JP2007198951A - レーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】位置の検出精度を向上させて、人物が両脇のデリニエータに埋もれることなく検出でき、かつ移動速度の測定精度を向上させることができる車載用レーダを提供する。
【解決手段】投光素子14と受光素子15と、照射光91に対して略垂直な方向な平面内を移動するレンズ10とこれを駆動するリニアモータ11を備える。レンズの位置によって光の屈折の具合が異なるから、左右移動111、上下移動112により、レーダ1の前方の特定の範囲を走査している。この走査時には、この特定範囲を区分けした測定領域毎に投光素子14がパルス状の照射光91を照射して、その戻り光から、各測定領域の受光量電圧を収集する。左右移動111により、端に移動するほど投光素子14での焦点の収差度合いが大きくなるが、CPU12はレンズ10中央からの距離と受光量電圧の微分値に応じて受光量を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】投光素子14と受光素子15と、照射光91に対して略垂直な方向な平面内を移動するレンズ10とこれを駆動するリニアモータ11を備える。レンズの位置によって光の屈折の具合が異なるから、左右移動111、上下移動112により、レーダ1の前方の特定の範囲を走査している。この走査時には、この特定範囲を区分けした測定領域毎に投光素子14がパルス状の照射光91を照射して、その戻り光から、各測定領域の受光量電圧を収集する。左右移動111により、端に移動するほど投光素子14での焦点の収差度合いが大きくなるが、CPU12はレンズ10中央からの距離と受光量電圧の微分値に応じて受光量を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、投光素子、受光素子の前方に置かれたレンズを左右に移動させて前方を走査する車載用レーダに関する。
従来、投光素子により半導体レーザを照射して障害物の戻り光から距離を測定するレーダが提案されている(特許文献1参照。)。初期の頃は、自動車用光学式のレーダは、自動車などの後尾に設けられた反射鏡の存在を前提として開発されてきたが、開発が進み検出能力が高まり、自動車以外からの反射も検出可能となっている。例えば人などの検出も可能となってきている。
特許文献1では、小型で柔軟性のあるレーザレーダ装置を提供するため、光検出器に受光する光を導く受光レンズの前方に、投光手段から導いた光を反射させるミラーを設けたレーダ装置が開示されている。また、この装置はミラーの回転に伴い移動する光軸にあわせて、光検出器を移動させ、光軸に対して垂直に検出器が移動する構成が開示されている。
特開2000−98027号公報
しかしながら、従来の構成では、中央前方を測定する場合には、検出位置精度は高いが、走査範囲の両端に行くにつれ検出位置精度が低い問題があった。
特許文献1のように、光軸に対して垂直に検出器が移動する構成では、光検出器を走査した場合に、受光した光が必ずしも小さな焦点を結ぶのではなく、特に端側に移動した場合には、実際の物体よりもその幅が膨張して検出され、検出精度が低下する問題があった(後述、図2参照。)。特に、受光量が多く計測される、道路左右両端にあるデリニエータが実際の物体より大きく検出されれば、これよりも受光量が小さい人間からの戻り光を受光した場合、そのデリニエータに埋もれてしまい、その人物の認識が遅れてしまう問題があった。一般道でのレーダの使用を考えると、交差点などで側方から車両や歩行者が飛び出すことがあるから、これらの物、人物を正しく検出しなければ自動的な減速などを正しく行うことができない問題があった。また、位置の検出精度が低い場合、経時的な位置変化に基づき移動速度を算出しようとしても、正確な移動速度を求めることができないという問題があった。
そこで、本発明は、位置の検出精度を向上させて、人物が道路両脇のデリニエータに埋もれることなく検出でき、かつ移動速度の測定精度を向上させることができる車載用レーダを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
(1)本発明は、
レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射手段と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査手段と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光部と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記照射するレーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域に分け、その測定領域xで測定した受光量電圧である領域データp(x)を取得する領域データ取得手段と、
前記レンズの中心位置を前記戻り光の光軸が通過する測定領域をx=x0、
測定領域xの近傍で、x0に向かうに従い、前記領域データp(x)が減少していく測定領域をx=x1、
前記レンズの中心位置からの前記戻り光の光軸のずれ量をkとして、
x1とx0との偏差または光軸のずれ量kのいずれかと、x0近傍でzのp(x)の微分値と、の積に比例した補正量を差し引く計算式、
またはp(x)の代わりに、p(x)からバイアスを差し引いた値pb(x)を用いて前記補正量を差し引く式、
またはこれらの式に相当する式により、
前記領域データの値を補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダである。
レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射手段と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査手段と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光部と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記照射するレーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域に分け、その測定領域xで測定した受光量電圧である領域データp(x)を取得する領域データ取得手段と、
