JP2007209004A - 通信用電力増幅器 - Google Patents

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和也 山本
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Abstract

【課題】デュアルバンド電力増幅器の最終段トランジスタにおける電流集中を、バンド間アイソレーションを劣化させることなく回避する。
【解決手段】最終段電力増幅トランジスタ(Trg3,Trd3)の単位トランジスタについて、最終出力増幅トランジスタ形成領域(PW3)内に単位トランジスタを交互にまたは取囲むように混在して配置する。また、これらの最終出力段トランジスタが結合する出力信号線の間に、インダクタンス素子(Lcc)を接続する。
【選択図】図1

Description

この発明は、通信用電力増幅器に関し、特に、デュアルバンドまたはトリプルバンドなどのマルチバンド用の通信用電力増幅器の構成に関する。より特定的には、この発明は、マルチバンド電力増幅器のトランジスタ特性の劣化を、通信品質の劣化およびチップサイズの増大を伴うことなく防止するための構成に関する。
現在、移動体通信用の電力増幅器としては、GaAsMESFET(金属−半導体電界効果トランジスタ)、GaAsHEMT(高電子移動度トランジスタ)、およびGaAsHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)を用いたMMIC(モノリシックマイクロウエーブIC)またはモジュール(ハイブリッドICまたはマルチチップモジュール)が広く用いられている。これらのトランジスタのうち、ガリウム砒素(GaAs)またはシリコン・ゲルマニウム(SiGe)のヘテロジャンクションを利用するGaAs−HBTおよびSiGe−HBTは、従来のFET(電界効果トランジスタ)に比べて以下の利点を有するため、現在の移動体通信用の電力素子として最も期待されている:
(1) 負のゲートバイアス電圧を必要とせず、単一電源動作を実現することができる;
(2) Si−MOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)と同様に、ドレイン(コレクタ)側にアナログスイッチを設けなくても、出力のオン/オフ動作を行なうことができる;および
(3) 出力電力密度が高く、規定の出力を、FET電力増幅器よりも小型な電力増幅器を用いて得ることができる。
移動体通信の代表的な応用として、携帯電話システムがある。この携帯電話システムとして、現在最も広く用いられている900MHz帯域携帯電話システムである欧州GSM(グローバル・システム・フォー・モビール・コミュニケーションズ(GLOBAL SYSYTEM FOR MOBILE COMMUNICATION))、および欧州で広く用いられている1800MHz帯携帯電話システムであるDCS(デジタル・コードレス・システムズ(DIGITAL CORDLESS SYSTEMS))がある。これらのGSMおよびDCS等の通信方式においては、1Wないし4Wの高出力の携帯電話が用いられており、その電力増幅器として、これまで主流であったSi−MOSFET電力増幅器に代えて、HBTの有する特徴を活かした電力増幅器(HBT電力増幅器)が適用され始めている。
図14は、従来のGSM−DCSデュアルバンド電力増幅回路の構成を概略的に示す図である。図14において、デュアルバンド用電力増幅回路は、活性化時、DCS信号IN_DCSとバイアス電圧Vdccとを受けて出力信号OUT_DCSを生成するDCS電力増幅器900と、活性化時、入力信号IN_GSMとバイアス電圧Vgccとを受けて入力信号IN_GSMを増幅して出力信号OUT_GSMを生成するGSM電力増幅器902と、出力制御電圧Vpcとモード選択信号Vmodに従ってDCS電力増幅器900およびGSM電力増幅器902の一方を活性化し、かつ活性化された電力増幅器のバイアス電圧を制御するバイアススイッチ904を含む。
バイアス制御電圧Vpcは、DCS電力増幅器900およびGSM電力増幅器902それぞれに対して個々に生成される。
このデュアルバンド用電力増幅回路においては、バイアススイッチ904の制御の下に、モード選択信号Vmodに従って、DCS電力増幅器900およびGSM電力増幅器902の一方が活性化される。DCS電力増幅器900の出力信号OUT_DCSまたはGSM電力増幅器902の出力信号OUT_GSMが、共通のアンテナを介して送信される。
図15は、図14に示すDCS電力増幅器900の構成の一例を示す図である。図15において、DCS電力増幅器900は、入力信号IN_DCSを受ける入力整合回路911と、入力整合回路911を介して与えられる信号を増幅する第1の増幅段912と、段間結合回路913を介して第1の増幅段912の出力信号を受けて増幅する第2の増幅段914と、第2の増幅段914の出力信号を段間整合回路915を介して受けて増幅する第3の増幅段916と、第3の増幅段916の出力信号を受けて出力信号OUT_DCSを生成する出力整合回路917とを含む。
入力整合回路911は、スタブと抵抗と容量素子で構成され、入力信号とこの電力増幅器900の入力インピーダンスの整合を取る。増幅段912、914および916へは、コレクタバイアス電圧Vdc1、Vdc2およびVdc3が与えられる。これらの増幅段912、914および916は、それぞれ、ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ(HBT)Trd1、Trd2、およびTrd3を、それぞれ電力増幅素子として含む。これらのトランジスタTrd1−Trd3のそれぞれのコレクタノードへ、安定化用のスタブおよび容量素子により形成される安定化回路を介して、コレクタバイアス電圧Vdc、Vdc2およびVdc3が与えられる。
増幅段912、914および916それぞれにおいて、スタブおよび容量素子で構成される安定化回路を介してコレクタバイアス電圧Vdc1、Vdc2およびVdc3を、電力増幅トランジスタTrd1、Trd2およびTrd3のコレクタへ与えることにより、これらの電力増幅トランジスタTrd1−Trd3のベース電位に従って、そのコレクタ電位を安定にかつ高速で変化させる。
DCS電力増幅器900は、さらに、DCS用バイアス電圧Vdccを受けるローパスフィルタ920と、このローパスフィルタ920からのバイアス電圧Vdccと図14に示すバイアススイッチ904からのベースバイアス制御電圧VDCSに従って電力増幅トランジスタTrd1、Trd2およびTrd3のベース電圧を調整するバイアス電圧制御回路921および924および926と、図17に示すバイアススイッチ904からのモード選択信号Vmoddに従ってこれらのバイアス電圧制御回路921、924および926の出力バイアス電圧を選択的に接地電圧レベルに固定するモード切換回路922を含む。バイアス電圧制御回路921は、抵抗素子で構成される。
モード切換回路922は、モード選択信号Vmoddに応答して選択的に導通するスイッチングトランジスタを含み、このスイッチングトランジスタのオン/オフ状態により、電力増幅器900を非活性/活性状態に設定する。
モード選択信号Vmoddは、図14に示すモード選択信号Vmodに従ってバイアススイッチ904により生成される。モード選択信号Vmoddが、Hレベルのときには、モード切換回路922は、そのスイッチングトランジスタがオン状態となり、これらの電力増幅トランジスタTrd1、Trd2およびTrd3のベース電圧を、接地電圧またはベース−エミッタ間電圧レベルに固定し、これらの電力増幅トランジスタTrd1−Trd3をすべてオフ状態に設定する。
一方、モード選択信号VmoddがLレベルのときには、このモード切換回路922においてスイッチングトランジスタが非導通状態となり、バイアススイッチ904からのバイアス制御電圧VDCSが、バイアス電圧制御回路(抵抗素子)921を介して初段の電力増幅トランジスタTrd1のベースに与えられ、また電力増幅トランジスタTrd2およびTrd3のベースへは、バイアス電圧Vdccとバイアス制御電圧VDCSに従った電圧レベルのバイアス電圧が、バイアス電圧制御回路924および926により与えられる。電力増幅トランジスタTrd1、Trd2、およびTrd3が、これらのベースバイアス電圧に従って前段の整合回路からベースに与えら得られた信号を増幅する。バイアス制御電圧VDCSに従って増幅段914および916の増幅率を調整する。
この図15において、破線ブロック930で示される部分が、通常1つの半導体チップで構成され、その外部に、スタブおよび容量が配置される。
最終段の電力増幅トランジスタTrd3は、出力整合回路917を介して出力信号OUT_DCSを生成し、次段のカプラを介してアンテナへ信号を送出する。したがって、この最終段の電力増幅トランジスタTrd3の駆動能力は、前段の電力増幅トランジスタTrd1およびTrd2に比べて十分大きくされる。この最終段の電力増幅トランジスタTrd3のコレクタノードは、通常、パッドを介して外部に配置されるスタブに結合される。出力ノードにおいて、オープンスタブを配置して、出力容量負荷を調整して、この最終段の増幅段916の出力信号を安定化する。
図16は、図14に示すGSM電力増幅器904の構成の一例を示す図である。図16において、GSM電力増幅器904は、GSM入力信号IN_GSMを受ける入力整合回路951と、入力整合回路951を介して与えられる信号を増幅する第1の増幅段952と、この第1の増幅段952の出力信号を段間整合回路953を介して受けて増幅する第2の増幅段954と、この第2の増幅段954の出力信号を段間整合回路955を介して受けて増幅する第3の増幅段956と、第3の増幅段956の出力信号を出力ノードへ伝達する出力整合回路957を含む。
第1の増幅段952は、電力増幅トランジスタTrg1を含み、第2の増幅段954は、電力増幅トランジスタTrg2を含み、第3の増幅段956は、電力増幅トランジスタTrg3を含む。電力増幅トランジスタTrg1はコレクタに、スタブと容量素子とで形成される安定化回路を介してコレクタ制御電圧Vgc1を受ける。電力増幅トランジスタTrg2は、そのコレクタに、スタブおよび容量素子とで構成される安定化回路を介して、コレクタ制御電圧Vgc2を受ける。電力増幅トランジスタTrg3は、そのコレクタに、容量素子およびスタブにより構成される安定化回路を介して、コレクタ制御電圧Vgc3を受ける。
GSM電力増幅器904は、さらに、バイアス電圧Vgccを受けるローパスフィルタ960と、図14に示すバイアススイッチ904からのバイアス制御電圧VGSMを電力増幅トランジスタTrg1のベースに与えるためのバイアス電圧制御回路(抵抗素子)961と、バイアス電圧Vgccとバイアス制御電圧VGSMとに従って、電力増幅トランジスタTrg2のベースに対するバイアス電圧を調整するバイアス電圧制御回路964と、バイアス電圧Vgccとバイアス制御電圧VGSMとに従って、電力増幅トランジスタTrg3のベースバイアス電圧を調整するバイアス制御回路966と、図14に示すバイアススイッチ904からのモード選択信号Vmodgに従ってバイアス制御電圧VGSMを接地電圧レベルに駆動し、これらの電力増幅トランジスタTrg1、Trg2およびTrg3を非導通状態に設定するモード切換回路962を含む。
モード切換回路962は、モード選択信号Vmodgに応答して選択的にオン状態となるスイッチングトランジスタを含む。このスイッチングトランジスタのオン/オフ状態によりGSM電力増幅器が選択的に非活性/活性状態に設定される。
モード選択信号Vmodgは、図14に示すバイアススイッチ904により、モード選択信号Vmodに従って生成される。このモード選択信号VmodgがHレベルのときには、モード切換回路962において、スイッチングトランジスタがオン状態となり、バイアス制御電圧VGSMが接地電圧レベルのLレベルとなり、電力増幅トランジスタTrg1が非導通状態となる。また、バイアス制御回路964および966においては、それぞれの出力電圧が、電力増幅トランジスタTrg2およびTrg3のベース−エミッタ間電圧となり、これらの電力増幅トランジスタTrg2およびTrg3も非導通状態となる。したがってこの状態においては、GSM電力増幅器904の電力増幅動作は停止される。
一方、モード選択信号VmodgがLレベルとなると、モード切換回路962においてスイッチングトランジスタがオフ状態となり、バイアス電圧制御回路961、964および966により電力増幅トランジスタTrg1、Trg2、Trg3のベース電圧が、バイアス電圧VGSMおよびバイアス制御電圧Vgccに従ってバイアスされ、それぞれ前段の整合回路からの信号をベースに受けて増幅動作を行う。
この図15および図16に示す電力増幅器900および904は、その処理周波数が異なるだけであり、3段の増幅段を有している。最終段の電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3は、出力パッドにコレクタが結合され、出力整合回路957を介して大きな駆動力で、出力負荷を駆動するため、その電流駆動能力が十分大きくされる。
