JP2007203595A - 液体噴射ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下において、線膨張係数の差によって流路ユニットとヘッドケースとの接着面に発生する剥離応力を緩和し、流路ユニットにおける流路形成基板と振動板との剥離の発生を防止することが可能な液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】共通インク室から圧力室を通ってノズル開口に至る一連のインク流路を形成する流路ユニット11と、流路ユニット11の振動板29側の面を固定する樹脂製のヘッドケース12とを備えた記録ヘッド1であって、粒状の間隔確保部材45を混合した接着剤を流路ユニット11とヘッドケース12との間に接着剤層Sとして介在させて両者を接合し、この接着剤層Sの厚みを間隔確保部材45によって規定したことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、金属製のノズル形成基板、シリコン基材からなる流路形成基板、及び、金属基材からなる封止板をそれぞれ接合した流路ユニットと、この流路ユニットを接着剤によって固定する樹脂製のヘッドケースと備えた液体噴射ヘッドに関する。
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
このような液体噴射ヘッドには種々の形式があるが、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンタという)におけるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)は、複数のノズル開口が開設されたノズル形成基板、共通インク室から圧力室を通ってノズル開口に至る一連のインク流路を区画する圧力室空部や溝部などの流路部が形成された流路形成基板、圧力発生手段(例えば、圧電振動子)の作動に応じて圧力室に対応するダイヤフラム部が弾性変形する振動板(流路形成基板の開口を封止する封止板とも言える)を積層してなる流路ユニットを備え、これをエポキシ樹脂等からなる樹脂製のヘッドケースに固定している。流路ユニット構成部材のうち、上記流路形成基板は、記録画素の高密度化や記録動作の高速化に対応すべく、高い加工密度や加工精度が要求される。そのため、この流路形成基板の材料としては、異方性エッチング等によって微細な形状を寸法精度良く形成可能なシリコンウェハーなどのシリコン基材が好適に用いられる。
そして、この記録ヘッドにおいては、流路ユニットを、流路形成部材の一方の面にノズル形成基板を、他方の面に振動板を、それぞれの間に接着剤を介在させて積層した状態で接合して構成し、この流路ユニットとヘッドケースとの間に接着剤を介在させてヘッドケースと接合している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−30490号公報
ところで、上記の構成部材で構成される記録ヘッドは、シリコン基材からなる流路形成基板と、エポキシ樹脂製のヘッドケースや金属基材からなる振動板との線膨張係数の差が大きいため、高温高湿環境下において、各構成部材同士の間の接着面に剥離応力が発生して、流路形成基板と振動板との接着面で剥離が生じることがあった。
上記の剥離応力を緩和する方法として、流路形成基板と振動板とを接合する際、この両者の間に介在する接着剤の量を増やすことで、接着剤層に厚みを持たせることも考えられるが、単に接着剤の量を増やした場合では、余剰となった接着剤が溢れ出して液体流路を塞いでしまったり、また、接着剤層の厚みが均一にならず、流路形成基板が振動板に対して傾いた状態で接合されたりする等の不具合が発生する虞があった。
そして、流路形成基板と振動板とが剥離する原因となる剥離応力の発生源は、流路形成基板と比較して厚みが極めて小さい薄膜状の振動板からではなく、高温高湿環境下で膨潤する樹脂製のヘッドケースからであることがわかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温高湿環境下において、線膨張係数の差によって流路ユニットとヘッドケースとの接着面に発生する剥離応力を緩和し、流路ユニットにおける流路形成基板と振動板との剥離の発生を防止することが可能な液体噴射ヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、圧力室となる圧力室空部を含む流路部が形成されたシリコン基材からなる流路形成基板、複数のノズル開口が圧力室に対応して開設された金属製のノズル形成基板、及び、流路形成基板の流路部の開口を封止する金属基材からなる封止板から構成され、流路形成基板の一方の面にノズル形成基板を、他方の面に封止板をそれぞれ接合することで、共通液体室から圧力室を通ってノズル開口に至る一連の液体流路を形成する流路ユニットと、
前記流路ユニットの封止板側の面を固定する樹脂製のヘッドケースとを備えた液体噴射ヘッドであって、
