JP2007205290A - 予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 内燃機関の始動時、過大な振動及び音が発生すること並びに多量のNOxが生成されることを防止することが可能な内燃機関の制御装置を提供すること。
【解決手段】 制御装置は、燃焼室内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して内燃機関の始動時において要求されるトルクを同内燃機関により出力させるために必要な燃料の量である始動時必要燃料量τSよりも少ない量の燃料を噴射させる。これにより、燃焼ガスを含まない混合ガスが燃焼するために必要な燃料量である初回燃焼必要燃料量τiよりも筒内燃料量が多くなって混合ガスの燃焼が最初に発生するとき、燃焼に供される燃料量のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量は十分に少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼時、燃焼する混合ガスの空燃比が過度にリッチな空燃比となることを防止することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の始動時、過大な振動及び音が発生すること並びに多量のNOxが生成されることを防止することが可能な予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置に関する。
従来から、内燃機関の始動時において要求されるトルクを同内燃機関により出力させるために必要な燃料の量である始動時必要燃料量を内燃機関の温度(エンジン温度)に伴って変化する冷却水温度に基づいて決定し、同決定された始動時必要燃料量の燃料を燃焼室に供給するために噴射させる内燃機関の制御装置が知られている。この制御装置は、始動が完了するまでの間、いずれの燃焼サイクルにおいても同決定された始動時必要燃料量の燃料を噴射させるようになっている。
この制御装置によれば、エンジン温度の変化に伴って、エンジンオイルの温度が変化することにより同エンジンオイルの粘度が変化して構成部材間(例えば、ピストンとシリンダとの間)の摩擦力が変化する場合や吸気ポートや燃焼室の壁面に付着した燃料が気化する割合が変化する場合であっても、始動時において要求されるトルクを内燃機関により出力させることができる(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2005−220874号公報
ところで、一般に、予混合圧縮自着火方式により運転される内燃機関(予混合圧縮自着火式内燃機関)においては、混合ガスの温度を高めるために、同混合ガスに高温の燃焼ガスが含められる。このような内燃機関の始動時、燃焼が最初に発生するまでの燃焼サイクルにおいては、燃焼ガスが存在しないので、燃焼室に燃焼ガスを導入することはできない。その結果、燃焼室内の燃焼ガスにより燃焼室への空気の導入が阻害されないので、燃焼室内に導入される空気の量は、燃焼が発生した後の燃焼サイクル(後続燃焼サイクル)の場合よりも多くなる。
従って、上記従来の制御装置を予混合圧縮自着火式内燃機関に適用しようとすると、始動時の初回の燃焼サイクルにおいて、燃焼室内の混合ガスの空燃比が目標とする空燃比(目標空燃比)よりも過度にリーンな空燃比となるので同混合ガスを燃焼させることができない。
更に、2サイクル式内燃機関の始動時におけるクランキング中は過給圧及び筒内圧(燃焼室内の圧力)が低いので、掃気量及び排気量が極めて少ない。また、4サイクル式内燃機関の始動時におけるクランキング中は燃料が未燃のまま排出されることを防止するために排気弁が僅かな期間しか開弁されない場合がある。この場合、排気は殆ど行われない。
このように、排気量や掃気量が極めて少ないと、燃焼しなかった混合ガス中の燃料の殆どは、燃焼室から排出されることなく次の燃焼サイクルにおける混合ガスに含まれる。また、吸気ポート或いは燃焼室を構成する壁面に付着していた燃料が気化することにより、同気化した燃料は同混合ガスに含められる。
これらの残存燃料(1回前の燃焼サイクル以前から残存していた燃料)に新たに噴射された燃料が加えられることにより、燃焼室内の混合ガス中の燃料量は、1回前の燃焼サイクルよりも多くなる。従って、燃焼サイクルの経過により、燃焼室内の混合ガス中の燃料量は、混合ガスが燃焼を開始するために必要な閾値燃料量よりも多くなる。これにより、混合ガスが自着火により燃焼する。
しかしながら、上記従来の制御装置によれば、新たに噴射される燃料の量が比較的多い始動時必要燃料量であるので、混合ガス中の燃料量が燃焼サイクルの経過毎に増加する量(増分量)は比較的多い。従って、1回前の燃焼サイクルにおいて混合ガス中の燃料量が上記閾値燃料量よりも僅かに少なかった場合、今回の燃焼サイクルにおいては、混合ガス中の燃料量が上記増分量に極めて近しい量だけ過剰となる。従って、初回の燃焼に必要な空燃比よりも過度にリッチな空燃比を有する混合ガスが形成されるので、同混合ガスの燃焼に伴って、過大な振動及び音が発生したり、多量のNOxが生成されたりしてしまうという問題があった。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の始動時、過大な振動及び音が発生すること並びに多量のNOxが生成されることを防止することが可能な予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するため本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置は、シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上部に配置されたシリンダヘッドと、前記シリンダボア内において往復動するピストンと、少なくとも前記シリンダボアの壁面と前記シリンダヘッドの下面と前記ピストンの頂面とにより構成される燃焼室に供給される燃料を指示信号に応答して噴射する燃料噴射手段と、を備え、空気と前記燃料噴射手段により噴射された燃料と(少なくとも最初の燃焼が発生した以後の燃焼サイクルであって)過去の燃焼サイクルにて生成された燃焼ガスとからなる混合ガスを前記燃焼室内に形成するとともに同形成された混合ガスを前記ピストンの往復動作により圧縮して自着火により燃焼させる方式により運転される予混合圧縮自着火式内燃機関に適用される。
本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置は、
前記内燃機関の始動時、前記燃焼室内に形成された混合ガスが最初に燃焼するまでに前記燃料噴射手段により各燃焼サイクルに対して噴射される燃料の総量が、同内燃機関の始動時において要求されるトルクを同内燃機関により出力させるために1回の燃焼サイクルに対して必要な燃料の量である始動時必要燃料量の燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合において同燃焼室内に形成された混合ガスが最初に燃焼するまでに噴射される燃料の総量よりも少ない量となるように同燃料噴射手段により噴射させる燃料の量を決定するとともに、同決定された量に応じた前記指示信号を同燃料噴射手段に対して送出する噴射燃料量制御手段を備える。
これによれば、クランキングが開始してから混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して噴射される燃料の総量が各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量の燃料を噴射した場合と比較して少ない量となるように燃料が噴射される。これにより、最初に燃焼される混合ガス中の燃料量が各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量の燃料を噴射した場合と比較して少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼に伴って、過大な振動及び音が発生すること並びに多量のNOxが生成されることを防止することができる。
この場合、前記噴射燃料量制御手段は、前記燃焼室内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が前記始動時必要燃料量よりも少ない量であって同混合ガスに含まれる燃料の量が燃焼サイクルの経過に伴って増加する量となるように構成されることが好適である。
これによれば、クランキングが開始してから燃焼室内の混合ガスが最初に燃焼するまでの間、混合ガス中の燃料量が燃焼サイクルの経過毎に増加する量(増分量)は、始動時必要燃料量を噴射した場合よりも少なくなる。従って、1回前の燃焼サイクルにおいて混合ガス中の燃料量が同混合ガスの燃焼を開始するために必要な閾値燃料量よりも僅かに少なかった場合、今回の燃焼サイクルにおいて燃焼する混合ガス中の燃料量のうちの閾値燃料量を超える過剰量は、始動時必要燃料量を噴射した場合よりも少なくなる。従って、混合ガスの最初の燃焼時、同燃焼により発生する過大な振動及び音を低減することができ、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
