコンピュータがVDPに対して画像要素データをフレームバッファメモリへと書き込むことによる画像要素の表示を指示する任意の指令が送られるものであればよい。例えば、VDP141には、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令があったことを示す表示制御指令レジスタと、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155AまたはCGROM142からの読出対象となる画像要素データの読出アドレスが格納される読出アドレスレジスタとを設けておく。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131は、図40に示すステップS376、S380の処理や、図54に示すステップS706、S710の処理において、VDP141が備える表示制御指令レジスタの記憶データをオン状態であることを示すデータに書き換えるとともに、一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155AまたはCGROM142の読出アドレスをVDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むようにする。また、これらの処理においては、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスや、画像要素データのデータ量なども、VDP141に通知すればよい。
この場合、VDP141では、表示制御指令レジスタの記憶データがオン状態であることを示すデータに書き換えられたことに応答して、読出アドレスレジスタの記憶データを読み出し、その読出データに示されるアドレスが一時記憶メモリ155の固定アドレスエリア155Aに含まれるアドレスであるか否かの判定を行う。このとき、固定アドレスエリア155Aに含まれるアドレスであれば、描画回路154が図49のステップS502にて固定アドレス指定表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS503の固定アドレス指定表示処理と同様の処理を実行することで、読出アドレスレジスタからの読出データに基づいて特定される画像要素データを固定アドレスエリア155Aから読み出し、フレームバッファメモリ156に書き込むことができる。また、読出アドレスレジスタからの読出データに示されるアドレスが固定アドレスエリア155A以外のアドレスである場合には、転送制御回路152が図45のステップS606にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS607の自動転送制御処理と同様の処理を実行し、また、描画回路154が図49のステップS504にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合に実行するステップS505の自動転送表示処理と同様の処理を実行すればよい。これらの処理が実行されることで、読出アドレスレジスタからの読出データに基づいて特定される画像要素データを転送制御回路152がCGROM142から読み出して一時記憶メモリ155の自動転送エリア155Bに書き込んだ上で、この画像要素データを描画回路154が自動転送エリア155Bから読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むことができる。
以上のようにして、VDP141が読出アドレスレジスタからの読出データに示されるアドレスに基づいて、画像要素データを固定アドレスエリア155Aから読み出すかCGROM142から読み出すかを決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131の側において、例えば図40のステップS372や図54のステップS702の処理のように、事前転送の対象となる画像要素であるか否かの判定を行わずに、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに基づいて特定した読出アドレスを、VDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むようにすればよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131の側では、固定アドレス指定表示コマンドに相当する表示制御指令を送信するか自動転送表示コマンドに相当する表示制御指令を送信するかを区別せずに、表示制御データなどに基づいて特定された読出アドレスをVDP141が備える読出アドレスレジスタに書き込むという、同種の処理が実行されればよい。
上記実施の形態では、図51に示すステップS546にて描画が完了したと判定された場合に、ステップS548にて転送完了フラグをクリアすることで、自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データの再利用は行わないようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、自動転送エリア155Bに一時記憶された画像要素データを再利用できるようにしてもよい。例えば、VDP141には、自動転送エリア155Bに一時記憶されている各々の画像要素データの使用頻度を特定するための使用回数カウンタを設けておく。
この場合、転送制御回路152は、図45のステップS606にて自動転送表示コマンドを受信したと判定された場合にステップS607にて実行する自動転送制御処理において、例えば図48に示すステップS661の処理を実行することによりCGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定した後、このアドレスから読み出される画像要素データが、インデックステーブル251に登録されているかを照合する。そして、インデックステーブル251に登録されていれば、図48に示すステップS662〜S646のような処理は実行せずに、インデックステーブル251から特定される自動転送エリア155Bにおける画像要素データの記憶アドレスを、描画回路154に通知すればよい。このときには、対応する使用回数カウンタの値を、例えば1加算するなどして更新する。