前記レンズの中心位置を前記戻り光の光軸が通過する測定領域をx=x0、
測定領域xの近傍で、x0に向かうに従い、前記領域データp(x)が減少していく測定領域をx=x1、
前記レンズの中心位置からの前記戻り光の光軸のずれ量をkとして、
x1とx0との偏差または光軸のずれ量kのいずれかと、x0近傍でzのp(x)の微分値と、の積に比例した補正量を差し引く計算式、
またはp(x)の代わりに、p(x)からバイアスを差し引いた値pb(x)を用いて前記補正量を差し引く式、
またはこれらの式に相当する式により、
前記領域データの値を補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダである。
本発明の装置によれば、レーザ光照射手段がレーザ光を前方の障害物に向けて照射する。受光手段は障害物に反射した戻り光を受光量電圧に変換する。レーダの前方、即ちレーザ光照射手段がレーザ光を照射する方向に障害物があれば、受光量電圧が大きくなる。
レンズは、前記戻り光を通して前記受光部に前記戻り光を導く。戻り光走査手段は、前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは受光部を移動させる。光軸が、レンズに対し垂直に、レンズの中央部を通るときはそのまま直進するが、光軸が中央部からずれた場合には屈折して、斜め方向からの前記戻り光を受光部に導くことができる。レンズまたは受光部を左右に移動させるとその移動した方向からの戻り光を受光できる。これによりレーダ前方の特定範囲に障害物があるか否かを走査できる。電圧データ取得手段は、戻り光の光軸を移動させる範囲を複数の測定領域に分けて前記受光量電圧を測定して得られた測定領域の領域データp(x)各々を取得している。
ここで、前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内でレンズを移動させた場合には、これは戻り光がレンズの中央側に引きずるような焦点の形状に歪む収差が生じる(後述、図2参照。)。この収差により受光量の一部が中央側に寄って観測されることになる。物体の境目のうち測定領域の中立側の部分である前記x=x1では、前方の障害物の反射光を測定した領域データをプロットした場合、前記x1に対応する領域データの値p(x)がいわば前記中央側に「にじみでて」、物体の形状が測定領域の中央側へ膨張して観測されてしまうことが発明者により確認されている(例えば、後述、図3の30a、30bに相当する傾斜部分。なお、図3の3本のピークは、前方の障害物を測定したものである。)。本発明は、この収差により領域データp(x)が増加する測定領域に対して、領域データp(x)を補正する。具体的には、前記領域データp(x)が傾斜角度の大きさと、x1−x0の偏差または光軸のずれ量kのいずれかとの積に比例した補正量を差し引く計算式、またはこれに相当する式により領域データを補正する。
この計算式により、収差分に相当する受光量電圧が補正され、両端近くの測定領域について、より正確に物体の位置を測定することができ、その結果その速度を正確に測定することができる。例えば、レーダ前方の特定範囲のうち道路の両端にあり、反射した戻り光が強いデリニエータについて、より正確に位置を測定することができ、このデリニエータより戻り光が弱い人物が飛び出したときにも正確にこの人物の位置や速度を測定することが可能となる。
なお、本発明の「p(x)の微分」は、例えば、
p(x−1)−p(x+1)
p(x+1)−p(x)
p(x−1)−p(x)等、p(x)前後の値の差分値により計算できる。
p(x−1)−p(x+1)
p(x+1)−p(x)
p(x−1)−p(x)等、p(x)前後の値の差分値により計算できる。
また、バイアス量とは、一定の定数であり、例えば、レーザ光を発生させていないときの各測定領域xでの受光量電圧p0(x)として、このバイアスを差し引いた後の値pb(x)は、以下のいずれかとすることができる。
pb(x)=p(x)−p0(x)
pb(x)=p(x)−(p0(x)の平均値)
pb(x)=p(x)−(p(x)の最小値)
本発明の「これに相当する式」とは、以下のものが含まれる。例えば、前記補正量を差し引く計算式に割り算が含まれる場合には、その式は、
y=p(x)−(補正量)となるが、割り算の計算は処理が重いため、p(x)にその割り算の値Aを掛けて、
y=A×p(x)−(補正量×A)
により、割り算の演算を回避することが含まれる。
pb(x)=p(x)−(p0(x)の平均値)
pb(x)=p(x)−(p(x)の最小値)
本発明の「これに相当する式」とは、以下のものが含まれる。例えば、前記補正量を差し引く計算式に割り算が含まれる場合には、その式は、
y=p(x)−(補正量)となるが、割り算の計算は処理が重いため、p(x)にその割り算の値Aを掛けて、
y=A×p(x)−(補正量×A)
により、割り算の演算を回避することが含まれる。
(2)本発明は、
レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射部と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査部と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光手段と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記レーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域xに分け、その測定領域xについての前記受光量電圧である領域データを取得する領域データ取得手段と、
前記各測定領域xの領域データの値p(x)、Aを定数、中心位置をx0として、
以下の計算式、
y=A×p(x)+(x−x0)×(p(x−1)−p(x+1))
または、p(x)からバイアス量を差し引いた値pb(x)を用いた以下の計算式、
y’=A×pb(x)+(x−x0)×(pb(x−1)−pb(x+1))
のいずれかにより、前記領域データを補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダである。
レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射部と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査部と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光手段と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記レーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域xに分け、その測定領域xについての前記受光量電圧である領域データを取得する領域データ取得手段と、
前記各測定領域xの領域データの値p(x)、Aを定数、中心位置をx0として、
以下の計算式、
y=A×p(x)+(x−x0)×(p(x−1)−p(x+1))
または、p(x)からバイアス量を差し引いた値pb(x)を用いた以下の計算式、
y’=A×pb(x)+(x−x0)×(pb(x−1)−pb(x+1))
のいずれかにより、前記領域データを補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダである。
本発明は、(1)を具体化した構成となっており、主要部分は共通する。前記各測定領域x(x=1〜N、Nは整数)の電圧データの値からバイアス量を差し引いた値をp(x)、Aを定数、中心位置をx0として、
以下の計算式、
y=A×p(x)+(x−x0)×(p(x−1)−p(x+1))
により、前記光軸の傾斜に伴う収差量を補正する。
以下の計算式、
y=A×p(x)+(x−x0)×(p(x−1)−p(x+1))
により、前記光軸の傾斜に伴う収差量を補正する。
この計算式によれば、xの中心値x0との差、p(x)の曲線の微分を示す差分値p(x−1)−p(x+1)を用いて、前記中心位置の測定領域に向かうに従い前記測定領域の電圧データの値が減少していく測定領域に対応する電圧データの値に対して、減少させる作用を有する。これは前述した光軸の移動範囲の中央側に引きずるような焦点の形状の収差となることに対応して補正するものである。この計算式は、掛け算と引き算のみを計算し、割り算が含まれないので、処理を軽くすることができる。
なお、本発明の「バイアス量」は、(1)で説明した「バイアス量」とすることができる。
本発明によれば、戻り光走査手段の走査端に近い地点での検出物体の位置誤差を補正することが可能となり、障害物の位置を正確に検出することが可能となる。また、検出位置を正確に検出できるようになるため、障害物の移動速度の精度も向上する。
<本実施形態の概略の説明>
図1を用いて、本実施形態のレーダの概略について説明する。本実施形態のレーダは、障害物の方向および距離を正確に把握するために設ける車載用のレーダである。図1(A)は、レーダ1の内部構成図である。図1(A)に示すように、本実施形態のレーダは、投光素子14がレーザ光を発生させ、レンズ10aがこの光を屈折させて平行光に変換する。受光素子15がレンズ10bを介して集光した戻り光92を電圧に変換し、その戻り光の量により、障害物を認識する。即ち、投光素子14から照射したレーザ光の照射光91が障害物に反射した場合に光の反射量が大きいことから、その障害物の存在を認識する。また、CPU12は、障害物と、このレーダを搭載した乗用車との距離を到達時間差により測定する。リニアモータ11は、レンズユニット10を左右に移動させており、これによりレンズ10a,bは同時に左右移動111をすることができる。レンズ10a,bは、投光素子14の真正面の中央位置に来たときはレーザ光をそのまま通すが、戻り光92の光軸がレンズ10bの端に移動するにつれ屈折度が大きくなり、受光素子15は、斜め前方からの戻り光92を取得できる。図1(B)に示すように、レーダ1の投光素子14の前方にレンズ10aがあり、その前方には、障害物となる人100がいる。また、道路102の両脇には、デリニエータ101(視線誘導標)が立っている。レンズ10を左右移動111のみならず上下移動112をさせることによりレーダ1の前方を走査する。左右移動111の方向には、測定領域x=1〜50の測定領域に前方の方向を区分する。レンズは、左右端に移動させると、照射光91の屈折により光量が減少すると共に、収差が生じる。この収差は、レンズの中央位置側へ引きずって伸びることから(図2参照。)、人100が道路102内に入っても、デリニエータ101についての受光量が道路102の内側部分で一回り大きく観測されてしまう。そこで、レーダ1は、受光量電圧をレンズの中央位置からの距離(中央位置の測定領域番号x=25との差でもよい。)と各測定領域の受光量電圧の微分値に基づいて補正する(後述、図3参照。)。
図1を用いて、本実施形態のレーダの概略について説明する。本実施形態のレーダは、障害物の方向および距離を正確に把握するために設ける車載用のレーダである。図1(A)は、レーダ1の内部構成図である。図1(A)に示すように、本実施形態のレーダは、投光素子14がレーザ光を発生させ、レンズ10aがこの光を屈折させて平行光に変換する。受光素子15がレンズ10bを介して集光した戻り光92を電圧に変換し、その戻り光の量により、障害物を認識する。即ち、投光素子14から照射したレーザ光の照射光91が障害物に反射した場合に光の反射量が大きいことから、その障害物の存在を認識する。また、CPU12は、障害物と、このレーダを搭載した乗用車との距離を到達時間差により測定する。リニアモータ11は、レンズユニット10を左右に移動させており、これによりレンズ10a,bは同時に左右移動111をすることができる。レンズ10a,bは、投光素子14の真正面の中央位置に来たときはレーザ光をそのまま通すが、戻り光92の光軸がレンズ10bの端に移動するにつれ屈折度が大きくなり、受光素子15は、斜め前方からの戻り光92を取得できる。図1(B)に示すように、レーダ1の投光素子14の前方にレンズ10aがあり、その前方には、障害物となる人100がいる。また、道路102の両脇には、デリニエータ101(視線誘導標)が立っている。レンズ10を左右移動111のみならず上下移動112をさせることによりレーダ1の前方を走査する。左右移動111の方向には、測定領域x=1〜50の測定領域に前方の方向を区分する。レンズは、左右端に移動させると、照射光91の屈折により光量が減少すると共に、収差が生じる。この収差は、レンズの中央位置側へ引きずって伸びることから(図2参照。)、人100が道路102内に入っても、デリニエータ101についての受光量が道路102の内側部分で一回り大きく観測されてしまう。そこで、レーダ1は、受光量電圧をレンズの中央位置からの距離(中央位置の測定領域番号x=25との差でもよい。)と各測定領域の受光量電圧の微分値に基づいて補正する(後述、図3参照。)。