粒状の間隔確保部材を混合した接着剤を前記流路ユニットとヘッドケースとの間に接着剤層として介在させて両者を接合し、この接着剤層の厚みを前記間隔確保部材によって規定したことを特徴とする。
この構成によれば、接合方向に加圧した状態で接着したとしても、流路ユニットとヘッドケースとの間に介在する接着剤層の厚みを前記間隔確保部材によって規定したので、接着剤層の厚みを、従来の厚みと比較して、厚くすることができる。即ち、接着剤層の厚みを厚くすることにより、高温高湿環境下において、線膨張係数の差によって流路ユニットとヘッドケースとの接着面に発生する剥離応力を接着剤層によって吸収することができる。したがって、高温高湿環境下において、ヘッドケース側から封止板に伝わる剥離応力を緩和することができ、流路ユニットにおける封止板と流路形成基板との剥離の発生を可及的に防止することができる。
上記構成において、間隔確保部材を、樹脂製の球体で構成することが望ましい。
この構成によれば、間隔確保部材を、樹脂製の球体で構成したので、SiO材料からなる真絲球等に比べて低硬度となるため、高温高湿環境下において、線膨張係数の差によって流路ユニットとヘッドケースと接着面に発生する剥離応力をより緩和することができる。これにより、接着剤層の厚みを大きくしても、流路ユニットにおける封止板と流路形成基板との剥離の発生をより一層防止することができる。
上記各構成において、接着剤層の厚みを、前記間隔確保部材の粒径によって設定することが望ましい。
この構成によれば、接着剤層の厚みを、間隔保持部材の粒径によって設定するようにしたので、間隔保持部材の粒径の大きさを選択することにより、接着剤層の厚みを均一な状態で調整することができる。
上記各構成において、流路ユニットとヘッドケースとの接合時に両者を接合方向に加圧することにより、前記接着剤層の厚みを前記間隔確保部材の粒径に揃えることが望ましい。
この構成によれば、流路ユニットとヘッドケースとの接合時に両者を接合方向に加圧することにより、前記接着剤層の厚みを前記間隔確保部材の粒径に揃えるようにしたので、接着剤層の厚みを間隔保持部材の粒径の大きさで均一にすることができる。これにより、流路ユニットとヘッドケースとが傾いて接合されるような不具合等を可及的に防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射ヘッドとして、インクジェット式プリンタ(以下、プリンタという)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を例示する。
図1は、記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図、図2は、記録ヘッドの構成を説明する要部断面図、図3は、流路ユニットの構成を説明する分解斜視図、図4は、流路ユニットをヘッドケースに取り付ける状態を説明する図である。
本実施形態における記録ヘッド1は、複数のインク導入針2を立設する導入針ユニット3、複数の圧電振動子4を備えたアクチュエータユニット5、当該アクチュエータユニット5を駆動するための配線基板6、共通インク室7(共通液体室の一種)からインク供給口8及び圧力室9を通ってノズル開口10に至る一連のインク流路(液体流路の一種)を形成する流路ユニット11、及び、ヘッドケース12を備えて概略構成されている。
上記の導入針ユニット3は、例えばエポキシ樹脂などの合成樹脂によって成型されており、その上面にはフィルタ16を介在させた状態でインク導入針2がそれぞれ取り付けられている。そして、各インク導入針2にはインクカートリッジやサブタンク等が装着されるようになっている。この導入針ユニット3の内部には、インク導入針2側からヘッドケース12側に向けて集束した集束流路(図示せず)が各インク導入針2に対応して複数形成されている。この集束流路の上流端は、インク導入針2の針流路と液密状態で連通する一方、集束流路の下流端は、エラストマー等の弾性部材からなるパッキンシート17を介在させた状態でヘッドケース12の内部に形成されたケース流路(図示せず)と液密状態で連通する。
上記の配線基板6は、プリンタ本体(図示せず)側からの駆動信号を受け、この駆動信号をTCP(テープ・キャリア・パッケージ)等のフレキシブルケーブル18(図2参照)を通じてアクチュエータユニット5の圧電振動子4へ供給するための配線パターンが形成された制御基板である。この配線基板6は、プリンタ本体側との接続のためのコネクタ19や電子部品20等を実装している。コネクタ19にはFFC(フレキシブルフラットケーブル)等の配線部材が接続され、このFFCを介してプリンタ本体側から駆動信号を受けるようになっている。この配線基板6は、電子部品実装面を導入針ユニット3側に向けた状態で、ヘッドケース12の基板取付面21に配置される。
