JP2007204606A - 有機物処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機物処理装置において、小型化・低コスト化を実現しつつ、炭化反応を安全に抑制することを可能とする。
【解決手段】有機物処理装置1は、有機物6を収納する貯蔵容器7と、この貯蔵容器7を収容すると共に加熱して容器内部に収納した有機物を炭化処理するための炭化室20を有する炭化部2と、前記炭化の過程で発生するガスを加熱して燃焼させるための燃焼部3と、前記炭化室の温度を緊急に低下させる必要が生じたときのために、炭化反応を抑制する反応抑制部8と、を備え、この反応抑制部8は、炭化室20内に消火剤83を噴射する噴射ノズル82を備え、異常発生時に貯蔵容器7上に配置された蓋カバー73の上面に消火剤83を噴射することで、炭化室20内の温度を下げ、炭化反応を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】有機物処理装置1は、有機物6を収納する貯蔵容器7と、この貯蔵容器7を収容すると共に加熱して容器内部に収納した有機物を炭化処理するための炭化室20を有する炭化部2と、前記炭化の過程で発生するガスを加熱して燃焼させるための燃焼部3と、前記炭化室の温度を緊急に低下させる必要が生じたときのために、炭化反応を抑制する反応抑制部8と、を備え、この反応抑制部8は、炭化室20内に消火剤83を噴射する噴射ノズル82を備え、異常発生時に貯蔵容器7上に配置された蓋カバー73の上面に消火剤83を噴射することで、炭化室20内の温度を下げ、炭化反応を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、残飯や割箸等の有機物の分解処理を行う有機物処理装置に関する。
昨今、食品リサイクル法の施行に向けて、また、環境保全の取り組みとして、外食産業やコンビニエンスストア等は、排出されるごみの量を削減することが急務となっており、残飯等の有機物を炭化処理する有機物処理装置に対する関心が高まっている。この種の装置は、炭化室において酸素(空気)を遮断又は供給制限した状態で、残飯等の有機物を一定温度以上に加熱して熱分解(乾留)させ、最終的には、残飯等の有機物を炭素主体の炭化物へと変えることにより、ごみの減量・減容化を図るものである。この有機物処理装置は、原理的には木材や油脂、プラスチックス等の処理にも用いることができ、コンポスト化や乾燥減容化等による生ごみ処理装置と比べて処理物の質に対する制限が少ないという特徴を有する。また、最終的に生産される炭化物は、吸着剤や土壌改良剤としての利用が可能である。
従来の有機物処理装置としては、特許文献1に示されるように、有機物を収納して炭化処理する炭化室と、前記炭化処理で発生した種々の可燃性ガスを含む気体(以下、乾留ガス)を高温燃焼する焼却室を備え、前記炭化室には、有機物への熱伝導をよくするため攪拌手段を備えたものが知られている。
上述のように、炭化処理の過程で発生した可燃性の乾留ガスは燃焼処理されるが、万一、装置の故障等のトラブルによって可燃性の乾留ガスが有機物処理装置内に停滞し、そこに空気と着火源が存在した場合には危険な爆発が発生する可能性がある。
乾留ガスが装置内に停滞する原因として、停電を含む故障による排気装置の停止や排気ダクトの閉塞などによる排気不良等が考えられる。このような排気不良に関しては、例えば、補助の電源や排気経路及び排気装置を設置しておき、これにより排気することにより回避可能である。また、可燃性ガスが装置内に停滞する他の原因として、排気能力を超える乾留ガスが異常発生する場合が考えられる。乾留ガスが異常に発生する場合、炭化室の加熱を停止しても余熱で乾留ガスが発生し続ける可能性がある。装置の使用者が、所定の処理対象物以外のものを無制限に投入する可能性は低いが、乾留ガスを大量に発生するものを誤って炭化室に投入する可能性があり、大量ガス発生時の対策が必要である。そして、この乾留ガスの大量発生に対する処置としては、炭化反応を抑制することが有効である。
