JP2007203612A - 平版印刷版材料、その製造方法及び印刷方法 - Google Patents

平版印刷版材料、その製造方法及び印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成層を塗布した支持体上に、バー塗布装置を用いて保護層を塗布し、保護層の塗布性が良好でかつ性能の安定な平版印刷版材料、その製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法を提供することにある。
【解決手段】支持体上に親水性層、熱溶融性粒子を含有する画像形成層及び粒子を含有する保護層を順じ設けてなる平版印刷版材料を、連続的に搬送される該親水性層及び該画像形成層が塗布された支持体上に保護層塗布液を塗布した後、過剰量の該保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布する平版印刷版材料の製造方法において、該保護層塗布液のウェット膜厚をW1(μm)、乾燥後の保護層の膜厚をW2(μm)、保護層に含有される該粒子の最も大きい平均粒子直径をD(μm)とすると、0.25W2<D≦W1、かつ、0.2≦W2/W1<0.6であることを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、連続的に搬送される親水性層が塗布された支持体上に保護層塗布液を塗布した後、過剰量の保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布を行う平版印刷版材料、その製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法に関する。
本発明は、平版印刷版材料、その製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法に関するものであり、詳しくは、ディジタル信号に基づいた画像記録が可能であり、塗布欠陥なく、安定した印刷物を得ることができる平版印刷版材料、バーを用いて掻き落し塗布するその製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法に関する。
従来の印刷工程は、原稿画像からネガもしくはポジフィルムを作製し、フィルムを介してアルミ砂目支持体上に感光層を有する平版印刷版材料(平版印刷版材料)に画像を露光し、アルカリ性現像液で現像処理を行うことで平版印刷版を作製し、これを印刷機に取り付け印刷するという手順で行われてきた。
近年、コンピューターの普及に伴い、フィルムを介さずに原稿画像データを直接印刷版に描画するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)技術が普及しつつあり、フィルム作製に要していた時間短縮、コスト削減が可能となってきている。また印刷物のニーズとして、数千枚〜1万枚程度の刷り枚数で多種の高品質画像を印刷する、少部数多品種の傾向が高くなってきた。このため、描画時間が短く、高解像度が得られるヒートモードレーザー記録を用いた刷版作製がCTPの主流となりつつある。
CTPの普及と同期して印刷環境もオフィス化が進み、また環境適性の面からもアルカリ現像液を必要としない、さらには全く現像処理を必要としない平版印刷版材料が望まれるようになってきた。
例えば、特開平9−123387号、同9−123388号、同9−131850号には親水性結合剤中に分散された熱可塑性粒子を含有する平版印刷版材料を印刷機に取り付け、印刷機上で現像して平版印刷版を作製する方法を開示している。これらの技術に依ればアルカリ現像を施すことなく、また現像機も要することなく刷版作製が可能であり、擬似的に現像処理不要の平版印刷版を提供できる。
平版印刷版材料においては、支持体に親水性のアルミ基板を用いず近年プラスチックフィルムを支持体として用い得ることも記載されている。
プラスチックフィルムは金属に比較して熱伝導性が低く、画像形成の際のレーザー露光により感熱層において発生する熱を支持体へと拡散させることなく、効率よく画像形成に利用でき、さらに、アルミニウム支持体に比較して安価であるという利点を有している。
これらのプラスチックフィルムを支持体に用いた刷版として特開平9−314794号には表面をコロナ処理した支持体の使用例が挙げられており、特開平11−245530号にはプラズマ処理した支持体が開示されている。
塗布装置としては各種の装置が知られている。例えば、ディップ塗布、ローラ塗布、ファウンテン塗布、その他エアーナイフ、ブレード塗布、バー塗布、スライドホッパー等である。
上記塗布装置を使用した塗布方法の中で連続的に搬送される支持体へ簡便に塗布する方法として、近年、薄膜・高速塗布用として多用されるようになってきた1つとして、バー塗布装置を使用したバー塗布方法が知られている。
バー塗布方法は、第一段階としてロール塗布装置により帯状の支持体上に適当に過剰量の塗布液を塗布し、これら過剰の塗布液(1次膜)にバー塗布装置(バーは静止、または回転)によりバーを押し当てて過剰な塗布液を掻き落すことによって所望の膜厚(2次膜)を得る方法である。掻き落し後の最終膜厚はバーに形成されている溝の断裁面のみで決定される。
バー塗布装置と組み合わせ、過剰な塗布液を塗布する装置としては上記の各塗布装置を使用することができるが、一般的にはディップ塗布装置、ロール塗布装置、ファウンテン塗布装置、コンマ塗布装置等の各装置が用いられる。また、特開平6−170312号に記載されているような過剰塗布とバー塗布装置とが一体化した塗布装置であってもよい。
平版印刷版材料について、特許文献1にはバー塗布により支持体上に特定の金属酸化物粒子を含有する下塗り層を設ける内容が記載されているが、保護層塗布の記載はない。
また、特許文献2にはバー塗布による保護層の記載はあるのもの、塗布安定性、機上現像性、傷耐性について述べているものではない。
特別なバー塗布装置を必要とせず、熱溶融性粒子を含んだ画像形成層上への保護層の塗布性が良好でかつ性能の安定な平版印刷版材料のバー塗布製造方法が望まれていた。
特開2002−154278号公報 特開2005−297476号公報