配線基板6に電気的に接続されるアクチュエータユニット5は、図2に示すように、圧力発生手段としての圧電振動子4と、この圧電振動子4が接合される固定板22と、圧電振動子4に配線基板6からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル18等から構成される。各圧電振動子4は、自由端部が固定板22の先端面よりも外側に突出した所謂片持ち梁の状態で固定板22上に取り付けられている。各圧電振動子4を支持する固定板22は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、このアクチュエータユニット5は、ヘッドケース12に収容されている。なお、圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
上記のヘッドケース12は、中空箱体状のケーシングであり、その内部には各アクチュエータユニット5を個別に収容する収容室23が形成されている。このヘッドケース12は、熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂によって成型されており、図4に示すように、基板取付面21とは反対側の流路取付面24に流路ユニット11が固定される。また、ヘッドケース12の内部には、一端が流路取付面24に開口したピン保持部25が2箇所形成され、これらのピン保持部25に、円柱状の2本のケースピン26がそれぞれ保持される。これらケースピン26によって、ヘッドケース12に固定する流路ユニット11の位置を規定することができる。
流路ユニット11は、図3に示すように、振動板29、流路形成基板30、及びノズル形成基板31からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接合して一体化することにより作製されている。この流路ユニット11における圧力室9は、ノズル開口10の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室7は、インク導入針2側からのインクが導入される室である。そして、この共通インク室7に導入されたインクは、インク供給口8を通じて各圧力室9に分配供給されるようになっている。さらに、流路ユニット構成部材、即ち、振動板29、流路形成基板30、及びノズル形成基板31には、ヘッドケース12のケースピン26に挿通可能な基準穴32(32a,32b,32c)が各部材の板厚方向を貫通してそれぞれ開設されている。したがって、図4に示すように、流路ユニット11におけるこれらの基準穴32にケースピン26を挿通することで相対的な位置が合わされた上で、振動板29側のケース取付面33(図5参照:後述する振動板29における支持板37の表面)を接着剤等によって流路取付面24に接合して、流路ユニット11がヘッドケース12に固定される。なお、この点については、後で詳述する。
流路ユニット11の底部に配置されるノズル形成基板31は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル開口10を、副走査方向に列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル形成基板31は、ステンレス鋼の板材によって作製され、ノズル開口10の列(ノズル列)が、複数並べて設けられている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル開口10によって構成される。
ノズル形成基板31と振動板29の間に配置される流路形成基板30は、インク流路となる流路部34、具体的には、共通インク室7となる開口部、インク供給口8となる溝部、及び、圧力室9となる圧力室空部が区画形成された板状の部材である。この流路形成基板30は、結晶性基材、例えばシリコン基材の一種であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。
上記の振動板29は、図2,3に示すように、ステンレス鋼等の金属基材からなる支持板37上にPPS樹脂等の弾性フィルム38をラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板29において圧力室9に対応する部分には、圧電振動子4の自由端部の先端を接合するための島部39が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板29は、圧電振動子4の作動に応じて島部39の周囲の弾性フィルム38が弾性変形するように構成されている。また、振動板29は、流路形成基板30の開口部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部41としても機能する。このコンプライアンス部41に相当する部分については、弾性フィルム38だけにしている。なお、この振動板29は、流路形成基板30に形成された流路部34の開口面を封止する封止板と言うこともできる。
これらの流路ユニット構成部材を結合する際には、接合治具43上に各構成部材を順次積層するようになっている。この点について、以下に簡単に説明する。図5は、流路ユニット構成部材の接合する状態を説明する断面図である。