これに対して、ステップS661にて読出アドレスを特定した画像要素データがインデックステーブル251に登録されていない場合には、ステップS662と同様にして自動転送エリア155Bにおける画像要素データの書込アドレスを特定する。このとき、自動転送エリア155Bに空き領域がなければ、例えば使用回数カウンタのカウント値が所定値以下である画像要素データの記憶領域を特定し、その記憶領域に画像要素データを上書きするように、書込アドレスの特定を行えばよい。そして、上書きにより消去された画像要素データに対応してインデックステーブル251に格納されている「転送完了フラグ」は「オフ」に設定するとともに、「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータは消去すればよい。また、上書きにより消去された画像要素データに対応する使用回数カウンタは初期化すればよい。
なお、上書きにより消去する画像要素データの特定方法は、使用回数カウンタの値が所定値以下であるものを特定する方法に限定されず、例えば自動転送エリア155Bに書き込まれたタイミングが古いものを特定する方法などといった、任意の方法を用いることができる。また、使用回数カウンタの値を更新するタイミングは、転送制御回路152により画像要素データがインデックステーブル251に登録されていることを特定したタイミングに限定されず、例えば描画回路154によりフレームバッファメモリ156への書き込みが完了したタイミングなどであってもよい。
上記実施の形態では、電断検出回路137からの電源断信号がオン状態となった場合に、CPU131が図33のステップS76〜S79の処理を実行することで、演出制御用マイクロコンピュータ120の再起動を行うにあたり、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データをRAM133のバックアップ領域に設定して記憶させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出制御用マイクロコンピュータ120の再起動を行うにあたり、任意のタイミングで制御状態を復旧させるためのデータを記憶できるものであればよい。例えば、CPU131は、図42のステップS402にてリセット/割込みコントローラ136によりイベント割込みの発生が検出されずにイベント割込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達した場合に、図33のステップS76〜S79と同様の処理を実行することにより制御状態を復旧させるためのデータをRAM133のバックアップ領域に設定して記憶させてから、所定のループ処理に入るようにしてもよい。この場合には、ウォッチドッグ付リセットIC124からのリセット信号を演出制御用マイクロコンピュータ120に入力させ、リセット/割込みコントローラ136が、オン状態のリセット信号を検出したことに対応して、演出制御用マイクロコンピュータ120のリセットを発生させて再起動させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、VDP141が備える動画像用デコーダ158によりピクチャデータのデコードが完了したことを示すイベント割込み信号を、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120に対して出力し、このイベント割込み信号が出力されずにイベント割込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達した旨の判定がなされた場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばVDP141において画像表示装置5における画像表示に関する所定の処理が完了したことを示す任意の完了信号を、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120に対して出力し、この完了信号が出力されずに所定の待ち時間が経過した場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120を再起動させるものであればよい。そして、完了信号を出力するためにVDP141において完了すべき処理としては、例えば、転送制御回路152によりCGROM142から読み出した画像要素データや動画像データを一時記憶メモリ155に対して転送する処理や、描画回路154により一時記憶メモリ155から読み出した画像要素データや動画像データをフレームバッファメモリ156に書き込んで記憶させる処理や、動画像用デコーダ158によりCGROM142または一時記憶メモリ155から読み出した動画像デコーダに対して所定の変換を施す処理や、描画回路154が一時記憶メモリ155から読み出した複数種類の画像要素データや動画像データなどを用いて画像表示装置5における1画面分の表示用データを作成する(描画する)処理などといった、各種の画像表示に関わる処理のうち、少なくともいずれか1種類を含む処理として、予め定められていればよい。
また、上記実施の形態では、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件として、画像表示装置5、510においてデモ画面の表示が開始された場合や、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示回数や可変表示装置501における図柄の可変表示回数が事前転送判定値に達した場合、あるいは大当り遊技状態やビッグボーナス、レギュラーボーナス等への移行が開始された場合などに、事前転送指令処理や事前転送処理を実行することで、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき事前に転送するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技の進行状況に対応して予め定められた任意の転送条件が成立したことにより、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき事前に転送できるものであればよい。あるいは、例えばVDP141が備える描画回路154により図50に示すステップS529の処理が実行されてエラーが通知された場合のように、VDP141などにおける画像処理動作の進行状況に対応して予め定められた任意の転送条件が成立したことにより、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データにつき事前に転送できるようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
パチンコ遊技機1やスロットマシン500の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。