しかし、上記の遊技機では、大当り状態として二種類の大当り態様、すなわち通常大当り及び確率変動大当りが設定されており、抽選結果に基づいていずれか一方が選択されるようになっているが、通常大当りである場合には、大当りであるにも拘わらず、大当りの醍醐味を与えることができず、逆に、確率変動大当りでなかったことに対して悲観した気分を与えることも懸念される。すなわち、通常大当りは、所謂単発の大当りであることから、大当りの終了後、再びゼロからやり直さなければならず、次回の大当りを得るまでに時間と労力がかかってしまう。つまり、大当り終了後には、何ら価値を有しないものとなることから、遊技者の期待感を持続させることができず、その時点で遊技を終了してしまう場合も多々あった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、確率変動状態にならないことに起因する遊技意欲の低下を極力抑制できる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な始動口と、
該始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
該入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段と、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
該開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段と、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第一結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第二結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与し、その後は前記確率変動状態を発生させることのない有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第三結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、その後前記確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段と、
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記抽選結果が前記第三結果であり前記第四結果でない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
ここで、「演出表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。また、「開閉入賞装置」としては、大当りの際に開放され遊技媒体が入賞可能となる大入賞口を挙げることができる。
手段1の構成によれば、遊技領域には少なくとも始動口が設けられており、始動口に遊技媒体が入賞したことが検出されると、それに基づいて抽選手段による抽選が行われる。また、抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様が特定され、その表示態様が演出表示手段に導出される。なお、具体的な表示態様については後述する。
ところで、本発明の抽選手段では、「当り」として、少なくとも四種類の有利遊技状態を発生させることが可能となっている。
第一有利遊技状態は、所謂「確率変動大当り」であり、抽選手段の抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、まず遊技者に特定の利益を付与する。具体的には、開閉入賞装置の開閉動作を複数回繰り返すとともに、開状態における一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の時間とすることで、遊技者に特定の利益を付与する。また、その後の抽選に対して、少なくとも特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する(所謂、「確率変動状態」とする)。これにより、遊技者は、多くの利益を得ることが可能になるとともに、次回の大当りに対する期待感が大きく高められる。つまり、大当りの連荘が可能となり、大当りの醍醐味を遊技者に与えることができる。なお、確率変動状態では、特定の利益が付与される確率を高くすることに加え、所定の利益が付与される確率も高くしてもよい。
第二有利遊技状態は、所謂「通常大当り」であり、抽選手段の抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、「第一有利遊技状態」と同様、遊技者に特定の利益が付与される。しかし、その後の抽選に対しては、確率変動状態にはならず、通常時の確率(低確率)となる。
第三有利遊技状態は、抽選手段の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、遊技者に所定の利益(「特定の利益」よりも有利性の低い利益)を付与する。具体的には、開閉入賞装置の開閉動作を「特定の利益」の場合よりも少ない回数だけ行うとともに、一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の時間とすることで、遊技者に付与される利益を制限する。また、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する(所謂、「確率変動状態」とする)。
第四有利遊技状態は、抽選手段の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、「第三有利遊技状態」と同様、遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態を発生させることはない。つまり、当りの前後において、遊技状態は何ら変わることがないため、遊技者の気分を高揚させることができなくなる。そこで、以下では、このような有利性の低い「当り」(換言すれば、「有利遊技状態が生起することのない当り」)を便宜上「小当り」と称し、有利性の高い「大当り」と区別することにする。
ところで、「第三有利遊技状態」においては、所定の利益を付与した後に確率変動状態となることから、その遊技状態を遊技者に示唆するようにすれば、抽選への期待感を大幅に高め、遊技者の気分を高揚させることが可能になる。しかしながら、このように、確率変動状態になったことを遊技者に示唆すると、「第三有利遊技状態」と「第四有利遊技状態」とが、明朗に区別して認識されることとなる。つまり、確率変動状態が新たに発生することのない「第四有利遊技状態(小当り)」と、有利性の高い「第三有利遊技状態(大当り)」とが、視覚的に判別可能な状態となる。このため、「第四有利遊技状態(小当り)」となった場合には、有利性の低い所定の利益が付与されるものの、その後すぐに、価値を有さないものとなることが認識されるため、抽選への期待感が低下するとともに、苛立ちを喚起させることも懸念される。特に、「第四有利遊技状態(小当り)」となる確率が、「第三有利遊技状態(大当り)」となる確率に比べて極めて高い場合には、「第四有利遊技状態」が頻繁に発生することとなり、その度に喚起される不満、すなわち大当りでないことに対しての不満によって、遊技への意欲が損なわれる虞がある。
これに対し、本発明では、第三有利遊技状態の場合における演出表示手段での表示態様と、第四有利遊技状態の場合における表示態様とを、視覚的に区別することができないようにするとともに、第三有利遊技状態によって確率変動状態が発生している場合には、遊技者への期待感を次第に高めることを可能にしている。具体的には、抽選結果が第三結果である場合、すなわち第三有利遊技状態(大当り)の場合に出現可能な表示態様として、通常の遊技状態であることを示す通常状態演出と、第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出と、第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出と、第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出とを有している。これに対し、抽選結果が第四結果である場合、すなわち第四有利遊技状態(小当り)の場合に出現可能な表示態様として、通常状態演出と、高確率期待小演出と、高確率期待大演出とを有している。つまり、第四有利遊技状態では、高確率状態演出(確率変動状態が発生していることを示す演出)を出現させることができないものの、それ以外の演出は、第三有利遊技状態と同様に出現可能となっている。
また、第三有利遊技状態に限って出現される高確率状態演出は、高確率期待小演出及び高確率期待大演出の段階を経て出現される演出であり、しかも、高確率期待小演出から高確率期待大演出への移行は第一条件の成立を要件とし、高確率期待大演出から高確率状態演出への移行は第二条件の成立を要件としていることから、第三有利遊技状態となって確率変動状態が発生しても、「高確率状態演出」がすぐに出現されることはない。換言すれば、所定の利益が付与されてから「高確率状態演出」が出現されるまでのしばらくの間は、第三有利遊技状態と第四有利遊技状態とを区別して認識することができなくなる。このため、第四有利遊技状態(小当り)が発生した場合であっても、「第三有利遊技状態(大当り)であるかも知れない」、すなわち「確率変動状態に突入しているかもしれない」と推測させることができ、遊技者の期待感を高めることが可能になる。したがって、遊技への意欲が高められ、不満による遊技の終了を極力抑制することが可能になる。
また、どちらの有利遊技状態の場合も、通常の発展パターンとして、通常状態演出から高確率期待小演出へ移行し、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行するため、高確率への期待を段階的に高めることが可能になる。このため、遊技への意欲が向上し、途中で遊技を終了してしまうことを極力防止することが可能になる。
特に、所定の演出状態になると、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様(夫々の演出)に合わせて可動する。このため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物による演出とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。すなわち、画像と装飾物との協働によって演出を盛り上げ、遊技者の期待感を一層高めることが可能になる。また、この装飾可動体は出没可能であり、所定の演出状態になると突如として出現することから、遊技者に驚きやワクワク感を与えることができ、遊技意欲を高めることが可能になる。
なお、第三有利遊技状態の場合には、最終的に、「確率変動状態になっていること」を示す高確率状態演出が出現されるため、これにより遊技者に安心感を与えるとともに、抽選への期待感、すなわち特定の利益が付与されることへの期待感を激増させることができる。
手段2:「遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な始動口と、
該始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
該入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段と、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
該開閉入賞装置の開放時間を総じて2秒以内にするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段と、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、6秒以上にするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第一結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第二結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与し、その後は前記確率変動状態を発生させることのない有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第三結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、その後前記確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記抽選結果が前記第三結果であり前記第四結果でない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
手段2の構成によれば、手段1と同様の作用・効果を奏することが可能になる。特に、手段2の構成では、所定利益付与手段によって開閉入賞装置が開放される時間を、「総じて2秒以内」としている。これにより、開閉入賞装置の開放によって、数個の遊技媒体を辛うじて入賞させることが可能になる。つまり、遊技者に所定の利益を付与するとともに、その利益が特定の利益に比べ有利性の低いものに制限することが可能となる。また、手段2の構成では、特定利益付与手段によって開閉入賞装置が開放される一回当りの開放時間を、「6秒以上」としている。これにより、開閉入賞装置が開放される毎に、複数個の遊技媒体を、ゆとりを持って入賞させることが可能になる。つまり、遊技者に有利性の高い特定の利益を付与することが可能になる。
手段3:「遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
操作ハンドルの操作に応じて遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技球の転動方向を変化させる障害部材と、
前記遊技領域内に配置され遊技球が入賞可能な始動口と、
該始動口に遊技球が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
該入賞状態検出手段による前記遊技球の検出に基づいて抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段と、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技球が入賞可能となる開閉入賞装置と、
該開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段と、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段と、
前記始動口または前記開閉入賞装置内へ前記遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球を払い出す払出装置と、
前記抽選手段の抽選結果が第一結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第二結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与し、その後は前記確率変動状態を発生させることのない有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第三結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、その後前記確率変動状態とする有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記抽選結果が前記第三結果であり前記第四結果でない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
手段3の構成によれば、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球が発射されると、遊技球は、多数の障害部材、始動口、及び特別図柄表示器等が組み込まれた遊技領域に導かれる。そして、始動口に遊技球が入賞したことが検出されると、それに基づいて抽選手段による抽選が行われる。そして、抽選手段の抽選結果が所定結果の場合には、遊技者に有利な有利遊技状態が発生する。
有利遊技状態としては、手段1の構成と同様であり、「第一有利遊技状態」〜「第四有利遊技状態」が予め設定されている。すなわち、「第一有利遊技状態」では、開閉入賞装置の開閉動作を複数回繰り返すとともに、開状態における一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の時間とすることで、遊技者に特定の利益を付与する。また、その後の抽選に対して確率変動状態とする。
「第二有利遊技状態」は、「第一有利遊技状態」と同様、遊技者に特定の利益が付与されるが、確率変動状態とはならない。
「第三有利遊技状態」は、開閉入賞装置の開閉動作を「特定の利益」の場合よりも少ない回数だけ行うとともに、一回当りの開放時間を、数個の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間とすることで、遊技者に所定の利益を付与する。また、その後の抽選に対しては、確率変動状態とする。
「第四有利遊技状態」は、「第三有利遊技状態」と同様、遊技者に所定の利益を付与するが、その後の抽選に対して、確率変動状態を新たに発生させることはない。
このように、「第三有利遊技状態」及び「第四有利遊技状態」では、どちらも所定の利益が付与される。ただし、「第三有利遊技状態」ではその後確率変動状態となり、その後の抽選において少なくとも特定の利益が付与される確率(すなわち「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」が発生する可能性)が高くなるが、「第四有利遊技状態」では確率変動状態を発生させない。したがって、「第三有利遊技状態」と「第四有利遊技状態」とでは、遊技に対する意欲が大きく異なってくることとなる。ところが本発明では、演出表示手段で同様の演出が行われることから、所定の利益が付与されてから高確率状態演出が出現されるまでのしばらくの間は、第三有利遊技状態と第四有利遊技状態とを区別して認識することができなくなり、第四有利遊技状態(小当り)が発生した場合であっても、「確率変動状態に突入しているかもしれない」と推測させることができる。
また、どちらの有利遊技状態の場合も、通常の発展パターンとして、通常状態演出から高確率期待小演出へ移行し、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行するため、高確率への期待を段階的に高めることが可能になる。このため、遊技への意欲が向上し、途中で遊技を終了してしまうことを極力防止することが可能になる。
特に、所定の演出状態の際には、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様に基づいて可動するため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。すなわち、画像と装飾物との協働によって演出を盛り上げ、遊技者の期待感を一層高めることが可能になる。また、この装飾可動体は出没可能であり、所定の演出状態になると突如として出現することから、遊技者に驚きやワクワク感を与えることができ、遊技意欲を高めることが可能になる。
手段4:手段1〜手段3のいずれか一つの構成において、「前記装飾可動体を、前記通常状態演出及び前記高確率期待小演出の際に没入させ、前記高確率期待大演出及び前記高確率状態演出の際に出現させる装飾可動体動作制御手段を有する」ことを特徴とする。
手段4の構成によれば、通常の発展パターンでは、通常状態演出から高確率期待小演出に移行し、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行することから、高確率への期待を段階的に高めることが可能になる。特に、本発明では、期待値の高い高確率期待大演出及びその後発展可能な高確率状態演出において、装飾可動体を出現させるため、高確率期待大演出において高確率への期待感を激増させることができる。すなわち、通常状態演出や高確率期待小演出では視認することのできなかった組合せの演出が、高確率期待大演出になると突如として視認可能となるため、遊技者をワクワクドキドキさせることが可能になる。このため、遊技への意欲を一層向上させ、途中で遊技を終了してしまうことを極力防止することが可能になる。
手段5:手段1〜手段4のいずれか一つの構成において、「前記装飾可動体は、開閉可能な口を有するキャラクタの顔の形状を呈している」ことを特徴とする。
ここで、「キャラクタ」としては、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を挙げることができる。
手段5の構成によれば、キャラクタの口が開閉するため、口に関連した演出、例えば喋ったり、物を噛み砕いたりする演出を行えば、キャラクタに関する効果的な演出を実現することが可能となる。また、演出表示手段に表示される演出態様を、口(開口部分)を通して視認させることが可能となり、演出画面における意匠性を高めることができる。
手段6:手段5の構成において、「前記表示制御手段は、前記演出表示手段に「言葉」を表示可能とし、
前記装飾可動体動作制御手段は、前記演出表示手段における前記「言葉」の表示に合わせて前記装飾可動体の口を開閉させる」ことを特徴とする。
ここで、「言葉」としては、遊技状態の案内、挨拶、メッセージ、または小話等の台詞を例示することができる。
手段6の構成によれば、演出表示手段の前方に出現した装飾可動体の口が、演出表示手段に表示される「言葉」に合わせて開閉するため、恰もキャラクタが発言しているかのように認識させることができる。このため、臨場感が高められ、演出の面白みを大幅に高めることができる。なお、演出表示手段に「言葉」を表示させるに際に、口(開口部分)の内側の部位に表示させるようにすれば(すなわち口を窓として「言葉」を視認させるようにすれば)、装飾可動体に遮られることなく「言葉」を認識させることができ、また、その「言葉」がキャラクタの口から飛び出されるような印象を与えることができる。
手段7:手段6の構成において、「前記演出表示手段に表示される前記「言葉」を、音声で出力する音声出力手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段7の構成によれば、「言葉」が音声によって出力され聴覚的に認識可能となる。このため、装飾可動体の動作に現実みを持たせることが可能になり、演出の興趣をさらに高めることができる。
手段8:手段1〜手段7のいずれか一つの構成において、「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域を有した遊技盤と、
前記装飾可動体を、前記演出表示手段の左右何れか一方の外側から、前記遊技盤の面に略沿うような軸線上に片持支持して上下方向に移動させる駆動ユニットと、
前記装飾可動体の前側に配置され、略長尺状の本体部が略水平な第一配置状態に配置されると前記装飾可動体を遮蔽可能であると共に、前記本体部が略垂直な第二配置状態に配置されると、前記装飾可動体と前記駆動ユニットとの間を遮蔽可能である前側装飾可動体と
を具備する」ことを特徴とする。
ここで、「装飾可動体」及び「前側装飾可動体」としては、「遊技媒体と接触するように配置され、遊技媒体の動きを変化させることのできる役物装飾可動体」、「遊技媒体とは接触しないように配置され、動きにより演出を行うことのできる装飾可動体」、等が挙げらる。
さらに、「駆動ユニット」としては、装飾可動体を上下方向に移動させることができるものであれば良く、例えば、「上下方向に延びる誘導部材と、誘導部材に誘導案内され装飾可動体を保持する被誘導部材と、被誘導部材を移動させる移動手段とを備えたもの」、が挙げられる。
手段8の構成によれば、演出表示手段の前面側には、駆動ユニットによって上下方向に移動する装飾可動体が備えられている。また、装飾可動体の前側には、第一配置状態と第二配置状態との間を移行可能な前側装飾可動体が備えられており、当該前側装飾可動体が略水平な第一配置状態において、その後ろ側に装飾可動体が位置されることによって遮蔽することが可能であると共に、略垂直な第二配置状態において、装飾可動体と駆動ユニットとの間を遮蔽可能である。
これにより、略水平な第一配置状態において装飾可動体が遮蔽された状態から、演出表示手段の前面側に突如として装飾可動体が出没するかのような斬新な演出を行うことができる。また、装飾可動体を視認可能に露出させたり、視認困難に遮蔽させたりする演出を切り替えることで、遊技者をどっきりさせ、注目を惹きつける演出が可能となる。具体的には、前側装飾可動体の後側に装飾可動体が遮蔽された状態から、前側装飾可動体が第二配置状態に移行する等して遮蔽状態が解除されることで、装飾可動体が露出した状態へと移行する。これにより、前側装飾可動体の後側から突然装飾可動体が出現したかのような、どっきりさせる演出が可能となる。従って、遊技者の興趣を惹きつけ、飽き難い遊技機を提供できる。
また、前側装飾可動体が第一配置状態に配置され、その後ろに装飾可動体が遮蔽された状態から、前側装飾可動体が第二配置状態に移行し、装飾可動体が上下に移動したような演出を行った場合は、装飾可動体の移動量を大きく見せる効果が期待できる。具体的には、前側装飾可動体が略垂直な第一配置状態から略水平な第二配置状態に移行することにより、その後側に展開される空間が、長広く展開されたように演出される視覚効果が期待できるので、当該後側の空間にて上下方向に移動する装飾可動体の移動量も、それに伴ってあたかも増大したかのような印象を与える効果が期待できる。これにより、装飾可動体の移動量が大きく見える効果が期待できるので、遊技者に装飾可動体の動きに気づかせ、注目を惹き、興趣の低下を防止する効果が期待できる。
さらに、前側装飾可動体によって装飾可動体を遮蔽状態から視認可能状態に、つまり出没自在に演出できることに加え、さらに、当該演出と演出表示手段による演出画像の動きとを関連付けた場合には、より斬新で面白味のある演出を行うことが可能となる。また、装飾可動体が出没自在であることから、装飾可動体を演出表示手段の前面側から没した状態に移行させることも可能であり、演出表示手段による演出画像を見やすく目立たせることができる。これにより、演出画像を見ようとする遊技者の目の疲労を軽減することができ、より長い時間興趣を惹きつけ、夢中にさせることが可能となる。
また、装飾可動体だけではなく、前側装飾可動体を演出表示手段の前面側に出没自在に取り付け、演出表示手段の上側または下側に没するようにしても良い。これにより、前側装飾可動体に斬新な演出効果を付加し、さらに遊技者の目を惹く効果が期待できる。
さらに、上下に動く装飾可動体の前側に別途の装飾可動体(前側装飾可動体)を取り付ける構成であるため、装飾可動体に接触することなく前側装飾可動体を動かすことが容易である。つまり、装飾可動体の可動範囲に制限されることなく前側装飾可動体を移動させることができるから、前側装飾可動体の可動範囲を可及的に広くしたり、大きさを大きくすることが容易であり、より目立つ装飾可動体を備えることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
ところで、装飾可動体を移動させるためにそれらを支持する方法としては、装飾可動体の中央(例えば、左右方向中央)で支持して移動させたり、装飾可動体の左右両端で支持して移動させたりする方法が考えられる。しかしながら、装飾可動体の中央で支持するようにした場合、装飾可動体を移動されるための駆動ユニットが中央に配置されることとなり、駆動ユニットが見えて煩雑な印象を与えてしまったり、演出表示手段等の設置の邪魔になったりする問題がある。
一方、装飾可動体の両端で支持するようにした場合、一つの装飾可動体に対して駆動ユニットが両側に分散された形態となり駆動ユニットが大型化すると共に、装飾可動体を支持する両側の部分を互いに同期して移動するようにしなければならず複雑な構成となり、遊技機への設置自由度が低下したり、コストが増加したりする問題がある。
また、装飾可動体を移動させる駆動ユニットの長さは、一般的に、装飾可動体の移動量を大きくするほど長くなる傾向がある。そのため、演出表示手段の上側又は下側に駆動ユニットを配置して、演出表示手段の前面側で装飾可動体が移動するようにした場合、演出表示手段の上側又は下側の設置空間が比較的狭く、短い駆動ユニットしか設置できないので、装飾可動体の移動量が少なくなり、遊技者に印象付けられるような動きをさせるのは困難であった。
これに対し、本手段の構成によると、駆動ユニットに、装飾可動体を片持支持させると共に、演出表示手段の左右何れか一方の外側に駆動ユニットを配置したものである。
これにより、装飾可動体を片持支持するようにしているので、両端を支持するようにした場合と比較して、駆動ユニットの構成を簡略化することが可能となり、駆動ユニットが大型化するのを防止することができ、装飾可動体を相対的に大型化することが可能となって、装飾可動体を大型化して遊技者に目立つようにし、演出動作を認識させ易くして、その演出動作を楽しませることができる。
また、装飾可動体を片持支持するようにしているので、例えば、駆動ユニットを遊技盤の端(演出表示手段の左右外側)に配置し、支持シャフトに支持された装飾可動体が遊技盤の略中央(演出表示手段の前面側)で上下方向に移動するようにすることもでき、装飾可動体をより目立つ位置に配置することが可能となり、より演出効果の高められるものとすることができる。
更に、駆動ユニットを演出表示手段の左右外側に配置しているので、駆動ユニットによって演出表示手段に表示された演出態様が遮られるのを防止することができ、遊技者に演出態様全体を確実に視認させることができると共に、駆動ユニットと演出表示手段とが干渉するのを防止して、それらを備えた興趣の高められる遊技機とすることができる。
また、駆動ユニットを演出表示手段の左右外側に配置しているので、駆動ユニットの長さを、少なくとも演出表示手段の上下方向の長さ分は確保することが可能となり、駆動ユニットを演出表示手段の上側又は下側に配置した場合比較して、より長いものとすることができ、装飾可動体の移動量をより大きくして遊技者に目立つようにし、装飾可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
ところで、装飾可動体を片持支持するようにした場合は、駆動ユニットに対して、例えば支持シャフトのようなもので装飾可動体と駆動ユニットとを連結して駆動ユニットの動力を伝達させる必要がある。この時、装飾可動体は遊技者に対して視認可能な位置に配置されているので、そこに連結されている支持シャフト等も露出して遊技者に見えてしまい、見栄えが損なわれ、遊技者の興趣を醒めさせてしまう虞があった。
これに対し、本手段の構成によれば、前側装飾可動体は、略垂直に配置される第二配置状態において、第一駆動ユニットと装飾可動体との間を遮蔽可能である。これにより、装飾可動体と駆動ユニットとの間、つまり連結部が遮蔽され得るので、(上述の例で言えば)支持シャフト等を隠蔽し、見栄えを向上させることができる。
また、適宜の装飾部材を当該連結部の前面側に取り付けて、支持シャフト等を隠蔽する方法も考え得るが、この方法によれば、装飾部材と装飾可動体とが同時に動くので、夫駆動ユニットと装飾可動体との関係(支持シャフト等によって連結されている)が判りやすく、つまり片持ち支持されている構成が判りやすい。これに対し、手段8の構成によれば、装飾可動体とは別の動きをする前側装飾可動体によって当該連結部を遮蔽できるので、駆動ユニットと装飾可動体との関係を分かり難くすることができる。これにより、どうやって装飾可動体が動かされているのかが分かり難いことから、まるで宙に浮いているかのような意外性のある演出を行えるので、遊技者の注目を惹きつけ、興趣を高めることができる。
また、装飾可動体を所定キャラクタの一部としても良く、これにより、装飾可動体を移動させることで、所定キャラクタを動かすことができ、特に、遊技者が認知しているキャラクタであれば、そのキャラクタが動くことで強く印象付けることができ、遊技者を楽しませて、より興趣を高められるものとすることができる。
更に、装飾可動体を上下方向に移動させるようにしているので、これにより、遊技領域を流下する遊技媒体の流れ方向と略同じ上下方向に移動し、遊技媒体と装飾可動体との間での遊技者の目線移動がし易く早期に遊技者が疲労するのを抑制することができ興趣が低下するのを防止することができる。
手段9:手段8の構成において、「前記装飾可動体は、前記遊技者から視認可能に配置される第一装飾可動体と、該第一装飾可動体の下方に配置される第二装飾可動体とを有して構成され、
前記駆動ユニットは、前記第一装飾可動体を移動させる第一駆動ユニットと、前記第二装飾可動体を駆動させる第二駆動ユニットとを有して構成されている」
ことを特徴とする。
ここで、「第一装飾可動体」及び「第二装飾可動体」は、「第一装飾可動体及び第二装飾可動体とで、人形や動物形等の所定キャラクタや、建物や乗物等の一部又は全体が立体的に表現されたもの」としても良く、例えば、第一装飾可動体と第二装飾可動体とを、「所定キャラクタの顔における上顎から上側と下顎から下側」、「所定キャラクタの頭と胴体」、「所定キャラクタの胴体と手足」、「ロケットや宇宙として分離・ドッキングするもの」、「複数のエレベータやエスカレータ、或いは、エレベータやエスカレータに乗った人」、「ビルや植物、火山」等のように、上下に移動したり延びたりするものとしても良い。
なお、演出表示手段に対して、第一装飾可動体及び第二装飾可動体が没する位置としては、両装飾可動体が共に上側又は下側に没するようにしても良いし、第一装飾可動体が上側に第二装飾可動体が下側に没するようにしても良い。
ところで、従来の遊技機では、電動チューリップやアタッカ装置等の可変入賞装置を除いては、可動する装飾可動体が一つしか配置されておらず、その装飾可動体の動きによる演出動作が単調なものとなり易く、遊技者によっては飽きてしまい興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段9の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって上下方向に移動する第一装飾可動体及び第二装飾可動体を遊技盤の遊技領域にかかるように視認可能に備えたものである。
これにより、上下方向に移動する第一装飾可動体及び第二装飾可動体を、夫々接近させたり、離反させたり、一方のみを上下動させたり、両方を同一方向に上下動させたりすることが可能となり、二つの装飾可動体が種々の演出動作をするので、遊技機において装飾可動体が目立つものとなり、遊技者をそれらの装飾可動体に注目させることができ、第一装飾可動体及び第二装飾可動体による演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、第一装飾可動体及び第二装飾可動体の二つの装飾可動体を備えているので、夫々の動きを組み合わせることで演出動作の種類(バリエーション)を増やすことができ、より演出動作を楽しませて飽き難いものとし、演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段10:手段8または手段9の構成において、「前記前側装飾可動体は、前記装飾可動体が片持ち支持されている側の端部側が回動可能に支持されており、該支持された回動軸を中心に回動することによって、前記第一配置状態と前記第二配置状態との間を移行可能である」ものとすることができる。
ところで、従来の遊技機では、装飾可動体の動きが上下方向のみの動きであったり、前後方向に回動する動きのみであったりと、その移動方向が一方向であるので、装飾可動体の動きが単純な動きとなり、その装飾可動体の動きによる演出を見慣れてしまうことで遊技者によっては、装飾可動体の動きに飽きてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。
これに対し、手段10の構成によると、前側装飾可動体は、その端部が回動可能に支持されており、該支持された回転軸を中心に回動することによって、略水平な第一配置状態と略垂直な第二配置状態との間を移行可能である。
これにより、装飾可動体の上下方向の動きとは異なる別途の動き(回動する)を用いて前側装飾可動体を移動させることができるので、遊技領域内における動きのバリエーションを増加させ、より演出効果を高め遊技者の興趣を高めることができる。
また、略長尺状の本体部を持つ前側装飾可動体のうち、装飾可動体が片持ち支持されている側と同じ端部側を中心に回動させることにより、略垂直な第二配置状態時において、その他端側に向かって延設されている本体部が不可避的に装飾可動体と駆動ユニットとの間を遮蔽する。これにより、ごく自然に装飾可動体と駆動ユニットとの連結部分を遮蔽できるので、よりスムーズ且つ巧みに見栄えを向上させることができる。
また、前側装飾可動体の端部側が回動可能に支持されているから、略中央付近側で支持されている場合等に比べ、前側装飾可動体を回動している回動手段を遊技領域の端部側に配置しやすい。これにより、当該回動手段によって装飾可動体や演出表示手段などを遮蔽し難いので、これらが表現する演出態様を見易くでき、興趣の低下を防止することができる。
手段11:手段8〜手段10のいずれか一つの構成において、「前記前側装飾可動体が、少なくとも二つ以上具備されている」ものとすることができる。
手段11の構成によれば、前側装飾可動体が少なくとも二つ以上、つまり複数備えられている。これにより、一つのみ備えられている場合に比べて、より華やかで賑やかな印象を与え得るので、より興趣を惹きつけることのできる遊技機を提供できる。なお、複数の前側装飾可動体は、夫々同じタイミング、同じ動きをするものであっても構わないし、別々の動きをするものであっても構わない。また、互いに連動して動くものであっても良いし、装飾可動体の動きと連動させても良く、様々な演出バリエーションを表現し得るものである。
手段12:手段11の構成において、「前記前側装飾可動体は、左右略同じ高さに二つ一組で配置されている」ものとすることができる。
ここで、「二つ一組」とは、左右略同じ高さに配置された二つの前側装飾可動体が互いに関連性や一体感を有していることを示し、例えば、二つの前側装飾可動体の大きさが略等しい、二つの前側装飾可動体の形状・模様・色彩が類似している、二つの前側装飾可動体を組み合わせると一つの統一された観念を引き起こす(一つのアルファベットになる、単語や標語を模した形になる、等)、等の構成が例示できる。
従って、手段12の構成によれば、前側装飾可動体は、左右同じ高さに二つ一組で配置されている。換言すれば、一つの前側装飾可動体を二分割して配置する構成であるため、一つの前側装飾可動体の左右方向の長さを、約半分程度に短くできる。これにより、前側装飾可動体一つあたりのサイズを小さくすることができるので、各駆動ユニットが負担する駆動負荷が軽くなり、より速い速度で前側装飾可動体を駆動することが可能となる。従って、前側装飾可動体によりスピーディでダイナミックな演出を行わせることが可能となり、前側装飾可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
さらに、左右略同じ高さに配置された二つの前側装飾可動体が一組セットで、つまり一体感を連想させる形状や模様に形成されていることにより、略垂直な第二配置状態から略水平状態に移行した際に、一つの統一された観念を引き起こさせる一体的な形状へと合体させる演出が可能となる。例えば、右側に配置された前側装飾可動体と左側に配置された前側装飾可動体とに夫々文字を象った装飾部材を取り付け、第一配置状態に移行して二つの前側装飾可動体が同じ高さに配置されると、二つあわせて一つの連続した意味のある単語となるような演出が可能となる。このように、意外性のある演出を行うことができることにより、遊技者や、その他の見物者などの注意を惹き、集客力の強い面白味のある遊技機が提供できる。
なお、左右同じ高さに配置された二つの前側装飾可動体を回転支持する場所としては、夫々の本体部の端部であっても良いし、中央付近であっても良い。また、本体部の端部に備える場合として、夫々同じ方向の端部側(例えば右端部側等)に備える構成でも良いが、右側の前側装飾可動体(以下、「右前側装飾可動体」と云う)は右端部側に、左側の前側装飾可動体(以下、「左前側装飾可動体」と云う)は左端部側に備える構成を採用すると、第二配置状態において、略垂直方向に配置された右前側装飾可動体と左前側装飾可動体との間に比較的広い空間を形成できる。これにより、前側装飾可動体の後側に配置された装飾体や演出表示手段の演出態様が見易くなるので、これらの演出効果をより高めることができ好適である。
手段13:手段8〜手段12のいずれか一つの構成において、「前記遊技盤は、前記遊技領域内で前後方向に貫通する貫通口を更に有し、
該貫通口を通して前記装飾可動体が前記遊技者から視認可能とされていると共に、前記駆動ユニットが前記遊技盤の後面側に取付固定されている」ものとすることができる。
ところで、従来の遊技機では、装飾可動体が、遊技媒体が打ち込まれて流下する遊技領域内(遊技盤の前面側)に配置されており、特に装飾可動体を遊技媒体とは接触せず、遊技媒体の動きに影響を与えないものとしたものの場合、遊技媒体と接触しないように配置しなければならない関係から、その大きさや可動範囲が小さく、装飾可動体に演出動作をさせても、その動きが小さく判り辛いものとなり、遊技者によっては、装飾可動体の動きそのものを楽しむことができず、興趣を低下させてしまう問題があった。
また、遊技盤に対して、駆動ユニットを取付固定する部位としては、遊技盤の前面側や後面側等が考えられるが、例えば、駆動ユニットを遊技盤の前面側に取付固定した場合、駆動ユニットを取付固定するための取付スペースを遊技盤の前面側に確保しなければならないが、通常、遊技盤の前面には遊技媒体が打ち込まれて流下する遊技領域が形成されているので、駆動ユニットの取付スペースを確保すると遊技領域が狭くなる問題が発生する。これにより、遊技媒体の流下範囲が狭くなるので、遊技媒体の動きが単調な動きとなり易くなり、遊技者によっては遊技媒体の動きに飽きてしまい興趣を低下させてしまう虞がある。
更に、駆動ユニットは、装飾可動体を移動させるためだけのものであり、遊技者が駆動ユニットを視認することで、煩雑な印象を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。そのため、駆動ユニットを装飾体等で覆うことが考えられるが、この場合、それらを覆う装飾体が必須部材となるので、遊技機全体のデザインに制約がかかることとなり、他の遊技機との差別化が困難となる虞がある。
これに対し、手段13の構成によると、駆動ユニットを遊技盤の後面側に取付固定すると共に、遊技盤に貫通口を設けて、その貫通口を通して装飾可動体が遊技者から視認可能となるようにしたものである。
これにより、装飾可動体が遊技盤の遊技領域が備えられた側(前面側)とは反対側に配置されるので、遊技領域内に装飾可動体を配置した場合と比較して、その大きさや可動範囲の制約が少なくなり、装飾可動体の大きさを可及的に大きなものとしたり、それらの可動範囲を可及的に大きくしたりすることができ、装飾可動体を目立たせて装飾可動体の演出動作を認識し易くし、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、駆動ユニットを遊技盤の後面側に取付固定するようにしているので、駆動ユニットの取付固定のために遊技領域が狭くなることがなく、充分な遊技領域を確保することができ、遊技媒体の動きが単調な動きとなるのを防止して、興趣が低下するのを抑制ができるものとすることができる。
なお、駆動ユニットは、貫通口にかから無いように遊技盤に取付固定することが望ましく、これにより、遊技者から駆動ユニットを見え難くすることができるので、駆動ユニットが見えることで煩雑な印象を与えるのを防止することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技盤に貫通口が設けられているから、その背後に演出表示手段を配置した場合に、演出画像が見えやすいことに加え、演出表示手段を駆動する周辺パーツや配線などを貫通口にかからないように固定することで、見栄えの低下を防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段14:手段8〜手段13のいずれか一つの構成において、「前記遊技盤の前記貫通口を前記遊技盤の前方から覆うように備えられた枠状の主役物を更に具備し、
該主役物は、前記枠状の内側に備えられた前記前側装飾可動体、及び、所定位置から前記遊技盤上に前記遊技媒体を流下させる流下口が備えられたステージを有し、
前記第一装飾可動体、前記第二装飾可動体、及び前記演出表示手段が前記主役物の枠状の内側を通して視認可能とされている」ものとすることができる。
ここで、「ステージ」とは、遊技媒体を転動させることで遊技媒体に所定の演出動作を付与させて、遊技媒体の動きにより遊技者の興趣が高められるようにしたものであれば良く、例えば、「転動面が不動に固定され、供給された遊技媒体を所定方向(左右方向や前後方向)に転動させた上で、所定位置から放出するもの(例えば、固定タイプのステージ)」、「転動面の一部又は全部が可動するように構成され、供給された遊技媒体を所定方向(左右方向や前後方向)に転動させた上で、所定位置から放出するもの(例えば、可動タイプのステージ)」、等が挙げられる。
手段14の構成によると、遊技領域内に、枠状の内側に備えられた前側装飾可動体と、ステージとを有した主役物を配置したものである。これにより、第一装飾可動体、第二装飾可動体、及び前側装飾可動体の演出動作だけでなく、主役物の転動演出面(ステージ)上を転動する遊技媒体の動きによっても、遊技者の興趣を高めることができるので、より興趣の高められるものとすることができる。
また、前側装飾可動体を主役物の枠状の内側に備えていることにより、当該内側で前側装飾可動体を回動させた場合は、主役物の構成部材と前側装飾可動体とが干渉しないためスムーズに回動させることができ、より好適である。
なお、転動演出面を第一装飾可動体や第二装飾可動体としても良く、これにより、二つの転動演出面を夫々大きく移動させたり、複雑な動きをさせたりすることができ、それに伴って、転動演出面上の遊技媒体の動きも複雑な動きをさせることができるので、よりインパクトのある動きとすることが可能となり、転動演出面や遊技媒体に遊技者を注目させて、興趣の高められるものとすることができる。
また、手段14の構成によると、主役物を枠状とし遊技盤の貫通口を前方から覆うように配置すると共に、遊技盤の後方にベースを介して備えられた第一装飾可動体、第二装飾可動体が主役物の枠状の内側を通して視認可能としたものである。これにより、前側に主役物が後側に装飾可動体が配置されることとなり、奥行きのある遊技機とすることができ、他の遊技機との差別化を図ることが可能となり、遊技者に注目させることができるものとすることができる。
手段15:手段14の構成において、「前記前側装飾可動体の前記本体部は、前記ステージ上に供給された前記遊技媒体に接触しない大きさで形成されている」ものとすることができる。
ところで、前側装飾可動体としては、遊技媒体と接触するように配置され、遊技媒体の動きを変化させることのできる役物装飾可動体や、遊技媒体とは接触しないように配置され、動きにより演出を行うことのできる装飾可動体等が挙げられるが、主役物にステージと前側装飾可動体とが備えられている場合に、役物装飾可動体としての前側装飾可動体を配置すると、ステージ上で充分な転動演出を行う前に前側装飾可動体によって遊技媒体の動きが変化させられ、流下口などより流下する場合が考え得る。これにより、前側装飾可動体による演出は楽しめるものの、ステージ上を転動する遊技媒体の動きが充分に楽しめない虞があった。また、装飾可動体の本体部が接触することにより、遊技媒体が所定の流下口以外の場所から流下する虞もあり、遊技者をがっかりさせ興趣を低下させる虞があった。
これに対し、手段15の構成によると、前側装飾可動体の本体部は、ステージ上に供給された遊技媒体に接触しない大きさで形成されている。つまり、遊技媒体に影響を及ばさない装飾可動体として配置されているため、ステージ上で繰り広げられる遊技媒体の転動演出を妨げる虞がない。これにより、前側装飾可動体による動きの演出に加え、ステージ上を転動する遊技媒体の転動演出も十分に提供することができ、遊技者の目を楽しませることができる。また、遊技媒体の動きを妨げないことから、接触によって遊技媒体を所定の流下口以外の場所へと流下させることで遊技者の興趣を低下させる懸念も払拭される。従って、より面白味の持続する魅力的な遊技機を提供できる。
手段16:手段8〜手段15のいずれか一つの構成において、「前記前側装飾体が、発光可能な装飾可動体とされている」ものとすることができる。
手段16の構成によると、前側装飾可動体を発光可能な装飾可動体としたものである。これにより、前側装飾可動体は、第一配置状態と第二配置状態との間を移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に前側装飾可動体に気付かせ注目を惹くことが可能となり、前側装飾可動体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段17:手段8〜手段16のいずれか一つの構成において、「前記第一装飾可動体が所定キャラクタの顔における上顎から上の部位が立体的に造形された外形とされると共に、前記第二装飾可動体が前記所定キャラクタの顔における下顎の部位が立体的に造形された外形とされている」ものとすることができる。
ここで、「所定キャラクタ」とは、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は道具(乗物を含む)類等を擬人化したもの、若しくは、本遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は道具(乗物を含む)類等を擬人化したものである。
手段17の構成によると、第一装飾可動体を所定キャラクタの上顎から上の部分とし、第二装飾可動体を所定キャラクタの下顎の部分としたものである。これにより、第一装飾可動体と第二装飾可動体とで所定キャラクタの顔が表現されることとなり、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一装飾可動体と第二装飾可動体とを同じ方向に移動させると、所定キャラクタの顔が上下方向に移動することとなり、所定キャラクタの顔を自在に出没させることが可能となり、所定キャラクタの顔が現れることで、遊技者にインパクトを与えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
また、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一装飾可動体と第二装飾可動体とを互いに接近させたり離反させたりすることで、所定キャラクタの口が閉じたり開いたりする動作となり、所定キャラクタの口がパクパクする動きにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段18:手段17の構成において、「前記第一装飾可動体及び前記第二装飾可動体は、前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットにより互いに接近又は離反する方向に相対移動する」ものとすることができる。
手段18の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一装飾可動体及び第二装飾可動体を互いに接近又は離反するようしたものである。これにより、所定キャラクタの口が閉じたり開いたりするような動きをさせることができ、その動きにより遊技者を楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一装飾可動体及び第二装飾可動体を移動させることで、所定キャラクタの口がパクパクする動作をするので、その動作に合わせて、所定の音声や音楽を出力するようにすれば、あたかも、所定キャラクタが話したり歌ったりしているようなインパクトの高い演出をすることができ、遊技者を楽しませて、興趣を高めることができる。
更に、第一装飾可動体及び第二装飾可動体の後方に配置された演出表示手段に、遊技者から見て第一装飾可動体及び第二装飾可動体に挟まれるような図柄等の演出態様を表示させ、第一装飾可動体及び第二装飾可動体の移動に合わせて、表示された図柄等の大きさや形状を変化させるようにしても良い。つまり、第一装飾可動体及び第二装飾可動体によって表現された所定キャラクタの口により、演出表示手段に表示された図柄等が噛まれたり、食べられたりする演出をすることができ、これにより、遊技者を楽しませて、興趣の高められるものとすることができる。
また、前側装飾可動体を略垂直な第二配置状態にすることで、第一装飾可動体と第一駆動ユニットとの間、または(及び)第二装飾可動体と第二駆動ユニットとの間を遮蔽し、連結部を見え難くすると、あたかも所定キャラクタの顔が宙に浮いているかのような斬新な演出を行うことができ、遊技者を楽しませ、興趣を高めることができる。
手段19:手段8〜手段18のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
上下方向に延在する誘導部材と、
該誘導部材に誘導案内され、前記第一装飾可動体又は前記第二装飾可動体を片持保持する被誘導部材と、
該被誘導部材を前記誘導部材に誘導案内された状態で往復移動させる移動手段と、
該移動手段、及び前記誘導部材を少なくとも支持すると共に、前記遊技盤に取付固定するための取付当接面を上側に備えたベースと
を備えている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「誘導部材」としては、被誘導部材を所定方向に誘導できるものであれば良く、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に連続して延びるもの」、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に不連続で延びるもの(所定の間隔で配置されるもの)」、等が挙げられる。なお、「誘導案内」としては、誘導部材と被誘導部材とが互いに摺動することで案内されるものや、何れかが転動することで案内されるもの等を挙げることができる。なお、「誘導部材」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。
また、「移動手段」としては、「誘導部材の延在方向に離反して配置されたスプロケットを含むプーリと、プーリに巻き掛けられるチェーンを含むベルトとを有し、プーリの回転によりベルトと共に移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に延びるネジ部材と、ネジ部材と螺合するナット部材とを有し、ネジ部材とナット部材とを互いに相対回転させることで移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に進退するプランジャを有したソレノイド、又はピストンを有したシリンダ装置により移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に延びるリニアモータにより移動させるもの」、等が挙げられる。なお、移動手段としてベルトやチェーンを用いたものとした場合、移動速度を速くすることができインパクトの高められるものとすることができる。また、移動手段としてネジ部材等を用いたものとした場合、位置決め精度が高く、繊細な動きをさせることができる。
更に、「ベース」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。なお、ベースに用いる素材の剛性は、第一支持部材及び第二支持部材に用いる素材の剛性に対して、それ以上の剛性を有したものとすることが望ましい。また、素材を金属とした場合では、「所定厚さの板材を用いたもの」、「所定厚さの板材を所定形状に屈曲成形したもの」、「所定の断面形状を有した型材を用いたもの」、等が挙げられる。なお、ベースとして板材(例えば、板金)を屈曲成形したものとした場合、単板のベースと比較して屈曲部により剛性の高いベースとすることができると共に、安価に製造することができる。
ところで、遊技盤に、装飾可動体を移動させるための移動手段や誘導部材等を支持するベースを取付ける場合、一般的には、取付強度を高めるために、ベースの略全長に亘って遊技盤とベースとが当接するようにすると共に、より多くの位置でビスなどを用いてベースを取付けるようにしていた。しかしながら、例えば、遊技盤やベースの寸法公差の違いや加工誤差等により、遊技盤とベースとの面が一致しないことがあり、その状態でベースを遊技盤に取付固定すると、ベース或いは遊技盤が歪んでしまったり、ガタツキが発生して取付け強度が低下したりして不具合が発生する虞がある。
また、ベースにおける取付当接面を配置する位置としては、種々の位置が考えられるが、取付当接面をベースの左右何れか一方の側に配置した場合、遊技盤に取付けられる取付当接面から左右方向に大きく偏芯した位置にベースの重心が配置されることとなり、取付当接面や取付けるためのビス等には、ベースにかかる重量だけでなく重心の偏芯による回転モーメントもかかるので、その力によりビス等が耐えられなくなりベースを固定することができなくなったり、ベース(取付当接面)が変形したりして不具合が発生する問題がある。
更に、取付当接面をベースの下側に配置した場合、例えば、遊技機の移送等により遊技盤の面に対して左右方向の力が作用し、取付当接面の垂直線上からベースの重心が左右の何れかにずれると、ベースにかかる重量によって取付当接面を中心にベースを回転させようとする回転モーメントが作用して、上述と同様にベースを良好に固定することができなくなったり、変形したりして不具合が発生する問題がある。
手段19の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットに、上下方向に延在する誘導部材と、誘導部材に誘導案内され第一装飾可動体又は第二装飾可動体を片持保持する被誘導部材と、被誘導部材を移動させる移動手段と、移動手段や被誘導部材等を支持し遊技盤に取付固定するための取付当接面を上側に設けたベースとを備えたものである。
これにより、移動手段や誘導部材等をベースに支持させると共に、ベースに遊技盤に取付固定するための取付当接面を備えて、ベースの全体が遊技盤と当接するのではなく取付当接面のみを当接させて遊技盤に取付固定するようにしているので、ベースが歪んだり、ガタツキが発生したり、取付け強度が低下したりするのを防止して遊技盤にベースをより強固に取付固定することができる。
そして、このベースを介して移動手段や誘導部材等が遊技盤に取付固定されることとなり、それらを強固に固定することができるので、誘導部材によって第一装飾可動体や第二装飾可動体を確実に上下方向に誘導案内させることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体の動きを楽しませて、興趣の高められるものとすることができる。
また、誘導部材がベースを介して遊技盤にしっかり固定されているので、第一装飾可動体や第二装飾可動体を大きくしたり、速い速度で移動させたりしても、ぐらついたり歪んだりするのを防止することができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体をよりインパクトの強いものとすることができると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより演出効果の高いものとして、より興趣の高められるものとすることができる。
また、ベースの上側に配置された取付当接面で遊技盤に取付固定するようにしている、つまり、ベースの一方の側でのみ取付固定するようにしているので、遊技盤への取付けがベースの一方側(上側)だけで済み、取付けにかかる手間を簡略化することができる。
更に、ベースの取付当接面の位置をベースの上側としているので、譬え、遊技盤の面に対して左右方向の力が作用して取付当接面の垂直線上からベースの重心が左右の何れかにずれても、その重心にかかる回転モーメントが、ベースの重心を取付当接面の垂直線上に戻すように作用し、ベースが元の位置に復帰するので、取付当接面やビス等にベースにかかる重量以外の力が作用するのを抑制することができ、ベースを良好に取付固定することができると共に、ベースが変形して不具合が発生するのを防止することができる。
また、誘導部材や移動手段等を支持したベースを遊技盤にしっかり取付固定することができるので、ベースが揺れたりすることがなく、ベースに隣接して演出表示手段を配置してもベースやベースに支持された部材が、演出表示手段と当接して破損したり、第一装飾可動体や第二装飾可動体が移動できなくなったりする虞がなく、第一装飾可動体や第二装飾可動体を良好に移動させることができると共に、演出表示手段を良好に備えることができる。
更に、ベースの全長に対してその一部である取付当接面のみを遊技盤と当接させて取付固定するようにしているので、遊技盤やベース等の寸法誤差等があっても、その誤差による影響を可及的に少なくすることが可能となり、遊技盤にベースを取付固定してもそれらに歪等の不具合が発生するのを防止することができ、遊技盤にベースを良好に取付けることができる。そのため、第一装飾可動体や第二装飾可動体を誘導案内する誘導部材の長さを長くすることで誘導部材を支持するベースが長くなっても、遊技盤にベースを良好に取付固定することができるので、誘導部材の長さを長くして第一装飾可動体や第二装飾可動体が大きく移動するようにさせることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することのできるものとすることができる。
また、「ベースの取付当接面の上部にビスを挿通する取付孔を穿設」することが望ましく、これにより、取付孔を介してビスによりベースを遊技盤に取付けることができると共に、取付当接面の上部でビスにより取付固定することで、上述と同様の理由により、ビスや取付当接面にかかる回転モーメントを可及的にかかり難くすることができ、ベースを良好に遊技盤に取付固定することができる。なお、取付孔の数、つまり、取付けるためのビスの数は、少ないほど取付けにかかる手間を簡略化することができ、取付孔をベースの重心の垂直線上に近い位置に配置すれば、取付孔の数を可及的に少なく(例えば、一つ又は二つ)することができる。
手段20:手段19の構成において、「前記移動手段は、
上側に配置される駆動プーリ、及び下側に配置される従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられると共に、前記被誘導部材が固定される駆動ベルトと、
該駆動ベルトを駆動させるために前記駆動プーリを回転させる回転駆動手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「駆動プーリ、従動プーリ、及び駆動ベルト」としては、「駆動ベルトを平ベルトとし、駆動プーリ及び従動プーリを平プーリとしたもの」、「駆動ベルトを歯付きベルトとし、駆動プーリ及び従動プーリを駆動ベルトの歯と係合する歯付きプーリとしたもの」、「駆動ベルトを歯付きベルトとし、駆動プーリを駆動ベルトの歯と係合する歯付きプーリとし、従動プーリを平プーリとしたもの」、等が挙げられる。
また、「回転駆動手段」としては、「電気モータ」、「空圧アクチュエータ」、等が挙げられ、回転駆動手段により直接駆動プーリを回転駆動するようにしても良いし、変速ギヤを介して間接的に駆動プーリを回転駆動するようにしても良い。なお、間接的に駆動プーリを回転駆動させるようにした場合、回転駆動手段の位置と、駆動プーリの位置とを異なる位置にすることができるので、空間的に余裕のある位置に回転駆動手段を配置してそこから間接的に駆動プーリを回転駆動させるようにすることもでき、より配置自由度を高めることができる。
ところで、誘導部材に誘導案内される被誘導部材を移動させる移動手段としては、種々の方法が考えられるが、例えば、所定方向に延在する長尺状のネジ部材と、ネジ部材に螺合するナット部材(可動部材)と、ネジ部材を回転させる回転駆動手段とで構成した場合、ネジ部材を回転させることでナット部材をネジ部材の延在方向に移動させることができる。しかしながら、ネジ部材の回転によりナット部材、つまり、装飾可動体を移動させるようにした場合、ネジ部材の回転速度と比較して装飾可動体の移動速度が遅く、装飾可動体の演出動作が遅いものとなるので、遊技者に強く印象付けることが困難であり、興趣を高められる効果を期待することができなかった。
また、移動手段として、ネジ部材を用いた場合と比較してより速く装飾可動体を移動させることのできるソレノイドやシリンダを用いることも考えられる。しかしながら、ソレノイドやシリンダを用いた場合、ソレノイドやシリンダに収容されたプランジャやピストンロッドを進退させることで装飾可動体を移動させることとなるので、ソレノイドやシリンダを設置するためのスペースを多く必要とし、設置スペースの限られている遊技機では、装飾可動体を移動させたい移動量によっては、ソレノイドやシリンダを設置することが困難となる問題がある。
更に、被誘導部材(第一装飾可動体及び第二装飾可動体)を上下方向に移動させる場合、駆動プーリと従動プーリの配置位置としては、何れか一方を上側に、何れか他方を下側に配置すれば良いはずであるが、従動プーリを上側、駆動プーリを下側に配置した場合では、駆動ベルトに固定された被誘導部材等の重さにより、駆動ベルトが下方、つまり、駆動プーリ側へ引張られることとなり、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が弱くなり、駆動ベルトと駆動プーリとが滑り易くなって、駆動ベルトを充分に駆動することができなくなったり、駆動ベルトに固定された被誘導部材が降下してしまったりする虞がある。そこで、付勢手段により駆動プーリと従動プーリとを離反させて、駆動プーリにおける駆動ベルトの巻き掛け力を強くして滑り難くすることが考えられるが、この場合、付勢手段の付勢力を強いものとしなければならず、その付勢力に対応させるために、駆動プーリや従動プーリ、駆動ベルト、それらを支持する支持部材の強度を高める必要があり、それらが大型化したり高価なものとなったりする問題が発生する。
手段20の構成によると、移動手段に、誘導部材の延在方向と同じ方向に離反して上側に配置される駆動プーリ及び下側に配置される従動プーリと、被誘導部材と固定され駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトと、駆動プーリを回転駆動する回転駆動手段とを備えたものである。
これにより、駆動プーリを回転駆動手段により回転させると駆動ベルトが回転し、駆動ベルトと共に被誘導部材を介して装飾可動体が移動するので、ネジ部材等の移動手段を用いた場合と比較して、第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持する被誘導部材の移動速度をより速く移動させることができ、速く移動する第一装飾可動体や第二装飾可動体により遊技者に強く印象付けることができるので、第一装飾可動体や第二装飾可動体に注目させてその演出動作を楽しませることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
特に、第一装飾可動体と第二装飾可動体とで所定キャラクタの口が開閉動作をするようにしたものの場合、パクパクする所定キャラクタの口の動きをより速くすることができるので、よりタイトな感じにさせて遊技者の緊張感を高めて、より強く注目させて遊技に釘付けにして楽しませられる効果を期待することが可能となる。
また、駆動ベルトを駆動させることで被誘導部材を介して装飾可動体を移動させるようにしているので、同じ移動量をソレノイドやシリンダを用いて移動させる場合と比較してより小型化することが可能となり、遊技機に設置し易いものとすることができると共に、装飾可動体の移動量をより大きくしても遊技機に設置することができるので、装飾可動体をより大きく移動させることができ、装飾可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
更に、被誘導部材を誘導部材により誘導案内するようにしているので、撓み易いベルトを用いて被誘導部材を移動させても、誘導部材により被誘導部材を真直ぐ誘導案内させることができ、移動の際に被誘導部材、つまり、装飾可動体を所望の姿勢で良好に移動させることができる。
また、駆動プーリを上側に、従動プーリを下側に配置しており、これにより、駆動ベルトは、固定された被誘導部材等の重さにより下方、つまり、駆動プーリとは離反する方向に引張られる力が作用するので、その力により駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が強くなり、駆動プーリと駆動ベルトとの摩擦力が大きくなって互いに滑り難くすることができ、駆動プーリにより確実に駆動ベルトを駆動させることができると共に、駆動プーリと駆動ベルトとが滑って被誘導部材が降下するのを防止することができ、被誘導部材を介して装飾可動体に所望の動きをさせることが可能となり、装飾可動体に所定の演出動作をさせて、興趣の高められるものとすることができる。
更に、被誘導部材等の重さにより駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が強くなるので、付勢手段を必要以上に付勢力の強いものとしなくても良いので、駆動プーリや従動プーリ、駆動ベルト、それらを支持する支持部材等の強度を必要以上に高める必要がなく、それらが大型化したり高価なものとなったりするのを抑制することができる。
なお、駆動ベルトに所定の張力(テンション)を作用させるようにすることが望ましく、それにより、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力を良好な状態とすることができ、駆動プーリと駆動ベルトとの間で滑りが発生するのを防止して、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。なお、駆動ベルトに張力を作用させる方法としては、例えば、「駆動プーリと従動プーリとが相対移動するようにした上で、付勢手段によって何れか一方のプーリを他方のプーリと離反する方向に付勢することで駆動ベルトに張力を作用させるもの」、「駆動プーリと従動プーリとが相対移動するようにした上で、駆動プーリと従動プーリとが離反するようにように相対移動させて、それらプーリに巻き掛けられた駆動ベルトに張力を作用させ、その状態でそれらプーリの位置を固定するもの」、「位置が固定された駆動プーリと従動プーリとに、駆動ベルトを巻き掛けた上で、駆動ベルトの内周側又は外周側から駆動ベルトを所定の付勢力で押圧することで駆動ベルトに張力を作用させるもの」、等が挙げられる。
また、本手段の構成に加えて、従動プーリを下側に付勢する付勢手段や、駆動ベルトや駆動プーリに係合歯や被係合歯を更に備えたものの場合、駆動ベルトには、被誘導部材等からかかる重量に加えて付勢手段の付勢力も作用するので、より下側へ引張られ、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力を更に強くすることができると共に、係合歯と被係合歯の係合力も更に強くすることができ、駆動プーリと駆動ベルトとの滑をより一層防止することができる。
また、遊技盤へ取付固定するためのベースの取付当接面が配置された側と同じ上側に、移動手段の駆動プーリが配置されている。つまり、駆動プーリを回転駆動する回転駆動手段が取付当接面に近いベースの上側で支持されるので、振動や駆動反力の発生源である回転駆動手段に可及的に近い位置で取付当接面を介して遊技盤に取付固定することとなり、回転駆動手段からの振動等がベース全体に伝わるのを防止することができると共に、ベースの振動によりベースに支持された誘導部材等の各部材が振動し、他の部材と当接して破損したり、各部材同士の組付けが緩んだりして被誘導手段を良好に誘導案内させることができなくなるのを防止することができる。
更に、取付当接面に近い位置で回転駆動手段を支持しており、回転駆動手段を駆動させても振動が発生するのを抑制することができるので、ベースを介して遊技盤が振動するのを防止して、回転駆動手段の振動により遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体、各種入賞装置、及び遊技媒体の払出装置等に影響が及ぼされるのを防止することができると共に、良好に遊技できるものとすることができる。
手段21:手段20の構成において、「前記移動手段は、
前記駆動ベルトの内周に形成された複数の係合歯と、
該係合歯と係合し前記駆動プーリの外周に形成された複数の被係合歯と
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段21の構成において、駆動ベルトを係合歯が形成された歯付きのベルトとし、駆動プーリを係合歯と係合する被係合歯が形成された歯付きのプーリとしたものである。これにより、駆動ベルトを駆動プーリに巻き掛けられることで、係合歯と被係合歯とが互いに係合し、駆動ベルトが駆動プーリの外周面上を滑り難くすることができ、駆動プーリから回転駆動を確実に駆動ベルトに伝達させることができる。
また、係合歯と被係合歯との係合により、駆動プーリの回転を確実に駆動ベルトに伝達させるようにしており、駆動プーリの回転速度を速くしても、駆動プーリと駆動ベルトとの間で滑りが発生しないので、より速い速度で駆動ベルトを駆動させることが可能となり、被誘導部材を介して第一装飾可動体や第二装飾可動体をより速い速度で移動させることができ、よりインパクトの強い動きをさせて、興趣の高められるものとすることができる。
手段22:手段20または手段21の構成において、「前記移動手段は、
前記駆動ベルトが、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた状態で、該従動プーリを前記駆動プーリと離反する方向へ付勢する付勢手段を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「付勢手段」としては、「コイルバネ」、「板バネ」、「ゴム」、等が挙げられる。なお、付勢手段を配置する位置としては、駆動プーリと従動プーリとの間の位置であっても良いし、従動プーリに対して駆動プーリとは反対側の位置であっても良い。
ところで、従来より、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられた駆動ベルトが良好に回転駆動するように、駆動ベルトに所定の張力(テンション)をかけるためのテンション機構が備えられている。このテンション機構としては、種々の形態があり、例えば、「駆動プーリと従動プーリとの間の位置で、駆動ベルトを内側又は外側から所定の付勢力で押圧することで駆動ベルトにテンションを付与するもの」を用いた場合、駆動プーリと従動プーリとの間にテンション機構を備えなければならず、そのテンション機構が被誘導部材の移動の邪魔となり移動させることができなくなったり、駆動ベルトの延びる方向に対して略直角方向に付勢力を作用させるための機構が必要となるので、その直角方向の大きさが大きくなり全体的に大型化して設置できなくなったりする問題がある。
手段22の構成によると、従動プーリを駆動プーリと離反する方向に付勢する付勢手段を備えたものである。つまり、駆動ベルトに所定のテンションを付与する付勢手段を備えたものである。これにより、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとすることができる、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
また、テンション機構として、駆動プーリと従動プーリとが互いに離反する方向に付勢するものとしているので、駆動プーリと従動プーリとの間で駆動ベルトの内側又は外側から反対側へ駆動ベルトを付勢するものと比較して、駆動ベルトの延びる方向に対して直角方向の大きさが大きくなるのを抑制することができると共に、駆動プーリと従動プーリとの間の位置にテンション機構を備えないので、被誘導部材の移動の邪魔にならず、被誘導部材を良好に移動させることができる。
