JP2007204791A - 高炉原料混合度計測方法および高炉原料混合度計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高炉10頂部の原料貯蔵槽12に混合原料の総重量を計測する総重量計測手段30を設けると共に、その原料貯蔵槽12の排出口側に筒状のコイルセンサー32を設けておき、前記原料貯蔵槽12内の混合原料を前記コイルセンサー32内を通過させて排出させ、その排出に伴って出力される当該コイルセンサー32の出力値と、前記総重量計測手段30で計測される前記混合原料の重量値とに基づいて前記原料貯蔵槽12から高炉10側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測する。これによって、高炉10内のように通常の方法では測定困難な環境においても、装入される混合原料の混合度を的確に計測できる。
【選択図】 図1
Description
例えば、各原料を所定の割合で混合する場合、各原料は原料貯留ホッパーから所定の割合になるようにコンベア上に切り出され、これらの原料はコンベアで運ばれ、サージホッパー内で各原料が混合される。さらに、混合された原料はこのサージホッパーから高炉炉頂へコンベアで運ばれた後、高炉炉頂バンカーに貯留され、高炉内へ装入される。
そのため、高炉への原料装入するに際しては、このように原料の「偏析現象」が発生していないか、すなわち各原料の質量比(混合率)が正しいか否かを正確に把握する必要がある。
すなわち、先ず、前記特許文献1に開示されている方法では、原料の混合度を正確に測定するためにその磁気検出用素子自体を高炉内の原料が装入された表面位置などに設置する必要があるが、この高炉内には頻繁に原料が投入されることから機械的応力を繰り返し受けるだけでなく、高炉内を吹き上がってくる高温(1000℃以上)の熱風の影響を直接受けることになるため、実際問題として正確な測定を行うことは不可能である。
また、前記特許文献3では、混合された物質中の個々の物質の重量を測定することは不可能であり、同じく被検査物および被検査物に含まれる不純物重量の測定に関する記述がないことから、そのままこの技術を前述したような「混合装入方式」に適用することはできない。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、高炉内のように通常の方法では測定困難な環境においても、装入される混合原料の混合度を的確に計測できる新規な高炉原料混合度計測方法および高炉原料混合度計測装置を提供するものである。
高炉頂部に設けられた原料貯蔵槽の排出口から当該高炉内に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測する方法であって、前記原料貯蔵槽にその原料貯蔵槽から排出される混合原料の総重量を計測する総重量計測手段を設けると共に、前記排出口側にその排出口を囲繞するように筒状のコイルセンサーを設けておき、前記原料貯蔵槽内の混合原料を前記排出口から前記コイルセンサー内を通過させて排出させ、その排出に伴って出力される当該コイルセンサーの出力値と、前記総重量計測手段で計測される前記混合原料の重量値とに基づいて前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測するようにしたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の高炉原料混合度計測方法において、前記混合原料として鉄鉱石と焼結鉱とコークスとを主成分とする混合原料を用い、当該混合原料の単位時間あたりの排出量を前記総重量計測手段で計測された前記混合原料の重量値に基づいて算出すると共に、当該単位時間あたりに排出された混合原料中の焼結鉱とコークスの各々の重量値を前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出し、その後、算出された焼結鉱とコークスの合計重量値を、前記単位時間あたりに排出された混合原料の総重量値から減じて前記鉄鉱石の重量値を算出して前記混合原料中の鉄鉱石と焼結鉱とコークスとの重量混合度を計測するようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の高炉原料混合度計測方法において、前記混合原料として鉄鉱