本発明の目的は、画像形成層を塗布した支持体上に、バー塗布装置を用いて保護層を塗布し、保護層の塗布性が良好でかつ性能の安定な平版印刷版材料、その製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.支持体上に親水性層、熱溶融性粒子を含有する画像形成層及び粒子を含有する保護層を順じ設けてなる平版印刷版材料を、連続的に搬送される該親水性層及び該画像形成層が塗布された支持体上に保護層塗布液を塗布した後、過剰量の該保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布する平版印刷版材料の製造方法において、該保護層塗布液のウェット膜厚をW1(μm)、乾燥後の保護層の膜厚をW2(μm)、保護層に含有される該粒子の最も大きい平均粒子直径をD(μm)とすると
0.25W2<D≦W1
かつ
0.2≦W2/W1<0.6
であることを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
2.前記保護層の粒子の添加量が、該保護層の固形分の0.5〜40質量%であることを特徴とする1に記載の平版印刷版材料の製造方法。
3.1または2に記載の平版印刷版材料の製造方法で製造されたことを特徴とする平版印刷版材料。
4.3に記載の平版印刷版材料を、画像情報に基づきレーザー露光し、機上現像処理を行い印刷することを特徴とする印刷方法。
本発明によれば、画像形成層を塗布した支持体上に、バー塗布装置を用いて保護層を塗布し、保護層の塗布性が良好でかつ性能の安定な平版印刷版材料、その製造方法及び該平版印刷版材料を用いた印刷方法を提供することができる。
本発明者は鋭意検討の結果、支持体上に親水性層、熱溶融性粒子を含有する画像形成層及び粒子を含有する保護層を順じ設けてなる平版印刷版材料を、連続的に搬送される該親水性層及び該画像形成層が塗布された支持体上に保護層塗布液を塗布した後、過剰量の該保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布する平版印刷版材料の製造方法において、該保護層塗布液のウェット膜厚をW1(μm)、乾燥後の保護層の膜厚をW2(μm)、保護層に含有される該粒子の最も大きい平均粒子直径をD(μm)とすると
0.25W2<D≦W1
かつ
0.2≦W2/W1<0.6
とすることにより、保護層の塗布性が良好でかつ性能の安定な平版印刷版材料の製造方法が得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔バー塗布方法〕
上記請求項を満たすことで、塗布欠陥なく長尺で安定な塗布面が得られ、印刷性能も良好な平版印刷版材料が得られることを本発明により初めて見出した。
即ち、支持体上に親水性層、画像形成層、保護層を順じ設けてなる平版印刷版材料において、画像形成層に熱溶融性粒子、保護層に粒子を含有し、連続的に搬送される親水性層及び画像形成層が塗布された支持体上に過剰量の保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布を行うバー塗布方式において、
保護層塗布液のウェット膜厚をW1(μm)、保護層の乾燥後の膜厚をW2(μm)、保護層添加の粒子の最も大きい平均粒子直径D(μm)とすると
0.25W2<D≦W1
かつ
0.2≦W2/W1<0.6
であることが重要である。
保護層添加の最も大きい平均粒子直径D(μm)がW1を越えると、塗布時に画像形成面への面圧は粒子/画像形成層間のところで強くなり、そのことで塗布性は劣化する、また保護層中での粒子の保持性が悪くなり、擦過で脱離し版面に傷が発生したり、印刷時に脱離して印刷性能が劣化する。
保護層添加の最も大きい平均粒子直径D(μm)が0.25W2より小さいと、塗布時に画像形成面への面圧はあまり軽減できず、そのことで画像形成面表面に面圧で擦られることで画像形成層表面が一部脱離、そのことで印刷性能劣化することが分った。
また、W2/W1が0.2より小さい、即ち塗布液固形分濃度が小さくなることであり、塗布液固形分濃度が小さくなることで粒子が塗布液中で沈降しやすくなったり、また塗布液中で粒子が沈降しやすくなることで凝集しやすくなり、そのことで安定に保護層を塗布できなくなることが分った。
W2/W1が0.6より大きい、即ち塗布液固形分濃度が高くなることであり、塗布液固形分濃度が高くなることで粒子が凝集しやすくなり、そのことで安定に保護層を塗布できなくなることが分った。
本発明は0.2≦W2/W1<0.6であることが塗布性、性能的に安定であることが分った。
また、保護層に添加の粒子量が、保護層塗布液固形分の0.5〜40質量%であると印刷性能が最もよい。40質量%を超えると、保護層中での粒子保持量が悪くなり、膜面の傷が劣化方向になる。また0.5質量%より少なくなると保護層の傷耐性が劣化方向になることと、印刷時の机上現像性が悪くなることが分かった。
(バー)
本発明において、バー塗布装置のバーとは、ワイヤーを巻いたバーやワイヤーを巻いていないバー等、特に制限なく用いられ、材質も鉄やステンレス等制限なく用いられる。
また、必要に応じて表面にメッキ処理を施してもよい。表面メッキ処理としては、本発明の範囲を満たせば特に制限なく、例えばニッケル、コバルト、ハードクロム、チタン、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)等挙げられる。メッキ処理は単独でもよく、または、ニッケルメッキ処理したものにさらにハードクロムメッキ処理する等、複数行ってもよい。
〔支持体〕
本発明に用いられる支持体としては、特に大きな制限なく、金属、プラスチックフィルム、金属、プラスチックフィルム、ポリオレフィン等で処理された紙、さらにこれら材料を適宜貼り合わせた複合基材等も用いることができる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アセテート、ナイロン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。これらプラスチックフィルムは塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下塗り層塗布を行うことが好ましい。易接着処理としては、コロナ放電処理や火炎処理、紫外線照射処理等が挙げられる。また、下塗り層としては、ゼラチンやラテックスを含む層等が挙げられる。
〔バインダー樹脂〕
平版印刷版材料の親水性層、画像形成層及び保護層のバインダー樹脂としては特に大きな制限なく用いることができる。
例えば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルホルマール等のアセタール系樹脂、及びポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性樹脂等がある。
〔熱溶融性粒子〕