本実施形態においては、まず、接合治具43上に立設された位置決めピン44,44を貫通穴32c,32cにそれぞれ挿通した状態で、接合治具43上にノズル形成基板31を載置する。次に、このノズル形成基板31の上に、位置決めピン44,44を基準穴32b,32bにそれぞれ挿通し、接着剤を間に介在させた状態で流路形成基板30を積層する。そして、位置決めピン44,44を貫通穴32a,32aにそれぞれ挿通し、接着剤を間に介在させた状態で流路形成基板30上に弾性フィルム38側の面から振動板290を積層する。
流路ユニット構成部材を接合治具43上に積層したならば、これらの各構成部材を積層方向(接合方向)に加圧する。即ち、流路ユニット構成部材をそれぞれ位置決めして積層した状態で、振動板29の上方から接合治具43側に向けて加圧する。この加圧した状態を保ったまま、流路ユニット構成部材同士の間に介在する接着剤を硬化させることによって、これらの各構成部材同士が接合される。このようにして、ノズル形成基板31、流路形成基板30、及び振動板29の相対位置が規定された状態で相互を接合して流路ユニット11が形成される。
次に、上記の流路ユニット11を接合治具43から取り外し、図4に示すように、流路ユニット11の振動板29側のケース取付面33をヘッドケース12の流路取付面24に臨ませた状態で、両者の間に接着剤を介在させて、流路ユニット11とヘッドケース12とを接合する。以下、この点について説明する。
本実施形態では、粒状の間隔確保部材45を混合した接着剤を流路ユニット11とヘッドケース12との間に接着剤層Sとして介在させて両者を接合し、流路ユニット11とヘッドケース12との間に介在する接着剤層Sの厚みを間隔確保部材45によって規定したことを特徴とする。図6は、流路ユニット11とヘッドケース12とを接合した状態を説明する模式図、図7は、記録ヘッド1の各構成部材の材質と線膨張係数の関係を示す表である。
上記の間隔確保部材45は、例えば樹脂製の粒状の球体で構成され、その粒径dは、5〜14μmとなっている。この間隔確保部材45としては、SiO材料からなる真絲球(ガラスビーズ)や真絲球より低硬度のジビニルベンゼン等の樹脂材料からなるミクロパール等が一般的に用いられる。本実施形態においては、評価実験の結果により、後述する接着面における剥離応力の緩和に優位性のある粒径d=7μmのミクロパールを用いている。なお、間隔保持部材45は、上記に例示したものに限られない。要は、接着剤に混合して、加圧状態で接合する部材同士の間隔(接着剤層の厚み)を均一にできるように、それぞれの形状が均一に揃った粒状部材であれば、どのようなものを用いてもよい。
上記間隔確保部材45を混合して流路ユニット11とヘッドケース12とを接合する接着剤としては、例えばエポキシ系接着剤を用いている。本実施形態においては、この接着剤に、例えば混合比2〜10%で間隔確保部材45を混合している。特に、混合作業の容易性や材料費等のコストと、各評価実験の結果とを考慮すると、混合比2%が好適である。
そして、上記の流路ユニット11とヘッドケース12とを接合する場合は、ケースピン26,26を基準穴32,32にそれぞれ挿通して相対位置を規定し(図4参照)、図6に示すように、間隔確保部材45を混合した接着剤を、流路ユニット11とヘッドケース12との間に介在させた状態で、ヘッドケース12の上に流路ユニット11を積層する。次に、流路ユニット11をヘッドケース12に積層したならば、この両者を積層方向(接合方向)に、面圧数十kgfで均一に加圧する。
このように加圧することによって、流路ユニット11とヘッドケース12との間に介在する接着剤に混合された間隔確保部材45が、接着剤層S中で加圧方向の重なりが無くなって一面に広がる。即ち、接着剤が加圧されて潰されることにより接着剤層Sの厚みが、間隔確保部材45の粒径dに揃えられる。したがって、本実施形態においては、流路ユニット11とヘッドケース12との間の接着剤層Sの厚みを間隔保持部材45の粒径dによって均一に設定することができる。
ここで、本実施形態における記録ヘッド1の各構成部材は、図7の表に示すように、線膨張係数に差があり、特に、シリコン基材からなる流路形成基板30(3〜4×10−6/K)とエポキシ樹脂製のヘッドケース12(11×10−6/K)との差が大きいことがわかる。また、金属基材からなる振動板29は、金属部(支持板37)の線膨張係数が11×10−6/Kであり、また、その厚み(37μm)が流路形成基板30の厚み(800μm)と比較して極めて小さいので、高温高湿環境下において、剥離応力の発生源として無視できるが、ヘッドケース12のから発生する剥離応力を流路形成基板30との接着面に伝えてしまう。そこで、本実施形態の記録ヘッド1では、間隔確保部材45を混合した接着剤を流路ユニット11とヘッドケース12との間に介在させて両者を接合し、流路ユニット11とヘッドケース12との間に介在する接着剤層Sの厚みを間隔確保部材45によって規定すると共に、接着剤層Sの厚みを、従来の厚み(1〜2μm)と比較して、厚くしている。この様にして、接着剤層Sの厚みを厚くすると、高温高湿環境下において、記録ヘッド1を構成する各構成部材同士、特に、流路形成基板30とヘッドケース12との線膨張係数の差によって発生する剥離応力を厚い接着剤層Sの面方向の変形によって吸収することができる。したがって、高温高湿環境下において、ヘッドケース12側から振動板29に伝わる剥離応力を緩和することができ、流路ユニット11における振動板29と流路形成基板30との剥離を可及的に防止することができる。