一方、本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置の他の態様において、前記噴射燃料量制御手段は、クランキング開始後の最初の燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が混合ガスの燃焼により生成される燃焼ガスが存在しない状態において前記燃焼室に形成される混合ガスを燃焼させるために必要な燃料量である初回燃焼必要燃料量以上の量となるとともに、その後の燃焼サイクルであって同混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して同決定される燃料の量がゼロとなるように構成される。
吸気ポート或いは燃焼室を構成する壁面に付着した燃料は、所定の期間が経過してから気化する。従って、燃料が付着した時期が早いほど、同付着した燃料は早期に気化して燃焼室内の混合ガス中に含まれるようになる。
従って、上記構成のように、クランキング開始後の最初の燃焼サイクルにて初回燃焼必要燃料量以上の燃料を噴射するとともに、その後の燃焼サイクルにて燃料の噴射を停止すれば、複数の燃焼サイクルにて燃料が噴射される場合よりも早期に付着した燃料が気化し同気化した燃料が燃焼室にて燃焼に寄与しうる燃料として混合ガスに含まれるようになる。これにより、燃焼室内の混合ガス中の燃料量が比較的早期に初回燃焼必要燃料量よりも多くなり混合ガスが自着火により燃焼する。
従って、クランキングが開始してから混合ガスの燃焼が最初に発生するまでの期間を短くすることができるので、スタータを駆動するために消費されるエネルギーを小さくすることができる。この結果、内燃機関の燃費を改善することができる。
これらの場合、前記噴射燃料量制御手段は、前記燃焼室内に形成される混合ガスが最初に燃焼する燃焼サイクルである初回燃焼発生燃焼サイクルより後の後続燃焼サイクルであって同初回燃焼発生燃焼サイクルから所定のサイクル数だけ後の燃焼サイクルまでの各燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が前記始動時必要燃料量よりも少ない量となるように構成されることが好適である。
最初の燃焼に供される混合ガス(初回燃焼発生燃焼サイクルにおいて燃焼室内に形成される混合ガス)中の燃料量(即ち、初回燃焼必要燃料量以上の量)は、始動時必要燃料量よりも多い。従って、初回燃焼発生燃焼サイクルにおいて混合ガスの燃焼により生成される燃焼ガスの量は、始動時必要燃料量の燃料が燃焼する燃焼サイクルが所定の期間継続している定常状態におけるある燃焼サイクル(定常燃焼サイクル)において生成される燃焼ガスの量よりも多い。
これにより、初回燃焼発生燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて燃焼室に導入される燃焼ガスの量は、定常燃焼サイクルの場合よりも多くなる。従って、燃焼室への空気の導入を燃焼ガスが阻害する程度が大きくなるので、同次の燃焼サイクルにおいて燃焼室内に導入される空気量は、定常燃焼サイクルの場合よりも少なくなる。従って、定常燃焼サイクルの場合と同量の燃料が混合ガスに含められると、同混合ガスが過度にリッチな空燃比を有するので、同混合ガスの燃焼に伴って、多量のNOxが生成されてしまうという問題があった。
これに対し、上記構成によれば、初回燃焼発生燃焼サイクルより後の後続燃焼サイクルにおいて、所定のサイクル数が経過するまでの間、始動時必要燃料量よりも少ない量の燃料が噴射される。これにより、後続燃焼サイクルにおいて、過度にリッチな空燃比を有する混合ガスが燃焼することを防止することができる。この結果、後続燃焼サイクルにおける混合ガスの燃焼に伴って、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
更に、燃焼室に導入される燃焼ガスの量が過剰である燃焼サイクルにおいて、定常燃焼サイクルの場合と同量の燃料が燃焼すると、定常燃焼サイクルの場合と同量の燃焼ガスが新たに生成されるので、燃焼サイクル終了時の燃焼ガスの総量は、定常燃焼サイクルの場合よりも多くなる。その結果、次の燃焼サイクルにおいても、燃焼室に導入される燃焼ガスの量が過剰となるので、多量のNOxが生成される期間が比較的長くなるという問題もあった。
これに対し、上記構成によれば、後続燃焼サイクルにおいて、所定のサイクル数が経過するまでの間、始動時必要燃料量よりも少ない量の燃料が噴射されるので、新たに生成される燃焼ガスの量は始動時必要燃料量の燃料が噴射される場合よりも少なくなる。この結果、燃焼ガスの量が過剰となっている期間を早期に終了させることができるので、内燃機関の運転状態を多量のNOxが生成されない状態へ早期に移行させることができる。
<第1実施形態>
以下、本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態の制御装置は、2サイクル予混合圧縮自着火方式により運転される多気筒(本例では、4気筒)内燃機関に適用される。
図1は、第1実施形態に係る制御装置を前記内燃機関に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に空気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ(シリンダボア)21、ピストン22、コンロッド23、クランク軸24及びスタータ25を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。スタータ25は、図示しないモーターを備えている。このモーターは、図示しないイグニッション・キーが操作されることにより同イグニッション・キーの位置が始動位置となったとき、図示しないバッテリから電力の供給を受けて回転し、図示しないギアを介してクランク軸24を回転させるようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドとは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室26を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室26に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動する吸気弁駆動手段としての吸気弁駆動機構32a、燃焼室26に連通した排気ポート33、排気ポート33を開閉する排気弁34、排気弁34を駆動する排気弁駆動手段としての排気弁駆動機構34a、点火プラグ35、点火プラグ35に与える高電圧を発生させるイグニッションコイルを含むイグナイタ36、指示信号に応答して燃料を吸気ポート31内に噴射する燃料噴射手段としてのインジェクタ(燃料噴射弁)37、インジェクタ37に高圧燃料を供給する蓄圧室37a及び燃料を蓄圧室37aへ圧送する燃料ポンプ37bを備えている。吸気弁駆動機構32a及び排気弁駆動機構34aは、駆動回路38に接続されている。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通したインテークマニホールド41、インテークマニホールド41に連通したサージタンク42、サージタンク42に一端が接続されインテークマニホールド41及びサージタンク42とともに吸気通路(吸気管)を形成する吸気ダクト43、吸気ダクト43の他端部から下流(サージタンク42)に向けて順に吸気ダクト43に配設されたエアフィルタ(AF)44、機械式過給機(SC)45、バイパス流量調整弁46、インタークーラ(IC)47、スロットル弁48及びバイパス通路49を備えている。
機械式過給機45は、機械式過給機用クラッチ45aを備えている。機械式過給機用クラッチ45aは、駆動信号に応答して、機械式過給機45を内燃機関10によって機械的に駆動する状態(作動状態、即ち、過給状態)と、機械式過給機45を内燃機関10によって駆動しない状態(非作動状態、即ち、非過給状態)と、に切り替えるようになっている。
インタークーラ47は水冷式であって、吸気ダクト43を通過する空気を冷却するようになっている。インタークーラ47は、インタークーラ47内の冷却水の熱を大気中に放出するラジエタ47aと、インタークーラ47とラジエタ47aとの間で冷却水を循環させる循環ポンプ47bとに接続されている。
スロットル弁48は吸気ダクト43に回転可能に支持され、スロットル弁アクチュエータ48aにより駆動されることにより吸気通路の開口断面積を可変とするようになっている。
バイパス通路49の一端はバイパス流量調整弁46と接続され、他端はインタークーラ47とスロットル弁48との間の位置にて吸気ダクト43に接続されている。バイパス流量調整弁46は、駆動信号に応答して図示しないバルブ開度を変更することにより、インタークーラ47へ流入する空気量とインタークーラ47をバイパス(迂回)する空気量(バイパス通路49へ流入する空気量)とを調整できるようになっている。
排気系統50は、排気ポート33に連通し同排気ポート33とともに排気通路を形成するエキゾーストマニホールドを含む排気管51及び排気管51に配設された三元触媒装置52を備えている。