なお、付勢手段を配置する位置としては、駆動プーリと従動プーリとの間の位置であっても良いし、従動プーリに対して駆動プーリとは反対側の位置であっても良い。
手段23:手段22の構成において、「前記移動手段は、
前記従動プーリに対して前記駆動プーリと離反する方向に開放され前記従動プーリの両側から突出する軸部を係止するフック状の係止部、前記誘導部材が挿入嵌合する案内孔を有し、前記誘導部材に誘導案内されると共に前記従動プーリを回転可能に保持する移動体を更に備え、
前記付勢手段は、一端が前記移動体における前記案内孔と前記係止部との間で支持されると共に、他端がベースに支持される」ものであることを特徴とする。
ここで、テンション機構として、「駆動プーリと従動プーリとが互いに離反する方向に相対移動させることで、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられた駆動ベルトに所定のテンションを付与するもの」を用いた場合、駆動ベルトの延びる方向に対して直角方向の大きさが大きくなるのを抑制することができる。しかしながら、駆動プーリや従動プーリがその配置された方向に対して相対移動できるようになっており、駆動プーリや従動プーリを回転可能に支持する支持部材にそれらを相対移動させて駆動ベルトに張力を作用させるテンション機構の他に、被誘導部材を誘導案内する誘導部材が配置されることとなるので、構成部品が多くなり全体として大型化して相対的に被誘導部材に保持される装飾可動体が小さくなったり、被誘導部材すなわち装飾可動体の移動量が少なくなったりする問題がある。
また、付勢手段により付勢力を作用させる位置としては、種々の位置が考えられ、従来のテンション機構では、駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上に沿って作用するように配置されていた。しかしながら、従動プーリを駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線と略平行に配置された誘導部材により誘導案内(スライド)させるようにした上で、駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上に沿って付勢力が作用するようにした場合、その軸線から偏芯した位置で従動プーリが移動体を介して誘導部材により誘導案内されるので、付勢手段の付勢力によって誘導部材に対して移動体が傾くこととなる。一方、誘導部材の軸芯に沿って付勢力が作用するようにした場合、付勢手段の付勢力による駆動ベルトからの反力が誘導部材の軸芯とは偏芯した駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上にかかることとなり、その反力によって誘導部材に対して移動体が傾くこととなる。これらのように、移動体が誘導部材に対して傾くことにより、移動体を良好に誘導案内させることができなくなる虞がある。
手段23の構成によると、駆動プーリと反対側が開放され従動プーリの軸部を係止するフック状の係止部と、誘導部材と挿入嵌合する案内孔とを備え、係止部と案内孔との間に付勢手段の一端が接続される移動体を備え、付勢手段の他端をベースに接続することで移動体を介して駆動ベルトに付勢手段の付勢力を作用させるようにしたものである。
これにより、駆動ベルトにテンションを付与するための移動体を、被誘導部材が誘導案内される誘導部材によって誘導案内するようにしているので、移動体を駆動プーリと従動プーリとが離反する方向に移動させるための機構を別途備える必要がなく、装置全体を簡略化することが可能となって全体的に大型化するのを抑制することができる。つまり、全体的に大型化するのを防止することができるので、相対的に装飾可動体を大型化したり、移動量を大きくしたりすることが可能となり、装飾可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、移動体における誘導部材に誘導案内される案内部と、従動プーリを保持する係止部との間で付勢手段の付勢力が作用するようにしているので、これにより、移動体にかかる付勢手段の付勢力が誘導部材側と従動プーリ側とに略均等にかかることとなり、移動体が誘導部材に対して傾くのを抑制することができ、誘導部材により移動体を良好に誘導案内させることができる。
また、移動体を誘導手段により良好に誘導案内させることができるので、付勢手段の付勢力により駆動ベルトに所定のテンションを良好に付与することができ、これにより、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとして、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
更に、従動プーリに駆動ベルトを巻き掛けた状態でその軸部を係止部に係止させるだけで、簡単に従動プーリと駆動ベルトとを組立てることができると共に、駆動ベルトに付勢力を作用させることができる。詳述すると、一旦、付勢手段の付勢力に抗して移動体を駆動プーリ側へ移動させ、その状態で駆動ベルトを巻き掛けた従動プーリの軸部を移動体の開放された側から挿入し、移動体に付勢手段の付勢力がかかるようにすることで、移動体が付勢手段により駆動プーリと従動プーリとが離反する方向に付勢され、また、従動プーリは巻き掛けられた駆動ベルトにより駆動プーリと従動プーリとが離反する方向への移動が規制されるので、従動プーリの軸部が移動体の係止部から外れることがなく、良好に従動プーリの軸部を係止することができる。
また、付勢手段の他端を板金からなるベースによって直接支持するようにしているので、付勢手段の付勢力が強くても、確実に支持することができ、付勢手段により駆動ベルトにかかるテンションを良好なものとすることができる。
手段24:手段19〜手段23のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットの少なくとも一方は、
前記第一装飾可動体及び前記第二装飾可動体を前記被誘導部材に回転可能に片持保持される支持シャフトと、
該支持シャフトをその軸芯周りに回動させる回動手段と
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回動手段」としては、「モータの回転により回動するもの」、「ソレノイドのプランジャが進退することで回動するもの」、「シリンダのピストンが進退することで回動するもの」、等が挙げられる。なお、モータ、シリンダ及びピストン等の駆動部により直接回動するものとしても良いし、駆動部の駆動が、ギヤ、リンク機構等の伝達手段を介して間接的に回動するものであっても良い。
ところで、従来の遊技機では、装飾可動体の動きが上下方向のみの動きであったり、前後方向に回動する動きのみであったりと、その移動方向が一方向であるので、装飾可動体の動きが単純な動きとなり、その装飾可動体の動きによる演出を見慣れてしまうことで遊技者によっては、装飾可動体の動きに飽きてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。
手段24の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの少なくとも一方に、第一装飾可動体又は第二装飾可動体を片持支持し被誘導部材に回転可能に保持される支持シャフトと、支持シャフトを回動させる回動手段とを備えたものである。
これにより、第一装飾可動体又は第二装飾可動体を支持シャフトの軸芯周りに回動させることができるので、第一装飾可動体又は第二装飾可動体を上下方向だけでなく、支持シャフトの軸芯周りの方向にも動かすことが可能となり、第一装飾可動体又は第二装飾可動体の動きをより複雑な動きとすることができ、より演出効果の高い動きをさせることで興趣の高められるものとすることができる。
また、支持シャフトにより第一装飾可動体や第二装飾可動体を片持支持するようにしているので、例えば、第一駆動ユニットや第二駆動ユニットを遊技盤の端(演出表示手段の左右外側)に配置し、支持シャフトに支持された装飾可動体が遊技盤の略中央(演出表示手段の前面側)で上下方向に移動するようにすることもでき、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立つ位置に配置することが可能となり、より演出効果の高められるものとすることができる。
なお、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの何れにも回動手段を備えるようにしても良く、例えば、第一装飾可動体と第二装飾可動体とで所定キャラクタの口を表現したものの場合、支持シャフトが遊技盤に沿って略水平方向に延びているので、支持シャフトの軸芯を所定キャラクタの顎関節の軸芯に見立てて、第一装飾可動体及び第二装飾可動体を夫々支持シャフトの軸芯周りに回動させると、所定キャラクタの口の開閉動作が、よりリアルな動作となって遊技者への訴求力が強くなり、より楽しませられるものとすることができる。
手段25:手段21の構成において、「前記回動手段は、
前記支持シャフトを介して前記第一装飾可動体又は前記第二装飾可動体が前記被誘導部材に保持される側とは前記誘導部材を挟んで反対側の位置に配置され、所定方向に進退するプランジャを有したソレノイドと、
該ソレノイドにおける前記プランジャの進退による直線運動を回転運動に変換して前記支持シャフトをその軸芯周り回動させるように伝達する伝達手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「伝達手段」としては、「基端が支持部材に固定され先端がプランジャに接続されることで、プランジャの直線運動を変換して支持部材を回転運動させるように伝達するもの」、「クランク機構を用いて、プランジャの直線運動を変換して支持部材を回転運動させるように伝達するもの」、等が挙げられる。
ところで、支持シャフトを回動させる駆動源としてモータを用いた場合、被誘導部材に備えられるような小型のモータでは一般的に回転トルクが小さく直接モータの回転軸により装飾可動体と共に支持シャフトを回動させるのは困難であり、複数のギヤを介して回転数を落すことでトルクを高めて支持シャフトを回動させることとなるが、回動する速度が遅くなるので、装飾可動体の動きが遅くなると共に、動きのレスポンスも遅くなり、インパクトがあり興趣の高められる速い動きをさせるのが困難であった。
また、第一装飾可動体や第二装飾可動体を支持シャフトを介して片持支持した場合、被誘導部材には、支持シャフトを介して第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持した側に大きく荷重がかかることとなり、被誘導部材に保持された摺動部材と誘導部材との間で偏摩擦により偏摩耗が発生して、誘導部材に誘導案内される被誘導部材が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりする虞がある。
手段25の構成によると、回動手段に、進退するプランジャを有したソレノイドとプランジャの進退により支持シャフトを回動伝達させる伝達手段とを備え、その回動手段を、被誘導部材の第一装飾可動体又は第二装飾可動体が保持される側とは誘導部材を挟んで反対側に配置したものである。
これにより、支持シャフトを回動させる回動手段を、被誘導部材の装飾可動体が保持される側とは誘導部材を挟んで反対側に配置しており、被誘導部材は、誘導部材を挟んで一方の側に第一装飾可動体又は第二装飾可動体を保持し、他方の側に回動手段を保持することとなり、誘導部材を挟んで両側に夫々所定の荷重がかかることとなるので、被誘導部材にかかる偏荷重が緩和され、被誘導部材と誘導部材との間で偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により誘導部材に誘導案内される被誘導部材が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
また、回動手段を、進退するプランジャを有したソレノイドと、ソレノイドにおけるプランジャの直線運動を回転運動に変換して支持シャフトを軸芯周りに回動させる伝達手段とを備えたものとしており、駆動源としてソレノイドを用いているので、モータを用いた場合と比較して、レスポンスの良い速い動きをさせることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体によりインパクトの強い演出動作をさせることができ、興趣の高められるものとすることができる。
また、ソレノイドのプランジャにより直接装飾可動体を回動させる場合、その回動量を変更するにはソレノイドそのものを変更しなければならず、容易に変更することができないと共に設計自由度の低いものとなる問題がある。しかしながら、本手段では、回動手段により支持シャフトを回動させるようにしているので、回動手段によってプランジャの進退量に対して支持シャフトの回転量を容易に変更することが可能となり、設計自由度を高くすることができ、より興趣の高められる動きを装飾可動体にさせることができる。
ところで、一般的に、進退するプランジャを有したソレノイドでは、バネの弾性力により所定方向にプランジャが付勢されており、ソレノイドに通電することでプランジャがバネの付勢力に打ち勝って、バネによる付勢方向とは反対方向に進退移動するようになっている。そのため、ソレノイドにおけるプランジャの進退方向を上下方向とした場合、プランジャにはバネの付勢力の他に、プランジャにかかる重力も作用することとなるので、バネによる付勢方向によっては、プランジャにかかる付勢力が弱くなったり強くなったりし、例えば、付勢力が弱くなると、ソレノイドが非通電の時に、プランジャが充分に移動せず所定位置に位置しなくなる虞がある。また、付勢力が強くなると、ソレノイドに通電しても充分にプランジャが移動しなかったり、通電力を多く必要としたりする問題がある。そして、これらにより、プランジャの進退が不充分となることで、装飾可動体の動きが不充分となって所望の動きをさせることが困難となり、動きによる演出効果が得られなくなる虞がある。
そこで、回動手段を、「プランジャが略水平方向に進退するように配置されたソレノイドと、基端が支持シャフトに固定され先端が上下方向の何れか一方に延出しプランジャと接続される伝達部材からなる伝達手段とから構成した」ものとしても良く、これにより、プランジャの進退方向を略水平方向としているので、プランジャの進退にかかる重力の影響を可及的に少なくすることができ、プランジャの進退を確実に行わせることで、第一装飾可動体や第二装飾可動体を確実に動かして所望の演出動作をさせることが可能となり、動きによる演出効果を充分に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、伝達手段を、基端が支持シャフトに固定され先端が上下方向の何れかに延出しプランジャと接続される伝達部材としているので、簡単な構成の伝達手段により、プランジャの直線運動を支持シャフトの回転運動に変換させることができ、伝達手段の実現にかかかるコストが増加するのを抑制することができる。なお、伝達部材を延出させる方向は、進退するプランジャの移動が略中間位置にある時に、プランジャに接続された伝達部材が水平方向に対して略直角方向となるように延出させることが望ましい。これにより、プランジャの進退移動量が同じでも、より大きく支持シャフトを回転させることができる。
一方、進退するプランジャを有したソレノイドでは、一般的にその大きさが、プランジャの進退方向の寸法と、プランジャの進退方向に対して直角方向の寸法とでは、プランジャの進退方向の寸法の方が大きい寸法となっている。そのため、プランジャの進退方向を略水平方向となるようにソレノイドを配置すると共に支持シャフトの延出方向を略水平方向とした場合、プランジャの進退方向を支持シャフトと同じ方向とすると、支持シャフトの延出方向が全体的に長くなったり、支持シャフトとソレノイドとの重なりが大きくなったりして、遊技機に備える際に支持シャフトに支持される第一装飾可動体や第二装飾可動体の大きさが相対的に小さくなり、第一装飾可動体や第二装飾可動体が目立ち難くなってインパクトが減少し興趣を高められる効果が期待できなくなる虞がある。また、プランジャの進退方向を支持シャフトの延出方向に対して略直角方向とすると、支持シャフトの軸直角方向の寸法が大きくなり、他の部材と緩衝し易くなる問題がある。
そこで、回動手段を、「プランジャが略上下方向に進退するように配置されたソレノイドと、略水平方向且つ支持シャフトの軸直角方向に所定長さ延び、一端と他端との間でソレノイドのプランジャに接続され、一端がプランジャとの接続部を挟んで支持シャフトとは反対側の位置に回転可能に支持され、他端が支持シャフトを挟んでプランジャとの接続部とは反対側の位置に配置される第一棹部材と、第一棹部材の他端に先端が回転可能に支持されると共に、基端が支持シャフトに一体回転可能に固定され、第一棹部材よりも長さの短い第二棹部材とからなる伝達手段とを備えている」ものとしても良く、これにより、支持シャフトの延出方向の寸法が全体的に長くなったり、支持シャフトとソレノイドとの重なりが大きくなったりして、遊技機に備える際に支持シャフトに支持される第一装飾可動体や第二装飾可動体の大きさが相対的に小さくなり、第一装飾可動体や第二装飾可動体が目立ち難くなるのを防止することが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体を可及的に大型化することができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体によるインパクトを高めて、興趣を高められる効果を期待することができる。また、支持シャフトの軸直角方向の寸法が大きくなるのを抑制することができるので、他の部材と緩衝し難くすることが可能となり、容易に遊技機に備えることができる。なお、プランジャの進退は、ソレノイドの上部から進退するものであっても良いし、ソレノイドの下部から進退するものであっても良く、適宜選択することができる。また、プランジャの進退量に対して第一棹部材の他端の移動量が大きくなると共に、第二棹部材の長さが第一棹部材の他端からプランジャとの接続部までの長さよりも短い長さとなるので、第二棹部材を介して支持シャフトの軸芯周りの回転をより大きく回転させることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体の動きを大きくすることで、より興趣の高められる動きをさせることができる。更に、第一棹部材の一端と他端との間に、プランジャ及び支持シャフトが配置されるので、第一棹部材の他端と支持シャフトとを結ぶ第二棹部材が第一棹部材の外側に突出することがなく、伝達手段全体を小型化することが可能となり、伝達手段を備え易くすることができる。
なお、第一装飾可動体や第二装飾可動体と支持シャフトの関係としては、「第一装飾可動体や第二装飾可動体が支持シャフトにより偏芯した位置で支持されると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体にかかる重力によって、支持シャフト及び伝達手段を介してソレノイドのプランジャが、ソレノイドへの通電によって移動する方向とは逆方向に付勢される」ものとしても良く、これにより、ソレノイドが非通電の時には、第一装飾可動体や第二装飾可動体にかかる重力によりプランジャが通電により移動する方向とは逆方向に付勢されて、その移動端に自動的に前進又は後退する、つまり、非通電時には自動的にプランジャを復帰させることができる。なお、従来のソレノイドのように復帰させるためのバネ等の弾性部材を備えた場合でも、その弾性力が弱くても充分に復帰させることができるので、弾性力の強い高価な弾性部材を用いる必要がなく、コストが増加するのを抑制することができる。
手段26:手段19〜手段25のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
前記第一装飾可動体及び前記第二装飾可動体が、上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止する回転防止手段を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回転防止手段」としては、「誘導部材の延在方向と略平行に配置されたガイド部材と、ガイド部材にガイドされガイド部材の延出方向とは略直角方向への移動を規制された被ガイド部材とからなるもの」、「第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって片持支持される第一装飾可動体及び第二装飾可動体の、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの反対側を支持することで回転するのを防止するもの」が挙げられる。
ところで、従来の遊技機における装飾可動体は、例えば、直線状のラックギヤを有し、そのラックギヤと噛合するピニオンギヤをモータによって回転させることで、装飾可動体がラックギヤの延びる方向に移動するようになっている。そして、このラックギヤはその延びる方向に移動するように、所定の遊びをもって案内されており、装飾可動体が遊びの分だけ振れるようになっている。そのため、装飾可動体の大きさが比較的小さい場合は、装飾可動体が振れてもその揺れが判り辛いが、装飾可動体を大きくすると、全体として装飾可動体の揺れが目立つようになり、意図しない揺れにより装飾可動体の演出動作が損なわれて、所望の演出効果を発揮することができなくなる虞があると共に、案内される基端部での揺れが小さくても、基端部から離れた先端部での揺れは大きくなり、装飾可動体(第一装飾可動体、第二装飾可動体)が演出表示装置や前側装飾可動体等の他の部材と接触して、破損するなどの不具合が発生する虞がある。
そのため、装飾可動体を所定方向に移動するように案内する案内部分の遊びを少なくすることで、基端部での揺れを可及的に小さくして、装飾可動体の先端部での揺れを抑制させるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、案内部分の寸法精度を高める必要があり、案内部分の加工コストが増加し高価なものとなる問題が発生する。
また、装飾可動体を保持する被誘導部材を駆動ベルトに固定して移動させるようにした場合、一般に駆動ベルトは、柔軟性が高く撓み易いので、駆動ベルトに装飾可動体の揺れを抑制させる作用を持たせることは困難であるばかりか、逆に、駆動ベルトは撓み易いので回転駆動させられると振動し易く、駆動ベルトの振動により被誘導部材を介して装飾可動体が揺れる虞がある。
手段26の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットに、第一装飾可動体及び第二装飾可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止する回転防止手段を備えたものである。
これにより、回転防止手段によって第一装飾可動体や第二装飾可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止することができるので、第一装飾可動体や第二装飾可動体を大型化しても、回転防止手段によってその振れが良好に防止されるので、第一装飾可動体や第二装飾可動体が、例えば、演出表示装置や前側装飾可動体などの他の部材と接触するのを防止することができ、接触により装飾可動体や他の部材等が破損したり摩耗したりして不具合が発生するのを防止できる。
また、回転防止手段によって第一装飾可動体や第二装飾可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止することができるので、移動手段として、振動の多い駆動ベルトにより第一装飾可動体や第二装飾可動体を移動させても、第一装飾可動体や第二装飾可動体が上下方向の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより大きなものとすることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立たせて、装飾可動体による演出効果をより高めることができる。
また、回転防止手段を備えているので、第一装飾可動体や第二装飾可動体を移動させる第一駆動ユニットや第二駆動ユニットの移動精度を高くしなくても、第一装飾可動体や第二装飾可動体が振れるのを防止することができ、第一駆動ユニットや第二駆動ユニットの加工精度を高くする必要がなく、コストを増加させることなく、第一装飾可動体や第二装飾可動体が振れるのを良好に防止することができる。
手段27:手段26の構成において、「前記回転防止手段は、
上下方向に延び、前記誘導部材から所定距離離れた位置に略平行に配置されるガイド部材と、
該ガイド部材によってその延出方向とは略直角方向への移動を規制され前記被誘導部材に保持される被ガイド部材と
を有している」
ものであることを特徴とする。
ここで、「ガイド部材」としては、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に連続して延びるもの」、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に不連続で延びるもの(所定の間隔で配置されるもの)」、等が挙げられる。なお、「ガイド部材」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。一方、「被ガイド部材」としては、「ガイド部材の外面と当接することでガイドされるもの」、「ガイド部材の内面又は凹陥部と当接することでガイドされるもの」、「ガイド部材と嵌合することでガイドされるもの」、等が挙げられる。更に、回転防止手段によっても被誘導部材の重量等を支持できるようなものでも良い。
手段27の構成によると、回転防止手段を、誘導部材と略平行となるように配置されたガイド部材と、ガイド部材の軸直角方向への移動が規制され被誘導部材に保持される被ガイド部材とから構成したものである。
これにより、回転防止手段により被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転するのを防止することができるので、特に、振動の多い駆動ベルトにより被誘導部材を移動させても、被誘導部材に保持された第一装飾可動体や第二装飾可動体が誘導部材の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより大きなものとすることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立たせて、第一装飾可動体や第二装飾可動体による演出効果をより高めることができる。
また、回転防止手段を備えているので、誘導部材と被誘導部材との間の寸法精度を高くしなくても、被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転して振れるのを防止することができ、誘導部材や被誘導部材の加工精度を高くする必要がなく、コストを増加させることなく、第一装飾可動体や第二装飾可動体が振れるのを良好に防止することができる。
更に、誘導部材と略平行に所定間隔離れた位置に配置されるガイド部材と、ガイド部材によりガイド部材の軸直角方向への移動が規制され被誘導部材に保持される被ガイド部材とを備えており、ガイド部材は、移動する被誘導部材に対してその位置が固定されるので、被誘導部材にガイド部材を保持させた場合と比較して、ガイド部材が移動するためのスペースが不要となる。これにより、設置スペースを可及的に小さくすることができるので、所望の演出効果が期待できる移動量を有した第一装飾可動体や第二装飾可動体を遊技機へ設置することが可能となり、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
なお、回転防止手段としてのガイド部材及び被ガイド部材を、ガイド部材を断面が同一形状の長尺部材とし、被ガイド部材をガイド部材を挟むような断面コ字形状の部材としても良く、これにより、ガイド部材及び被ガイド部材が、夫々簡単な構成のものとすることができ、回転防止手段を容易に実現させることができる。また、ガイド部材として、一般的な押出し材や引抜き材等を用いることができ、ガイド部材等にかかるコストを低減させることができる。
また、誘導部材を断面の外形が円形の棒状、つまり、円柱状の棒状部材としても良く、これにより、誘導部材を、一般的な丸棒やパイプ材等の型材とすることで、誘導部材にかかるコストが増加するのを抑制することができると共に、回転防止手段が備えられているので、誘導部材として、被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転し易い円柱状の棒状部材としても、良好に被誘導部材が回転する(揺れる)のを防止することができる。なお、この誘導部材は、外形が円形であれば良く、中実又は中空の何れの部材であっても良い。
更に、「誘導部材とガイド部材との間で第一装飾可動体や第二装飾可動体が被誘導部材に保持されている」ようにしても良く、これにより、被誘導部材が誘導部材とガイド部材の外側で第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持する場合と比較して、誘導部材とガイド部材とが並んだ方向の幅が長くなるのを抑制することが可能となり、全体として小型化することができ、遊技機に備え易くして、より興趣の高められる遊技機とすることができる。また、被誘導部材を誘導部材だけではなくガイド部材によっても誘導案内するものとした場合、誘導部材とガイド部材との間で第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持することで、被誘導部材から誘導部材及びガイド部材にかかる荷重を略均等にかかるようにすることができ、被誘導部材やガイド部材にかかる偏荷重が緩和され、被誘導部材と誘導部材やガイド部材との間で偏摩擦による偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により被誘導部材つまり第一装飾可動体や第二装飾可動体が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
手段28:手段19〜手段27のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
前記誘導部材の一端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第一支持部材と、
前記誘導部材の他端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第二支持部材と
を更に備え、
板金からなる前記ベースに、前記第一支持部材及び前記第二支持部材の前記位置決め突起と対応する複数の位置決め孔を有し、該位置決め孔と前記位置決め突起とを互いに嵌合させることで、前記ベースにより前記第一支持部材及び前記第二支持部材が所定位置に位置決め支持される」
ものであることを特徴とする。
ところで、第一装飾可動体や第二装飾可動体等の装飾可動体の移動距離を大きくするために、誘導部材の長さを長くすることが考えられる。この誘導部材として、その両端を支持するものとした場合、誘導部材の長さが長くなるほど、誘導部材の両端を支持する支持部材も大きくなる。そして、例えば、誘導部材の両端を支持する支持部材を一体で樹脂成形すると、支持部材が大きくなるほど成形歪みも大きくなり、誘導部材を所望の位置に支持することができなくなり、装飾可動体を良好に誘導案内することができなくなる問題がある。
また、支持部材が大型化すると、支持部材を成形する成形型も大型化し、支持部材の製造にかかるコストが増加する問題がある。
手段28の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットにおいて、誘導部材の両端を樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材で支持すると共に、第一支持部材及び第二支持部材に備えられた位置決め突起を、板金からなるベースの対応する位置に備えられた位置決め孔に嵌合させることで、第一支持部材と第二支持部材とを所定位置に位置決め支持するようにしたものである。
これにより、樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材の大きさを可及的に小さくすることができ、樹脂成形による歪を相対的に小さくすることができると共に、加工精度(成形精度)の比較的高い板金からなるベースにより第一支持部材及び第二支持部材を所定位置に位置決め支持しているので、誘導部材を支持する部材を大きくしても誘導部材の支持精度を良好に維持することができる。つまり、誘導部材を大きく(長く)しても誘導部材を所望の位置に支持して、誘導部材により被誘導部材を介して第一装飾可動体や第二装飾可動体を良好に誘導案内させることが可能となるので、第一装飾可動体や第二装飾可動体がより大きく動くようにすることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材の両端を支持し樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材部材を可及的に小さいものとすることができるので、第一支持部材及び第二支持部材部材を成形するための成形型を小型なものとすることができ、製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、位置決め突起を位置決め孔に嵌合させるだけで、第一支持部材と第二支持部材とを所定距離離れた所定位置に容易に位置決め支持することができ、誘導部材を所望の位置に容易に配置支持することができる。
また、第一支持部材及び第二支持部材によりベースと誘導部材とが互いに略平行となるように配置支持されるので、ベースと誘導部材を剛性の高い素材を用いて形成した場合、それらが互いに組み立てられることで、全体的な強度剛性がさらに高くなり、被誘導部材の移動により振動や反力がかかっても、誘導部材やベースが撓んだり振れたりすることがなく、被誘導部材つまり第一装飾可動体や第二装飾可動体を良好に誘導案内させることができる。そして、第一装飾可動体や第二装飾可動体が良好に誘導案内され、ぶれ難いことにより、前側装飾可動体との干渉も起こりにくく、前側装飾可動体の演出効果を損なわないので、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
なお、「樹脂」としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など適宜なものを用いることができ、例えば、「ポリカーボネイト」、「ポリプロピレン」、「ポリエチレン」、「ポリウレタン」、等が挙げられる。また、射出成形可能なものとすることが望ましい。
また、第一支持部材及び第二支持部材には、夫々位置決め突起を少なくとも二つ備えていることが望ましく、それら位置決め突起は、可及的に離れた位置に配置することが望ましい。これにより、ベースにおける第一支持部材や第二支持部材の夫々の位置決め精度をより高めることが可能となり、而して、誘導部材の支持精度を高めることができる。
手段29:手段28の構成において、「前記ベースにおける前記取付当接面が、
前記移動手段、及び前記誘導部材を支持する支持面に対して略直角に屈曲形成されている」ものであることを特徴とする。
手段29の構成によると、ベースを、移動手段及び誘導部材を支持する支持面に対して、取付当接面を略直角方向に屈曲形成した板金製としたものである。これにより、移動手段及び誘導部材が、取付当接面に対して略直角方向に支持されるので、取付当接面が固定される遊技盤と、移動手段及び誘導部材とが干渉し難くすることが可能となり、移動手段及び誘導部材を支持しつつ、良好に遊技盤に取付固定することができる。
また、ベースをプレス成形できるようにしているので、切削加工したものと比較して大量で安価に製造することができると共に、移動手段及び誘導部材を支持する支持面と、取付当接面とが略直角になるように屈曲させているので、その屈曲部により平板材と比較して強度剛性の高いものとすることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体の移動によりベースが変形したり、移動手段及び誘導部材がぐらついたりするのを防止することができ第一装飾可動体や第二装飾可動体を確実に誘導案内させることができる。また、第一装飾可動体や第二装飾可動体が良好に誘導案内され、ぐらつきが防止されることにより、前側装飾可動体との干渉も起こりにくく、前側装飾可動体の演出効果を損なわないので、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
手段30:手段28または手段29の構成において、「前記回転防止手段における前記ガイド部材の一端側及び他端側が、前記第一支持部材及び前記第二支持部材に夫々支持されている」ものであることを特徴とする。
手段30の構成によると、回転防止手段におけるガイド部材の両端を、第一支持部材と第二支持部材とで支持するようにしたものである。これにより、ガイド部材を支持するための支持部材を別途備える必要がなく、ガイド部材を支持するための構成を簡略化することができ、コストが増加するのを抑制することができる。また、誘導部材と同様にガイド部材の支持精度も向上させることができるので、誘導部材の長大化に伴ってガイド部材を長くしても、誘導部材とガイド部材との関係(例えば、平行度)を良好な状態で維持することが可能となり、被誘導部材の振れを良好に防止することができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立つように大型化して第一装飾可動体や第二装飾可動体の演出動作によって興趣を高められるものとすることができる。
なお、ガイド部材をベースや誘導部材と共に、その剛性が高いものを用いた場合、第一支持部材及び第二支持部材を介してベースに支持されるので、ベース、誘導部材及びガイド部材の相乗効果によって全体的な強度剛性を更に高めることが可能となり、誘導部材をより長くしたり、誘導部材に保持される第一装飾可動体や第二装飾可動体を大きくしたりしても誘導部材によって被誘導部材を良好に誘導案内させることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体の移動量や大きさをより大きくして、第一装飾可動体や第二装飾可動体を目立たせてその演出効果をより高めることができる。
手段31:手段16〜手段30のいずれか一つの構成において、「前記第一装飾可動体及び前記第二装飾可動体が、発光可能な装飾可動体とされている」ものであることを特徴とする。
手段31の構成によると、第一装飾可動体と第二装飾可動体とを発光可能な装飾可動体としたものである。これにより、第一装飾可動体と第二装飾可動体は、上下方向に移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に第一装飾可動体や第二装飾可動体に気付かせることが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段32:手段31の構成において、「前記第一装飾可動体は、
前記所定キャラクタの目に相当する部位に、発光する表示態様が変化する発光装飾表示手段を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「目に相当する部位」とは、「眼球に相当する部位」、「瞳に相当する部位」、「上下の瞼の間に相当する部位」、「眼鏡やゴーグルに相当する部位」、等である。また、「発光装飾表示手段」としては、「発光表示される模様や図柄等が変化するもの」、「発光表示される模様や図柄等の色彩が変化するもの」、等が挙げられる。
手段32の構成によると、第一装飾可動体における所定キャラクタの目に相当する部位に、発光装飾表示手段を備えたものである。これにより、所定キャラクタの目に相当する部位が光ったり、表示態様が変化したりするので、遊技者に強く印象付けることができ、インパクトの高い装飾可動体として、興趣の高められるものとすることができる。
手段33:手段32の構成において、「前記発光装飾表示手段は、複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される光の色に対応して、表示態様を様々に異ならせるセグメント型の光学表示装置であって、
前記発光手段から投光される第一色の光のみが透過することで、第一表示態様を呈する第一透過手段と、
前記第一色とは異なる色の第二色の光のみが透過することで、第二表示態様を呈する第二透過手段と
を少なくとも具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「複数種類の色」としては、赤・緑・青の光の三原色のうち何れか(もしくは何れも)であっても良いし、これらのうち何れか(若しくは何れも)を混合させた中間色であっても良い。また、「発光手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「白熱電灯」、「電球」、「蛍光灯」、「LED」、「ネオン灯」、「水銀灯」、「ナトリュウム灯」、等を例示することができる。さらに、「表示態様」としては、どのような模様・形状・図形であっても良く、文字、絵、数字、キャラクタなどの図柄も含まれる。
また、「セグメント型」とは、所定の形状を点灯・点滅させて表示させる型のディスプレイ方式を示すものであり、複数の点(ドット)をマトリクス状に組み合わせて表示させる「ドットマトリクス型」のディスプレイ方式とは異なるものであることを示す。
さらに、「第一色」と「第二色」とは、互いに異なる色であれば特に限定されるものではなく、光の三原色であっても良いし、中間色であっても構わない。例えば、白・黒・灰色の所謂無彩色であっても良いし、赤・緑・青等の有彩色であっても良い。なお、発光手段、つまり光を使って色を表現するものであるから、全ての中間色は、赤・緑・青の何れか(若しくは何れも)を混色させることで表現され得る。つまり、「第一色」が「第二色」の色の光を全て含む場合もあるし、その逆もまたあり得るが、要するに、「第一色」と「第二色」とが異なる色であれば、どのような相関関係であっても構わない。同様にして、「第一表示態様」と「第二表示態様」とは、互いに異なる表示態様であれば何ら限定されるものではない。例えば、互いに全く異なる形状の模様や図柄を表示するものであっても構わないし、同じ形状の模様を別個の場所に夫々表示するものであっても構わない。
また、「第一透過手段」及び「第二透過手段」としては、所定の光のみを透過する(フィルタリングする)ことができるものであれば何ら限定されるものではないが、例えば、公知のカラーフィルタなどが適用可能である。さらに、「第一透過手段」及び「第二透過手段」の配置方法としては、何ら限定されるものではなく、同一面上に配置されるものであっても良いし、(遊技者から見て)前後方向に配置位置を異ならせるものであっても良い。また、夫々独立して(つまり隣接・重複する部位なく)配置しても良いし、一部または全部を重複させて配置しても良い。要するに、互いに異なる二つの表示態様「第一表示態様」及び「第二表示態様」を表示することができるものであれば、如何なるものであっても良い。但し、同一位置に同一形状の模様形状を、単に「消灯」または「点灯」することによって表示態様を異ならせるのではなく、二種類以上の模様形状を明確に識別できる表示態様であることが好ましい。
従って、手段33の構成によれば、複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される光の色に対応して、表示態様が様々に変化するセグメント型の光学表示装置が具備されている。これにより、第一装飾可動体をより目立ちやすくして、遊技者に単調な印象を与えず見飽き難くすることができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
なお、本手段の構成によれば、発光手段の色を変えるだけで表示態様を変化させることができるが、この時、表示態様の背景となる部分を表示態様の色と同色系のものを適用することで、非発光時において、比較的簡易に表示態様の形状を分かり難くすることができる。従って、所望の模様形状を象ったレンズ部材を用いる従来の装飾ランプとは異なり、表示態様の変化に対する予測を困難にすることができ、極めて効果的に単調な印象を払拭することができる。
ところで、発光手段の色の種類を変えるだけで、異なる表示態様を呈することのできる光学表示装置として、例えば有機EL表示装置や無機EL表示装置、プラズマ表示装置、VFDパネル、フィールドエミッションディスプレイ、またはCRT等のドットマトリクス型表示装置が知られている。また、同じくドットマトリクス型ディスプレイとして、発光手段(所謂バックライト)の色は一定とし、カラーフィルタと液晶とを用いて色毎の光の透過率を変化させる液晶表示装置(以下、単に「LCD」と云う)なども知られている。これらの光学表示装置を用いると、発光手段(画素)の色を変えることで、表示態様を異ならせることができるが、これらの装置は比較的多数の電源装置や信号配線を接続する必要があり、装置が大掛かり且つ可動困難なものとなる場合が多かった。このため、第一装飾可動体の可動範囲が狭くなったり、第一装飾可動体が重くなることで動きが遅くなったりして第一装飾可動体を充分に目立たせることができず、遊技者の興趣の低下を防止できない虞があった。
これに対し、本発明では、発光手段の色を異ならせるだけで表示態様を変化させることができるセグメント型の光学表示装置であるため、極めてシンプル且つ小型に構成することが容易である。このため、装飾可動体に良好に取り付けられるから、第一装飾可動体の可動範囲を制限することがなく、且つ素早く可動させることが容易であり、第一装飾可動体をより効果的に目立たせることができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
なお、本手段の発光装飾表示手段を、第一装飾可動体のみではなく、第二装飾可動体や前側装飾可動体に取り付けても構わないが、所定キャラクタの目に相当する部位である第一装飾可動体のみに取り付けることで、あたかもキャラクタの目の表情がくるくると変わるような面白味のある演出効果を煽り立てることができるので、よりシンプル且つ効果的に遊技者の注目を惹きつけることができ、興趣の低下を防止可能となるため効果的である。
手段34:手段33の構成において、「前記発光手段から投光される前記第一色の光は、光の三原色のうちの何れか一つのみからなり、
前記発光手段から投光される前記第二色の光は、前記第一色を除く他の光の三原色の何れか一方からなる」ことを特徴とする。
従って、手段34の構成によれば、第一色は、光の三原色、つまり赤・緑・青のうちの何れか一つのみからなる。これにより、第一色に対応して表示される第一表示態様は、前記三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、表示される内容(模様、図柄等)を直感的に把握しやすく好適である。また、第二色の光が、第一色を除く他の光の三原色の何れか一方からなるものとする。これにより、第一表示態様のみならず、第二色に対応して表示される第二表示態様もまた前記三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、第二表示態様によって表示される内容(模様、図柄等)を直感的に把握しやすくより好適である。
この点を、より具体的に説明する。例えば、第一表示態様が、青色の光のみを透過する透過部と、緑色の光のみを透過する透過部とから構成される表示態様であった場合を想定する。ここで、発光手段から、青色と緑色とを混合した色の光(所謂「シアン(水)色」)を投光すると、これに対応して、緑色のみ透過する透過部と、青色のみ透過する透過部とが夫々発光して表示される。しかし、このような状態では、提示された情報が緑色の部分なのか、青色の部分なのか、それとも双方を合成した模様から構成される情報なのかを判別する必要が生じ、直感的に、表示態様全体を把握することが難しい場合が考えられる。特に、本発明のように、セグメント型の光学表示装置を遊技機に備えた場合は、動画や多量の文字情報よりも、比較的簡単な数字や図柄など、直感的に把握しやすいシンプルな図柄等を表示させる場合により適している。この実情に鑑み、本手段の構成によれば、第一色に対応して表示される第一表示態様は、光の三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、表示された情報を一瞬にして把握することが容易となる。また、第二表示態様は、第一色を除く他の光の三原色に対応して発光するため、第一表示態様と第二表示態様とが区別しやすく、従って、遊技者の遊技に対する集中力を削がせることが無く、且つ効果的な表示を行うことが可能となる。
手段35:手段33または手段34の構成において、「前記光学表示装置は、前記第一透過手段及び前記第二透過手段に対して前記発光手段の配置される側から、該発光手段から投光される光以外の光が前記第一透過手段及び前記第二透過手段に照射されるのを防止する遮光手段
をさらに具備する」ことを特徴とする。
ここで、「遮光手段」としては、光を吸収・反射または当該光学表示装置を見る者(遊技者等)の視角に応じて光路を制限するものであれば良く、例えば、着色された有機系樹脂やTa、Ti、W、Mo、Cr、及びNi等、適宜な金属の酸化膜からなる所謂ブラックマトリクス、マイクロレンズアレイ、または光学ミラー等が挙げられる。また、「遮光手段」を配置する場所としては、「第一透過手段及び第二透過手段の配置される側から、発光手段から投光される光以外の光が第一透過手段及び第二透過手段に照射されるのを防止する」ことができるものであれば良く、例えば、発光手段の後方、発光手段と透過手段(第一透過手段及び第二透過手段)との間、発光手段と透過手段との周囲を囲い込むBOX型、及び発光手段や透過手段が備えられた基板の裏面側に遮光性の膜をコーティングする、等の配置方法が挙げられる。さらに、「発光手段から投光される光以外の光」とは、例えばLCD等の他のディスプレイ装置から照射される光や、遊技機の外から入射した太陽光や照明器具等の光が遊技機内で乱反射したもの、等が挙げられる。
従って、手段35の構成によれば、遮光手段がさらに具備されていることにより、発光手段から投光される光以外の光が、発光手段の配置される側から透過手段(第一透過手段及び第二透過手段等)に照射されるのを防止することができる。例えば、LCD等の他のディスプレイ装置の前面に、本発明の光学表示装置を設置した場合を想定する。この場合、当該他のディスプレイ装置より照射される各種の色の光が、発光手段の配置される側から第一透過手段及び第二透過手段に投光されるため、所望のタイミングや配色で、第一表示態様または第二表示態様などを表示できない虞が生じる。具体的には、第一表示態様のみを表示させたい時に、第二表示態様が重複して表示される場合などが考えられる。
これに対し、本手段の構成によれば、さらに遮光手段が備えられているため、発光手段から投光される光以外の光が透過手段に投光されるのを防止することが可能となる。これにより、各表示態様を、所望のタイミングや配色で制御することが容易となり、より実用的な光学表示装置を具備した遊技機を提供できる。
手段36:手段33〜手段35のいずれか一つの構成において、「前記第一透過手段及び前記第二透過手段は、同一面上に形成された一つの光学表示部材として構成され、
前記第一透過手段及び前記第二透過手段が重複して配置された場合は、該重複した重複部は、少なくとも前記第一色及び前記第二色の光を夫々透過可能に構成されている」
ことを特徴とする。
ここで、「重複して」とは、第一透過手段(または第二透過手段)が第二透過手段(または第一透過手段)に対して全部重複する場合であっても良いし、一部が互いに重複する場合であっても構わない。また、「少なくとも前記第一色及び前記第二色の光を夫々透過可能に」とは、第一色及び第二色のみを透過するものであっても良いし、これ以外の色をさらに透過するものであっても良い。
また、「同一面上に形成された一つの光学表示部材」を形成する方法としては、例えば、二つの透過手段を貼り合せて形成する、樹脂の射出成形技術の一つである多色成形技術を適用する、カラー印刷技術を適用する、等の方法が挙げられる。
ところで、第一透過手段及び第二透過手段の配置方法としては、別個の面上に形成された二枚の部材(第一透過手段を具備する第一部材及び第二透過手段を具備する第二部材)を重ね合わせて配置する方法が考えられる。しかし、この方法によれば、部材2枚分の厚みが重畳されるため、光学表示装置全体の厚みが増してしまい、実装の自由度が制限されるという問題が発生し得る。また、発光手段から照射される光量が減衰し(つまり透過率が下がり)、比較的暗い表示になりがちであり、この問題を回避するためには、発光手段からの光量を増大させる必要が生じるので、光学表示装置の消費電力が増大したり、寿命が縮まる(使用耐年数が下がる)ため好適ではなかった。
これに対し、手段36の構成によれば、同一面上に、すなわち一枚の部材上に二つの透過手段(第一透過手段及び第二透過手段)を並べて(または一部を重複させて)配置する。これにより、二枚の部材を重ね合わせる場合に比べて光学表示装置全体の厚みを薄くコンパクトにすることができ、実装の自由度が向上するため好適である。また、同一面上に二つの透過手段を形成するから、透過率の減少を低減することができ、鮮明で長寿命な表示を行い得る遊技機を提供することができる。
ところで、第一透過手段は、第一色のみを透過し、第二透過手段は、第二色のみを透過する。この状態において、第一透過手段と第二透過手段とを重複して配置した場合、当該重複部は、第一色及び第二色の双方を透過しない場合が考え得る。何故ならば、発光手段から第一色を投光すると、第二透過手段により第一色がブロックされ、第二色を投光すると、第二色がブロックされるからである。これにより、第一表示態様または第二表示態様の何れか一方(若しくは双方)のうち、重複部の色が欠けて正常に表示されない問題が考え得る。
これに対し、手段36の構成によれば、第一透過手段及び第二透過手段との重複部は、第一色及び第二色の光を夫々透過可能に構成されている。従って、重複部の色が欠けることが無く、夫々の表示態様を所望の色及び形態で表示することが可能となる。これにより、第一表示態様及び第二表示態様が判別しやすいので、遊技者の目を効果的に惹きつけ、興趣の低下を防止できるものとすることができる。
手段37:手段27〜手段36のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニットでは、前記ガイド部材が、前記誘導部材の軸芯に対して、前記被誘導部材に片持保持された前記第一装飾可動体の方向とは反対方向の位置に配置され、
前記第二駆動ユニットでは、前記ガイド部材が、前記誘導部材の軸芯に対して、前記被誘導部材に片持保持された前記第二装飾可動体の方向とは略直角方向の位置に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、被誘導部材に保持された第一装飾可動体や第二装飾可動体の方向に対し、回転防止手段を配置する方向としては、種々の方向が考えられるが、第一装飾可動体や第二装飾可動体と同じ方向に回転防止手段を配置した場合、第一装飾可動体や第二装飾可動体と回転防止手段とがラップする部分ができるため、回転防止手段の分だけ第一装飾可動体や第二装飾可動体が小さくなってしまう問題が発生する。
また、第一装飾可動体に発光装飾表示手段が備えられていると、第一装飾可動体の重量が大きくなり、重量の大きい第一装飾可動体を回動させたり上下動させたりすることで被誘導部材の振動が大きくなったり傾いたりする問題が発生する。
手段37の構成によると、第一駆動ユニットの回転防止手段では、ガイド部材を誘導部材を挟んで第一装飾可動体の反対側、つまり、遊技盤に対して誘導部材とガイド部材とが左右方向に並ぶように配置すると共に、第二駆動ユニットの回転防止手段では、ガイド部材を誘導部材から第一装飾可動体に対して略直角方向の位置、つまり、遊技盤に対して誘導部材とガイド部材とが前後方向に並ぶように配置したものである。
これにより、ガイド部材を、誘導部材の軸芯に対して第一装飾可動体や第二装飾可動体とは反対側に配置するので、ガイド部材、つまり、回転防止手段と第一装飾可動体や第二装飾可動体とが互いにラップ(重複)するのを防止することが可能となり、ラップにより第一装飾可動体や第二装飾可動体が小さくなるのを抑制し第一装飾可動体や第二装飾可動体を可及的に大型化することができるので、移動量の大きい大型の第一装飾可動体や第二装飾可動体とすることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体を目立たせてその演出動作により興趣の高められるものとすることができる。
なお、ガイド部材を誘導部材の軸芯に対して第一装飾可動体や第二装飾可動体とは反対側に配置した場合、誘導部材の軸芯方向から見ると、第一装飾可動体や第二装飾可動体、誘導部材、及び回転防止手段が、略直線状に並ぶこととなるので、誘導部材の軸芯に対して第一装飾可動体や第二装飾可動体とは軸直角方向の突出量を抑制することができる。つまり、遊技盤の面に略沿うように第一装飾可動体や第二装飾可動体及び誘導部材を配置しているので、前後方向の厚みが厚くなるのを抑制することが可能となり、遊技機の厚さ(前後方向の距離)が増加するのを抑制することができ、従来から遊技ホール等で用いられている遊技機を設置する島設備に良好に対応させることができる。また、誘導部材を挟んで第一装飾可動体や第二装飾可動体から遠ざかる方向に回転防止手段が配置されるので、ガイド部材を誘導部材から遠ざけるほど、回転防止機能が高くなると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体と、回転防止手段や回動手段との重量バランスが取り易くなり、より大型の第一装飾可動体や第二装飾可動体に対応させることができる。
また、ガイド部材を誘導部材の軸芯に対して可動部材とは軸直角方向の側に配置した場合、第一装飾可動体や第二装飾可動体と誘導部材とが並ぶ方向の長さが長くなるのを抑制することができるので、相対的に第一装飾可動体や第二装飾可動体の大きさ(長さ)を可及的に大きくすることができ、より大型の第一装飾可動体や第二装飾可動体を実現することでインパクトのあるより興趣の高められるものとすることができる。
また、本手段の構成によれば、第一装飾可動体を移動させる第一駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材を挟んで第一装飾可動体の反対側に配置しており、誘導部材とガイド部材との距離を所定距離離して左右方向の長さを長くすることで回転防止手段による回転防止機能を高めると共に、回動手段と回転防止手段の重量によって第一装飾可動体との重量バランスを良くして、被誘導部材つまり第一装飾可動体を良好に誘導案内させることができる。一方、第二装飾可動体を移動させる第二駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材の前後方向の何れかに配置したものとしているので、左右方向の長さを短くすることができ、左右方向の長さが第一駆動ユニットにおいて長くなった分を第二駆動ユニットで吸収させることができ、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットを含めた全体の左右方向の長さが長くなるのを抑制して、良好な状態で第一装飾可動体及び第二装飾可動体を遊技機に備えさせることができる。
手段38:手段19〜手段37のいずれか一つの構成において、「前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、前記誘導部材に摺動案内され前記被誘導部材により所定間隔で保持される二つの摺動部材を更に具備し、
前記誘導部材は、断面外形が円形形状とされていると共に、前記摺動部材が前記誘導部材に挿入嵌合するブッシュ形状とされており、少なくとも前記摺動部材が摺動する部位に、摩擦低減層が形成されている」ものであることを特徴とする。
ここで、「摺動部材」としては、誘導部材の軸直角方向への移動が規制できるものが望ましく、「円形又は多角形のブッシュ形状のもの」、「あり形状のもの」、「T字形状のもの」、等が挙げられ、特に、ブッシュ形状のもとした場合、誘導部材や摺動部材を安価で種類も豊富な型材や規格材とすることができる。
また、「被誘導部材」としては、「摺動部材が互いに接近しないように保持する本体部と、摺動部材が互いに離反しないように固定する固定部材とからなるもの」、「摺動部材が互いに接近及び離反しないように保持すると共に誘導部材の軸直角方向に対し一方向への移動を規制する本体部と、摺動部材が互いに接近及び離反しないように保持すると共に誘導部材の軸直角方向に対し他方向への移動を規制する固定部材とからなるもの」、「上記の本体部及び固定部材を適宜組み合わせたもの」、等が挙げられる。
また、「摩擦低減層」としては、例えば、「表面を磨くことで摩擦を低減可能な鏡面研磨層」、「クロム等の金属メッキ層」、「摩擦を低減可能な樹脂をコーティングした樹脂コーティング層(樹脂としては、エンジニアリングプラッスチックが望ましく、その中でも、フッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE,テフロン(登録商標),ターカイト(登録商標),ベアリー(登録商標))が望ましい。)」、等が挙げられる。
また、「断面外形が円形形状」とは、外形が円形であれば良く、中実又は中空の何れの部材であっても良い。また、「ブッシュ形状」とは、誘導部材と嵌合する円形の孔を有した筒形状であれば良く、被誘導部材に保持するための鍔部等を備えているものであっても良い。
ところで、従来の遊技機では、その装飾可動体の大きさが比較的小さいため、遊技機において装飾可動体が目立ち難く、装飾可動体の動きによる演出効果が充分に得られない恐れがある。そこで、装飾可動体を相対的に大型化することで目立つようにして、装飾可動体の動きによる演出効果を高められるようにすることが考えられ、大型化した装飾可動体を被誘導部材に保持させて、被誘導部材を誘導案内する誘導部材の延在方向に移動できるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、装飾可動体の大型化に伴って被誘導部材も大型化することとなり、被誘導部材を誘導部材に摺動案内されるものとすると、その摺動部分の接触面積が大きくなり、摺動抵抗が大きくなって、被誘導部材を良好に誘導案内させることができなくなったり、被誘導部材を移動させるための移動手段に駆動力の大きなものが必要となり全体的に大型化してしまい遊技機に備えられなくなる虞がある。
また、互いに接触して摺動する摺動部に、機械油やグリス等の潤滑剤を塗布することで、摩擦抵抗を低減させることが考えられるが、その場合、例えば、摺動部の摺動により、塗布した潤滑剤が飛散して汚れの原因となったり、付近に電気部品などが配置されている場合、潤滑剤によるショートや漏電等が発生したりする問題が考えられる。
手段38の構成によれば、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの被誘導部材に、誘導部材に摺動案内される二つの摺動部材を所定間隔で保持させるようにしたものである。また、誘導部材を断面外形が円形の棒状とすると共に、摺動部材を誘導部材と嵌合するブッシュ形状とし、さらに、誘導部材の摺動部材が摺動する部位に摩擦低減層を形成したものである。
これにより、第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持する被誘導部材は、二つの摺動部材を介して誘導部材に摺動案内されるので、摺動部分の接触面積を可及的に少なくすることが可能となり、摺動抵抗を低減させることができ、第一装飾可動体や第二装飾可動体と共に被誘導部材を所定方向に良好に誘導案内させることができると共に、装飾可動体を大型化することが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材と摺動部材との摺動抵抗を低減させることができるので、摺動部材を介して被誘導部材を良好に誘導案内させることができると共に、摺動部における摩擦が低減されて摩耗し難くすることが可能となり、誘導部材や摺動部材が早期に摩耗して被誘導部材すなわち第一装飾可動体や第二装飾可動体の動作不良を招くのを防止することができる。
さらに、誘導部材を断面外形が円形の棒状とすると共に、摺動部材を誘導部材と嵌合するブッシュ形状としたものである。これにより、誘導部材を、一般的な丸棒やパイプ材等の型材とすると共に、摺動部材を一般的な円筒状のブッシュとすることができ、誘導部材や摺動部材にかかるコストが増加するのを抑制することができると共に、摺動部材を良好に摺動させることができる。
また、第一装飾可動体や第二装飾可動体を大型化しても摺動抵抗が増加するのを抑制することができるので、駆動力の大きい大型の移動手段を用いなくても、第一装飾可動体や第二装飾可動体を保持する被誘導部材を良好に誘導案内させることが可能となり、所望の大きさの第一装飾可動体や第二装飾可動体を遊技機に備えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、摺動抵抗を低減させることができるので、静止状態の被誘導部材を移動させるために必要な駆動力が少なくて済み、容易に被誘導部材を移動開始させることができる。つまり、被誘導部材の移動レスポンスを高くすることができるので、被誘導部材すなわち第一装飾可動体や第二装飾可動体を機敏に移動させることが可能となり、装飾可動体の動きによるインパクトをより高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、二つの摺動部材の所定間隔としては、可及的に離れた位置に配置することが望ましい。詳述すると、誘導部材と摺動部材とのクリアランスが同じ場合、二つの摺動部材の距離が小さいほど、被誘導部材のガタツキが大きくなり、被誘導部材の安定性が悪くなる。これに対して、二つの摺動部材の距離が大きいほど、被誘導部材のガタツキは小さくなり、被誘導部材の安定性が相対的に良くなる。従って、二つの摺動部材を可及的に離れた位置に配置することで、誘導部材によって被誘導部材をより安定した状態で誘導案内させることができる。
また、二つの摺動部材を所定間隔で保持しているので、第一装飾可動体や第二装飾可動体を片持支持しても、誘導部材に対して被誘導部材が傾いたり、ガタ付いたりするのを防止して、被誘導部材つまり第一装飾可動体や第二装飾可動体を安定した良好な状態で誘導案内させることができると共に、第一装飾可動体や第二装飾可動体を大型化することが可能となり、第一装飾可動体や第二装飾可動体をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材に摩擦低減層が形成されているので、潤滑剤を用いた場合と比較して、潤滑剤が飛散することが無く、摺動部材の摺動により汚れが発生するのを防止することができると共に、誘導部材の付近に電気部品等を配置することが可能となり、遊技機の設計自由度を高めてより興趣の高められるものとすることができる。
手段39:手段1〜手段38のいずれか一つの構成において、「前記共通演出実行手段は、前記通常状態演出または前記高確率期待小演出において付与された特典が所定の第一条件を満たしている場合に出現可能とする」ことを特徴とする。
手段39の構成によれば、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行させるか否かの判別、すなわち第一条件を満たすか否かの判別を、遊技の進行に伴って付与される特典に基づいて行っている。つまり、高確率期待小演出において、何らかの特典(例えば演出ポイント)が付与されるようになっており、その付与された特典が第一条件を満たしたとき、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行することが可能になっている。このため、遊技者は、高確率期待小演出を視認しながら特典が付与されるか否かを注目するようになり、ひいては高確率期待小演出の興趣を高めることが可能になる。しかも、この特典は、高確率期待小演出だけではなく、通常状態演出においても付与される場合がある。したがって、通常状態演出において特典を取得する楽しみが増えるとともに、通常状態演出と高確率期待小演出とが互いに関連付けられることにより高確率期待小演出へ移行させたいという意欲を一層高めることができる。つまり、通常状態演出において、第一条件を満たすような特典が付与された場合には、「高確率期待小演出から高確率期待大演出へ発展することが約束された」、または「その発展が略確実となった」と認識させることができ、高確率期待小演出へ移行させることに対しての意欲を高めることができる。すなわち、高確率期待小演出が出現する前の通常遊技状態のときから、高確率期待小演出で行われる遊技に関わることができるようになり、これら一連の演出への関心を一層高めることが可能になる。
手段40:手段39の構成において、「前記通常状態演出または前記高確率期待小演出で付与され得る前記特典は、有価価値以外の特典であり、少なくとも前記高確率期待小演出における演出内容に関連付けられている」ことを特徴とする。
ここで、「有価価値以外の特典」とは、それ自体が遊技者に直接利益を付与するわけではないが、期待感を高めるために与えられる特典であり、高確率期待小演出と関連する絵柄のアイテム等を例示することができる。
手段40の構成によれば、通常状態演出または高確率期待小演出が行われる際、遊技の進行に伴って有価価値以外の特典が付与され、この特典を基に第一条件が成立したか否かが判定される。また、高確率期待小演出の内容と、付与される特典とが互いに関連付けられているため、高確率期待小演出の興趣が一層高くなる。さらに、付与される特典は演出を発展させるためのアイテムにすぎず、それ自体が遊技者に直接利益を付与するものではないことから、譬え、通常状態演出においてなかなか特典が付与されない場合があっても、遊技者の意欲を低下させることはない。
手段41:手段40の構成において、「前記表示制御手段は、前記通常状態演出及び前記高確率期待小演出用として、所定の演出ポイントを発生可能とするポイント発生手段と、発生した該演出ポイントを累計するポイント累計手段とを有し、
累計された前記演出ポイントの合計が一定値に達した場合に前記第一条件が満たされたものと判定する」ことを特徴とする。
手段41の構成によれば、通常状態演出または高確率期待小演出を行う際、所定の演出ポイント(得点)が表示され、その演出ポイントが蓄積される。つまり、特典として演出ポイントが付与される。そして、その演出ポイントの合計が一定値に達すると、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行させることが可能になる。したがって、演出ポイントを集めることに興味が持たれ、遊技を進行させることへの意欲が一層高まる。また、演出ポイントの合計が高くなるほど有利となることから、同じ内容の通常状態演出または高確率期待小演出が継続して出現されても、その演出の内容に飽きてしまうことが軽減される。
手段42:手段41の構成において、「前記通常状態演出は、押しボタンの操作を要求する特殊演出を有し、該特殊演出が導出された場合に前記押しボタンが操作されることに基づき、前記演出ポイントの発生を許可するポイント発生許可手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段42の構成によれば、少なくとも通常状態演出では、押しボタンの操作を要求する特殊演出を行い、その演出中に押しボタンが操作された場合に限り、演出ポイントを発生させることを可能にする。換言すれば、通常状態演出でも、特殊演出が行われない場合、または特殊演出が行われても押しボタンが操作されない場合には、演出ポイントを発生させない。したがって、演出ポイントが発生する頻度を抑え、演出ポイントの合計がすぐに一定値に達することを防止できる。また、通常状態演出の一部として特殊演出が行われるため、特殊演出によって遊技にメリハリをつけることができる。さらに、押しボタンの操作を要求するため、単に見ているだけの受動的な演出ではなく、積極的に演出に参加させ、ゲームのような感覚で演出ポイントを集めさせることが可能になる。
手段43:手段41または手段42の構成において、「前記ポイント発生手段は、
演出ポイントの合計と付与される演出ポイント値の振分け(出現率)との関係を示すポイント振分けテーブルと、
前記通常状態演出の導出に先立って、付与ポイント判定用乱数を抽出するポイント判定用乱数抽出手段と、
該ポイント判定用乱数抽出手段によって前記付与ポイント判定用乱数が抽出されると、該付与ポイント判定用乱数、貯えられている演出ポイントの合計、及び前記ポイント振分けテーブルに基づいて演出ポイント値を決定するポイント決定手段と
を備える」ことを特徴とする。
手段43の構成によれば、ポイント判定用乱数抽出手段によって付与ポイント判定用乱数が抽出されると、抽選時において既に貯えられている演出ポイントの合計と、抽出された付与ポイント判定用乱数と、ポイント振分けテーブルとから、演出ポイントの合計に対応する演出ポイント値を決定する。このため、乱数に基づいた不特定の演出ポイントを発生させることが可能になり、演出ポイントへの注目が一層高まるとともに、演出ポイントを付与する際にメリハリをつけることが可能になる。また、既に貯えられている演出ポイントの合計によって、付与される演出ポイント値の傾向が変化することから、例えば、演出ポイントの合計が所定値を超えないように付与する演出ポイント値を制限したり、演出ポイントの貯まり方に偏りを生じさせたりすることができるようになる。
手段44:手段43の構成において、「前記ポイント振分けテーブルは、前記演出ポイントの合計が高い程、大きな演出ポイント値が付与され難くなるように、振分けがなされている」ことを特徴とする。
手段44の構成によれば、貯えられている演出ポイントの合計が高いほど、大きな演出ポイント値が付与されにくくなっているため、演出ポイントの合計がすぐに一定値に達するのを抑制することができる。つまり、演出ポイントを収集する楽しみを比較的長期にわたって継続させることができる。逆に、演出ポイントの合計が低い場合には、比較的大きな演出ポイント値を付与することが可能になる。例えば、遊技開始初期に大きな演出ポイント値を付与するようにすれば、それによって遊技者の意識をひきつけることが可能になる。
手段45:手段44の構成において、「前記通常状態演出は、前記抽選手段の抽選結果が前記第三結果または前記第四結果にならなくても出現可能な第一通常状態演出と、前記抽選結果が前記第三結果または前記第四結果になった後に出現可能な第二通常状態演出とからなり、
前記第一通常状態演出に対応する前記ポイント振分けテーブルには、前記演出ポイント値が「0」となる場合が含まれ、前記第一通常状態演出に対応する前記ポイント決定手段は、貯えられている演出ポイントの合計に、付与される演出ポイント値を加えても、前記一定値に到達しないように、付与する演出ポイント値を決定する」ことを特徴とする。
手段45の構成によれば、通常状態演出には、抽選結果が第三結果または第四結果にならなくても出現可能な第一通常状態演出と、第三結果または第四結果になった後に出現可能な第二通常状態演出とが含まれている。つまり、抽選結果が第三結果または第四結果になると、第一通常状態演出から第二通常状態演出に移行し、その後、高確率期待小演出(若しくは高確率期待大演出)に移行するようになっている。ところで、この場合、第一通常状態演出から第二通常状態演出への移行は、抽選結果が第三結果または第四結果になることを条件としているため、第一通常状態演出において多くの演出ポイントが貯えられたにも拘わらず、高確率期待小演出どころか第二通常状態演出にも移行しないという事態が生じ得る。そして、この場合には、多くの演出ポイントが貯えられているにも拘わらず演出が発展しないことによる不信感が生じ、演出ポイントの信頼性を損ねることが懸念される。
ところが、手段45の構成によれば、第一通常状態演出では、貯えられている演出ポイントの合計に、付与される演出ポイント値を加えても、一定値に到達しないように、付与する演出ポイント値を決定する。つまり、一定値に近くなると、付与される演出ポイントを極めて小さな演出ポイント値に制限したり、演出ポイント値を「0」とすることにより、一定値に到達しないように処理する。したがって、第三結果または第四結果となった後に導出される第二通常状態演出において、初めて一定値に到達させることが可能になり、一定値に到達した場合にはすぐに次の演出に発展させることが可能になる。このため、累積された演出ポイントの合計と、演出の移行条件との関係が明確となり、演出ポイントの信頼性を高めることができる。