本発明の平版印刷版材料の画像形成層は、熱により融着可能な熱溶融性粒子を含有する。
熱により融着可能な熱溶融性粒子としては、ワックス類、アクリル系樹脂、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴム類、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の水に分散されたラテックスやエマルジョンから得られるものが挙げられる。これらの内、その融点が70〜180℃のものが好ましく、表面エネルギーの親水性成分が100μN/cm2以下であることが好ましい。融点がこの温度より低い場合には、保存時における性能劣化がしやすく、この温度より高い場合には画像の強度が得られず耐刷性が劣化しやすい。また表面エネルギーがこの範囲であると画像部のインキ着肉性が良好になる。このような点で熱溶融性物質としてはワックス類、アクリル系樹脂、合成ゴム類が特に好ましい。
本発明に利用可能なワックス類としては、カルナバワックス、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、ホホバ油、ラノリン、オゾケライト、パラフィンワックス、モンタンワックス類、キャンデリラワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、高級脂肪酸等が挙げられる。また、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基等の極性基を導入することもできる。
また、熱により親油性を発現する物質を含有することができる。
熱により親油性を発現する物質としては、融点が70〜180℃の熱溶融性物質が利用でき、ワックス類ではカルナバワックス、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、ホホバ油、ラノリン、オゾケライト、パラフィンワックス、モンタンワックス類、キャンデリラワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、高級脂肪酸等が、アクリル系樹脂では、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン等の1種もしくは2種以上を共重合したものが、また合成ゴム類ではポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等が挙げられる。また、その他に、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等が利用できる。これらの親油化剤は水分散体の形で利用することが塗工のしやすさの面で好ましい。また、別の形態のものとして、熱破壊可能な親水性被覆材に覆われている熱架橋剤、熱により解離する保護基により官能基がブロックされた熱架橋剤が挙げられる。これら熱架橋剤は特開平7−1849号、同7−1850号、同9−311443号、同10−6468号、同10−1141168号にマイクロカプセル化された親油性成分として記載されている。
〔親水性結着剤〕
熱により融着可能な熱溶融性粒子を含有する画像形成層には、レーザー露光時の粒子の融着性を阻害しない範囲で、画像形成層の皮膜性を付与するために親水性結着剤を含有させてもよい。
利用可能な親水性結着剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリビニルメチルエーテル、または天然結合剤、例えばゼラチン、多糖類、例えばデキストラン、プルラン、セルロース、アラビアゴム、アルギニン酸が挙げられる。また親水性結着剤は、フェノール性ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する水に不溶性、アルカリ溶解性または膨潤性樹脂であってもよい。また種々の界面活性剤、コロイダルシリカ等も利用できる。
〔粒子〕
本発明に係る保護層には粒子が含まれている。粒子としてはフィラーを挙げることができる。
フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al2O3、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の有機フィラーを挙げることができる。
また、フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができ、これらは離型剤を兼ねてもよい。この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。
また、粒子としてコア−シェル構造を有するフィラーを挙げることができる。コア−シェル構造を有する粒子は、コア粒子表面にシェルとなる部分に粒子を固着させてなる粒子である。コア粒子、シェルとなる部分の粒子は無機粒子でも有機粒子でもよい。コア粒子にシェルとなる粒子を何層にも固着(被覆)させてもよい。コア粒子の平均粒径は0.1〜15μmが好ましく、より好ましくは平均粒径1〜10μmである。
表面凹凸粒子において、小粒子の平均粒径はコア粒子の平均粒径の1/3以下が好ましく、より好ましくは1/10以下である。表面凹凸粒子の平均粒径は15μmを越えないことが好ましく、また0.1μm以上であることが好ましい。コア粒子の表面に固着する小粒子の被覆度は、本発明の効果が現れる範囲で任意に選ぶことができる。
表面凹凸粒子は、例えば、東レリサーチセンター(株)編「微粒子ポリマーの新展開」に記載のヘテロ凝集法を利用する方法、コア粒子表面からの重合反応による方法、粉体工学会編「粒子設計工学」に記載のハイブリダイザーを用いる乾式凝集攪拌法、等を用いて容易に製造することができる。また、ある種のコア−シェル粒子はコア粒子の表面に小粒子を析出させることにより製造できる。
また、その他の粒子として金属原子含有粒子を挙げることができる
金属原子含有粒子とは鉄、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、銀、アルミニウム、金、白金等の金属またはその酸化物等の化合物を総称している。金属原子含有粒子は、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、立方晶板状粉末等が挙げられる。
強磁性酸化鉄としては、γ−Fe23、Fe34、またはこれらの中間酸化鉄でFeOx(1.33<x<1.50)で表されるものを挙げることができる。