一方、このシステムは、エアフローメータ61、クランクポジションセンサ62、冷却水温度検出手段としての冷却水温度センサ63、筒内圧検出手段としての筒内圧センサ64、アクセル開度センサ65及び電気制御装置70を備えている。
エアフローメータ61は、吸気ダクト43内を通過する空気の量を表す信号を出力するようになっている。クランクポジションセンサ62は、クランク軸24が5°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。
冷却水温度センサ63は、シリンダ21の側壁内を循環する冷却水の温度(冷却水温度)TWを表す信号を出力するようになっている。筒内圧センサ64は、燃焼室26内の圧力(筒内圧)Pcを表す信号を出力するようになっている。なお、筒内圧センサ64は燃焼室26上部のシリンダヘッド部30に設けてもよい。
アクセル開度センサ65は、運転者によって操作されるアクセルペダル66の操作量(アクセルペダル操作量)Accpを表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納されたデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース75は、上記センサ61〜65と接続され、CPU71にセンサ61〜65からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じてイグナイタ36、インジェクタ37、燃料ポンプ37b、駆動回路38、機械式過給機用クラッチ45a、バイパス流量調整弁46及びスロットル弁アクチュエータ48aに駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。更に、インターフェース75は、スタータ25に図示しないバッテリから電力を供給するスタータ電源供給線に接続されていて、スタータ25に電力が供給されていることを示すスタータ信号を入力するようになっている。
(作動)
次に、上記のように構成された制御装置の作動について説明する。この制御装置は、始動時、クランキングが開始してから燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して、内燃機関10の始動時において要求されるトルクを同内燃機関10により出力させるために1回の燃焼サイクルに対して必要な燃料の量(始動時必要燃料量)よりも少ない量の燃料を噴射させる。一方、制御装置は、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の各燃焼サイクルに対して、始動時必要燃料量の燃料を噴射させる。ここで、始動時とは、例えば、スタータ25のモーターが回転させられてクランキングが開始してから、混合ガスの燃焼によりエンジン回転速度NEが所定の閾値回転速度(始動判定回転速度)以上となるまでの期間である。
(制御量及び制御タイミングの決定)
具体的に述べると、運転者がイグニッション・キーを操作することにより同イグニッション・キーの位置が始動位置となったとき(即ち、スタータ25を始動させるための操作を行ったとき)、スタータ25のモーターが駆動させられ、これにより、クランク軸24が回転させられる。即ち、クランキングが開始する。CPU71は、図示しないルーチンにより、スタータ信号をモニターしていて、スタータ信号が入力された時点を始動時の開始時点として認識する。更に、CPU71は、図示しないルーチンにより、始動時の開始時点以降においてエンジン回転速度NEが始動判定回転速度以上となった時点を始動時の終了時点として認識する。
更に、CPU71は、始動時の開始時点から始動時の終了時点までの間、図2にフローチャートにより示した内燃機関10の始動時の制御量及び制御タイミングを決定するためのルーチンを、第n気筒(nは、1、2、3及び4)のクランク角が第n気筒の上死点に一致する毎に第n気筒専用に実行するようになっている。
従って、第n気筒のクランク角が第n気筒の上死点に一致すると、CPU71は、ステップ200から処理を開始してステップ205に進み、冷却水温度センサ63により検出された冷却水温度TWを読み込むとともに、続くステップ210にてクランクポジションセンサ62により検出されたエンジン回転速度NEを読み込む。
そして、CPU71は、ステップ215に進み現時点の冷却水温度TW及びエンジン回転速度NEと、冷却水温度TW及びエンジン回転速度NEと内燃機関10の始動時において要求されるトルク(要求トルク)TQとの関係を規定するテーブルMapTQaと、に基づいて始動時の要求トルクTQ(=MapTQa(TW,NE))を決定する。
内燃機関10の始動時、エンジン回転速度NEを増加させることが内燃機関10に対して要求される。一方、内燃機関10を運転する際、構成部材間(例えば、ピストン22とシリンダ21との間)の摩擦等により損失が発生する。従って、内燃機関10の始動時、エンジン回転速度NEを増加させるために必要なトルクに上記摩擦等による損失に相当するトルクを加えたトルクを生成することが内燃機関10に対して要求される。
ところで、冷却水温度TWが低くなるにつれてエンジンオイルの粘度が高くなる。その結果、構成部材間の摩擦力が大きくなるので、構成部材間の摩擦による損失が大きくなる。従って、テーブルMapTQaは、冷却水温度TWが低くなるにつれて求められる始動時の要求トルクTQが大きくなるように予め設定されている。
また、以下の説明において、MapXx(a,b)と表記されるテーブルは、変数a及び変数bと値Xとの関係を規定するテーブルを意味することとする。添え字xは、必要に応じてテーブルを特定するために使用される。また、値XをテーブルMapXx(a,b)に基づいて求めるとは、値Xを現時点の変数a及び現時点の変数bと、テーブルMapXx(a,b)と、に基づいて求める(決定する)ことを意味することとする。なお、変数は1つのみでもよい。
次いで、CPU71は、ステップ220に進み排気弁開弁タイミングEOをテーブルMapEOa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapEOaは、求められる排気弁開弁タイミングEOが上死点と同上死点の次の下死点との間の所定のタイミングとなるように予め設定されている。
次に、CPU71は、ステップ225に進んで吸気弁開弁タイミングIOをテーブルMapIOa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapIOaは、任意の運転状態のときに、同テーブルMapIOaに基づいて求められる吸気弁開弁タイミングIOがテーブルMapEOaに基づいて求められる排気弁開弁タイミングEOより後(遅角側)のタイミングであって上記下死点より前(進角側)の所定のタイミングとなるように予め設定されている。
そして、CPU71は、ステップ230に進んで排気弁閉弁タイミングECをテーブルMapECa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapECaは、任意の運転状態のときに、同テーブルMapECaに基づいて求められる排気弁閉弁タイミングECがテーブルMapIOaに基づいて求められる吸気弁開弁タイミングIOより後(遅角側)の所定のタイミングとなるように予め設定されている。
続いて、CPU71は、ステップ235に進んで吸気弁閉弁タイミングICをテーブルMapICa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapICaは、任意の運転状態のときに、同テーブルMapICaに基づいて求められる吸気弁閉弁タイミングICがテーブルMapECaに基づいて求められる排気弁閉弁タイミングECより後の所定のタイミングとなるように予め設定されている。
その後、CPU71は、ステップ240に進んで始動時必要燃料量τSをテーブルMapτSa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapτSaは、求められる始動時必要燃料量τSの燃料が燃焼することにより内燃機関10の始動時において要求されるトルク(エンジン回転速度NEを増加させるために必要なトルク)が同内燃機関10により出力されるように予め設定されている。
次に、CPU71は、ステップ245に進んで燃焼発生フラグFxの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、燃焼発生フラグFxは、燃焼室26内に形成された混合ガスの燃焼がクランキング開始後において発生したか否かを表すフラグであって、その値が「1」であれば既に燃焼が発生しており、「0」であれば未だ燃焼が発生していないことを示す。燃焼発生フラグFxの値は、クランキングが開始した時点にて「0」に設定され、後述する燃焼発生検出ルーチンにおいて混合ガスの燃焼の発生が検出された時点にて「1」に設定される。