また、流路ユニット11とヘッドケース12との接合時に、この両者を接合方向に加圧することにより、接着剤層Sの厚みを間隔確保部材45の粒径dに揃えたので、接着剤層Sの厚みを間隔確保部材45の粒径dの大きさで均一にすることができる。即ち、接着剤層Sの厚みを大きくしても、流路ユニット11とヘッドケース12とが傾いて接合されるような不具合等を防止することができる。これにより、記録ヘッド1の吐出精度を向上させることができる。さらに、接着剤層Sの厚みを、間隔保持部材45の粒径dによって設定できるので、間隔保持部材45の粒径dの大きさを選択することにより、例えばd=4〜15μmの範囲で接着剤層Sの厚みを均一な状態で調整することができる。
また、間隔確保部材45を、ミクロパール等の樹脂製の球体で構成すると、間隔保持部材45がSiO材料からなる真絲球等に比べて低硬度となるので、高温高湿環境下において、流路形成基板30とヘッドケース12との線膨張係数の差によって発生する剥離応力をより緩和することができる。これにより、流路ユニット11における振動板29と流路形成基板30との剥離の発生をより一層防止することができる。
また、以上の説明では、液体噴射ヘッドとして、インクジェット式記録ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 流路ユニットの構成を説明する分解斜視図である。 流路ユニットをヘッドケースに接合する状態を説明する図である。 接合治具を用いて流路ユニット構成部材を接合する状態を説明する断面図である。 流路ユニットとヘッドケースとを接合した状態を説明する断面図である。 記録ヘッドの各構成部材の材質と線膨張係数の関係を示す表である。
符号の説明
1…記録ヘッド,2…インク導入針,3…導入針ユニット,4…圧電振動子,5…アクチュエータユニット,6…配線基板,7…共通インク室,8…インク供給口,9…圧力室,10…ノズル開口,11…流路ユニット,12…ヘッドケース,16…フィルタ,17…パッキンシート,18…フレキシブルケーブル,19…コネクタ,20…電子部品,21…基板取付面,22…固定板,23…収容室,24…流路取付面,25…ピン保持部,26…ケースピン,29…振動板,30…流路形成基板,31…ノズル形成基板,32…基準穴,33…ケース取付面,34…流路部,37…支持板,38…弾性フィルム,39…島部,41…コンプライアンス部,43…接合治具,44…位置決めピン,45…間隔確保部材

Claims (4)

  1. 圧力室となる圧力室空部を含む流路部が形成されたシリコン基材からなる流路形成基板、複数のノズル開口が圧力室に対応して開設された金属製のノズル形成基板、及び、流路形成基板の流路部の開口を封止する金属基材からなる封止板から構成され、流路形成基板の一方の面にノズル形成基板を、他方の面に封止板をそれぞれ接合することで、共通液体室から圧力室を通ってノズル開口に至る一連の液体流路を形成する流路ユニットと、
    前記流路ユニットの封止板側の面を固定する樹脂製のヘッドケースとを備えた液体噴射ヘッドであって、
    粒状の間隔確保部材を混合した接着剤を前記流路ユニットとヘッドケースとの間に接着剤層として介在させて両者を接合し、この接着剤層の厚みを前記間隔確保部材によって規定したことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記間隔確保部材を、樹脂製の球体で構成したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記接着剤層の厚みを、前記間隔確保部材の粒径によって設定したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記流路ユニットとヘッドケースとの接合時に両者を接合方向に加圧することにより、前記接着剤層の厚みを前記間隔確保部材の粒径に揃えたことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014226885A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 京セラ株式会社 液体吐出ヘッドおよび記録装置
JP5776698B2 (ja) * 2010-11-08 2015-09-09 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法

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