強磁性金属粉末としては、Fe、Coを始め、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Co系、Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、Fe−Co−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe系金属粉末が好ましく、例えばCo含有γ−Fe23、Co被着γ−Fe23、Co含有Fe34、Co被着Fe34、Co含有磁性FeOx(4/3<x<3/2)粉末等のコバルト含有酸化鉄系磁性粉末が挙げられる。
〔親水性層〕
本発明で述べている親水性層とは、印刷時に水とインクの乳化した溶液が来た際、水をより多く取り込むことのできる層と定義する。
本発明では、支持体と親水性層の間にはその他の層を形成してもよい。例えば、親水性層の接着性を改善する下引き層や、長波長の緩やかな粗さを付与するうねり形成層、親水性層が受ける応力を緩和するクッション層等である。また、これらいずれかの層が光熱変換素材を含有していてもよい。
〔光熱変換材料〕
本発明の平版印刷版材料は、支持体の画像形成層を有する側に、光熱変換材料(着色剤)を含有する層を有することが好ましい。
光熱変換材料を有する層は、画像形成層またはその隣接層であることが好ましく、特に画像形成層であることが好ましい。
光熱変換材料としては赤外吸収色素または顔料を用いることができる。
(赤外吸収色素)
赤外吸収色素としては、一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体等が挙げられる。
具体的には、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−97589号、同3−103476号、同7−43851号、同7−102179号、特開2001−117201号の各公報等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。
(顔料)
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。
カーボンとしては、特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。
グラファイトとしては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でもよい。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。可視光域で黒色を呈している素材しては、黒色酸化鉄(Fe34)や、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは特開平8−27393号、同9−25126号、同9−237570号、同9−241529号、同10−231441号の各公報等に開示されている方法により製造することができる。本発明に用いることができる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。
これらの複合金属酸化物は光熱変換効率が良好である。これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。従って、これらの複合金属酸化物粒子は塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると、分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。分散剤の種類は特に限定しないが、Si元素を含むSi系界面活性剤を用いることが好ましい。
素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材としては、例えば、SbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)等が挙げられる。また、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は0.5μm以下、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
特に好ましい光熱変換材料としては、前記の赤外吸収色素及び金属酸化物が二種以上の金属の酸化物からなる黒色複合金属酸化物である。
これらの光熱変換材料の添加量としては、これを含む層に対して0.1〜50質量%であり、1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
〔平版印刷版材料の作製〕
本発明の平版印刷版材料は、上述した支持体上に、親水性層、熱溶融性粒子を含有する画像形成層及び粒子を含有する保護層を順じ設けることで作製することができる。
画像形成層は、上述した熱溶融性粒子、バインダー樹脂及び光熱変換材料(着色剤)、必要に応じて潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、充填剤、フィラー等と溶媒とを混練して、高濃度の画像形成層形成組成物を調製し、次いでこれを希釈して画像形成層塗布液とし、支持体上に塗布・乾燥させて形成することができる。
画像形成層形成組成物に用いられる有機溶剤としては、上記の組成物及び金属イオン錯体色素を溶解または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばアルコール類(エタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(トルエン、キシレン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、ジクロルベンゼン等)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)等を用いることができる。また、着色剤の混練分散には、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー等を用いることができる。
支持体上への画像形成層の形成は、例えばエクストルージョン方式の押し出しコータにより塗布乾燥して行うことができ、高解像度の画像を得るため画像形成層表面の硬さを上げるために、該表面をカレンダー処理してもよい。
〔印刷方法及び画像露光〕