石と焼結鉱とコークスとを主成分とする混合原料を生成するに際し、予め当該コークスの粒度分布を求めておき、前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出されたコークスの重量値をそのコークスの粒度分布に基づいて補正するようにしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の高炉原料混合度計測方法において、前記混合原料中の焼結鉱とコークスとの検量線を予め求めておき、前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出された焼結鉱とコークスとの重量値をその検量線に基づいて補正するようにしたことを特徴とするものである。
高炉頂部に設けられた原料貯蔵槽の排出口から当該高炉内に装入されるべく焼結鉱とコークスと鉄鉱石とからなる混合原料の重量混合度を計測する装置であって、前記原料貯蔵槽に設けられたロードセルの出力値に基づいて当該原料貯蔵槽から前記高炉内へ装入される混合原料の総重量を計測する総重量計測手段と、前記原料貯蔵槽の排出口側にその排出口を囲繞するように設けられた筒状のコイルセンサーからの出力値に基づいてその混合原料中の焼結鉱とコークスの各々の重量値を計測する各原料重量計測手段と、前記総重量計測手段で計測される混合原料の総重量値から前記各原料重量計測手段で計測される焼結鉱とコークスとの重量値を減算して前記混合原料中の鉄鉱石の重量を算出して前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測する原料混合度計測手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の高炉原料混合度計測装置において、前記各原料重量計測手段で計測されたコークスの重量値をそのコークスの粒度分布に基づいて補正する重量補正手段を備え、前記原料混合度計測手段は、当該重量補正手段で補正されたコークスの重量値を用いて前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測することを特徴とするものである。
また、請求項6の高炉原料混合度計測装置に関する発明によれば、請求項3および4と同様に、コークスの粒度分布の差による混合度の計測誤差をより少なくすることができる。
図1は、本発明に係る高炉原料混合度計測装置100およびこの高炉原料混合度計測装置100が備えられる高炉設備の実施の一形態を示したものである。
図において、10は高炉であり、その頂部には原料貯蔵槽となる3つの炉頂バンカー12、12、12が設けられている。そして、この炉頂バンカー12、12、12には、第2供給コンベア14、サージホッパー16、第1供給コンベア18、および各原料ホッパー20(鉄鉱石)、22(焼結鉱)、24(コークス)がそれぞれライン状に設けられており、この原料ホッパー20、22、24からそれぞれ所定の割合で切り出された各原料(鉄鉱石、焼結鉱、コークス)を第1供給コンベア18を介してサージホッパー16側に搬送・混合して混合原料を生成した後、生成した混合原料を第2供給コンベア14を介して炉頂バンカー12、12、12の各々にバッチ式に供給するようになっている。
総重量計測部110は、炉頂バンカー12、12、12の重量変化を計測する機能を提供するものであり、ロードセル30などの荷重測定機器から出力信号に基づいてその炉頂バンカー12、12、12の各々の重量変化を計測してその炉頂バンカー12、12、12に供給・排出される混合原料の総重量や単位時間あたりに排出される混合原料の重量を計測して出力するようになっている。
そして、これら検出コイル32bと励磁コイル32cとは近接しており、励磁コイル32cによって検出コイル32bに誘導される電圧を計測するようになっている。なお、本発明で適用可能なコイルセンサー32の構造に関しては、この形態に限られるものではなく、検出コイル32b上に励磁コイル32cを巻くなどしてもよい。
そして、この混合原料を構成する各原料のうち、焼結鉱とコークスは電磁気的性質が異なるものであり、励磁コイル32cに励磁電流として交流電流を流しておくと、混合原料が、検出コイル32bの内部を通過するときに検出コイル32bにはコークスと焼結鉱のそれぞれの質量に対応した出力電圧のベクトル和として出力が得られるため、コークスと焼結鉱の各々の重量値を求めることが可能となっている。なお、検出コイル32bの出力電圧を計測するためには、ロックインアンプ38で電圧の実部と虚部(または振幅と位相)に分けて検出する。