上述の炭化反応を抑制する例としては、特許文献2に示されるように、炭化原料を連続的に投入して炭化する装置において、炭化原料の投入口温度を監視し、その温度が所定温度以上となった場合に、炭化原料の投入を制限すると共に投入口における炭化原料に冷却水を噴射するものが知られている。
特開平11−50059号公報等
特開平11−131073号公報
しかしながら、上記の特許文献1に示される有機物処理装置では、炭化室に設けられた攪拌手段の機構部品は耐熱仕様でなければならず、前記撹拌手段を設置するために、炭化室の容積は大きく設計される必要がある。また、乾留ガスを燃焼させる焼却室の熱源にはガスが用いられることから、乾留ガスを燃焼させるための滞留時間を確保するために、焼却室の容積も大きくなり、装置全体として大型化を強いられ、コスト高にもなる。また、上記の特許文献2に示される炭化装置では、炭化原料の投入量を制限したり、投入原料に冷却水を噴霧して炭化反応を抑制する等の方法は、所定量以下の生ごみをバッチ処理する装置には適用できない。
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、有機物処理装置の小型化・低コスト化を実現しつつ、炭化反応を安全に抑制して乾留ガスの異常発生に対処できる生ごみ炭化装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、有機物を収納する貯蔵容器と、この貯蔵容器を収容すると共に加熱して容器内部に収納した有機物を炭化処理するための炭化室を有する炭化手段と、前記炭化の過程で発生するガスを加熱して燃焼させるための燃焼手段と、前記炭化室の温度を緊急に低下させる必要が生じたときのために、炭化反応を抑制する反応抑制手段と、を備えた有機物処理装置であって、前記反応抑制手段として、前記炭化室内に、炭化反応を抑制するための消火剤を噴射するための噴射ノズルを備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の有機物処理装置において、前記噴射ノズルが、炭化室内に収容された貯蔵容器の上方に位置するよう配設されたものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の有機物処理装置において、前記噴射ノズルは、貯蔵容器の略上部投影空間に消火剤を噴射する噴射角度を有したものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の有機物処理装置において、前記噴射ノズルが、複数の取付け角度で配設され、貯蔵容器の略上部投影空間全体に消火剤を噴射するものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機物処理装置において、前記貯蔵容器の上部空間に、前記消火剤が前記貯蔵容器に直接的に噴射されるのを防ぐための蓋カバーが設けられたものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載の有機物処理装置において、前記蓋カバーは、前記貯蔵容器内で発生するガスを前記燃焼室へ通気させる通気ダクトを貫通させるための貫通孔部を上方向に隆起させているものである。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の有機物処理装置において、前記蓋カバーの上面に、噴射された消火剤が貯蔵容器に到達するのを阻止するガード板が設けられたものである。
請求項8の発明は、請求項7に記載の有機物処理装置において、前記ガード板が、噴射された消火剤を側面に流出させるために、略V字形状とされているものである。
請求項1の発明によれば、有機物を収納する貯蔵容器を炭化室に収容して処理対象物を炭化処理するため、処理対象物を容易に取り扱うことができ、撹拌装置を設ける必要がなく、有機物処理装置の小型化・低コスト化が図られる。また、異常発生時等に、炭化反応を抑制させるために、噴射ノズルから炭化室内に噴射される水蒸気等の消火剤は、貯蔵容器内に収納された有機物を、容器の外部から間接的に消火・冷却するため、水蒸気爆発等の副次的な危険性がなく、炭化反応を安全に抑制することができる。更に、排気能力の範囲を越える大量の乾留ガスを発生する物質が装置に投入されたような場合においても、乾留ガスの異常等が発生しても安全に対処することができ、爆発等の事故を防止することができる。