本発明の平版印刷版材料に画像形成する露光光源としては、金属イオン錯体色素が感応することのできる光源であれば特に制限なく用いることができる。その中で、高解像度を得るためにはエネルギー印加面積が絞り込める電磁波、特に波長が1nm〜1mmの紫外線、可視光線、赤外線が好ましく、このような光エネルギーを印加し得る光源としては、例えばレーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、石英水銀ランプ、高圧水銀ランプ等を挙げることができる。この際加えられるエネルギーは画像形成材料の種類により、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。
本発明の印刷方法に使用するレーザー光源としては、一般によく知られているルビーレーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー;He−Neレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザー、N2レーザー、エキシマーレーザー等の気体レーザー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、GaAsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsPレーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザー等の半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を挙げることができ、これらの中でも効率的にアブレートを起こさせるためには、波長が600〜1200nmのレーザーが光エネルギーを熱エネルギーに変換できることから、感度の面で好ましい。
本発明の印刷方法では、画像情報に基づいてレーザー露光した後、現像処理を施さずに印刷することが好ましい。
〔機上現像〕
本発明における機上現像とは、以下の内容である。
露光済みの平版印刷版材料を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダーを回転しながら湿し水とインキを供給することによって、平版印刷版材料の画像形成層の未露光部を除去する方法である。すなわち、平版印刷版材料を露光後、そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で現像処理が完了する方式である。
以下、本発明の実施形態を述べるが、本発明はこれに限るものではない。なお、以下の「部」は「質量部」を表す。
実施例
(平版印刷版材料1の作製)
帝人・デュポンフィルム株式会社製のメリネックス765(ポリエステルフィルム、膜厚175μm、幅1185mm)に下記第一親水性層塗布液Aを塗布した。
第一親水層塗布液Aの塗布では、乾燥膜厚が1.8μmになるように溝きりバー(オーエスジーシステムプロダクツ株式会社、表面メッキ処理チタン)を用いた。
〈第一親水層塗布液A〉
スノーテックス−XS(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.005μm)
11.64部
スノーテックス−ZL(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.085μm)
0.80部
シルトンJC−70(水澤化学工業株式会社製、平均粒径4.0μm) 3.33部
BL−200(チタン工業株式会社製、酸化鉄、磁性を有する顔料) 3.07部
リン酸三ナトリウム・12水(関東化学株式会社製) 0.01部
FZ−2161(日本ユニカー株式会社製) 0.15部
純水 81部
さらに、第一親水層上に乾燥膜厚が0.6μmになるように溝きりバー(オーエスジーシステムプロダクツ株式会社、表面メッキ処理チタン)にて下記第二親水層塗布液Bを塗布した。
〈第二親水層塗布液B〉
スノーテックス−S(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.009μm)
3.7部
スノーテックス−PSM(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.095μm)
5.55部
AMT−08(水澤化学工業株式会社製、平均粒径0.95μm) 0.90部
MP−4540(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.45μm) 3.81部
BL−200(チタン工業株式会社製、酸化鉄、磁性を有する顔料) 17.2部
リン酸三ナトリウム・12水(関東化学株式会社製) 0.01部
FZ−2161(日本ユニカー株式会社製) 0.03部
純水 68.8部
さらに、第二親水層上に、乾燥膜厚が0.55g/m2になるように溝きりバー塗布装置を用いて下記画像形成層塗布液Cを塗布した。
〈画像形成層塗布液C〉
HI−DISPER A−206(株式会社岐阜セラック製造所製、熱溶融性粒子、平均粒径0.5μm) 2.0部
DL−522(株式会社日本触媒製、平均分子量170,000) 0.75部
HI−DISPER A−118(株式会社岐阜セラック製造所製、熱溶融性粒子、平均粒径0.3μm) 5.55部
HI−DISPER A−514(株式会社岐阜セラック製造所製、熱溶融性粒子、平均粒径0.6μm) 1.5部
純水 88.5部
イソプロピルアルコール 1.5部
ペノンJE−66(日澱化学株式会社製) 0.2部
上記画像形成層上に下記保護層塗布液1をバー塗布装置を用い、塗布速度10m/min及び50m/minで、乾燥後の膜厚W2が1.0μmとなるように塗布した。
〈保護層塗布液1〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 23.75部
JC−20(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径2.0μm) 1部
AMT−08(水澤化学工業株式会社製、平均粒径0.95μm) 0.25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
以上により、平版印刷版材料1を作製した。
(平版印刷版材料2の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液2に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料2を作製した。
〈保護層塗布液2〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 22.5部