現時点はクランキングが開始した直後の時点である。従って、混合ガスの燃焼は未だ発生していない。従って、CPU71は、ステップ245にて「Yes」と判定してステップ250に進み噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに係数Kを乗じた値に設定する。ここで、係数Kは、1より小さい正の値であって、燃焼室26内に形成される混合ガス中の燃料量が燃焼サイクルの経過に伴って増加するように決定された値(本例では、0.4)である。なお、ステップ245及びステップ250の処理が実行されることは、噴射燃料量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
次いで、CPU71は、ステップ255に進んで燃料噴射開始タイミングINJをテーブルMapINJa(TQ,NE)に基づいて求める。ここで、テーブルMapINJaは、任意の運転状態のときに同テーブルMapINJaに基づいて求められる燃料噴射開始タイミングINJが上記テーブルMapIOaに基づいて求められる吸気弁開弁タイミングIOの直後の所定のタイミングとなるように予め設定されている。従って、求められる燃料噴射開始タイミングINJは、吸気弁開弁期間内の初期のタイミングとなる。
そして、CPU71は、ステップ299に進んで本ルーチンの実行を一旦終了する。以上により、第n気筒の吸気弁32、排気弁34及びインジェクタ37を制御するタイミング及び第n気筒の吸気ポート31内に噴射される燃料の量が決定される。
なお、本例では、吸気弁32及び排気弁34がそれぞれ開閉されるタイミングは、混合ガスの燃焼が発生した後の燃焼サイクル(即ち、燃焼ガスが存在している状態)において、燃焼室26内に形成される混合ガス内の空気の分圧と同混合ガス内の燃焼ガスの分圧とが略一致するように設定されている。従って、燃焼ガスが存在しない状態において燃焼室26内に形成される混合ガス中の空気量は、燃焼ガスが存在している場合の空気量の略2倍となる。
以降において、混合ガスの燃焼が最初に発生するまで(即ち、後述する燃焼発生検出ルーチンにおいて燃焼発生フラグFxの値が「1」に設定されるまで)、以上の処理が繰り返される。
(駆動制御)
一方、CPU71は、図3にフローチャートにより示した内燃機関10を駆動制御するための駆動制御ルーチンを、クランク角が所定の微小なクランク角だけ変化する毎に第n気筒専用に実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ300から本ルーチンの処理を開始してステップ305に進み、第n気筒の現時点のクランク角が図2のルーチンにより決定された第n気筒の排気弁開弁タイミングEOと一致しているか否かを判定する。そして、第n気筒の現時点のクランク角が第n気筒の排気弁開弁タイミングEOと一致していると、CPU71はステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進み、排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出して第n気筒の排気弁34を開弁させる(図4の(1)を参照。)。これにより、燃焼室26から燃焼室26内のガスが排出され始める(排気が開始する)。
この時点では、混合ガスが未だ燃焼していないので、燃焼室26内のガス(この時点では、空気)の圧力は、排気管51内の圧力と比較してそれほど高くない。従って、排気弁34が開弁されても燃焼室26内のガスはほとんど排出されない。
以降、CPU71は、ステップ315からステップ350までの処理に従って、排気弁34を開弁させる場合と同様に各種の駆動信号(指示信号)を適当なタイミングにて発生し、以下に記述する各種の動作を行わせる。
ステップ315及びステップ320…第n気筒の現時点のクランク角が図2のルーチンにより決定された第n気筒の吸気弁開弁タイミングIOと一致したとき、吸気弁駆動機構32aに駆動信号を送出して第n気筒の吸気弁32を開弁させる(図4の(2)を参照。)。これにより、燃焼室26内へ空気が導入され始める(掃気が開始する)。
始動時においては、過給圧が十分に高められていない。従って、吸気弁32が開弁されても掃気量(吸気弁32及び排気弁34が両方とも開弁されている掃気期間において燃焼室26内に導入されるガス量或いは燃焼室26から排出されるガス量)は極めて少ない。
ステップ325及びステップ330…第n気筒の現時点のクランク角が図2のルーチンにより決定された第n気筒の燃料噴射開始タイミングINJと一致したとき、第n気筒のインジェクタ37を図2のルーチンにより決定された噴射燃料量τに応じた時間だけ開弁させ、噴射燃料量τの燃料を吸気ポート31内に噴射させる(図4の(3)を参照。)。
これにより、噴射された燃料の一部は、吸気ポート31を構成する壁面又は吸気弁32等に付着する。噴射された燃料のうちの他の部分は、吸気ポート31を通過して燃焼室26内に流入する空気とともに燃焼室26内に流入する。なお、ステップ325及びステップ330の処理が実行されることは、噴射燃料量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
ステップ335及びステップ340…第n気筒の現時点のクランク角が図2のルーチンにより決定された第n気筒の排気弁閉弁タイミングECと一致したとき、排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出して第n気筒の排気弁34を閉弁させる(図4の(4)を参照。)。これにより、掃気が終了して吸気が開始する。
ステップ345及びステップ350…第n気筒の現時点のクランク角が図2のルーチンにより決定された第n気筒の吸気弁閉弁タイミングICと一致したとき、吸気弁駆動機構32aに駆動信号を送出して第n気筒の吸気弁32を閉弁させる(図4の(5)を参照。)。これにより、吸気が終了するとともに燃焼室26内に形成された混合ガスの圧縮が開始する。
図5は、燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量及び筒内燃料量の変化を示したグラフである。図5の各燃焼サイクルに対して左側に示された量が新規噴射燃料量であり、右側に示された量が筒内燃料量である(後述する図9及び図10においても同様。)。
ここで、新規噴射燃料量は、各燃焼サイクルに対して新規に噴射される燃料の量である。また、筒内燃料量は、燃焼室26内に形成された混合ガスの圧縮が開始する時点(即ち、吸気弁32が閉弁される時点)において同混合ガスに含まれる燃料(気化した状態にあって燃焼に寄与しうる燃料)の量である。筒内燃料量は、筒内到達気化燃料量、筒内到達新規噴射燃料量及び筒内残留燃料量からなる。
筒内到達気化燃料量は、過去の燃焼サイクルに対して噴射された燃料であって吸気ポート31を構成する壁面又は吸気弁32等に付着していた燃料が気化することにより燃焼室26内に流入した燃料の量である。
筒内到達新規噴射燃料量は、今回の燃焼サイクルに対して新たに噴射された燃料のうち上記壁面等に付着することなく燃焼室26内に流入した燃料の量である。
筒内残留燃料量は、前回の燃焼サイクルにおいて混合ガスに含まれていた燃料のうち燃焼室26から排出されることなく燃焼室26内に残留した燃料の量である。
上述したように、本例では、燃焼ガスが存在していない状態において形成される混合ガス中の空気量は、燃焼ガスが存在している場合の空気量の略2倍である。従って、燃焼ガスが存在しない状態において燃焼室26に形成される混合ガスを燃焼させるために必要な燃料量(気化した状態にあって燃焼に寄与しうる燃料の量)である初回燃焼必要燃料量(閾値燃料量)τiは、始動時必要燃料量τSの略2倍である。
ところで、クランキングが開始した後、1回目の燃焼サイクルにおいては、筒内燃料量は、筒内到達新規噴射燃料量のみである。従って、この時点では、筒内燃料量は、初回燃焼必要燃料量τiよりも少ない。
従って、ピストン22により混合ガスが圧縮されても混合ガスは自着火せず燃焼しない。
その後、CPU71はステップ399に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(燃焼発生検出ルーチン)
一方、CPU71は、図示しない燃焼発生検出ルーチンをクランク角が所定の微小なクランク角だけ変化する毎に第n気筒専用に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71は、筒内圧センサ64により検出された第n気筒の筒内圧Pcを新たにRAM73に記憶させる。更に、CPU71は、RAM73に記憶された第n気筒の筒内圧Pcのすべての値のうちの最大値が所定の閾値圧力以上であるとき、第n気筒の燃焼発生フラグFxの値を「1」に設定する。ここで、前記閾値圧力は、混合ガスが燃焼しない場合における1つの燃焼サイクル中の筒内圧Pcの最大値よりも高い圧力であって、混合ガスが燃焼する場合における1つの燃焼サイクル中の筒内圧Pcの最大値よりも低い圧力である。
この時点では、混合ガスが未だ燃焼していないので、RAM73に記憶された第n気筒の筒内圧Pcのすべての値のうちの最大値は、上記閾値圧力より小さい。従って、第n気筒の燃焼発生フラグFxの値が更新されることはなく、同値は「0」に維持される。
(2回目の燃焼サイクル)