バイアススイッチ902は、DCSモードおよびGSMモードそれぞれに対するバイアス制御電圧VpcdおよびVpcgを受けかつモード選択信号VmoddおよびVmodgを受け、それぞれ、DCS電力増幅器900およびGSM電力増幅器904の一方を、モード選択信号に従って活性化する。
このバイアススイッチ902により、電力増幅器900および904の一方を選択的に活性化することにより、1800MHz帯域のDCSおよび900MHz帯域のGSMで通信を行なうことができる。
特開2001−102460号公報
図17は、デュアルバンド用電力増幅回路を含む携帯電話機の要部の構成を概略的に示す図である。図17において、携帯電話機は、DCS電力増幅器900に対するコレクタバイアス電圧Vdc1−Vdc3とバイアス電圧VdccとGSM電力増幅回路902に対するコレクタバイアス電圧Vgc1−Vgc3とバイアス電圧Vgccを供給するバッテリ電源980と、DCS電力増幅器900の出力信号を伝達するバンドアイソレータとして機能する高周波カプラ982と、GSM電力増幅回路902の出力信号を伝達するバンドアイソレータとして機能する高周波カプラ984と、図示しないモード選択信号に従ってこの高周波カプラ982および984の出力信号の一方を選択してアンテナ988に伝達する選択回路986と、高周波カプラ982の出力信号をモニタし、そのモニタ結果に従ってバイアス制御電圧Vpcdを生成する出力制御回路990と、高周波カプラ984の出力信号をモニタし、そのモニタ結果に従ってバイアス制御電圧Vpcgを生成する出力制御回路992を含む。
これらの出力制御回路990および992のバイアス制御電圧VpcdおよびVpcgが、バイアススイッチ904へ与えられ、このバイアススイッチ904は、これらのバイアス制御電圧VpcdおよびVpcgに従って、電力増幅回路900および902に対するベースバイアス電圧VDCSおよびVGSMの電圧レベルを調整する。
GSMおよびDCS用途においては、電力増幅器は、1W以上の大きな出力電力を取扱うことが要求される。したがって、電圧レギュレータにおける電力損失を低減するために、この電力増幅回路900および902に対するバイアス電圧Vdc1−Vdc3、Vdcc、Vgc1−Vgc3およびVgccは、バッテリ電源980から直接与えられる。
また、DCS電力増幅回路900の出力信号は、高周波カプラ982および選択回路985を介してアンテナ988に伝達され、またGSM電力増幅回路902の出力信号は、高周波カプラ984および選択回路986を介してアンテナ988へ伝達される。これらの電力増幅回路900および902の出力端子とアンテナ端の間には、通常、国内の携帯電話(たとえばPDC(パーソナル・デジタル・セルラー))などにおいて一般に用いられているアイソレータは用いられない。このアイソレータは、アンテナ端子988の出力インピーダンスが変動した際に、これらの電力増幅回路900および902の出力負荷インピーダンスの変動を抑制するために設けられる。GSMおよびDCS用途においては、小型化および出力損失の低減のためにこのようなアイソレータは用いられず、単に高周波カプラ982および984が用いられるだけである。
したがって、このバッテリ電源980の充電時の高電源電圧状態およびアンテナ端子988の負荷変動の影響が、直接、電力増幅器900および902へ与えられるというような、電力増幅器900および902にとって、過酷な使用状態が存在する。このような高電源電圧時に、大きな出力負荷変動を受けた場合、コレクタ損失が増大し、その電流損失により発熱が生じ、電力増幅トランジスタを構成するトランジスタセルの不均一動作が生じる。この電力増幅トランジスタの不均一動作は、電力増幅トランジスタが、複数の単位トランジスタセルで構成され、その単位トランジスタセルのコレクタ電流の分布により動作温度条件が異なり、この温度条件の相違により生じる。
特に、最終段の電力増幅トランジスタTrg3またはTrd3内部における単一トランジスタセル内の不均一動作は、一部の単位トランジスタセルの動作電流が、この最終段トランジスタ全体の動作電流の大部分を占めるという電流集中を引起す。この結果、バースト動作時におけるパルス内出力電力の変動を招いたり、最悪の場合には、最終段電力増幅トランジスタの破壊に繋がるという問題を生じる。
このような発熱による電流集中の問題は、大きな出力電力を得るために、複数の単位トランジスタセルをチップ内に近接して配置する電力増幅器特有の問題である。
図18は、図15および図16に示す電力増幅器のチップレイアウトを概略的に示す図である。図18において、DCS電力増幅器900およびGSM電力増幅器902が、半導体チップ999の2分割領域にそれぞれ形成される。この半導体チップ上に図15および図16において破線ブロックで示した回路が配置される。
DCS電力増幅器900は、初段電力電力増幅トランジスタTrd1が、トランジスタ形成領域PWD1に配置され、2段目の電力増幅トランジスタTrd2が、トランジスタ形成領域PWD2に配置される。これらのトランジスタ形成領域PWD2およびPWD1の間に、電力増幅器Trd1およびTrd2の段間の整合を取るための段間整合回路912を形成するための整合回路配置領域IMD12が配置される。
このDCS電力増幅器900において、さらに、2段目の電力増幅トランジスタTrd2と3段目(最終)の電力増幅トランジスタTrd3の段間の整合を取るための段間整合回路915が、整合回路配置領域IMD23に配置される。この整合回路配置領域IMN23に関してトランジスタ形成領域PWD1およびPWD2と整合回路配置領域IMD12と対向して、最終段の電力増幅トランジスタTrd3を配置するトランジスタ形成領域PWD3が配置される。トランジスタ形成領域PWD1、整合回路形成領域IMN12、およびトランジスタ形成領域PWD2が1列に整列して配置され、こらの領域PWD1、IMN12およびPWD2に隣接して、整合回路配置領域IMN23が配置される。
初段電力増幅トランジスタTrd1は、たとえば2個の単位トランジスタセルで構成され、2段目の電力増幅トランジスタTrd2は、例えば10個の単位トランジスタセルで構成される。最終段の電力増幅トランジスタTrd3は、例えば6×10個の単位トランジスタセルで構成される。
最終段の電力増幅Trd3を配置するトランジスタ形成領域PWD3に隣接し、空き領域EPYが配置される。これらの空き領域EPYとトランジスタ形成領域PWD3に対面して、DCS用出力ボンディングパッドを配置するパッド領域OBDが配置される。この最終段の電力増幅トランジスタTrd3の駆動電流は大きく、その出力信号線の配線幅も大きいため、このパッド領域OBDにおいては、複数のボンディングパッドを配置し、出力配線幅を十分大きく取る。
GSM電力増幅器902については、初段電力電力増幅トランジスタTrg1が、トランジスタ形成領域PWG1に配置され、2段目の電力増幅トランジスタTrg2が、トランジスタ形成領域PWG2に配置される。これらのトランジスタ形成領域PWG1およびPWG2の間に、段間整合回路953を配置する整合回路配置領域IMG12が配置される。これらの領域PWG1、IMG12およびPWG2が、1列に整列して配置される。
これらの領域PWG1、PWG2およびIMG12に隣接して、段間整合回路955を配置する整合回路配置領域IMG23が配置される。
最終段の電力増幅トランジスタTrg3は、整合回路配置領域IMG23と隣接し、かつトランジスタ形成領域PWD3および空き領域EPYと整列して配置されるトランジスタ形成領域PWG3に形成される。
電力増幅トランジスタTrg1は、たとえば4個の単位トランジスタセルで構成され、2段目の電力増幅トランジスタTrg2は、たとえば16個の単位トランジスタセルで構成される。最終段の電力増幅トランジスタTrg3は、たとえば10×10個の単位トランジスタセルで構成される。
トランジスタ形成領域PWG3に隣接して、GSM用出力ボンディングパッドを配置する出力ボンディングパッド領域OBGが設けられる。
電力増幅器900および902は、半導体チップ999上に集積化される。この図18に示すように、これらのDCS電力増幅器900および902において、対応する構成要素を形成する領域を、並列して配置させることにより、実質的に同じ回路構成である電力増幅器900および902を、効率的に配置し、またそのレイアウトを容易化する。
この図18に示すように、電力増幅器900および902においては最終段の電力増幅トランジスタは、初段および2段の電力増幅トランジスタに比べて、その電流駆動力が大きく、大きなチップ面積を占める。
図19は、これらの電力増幅器900および902の最終段の電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3の構成を概略的に示す図である。これらの最終段出力増幅トランジスタTrd3およびTrg3は、そこに含まれるトランジスタセルの数が異なるだけであり、図19においては、1つの電力増幅トランジスタの構成を示す。
図19において、最終段出力増幅トランジスタは、m行n列に配列される単位トランジスタTr11−Tr1nないしTrm1−Trmnを含む。これらの単位トランジスタTr11−Tr1nないしTrm1−Trmnは、それぞれ、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)で構成される。
単位トランジスタ行それぞれに対応してサブコレクタ線SCL1−SCLmが配置され、また単位トランジスタセル行それぞれに対応して、サブベース線SBL1−SBLmが配置される。サブベース線SBL1−SBLmは、それぞれ、ベースバイアス電圧制御回路からのベースバイアス電圧と前段の段間整合回路からの高周波入力(RF入力)をそれぞれノードAおよびBを介して受けるメインベース線MBLに結合される。サブコレクタ線SCL1−SCLmは、出力ノードCに結合されるメインコレクタ線MCLに共通に結合される。
単位トランジスタTr11−Tr1n−Trm1−Trmnは、それぞれ、ベースバラスト抵抗Rb11−Rb1nないしRbm1−Rbmnを介して、それぞれのベースが、対応のサブベース線SBL1−SBLmに結合される。また、単位トランジスタTr11−Tr1nないしTrm1−Trmnは、それぞれ、エミッタバラスト抵抗Re11−Re1nないしRem1−Remnを介して接地ノードにそれぞれのエミッタが結合される。
これらのバラスト抵抗Rb11−Rb1nないしRbm1−RbmnおよびRe11−Re1nないしRRem1−Remnは、それぞれ、温度上昇時において、コレクタ電流が増大した場合、負帰還をかけ、対応の単位トランジスタのベース−エミッタ間電圧を低減し、そのコレクタ電流の増大を抑制する。これらの複数の単位トランジスタで構成されるバイポーラトランジスタを、マルチフィンガーバイポーラトランジスタと称す。
図20は、図19に示す最終段の電力増幅トランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。図20において、単位トランジスタTrを形成する単位セル領域11−17、21−27、31−37、41−47、51−57、および61−67が、6行に整列して配置される。これらの単位セル領域は、3つのブロックBA、BBおよびBCに分割される。ブロックBA、BBおよびBCは、それぞれ2行に整列して配置される単位セル領域を含む。
単位セル領域11−17、21−27、31−37、41−47、51−57、および61−67それぞれにおいては、HBTが、それぞれ形成され、エミッタ領域、コレクタ領域、およびベース領域を含む。
1行に整列して配置される単位セル領域(単位トランジスタTr)に対し共通に、サブエミッタ配線5c1−5c6が、それぞれ配置され、対応の行に配置される単位セル領域のエミッタ領域が結合される。これらのサブエミッタ配線5c1−5c6は、単位トランジスタ形成領域の両側に列方向に延在して配置されるエミッタ配線5aおよび5bに接続される。これらのエミッタ配線5aおよび5bは、接地電圧を供給する接地ノードに結合される。サブエミッタ配線5c1−5c6と単位トランジスタTrを形成する領域と重なる領域において、エミッタバラスト抵抗が、たとえばエピタキシャル層により形成される。
ブロックBA−BCそれぞれにおいて、対応のブロックの単位セル領域に共通に、ベース配線2b1−2b3が配置される。これらのサブベース配線2b1−2b3は、対応のブロックにおいて2行に配置される単位セル領域の間の領域に延在して配置され、対応のブロックの単位セル領域のベース領域に、ベースバラスト抵抗7を介して結合される。
これらのサブベース配線2b1−2b3は、それぞれ、ベース配線2aに結合される。このベース配線2aは、また、高周波信号入力部1に結合される。この高周波信号入力部1は、前段の増幅段から、段間整合回路を介して高周波入力(RF入力)を受ける。このベース配線2aには、また対応のバイアス電圧制御回路からのベースバイアス制御電圧が伝達される。単位セル領域11−17〜61−67に形成される単位トランジスタTrは、ヘテロ接合バイポーラトランジスタHBTであり、これらのサブベース配線2b1、2b2および2b3には、ベース電流Ib1、Ib2、およびIb3が伝達される。