手段46:手段45の構成において、「付与される前記演出ポイント値を前記演出表示手段に表示するポイント表示制御手段をさらに備え、
該ポイント表示制御手段は、前記ポイント決定手段によって付与される演出ポイント値が「0」である場合には、該演出ポイント値の代りにアイテム画像を表示させる」ことを特徴とする。
ところで、付与される演出ポイント値が「0」である場合、「0点」と表示したり、何も表示させないようにしたりすることが考えられる。ところが、「0点」と表示すると、不快感を与える虞があり、特に、それが連続して何度も表示されると苛立たしさを生じさせることも懸念される。また、何も表示させない場合には、演出表示装置の故障またはプログラムのバグを喚起させ遊技機に対して不信感を喚起させる場合がある。
これに対し、手段46の構成によれば、付与される演出ポイント値が「0」である場合には、演出ポイント値の代りにアイテム画像を表示させるようにしている。このため、演出ポイント値「0」であり、合計が変化しない場合であっても、遊技者の気分の低下を抑制することができるとともに、アイテム画像によって視覚的な興趣を与えることができる。
手段47:手段46の構成において、「複数の種類の前記アイテム画像と前記抽選手段の抽選結果に対する期待値との関係を示すアイテム画像選択テーブルと、
前記第一通常状態演出の導出に先立って、前記アイテム画像を選択するためのアイテム画像選択用乱数を抽出するアイテム画像選択用乱数抽出手段と、
該アイテム選択用乱数が抽出されると、該アイテム画像選択用乱数と、前記抽選手段の抽選結果と、前記アイテム画像選択テーブルと、に基づいて、前記演出ポイント値の代りに表示されるアイテム画像を決定するアイテム画像決定手段とをさらに備える」ことを特徴とする。
手段47の構成によれば、第一通常状態演出の導出に先立って、アイテム画像選択用乱数が抽出されると、そのアイテム画像選択用乱数と、抽選手段の抽選結果と、アイテム画像選択テーブルとに基づいて、表示すべきアイテム画像が決定される。したがって、複数種類のアイテム画像の中から一つのアイテム画像を表示させることが可能になる。特に、アイテム画像選択テーブルでは、複数種類のアイテム画像と、抽選手段の抽選結果に対する期待値とが関係づけられているため、期待値に対応したアイテム画像を表示させることが可能になる。このため、遊技者は、表示されたアイテム画像によって抽選の期待値を認識することが可能なる。つまり、アイテム画像は、そもそも演出ポイント値が「0点」であることを示す手段ではあるが、現抽選における期待値を把握するために用いられることから、「アイテム画像」に対する憎悪感を一掃することができる。
手段48:手段45〜手段47のいずれか一つの構成において、「前記第二通常状態演出に対応する前記ポイント振分けテーブルは、貯えられている前記演出ポイントの合計に、付与される演出ポイントを加えても前記一定値に達しない演出ポイント群からなる第一領域と、それ以外の第二領域とからなり、
抽出された前記付与ポイント判定用乱数、抽選時において既に貯えられている前記演出ポイントの合計、及び前記ポイント振分けテーブルに基づいて前記演出ポイント値が決定された際に、該演出ポイント値が前記第一領域に含まれる場合には前記第二通常状態演出から前記高確率期待小演出へ移行させ、一方、決定された前記演出ポイント値が前記第二領域に含まれる場合には前記高確率期待小演出を出現させることなく、前記第二通常状態演出から前記高確率期待大演出へ移行させる演出移行制御手段をさらに備える」ことを特徴とする。
ところで、第二通常状態演出において、演出ポイントが付与された場合、演出ポイントの合計が一定値に達することがあり、この場合、第二通常状態演出と高確率期待小演出との間で整合が取れなくなる。つまり、高確率期待小演出では「付与される演出ポイントを蓄積し、演出ポイントの合計が一定値に達した場合に高確率期待大演出へ移行する」という演出が行われるが、高確率期待小演出が出現する前に演出ポイントの合計が一定値に到達する場合には、高確率期待小演出そのものの存在が無意味なものとなる。
ところが、手段48の構成によれば、ポイント振分けテーブルを、第一領域と第二領域とに分割し、貯えられた演出ポイントの合計に、付与される演出ポイントを加えても一定値に達しない演出ポイント群を第一領域とし、それ以外の領域すなわち一定値に達する演出ポイント群を第二領域とする。そして、決定された演出ポイント値が第二領域に含まれる場合には高確率期待小演出を出現させることなく、第二通常状態演出から高確率期待大演出へ移行させる。つまり、付与される演出ポイントを加えても一定値に到達しない場合には、演出ポイントを付与した後に高確率期待小演出に移行させ、一方、一定値に到達する場合には、高確率期待大演出へ移行させる。なお、高確率期待大演出へ直接移行する場合には、その後、演出ポイントは不要となるため、第二通常状態演出において付与された演出ポイントを加えずに(表示させずに)移行しても構わない。このように、第二通常状態演出では、演出ポイントを付与する場合に演出ポイントの合計が一定値に達するか否かを前もって把握し、達する場合には高確率期待大演出へ直接移行するため、高確率期待小演出の存在に起因する演出相互の矛盾を防止することができる。
手段49:手段48の構成において、「前記ポイント振分けテーブルは、貯えられている前記演出ポイントの合計が高い程、前記第二領域の演出ポイント値が選択される可能性が高くなるように、振分けがなされている」ことを特徴とする。
手段49の構成によれば、第二通常状態演出において演出ポイント値を決定する際には、第一通常状態演出で付与された演出ポイントの合計が考慮され、演出ポイントの合計が高いほど、第二領域の演出ポイント値が選択される可能性が高くなる。つまり、貯えられている演出ポイントが高いほど高確率期待大演出に移行しやすいようになっている。このため、例えば「第二通常状態演出において演出ポイントの合計が一定値に達しないように付与する演出ポイント値を制限するもの」に比べ、第一通常状態演出にて貯えられた演出ポイントを生かした処理が可能となる。
手段50:手段48または手段49の構成において、「前記演出移行制御手段は、抽選時において既に貯えられている前記演出ポイントの合計が前記一定値に達している場合には、前記付与ポイント判定用乱数に拘わらず、常に高確率期待大演出へ移行させる」こと特徴とする。
手段50の構成によれば、第一通常状態演出において付与された演出ポイントの合計が一定値に達している場合には、高確率小演出を行うことなく、第二通常状態演出から高確率期待大演出に移行させる。このため、演出相互の矛盾を防止するとともに、比較的早い段階で一定値に達したことによる演出の優位性を確実に実感させることができる。
手段51:手段48〜手段50のいずれか一つの構成において、「前記抽選手段の抽選結果が前記第四結果であり、且つ前記演出移行制御手段によって前記高確率期待小演出へ移行することが決定された場合、該高確率期待小演出以上に発展させることなく前記第一通常状態演出へ戻す第一ルート、または前記高確率期待大演出まで発展させ、その後前記第一通常状態演出へ戻す第二ルート、のいずれか一方を、前記演出ポイントの合計に基づいて選択するルート選択手段と、
所定回数の前記高確率期待小演出を行っても累計された演出ポイントの合計が前記一定値に達しない場合、前記抽選結果が前記第三結果または前記第四結果のいずれであったのかを判別し、前記抽選結果が前記第三結果のとき、または前記抽選結果が前記第四結果で且つ前記ルート選択手段によって前記第二ルートが選択されているときには前記高確率期待大演出へ移行させ、一方、前記抽選結果が前記第四結果で且つ前記ルート選択手段によって前記第一ルートが選択されているときには前記第一通常状態演出へ移行させる第二演出移行制御手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
ところで、付与される演出ポイント値の大きさによって、第三結果と第四結果とが区別して認識されることがないように、ポイント振分けテーブルでは両者の振分率を共通とすることが好ましいが、付与される演出ポイント値が大きすぎると、すぐに一定値に達し、第三結果の場合も第四結果の場合も容易に高確率期待大演出に移行することとなる。すなわち、高確率期待大演出を「確率変動状態が発生している可能性が高い演出(第三結果である可能性が高い演出)」として位置付けることが困難になる。一方、付与される演出ポイント値が小さすぎると、第三結果であっても演出ポイントの合計がなかなか一定値に達しなくなり、円滑な発展が望めなくなる。なお、抽選結果が第三結果である場合には、一連の演出を高確率期待小演出で終わらせることはできない。なぜなら、一連の演出が途中で終わってしまうと、確率変動状態になっているにも拘わらず、遊技者は第四結果(小当り)であったと認識し、遊技を途中で止めてしまう恐れがあるためである。
そこで、高確率期待小演出の回数を設定し、所定回数の演出が行われても演出ポイントの合計が一定値に達しない場合には、抽選結果が第三結果であるか第四結果であるかを判別し、第三結果である場合にのみ、次の演出である高確率期待大演出に移行させるようにすることが考えられる。しかしながら、これによれば、最大回数の高確率期待小演出が行われた後に高確率期待大演出に移行する処理、すなわち演出ポイントの合計が一定値に達していないのに高確率期待大演出に移行する処理は、第三結果(確率変動状態)特有の処理となってしまい、その結果、高確率状態演出に移行する前に、確率変動状態が発生していることを認識させてしまい、高確率状態演出における演出効果を低下させる恐れがある。
これに対し、手段51の構成によれば、抽選結果が第四結果(小当り)の場合で、第二通常状態演出から高確率期待小演出に移行することが決定された場合には、第一ルートとするか、または第二ルートとするか、を抽選によって決定する。第一ルートは、高確率期待小演出から第一通常状態演出に戻るルートであり、第二ルートは、高確率期待小演出から高確率期待大演出に移行し、その後第一通常状態演出に戻るルートである。
そして、所定回数の高確率期待小演出を行っても累積された演出ポイントの合計が一定値に達しない場合には、抽選結果及び選択されたルートに基づいて、その後に移行する演出を決定する。つまり、抽選結果が第三結果の場合と、抽選結果が第四結果で第二ルートが選択されている場合には高確率期待大演出に移行させ、一方、抽選結果が第四結果で第一ルートが選択されている場合は、高確率期待小演出において一連の演出を終了する。このため、第三結果である場合の演出が一連の演出の途中で終了してしまうことを防止でき、また、高確率期待大演出に移行するのは、第三結果の場合だけではなく、第四結果の場合もあり得るため、高確率状態演出が導出されるまで、確率変動状態の発生を認識させないようにすることができる。
手段52:手段51の構成において、「前記ルート選択手段は、前記演出ポイントの合計と、前記第一ルート及び前記第二ルートの振分率との関係を示すルート振分けテーブルを備え、
該ルート振分けテーブルでは、前記演出ポイントの合計が大きいほど、前記第二ルートが選択される確率が高くなるように振分率が設定されている」ことを特徴とする。
手段52の構成によれば、貯えられた演出ポイントの合計が大きいほど、第二ルートが選択される可能性が高くなる。つまり、それまでに貯えられた演出ポイントが考慮され、演出ポイントの高い方が高確率期待大演出に移行しやすくなる。換言すれば、譬え高確率期待小演出において付与される演出ポイントが少ない場合であっても、それ以前に蓄積された演出ポイントの合計が高い場合には、高確率期待大演出に移行する確率が高くなる。したがって、通常状態演出で付与される演出ポイントに対し、一層高い関心を持たせることができる。
手段53:手段41〜手段52のいずれか一つの構成において、「前記高確率期待小演出において前記演出ポイントの合計値が前記一定値に到達する前に、前記高確率期待小演出から前記通常状態演出に戻る場合、前記ポイント累計手段によって累計された前記演出ポイントを消去または削減するポイント消去手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段53の構成によれば、高確率期待大演出を出現させない場合には、第一条件が成立する前、すなわち演出ポイントの合計が一定値に達する前に、高確率期待小演出から第一通常状態演出に戻ることとなるが、この場合には貯えられた演出ポイントの全てまたは一部が消去される。したがって、ゼロの状態または極めて少ない状態から再び第一通常状態演出を開始させることとなり、例えば第四当りが連続して発生しても、蓄積される演出ポイントの合計が極めて大きくなることを防止できる。
手段54:手段1〜手段53のいずれか一つの構成において、「前記表示制御手段は、前記高確率期待小演出用として、
所定の演出ポイントを特典として付与するポイント付与手段と、
前記高確率期待小演出の継続導出回数を設定する導出回数設定手段と、
前記ポイント付与手段によって付与された前記演出ポイントの合計が一定値に達した場合、前記第一条件が成立したと判定する第一条件判定手段と、
該第一条件判定手段によって前記第一条件が成立したと判定されても、前記高確率期待小演出の実行回数が、前記導出回数設定手段によって設定された前記継続導出回数になるまで、前記高確率期待大演出への移行を延期する演出移行延期手段と
を備える」ことを特徴とする遊技機。
手段54の構成によれば、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行させるか否かの判別、すなわち第一条件を満たすか否かの判別を、遊技の進行に伴って付与される演出ポイントに基づいて行っている。つまり、高確率期待小演出において、所定の演出ポイントが付与されるようになっており、その付与された演出ポイントの合計が一定値に達したとき、第一条件が成立したと判定される。このため、遊技者は、高確率期待小演出を視認しながら演出ポイントが付与されるか否かを注目するようになり、ひいては高確率期待小演出の興趣を高めることが可能になる。また、本発明では、演出ポイントの合計が一定値に達してもすぐに高確率期待大演出へ移行するのではなく、設定された継続導出回数の高確率期待小演出が全て実行されるまで、移行しないようになっている。このため、高確率期待小演出において、演出ポイントの合計が一定値に達した場合、または一定値に達していなくても高得点となった場合には、「高確率期待小演出から高確率期待大演出へ発展することが約束された」、または「その発展が略確実となった」と認識させることができ、高確率期待大演出へ移行させることに対しての意欲を高めることができる。すなわち、「設定された継続導出回数に達するまでもう少し遊技を続けてみよう」という意識を喚起させることができる。
手段55:手段54の構成において、「前記導出回数設定手段は、前記高確率期待小演出の継続導出回数を、遊技状態に基づいて変化させる回数可変手段を有する」ことを特徴とする。
手段55の構成によれば、高確率期待小演出の継続導出回数が遊技状態に基づいて変化するため、継続導出回数を予測させることが困難になり、その期間内に演出ポイントの合計が一定値に達するか否かについて一層ハラハラさせることができる。例えば、予測していた回数の高確率期待小演出が行われても演出ポイントの合計が一定値に到達しなかったため諦めていたところ、もう一度高確率期待小演出が行われて一定値に達することや、逆に、演出ポイントの合計が次第に高くなり、次の高確率期待小演出で一定値に達するものと確信していたところ、その回で演出が終了することなどが生じるようになる。
手段56:手段55の構成において、「前記表示制御手段は、前記抽選結果が前記第四結果である場合、前記高確率期待小演出以上に発展させることなく該高確率期待小演出から前記通常状態演出へ戻す第一ルート、または前記高確率期待大演出まで発展させ、その後前記通常状態演出へ戻す第二ルート、のいずれか一方を、前記高確率期待小演出に移行する前に決定するルート決定手段をさらに備え、
前記回数可変手段は、
前記ルート決定手段で決定されたルートと前記継続導出回数の振分けとの関係を示し前記第二ルートの方が前記第一ルートよりも前記継続導出回数が多くなるように設定された導出回数振分けテーブルと、
前記継続導出回数を決定するための回数判定用乱数を抽出する回数判定用乱数抽出手段と、
該回数判定用乱数抽出手段によって前記回数判定用乱数が抽出されると、該回数判定用乱数、決定された前記ルート、及び前記回数振分けテーブルに基づいて継続導出回数を決定する回数決定手段と
を備える」ことを特徴とする。
手段56の構成によれば、抽選結果が第四結果の場合、高確率期待小演出に移行する前に、第一ルートまたは第二ルートのいずれかを抽選によって決定する。第一ルートは、高確率期待小演出から通常状態演出に戻るルートであり、第二ルートは、高確率期待小演出から高確率期待大演出に移行し、その後通常状態演出に戻るルートである。そして、継続導出回数を決定するにあたり、まず、回数判定用乱数が抽出され、その回数判定用乱数と、決定されたルート(第一ルートまたは第二ルート)と、回数振分けテーブルとに基づいて、継続導出回数が決定される。つまり、ルートに対応した振分けに基づいて継続導出回数が決定される。特に、回数振分けテーブルでは、第二ルートの方が第一ルートよりも継続導出回数が多くなるように設定されているため、高確率期待小演出の回数は、高確率期待大演出に発展するパターンの方が多くなる。したがって、高確率期待大演出に移行する場合には、その途中段階である高確率期待小演出によって期待感を次第に高めさせ高確率期待大演出へ移行した際の気分を高揚させることができる。一方、高確率期待大演出へ移行しない場合には、高確率期待小演出を比較的早い段階で終了させることにより、高確率期待大演出に発展しなかったことに対しての意欲の低下を抑制することができる。
手段57:手段1〜手段56のいずれか一つの構成において、「前記ポイント付与手段は、
演出ポイントの合計と付与される演出ポイント値の振分け(出現率)との関係を示すポイント振分けテーブルと、
前記高確率期待小演出へ移行する前に、付与ポイント判定用乱数を抽出するポイント判定用乱数抽出手段と、
該ポイント判定用乱数抽出手段によって前記付与ポイント判定用乱数が抽出されると、該付与ポイント判定用乱数、貯えられている演出ポイントの合計、及び前記ポイント振分けテーブルに基づいて演出ポイント値を決定するポイント決定手段と
を備える」ことを特徴とする。
手段57の構成によれば、ポイント判定用乱数抽出手段によって付与ポイント判定用乱数が抽出されると、抽選時において既に貯えられている演出ポイントの合計と、抽出された付与ポイント判定用乱数と、ポイント振分けテーブルとから、演出ポイントの合計に対応する演出ポイント値を決定する。このため、乱数に基づいた不特定の演出ポイントを発生させることが可能になり、演出ポイントへの注目が一層高まるとともに、演出ポイントを付与する際にメリハリをつけることが可能になる。また、既に貯えられている演出ポイントの合計によって、付与される演出ポイント値の傾向が変化することから、例えば、演出ポイントの合計が所定値を超えないように付与する演出ポイント値を制限したり、演出ポイントの貯まり方に偏りを生じさせたりすることができるようになる。
手段58:手段57の構成において、「前記ポイント振分けテーブルは、前記演出ポイントの合計が高い程、大きな演出ポイント値が付与され難くなるように、振分けがなされている」ことを特徴とする。
手段58の構成によれば、貯えられている演出ポイントの合計が高いほど、大きな演出ポイント値が付与されにくくなっているため、演出ポイントの合計がすぐに一定値に達するのを抑制することができる。つまり、演出ポイントを収集する楽しみを比較的長期にわたって継続させることができる。逆に、演出ポイントの合計が低い場合には、比較的大きな演出ポイント値を付与することが可能になる。例えば、遊技開始初期に大きな演出ポイント値を付与するようにすれば、それによって遊技者の意識をひきつけることが可能になる。
手段59:手段54〜手段58のいずれか一つの構成において、「前記高確率期待小演出から前記通常状態演出に戻る場合、貯えられた前記演出ポイントを消去または削減するポイント消去手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段59の構成によれば、高確率期待大演出を出現させない場合には、演出ポイントの合計が一定値に達することなく高確率期待小演出から通常状態演出に戻ることとなるが、この場合には貯えられた演出ポイントが消去または削減される。したがって、演出ポイントの合計がゼロの状態または極めて少ない状態から再び通常状態演出を開始させることとなり、例えば第四当りが連続して発生しても、蓄積される演出ポイントの合計が極めて大きくなることを防止できる。
手段60:手段59の構成において、「前記ポイント消去手段は、貯えられた演出ポイントの合計と貯えられた演出ポイントの一部が消去後に残される割合との関係を示し前記貯えられた演出ポイントの合計が多いほど残される割合が高くなるように設定された残ポイント振分けテーブルと、
前記演出ポイントの一部が残されるか否かを決定するための残ポイント判定用乱数を抽出する残ポイント判定用乱数抽出手段と、
該残ポイント判定用乱数抽出手段によって前記残ポイント判定用乱数が抽出されると、該残ポイント判定用乱数、貯えられた演出ポイントの合計、及び前記残ポイント振分けテーブルに基づいて、消去時に前記演出ポイントの一部が残されるか否かを決定する残ポイント決定手段と
を備え、
該残ポイント決定手段によって演出ポイントが残されることに決定された場合には、残された演出ポイントから累計を再開する」ことを特徴とする。
手段60の構成によれば、判断時点までに貯えられた演出ポイントの合計が大きいほど、その一部が残されやすくなり、残された場合には、通常状態演出に戻った後、残された演出ポイントから累計が再開される。したがって、高確率期待小演出から通常状態演出に戻る場合における期待感の低下を軽減することができ、その時点で遊技を終了してしまうことを抑制できる。
手段61:手段54〜手段60のいずれか一つの構成において、「前記高確率期待大演出へ移行することが決定された場合、最終回の前記高確率期待小演出において、前記高確率期待大演出へ移行する旨の予告表示を行う移行先予告表示手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段61の構成によれば、高確率期待大演出へ移行する場合には、最終回の高確率期待小演出の際に、移行先を示す予告表示が行われる。このため、高確率期待小演出が終わったことと、移行先が高確率期待大演出であることを、遊技者に認識させることができる。したがって、一連の演出が円滑に行われるとともに、高確率期待大演出に移行することに対して期待感を大きく膨らませることができる。
手段62:手段54〜手段61のいずれか一つの構成において、「前記ポイント付与手段は、前記通常状態演出においても前記演出ポイントの付与を可能とし、
前記高確率期待小演出時に貯えられる前記演出ポイントの合計には、前記通常状態演出で付与された前記演出ポイントの合計が加味される」ことを特徴とする。
手段62の構成によれば、演出ポイントの付与は、高確率期待小演出だけではなく、通常状態演出においても付与される場合がある。したがって、通常状態演出において特典を取得する楽しみが増えるとともに、通常状態演出と高確率期待小演出とが互いに関連付けられることにより高確率期待小演出へ移行させたいという意欲を一層高めることができる。つまり、通常状態演出において、一定値を満たすような演出ポイントが付与された場合には、「高確率期待小演出から高確率期待大演出へ発展することが約束された」、または「その発展が略確実となった」と認識させることができる。
手段63:手段1〜手段62のいずれか一つの構成において、「前記共通演出実行手段は、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示すとともに、遊技の進行に伴って演出ポイントを付与することが可能な高確率期待小演出、及び、付与された前記演出ポイントの合計が一定値に達した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出を実行可能とし、
前記表示制御手段は、前記高確率期待小演出用として、
前記高確率期待小演出の継続導出回数を設定する導出回数設定手段と、
前記抽選結果が前記第四結果である場合、前記高確率期待小演出以上に発展させることなく該高確率期待小演出から前記通常状態演出へ戻す第一ルート、または前記高確率期待大演出まで発展させ、その後前記通常状態演出へ戻す第二ルート、のいずれか一方を、前記高確率期待小演出に移行する前に決定するルート決定手段と、
前記抽選結果が前記第四結果であり且つ前記ルート決定手段によって前記第一ルートに決定された場合には、前記導出回数設定手段で設定された継続導出回数の前記高確率期待小演出を行っても前記演出ポイントの合計が前記一定値に達しないように演出ポイント値を決定し、一方、前記抽選結果が前記第三結果の場合、または前記抽選結果が前記第四結果であり且つ前記ルート決定手段によって前記第二ルートに決定された場合には、最終回またはそれよりも僅かに前の回の前記高確率期待小演出が導出される際に前記演出ポイントの合計が前記一定値に達するように演出ポイント値を決定するポイント値決定手段と
を備える」ことを特徴とする遊技機。
手段63の構成によれば、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行させるか否かの判別、すなわち第一条件を満たすか否かの判別を、遊技の進行に伴って付与される演出ポイントに基づいて行っている。つまり、少なくとも高確率期待小演出において、演出ポイントが付与されるようになっており、その付与された演出ポイントの合計が一定値に達したとき、高確率期待小演出から高確率期待大演出へ移行することが可能になっている。
ところで、この場合、付与される演出ポイントの大きさによって、第三結果と第四結果とが区別して認識されることがないように、演出ポイント値の振分けを共通とすることが好ましいが、付与される演出ポイント値が大きすぎると、すぐに一定値に達し、第三結果の場合も第四結果の場合も容易に高確率期待大演出に移行することとなる。すなわち、高確率期待大演出を「確率変動状態が発生している可能性が高い演出(第三結果である可能性が高い演出)」として位置付けることが困難になる。一方、付与される演出ポイント値が小さすぎると、第三結果であってもなかなか一定値に達し難くなり、円滑な発展が望めなくなる。また、抽選結果が第三結果である場合には、一連の演出を高確率期待小演出で終わらせると、確率変動状態になっているにも拘わらず、遊技者は第四結果(小当り)であったと認識し、遊技を途中でやめてしまう恐れがある。
これに対し、手段63の構成では、まず、高確率期待小演出の継続導出回数が設定され、設定された回数の高確率期待小演出を行うようにしている。このため、高確率期待演出が極端に短くなって演出内容を十分に楽しませることができなくなったり、逆に極端に長くなり演出の繰り返しに飽きてしまうことを抑制できる。また、抽選結果が第四結果の場合には、高確率期待小演出に移行する前に、第一ルートまたは第二ルートのいずれかを抽選によって決定する。第一ルートは、高確率期待小演出から通常状態演出に戻るルートであり、第二ルートは、高確率期待小演出から高確率期待大演出に移行し、その後通常状態演出に戻るルートである。そして、演出ポイント値を決定するにあたり、抽選結果が第四結果であり、第一ルートに決定されている場合には、継続導出回数の高確率期待小演出を行っても演出ポイントの合計が一定値に達しないように演出ポイント値を決定する。一方、抽選結果が第三結果の場合、または抽選結果が第四結果であり第二ルートに決定されている場合には、最終回またはそれより少し前の回の高確率期待小演出が導出される際に、演出ポイントの合計が一定値に達するように演出ポイント値を決定する。つまり、抽選結果が第三結果の場合は、継続導出回数の高確率期待小演出が行われた後、常に高確率期待大演出に発展させ、一方抽選結果が第四結果の場合には、ルート決定手段によって決定されたルートに基づいて、高確率期待小演出で終了するパターンと、高確率期待大演出に発展するパターンとに分岐される。そして、高確率期待小演出で終了するパターンの場合には、演出ポイントの合計が一定値に達しないように演出ポイント値が低めに決定され、高確率期待大演出に発展するパターンの場合には、最終回の近くで演出ポイントの合計が丁度一定値に達するように演出ポイント値が決定される。
このため、確率変動状態であるにも拘わらず遊技を途中でやめてしまうことを防止できるとともに、高確率期待大演出を、「確率変動状態が発生している可能性が高い演出」として位置付けることが可能になる。また、高確率期待小演出が適度な回数だけ導出されることを確保し、しかも演出ポイント値の合計に基づいて高確率期待大演出へ移行するか否かを判別しているように見せることができる。
手段64:手段63の構成において、「前記ポイント値決定手段は、
演出ポイントの合計と付与される演出ポイント値の振分け(出現率)との関係を示すポイント振分けテーブルと、
付与する演出ポイント値を決定するための付与ポイント判定用乱数を抽出するポイント判定用乱数抽出手段とを備え、
該ポイント判定用乱数抽出手段によって前記付与ポイント判定用乱数が抽出されると、該付与ポイント判定用乱数、付与され貯えられている演出ポイントの合計、及び前記ポイント振分けテーブルに基づいて演出ポイント値を決定する」ことを特徴とする。
手段64の構成によれば、付与ポイント判定用乱数が抽出されると、既に貯えられている演出ポイントの合計と、抽出された付与ポイント判定用乱数と、ポイント振分けテーブルとから、演出ポイントの合計に対応する演出ポイント値を決定する。このため、演出ポイント値を決定する際には、「演出ポイントの合計が一定値に達しないこと」や、「最終演出付近で一定値に達すること」等の条件があるものの、その条件内で乱数に基づいた不特定の演出ポイントを発生させることが可能になる。したがって、演出ポイントへの注目が一層高まるとともに、演出ポイントを付与する際にメリハリをつけることが可能になる。
手段65:手段64の構成において、「前記ポイント振分けテーブルは、前記演出ポイントの合計が高い程、大きな演出ポイント値が付与され難くなるように、振分けがなされている」ことを特徴とする。
手段65の構成によれば、付与され貯えられている演出ポイントの合計が高いほど、大きな演出ポイント値が付与されにくくなっているため、演出ポイントの合計がすぐに一定値に達するのを抑制することができる。つまり、演出ポイントを収集する楽しみを比較的長期にわたって継続させることができる。逆に、演出ポイントの合計が低い場合には、比較的大きな演出ポイント値を付与することが可能になる。例えば、演出初期に大きな演出ポイント値を付与するようにすれば、それによって遊技者の意識をひきつけることが可能になる。
手段66:手段64または手段65の構成において、「前記抽選結果が前記第三結果の場合、または前記抽選結果が前記第四結果であり且つ前記ルート決定手段によって前記第二ルートに決定された場合において、前記高確率期待小演出が前記継続導出回数行われても、前記演出ポイントの合計が前記一定値に達しない場合には、前記高確率期待大演出に移行することを示す特殊図柄を表示させる特殊図柄表示手段をさらに備える」ことを特徴とする。
ところで、付与ポイント判定用乱数とポイント振分けテーブルとに基づいて演出ポイント値を決定する場合、演出ポイントの合計が一定値に達するように演出ポイント値を決定しても、演出ポイントの合計が一定値に満たないまま継続導出回数の演出が終わってしまう可能性がある。なお、最終演出時とそれ以外の時とで、決定に用いられる振分けテーブルを互いに異ならせれば、確実に一定値に到達させることが可能となるが、これによれば、多数の振分けテーブルを構築しなければならず、また処理が複雑となることから好ましくない。
これに対し、手段66の構成によれば、高確率期待大演出に移行することが決定されている場合において、最終回の高確率期待小演出が行われても演出ポイントの合計が一定値に達しない場合には、高確率期待大演出に移行することを示す特殊図柄を表示させる。これにより、「演出ポイントの合計を一定値に達成させることができなかったが、救済処置により高確率期待大へ移行した」と認識させることができ、演出ポイントが一定値に達しないまま高確率期待大演出に移行することに対して不可解な気持ちを喚起させることがない。
手段67:手段63〜手段66のいずれか一つの構成において、「前記通常状態演出は、前記演出ポイントを発生させることが可能な特殊演出を有しており、
前記ルート決定手段は、前記通常状態演出において貯えられた演出ポイントの合計と、前記第一ルート及び前記第二ルートの振分率との関係を示すルート振分けテーブルを備え、該ルート振分けテーブルでは、前記通常状態演出における前記演出ポイントの合計が高いほど前記第二ルートが選択される確率が高くなるように振分率が設定されている」ことを特徴とする。
手段67の構成によれば、演出ポイントは、高確率期待小演出だけではなく、通常状態演出においても付与される場合がある。したがって、通常状態演出において演出ポイントを取得する楽しみが増えるとともに、通常状態演出と高確率期待小演出とが互いに関連付けられることにより高確率期待小演出へ移行させたいという意欲を一層高めることができる。つまり、通常状態演出において、一定値に達するような演出ポイントが付与された場合には、「高確率期待小演出から高確率期待大演出へ発展することが約束された」、または「その発展が略確実となった」と認識させることができ、高確率期待小演出へ移行させることに対しての意欲を高めることができる。
また、通常状態演出で貯えられた演出ポイントの合計が大きいほど、第二ルートが選択される可能性が高くなる。換言すれば、譬え高確率期待小演出において付与される演出ポイントが少ない場合であっても、それ以前に蓄積された演出ポイントの合計が高い場合には、高確率期待大演出に移行する確率が高くなる。したがって、通常状態演出で付与される演出ポイントに対し、一層高い関心を持たせることができる。
手段68:手段63〜手段67のいずれか一つの構成において、「前記導出回数設定手段は、前記高確率期待小演出の継続導出回数を、遊技状態に基づいて変化させる回数可変手段を有する」ことを特徴とする。
手段68の構成によれば、高確率期待小演出の継続導出回数が遊技状態に基づいて変化するため、継続導出回数を予測させることが困難になり、その期間内に演出ポイントの合計が一定値に達するか否かについて一層ハラハラさせることができる。例えば、予測していた回数の高確率期待小演出が行われても演出ポイントの合計が一定値に到達しなかったため諦めていたところ、もう一度高確率期待小演出が行われて一定値に達することや、逆に、演出ポイントの合計が次第に高くなり、次の高確率期待小演出で一定値に達するものと確信していたところ、その回で演出が終了することなどが生じるようになる。
手段69:手段68の構成において、「前記回数可変手段は、前記ルート決定手段で決定されたルートと前記継続導出回数の振分けとの関係を示し前記第二ルートの方が前記第一ルートよりも前記継続導出回数が多くなるように設定された導出回数振分けテーブルと、
前記継続導出回数を決定するための回数判定用乱数を抽出する回数判定用乱数抽出手段と、
該回数判定用乱数抽出手段によって前記回数判定用乱数が抽出されると、該回数判定用乱数、決定されたルート、及び前記回数振分けテーブルに基づいて継続導出回数を決定する回数決定手段と
を備える」ことを特徴とする。
手段69の構成によれば、継続導出回数を設定する際、まず、回数判定用乱数が抽出され、その回数判定用乱数と、決定されたルート(第一ルートまたは第二ルート)と、回数振分けテーブルとに基づいて、継続導出回数が決定される。つまり、ルートに対応した振分けに基づいて継続導出回数が決定される。特に、回数振分けテーブルでは、第二ルートの方が第一ルートよりも継続導出回数が多くなるように設定されているため、高確率期待小演出の回数は、高確率期待大演出に発展するパターンの方が多くなる。したがって、高確率期待大演出に移行する場合には、その段階である高確率期待小演出によって期待感を次第に高めさせ高確率期待大演出へ移行した際の気分を高揚させることができる。一方、高確率期待大演出へ移行しない場合には、高確率期待小演出を比較的早い段階で終了させることにより、高確率期待大演出に発展しなかったことに対しての意欲の低下を抑制することができる。
手段70:手段63〜手段69のいずれか一つの構成において、「前記抽選結果が前記第三結果の場合、または前記抽選結果が前記第四結果であり且つ前記ルート決定手段によって前記第二ルートに決定された場合には、最終回の前記高確率期待小演出において、前記高確率期待大演出へ移行する旨の予告表示を行う移行先予告表示手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段70の構成によれば、高確率期待大演出へ移行する場合には、最終回の高確率期待小演出の際に、移行先を示す予告表示が行われる。このため、高確率期待小演出が終わったことと、移行先が高確率期待大演出であることを、遊技者に認識させることができる。したがって、一連の演出が円滑に行われるとともに、高確率期待大演出に移行することに対して期待感を大きく膨らませることができる。
手段71:手段1〜手段70のいずれか一つの構成において、「前記共通演出実行手段は、前記高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、予め定められた順に導出可能な複数の背景演出を有し、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出を実行可能とし、
前記表示制御手段は、前記高確率期待大演出用として、
前記高確率期待大演出における前記背景演出毎の導出回数を抽選に基づいて決定する導出回数決定手段と、
夫々の前記背景演出を有する前記高確率期待大演出を、前記導出回数決定手段によって決定された夫々の導出回数ずつ順次実行させる演出実行手段と、
前記抽選結果が前記第四結果の場合には、全ての前記高確率期待大演出の終了後、前記高確率期待大演出から前記通常状態演出に移行させ、前記抽選結果が前記第三結果の場合には、全ての前記高確率期待大演出の終了後、前記高確率期待大演出から前記高確率状態演出に移行させる演出移行制御手段と
を備える」ことを特徴とする遊技機。
手段71の構成によれば、高確率期待大演出は、予め定められた順に導出可能な複数の背景演出を有しており、高確率期待大演出の継続実行回数が、夫々の背景演出毎に設定される。特に、夫々の背景演出の導出回数は抽選によって決定されるようになっており、高確率期待大演出に移行する前に決定される。そして、抽選結果が第四結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、通常状態演出に移行し、一方、抽選結果が第三結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、高確率状態演出に移行する。つまり、高確率状態演出に移行する場合も移行しない場合も、夫々の背景演出が、抽選で決定された回数ずつ導出されるため、演出の内容や背景の変化を十分に楽しませることができる。つまり、夫々の導出回数を一定とするものに比べると、背景の変動パターンが複雑になり、その変化を予測し難くすることができる。また、演出が実行される毎に発展させるか否かを抽選するものに比べると、夫々の背景演出を適切な回数だけ導出させることができ、例えば高確率期待大演出を楽しませる間もなく終了したり、逆に、長々と繰り返されて飽きさせたりすることを防止できる。
手段72:手段71の構成において、「前記表示制御手段は、前記高確率期待大演出の合計導出回数を、前記抽選結果が前記第四結果の場合には一定回数未満に制限し、前記抽選結果が前記第三結果の場合には一定回数に制限する回数制限手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段72の構成によれば、背景演出毎の導出回数は抽選によって決定されるが、夫々の導出回数を全て累計した合計導出回数、すなわち全ての高確率期待大演出が継続して実行される回数は制限されている。具体的には、抽選結果が第四結果である場合には合計導出回数を一定回数未満に制限し、抽選回数が第三結果である場合には合計導出回数を一定回数に制限する。つまり、高確率状態演出に移行しない場合には、一定回数未満の高確率期待大演出が行われた後、通常状態に戻ることとなり、一方、高確率状態演出に移行する場合は、一定回数の高確率期待大演出が行われた後、発展することとなる。したがって、遊技者は、高確率期待大演出が一定回数連続して行われることを願うようになり、比較的単調な演出が繰り返されても、演出の繰返しに対して不満や苛立ちを喚起させることはない。換言すれば、高確率期待大演出の導出回数が長くなるほど期待感が高くなることから、演出の繰返しによって遊技意欲を高めることができる。
手段73:手段72の構成において、「前記一定回数は、前記確率変動状態において前記第一有利遊技状態または前記第二有利遊技状態が発生する確率を基に予測される、前記特定の利益が付与されるまでの予測回数よりも多くなっている」ことを特徴とする。
ところで、第三有利遊技状態によって確率変動状態になっていれば、高確率期待大演出が導出された後、ある程度の期間(すなわち当選確率に基づいて予測される抽選回数)が経過すると、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態が発生する(すなわち特定の利益が付与される)と予測することができる。ところが、抽選手段の当否はあくまで乱数によって決定されるため、数多くの抽選を行ったにも拘わらず、第一有利遊技状態も第二有利遊技状態も発生しない場合がある。そしてこの場合には、遊技者は「所定の利益が付与されたのは第四有利遊技状態によるものであって、確率変動状態が発生していなかったのでは」と意識するようになり、遊技の継続を諦めることが懸念される。
これに対し、手段73の構成によれば、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態になるであろうと予測される抽選回数が経過しても、そのような有利遊技状態にならない場合に、高確率状態演出へ移行する。つまり、「確率変動状態が発生していなかったのでは」と、遊技の終了を意識し始めるタイミングを狙って高確率状態演出を出現させる。したがって、高確率状態演出が出現されることによる喜びを一層大きなものとすることができるとともに、確率変動状態が潜伏しているにもかかわらず遊技を終了してしまうことを抑制できる。
手段74:手段71〜手段73のいずれか一つの構成において、「前記導出回数決定手段は、
夫々の前記背景演出の前記導出回数を組み合わせてグループ化した回数パターンと、前記抽選結果に対する前記回数パターンの振分との関係を示すパターン振分テーブルと、
前記高確率期待大演出に移行する前に、パターン選択用乱数を抽出するパターン選択用乱数抽出手段と、
該パターン選択用乱数抽出手段によって前記パターン選択用乱数が抽出されると、該パターン選択用乱数、前記抽選結果、及び前記パターン振分テーブルに基づいて前記回数パターンを決定するパターン決定手段と、
該パターン決定手段によって決定された前記回数パターンから、各背景演出における夫々の導出回数を認識する導出回数認識手段と
を備える」ことを特徴とする。
手段74の構成によれば、高確率期待大演出に移行する前に、パターン選択用乱数が抽出され、このパターン選択用乱数と、抽選結果(第三結果または第四結果)と、パターン振分テーブルとに基づいて回数パターンが決定される。ここで、回数パターンは、各背景演出の導出回数を組み合わせてグループ化したものであり、夫々の回数パターン同士では、少なくとも一つの背景演出における導出回数が互いに異なるように設定されている。そこで、一つの回数パターンが決定されると、その回数パターンから、夫々の背景演出における導出回数を認識し、夫々の背景演出を認識された回数ずつ行う。このように、夫々の導出回数をパターンとしてグループ化することにより、高確率期待大演出全体の回数(合計導出回数)を適切な回数に設定することができるとともに、夫々の背景演出の導出回数を不規則に変化させることができる。すなわち、背景演出毎の導出回数に変化を持たせながらも、高確率期待大演出全体の実行回数が極端に長くなったり、極端に短くなったりすることを確実に防止できる。
手段75:手段1〜手段74のいずれか一つの構成において、「前記高確率期待大演出は、主演出の背景として、遊技の進行に伴って順次切り替わる複数の背景演出を有し、前記抽選手段の抽選結果が前記第三結果の場合には、前記抽選結果が前記第四結果の場合よりも、前記背景演出の切り替わりが遅くなる確率を高くする」ことを特徴とする遊技機。
手段75の構成によれば、高確率期待大演出では、遊技の進行に伴って背景演出が順に切り替わるようになっている。このため、高確率期待大演出の出現が所定回数継続しても、演出の内容に変化を持たせ、演出に対して飽きてしまうことを抑制できる。また、背景演出の切り替わりが遅いほど、第三結果である可能性、すなわち高確率状態演出へ移行する可能性が高くなることから、遊技者は、背景の切り替わりに対しても注目するようになる。つまり、仮に、「同じ演出が一定回数導出された後に高確率状態演出に移行するもの」とした場合には、その演出が継続して出現するか否かのみが注目され、演出内容に対しての興味が薄くなることが懸念されるが、本発明によれば、背景演出が変化しないように願うことから、演出内容についても注目させることができる。
手段76:手段75の構成において、「前記表示制御手段は、
前記高確率期待大演出における前記背景演出毎の導出回数を抽選に基づいて決定する導出回数決定手段と、
夫々の前記背景演出を有する前記高確率期待大演出を、前記導出回数決定手段によって決定された夫々の導出回数ずつ順次実行させる演出実行手段と、
前記抽選結果が前記第四結果の場合には、全ての前記高確率期待大演出の終了後、前記高確率期待大演出から前記通常状態演出に移行させ、前記抽選結果が前記第三結果の場合には、全ての前記高確率期待大演出の終了後、前記高確率期待大演出から前記高確率状態演出に移行させる演出移行制御手段と
をさらに備え、
前記導出回数決定手段は、
前記抽選手段の抽選結果が前記第四結果の場合に用いられ前記背景演出毎の導出回数と該導出回数の選択率との関係を示す第一導出回数テーブルと、
前記抽選結果が前記第三結果の場合に用いられ、前記背景演出毎の導出回数と該導出回数の選択率との関係を示すとともに、前記第一導出回数テーブルよりも、前記導出回数の多い側の選択率が高くなるように設定された第二導出回数テーブルと、
導出回数を決定するための導出回数用乱数を抽出する導出回数用乱数抽出手段と
を有し、
前記抽選手段の抽選結果が第四結果の場合には、抽出された前記導出回数用乱数及び前記第一導出回数テーブルに基づいて前記背景演出毎の導出回数を決定し、前記抽選手段の抽選結果が第三結果の場合には、前記導出回数用乱数及び前記第二導出回数テーブルに基づいて前記背景演出毎の導出回数を決定する」ことを特徴とする。
手段76の構成によれば、高確率期待大演出は、予め定められた順に導出可能な複数の背景演出を有しており、高確率期待大演出の導出回数が、夫々の背景演出毎に設定される。特に、夫々の背景演出の導出回数は抽選(乱数やテーブル)に基づいて決定されるようになっており、高確率期待大演出に移行する前に決定される。
そして、抽選手段の抽選結果が第四結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、通常状態演出に移行し、一方、抽選結果が第三結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、高確率状態演出に移行する。つまり、高確率状態演出に移行する場合も移行しない場合も、夫々の背景演出が、抽選で決定された回数ずつ導出されるため、演出の内容や背景の変化を十分に楽しませることができる。つまり、夫々の導出回数を一定とするものに比べると、背景の変動パターンが複雑になり、その変化を予測し難くすることができる。また、演出が実行される毎に発展させるか否かを抽選するものに比べると、夫々の背景演出を適切な回数だけ導出させることができ、例えば高確率期待大演出を楽しませる間もなく終了したり、逆に、長々と繰り返されて飽きさせたりすることを防止できる。
しかも、背景演出毎の導出回数を決定するために、抽選結果が第四結果の場合に用いられる第一導出回数テーブルと、抽選結果が第三結果の場合に用いられる第二導出回数テーブルとが備えられている。どちらの導出回数テーブルも、複数の導出回数と夫々の選択率(振分け)との関係が記憶されているが、第二導出回数テーブルの方が、第一導出回数テーブルよりも、導出回数の多い側の選択率が高くなるように設定されている。そして、導出回数決定手段は、抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、導出回数用乱数及び第一導出回数テーブルに基づいて背景演出毎の導出回数を決定し、一方、抽選結果が第三結果の場合には、導出回数用乱数及び第二導出回数テーブルに基づいて背景演出毎の導出回数を決定する。このように、抽選手段の抽選結果に対応した別々の導出回数テーブルを用いて導出回数を決定することにより、第三結果の場合と第四結果の場合とで背景演出毎の導出回数を互いに異ならせることができ、ひいては、第三結果の場合における背景演出の切り替わりを、第四結果の場合よりも遅らせ易くすることができる。
手段77:手段76の構成において、「前記第一導出回数テーブル及び第二導出回数テーブルには、夫々の前記背景演出の前記導出回数をグループ化した複数の回数パターンと、夫々の該回数パターンの選択率との関係が示され、
前記導出回数決定手段は、前記導出回数用乱数が抽出されると、該導出回数用乱数に対応する前記回数パターンを前記第一導出回数テーブルまたは前記第二導出回数テーブルから抽出し、抽出された前記回数パターンに基づいて、前記背景演出毎の導出回数を決定する」ことを特徴とする。
手段77の構成によれば、導出回数用乱数と、第一導出回数テーブルまたは第二導出回数テーブルとに基づいて回数パターンが決定される。ここで、回数パターンは、各背景演出の導出回数を組み合わせてグループ化したものであり、夫々の回数パターン同士では、少なくとも一つの背景演出における導出回数が互いに異なるように設定されている。そこで、一つの回数パターンが決定されると、その回数パターンから、夫々の背景演出における導出回数を認識し、夫々の背景演出を認識された回数ずつ行う。このように、夫々の導出回数をパターンとしてグループ化することにより、高確率期待大演出全体の回数(合計導出回数)を適切な回数に設定することができるとともに、夫々の背景演出の導出回数を任意に変化させることができる。例えば、高確率期待大演出全体の回数が互いに等しくても、最後の背景演出における導出回数を比較的短くすることにより、それより以前の背景演出の導出回数を増やすことが可能になり、ひいては、相対的に背景の切り替わりを遅らせることが可能になる。
手段78:手段77の構成において、「前記表示制御手段は、前記高確率期待大演出の合計導出回数を、前記抽選結果が前記第四結果の場合には一定回数未満に制限し、前記抽選結果が前記第三結果の場合には一定回数に制限する回数制限手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段78の構成によれば、夫々の導出回数を全て累計した合計導出回数、すなわち全ての高確率期待大演出が連続して実行される回数を制限する。具体的には、抽選結果が第四結果である場合には合計導出回数を一定回数未満に制限し、抽選回数が第三結果である場合には合計導出回数を一定回数に制限する。つまり、高確率状態演出に移行しない場合には、一定回数未満の高確率期待大演出が行われた後、通常状態に戻ることとなり、一方、高確率状態演出に移行する場合は、一定回数の高確率期待大演出が行われた後、発展することとなる。したがって、遊技者は、高確率期待大演出が一定回数連続して行われることを願うようになり、比較的単調な演出が繰り返されても、演出の繰返しに対して不満や苛立ちを喚起させることはない。換言すれば、高確率期待大演出の導出回数が長くなるほど期待感が高くなることから、演出の繰返しによって遊技意欲を高めることができる。また、第三結果の方が第四結果よりも合計導出回数が大きくなるため、第三結果に対する個々の背景演出の導出回数を相対的に長くすることが可能である。
手段79:手段78の構成において、「前記一定回数は、前記確率変動状態において前記第一有利遊技状態または前記第二有利遊技状態が発生する確率を基に予測される、特定の利益が付与されるまでの予測変動回数よりも多くなっている」ことを特徴とする。
ところで、第三有利遊技状態によって確率変動状態になっていれば、高確率期待大演出が導出された後、ある程度の期間(すなわち当選確率に基づいて予測される抽選回数)が経過すると、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態が発生する(すなわち特定の利益が付与される)と予測することができる。ところが、抽選手段の当否はあくまで乱数によって決定されるため、数多くの抽選を行ったにも拘わらず、第一有利遊技状態も第二有利遊技状態も発生しない場合がある。そしてこの場合には、遊技者は「所定の利益が付与されたのは第四有利遊技状態によるものであって、確率変動状態が発生していなかったのでは」と意識するようになり、遊技の継続を諦める虞がある。
これに対し、手段79の構成によれば、抽選結果が第三結果の場合、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態になるであろうと予測される抽選回数が経過しても、そのような有利遊技状態にならない場合に、高確率状態演出へ移行する。つまり、「確率変動状態が発生していなかったのでは」と、遊技の終了を意識し始めるタイミングを狙って高確率状態演出を出現させる。したがって、高確率状態演出が出現されることによる喜びを一層大きなものとすることができるとともに、確率変動状態が潜伏しているにもかかわらず遊技を終了してしまうことを抑制できる。
手段80:「遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
該記演出表示手段の前方に出現し、表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
第一特別図柄が表示される第一特別図柄表示器と、
第二特別図柄が表示される第二特別図柄表示器と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な第一始動口と、
該第一始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する第一入賞状態検出手段と、
該第一入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて抽選を行う第一抽選手段と、
該第一抽選手段の抽選結果に対応した前記第一特別図柄の停止図柄を決定する第一表示態様決定手段と、
前記第一入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて前記第一特別図柄を変動させるとともに、前記第一表示態様決定手段によって決定された停止図柄で前記第一特別図柄の変動を停止させる第一特別図柄変動制御手段と、
前記遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な第二始動口と、
特定の遊技状態か否かを判定する遊技状態判定手段と、
該遊技状態判定手段によって前記特定の遊技状態になったことが判定されると、前記第二始動口を前記遊技媒体の入賞が可能な状態へと変化させる頻度を高くする入賞率変更手段と、
前記第二始動口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する第二入賞状態検出手段と、
該第二入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて抽選を行う第二抽選手段と、
該第二抽選手段の抽選結果に対応した前記第二特別図柄の停止図柄を決定する第二表示態様決定手段と、
前記第二入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて前記第二特別図柄を変動させるとともに、前記第二表示態様決定手段によって決定された停止図柄で前記第二特別図柄の変動を停止させる第二特別図柄変動制御手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
該開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段と、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が第一結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とし、且つ、前記第一特別図柄表示器または前記第二特別図柄表示器で変動する前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動時間を通常時よりも相対的に短くするとともに前記第二始動口への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が第二結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、前記確率変動状態を発生させることなく、少なくとも前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動回数が所定回数になるまで前記時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が第三結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、抽選した時点での遊技状態が少なくとも前記確率変動状態ではなく且つ前記時短遊技状態でもない場合、前記確率変動状態を発生させるものの、前記時短遊技状態としない有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記第一抽選手段または前記第二抽選手段の抽選結果が前記第三結果であり前記第四結果でない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
ここで、「特定の遊技状態」としては、いわゆる確変遊技状態または時短遊技状態を例示することができるが、これ以外の遊技状態であっても、遊技者にとって有利となる遊技状態であれば、特定の遊技状態として適用することが可能である。
手段80の構成によれば、遊技領域には、少なくとも、第一始動口及び第二始動口が設けられており、第一始動口に遊技媒体が入賞したことが検出されると、それに基づいて第一抽選手段による抽選が行われる。また、第二始動口に遊技媒体が入賞したことが検出されると、それに基づいて第二抽選手段による抽選が行われる。一方、抽選結果に対応する特別図柄が変動表示される特別図柄表示器が設けられており、第一特別図柄変動制御手段は、第一特別図柄表示器において第一特別図柄を変動させるとともに、第一抽選手段の抽選結果に基づいて決定された第一特別図柄で停止させる。また、同様に、第二特別図柄変動制御手段は、第二特別図柄表示器において第二特別図柄を変動させるとともに、第二抽選手段の抽選結果に基づいて決定された第二特別図柄で停止させる。つまり、何れか一方の始動口に遊技媒体が入賞した場合には、その始動口に対応する特別図柄が変動し、両方の始動口に遊技媒体が入賞した場合には、二つの特別図柄が変動する。
また、本発明では、特定の遊技状態になったことが遊技状態判定手段によって判定されると、第二始動口を遊技媒体の入賞が可能な状態へと変化させる頻度を高くする。つまり、通常時においては、第二始動口に対して遊技媒体の入賞が極めて困難となるため、主に第一始動口への入賞に基づいて抽選が行われるとともに、一種類の抽選にかかる表示態様が表示手段に導出されることが多くなる。一方、特定の遊技状態になると、第二始動口に対して遊技媒体を容易に入賞させることが可能となる。このため、第一抽選手段による抽選と第二抽選手段による抽選とが行われる機会が増大し、特定の遊技状態における有利性が向上する。
また、本発明では、「当り」として、少なくとも四種類の有利遊技状態を択一的に発生させることが可能となっている。
第一有利遊技状態は、第一抽選手段または第二抽選手段の抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、まず遊技者に特定の利益を付与する。また、その後の夫々の抽選に対して、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する(所謂、「確率変動状態」とする)。さらに、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器で変動する第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を短縮させるとともに第二始動口への入賞のし易さを通常よりも増加させる(所謂、「時短遊技状態」とする)。
第二有利遊技状態は、第一抽選手段または第二抽選手段の抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、「第一有利遊技状態」と同様、遊技者に特定の利益が付与される。しかし、その後の抽選に対しては、確率変動状態にはならず、通常時の確率(低確率)となることから、遊技者の期待感を持続させることは困難である。ただし、この「第二有利遊技状態」では、特定の利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数になるまで時短遊技状態となる。
第三有利遊技状態は、第一抽選手段または第二抽選手段の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、遊技者に所定の利益を付与する。また、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する(所謂、「確率変動状態」とする)。
第四有利遊技状態は、第一抽選手段または第二抽選手段の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、「第三有利遊技状態」と同様、遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態も時短遊技状態も発生させない。
なお、第三有利遊技状態では、時短遊技状態を発生させることなく、しかも演出表示手段に対しては、第四有利遊技状態の場合と同様の演出(通常状態演出、高確率期待小演出、及び高確率期待大演出)を出現可能とすることから、「第四有利遊技状態」と比べ、視覚的に区別することができなくなる。換言すれば、「第四有利遊技状態」が発生した場合であっても、「第三有利遊技状態であるかも知れない」と推測させることが可能となり、遊技者の期待感を高めることができる。
特に、所定の演出状態になると、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様に基づいて可動する。このため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物による演出とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。また、この装飾可動体は出没可能であり、所定の演出状態の際に突然出現することから、遊技者に驚きやワクワク感を与えることができ、遊技意欲を高めることができる。
手段81:「特別図柄が表示される特別図柄表示器と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な始動口と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
前記始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する入賞状態検出手段、
該入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて抽選を行う抽選手段、
該抽選手段の抽選結果に対応した前記特別図柄の停止図柄を決定する表示態様決定手段、
前記入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて前記特別図柄を変動させるとともに、前記表示態様決定手段によって決定された停止図柄で前記特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段、
前記抽選手段の抽選結果が第一結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とし、且つ、前記特別図柄表示器で変動する前記特別図柄の変動時間を通常時よりも相対的に短くするとともに前記始動口への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段、
前記抽選手段の抽選結果が第二結果の場合、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、前記確率変動状態を発生させることなく、少なくとも前記特別図柄の変動回数が所定回数になるまで前記時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段、
前記抽選手段の抽選結果が第三結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、抽選した時点での遊技状態が少なくとも前記確率変動状態ではなく且つ前記時短遊技状態でもない場合、前記確率変動状態を発生させるものの、前記時短遊技状態としない有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段、
及び、前記抽選手段の抽選結果が第四結果の場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段
を有する主基板と、
遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
前記演出表示手段に装飾図柄を変動させるとともに、抽選結果を基に前記装飾図柄を所定の図柄で停止させる装飾図柄変動制御手段、
前記抽選手段の抽選結果が前記第一結果または前記第二結果である場合、該抽選結果にかかる装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを表示する当り表示手段、
及び、前記抽選手段の抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする当選状態黙示手段
を有する周辺基板と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記抽選手段の抽選結果が前記第三結果または前記第四結果である場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記抽選手段の抽選結果が前記第三結果であり前記第四結果でない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
手段81の構成によれば、制御の内容が、主基板と周辺基板とで分担され、主基板では、遊技状態に基づいて所定の抽選を行うとともに、特別図柄表示器において特別図柄を変動させ抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる処理が実行される。また、抽選手段の抽選結果に基づいて、「第一有利遊技状態」、「第二有利遊技状態」、「第三有利遊技状態」、及び「第四有利遊技状態」のうち、いずれか一つの当りを実行させることを可能にする。「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」では特定の利益を遊技者に付与し、「第三有利遊技状態」、または「第四有利遊技状態」では特定の利益よりも有利性の低い所定の利益を付与する。また、「第一有利遊技状態」、及び「第三有利遊技状態」では遊技状態を確率変動状態とし、次回における特定の利益が付与される確率を通常時よりも高くする。ただし、確率変動状態ではなく時短遊技状態でもない場合に「第三有利遊技状態」を発生させる場合には、「第一有利遊技状態」のような時短遊技状態を発生させないようにする。つまり、「第四有利遊技状態(小当り)」の場合と比べ、視覚的に判別不能な状態とする。
一方、周辺基板では、演出表示手段に装飾図柄を変動させるとともに、抽選結果を基に装飾図柄を所定の図柄で停止させる。また、「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」であった場合には、抽選結果にかかる装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを演出表示手段に導出する。これに対し、「第三有利遊技状態」または「第四有利遊技状態」である場合には、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする。すなわち、演出表示手段に出現可能な演出として、互いに同じ内容の複数の演出(通常状態演出、高確率期待小演出、及び高確率期待大演出)を有し、その中から1つの演出を導出させる。したがって、特定の利益が付与される場合には、「当り」であることの表示によって、当りの種別を容易に認識させ、一方、所定の利益が付与される場合は、どちらの当りであるのかを不明朗にし、「第四有利遊技状態」による遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、所定の演出状態になると、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様に基づいて可動するため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物による演出とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。
なお、装飾図柄の変動制御、及び抽選手段における当否の表示を、周辺基板において行わせることにより、主基板の負担を大きくすることなく、多彩な演出を容易に実現させることが可能になる。
手段82:「特別図柄が表示される特別図柄表示器と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が入賞可能な始動口と、
該始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
前記入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、当り判定用乱数を抽出する当り判定用乱数抽出手段、
前記入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、当り図柄用乱数を抽出する当り図柄用乱数抽出手段、
前記特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)を、前記当り判定用乱数及び前記当り図柄用乱数を基に抽出する変動時間用乱数抽出手段、
抽出される前記当り判定用乱数と当りの当否との関係を示す当り判定用テーブル、
抽出される前記当り図柄用乱数と前記特別図柄表示器において抽選結果として変動停止される変動停止図柄との関係を示す当り図柄用テーブル、
前記当りの場合に用いられ、抽出される前記変動時間用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す当り時変動時間設定用テーブル、
外れの場合に用いられ、抽出される前記変動時間用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す外れ時変動時間設定用テーブル、
前記当り判定用乱数が抽出されると、該当り判定用乱数と前記当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する当否決定手段、
前記当り図柄用乱数が抽出されると、該当り図柄用乱数と前記当り図柄用テーブルとから前記特別図柄表示器における変動停止図柄を決定する停止図柄決定手段、
前記変動時間用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって当りであることが決定されると、前記変動時間用乱数と前記当り時変動時間設定用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定し、一方、前記変動時間用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって外れであることが決定されると、前記変動時間用乱数と前記外れ時変動時間設定用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段、
前記入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出に従って前記特別図柄表示器において前記特別図柄の変動を開始させるとともに、前記変動時間決定手段によって決定された前記変動時間の経過後、前記停止図柄決定手段によって決定された前記変動停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段、
前記当否決定手段によって第一当りであることが決定されると、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とし、且つ、前記特別図柄表示器で変動する前記特別図柄の変動時間を通常時よりも相対的に短くするとともに前記始動口への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段、
前記当否決定手段によって第二当りであることが決定されると、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、前記確率変動状態を発生させることなく、少なくとも前記特別図柄の変動回数が所定回数になるまで前記時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段、
前記当否決定手段によって第三当りであることが決定されると、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、抽選した時点での遊技状態が少なくとも前記確率変動状態ではなく且つ前記時短遊技状態でもない場合、前記確率変動状態を発生させるものの、前記時短遊技状態としない有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段、
前記当否決定手段によって第四当りであることが決定された場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段、
及び、少なくとも夫々の当りの有無に関する当否コマンド、前記特別図柄の変動態様(変動時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段
を有する主制御手段と、
装飾図柄が表示される演出表示手段と、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
該演出表示手段に装飾図柄を変動させるとともに、前記主制御手段から発信される制御コマンドを受信し、該制御コマンドを基に前記装飾図柄を所定の図柄で停止させる装飾図柄変動制御手段、
前記制御コマンドに基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段、
前記当否決定手段によって第一当りまたは前記第二当りであることが決定されると、装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを表示する当り表示手段、
及び、前記当否決定手段によって第三当りまたは前記第四当りであることが決定されると、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする当選状態黙示手段
を有する副制御手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記当否決定手段による抽選結果が前記第三当りまたは前記第四当りである場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記当否決定手段による抽選結果が前記第三当りであり前記第四当りでない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