そして、未燃の混合ガスが燃焼室26内に存在する状態で、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の2回目の燃焼サイクルとなる。この時点においても、1回目(前回)の燃焼サイクルと同様に、混合ガスが未だ燃焼していないので、燃焼室26内の混合ガスが燃焼室26から排出される量は極めて少ない。従って、1回目の燃焼サイクルにおける筒内燃料量のほとんどが筒内残留燃料量となる。
更に、2回目(今回)の燃焼サイクルに対して噴射された燃料の一部が筒内に到達するとともに、前回の燃焼サイクルに対して噴射された燃料のうちの上記壁面等に付着していた燃料が気化して流入する。
以上により、今回の燃焼サイクルにおいて混合ガスの圧縮が開始する時点(吸気弁32が閉弁される時点)における筒内燃料量は、1回目の燃焼サイクルの筒内燃料量よりも多くなる。一方、この時点では、噴射された燃料の総量が始動時必要燃料量τSの0.8倍の量であるので、筒内燃料量は、初回燃焼必要燃料量τiよりも少ない量となる。従って、2回目の燃焼サイクルにおいても、混合ガスは自着火せず燃焼しない。
(3回目〜5回目の燃焼サイクル)
そして、燃焼サイクルの経過に伴って、筒内燃料量は増加する。3回目〜5回目の燃焼サイクルにおいては、1回目及び2回目の燃焼サイクルの場合と同様に、筒内燃料量が初回燃焼必要燃料量τiよりも少ないので、混合ガスは自着火されず燃焼しない。
(6回目の燃焼サイクル)
その後、現時点の燃焼サイクルが6回目の燃焼サイクルとなると、筒内燃料量は、初回燃焼必要燃料量τiより多くなる。従って、同燃焼サイクルにおいて混合ガスがピストン22により圧縮されると、同混合ガスは自着火により燃焼する。即ち、本例では、燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼する燃焼サイクルである初回燃焼発生燃焼サイクルは、6回目の燃焼サイクルである。
ここで、クランキングが開始してから以上のように混合ガスの燃焼が最初に発生するまでの期間における本実施形態による利点を従来の制御装置と対比して説明する。図10は、始動時必要燃料量τSの燃料を各燃焼サイクルに対して噴射する従来の制御装置の場合における燃焼サイクルに対する筒内燃料量の変化を示したグラフである。この場合、クランキング開始後の3回目の燃焼サイクルにて筒内燃料量が初回燃焼必要燃料量τiより多くなり混合ガスの燃焼が最初に発生する。このとき、燃焼される燃料の量(筒内燃料量)のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量S1は比較的多い。従って、燃焼により過大な振動及び音が発生するとともに、多量のNOxが生成される。
一方、本実施形態の場合(図5を参照。)、クランキングが開始してから燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSよりも少ない量の燃料を噴射しているので、筒内燃料量が燃焼サイクルの経過毎に増加する量(増分量)は、始動時必要燃料量τSの燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合と比較して少なくなる。従って、混合ガスの最初の燃焼時(6回目の燃焼サイクルのとき)、筒内燃料量のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量は十分に少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼により発生する過大な振動及び音を低減することができ、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
一方、このように、混合ガスの燃焼が開始すると、筒内圧Pcの最大値が上記閾値圧力以上となる。従って、CPU71が上記燃焼発生検出ルーチンを実行すると、CPU71は、燃焼発生フラグFxの値を「1」に設定する。
(7回目の燃焼サイクル)
その後、現時点の燃焼サイクルが7回目の燃焼サイクルとなった時点にてCPU71が図2のルーチンの処理を開始すると、CPU71は、ステップ245に進んだとき、同ステップ245にて「No」と判定してステップ260に進み噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに設定する。次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、図2のルーチンを一旦終了する。
このように、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の後続燃焼サイクルにおいては、始動時必要燃料量τSの燃料が噴射される。この結果、後続燃焼サイクルにおいて、内燃機関10の始動時に要求されるトルクを内燃機関10により出力させることができる。
ところで、1回前の燃焼サイクルにおいて混合ガスが燃焼すると、今回の燃焼サイクルにおいて同燃焼により生成された燃焼ガスが燃焼室26内に導入される。これにより、燃焼室26内に導入される空気量が適切な量となるので、始動時必要燃料量τSの燃料が噴射されることにより燃焼室26内に形成される混合ガスの空燃比は、同混合ガスを燃焼させるために十分な空燃比となる。従って、今回の燃焼サイクルにおいても混合ガスは燃焼する。即ち、混合ガスの燃焼が一度発生すると、以降の各燃焼サイクルにおいても混合ガスは燃焼する。
以上の各ルーチンの処理は、エンジン回転速度NEが始動判定回転速度よりも大きくなるまで繰り返し実行される。
(始動完了後)
エンジン回転速度NEが始動判定回転速度より大きくなると、CPU71は、上記図2のルーチンに代えて、同ルーチンと同様のルーチンであって、内燃機関10の始動完了後の制御量及び制御タイミングを決定するための図示しないルーチンを実行する。このルーチンは、アクセル開度センサ65により検出されたアクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEに基づいて要求トルクTQを決定する点において上記図2のルーチンと相違している。
更に、このルーチンにおいては、要求トルクTQ及びエンジン回転速度NEに基づいて制御量(噴射燃料量τ)及び制御タイミング(排気弁開弁タイミングEO、排気弁閉弁タイミングEC、吸気弁開弁タイミングIO、吸気弁閉弁タイミングIC及び燃料噴射開始タイミングINJ等)を決定するためにCPU71が参照するテーブルも上記図2のルーチンと相違している。
加えて、CPU71は、始動時と同様に、上記図3の駆動制御ルーチンを実行する。これにより、内燃機関10は2サイクル予混合圧縮自着火方式により運転され、アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEに応じたトルクを出力する。
以上、説明したように、本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置の第1実施形態によれば、クランキングが開始してから燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSよりも少ない量の燃料が噴射される。これにより、筒内燃料量が燃焼サイクルの経過毎に増加する量(増分量)は、始動時必要燃料量τSの燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合と比較して少なくなる。従って、混合ガスの最初の燃焼時(6回目の燃焼サイクルのとき)、筒内燃料量のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量は十分に少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼により発生する過大な振動及び音を低減することができ、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
また、上記第1実施形態においては、混合ガスの最初の燃焼に供される燃料の量(筒内燃料量)は、各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも少ない。ところで、筒内燃料量は、噴射された燃料の総量に略比例する。従って、上記第1実施形態においては、クランキングが開始してから混合ガスが最初に燃焼するまでに各燃焼サイクルに対して噴射される燃料の総量が、各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも少なくなるように各燃焼サイクルに対する噴射燃料量が決定されていると言うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置について説明する。第2実施形態に係る制御装置は、混合ガスの燃焼が最初に発生した後、所定のサイクル数が経過するまでの間、各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSより少ない量の燃料を噴射させる点において上記第1実施形態に係る制御装置と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
この制御装置は、図2のルーチンに代えて、同ルーチンのステップ245、ステップ250及びステップ260の処理を図6に示したステップ645からステップ665までの処理に置換したルーチンを実行する。