さらに、単位セル領域の各行に対応して、サブコレクタ配線4b1、4b6が対応の行の単位セル領域に共通に配設される。これらのサブコレクタ配線4b1−4b6の各々は、対応の行の単位セル領域のコレクタ領域に共通に結合される。これらのサブコレクタ配線4b1−4b6は、共通に、コレクタ配線4aに接続される。コレクタ配線4aは、高周波信号を出力する出力部3に接続され、その出力部3から、高周波信号(RF出力)が出力される。
サブコレクタ配線4b1−4b6それぞれには、コレクタ配線4aに供給されるコレクタ電流が分流され、それぞれに、コレクタ電流Ic1−Ic6が伝達される。
HBTにおいては、コレクタ電流は温度の上昇とともに上昇する。したがって、この温度上昇を停止させることができない場合には、コレクタ電流がさらに上昇し、この増加電流によりさらに温度が上昇し、電流が際限なく増加するという熱暴走が生じる。この熱暴走を防止するために、ベースバラスト抵抗7および図示しないエミッタバラスト抵抗が配置され、コレクタ電流の増大を抑制する。特に、各単位トランジスタTrに対しエミッタバラスト抵抗およびベースバラスト抵抗7を接続することにより、単位トランジスタTrにより形成されるマルチフィンガーバイポーラトランジスタの熱分布等の不均一性に起因するコレクタ電流Icの不均一分布を抑制する。
このようなトランジスタセルを配置する場合、サブコレクタ配線4b1−4b6において、そこを流れるコレクタ電流Ic1−Ic6は、ほぼ均一となるようにその配線インピーダンスが等しくなるように設定される。この場合、図20において円形領域8において示すように、動作時においては、駆動電流により温度分布が生じ、トランジスタアレイの中央部においてその温度が高く周辺部において温度が低いという温度分布が生じる。
このような温度分布が生じた場合、トランジスタアレイの中央部の単位セル領域34および44の領域においてコレクタ電流の集中が生じる可能性が高い。個のようなコレクタ電流の集中が生じた場合、コレクタ電流Ic1−Ic6の合計のコレクタ電流の大部分が、単位セル領域34および44に形成される単位トランジスタに流れ、この単位セル領域34および44の単位トランジスタの動作電流が、この最終段電力増幅トランジスタの動作電流の大部分を占める。
したがって、単位セル領域34および44において大きなコレクタ電流が流れた場合、この円形領域8において熱暴走が生じ、単位セル領域34および44のトランジスタが破壊されコレクタ配線4aからエミッタ配線5aおよび5bに大きな電流が流れ、この電力増幅トランジスタ全体が破壊されるという問題が生じる。
このようなマルチフィンガーバイポーラトランジスタにおける電流集中を回避するためには、単位トランジスタの間隔を広げ、単位トランジスタ間の熱干渉を抑制し、単位トランジスタを互いに熱的に孤立した状態で配置して全体の熱抵抗を下げることが有効である。しかしながら、この場合、最終段の電力増幅トランジスタのレイアウト面積の増大が生じ、チップの大きな面積を占める最終段電力増幅トランジスタの面積増大はチップサイズを増大させるという問題が生じる。
特に、GaAs等の化合物半導体により形成されるHBT増幅器の場合、Si−MOSFETよりも高価であり、チップ面積を低減するのが価格の点から重要である。
また、デュアルバンド電力増幅回路において、GSM電力増幅器およびDCS電力増幅器は、同時に動作することはないため、GSM電力増幅器およびDCS電力増幅器の最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタを交互に配置することが、たとえば特開2001−102460号公報に示されている。この構成の場合、単位トランジスタの隣接トランジスタは、動作していないため、等価的に、単位トランジスタのピッチ条件を緩和し、応じて、熱的抵抗を小さくして、発熱を抑制することを図る。
しかしながら、GSMは、900MHzの周波数帯域を利用し、またDCSは1800MHzの周波数帯域を使用している。したがって、このように単位トランジスタを交互に配置した構成において、GSM電力増幅器を利用した場合、その高調波が、最終段の電力増幅トランジスタの容量結合によりDCS電力増幅器の出力ノードに伝達され、図17に示すように、カプラ982および選択回路986を介して、このGSM送信信号に、DCS電力増幅器からの高調波ノイズ成分が重畳され、送信品質が劣化するという問題が生じる。
また、単に、チップ面積を低減するために、DCS用およびGSM用の出力トランジスタの単位トランジスタを、ピッチ条件を十分に取って、別々の領域に形成し、かつこれらのDCS用出力トランジスタ形成領域とGSM用出力トランジスタ形成領域を互いに近接して配置した場合、同様に配線間の結合容量により、ノイズが重畳され、送信品質が劣化するという問題が生じる。また、この場合、チップ面積の低減の観点から、単位トランジスタのピッチを十分に大きくすることができないため、電流集中の問題を十分に解決することができない。
それゆえ、この発明の目的は、送信品質を低下させることなくチップサイズを低減することのできる通信用電力増幅器を提供することである。
この発明の他の目的は、チップサイズを、電流集中を回避しつつ低減することのできるマルチバンド通信用電力増幅器を提供することである。
この発明の第1の観点に係る通信用電力増幅器は、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタと、第1の出力トランジスタの出力ノードと第2の出力トランジスタの出力ノードとの間に配置されるインダクタンス素子とを備える。第1の出力トランジスタは、複数の第1の単位トランジスタセルを含み、第2の出力トランジスタは、複数の第2の単位トランジスタセルを含む。第1および第2の出力トランジスタは、ある方向に沿って整列される2個の第1の単位トランジスタセルの間に1個の第2の単位トランジスタセルが形成される部分を少なくとも1箇所含む。この少なくとも1箇所において、第1の単位トランジスタセルと第2の単位トランジスタセルは、第1の方向と前記第1の方向と直交する第2の方向の少なくとも一方方向に沿って交互に配置される。
この発明の第2の観点に係る通信用電力増幅器は、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタと、第1の出力トランジスタの出力ノードと第2の出力トランジスタの出力ノードとの間に配置されるインダクタンス素子とを備える。第1の出力トランジスタは、複数の第1の単位トランジスタセルを含む。第2の出力トランジスタは、複数の第2の単位トランジスタセルを含む。複数の第1の単位トランジスタセルと複数の第2の単位トランジスタセルは、第1の方向および前記第1の方向と直交する第2の方向に整列して配置され、各々が第1の導通ノードと第2の導通ノードと制御ノードとを含む。
第1の出力トランジスタは、さらに、複数の第1の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する前記第1の方向に延在して配置される複数の第1の配線と、複数の第1の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する第2の方向に延在して配置される複数の第2の配線と、第1の単位トランジスタセルの制御ノードを電気的に相互接続する第2の方向に沿って延在する複数の第3の配線と、第1の配線に電気的に接続されて前記第1の出力トランジスタの出力ノードを形成する前記第2の方向に延在する第4の配線とを含む。
第2の出力トランジスタは、さらに、第1の方向に沿って延在して配置され、かつ第2の方向において第1の配線と交互に配置され、第2の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する第5の配線と、第2の方向に沿って延在して第1の方向において第2の配線と交互に配置され、第2の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する複数の第6の配線と、第2の方向に沿って延在して第1の方向において第3の配線と交互に配置され、第2の単位トランジスタセルの制御ノードを電気に相互接続する複数の第7の配線と、第4の配線と対向して第2の方向に沿って延在して配置され、第5の配線と電気的に相互接続されて前記第2の出力トランジスタの出力ノードを形成する第8の配線とを有する。
第2の配線と第6の配線とは、所定の電圧を伝達する基準電圧線に相互接続され、かつ第1および第5の配線は、第1および第2の方向の少なくとも一方の方向において交互に対応の単位トランジスタセルに接続する。
この発明の第3の観点に係る通信用電力増幅器は、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、第2の周波数帯の信号を出力するための第2の出力トランジスタとを備える。第1の出力トランジスタは、複数の第1の単位トランジスタセルを有する。第2の出力トランジスタは、第1の単位トランジスタセルと互いに交互に取囲むように配置される複数の第2の単位トランジスタセルを有する。
この発明の第4の観点に係る通信用電力増幅器は、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタとを備える。第1の出力トランジスタは、複数の第1の単位トランジスタセルを含む。第2の出力トランジスタは、複数の第2の単位トランジスタセルを含む。第1および第2の出力トランジスタは、所定の方向に沿って整列される2個の第1の単位トランジスタセルの間に1個の第2の単位トランジスタセルが形成される部分を少なくとも1箇所含む。
この発明の第5の観点に係る通信用電力増幅器は、第1の周波数帯の信号を処理する第1のへテロバイポーラトランジスタと、第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を処理する第2のヘテロバイポーラトランジスタとを備える。第1のヘテロバイポーラトランジスタは、互いにコレクタが結合された複数の第1単位トランジスタセルを有する。第2のヘテロバイポーラトランジスタは、互いにコレクタが結合された複数の第2単位トランジスタセルを有する。複数の第1単位トランジスタセルは、所定の方向に沿って配置された2個の第1単位トランジスタセルを備える。複数の第2単位トランジスタセルは、2個の第1単位トランジスタセル間に配置されている。
この発明に従えば、マルチバンド電力増幅器の最終段の電力増幅トランジスタの各単位トランジスタセルを、単位セルアレイ領域内に分散して配置しており、最終段の電力増幅トランジスタの合計サイズを増加させることなく、その熱抵抗を小さくして、発熱に起因する電流集中を防止することができ、単位トランジスタの焼損を防止することができる。また、インダクタンス素子により、出力ノード間の容量結合によるノイズの伝播を防止することができ、送信品質を低減することなく、電流集中を防止しつつチップ面積を低減することができる。
すなわち、第1の出力トランジスタと第2の出力トランジスタの出力ノードの間にインダクタンス素子を配置する。このインダクタンス素子により、第1および第2の出力トランジスタをそれぞれ構成する単位トランジスタセルが近接して配置される場合においても、高調波成分に対しては、寄生容量とで共振回路が形成され、出力ノード間がハイインピーダンスで結合され、容量結合により第1の出力トランジスタを介して第2の出力トランジスタの高調波成分が伝達されるのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を確実に抑制することができる。したがって、送信品質を低減することなく、第1の単位トランジスタセルと第2の単位トランジスタセルとを近接して配置して第1および第2の出力トランジスタの占有面積を低減することができ、チップ占有面積を低減することができる。
特に、トランジスタセル形成領域内において第1および第2の単位トランジスタセルを混在して配置することにより、単位セル領域のピッチを長くすることなく単位セルの実効的なピッチを長くして熱抵抗を小さくすることができる。これにより第1および第2のトランジスタの合計サイズを増加させることなく単位トランジスタの発熱による電流集中を回避することができる。また、単位トランジスタが、近接して配置されても、インダクタンス素子により、高調波成分の容量結合によるノイズ成分の発生を防止することができる。これにより、送信品質を低減することなくチップサイズをより効率的に低減することができ、また電流集中による素子破壊の発生をも防止することができる。