<本実施形態のレーダの構成>
図1を用いて、本実施形態のレーダの構成について説明する。前述のとおり、図1(A)はレーダ1の内部構成図であり、図1(B)は、レーダによる障害物認識の概念図である。レーダ1は、投光素子14にパルス電圧を供給するドライバ13と、レーザ光の照射光91を前方に向けて照射する投光素子14を備える。また、レーダ1は、障害物(例えば、図1(B)に示すように人100、デリニエータ101(視線誘導標)を含む。)からの戻り光92を受光して電圧に変換する受光素子15と、この電圧をディジタルデータに変換するA/D変換器16とを備える。また、照射光91を通すレンズ10aと、戻り光92を通すレンズ10bを備える。また、レンズユニット10を左右移動111させるリニアモータ11を備える。また、レーダ1は、レーダ1を統括制御するCPU12を備える。さらに、レーダ1の外には、ECU21と、外部機器22とを接続している。以下、それぞれの構成について説明する。
図1を用いて、本実施形態のレーダの構成について説明する。前述のとおり、図1(A)はレーダ1の内部構成図であり、図1(B)は、レーダによる障害物認識の概念図である。レーダ1は、投光素子14にパルス電圧を供給するドライバ13と、レーザ光の照射光91を前方に向けて照射する投光素子14を備える。また、レーダ1は、障害物(例えば、図1(B)に示すように人100、デリニエータ101(視線誘導標)を含む。)からの戻り光92を受光して電圧に変換する受光素子15と、この電圧をディジタルデータに変換するA/D変換器16とを備える。また、照射光91を通すレンズ10aと、戻り光92を通すレンズ10bを備える。また、レンズユニット10を左右移動111させるリニアモータ11を備える。また、レーダ1は、レーダ1を統括制御するCPU12を備える。さらに、レーダ1の外には、ECU21と、外部機器22とを接続している。以下、それぞれの構成について説明する。
図1のドライバ13は投光素子14に与える電圧を生成する。投光素子14は、ドライバ13の電圧を光に変換する赤外レーザダイオード(Laser diode)で構成する。投光素子14は、赤外レーザ光を発生させる。
図1のレンズユニット10は、2枚の凸レンズ10a,bとこれを支える支持材10cで構成する。レンズ10aは、照射光91を平行光に変換して、前方を照射する。レンズ10bは戻り光92を収束させて受光素子15に導く。
図1の受光素子15は、フォトダイオード(Photo Diode)で構成する。レンズ10bを介して戻り光92を取得し、電圧に変換する。A/D変換器16は、受光素子15で取得したアナログの電圧をディジタルデータに変換する。A/D変換器16は、受光素子15の受光量電圧を例えば0〜255の値で返す。前方に障害物がある場合には、照射光91が強く反射され、この電圧が大きくなる。
なお、以下、「受光量電圧」というときは、A/D変換器16で変換したディジタルデータの値をいうものとする。
リニアモータ11は、レンズユニット10を投光素子14の出力する照射光91の光軸に対して略垂直な平面内で、左右移動111させる。また、図1(B)に示すように、リニアモータ11は、レンズユニット10を上下移動112の方向にも移動させる。レンズ10a,bは、レンズ支持部材10cで固定されているので、これらのレンズ10a,bは同期して移動する。
図1のレンズユニット10を両端方向へ移動させると、それにつれて照射光91と戻り光92のレンズ10a,bへの出射位置と入射位置がレンズの中心から左右に移動する。照射光91と戻り光92がレンズ10a,bの中心部に垂直に通過するときは、そのまま光軸上を直進するが、照射光91と戻り光92がレンズ10a,bの中心以外を通過するときは、その通過点の中心からの距離に応じた角度で、光軸方向に屈折する。
この凸レンズの屈折効果により、レンズ10aを左右に移動させると、この移動に伴い、照射光91の光軸の向き(以下「ビーム方向」という。)を左右に揺動させることができる。
同様に、受光素子15に入射する戻り光92の方向(以下「受光方向」という。)もレンズ10bの揺動によって照射光91のビーム方向と同期して揺動する。
前述のとおり、障害物が存在する場合、障害物で反射した戻り光92が大きくなり、受光素子15が受光する電圧が大きくなる。したがって、この電圧の強度により、ビーム方向、受光方向の揺動範囲に障害物が存在するか否かを認識できる。また、レーダ1のCPU12は、そのときのビーム方向(受光方向)および発光から受光までの時間遅れに基づいて、その障害物の方向および距離を測定することができる。ドライバ13はビーム方向が30度/50=0.6度揺動する毎にパルス電圧を投光素子に印加するため、上記障害物の検出は、0.6度の角度分解能で行うことができる。
この凸レンズの屈折効果により、レンズ10aを左右に移動させると、この移動に伴い、照射光91の光軸の向き(以下「ビーム方向」という。)を左右に揺動させることができる。
同様に、受光素子15に入射する戻り光92の方向(以下「受光方向」という。)もレンズ10bの揺動によって照射光91のビーム方向と同期して揺動する。
前述のとおり、障害物が存在する場合、障害物で反射した戻り光92が大きくなり、受光素子15が受光する電圧が大きくなる。したがって、この電圧の強度により、ビーム方向、受光方向の揺動範囲に障害物が存在するか否かを認識できる。また、レーダ1のCPU12は、そのときのビーム方向(受光方向)および発光から受光までの時間遅れに基づいて、その障害物の方向および距離を測定することができる。ドライバ13はビーム方向が30度/50=0.6度揺動する毎にパルス電圧を投光素子に印加するため、上記障害物の検出は、0.6度の角度分解能で行うことができる。