(燃焼発生前の燃焼サイクル)
以下、クランキングが開始した時点から説明する。この時点にてCPU71が上記ルーチンの処理を開始し、ステップ240までの処理を実行すると、同CPU71はステップ645に進んで、上記ステップ245と同様に、第n気筒の燃焼発生フラグFxの値が「0」であるか否かを判定する。
この時点では、混合ガスの燃焼は未だ発生していない。従って、CPU71は、ステップ645にて「Yes」と判定して、ステップ650に進み初回燃焼発生後サイクル数Nの値を「0」に設定する。ここで、初回燃焼発生後サイクル数Nは、クランキング開始後に混合ガスの燃焼が最初に発生してから経過した第n気筒の燃焼サイクルの数である。
そして、CPU71は、ステップ655に進み、上記ステップ250と同様に、噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに係数Kを乗じた値に設定する。
次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、上述したように燃料噴射開始タイミングINJを決定した後、このルーチンを一旦終了する。
加えて、CPU71は、上記第1実施形態と同様に、上記図3の駆動制御ルーチンを実行する。これにより、上記第1実施形態と同様に、1つの燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSより少ない量(本例では、τSの0.4倍の量)の燃料が噴射される。そして、上記第1実施形態と同様に、混合ガスの燃焼が発生しない燃焼サイクルが5回繰り返される。
そして、時間が経過すると、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の6回目の燃焼サイクルになる。
図7は、6回目以降の燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量、筒内燃料量及び筒内残留燃焼ガス量の変化を示したグラフである。図7の各燃焼サイクルに対して左側に示された量が新規噴射燃料量であり、中央に示された量が筒内燃料量であり、右側に示された量が筒内残留燃焼ガス量である(後述する図11においても同様。)。
ここで、筒内残留燃焼ガス量は、燃焼室26内に形成された混合ガスの圧縮が開始する時点(圧縮開始時点)において同混合ガスに含まれる燃焼ガスの量である。6回目の燃焼サイクルの圧縮開始時点においては、混合ガスの燃焼が未だ発生していない。従って、同燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量は0である。
上述したように、今回(6回目)の燃焼サイクルにおいて、筒内燃料量は、初回燃焼必要燃料量τiより多くなる。従って、混合ガスは自着火により燃焼する。このとき、燃焼する混合ガス中の燃料量は、始動時必要燃料量τSよりも多い初回燃焼必要燃料量τi以上の量である。従って、混合ガスの燃焼により生成される燃焼ガス量は、始動時必要燃料量τSの燃料が燃焼する燃焼サイクルが所定の期間継続している定常状態におけるある燃焼サイクル(定常燃焼サイクル)において生成される燃焼ガス量よりも多い。
(7回目の燃焼サイクル)
そして、時間が経過すると、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の7回目の燃焼サイクルになる。この時点にてCPU71が上記ルーチンの処理を開始し、ステップ645までの処理を実行したとき、同CPU71はステップ645にて「No」と判定してステップ660に進み初回燃焼発生後サイクル数Nの値を1だけ増加させる。この時点では、初回燃焼発生後サイクル数Nの値は、「1」となる。
次いで、CPU71は、ステップ665に進み噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに関数値L(N)を乗じた値に設定する。ここで、関数Lは、初回燃焼発生後サイクル数Nが所定の閾値サイクル数以下のとき、関数値L(N)が1より小さい正の値となるとともに、初回燃焼発生後サイクル数Nが同閾値サイクル数より大きいとき、関数値L(N)が1となるようになっている。本例では、関数Lは、初回燃焼発生後サイクル数Nが1のとき、関数値L(N)が0.8となり、初回燃焼発生後サイクル数Nが2のとき、関数値L(N)が0.9となり、及び、初回燃焼発生後サイクル数Nが3以上のとき、関数値L(N)が1となるようになっている(即ち、閾値サイクル数は2である。)。なお、ステップ665の処理が実行されることは、噴射燃料量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、上述したように燃料噴射開始タイミングINJを決定した後、このルーチンを一旦終了する。
上述したように、1回前(6回目)の燃焼サイクルにおいて生成される燃焼ガス量は、定常燃焼サイクルにおいて生成される燃焼ガスの量よりも多い。従って、今回(7回目)の燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量は、定常燃焼サイクルの場合における筒内残留燃焼ガス量ESよりも多くなる。従って、燃焼室26への空気の導入を燃焼ガスが阻害する程度が大きくなるので、今回の燃焼サイクルにおいて燃焼室26内に導入される空気量は、定常燃焼サイクルの場合よりも少なくなる。
ところで、本実施形態によれば、今回の燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSよりも少ない量(本例では、τSの0.8倍の量)の燃料が噴射されるので、始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも混合ガスの空燃比をよりリーン側の空燃比にすることができる。この結果、混合ガスの燃焼に伴って、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
加えて、始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも少ない量の燃料が燃焼するので、今回の燃焼サイクルにおいて新たに生成される燃焼ガス量は少なくなる。
(8回目の燃焼サイクル)
そして、時間が経過すると、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の8回目の燃焼サイクルになる。
ここで、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の期間における本実施形態による利点を上記第1実施形態に係る制御装置と対比して説明する。図11は、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射する上記第1実施形態の場合における6回目以降の燃焼サイクルに対する筒内燃料量の変化及び筒内残留燃焼ガス量の変化を示したグラフである。8回目の燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量は、定常燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量ESに対して過剰量S1だけ過剰となっている。
一方、本実施形態によれば、上述したように、前回(7回目)の燃焼サイクルにおいて混合ガスの燃焼により新たに生成される燃焼ガス量が始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも少ないので、今回の燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量の過剰量S2は、過剰量S1よりも少なくなる(図7及び図11を参照。)。
そして、今回の燃焼サイクルに対しても始動時必要燃料量τSより少ない量(本例では、τSの0.9倍の量)の燃料が噴射される。従って、始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも混合ガスの空燃比をよりリーン側の空燃比にすることができる。この結果、混合ガスの燃焼に伴って、多量のNOxが生成されることを防止することができる。加えて、始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも少ない量の燃料が燃焼するので、今回の燃焼サイクルにおいて新たに生成される燃焼ガス量は少なくなる。
(9回目の燃焼サイクル)
そして、時間が経過すると、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の9回目の燃焼サイクルになる。この時点では、筒内残留燃焼ガス量は定常燃焼サイクルにおける筒内残留燃焼ガス量ESに略一致する。このように、本実施形態によれば、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合よりも早期に筒内残留燃焼ガス量が過剰となっている期間を終了させることができるので、内燃機関10の運転状態を多量のNOxが生成されない状態へ早期に移行させることができる。