JC−20(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径2.0μm) 2.0部
AMT−08(水澤化学工業株式会社製、平均粒径0.95μm) 0.5部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は10質量%であった。
(平版印刷版材料3の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液3に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料3を作製した。
〈保護層塗布液3〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 9.5部
JC−40(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径4.0μm) 0.1部
AMT−08(水澤化学工業株式会社製、平均粒径0.95μm) 0.4部
純水 90部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料4の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液4に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料4を作製した。
〈保護層塗布液4〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 24.875部
JC−40(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径4.0μm) 0.1部
AMT−08(水澤化学工業株式会社製、平均粒径0.95μm) 0.125部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料5の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液5に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料5を作製した。
〈保護層塗布液5〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 24.875部
JC−30(水澤化学工業株式会社製、平均粒径3.0μm) 0.125部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料6の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液6に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料6を作製した。
〈保護層塗布液6〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 28.5部
オプトビーズ500S(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.5μm) 1.5部
純水 70部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は3.0μm、乾燥後の膜厚W2は0.9μm、塗布液固形分は30質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料7の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液7に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料7を作製した。
〈保護層塗布液7〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 21部
オプトビーズ500S(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.5μm) 9部
純水 70部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は3.0μm、乾燥後の膜厚W2は0.9μm、塗布液固形分は30質量%、保護層の全粒子添加量は30質量%であった。
(平版印刷版材料8の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液8に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料8を作製した。
〈保護層塗布液8〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 47.5部
オプトビーズ500S(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.5μm) 2.5部
純水 50部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は2.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は50質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料9の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液9に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料9を作製した。
〈保護層塗布液9〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は0質量%であった。
(平版印刷版材料10の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液10に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料10を作製した。
〈保護層塗布液10〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 23.75部