ここで、図1(B)を用いて、レンズ10を動かして走査する実施例について具体的に示す。レーダ1の投光素子14の前方に円形のレンズ10aがあり、その前方には、障害物となる人100がいる。また、道路102の両脇には、デリニエータ101が立っている。レーダ1の目的は、例えば、道路わきから飛び出したこの人100をデリニエータ101から分離して識別することである。レーダ1は、道路上の乗用車(不図示)の前方に搭載されており、リニアモータ11は、レンズユニット10を左右移動111のみならず、上下移動112させる駆動部を備え、格子点状に区分した測定領域をのこぎり刃状にレーダ1の前方を走査する。その走査角度は、左右移動111が±15度、上下移動112が±5度である。この走査は、左右方向は測定領域x=1〜50の測定領域に分けて障害物の有無をそれぞれ行う。上下方向については、具体的には3つの測定領域z=1〜3(z=1は下方向、z=2は中心、z=3は上方向)について行う。また、格子点ではそれぞれ1回ずつ投光素子14が照射光91のパルスを打つようにし、障害物(100、101等)の反射光である戻り光92を受光素子15が受光する。
再度図1(A)に戻り、CPU12、ECU21、外部機器22について説明する。図1のCPU12はレーダ1を統括制御すると共に各種の計算を行う。例えば、ドライバ13に照射光91を照射するタイミングのトリガを与える。また、リニアモータ11に対して駆動信号を与える。さらに、CPU12は、A/D変換器16から取得したデータを補正して、障害物がある方向を割り出し、その方向のデータを、ECU21を通して外部機器に伝達する。なお、この方向のデータは、図1(B)の各測定領域のデータである。
ECU21(ElectronicControl Unit)は、車両に搭載されたコンピュータであり、外部機器22をコントロールする。外部機器22としては、ブレーキ、アクセル、警報装置等が接続されており、ブレーキ、アクセルにより車の速度を加減速したり、警報によりレーダ1が搭載された車両の運転者に注意を促したりする。
<受光素子での焦点形状の収差ひずみの傾向>
次に、図2を用いて、レンズ10bの移動に伴う光軸の傾きと、受光素子15の位置で、レンズ10bにより収束された戻り光92の焦点形状の収差ひずみについて説明する。図2は、この概念を表す図である。本実施形態のリニアモータ11は、レンズユニット10の左右移動111をさせており、その際、(A)に示すように、レンズ10bが右に移動したときは、戻り光92は、前方右方向から受光素子15へ屈折し、これを受光できる。一方、光92以外の方向から来た光、例えば光94は受光素子15と異なる点95に像を結び観測されない(後述の図2(C)も同様である。)。(B)に示すように、レンズ10が中央に移動したときは、光軸はレンズに対して垂直であり、正面方向からの光を受光できる。(C)に示すように、レンズ10bが左に移動したときは、戻り光92は、前方右方向から受光素子15へ屈折し、これを受光できる。(A)、(C)に示すように、左右いずれに移動した場合も、レンズ10bの現在の位置に対して、レンズ10bの中立位置103の方向に像のひずみ93が生じる。そうすると、この像のひずみ93により、照射光91の方向より外側からくる戻り光92も、レンズ10bの中央側に焦点形状が伸びて受光素子15に受光される。
次に、図2を用いて、レンズ10bの移動に伴う光軸の傾きと、受光素子15の位置で、レンズ10bにより収束された戻り光92の焦点形状の収差ひずみについて説明する。図2は、この概念を表す図である。本実施形態のリニアモータ11は、レンズユニット10の左右移動111をさせており、その際、(A)に示すように、レンズ10bが右に移動したときは、戻り光92は、前方右方向から受光素子15へ屈折し、これを受光できる。一方、光92以外の方向から来た光、例えば光94は受光素子15と異なる点95に像を結び観測されない(後述の図2(C)も同様である。)。(B)に示すように、レンズ10が中央に移動したときは、光軸はレンズに対して垂直であり、正面方向からの光を受光できる。(C)に示すように、レンズ10bが左に移動したときは、戻り光92は、前方右方向から受光素子15へ屈折し、これを受光できる。(A)、(C)に示すように、左右いずれに移動した場合も、レンズ10bの現在の位置に対して、レンズ10bの中立位置103の方向に像のひずみ93が生じる。そうすると、この像のひずみ93により、照射光91の方向より外側からくる戻り光92も、レンズ10bの中央側に焦点形状が伸びて受光素子15に受光される。
<受光量電圧の補正の必要性>
次に、受光量電圧の補正の必要性について説明する。前述図2で説明した焦点の収差により、本実施形態のレーダでは、受光量の一部が中立位置103へ寄って観測されることになる。物体の境目のうち中立位置103に近い部分では、前方の障害物の反射光を測定した領域データをプロットした場合、前記x1に対応する受光量電圧がいわば前記中央側に「にじみでて」、物体の形状が測定領域の中央側へ膨張して観測されてしまう。その結果、障害物(100、101等)の方向の識別が正確でなく、その結果として障害物の移動速度を正確に検出できない問題が生じうる。また、デリニエータ101が大きく認識されてしまい、人100からの反射光が埋もれてしまうのでその方向を識別するのが遅れる問題が生じうる。これらを解決すべく、本実施形態のレーダ1は以下のとおり受光量電圧を補正する。
次に、受光量電圧の補正の必要性について説明する。前述図2で説明した焦点の収差により、本実施形態のレーダでは、受光量の一部が中立位置103へ寄って観測されることになる。物体の境目のうち中立位置103に近い部分では、前方の障害物の反射光を測定した領域データをプロットした場合、前記x1に対応する受光量電圧がいわば前記中央側に「にじみでて」、物体の形状が測定領域の中央側へ膨張して観測されてしまう。その結果、障害物(100、101等)の方向の識別が正確でなく、その結果として障害物の移動速度を正確に検出できない問題が生じうる。また、デリニエータ101が大きく認識されてしまい、人100からの反射光が埋もれてしまうのでその方向を識別するのが遅れる問題が生じうる。これらを解決すべく、本実施形態のレーダ1は以下のとおり受光量電圧を補正する。
<受光量電圧の補正方法>
次に、図3を用いて、この受光量電圧の補正方法の実施例について説明する。この実施例の実測データを示す図である。図3(A)の横軸は、図1(A)で示した測定領域xの番号を示しており、縦軸は、その各領域の受光量電圧を示している。点線で表す(受光量−バイアス)30は、A/D変換器16で変換された受光量電圧の生データからバイアス値を引いた値p(x)である。