また、互いに取囲むように単位トランジスタセルを配置することにより、動作中の単位トランジスタが実質的にリング状に配置され、動作中の単位トランジスタセルにおいては、熱的な境界が存在しない。従って、この動作中のトランジスタ領域において熱が拡散され、熱集中が生じるのを抑制することができ、応じて電流集中が生じるのを防止することができ、単位トランジスタの焼損を回避することができる。
また、第1および第2の出力トランジスタの単位トランジスタセルを交互に配置した場合には、同時に動作する単位トランジスタセルを、このトランジスタ形成領域内に分散して配置することができ、応じて熱抵抗を小さくでき、発熱を抑制することができ、また単位トランジスタセルのピッチを短くすることができ、応じてチップサイズを低減することができる。
また、このインダクタンス素子と直列に容量素子を接続することにより、以下の効果が得られる。すなわち、第1および第2の出力トランジスタ間の容量成分を遮断することができ、バイアス電圧が第1および第2の出力トランジスタ間で伝達されるのを防止できる。これにより、確実にバンド間アイソレーションを実現することができる。
また、これらの第1および第2の単位トランジスタを、第1および第2の方向の一方方向に沿って交互に配置する構成とすることにより、以下の効果が得られる。配線レイアウトを錯綜させることなく効率的に単位トランジスタの実効的なピッチを長くすることができる。これにより、最終段電力増幅トランジスタのトータルサイズの増加を抑制しつつ、単位トランジスタの焼損を防止することができる。
また、第1および第2の単位トランジスタを第1および第2の方向においてそれぞれ交互に配置する構成とすれば、以下の効果が得られる。配線レイアウトを錯綜させることなく、この単位トランジスタの実効的なピッチを第1および第2の方向において長くすることができる。これにより、より確実に、電流集中を回避することができる。
第1および第2の単位トランジスタを第1および第2の方向に整列して配置し、それぞれ、配線を用いて相互接続する構成とすれば、以下の効果が得られる。単位トランジスタを第1および第2の方向に整列して配置し、これらの配線により、選択的に接続することにより、容易に、所望のレイアウトパターンで、第1および第2の単位トランジスタを配列することができる。これにより、配線レイアウトを錯綜させることなく、容易に、単位トランジスタを配列して、出力トランジスタを形成することができる。
また、第1および第2の単位トランジスタを第1および第2の方向に整列して配置し、これらを、第1の導通ノードを接続する配線を第1の方向に延在して配置し、かつ制御ノードを相互接続する配線を第2の方向に延在して配置し、出力ノードに接続される第2の導通ノードを、第1の方向に延在して配列される配線を用いて相互接続し、出力信号線を第2の方向に延在して配置して、これらの第2および第5の配線をそれぞれ相互接続する構成とすることにより、以下の効果が得られる。配線レイアウトを簡略化して、配線の規則性を損なうことなく、容易に、種類の異なる単位トランジスタを、トランジスタセルアレイ領域内に分散して配置することができる。このとき、コンタクト/スルーホールを用いて、選択的に単位トランジスタを接続するだけで、これらの第1および第2の出力トランジスタの単位トランジスタを、互いに交互に取囲むように配置することができる。従って、単位トランジスタ領域内において配線レイアウトを錯綜させることなく、所望のパターンに、単位トランジスタを配置することができる。
また、第1の周波数帯が第2の周波数帯の高周波成分を含む周波数帯のとき、高周波成分発生時、インダクタンス素子により、並列共振回路により第1および第2の出力トランジスタの出力信号線間をハイインピーダンスで接続することができ、高調波成分のリークを防止することができる。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うDCS/GSM用デュアルバンド電力増幅回路のチップレイアウトを概略的に示す図である。図1に示すデュアルバンド電力増幅回路は、図18に示すデュアルバンド電力増幅回路と以下の点において、そのレイアウトが異なっている。すなわち、DCS用電力増幅器の最終段の出力増幅トランジスタTrd3とGSM用電力増幅器の最終段の電力増幅トランジスタTrg3をそれぞれ構成する単位トランジスタ(Tr)が、最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3内において混在して配置される。
この最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3に関して対向して、DCS用パッド領域PBDとGSM用パッド領域PBGが配置される。DCS用パッド領域PBDのパッドに、DCS最終段電力増幅トランジスタのコレクタが接続される出力配線が接続され、出力信号OUT_DCSが出力される。
DSM用パッド領域PBGに含まれるパッドに、GSM用最終段電力増幅トランジスタのコレクタが接続される出力配線が接続され、出力信号OUT_GSMが出力される。
DCSパッド領域PBDとGSMパッド領域PBGを対向して配置することにより、DCM信号出力ノードとGSM信号出力ノードをできるだけ分離して、それらの容量結合を防止し、バンド間のアイソレーションを確立する。
さらに、このGSM用パッド領域PBGおよびDCS用パッド領域PBDのパッド(出力配線)が、インダクタンス素子Lccおよび容量素子Cccの直列体により相互接続される。この図1に示すデュアルバンド用電力増幅回路のチップレイアウトの他のレイアウトは、図18に示すデュアルバンド用電力増幅回路のチップレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3においてDCS電力増幅トランジスタとGSM電力増幅トランジスタを構成する単位トランジスタを混在して配置することにより、同時に動作する単位トランジスタ間の距離を長くすることができ、熱抵抗を低減することができ、熱集中による電流集中を防止することができる。また、単位トランジスタを混在して配置しており、隣接単位トランジスタ間の距離は、熱抵抗低減のために長くする必要がなく、従来に比べて短くすることができ、最終段電力増幅トランジスタの合計の面積を、従来よりも低減することができる。
DCS用パッド領域PBDのパッドは、この最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3に配置される単位トランジスタで構成される電力増幅トランジスタTrd3のコレクタに接続される。一方、GSM用パッド領域PBGのパッドは、最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3に配置される電力増幅トランジスタTrg3のコレクタに接続される。
上述のように、最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3において、電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3を構成する単位トランジスタが混在して配置される。したがって、後に具体的なレイアウトは詳細に説明するが、これらの単位トランジスタを相互接続するDCS用サブコレクタ線およびDSM用サブコレクタ線が近接して配置されるため、これらの配線間に結合容量が存在する。
図2は、最終段の電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3の出力部の構成の電気的等価回路を示す図である。図2において、電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3のコレクタノードCNDおよびCNGの間に、寄生容量Cprが接続される。一方、これらのコレクタノードCNDおよびCNGの間に、容量素子Cccおよびインダクタンス素子Lccが、直列に接続される。容量素子Cccは、電力増幅トランジスタTrd3および電力増幅トランジスタTrg3の直流コレクタバイアス電圧が、インダクタンス素子を介して伝達されるのを防止するための直流カット用(交流短絡)の容量素子である。したがって、この容量素子Cccの高周波領域におけるインピーダンス成分は、これらの寄生容量Cprおよびインダクタンス素子Lccのインピーダンス成分に比べて無視することができるとする。この場合、コレクタノードCNGおよびCND間のインピーダンスZは、次式で表わされる。
Z=1/(j・ω・Cpr+1/j・ω・Lcc)
インピーダンスZの絶対値が最も大きくなるのは、共振条件が成立した場合である。この共振条件は、次式で表わされる。
ω=1/√(Lcc・Cpr)
したがって、この共振周波数ωとして、1800MHzを選択すれば、GSMの電力増幅器が動作し、その出力周波数帯の900MHzの2次高調波成分である1800MHzの成分が存在しても、この並列共振回路により、コレクタノードCNDおよびCNGを電気的に分離する。これにより、電力増幅トランジスタTrg3からのコレクタノードCNGから、電力増幅トランジスタTrd3のコレクタノードCNDへ、2次高調波成分が伝達されるのを防止することができる。
したがって、この共振周波数ωをDCSの周波数帯域の周波数成分に設定することにより、GSM動作時において、並列共振回路により、コレクタノードCNDおよびCNGの間のインピーダンスを無限大とすることができ、高調波成分のDCS電力増幅器の出力ノードに2次高調波成分が伝達されるのを防止することができる。したがって、通常のデュアルバンド増幅回路において、図17に示すように、次段に高周波カプラおよび選択回路が設けられ、このGSM電力増幅器の出力信号が、高周波カプラから選択回路を介してアンテナ端子に伝達される場合においても、確実に、このDCS電力増幅器の出力ノードから高周波カプラ982およびセレクタ986を介して、高調波ノイズ成分がアンテナに伝達されるのを防止することができる。
最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3において、最終段電力増幅トランジスタTrd3およびTrg3の単位トランジスタを混在させて配置し、これらの単位セル領域の実際のピッチ条件を小さくし、個々にDCS用最終段電力増幅トランジスタおよびDCS用最終段電力増幅トランジスタを配置する構成に比べて、最終出力増幅トランジスタ形成領域PW3の占有面積を低減する。このとき、また、同時に動作する単位トランジスタ間の距離が長くされるため、等価的に熱抵抗を小さくして発熱を抑制し、発熱による電流集中を防止する。単位トランジスタの混在配置により、寄生容量Cprが存在する場合においても、出力ノード間にインダクタンス素子Lccを配置して、このインダクタンス素子Lccと寄生容量とで、GSM2次高調波成分に対して、無限大のインピーダンスを形成することにより、確実に、GSM送信信号にノイズ成分が重畳されるのを防止でき、送信品質を改善することができる。
なお、このインダクタンス素子Lccのインダクタンス値は、実際の寄生容量Cprの容量値に応じて適当に定められればよい。また、容量素子Cccは、コレクタノードCNDのバイアス電圧の直流成分をカットする機能を果たせばよく、その容量値としては、1800NHzの周波数帯域において、インピーダンス成分の絶対値1/ω・Cccがインダクタンス素子Lccのインピーダンス成分の絶対値ω・Lccに比べて、十分無視することのできる小さな値であればよい。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、デュアルバンド方式電力増幅回路において、最終段の電力増幅トランジスタの単位トランジスタを、同一トランジスタ形成領域内に混在して配置し、かつそれらの出力段の電力増幅トランジスタの出力ノードの間に、寄生容量とで並列共振回路を形成するようにインダクタンス素子を配置しており、チップサイズを低減しかつ2次高調波成分による雑音が送信信号に重畳されるのを防止することができ、送信品質の低下および電流集中を生じさせることなくチップサイズを低減することができる。
[実施の形態2]
図3は、この発明の実施の形態2に従う最終段の電力増幅トランジスタの単位トランジスタTrの配置を概略的に示す図である。図3において、単位トランジスタTrが、複数行複数列に配置される。図3において、一例として、6行7列に単位トランジスタTrが配置されるレイアウトを示す。
このトランジスタアレイにおいて、奇数行R♯1、R♯3およびR♯5に配列される単位トランジスタTrが、DCS電力増幅器の最終段電力増幅トランジスタとして用いられる。一方、偶数行R♯2、R♯4およびR♯6に配列される単位トランジスタTrが、GSM電力増幅器の最終段電力増幅トランジスタの構成要素として用いられる。図3において、DCS電力増幅トランジスタの構成要素として用いられる単位トランジスタTrは、符号“D”で示し、GSM電力増幅器の最終段電力増幅トランジスタの構成要素の単位トランジスタTrは、符号“G”で示す。
単位トランジスタDのコレクタが、DCS出力信号線3bに共通に結合され、単位トランジスタGのコレクタが、GSM出力信号線3aに共通に結合される。これらの出力信号線3aおよび3bの間に、直流カット用の容量素子Cccと、トランジスタアレイの寄生容量と並列共振回路を構成するインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