請求項2の発明によれば、噴射ノズルから、消火剤が、貯蔵容器上部空間に噴射されることにより、消火剤が、炭化室下部領域まで一旦分布し、その後、貯蔵容器全体又は炭化室内空間の気化熱を奪い、貯蔵容器全体又は炭化室内空間の温度を効率的に下げることができる。
請求項3の発明によれば、容器上部の大略投影空間に消火剤を噴射することにより、容器全体又は炭化室内の温度を効率的に下げることができる。
請求項4の発明によれば、炭化処理室内に、異なる取付け角度で配置された複数の噴射ノズルから消火剤を噴射することにより、貯蔵容器上部の大略投影空間全体に噴射でき、貯蔵容器全体または炭化室内の温度を、より効率的に下げることができる。また、噴射ノズルの1つが目詰まりしたような場合であっても、目詰まりしていない他の噴射ノズルによって反応抑制が可能なため、安全性が低下することはない。
請求項5の発明によれば、消火剤が蓋カバー上に噴霧されるため、炭化処理において高温となった金属性の貯蔵容器には、直接的に消火剤が噴射されることがない。そのため、急激な温度変化で生じる熱応力によって、貯蔵容器が変形等することを防止することができ、貯蔵容器内の密閉性を確保できるとともに、貯蔵容器の長寿命化が図られる。
請求項6の発明によれば、蓋カバーの通気ダクトを貫通させる貫通孔部を上方向に隆起させているので、この貫通孔部によって通気ダクトと蓋カバーの接触部が保護される。従って、噴射された消火剤が、貫通孔より下部の貯蔵容器蓋及び貯蔵容器本体に流入することがなくなり、熱応力による貯蔵容器の変形等を防止し、貯蔵容器内の密閉性を確保できるとともに、貯蔵容器の長寿命化が図られる。
請求項7の発明によれば、噴射ノズルより噴射した消火剤が、炭化室の内壁前面によって反射されて、貯蔵容器の蓋及び貯蔵容器本体に流入するようなことが生じないため、熱応力による貯蔵容器の変形等を防止し、貯蔵容器内の密閉性を確保できるとともに、貯蔵容器の長寿命化が図られる。
請求項8の発明によれば、蓋カバー上面に噴射された消火剤は、蓋カバー上面に残留することなく、貯蔵容器本体の周囲の領域に流出するため、蓋カバーの変形が予防され、かつ、炭化室内の温度を効率良く下げることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る有機物処理装置1の基本的な構成と有機物処理過程について、図1及び図2(a)、(b)を参照して説明する。有機物処理装置1(以下、本装置1という)は、炭化手段としての炭化部2と、その上に配置され、炭化部2で発生したガス(以下、乾留ガスG1という)を燃焼処理する燃焼部3と、炭化部2の温度を緊急に低下させる必要が生じたときのために、炭化反応を抑制する反応抑制手段である反応抑制部8と、を備える。また、本装置1は、外部から電力供給を受けて、炭化部2、燃焼部3及び反応抑制部8を制御して炭化から反応抑制までの処理を行う制御部5を備えている。さらに、本装置1は、有機物6を収納する貯蔵容器7が、炭化部2内に収容され、貯蔵容器7を加熱して、貯蔵容器7内部に収納した有機物6を炭化処理する。また、本装置1は、燃焼部3から排出されるガス(以下、燃焼ガスG2という)を排気するための送風部4を備える。
本装置1の炭化部2は、底面、左右両側面及び背面に断熱壁21を、前面に前扉22を、天面に断熱壁31を備えて、密閉した空間(以下、炭化室20)を形成し、炭化室20の内部には、炭化のためのエネルギを投入する炭化ヒータ23及び炭化室20の温度を測定するための温度計T1が備えられている。また、前扉22は、前扉22の開閉状態を確認する近接スイッチSWを備えている。断熱壁21にはシール材22aが備えられ、前扉22を閉じたときの炭化室20内の密閉性が確保される。
貯蔵容器7は、大略四角形の容器本体70と、容器内部を密閉する密閉蓋71と、密閉蓋71に設けられた通気ダクト72と、密閉蓋71の上部に容器本体70の投影面積をカバーする蓋カバー73と、を備える。そして、貯蔵容器7は、内部に有機物6又は処理後の炭化物を収納した状態で、前扉22を開いて炭化室20に出し入れされる。密閉蓋71は炭化室20の内壁に設けた蓋支持材(図示せず)に係止され、炭化室20内に常設されている。通気ダクト72は、貯蔵容器7の内部に接続され、貯蔵容器7の内部の乾留ガスG1を、燃焼部3へと送り出す。