次に、図3を用いて、この受光量電圧の補正方法の実施例について説明する。この実施例の実測データを示す図である。図3(A)の横軸は、図1(A)で示した測定領域xの番号を示しており、縦軸は、その各領域の受光量電圧を示している。点線で表す(受光量−バイアス)30は、A/D変換器16で変換された受光量電圧の生データからバイアス値を引いた値p(x)である。
なお、このバイアス量は、これら50個の領域xの測定のうち最小値としても良いし、レーザを出力していないときの各測定領域の受光量電圧としても良いし、これら各測定領域の受光量電圧の平均値としても良い。
この値p(x)は、レーダ1の前方40mに置いた同一形状の障害物を左右に3つ並べて反射光を測定したものであり、ピーク32〜34は、これらの中心部に対応している。(受光量−バイアス)30のピーク33では、レンズ10による屈折の影響が最も小さい形状となっている。これに対して、両側のピーク32、34では、斜め方向から光が入射することにより光の入射方向から見たレンズの投影面積が減少し、レンズを通る光量も減少することから、中央のピーク33に比べて受光量電圧が小さくなる。またピーク32、34の両側の斜面のうち、中央(x=25)に向かうにつれ値が減少していく側の斜面30aのx=5〜9、斜面30bのx=36〜39に対応する受光量電圧は、膨張して斜面がなだらかになっている。
図1(A)の実線で表す補正後の値31は、次の計算式p’(x)で求める。
p’(x)=p(x)+(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)/A
ただし、Aは正の定数で補正量の調整に用いる。図3(B)ではA=25である。
p’(x)=p(x)+(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)/A
ただし、Aは正の定数で補正量の調整に用いる。図3(B)ではA=25である。
図3(A)を用いて、p’(x)による補正の作用を説明すると、補正前の(受光量−バイアス)30に対して、前述の斜面30a,bは、31a,bとなり、前述の膨張した部分が補正され、p(x)の値が減少している。
次に、この計算式p’(x)の意義について説明する。測定領域xの中央値(x=25)よりxが大きいとき、即ちx>25のとき
p’(x)=p(x)−(p(x+1)−p(x−1))×(x−25)/A
と式変形でき、x<25のとき
p’(x)=p(x)−(p(x−1)−p(x+1))×(25−x)/A
と式変形できる。
p’(x)=p(x)−(p(x+1)−p(x−1))×(x−25)/A
と式変形でき、x<25のとき
p’(x)=p(x)−(p(x−1)−p(x+1))×(25−x)/A
と式変形できる。
この計算式で、p(x−1)−p(x+1)がp(x)周辺での微分値、即ちグラフの傾きを表している。ここで、x−25は、中央値x=25からの領域番号xの偏差を表す値であり
(x−25)>0(x>25)
(25−x)>0(x<25)
となる。また、前述の斜面30a、bの部分では、x>25で傾きが正、x<25で傾きが負であるから
p(x+1)−p(x−1)>0(x>25)
p(x−1)−p(x+1)>0(x<25)
となる。図3(A)で示す斜面30a、bのxでは、補正量(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)/Aは必ずマイナスの値となる。したがって、補正式p’(x)は、この斜面30a、bで、測定領域xの中央値(x=25)からの移動を表すx−25と、微分値を表す値p(x+1)−p(x−1)の積の絶対値をAで除算したものを差し引くように作用する。したがって、前述の図2で示した像のひずみ93によって物体が膨張して観測される部分が補正される。
(x−25)>0(x>25)
(25−x)>0(x<25)
となる。また、前述の斜面30a、bの部分では、x>25で傾きが正、x<25で傾きが負であるから
p(x+1)−p(x−1)>0(x>25)
p(x−1)−p(x+1)>0(x<25)
となる。図3(A)で示す斜面30a、bのxでは、補正量(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)/Aは必ずマイナスの値となる。したがって、補正式p’(x)は、この斜面30a、bで、測定領域xの中央値(x=25)からの移動を表すx−25と、微分値を表す値p(x+1)−p(x−1)の積の絶対値をAで除算したものを差し引くように作用する。したがって、前述の図2で示した像のひずみ93によって物体が膨張して観測される部分が補正される。
ここで、前述の図2で示した像のひずみ93の量は、レンズ10bの揺動範囲の中立位置103に対応するx=25からのずれ量に対応して大きくなると考えられるから、その積算項が補正式p’(x)に含まれる。本実施形態の装置ではこの要因を(x−25)の1乗に比例するとしている。
ただし、以上で示した計算式は、p(x)と、補正値p’(x)を比較してその作用の説明の容易のために示した式である。実装上は、このようにAで割る割り算よりもAを掛ける掛け算の方が、処理が軽いことから、次のp”(x)を用いて計算を行う。
p”(x)=A×p(x)+(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)
ただし、Aは正の定数で補正の調整に用いる。図3(B)ではA=25である。
p”(x)=A×p(x)+(p(x−1)−p(x+1))×(x−25)
ただし、Aは正の定数で補正の調整に用いる。図3(B)ではA=25である。
図3(B)を用いてこの実装上の補正p”(x)のグラフを示す。図3(B)の実装上の補正35は、このp”(x)による補正値を示している。障害物があるかの判断するためには閾値を用いることが簡便であるが、この場合、このAの値にあわせて、閾値を変化させる必要がある。
<受光量電圧の補正方法の補足説明>
なお、補正値p’(x)、p”(x)のAの値は25に限らず、値を調整して、最適な値とすることができる。発明者の実験装置ではA=25が好適であった。
また、p(x)のグラフの上述した傾きを計算する上で、p(x−1)−p(x+1)でなく、p(x)−p(x−1)、またはp(x+1)−p(x)を用いても良い。さらに、このような補正は、戻り光92の光軸に対してレンズ10が相対的に垂直に移動する場合、例えば、特許文献1のように光検出器を移動させる構成でも適用できる。