以上、説明したように、本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置の第2実施形態によれば、燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼する燃焼サイクルである初回燃焼発生燃焼サイクル(本例では、6回目の燃焼サイクル)より後の後続燃焼サイクル(本例では、7回目以降の燃焼サイクル)において、上記閾値サイクル数が経過するまでの間、始動時必要燃料量τSよりも少ない量の燃料が噴射される。これにより、後続燃焼サイクルにおいて、過度にリッチな空燃比を有する混合ガスが燃焼することを防止することができる。この結果、後続燃焼サイクルにおける混合ガスの燃焼に伴って、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
更に、上記第2実施形態によれば、後続燃焼サイクルにおいて、上記閾値サイクル数が経過するまでの間、始動時必要燃料量τSよりも少ない量の燃料が噴射されるので、新たに生成される燃焼ガスの量は始動時必要燃料量τSの燃料が噴射される場合よりも少なくなる。この結果、燃焼ガスの量が過剰となっている期間を早期に終了させることができるので、内燃機関10の運転状態を多量のNOxが生成されない状態へ早期に移行させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置について説明する。第3実施形態に係る制御装置は、初回燃焼必要燃料量τi以上の燃料をクランキング開始後の最初の燃焼サイクルに対して噴射させるとともに、その後の燃焼サイクルであって混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して燃料を噴射させない点において上記第1実施形態に係る制御装置と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
この制御装置は、図2のルーチンに代えて、同ルーチンのステップ240、ステップ250及びステップ260の処理を図8に示したステップ845からステップ865までの処理に置換したルーチンを実行する。
(1回目の燃焼サイクル)
以下、クランキングが開始した時点から説明する。この時点にてCPU71が上記ルーチンの処理を開始し、ステップ240までの処理を実行すると、同CPU71はステップ845に進んで、上記ステップ245と同様に、第n気筒の燃焼発生フラグFxの値が「0」であるか否かを判定する。
この時点では、混合ガスの燃焼は未だ発生していない。従って、CPU71は、ステップ845にて「Yes」と判定してステップ850に進み現時点の第n気筒の燃焼サイクルがクランキング開始後の最初(1回目)の燃焼サイクルであるか否かを判定する。本例では、CPU71は、クランキング開始後に本ルーチンが第n気筒用に実行された回数を数えるようになっている。従って、CPU71は、この数えられた回数に基づいて同ステップ850の判定を行う。
現時点はクランキングが開始した直後の時点である。従って、現時点の第n気筒の燃焼サイクルは1回目の燃焼サイクルである。従って、CPU71は、ステップ850にて「Yes」と判定してステップ855に進み噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに係数Gを乗じた値に設定する。ここで、係数Gは、始動時必要燃料量τSに対する初回燃焼必要燃料量τiの比以上の値であって、クランキングが開始してから混合ガスの燃焼が最初に発生するまでの間、「各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合の噴射燃料量の総量σS」の「始動時必要燃料量τS」に対する比(σS/τS)より小さい値(本例では、2.1)である。なお、ステップ850及びステップ855の処理が実行されることは、噴射燃料量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、上述したように燃料噴射開始タイミングINJを決定した後、このルーチンを一旦終了する。
加えて、CPU71は、上記第1実施形態と同様に、上記図3の駆動制御ルーチンを実行する。これにより、1回目の燃焼サイクルに対して初回燃焼必要燃料量τi以上の量(本例では、τSの2.1倍の量)の燃料が噴射される。噴射された燃料の一部は吸気ポート31を構成する壁面又は吸気弁32等に付着する。噴射された燃料のうちの他の部分は、吸気ポート31を通過して燃焼室26内に流入する空気とともに燃焼室26内に流入する。
図9は、燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量及び筒内燃料量の変化を示したグラフである。この時点では、筒内燃料量は、筒内到達新規噴射燃料量のみである。ところで、本例では、噴射された燃料のうちの噴射燃料量の0.3倍の量の燃料が吸気ポート31を構成する壁面又は吸気弁32等に付着する場合を想定している。従って、筒内燃料量は、初回燃焼必要燃料量τiより少ない量である。
(2回目の燃焼サイクル)
そして、時間が経過すると、現時点の燃焼サイクルがクランキング開始後の2回目の燃焼サイクルになる。この時点にてCPU71が上記ルーチンの処理を開始すると、CPU71は、ステップ850に進んだとき、同ステップ850にて「No」と判定してステップ860に進み噴射燃料量τを0に設定する。なお、ステップ860の処理が実行されることは、噴射燃料量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、上述したように燃料噴射開始タイミングINJを決定した後、このルーチンを一旦終了する。
上述したように、噴射燃料量τが0に設定されているので、この燃焼サイクルにおいては、燃料は噴射されない。従って、図9に示したように、2回目の燃焼サイクルにおける筒内燃料量は、筒内到達新規噴射燃料量を含まない。
ところで、上述したように、この時点では、燃焼室26内の混合ガスがほとんど排出されないので、1回目の燃焼サイクルにおける筒内燃料量のほとんどは、筒内残留燃料量となる。更に、前回の燃焼サイクルに対して噴射された燃料のうちの上記壁面等に付着していた燃料が気化して流入する。
その結果、筒内燃料量は、1回目の燃焼サイクルにおける筒内燃料量よりも多い量であって、初回燃焼必要燃料量τiよりも多い量になる。従って、同燃焼サイクルにおいて混合ガスがピストン22により圧縮されると、同混合ガスは自着火により燃焼する。即ち、本例では、燃焼室26内に形成される混合ガスが最初に燃焼する燃焼サイクルである初回燃焼発生燃焼サイクルは、2回目の燃焼サイクルである。
上述したように、始動時必要燃料量τSの燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合、クランキング開始後の3回目の燃焼サイクルにて筒内燃料量が初回燃焼必要燃料量τiより多くなり(図10を参照。)混合ガスの燃焼が最初に発生する。
一方、本実施形態の場合(図9を参照。)、クランキング開始後の最初の燃焼サイクルにて初回燃焼必要燃料量τi以上の燃料を噴射するとともに、その後の燃焼サイクルにて燃料の噴射を停止するので、複数の燃焼サイクルにて燃料が噴射される場合よりも早期に付着した燃料が気化し同気化した燃料が燃焼室26にて燃焼に寄与しうる燃料として混合ガスに含まれるようになる。これにより、燃焼室26内の混合ガス中の燃料量が比較的早期に初回燃焼必要燃料量τiより多くなり混合ガスが燃焼する。
従って、クランキングが開始してから混合ガスの燃焼が最初に発生するまでの期間を短くすることができるので、スタータ25を駆動するために消費されるエネルギーを小さくすることができる。この結果、内燃機関10の燃費を改善することができる。
また、始動時必要燃料量τSの燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合、混合ガスの最初の燃焼時(3回目の燃焼サイクルのとき)、燃焼される燃料の量(筒内燃料量)のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量S1は比較的多い。従って、燃焼により過大な振動及び音が発生するとともに、多量のNOxが生成される。
一方、本実施形態の場合、1回目の燃焼サイクルにおける噴射燃料量は、クランキングが開始してから混合ガスが最初に燃焼するまでの間、各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合の噴射燃料量の総量よりも少なくされている。従って、混合ガスの最初の燃焼時(2回目の燃焼サイクルのとき)、筒内燃料量のうちの初回燃焼必要燃料量τiを超える過剰量は十分に少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼により発生する過大な振動及び音を低減することができ、多量のNOxが生成されることを防止することができる。
(3回目の燃焼サイクル)
その後、現時点の燃焼サイクルが3回目の燃焼サイクルとなった時点にてCPU71が上記ルーチンの処理を開始すると、CPU71は、ステップ845に進んだとき、「No」と判定してステップ865に進み、上記ステップ260と同様に、噴射燃料量τを上記ステップ240にて決定された始動時必要燃料量τSに設定する。次いで、CPU71は、ステップ255以降のステップに進んで、本ルーチンを一旦終了する。