図3に示す単位トランジスタアレイにおいて、列方向に沿って、DCS用の単位トランジスタDとGSM用の単位トランジスタGが交互に配置される。DCS電力増幅器とGSM電力増幅器は、択一的に動作する。たとえば、DCS用単位トランジスタDが動作している場合には、GSM用単位トランジスタGが非動作状態であり、電流駆動は行なわない。したがって、DCS単位トランジスタDの列方向におけるピッチが等価的に長くなり、この列方向における熱抵抗を小さくでき、熱集中を防止でき、応じて電流集中を低減することができる。
単位トランジスタTrを最小ピッチPminで配列しても、DCS用単位トランジスタDおよびGSM用単位トランジスタGの列方向におけるピッチは、2・Pminとなり、個々に、DCS用単位トランジスタDおよびGSM用単位トランジスタGを、それぞれ、別々の領域に配置する場合に比べて、最小ピッチで単位トランジスタを配置することができ、電力増幅器の大きな面積を占める最終段トランジスタの配置領域の面積を低減することができ、チップサイズを低減することができる。
また、インダクタンス素子Lccを利用することにより、DCS用単位トランジスタDおよびGSM用単位トランジスタGそれぞれのコレクタ領域を相互接続する配線が、近接して配置されても、コレクタ配線間寄生容量とインダクタンス素子LccによりGSM2次高調波に対する並列共振回路が形成される。したがって、900MHzのGSM周波数帯の送信信号を送信しても、その2次高調波成分に対しては並列共振回路のインピーダンスが無限大となり、GSM出力信号線3aから、DCS出力信号線3bに対する、GSM2次高調波成分のリークは防止される(並列共振回路の共振周波数を、DCS周波数帯に設定している)。
図4は、この発明の実施の形態2に従う最終段電力増幅トランジスタのレイアウトをより具体的に示す図である。図4において、単位トランジスタTrが、6行7列に整列して配置される。第1行R♯1において、それぞれに単位トランジスタTrを形成する単位セル領域11−17が配置され、第2行R♯2においては、単位セル領域21−27が配置される。第3行R♯3において、単位セル領域31−37が配置され、第4行R♯4においては、単位セル領域41−47が行方向に整列して配置される。第5行R♯5において、単位セル領域51−57が行方向に整列して配置され、第6行R♯6において、単位セル領域61−67が行方向に整列して配置される。
これらの単位セル領域11−17ないし61−67それぞれにおいて、ヘテロバイポーラトランジスタHBTで構成する単位トランジスタTrが形成され、それぞれ、ベース領域、コレクタ領域、およびエミッタ領域が形成される。
行R♯1−R♯6それぞれにおいて、行方向に沿って、サブエミッタ配線5c1−5c6が配設される。これらのサブエミッタ配線5c1−5c6は、それぞれ、対応の行の単位トランジスタセル領域のエミッタ領域にエミッタバラスト抵抗を介して電気的に接続される。これらのエミッタバラスト抵抗は、図4においては、エピタキシャル層で構成され、サブエミッタ配線5c1−5c6それぞれと2次元レイアウトにおいて重なり合うように配置される。これらのエミッタバラスト抵抗は拡散抵抗で構成されてもよい。
サブエミッタ配線5c1−5c6は、そのトランジスタセルアレイ外部に列方向に延在して配置されるエミッタ配線5aおよび5bに接続される。これらのエミッタ配線5aおよび5bは、接地電圧を供給する接地ノードに接続される。DCS用電力増幅トランジスタおよびGSM用電力増幅トランジスタのエミッタは、共通に、図示しないエミッタバラスト抵抗を介して接地ノードに結合される。
トランジスタセル領域11−17ないし61−67それぞれのベース領域に、ベースバラスト抵抗7が電気的に接続される。単位トランジスタ行R♯1、R♯3およびR♯5において、行方向に延在して、サブベース配線2b1、2b2および2b3がそれぞれ配設され、これらは、それぞれ対応の行におけるベースバラスト抵抗を介して対応の行の単位セル領域のベース領域に電気的に接続される。単位セル行R♯2、R♯4およびR♯6において、行方向に延在して、GSM用のサブベース配線2a1、2a2および2a3が配設され、それぞれ対応の行におけるベースバラスト抵抗7を介して対応の行の単位セル領域のベース領域に電気的に接続される。
GSM用サブベース配線2a1−2a3は、共通に、スルーホール8aを介して、列方向に延在して配置されるGSM用ベース配線1aに接続される。また、DCS用サブベース配線2b1〜2b3は、列方向に延在して配置されるDCS用ベース配線1bに、スルーホール8bを介して電気的に接続される。DCSベース配線1bには、DCS用入力信号およびDCS用ベースバイアス電圧が伝達される。GSM用ベース配線1aには、前段の段間整合回路からのGSM信号と、ベースバイアス電圧制御回路からのベースバイアス電圧が伝達される。これらのベース配線1aおよび1bは、隣接して列方向に延在して配置される。
単位セル領域の列それぞれに対応して、DCS用サブコレクタ配線4b1−4b7が列方向に延在して配置され、またサブコレクタ配線4b1−4b7それぞれに隣接してかつ列方向に延在して、GSM用サブコレクタ配線4a1−4a7が配設される。これらのサブコレクタ配線4b1−4b7は、それぞれ、対応の列におけるDCS用単位セル領域のコレクタ領域にスルーホール8bを介して電気的に接続される。また、サブコレクタ配線4a1−4a7は、それぞれ、対応の列において、GSM用単位セル領域のコレクタ領域にスルーホール8aを介して電気的に接続される。
したがって、この配置においては、DCS用のスルーホール8bは、列方向において1行おきに配置され、またGSM用のスルーホール8aが、列方向において1行おきに配設される。
サブコレクタ配線4b1−4b7が、トランジスタセルアレイの一方側に列方向に延在して配置されるDCS用コレクタ配線3bに接続され、また、サブコレクタ配線4a1−4a7は、このトランジスタセルアレイに関してDCS用コレクタ配線3bと対向して列方向に延在して配置されるコレクタ配線3aに接続される。コレクタ配線3aおよび3bの間に、直流カット用(交流短絡用)の容量素子Cccと、インダクタンス素子Lccが直列に接続される。
図4において、サブコレクタ配線4a1−4a7とサブコレクタ配線4b1−4b7は、それぞれ、互いに隣接して列方向に延在して、かつ行方向において交互に配置される。
この図4に示すように、単位トランジスタのセル領域のレイアウトにおいて、サブコレクタ配線4b1−4b7および4a1−4a7が、各列にそれぞれ配置されるため、サブコレクタ配線による面積増大は生じるものの、GSM用単位トランジスタとDCS用単位トランジスタを、列方向において交互に配置することにより、GSM用単位トランジスタの列方向の距離およびDCS用単位トランジスタの列方向の距離を大きくとることができ、単位トランジスタセルの列方向のピッチを十分小さくしても、熱抵抗を十分小さくして、熱集中を防止することができる。応じて、DCS用トランジスタおよびGSM用トランジスタを個々に別々の領域に配置する場合に比べて、最終段の電力増幅トランジスタの合計サイズを大幅に低減することができ、チップサイズを低減することができる。
また、DCS用サブコレクタ配線4b1−4b7とGSM用サブコレクタ配線4a1−4a7が、互いに隣接して配置されており、いわゆる「インターディジット」の形で、サブコレクタ配線が配置され、コレクタ間の寄生容量が比較的大きくなる。この場合、通常、バンド間アイソレーションと呼ばれる問題が生じる。すなわち、GSM動作時に生じる900MHzの2倍の高調波成分1800MHzが、DCSの出力段整合回路を通過し、その一部が、アンテナから輻射される可能性が生じる。これは、DCS/GSM用電力増幅回路においては、カプラが配置されているだけであり、PDCのようなバンド間アイソレータが配置されていないため、容易に、混在配置によるインターディジット型キャパシタの形成により、このバンド間アイソレーションの問題が生じる可能性がある。
DCS用サブコレクタ配線4b1−4b7およびGSM用コレクタ配線4a1−4a7の寄生容量により生じるコレクタ配線3aおよび3b間の配線間容量と、インダクタンス素子Lccとにより、DCS周波数帯において共振動作を行なう並列共振回路を形成する。これにより、GSM動作時において発生するGSM2次高調波成分に対して、この並列共振回路のインピーダンスが無限大となり、GSMの第2次高調波が、DCSコレクタ配線3bから出力段整合回路を介して漏洩するのを防止することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、GSM用単位トランジスタおよびDCS用単位トランジスタを、列方向において交互に配置しており、最終段電力増幅トランジスタの合計サイズをほとんど増加させることなく、効率的に熱集中に起因する電流集中を防止することができ、単位トランジスタの焼損などの問題を回避することができる。
また、外部に、DCS周波数帯において並列共振回路を構成するためのインダクタンス素子Lccを配置しており、DCS用サブコレクタ配線とGSM用サブコレクタ配線が隣接して配置される場合においても、この並列共振回路により、確実に、GSM高調波がDCS出力部に漏洩するのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を確実に防止することができ、送信品質の劣化を抑制することができる。
なお、DCS単位トランジスタとGSM単位トランジスタの配置順序は、これらの単位トランジスタが列方向に沿って交互に配列される限り、任意である。
また、DCS最終段電力増幅トランジスタとGSM最終段電力増幅トランジスタをそれぞれ構成する単位トランジスタの数は、それぞれ、DCS電力増幅器およびGSM電力増幅器に要求される電力条件に応じて適当に定められればよく、これらの最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタの数は、同じであってよくまた、異なっていても良い(図18参照)。
[実施の形態3]
図5は、この発明の実施の形態3に従う単位トランジスタの配置を概略的に示す図である。図5において、単位トランジスタが行列状に配列される。単位トランジスタ行R♯1−R♯6それぞれにおいて、DCS用電力増幅トランジスタを生成する単位トランジスタDとGSM用電力増幅トランジスタを構成する単位トランジスタGが交互に配置される。また、単位トランジスタ列C♯1−C♯7それぞれにおいても、DCS単位トランジスタDとGSM単位トランジスタGが交互に配置される。すなわち、この図5に示す単位トランジスタセルの配置においては、行方向および列方向それぞれにおいて、DCS単位トランジスタDとGSM単位トランジスタGが交互に配置される。
このGSM単位トランジスタGのコレクタを相互接続するために、単位トランジスタ列C♯1−C♯7それぞれにおいて、サブコレクタ配線4a1−4a7が列方向に延在して配置され、またDCS用単位トランジスタDのコレクタを接続するためのサブコレクタ配線4b1−4b7が列方向に延在して配置される。これらのサブコレクタ配線4a1−4a7が共通にGSM出力線3aに結合され、サブコレクタ配線4b1−4bが、DCS出力線3bに共通に結合される。これらの出力線3aおよび3bの間に、直流カット用、すなわち交流短絡用の容量素子Cccとインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
この図5に示すレイアウトにおいて、単位トランジスタ列C♯1−C♯7それぞれにおいて、サブコレクタ配線4aiおよび4bi(i=1−7)が隣接して配置される。したがって図6に示すように、実施の形態2のレイアウトと同様にGSM用サブコレクタ配線4a1−4a7が、それぞれ、DCSサブコレクタ配線4b1−4b7と交互に配置するレイアウトとなり、いわゆるインターディジットキャパシタが出力信号線3aおよび3bにより形成される。
このインターディジットキャパシタの容量を容量Cprとすると、容量Cprとインダクタンス素子Lccにより、DCS周波数帯に対する並列共振回路を構成する。これにより、GSM動作時において、寄生容量Cprとインダクタンス素子Lccにより形成される並列共振回路により、GSM周波数帯の2次高調波成分は、この並列共振回路により、実質的に無限大のインピーダンスを介してDCS出力信号線3bに結合されるため、このDCS出力信号線3bに対するGSM周波数帯域の2次高調波成分のリークが防止される。
図7は、この発明の実施の形態3における単位トランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。図7においても、図4に示す実施の形態2の単位セルのレイアウトと同様、単位トランジスタTrが形成される単位セル領域11−17ないし61−67が6行7列に配置される。