なお、補正値p’(x)、p”(x)のAの値は25に限らず、値を調整して、最適な値とすることができる。発明者の実験装置ではA=25が好適であった。
また、p(x)のグラフの上述した傾きを計算する上で、p(x−1)−p(x+1)でなく、p(x)−p(x−1)、またはp(x+1)−p(x)を用いても良い。さらに、このような補正は、戻り光92の光軸に対してレンズ10が相対的に垂直に移動する場合、例えば、特許文献1のように光検出器を移動させる構成でも適用できる。
また、図3では、補正後の値31は、(受光量−バイアス)30に対して確かに斜面31a,bの逆側は膨らんでいるので、この部分については、本実施形態の補正は、逆効果になっているとも考えられる。しかしながら、道路上では、両端のピーク32、34の外側は、道路外であるので問題なく、これより受光量が小さい人100(図1(B)参照。)を把握できれば十分であり問題ない。さらに、斜面30a、bのみ補正を適用できるようにするためにロジカルな判断をさせるのは、処理の面で大掛かりなことから、実装上、このp”(x)の計算式を用いている。
<障害物認識フロー>
図4を用いて、図1を補助的に参照して、障害物認識フローについて説明する。図4は、このフロー図である。概略を説明すると、図4のST1は、右側の受光量電圧測定&バイアス量決定フローを実行させる。このサブフローは、受光量電圧の測定とバイアス値の計算を各測定領域x(x=1〜50)について行い、2次元メモリに格納する。ST2〜ST3は、各測定領域x(x=1〜50)について図3(B)で説明した補正値p”(x、y)を求める。ST4で、以上で得られたデータを格納し、ST5でこのデータから障害物の認識を行う。またST2〜ST4は、距離yごとに繰り返し実行する。具体的には、距離y(y=1〜60)で実行し、本実施例では距離分解能は2.5mであることから、実際の距離は2.5mから150mの距離における計算を繰り返し行う。以下それぞれ説明する。
図4を用いて、図1を補助的に参照して、障害物認識フローについて説明する。図4は、このフロー図である。概略を説明すると、図4のST1は、右側の受光量電圧測定&バイアス量決定フローを実行させる。このサブフローは、受光量電圧の測定とバイアス値の計算を各測定領域x(x=1〜50)について行い、2次元メモリに格納する。ST2〜ST3は、各測定領域x(x=1〜50)について図3(B)で説明した補正値p”(x、y)を求める。ST4で、以上で得られたデータを格納し、ST5でこのデータから障害物の認識を行う。またST2〜ST4は、距離yごとに繰り返し実行する。具体的には、距離y(y=1〜60)で実行し、本実施例では距離分解能は2.5mであることから、実際の距離は2.5mから150mの距離における計算を繰り返し行う。以下それぞれ説明する。
図4のST1では、受光量電圧から、バイアスを取り除いた値p0(x、y)を計算するため、右側のサブルーチンである受光量測定&バイアス量決定フロー(ST11〜ST16)を実行する。
このST11〜ST15の繰り返しでは、ST11で、測定領域x(=1〜50)についてそれぞれ1回ずつ投光素子14がパルス状の照射光91を発光させる。
このST11〜ST15の繰り返しでは、ST11で、測定領域x(=1〜50)についてそれぞれ1回ずつ投光素子14がパルス状の照射光91を発光させる。
なお、実装上は、測定領域xごとに1回のパルスの照射光91を発光させるのではなく、10〜30回分のパルスをそれぞれの測定領域xについて照射して、値を積分した平均値を取る計算を行ってもよい。
ST12では、受光素子15が障害物からの光を受光しアナログの電圧に変換する。
ST13では、A/D変換器16が受光素子15をディジタルデータに変換した値を出力する。
ST13では、A/D変換器16が受光素子15をディジタルデータに変換した値を出力する。
なお、図4の破線の矢印に示すように、再度ST12、ST13を繰り返して、レーザ光が出力されていない状態での受光量を受光量電圧のバイアス値とする実施形態も考えられるが、これについては、後述する。
ST14では、この受光量電圧のディジタルデータを領域番号と距離(番号x、距離y)の2次元メモリにp0(x、y)として格納する。この距離は、投光素子14が照射光91を照射した時間から、受光素子15が戻り光92を受光した時間までの経過時間に、光速を掛け算することにより、計算できる。
ST15では、リニアモータ11が次の測定領域xにレンズ10を移動させる。
ST16では、以上ST1〜ST15まで各測定領域x=1からx=50まで繰り返した結果を基に、バイアス値を各領域で測定した受光量電圧のうちの最小値とする。
ST16では、以上ST1〜ST15まで各測定領域x=1からx=50まで繰り返した結果を基に、バイアス値を各領域で測定した受光量電圧のうちの最小値とする。
図4のST2では、受光量電圧から、ST1のサブフローで求めたバイアス値を差し引いて、図3で説明したp(x)を計算する。図4の例では、実装上、距離yごとに計算するから、このp(x)は、引数xのほかに引数yを用いてp(x、y)=p0(x、y)−(ST1で求めたバイアス量)となる。
図4のST3では、図3(B)で説明した補正値p”(x)を計算する。図4の例では、実装上、距離yごとに計算するから、この補正値p”(x)の計算は、図4に示すように引数xのほかに引数yを用いてp”(x、y)として距離yごとに計算する。
図4のST3では、図3(B)で説明した補正値p”(x)を計算する。図4の例では、実装上、距離yごとに計算するから、この補正値p”(x)の計算は、図4に示すように引数xのほかに引数yを用いてp”(x、y)として距離yごとに計算する。
ST4では、ST2〜ST3をすべての測定領域xについて繰り返してそれぞれのデータを(番号x、距離y、p”(x、y))として2次元メモリに格納する。なお、このメモリへの格納は、ST3で逐次格納してもよい。
なおST2〜ST4を距離ごとに計算することによって、ST1で計算した2次元メモリp(x,y)を全てp”(x,y)に変換する。
ST5では、p”(x,y)と閾値と比較して、障害物の認識をする。具体的には閾値を超えたものが障害物であり、p”(x,y)の閾値を越えたデータをスキャンすることによって、障害物の方向と距離を知ることができる。
ST5では、p”(x,y)と閾値と比較して、障害物の認識をする。具体的には閾値を超えたものが障害物であり、p”(x,y)の閾値を越えたデータをスキャンすることによって、障害物の方向と距離を知ることができる。