手段82の構成によれば、主制御手段では、入賞状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて、当り判定用乱数及び当り図柄用乱数を夫々抽出し、さらにこれらの乱数を基に変動時間用乱数を抽出する。その後、当り判定用乱数と当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する。また、当り図柄用乱数と当り図柄用テーブルとから特別図柄表示器における変動停止図柄を決定する。さらに、当りであることが決定された場合には、変動時間用乱数と当り時変動時間設定用テーブルとから特別図柄の変動時間を決定し、一方、外れであることが決定された場合には、変動時間用乱数と外れ時変動時間設定用テーブルとから特別図柄の変動時間を決定する。そして特別図柄表示器において特別図柄の変動を開始させるとともに、変動時間可変テーブルを用いて決定された変動時間の経過後、当り図柄用テーブルを用いて決定された変動停止図柄で変動停止させる。
また、当りであることが決定された場合には、特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。具体的には、当り判定用乱数に基づいて、「第一有利遊技状態」、「第二有利遊技状態」、「第三有利遊技状態」、及び「第四有利遊技状態」のうち、いずれか一つの有利遊技状態を特定し実行させる。なお、各有利遊技状態での処理は、手段81の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
ところで、主制御手段では、特別図柄の変動開始の際に、少なくとも当りの有無に関する当否コマンド、及びこの特別図柄の変動態様に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信する。すると、副制御手段では、これらの制御コマンドを受信し、制御コマンドに従った処理を行う。すなわち、副制御手段は、主制御手段から送信される制御コマンドを基に抽選手段の抽選結果を認識し、それらの抽選結果を基に装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる。
また、「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」であった場合には、抽選結果にかかる装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを演出表示手段に導出する。これに対し、「第三有利遊技状態」または「第四有利遊技状態」である場合には、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする。すなわち、演出表示手段に出現可能な演出として、互いに同じ内容の複数の演出(通常状態演出、高確率期待小演出、及び高確率期待大演出)を備え、その中から1つの演出を導出させる。
また、所定の演出状態になると、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様に基づいて可動するため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物による演出とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。
なお、本構成によれば、複数のテーブルを用いることにより、複雑な制御を比較的容易に処理することが可能となる。
手段83:「第一特別図柄が表示される第一特別図柄表示器と、
第二特別図柄が表示される第二特別図柄表示器と、
遊技領域内に配置され遊技媒体が常時入賞可能な第一始動口と、
前記遊技領域内に配置され開放した場合に遊技媒体が入賞可能となる第二始動口と、
前記第一始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する第一入賞状態検出手段と、
前記第二始動口に遊技媒体が入賞したことを検出する第二入賞状態検出手段と、
所定の開閉動作を行い、閉状態から開状態に変化することで前記遊技媒体が入賞可能となる開閉入賞装置と、
特定の遊技状態か否かを判定する遊技状態判定手段、
該遊技状態判定手段によって前記特定の遊技状態になったことが判定されると、前記第二始動口を前記遊技媒体の入賞が可能な状態へと変化させる頻度を高くする入賞率変更手段、
前記第一入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第一当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段、
前記第二入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第二当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段、
前記第一入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第一当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段、
前記第二入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第二当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段、
前記第一特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる第一変動表示パターン乱数(第一変動時間用乱数)を、前記第一当り判定用乱数及び前記第一当り図柄用乱数を基に抽出する第一変動時間用乱数抽出手段、
前記第二特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる第二変動表示パターン乱数(第二変動時間用乱数)を、前記第二当り判定用乱数及び前記第二当り図柄用乱数を基に抽出する第二変動時間用乱数抽出手段、
抽出される前記第一当り判定用乱数と当りの当否との関係を示す第一当り判定用テーブル、
抽出される前記第二当り判定用乱数と当りの当否との関係を示す第二当り判定用テーブル、
抽出される前記第一当り図柄用乱数と前記第一特別図柄表示器において抽選結果として変動停止される第一変動停止図柄との関係を示す第一当り図柄用テーブル、
抽出される前記第二当り図柄用乱数と前記第二特別図柄表示器において抽選結果として変動停止される第二変動停止図柄との関係を示す第二当り図柄用テーブル、
前記当りの場合に用いられ、抽出される前記第一変動時間用乱数と前記第一特別図柄表示器における前記第一特別図柄の変動時間との関係を示す第一当り時変動時間設定用テーブル、
前記当りの場合に用いられ、抽出される前記第二変動時間用乱数と前記第二特別図柄表示器における前記第二特別図柄の変動時間との関係を示す第二当り時変動時間設定用テーブル、
外れの場合に用いられ、抽出される前記第一変動時間用乱数と前記第一特別図柄表示器における前記第一特別図柄の変動時間との関係を示す第一外れ時変動時間設定用テーブル、
外れの場合に用いられ、抽出される前記第二変動時間用乱数と前記第二特別図柄表示器における前記第二特別図柄の変動時間との関係を示す第二外れ時変動時間設定用テーブル、
前記第一当り判定用乱数が抽出されると、該第一当り判定用乱数と前記第一当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する第一当否決定手段、
前記第二当り判定用乱数が抽出されると、該第二当り判定用乱数と前記第二当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する第二当否決定手段、
前記第一当り図柄用乱数が抽出されると、該第一当り図柄用乱数と前記第一当り図柄用テーブルとから前記第一特別図柄表示器における第一変動停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段、
前記第二当り図柄用乱数が抽出されると、該第二当り図柄用乱数と前記第二当り図柄用テーブルとから前記第二特別図柄表示器における第二変動停止図柄を決定する第二停止図柄決定手段、
前記第一変動時間用乱数が抽出され、且つ前記第一当否決定手段によって当りであることが決定されると、前記第一変動時間用乱数と前記第一当り時変動時間設定用テーブルとから前記第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、前記第一変動時間用乱数が抽出され、且つ前記第一当否決定手段によって外れであることが決定されると、前記第一変動時間用乱数と前記第一外れ時変動時間設定用テーブルとから前記第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段、
前記第二変動時間用乱数が抽出され、且つ前記第二当否決定手段によって当りであることが決定されると、前記第二変動時間用乱数と前記第二当り時変動時間設定用テーブルとから前記第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、前記第二変動時間用乱数が抽出され、且つ前記第二当否決定手段によって外れであることが決定されると、前記第二変動時間用乱数と前記第二外れ時変動時間設定用テーブルとから前記第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段、
前記第一入賞状態検出手段及び前記第二入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出順に従って前記第一特別図柄表示器または前記第二特別図柄表示器において前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動を開始させるとともに、前記第一変動時間決定手段または前記第二変動時間決定手段によって決定された変動時間の経過後、前記第一停止図柄決定手段または前記第二停止図柄決定手段によって決定された前記第一変動停止図柄または前記第二変動停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、数個の遊技媒体が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与する所定利益付与手段、
前記開閉入賞装置の一回当りの開放時間を、複数個の遊技媒体がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、前記開閉入賞装置の開閉動作を、前記所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多く行うことで、遊技者に特定の利益を付与する特定利益付与手段、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段によって第一当りであることが決定されると、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、その後の抽選において少なくとも前記特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とし、且つ、前記第一特別図柄表示器または前記第二特別図柄表示器で変動する前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動時間を通常時よりも相対的に短くするとともに前記第二始動口への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第一有利遊技状態制御手段、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段によって第二当りであることが決定されると、前記特定利益付与手段によって前記遊技者に前記特定の利益を付与するとともに、前記確率変動状態を発生させることなく、少なくとも前記第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数になるまで前記時短遊技状態とする有利遊技状態を付与する第二有利遊技状態制御手段、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段によって第三当りであることが決定されると、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するとともに、抽選した時点での遊技状態が少なくとも前記確率変動状態ではなく且つ前記時短遊技状態でもない場合、前記確率変動状態を発生させるものの、前記時短遊技状態としない有利遊技状態を付与する第三有利遊技状態制御手段、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段によって第四当りであることが決定された場合、前記所定利益付与手段によって前記遊技者に前記所定の利益を付与するものの、有利遊技状態が生起することのない第四有利遊技状態制御手段、
及び、少なくとも夫々の当りの有無に関する当否コマンド、前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動態様(変動時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段
を有する主制御手段と、
第一装飾図柄及び第二装飾図柄が夫々表示される演出表示手段と、
前記演出表示手段の前方に出現し、前記表示制御手段による前記表示態様に基づいて可動する装飾可動体と、
該演出表示手段に第一装飾図柄を変動させるとともに、前記主制御手段から発信される制御コマンドを受信し、該制御コマンドを基に前記第一装飾図柄を所定の図柄で停止させる第一装飾図柄変動制御手段、
前記演出表示手段に第二装飾図柄を変動させるとともに、前記主制御手段から発信される制御コマンドを受信し、該制御コマンドを基に前記第二装飾図柄を所定の図柄で停止させる第二装飾図柄変動制御手段、
前記制御コマンドに基づいて抽選に関する表示態様を特定するとともに、該表示態様を前記演出表示手段に導出する表示制御手段、
順次または並行して行い得る前記第一当否決定手段または前記第二当否決定のいずれか一方の判定結果が前記第一当りまたは前記第二当りである場合、該当否決定手段にかかる装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを表示する当り表示手段、
及び、順次または並行して行い得る前記第一当否決定手段または前記第二当否決定のいずれか一方の判定結果が前記第三当りまたは前記第四当りである場合、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする当選状態黙示手段
を有する副制御手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段による抽選結果が前記第三当りまたは前記第四当りである場合に出現可能な共通の前記表示態様として、
通常の遊技状態であることを示す通常状態演出、
前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出、
及び、該高確率期待小演出において所定の第一条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出
を実行可能とする共通演出実行手段と、
前記第一当否決定手段または前記第二当否決定手段による抽選結果が前記第三当りであり前記第四当りでない場合に出現可能な第三有利遊技状態特有の前記表示態様として、
前記高確率期待大演出において所定の第二条件が成立した場合に出現可能な演出であって、前記第三有利遊技状態制御手段によって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出、を実行可能とする第三特有演出実行手段とを有する」ことを特徴とする遊技機。
手段83の構成によれば、主制御手段では、第一入賞状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて、第一当り判定用乱数及び第一当り図柄用乱数を夫々抽出し、さらにこれらの乱数を基に第一変動時間用乱数を抽出する。その後、第一当り判定用乱数と第一当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する。また、第一当り図柄用乱数と第一当り図柄用テーブルとから第一特別図柄表示器における第一変動停止図柄を決定する。さらに、当りであることが決定された場合には、第一変動時間用乱数と第一当り時変動時間設定用テーブルとから第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、外れであることが決定された場合には、第一変動時間用乱数と第一外れ時変動時間設定用テーブルとから第一特別図柄の変動時間を決定する。そして第一特別図柄表示器において第一特別図柄の変動を開始させるとともに、第一変動時間可変テーブルを用いて決定された変動時間の経過後、第一当り図柄用テーブルを用いて決定された第一変動停止図柄で変動停止させる。
また、同様に、主制御手段では、第二入賞状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて、第二当り判定用乱数及び第二当り図柄用乱数を夫々抽出し、これらの乱数を基に第二変動時間用乱数を抽出する。その後、第二当り判定用乱数と第二当り判定用テーブルとから当りの当否を決定する。また、第二当り図柄用乱数と第二当り図柄用テーブルとから第二特別図柄表示器における第二変動停止図柄を決定する。さらに、当りであることが決定された場合には、第二変動時間用乱数と第二当り時変動時間設定用テーブルとから第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、外れであることが決定された場合には、第二変動時間用乱数と第二外れ時変動時間設定用テーブルとから第二特別図柄の変動時間を決定する。そして第二特別図柄表示器において第二特別図柄の変動を開始させるとともに、第二変動時間可変テーブルを用いて決定された変動時間の経過後、第二当り図柄用テーブルを用いて決定された第二変動停止図柄で変動停止させる。
また、主制御手段では、遊技状態が特定の遊技状態になったとき、第二始動口を遊技媒体の入賞が可能な状態へと変化させる頻度を高くするようにしている。このため、通常時は、第一始動口への入賞に基づいて抽選が行われるとともに、第一特別図柄が変動表示されることとなり、一方、特定の遊技状態になると、第二始動口にも入賞させ易くなり、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動表示が順に行われることが多くなる。
また、当りであることが決定された場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。具体的には、第一当り判定用乱数または第二当り判定用乱数に基づいて、「第一有利遊技状態」、「第二有利遊技状態」、「第三有利遊技状態」、及び「第四有利遊技状態」のうち、いずれか一つの有利遊技状態を特定し実行させる。なお、各有利遊技状態における処理に関しては、手段10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
ところで、主制御手段では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動開始の際に、少なくとも両抽選手段における当りの有無に関する当否コマンド、及びこれら特別図柄の変動態様に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信する。すると、副制御手段では、これらの制御コマンドを受信し、制御コマンドに従った処理を行う。すなわち、副制御手段は、主制御手段から送信される制御コマンドによって第一抽選手段及び第二抽選手段の抽選結果を認識し、それらの抽選結果を基に第一装飾図柄及び第二装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる。
また、「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」であった場合には、抽選結果にかかる装飾図柄を表示させた後、「当り」であることを演出表示手段に導出する。これに対し、「第三有利遊技状態」または「第四有利遊技状態」である場合には、どちらの当りであるのかを遊技者に不明朗にする。すなわち、演出表示手段に出現可能な演出として、互いに同じ内容の複数の演出(通常状態演出、高確率期待小演出、及び高確率期待大演出)を備え、その中から1つの演出を導出させる。
また、所定の演出状態になると、演出表示手段の前方に装飾可動体が出現し、表示態様に基づいて可動するため、演出表示手段による画像と立体的な装飾物による演出とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。
なお、手段1〜手段83のいずれか一つの構成を有し、且つ「少なくとも前記第一特別図柄が表示される前記第一特別図柄表示器、及び前記第二特別図柄が表示される前記第二特別図柄表示器を備えるとともに、前記第一始動口への入賞に基づいて前記第一特別図柄を変動させ、前記第二始動口への入賞に基づいて前記第二特別図柄を変動させるもの」においては、以下の構成(手段84〜手段88の構成)を採用することができる。
手段84:「前記第一入賞状態検出手段及び前記第二入賞状態検出手段による前記遊技媒体の検出順に従って前記第一特別図柄または前記第二特別図柄を変動させるとともに、前記第一表示態様決定手段または前記第二表示態様決定手段によって決定された停止図柄で前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段84の構成によれば、二種類の特別図柄が、遊技媒体の入賞順に従って順次変動することから、二つの抽選が並行して行われることを防止し、ひいては、大当り状態が重なって実行されることによる演出内容の煩雑さや、遊技の不自然さを防止することができる。
手段85:手段84の構成において、「前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動中に、前記第一入賞状態検出手段によって前記遊技媒体が検出された場合、一定回数を上限として第一始動記憶数を記憶するとともに、前記第一特別図柄の変動を、記憶された第一始動記憶数分だけ行わせる第一保留・消化手段と、
前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動中に、前記第二入賞状態検出手段によって前記遊技媒体が検出された場合、一定回数を上限として第二始動記憶数を記憶するとともに、前記第二特別図柄の変動を、記憶された第二始動記憶数分だけ行わせる第二保留・消化手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
手段85の構成によれば、第一抽選手段及び第二抽選手段のいずれに対しても保留・消化処理が行われ、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一入賞状態検出手段によって遊技媒体が検出された場合には、一定回数を上限として第一始動記憶数を記憶するとともに、第一表示態様の導出を、記憶された第一始動記憶数分だけ行わせる。また、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二入賞状態検出手段によって遊技媒体が検出された場合には、一定回数を上限として第二始動記憶数を記憶するとともに、第二表示態様の導出を、記憶された第二始動記憶数分だけ順に行わせる。特に、二種類の特別図柄の変動が、遊技媒体の入賞順に従って順次導出されることから、二つの始動口に対する入賞のし易さに差があっても、入賞のし易さに応じた割合で順に消化させることができ、例えば、一方の始動記憶数のみが多く残され、それに対応する表示態様が連続して導出されることによる演出の単調化を抑制することができる。
手段86:手段85の構成において、「前記第一抽選手段は、前記第一入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第一当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段を有し、
前記第二抽選手段は、前記第二入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第二当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段を有し、
前記第一表示態様決定手段は、前記第一入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第一当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段を有し、
前記第二表示態様決定手段は、前記第二入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第二当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段を有し、
抽出された、前記第一当り判定用乱数、前記第二当り判定用乱数、前記第一当り図柄用乱数、及び前記第二当り図柄用乱数を記憶させることが可能な乱数記憶手段であって、前記第一始動記憶数と前記第二始動記憶数との合計である合計始動記憶数(「1」〜「m」)の値に夫々対応付けられた、m個の記憶領域からなる乱数記憶手段をさらに備え、
前記第一保留・消化手段は、
前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動中に、前記第一入賞状態検出手段によって前記遊技媒体が検出され、且つ前記第一始動記憶数が上限に到達していない場合には、前記第一始動記憶数の値を「1」増やすとともに、少なくとも前記第一当り判定用乱数及び前記第一当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数と、これらの乱数が前記第一抽選手段に関する乱数であることを示す判別フラグとを、前記合計始動記憶数の値に対応する記憶領域に格納する第一保留制御手段と、
前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動停止後、前記合計始動記憶数が「0」でない場合、該合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域に格納された前記判別フラグを基に、該記憶領域に格納されている乱数が前記第一抽選手段に関する乱数であるか否かを判別し、前記第一抽選手段に関する乱数である場合、前記合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域から前記第一当り判定用乱数及び前記第一当り図柄用乱数を読み出すとともに、前記第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値及び前記判別フラグを、n−1の記憶領域にシフトさせる第一消化制御手段と
を有し、
前記第二保留・消化手段は、
前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動中に、前記第二入賞状態検出手段によって前記遊技媒体が検出され、且つ前記第二始動記憶数が上限に到達していない場合には、前記第二始動記憶数の値を「1」増やすとともに、少なくとも前記第二当り判定用乱数及び前記第二当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数と、これらの乱数が前記第二抽選手段に関する乱数であることを示す判別フラグとを、前記合計始動記憶数の値に対応する記憶領域に格納する第二保留制御手段と、
前記第一特別図柄または前記第二特別図柄の変動停止後、前記合計始動記憶数が「0」でない場合、該合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域に格納された前記判別フラグを基に、該記憶領域に格納されている乱数が前記第二抽選手段に関する乱数であるか否かを判別し、前記第二抽選手段に関する乱数である場合、前記合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域から前記第二当り判定用乱数及び前記第二当り図柄用乱数を読み出すとともに、前記第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値及び前記判別フラグを、n−1の記憶領域にシフトさせる第二消化制御手段と
を有する」ことを特徴とする。
手段86の構成によれば、第一抽選手段は、第一始動口への入賞状態に基づいて第一当り判定用乱数を抽出し、この乱数値に基づいて第一当り抽選の当否を決定する。また、同様に、第二抽選手段は、第二始動口への入賞状態に基づいて第二判定用乱数を抽出し、この乱数値に基づいて第二当り抽選の当否を決定する。一方、第一表示態様決定手段は、第一入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第一当り図柄用乱数を抽出し、この乱数値を基に、第一当り抽選の当否の結果に対応した停止図柄を決定する。また、同様に、第二表示態様決定手段は、第二入賞状態検出手段によって検出された入賞状態に基づいて、第二当り図柄用乱数を抽出し、この乱数値を基に、第二当り抽選の当否の結果に対応した停止図柄を決定する。
ところで、第一始動口または第二始動口に遊技媒体が入賞した場合には、入賞状態に基づいて判定用乱数や当り図柄用乱数が抽出されるが、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に入賞した場合には、それらの乱数に基づいて決定された表示態様を直ちに導出させることはできない。そこで、抽出されたこれらの乱数は、始動記憶として所定の記憶領域に格納され、新たな第一特別図柄または第二特別図柄の変動が可能となった時点で記憶領域から順次読み出される。
ところで、本発明では、第一抽選と第二抽選とが行われ、夫々の始動記憶数が個別にカウントされることから、抽出された乱数を格納するための乱数記憶手段として、第一抽選手段に対応する第一乱数記憶手段と、第二抽出手段に対応する第二乱数記憶手段とを設け、夫々の乱数記憶手段を複数の記憶領域から構築するようにすれば、夫々の始動記憶数の値(例えば「1」〜「4」)と、所定個数(例えば4個)の記憶領域とを対応付けることが可能になる。つまり、第一抽選手段に関して説明すると、第一始動口に遊技媒体が入賞した際、第一始動記憶数を「1」増やすとともに、抽出した乱数を、第一始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納することが可能になり、一方、第一表示態様または第二表示態様の導出(変動表示)が終了した後は、第一始動記憶数の値に対応付けられた記憶領域に格納されている乱数値を読み出すことが可能になる。また、第二抽選手段に関しても同様であり、第二保留値に対応する乱数値の格納及び読み出しを、第一始動記憶数とは独立して行うことが可能になる。
しかし、このように第一抽選手段に対応する第一乱数記憶手段(複数の記憶領域)と、第二抽選手段に対応する第二乱数記憶手段(複数の記憶領域)とを別々に構築したものでは、夫々の抽選手段と遊技媒体の入賞順とが関連づけられていないため、入賞順に応じて一方の乱数記憶手段を特定することは困難である。つまり、遊技媒体の入賞順に従って表示態様を導出させるためには、抽選の種類と入賞順との対応付けを格納するための記憶手段を別途備えなければならず、ひいては保留・消化における処理内容が複雑になるとともに、記憶手段の必要容量が増大する。
これに対し、手段86の構成によれば、二つの抽選において抽出された各乱数を記憶させる手段として、共通の乱数記憶手段が備えられている。この乱数記憶手段は、第一抽選手段に対応する第一始動記憶数と第二抽選手段に対応する第二始動記憶数との合計である合計始動記憶数(「1」〜「m」)の値に夫々対応付けられた、m個の記憶領域から構成されている。
第一抽選手段に関して説明すると、いずれかの特別図柄の変動中に、第一入賞状態検出手段によって遊技媒体が検出された場合、第一始動記憶数が上限(例えば「4」)に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすとともに、少なくとも第一当り判定用乱数及び第一当り図柄用乱数を抽出する。また、抽出された各乱数と、これらの乱数が第一抽選手段に関する乱数であることを示す判別フラグとを、合計始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納する。その後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止した場合、すなわち新たな特別図柄を変動させることが可能になった場合には、合計始動記憶数が「0」でなければ、その合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域に格納された判別フラグを基に、同記憶領域に格納されている乱数が第一抽選手段に関する乱数であるか否かを判別し、第一抽選手段に関する乱数である場合には、その記憶領域に格納されている第一当り判定用乱数及び第一当り図柄用乱数を読み出すとともに、第一始動記憶数の値を「1」減らし、さらに、各記憶領域nに記憶されている各乱数値及び判別フラグを、n−1の記憶領域にシフトさせる。
一方、第二抽選手段についても同様であり、いずれかの特別図柄の変動中に第二入賞状態検出手段によって遊技媒体が検出された場合、第二始動記憶数が上限(例えば「4」)に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすとともに、少なくとも第二当り判定用乱数及び第二当り図柄用乱数を抽出する。また、抽出された各乱数と、これらの乱数が第二抽選手段に関する乱数であることを示す判別フラグとを、合計始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納する。その後、新たな特別図柄の変動が可能になると、合計始動記憶数「1」に対応する記憶領域に格納された判別フラグを基に、同記憶領域に格納されている乱数が第二抽選手段に関する乱数であるか否かを判別し、第二抽選手段に関する乱数である場合には、その記憶領域に格納されている第二当り判定用乱数及び第二当り図柄用乱数を読み出すとともに、第二始動記憶数の値を「1」減らし、さらに各記憶領域nに記憶されている各乱数値及び前記判別フラグを、n−1の記憶領域にシフトさせる。
このように、第一始動口または第二始動口のいずれか一方に遊技媒体が入賞すると、各乱数を抽出するとともに、抽出された乱数が、入賞順に記憶領域に格納される。したがって、遊技媒体の入賞順と乱数値とを対応付けることが可能になる。しかも、各記憶領域には、抽出した乱数に加え、抽選手段の種別を示す判別フラグが格納されるため、表示態様を導出させる際には、第一抽選手段に対する第一特別図柄として導出させるのか、第二抽選手段に対する第二特別図柄として導出させるのかを判別することが可能になる。また、二つの抽選手段における保留消化処理が一つの乱数記憶手段によって実行可能となるため、保留消化処理が簡単になるとともに、記憶手段の容量が低減される。
手段87:「前記第一特別図柄の変動に合せて第一装飾図柄を演出表示手段で変動させるとともに、前記第一抽選手段の抽選結果に基づいて前記第一装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる第一装飾図柄変動制御手段と、
前記第二特別図柄の変動に合せて第二装飾図柄を前記演出表示手段で変動させるとともに、前記第二抽選手段の抽選結果に基づいて前記第二装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる第二装飾図柄変動制御手段と
をさらに備える」ことを特徴とする。
手段87の構成によれば、各抽選手段にかかる演出内容として少なくとも装飾図柄が導出され装飾図柄の変動表示が行われる。具体的に、第一装飾図柄変動制御手段は、第一装飾図柄を変動させるとともに、第一抽選手段の抽選結果に基づいて第一装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる。また、第二装飾図柄変動制御手段は、第二装飾図柄を変動させるとともに、第二抽選手段の抽選結果に基づいて第二装飾図柄を所定の停止図柄で停止させる。つまり、第一始動口及び第二始動口に遊技媒体が入賞した場合には、装飾図柄列の変動及び停止が順次行われる。
手段88:手段87の構成において、「前記第一装飾図柄及び前記第二装飾図柄の両方に関連付けられた共通の装飾図柄列を有し、
前記第一装飾図柄または前記第二装飾図柄のいずれかを変動表示する際、前記共通の装飾図柄列を前記演出表示手段にて変動させる装飾図柄列変動制御手段をさらに具備する」ことを特徴とする。
ところで、第一装飾図柄と第二装飾図柄とは、順次変動可能であり、互いに同じタイミングで変動されることはない。そこで、第一装飾図柄及び第二装飾図柄を表示手段に表示させる際には、表示状態を切り替えながら一方の装飾図柄のみを選択的に表示させるようにしてもよい。しかしながら、これによれば、表示画面が頻繁に切り替わることとなり、表示画面の変化によって遊技者に重苦しさや煩わしさを与える恐れがある。なお、この重苦しさ等を緩和するため、夫々の装飾図柄を互いに同一または類似の図柄とすることも考えられるが、これによれば、表示中の装飾図柄が、第一抽選手段にかかる第一装飾図柄であるのか、それとも第二抽選手段にかかる第二装飾図柄であるのかを識別することが困難となる。一方、表示画面を、第一装飾図柄用の領域と第二装飾図柄用の領域とに分割し、二つの装飾図柄を常時表示させるようにすることも考えられる。ところが、この構成によれば、いずれか一方の領域が常に無意味な表示、すなわち無変動状態となり、しかも、一つの装飾図柄に対する表示領域が半減することから視認性の低下し、停止図柄が認識し難くなることが懸念される。
これに対し、手段88の構成によれば、表示手段には、第一装飾図柄及び第二装飾図柄が表示され、さらに両方の装飾図柄に関連付けられた共通の装飾図柄列も同時に表示される。そして、第一装飾図柄または第二装飾図柄のいずれかが変動表示する際、共通の装飾図柄列(以下、共通装飾図柄列という)も変動する。したがって、同時に表示される夫々の装飾図柄のうち変動する装飾図柄の表示位置を認識させることにより、どちらの抽選が行われているのかを容易に把握させることができ、しかも、装飾図柄列による演出内容や停止図柄を共通装飾図柄列によって認識させることができる。換言すれば、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の大きさを比較的小さくしても変動の有無を認識させる得ることから、その分、共通装飾図柄列の表示領域を増加させ、例えば画面全体に共通装飾図柄列を表示させた迫力のある演出が可能となる。
手段89:手段1〜手段88のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機である」ことを特徴とする。パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段89の構成によると、パチンコ機において、手段1〜手段88までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段90:手段1〜手段88のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチスロ機である」ことを特徴とする。パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシーンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段90によると、パチスロ機において、手段1〜手段88までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段91:手段1〜手段88のいずれか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機である」ことを特徴とする。ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段91によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段88までのいずれかの作用効果を奏することができる。
なお、上記に例示したパチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
このように、本発明では、有利性の低い当りが発生した場合であっても、遊技者に「有利性の高い当りである」と推測させることができ、遊技への意欲の低下を抑制することができる。また、確率変動状態が発生している可能性を、段階的に出現される演出によって次第に高くするため、期待感の低下を抑制することができる。特に、演出表示手段の前方に装飾可動体を出現させ演出に基づいて可動させるため、演出内容について注目させることができる。したがって、遊技意欲の低下による遊技の終了を極力防止することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
なお、本例の案内レール78が、本発明の「案内手段」に相当する。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台91が設けられている。このボックス装着台91には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図9参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図9参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10は遊技領域を有した遊技盤の構成を示す拡大正面図である。図11は遊技盤を斜め前方から示す斜視図であり、図12は遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図13は図12における主制御基板ボックス、副制御基板ボックス等を外した状態で示す斜視図である。また、図14は遊技盤を分解して斜め前方から示す斜視図である。
図10乃至図14に示すように、遊技盤5は、略円形の開口210を有し開口210内に遊技球を案内する外レール76及び内レール77からなる案内レール78を備えた前構成部材79と、前面側に前構成部材79が取り付けられると共に適宜形状の貫通口211を複数有した板状の遊技盤ベース212と、遊技盤ベース212の貫通口211を覆うように、遊技盤ベース212の前面側に取り付けられる主役物213、主入賞口ユニット214、及び遊技領域内装飾体215と、主役物213と対応し遊技盤ベース212の後面側に取り付けられる後装飾体216と、後装飾体216の後方に配置される演出表示装置217と、遊技盤ベース212の後面側に取り付けられ主入賞口ユニット214に入賞した遊技球を排出誘導する排出誘導部材218とを主に備えている。
遊技盤5では、前構成部材79における開口210の内側で、遊技盤ベース212の前面側において、主に遊技領域37が区画形成されており、この遊技領域37内には、図10に示すように多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車219が設けられていると共に、上述の主役物213、主入賞口ユニット214、及び遊技領域内装飾体215が配置されている。なお、遊技領域37内の中央最下部には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を遊技領域37内から排出するアウト口220が設けられている。
なお、本例の演出表示装置217が、本発明の演出表示手段に相当している。また、本例の貫通孔211の内周面が、本発明の「内周面」に相当している。さらに、アウト口220が、本発明の「排出口」に相当している。
(主役物の構成について)
次に、遊技盤5における主役物213の具体的な構成について図15乃至図24に基づき詳細に説明する。図15は主役物の正面図であり、図16は主役物を斜め前方から示す斜視図であり、図17は主役物を斜め後方から示す斜視図である。図18は主役物を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。また、図19は主役物のステージ付近を拡大して示す拡大正面図である。図20は左右の装飾可動体及び装飾体駆動ユニットを示す斜視図であり、図21の(A)は左装飾可動体を斜め後方から示す斜視図であり(B)は左装飾可動体を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図22の(A)は右装飾可動体を斜め後方から示す斜視図であり、(B)は右装飾可動体を分解して斜め前方から示す斜視図である。図23の(A)は左装飾可動体駆動ユニットの分解斜視図であり、(B)は右装飾可動体駆動ユニットの分解斜視図である。更に、図24は左右の装飾可動体の動きを示す説明図である。
遊技盤5における主役物213は、図15乃至図18に示すように、額縁状に形成された枠状装飾体230と、枠状装飾体230の前側の右下縁部に取り付けられるキャラクタ体231と、枠状装飾体230の前側の上縁部やや右寄りに取り付けられ自動車を模した装飾部材232と、枠状装飾体230の開口を閉鎖するように枠状装飾体230の後側に取り付けられる透明な板状の隔壁板233と、枠状装飾体230の上縁部の前面下側に配置される右装飾可動体234及び左装飾可動体235と、枠状装飾体230の後側に配置され右装飾可動体234及び左装飾可動体235を夫々所定軸周りに回動させるための右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237とを備えている。
また、主役物213には、遊技領域37内の所定領域を通過する遊技球を検出可能なチャッカー238を更に備えている。このチャッカー238は、枠状装飾体230の左縁部に取り付けられ遊技球の通過を検出する通過検出センサ239と、通過検出センサ239を前方から覆うと共に上下方向に遊技球が通過可能な開口を有したチャッカーカバー240とを備えている。このチャッカー238は、チャッカーカバー240の上側から、遊技領域37内を流下する遊技球が進入すると、その遊技球を通過検出センサ239によって検出し、その後、検出した遊技球をチャッカーカバー240の下側から、再び遊技領域37内に戻すようになっている。
この主役物213の枠状装飾体230には、通過検出センサ238が取り付けられる部位の下側に、ワープ入口250が設けられていると共に、ワープ入口250の下方には枠状装飾体230の内側に開口するワープ出口251が設けられており、枠状装飾体230内部にはワープ入口250とワープ出口251とを連通するワープ通路252が形成されている。このワープ通路252は、断面視コ字状に形成された枠状装飾体230の開放部が隔壁板233の一部によって閉鎖されることで形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球を、枠状装飾体230の外側(外周)から内側へワープ通路252を介して取り込めるようになっている。
主役物213の枠状装飾体230には、その下縁部における上面に、ワープ通路252のワープ出口251から連続し遊技球を左右方向に転動させることのできる転動面253と、転動面253の前側に設けられ左右に開放部254を有した所定高さの堰部255とからなるステージ256が備えられている。このステージ256は、ワープ通路252を介して取り込まれた遊技球を左右方向に転動させてその動きに様々な変化が付けられるようになっていると共に、ステージ256上を転動する遊技球が開放部254からステージ256の前方に流出するようになっている。なお、ステージ256上の遊技球は、枠状装飾体230の後側に取り付けられる隔壁板233によってステージ256の後方へ流出しないようになっている。また、ステージ256の左端側には、傾斜284(図11参照)が設けられており、ワープ通路252を介して取り込まれた遊技球に適度な位置エネルギーを付加することが可能となっている。これにより、遊技球が適度に勢いのある状態でステージ256の中央側へと供給され、良好に転動させられるので、遊技者がより遊技球の転動演出を楽しめるよう構成されている。さらに、ステージ256の左端側には、ステージ256の前端側及び後端側から延出された段差状の部材の間に形成された溝305が形成されている。溝305は、遊技球一つ分と略等しい幅で形成されており、ワープ出口251から供給された遊技球のぶれ(ステージ256の前側または後側へと向かう力)を抑え、ステージ256上をより良好に転動させるための軌道修正手段としての作用効果を奏している。
なお、ワープ出口251が、本発明の「供給口」に相当している。
また、主役物213の枠状装飾体230には、ステージ256上の遊技球を、主入賞口ユニット214の略中央直上に流下するように誘導する球誘導路257を更に備えている。この球誘導路257は、ステージ256の左右の開放部254を挟むように略中央に配置され遊技球をステージ256の後側へ案内する球案内部258と、球案内部258の下方且つステージ256の後側に延出し上方から遊技球を受入可能とされた球受部259と、球受部259に受けられた遊技球を球案内部258の下方且つステージ256の前側に開口する球流出口260から流出するように誘導する球誘導部261とから構成されている。なお、隔壁板233の略中央下部には、後方に突出する球誘導凹部262が形成されており、球案内部258によってステージ256の後側に案内された遊技球が、球誘導凹部262に誘導されて隔壁板233の後側に流出することなく、良好に球受部259に受けられるようになっている。また、ステージ256の後側には、ステージの前側に向かって突出して形成された凸条部材302が隔壁板233から一体的に形成されている。さらに、凸条部材302のエッジ部303は、ステージ256の左右方向に対して斜めに傾斜して形成されており、隔壁板233の開口部304の縁に衝突した遊技球を、ステージ256の前方側ではなく左右方向へと案内するよう構成されている。
更に、主役物213の枠状装飾体230には、ステージ256を挟んでワープ通路252の反対側に、枠状装飾体230の左右方向中央側が僅かに低くなるような面とされ、ステージ256の転動面253と連続するような延長転動面263を更に備えている。この延長転動面263は、ワープ入口250から取り込まれワープ通路252を介して所定の初速度でステージ256上に供給された遊技球が、ステージ256の堰部255を乗越えてステージ256から流出するのを防止するためのものである。なお、この延長転動面263の前側には、図示するように、キャラクタ体231の一部である装飾部材301が配置されるようになっており、隔壁板233と協働して所定深さの溝が形成されるようになっており、延長転動面263において遊技球が弾んだりしても、延長転動面263から遊技球が脱落し難くなっている(図19参照)。また、装飾部材301は、その後方に配置される遊技媒体や各種の演出が視認可能な部材(透明性を有する部材360:図19参照)で構成されているので、遊技者は、遊技媒体の転動演出や、演出表示装置217が表示する演出画像を部材360を通して視認することができ、邪魔にならないため好適である。
なお、開放部254は、本発明の「流下口」に該当する。
この延長転動面263の作用を詳述すると、ワープ通路252を介して所定の初速度で供給される遊技球は、ステージ256の左端から右端へと転動して延長転動面263上に供給され、その際に、ステージ256はその中央付近が低く左右両端が高くなるような形状とされているので、遊技球の速度はステージ256の右端に転動するのに従って低下するが、ワープ通路252内を流通する遊技球の速度は様々に異なるため、ステージ256へ供給される時の初速度も様々に異なり、例えば、ステージ256の右端に延長転動面263の代わりに球当接部を設けた場合、遊技球の速度によっては、球当接部への当接により弾んでしまいステージ256の堰部255を乗越えてステージ256から脱落し、ステージ256上で遊技球を良好に転動させることができなくなり、遊技球の動きを楽しませられなくなる虞がある。
これに対して、本例では、ステージ256の右端に延長転動面263を設けており、所定の速度で転動する遊技球がステージ256の右端に到達しても、延長転動面263へと供給されてステージ256の右端で弾んでステージ256から脱落するのを防止することができるようになっている。また、延長転動面263では、キャラクタ体231の一部である装飾部材301及び隔壁板233と協働して所定深さの溝が形成されるので、延長転動面263上で遊技球が弾んでも、延長転動面263から遊技球が脱落するのを抑制することができるようになっている。更に、延長転動面263は、枠状装飾体230の中央側(左端)が僅かに下がった平坦面とされているので、延長転動面263からステージ256へ転動する遊技球の速度上昇を抑制させることが可能となり、好適な速度で遊技球をステージ256に戻すことができ、ステージ256上で遊技球を良好に転動させることができるようになっている。
また、本例では、図11に示すように、延長転動面263の右端側(突当たり)に、突壁部280、及び段差281が備えられている。突壁部280は、枠状装飾体230から一体的に形成された部材であり、延長転動面263の右端側に、延長転動面263の中央側に向かって突出するように形成されている。段差281は、延長転動面263から一体的に形成された部材であり、延長転動面263の右端部に上方に突出するようにして形成されている。
この突壁部280及び段差281の作用を詳述すると、ワープ通路252を介して所定の初速度で供給される遊技球は、ステージ256の左端から右端へと転動して延長転動面263上に供給される。ここで、ワープ通路252内を流通する遊技球の速度は様々に異なるため、ステージ256へ供給される時の初速度も様々に異なり、例えば、比較的ゆっくりとした速度で延長転動面263上に遊技球が供給された場合は、延長転動面263上で遊技球が転動を終了し、そのまま延長転動面263上に滞留する虞があった。特に、延長転動面263の終端部(すなわち右端部側)では、枠状装飾体230による立壁部282や装飾部材301に衝突することによって遊技球の転動エネルギーが減衰され、勢いを無くし易いから、ステージ256上へと戻ることなく球詰まりのような状態になることが考えられる。
これに対し、本例では、延長転動面263の右端部側に突壁部280が設けられているから、突き当りまで転動してきた遊技球が突壁部280に衝突し、ステージ256側へと押し戻される。また、段差281に衝突することによって、ステージ256側へと弾かれて押し戻されるから、遊技球が延長転動面263上に滞留する虞が一層軽減される。これにより、遊技球をステージ256上で良好に転動させることができる。
さらに、本例では、ステージ256と延長転動面263との境界部に、エッジ283が設けられている。
ところで、ステージ256は、前述したように、その中央付近が低く左右両端が高くなるような形状をしている。また、延長転動面263は、枠状装飾体230の中央側(左端)が僅かに下がった平坦面として形成されており(つまりステージ256に向かって低くなるよう傾斜しており)、且つ突壁部280及び段差281が設けられている。従って、ステージ256から延長転動面263へと転動してきた遊技球の転動エネルギーが比較的低い場合であっても、ステージ256へと押し戻されて付勢され、良好な速度で転動させられるが、逆に、比較的高い転動エネルギーを有した状態、つまり必要以上に高い速度でステージ256から延長転動面263へと遊技球が供給された場合は、突壁部280等に弾き返され、勢い余って装飾部材301等を乗り越え、延長転動面263上から脱落してしまう場合も考え得る。
これに対し、本例では、ステージ256と延長転動面263との境界部にエッジ283が設けられているから、ステージ256から延長転動面263へと転動してきた遊技球は、その転動運動の進行方向が急激に変化させられ、適度に減速される。例えば、ステージ256と延長転動面263との境界部が一体的に滑らかに(エッジ283の無い状態で)形成された場合は、遊技球は、位置エネルギーの上昇による運動エネルギーの減少、及び延長転動面263を含むエネルギー減衰手段のみによりその転動速度が減速させられるが、本例では、エッジ283が形成されているから、ここを乗り越えることによる抵抗によって、さらに遊技球が減速される。従って、遊技球が適宜な速度で延長転動面263上へと侵入するため、勢い余って脱落する虞が軽減される。これにより、遊技者に、より遊技球の動きを楽しませることが可能となる。
主役物213の枠状装飾体230は、図16及び図17に示すように、その左側外周に遊技球を外周に沿って下方に案内可能な球案内路270が備えられている。この球案内路270は、枠状装飾体230の外周面271と、遊技盤ベース212の前面側に当接し遊技盤ベース212の該当する貫通口211を閉鎖するように外方に延びるフランジ部272と、フランジ部272から前側に所定距離離反した位置で外方に延び前面に装飾の施された装飾フランジ部273とから構成されている。この球案内路270は、枠状装飾体230の外周面271、フランジ部272、及び装飾フランジ部273とにより、遊技盤5の盤面に沿った外方に開放された断面が略コ字形状に形成されており、その内部を遊技球が流通可能とされている。
この球案内路270には、フランジ部272及び装飾フランジ部273の内面側(互いに対向する面側)に、複数の突起(突条)274が設けられており、フランジ部272側の突起274と、装飾フランジ部273側の突起274は、互いに対向しない位置に交互に夫々形成されている。この球案内路270は、その複数の突起274によって、球案内路270を流下する遊技球が突起274と当接することで、遊技球の流下速度を減衰させて、遊技球の流下速度が上昇するのを抑制することができるようになっている。なお、この球案内路270は、主入賞口ユニット214の下側付近まで遊技球を案内するように形成されている。
この球案内路270は、図10及び図11に示すように、遊技領域37の上部に打ち込まれた遊技球を、主入賞口ユニット214の下側付近まで案内しており、この球案内路270によって遊技球が案内されると、主入賞口ユニット214に入賞する可能性が低くなるので、球案内路270に遊技球が案内されないように、遊技球の打ち込み操作をさせることができ、打ち込み操作が単調となり興趣が低下するのを防止することができるようになっている。また、球案内路270によって遊技球が案内された場合、その突起274によって遊技球の流下速度が抑制されるので、球案内路270から勢い良く遊技球が放出されるのを防止して、放出された遊技球が主入賞口ユニット214や遊技領域内装飾体215等と当接するのを防止したり、当接してもその速度を遅くして衝撃を可及的に小さくし、主入賞口ユニット214等が破損するのを防止することができるようになっている。
次に、図20乃至図24に基づいて、右装飾可動体234及び左装飾可動体235と、右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237の構成を詳細に説明する。まず、主役物213の右装飾可動体234及び左装飾可動体235は、略水平方向に延びる水平状態と、略垂直方向に延びる垂直状態との間で回動可能とされている。これら右装飾可動体234及び左装飾可動体235は、図15及び図24に示すように、夫々水平状態となると、互いに連続した装飾体となるように構成されており、その前側には複数の文字(本例では、アルファベット)が立体的に造形され、それらの文字は右装飾可動体234及び左装飾可動体235とが一体となることで所定の単語となるようになっている。
これら右装飾可動体234及び左装飾可動体235は、文字部290が透光性を有する部材とされた装飾部291と、装飾部291の後側に配置される枠状の本体部292と、本体部292内に配置され複数のLED293を備えた発光基板294と、発光基板294の後側に配置され本体部292の枠内の閉鎖する背板295と、所定位置から後側に延出する回動軸296とを備えている。この装飾部291の後側にはネジ孔を有した取付ボス297が形成されていると共に、背板295には装飾部291の取付ボス297に対応した位置に貫通孔298が穿設されており、装飾部291と背板295とで本体部292及び発光基板294を挟んだ状態で、背板295の後側から貫通孔298を貫通して取付ボス297にビス(図示しない)をねじ込むことで、それらが一体に組み付けられるようになっている(図21及び図22参照)。
なお、回動軸296は、背板295に設けられた取付孔に圧入固定されていると共に、回動軸296は、右装飾可動体234では右端部付近に、左装飾可動体235では左端部付近に夫々配置固定されている。また、夫々の背板295には、その後面の回動軸296付近の所定位置に突起299が形成されており、詳細は後述するが、この突起299は右装飾可動体234及び左装飾可動体235の夫々の回動位置を検出するためのものである。
一方、右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237は、右装飾可動体234及び左装飾可動体235を夫々の回動軸296の軸芯周りに回動させるものである。これら右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237は、右装飾可動体234又は左装飾可動体235を回動させるための装飾可動体駆動モータ310と、装飾可動体駆動モータ310の回転軸311に固定される駆動ギヤ312と、駆動ギヤ312と噛合し駆動ギヤ312の回転を伝達する伝達ギヤ313と、伝達ギヤ313と噛合し右装飾可動体234又は左装飾可動体235の回動軸296が固定される出力ギヤ314と、後面に装飾可動体駆動モータ310を取り付け可能とされ、駆動ギア312、伝達ギア313、及び出力ギア314を収容可能なギヤケーシング315と、ギヤケーシング315の前側開口を閉鎖すると共に右装飾可動体234又は左装飾可動体235の回動軸296が通過可能な通孔316を有した前板317とを備えている(図20、図23及び図24参照)。
これら右装飾可動体駆動ユニット236又は左装飾可動体駆動ユニット237は、装飾可動体駆動モータ310が回転駆動させられると、その回転軸311に固定された駆動ギヤ312が回転し、駆動ギヤ312の回転が伝達ギヤ313を介して出力ギヤ314に回転伝達され、出力ギヤ314に固定された右装飾可動体234又は左装飾可動体235の回動軸296が出力ギア314と共に回転することで、夫々の回動軸296周りに右装飾可動体234又は左装飾可動体235を回動させることができるようになっている。
また、右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237には、右装飾可動体234又は左装飾可動体235の回動に伴って回転する回転部材318と、回転部材318の回転位置を検出する回転位置検出センサ319とを更に備えている。この回転部材318は、一端に右装飾可動体234又は左装飾可動体235の突起299と当接可能な当接ピン320と、他端に回転位置検出センサ319に検出される被検出部321とを有しており、当接ピン320と被検出部321との間の所定位置において回転可能に前板317の裏側に軸支されている。また、前板317には、回転部材318の当接ピン320が挿通可能な円弧状の長孔322が形成されており、右装飾可動体駆動ユニット236及び左装飾可動体駆動ユニット237が組み立てられた状態で、当接ピン320が長孔322を介して前板317の前側に突出するようになっていると共に、円弧状の長孔322により所定の回転角度の範囲内で回転するようになっている。
この回転部材318は、図示するようにその軸支される回転軸で折れ曲がったような形状とされていると共に、当接ピン320側よりも被検出部321側の方が重くなるように形成されており、その重量差によって当接ピン320が上方に回転するようになっている。この回転部材318の当接ピン320は、夫々右装飾可動体234又は左装飾可動体235の突起299の下側に当接するような位置に配置されており、当接ピン320と被検出部321との重量差によって上方に回転しようとする当接ピン320の回転移動が突起299によって阻止されるようになっている。つまり、突起299の回転移動に伴って当接ピン320が回転移動するようになっており、回転部材318の回転位置を検出することで突起299、即ち、右装飾可動体234又は左装飾可動体235の回転位置を検出できるようになっている。
なお、本例では、回転位置検出センサ319は、フォトセンサとされており、被検出部321がフォトセンサ用の遮蔽板とされている。また、本例では、右装飾可動体234及び左装飾可動体235が水平状態の時に、夫々の回転部材318の被検出部321が、回転位置検出センサ319により検出される、つまり、被検出部321がフォトセンサを遮蔽するようになっている。
ここで、「右装飾可動体234及び左装飾可動体235」が本発明の「前側可動体」に相当している。また、図56における、右装飾可動体234及び左装飾可動体235が略水平な状態をが、本発明の「第一配置状態」に、図54における、右装飾可動体234及び左装飾可動体235が略垂直な状態が、本発明の「第二配置状態」に夫々該当する。
(主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材の構成について)
次に、主入賞口ユニット214、遊技領域内装飾体215、及び排出誘導部材218の構成について、図25乃至図30に基づいて詳細に説明する。図25は主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材を斜め前方から示す斜視図である。図26の(A)は主入賞口ユニットにおける始動口の要部を拡大して示す斜視図であり、(B)はその側面図である。図27の(A)は主入賞口ユニットにおけるアタッカ装置の要部を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。図28は主入賞口ユニットを斜め後方下側から示す斜視図であり、図29は遊技領域内装飾体を斜め後方から示す斜視図である。また、図30は主入賞口ユニット、遊技領域内装飾体、及び排出誘導部材における遊技球の流路を示す断面図である。
まず、主入賞口ユニット214は、図示するように、その前側の左右方向略中央上部に配置され上方に開口する第一始動口330と、第一始動口330の下方に配置され第一始動口330と一対の可動片331とで閉鎖又は開放可能な第二始動口332と、第二始動口332の下方に配置され左右方向に延びる矩形状の大入賞口333及び大入賞口333を閉鎖可能とし上辺が前方に回動する開閉扉334を有したアタッカ装置335と、アタッカ装置335の左右両側に配置され互いに離反するように斜め上方に開口する一般入賞口336とを備えている。なお、一対の可動片331は、夫々一端側が回転可能に軸支されていると共に、その回転軸とは偏芯した位置に後側に突出する突出ピンが夫々設けられている。
また、主入賞口ユニット214は、第二始動口332を開閉する一対の可動片331を開閉駆動させる始動口開閉駆動ユニット350を更に備えている(図26参照)。この始動口開閉駆動ユニット350は、前後方向に進退可能なプランジャ351を有した始動口ソレノイド352と、始動口ソレノイド352におけるプランジャ351の前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動し、一対の可動片331から後側に延在された突出ピン337を上下方向に移動可能な伝達部材353とを備えている。また、この伝達部材353には、その回動軸354よりも上側且つ後側にプランジャ351先端の鍔部355を係止する係止部356が形成されていると共に、回動軸354よりも前側に可動片331の突出ピン337が挿通される側面視コ字形状の伝達部357が形成されている。
この主入賞口ユニット214では、始動口開閉駆動ユニット350における始動口ソレノイド352のプランジャ351が前進すると、伝達部材353の係止部356が前方に押圧されて、伝達部材353が図中反時計回りに回転し伝達部357の高さ位置が相対的に低くなると共に、伝達部357の下降に伴って可動片331の突出ピン337が下降し、可動片331の自由端側が上昇するように回動することとなる。これにより、一対の可動片331が夫々直立したような状態となり、一対の可動片331と第一始動口330とにより第二始動口332が閉鎖されるようになっている。なお、プランジャ351を後退させると、上述とは逆の動作をして、図示するように一対の可動片331の自由端側が互いに離反するように下降し、第二始動口332が開放された状態となるようになっている。また、第二始動口332が開放された状態では、その開口幅が、第一始動口330の開口幅よりも広くなり、遊技球が入賞し易くなるようになっている。
また、図示するように、始動口ソレノイド352の下側には第二始動口センサ358が備えられており、第二始動口332に入賞した遊技球が、第二始動口センサ358の貫通孔を通過することで第二始動口センサ358に検出されると共に、主入賞口ユニット214の下側に形成された排出口359から排出されるようになっている(図28参照)。
また、主入賞口ユニット214のアタッカ装置335は、大入賞口333に入賞した遊技球を検出する大入賞口センサ370と、大入賞口333を閉鎖可能な左右方向に延びる矩形状とされ下辺側が軸支されると共に上辺側が直立状態から前方に回動可能とされた開閉扉334と、前後方向に進退可能なプランジャ371を有したアタッカソレノイド372と、アタッカソレノイド372におけるプランジャ371の前後方向の進退に伴って水平方向且つ左右方向(遊技盤面に沿った方向)に延びる軸周りに回動して開閉扉334を回動させる伝達部材373と、大入賞口センサ370、開閉扉334、アタッカソレノイド372、及び伝達部材373を支持すると共に大入賞口333に入賞した遊技球を大入賞口センサ370に検出されるように誘導する誘導路374を有したケーシング375とを備えている(図27参照)。
なお、本例では、図27に示すように、アタッカソレノイド372及び伝達部材373は、大入賞口333よりも左側且つ後側となる位置にケーシング375に収容支持されている。また、開閉扉334の左側下端には、伝達部材373と当接する当接突起376が形成されている。更に、アタッカ装置335の伝達部材373には、その回動軸377よりも上側に配置されプランジャ371先端の鍔部378と係合する係合部379と、回動軸377よりも前側に配置され開閉扉334の当接突起376に上側から当接する当接ピン380とを備えている。
このアタッカ装置335では、アタッカソレノイド372のプランジャ371が前進すると、伝達部材373の係合部379が前方に押圧され、伝達部材373が図中反時計回りに回転して伝達部材373の回動軸377の前方に設けられた当接ピン380が回転下降し、当接ピン380の下降により当接ピン380と当接する開閉扉334の当接突起376が下降して開閉扉334がその支持軸芯に対して時計回りに回動する。つまり、図示するような、開閉扉334の下辺を中心として上辺が前方に回転した開状態から、開閉扉334が略直立する閉状態へと回転し、大入賞口333が閉状態となるようになっている。なお、アタッカソレノイド372のプランジャ371が後退すると、上述とは逆の動作をして、開閉扉334の上辺が前方に回転して大入賞口333が開状態となるようになっている。
なお、このアタッカ装置335は、大入賞口333の左右方向の幅が、一対の可動片331が開状態となり第二始動口332が開放状態となった時の幅よりも、更に広い幅とされており、遊技球がより入賞し易いようになっている。また、大入賞口333から進入し大入賞口センサ370で検出された遊技球は、そのまま主入賞口ユニット214の下方へ排出されるようになっている(図28参照)。
この主入賞口ユニット214には、前側に第一始動口330、大入賞口333、及び一般入賞口336が形成され後側にアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350等が取り付けられる主入賞口ユニットベース381を更に備えている。この主入賞口ユニットベースの後側には、第一始動口330、第二始動口332、及び一般入賞口336と対応する位置に、遊技球を後方へ所定距離案内する球樋382が形成されている(図25及び図28参照)。また、主入賞口ユニットベース381の外形は、遊技盤ベース212に形成された対応する貫通口211の外形よりも大きい形状とされていると共に、後側に取り付けられるアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350は、該当する貫通口211を通過可能な大きさとされている。
また、主入賞口ユニット214は、図10に示すように、その第一始動口330が、主役物213の球誘導路257における球流出口260の直下に位置するように遊技盤ベース212に取付固定されており、主役物213の球流出口260から流出した遊技球が、主入賞口ユニット214の第一始動口330に入賞する可能性が高くなるように配置されている。
本例の主入賞口ユニット214は、遊技盤ベース212に、その前側から取り付けられるようになっており、詳述すると、遊技盤ベース212の前側から主入賞口ユニット214のアタッカ装置335及び始動口開閉駆動ユニット350を該当する貫通口211に挿通すると共に、主入賞口ユニットベース381の後面を遊技盤ベース212の前面と当接させ、図示しないビスにより主入賞口ユニットベース381を遊技盤ベース212に固定することで、主入賞口ユニット214が遊技盤ベース212に取り付けられるようになっている。この際に、遊技盤ベース212の該当する貫通口211は、主入賞口ユニットベース381によって前側からは見えないように隠蔽されるようになっている(図11及び図14参照)。
次に、遊技領域内装飾体215は、特別図柄表示器390と、保留ランプ391と、発光装飾部393と、二つの一般入賞口394とを主に備えている。この特別図柄表示器390は、本例では複数の色を発光することのできる4つのLEDから構成されており、第一始動口330及び第二始動口332への遊技球の入賞に応じて、夫々のLEDが消灯、点灯、点滅、変色などをして、各始動口に対応した特別図柄を表示するようになっている。
また、保留ランプ391は、4つのLEDからなり、夫々のLEDが消灯、点滅、点灯、することができ、それらLEDの点滅、点灯の組合せにより、第一始動口330及び第二始動口332への遊技球の入賞による始動保留数を表示し、夫々4つまで始動保留を表示させることができるようになっている。
更に、発光装飾部393は、前側に配置された透光性を有するレンズ部395の後側に、種々の色を発光することのできる複数のLEDを有した発光基板396が配置されており、そのLEDの発光により、光による装飾ができるようになっている。
また、遊技領域内装飾体215の正面視左側の一般入賞口394は、入賞した遊技球が遊技領域内装飾体215の内部を通って、遊技領域内装飾体215の後側下部に開口した排出口397から外部へ排出されるようになっている。また、正面視右側の一般入賞口394は、入賞した遊技球が排出口397の略上側に設けられた排出部398から排出されるようになっており、この排出部398から遊技球がやや右側に誘導されるように外部へ排出されるようになっている。なお、この遊技領域内装飾体215には、正面視左側の一般入賞口394に入賞した遊技球を検出することができるように、センサ取付部399が備えられている(図29参照)。
この遊技領域内装飾体215は、その前後方向の略中間に、遊技盤ベース212の該当する貫通口211の外形よりも外方に延びるフランジ部400が備えられており、遊技盤ベース212の前側から、その後側を該当する貫通口211に挿入し、フランジ部400の後面側を遊技盤ベース212の前面側と当接させて貫通口211が前側から見えないように隠蔽すると共に、フランジ部400をその前側からビス(図示しない)により遊技盤ベース212に取り付けることで、遊技領域内装飾体215が遊技盤ベース212に固定されるようになっている(図11及び図14参照)。