単位セル行R♯1−R♯6それぞれに対応して、サブエミッタ配線5c1−5c6が配置される。これらのサブエミッタ配線5c1−5c6は、それぞれ、単位セル領域外部に列方向に延在して配置されるエミッタ配線5aおよび5cに接続される。これらのエミッタ配線5aおよび5bは、接地電圧を供給する接地ノードに結合される。
単位セル行R♯1−R♯6それぞれにおいて、DCS単位トランジスタDとGSM単位トランジスタGが交互に配設されるため、単位セル行R♯1−R♯6それぞれにおいて、サブベース配線2b1−2b6および2a1−2a6が行方向に延在して配置される。サブベース配線2a1−2a6は、それぞれ、対応の単位セル行において1つおきの単位セル領域のベース領域に接続されるベースバラスト抵抗7にスルーホール8aを介して接続される。また、サブベース配線2b1−2b6は、それぞれ対応の単位セル行の単位セルのベース領域に接続されるベースバラスト抵抗7に、スルーホール8bを介して接続される。
サブベース配線2a1−2a6は、セルアレイ領域外部に列方向に延在して配置されるベース配線1aにスルーホール8aを介して接続される。サブベース配線2b1−2b6は、ベース配線1aに隣接して列方向に延在して配置されるベース配線1bにスルーホール8bを介して接続される。ベース配線1aに、GSM入力信号(前段の整合回路出力信号とベースバイアス制御電圧)が伝達され、ベース配線1bにDCS入力信号(前段の整合回路出力信号とベースバイアス制御電圧)が伝達される。
この単位セルアレイ領域において、DCS単位トランジスタDとGSM単位トランジスタGが行および列方向それぞれにおいて交互に配設されるため、スルーホール8aおよび8bも、セルアレイ領域内において行方向および列方向においてDCS用のスルーホール8bとGSM用スルーホール8aが交互に配設され、単位セル列C♯1−C♯7それぞれにおいて、列方向に延在してサブコレクタ配線4a1−4a7および4b1−4b7が配置される。このサブコレクタ配線4a1−4a7は、対応の列において1つおきの単位セル領域のコレクタ領域にスルーホール8aを介して電気的に接続される。サブコレクタ配線4b1−4b7の各々は、対応の列の1つおきの単位セル領域のコレクタ領域にスルーホール8bを介して電気的に接続される。このサブコレクタ配線4a1−4a7および4b1−4b7に対しても、スルーホール8aおよび8bは、行方向および列方向において交互に配設される。
サブコレクタ配線4a1−4a7が、GSM用出力信号線を構成するコレクタ配線3aに共通に接続され、サブコレクタ配線4b1−4b7が、DCS用出力信号線を構成するコレクタ配線3bに共通に接続される。
コレクタ配線3aおよび3bの間に、交流短絡用(直流カットオフ用)の容量素子Cccと、共振回路を構成するためのインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
この図7に示す配線レイアウトにおいては、列方向に加えて、さらに行方向においても、DCS用単位トランジスタDとGSM用単位トランジスタGが交互に配設される。したがって、単位セル行R♯1−R♯6それぞれにおいて、サブベース配線2a(2a1−2a6)および2b(2b1−2b6)が隣接して配置されるため、そのサブベース配線の占有面積分単位セルアレイ領域の面積が増大する。しかしながら、行方向において、交互にDCS用単位トランジスタおよびGSM用単位トランジスタが交互に配設されているため、最小のピッチで単位トランジスタセル領域を配置しても、動作時においては行および列方向において隣接する単位トランジスタは非作動状態にある。従って、等価的に、単位セル間のピッチが長くされており、十分、熱抵抗を小さくすることができ、行方向および列方向において熱を分散させることができ、発熱による電流集中を回避することができる。応じて、トランジスタセルアレイの占有面積を、従来よりも大幅に低減することができる(行方向における単位セルピッチも低減することができるため)。
また、実施の形態2と同様、出力信号線間の生成されるインターディジットキャパシタの寄生容量は、コンダクタンス素子Lccと並列共振回路をDCS周波数帯において形成するために、GSM動作時における2次高調波成分がDCS用出力信号線3bに漏洩するを防止することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、行方向および列方向に交互にDCS用単位トランジスタおよびGSM用単位トランジスタを配置しており、行方向および列方向におけるGSM用単位トランジスタおよびDCS用単位トランジスタの熱抵抗を、単位セル領域のピッチを大きくすることなく低減することができ、最終段電流増幅トランジスタのトータルサイズをほとんど増加させることなく、効率的に電流集中を回避することができる。
また、コレクタ配線3aおよび3b間にインダクタンス素子Lccを配置しており、GSM動作時においてDCS周波数帯において、出力信号線3aおよび3b間の寄生容量とインダクタンス素子とで並列共振回路が形成され、GSM周波数帯の2次高調波成分が、DCS信号出力回路に漏洩するのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を確実に抑制することができる。
なお、DCS最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタの数およびGSM最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタの数は、それぞれ要求される電力条件に従って適当に定められる。
[実施の形態4]
図8は、この発明の実施の形態4に従う単位トランジスタの配置を概略的に示す図である。図8において、単位トランジスタが、6行7列に配置される。行方向においては、GCS用の単位トランジスタGとDCS用の単位トランジスタDが交互に配置される。列方向においては、1種類の単位トランジスタが整列して配置される。図8において、単位セル列C♯1、C♯3、C♯5およびC♯7において列方向に、GCS単位トランジスタGが整列して配置され、単位セル列C♯2、C♯4およびC♯6においては、DCS単位トランジスタDが整列して配置される。
GSM単位トランジスタGのコレクタ領域は、サブコレクタ配線4a1−4a4を介してGSM用出力信号線を構成するコレクタ配線3aに結合される。DCS単位トランジスタDのコレクタ領域を相互接続するサブコレクタ配線4b1、4b2および4b3が、それぞれ、単位セル列C♯2、C♯4およびC♯6に対応して配置され、かつDCS用出力信号線を構成するコレクタ配線3bに接続される。
これらのDCS用出力信号線(DCSコレクタ配線)3bとGSM出力信号線(GSMコレクタ配線)3aの間に、直流カット用の容量素子Cccと並列共振回路構成用のインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
この図8に示す単位トランジスタの配置において、行方向に沿ってGSM用単位トランジスタGとDCS用単位トランジスタDが交互に配置される。動作時においては、GSM単位トランジスタGとDCS単位トランジスタDの一方が動作するだけであるため、これらのGSM単位トランジスタGとDCS単位トランジスタDの列方向のピッチを十分に確保することができ、これらのトランジスタの行方向における熱抵抗を小さくでき、熱に起因する電流集中を防止することができる。
また、単位セル列C♯1ないしC♯7において、交互にGSM用サブコレクタ配線4a1ないし4a4とDCS用サブコレクタ配線4b1ないし4b3が配置される。この場合においても、出力信号線3aおよび3bの間に、インターディジットキャパシタが構成される。このインターディジットキャパシタとインダクタンス素子Lccとにより、DCS周波数帯での並列共振回路を構成する。これにより、GSM動作時において、その2次高調波(1800MHz)成分が、DCS出力信号線3bを介してDCS出力回路に漏洩し、このDCS出力回路を介してアンテナ端子に漏洩するのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を抑制することができる。
図9は、この発明の実施の形態4の単位トランジスタのレイアウトのより具体的な配置を示す図である。図9において、単位トランジスタTrは6行7列に整列して配置される単位セル領域11‐17ないし61‐67に形成される。
単位セル行R♯1−R♯6それぞれに対応して、サブエミッタ配線5c1−5c6が配設される。これらのサブエミッタ配線5c1−5c6は、それぞれ対応の行の単位セルのエミッタ領域に図示しないエミッタバラスト抵抗を介して電気的に結合されて、かつこのセルアレイ領域外部に列方向に延在して配置されるエミッタ配線5aおよび5bに結合される。
また、単位セル行R♯1−R♯6それぞれに対応して、サブベース配線2a1,2b1ないし2a6,2b6が行方向に延在して配置される。行方向において、交互にDCS単位トランジスタとGSM単位トランジスタが配置されるため、単位セル行R♯1‐R♯6それぞれにおいて、2本のサブベース配線が配置される。
単位セル行R♯1−R♯6それぞれにおいて、サブベース配線2a1,2b1ないし2a6,2b6の対をなすサブベース配線が、交互に、ベースバラスト抵抗7にスルーホール8aおよび8bを介して電気的に接続される。したがって、単位セル行R♯1−R♯6それぞれにおいて、サブベース配線2a(2a1−2a6)および2b(2b1−2b6)に対しては、スルーホール8aおよび8bが、交互に配置される。列方向において、スルーホール8aおよび8bが整列して各行において形成される。
サブベース配線2a1−2a6は、セルアレイ領域外部に列方向に延在して配置されるベース配線1aにスルーホール8aを介して共通に結合され、またサブベース配線2b1−2b6は、ベース配線1aに隣接して列方向に延在して配置されるベース配線1bにスルーホール8bを介して共通に結合される。
ベース配線1aおよび1bには、それぞれ、GSM入力信号およびDCS入力信号が与えられる。
単位セル列C♯1、C♯3、C♯5およびC♯7に対応して、列方向に延在して、サブコレクタ配線4a1−4a4が配置される。サブコレクタ配線4a1−4a4は、それぞれ対応の単位セル列において、単位セル領域のコレクタ領域に、スルーホール8aを介して電気的に接続される。サブコレクタ配線4a1−4a4は、GSM出力信号線を構成するコレクタ配線3aに共通に結合される。
単位セル列C♯2、C♯4およびC♯6それぞれにおいて列方向に延在してサブコレクタ配線4b1、4b2および4b3が列方向に延在して配置される。これらのサブコレクタ配線4b1−4b3の各々は、対応の単位セル列における単位セル領域のコレクタ領域にスルーホール8bを介して電気的に接続される。サブコレクタ配線4b1−4b3は、共通にDCS出力信号線を構成するコレクタ配線3bに結合される。
コレクタ配線(出力信号線)3aおよび3bの間に、容量素子Cccおよびインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
この図9に示す配線レイアウトにおいては、単位セル列C♯1−C♯7それぞれにおいて1つのサブコレクタ配線が配置されるだけである。しかしながら、これらのサブコレクタ配線4a1−4a4および4b1−4b3は、行方向において交互に配置されており、単に、単位セル領域の行方向のピッチだけ離れているだけであり、同一配線層の配線で構成される。したがって、出力信号線を構成するコレクタ配線3aおよび3bが、単位セルアレイ領域に関して対向して配置される場合においても、「インターディジットキャパシタ」が形成され、先の実施の形態2および3と同様、寄生容量が存在する。
GSM動作時に容量結合による高調波成分が発生した場合においては、その寄生容量とインダクタンス素子Lccとにより、並列共振回路を構成し、コレクタ配線3aおよび3b間のインピーダンスを最大として容量結合による信号伝播を防止することができ、GSM動作時の2次高調波成分が、コレクタ配線3bを介してDCS出力回路へ漏洩するのを防止することができる。
なお、この実施の形態4においては、最終段のDCS電力増幅トランジスタを構成する単位トランジスタGの数と、最終段の電力増幅トランジスタを構成する単位トランジスタDの数が異なる。これらの単位トランジスタの数は、DCS電力増幅器およびGSM電力増幅器それぞれにおいて要求される駆動電力に応じて適当に定められる。したがって、これらの最終段のGSM電力増幅トランジスタおよびDCS電力増幅トランジスタの単位トランジスタの数は、それぞれ等しくされてもよい。この場合、さらに、単にDCS電力増幅トランジスタを構成する単位トランジスタDを構成する単位セル領域を、図9の行方向の外側の領域に列方向に整列して配置することにより、これらのDCS電力増幅トランジスタおよびGSM電力増幅トランジスタをそれぞれ構成する単位トランジスタDおよびGの数を互いに等しくすることができる。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、行列状に配列する単位トランジスタセルにおいて、行方向において交互にDCS単位トランジスタおよびGSM単位トランジスタを配置しているため、行方向におけるDCS単位トランジスタDおよびGSM単位トランジスタGのピッチを長くすることができ、これらの最終段出力トランジスタの熱的抵抗を低減することができ、熱集中による電流集中の発生を回避することができる。