本装置1は、有機物6を収納する貯蔵容器7を、炭化室20に収容して処理対象物である有機物6を炭化処理するため、処理対象物を容易に取り扱うことができ、撹拌装置を設ける必要がなく、有機物処理装置の小型化・低コスト化が図られる。また、貯蔵容器7が密閉蓋71を有するので、炭化処理中に貯蔵容器7内を容易に無酸素状態または貧酸素状態とすることができ、炭化の処理が効率的に行われる。
また、本装置1は、異常発生時等に、緊急に炭化室20内における炭化反応を抑制するための反応抑制手段として、反応応抑制部8を備えている。この反応抑制部8は、消火剤を貯蔵する消火装置80と、消火剤を炭化室20へと供給する消火剤投入配管81と、消火剤を噴射する噴射ノズル82と、を備える。
本装置1の燃焼手段である燃焼部3は、断熱壁31,32,33によって外気と断熱した状態で、上述の通気ダクト72に連結された乾留ガスG1の経路(以下、乾留ガス経路61という)と、乾留ガス経路61の内部に設けた棒状の燃焼ヒータ34と、乾留ガス経路61の下流側に設けた燃焼触媒35と、燃焼触媒35の下流に設けた温度計T2、を備えている。乾留ガス経路61は、炭化部2からの乾留ガスG1を燃焼させながら送風部4へと導く。すなわち、乾留ガス経路61は、炭化の過程で発生する乾留ガスG1を加熱して燃焼させる燃焼室30となっている。
また、本装置1は、外気吸入口9を装置下方に持つダクト90を備え、これにより燃焼部3及び送風部4に空気A1,A2,A3が供給される。ダクト90から分岐して設けられた空気配管91は、乾留ガス経路61の上流側へと接続されており、燃焼室30内に燃焼空気A1を供給する。
送風部4は、乾留ガス経路61の出口側に接続される燃焼ガス配管62とダクト90から分岐した空気配管92とが接続された希釈室41と、希釈室41の下流側に配管63を介して接続された送風機42と、この送風機42の下流側配管64に設けられたサイレンサ44及びサイレンサ44に接続された排気筒45と、を備えている。
空気配管92は、希釈室41に希釈と冷却用の冷却空気A2を供給する。また、ダクト90から分岐した他の空気配管93が、排気筒45の内部にも接続されており、ここにも冷却用及び希釈用の空気A3を導入することができる。
次に、本装置1の動作を、乾留ガスG1の流れに沿って説明する。炭化部2において、貯蔵容器7に収納された有機物6が、貯蔵容器7の外部から無酸素状態又は貧酸素状態のもとで炭化ヒータ23によって加熱され、加熱された有機物6から乾留ガスG1が発生する。制御部5は、温度計T1の炭化温度センサ出力信号に基づいて炭化ヒータ23を制御し、炭化室20の温度を制御する。乾留ガスG1は、通気ダクト72を通って、燃焼室30の乾留ガス経路61へと導かれる。乾留ガスG1の一方向の流れは、乾留ガスG1の発生に伴う正圧又は送風機42による負圧によって形成される。
燃焼室30に導かれた乾留ガスG1は、空気配管91から供給される燃焼空気A1と混合されて、燃焼室30の乾留ガス経路61上に設置された燃焼ヒータ34によって加熱され、乾留ガス経路61及び燃焼触媒35を通過する間に燃焼される。制御部5は、温度計T2の炭化温度センサ出力信号に基づいて燃焼ヒータ34を制御し、燃焼室30の温度を制御する。燃焼ガスG2は、燃焼ガス配管62を通じて、燃焼触媒35から希釈室41へと流れ、空気配管92から供給される空気A2と混合されて希釈と冷却が行われ、送風機42、サイレンサ44、排気筒45等を介して大気中に排気ガスG3として放出される。炭化ヒータ23又は燃焼ヒータ34には、例えばシーズヒータが用いられる。また、制御部5は、例えば、コンピュータやシーケンサを用いて構成され、本装置1における一連の処理を行うために各構成部を制御する。以上が本実施形態に係る有機物処理装置1の基本的な構成と有機物の炭化処理過程である。