図2において励磁コイル32cは周波数発振器34と接続しており、周波数励磁は、この周波数発振器34によって行う。
この周波数発振器34は1ch、2chの2つのチャンネル出力を持っており、その出力は1chの信号に対して位相、振幅を変化させた信号を他方のチャンネルから出力可能なものである。
原料混合計測部140は、前述したように前記総重量計測部110で計測される混合原料の総重量値から前記各原料重量計測120で計測される焼結鉱とコークスとの合計重量値を減算して前記混合原料中の鉄鉱石の重量を算出してその混合原料中の各原料の重量混合度を計測する機能を提供するものであり、その具体例については、同じく後に詳述する。
図5は、本発明における高炉原料混合度計測方法に基づいた原料混合度測定処理の流れの一例を示したフローチャートである。
前述した本発明の高炉原料混合度計測装置100のコイルセンサー32によってコークスの重量を計測した場合、その粒径がバラバラであるとその計測結果に大きな誤差が発生することから、先ず、最初のステップS100において、予めその混合原料中のコークスの粒径を揃えておく。
そこで、本発明の高炉原料混合度計測方法では、炉頂バンカー12に設けられたロードセル30を用いて炉頂バンカー12から排出される混合原料の総重量を測定し、コイルセンサー32で焼結鉱とコークスの各々の重量を測定して混合原料の総重量から焼結鉱、コークスの重量を引くことで、鉄鉱石の重量を測定し、3種の原料の混合度を把握するようにしたものである。
すなわち、炉頂バンカー12にはロードセル30が取り付けてあり、単位時間あたりに排出される原料の重量を把握可能である。炉頂バンカー12の排出口から距離「L0」の空間内に含まれる原料の重量を求める。炉頂バンカー12の排出口における原料の平均速度を「v」として、距離「L0」落下するのにかかる時間「t1」は、以下の数式1によって求めることができる。
排出された混合原料は、所定の範囲(炉頂バンカーの排出口の大きさ)に広がって落下していくと考えれば、炉頂バンカー12の排出口を底面とする長さ(高さ)「L0」の柱状の空間に重量「M」の原料が含まれると考えられる。この空間に含まれる原料がさらに落下して重量測定を行うためのコイルセンサー32に到達し、その空間内の重量を計測することが可能である。
また、本発明はベルトコンベアで原料が搬送される途中にあるサージホッパー16などでの計測にも流用することが可能である。また、本実施の形態では、炉頂バンカー12として並列式のバンカーを用いた例で説明したが、垂直二段式のバンカーにも適用できることは勿論である。
すなわち、混合原料中のコークスは、その粒径によって検出コイル32bの出力電圧の大きさが異なるため、より高精度な計測を行うためには、図6のフローチャートに示すようにコークスの重量を算出する際にその粒度による補正を行う。
そして、次のステップS202〜S210まで前記実施の形態と同様な処理を行った後、ステップS212において、装入コークスの粒径に対する重量比に従って検量線を補正し、コークスの重量算出に用いることによって、コークスの算出精度を向上することが可能である。
先ず、図7は、炉頂バンカー12に設置されたロードセル30による炉頂バンカー12の重量の時間変化を示したものである。
本実施例では炉頂バンカー12から排出された混合原料の総重量は「19.5ton」で、焼結鉱、鉄鉱石、コークスのそれぞれの切り出し量は重量比で7:3:1であり、また、コイルセンサー32によるコイル計測可能範囲「L1」は、約「1400mm」であった。
図8は、このような条件下で計測された本実施例の原料混合度の時間変化を示したものである。
次に、他の実施例としてコークス粒径の分布補正を考慮した場合の重量混合度測定を実施した。
図10は、高炉装入前に測定したコークスの粒径毎の重量%を示したものであり、コークス粒径5〜15(mm)およびコークス粒径25〜35(mm)の重量%をそれぞれ約「25%」に対してコークス粒径15〜25(mm)の重量%を約「50%」とする混合比率であった。
そして、図9はこの検量線を用いて各原料の混合度を算出した結果を示したものであり、図示するように、混合度の変動はコークス粒径の補正を行うことにより、より高精度の計測が可能である。