また、GSM出力信号およびDCS出力信号をそれぞれ別々に取出すために、単位トランジスタを相互接続するコレクタ配線が平行して配線されるため、寄生容量が存在する場合においても、寄生容量とDCS周波数帯において並列共振回路を構成するインダクタンス素子Lccをコレクタ配線(出力信号線)間に接続することにより、GSM動作時における2次高調波成分が、DCS出力回路を介してアンテナ端子に伝達されるのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を防止することができる。
[実施の形態5]
図10は、この発明の実施の形態5に従う単位トランジスタの配置を概略的に示す図である。図10においては、単位トランジスタは、先の実施の形態2から4と同様、6行7列に配置される。単位トランジスタアレイにおいて、GSM単位トランジスタGおよびDCS単位トランジスタDが、交互に互いに取囲むようにリング状に配列される。
すなわち、図10に示す配置において、単位トランジスタセルアレイの中心部において、6個のGSM用単位トランジスタGが行列状に互いに隣接して配置される。これらのGSM単位トランジスタGを取囲むように、リング状にDCS用単位トランジスタDが配置される。さらに、これらのDCS単位トランジスタDを取囲むようにリング状に、GSM用単位トランジスタGが配置される。
単位トランジスタ列それぞれに対応して、サブコレクタ配線4b1−4b6およびサブコレクタ配線4a1−4a7が配置される。サブコレクタ配線4a1−4a7および4b1−4b6は、それぞれ対応の単位トランジスタ列において対応の単位トランジスタのコレクタ領域に結合される。サブコレクタ配線4a1−4a7は、GSM出力信号線(コレクタ配線)3aに共通に結合され、またサブコレクタ配線4b1−4b6が、DCS出力信号線(コレクタ配線)3bに共通に結合される。GSM出力信号線(コレクタ配線)3aとDCS出力信号線(コレクタ配線)3bの間に、容量素子Cccとインダクタンス素子Lccが直列に接続される。
図11に示すように、リング状に同一種類の単位トランジスタを配置する場合、通常の配置に比べて熱的境界(熱分布の境界)の存在を抑制することができる。
すなわち、図11(A)に示すように、単位トランジスタTrが連続して配置され、同時に動作する場合、両端の単位トランジスタTr外部は、動作素子が存在しないため、低温領域となる。一方、これらの同時に動作する単位トランジスタTrにおいては、発熱による熱の伝播が生じるため、図11(B)に示すように、中央部の単位トランジスタTrにおいて、温度が最も高く、トランジスタ列端部(熱的境界)において温度は低くなるという熱分布が生じる。このような熱分布が生じた場合、中央の単位トランジスタにおいて熱集中による電流集中が生じる可能性が高い。
しかしながら、図12に示すように、同時に動作する単位トランジスタをリング状に配置した場合、これらの同時に動作する単位トランジスタの領域においては、熱的境界が存在せず、熱分布の存在を抑制でき、均一な温度でこれらの単位トランジスタを同時に動作させることができ、熱集中による電流集中を抑制することができる。
したがって、この単位セルアレイ内において同一種類の単位トランジスタを配置した場合、その四方のトランジスタアレイ端部領域が、熱的境界となり、トランジスタアレイにおいて熱分布が生じ、中央部の単位トランジスタにおいて熱集中が生じる可能性が高くなる。しかしながら、この図10に示すように、同時に動作する単位トランジスタをリング状に配置することにより、熱的境界の存在をなくし、同時に動作する単位トランジスタの動作温度を均一化し、熱集中を抑制する。
また、同時に動作する単位トランジスタの領域は、非動作状態の単位トランジスタにより囲まれるため、各単位トランジスタは、少なくとも2方向において非動作状態の単位トランジスタに隣接するため、熱抵抗を低減することができ、各単位トランジスタの等価的なピッチを長くすることができ、熱集中が生じるのを防止することができる。
この図10に示す配置においても、サブコレクタ配線4b1−4b6および4a1−4a7が列方向に延在して配置さるため、その配線容量による容量結合を防止するため、DCS周波数帯における並列共振回路を構成する単位素子Lccを配置する。電流集中を、バンド間アイソレーションの特性を劣化させることなく改善することでき、また、異なる種類の単位トランジスタが混在して配置されるため、チップサイズを、低減することができる。
図13は、この発明の実施の形態5に従う最終段出力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトをより具体的に示す図である。図13において、単位セル領域11−17ないし61−67が、6行7列に配置される。単位セル行に対応して、サブベース配線2a1−2a6がそれぞれ配置され、かつこれらのサブベース配線2a1−2a6それぞれに隣接して列方向に延在してサブベース配線2b1−2b6が配設される。
サブベース配線2a1は、列方向に延在するベース配線1aにスルーホール8aを介して共通に接続される。サブベース配線2b1−2b6は、また、列方向に延在するベース配線1bにスルーホール8bを介して共通に接続される。
単位セル列に対応して、GSM用サブコレクタ配線4a1−4a7がそれぞれ列方向に延在して配置され、また、これらのサブコレクタ配線4a1−4a7それぞれに隣接して列方向に延在してDCS用サブコレクタ配線4b1−4b7が配設される。
メモリセル行に対応して、サブエミッタ配線5c1−5c6が配設される。これらのサブエミッタ配線5c1−5c6は列方向に延在するエミッタ配線5aおよび5bに共通に結合される。サブエミッタ配線5c1−5c6は、それぞれ対応の単位セル列の単位セル領域に形成されるエミッタ領域に、図示しないエミッタバラスト抵抗を介して電気的に接続される。
サブベース配線2a1−2a6および2b1−2b6とサブコレクタ配線4a1−4a6および4b1−4b6は、それぞれスルーホール8aおよび8bを介して、GSM用単位トランジスタおよびDCS単位トランジスタがリング状に配列されて、互いに取囲むように配列されるように対応の単位セル領域のベース領域およびコレクタ領域に電気的に接続される。すなわち、単位セル領域11−17において、ベースバラスト抵抗7が、スルーホール8aを介してサブベース配線2a1に接続され、また、それぞれのコレクタ領域が、スルーホール8aを介してサブエミッタ配線4a1−4a7に接続される。
第2行においては、単位セル領域21および27は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8aを介してサブベース配線2a2に電気的に接続され、それぞれのコレクタ領域が、スルーホール8aを介してサブエミッタ配線4a1および4a7に電気的に接続される。単位セル領域22−26は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8bを介してサブベース配線2b2に電気的に接続され、また、それぞれのコレクタ領域がスルーホール8bを介してサブコレクタ配線4b2−4b6に電気的に接続される。
第3行において、単位セル領域31、33−35および37は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8aを介して電気的にサブベース配線2a3に接続され、それぞれのコレクタ領域が、スルーホール8aを介してサブコレクタ配線4a1、4a3−4a5および4a7に電気的に接続される。単位セル領域32および36は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8bを介してサブベース配線2b3に電気的に接続され、それぞれのコレクタ領域がスルーホール8bを介してサブコレクタ配線4b2および4b6に電気的に接続される。
第4行において、第3行と同様、単位セル領域41、43−45および47は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8aを介してサブベース配線2a4に電気的に接続され、それぞれのコレクタ領域が、スルーホール8aを介してサブコレクタ配線4a1、4a3−4a5および4a7に電気的に接続される。単位セル領域42および46は、それぞれのベース領域が、ベースバラスト抵抗およびスルーホール8bを介してサブベース配線2b4に電気的に接続され、それぞれのコレクタ領域がスルーホール8bを介してサブコレクタ配線4b2および4b6にそれぞれ電気的に接続される。
第5行において、単位セル領域51および57は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗およびスルーホール8aを介してサブベース配線2a5に電気的に接続され、かつそれぞれのコレクタ領域がスルーホール8aを介してサブコレクタ配線4a1および4a7に電気的に接続される。単位セル領域52−56は、それぞれのベース領域がベースバラスト抵抗7およびスルーホール8bを介してサブベース配線2b5に電気的に接続され、それぞれのコレクタ領域が、スルーホール8bを介して、サブコレクタ配線4b2−4b6に電気的に接続される。
第6行においては、セル領域61−67は、それぞれのベース領域が、ベースバラスト抵抗およびスルーホール8aを介してサブベース配線2a6に電気的に接続され、かつそれぞれのコレクタ領域が、スルーホール8aを介してサブコレクタ配線4a1−4a7に接続される。
したがって、図13に示すように、単位セル領域を行列状に配列し、かつ各行に配列してサブエミッタ配線およびサブベース配線を配設し、各列にサブコレクタ配線を配設することにより、DCS単位トランジスタおよびGSM単位トランジスタをリング状に、それらのコンタクト位置を変更するだけで配設することができる。
なお、この図10および図13に示す単位トランジスタセルの配置において、バンド間アイソレーションを行なうために、PDCのように、アイソレータが配置されている場合には、特に並列共振回路を形成するためのコンダクタンス素子Lccを特に設ける必要がない。
また、この図11および図13に示す単位トランジスタセルの配置においても、GSM用電力増幅トランジスタおよびDCS用電力増幅トランジスタに要求される出力電力に応じて単位トランジスタの数が適当に定められればよい。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、GSM単位トランジスタおよびDCS単位トランジスタを、リング状に互いに取囲むように単位セルアレイ内に配置しており、単位トランジスタを形成する単位セル領域のピッチを大きくすることなく、電流集中を回避することができ、チップサイズを低減することができる。
また、DCS用およびGSM用のサブコレクタ配線が隣接して配置される場合においても、インダクタンス素子により、DCS周波数帯での並列共振回路を構成しており、GSM動作時においてその2次高調波がDCS電力増幅器の出力ノードにリークし、DCS出力回路を介してアンテナに伝達されるのを防止することができ、バンド間アイソレーションの劣化を十分に抑制することができる。
[他の適用例]
上述の説明においては、電力増幅器の構成要素として、HBTを示している。しかしながら、このHBTに代えて、MOSFETおよびMESFETなどの絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成要素として含む電力増幅器に対しても、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
また、上述の説明において、デュアルバンド電力増幅器は、GSM/DCS電力増幅器を示している。しかしながら、通信方式はこれに限定されず、互いに周波数帯の異なる複数の周波数帯の信号を増幅するマルチバンド電力増幅回路であれば、本発明は適用可能である。
また、並列共振回路を配置する場合、デュアルバンドの周波数帯域において、一方の周波数帯の高調波成分が他方の周波数帯の成分に含まれる構成であれば、本発明は適用可能である。
また、本発明は、一般に、複数の周波数帯の信号の電力増幅を行なうマルチバンド電力増幅器に対して適用可能である。