次に、排出誘導部材218は、遊技盤ベース212を挟んで主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の後側に配置され、遊技盤ベース212に固定された主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の遊技盤ベース212の後面よりも後側に突出した部分の一部を覆うように形成され、主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215の入賞口に入賞した遊技球を誘導する各種誘導路を備えたものである(図25参照)。
この排出誘導部材218は、遊技盤ベース212の後面と当接し遊技盤ベース212に取付固定するためのビス(図示しない)を挿通する挿通孔410を有した取付固定部411と、主入賞口ユニット214の始動口開閉駆動ユニット350及びアタッカ装置335のケーシング375の一部を収容可能な収容凹部412と、主入賞口ユニット214の第一始動口330から続く球樋382と対応し第一始動口330に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方へ誘導して排出する第一始動口排出誘導路413と、主入賞口ユニット214の正面視右側に配置された一般入賞口336から続く球樋382と対応し当該一般入賞口336に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方から排出する右一般入賞口排出流路414と、主入賞口ユニット214の正面視左側に配置された一般入賞口336から続く球樋382と対応し当該一般入賞口336に受入れられた遊技球を排出誘導部材218の下方から排出する左一般入賞口排出流路415と、第一始動口排出流路413内を流通する遊技球を検出することで遊技球が第一始動口330に入賞したことを検出する第一始動口センサ416と、右一般入賞口排出流路414内の遊技球を検出することで右側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する右一般入賞口センサ417aと、左一般入賞口排出流路415内の遊技球を検出することで左側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する左一般入賞口センサ417bとを備えている。
この排出誘導部材218は、遊技領域内装飾体215の二つの一般入賞口394に受入れられた遊技球を、左一般入賞口排出流路415を介して排出誘導部材218の下方へ排出するようになっている。具体的には、左一般入賞口排出流路415には、遊技領域内装飾体215の排出口397から排出された遊技球を受けて左一般入賞口センサ417bへ導く第一誘導部418と、遊技領域内装飾体215の排出部398から排出された遊技球を受けて左一般入賞口センサ417bへ導く第二誘導部419とを備えている。なお、第二誘導部419には、第二誘導部419内の遊技球を検出できるようにセンサ取付部420が形成されている。
この排出誘導部材218は、上述のように、主入賞口ユニット214及び遊技領域内装飾体215における第一始動口330、一般入賞口336,394に受入れられた遊技球を検出すると共に、排出誘導部材218の下方へ排出することができるようになっている(図30参照)。なお、左一般入賞口センサは、主入賞口ユニット214の左側の一般入賞口336に受入れられた遊技球だけでなく、遊技領域内装飾体215の二つの一般入賞口394に受入れられた遊技球も検出することができるようになっており、入賞口の数に対して検出センサの数を少なくすることができるようになっている。また、遊技領域内装飾体215及び排出誘導部材218には、夫々センサ取付部399及びセンサ取付部420が設けられており、これらセンサ取付部399,420に遊技球の検出センサを取り付けることで、上記の何れの入賞口に遊技球が受入れられたのかを判別することができるようになり、各入賞口の差別化ができるようになっている。
(後装飾体の構成について)
次に、後装飾体216の構成について、図31乃至図52に基づいて詳細に説明する。図31は後装飾体を斜め前方から示す斜視図であり、図32は後装飾体を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図33は後装飾体を分解して斜め後方から示す分解斜視図である。図34は後装飾体における第一装飾可動体ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図35は第一装飾可動体ユニットを主要部毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図36の(A)は第一装飾可動体ユニットにおける第一装飾可動体を分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、(B)は第一装飾可動体におけるレンズ部を示す拡大正面図である。図37は第一装飾可動体ユニットにおける第一装飾可動体駆動ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図38は第一装飾可動体駆動ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図39は第一装飾可動体駆動ユニットを主要部毎に分解して示す分解斜視図である。図40は図39よりも更に分解して示す分解斜視図である。図41の(A)は第一装飾可動体駆動ユニットにおける第一昇降部材を示す斜視図であり、(B)は第一昇降部材の分解斜視図である。図42は第一昇降部材における第一装飾可動体ソレノイドと回動伝達部材との関係を示す説明図である。図43は後装飾体における第二装飾可動体ユニットを斜め前方から示す斜視図であり、図44は第二装飾可動体ユニットを主要部毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図である。図45は第二装飾可動体ユニットにおける第二装飾可動体を分解して示す分解斜視図である。図46は第二装飾可動体ユニットにおける第二装飾可動体駆動ユニットを斜め前方から示す斜視図である。図47は第二装飾可動体駆動ユニットを主要部毎に分解して示す分解斜視図である。図48は図47よりも更に分解して示す分解斜視図である。図49の(A)は第二装飾可動体駆動ユニットにおける第二昇降部材を示す斜視図であり、(B)は第二昇降部材の分解斜視図である。図50は第二昇降部材における第二装飾可動体ソレノイドとリンク機構との関係を示す説明図である。図51は装飾可動体ユニットカバーを斜め前方から示す斜視図であり、図52は装飾可動体ユニットカバーの要部を示す説明図である。
この後装飾体216は、遊技盤ベース212の後面側で正面視中央よりも右側に取付固定され主に上下方向に移動し所定のキャラクタの上顎を含む顔上部が造形された第一装飾可動体430を有した第一装飾可動体ユニット431と、第一装飾可動体ユニット431に対して左右方向反対側の遊技盤ベース212の後面側に取付固定され第一装飾可動体430の下側で上下方向に移動し第一装飾可動体430と対応する下顎が造形された第二装飾可動体432を有した第二装飾可動体ユニット433と、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433の外周側と後側を覆い中央に矩形状の開口434を有すると共に後側に演出表示装置217が取付可能とされた装飾可動体ユニットカバー435と、第一装飾可動体ユニット431と装飾可動体ユニットカバー435との間に配置される第一装飾体436と、第二装飾可動体ユニット433と装飾可動体ユニットカバー435との間に配置される第二装飾体437とを備えている。
この後装飾体216は、第一装飾可動体ユニット431の第一装飾可動体430と、第二装飾可動体ユニット433の第二装飾可動体432とを、互いに接近させたり離反させたりするように夫々を上下方向に移動させることで、所定のキャラクタの口が開いたり閉じたりするような演出動作をさせることができるものである。
この後装飾体216の第一装飾可動体ユニット431は、所定のキャラクタの上顎から眉毛までの間の顔上部を造形した第一装飾可動体430と、第一装飾可動体430を上下方向に移動させると共に遊技盤5の左右方向に延びる軸周りに回動させ、遊技盤ベース212の後面側に取付固定される第一装飾可動体駆動ユニット450と、第一装飾可動体駆動ユニット450に取り付けて装飾するユニット装飾体451とを備えている。
この第一装飾可動体ユニット431の第一装飾可動体430は、略黒色のレンズ部452を有したサングラス453と、キャラクタの目に相当する位置に貫通する開口孔454を有した第一装飾可動体本体455と、第一装飾可動体本体455の後側に配置され第一装飾可動体本体455の開口孔454を介して前側に所定色の光を発光可能な複数のLED456が取り付けられた発光基板457と、発光基板457の後側に配置され、サングラス453、第一装飾可動体本体455、及び発光基板457と一体に組み付けられるベース部材458とを備えている。なお、第一装飾可動体430が本発明の「光学表示装置」に、LED456が「発光手段」に、夫々該当する。
この第一装飾可動体430におけるサングラス453のレンズ部452は、図示するように、発光基板457のLED456が発する光の色に応じて、その表面に模様が現れるようになっており、具体的には、LED456から赤色の光が発せられると「三日月状の模様」が現れ、LED456から青色の光が発せられるとキャラクタに関係する「所定の漢字」(ここでは、「所」)が現れるようになっている。このレンズ部452の構造は、上述の「三日月状の模様」と「所定の漢字」とが重なるように配置されていると共に、重なった部分が無色又は白色の透光性を有する白色部459とされ、「三日月状の模様」の重なっていない部分が赤色の透光性を有する赤色部460とされると共に、「所定の漢字」の重なっていない部分が青色の透光性を有する青色部461とされ、その他の部分が略黒色の黒色部462とされている。なお、赤色部460が本発明の「第一透過手段」に、青色部461が「第二透過手段」に、白色部459が「重複部」に、黒色部462が「遮光性の部材」に夫々該当する。これに伴って、赤色が本発明の「第一色」に、青色が「第二色」に対応している。
本例ではレンズ部452が上述の構成となっているので、例えば、LED456から赤色の光を照射すると、白色部459と赤色部460では、その赤色光が透過し、青色部461及び黒色部462では赤色光が透過しないので、白色部459と赤色部460とによる「三日月状の模様」が現れる。一方、LED456から青色の光を照射すると、白色部459と青色部461では青色光が透過し、赤色部460と黒色部462では青色光が透過しないので、白色部459と青色部461とによる「所定の漢字」が現れることとなる。このように、有色光と透光性を有した有色部材とを適宜組み合わせることで、LCD等の高価な表示装置を用いなくても容易に所望の模様を表示することができるようになっている。
ところで、図36における白色部459、赤色部460、及び青色部461を、白色部500、赤色部501、及び青色部502とすることで、別途の新たな模様を用いた演出を行うことができる。白色部500、赤色部501、及び青色部502における光の透過状態は、白色部459、赤色部460、及び青色部461と同様であり、LED456から赤色の光を照射すると、白色部500と赤色部501とによる「三日月状の模様」(笑い顔の目の模様)が現れる。一方、LED456から青色の光を照射すると、白色部500と青色部502とによる「泣き顔の目の模様」が現れる。このように、例えば液晶表示装置のような比較的重い表示装置を用いなくとも、シート状部材であるレンズ部452とLED456のみでキャラクターの表情を変えることができるため、第一装飾可動体本体455のような可動する部材にも好適に表示装置を付加することができる。また、比較的簡単にキャラクターの表情を変えられるから、遊技者の目を強く惹き付ける面白味のある遊技機が提供できる。
なお、本例では、LED456が取り付けられる発光基板457が、遮光性の高い部材(本発明の「遮光手段」に該当)に形成されている。具体的には、発光基板457の裏側に遮光性の高い黒色塗料や黒色フィルム等からなる遮光部材が備えられている。これにより、レンズ部452の後側からLED456以外の光が入光するのを防止して、LED456の消灯時に、黒色部462以外の白色部459、赤色部460、及び青色部461が見えるのを抑制するようになっている。また、光源としてLED456を用いており、他の光源と比較して発光させる色の波長帯域が狭く他の色の成分の含有が少ないので、より確実に所望の色の模様を現すことができるようになっている。
また、第一装飾可動体430には、そのベース部材458に第一装飾可動体駆動ユニット450に固定支持されるための固定部463が備えられており、この固定部463により第一装飾可動体430が第一装飾可動体駆動ユニット450に支持されるようになっている。
次に、第一装飾可動体駆動ユニット450は、第一装飾可動体430を支持し第一装飾可動体430と共に上下方向に昇降する第一昇降部材470と、第一昇降部材470を上下方向に案内する案内レール471と、案内レール471の上端部を支持する第一上部支持部材472と、案内レール471の下端部を支持する第一下部支持部材473と、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473を上下方向に所定距離離間して支持すると共に遊技盤ベース212の後面側と当接する取付当接面474を有し板金を屈曲形成した第一ベース475と、第一ベース475の第一上部支持部材472の反対側に配置され第一ベース475及び第一上部支持部材472を貫通してその回転する駆動軸476が突出する第一駆動モータ477と、第一駆動モータ477の駆動軸476の回転に伴って回転する駆動プーリ478と、駆動プーリ478と対となるように第一下部支持部材473の近傍に配置される従動プーリ479と、駆動プーリ478と従動プーリ479とに巻き掛けられる駆動ベルト480と、駆動ベルト480の一部を第一昇降部材470と連結固定するベルト固定部481とを備えている。
なお、本例では、第一駆動モータ477による駆動プーリ478の回転駆動は、第一駆動モータ477の駆動軸476に固定された駆動ギヤ482の回転が、駆動ギヤ482の上側に配置され駆動ギヤ482と噛合し駆動プーリ478と一体に回転する伝達ギヤ483に伝達されることで駆動プーリ478が回転駆動するようになっている。この駆動ギヤ482と伝達ギヤ483を用いることで、第一駆動モータ477の駆動軸476よりも駆動プーリ478の位置をより高くして第一昇降部材470の上下方向の可動範囲が大きくなるようになっている。また、駆動ベルト480の内周面には全周に亘って所定間隔で係合歯484が設けられていると共に、駆動プーリ478には係合歯484と係合する被係合歯485が歯車状に設けられており(図40参照)、被係合歯485と係合歯484との係合により駆動プーリ478の回転駆動が確実に駆動ベルト480に伝達されるようになっている。なお、従動プーリ479は、被係合歯のない平プーリとされている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450には、第一昇降部材470が案内レール471の延びる軸方向周りに回転するのを防止するための第一回転防止手段490が更に備えられている。この第一回転防止手段490は、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473にその上端及び下端が支持されると共に案内レール471と略平行に配置される案内ロッド491と、前後方向から案内ロッド491に当接可能とされ第一昇降部材470に取り付けられる案内部材492とを備えている。この第一回転防止手段490は、図示するように、案内ロッド491が案内レール471の右側に所定距離離れて配置されていると共に、断面が略コ字状とされた案内部材492が案内ロッド491の前後側の何れかに当接することで、第一昇降部材470が案内レール471の軸芯周りに回転するのを良好に防止することができるようになっている。
なお、本例では、案内レール471及び案内ロッド491は、共に金属製の丸棒とされており、案内レール471の表面には摺動抵抗を低減させるための摩擦低減層が形成されている。この摩擦低減層は、例えば、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、これにより、案内レール471により案内される第一昇降部材470の動摩擦抵抗の値と静摩擦抵抗の値とを可及的に近づけることができ、静止した第一昇降部材470が移動を開始する際に滑らかに移動開始させることができると共に、案内レール471等の摩耗を低減させて耐久性を向上させることができるようになっている。また、案内ロッド491の表面は、クロムメッキが施されており、錆び等の腐食を防止して耐久性を高めると共に、案内レール471よりは安価なものとなりコストが増加するのを防止することができるようになっている。
また、第一装飾可動体駆動ユニット450には、駆動ベルト480に所定の張力を付与するテンション機構493を更に備えている。このテンション機構493は、案内レール471に案内されると共に従動プーリ479を回転可能に支持する移動体494と、一端が移動体494に他端が第一ベース475に取付けられ移動体494を下方に付勢するテンションバネ495とを備えている。
このテンション機構493の移動体494は、案内レール471を挿通する案内孔496と、下方に開放され従動プーリ479の両端から突出する軸部497を係止するフック状の係止部498と、案内孔496と係止部498との間に配置されテンションバネ495の一端を取付けるバネ取付部499とを備えている。これにより、従動プーリ479に駆動ベルト480を巻き掛けた状態で、従動プーリ479を移動体494に支持させることができ、組立が容易にできるようになっている。また、案内孔496と従動プーリ479の軸部497を係止する係止部498との間でテンションバネ495により駆動ベルト480を引張るようにしているので、案内レール471の軸に対して案内孔496の軸が大きく傾くのを防止すことができ、案内レール471における移動体494の摺動抵抗が増加するのを抑制し、移動体494がスムーズに移動できるようになっていると共に、移動体494の姿勢が大きく変化するのを防止して駆動ベルト480に良好にテンションがかかるようになっている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450は、図示するように、駆動プーリ478が上側に、従動プーリ479が下側に夫々配置されていると共に、駆動プーリ478と従動プーリ479とに巻き掛けられる駆動ベルト480が、従動プーリ479を介してテンション機構493により下方に付勢されるようになっている。また、駆動ベルト480に第一昇降部材470が固定されているので、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480にかかり、駆動ベルト480の一方側のみに下方に引張る力が作用するようになっていると共に、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量により駆動ベルト480が駆動プーリ478に強く巻き掛けられるようになっている。
一方、上側の駆動プーリ478には、駆動ベルト480の係合歯484と係合する被係合歯485が備えられており、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量によって駆動ベルト480が駆動プーリ478に強く巻き掛けられることで駆動ベルト480の係合歯484と駆動プーリ478の被係合歯485との係合がより強くなると共に、第一駆動モータ477による駆動プーリ478の回転が阻止されることで、駆動ベルト480の回転が阻止され、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480を介して駆動プーリ478に支持されることとなり、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が下側の従動プーリ479やテンション機構493にかからないようになっている。これにより、テンション機構493に余分な負荷をかけることなく良好に第一昇降部材470等を上下動させることができると共に、テンション機構493による付勢力を最小限のものとしてテンション機構493等にかかるコストを低減させることができるようになっている。
ところで、駆動プーリ478と従動プーリ479及びテンション機構493の上下配置を逆にした場合、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量が駆動ベルト480を介して従動プーリ479にかかるが、従動プーリ479には、駆動ベルト480の係合歯484と係合する被係合歯が備えられておらず、また、従動プーリ479は自由回転するようになっているので、従動プーリ479により第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量を支持することができず、第一昇降部材470が降下すると共に、駆動ベルト480が所定方向に回転することとなる。また、下側の駆動プーリ478では駆動ベルト480が第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量により下方に引張られるので、駆動プーリ478での駆動ベルト480の巻き掛け力が弱くなる。つまり、駆動ベルト480の係合歯484と駆動プーリ478の被係合歯485との係合が弱くなり、互いに滑り易くなる。
そして、駆動プーリ478と駆動ベルト480との間で滑が発生すると、駆動ベルト480が第一駆動モータ477の回転に関係なく、第一昇降部材470及び第一装飾可動体430の重量によって回転してしまい、第一昇降部材470が下降することとなり、第一昇降部材470を良好に上下動させることができなくなる。そこで、テンション機構493による付勢力を大きくすることで、駆動プーリ478と駆動ベルト480との滑りを防止することが考えられるが、付勢力を大きくすると、テンション機構493だけでなく、駆動プーリ478、従動プーリ479、駆動ベルト480、及び第一ベース475等の強度を高くする必要があり、第一装飾可動体駆動ユニット450のコストが高くなる問題が発生することとなり、本例のように、駆動プーリ478を上側に、従動プーリ479を下側に夫々配置することが望ましい。
本例の第一装飾可動体駆動ユニット450では、また、第一ベース475に、第一上部支持部材472と第一下部支持部材473の取付位置を位置決めするための支持面509に位置決め孔510が穿設されていると共に、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473の第一ベース475との当接部には、位置決め孔510と嵌合する位置決め突起511が夫々形成されている。これにより、第一ベース475の位置決め孔510に、対応する第一上部支持部材473及び第一下部支持部材473の位置決め突起511を嵌合させた上で、夫々を第一ベース475に固定することで、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473を所定位置に正確に位置させることができ、案内レール471、駆動プーリ478、及び従動プーリ479等の組立精度を高精度且つ容易に組み立てられるようになっている。なお、第一ベース475の取付当接面474には、遊技盤ベース212に取付固定するための取付孔512が穿設されている。
この第一装飾可動体駆動ユニット450では、図示するように、その第一ベース475の取付当接面474が、第一ベース475の上部に備えられており、遊技盤ベース212に対して、第一ベース475の上部のみが取付固定されるようになっている。これにより、遊技盤ベース212への取付箇所を少なくすることができ、組立コストを低減させることができるようになっている。また、第一ベース475の上部で遊技盤ベース212に固定するようにしている、つまり、第一ベース475にかかる重量の重心よりも上側で固定しているので、仮に第一ベース475がその取付当接面474を中心として左右に振れても、その重心にかかる重力により元の位置に復帰しようとするので第一ベース475をその上部のみで固定しても、第一ベース475を良好な状態で固定することができるようになっている。即ち、第一装飾可動体駆動ユニット450を、遊技盤ベース212に良好に取付固定できるようになっている。
次に、第一装飾可動体駆動ユニット450の第一昇降部材470は、第一装飾可動体430が取付支持される棒状の支持シャフト530と、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531と、案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532と、案内レール471を挿通可能な挿通孔533を有し案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532を上下方向に所定間隔離れて位置させると共に、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を左右方向に所定間隔離れて位置させることの可能な本体部534と、本体部534の後側に配置され本体部534と協働して案内レール471に挿通される二つの支持ブッシュ532及び支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531の位置を固定するブッシュ固定部材535とを備えている。
この第一昇降部材470の本体部534には、その挿通孔533の両端に案内レール471に挿通される支持ブッシュ532を嵌合可能な段付凹部536が形成されていると共に、挿通孔533の内径は案内レール471が接触しない径とされ、挿通孔533と案内レール471との間には所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。また、本体部534には、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部537が、左右方向に所定距離離れて対向するように形成されていると共に、対向する二つの嵌合凹部537の間には、半円筒状の収容部538が形成されており、支持ブッシュ531に挿通支持された支持シャフト530が本体部534と接触しないようになっている。
一方、第一昇降部材470のブッシュ固定部材535には、前側に延在された平面視略U字状の抜止片539が二つ形成されていると共に、これら抜止片539の距離が本体部534の挿通孔533の長さに対応した距離とされており、本体部534にブッシュ固定部材535を組み付けることで、二つの抜止片539によって挿通孔533の段付凹部536に嵌合された支持ブッシュ532が、段付凹部536から抜けるのを防止するようになっている。
また、ブッシュ固定部材535には、その前側の本体部534の二つの嵌合凹部537と対応する位置に、支持シャフト530に挿通される二つの支持ブッシュ531を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部540が形成されていると共に、二つの嵌合凹部540の間には半円筒状の収容部541が形成されている。このブッシュ固定部材535の嵌合凹部540と本体部534の嵌合凹部537に夫々支持シャフト530に挿通される支持ブッシュ531を嵌合させ上で、本体部534にブッシュ固定部材535を組付固定することで、二つの支持ブッシュ531が所定距離離反した位置に固定支持されるようになっている。また、本体部534の収容部538とブッシュ固定部材535の収容部541とにより、二つの支持ブッシュ531の間では支持シャフト530との間に所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。
更に、ブッシュ固定部材535には、その後側に、下側の抜止片539よりも下方に延び、上下方向に延びる溝を有した延出部542が形成されている。この延出部542は、第一装飾可動体430の発光基板457に接続される複数の配線コードを保持するものである。
上述のように、本体部534にブッシュ固定部材535を組み付けることで、各支持ブッシュ531,532が所定の位置に固定支持されると共に、夫々二つの支持ブッシュ532及び支持ブッシュ531によって、案内レール471及び支持シャフト531が相対回転可能且つそれらの軸方向に相対摺動可能に支持されるようになっている。なお、本体部534の挿通孔533の長さは、案内レール471に案内される第一昇降部材470が他の部材に支障を来たさない最大の長さとされており、これによって、二つの支持ブッシュ532の距離を可及的に長くすることができ、案内レール471に対する第一昇降部材470のガタツキを小さくすることができるようになっている。
本例の第一昇降部材470には、本体部534に取付けられ前後方向に進退可能なプランジャ550を有した第一装飾可動体ソレノイド551と、一端が第一装飾可動体ソレノイド551におけるプランジャ550先端の鍔部552に係止され他端が支持シャフト531に一体回転可能に固定される回動伝達部材553とを更に備えている。この第一装飾可動体ソレノイド551は、支持シャフト530の下方で支持シャフト530とプランジャ550とが交差するような位置に配置されており、プランジャ550を進退させることで回動伝達部材553を介して支持シャフト530をその軸周りに所定角度範囲内で回動させることができるようになっている。なお、本体部534及びブッシュ固定部材535には、回動伝達部材553の一部を収容可能な収容窪部554が夫々形成されており、この収容窪部554に回動伝達部材553を収容させることで、回動伝達部材553の左右方向の移動を規制することができる、つまり、支持シャフト530の左右方向(その軸方向)の移動が規制されるようになっており、支持シャフト530が本体部534及びブッシュ固定部材535により固定支持された支持ブッシュ531から抜けないようになっている。
なお、第一昇降部材470の本体部534には、挿通孔533の前面側に駆動ベルト480を固定するベルト固定部481が取付けられていると共に、第一装飾可動体ソレノイド551が取付けられる取付部555の下側に第一回転防止手段490の案内部材492が取付けられている。また、図中符号556は、本体部534の前側に取付けられる装飾体である。
また、第一昇降部材470には、そのブッシュ固定部材535の後側に位置検出片557が設けられている。この位置検出片557は、装飾可動体ユニットカバー435の所定位置に取付けられる第一装飾可動体位置検出センサ558に検出されるようになっており、本例では、第一昇降部材470が上側端に位置した時に、第一装飾可動体位置検出センサ558によって検出されるようになっている。
この第一昇降部材470は、図示するように、案内レール471を挿通する挿通孔533の左側に支持シャフト530を大きく延びださせて第一装飾可動体430を支持すると共に、挿通孔533の右側に第一装飾可動体ソレノイド551を配置して、挿通孔533を挟んで、第一昇降部材470の左右の重量バランスのアンバランスが少なくなるようになっており、案内レール471や支持ブッシュ532が偏摩耗するのを抑制するようにしている。
次に、第一装飾可動体ユニット431のユニット装飾体451は、図示するように、第一装飾可動体駆動ユニット450の左側面に取付けられ、第一装飾可動体駆動ユニット450の案内レール471、従動プーリ479、駆動ベルト480、及びテンション機構493等が遊技盤5の前側から視認し難くなるように、それらを覆うと共に、表面の装飾により第一装飾可動体ユニット431を装飾するものである。このユニット装飾体451には、第一装飾可動体駆動ユニット450から延びる支持シャフト530が通過可能とされていると共に、支持シャフト530が上下方向に移動できるように、上下方向に延びた開口部570を備えている。
本例の第一装飾可動体ユニット431は、第一駆動モータ477の回転駆動により、第一昇降部材470、つまり、第一装飾可動体430を上下方向に移動させることができると共に、第一装飾可動体ソレノイド551により第一装飾可動体430を前後方向に回動させることができるようになっている。
また、本例の第一装飾可動体ユニット431は、第一昇降部材470の支持シャフト530に支持された第一装飾可動体430を、第一駆動モータ477の回転駆動により遊技盤5の面に略沿うように上下方向に移動させても、第一回転防止手段490により案内レール471の軸芯周りへの回転が防止されているので、第一装飾可動体430が不要に揺れるのを防止することができ、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一装飾可動体430をより大きなものとすることが可能となり、第一装飾可動体430をより目立たせることができ、第一装飾可動体430による演出効果をより高められるようになっている。
また、本例の第一装飾可動体ユニット431は、これにより、第一装飾可動体430が、第一駆動モータ477の回転駆動により案内レール471の延在する上下方向に移動すると共に、第一装飾可動体ソレノイド551により支持シャフト530の軸芯周りに回転することができ、第一装飾可動体430により複雑な動きをさせることができるので、可動体の動きを飽き難くすることができ、飽きにより興趣が低下するのを防止することができるようになっていると共に、第一装飾可動体ソレノイド551におけるプランジャ550の進退方向を略水平方向(前後方向)としているので、プランジャ550の進退にかかる重力の影響を可及的に少なくすることができ、プランジャ550の進退を確実に行わせることで、第一装飾可動体430を確実に動かして所望の演出動作をさせることが可能となり、動きによる演出効果を充分に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
更に、本例の第一装飾可動体ユニット431では、第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473の素材が夫々樹脂とされていると共に、第一ベース475の素材が板金とされている。そして、樹脂からなる第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473の大きさを可及的に小さくすることができるので、樹脂成形による歪を相対的に小さくすることができると共に、精度の高い板金からなる第一ベース475により第一上部支持部材472及び第一下部支持部材473を所定位置に位置決め支持しているので、案内レール471の支持精度を良好に維持することができる。つまり、案内レール471を長くしても案内レール471を所望の位置に支持して、案内レール471により第一昇降部材470を介して第一装飾可動体430を良好に誘導案内させることが可能となるので、第一装飾可動体430がより大きく動くようにすることができ、第一装飾可動体430の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
続いて、後装飾体216の第二装飾可動体ユニット433は、第一装飾可動体430の所定のキャラクタの下顎部分を造形した第二装飾可動体432と、第二装飾可動体を上下方向に移動させると共に遊技盤5の左右方向に延びる軸周りに回動させ、遊技盤ベース212の後面側に取付固定される第二装飾可動体駆動ユニット610と、第二装飾可動体駆動ユニット610に取り付けて装飾するユニット装飾体611とを備えている。
この第二装飾可動体ユニット433の第二装飾可動体432は、所定のキャラクタの唇と下歯が造形された第二装飾可動体本体612と、第二装飾可動体本体612の顎内に配置されると共に所定のキャラクタの舌として造形され透光性を有した舌部材613と、舌部材613と第二装飾可動体本体612との間に配置され舌部材613に向かって光を照射するように複数のLED614を有した発光基板615と、発光基板615と舌部材613との間に配置され第二装飾可動体駆動ユニット610に支持されると共に発光基板615からの光を拡散させるレンズ部616を有したベース部材617とを備えている。
この第二装飾可動体432は、発光基板615のLED614が発光することで、その舌部材613が光るようになっている。
また、第二装飾可動体432には、そのベース部材617に第二装飾可動体駆動ユニット610に固定支持されるための固定部618が備えられており、この固定部618により第二装飾可動体432が第二装飾可動体駆動ユニット610に支持されるようになっている。
次に、第二装飾可動体駆動ユニット610は、第二装飾可動体432を支持し第二装飾可動体432と共に上下方向に昇降する第二昇降部材630と、第二昇降部材630を上下方向に案内する案内レール631と、案内レール631の上端部を支持する第二上部支持部材632と、案内レール631の下端部を支持する第二下部支持部材633と、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633を上下方向に所定距離離間して支持すると共に遊技盤ベース212の後面側と当接する取付当接面634を有し板金を屈曲形成した第二ベース635と、第二ベース635の第二上部支持部材632の反対側に配置され第二ベース635及び第二上部支持部材632を貫通してその回転する駆動軸636が突出する第二駆動モータ637と、第二駆動モータ637の駆動軸636の回転に伴って回転する駆動プーリ638と、駆動プーリ638と対となるように第二下部支持部材633の近傍に配置される従動プーリ639と、駆動プーリ638と従動プーリ639とに巻き掛けられる駆動ベルト640と、駆動ベルト640の一部を第二昇降部材630と連結固定するベルト固定部641とを備えている。
なお、本例では、第二駆動モータ637による駆動プーリ638の回転駆動は、第二駆動モータ637の駆動軸636に固定された駆動ギヤ642の回転が、駆動ギヤ642の略下側に配置され駆動ギヤ642と噛合し駆動プーリ638と一体に回転する伝達ギヤ643に伝達されることで駆動プーリ638が回転駆動するようになっている。また、駆動ベルト640の内周面には全周に亘って所定間隔で係合歯644が設けられていると共に、駆動プーリ638には係合歯644と係合する被係合歯645が歯車状に設けられており、被係合歯645と係合歯644との係合により駆動プーリ638の回転駆動が確実に駆動ベルト640に伝達されるようになっている。なお、従動プーリ639は、被係合歯のない平プーリとされている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610には、第二昇降部材630が案内レール631の延びる軸方向周りに回転するのを防止するための第二回転防止手段650が更に備えられている。この第二回転防止手段650は、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633にその上端及び下端が支持されると共に案内レール631と略平行に配置される案内ロッド651と、左右方向から案内ロッド651に当接可能とされ第二昇降部材630に取り付けられる案内部材652とを備えている。この第二回転防止手段650は、図示するように、案内ロッド651が案内レール631の後側に所定距離離れて配置されていると共に、断面が略コ字状とされた案内部材652が案内ロッド651の左右側の何れかに当接することで、第二昇降部材630が案内レール631の軸芯周りに回転するのを良好に防止することができるようになっている。
なお、本例では、案内レール631及び案内ロッド651は、共に金属製の丸棒とされており、案内レール631の表面には摺動抵抗を低減させるための摩擦低減層が形成されている。この摩擦低減層は、例えば、フッ素系樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE,(例えば、テフロン(登録商標)))が所定の厚さでコーティングされており、これにより、案内レール631により案内される第二昇降部材630の動摩擦抵抗の値と静摩擦抵抗の値とを可及的に近づけることができ、静止した第二昇降部材630が移動を開始する際に滑らかに移動開始させることができると共に、案内レール631等の摩耗を低減させて耐久性を向上させることができるようになっている。また、案内ロッド651の表面は、クロムメッキが施されており、錆び等の腐食を防止して耐久性を高めると共に、案内レール631よりは安価なものとなりコストが増加するのを防止することができるようになっている。
また、第二装飾可動体駆動ユニット610には、駆動ベルト640に所定の張力を付与するテンション機構653を更に備えている。このテンション機構653は、第一装飾可動体駆動ユニット450に備えられたテンション機構493と同じ機構であり、案内レール631に案内されると共に従動プーリ639を回転可能に支持する移動体654と、一端が移動体654に他端が第二ベース635に取付けられ移動体654を下方に付勢するテンションバネ655とを備えている。
このテンション機構653の移動体654は、案内レール631を挿通する案内孔656と、下方に開放され従動プーリ639の両端から突出する軸部657を係止するフック状の係止部658と、案内孔656と係止部658との間に配置されテンションバネ655の一端を取付けるバネ取付部659とを備えている。これにより、従動プーリ639に駆動ベルト640を巻き掛けた状態で、従動プーリ639を移動体654に支持させることができ、組立が容易にできるようになっている。また、案内孔656と従動プーリ639の軸部657を係止する係止部658との間でテンションバネ655により駆動ベルト640を引張るようにしているので、案内レール631の軸に対して案内孔656の軸が大きく傾くのを防止すことができ、案内レール631における移動体654の摺動抵抗が増加するのを抑制し、移動体654がスムーズに移動できるようになっていると共に、移動体654の姿勢が大きく変化するのを防止して駆動ベルト480に良好にテンションがかかるようになっている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610は、図示するように、駆動プーリ638が上側に、従動プーリ639が下側に夫々配置されていると共に、駆動プーリ638と従動プーリ639とに巻き掛けられる駆動ベルト640が、従動プーリ639を介してテンション機構653により下方に付勢されるようになっている。また、駆動ベルト640に第二昇降部材630が固定されているので、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640にかかり、駆動ベルト640の一方側のみに下方に引張る力が作用するようになっていると共に、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量により駆動ベルト640が駆動プーリ638に強く巻き掛けられるようになっている。
一方、上側の駆動プーリ638には、駆動ベルト640の係合歯644と係合する被係合歯645が備えられており、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量によって駆動ベルト640が駆動プーリ638に強く巻き掛けられることで駆動ベルト640の係合歯644と駆動プーリ638の被係合歯645との係合がより強くなると共に、第二駆動モータ637による駆動プーリ638の回転が阻止されることで、駆動ベルト640の回転が阻止され、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640を介して駆動プーリ638に支持されることとなり、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が下側の従動プーリ639やテンション機構653にかからないようになっている。これにより、テンション機構653に余分な負荷をかけることなく良好に第二昇降部材630等を上下動させることができると共に、テンション機構653による付勢力を最小限のものとしてテンション機構653等にかかるコストを低減させることができるようになっている。
ところで、駆動プーリ638と従動プーリ639及びテンション機構653の上下配置を逆にした場合、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量が駆動ベルト640を介して従動プーリ639にかかるが、従動プーリ639には、駆動ベルト640の係合歯644と係合する被係合歯645が備えられておらず、また、従動プーリ639は自由回転するようになっているので、従動プーリ639により第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量を支持することができず、第二昇降部材630が降下すると共に、駆動ベルト640が所定方向に回転することとなる。また、下側の駆動プーリ638では駆動ベルト640が第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量により下方に引張られるので、駆動プーリ638での駆動ベルト640の巻き掛け力が弱くなる。つまり、駆動ベルト640の係合歯644と駆動プーリ638の被係合歯645との係合が弱くなり、互いに滑り易くなる。
そして、駆動プーリ638と駆動ベルト640との間で滑が発生すると、駆動ベルト64が第二駆動モータ637の回転に関係なく、第二昇降部材630及び第二装飾可動体432の重量によって回転してしまい、第二昇降部材630が下降することとなり、第二昇降部材630を良好に上下動させることができなくなる。そこで、テンション機構653による付勢力を大きくすることで、駆動プーリ638と駆動ベルト640との滑りを防止することが考えられるが、付勢力を大きくすると、テンション機構653だけでなく、駆動プーリ638、従動プーリ639、駆動ベルト640、及び第二ベース635等の強度を高くする必要があり、第二装飾可動体駆動ユニット433のコストが高くなる問題が発生することとなり、本例のように、駆動プーリ638を上側に、従動プーリ639を下側に夫々配置することが望ましい。
本例の第二装飾可動体駆動ユニット610では、また、第二ベース635に、第二上部支持部材632と第二下部支持部材633の取付位置を位置決めするための支持面669位置決め孔670が穿設されていると共に、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の第二ベース635との当接部には、位置決め孔670と嵌合する位置決め突起671が夫々形成されている。これにより、第二ベース635の位置決め孔670に、対応する第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の位置決め突起671を嵌合させた上で、夫々を第二ベース635に固定することで、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633を所定位置に正確に位置させることができ、案内レール631、駆動プーリ638、及び従動プーリ639等の組立精度を高精度且つ容易に組み立てられるようになっている。なお、第二ベース635の取付当接面634には、遊技盤ベース212に取付固定するための取付孔672が穿設されている。
この第二装飾可動体駆動ユニット610では、図示するように、その第二ベース635の取付当接面634が、第二ベース635の上部に備えられており、遊技盤ベース212に対して、第二ベース635の上部のみが取付固定されるようになっている。これにより、遊技盤ベース212への取付箇所を少なくすることができ、組立コストを低減させることができるようになっている。また、第二ベース635の上部で遊技盤ベース212に固定するようにしている、つまり、第二ベース635にかかる重量の重心よりも上側で固定しているので、仮に第二ベース635がその取付当接面634を中心として左右に振れても、その重心にかかる重力により元の位置に復帰しようとするので、第二ベース635をその上部のみで固定しても、第二ベース635を良好な状態で固定することができるようになっている。即ち、第二装飾可動体駆動ユニット610を、遊技盤ベース212に良好に取付固定できるようになっている。
次に、第二装飾可動体駆動ユニット610の第二昇降部材630は、第二装飾可動体432が取付支持される棒状の支持シャフト690と、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691と、案内レール631に挿通される二つの支持ブッシュ692と、案内レール631を挿通可能な挿通孔693を有し案内レールに挿通される二つの支持ブッシュ692を上下方向に所定間隔離れて位置させると共に、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を左右方向に所定間隔離れて位置させることの可能な本体部694と、本体部694の後側に配置され本体部694と協働して案内レール631に挿通される二つの支持ブッシュ692及び支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691の位置を固定するブッシュ固定部材695とを備えている。
この第二昇降部材630の本体部694には、その挿通孔693の両端に案内レール631に挿通される支持ブッシュ692を嵌合可能な段付凹部696が形成されていると共に、挿通孔693の内径は案内レール631が接触しない径とされ、挿通孔693と案内レール631との間には所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。また、本体部694には、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部697が、左右方向に所定距離離れて対向するように形成されていると共に、対向する二つの嵌合凹部697の間には、半円筒状の収容部698が形成されており、支持ブッシュ691に挿通支持された支持シャフト690が本体部694と接触しないようになっている。
一方、第二昇降部材630のブッシュ固定部材695には、前側に延在された平面視略U字状の抜止片699が二つ形成されていると共に、これら抜止片699の距離が本体部694の挿通孔693の長さに対応した距離とされており、本体部694にブッシュ固定部材695を組み付けることで、二つの抜止片699によって挿通孔693の段付凹部696に嵌合された支持ブッシュ692が、段付凹部696から抜けるのを防止するようになっている。
また、ブッシュ固定部材695には、その前側の本体部694の二つの嵌合凹部697と対応する位置に、支持シャフト690に挿通される二つの支持ブッシュ691を嵌合可能な半円筒状の嵌合凹部700が形成されていると共に、二つの嵌合凹部700の間には半円筒状の収容部701が形成されている。このブッシュ固定部材695の嵌合凹部700と本体部694の嵌合凹部697に夫々支持シャフト690に挿通される支持ブッシュ691を嵌合させ上で、本体部694にブッシュ固定部材695を組付固定することで、二つの支持ブッシュ691が左右方向に所定距離離反した位置に固定支持されるようになっている。また、本体部694の収容部698とブッシュ固定部材695の収容部701とにより、二つの支持ブッシュ691の間では支持シャフト690との間に所定寸法のクリアランスが形成されるようになっている。
上述のように、本体部694にブッシュ固定部材695を組み付けることで、各支持ブッシュ692,691が所定の位置に固定支持されると共に、夫々二つの支持ブッシュ692及び支持ブッシュ691によって、案内レール631及び支持シャフト690が相対回転可能且つそれらの軸方向に相対摺動可能に支持されるようになっている。なお、本体部694の挿通孔693の長さは、案内レール631に案内される第二昇降部材630が他の部材に支障を来たさない最大の長さとされており、これによって、二つの支持ブッシュ692の距離を可及的に長くすることができ、案内レール631に対する第二昇降部材630のガタツキを小さくすることができるようになっている。
本例の第二昇降部材630には、ブッシュ固定部材695に取付けられ上下方向に進退可能なプランジャ710を有した第二装飾可動体ソレノイド711と、第二装飾可動体ソレノイド711におけるプランジャ710の進退により支持シャフト690を回動させるリンク機構712とを更に備えている。この第二装飾可動体ソレノイド711は、プランジャ710の先端に鍔部713が形成されていると共に、プランジャ710を前進させる方向に付勢するバネ714が備えられており、本例では、プランジャ710が第二装飾可動体ソレノイド711の下側から上下方向に進退するようになっている。
また、リンク機構712は、前後方向に延びるように配置され一端側(後側)がブッシュ固定部材695に回転可能に支持され、一端側と他端側との間に第二装飾可動体ソレノイド711におけるプランジャ710先端の鍔部713を係止する係止部715を有すると共に、他端側に長孔からなる連結部716を有した第一棹部材717と、第一棹部材717の連結部716と連結する被連結部718が一端側に形成され他端側が支持シャフト690に固定される第二棹部材719とから構成されている。この第一棹部材717は、その一端側が、支持シャフト690の後側に配置された第二装飾可動体ソレノイド711のプランジャ710よりも更に後側の位置でブッシュ固定部材695に軸支されると共に、他端側が支持シャフト690よりも前側に位置するように配置されている。なお、支持シャフト690は、その端部にリンク機構712の第二棹部材719が固定されることで、軸方向への移動が阻止されて、支持ブッシュ691から抜けないようになっている。
この第二装飾可動体ユニット433では、リンク機構712によって、第二装飾可動体ソレノイド711のプランジャ710を前進(突出)させると、リンク機構712及び支持シャフト690を介して第二装飾可動体432の先端(前側)が上がるように回動し、プランジャ710を後退(没入)させると、リンク機構712及び支持シャフト690を介して第二装飾可動体の先端が下がるように回動するようになっている。
なお、第二昇降部材630の本体部694には、挿通孔693の前面側に駆動ベルト640を固定するベルト固定部641が取付けられていると共に、挿通孔693の後面側にブッシュ固定部材695を挟んで第二回転防止手段650の案内部材652が取付けられている。また、図中符号730は、本体部694の前側に取付けられる装飾体である。
また、第二昇降部材630には、そのブッシュ固定部材695の正面視左側に位置検出片731が設けられていると共に、第二下部支持部材633の所定位置には位置検出片731を検出可能な第二装飾可動体位置検出センサ732が取付けられている。本例では、第二昇降部材630が下側端に位置した時に、第二装飾可動体位置検出センサ732によって第二昇降部材630の位置検出片731が検出されるようになっている。
この第二昇降部材630は、図示するように、案内レール631を挿通する挿通孔693の正面視右側に支持シャフト690を大きく延びださせて第二装飾可動体432を支持すると共に、挿通孔693の左側に第二装飾可動体ソレノイド711を配置して、挿通孔693を挟んで、第二昇降部材630の左右の重量バランスのアンバランスが少なくなるようになっており、案内レール631や支持ブッシュ692が偏摩耗するのを抑制するようにしている。
次に、第二装飾可動体ユニット433のユニット装飾体611は、図示するように、第二装飾可動体駆動ユニット610の正面視右側面に取付けられ、第二装飾可動体駆動ユニット610の案内レール631、駆動プーリ638、従動プーリ639、駆動ベルト640、及びテンション機構653等が遊技盤5の前側から視認し難くなるように、それらを覆うと共に、表面の装飾により第二装飾可動体ユニット433を装飾するものである。このユニット装飾体611には、第二装飾可動体駆動ユニット610から延びる支持シャフト690が通過可能とされていると共に、支持シャフト590が上下方向に移動できるように、上下方向に延びた開口部733を備えている。
本例の第二装飾可動体ユニット433は、第二駆動モータ637の回転駆動により、第二昇降部材630、つまり、第二装飾可動体432を上下方向に移動させることができると共に、第二装飾可動体ソレノイド711により第二装飾可動体432の先端を上下方向に回動させることができるようになっている。
また、本例の第二装飾可動体ユニット433は、第二昇降部材630の支持シャフト690に支持された第二装飾可動体432を、第二駆動モータ637の回転駆動により遊技盤5の面に略沿うように上下方向に移動させても、第二回転防止手段650により案内レール631の軸芯周りへの回転が防止されているので、第二装飾可動体432が不要に揺れるのを防止することができ、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第二装飾可動体432をより大きなものとすることが可能となり、第二装飾可動体432をより目立たせることができ、第二装飾可動体432による演出効果をより高められるようになっている。
また、本例の第二装飾可動体ユニット433は、第二装飾可動体432が、第二駆動モータ637の回転駆動により案内レール631の延在する上下方向に移動すると共に、第二装飾可動体ソレノイド711により支持シャフト690の軸芯周りに回転することができ、第二装飾可動体432により複雑な動きをさせることができるので、第二装飾可動体432の動きを飽き難くすることができ、飽きにより興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
また、第二装飾可動体ソレノイド711におけるプランジャ710の進退方向を略上下方向としているので、支持シャフト690の延出方向の寸法が全体的に長くなったり、支持シャフト690と第二装飾可動体ソレノイド711との重なりが大きくなったりして、パチンコ機1に備える際に支持シャフト690に支持される第二装飾可動体432の大きさが相対的に小さくなり、第二装飾可動体432が目立ち難くなるのを防止することが可能となり、第二装飾可動体432を可及的に大型化することができ、第二装飾可動体432によるインパクトを高めて、興趣を高められる効果を期待することができるようになっている。また、支持シャフト690の軸直角方向の寸法が大きくなるのを抑制することができるので、他の部材と緩衝し難くすることが可能となり、容易にパチンコ機1に備えることができるようになっている。
更に、本例の第二装飾可動体ユニット433では、第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の素材が夫々樹脂とされていると共に、第二ベース635の素材が板金とされている。そして、樹脂からなる第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633の大きさを可及的に小さくすることができるので、樹脂成形による歪を相対的に小さくすることができると共に、精度の高い板金からなる第二ベース635により第二上部支持部材632及び第二下部支持部材633を所定位置に位置決め支持しているので、案内レール631の支持精度を良好に維持することができる。つまり、案内レール631を長くしても案内レール631を所望の位置に支持して、案内レール631により第二昇降部材630を介して第二装飾可動体432を良好に誘導案内させることが可能となるので、第二装飾可動体432がより大きく動くようにすることができ、第二装飾可動体432の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
また、本例の第二装飾可動体ユニット433では、案内レール631と案内ロッド651との内側の位置で第二昇降部材630に第二装飾可動体432を支持シャフト690を介して保持するようにしているので、これにより、第二昇降部材630が案内レール631と案内ロッド651との外側で第二装飾可動体432を保持する場合と比較して、案内レール631と案内ロッド651とが並んだ方向の幅が長くなるのを抑制することが可能となり、全体として小型化することができ、パチンコ機1に備え易くして、より興趣の高められるパチンコ機1とすることができるようになっている。
なお、本例の第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432が本発明の第一可動体及び第二可動体に、本例の第一装飾可動体駆動ユニット450及び第二装飾可動体駆動ユニット610が本発明の第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットに夫々相当している。また、本例の第一昇降部材470及び第二昇降部材630が本発明の被誘導部材に、また、本例の案内レール491及び案内レール631が本発明の誘導部材に夫々相当している。また、本例の第一上部支持部材472及び第二上部支持部材632が本発明の第一支持部材に、本例の第一下部支持部材473及び第二下部支持部材633が本発明の第二支持部材に、本例の第一ベース475及び第二ベース635が本発明のベースに夫々相当している。更に、本例の第一駆動モータ477及び第二駆動モータ637が本発明の回転駆動手段に、本例のテンションバネ495,655が本発明の付勢手段に夫々相当している。
また、本例の第一回転防止手段490及び第二回転防止手段650が本発明の回転防止手段に、本例の案内ロッド491,651が本発明のガイド部材に、本例の案内部材492,652が本発明の被ガイド部材に夫々相当している。また、本例の支持ブッシュ532,692が本発明の摺動部材に、本例の第一装飾可動体ソレノイド551及び第二装飾可動体ソレノイド711が本発明のソレノイドに、本例の回動伝達部材553及びリンク機構712が本発明の伝達手段に夫々相当している。
続いて、装飾可動体ユニットカバー435は、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433を取付固定するための取付部750が複数備えられており、この取付部750は、夫々ビス孔と位置決めボスとから構成されている。一方、第一装飾可動体ユニット431の第一ベース475、及び第二装飾可動体ユニット433の第二ベース635の対応する位置には、ビス挿通孔と位置決め孔とが夫々形成されており、取付部750の位置決めボスを、第一ベース475又は第二ベース635の対応する位置決め孔に嵌合させることで、取付部750のビス孔と第一ベース475又は第二ベース635のビス挿通孔とが略一致するようになっており、第一ベース475又は第二ベース635のビス挿通孔を貫通するように前側からビスをビス孔にねじ込むことで、装飾可動体ユニットカバー435の所定位置に第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433が取付けられるようになっている。
また、装飾可動体ユニットカバー435には、遊技盤ベース212の後面と当接し、ビスを挿通可能なビス孔751を有した当接面752が複数形成されており、この当接面752を遊技盤ベース212の後面に当接させた上で、図示しないビスを当接面752の後側からビス孔751を介して遊技盤ベース212にねじ込むことで装飾可動体ユニットカバー435を遊技盤ベース212に取付けられるようになっている。
なお、本例の装飾可動体ユニットカバー435は、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433を取付けた状態では、それらの第一ベース475及び第二ベース635における取付当接面474,634の取付孔512,672が、装飾可動体ユニットカバー435の外周よりも外側に位置するようになっている。これにより、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433は、装飾可動体ユニットカバー435に取付けられた状態で、それらの第一ベース475及び第二ベース635の取付孔512,672を介して図示しないビスにより直接遊技盤ベース212の後面側に取付けられるようになっている。
また、装飾可動体ユニットカバー435には、第一装飾可動体駆動ユニット450及び第二装飾可動体駆動ユニット610の後側と対向する所定の位置に、配線保持手段770が夫々備えられている。この配線保持手段770は、第一昇降部材470に支持される発光基板457、及び第二昇降部材630に支持される発光基板615と接続される複数の配線コード771の所定位置に固定された配線バンド772を保持して、第一昇降部材470や第二昇降部材630が上下動する際に、それらの発光基板457,615に接続された配線コード771が他の部材に絡まったり、挟まったりしないようにするためのものである。
この配線保持手段770は、具体的には、配線コード771の端部(先端部)に取付けられる接続コネクタが通過可能な貫通口からなるコネクタ通過部773と、コネクタ通過部733に隣接して設けられ配線コード771に固定された配線バンド772が通過不能且つ配線コード771のみが通過可能とされた第一通過部774と、第一通過部774に隣接して設けられ配線コード771に固定された配線バンド772が通過不能且つ配線コード771のみが通過可能とされた第二通過部775とから構成されている。これら第一通過部774、及び第二通過部775は、細長いスリット状に形成されていると共に、互いに略平行となるように配置されている。
また、配線保持手段770には、第一通過部774と、第二通過部775とを連通すると共に、配線コード771が通過可能とされた連通部776と、連通部776に臨み第一通過部774と第二通過部775との間に配置され第一通過部774及び第二通過部775の開口面に対して略直角方向に突出する突出部777とを更に備えている。なお、本例では、連通部776は、配線コード771に固定された配線バンド772が通過可能な大きさとされていると共に、突出部777は、装飾可動体ユニットカバー435の前側と後側の両側に、夫々突出するように備えられている。
この配線保持手段770は、所定の位置に配線バンド772が固定された配線コード771を、第一装飾可動体ユニット431及び第二装飾可動体ユニット433の配置される前側から、後側へそのコネクタ通過部773を通過するように挿通させる。続いて、挿通した配線コード771の配線バンド772よりも基端側を、連通部776を介して第一通過部774に、装飾可動体ユニットカバー435の後側から前側へ通過させ、更に配線バンド772の先端側を、同じく連通部776を介して第二通過部775に、装飾可動体ユニットカバー435の前側から後側に通過させる。そして、配線コード771に固定された配線バンド772を第一通過部774の開口部と当接(装飾可動体ユニットカバー435の前側と当接)させると共に、第一通過部774と第二通過部775との間で配線コード771が弛まないようにすることで、配線コード771をその基端側から引張っても、配線バンド772から先端側が動かないように保持することができるようになっている。
なお、配線保持手段770には、突出部777が備えられているので、スリット状の第一通過部774及び第二通過部775に沿って配線コード771が移動しても、突出部777によりその移動が規制されるので、配線コード771が連通部776を介して第一通過部774及び第二通過部775から外れるのを防止することができるようになっている。
[主基板及び周辺基板の機能的な構成について] 図53及び図54に基づき説明する。
図53及び図54は、制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続及び方向を示し、細線の矢印は信号の接続及び方向を示している。本例のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板810のグループ(図53に示す)と、周辺基板811のグループ(図54に示す)とで分担されており、このうち主基板810のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板811のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示、及び装飾体の動作等)を制御している。
図53に示すように、主基板810は、主制御基板94と払出制御基板133とから構成されている。主制御基板94は、中央演算装置としてのCPU812、読み出し専用メモリとしてのROM813、読み書き可能メモリとしてのRAM814を備えている。CPU812は、ROM813に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板811や払出制御基板133に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM814には、主制御基板94で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主基板810は、電源中継端子板860を介して電源基板131に接続されており、電源基板131から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板94の入力インタフェースには、第一始動口330への入賞状態を検出する第一始動口センサ416、第二始動口332への入賞状態を検出する第二始動口センサ358、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数計数センサ870が接続されている。また、パネル中継端子板866を介して、ゲートに対して遊技球の通過したことを検出するゲートセンサ990と、右側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する右一般入賞口センサ417aと、左側の一般入賞口336に遊技球が入賞したことを検出する左一般入賞口センサ417bとが接続され、さらにパネル中継端子板866に接続された大入賞口中継端子板867を介して大入賞口センサ370が接続されている。そして、これらのセンサから検出信号が主制御基板94に入力されるようになっている。また、主制御基板94の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ862、及び前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ863も接続されている。
一方、パネル中継端子板866の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板868を介して、普通図柄・特別図柄表示基板869が接続されており、主制御基板94から、普通図柄表示器928(図77参照)及び特別図柄表示器390へ駆動信号を出力することが可能になっている。また、大入賞口中継端子板867の出力インタフェースには、アタッカ装置335を駆動するアタッカソレノイド372、及び可動片331を駆動する始動口ソレノイド352が接続されており、主制御基板94から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板133は、中央演算装置としてのCPU815、読み出し専用メモリとしてのROM816、及び読み書き可能メモリとしてのRAM817を備えている。そして、払出制御基板133は、主制御基板94から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置125や、発射制御基板865に接続された発射モータ128に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置125は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ128は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。なお、主制御基板94と払出制御基板133との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板94が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板133から主制御基板94にACK信号が返される。また、払出制御基板133には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ864も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出す旨」の報知がなされる。
また、主制御基板94及び払出制御基板133には、外部端子板861が接続されており、始動口330,332や大入賞口333への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態、及び抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板811は、図54に示すように、サブ統合基板830と液晶制御基板832とから構成されている。なお、上記の主制御基板94とサブ統合基板830との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板94からサブ統合基板830へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板811に対しても電源中継端子板860を介して電源基板131から作動用電力が供給されるようになっている。
サブ統合基板830もまた、CPU834をはじめROM835やRAM836等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、サブ統合基板830には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM883と、ROM883に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC882とが設けられている。なお、サブ統合基板830と液晶制御基板832との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、液晶制御基板832には、演出表示装置217としての液晶表示器(LCD)が接続されており、液晶制御基板832は、サブ統合基板830から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置217に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶制御基板832には、CPU851、RAM857、ROM854、VDP884、及び画像ROM885が備えられている。CPU851は、サブ統合基板830から送られてきたコマンド信号を入力インターフェイスを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP884の制御を行う。RAM857は、CPU851の作業領域を提供するとともに、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM854は、CPU851用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)884は、演出表示装置217に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP884の内部には、レジスタが設けられており、VDP884の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU851が書き換えることにより、演出表示装置217における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM885は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、及び、背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、サブ統合基板830には、電飾制御基板831及び枠装飾中継端子板886が接続されており、さらに、電飾制御基板831には、中継端子板として、第一装飾可動体430に対応する顔ユニット中継端子板887と、第二装飾可動体432に対応する下顎ユニット中継端子板888と、右装飾可動体234及び左装飾可動体235に対応するセンター装飾駆動部中継端子板889が、夫々接続されている。そして、顔ユニット中継端子板887の入力インタフェースには、第一装飾可動体430の位置を検出する第一装飾可動体位置検出センサ558が接続され、さらに、出力インタフェースには、第一装飾可動体430に設けられた顔ユニット装飾ランプ456a(LED346)と、第一装飾可動体430を回動させる第一装飾可動体ソレノイド551が接続されている。なお、第一装飾可動体430を昇降させる第一駆動モータ477は、顔ユニット中継端子板887を介することなく、電飾制御基板831の出力インタフェースに直接接続されている。また、下顎ユニット中継端子板888の入力インタフェースには、第二装飾可動体432の位置を検出する第二装飾可動体位置検出センサ732が接続され、出力インタフェースには第二装飾可動体432に設けられた下顎ユニット装飾ランプ614a(LED614)と、第二装飾可動体432を回動させる第二装飾可動体ソレノイド711が接続されている。なお、第二装飾可動体432を昇降させる第二駆動モータ637は、下顎ユニット中継端子板888を介することなく、電飾制御基板831の出力インタフェースに直接接続されている。