JC−70(水澤化学工業株式会社製、平均粒径7.0μm) 1.25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料11の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液11に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料11を作製した。
〈保護層塗布液11〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 23.75部
スノーテックスZL(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.1μm) 1.25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は4.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は25質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料12の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液12に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料12を作製した。
〈保護層塗布液12〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 23.75部
JC−20(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径2.0μm) 1.25部
スノーテックスZL(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.1μm) 1.25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は6.0μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は16.66質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
(平版印刷版材料13の作製)
平版印刷版材料1の作製において、保護層塗布液1を下記保護層塗布液13に変更した以外は同様にして、平版印刷版材料13を作製した。
〈保護層塗布液13〉
GL−05(日本合成化学工業株式会社製) 23.75部
JC−20(水澤化学工業株式会社社製、平均粒径2.0μm) 1.25部
スノーテックスZL(日産化学工業株式会社製、平均粒径0.1μm) 1.25部
純水 75部
この時の塗布時の保護層のウェット膜厚W1は1.5μm、乾燥後の膜厚W2は1.0μm、塗布液固形分は66.66質量%、保護層の全粒子添加量は5質量%であった。
各平版印刷版材料の保護層の特性を表1に示す。
Figure 2007203612
(平版印刷版材料の評価)
作製した平版印刷版材料について、以下の評価を行った。
〈保護層塗布性〉
保護層の塗布速度10m/min、50m/min塗布時の塗布サンプル1m2中のスジを以下の基準で評価した。
5:全く発生なし
4:実害ないスジが若干発生するが問題なし
3:スジが発生、実害性懸念
2:スジが発生、実害性あるものもあり
1:スジが多く発生、実害性あるものが多く不可
〈露光及び印刷〉
得られた平版印刷版材料に半導体レーザー光源(発光波長830nm、スポット寸法10μmの光源で解像度は走査方向、副走査方向ともに2000dpi)を用いて175線相当で50%網点画像及びベタ画像を、走査速度を変えて画像面における照射エネルギー量が250mJ/cm2で露光した。なお、dpiとは2.54cm当たりのドットの数を表す。
露光後の平版印刷版材料を現像処理を行なわずにハイデルGTO印刷機に取り付け、エッチング液としてSEU−3(コニカ(株)製)の45倍水希釈液、インキとしてハイエコー(東洋インキ製造(株)製)を用い、印刷紙として上質紙を用いて印刷を行った。印刷は、23℃48%RHの環境下で行った。
〈良好枚数〉
50%の網点画像の印刷物の仕上がり品質が、実用上使用可能で良好になり始めるまでの印刷枚数を目視評価した。
枚数が少ない方が損紙も少なく良好である。
〈地汚れ〉
印刷物の100枚目の非画線部Dminを目視により下記ランクで評価した。
5:全く地汚れなし
4:若干地汚れがあるが実害なし
3:少し地汚れがあり実害性が懸念される
2:地汚れがあり、実害性がある
1:地汚れが多く、実害性がある
〈耐傷性〉
印刷開始前に保護層の上から爪にて表面に傷つけ、印刷評価を行った。
以下100人の下記ランクの合計点にて評価した。
5:印刷物に全く傷つきがない
4:若干印刷物に傷があるが実害なし
3:印刷物に傷があり、実害性が懸念される
2:印刷物に傷があり、実害性がある
1:印刷物に傷が多く、実害性がある
〈耐刷性〉
印刷物の50%網点が再現されなかった枚数を目視により評価した。
枚数が多い方が耐刷性が高く、良好である。
評価の結果を表2に示す。
Figure 2007203612
表より、本発明の条件を満たせば、塗布性、印刷性能のバランスの取れた良好なサンプルが得られていることが分る。

Claims (4)

  1. 支持体上に親水性層、熱溶融性粒子を含有する画像形成層及び粒子を含有する保護層を順じ設けてなる平版印刷版材料を、連続的に搬送される該親水性層及び該画像形成層が塗布された支持体上に保護層塗布液を塗布した後、過剰量の該保護層塗布液をバーを用いて掻き落し塗布する平版印刷版材料の製造方法において、該保護層塗布液のウェット膜厚をW1(μm)、乾燥後の保護層の膜厚をW2(μm)、保護層に含有される該粒子の最も大きい平均粒子直径をD(μm)とすると
    0.25W2<D≦W1
    かつ
    0.2≦W2/W1<0.6
    であることを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
  2. 前記保護層の粒子の添加量が、該保護層の固形分の0.5〜40質量%であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の平版印刷版材料の製造方法で製造されたことを特徴とする平版印刷版材料。
  4. 請求項3に記載の平版印刷版材料を、画像情報に基づきレーザー露光し、機上現像処理を行い印刷することを特徴とする印刷方法。
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