なお、本実施形態の装置のp(x、y)、p(x)は、本発明の「pb(x)」に相当する。
<バイアス計算方法の応用>
図4で示したバイアス計算方法の応用として以下の実施形態が考えられる。図4の右側の破線の矢印に示すように、バイアスを計算するために、投光素子14のレーザ発光を止めた状態でST12〜ST13をもう一度繰り返してもよい。これにより、レーザ光以外の要因で受光素子15に入射する光の受光量成分を計算でき、これを図3で説明したバイアス量として、受光量電圧から取り除くことができる。また、バイアス値をこれらレーザ発光を止めた状態で測定した値の平均値としても良い。
図4で示したバイアス計算方法の応用として以下の実施形態が考えられる。図4の右側の破線の矢印に示すように、バイアスを計算するために、投光素子14のレーザ発光を止めた状態でST12〜ST13をもう一度繰り返してもよい。これにより、レーザ光以外の要因で受光素子15に入射する光の受光量成分を計算でき、これを図3で説明したバイアス量として、受光量電圧から取り除くことができる。また、バイアス値をこれらレーザ発光を止めた状態で測定した値の平均値としても良い。
ただし、ST3のp”(x)の計算では、p(x)の前後のp(x+1)、p(x−1)を参照する必要があるので、p”(x)の計算の前に予めp(x)を計算しておく必要がある。ここでp(x)=受光量電圧−バイアス量であるから、バイアスの計算方法として、測定領域x=1〜50それぞれについてバイアスを測定してp(x)を計算する場合には、ST2の動作は、ST1のサブフローで予め行なっておく必要がある。
1−レーダ
10−レンズユニット、 10a,b−レンズ
11−リニアモータ、 111−左右移動、 112−上下移動
12−CPU、 13−ドライバ、 14−投光素子、 15−受光素子
16−A/D変換器
21−ECU、 22−外部機器
30−(受光量−バイアス)、30a、b−斜面
31−補正後の値、 32〜34−ピーク
35−実装上の計算値
91−照射光、 92−戻り光、 93−像のひずみ、 94−中心
100−人
101−デリニエータ
102−道路
103−中立位置
x−測定領域
10−レンズユニット、 10a,b−レンズ
11−リニアモータ、 111−左右移動、 112−上下移動
12−CPU、 13−ドライバ、 14−投光素子、 15−受光素子
16−A/D変換器
21−ECU、 22−外部機器
30−(受光量−バイアス)、30a、b−斜面
31−補正後の値、 32〜34−ピーク
35−実装上の計算値
91−照射光、 92−戻り光、 93−像のひずみ、 94−中心
100−人
101−デリニエータ
102−道路
103−中立位置
x−測定領域
Claims (2)
- レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射手段と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査手段と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光部と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記照射するレーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域に分け、その測定領域xで測定した受光量電圧である領域データp(x)を取得する領域データ取得手段と、
前記レンズの中心位置を前記戻り光の光軸が通過する測定領域をx=x0、
測定領域xの近傍で、x0に向かうに従い、前記領域データp(x)が減少していく測定領域をx=x1、
前記レンズの中心位置からの前記戻り光の光軸のずれ量をkとして、
x1とx0との偏差または光軸のずれ量kのいずれかと、x0近傍でzのp(x)の微分値と、の積に比例した補正量を差し引く計算式、
またはp(x)の代わりに、p(x)からバイアスを差し引いた値pb(x)を用いて前記補正量を差し引く式、
またはこれらの式に相当する式により、
前記領域データの値を補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダ。 - レーザ光を前方に向けて照射するレーザ光照射部と、
前記照射するレーザ光の光軸の向きを走査させるレーザ光走査部と、
前方の障害物に反射して戻ってきた戻り光を受光量電圧に変換する受光手段と、
前記受光部に前記戻り光を導くレンズと、
前記戻り光の光軸に対して略垂直な平面内で、前記レンズまたは前記受光部のいずれかを移動させて、前記戻り光の光軸の向きを前記レーザ光の光軸の向きに同期させる戻り光走査手段と、
前記戻り光の光軸の向きを走査する範囲を複数の測定領域xに分け、その測定領域xについての前記受光量電圧である領域データを取得する領域データ取得手段と、
前記各測定領域xの領域データの値p(x)、Aを定数、中心位置をx0として、
以下の計算式、
y=A×p(x)+(x−x0)×(p(x−1)−p(x+1))
または、p(x)からバイアス量を差し引いた値pb(x)を用いた以下の計算式、
y’=A×pb(x)+(x−x0)×(pb(x−1)−pb(x+1))
のいずれかにより、前記領域データを補正する受光量電圧補正手段と、
を備えたレーダ。
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KR101850068B1 (ko) * | 2015-12-15 | 2018-04-19 | (주)다울아토닉스 | 무회전 라이다 광원 검출 장치 |
JP2021099352A (ja) * | 2016-12-23 | 2021-07-01 | セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッド | ライダシステム用の走査装置および方法 |
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2006
- 2006-01-27 JP JP2006018884A patent/JP2007198951A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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