次に、本装置1において、緊急時に炭化室20における炭化反応を抑制するため、炭化室20内に消火剤83を噴射する噴射ノズル82について、図3(a)、(b)を参照して説明する。噴射ノズル82は、炭化室20内に収容された貯蔵容器7の上方に配置されている。なお、図3(a)、(b)では、噴射ノズル82が、炭化室20内の背面上部に、消火剤83が効果的に炭化室20内に噴射することができる所定の噴射角度を有するように配置されているが、必ずしもこの配置に限定されるものではない。
そして、使用者の操作信号又は温度計T1によって炭化室20内の温度を制御している制御部5の命令信号によって、消火装置80(図1参照)内に貯蔵された消火剤83は、消火剤投入配管81(図1参照)を介して、噴射ノズル82から炭化室20内に消火剤83が噴射される。この消火剤83が、貯蔵容器7内に収納された有機物6(図1参照)を、容器の外部から間接的に消火・冷却することによって、水蒸気爆発等の副次的な危険性がなく、炭化反応を安全に抑制することができる。また、排気能力の範囲を越える大量の乾留ガスG1を発生する物質が装置に投入されたような場合においても、乾留ガスG1の異常等が発生しても安全に対処することができ、爆発等の事故を防止することができる。
なお、本実施形態においては、炭化室20と燃焼室30とが縦方向に配置されており、より小型化を実現するため、図2(a)に示されるように、噴射ノズル82は炭化室20の背面上部に所定の噴射角度で配設され、消火剤83が、貯蔵容器上部空間に噴射されることにより、消火剤83が、炭化室下部領域まで一旦分布し、その後、貯蔵容器7全体又は炭化室20内空間の気化熱を奪い、貯蔵容器7全体又は炭化室20内空間の温度を効率的に下げることができる。また、貯蔵容器7上部からのシャワリング方式と異なり、限られた狭い空間に効率良く、消火剤83を噴射することにより、有機物処理装置の小型化が実現される。ただし、噴射ノズル82の設置場所は、上記実施形態に限られず、炭化室20内の左右両側面上部の何れに配設することもできる。また、消火剤83には、例えば、水蒸気が用いられるが、これに限定されるものではない。
続いて、本装置1の噴射ノズル82の構成の他の例について、図4(a)、(b)を参照して説明する。本装置1は、複数の噴射ノズル82が、各々、炭化室20の背面に、所定の角度をもって配設され、蓋カバー73の上部領域に幅広く、消火剤83が噴霧され、貯蔵容器7全体又は炭化室20内の温度を、より効率的に下げる。また、噴射ノズル82の1つが目詰まりしたような場合であっても、目詰まりしていない他の噴射ノズル82によって反応抑制が可能なため、安全性が低下することもない。
次に、上述した本装置1における蓋カバー73の冷却について、上述の図に加えて、図5(a)乃至(c)を参照して説明する。蓋カバー73は、蓋カバー保持部73aを炭化室20の内壁に設けた蓋カバー支持材(図示ぜず)に係止されることにより、炭化室20内に常設されている(図2(a)参照)。この蓋カバー73は、蓋カバー保持部73aを軸として、前端側を回動させることができ、炭化室20内に貯蔵容器7を出し入れする際の障害とならない。また、蓋カバー73は、後端側、この例では噴射ノズル82の設置側が高くなるように一定の傾斜角度で係止されている。
消火剤83は、噴射ノズル82から、この蓋カバー73上面に噴霧されるため、炭化処理において高温となった金属性の貯蔵容器7には、直接的に消火剤83が噴射されることはなく、貯蔵容器7は、間接的に冷却されることとなる。そのため、急激な温度変化で生じる熱応力によって、貯蔵容器7が変形等することを防止することができ、貯蔵容器7内の密閉性を確保できるとともに、貯蔵容器7の長寿命化が図られる。
また、蓋カバー73には、通気ダクト72を貫通させるための貫通孔74が配設される。この貫通孔74は、その孔径と通気ダクト72の外径とが同一となっており、炭化室20の天面方向に隆起するように立上壁74aが延設されていて、通気ダクト72と蓋カバー73の接触部を保護している。そのため、噴射ノズル82から噴射された消火剤83が、蓋カバー73上面に設けた貫通孔74よりも下部にある密閉蓋71及び貯蔵容器7に流入することはなく、貯蔵容器7は間接的に冷却されることとなる。そのため、急激な温度変化で生じる熱応力によって、貯蔵容器7が変形等することを防止することができ、貯蔵容器7内の密閉性を確保できるとともに、貯蔵容器7の長寿命化が図られる。