センター装飾駆動部中継端子板889の入力インタフェースには、左装飾可動体235の位置を検出する左飾モータセンサ319aと、右装飾可動体234の位置を検出する右飾モータセンサ319bとが接続され、出力インタフェースには、右装飾可動体234及び左装飾可動体235に内蔵されたLED293(左装飾ランプ293a及び右装飾ランプ293b)が夫々接続されている。なお、右装飾可動体234及び左装飾可動体235を回転させるセンター飾左駆動モータ310a及びセンター飾右駆動モータ310bは、センター装飾駆動部中継端子板889を介することなく、電飾制御基板831の出力インタフェースに直接接続されている。また、電飾制御基板831の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ890及びセンター装飾ランプ891も接続されており、電飾制御基板831では、これらのランプの点灯状態を切り替えることも可能である。また、サブ統合基板830に接続された枠装飾中継端子板886には、前面枠4に装着されたスピーカ18,57、演出選択スイッチ892、及び枠装飾ランプ893等が接続されており、サブ統合基板830は、演出選択スイッチ892の操作状態に基づいて演出表示装置217に出力される演出態様を切り替えるとともに、スピーカ18,57や枠装飾ランプ893に対して駆動信号を出力する。
[主役物及び後装飾体の動作について] 図55乃至図57に基づき説明する。
図55は、主役物における装飾可動体が略垂直方向に回動した状態を示す遊技領域の正面図である。図56は、図55の状態から更に後装飾体の第一装飾可動体及び第二装飾可動体を可動させた状態を示す遊技領域の正面図である。図57は、後装飾体の第一装飾可動体及び第二装飾可動体を可動させた状態を示す遊技領域の正面図である。
まず、電飾制御基板831では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の回転位置を検出する左右の回転位置検出センサ319の検出信号の受信の有無を確認し、回転位置検出センサ319からの検出信号がなければ、右装飾可動体234及び左装飾可動体235が夫々水平状態となるような方向に左右の装飾可動体駆動モータ310を回転駆動させて、各回転位置検出センサ319から検出信号を受信すると、装飾可動体駆動モータ310の回転を停止させる。これにより、右装飾可動体234及び左装飾可動体235は図10に示すような、略水平状態となる。
その後、遊技状態の変化に伴って、サブ統合基板830から電飾制御基板831へ、装飾可動体234,235を駆動制御する所定の制御コマンドが送信されると、電飾制御基板831では、装飾可動体駆動モータ310を回転駆動させて、図54に示すように右装飾可動体234及び左装飾可動体235が夫々垂直状態となるように回転させる。図示するように、この状態では、主役物213における枠状装飾体230の上縁部下側に、後装飾体216の第一装飾可動体430の一部が見える状態となる。
なお、サブ統合基板830からの制御コマンドによっては、装飾可動体駆動モータ310を短周期で正転、逆転を繰り返させて、装飾可動体234,235がブルブル振動するように駆動することもできるようになっている。
この状態で、サブ統合基板830から電飾制御基板831へ、後装飾体216の第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を駆動制御する所定の制御コマンドが送信されると、電飾制御基板831では、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432が互いに接近する方向に第一駆動モータ477及び第二駆動モータ637を回転駆動させて、演出表示装置217の前面に第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431が位置するように移動させる(図56参照)。なお、これら第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431は、サブ統合基板830からの制御コマンドに応じて、適宜、互いに接近したり、離反したりするように駆動され、第一装飾可動体430と第二装飾可動体431とで表現される所定のキャラクタの口がパクパクと開閉するような動作をさせることができるようになっている。ここで、電飾制御基板831が本発明の装飾可動体動作制御手段に相当する。
また、サブ統合基板830からの制御コマンドに応じて、電飾制御基板831では、第一装飾可動体ソレノイド551及び第二装飾可動体ソレノイド711を駆動させて、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431を夫々左右方向に延びる軸周りに回転させることで、第一装飾可動体430においてはその顔を前後に回動させると共に、第二装飾可動体432においてはその下顎を前後に回動させ、キャラクタの口の動作をよりリアルな動作となるようにしている。
なお、図56に示すように、下方に移動した第一装飾可動体430は、その左右両端が右装飾可動体234及び左装飾可動体235によって遮られるので、あたかも第一装飾可動体430が宙に浮いているように見せることができるようになっている。また、第二装飾可動体430では、第二装飾可動体ユニット433の第二昇降部材630に取付けられた装飾体730によって、第二装飾可動体432を支持する支持シャフト690が隠蔽されている。
また、サブ統合基板830からの制御コマンドによっては、図57に示すように、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体431のみを駆動することもできるようになっている。なお、第一装飾可動体430を備えた第一装飾可動体ユニット431の第一昇降部材470に取付けられた装飾体556によって、第一装飾可動体430を支持する支持シャフト530が隠蔽されており、見栄えを良くして意匠性が高められるようになっている。
次に、主制御基板94(特にCPU812)で実行される制御処理の例について、図58乃至図68を参照して説明する。図58(a)は主制御基板94に搭載されるCPU812が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートであり、(b)は電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図59は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図60は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。図61は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図62は、変動開始処理を示すフローチャートである。図63は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図64は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。図65は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図66は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図67は、特別電動役物大当り制御処理の一例を示すフローチャートである。図68は、特別電動役物小当り制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板94に搭載されるCPU812により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図58(a)に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU812は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM814に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM814に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM814をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM814に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM814に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM814をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板94に搭載されるRAM814にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM814をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板830に主制御基板94が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板94が起動したことをサブ統合基板830に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM814にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU812は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU812は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板94に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板94に搭載されるCPU812により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM814にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図58(b)は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU812は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM814のチェックサムを算出し、RAM814の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM814の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU812は、RAM814の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU812は、RAM814へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU812には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図58の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU812が起動することになる。
図59は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主制御基板94に搭載されるCPU812により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU812は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板133に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通図柄・普通電動役物制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させるとともに、普通電動役物(すなわち始動口ソレノイド352によって開閉される可動片331)を制御し、第二始動口332の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別図柄・特別電動役物制御処理では、遊技の進行状態に基づいて第一特別図柄表示器390a及び第二特別図柄表示器390で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイド372によって開閉される開閉扉334(アタッカ装置335))を制御し、大入賞口333の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。ステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ(図示しない)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドをサブ統合基板830に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板830に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板94に搭載されるCPU812により更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態(後述する「小当り」を含む)を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴う外れとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、第一特別図柄表示器390a及び第二特別図柄表示器390bに表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、可動片331を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選も行われる。また、大当り図柄用乱数を用いて確率変動大当り(特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する)とするか否かの判定も行われる。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定するとともに、演出表示装置217にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片331を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片331を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片331を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生および普通抽選に関わらないリーチ判定乱数および変動表示パターン乱数等の更新を行う。
図60は、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS15)の一例を示すフローチャートである。特別図柄・特別電動役物制御処理において、CPU812は、ステップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では、第一始動口330または第二始動口332に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞した場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では、夫々の大当り抽選における始動記憶数(保留数)を確認し、始動記憶数(合計始動記憶数)が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステップS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(第一特別図柄表示器390a及び第二特別図柄表示器390bにて特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器390aまたは第二特別図柄表示器390bにおける特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じてアタッカ装置335の開放回数や開放時間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、小当りにおけるアタッカ装置335の開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の特別電動役物大当り制御処理では、大入賞口333を開放させるとともに、所定個数の遊技球が大入賞口333に入賞したとき、または、所定期間が経過したときアタッカ装置335を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、アタッカ装置335を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数に達した後、確率変動状態及び時短遊技状態を発生させる処理を実行する。ステップS90の特別電動役物小当り制御処理では、大入賞口333を開放させるとともに、所定個数の遊技球が大入賞口333に入賞したとき、または、所定期間が経過したときアタッカ装置335を閉塞状態にするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、特別電動役物小当り制御処理における大入賞口333の開放は、特別電動役物大当り制御処理(ステップS80)に比べて、遊技者への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS90における具体的な処理について説明する。
図61に示すように、始動口入賞処理では、まず、第二始動口センサ358から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ358から検出信号が出力された場合には、第二始動口332に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201にてYES)、第二始動口センサ358からの検出信号が出力されていなければ第二始動口332に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステップS201にて第二始動口332に遊技球が入賞したと判別したときには、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM814に設けられている第二保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留球数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を実行する。なお、これらの処理については後述する。なお、ステップS202で第二保留球数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ358から検出信号が出力されていない場合(ステップS201にてNO)、または第二保留球数カウンタの値が4である場合(ステップS202にてNO)には、第一始動口330に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ416から検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口330に遊技球が入賞したと判別したときには(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM814に設けられている第一保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留球数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を実行する。なお、ステップS206で第一保留球数カウンタの値が4である場合には、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
図62に示すように、変動開始処理では、まず、処理フラグが「0」か否かを判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器390a,390bに対応する二つの保留球数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」であるか否かを判別する。二つの保留球数カウンタの値の和は、始動記憶の保存領域(特別図柄用乱数記憶手段940(図79参照))に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS302においていずれの保留球数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されてステップS317に移行する。
一方、ステップS302で何れかの保留球数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図79に示すように、特別図柄用乱数記憶手段940には八つの記憶領域(記憶領域[1]940a〜記憶領域[8]940h)が設けられている。つまり、第一始動記憶数と第二始動記憶数との合計である合計始動記憶数(「1」〜「8」)の値にそれぞれ対応付けられた、八個の記憶領域940a〜940hが設けられている。各記憶領域940a〜940hは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域946と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域947と、特別図柄判定フラグが記憶される特別図柄判定フラグ記憶領域948とを有している。特別図柄判定フラグとしては、記憶される乱数が第一特別図柄(第一抽選)に関する乱数であることを示す「0」と、第二特別図柄(第二抽選)に関する乱数であることを示す「1」とが設定されている。そして、始動記憶移行処理では、まず、記憶領域[1]940aの特別図柄判定フラグ記憶領域948に記憶されている特別図柄判定フラグを基に、次に変動させる図柄が、第二特別図柄であるか否かを判定する(ステップS303)。第二特別図柄ではない場合、すなわち第一特別図柄である場合には(ステップS303にてNO)、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]940b〜記憶領域[8]940h)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]940a〜記憶領域[7]940g)に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]940aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)とともに、第一特別図柄に対応する保留球数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、記憶領域[1]940aの特別図柄判定フラグ記憶領域948に記憶されている特別図柄判定フラグを基に判別される、次回の変動図柄が、第二特別図柄である場合には(ステップS303にてYES)、ステップS304と同様、n番目の各記憶領域(記憶領域[2]940b〜記憶領域[8]940h)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]940a〜記憶領域[7]940g)に夫々シフトする処理(ステップS308)と、記憶領域[1]940aに記憶されていた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS309)と、を実行する。また、特別図柄変動フラグに「2」をセットする(ステップS310)とともに、第二特別図柄に対応する保留球数カウンタを「1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本例では、図80(a)に示すように、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が1/315.5に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が1/31.55に設定されている。
ステップS313またはステップS314においていずれかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS305またはステップS309にて取得された、いずれかの特別図柄に関する乱数が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315)。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS316)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS318にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS317に移行し、一方、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステップS319を経由することなく、ステップS317に移行する。ステップS317では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM814に記憶される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
図63に示す変動パターン設定処理では、まず、処理フラグが「1」か否かを判別し、ステップS317によって「1」となっている場合(ステップS401にてYES)には、ステップS402以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS401にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。ステップS402では、大当りフラグが「ON」か否かを判別し、ステップS316によって「ON」となっている場合(ステップS402にてYES)には、取得された乱数を基に、確率変動大当りまたは通常大当りのいずれの大当りであるのかを判別する(ステップS403)。そして、確率変動大当りである場合(ステップS403にてYES)には、特殊当りか否かを判別する(ステップS404)。詳しくは後述するが、いずれの確率変動大当りも、「その後の抽選において、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態し、且ついずれかの特別図柄表示器で変動する特別図柄の変動時間を短縮させる(通常時よりも相対的に短くする)とともに、第二始動口332への入賞のしやすさを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態を発生させる」ことは、共通しているが、特殊当りである確率変動大当りと、特殊当りでない一般の確率変動大当りとでは、遊技者に与える利益の程度が大きく異なるように設定されている。つまり、一般の確率変動大当りでは、アタッカ装置335(本発明の開閉入賞装置に相当)の一回当りの開放時間が、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の時間に設定されているとともに、アタッカ装置335の開閉動作を、多くの利益を付与する回数(例えば15回)行うように制御される。これに対し、特殊当りである確率変動大当りでは、アタッカ装置335の一回当りの開放時間が、数個(例えば一または二個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間に設定されているとともに、アタッカ装置335の開閉動作を例えば二回行うように制御される。
ステップS404において、特殊当りでないと判別された場合、すなわち一般の確率変動大当りであると判別された場合には(NO)、確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップS405)、一方、特殊当りであると判別された場合には(ステップS404にてYES)、確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS406)。なお、ステップS403において、確率変動大当りでないと判別された場合、すなわち通常大当りであると判別された場合には(YES)、通常大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS407)。
一方、ステップS402において、大当りフラグが「ON」ではないと判別された場合には(NO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS408)、ステップS319によって「ON」となっている場合には(ステップS408にてYES)、小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS409)。また、小当りフラグが「ON」となっていない場合には(ステップS408にてNO)、取得されたリーチ判定用乱数がリーチに相当する乱数(リーチ値)か否かを判別し(ステップS410)、リーチ値である場合には(ステップS410にてYES)、はずれリーチ時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップ411)、リーチ値でない場合には(ステップS410にてNO)、はずれ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS412)。
このように、いずれかのステップにおいて、変動表示パターンテーブルが選択されると、その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309のいずれかにおいて取得された変動表示乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ステップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板94に搭載されるRAM814に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。ステップS415では、ステップS413で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理にてサブ統合基板830に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板830に送信するときには、第一特別図柄表示器390a及び第二特別図柄表示器390bに駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設定処理を終了する。
図64に示す変動中処理では、まず、処理フラグが「2」か否かを判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、第一特別図柄表示器390aまたは第二特別図柄表示器390bにて第一特別図柄または第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変動時間がタイムアップした際、すなわち変動時間が終了した場合には(ステップS503にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。なお、いずれの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS507)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ステップS506、ステップS508、またはステップS509のいずれかにおいて処理フラグを更新した後、変動中処理を終了する。
図65に示す大当り遊技開始処理では、まず、処理フラグが「3」か否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS601にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステップS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合には(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS602にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップS605)、ステップS606に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステップS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS606の処理に移行する。
ステップS606では、大当りの種類が、一般の大当りであるか特殊当りであるかを判別し、一般の大当りである場合には(ステップS606にてNO)、アタッカ装置335による大入賞口333の開放条件、すなわち大当り用開放回数(例えば最大15回)、一回当りの開放時間(例えば最大18秒)、及び大入賞口333への入賞制限個数(例えば一回当り最大10個)を設定する(ステップS607)。一方、大当りが特殊当りである場合には(ステップS606にてYES)、大入賞口333における特殊当り用開放回数(例えば二回)、入賞制限個数(例えば6個)、及び一回当りの開放時間(例えば1.8秒)を設定する(ステップS608)。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処理を終了する。
一方、図66に示す小当り遊技開始処理では、まず、処理フラグが「4」か否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS701にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では、小当りの場合における大入賞口333の開放条件、すなわちアタッカ装置335による大入賞口333の小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。なお、小当りにおける開放回数、入賞制限個数、及び開放時間は、特殊当りの場合に設定される条件(ステップS608)と同一になるように設定されている。すなわち、特殊当りと小当りとを、視覚的に判別することができないように設定されている。その後、処理フラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
図67に示す特別電動役物大当り制御処理では、まず、処理フラグが「5」か否かを判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801にてYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS801にてNO)、特別電動役物大当り制御処理を終了する。ステップS802では、大入賞口333が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口333の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、アタッカ装置335を作動させて大入賞口333を閉鎖する(ステップS805)。なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)、大入賞口333が開放された後に大入賞口333に入賞した遊技球の個数が、ステップS607で設定された制限個数(例えば10個)を超えた場合には(ステップS804にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口333を閉鎖する。また、大入賞口333の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、しかも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)、特別電動役物大当り制御処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口333が開放中でない場合には(NO)、アタッカ装置335による大入賞口333の開放回数が、ステップS607で設定された大当り用開放回数、またはステップS608で設定された特殊当り用開放回数に、到達したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステップS806にてNO)、アタッカ装置335を制御して大入賞口333を開放し(ステップS807)、特別電動役物大当り制御処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口333に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口333の開放回数が設定された回数に達した場合(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステップS813の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる当選であるか否かを判別する(ステップS809)。つまり、特殊当りを含む確率変動大当りであるか、通常大当りであるかを判別する。確率変動大当りで当選した場合には(ステップS809にてYES)、確率変動機能の作動を開始し、高確率である確率変動状態とする(ステップS810)。すなわち、その後の抽選において大当りが当選する確率を通常時よりも高く設定する。なお、その大当りが特殊当りである場合には(ステップS811にてYES)、確率変動機能または時短機能の作動中の当りか否かを判別する(ステップS814)。そして、特殊当りでない場合すなわち一般の確率変動大当りである場合(ステップS810にてNO)、または確率変動機能または時短機能が既に作動している場合に特殊当りが当選した場合には、時短機能の作動を開始し(ステップS812)、その後、処理フラグを「0」に更新する(ステップS813)。つまり、第一特別図柄表示器390aまたは第二特別図柄表示器390bで変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させるとともに、可動片331の開放作動によって第二始動口332への入賞のし易さを通常よりも高くする。一方、確率変動機能及び時短機能の作動中ではない場合、すなわち確率変動状態も時短遊技状態も発生していない状態で、特殊当りが当選した場合には(ステップS814にてNO)、時短機能を作動させることなくステップS813に移行する。
一方、ステップS809において確率変動機能を作動させる当選ではない場合、すなわち通常大当りの場合には(NO)、時短機能の作動を開始する(ステップS815)とともに、時短機能における作動の規定回数を設定し(ステップS816)、その後、ステップS813に移行する。つまり、抽選による第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(規定回数)になるまで時短機能を作動させる。
図68に示す特別電動役物小当り制御処理では、まず、処理フラグが「6」か否かを判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901にてYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS901にてNO)、特別電動役物小当り制御処理を終了する。ステップS902では、大入賞口333に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口333が開放中か否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大入賞口333が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口333の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、アタッカ装置335を作動させて大入賞口333を閉鎖する(ステップS905)。その後、大入賞口333の開放回数が予め定めた所定回数(例えば二回)に達したか否かを判別し(ステップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS907)、特別電動役物小当り制御処理を終了する。なお、ステップS904において大入賞口333の開放時間が所定時間に達していない場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、特別電動役物小当り制御処理を終了する。また、ステップS903において、大入賞口333が開放中でない場合には(NO)、大入賞口333を開放し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また、ステップS902において、大入賞口333に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口333が開放中か否かを判別し(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口333を閉鎖し(ステップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口333が開放中でない場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
次に、サブ統合基板830に搭載される統合CPU834によって実行される処理について説明する。図69はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図70は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図69に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU834は、初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、サブ統合基板830に搭載される統合RAM836をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
この実施の形態では、統合CPU834は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板94から受信した演出コマンドに基づいて演出表示装置217、枠ランプ,遊技盤ランプ、スピーカ等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS1004を繰り返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図70は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU834は、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100のコマンド解析処理では、主制御基板94から受信した演出コマンドを解析する。ステップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて演出表示装置217に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS1400のランプ制御処理では、遊技盤ランプ、枠ランプに関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出力処理では、電飾制御基板831にランプ演出コマンドを送信するとともに、電飾制御基板832に表示コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図71は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU834は、まず、主制御基板94から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、主制御基板94から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板830に搭載される統合RAM836における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットするとともに、サブ統合基板830に搭載される統合RAM836における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS1107)。
図72は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU834は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS1210〜ステップS1290のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、変動停止コマンドを受信したときに電飾制御基板832に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS1290)では、主制御基板94から送信される大当り開始コマンドに応じて演出表示装置217に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図73は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU834は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセットされ、主制御基板94から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、外れ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1224)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS1223aにてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS1223b)、確変大当りフラグがセットされていれば(YES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS1225)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS1223bにてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1226)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS1230)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS1220)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS1290)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第一特別図柄と1:1で対応する第一装飾図柄と、第二特別図柄と1:1で対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付けられ第一特別図柄及び第二特別図柄に対応する共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ、非確変大当り(通常大当り)である組合せ、小当りである組合せ、及び外れである組合せ等が予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組み合わせ、または非確変大当り図柄として設定された複数の組み合わせ、のうちいずれかの組み合わせ図柄を停止図柄として決定する。
一方、共通装飾図柄列は、数字を有する複数(例えば3列)の図柄列からなり、変動表示パターンが当りパターンであれば、同一の奇数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を確変大当り図柄として決定し、同一の偶数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を非確変大当り図柄として決定する。また、ステップS1224で外れ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の共通装飾図柄のうち左および右の共通装飾図柄列が同一図柄であり、中の装飾図柄列は左および右の装飾図柄列とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の共通装飾図柄列のそれぞれが異なる図柄となるように停止図柄を決定する。
次いで、統合CPU834は、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行した後(ステップS1227)、発展演出に関する背景選択処理を実行可能とする(ステップS1228)。なお、この処理の詳細については後述する。その後、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パターンと、ステップS1224,S1225,S1226で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1229)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS1230)。なお、ステップS1229でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて電飾制御基板832に送信され、電飾制御基板832に搭載される表示CPU851により当該表示コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置217にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS1229で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて、誤って以前の予告演出が実行されることを防止できる。
続いて、特別図柄、第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列を含む演出表示に関する機能的な構成を、図80〜図84のブロック図に基づいて説明する。図80は主制御基板94での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示し、図81は主制御基板94での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示し、図82は第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示し、図83は主制御基板94での普通抽選に関する機能的な構成を示し、図84は周辺基板811(主にサブ統合基板830及び電飾制御基板832)での演出に関する機能的な構成を示している。
図80に示すように、主制御基板94には、第一大当り抽選に関する構成として、第一当り判定用テーブル911a、第一当り図柄用テーブル912a、第一当り時変動時間設定用テーブル913a、及び第一外れ時変動時間設定用テーブル914aが予め記憶されており、これらのテーブル911a〜914aを基に、第一大当り抽選における抽選の当否、第一特別図柄表示器390aにおける停止図柄、及び変動時間が決定される。第一当り判定用テーブル911aは、大当り判定用乱数値と大当りまたは小当りの当否との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また、第一当り図柄用テーブル912aは、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器390aにおける停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と二つのLED(第一特別図柄)の点灯状態との対応付けがなされている。また、第一当り時変動時間設定用テーブル913aは、第一大当り抽選における当否の結果が大当りまたは小当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器390aにおける第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一外れ時変動時間設定用テーブル914aは、第一大当り抽選における当否の結果が外れの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器390aにおける第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確率時のテーブルのうち、いずれか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一抽選用確率選択手段920aによって行われる。また、図示してしないが、第一当り図柄用テーブル912aには、確率変動大当り用のテーブル、特殊当り用のテーブル、通常大当り用のテーブル、及び小当り用のテーブルが夫々備えられており、後述する第一当否決定手段930aによって決定された当選の種別に対応したテーブルが選択されるようになっている。
また、主制御基板94には、第一始動口センサ416(本発明の第一入賞状態検出手段に相当)によって第一始動口330への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段916aと、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段917aとが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段918aが設けられている。また、第一当り判定用乱数抽出手段916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段930a、及び第一当り図柄用乱数抽出手段917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル912aを用いて第一特別図柄表示器390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段931aが設けられている。さらに、第一変動時間用乱数抽出手段918aによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段930aによって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル913aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段930aによって外れであることが決定されると、第一外れ時変動時間設定用テーブル914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段932aが設けられている。
また、主制御基板94には、第一特別図柄表示器390aにおいて第一特別図柄の変動を開始するとともに、第一変動時間決定手段932aによって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段931aによって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段934と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段930aによって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段935が設けられている。さらに、主制御基板94には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ416によって第一始動口330への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶するとともに、第一特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰り返し行わせる第一保留消化手段922aが設けられている。換言すれば、第一始動口センサ416による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機させる第一保留消化手段922aが設けられている。第一保留消化手段922aについてさらに詳細に説明する。第一保留消化手段922aには、第一保留制御手段941a及び第一消化制御手段942aが設けられており、第一保留制御手段941aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ416によって第一始動口330への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすとともに、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、特別図柄用乱数記憶手段940の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第一消化制御手段942aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を読み出すとともに、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。ここで、第一当り判定用乱数抽出手段916a、第一変動時間用乱数抽出手段918a、第一当否決定手段930a、及び第一停止図柄決定手段931a等を組合せたものが本発明の第一抽選手段に相当する。また、特別図柄変動制御手段934が本発明の表示制御手段に相当し、第一停止図柄決定手段931a及び第一変動時間決定手段932aを組合せたものが本発明の表示態様決定手段に相当する。
また、図81に示すように、主制御基板94には、第二大当り抽選に関する構成として、第二当り判定用テーブル911b、第二当り図柄用テーブル912b、第二当り時変動時間設定用テーブル913b、及び第二外れ時変動時間設定用テーブル914bが予め記憶されており、これらのテーブル911b〜914bを基に、第二大当り抽選における抽選の当否、第二特別図柄表示器390bにおける停止図柄、及び変動時間が決定される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板94には、第二始動口センサ358(本発明の第二入賞状態検出手段に相当)によって第二始動口332への入賞が検出されたときに第二大当り抽選に関する大当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段916bと、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段917bと、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段918bとが設けられている。また、第二当り判定用乱数抽出手段916bによって大当り判定用乱数が抽出されると、第二当り判定用テーブル911bを用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段930b、及び第二当り図柄用乱数抽出手段917bによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二当り図柄用テーブル912bを用いて第二特別図柄表示器390bにおける停止図柄を決定する第二停止図柄決定手段931bが設けられている。さらに、第二変動時間用乱数抽出手段918bによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段930bによって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時間設定用テーブル913bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段930bによって外れであることが決定されると、第二外れ時変動時間設定用テーブル914bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段932bが設けられている。
また、前記の特別図柄変動制御手段934は、第二特別図柄表示器390bにおいて第二特別図柄の変動を開始するとともに、第二変動時間決定手段932bによって決定された変動時間の経過後、第二停止図柄決定手段931bによって決定された停止図柄で変動停止させる。つまり、特別図柄変動制御手段934は、第一始動口センサ416及び第二始動口センサ358による遊技球の検出順序に従って第一特別図柄または第二特別図柄を順次変動させるとともに、第一停止図柄決定手段931aまたは第二停止図柄決定手段931bによって決定された停止図柄で第一特別図柄または第二特別図柄の変動を停止させる。さらに、主制御基板94には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ358によって第二始動口332への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第二始動記憶数をカウントし記憶するとともに、第二特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰り返し行わせる第二保留消化手段922bが設けられている。換言すれば、第二始動口センサ358による遊技球の検出に基づく第二処理の実行を待機させる第二保留消化手段922bが設けられている。第二保留消化手段922bについてさらに詳細に説明する。第二保留消化手段922bには、第二保留制御手段941b及び第二消化制御手段942bが設けられており、第二保留制御手段941bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ358によって第二始動口332への入賞が検出された場合、第二始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすとともに、第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、特別図柄用乱数記憶手段940の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第二消化制御手段942bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第二特別図柄の変動が可能になった場合、第二特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を読み出すとともに、第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
ここで、第二当り判定用乱数抽出手段916b、第二変動時間用乱数抽出手段918b、第二当否決定手段930b、及び第二停止図柄決定手段931b等を組合せたものが本発明の第二抽選手段に相当する。また、第二停止図柄決定手段931b及び第二変動時間決定手段932bを組合せたものが本発明の表示態様決定手段に相当する。
また、図82に示すように、主制御基板94には、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bによる抽選結果を基に、遊技者に有利な遊技状態を付与する五つの有利遊技状態制御手段を備えている。ここで、有利な遊技状態には、アタッカ装置335(本発明の開閉入賞装置に相当)を開放し、大入賞口333に対して遊技球の入賞を可能とすることが含まれており、特定利益付与手段981または所定利益付与手段982のいずれか一方によってアタッカ装置335が開放制御されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、所定利益付与手段982は、アタッカ装置335の一回当りの開放時間を、数個(例えば1〜2個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とするとともに、アタッカ装置335の開閉動作を少なくとも一回以上(本例では二回)行うことで、遊技者に所定の利益を付与するものである。これにより、所定数の遊技球を大入賞口333に入賞させることが可能になるが、入賞可能な個数は極めて少ないため、これによって遊技者が受ける利益は比較的少ないものとなる。一方、特定利益付与手段981は、アタッカ装置335の一回当りの開放時間を、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とするとともに、アタッカ装置335の開閉動作を、所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多い回数(本例では15回)行うことで、遊技者に特定の利益を付与するものである。これによれば、多数の遊技球を大入賞口333に入賞させることが可能になり、遊技者は大きな利益を得ることができる。
そして、主制御基板94には、特定利益付与手段981によって特定の利益を付与させる手段として、第一有利遊技状態制御手段933a及び第二有利遊技状態制御手段933bが設けられ、所定利益付与手段982によって所定の利益を付与させる手段として、第三有利遊技状態制御手段933c、第四有利遊技状態制御手段933d、及び第五有利遊技状態制御手段933eが設けられている。
第一有利遊技状態制御手段933aによって発生する第一有利遊技状態(図86(b)の「第一大当り」に相当)は、所謂「確率変動大当り」であり、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bの抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段981によって特定の利益を付与するとともに、高確率状態設定手段983によって、その後の抽選で特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。つまり、高確率である確率変動状態とする。なお、本例では、図86(a)に示すように、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜630までの631個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が、20個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が20/631となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜630までの631個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が2/631となっている。また、第一有利遊技状態では、第一時短状態設定手段984によって、第一特別図柄表示器390aまたは第二特別図柄表示器390bで変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くするとともに、可動片331が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選となる確率)を高くすることによって第二始動口332への入賞のし易さを通常時よりも増加させる。つまり、時短遊技状態とする。
第二有利遊技状態制御手段933bによって発生する第二有利遊技状態(図86(b)の「第二大当り」に相当)は、所謂「通常大当り」であり、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bの抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段981によって特定の利益が付与される点は第一有利遊技状態と同様であるが、この当りの場合には、その後の抽選で特定の利益が付与される確率は低確率のままである。つまり、確率変動状態にはならず、通常時の確率が維持される。ただし、この第二有利遊技状態では、特定の利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)になるまでの間、第二時短状態設定手段985によって時短遊技状態になり、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くするとともに、可動片331が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選する確率)を高くすることによって遊技球の球持ちをよくする。
第三有利遊技状態制御手段933cによって発生する第三有利遊技状態(図86(b)の「第三大当り」に相当)は、所謂「特殊大当り」であり、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bの抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、所定利益付与手段982によって遊技者に所定の利益(特定の利益よりも有利性の低い利益)を付与する。そして、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を高くする。すなわち、第一有利遊技状態と同様、確率変動状態とする。ただし、時短遊技状態については、この有利遊技状態を発生させる前の遊技状態が所定の条件を満足する場合に限って発生させるようにしている。つまり、遊技状態が確率変動状態ではなく且つ時短遊技状態でもない場合(換言すれば、通常の遊技状態の場合)に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が確率変動状態であるか、または時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、時短発生手段989によって第一時短状態設定手段984を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
第四有利遊技状態制御手段933dによって発生する第四有利遊技状態(図86(a)の「小当り」に相当)は、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bの抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、第三有利遊技状態と同様、所定利益付与手段982によって遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態も時短遊技状態も発生させない。つまり、当りの前後において遊技状態が何ら変わることがなく、他の有利遊技状態に比べて遊技者への利益の程度が極めて低くなっている。そこで、本例では、このような魅力のない当り(すなわち有利遊技状態を生起することのない当り)を、他の当り(大当り)と区別するため、「小当り」と称している。なお、図86(a)に示すように、本例では、0〜630までの631個の小当り判定用乱数(大当り判定用乱数を用いる)のうち、小当り遊技状態を発生させることが決定される小当り判定値が、8個設定され、小当りとなる確率、すなわち第四有利遊技状態が発生する確率が8/631となっている。
第五有利遊技状態制御手段933eによって発生する第五有利遊技状態(図86(b)の「第四大当り」に相当)は、第一当否決定手段930aまたは第二当否決定手段930bの抽選結果が第五結果の場合に発生する。この当りでは、所定利益付与手段982によって遊技者に所定の利益を付与すること、及び高確率状態設定手段983によって所定の利益を付与することは、第三有利遊技状態と同様であるが、この有利遊技状態では、遊技状態に拘わらず、第一時短状態設定手段984によって時短遊技状態を発生させるようにしている。
なお、本例では、夫々の大当りにおける当選の割合を図86(b)に示すように振り分けている。具体的には、第一有利遊技状態制御手段933aによって発生する第一大当り、すなわち確率変動状態及び時短遊技状態がいずれも付与される確率変動大当りを、大当り全体の35%に設定し、第二有利遊技状態制御手段933bによって発生する第二大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく一定回数の時短遊技状態が付与される通常大当りを35%に設定している。また、第三有利遊技状態制御手段933cによって発生する第三大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを27%に設定し、第五有利遊技状態制御手段933eによって発生する第四大当り、すなわち確率変動状態及び時短遊技状態がいずれも付与される特殊大当りを3%に設定している。つまり、第一大当り(確率変動大当り)と第二大当り(通常大当り)とを同じ割合で発生させ、それらよりも幾分低い割合で第三大当り(特殊大当り)を発生させるように設定されている。また、第四大当りが発生する割合は第三大当りの1/9程度に設定されており、極めて稀にしか発生しないようになっている。
ところで、前記したように、第四有利遊技状態制御手段933dによって小当りが発生する確率は8/631に設定され、一方、通常時に大当りが発生する確率は2/631に設定されているため、小当りが発生する確率と、第三大当りまたは第四大当りが発生する確率との比率は、1:0.075となる。したがって、所定利益付与手段982によって所定の利益が付与される当りとして、これらの三種類の当りが設けられているものの、その殆どが小当りとなり、確率変動状態が発生する確率は7%程度となる。換言すれば、確率変動状態を発生させることのない、当りとして魅力の少ない「小当り」が頻繁に発生することとなる。このため、仮に、これらの当りが夫々明朗に区別して認識可能になると、有利性の少ない「小当り」が頻繁に発生することに対して苛立ちが喚起されることが懸念され、大当りでないことに対しての不満によって、遊技への意欲が損なわれる虞がある。