この発明の実施の形態1に従うデュアルバンド電力増幅回路のチップレイアウトを概略的に示す図である。 図1に示すインダクタンス素子の機能を説明するための図である。 この発明の実施の形態2に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタの配置を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態2に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトをより具体的に示す図である。 この発明の実施の形態3に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。 図5に示す配線レイアウトにおける寄生容量を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態3における単位トランジスタのレイアウトをより具体的に示す図である。 この発明の実施の形態4に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。 この発明の実施の形態4に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトをより具体的に示す図である。 この発明の実施の形態5に従う最終段電力増幅トランジスタの単位トランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。 (A)および(B)は、単位トランジスタ列の熱分布を概略的に示す図である。 図10に示す単位トランジスタ配置における熱分布を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態5に従う単位トランジスタのレイアウトをより詳細に示す図である。 従来のデュアルバンド電力増幅回路の構成を概略的に示す図である。 図14に示すDCS電力増幅器の回路構成の一例を示す図である。 図14に示すGSM電力増幅器の回路構成の一例を示す図である。 従来のデュアルバンド電力増幅回路を用いる携帯機器の要部の構成を概略的に示す図である。 従来のデュアルバンド電力増幅器における最終段電力増幅トランジスタのチップレイアウトを概略的に示す図である。 従来の電力増幅器の最終段電力増幅トランジスタの構成を概略的に示す図である。 図19に示す単位トランジスタのレイアウトを示す図である。
符号の説明
PW3 最終出力増幅トランジスタ形成領域、PBD DCS用パッド領域、PBG GSM用パッド領域、Lcc インダクタンス素子、Ccc 容量素子、Trd3,Trg3 最終段電力増幅トランジスタ、D DCS用単位トランジスタ、G GSM用単位トランジスタ、11−17,21−27,31−37,41−47,51−57,61−67 単位セル領域、1a,1b ベース配線、2a1−2a6,2b1−2b6 サブベース配線、3a,3b 信号出力線(コレクタ配線)、4a1−4a7,4b1−4b7 サブコレクタ配線、5a,5b エミッタ配線、5c1−5c6 サブエミッタ配線、8a,8b スルーホール。

Claims (16)

  1. 複数の第1の単位トランジスタセルを含み、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、
    複数の第2の単位トランジスタセルを含み、前記第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタと、
    前記第1の出力トランジスタの出力ノードと前記第2の出力トランジスタの出力ノードとの間に配置されるインダクタンス素子とを備え、
    前記第1および第2の出力トランジスタは、ある方向に沿って整列される2個の第1の単位トランジスタセルの間に1個の第2の単位トランジスタセルが形成される部分を少なくとも1箇所含み、
    前記少なくとも1箇所において、前記第1の単位トランジスタセルと前記第2の単位トランジスタセルは、第1の方向と前記第1の方向と直交する第2の方向の少なくとも一方方向に沿って交互に配置される、通信用電力増幅器。
  2. 前記第1の単位トランジスタセルと前記第2の単位トランジスタセルとは、前記第1の方向および前記第1の方向に直交する第2の方向において交互に配置される、請求項1記載の通信用電力増幅器。
  3. 前記第1の単位トランジスタセルと前記第2の単位トランジスタセルとは、互いに交互に取囲むように配置される、請求項1記載の通信用電力増幅器。
  4. 複数の第1の単位トランジスタセルを含み、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、
    複数の第2の単位トランジスタセルを含み、前記第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタと、
    前記第1の出力トランジスタの出力ノードと前記第2の出力トランジスタの出力ノードとの間に配置されるインダクタンス素子とを備え、
    前記複数の第1の単位トランジスタセルと前記複数の第2の単位トランジスタセルは、第1の方向および前記第1の方向と直交する第2の方向に整列して配置され、各々が第1の導通ノードと第2の導通ノードと制御ノードとを含み、
    前記第1の出力トランジスタは、さらに、
    前記複数の第1の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する前記第1の方向に延在して配置される複数の第1の配線と、
    前記複数の第1の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する前記第2の方向に延在して配置される複数の第2の配線と、
    前記第1の単位トランジスタセルの制御ノードを電気的に相互接続する前記第2の方向に沿って延在する複数の第3の配線と、
    前記第1の配線に電気的に接続されて前記第1の出力トランジスタの出力ノードを形成する前記第2の方向に延在する第4の配線とを含み、
    前記第2の出力トランジスタは、さらに、
    前記第1の方向に沿って延在して配置され、かつ前記第2の方向において前記第1の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する第5の配線と、
    前記第2の方向に沿って延在して前記第1の方向において前記第2の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する複数の第6の配線と、
    前記第2の方向に沿って延在して前記第1の方向において前記第3の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの制御ノードを電気的に相互接続する複数の第7の配線と、
    前記第4の配線と対向して前記第2の方向に沿って延在して配置され、前記第5の配線と電気的に相互接続されて前記第2の出力トランジスタの出力ノードを形成する第8の配線とを有し、
    前記第2の配線と前記第6の配線とは、所定の電圧を伝達する基準電圧線に相互接続され、かつ
    前記第1および第5の配線は、前記第1および第2の方向の少なくとも一方の方向において交互に対応の単位トランジスタセルに接続する、通信用電力増幅器。
  5. 前記第1および第5の配線は、前記第1の方向において整列して配置される単位セル列各々に対応して配置される、請求項4記載の通信用電力増幅器。
  6. 複数の第1の単位トランジスタセルを有し、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、
    前記第1の単位トランジスタセルと互いに交互に取囲むように配置される複数の第2の単位トランジスタセルを有し、第2の周波数帯の信号を出力するための第2の出力トランジスタとを備える、通信用電力増幅器。
  7. 前記複数の第1の単位トランジスタセルと前記複数の第2の単位トランジスタは、第1の方向および前記第1の方向と直交する第2の方向に整列して配置され、かつ各々が、第1の導通ノードと第2の導通ノードと制御ノードとを含み、
    第1の出力トランジスタは、さらに、
    前記複数の第1の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する前記第1の方向に延在して配置される複数の第1の配線と、
    前記複数の第1の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する前記第2の方向に延在して配置される複数の第2の配線と、
    前記第1の単位トランジスタセルの制御ノードを電気的に相互接続する前記第2の方向に沿って延在する複数の第3の配線と、
    前記第1の配線に電気的に接続されて前記第1の出力トランジスタの出力ノードを形成する前記第2の方向に延在する第4の配線とを含み、
    前記第2の出力トランジスタは、さらに、
    前記第1の方向に沿って延在して配置され、かつ前記第2の方向において前記第1の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの第1の導通ノードを電気的に相互接続する複数の第5の配線と、
    前記第2の方向に沿って延在して前記第1の方向において前記第2の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの第2の導通ノードを電気的に相互接続する複数
    の第6の配線と、
    前記第2の方向に沿って延在して前記第1の方向において前記第3の配線と交互に配置され、前記第2の単位トランジスタセルの制御ノードを電気的に相互接続する複数の第7の配線と、
    前記第4の配線と前記第1および第2の単位トランジスタセルの形成領域に関して対向して前記第2の方向に沿って延在して配置され、前記第5の配線と電気的に相互接続されて前記第2の出力トランジスタの出力ノードを形成する第8の配線とを有し、
    前記第2の配線と前記第6の配線とは、所定の電圧を伝達する基準電圧線に相互接続され、
    前記第1および第5の配線は、前記第1の単位トランジスタセルと前記第2の単位トランジスタセルとが、互いに交互に取囲むように配置されるように対応の単位トランジスタに接続する、請求項6記載の通信用電力増幅器。
  8. 前記第1の周波数帯は、前記第2の周波数帯の周波数成分の整数倍の周波数成分を含む、請求項1、4または6記載の通信用電力増幅器。
  9. 複数の第1の単位トランジスタセルを含み、第1の周波数帯の信号を出力するための第1の出力トランジスタと、複数の第2の単位トランジスタセルを含み、前記第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を出力する第2の出力トランジスタとを備え、前記第1および第2の出力トランジスタは、所定の方向に沿って整列される2個の第1の単位トランジスタセルの間に1個の第2の単位トランジスタセルが形成される部分を少なくとも1箇所含む、通信用電力増幅器。
  10. 互いにコレクタが結合された複数の第1単位トランジスタセルを有し、第1の周波数帯の信号を処理する第1のへテロバイポーラトランジスタと、
    互いにコレクタが結合された複数の第2単位トランジスタセルを有し、前記第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯の信号を処理する第2のヘテロバイポーラトランジスタとを備え、
    前記複数の第1単位トランジスタセルは、所定の方向に沿って配置された2個の第1単位トランジスタセルを備え、前記複数の第2単位トランジスタセルは、前記2個の第1単位トランジスタセル間に配置されている、通信用電力増幅器。
  11. 前記複数の第1単位トランジスタセルのベースは互いに結合され、前記複数の第1単位トランジスタセルのエミッタは互いに結合され、前記複数の第2単位トランジスタセルのベースは互いに結合され、前記複数の第2単位トランジスタセルのエミッタは互いに結合される、請求項10記載の通信用電力増幅器。
  12. 前記第1のヘテロバイポーラトランジスタと前記第2のヘテロバイポーラトランジスタは、1つの半導体チップに形成される、請求項11記載の通信用電力増幅器。
  13. 前記第1のへテロバイポーラトランジスタへ増幅された信号を供給する第1の増幅回路と、前記第2のヘテロバイポーラトランジスタへ増幅された信号を供給する第2の増幅回路をさらに備える、請求項12記載の通信用電力増幅器。
  14. 前記複数の第1単位トランジスタセルのベースは、バラスト抵抗を介して互いに接続され、前記複数の第2単位トランジスタセルのベースはバラスト抵抗を介して互いに接続される、請求項12記載の通信用電力増幅器。
  15. 前記複数の第1単位トランジスタセルのエミッタは、バラスト抵抗を介して互いに接続され、前記複数の第2単位トランジスタセルのエミッタは、バラスト抵抗を介して互いに結合される、請求項12記載の通信用電力増幅器。
  16. 前記複数の第1単位トランジスタセルのエミッタは、バラスト抵抗を介して互いに接続され、前記複数の第2単位トランジスタセルのエミッタは、バラスト抵抗を介して互いに結合される、請求項14記載の通信用電力増幅器。
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