110…総重量計測部
120…各原料重量計測部
130…重量補正部
140…原料混合度計測部
10…高炉
12…炉頂バンカー(原料貯蔵槽)
30…ロードセル
32…コイルセンサー
32a…管体
32b…検出コイル
32c…励磁コイル
34…発振器
36…作動アンプ
38…ロックインアンプ
40…AD変換器
42…データ記録部
Claims (6)
- 高炉頂部に設けられた原料貯蔵槽の排出口から当該高炉内に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測する方法であって、
前記原料貯蔵槽にその原料貯蔵槽から排出される混合原料の総重量を計測する総重量計測手段を設けると共に、前記排出口側にその排出口を囲繞するように筒状のコイルセンサーを設けておき、
前記原料貯蔵槽内の混合原料を前記排出口から前記コイルセンサー内を通過させて排出させ、その排出に伴って出力される当該コイルセンサーの出力値と、前記総重量計測手段で計測される前記混合原料の重量値とに基づいて前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測するようにしたことを特徴とする高炉原料混合度計測方法。 - 請求項1に記載の高炉原料混合度計測方法において、
前記混合原料として鉄鉱石と焼結鉱とコークスとを主成分とする混合原料を用い、
当該混合原料の単位時間あたりの排出量を前記総重量計測手段で計測された前記混合原料の重量値に基づいて算出すると共に、当該単位時間あたりに排出された混合原料中の焼結鉱とコークスの各々の重量値を前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出し、
その後、算出された焼結鉱とコークスの合計重量値を、前記単位時間あたりに排出された混合原料の総重量値から減じて前記鉄鉱石の重量値を算出して前記混合原料中の鉄鉱石と焼結鉱とコークスとの重量混合度を計測するようにしたことを特徴とする高炉原料混合度計測方法。 - 請求項2に記載の高炉原料混合度計測方法において、
前記混合原料として鉄鉱石と焼結鉱とコークスとを主成分とする混合原料を生成するに際し、予め当該コークスの粒度分布を求めておき、
前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出されたコークスの重量値をそのコークスの粒度分布に基づいて補正するようにしたことを特徴とする高炉原料混合度計測方法。 - 請求項3に記載の高炉原料混合度計測方法において、
前記混合原料中の焼結鉱とコークスとの検量線を予め求めておき、
前記コイルセンサーの出力値に基づいて算出された焼結鉱とコークスとの重量値をその検量線に基づいて補正するようにしたことを特徴とする高炉原料混合度計測方法。 - 高炉頂部に設けられた原料貯蔵槽の排出口から当該高炉内に装入されるべく、焼結鉱とコークスと鉄鉱石とを主成分とする混合原料の重量混合度を計測する装置であって、
前記原料貯蔵槽に設けられたロードセルの出力値に基づいて当該原料貯蔵槽から前記高炉内へ装入される混合原料の総重量を計測する総重量計測手段と、
前記原料貯蔵槽の排出口側にその排出口を囲繞するように設けられた筒状のコイルセンサーからの出力値に基づいてその混合原料中の焼結鉱とコークスの各々の重量値を計測する各原料重量計測手段と、
前記総重量計測手段で計測される混合原料の総重量値から前記各原料重量計測手段で計測される焼結鉱とコークスとの重量値を減算して前記混合原料中の鉄鉱石の重量を算出して前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測する原料混合度計測手段とを備えたことを特徴とする高炉原料混合度計測装置。 - 請求項5に記載の高炉原料混合度計測装置において、
前記各原料重量計測手段で計測されたコークスの重量値をそのコークスの粒度分布に基づいて補正する重量補正手段を備え、
前記原料混合度計測手段は、当該重量補正手段で補正されたコークスの重量値を用いて前記原料貯蔵槽から高炉側に装入される混合原料中の各原料の重量混合度を計測することを特徴とする高炉原料混合度計測装置。
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