そこで、本例では、遊技状態が確率変動状態ではなく且つ時短遊技状態でもない場合(すなわち通常時の場合)に「第三有利遊技状態」が発生すると、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態となるようにしている。これによれば、いずれの遊技状態であっても第二始動口332の開放状態、すなわち可動片331の動作状態に差異が生じることなく、「第三有利遊技状態(大当り)」は「第四有利遊技状態(小当り)」と比べ、視覚的に区別して認識することができなくなる。換言すれば、「小当り」が発生した場合であっても、「第三有利遊技状態(大当り)であるかも知れない」、すなわち「確率変動状態に突入しているかもしれない」と推測させることができ、遊技者の期待感を高めることが可能になる。したがって、遊技への意欲が高められ、不満による遊技の終了を極力抑制することが可能になる。
なお、第五有利遊技状態では、遊技状態に拘わらず、時短遊技状態を発生させるようにしている。すなわち、時短遊技状態にはならない「小当り」と、明朗に区別することが可能な大当り状態を発生させている。しかしながら、第五有利遊技状態は、第三有利遊技状態に比べて発生する頻度が少なく、しかも第五有利遊技状態ではないことが認識されても、第三有利遊技状態である可能性が残されているため、遊技意欲を低下させることはない。それどころか、第五有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態の発生によって確率変動状態になったことが示唆され、ひいては抽選への期待感を大幅に高め、遊技者の気分を高揚させることが可能になる。
ところで、第三有利遊技状態では、所定の利益を付与した後、時短遊技状態を発生させることなく確率変動状態としているが、このような制御を遊技状態に拘わらず実行した場合には、不具合が発生することがある。例えば、遊技状態が既に時短遊技状態になっている場合に、上記の制御をそのまま実行すると、時短遊技状態が途中で終了し、不自然さを与えるとともに、遊技者にとって不利な遊技状態になったと認識させてしまう虞がある。また、「第二有利遊技状態」によって特定の利益が付与された後のように、確率変動状態になることなく時短遊技状態が発生している場合において、「第三有利遊技状態」となった際には、時短遊技状態が途中で終了することにより、「第三有利遊技状態」となったこと、すなわち「第四有利遊技状態(小当り)」ではないことが容易に認識できるようになる。換言すれば、「第三有利遊技状態」と「第四有利遊技状態」とが明朗に区別され、「第四有利遊技状態」による期待感の低下を抑制することができなくなる。
そこで、本例では、第三有利遊技状態における遊技状態の移行は、それが発生する前の遊技状態に対応して個別に設定されている。具体的には、図86(c)に示すように、確率変動状態及び時短遊技状態のいずれも発生していない場合は、前述の通り、時短遊技状態を発生させることなく確率変動状態を発生させるようにしているが、その他の組合せの場合、すなわち、時短遊技状態または確率変動状態の少なくともいずれか一方が既に発生している場合には、時短遊技状態を発生(または継続)させるとともに、確率変動状態を発生(または継続)させるようにしている。
つまり、時短遊技状態になっている場合に「第三有利遊技状態」が発生すると、その時短遊技状態を停止させることなく、確率変動状態を発生させるようになっている。すなわち、既に時短遊技状態が発生している場合には、第三有利遊技状態における機能の一部を変更して遊技者に付与する。これによれば、時短遊技状態がいきなり終了することを防止でき、遊技機に対する不信感を抑制できるとともに、「第三有利遊技状態」と「第四有利遊技状態」との視覚的な区別を不明朗にさせることができる。
また、「第三有利遊技状態」になった際に、遊技状態が時短遊技状態でない場合であっても、既に確率変動状態になっている場合には、確率変動状態を維持したまま、時短遊技状態を発生させるようにしている。つまり、前回の「第三有利遊技状態」によって確率変動状態となっている場合において、「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」によって特定の利益が付与される前に、再び「第三有利遊技状態」になった場合には、時短遊技状態を付与し、第一特別図柄表示器390aまたは第二特別図柄表示器390bで変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させるとともに、第二始動口332への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにしている。これにより、再度の「第三有利遊技状態」による利益として、所定の利益(第四有利遊技状態と同様の利益)以上の利益を与えることが可能になり、大当りへの期待感をさらに高めることができる。なお、この場合、第二始動口332への入賞のし易さが増加することから、「第四有利遊技状態」と区別することが可能になるが、「第三有利遊技状態」が二回連続して発生した場合に限られる制御であるため、「第四有利遊技状態」による期待感の低下に影響を及ぼさない。なぜなら、前回も今回も「第四有利遊技状態」である場合、前回は「第四有利遊技状態」であったが今回初めて「第三有利遊技状態」となった場合、及び、前回が「第三有利遊技状態」で今回「第四有利遊技状態」となった場合、のいずれにおいても時間短縮状態が発生しないためである。
ところで、図83に示すように、主制御基板94には、普通抽選(第二始動口332への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数抽出手段924、普通当り判定用テーブル926、及び普通当否決定手段925が設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段924は、入球状態検出手段990(ゲートセンサ)によって通過ゲート(図示しない)への入球が検出されたとき、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル926は、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、図87(a)に示すように、高確率時の普通当り判定テーブルでは、0〜99までの100個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が5個設定され、普通当りとなる確率が5/100となっている。一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜99までの100個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が99個設定され、普通当りとなる確率が99/100となっている。また、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が1.136秒に設定され、始動口ソレノイド352による可動片331の開放時間が1654ms、開放回数が3回、開放間のインターバルが856msに設定されている。一方、通常時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が平均14.7秒に設定され、可動片331の開放時間が1650ms、開放回数2回、開放間インターバルが2600msに設定されている。
また、普通当否決定手段925は、普通当り判定用乱数抽出手段924によって普通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル926に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定する。なお、この際、遊技状態判定手段923によって、遊技状態が特定の遊技状態、すなわち確率変動大当り後の遊技状態(確率変動状態)または大当り(例えば通常大当り)後の一定期間における遊技状態(時短遊技状態)か否かが判別され、特定の遊技状態である場合には高確率時のテーブルが選択され、特定の遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。
また、主制御基板94には、普通当否決定手段925によって普通抽選の当否が決定されると、普通図柄表示器928に普通図柄を変動表示させるとともに、変動時間(約14秒または約1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段927が設けられている。また、普通当否決定手段925による判別の結果、普通当りが確定した場合、普通図柄の変動停止後、可動片331を開放させ、遊技球を第二始動口332に入賞しやすくする開放制御手段929が設けられている。
次に、サブ統合基板830を含む周辺基板811における、演出に関する構成について、図84等に基づき説明する。本例の演出表示装置217に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄、装飾図柄の変動中(リーチ状態の前)に複数の画像を予め定めた順序に従って段階的に発展表示させることが可能なステップ演出、及び第三有利遊技状態または第四有利遊技状態が発生した後、段階的に発展表示させることが可能な発展演出等が含まれている。以下、装飾図柄、ステップ演出、及び発展演出について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、演出表示装置217に表示される装飾図柄として、図88の演出例に示すように、第一装飾図柄991と、第二装飾図柄992と、共通装飾図柄列993とが設けられている。第一装飾図柄991は第一特別図柄表示器390aに対応し、第二装飾図柄992は第二特別図柄表示器390bに対応しており、これらは、表示画面の右下に並設されている。第一装飾図柄901及び第二装飾図柄902は、丸や三角等の図形の組合せから構成されており、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が開始されると、それに対応した装飾図柄が変動し、特別図柄の変動停止と略同時に、抽選結果に基づいた停止図柄で停止する。
これに対し、共通装飾図柄列993は、表示画面全体にわたって大きく表示されている。共通装飾図柄列993は、第一装飾図柄991及び第二装飾図柄992の両方に共通する図柄列であり、第一装飾図柄991の変動中は、第一特別図柄の変動(即ち第一大当り抽選)に対応した演出となり、第二装飾図柄992の変動中は、第二特別図柄の変動(即ち第二大当り抽選)に対応した演出となる。また、共通装飾図柄列993は、例えば、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄列は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って上から下へと変動表示されるようになっており、左装飾図柄列→右装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に三つの装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。特に、三つの装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列(中装飾図柄列)が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している二つの装飾図柄(左装飾図柄及び右装飾図柄)が互いに同じ図柄である場合には、これらの装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態が成立する。また、主装飾図柄は、「通常大当り」を示す複数の通常図柄と、「確変大当り」を示す複数の確変図柄とからなり、通常図柄によって大当りの組合せが成立した場合には、「通常大当り」が発生し、確変図柄で大当りの組合せが成立した場合には、「確変大当り」が発生するようになっている。
なお、図88の演出例に示すように、表示画面の下部側には、二つの抽選における保留状態を示す第一状態表示手段995a及び第二状態表示手段995bが、表示領域導出手段944(図84参照)によって表示されている。また、第一状態表示手段995aと第二状態表示手段995bとの間には、現在変動中の特別図柄がどちらの抽選によるものかを示す変動中表示部998が設けられ、また、第一状態表示手段995aの左側には、特定の演出において付与される演出ポイント(以下、単に「ポイント」と称す)の合計を表示するポイント表示部999が設けられている。図88(b)の拡大図に示すように、第一状態表示手段995a及び第二状態表示手段995bは、夫々特別図柄用乱数記憶手段440に対応する四個の第一保留状態表示領域996a〜996d、及び四個の第二保留状態表示領域997a〜997dから構成されており、内側から外側に向かって降順になるように配置されている。そして、これらの保留状態表示領域には、各特別図柄に対応した図形が、始動記憶数(保留数)に応じて表示されるようになっている。つまり、この例では、第一特別図柄(第一大当り抽選)における始動記憶数が「3」であり、第二特別図柄(第二大当り抽選)における始動記憶数が「2」である状態を示している。また、各保留状態表示領域に表示可能な図柄は、基本的には点灯状態で表示されるが、次回の抽選で変動する特別図柄に対応した図柄は点滅状態で表示されるようになっている。このため、遊技者は、変動中表示部998に表示された図柄を視認することにより現在変動している特別図柄がいずれの抽選手段に対応しているのかを認識することができ、また、点滅表示されている図柄が、第一保留状態表示領域996aまたは第二保留状態表示領域997aのうち、どちらの領域に表示されているのかを視認することにより、次回の抽選の種別を認識することができるようになる。なお、図88(b)に示す演出例では、順に行われる抽選の順番を示す数値を上段に表示し、抽選の種別を示す図柄を下段に表示したものを示している。なお、本例では図柄「缶」の形状は略同一であり、図柄の色を互いに異ならせている。
(ステップ演出について)
ステップ演出では、最初のステップから最後のステップまでの間が時系列的に分割されており、各ステップに対して互いに異なる画像(動画)が定められている。そして、段階的に発展表示されるステップの数が互いに異なるように複数の演出パターンが設定されている。つまり、ステップの数が互いに異なる複数の演出パターンがステップ演出として演出パターン記憶手段(図示しない)に記憶されており、例えばステップの数が一つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップにおける画像のみが表示され、ステップの数が四つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップ〜第四ステップにおける画像を段階的に発展表示させることが可能となる。また、このステップ演出は、大当りの予告表示として、演出表示装置217における共通装飾図柄列993の変動開始から、それらがリーチ状態となるまでの間の所定期間内において導出可能なものであり、段階的に発展表示されるステップの数が多いほど、大当りへの信頼度が高くなるように出現率が振り分けられている。なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、外れ時の選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
(発展演出について)
発展演出について、図89〜図110を基に説明する。図89は一連の発展演出に含まれる各演出の流れを示す説明図であり、図90は現在の状況、大当りの種類、及びそれによって移行することとなる背景との関係を示すテーブルであり、図91は現在の状況と小当りが発生した場合に移行する背景との関係を示すテーブルであり、図92乃至図98は発展演出において用いられるテーブルであり、図99乃至図102は発展演出に関する機能的構成を示すブロック図であり、図103乃至図110は演出例を示す画像である。
発展演出は、特に第三有利遊技状態(確率変動状態となる特殊大当り)、または第四有利遊技状態(確率変動状態とならない小当り)によって、所定の利益が付与された後に出現可能となる一連の演出である。本例では、図89に示すように、通常の遊技状態において導出される「通常背景演出」1001と、大当り遊技中に導出される「大当り状態演出」1006との間で、段階的に発展可能な四つの演出、すなわち、「所スロット演出」1002、「カタカタナイトチャンス演出」1003、「おしゃべりタイム演出」1004、及び「超おしゃべりタイム演出」1005と、これらの演出から移行可能な「所さんメガ天モード演出」1007とから構成されている。なお、この発展演出は、上述したステップ演出のように一回の抽選の中で段階的に発展表示されるものではなく、複数回の抽選(変動表示)に亘って順に発展可能となるものである。ここで、「通常背景演出」1001が本発明の第一通常状態演出に相当し、「所スロット演出」1002が本発明の第二通常状態演出に相当し、「カタカタナイトチャンス演出」1003が本発明の高確率期待小演出に相当し、「おしゃべりタイム演出」1004が本発明の高確率期待大演出に相当し、「超おしゃべりタイム演出」1005が本発明の高確率状態演出に相当し、「所さんメガ天モード演出」1007が高確率時短状態演出に相当する。
「通常背景演出」(第一通常状態演出)について
この演出は、有利遊技状態が発生する前の通常遊技状態において行われる演出である。具体的な演出例としては、図103及び図104に示すように、キャラクタCが所定の部屋(例えばリビング)でギターを弾いている、という内容の演出が行われる。また、この演出とともに装飾図柄列993が変動表示されるとともに、演出の下部側には、第一特別図柄に対応した保留状態を示す第一保留表示部995aと、第二特別図柄に対応した保留状態を示す第二保留表示部995bと、現在行われている抽選がどちらの特別図柄に対応しているのかを示す抽選状態表示部998と、この演出において発生するポイントの累計が示されるポイント表示部999とが表示されている。なお、詳細な演出内容に関しては後述する。
「所スロット演出」(第二通常状態演出)について
この演出は、「通常背景演出」1001の導出中、第三有利遊技状態、第四有利遊技状態、または第五有利遊技状態が発生した場合に出現する演出である。具体的な演出例としては、図105及び図106に示すように、「通常背景演出」1001で背景として表示される所定の部屋から、特定の部屋(スロット部屋H)にキャラクタCが移動する、という内容の演出が行われ、その後、キャラクタCがスロットSのボタンBを押し、スロットSの出力表示を利用して取得されるポイント及び移行先を決定する、という内容の演出が行われる。
「カタカタナイトチャンス演出」(高確率期待小演出)について
この演出は、確率変動状態が潜伏している可能性があることを示す演出であって、「所スロット演出」1002において決定される移行先が「カタカタナイトチャンス」となった場合に出現する演出である。具体的な演出例としては、図107及び図108に示すように、背景が夜となり、ポイントが表示されたポイントカードPが部屋の上方から落ちてくる、という内容の演出が行われる。そして、ポイントの合計が100ポイントに達すると、次の演出である「おしゃべりタイム演出」1004への移行が確定する。なお、ポイントの合計が100ポイントに達する前に、通常のポイントカードPとは異なる「ワル所カード」が落ちてきた場合には、「カタカタナイトチャンス演出」1003から「通常背景演出」1001に戻るとともに、ポイント消去手段1103によって、累積されたポイントの全てまたは一部がクリアされる。また、この演出では、ポイントカードPの落下に先立って、左装飾可動体235及び右装飾可動体234がカタカタと動作するように制御されており、これらの装飾可動体234,235と演出画像との協働により演出の臨場感を高めている。また、この演出画面の下部には、ポイントの累計が表示されるポイント表示部PTと、第一特別図柄及び第二特別図柄に対応した各抽選の保留状態を示す保留状態表示部Hとが設けられている。この演出でポイントの合計が100ポイントに達することが、本発明の第一条件に相当する。
「おしゃべりタイム演出」(高確率期待大演出)について
この演出は、確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す演出であって、「カタカタナイトチャンス演出」1003において、累積されたポイントの合計が100ポイントに達した場合(すなわち第一条件が成立した場合)に、出現可能となる演出である。なお、「所スロット演出」1002において決定される移行先が「おしゃべりタイム」となった場合に出現する場合もある。具体的な演出例としては、図109に示すように、左装飾可動体235及び右装飾可動体235が回動して垂下された状態になるとともに、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432(本発明の装飾可動体に相当)が夫々動作し、互いに離間したり接近したりする。つまり、おしゃべりしている口の状態が一対の装飾可動体430,432によって作り出されている。また、これらの間に位置するように、演出表示装置217に言葉(台詞)(例えば、「今日も元気だ」や「イー天気ですね」等)が表示され、さらに、その言葉(台詞)が音声によっても出力されるようになっている。また、遊技の進行に基づいて台詞が変化するとともに、画像の背景が朝の風景から夜の風景へと次第に変化するようになっている。なお、同じ言葉(台詞)が続くほど、また風景の切り替わりが遅い場合ほど、「超おしゃべりタイム演出」1005への期待が高まるようになっている。また、この演出は、その後、特別図柄の変動が30回行われるまで出現させることが可能であり、第三有利遊技状態(確率変動状態となる大当り)の発生によって所定の利益が付与された場合にのみ、次の「超おしゃべりタイム演出」1005へ移行するようになっている。つまり、第三有利遊技状態の発生によって確率変動状態になっているにも拘わらず、「おしゃべりタイム演出」が出現してから30回以上抽選が行われても、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態によって特定の利益が付与されない場合に限り、「超おしゃべりタイム演出」1005へ移行することとなる。なお、第四有利遊技状態の発生によって所定の利益が付与された場合には、「おしゃべりタイム演出」が出現してからの抽選回数が30回に達する前に、「通常背景演出」1001に戻ることとなる。ここで、抽選回数が30回に達することが、本発明の第二条件に相当する。
「超おしゃべりタイム演出」(高確率状態演出)について
この演出は、第三有利遊技状態制御手段933cによって確率変動状態が発生していることを示す演出であって、第三有利遊技状態によって所定の利益が付与され、且つ「おしゃべりタイム演出」1004の演出が30回繰り返された場合、すなわち第二条件が成立した場合に出現する演出である。つまり、これまでの演出は、確変動状態が潜伏している可能性のあること、またはその確率が高いことを示唆するものであるが、この演出は確率変動状態の潜伏が確定していることを示唆するものである。そして、この演出が出現された場合には、第一大当りまたは第二大当りが発生するまで、すなわち第一有利遊技状態または第二有利遊技状態によって特定の利益が付与されるまで、この演出が繰り返される。なお、この演出は、「おしゃべりタイム演出」1004と類似しており、背景が雷(稲妻)に現れることが追加されている。
「所さんメガ天モード演出」(高確率時短状態演出)について
この演出は、上記のいずれかの演出1002〜1005から移行可能な演出であって、確率変動状態及び時短遊技状態が発生した場合に限って出現する演出である。図86(c)に示すように、第三有利遊技状態が発生した場合であっても、その前の遊技状態が時短遊技状態または確率変動状態であった場合には、時短遊技状態付きの確率変動状態となることは前述した通りであるが、このような場合には、「所さんメガ天モード演出」1007に移行し、確率変動状態になっていることを明確に認識させるようにしている。つまり、所定の利益が付与された後に時短遊技状態になった場合には、第三有利遊技状態によって確率変動状態が発生していることが認識可能となるため、この場合には一連の流れから逸脱した特別の演出を出現させ、抽選への期待感を大幅に高めるようにしている。なお、第五有利遊技状態(第四大当り)が発生した場合も、確率変動状態とともに時短遊技状態が発生するため、遊技者に所定の利益を付与した後、この演出を出現させるようにしている。なお、具体的な演出例としては、図110に示すように、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を夫々動作させるとともに、演出表示装置217で表示される装飾図柄との協働によって、装飾図柄が噛み砕かれるように見せる、という内容の演出が行われる。なお、この際、第二装飾可動体432から赤色の光が放射されるとともに、遊技者に緊張感を生じさせるサウンドが出力され、遊技者の期待感を高めるようにしている。
図90及び図91は、発展演出における状態移行についてまとめたものである。これらの表は、現在の演出状態(すなわち当りが発生する前の背景)と、夫々の当りが発生した後の演出状態(背景)との対応関係を示すものであり、「天国」とは、第一有利遊技状態(確率変動大当り)によって特定の利益が付与された後の背景、すなわち確率変動状態及び時短遊技状態が発生している場合の背景であり、「チャンスタイム」とは、第二有利遊技状態(通常大当り)によって特定の利益が付与された後の背景、すなわち制限回数付きの時短遊技状態が発生している場合の背景である。また、「確変潜伏」とは、第三有利遊技状態の発生によって内部的に確率変動状態になっているが、確率変動状態になっていることを遊技者が断定できない状態(表面には現れていない状態)を示している。また、「ガセ」とは、確率変動状態が発生していると推測させることが可能であるが、実際には「小当り」であって確率変動状態が発生していない状態を示している。この図90から分かるように、「通常背景演出」が表示されているときに、第三有利遊技状態(第三大当り)が発生した場合には、「所スロット演出」を経由して「カタカタナイトチャンス演出」または「おしゃべりタイム演出」のいずれか一方に移行し、確率変動状態になっていない(ガセ)状態で「カタカタナイトチャンス演出」が表示されているときに、第三有利遊技状態が発生した場合には、「おしゃべりタイム演出」に移行する。一方、図91から分かるように、「通常背景演出」が表示されているときに、第四有利遊技状態(小当り)が発生した場合には、「所スロット演出」を経由して「カタカタナイトチャンス演出」または「おしゃべりタイム演出」のいずれか一方に移行し、確率変動状態になっていない(ガセ)状態で「カタカタナイトチャンス演出」が表示されているときに、第四有利遊技状態が発生した場合には、「おしゃべりタイム演出」に移行する。
つまり、確率変動状態でもなく時短遊技状態でもない場合には、第三有利遊技状態によって大当り(確率変動状態)が発生しても、第四有利遊技状態によって小当りが発生しても、同様の流れで発展演出が行われる。このため、両方の当りを区別することができなくなり、例えば「小当り」が発生した場合であっても、「第三有利遊技状態(大当り)であるかも知れない」、すなわち「確率変動状態に突入しているかもしれない」と推測させることができる。
なお、ガセの状態で「おしゃべりタイム演出」が表示されているときに、第三有利遊技状態が発生した場合には、「超おしゃべりタイム演出」に移行するが、第四有利遊技状態(小当り)が発生した場合には、「超おしゃべりタイム演出」に移行しないようになっている。このため、「超おしゃべりタイム演出」を、確率変動状態の潜伏が確定している演出と位置付けることができるとともに、所定回数(例えば30回)の変動を待つことなく、「おしゃべりタイム演出」から「超おしゃべりタイム演出」に移行できるパターンが存在することとなり、演出の流れの複雑化によって、演出の変化を一層注目させることが可能になる。
また、確率変動状態が潜伏している状態で第三有利遊技状態が発生した場合には、どのような演出が行われていても、「所さんメガ天モード演出」に移行するようになっている。これによれば、特別な演出によって、抽選への期待感を大幅に高めることができる。なお、第五有利遊技状態(第四大当り)が発生した場合も同様である。
また、第一大当り(第一有利遊技状態)が発生した場合には、どのような演出が行われていても、特定の利益を付与した後、必ず「天国」の背景となり、第二大当り(第二有利遊技状態)が発生した場合には、どのような演出が行われていても、特定の利益を付与した後、必ず「チャンスタイム」の背景になる。
次に、周辺基板811における機能的な構成について説明する。
図84に示すように、周辺基板811(副制御手段に相当)には、主制御基板94(主制御手段に相当)から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段951によって受信されると、これを基に演出表示装置217を制御するための各種機能が備えられている。
すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブル952aと、第一外れ時演出態様テーブル953aとが予め記憶されており、これらのテーブル952a,953aを基に、ステップ演出及び発展演出等における演出態様が決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル952a,953aについて詳細に説明する。第一当り時演出態様テーブル952aは、大当り(または小当り)の場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出や発展演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、第一外れ時演出態様テーブル953aは、外れの場合に用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
周辺基板881には、ランダムカウンタ(図示しない)から演出決定用乱数を抽出する第一演出用乱数抽出手段957aと、演出パターンを決定する第一演出態様決定手段958aとが設けられている。第一演出態様決定手段958aは、コマンド受信手段951を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段957aによって演出用乱数を抽出するとともに、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当り(または小当り)を示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段957aによって抽出された演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル952aとから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドが外れを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段957aによって抽出された演出用乱数と、第一外れ時演出態様テーブル953aとから演出パターンを決定するものである。なお、発展演出に関しては、複数回の演出にわたって段階的に発展させるため、第三有利遊技状態(大当り)または第四有利遊技状態(小当り)が発生した時点において、その後の抽選における基本的な演出の流れ(すなわちどの演出までどのようなパターンで発展させるか)が決定されるようになっている。
第一演出態様決定手段958aによって決定された演出パターンは、演出パターン記憶手段(図示しない)から抽出されるとともに、第一演出表示制御手段975aに送られる。第一演出表示制御手段975aは、それらの演出の画像を画像記憶手段(図示しない)から読出し演出表示装置217に導出する。ここで、第一演出態様決定手段958a及び第一演出表示制御手段975aを組合せたものが本発明の表示制御手段に相当する。また、第一演出表示制御手段975aが本発明の共通演出実行手段及び第三特有演出実行手段に相当する。
一方、第一装飾図柄991の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段976aが設けられている。第一装飾図柄変動制御手段976aは、コマンド受信手段951によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺基板881には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル952bと、第二外れ時演出態様テーブル953bとが予め記憶されており、これらのテーブル952b,953bを基に、ステップ演出や発展演出における演出態様が決定されるようになっている。演出態様テーブル952b,953bは、第一大当り抽選に対応する演出態様テーブル952a,953aと同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、周辺基板881には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手段957b、第二演出態様決定手段958b、第二演出表示制御手段975b、及び第二装飾図柄変動制御手段976bが設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。
また、周辺基板881には、装飾図柄列変動表示手段960及び大当り表示手段964が設けられている。装飾図柄列変動表示手段960は、第一装飾図柄変動制御手段976a及び第二装飾図柄変動制御手段976bの出力を基に、あるいはコマンド受信手段951によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列993を変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて共通装飾図柄列993を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列993のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段964は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第一大当りまたは第二大当りの場合、すなわち、「確変大当り」または「通常大当り」の場合に、その抽選にかかる共通装飾図柄列993の変動を停止させた後、「大当り」であることを表示させるものである。なお、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第三大当り、第四大当り、または小当りである場合には、「当り」であることを表示させることなく、共通装飾図柄列993の変動停止後、その抽選にかかる演出を終了する。
さらに、周辺基板881には、当選状態黙示手段995及び当選状態明示手段996が設けられている。当選状態黙示手段995は、第三有利遊技状態及び第四有利遊技状態によって所定の利益を遊技者に付与した場合、いずれの当りによって付与されたのかを、遊技者に不明朗にするものである。具体的には、前述したように、「所スロット演出」、「カタカタナイトチャンス演出」、及び「おしゃべりタイム演出」を、どちらの有利遊技状態においても出現可能とすることである。一方、当選状態明示手段996は、第三有利遊技状態によって所定の利益を付与した場合、その利益の付与から所定回数の抽選が行われても第一有利遊技状態または第二有利遊技状態によって特定の利益が付与されないときに、確率変動状態が潜伏していることを明朗にするものである。具体的には前述したように「超おしゃべりタイム演出」を出現させることである。これによれば、「確率変動状態になっているにも拘わらず、それに気づかないために途中で遊技を終了してしまうこと」を抑制できる。
続いて、発展演出に関する機能的な構成及び演出の流れについて、詳細に説明する。第一演出表示制御手段975a及び第二演出表示制御手段975bは、発展演出用として、通常背景演出に関する第一通常状態演出制御手段1100(図99に示す)と、所スロット演出に関する第二通常状態演出制御手段1200(図100に示す)と、カタカタナイトチャンス演出に関する高確率期待小演出制御手段1300(図101に示す)と、おしゃべりタイム演出に関する高確率期待大演出制御手段1400(図102に示す)とを備えている。
図99に示すように、第一通常状態演出制御手段1100は、機能的な構成として、特殊演出実行手段1101及びポイント発生許可手段1103を有している。特殊演出実行手段1101は、通常背景演出中、特に第二特別図柄を変動させる際に出現可能となる特殊演出を実行させるものであり、演出中に操作ボタン(押しボタン)1102の操作を要求する。ポイント発生許可手段1103は、この特殊演出が導出された際に、操作ボタン1102が押圧操作されると、アイテム(ポイント及びアイテム図柄を含む)を付与することを許可する。換言すれば、通常遊技状態において通常背景演出が行われても、特殊演出ではない場合、または特殊演出が行われても操作ボタン1102が遊技者によって操作されない場合には、アイテムを表示させないようにしている。ここで、操作ボタン1102が本発明の押ボタンに相当する。
具体的な演出例としては、図103(b)に示すように、特殊演出が実行されると、抽選状態表示部998の部分に「PUSH」という文字が表示されて操作ボタン1102を押すことが要求される。そして、操作ボタン1102が操作されると、抽選を行い、付与されるアイテムが抽選状態表示部998の部分に表示される。アイテムとしては、図104(a)に示すようなポイント(点数)の場合もあれば、図104(b)に示すようなポイント以外のアイテム図柄(この例ではTシャツ)の場合もある。また、アイテムとしてポイントが付与された場合には、それらのポイントが累計されポイント表示部999に表示されるようになっている。
このように、第二特別図柄の変動時のみ特殊演出を実行可能とし、しかも特殊演出が出現した際に操作ボタン1102を操作した場合に限って、アイテムの付与を許可することから、アイテムが付与される頻度を抑え、アイテムが付与される場合と付与されない場合とのメリハリをつけることができ、ひいてはアイテムが表示されることへの興味を高めることが可能となる。また、第一特別図柄による抽選と第二特別図柄による抽選とを視覚的に識別させることが可能となり、二種類の抽選が行われていることを容易に認識させることができる。特に、第二特別図柄の変動を開始させるための第二始動口332は特定の遊技状態にならなければ遊技球の入賞を抑制することから、通常遊技状態においてもアイテムが付与される頻度を効果的に抑えることができる。さらに、操作ボタン1102の操作を要求するため、単に見ているだけの受動的な演出ではなく、積極的に演出に参加させ、ゲームのような感覚でアイテムを取得させることが可能になる。
また、第一通常状態演出制御手段1100は、特典付与制御手段1104、アイテム表示制御手段1120、及び第一ポイント累計手段1121を有している。特典付与制御手段1104は、ポイント発生許可手段1103の出力に基づきアイテムを付与するものであり、ポイントを含む複数の種類のアイテムを記憶したアイテム選択テーブル1105と、殊演出の導出に先立ってアイテム選択用乱数を抽出するアイテム選択用乱数抽出手段1106と、抽出されたアイテム選択用乱数及びアイテム選択テーブル1105に基づいて一つのアイテムを決定するアイテム決定手段1107と、を具備して構成されている。特にアイテム選択テーブル1105は、図92に示すように、アイテム振分けテーブル1108と、アイテム変換テーブル1109とからなる。アイテム振分けテーブル1108には、各パターンに対応するアイテムの種類(アイテムの中身)と、夫々のパターンの振分との関係が示されている。ここで、パターン1〜パターン10がアイテム図柄に対応し、パターン11〜パターン13がポイントに対応している。アイテム図柄では、パターン1〜パターン5の、「テレビ」、「コントローラ」、「ギター」、「バナナ」、及び「Tシャツ(青)」が比較的出現しやすく、パターン6〜パターン10の、「Tシャツ(緑)」、「Tシャツ(赤)」、「Tシャツ(白)」、「Tシャツ(金)」、及び「ウインドウ爆発」が比較的出現し難くなっている。一方、ポイントでは、パターン11の「5ポイント」がアイテム全体の40パーセントを占め非常に付与されやすくなっているのに対し、「10ポイント」が全体の2パーセント、「20ポイント」が全体の0.5パーセントとなり、非常に付与されにくくなっている。
アイテム変換テーブル1109は、アイテム振分けテーブル1108及びアイテム選択用乱数を基に選択されたパターンが、パターン11〜パターン13のいずれかである場合、すなわち付与するアイテムとしてポイントが選択された場合に用いられるテーブルである。このアイテム変換テーブル1109では、ポイントをパターン5(Tシャツ(青))に変換するか否かを、現在までに累計されたポイントの合計に対応させて所定の比率で振分けている。例えば、現在までの合計が0〜19点の場合には、全く変換されることはないが、40〜59点の場合には、30パーセントが変換され、100点に達しているときには全て変換されるようになっている。つまり、貯えられたポイントの合計が多いほど、パターン5のアイテム画像に変換され易くなっている。換言すれば、100点に近づくほどポイントが付与される確率が低くなるように設定されている。このため、ポイントの合計がすぐに一定値に達するのを抑制することができ、ポイントを収集する楽しみを比較的長期にわたって継続させることができる。
ところで、ポイントとして「0点」を設けるようにすれば、ポイントの合計が一定値(100点)に到達しないように制御することができるが、「0点」と表示されると、遊技者に不快感を与える虞があり、特に、それが何度も継続して表示されると苛立たしさを喚起させることも懸念される。これに対し、本例では、「0点」と表示する代わりにアイテム画像を表示させるようにしている。このため、付与されるポイントが「0点」でありポイントの合計が変化しない場合であっても、遊技者の気分の低下を抑制することができるとともに、アイテム画像によって視覚的な興趣を与えることができる。特に、アイテム振分けテーブル1108としては、抽選結果が当りの場合に対応するテーブルと、外れの場合に対応するテーブルとが用意されており、夫々のアイテム画像の出現率が、当否の結果(抽選結果)に応じて異なるように振分けられている。換言すれば、夫々のアイテム画像と抽選結果に対する期待値とが関連付けられており、アイテム選択用乱数抽出手段1106によってアイテム選択用乱数が抽出されると、そのアイテム選択用乱数と、アイテム振分けテーブル1108と、当否の結果とに基づいて、アイテム画像を決定するようになっている。このように、抽選の期待値に対応したアイテム画像を表示させることが可能になるため、ポイントが表示されない場合であっても、アイテム画像に対して注目させることが可能になる。
なお、図99に示すように、アイテム決定手段1107によって決定されたポイントまたはアイテム画像は、アイテム表示制御手段1120によって抽選状態表示部998に表示される。また、ポイントが付与された場合には、第一ポイント累計手段1121によって累計され、その合計がポイント表示部999に表示される。ここで、ポイント発生許可手段1103が本発明の特典付与許可手段に相当し、特典付与制御手段1104が本発明のポイント発生手段に相当する。
一方、第二通常状態演出制御手段1200は、図100に示すように、機能的な構成として、スロット演出実行手段1203、及びスロットポイント発生手段1204を有している。スロット演出実行手段1203は、第三大当り判定手段1201によって抽選結果が第三大当りであることが判定された場合、または小当り判定手段1202によって抽選結果が小当りであることが判定された場合に、所スロット演出(本発明の第二通常状態演出に相当)の実行を開始させるものである。スロットポイント発生手段1204は、スロット演出において、ポイントを発生させるものであり、ポイントの合計と付与されるポイントの振分け(出現率)との関係を示すポイント振分けテーブル1205と、所スロット演出に先立って付与ポイント判定用乱数を抽出するポイント判定用乱数抽出手段1206と、付与ポイント判定用乱数が抽出されると、その判定用乱数、貯えられているポイントの合計、及びポイント振分けテーブル1205に基づいてポイント値を決定するポイント決定手段1207とを具備して構成されている。
ポイント振分けテーブル1205としては、図94に示すようなスロット演出振分け表1208が用いられている。このスロット演出振分け表1208は、パターンに対応した演出内容と、現在貯えられているポイントの合計、すなわち通常背景演出において累計されたポイントの合計との関係を示すものであり、夫々の数値は分母を500とした場合の割合を表している。ここで、パターン1〜パターン12は、所スロット演出においてポイント値を表示し、パターン13〜パターン22は、所スロット演出において「おしゃべりタイム演出に移行する旨」を表示する。なお、このテーブル中、「ビタ」とは、スロットのリールが丁度そのポイントまたは移行先で停止することを意味し、「矢印」とは一旦別の図柄(矢印左側の図柄)で停止した後、真の図柄(矢印右側の図柄)に変位することを意味している。例えば、図106(a)に示すように、スロットのディスプレイDにポイントが丁度停止する状態が「ビタ」であり、(b)に示すように、一旦停止した図柄が再度変動する状態が矢印である。また、スロット演出振分け表1208には、同じ演出内容のもの(同じ演出結果となるもの)が複数存在する場合(例えばパターン1とパターン2)があるが、これらは変動するリールの形(リールに表示される変動図柄)が互いに異なっており、互いに異なった演出過程を表示させるようになっている。
ところで、所スロット演出において、ポイントが付与された場合、ポイントの合計が一定値に達することがあると、所スロット演出と、その次のカタカタナイトチャンス演出との間で整合が取れなくなる。つまり、カタカタナイトチャンス演出では「付与されるポイントを蓄積し、そのポイントの合計が一定値に達した場合におしゃべりタイム演出へ移行する」という演出が行われるが、カタカタナイトチャンス演出が出現する前にポイントの合計が一定値に到達する場合には、カタカタナイトチャンス演出そのものの存在が無意味なものとなる。
ところが、本例のスロット演出振分け表1208によれば、パターン1〜パターン12までの領域、すなわちポイントを表示する領域(以下、「第一領域」とする)と、パターン13〜パターン22までの領域、すなわち移行先を表示する領域(以下、「第二領域」とする)とに分割されており、第一領域では、貯えられているポイントの合計に、付与されるポイントを加えても一定値(100点)に達しないように、ポイントが振分けられている。一方、決定された演出が第二領域に含まれる場合にはカタカタナイトチャンス演出を出現させることなく、所スロット演出からおしゃべりタイム演出へ移行させるようにしている。つまり、付与されるポイントを加えても一定値に到達しない場合には、ポイントを付与した後にカタカタナイトチャンス演出に移行させ、一方、一定値に到達する場合には、おしゃべりタイム演出へ移行させる。なお、おしゃべりタイム演出へ直接移行する場合には、その後、ポイントは不要となるため、ポイントを表示させることなく、移行先を表示させる。また、スロット演出振分け表1208では、貯えられているポイントの合計が高い程(100点に近いほど)、第二領域の演出が選択される可能性が高くなるように、振分けがなされている。つまり、貯えられているポイントが高いほどおしゃべりタイム演出に移行しやすいようになっている。特に、通常背景演出において貯えられたポイントの合計が100点に達している場合には、付与ポイント判定用乱数に拘わらず、常におしゃべりタイム演出へ移行させるようになっている。このため、演出相互の矛盾を防止するとともに、比較的早い段階で一定値に達したことによる演出の優位性を確実に実感させることができる。
なお、スロット演出振分け表1208は、抽選結果が第三大当りの場合も小当りの場合も同じテーブルが用いられる。つまり、所スロット演出においては、互いに同一の割合で振分けられたテーブルを用いて演出内容を決定することから、小当りであっても、確率変動状態を伴う特殊当りと比べ、視覚的に区別することができなくなる。
なお、ポイント決定手段1207によって、スロット演出振分け表1208の第一領域にあるパターンが選択されると、そのポイントは第二ポイント累計手段1220に出力され、第一ポイント累計手段1121によって累計されたポイント、すなわち通常背景演出において貯えられたポイントの合計に加算される。その後、第一演出移行制御手段1221が動作し、スロット演出振分け表1208において選択されたパターンが第一領域に含まれている場合、すなわちポイントの合計が100点に達していない場合には、所スロット演出からカタカタナイトチャンス演出に移行させ、一方、選択されたパターンが第二領域に含まれている場合には、所スロット演出からおしゃべりタイム演出に移行させるように、特殊背景演出出現手段1222を制御する。なお、特殊背景演出出現手段1222は、いずれかの発展演出を演出表示装置217に表示させるものであり、この特殊背景演出出現手段1222には、移行先予告表示手段1223が備えられており、出現させる演出を切替える際、その前の抽選における演出にて移行先を表示させるようにしている。
また、第二通常状態演出制御手段1200には、次の演出であるカタカタナイトチャンス演出用として、ルート決定手段1224及びカタカタ導出回数設定手段1227を備えている。ルート決定手段1224は、抽選結果が小当りであり、且つ第一演出移行制御手段1221によってカタカタナイトチャンス演出に移行することが決定された場合に動作するものであり、カタカタナイトチャンス演出以上に発展させることなく通常背景演出に戻す第一ルート、またはおしゃべりタイム演出まで発展させ、その後、通常背景演出に戻す第二ルート、のいずれか一方を、ポイントの合計に基づいて決定するものである。つまり、ルート決定手段1224は、図93に示すルート振分けテーブル1225を有しており、第一ルート(1A)か第二ルート(1B)かの振分けを、第二ポイント累計手段1220によって累計されたポイントに関連付けて設定している。なお、ルート振分けテーブル1225では、ポイントの合計が大きいほど、第二ルート(1B)が選択される確率が高くなるように振分率が設定されている。このため、譬え、カタカタナイトチャンス演出において付与されるポイントが少ない場合であっても、通常背景演出または所スロット演出において蓄積されたポイントの合計が大きい場合には、おしゃべりタイム演出に移行する可能性が高くなる。
カタカタ導出回数設定手段1227は、カタカタナイトチャンス1003の継続導出回数を設定するものであり、ルート決定手段1224で決定されたルートと継続導出回数との関係を示す導出回数振分けテーブル1228と、回数判定用乱数を抽出する回数判定用乱数抽出手段1229と、回数判定用乱数が抽出されると、その判定用乱数、決定されたルート、及び導出回数振分けテーブル1228に基づいて、継続導出回数を決定する回数決定手段1240を具備して構成されている。特に、導出回数振分けテーブル1228では、図95(a)に示すように、継続導出回数(すなわちゲーム数)が6回〜10回までの間で変化するようになっており、夫々の回数の振分けがルート毎に設定されている。ここで、数値は、分母を200とした場合の割合を示しており、「カタカタ1A」は第一ルート、すなわちカタカタナイトチャンス演出で終了するルートであり、「カタカタ1B」は第二ルート、すなわちおしゃべりタイム演出まで発展した後に終了するルートであり、「カタカタ2」は抽選結果が第三大当りであり超おしゃべりタイム演出まで発展する演出である。本例の導出回数振分けテーブル1228では、「カタカタ1B」と「カタカタ2」における継続導出回数の振分けは同一となっており、継続導出回数を9回とする場合が最も多くなっている。これに対し、「カタカタ1A」では「カタカタ1B」や「カタカタ2」よりも継続導出回数が少なくなるように設定されており、例えば継続導出回数を6回とする場合が最も多く、継続導出回数が増えるほど振分率が小さくなっている。したがって、おしゃべりタイム演出に移行させる場合には、その途中段階であるカタカタナイトチャンス演出によって期待感を次第に高めさせおしゃべりタイム演出に移行した際の気分を高揚させることが可能になる。一方、おしゃべりタイム演出に移行させない場合には、カタカタナイトチャンス演出を比較的早い段階で終了させることにより、おしゃべりタイム演出に発展しなかったことに対しての意欲の低下を抑制することが可能になる。
ここで、スロットポイント発生手段1204が本発明のポイント発生手段に相当し、第二ポイント累計手段1220及び第一演出移行制御手段1221が本発明のポイント累計手段に相当し、ルート決定手段1224が本発明のルート選択手段に相当し、カタカタ導出回数設定手段1227が本発明の導出回数設定手段に相当する。
高確率期待小演出制御手段1300は、図101に示すように、機能的な構成として、カタカタ演出実行手段1301、及びカタカタポイント発生手段1302を有している。カタカタ演出実行手段1301は、第一演出移行制御手段1221(図100参照)の出力に基づいてカタカタナイトチャンス演出を開始させるものである。カタカタポイント発生手段1302は、カタカタナイトチャンス演出中に所定のポイントを特典として付与するものであり、第二ポイント累計手段1220によって累計されたポイントの合計と付与されるポイント値の振分けとの関係を示すポイント振分けテーブル1303と、カタカタナイトチャンス演出に移行する前に、付与ポイント判定用乱数を抽出するポイント判定用乱数抽出手段1304と、付与ポイント判定用乱数が抽出されると、その判定用乱数、累計され貯えられているポイントの合計、及びポイント振分けテーブル1303、に基づいて付与するポイントを決定するポイント決定手段1305を具備して構成されている。ポイント振分けテーブル1303は、夫々のパターンとカタカタナイトチャンス演出における演出内容との対応付けを示す予告演出振分け表1306(図95(b)参照)と、夫々のパターンとポイントの合計との関係(振分け)を示す三種類の落下ポイント振分け表1307,1308,1309(図96参照)とを有している。図95(b)に示す予告演出振分け表1306では、パターン3〜パターン6がポイントに関する演出、具体的にはポイントが表示されたポイントカードPを落下させる演出であり、パターン7〜パターン9が、ポイントカードP以外のものが落下する演出である。なお、このパターン7〜パターン9の演出は、通常背景演出またはおしゃべりタイム演出に移行する前兆として出現されるようになっている。また、パターン2は右装飾可動体234及び左装飾可動体235のみを可動させポイントカードPを出現させない演出である。
落下ポイント振分け表は、ルート決定手段1224によって決定されたルート及び抽選結果を基に分けられている。つまり、抽選結果が小当りであり第一ルート(カタカタ1A)が選択された場合に対応した落下ポイント振分け表1307と、抽選結果が小当りであり第二ルート(カタカタ1B)が選択された場合に対応した落下ポイント振分け表1308と、抽選結果が第三大当りである場合(カタカタ2)に対応した落下ポイント振分け表1309とから構成されている。そして、カタカタ1Bまたはカタカタ2に対応した落下ポイント振分け表1308,1309は互いに同一の振分けとなっており、カタカタ1Aに対応した落下ポイント振分け表1307は、他の二つの振分け表1308,1309よりも、ポイント値の高いパターンが選択されにくくなっている。また、いずれの落下ポイント振分け表1307,1308,1309も、貯えられているポイントの合計が大きくなるほど大きなポイント値が付与されにくくなっている。
特に、本例では、ポイント値を決定する際、「カタカタ1A」の場合にはカタカタ導出回数設定手段1227によって設定された継続導出回数のカタカタナイトチャンス演出を行ってもポイントの合計が一定値(100点)に達しないようにポイント値を決定し、一方、「カタカタ1B」または「カタカタ2」の場合には、最終回またはそれより僅かに前の回のカタカタナイトチャンス演出が導出される際にポイントの合計が一定値に達するようにポイント値を決定している。つまり、カタカタナイトチャンス演出では、付与されたポイントが100ポイントに達することを条件におしゃべりタイム演出への移行を可能にしているかのように見せているが、実際には、カタカタナイトチャンス演出の継続導出回数、及び演出の移行先(ルート)を予め設定し、その継続導出回数及び移行先に合うように付与されるポイントを決定するようになっている。換言すれば、付与されたポイントの合計が一定値に対しても、カタカタナイトチャン演出の実行回数が、カタカタ導出回数設定手段1227によって設定された継続導出回数になるまでおしゃべりタイム演出への移行を延期させている。このため、カタカタナイトチャンス演出が極端に短くなって演出内容を十分に楽しませることができなくなったり、逆に極端に長くなり演出の繰り返しに飽きてしまうことを抑制できる。また、カタカタナイトチャンス演出において、ポイントの合計が一定値に達した場合には、「おしゃべりタイム演出に発展することが約束された」と認識させることができ、おしゃべりタイム演出に移行させることに対しての意欲を高めさせることができる。
ところで、おしゃべりタイム演出に発展する場合には、図96(b)または(c)に示す落下ポイント振分け表1308,1309が用いられるが、夫々の演出パターンは乱数に基づいて決定されることから、設定された継続導出回数のカタカタナイトチャンス演出が行われても、その間にポイントの合計を一定値に到達させることができない場合がある。つまり、一定値に達しないまま、カタカタナイトチャンス演出が終了する可能性がある。そこで、本例では、おしゃべりタイム演出に発展させることが決定されている場合において、最終回のカタカタナイトチャンス演出が行われてもポイントの合計が一定値に達しない場合には、おしゃべりタイム演出に移行する旨の表示、例えばパターン9の「大所マーク」を表示させるようにしている。これにより、「ポイントの合計を一定値に到達させることができなかったが、救済処置によりおしゃべりタイム演出に移行した」と認識させることができ、ポイントが一定値に達しないままおしゃべりタイム演出に移行することに対して不可解な気持ちを喚起させることがない。なお、この「大所マーク」は、ポイントの代わりに表示される場合もあり、この場合にはポイントの合計が一定値に達していなくても、おしゃべりタイム演出への移行が確実となる。つまり、図96(a)に示す落下ポイント振分け表1307ではパターン9に対する振分けは設けられていないが、図96(b),(c)に示す落下ポイント振分け表1308,1309では、パターン9に対して振分けされていることから、おしゃべりタイム演出に移行する場合にのみ出現可能となる。
なお、図101に示すように、カタカタポイント発生手段1302によってポイントが発生すると、そのポイントは第三ポイント累計手段1320に出力され、第二ポイント累計手段1220で累計されたポイントの合計に対して順次加算される。そして、全てのポイントの合計が、カタカタナイトチャンス演出の下部に表示されたポイント表示部PT(図108参照)に表示されるとともに、ポイントの合計が一定値に達した場合にはその旨が表示されるようになっている。
また、高確率期待小演出制御手段1300には、カタカタナイトチャンス演出の実行回数をカウントする導出回数カウント手段1321と、カウントされた実行回数が、カタカタ導出回数設定手段1227で設定された継続導出回数に達した場合に、カタカタナイトチャンス演出からおしゃべりタイム演出へ、またはカタカタナイトチャンス演出から通常背景演出へ移行させる第二演出移行制御手段1322とが設けられている。
また、高確率期待小演出制御手段1300には、カタカタナイトチャンス演出から通常背景演出に移行する際、貯えられたポイントの一部または全てを消去するポイント消去手段1323が設けられている。ポイント消去手段1323は、残ポイント振分けテーブル1324と、残ポイント判定乱数を抽出する残ポイント判定用乱数抽出手段1325と、抽出された残ポイント判定用乱数、貯えられたポイントの合計(すなわち第三ポイント累計手段1320によって累計されたポイントの合計)、及び残ポイント振分けテーブル1324に基づいてポイントを残すか否かを決定する残ポイント決定手段1326とを具備して構成されている。残ポイント振分けテーブル1324は、図95(c)に示すように、パターン7(ポイントを全く残さない演出)、及びパターン8(ポイントを20点残す演出)に対する振分けをポイントの合計に対応させて設定したものであり、ポイントの合計が多いほどパターン8が選択される割合が高くなっている。例えば、ポイントの合計が20点以下であれば、ポイントを残す演出は全く行われないが、ポイントの合計が51点以上の場合には、ポイントを残す演出とポイントを残さない演出とが半々の割合で出現するようになっている。このように、ポイントの合計が大きいほど、その一部が残され易くなり、残された場合には、通常背景演出に戻った後、残されたポイントから累計が再開されるようになっている。したがって、カタカタナイトチャンス演出から通常背景演出に戻る場合における期待感の低下を軽減することができ、その時点で遊技を終了してしまうことを抑制できる。
ここで、カタカタポイント発生手段1302が本発明のポイント発生手段に相当し、ポイント決定手段1305が本発明のポイント値決定手段に相当し、第三ポイント累計手段1320が本発明のポイント累計手段に相当し、第二演出移行制御手段1322が本発明の演出移行制御手段及び演出移行延期手段に相当する。
高確率期待大演出制御手段1400は、図102に示すように、機能的な構成として、おしゃべり演出実行手段1401、及びおしゃべり導出回数設定手段1402を有している。おしゃべり演出実行手段1401は、第一演出移行制御手段1221(図100参照)または第二演出移行制御手段1322(図101参照)の出力に基づいておしゃべりタイム演出を開始させるものである。おしゃべり導出回数設定手段1402は、おしゃべりタイム演出における背景演出毎の導出回数を抽選に基づいて決定するものである。詳しく説明すると、おしゃべりタイム演出には、背景演出として、朝、夕方、及び夜からなる三種類の背景画像を有しており、これらの背景画像が順に切替わり表示されるようになっている。そして夫々の背景画像を用いたおしゃべりタイム演出が、おしゃべり導出回数設定手段1402によって設定された回数ずつ実行されるようになっている。おしゃべり導出回数設定手段1402は、夫々の背景演出の導出回数を組合せてグループ化した回数パターンと抽選結果との関係を示すパターン振分けテーブル1403と、おしゃべりタイム演出に移行する前にパターン選択用乱数を抽出するパターン選択用乱数抽出手段1404と、抽出されたパターン選択用乱数、抽選結果(すなわち第三大当り判定手段1201または小当り判定手段1202の出力)、及びパターン振分けテーブル1403、に基づいて回数パターンを決定するパターン決定手段1405と、決定された回数パターンから夫々の背景演出における導出回数を認識する導出回数認識手段1406とを具備して構成されている。パターン振分けテーブル1403は、図97に示すおしゃべり(1)用テーブル1407と、図98に示すおしゃべり(2)用テーブル1408とからなる。ここで「おしゃべり(1)」とは、抽選結果が第四結果(小当り)である状態を示し、「おしゃべり(2)」とは、抽選結果が第三大当り(確率変動状態付の特殊当り)である状態を示している。また、モード数(導出回数に相当)の欄には、三種類の数値が記載されているが、これは左から順に、朝の背景、夕方の背景、及び夜の背景、における導出回数を示している。例えば、最初の欄に記載した(3,3,24)は、「朝の背景演出」を3回行い、その後「夕方の背景演出」を3回行い、さらに「夜の背景演出」を24回行うこと、すなわち合計30回のおしゃべりタイム演出を行うことを示している。なお、便宜上省略して示したが、朝の背景を示す数値と夕方の背景を示す数値とが、逆になる場合も設定されており、夫々1:1の割合で振分けられている。例えば、モード数が(3,6,8)で、振分率が142/200014の場合には、「朝の背景演出」を3回、「夕方の背景演出」を6回、「夜の背景演出」を8回行うパターンと、朝・夕方が逆になり、「朝の背景演出」を6回、「夕方の背景演出」を3回、「夜の背景演出」を8回行うパターンとが含まれ、夫々71/200014の振分率で選択されるようになっている。
おしゃべり(1)用テーブル1407及びおしゃべり(2)用テーブル1408から分かるように、おしゃべりタイム演出における合計導出回数は、おしゃべり(1)の場合(小当りの場合)には一定回数(本例では30回)未満となり、おしゃべり(2)の場合(第三大当りの場合)には一定回数になるように制限されている。このため、超おしゃべりタイム演出に移行しない場合には、一定回数未満のおしゃべりタイム演出が行われた後、通常背景演出に戻ることとなり、超おしゃべりタイム演出に移行する場合には、一定回数のおしゃべりタイム演出が行われた後、発展することになる。したがって、遊技者は、おしゃべりタイム演出が一定回数継続して実行されることを願うようになり、比較的単調な演出が繰り返されても演出の繰り返しに対して不満や苛立ちを喚起させることはない。なお、この一定回数(例えば30回)は、確率変動状態において第一当りまたは第二当りが発生する確率を基に予測される、大当りまでの予測回数よりも多くなる回数に設定されている。このため、大当りになるであろうと予測される抽選回数が経過しても、そのような有利遊技状態にならない場合に、超おしゃべりタイム演出へ移行することとなる。つまり、「確率変動状態が発生していなかったのでは」と、遊技の終了を意識し始めるタイミングを狙って超おしゃべりタイム演出を出現させるため、超おしゃべりタイム演出が出現されることによる喜びを一層大きなものとすることができるとともに、確率変動状態が潜伏しているにもかかわらず遊技を終了してしまうことを抑制できる。
また、おしゃべり(2)用テーブル1408では、おしゃべり(1)用テーブル1407と比べると、「朝の背景演出」または「夕方の背景演出」の導出回数を比較的多くする割合が高くなっている。例えば、「朝の背景演出」及び「夕方の背景演出」の導出回数がともに12回以上となる確率は、おしゃべり(1)の場合には200/200014であるが、おしゃべり(2)の場合には、1100/200014となり、約5.5倍の割合で選択されるようになっている。つまり、抽選結果が第三大当りである場合には、抽選結果が小当りの場合よりも、背景演出の切替わりが遅くなるように設定されている。このように、背景演出の切替わりが遅いほど、第三当りである可能性、すなわち超おしゃべりタイム演出に発展する可能性高くなることから、背景の切替わりに対しても注目させることが可能になる。
なお、図102に示すように、高確率期待大演出制御手段1400には、おしゃべりタイム演出の実行回数を、背景演出毎にカウントするおしゃべり演出回数カウント手段1409と、おしゃべり演出回数カウント手段1409によってカウントされた背景演出毎の実行回数がおしゃべり導出回数設定手段1402で設定された導出回数になる毎に背景演出を切替える背景演出切替手段1420と、おしゃべり演出回数カウント手段1409でカウントされたおしゃべりタイム演出全体の実行回数が、おしゃべり導出回数設定手段1402で設定された合計導出回数に達したときに、通常背景演出または超おしゃべりタイム演出のいずれかに移行させる第三演出移行制御手段1421とが設けられている。つまり、第三演出移行制御手段1421は、抽選結果が小当りの場合にはおしゃべりタイム演出を継続導出回数の行った後、通常背景演出に移行させ、一方、抽選結果が第三大当りの場合にはおしゃべりタイム演出を継続導出回数の行った後、超おしゃべりタイム演出に移行させる。つまり、超おしゃべりタイム演出に移行する場合も移行しない場合も、夫々の背景演出が、抽選で決定された回数ずつ順に導出されるため、演出の内容や背景の変化を十分に楽しませることができる。
ここで、おしゃべり演出実行手段1401が本発明の演出実行手段に相当し、おしゃべり導出回数設定手段1402が本発明の導出回数決定手段に相当し、背景演出切替手段1420が本発明の回数制限手段に相当し、第三演出移行制御手段1421が本発明の演出移行制御手段に相当する。また、パターン選択用乱数抽出手段1404が本発明の導出回数用乱数抽出手段に相当し、おしゃべり(1)用テーブル1407が本発明の第一導出回数テーブルに相当し、おしゃべり(2)用テーブル1408が本発明の第二導出回数テーブルに相当する。
次に、上記の発展演出における処理の流れ(背景選択処理)を、図74乃至図79に示すフローチャートに基づき説明する。ここで、図74は背景選択処理を示し、図75は背景選択処理にける特殊背景処理を示し、図76は特殊背景処理におけるカタカタ1A背景処理を示し、図77は特殊背景処理におけるカタカタ1B背景処理を示し、図78は特殊背景処理におけるおしゃべり1背景処理を示し、図79は特殊背景処理におけるおしゃべり2背景処理を示している。
図74に示す背景選択処理では、まず、特殊背景が選択されているか、すなわち導出すべき発展演出が決定されているかを判別する(ステップS1301)。そして、特殊背景が選択されている場合には(ステップS1301にてYES)、抽選結果が第三大当りまたは小当り以外の所定の当りパターン、すなわち、大当り状態演出に移行する第一大当りまたは第二大当り、あるいは所さんメガ天モード演出に移行する第四大当りなどに該当するかを判別する(ステップS1302)。そして、ステップS1302において、所定の当りパターンに含まれている場合には(ステップS1302にてYES)、背景選択処理を終了し、所定の当りパターンに含まれていない場合には(ステップS1302にてNO)、特殊背景処理を実行する(ステップS1303)。なお、特殊背景処理については後述する。
一方、ステップS1301において、特殊背景が選択されていない場合には(NO)、抽選結果が小当りであるかを判別し(ステップS1304)、小当りの場合には(YES)、小当り時スロット演出振分表1208(図94参照)でパターン1〜パターン12のいずれか(すなわち第一領域)が選択されているかを判別する(ステップS1305)。そして、第一領域のパターンが選択されている場合には(ステップS1305にてYES)、カタカタ選択テーブル(ルート振分けテーブル1225に相当(図93参照))で第一ルート(1A)が選択されているかを判別する(ステップS1306)。第一ルート(1A)が選択されている場合には(YES)、カタカタ1Aフラグをセットし(ステップS1307)、一方、第一ルートが選択されていない場合、すなわち第二ルート(1B)が選択されている場合には(ステップS1306にてNO)、カタカタ1Bフラグをセットする(ステップS1308)。このように、カタカタ1Aまたはカタカタ1Bのフラグがセットされた後、滞在ゲーム数振分表(導出回数振分けテーブル1228に相当(図95(a)参照))に基づき、継続導出回数を決定し、その回数を滞在カウンタにセットする(ステップS1309)。
一方、スロット演出振分け表1208でパターン13〜パターン22のいずれか(すなわち第二領域)が選択されている場合には(ステップS1304にてNO)、おしゃべり1のフラグをセットし(ステップS1310)、おしゃべりモード滞在ゲーム数振分表(おしゃべり(1)用テーブル1407に相当(図97参照))に基づき、おしゃべりタイム演出における背景演出毎の導出回数を決定し、その回数をカウンタにセットする(ステップS1311)。
また、ステップS1304にて小当りではないと判別された場合には(NO)、抽選結果が第三大当りであるか否かを判別する(ステップS1312)。そして、第三大当りである場合には(ステップS1312にてYES)、特定時スロット演出振分表(小当り時スロット演出振分表1208と同等)でパターン1〜パターン12のいずれか(すなわち第一領域)が選択されているかを判別する(ステップS1313)。そして、第一領域のパターンが選択されている場合には(ステップS1313にてYES)、おしゃべり2フラグをセットし(ステップS1314)、ステップS1311に移行する。なお、ステップS1311では、おしゃべりモード滞在ゲーム数振分表としておしゃべり(2)用テーブル1408が用いられる。一方、スロット演出振分け表1208でパターン13〜パターン22のいずれか(すなわち第二領域)が選択されている場合には(ステップS1313にてNO)、カタカタ2フラグをセットし(ステップS1315)、ステップS1309に移行する。
ステップS1312において第三大当りと判別されない場合には(NO)、抽選結果が第四大当り(第五結果)であるかを判別し(ステップS1316)、第四大当りの場合には(YES)、第四背景フラグをセットし(ステップS1317)、背景選択処理を終了する。また、第四大当りと判別されない場合には(NO)、抽選結果が第二大当りであるかを判別し(ステップS1318)、第二大当りの場合には(YES)、第二背景フラグをセットし(ステップS1319)、背景選択処理を終了する。さらに、第二大当りと判別されない場合には(NO)、抽選結果が第一大当りであるかを判別し(ステップS1320)、第一大当りの場合には(YES)、第一背景フラグをセットし(ステップS1321)、背景選択処理を終了する。なお、第一大当りでもない場合は、そのまま背景選択処理を終了する。
ステップS1303に示す特殊背景処理では、図75に示すように、まず、特殊背景2が選択されているか、すなわち導出すべき発展演出として、カタカタナイトチャンス演出またはおしゃべりタイム演出のいずれか一方が選択されているかを判別する(ステップS1329)。そして、特殊背景2が選択されている場合には(ステップS1329にてYES)、カタカタ1A背景処理(ステップS1330)、カタカタ1B背景処理(ステップS1340)、カタカタ2背景処理(ステップS1350)、おしゃべり1背景処理(ステップS1360)、及びおしゃべり2背景処理(ステップS1380)を順に実行し、その後、特殊背景パターンに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1395)。
図76に示すように、カタカタ1A背景処理では、ステップS1307によってカタカタ1Aフラグがセットされているかを判別し(ステップS1331)、カタカタ1Aフラグがセットされている場合には(YES)、カタカタナイトチャンス演出の滞在ゲーム数(実行回数)が最終ゲーム(最終回)に相当するかを判別する(ステップS1332)。そして、最終ゲームに相当する場合には(ステップS1332にてYES)、カタカタ最終振分表(残ポイント振分けテーブル1324(図95(c)参照)に相当)を基に最終演出を選択し(ステップS1333)、その後、通常背景移行フラグをオンする(ステップS1334)。一方、滞在ゲーム数が最終ゲームに相当しない場合には(ステップS1332にてNO)、落下ポイント振分け表1307(図96(a)参照)にてパターンを選択するとともに、滞在ゲームカウンタに「1」を加え、カタカタ1A背景処理を終了する。なお、ステップS1331において、カタカタ1Aフラグがセットされていないと判別された場合には(NO)、そのままカタカタ1A背景処理を終了する。
図77に示すように、カタカタ1B背景処理、及びカタカタ2背景処理(以下、まとめてカタカタ1B(2)背景処理という)では、ステップS1308によってカタカタ1Bフラグがセットされているか、またはステップS1315によってカタカタ2フラグがセットされているかを判別し(ステップS1341)、カタカタ1Bフラグまたはカタカタ2フラグがセットされている場合には(YES)、滞在変動カウンタが最大値か否か、すなわち、最終回のカタカタナイトチャンス演出であるかを判別する(ステップS1342)。そして、カウンタが最大値の場合には(ステップS1342にてYES)、おしゃべり1フラグ(カタカタ1B背景処理の場合)、またはおしゃべり2フラグ(カタカタ2背景処理の場合)をセットし(ステップS1343)、さらに、ステップS1311と同様、おしゃべりモード滞在ゲーム数振分表に基づき、おしゃべりタイム演出における背景演出毎の導出回数を決定し、その回数をカウンタにセットする(ステップS1344)。