このように、混合ガスの燃焼が最初に発生した後の後続燃焼サイクルにおいては、始動時必要燃料量τSの燃料が噴射される。この結果、後続燃焼サイクルにおいて、内燃機関10の始動時に要求されるトルクを同内燃機関10により出力させることができる。
以上、説明したように、本発明による予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置の第3実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、クランキングが開始してから混合ガスが最初に燃焼するまでに噴射される燃料の総量が各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合と比較して少ない量となるように燃料が噴射される。これにより、最初に燃焼する混合ガス中の燃料量が各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSの燃料を噴射した場合と比較して少なくなる。この結果、混合ガスの最初の燃焼に伴って、過大な振動及び音が発生すること並びに多量のNOxが生成されることを防止することができる。
更に、上記第3実施形態によれば、上記第1実施形態と異なり、クランキング開始後の最初の燃焼サイクルにて初回燃焼必要燃料量τi以上の燃料が噴射されるとともに、その後の燃焼サイクルにて燃料の噴射が停止させられる。これにより、複数の燃焼サイクルにて燃料が噴射される場合よりも早期に付着した燃料が気化し同気化した燃料が燃焼室26にて燃焼に寄与しうる燃料として混合ガスに含まれるようになる。この結果、燃焼室26内の混合ガス中の燃料量が比較的早期に初回燃焼必要燃料量τiより多くなり混合ガスが燃焼する。従って、クランキングが開始してから混合ガスの燃焼が最初に発生するまでの期間を短くすることができるので、スタータ25を駆動するために消費されるエネルギーを小さくすることができる。この結果、内燃機関10の燃費を改善することができる。
なお、上記第3実施形態は、混合ガスの燃焼が最初に発生した後、始動時必要燃料量τSの燃料を噴射させるように構成されていたが、上記第2実施形態と同様に、混合ガスの燃焼が最初に発生した後、所定のサイクル数が経過するまでの間、各燃焼サイクルに対して始動時必要燃料量τSより少ない量の燃料を噴射させるように構成されていてもよい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、インジェクタ37は吸気ポート31内に燃料を噴射するようになっていたが、燃焼室26内に燃料を直接噴射するように構成されていてもよい。また、本発明に係る制御装置は、4サイクル予混合圧縮自着火方式により運転される内燃機関に適用されてもよい。
本発明の第1実施形態に係る制御装置を2サイクル予混合圧縮自着火方式により運転される内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 図1に示したCPUが実行する内燃機関の始動時の制御量及び制御タイミングを決定するためのルーチンを表すフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する内燃機関を駆動制御するためのルーチンを表すフローチャートである。 第1実施形態に係る内燃機関を始動時において2サイクル予混合圧縮自着火方式により運転しているときの吸気弁開弁タイミング、吸気弁閉弁タイミング、排気弁開弁タイミング、排気弁閉弁タイミング及び燃料噴射開始タイミング等を概念的に示した説明図である。 第1実施形態に係る内燃機関の始動時における燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量及び筒内燃料量の変化を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置が内燃機関の始動時において制御量及び制御タイミングを決定するために図2に示したルーチンの処理の一部に代えて実行する処理を表すフローチャートである。 第2実施形態に係る内燃機関の始動時における燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量、筒内燃料量及び筒内残留燃焼ガス量の変化を示したグラフである。 本発明の第3実施形態に係る制御装置が内燃機関の始動時における制御量及び制御タイミングを決定するために図2に示したルーチンの処理の一部に代えて実行する処理を表すフローチャートである。 第3実施形態に係る内燃機関の始動時における燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量及び筒内燃料量の変化を示したグラフである。 従来の制御装置に係る内燃機関の始動時における燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量及び筒内燃料量の変化を示したグラフである。 第1実施形態に係る内燃機関の始動時における燃焼サイクルに対する新規噴射燃料量、筒内燃料量及び筒内残留燃焼ガス量の変化を示したグラフである。
符号の説明
10…内燃機関、21…シリンダ、22…ピストン、24…クランク軸、25…スタータ、26…燃焼室、31…吸気ポート、32…吸気弁、32a…吸気弁駆動機構、33…排気ポート、34…排気弁、34a…排気弁駆動機構、37…インジェクタ、38…駆動回路、62…クランクポジションセンサ、63…冷却水温度センサ、64…筒内圧センサ、65…アクセル開度センサ、71…CPU、72…ROM。

Claims (4)

  1. シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上部に配置されたシリンダヘッドと、前記シリンダボア内において往復動するピストンと、少なくとも前記シリンダボアの壁面と前記シリンダヘッドの下面と前記ピストンの頂面とにより構成される燃焼室に供給される燃料を指示信号に応答して噴射する燃料噴射手段と、を備え、空気と前記燃料噴射手段により噴射された燃料と過去の燃焼サイクルにて生成された燃焼ガスとからなる混合ガスを前記燃焼室内に形成するとともに同形成された混合ガスを前記ピストンの往復動作により圧縮して自着火により燃焼させる方式により運転される予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時、前記燃焼室内に形成された混合ガスが最初に燃焼するまでに前記燃料噴射手段により各燃焼サイクルに対して噴射される燃料の総量が、同内燃機関の始動時において要求されるトルクを同内燃機関により出力させるために1回の燃焼サイクルに対して必要な燃料の量である始動時必要燃料量の燃料を各燃焼サイクルに対して噴射した場合において同燃焼室内に形成された混合ガスが最初に燃焼するまでに噴射される燃料の総量よりも少ない量となるように同燃料噴射手段により噴射させる燃料の量を決定するとともに、同決定された量に応じた前記指示信号を同燃料噴射手段に対して送出する噴射燃料量制御手段を備える予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置において、
    前記噴射燃料量制御手段は、前記燃焼室内に形成される混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が前記始動時必要燃料量よりも少ない量であって同混合ガスに含まれる燃料の量が燃焼サイクルの経過に伴って増加する量となるように構成された予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載の予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置において、
    前記噴射燃料量制御手段は、クランキング開始後の最初の燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が混合ガスの燃焼により生成される燃焼ガスが存在しない状態において前記燃焼室に形成される混合ガスを燃焼させるために必要な燃料量である初回燃焼必要燃料量以上の量となるとともに、その後の燃焼サイクルであって同混合ガスが最初に燃焼するまでの各燃焼サイクルに対して同決定される燃料の量がゼロとなるように構成された予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置において、
    前記噴射燃料量制御手段は、前記燃焼室内に形成される混合ガスが最初に燃焼する燃焼サイクルである初回燃焼発生燃焼サイクルより後の後続燃焼サイクルであって同初回燃焼発生燃焼サイクルから所定のサイクル数だけ後の燃焼サイクルまでの各燃焼サイクルに対して前記決定される燃料の量が前記始動時必要燃料量よりも少ない量となるように構成された予混合圧縮自着火式内燃機関の制御装置。
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