更に、蓋カバー73の上面の消火剤83噴射領域には、噴射された消火剤83が貯蔵容器に到達するのを阻止するためのV字形状のガード板75が配置されてる。蓋カバー73は、噴射ノズル82の設置側が高くなるように一定の傾斜角度で配置されているため、蓋カバー73の上面に噴射された消火剤83は、矢印a及びbに示されるように、蓋カバー73上面の後方から前方へと流れ、V字形状のガード板75に当たって、炭化室20(図2(b)参照)の左右両側面へと分かれて、容器本体70の周囲の領域に流出する。従って、消火剤83が蓋カバー73の上面には残留することはない。これにより、蓋カバー73の変形を防止すると共に、炭化室20内の温度を効率良く下げることもできる。なお、上記実施例においては、ガード板75の形状をV字形状としているが、これに限定されるものではない。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述の炭化ヒータ23及び燃焼ヒータ34には、シーズヒータを用いることを例として挙げているが、加熱手段としての必要熱量が得られるならば、これに限定されるものではなく、燃料ガスや燃料油を用いてもよい。
1 有機物処理装置
2 炭化部(炭化手段)
20 炭化室
21 断熱壁
22 前扉
23 炭化ヒータ
3 燃焼部(燃焼手段)
6 有機物
7 貯蔵容器
70 貯蔵容器本体
71 密閉蓋
72 通気ダクト
73 蓋カバー
74 貫通孔部
75 ガード板
8 反応抑制部(反応抑制手段)
80 消火装置
81 消火剤投入配管
82 噴射ノズル
83 消火剤
G1 乾留ガス
2 炭化部(炭化手段)
20 炭化室
21 断熱壁
22 前扉
23 炭化ヒータ
3 燃焼部(燃焼手段)
6 有機物
7 貯蔵容器
70 貯蔵容器本体
71 密閉蓋
72 通気ダクト
73 蓋カバー
74 貫通孔部
75 ガード板
8 反応抑制部(反応抑制手段)
80 消火装置
81 消火剤投入配管
82 噴射ノズル
83 消火剤
G1 乾留ガス
Claims (8)
- 有機物を収納する貯蔵容器と、この貯蔵容器を収容すると共に加熱して容器内部に収納した有機物を炭化処理するための炭化室を有する炭化手段と、前記炭化の過程で発生するガスを加熱して燃焼させるための燃焼手段と、前記炭化室の温度を緊急に低下させる必要が生じたときのために、炭化反応を抑制する反応抑制手段と、を備えた有機物処理装置であって、
前記反応抑制手段として、前記炭化室内に、炭化反応を抑制するための消火剤を噴射するための噴射ノズルを備えたことを特徴とする有機物処理装置。 - 前記噴射ノズルが、炭化室内に収容された貯蔵容器の上方に位置するよう配設されたことを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
- 前記噴射ノズルは、貯蔵容器の略上部投影空間に消火剤を噴射する噴射角度を有したことを特徴とする請求項2に記載の有機物処理装置。
- 前記噴射ノズルが、複数の取付け角度で配設され、貯蔵容器の略上部投影空間全体に消火剤を噴射することを特徴とする請求項3に記載の有機物処理装置。
- 前記貯蔵容器の上部空間に、前記消火剤が前記貯蔵容器に直接的に噴射されるのを防ぐための蓋カバーが設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機物処理装置。
- 前記蓋カバーは、前記貯蔵容器内で発生するガスを前記燃焼室へ通気させる通気ダクトを貫通させるための貫通孔部を上方向に隆起させていることを特徴とする請求項5に記載の有機物処理装置。
- 前記蓋カバーの上面に、噴射された消火剤が貯蔵容器に到達するのを阻止するガード板が設けられることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の有機物処理装置。
- 前記ガード板が、噴射された消火剤を側面に流出させるために、略V字形状とされていることを特徴とする請求項7に記載の有機物処理装置。
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090407 |