一方、滞在変動カウンタが最大値になっていない場合には(ステップS1342にてNO)、落下ポイント振分け表1308,1309(図96(b),(c)参照)にてパターンを選択するとともに、滞在ゲームカウンタに「1」を加え、カタカタ1B(2)背景処理を終了する。なお、ステップS1341において、カタカタ1Bフラグまたはカタカタ2フラグがセットされていないと判別された場合には(NO)、そのままカタカタ1B(2)背景処理を終了する。
図78に示すように、おしゃべり1背景処理では、ステップS1310またはステップS1343によっておしゃべり1フラグがセットされているかを判別し(ステップS1361)、おしゃべり1フラグがセットされている場合には(YES)、変動カウンタが設定モード数に達したか、すなわち、夫々の背景演出毎に設定された導出回数に達したかを判別する(ステップS1362)。そして、設定モード数に達していない場合には(NO)、変動カウンタに「1」を加え(ステップS1363)、おしゃべり1背景処理を終了する。一方、変動カウンタが設定モード数に達している場合には(ステップS1362にてYES)、「朝の背景演出」を導出中か判別する(ステップS1364)。「朝の背景演出」を導出している場合には(YES)、夕方背景のフラグをオンするとともにカウンタをセットし(ステップS1365)、続いて「朝の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1366)。また、「朝の背景演出」を導出していない場合には(ステップS1364にてNO)、「夕方の背景演出」を導出中かを判別する(ステップS1367)。そして、「夕方の背景演出」を導出している場合には(YES)、夜背景のフラグをオンするとともに、カウンタをセットし(ステップS1368)、続いて「夕方の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1369)。また、「夕方の背景演出」も導出していない場合、すなわち、「夜の背景演出」を導出している場合には(ステップS1367にてNO)、第一通常状態演出に関するフラグをオンするとともに(ステップS1370)、「夜の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1371)。
一方、図79に示すように、おしゃべり2背景処理では、ステップS1314またはステップS1343によっておしゃべり2フラグがセットされているかを判別し(ステップS1381)、おしゃべり2フラグがセットされている場合には(YES)、変動カウンタが設定モード数に達しているか、すなわち、夫々の背景演出毎に設定された導出回数に達しているかを判別する(ステップS1382)。そして、設定モード数に達していない場合には(NO)、変動カウンタに「1」を加え(ステップS1383)、おしゃべり2背景処理を終了する。一方、変動カウンタが設定モード数に達している場合には(ステップS1382にてYES)、「朝の背景演出」を導出中かを判別する(ステップS1384)。「朝の背景演出」を導出している場合には(YES)、夕方背景のフラグをオンするとともにカウンタをセットし(ステップS1385)、続いて「朝の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1386)。また、「朝の背景演出」を導出していない場合には(ステップS1384にてNO)、「夕方の背景演出」を導出中かを判別する(ステップS1387)。そして、「夕方の背景演出」を導出している場合には(YES)、夜背景のフラグをオンするとともに、カウンタをセットし(ステップS1388)、続いて「夕方の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1389)。また、「夕方の背景演出」も導出していない場合、すなわち、「夜の背景演出」を導出している場合には(ステップS1387にてNO)、超おしゃべりタイム演出に関するフラグをオンするとともに(ステップS1390)、「夜の背景演出」におけるカウンタをリセットする(ステップS1391)。
このように、本例のパチンコ機1によれば、抽選結果が第三結果である場合、すなわち第三有利遊技状態(大当り)の場合に出現可能な表示態様として、通常の遊技状態であることを示す通常状態演出(所スロット演出)と、第三有利遊技状態制御手段933cによって確率変動状態が発生している可能性があることを示す高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)と、第三有利遊技状態制御手段933cによって確率変動状態が発生している可能性が高いことを示す高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)と、第三有利遊技状態制御手段933cによって確率変動状態が発生していることを示す高確率状態演出(超おしゃべりタイム演出)とを有している。これに対し、抽選結果が第四結果である場合、すなわち第四有利遊技状態(小当り)の場合に出現可能な表示態様として、通常状態演出(所スロット演出)と、高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)と、高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)とを有している。つまり、第四有利遊技状態では、高確率状態演出(確率変動状態が発生していることを示す演出)を出現させることができないものの、それ以外の演出は、第三有利遊技状態と同様に出現可能となっている。
また、第三有利遊技状態に限って出現される高確率状態演出(超おしゃべりタイム演出)は、高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)及び高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)の段階を経て出現される演出であり、しかも、高確率期待小演出から高確率期待大演出への移行は第一条件(ポイントの合計が所定値を超えること)の成立を要件とし、高確率期待大演出から高確率状態演出への移行は第二条件(所定回数の抽選が行われること)の成立を要件としていることから、第三有利遊技状態となって確率変動状態が発生しても、「高確率状態演出」がすぐに出現されることはない。換言すれば、所定の利益が付与されてから「高確率状態演出」が出現されるまでのしばらくの間は、第三有利遊技状態と第四有利遊技状態とを区別して認識することができなくなる。このため、第四有利遊技状態(小当り)が発生した場合であっても、「第三有利遊技状態(大当り)であるかも知れない」、すなわち「確率変動状態に突入しているかもしれない」と推測させることができ、遊技者の期待感を高めることができる。したがって、遊技への意欲が高められ、不満による遊技の終了を極力抑制することができる。
また、どちらの有利遊技状態の場合も、基本的に、通常状態演出(所スロット演出)から高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)へ移行し、高確率期待小演出から高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)へ移行するため、高確率への期待を段階的に高めることが可能になる。このため、遊技への意欲が向上し、途中で遊技を終了してしまうことを極力防止することができる。さらに、第三有利遊技状態の場合には、最終的に、「確率変動状態になっていること」を示す高確率状態演出が出現されるため、これにより遊技者に安心感を与えるとともに、抽選への期待感、すなわち特定の利益が付与されることへの期待感を激増させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)は、予め定められた順に導出可能な複数の背景演出を有しており、高確率期待大演出の継続実行回数が、夫々の背景演出毎に設定される。特に、夫々の背景演出の導出回数は抽選によって決定されるようになっており、高確率期待大演出に移行する前に決定される。そして、抽選結果が第四結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、通常状態演出に移行し、一方、抽選結果が第三結果の場合には、全ての高確率期待大演出の終了後、高確率状態演出に移行する。つまり、高確率状態演出に移行する場合も移行しない場合も、夫々の背景演出が、抽選で決定された回数ずつ導出されるため、演出の内容や背景の変化を十分に楽しませることができる。つまり、夫々の導出回数を一定とするものに比べると、背景の変動パターンが複雑になり、その変化を予測し難くすることができる。また、演出が実行される毎に発展させるか否かを抽選するものに比べると、夫々の背景演出を適切な回数だけ導出させることができ、例えば高確率期待大演出を楽しませる間もなく終了したり、逆に、長々と繰り返されて飽きさせたりすることを防止できる。
特に、背景演出の切り替わりが遅いほど、第三結果である可能性、すなわち高確率状態演出へ移行する可能性が高くなることから、遊技者は、背景の切り替わりに対しても注目するようになる。つまり、仮に、「同じ演出が一定回数導出された後に高確率状態演出に移行するもの」とした場合には、その演出が継続して出現するか否かのみが注目され、演出内容に対しての興味が薄くなることが懸念されるが、本発明によれば、背景演出が変化しないように願うことから、演出内容についても注目させることができる。
また、背景演出毎の導出回数は抽選によって決定されるが、夫々の導出回数を全て累計した合計導出回数、すなわち全ての高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)が継続して実行される回数は制限されており、抽選結果が第四結果である場合には合計導出回数を一定回数未満に制限し、抽選回数が第三結果である場合には合計導出回数を一定回数に制限する。つまり、高確率状態演出に移行しない場合には、一定回数未満の高確率期待大演出が行われた後、通常状態に戻ることとなり、一方、高確率状態演出に移行する場合は、一定回数の高確率期待大演出が行われた後、発展することとなる。したがって、遊技者は、高確率期待大演出が一定回数連続して行われることを願うようになり、比較的単調な演出が繰り返されても、演出の繰返しに対して不満や苛立ちを喚起させることはない。換言すれば、高確率期待大演出の導出回数が長くなるほど期待感が高くなることから、演出の繰返しによって遊技意欲を高めることができる。さらに、本例では、第一有利遊技状態または第二有利遊技状態になるであろうと予測される抽選回数が経過しても、そのような有利遊技状態にならない場合に、高確率状態演出へ移行する。つまり、「確率変動状態が発生していなかったのでは」と、遊技の終了を意識し始めるタイミングを狙って高確率状態演出を出現させる。したがって、高確率状態演出が出現されることによる喜びを一層大きなものとすることができるとともに、確率変動状態が潜伏しているにもかかわらず遊技を終了してしまうことを抑制できる。
また、本例のパチンコ機1によれば、高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)に移行する前に、パターン選択用乱数が抽出され、このパターン選択用乱数と、抽選結果(第三結果または第四結果)と、パターン振分テーブルとに基づいて回数パターンが決定される。ここで、回数パターンは、各背景演出の導出回数を組み合わせてグループ化したものであり、夫々の回数パターン同士では、少なくとも一つの背景演出における導出回数が互いに異なるように設定されている。このため、夫々の導出回数をパターンとしてグループ化することにより、高確率期待大演出全体の回数(合計導出回数)を適切な回数に設定することができるとともに、夫々の背景演出の導出回数を不規則に変化させることができる。すなわち、背景演出毎の導出回数に変化を持たせながらも、高確率期待大演出全体の実行回数が極端に長くなったり、極端に短くなったりすることを確実に防止できる。
また、本例のパチンコ機1によれば、高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)では、遊技の進行に伴って有価価値以外の特典が付与され、この特典を基に第一条件が成立したか否かが判定される。そして、第一条件が成立すると、高確率期待小演出に代って高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)が出現される。したがって、遊技者は、高確率期待小演出を視認しながら特典が付与されるか否かを注目するようになり、ひいては高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)の興趣を高めることができる。特に、特典として、演出毎に所定のポイント(得点)が付与され、そのポイントの合計が一定値に達すると、高確率期待小演出から高確率期待大演出に移行する。したがって、ポイントを集めることに興味が持たれ、遊技を進行させることへの意欲を一層高めることができる。また、ポイントの合計が高くなるほど有利となることから、同じ種類の高確率期待小演出が継続して出現されても、その演出の内容に飽きてしまうことが軽減される。
しかも、このポイントは、高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)だけではなく、通常状態演出(通常背景演出及び所スロット演出)においても付与される場合がある。したがって、通常状態演出においてポイントを取得する楽しみが増えるとともに、通常状態演出と高確率期待小演出とが互いに関連付けられることにより高確率期待小演出へ移行させたいという意欲を一層高めることができる。つまり、通常状態演出において、一定値に達するようなポイントが付与された場合には、「高確率期待小演出から高確率期待大演出へ発展することが約束された」、または「その発展が略確実となった」と認識させることができ、高確率期待小演出へ移行させることに対しての意欲を高めることができる。すなわち、高確率期待小演出が出現する前の通常遊技状態のときから、高確率期待小演出で行われる遊技に関わることができるようになり、これら一連の演出への関心を一層高めることが可能になる。
また、本例のパチンコ機1によれば、乱数に基づいた不特定のポイントを発生させることから、ポイントへの注目が一層高まるとともに、ポイントを付与する際にメリハリをつけることができる。また、貯えられているポイントの合計が高いほど、大きなポイント値が付与されにくくなっているため、ポイントの合計がすぐに一定値に達するのを抑制することができる。つまり、ポイントを収集する楽しみを比較的長期にわたって継続させることができる。逆に、ポイントの合計が低い場合には、比較的大きなポイント値を付与することが可能になる。例えば、遊技開始初期に大きなポイント値を付与するようにすれば、それによって遊技者の意識をひきつけることが可能になる。また、通常状態演出には、抽選結果が第三結果または第四結果にならなくても出現可能な第一通常状態演出(通常背景演出)と、第三結果または第四結果になった後に出現可能な第二通常状態演出(所スロット演出)とが含まれており、抽選結果が第三結果または第四結果になると、第一通常状態演出から第二通常状態演出に移行し、その後、高確率期待小演出(若しくは高確率期待大演出)に移行するようになっている。そして、第一通常状態演出では、貯えられているポイントの合計に、付与されるポイント値を加えても、一定値に到達しないように、付与するポイント値を決定する。つまり、一定値に近くなると、付与されるポイントを極めて小さなポイント値に制限したり、ポイント値を「0」とすることにより、一定値に到達しないように処理する。したがって、第三結果または第四結果となった後に導出される第二通常状態演出において、初めて一定値に到達させることが可能になり、一定値に到達した場合にはすぐに次の演出に発展させることが可能になる。このため、累積されたポイントの合計と、演出の移行条件との関係が明確となり、ポイントの信頼性を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一通常状態演出(通常背景演出)において付与されるポイント値が「0」である場合には、ポイント値の代りにアイテム画像を表示させるようにしている。このため、ポイント値「0」であり、合計が変化しない場合であっても、遊技者の気分の低下を抑制することができるとともに、アイテム画像によって視覚的な興趣を与えることができる。特に複数種類のアイテム画像と、抽選手段の抽選結果に対する期待値とが互いに関係づけられているため、期待値に対応したアイテム画像を表示させることが可能になり、アイテム画像に対する憎悪感を一掃することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、高確率期待小演出(所スロット演出)におけるスロット演出振分け表1208を、第一領域と第二領域とに分割し、貯えられたポイントの合計に、付与されるポイントを加えても一定値に達しないポイント群を第一領域とし、それ以外の領域すなわち一定値に達するポイント群を第二領域としている。そして、決定されたポイント値が第二領域に含まれる場合には高確率期待小演出を出現させることなく、第二通常状態演出から高確率期待大演出へ移行させる。つまり、付与されるポイントを加えても一定値に到達しない場合には、ポイントを付与した後に高確率期待小演出に移行させ、一方、一定値に到達する場合には、高確率期待大演出へ移行させるようにしている。したがって、第二通常状態演出では、ポイントを付与する場合にポイントの合計が一定値に達するか否かを前もって把握し、達する場合には高確率期待大演出へ直接移行させるため、高確率期待小演出の存在に起因する演出相互の矛盾を防止することができる。特に、高確率期待小演出においてポイント値を決定する際には、第一通常状態演出で付与されたポイントの合計が考慮され、ポイントの合計が高いほど、第二領域のポイント値が選択される可能性が高くなるため、例えば「高確率期待小演出においてポイントの合計が一定値に達しないように付与するポイント値を制限するもの」に比べ、第一通常状態演出にて貯えられたポイントを生かした処理が可能となる。
また、本例のパチンコ機1によれば、抽選結果が第四結果(小当り)の場合で、第二通常状態演出(所スロット演出)から高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)に移行することが決定された場合には、第一ルートとするか、または第二ルートとするか、を抽選によって決定し、また、所定回数の高確率期待小演出を行っても累積されたポイントの合計が一定値に達しない場合には、抽選結果及び選択されたルートに基づいて、その後に移行する演出を決定している。このため、第三結果である場合の演出が一連の演出の途中で終了してしまうことを防止でき、しかも、高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)に移行するのは、第三結果の場合だけではなく、第四結果の場合もあり得るため、高確率状態演出が導出されるまで、確率変動状態の発生を認識させないようにすることができる。特に、貯えられたポイントの合計が大きいほど、第二ルートが選択される可能性が高くなるため、通常状態演出で付与されるポイントに対し、一層高い関心を持たせることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、高確率期待大演出(おしゃべりタイム演出)を出現させない場合には、第一条件が成立する前、すなわちポイントの合計が一定値に達する前に、高確率期待小演出(カタカタナイトチャンス演出)から第一通常状態演出(通常背景演出)に戻ることとなるが、この場合には貯えられたポイントの全てまたは一部が消去されるため、ゼロの状態または極めて少ない状態から再び第一通常状態演出を開始させることとなり、例えば小当りが連続して発生しても、蓄積されるポイントの合計が極めて大きくなることを防止できる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一通常状態演出(通常背景演出)では、第二特別図柄の変動時のみポイントを付与することを可能とし、第一特別図柄の変動時にはポイントが付与されないようにするため、ポイントが付与される頻度を抑え、ポイントが付与される場合と付与されない場合とのメリハリをつけることができ、ひいてはポイントが付与されることへの興味を高めることが可能となる。また、第一特別図柄による抽選と第二特別図柄による抽選とを視覚的に識別することが可能となり、二種類の抽選が行われていることを容易に認識させることができる。特に、第二特別図柄の変動を開始させるための第二始動口332は、特定の遊技状態になったときに入賞させやすくなることから、特定の遊技状態になることへの楽しみをさらに高めることができる。また、第一通常状態演出(通常背景演出)において特殊演出が行われ、操作ボタン1102が操作された場合に限り、ポイントを付与させることを可能にするため、ポイントを付与する頻度を一層効率的に抑え、すぐに一定値に達することを抑制できる。さらに、操作ボタン1102の操作を要求するため、単に見ているだけの受動的な演出ではなく、積極的に演出に参加させ、ゲームのような感覚でポイントを取得させることが可能になる。なお、第一通常状態演出では、貯えられているポイントの合計が常に表示されるようになっている。つまり、ポイントを付与することが可能となるのは、第二特別図柄の変動時のみであるが、ポイントが付与されることのない第一特別図柄の変動時にも、ポイントの合計を表示させるようにしている。したがって、ポイントへの興味を常に意識付けるとともに、これから遊技を始めようとする遊技者にとっては、ポイントに関する情報を、遊技台選びの情報として用いることが可能になる。つまり、「多くのポイントが既に蓄積されている遊技台で遊技したい」という、遊技意欲を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技状態が少なくとも確率変動状態ではなく且つ時短遊技状態でもない場合(すなわち通常時の場合)に「第三有利遊技状態」が発生すると、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態となるようにしている。このため、「第三有利遊技状態」と「第四有利遊技状態」との区別を一層困難とすることができる。また、第五有利遊技状態の場合に出現可能となる表示態様は、第五有利遊技状態制御手段933eによって確率変動状態及び時短遊技状態が発生していることを示す高確率時短状態演出である。したがって、「第五有利遊技状態」に当選した場合には、時短遊技状態及び確率変動状態となったことが容易に認識され、ひいては抽選への期待感を大幅に高め、遊技者の気分を高揚させることが可能になる。つまり、所定の利益であるアタッカ装置335の開閉動作等が一層注目されるようになり、遊技の興趣を高めることが可能になる。なお、高確率時短状態遊技が出現しない場合には、「第五有利遊技状態」ではないことが明らかになるが、このような場合であっても「第三有利遊技状態」である可能性が残されていることから、遊技意欲の低下を抑制できる。また、「第三有利遊技状態」を発生させる際に、既に確率変動状態になっている場合には、確率変動状態を維持したまま、時短遊技状態を発生させる。つまり、「第三有利遊技状態」によって確率変動状態となった後、「第一有利遊技状態」または「第二有利遊技状態」によって特定の利益が付与される前に、再び「第三有利遊技状態」になると、時短遊技状態を付与するとともに高確率時短状態演出(所さんメガ天モード演出)を出現させる。これにより、再度の「第三有利遊技状態」による利益として、所定の利益(第四有利遊技状態と同様の利益)以上の利益を与えることが可能になり、大当りへの期待感をさらに高めることができる。なお、この場合、第二始動口332への入賞のし易さが増加し、しかも特定の演出が出現することから、「第四有利遊技状態」と区別することが可能になるが、この制御は「第三有利遊技状態」が連続して発生した場合に限られる制御であるため、たとえ高確率時短状態演出が出現されない場合であっても、遊技者の意欲を低下させることはない。
また、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域37に、常時入賞可能な第一始動口330と、開放した場合に遊技球が入賞可能となる第二始動口332とが設けられており、第一始動口330及び第二始動口332のうち何れか一方の始動口に遊技球が入賞した場合には、それらの始動口64,65に対応する第一特別図柄表示器390a及び第二特別図柄表示器390b、さらには演出表示装置217において所定の演出が導出され、両方の始動口64,65に遊技球が入賞した場合には、二種類の演出が、所定の順序で導出される。また、「確率変動大当り」終了後の遊技状態等、特定の遊技状態になったことが判定されると、第二始動口332の開閉状態が制御され、遊技球の入賞が極めて困難な状態から極めて容易な状態へと変化する。このため、特定の遊技状態になると、第二始動口332に対して遊技球を入賞させることが容易となり、第一大当り抽選と第二大当り抽選とが並行して順に行われる機会が増大し、ひいては特定の遊技状態における有利性を大きく向上させることが可能になる。
なお、特定の遊技状態で抽選を頻繁に行わせるために、特定の遊技状態になると、保留球数の上限値を増加させるようにした遊技機も知られている。しかし、このように保留球数の上限値を増加させても、始動口に遊技球を入賞させ難い遊技機においては、抽選の頻度を増加させることができず、遊技者に満足感を与えることができない。これに対し、本例では、特定の遊技状態になると、抽選手段の数が実質的に増え、しかも並行して所定の順に演出表示が行われるため、通常時と比べ、大当り抽選の頻度を確実に、且つ大幅に増加させることが可能となり、抽選への期待感を大きく膨らませることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、特定の利益が付与される大当りでは最大ラウンド数が「15」に設定されているのに対し、所定の利益が付与される大当りまたは小当りでは、ラウンド数が「2」に設定されており、しかも開放時間も極めて短いため、特定の利益と所定の利益とにおける有利性を明確に差別化することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、普通当り抽選の当選確率を変化させることにより、第二始動口332を、殆ど開放しない状態から頻繁に開放する状態へと変化させるため、第二始動口332における遊技球の入賞のし易さを簡単に変化させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一装飾図柄991及び第二装飾図柄992に加え、共通装飾図柄列993も表示されるため、第一装飾図柄991または第二装飾図柄992によって、どちらの抽選が行われているのかを容易に把握させることができ、しかも、演出内容や抽選結果を共通装飾図柄列993の変動及び停止によって認識させることができる。換言すれば、第一装飾図柄991及び第二装飾図柄992の大きさを比較的小さくしても変動の有無を認識させる得ることから、その分、共通装飾図柄列993の表示領域を増加させ、画面全体に共有装飾図柄列993を表示させた迫力のある演出が可能となる。
また、本例のパチンコ機1によれば、演出表示装置217の前方に装飾可動体430,432が出現し、表示態様に基づいて可動するため、演出表示装置217による画像と立体的な装飾物とを組合せて視認させることができ、視覚的な興趣を大幅に高めることが可能になる。すなわち、画像と装飾物との協働によって演出を盛り上げ、遊技者の期待感を一層高めることが可能になる。また、この装飾可動体430,432は出没可能であり、所定の演出状態になると突如として出現することから、遊技者に驚きやワクワク感を与えることができ、遊技意欲を高めることが可能になる。特に、期待値の高い高確率期待大演出及びその後発展可能な高確率状態演出において、装飾可動体430,432を出現させるため、高確率期待大演出において高確率への期待感を激増させることができる。すなわち、通常状態演出や高確率期待小演出では視認することのできなかった組合せの演出が、高確率期待大演出になると突如として視認可能となるため、遊技者をワクワクドキドキさせることが可能になる。
また、本例のパチンコ機1によれば、キャラクタの口がパクパクと開閉するため、口に関連した演出、例えば喋ったり、物を噛み砕いたりする演出を効果的に行うことができる。また、演出表示装置217に表示される演出態様を、口(開口部分)を通して視認させることが可能となり、演出画面における意匠性を高めることができる。特に、演出表示装置217の前方に出現した装飾可動体430,432が、演出表示装置217に表示される「言葉」に合わせて可動するため、恰もキャラクタが発言しているかのように認識させることができる。このため、臨場感が高められ、演出の面白みを大幅に高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の前側に右装飾可動体234及び左装飾可動体235が備えられているから、例えば上下に可動する第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432とは違う動きをさせることにより、より可動体に注目させることができ、第一装飾可動体430、第二装飾可動体432及び右装飾可動体234及び左装飾可動体235による演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、右装飾可動体234及び左装飾可動体235が略水平な第一配置状態に配置された場合において、その後側に第一装飾可動体430が配置され、遊技者から視認困難に遮蔽される。これにより、第一装飾可動体430を視認可能に露出させたり、視認困難に遮蔽させたりする演出を切り替えることが可能となり、遊技者をどっきりさせ、注目を惹きつける演出が可能となる。
また、右装飾可動体234及び左装飾可動体235は、略垂直に配置される第二配置状態において、第一装飾可動体駆動ユニット450と第一装飾可動体430との間を遮蔽可能である。これにより、可動体と駆動ユニットとの間、つまり連結部が遮蔽され得るので、支持シャフト530等を隠蔽し、見栄えを向上させることができる。さらに、第一装飾可動体430とは別の動きをする右装飾可動体234及び左装飾可動体235によって当該連結部を遮蔽できるので、夫々の駆動ユニットと第一装飾可動体430との関係を分かり難くすることが、どうやって第一装飾可動体430が動かされているのかが分かり難いことから、まるで宙に浮いているかのような意外性のある演出を行えるので、遊技者の注目を惹きつけ、興趣を高めることができる。
更に、第一装飾可動体430や第二装飾可動体432の上下方向の動きとは異なる別途の動き(回動する)を用いて右装飾可動体234及び左装飾可動体235を可動させることができるので、遊技領域内における動きのバリエーションを増加させ、より演出効果の高め遊技者の興趣の高められるものとすることができる。
また、略長尺状の本体部292を持つ右装飾可動体234及び左装飾可動体235のうち、第一装飾可動体430や第二装飾可動体432が片持ち支持されている側と同じ端部側を中心に回動させることにより、略垂直な第二配置状態時において、その他端側に向かって延設されている本体部292が不可避的に第一装飾可動体430と第一装飾可動体駆動ユニット450との間を遮蔽する。これにより、ごく自然に第一装飾可動体430や第二装飾可動体432と夫々の駆動ユニットとの連結部分(支持シャフト530等)であるを遮蔽できるので、よりスムーズ且つ巧みに見栄えを向上させることができる。
また、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の端部側が回動可能に支持されているから、略中央付近側で支持されている場合等に比べ、右装飾可動体234及び左装飾可動体235を回動している回動手段(第一装飾可動体ソレノイド551,第二装飾可動体ソレノイド711)を遊技領域37の端部側に配置しやすい。これにより、当該回動手段によって第一装飾可動体430や第二装飾可動体432、または演出表示手段217などを遮蔽し難いので、これらが表現する演出態様を見易くでき、興趣の低下を防止することができる。
また、左右同じ高さに二つ一組で配置されており、換言すれば、一つの装飾可動体を二分割して配置する構成であるため、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の一つ当りの左右方向の長さを、約半分程度に短くできる。これにより、右装飾可動体234及び左装飾可動体235一つあたりのサイズを小さくすることができるので、各駆動ユニットが負担する駆動負荷が軽くなり、より速い速度で右装飾可動体234及び左装飾可動体235を駆動することが可能となる。従って、右装飾可動体234及び左装飾可動体235によりスピーディでダイナミックな演出を行わせることが可能となり、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
さらに、左右略同じ高さに配置された二つの右装飾可動体234及び左装飾可動体235が一組セットで、つまり一体感を連想させる形状や模様に形成されていることにより、略垂直な第二配置状態から略水平状態に移行した際に、一つの統一された観念を引き起こさせる一体的な形状へと合体させる演出が可能となる。例えば、右側に配置された右装飾可動体234及び左装飾可動体235と左側に配置された右装飾可動体234及び左装飾可動体235とに夫々文字を象った装飾部材を取り付け、第一配置状態に移行して二つの右装飾可動体234及び左装飾可動体235が同じ高さに配置されると、二つあわせて一つの連続した意味のある単語となるような演出が可能となる。このように、意外性のある演出を行うことができることにより、遊技者や、その他の見物者などの注意を惹き、集客力の強い面白味のあるパチンコ機1が提供できる。
また、右装飾可動体234及び左装飾可動体235を主役物213の枠状の内側に備えていることにより、当該内側で右装飾可動体234及び左装飾可動体235を回動させた場合は、主役物の構成部材と右装飾可動体234及び左装飾可動体235とが干渉しないためスムーズに回動させることができ、より好適である。
更に、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の本体部292は、ステージ256上に供給された遊技球に接触しない大きさで形成されている。つまり、装飾可動体として配置されているため、ステージ256上で繰り広げられる遊技球の転動演出を妨げる虞がない。これにより、右装飾可動体234及び左装飾可動体235による動きの演出に加え、ステージ256上を転動する遊技球の転動演出も十分に提供することができ、遊技者の目を楽しませることができる。また、遊技球の動きを妨げないことから、接触によって遊技球を所定の開放部254や開口部304以外の場所へと流下させることで遊技者の興趣を低下させる懸念も払拭される。従って、より面白味の持続する魅力的なパチンコ機1を提供できる。
また、右装飾可動体234及び左装飾可動体235を発光可能な装飾可動体としたことから、右装飾可動体234及び左装飾可動体235は、第一配置状態と第二配置状態との間を移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に右装飾可動体234及び左装飾可動体235に気付かせ注目を惹くことが可能となり、右装飾可動体234及び左装飾可動体235の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一装飾可動体430には、LED456、レンズ部452、及び遮光性の高い部材からなる発光基板457より主に構成される比較的シンプルな構成の発光装飾表示手段が具備され、LED456から投光される光の色を変化させるだけで、様々な表示態様(「三日月状の模様」、「所定の漢字」等)を表示することが可能である。さらに、レンズ部452を構成する赤色部460及び青色部461は、互いに同一面上に重複して配置される重複部が、白色部459として構成され、赤色及び青色を夫々透過可能である。従って、比較的簡易な構造を用いて赤色及び青色に対応する夫々の表示態様(「三日月状の模様」及び「所定の漢字」)を明瞭に表示することが可能となっている。
さらに、本実施形態のパチンコ機1によると、第一装飾可動体430の発光装飾表示手段に発光基板457の裏側に遮光性の高い黒色塗料や黒色フィルム等からなる遮光部材が備えられている。従って、演出表示装置217から照射される光がレンズ部452に投光されることを防ぐことができ、所望の表示態様を所望の表示タイミングで明瞭に表示することができる。加えて、色の三原色を発光させる発光手段がLED456から構成されていることにより、比較的他の色の波長成分を低減させることが容易で、表示内容を直感的に伝達させやすい第一装飾可動体430とすることができる。これにより、遊技者がストレスを感じ難く、遊技内容に関する興趣や注目度を低減させないばかりか一層向上させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
一方、後装飾体216がキャラクタ体で構成されているから、遊技内容とキャラクタ体とが関連付けやすく、コミカルで親しみやすいパチンコ機1を提供できる。また、赤色部460及び青色部461が、黒色部462を背景とする同一面上に形成されていることにより、レンズ部452の背面にある部材(例えばLED456や発光基板457)を見え難くすることができる。
さらに、白色の部材を背景とする場合に比べて、光が透過することによって表示される表示態様、つまり発光によって表示される表示態様を効果的に浮かび上がらせることができ、よりインパクトの強い華やかな第一装飾可動体430を提供することができる。特に、第一装飾可動体430をキャラクタ体の一部に備え、サングラス453の中に適用していることで、黒色部462を生かした面白味の強いコミカルな演出を実現している。
また、可動部材である第一装飾可動体430として構成していることにより、サングラス453内の表示領域に囚われずに自由度の高い演出を行うことが可能となる。特に、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一装飾可動体430は、LED456、レンズ部452、及び遮光性の高い部材からなる発光基板457より主に構成される比較的シンプルな構成を呈し、さらに赤色部460及び青色部461が同一面上にコンパクトに形成されている。従って、可動体に好適に配置可能であるため、バラエティに富む演出を提供でき、広い年代層に受け入れられ易いパチンコ機1が提供できる。
また、本実施形態のパチンコ機1によると、突起(突条)274が備えられているので、球案内路270内を流下する遊技球の流下方向が変えられたり、運動エネルギーの一部が吸収または消費されたりし、適度に減速されながらアウト口220へと流下していく。従って、流下途中で勢いがつきすぎて、アウト口220以外の場所へと跳ね飛んでいったり、他の配置物に衝突して破損させるようなトラブルを起こしにくく、好適にアウト口220へと案内される。さらに、好適にアウト口220へと案内されることから、遊技者に対して適度な緊張感(球案内路270へと遊技球を打ち込ませないよう集中する、といったような)を与えることが可能であり、遊技をよりスリリングなものとすることができる。
また、突起(突条)274によって適度に減速され、スムーズにアウト口220へと案内できることにより、球案内路270に遊技球が受取られないように、ステージ256や他の遊技領域へと集中して遊技球を打ち込ませることができ、遊技球の打ち込み方に変化や工夫を生じさせることができる。従って、ステージ256に供給されなかった遊技球を用いて、遊技を飽きさせ難いものに感じさせる演出が可能となり、遊技者の集中力と興味を惹きつけ、興趣を効果的に高めることができる。
また、遊技球を、主役物の外周面271に沿って転動させ、遊技領域37の上方から下方へと流下させてアウト口220へと案内することができる。従って、主役物213の前方を横切ることなく、且つ遊技盤5の前方側(遊技者に視認可能な位置)に球案内路270を配置することができるため、遊技球が排出されるか否かでドキドキハラハラさせることができると共に、見えやすくすることで遊技者の目を疲弊させ難くでき、興趣を高められるものとすることができる。
これにより、案内レール78によって案内された遊技球が、勢い良く遊技領域37へと放出された際に、より流下しやすい場所に球案内路270を配置しているので、遊技球がアウト口220へと案内されやすくなる。従って、遊技者は、注意深く力加減して遊技球を打ち込み、アウト口220へと遊技球が案内されないように集中して打ち込む必要が生じるため、より飽きさせない、スリリングなパチンコ機1を提供できる。
さらに、球案内路270が、水平断面が略コの字形、つまり一部が開放された形状をしているので、遊技球が球案内路270内で詰まったり、ゴミが付着して流れが悪くなった場合でも、遊技盤5の前面から比較的簡易にメンテナンスすることができる。これにより、遊技を中断させる虞が低いので、より遊技者の集中力を低下させることなく快適に遊技を続行させることが可能なパチンコ機1が提供できる。
また、外周面271と遊技盤ベース212の貫通孔211の内周面とが略並行に配置されていることにより、外周面271と貫通孔211の内周面との協働で挟み込むようにして遊技球を案内することが可能となる。つまり、遊技領域37の上方から下方までスムーズに遊技球を案内することができるので、球案内路270を配置することによる緊張感を効果的に高めることができ、より遊技者の興趣を惹きつける事が可能となる。
また、複数の突起274は、互いに対向する位置に交互に夫々形成されているから、例えばフランジ部272に形成された突起274は、譬え遊技球が装飾フランジ部273に沿って流下した場合でも、装飾フランジ部273の内壁の突起274に衝突させることができ、遊技球をフランジ部272へと押しやることができる。このように、対向して配置された複数の突起274に次々と衝突されられることにより、遊技球が適度に減速されてアウト口220へと案内される。また、球案内路270の配置方法が、湾曲している場合に限らずストレートであっても減速できることにより、球案内路270の配置方法に自由度があり、主役物213の形状や球案内路270の配置方法に制限を受けないためより好適である。
また、ステージ256の後方に遊技球を流下させ遊技盤5の前面へと誘導する球誘導路257が備えられている。これにより、ステージ256の前方からのみから遊技球が流下する場合に比べて、より遊技者の注目を惹く事ができるパチンコ機1を提供できる。さらに、球誘導路257には、球受部259以外の場所から遊技球が脱落するのを防止する隔壁板233と凸条部材302、及び遊技球が球受部259から脱落しないよう防止する球誘導凹部262がさらに具備されているから、遊技球を確実に遊技領域37へと復帰させることができるので、遊技者の目を楽しませることができ、効果的である。また、球誘導凹部262が透明な隔壁板233に設けられているので、遊技球が流下する位置を遊技者の視線に対して対向する位置に設けられる。従って、遊技者が流下位置を認識しやすく、注目を集めやすいため好適である。
また、隔壁板233及び凸条部材302が設けられているから、開放部254や開口部304以外の場所から遊技球が脱落するのが防止される。さらに、球誘導凹部262が備えられているから、所望の位置、つまりステージ256の後側且つ下方の球受部259へと遊技球が確実に誘導され、遊技領域37へと復帰させることができる。これにより、遊技者の目を充分に楽しませると共に、遊技球の脱落よって遊技に対する興趣が低下するのを防止できる。
さらに、球誘導路257が透明な隔壁板233に設けられているので、遊技球が流下する位置を遊技者の視線に対して対向する位置に設けられる。従って、遊技者が流下位置を認識しやすく、遊技球の動きに注目を集められるためより好適である。
また、凸条部材302のエッジ部303、つまり開口部304との境界部に遊技球が衝突し、ステージ256の前方側へと跳ね飛んで脱落するのを防止できると共に、ステージ256の左右方向に案内することで良好な転動演出を促進させることができる。さらに、エッジ部303を左右方向に斜めに傾斜させて形成したり、エッジ部303の角部を丸めて(所謂面取りをして)形成した場合は、遊技球の衝突による応力の集中を防止し、衝撃に強い構造とすることができる。すなわち、凸条部材302を壊れ難くすることができ、遊技を中断させてしまうことによる遊技者の集中力低下を防止できるから、より長い時間ストレス無く遊技を続行できるパチンコ機1を提供できる。
さらに、傾斜284によってステージ256に供給された遊技球に運動エネルギーが付与されるので、球詰まりや滞留を起こしにくく、ステージ256上で躍動感に溢れる転動演出を行わせることが可能となる。また、延長転動面263などのエネルギー減衰手段によって、ステージ256上を転動する遊技球の余剰な転動エネルギーが適度に減衰されるので、譬え必要以上に転動速度が高くなってしまった場合であっても、遊技球が跳ね飛んで脱落したり、開口部304や開放部254以外の場所で落ちる虞が軽減される。これにより、遊技球をステージ256上で良好に転動させることができるので、遊技者の目を楽しませることができ好適である。
また、軌道修正手段としての溝305が備えられているから、遊技球の転動する軌道がステージ256の前側または後側へと逸れにくく、ステージ256の前後略中央付近で良好に転動させることができる。
また、延長転動面263が備えられているから、遊技球の転動距離が延長されるため、摩擦力として転動エネルギーが効果的に消費され、転動速度が減速される。また、延長転動面263がステージ256に向かって傾斜していることにより、ステージ256から遠ざかって延長転動面263上へと進入する遊技球の転動速度を効率的に減速させることができる。一方、延長転動面263上からステージ256上へと向かう遊技球は、当該傾斜を下ることによって加速され、元気良くステージ256上へと押し戻される。これにより、遊技球に躍動感のある良好な転動演出を行わせることができるため、より遊技者の目を楽しませることができ好適である。
さらに、延長転動面263の前面に、隔壁板233との協働で溝を形成する装飾部材301が備えられている。これにより、溝内に遊技球が衝突することでより減速できることに加え、延長転動面263上から逸れて脱落しそうになる遊技球を延長転動面263上へと押し戻すことができる。従って、より安定してステージ256上で好適に遊技球を転動させることができるので、遊技者の興趣を惹き付け、魅力あるパチンコ機1を提供することができる。
また、演出表示手段217を遊技盤5の後方に配置していることにより、ステージ256上で転動する遊技球の動きを遮蔽することがなく、遊技球の動きをより楽しみやすいため好適である。また、延長転動面263の前方に位置するキャラクタ体231の一部が透明なので、その後方に位置する遊技球の転動演出や、さらに後方に位置する演出画像を遮ることがなく、各種演出を楽しみやすくて好適である。さらに、ステージ256が、演出表示手段217の下側に備えられていることによりステージ256で遮蔽して邪魔する虞も少なく、双方の演出をより簡易に楽しむことができる。従って、遊技者が、より多様な演出を容易に楽しむことができるため、飽きさせ難いパチンコ機1を提供できる。
また、ステージ256の後方且つ演出表示手段217の前方に、透明な板状の隔壁板233が備えられている。これにより、ステージ256の後方から遊技球が脱落せず、より良好に転動演出を行えるようになる。さらに、隔壁板233が透明であるから、後方に位置する演出表示手段217によって表示される演出画像を遮蔽することが無い。従って、より遊技者の目を楽しませることができ好適である。
また、本実施形態のパチンコ機1によると、延長転動面263を、ステージ256上の何れかの場所に設けたり、ステージ上以外の場所に設ける(つまり、所定値以上の速度で転動する遊技球を誘導して減速させる)のではなく、ステージ256の一端側に形成する構成である。これにより、主役物213内に進入した遊技球に余すことなく転動演出を行わせることができ、遊技者の目を楽しませることができる。また、遊技球がステージ256上に供給される速度を制限しないため、元気良くステージ256上を転動させることができ、転動状態を躍動的に楽しませることが可能となる。これにより、遊技者の興趣の低減を効果的に防止することができる。
また、第一ベース475,第二ベース635の全長に対してその一部である取付当接面474,634のみを遊技盤ベース212と当接させて取付固定するようにしているので、遊技盤ベース212や第一ベース475,第二ベース635等の寸法誤差等があっても、その誤差による影響を可及的に少なくすることが可能となり、遊技盤ベース212に第一ベース475,第二ベース635を取付固定してもそれらに歪等の不具合が発生するのを防止することができ、遊技盤ベース212(遊技盤5)に第一ベース475,第二ベース635を良好に取付けることができる。そのため、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を誘導案内する案内レール471,631の長さを長くすることで案内レール471,631を支持する第一ベース475,第二ベース635が長くなっても、遊技盤5に第一ベース475,第二ベース635を良好に取付固定することができるので、案内レール471,631の長さを長くして第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が大きく移動するようにさせることが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作を認識し易くして、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することのできるものとすることができる。
また、第一ベース475,第二ベース635の上側に配置された取付当接面474,634で遊技盤ベース212に取付固定するようにしている。つまり、第一ベース475,第二ベース635の一方の側でのみ取付固定するようにしているので、遊技盤ベース212への取付けが第一ベース475,第二ベース635の上側だけで済み、取付けにかかる手間を簡略化することができると共に、例えば、遊技盤5の面に対して左右方向の力が作用して取付当接面474,634の垂直線上から第一ベース475,第二ベース635の重心が左右の何れかにずれても、その重心にかかる回転モーメントが、第一ベース475,第二ベース635の重心を取付当接面474,634の垂直線上に戻すように作用し、第一ベース475,第二ベース635が元の位置に復帰するので、取付当接面474,634やビス等に第一ベース475,第二ベース635にかかる重量以外の力が作用するのを抑制することができ、第一ベース475,第二ベース635を良好に取付固定することができると共に、第一ベース475,第二ベース635等が変形して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、第一ベース475,第二ベース635の取付当接面474,634の上部にビスを挿通する取付孔512,672を穿設しており、これにより、第一ベース475,第二ベース635の上部のみで取付けているので、ビスの数を可及的に少なくすることができ、取付けにかかる手間を簡略化することができると共に、上述と同様の理由により、ビスや取付当接面474,634にかかる回転モーメントを可及的にかかり難くすることができ、第一ベース475,第二ベース635を良好に遊技盤ベース212に取付固定することができる。
また、遊技盤ベース212へ取付固定するための第一ベース475,第二ベース635の取付当接面474,634が配置された側と同じ上側に、移動手段の駆動プーリ478,638が配置されている。つまり、駆動プーリ478,638を回転駆動する第一駆動モータ477,第二駆動モータ637が取付当接面474,634に近い第一ベース475,第二ベース635の上側で支持されるので、振動や駆動反力の発生源である第一駆動モータ477,第二駆動モータ637に可及的に近い位置で取付当接面474,634を介して遊技盤ベース212に取付固定することとなり、第一駆動モータ477,第二駆動モータ637からの振動等が第一ベース475,第二ベース635全体に伝わるのを防止することができると共に、第一ベース475,第二ベース635の振動により第一ベース475,第二ベース635に支持された案内レール471,631等の各部材が振動し、他の部材と当接して破損したり、各部材同士の組付けが緩んだりして第一昇降部材470,第二昇降部材630を良好に誘導案内させることができなくなるのを防止することができる。
更に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を保持する第一昇降部材470,第二昇降部材630は、二つの支持ブッシュ532,692を介して案内レール471,631に摺動案内されるので、摺動部分の接触面積を可及的に少なくすることが可能となり、摺動抵抗を低減させることができ、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432と共に第一昇降部材470,第二昇降部材630を上下方向に良好に誘導案内させることができると共に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を大型化することが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。また、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を大型化しても摺動抵抗が増加するのを抑制することができるので、駆動力の大きい大型の第一駆動モータ477,第二駆動モータ637等からなる移動手段を用いなくても、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を保持する第一昇降部材470,第二昇降部材630を良好に誘導案内させることが可能となり、所望の大きさの第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を遊技機に備えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
また、摺動抵抗を低減させることができるので、静止状態の第一昇降部材470,第二昇降部材630を移動させるために必要な駆動力が少なくて済み、容易に第一昇降部材470,第二昇降部材630を移動開始させることができる。つまり、第一昇降部材470,第二昇降部材630の移動レスポンスを高くすることができるので、第一昇降部材470,第二昇降部材630すなわち第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を機敏に移動させることが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の動きによるインパクトをより高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、案内レール471,631の表面に摩擦低減層が形成されており、案内レール471,631と支持ブッシュ532,692との摺動抵抗を低減させることができるので、支持ブッシュ532,692を介して第一昇降部材470,第二昇降部材630を良好に誘導案内させることができると共に、摺動部における摩擦が低減されて摩耗し難くすることが可能となり、案内レール471,631や支持ブッシュ532,692が早期に摩耗して第一昇降部材470,第二昇降部材630すなわち第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の動作不良を招くのを防止することができる。
更に、二つの支持ブッシュ531,691を介して支持シャフト530,690を第一昇降部材470,第二昇降部材630に回転可能に保持するようにしているので、これにより、支持シャフト530,690を第一昇降部材470,第二昇降部材630がかかる部分全体で回動可能に保持する場合と比較して、支持シャフト530,690との接触部分が可及的に少なくなり、支持シャフト530,690にかかる摩擦抵抗を低減させることが可能となり、支持シャフト530,690を良好に回動させることができ、支持シャフト530,690に支持された第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をスムーズに演出動作させて、興趣の高められるものとすることができる。
また、第一昇降部材470,第二昇降部材630の本体部534,694とブッシュ固定部材535,695とで各支持ブッシュ532,692、及び531,691を所定の位置に保持するようにしているので、これにより、これら支持ブッシュ532,692、及び531,691を本体部534,694とブッシュ固定部材535,695とで簡単に保持することができ、容易に組み立てられるものとすることができる。
更に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を駆動ベルト480,640の回転駆動により移動させるようにしており、ネジ部材等の移動手段を用いた場合と比較して、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の移動速度をより速く移動させることができ、速く移動する第一装飾可動体430,第二装飾可動体432により遊技者に強く印象付けることができるので、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432に注目させてその演出動作を楽しませることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。また、同じ移動量をソレノイドやシリンダを用いて移動させる場合と比較してより小型化することが可能となり、遊技機に設置し易いものとすることができると共に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の移動量をより大きくしても遊技機に設置することができるので、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより大きく移動させることができ、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することのできる。
また、第一昇降部材470,第二昇降部材630を案内レール471,631により誘導案内するようにしているので、撓み易い駆動ベルト480,640を用いて第一昇降部材470,第二昇降部材630を移動させても、案内レール471,631により第一昇降部材470,第二昇降部材630を真直ぐ誘導案内させることができ、移動の際に第一昇降部材470,第二昇降部材630、つまり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を所望の姿勢で良好に移動させることができる。
更に、駆動ベルト480,640と駆動プーリ478,638の係合歯484,644と被係合歯485,645とを互いに係合させることで、駆動ベルト480,640が駆動プーリ478,638の外周面上を滑り難くすることができ、駆動プーリ478,638から回転駆動を確実に駆動ベルト480,640に伝達させることができると共に、駆動プーリ478,638の回転速度を速くしても、駆動プーリ478,638と駆動ベルト480,640との間で滑りが発生しないので、より速い速度で駆動ベルト480,640を駆動させることが可能となり、第一昇降部材470,第二昇降部材630を介して第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより速い速度で移動させることができ、よりインパクトの強い動きを第一装飾可動体430,第二装飾可動体432にさせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、駆動プーリ478,638を上側に、従動プーリ479,639を下側に配置しているので、駆動ベルト480,640は、これに固定された第一昇降部材470,第二昇降部材630等の重さにより下方、つまり、駆動プーリ478,638とは離反する方向に引張られる力が作用し、その力により駆動プーリ478,638への駆動ベルト480,640の巻き掛け力が強くなり、それらの間で摩擦力が大きくなって互いに滑り難くすることができ、駆動プーリ478,638により確実に駆動ベルト480,640を駆動させることができると共に、駆動プーリ478,638と駆動ベルト480,640とが滑って第一昇降部材470,第二昇降部材630が降下するのを防止することができ、第一昇降部材470,第二昇降部材630を介して第一装飾可動体430,第二装飾可動体432に所望の動きをさせることが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432に所定の演出動作をさせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、従動プーリ479,639を駆動プーリ478,638と離反する方向に付勢するテンションバネ495,655を備えているので、駆動ベルト480,640に所定のテンションを付与することができ、駆動プーリ478,638と従動プーリ479,639とに巻き掛けられる駆動ベルト480,640の張力を適宜なものとして、駆動ベルト480,640を良好に回転駆動させることができる。
更に、駆動プーリ478,638と従動プーリ479,639とを上下方向に配置し、案内レール471,631が遊技盤5(遊技盤ベース212)の面に略沿うように上下方向に配置されている。つまり、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を、パチンコ機1における遊技盤5の面に直角方向(前後方向)の寸法に対して、相対的に大きい寸法とされている上下方向(遊技盤の面に沿った方向)に移動するようにしているので、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の移動量を可及的に大きくすることが可能となり、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の動きをより認識し易いようにして、その演出動作を楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。また、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を上下方向に移動させることができるので、遊技領域37を流下する遊技球の流れ方向と略同じ上下方向に第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432が移動し、遊技球と第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432との間での遊技者の目線移動がし易く早期に遊技者が疲労するのを抑制することができ興趣が低下するのを防止することができる。
また、板金からなる第一ベース475及び第二ベース635により、樹脂からなる第一上部支持部材472,第二上部支持部材632、及び第一下部支持部材473,第二下部支持部材633を支持すると共に、それら第一上部支持部材472,第二上部支持部材632、及び第一下部支持部材473,第二下部支持部材633により案内レール471,631を支持するようにしているので、大型化すると歪みの大きくなる樹脂部材を可及的に小さくすることが可能となり、案内レール471,631を長くしても案内レール471,631を所望の位置に正確に支持することができ、案内レール471,631により第一昇降部材470及び第二昇降部材630を介して第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を良好に誘導案内させることが可能となるので、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432がより大きく動くようにすることができ、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一上部支持部材472,第二上部支持部材632、及び第一下部支持部材473,第二下部支持部材633とにより第一ベース475,第二ベース635、案内レール471,631、及び案内ロッド491,651が一体的に組み付けられ、夫々の剛性の相乗効果によって全体的な強度剛性が高められているので、第一ベース475,第二ベース635や案内レール471,631を長くして第一昇降部材470,第二昇降部材630の移動量を大きくしても、第一昇降部材470,第二昇降部材630の移動によって発生する反力や振動等により第一ベース475,第二ベース635や案内レール471,631が変形するのを防止して、第一昇降部材470,第二昇降部材630を介して第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を良好に移動させることができると共に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432がより大きく動くようにして第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作を認識し易くし、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一上部支持部材472,第二上部支持部材632、及び第一下部支持部材473,第二下部支持部材633と、第一ベース475及び第二ベース635とを組付ける際に、位置決め突起511,671を位置決め孔510,670に嵌合させるだけで、第一上部支持部材472と第一下部支持部材473、或いは、第二上部支持部材632と第二下部支持部材633を所定距離離れた所定位置に容易に位置決め支持することができ、案内レール471,631を所望の位置に容易に配置支持することができる。
更に、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を支持する支持シャフト530,690を回動させる第一装飾可動体ソレノイド551,第二装飾可動体ソレノイド711等の回動手段を備えているので、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を支持シャフト530,690の軸芯周りに回動させることができ、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432を案内レール471,631の延在する上下方向だけでなく、支持シャフト530,690の軸芯周りの方向にも動かすことが可能となり、第一装飾可動体430及び第二装飾可動体432の動きをより複雑な動きとすることができ、より演出効果の高い動きをさせることで興趣の高められるものとすることができる。
また、支持シャフト530,690を回動させる第一装飾可動体ソレノイド551,第二装飾可動体ソレノイド711等の回動手段を、第一昇降部材470,第二昇降部材630の第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が保持される側とは案内レール471,631を挟んで反対側に配置したものである。これにより、第一昇降部材470,第二昇降部材630は、案内レール471,631を挟んで一方の側に第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を、他方の側に第一装飾可動体ソレノイド551,第二装飾可動体ソレノイド711等の回動手段を夫々保持することとなり、案内レール471,631を挟んで両側に夫々所定の荷重がかかることとなるので、第一昇降部材470,第二昇降部材630にかかる偏荷重が緩和され、第一昇降部材470,第二昇降部材630と、案内レール471,631との間で偏摩擦や偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により案内レール471,631に誘導案内される第一昇降部材470,第二昇降部材630が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
また、回動手段の駆動源として第一装飾可動体ソレノイド551,第二装飾可動体ソレノイド711を用いているので、モータを用いた場合と比較して、レスポンスの良い速い動きをさせることが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432によりインパクトの強い演出動作をさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
また、第一回転防止手段490,第二回転防止手段650により第一昇降部材470,第二昇降部材630が案内レール471,631の軸芯周りに回転するのを防止することができるので、特に、振動の多い駆動ベルト480,640により第一昇降部材470,第二昇降部材630を移動させても、第一昇降部材470,第二昇降部材630に保持された第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が案内レール471,631の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより大きなものとすることが可能となり、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより目立たせて、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432による演出効果をより高めることができる。
更に、第一回転防止手段490,第二回転防止手段650における案内ロッド491,651の両端を第一上部支持部材472,第二上部支持部材632と、第一下部支持部材473,第二下部支持部材633とで支持するようにしているので、案内ロッド491,651を支持するための支持部材を別途備える必要がなく、案内ロッド491,651を支持するための構成を簡略化することができ、コストが増加するのを抑制することができる。また、案内レール471,631と同様に案内ロッド491,651の支持精度も向上させることができるので、案内レール471,631の長大化に伴って案内ロッド491,651を長くしても、案内レール471,631と案内ロッド491,651との関係を良好な状態で維持することが可能となり、第一昇降部材470,第二昇降部材630の振れを良好に防止することができ、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432をより目立つように大型化して第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作によって興趣を高められるものとすることができる。
また、遊技盤ベース212に対して第一ベース475,第二ベース635を、後面側に取付固定すると共に、遊技盤ベース212に前後方向に貫通する貫通口211を設けて、その貫通口211を通して第一ベース475,第二ベース635に支持された第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が遊技者側から視認可能としているので、これにより、遊技盤ベース212の後面側に第一ベース475,第二ベース635を取付けても、貫通口211を通して第一ベース475,第二ベース635に支持された案内レール471,631に誘導案内される第一装飾可動体430,第二装飾可動体432を遊技者に視認させることができ、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ステージ256を有し枠状の主役物213を遊技盤ベース212の貫通口211を前方から覆うように配置すると共に、遊技盤ベース212の後方に第一ベース475,第二ベース635を介して備えられた第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が主役物213の枠状の内側を通して視認可能としているので、これにより、第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作だけでなく、主役物213のステージ256上を転動する遊技球の動きによっても、遊技者の興趣を高めることができると共に、前側に主役物213が後側に第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が配置されることとなり、奥行きのあるパチンコ機1とすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能となり、遊技者に注目させて、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、演出表示装置217の前面側で第一装飾可動体430,第二装飾可動体432が移動するようにしているので、これにより、演出表示装置217に表示させる演出態様と第一装飾可動体430,第二装飾可動体432とを可及的に近づけることが可能となり、演出態様と第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作とをより関連付けたものにし易くすることができ、演出態様と第一装飾可動体430,第二装飾可動体432の演出動作によるコラボレーションによって、これまでにないインパクトの高い演出を提供して、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、第一大当り抽選における各種テーブルと、第二大当り抽選における各種テーブルとを、別々のテーブルとして構築するものを示したが、同一のテーブルを共用するようにしてもよい。但し、上記実施形態のように夫々の抽選に対するテーブルを別個に構築することにより、抽選頻度を単に増加させるだけでなく、異なる内容の抽選が加わることから、演出内容や抽選結果等に対する興趣を大きく向上させることができる。
また、上記実施形態では、第一始動口330を、開口度合が固定であるポケット型の入賞口から構成したものを示したが、第二始動口332と同じように、左右一対の可動片を有する電動開閉入賞装置から構成し、遊技状態に基づいて、第一始動口330への入賞のし易さを変化させるようにしてもよい。但し、本例のように、第一始動口330の開口度合を常に一定とさせるようにすれば、互いに異なるタイプの始動口の組合せにより、遊技性を高めることが可能になる。
また、上記実施形態では、特定の遊技状態になると、普通抽選における当選確率、すなわち可動片331が開放する割合を高めるとともに、普通図柄表示器928の変動時間を短縮することにより、第二始動口332への入賞のし易さを高めるものを示したが、変動時間を変化させることなく、普通抽選における当選確率のみを高めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第一特別図柄の変動及び第二特別図柄の変動を、第一始動口330または第二始動口332に対する遊技球の入賞順に従って行わせるものを示したが、
第一特別図柄の変動を第二特別図柄の変動よりも先に実行させるようにしてもよい。しかし、本例のように入賞順に変動させるようにすれば、二つの始動口330,332に対する入賞のし易さに差があっても、入賞のし易さに応じた割合で順に消化させることができ、例えば、一方の処理のみが多く残され、それに対応する表示態様が連続して導出されることによる演出の単調化を抑制することが可能になる。
また、上記実施形態では、装飾図柄列の変動、及び発展演出等の演出を周辺基板811で実行させるもの、すなわち主制御基板94から発信されるコマンドを基に演出表示を制御するものを示したが、主制御基板94において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように演出処理を分担するようにすれば、主制御基板94における処理の負担を軽減するとともに、これらの処理を一層多様化することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。