JP2007198644A - 製氷皿 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型の耐久性を向上させることができ、かつ、金型の投資費用の削減ができる製氷皿を提供する。
【解決手段】一時的に水を蓄え冷却することにより氷を生成する製氷皿11において、製氷皿11は取り付け部24と取り付け部24とは別体で形成された金属製の皿31とを備え、金属製の皿31は箱状部22と箱状部22とは別体で形成された複数の仕切り板23とからなることから、金型寿命の長いプレス加工での製作が可能となり、また、取り付け部24の仕様変更時も、取り付け部24の金型を新規に起こすのみで対応が可能となり、金型の投資費用を削減できる。
【選択図】図1
【解決手段】一時的に水を蓄え冷却することにより氷を生成する製氷皿11において、製氷皿11は取り付け部24と取り付け部24とは別体で形成された金属製の皿31とを備え、金属製の皿31は箱状部22と箱状部22とは別体で形成された複数の仕切り板23とからなることから、金型寿命の長いプレス加工での製作が可能となり、また、取り付け部24の仕様変更時も、取り付け部24の金型を新規に起こすのみで対応が可能となり、金型の投資費用を削減できる。
【選択図】図1
Description
本発明は冷凍冷蔵庫等の冷凍室に配置され、給水後冷却されて氷を生成する製氷皿に関するものである。
従来、冷凍冷蔵庫の冷凍室に配置される製氷皿は、全体をアルミニウムダイカスト成形で形成されたもの(例えば、特許文献1参照)が利用されている。
以下、図面を参照しながら上記従来の製氷皿について説明する。
図7は、従来の冷凍冷蔵庫に使用されている製氷皿の斜視図である。図8は、図7のA−A断面図である。
図7、図8において、製氷皿1は熱伝導性の高い金属であるアルミニウム合金をダイカスト成形で形成されている。製氷皿1は、水を一時的にとどめる複数のセル2と、冷蔵庫等の壁面にネジ等で固定するための取り付け部5と、からなり、セル2と取り付け部5とは一体成形されている。また、隣接するセル2同士は溝3でつながっている。
図8に示すように、製氷皿1の下面には、ヒーター4をカシメやネジ固定などで密着させている(ヒーター後付け仕様)。
以上のように構成された製氷皿について、以下その動作を説明する。
製氷皿1に給水すると水はセル2の溝3を経て全体に広がり全てのセル2に水が満たされる。1つのセル2には約15mlの水が入るので、セル2が7個からなる製氷皿1では約105mlの水を供給すればよい。
製氷皿1に供給された水は、水面からの熱伝達、製氷皿1の壁面からの熱伝導、輻射によって放熱され徐々に温度を下げていき、最終的に凍結し氷を生成することとなる。
ヒーター4が通電されると、生成された氷は製氷皿1と接する氷の面が溶け、氷排出用の爪(図示せず)により、製氷皿1の氷は排出される。
特開2001−272146号公報
しかしながら、上記従来の構成では、アルミダイカスト成形にて製氷皿1を形成しているため、成形時のアルミの溶融温度(約600℃)による金型の損耗が激しいことから、金型の耐久性が短い。また、セル2と取り付け部5とは一体成形されているため、たとえ氷の大きさが同じであっても、取り付け部5がカスタマの要望で変る毎に、新たな金型を起こす必要がある。また、セル2の形状は金型によって決定されるため、大きさの異なる氷を作る場合、新たな金型を起こす必要がある、という課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、金型の耐久性を向上させることができ、かつ、取り付け形状や氷の大きさの自由度が高い製氷皿を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の製氷皿は、一時的に水を蓄え冷却することにより氷を生成する製氷皿において、前記製氷皿は取り付け部と前記取り付け部とは別体で形成された金属製の皿とを備え、前記金属製の皿は箱状部と前記箱状部とは別体で形成され前記箱状部に結合された複数の仕切り板とよりなるものである。
これによって、箱状部と仕切り板はプレス加工にて、取り付け部は樹脂成形にて製造が可能となり、成形時の溶融樹脂温度は300℃以下で金型の損耗は少ないことから、金型の耐久性を向上させることができ、かつ、取り付け仕様が変っても、取り付け部の樹脂金型を起こすのみで対応が可能となり、また、仕切り板の数を変えることで、大きさの異なる氷を得ることができる。
本発明の製氷皿は、金型の耐久性を向上させることができ、かつ、金型の投資費用を削減できる。
請求項1に記載の発明は、一時的に水を蓄え冷却することにより氷を生成する製氷皿において、前記製氷皿は取り付け部と前記取り付け部とは別体で形成された金属製の皿とを備え、前記金属製の皿は箱状部と前記箱状部とは別体で形成され前記箱状部に結合された複数の仕切り板とよりなることにより、箱状部と仕切り板はプレス加工で成形が可能となり、一般にダイカスト成形金型にくらべプレス金型は10倍以上の耐久性を有することから、金型の耐久性を向上できる。
また、取り付け形状が変更されても、取り付け部の金型を新規に起こすのみで対応でき、金属製の皿の金型は兼用できることから、金型の投資費用を削減できる。
また、氷の大きさを変えるとき、仕切り板の数を変えることによって、氷の大きさを変えることができ、新規に金型を起こす必要がなく、金型の投資費用を削減できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、取り付け部を樹脂製としたもので、変更の可能性のある部分をブロック交換可能な金型構成採用が可能となり、アウトサート成形等で取り付け部と金属製の皿との一体成形も可能となり、組立て工数を削減できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記箱状部の底面に前記仕切り板の厚みに相当する複数個の溝部を設けたことにより、容易に仕切り板の位置決めができ、組立て工数の削減と氷の大きさの均一化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記箱状部の外周端部近傍に、前記仕切り板の端部に設けられた突起に係合する孔を複数個設け、前記仕切り板の前記突起を前記孔に係合して加締めることにより、前記箱状部と前記仕切り板とを結合させたことにより、仕切り板の位置が確実に決まるとともに、仕切り板の保持信頼性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記仕切り板の両端部を前記箱状部の外周端部を折り曲げ固定したことにより、複数の仕切り板を一回の折り曲げ動作で固定することができ、組立て工数を削減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記箱状部と前記仕切り板とを結合後、メッキ処理または塗装を施したことにより、耐食性を向上させることができるとともに、仕切り板と箱状部との隙間を埋めることができ、水残りを防止できる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記金属製の皿から氷を剥離させるヒーターをさらに備えたことにより、ヒーターの熱を金属製の皿に伝えて氷を部分的に融解し、より確実に製氷皿から離氷することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記取り付け部に前記金属製の皿内に水を注入する注水口をさらに設けたことにより、周囲に水跳ねがなく注水できる。
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記複数の溝部は、間隔を変えて設けたことにより、異なる大きさの氷を作ることができる。
以上、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における製氷皿の斜視図、図2は、同実施の形態の製氷皿を備えた製氷装置の斜視図、図3は、同実施の形態の製氷皿の金属製の皿の斜視図である。
図1は、本発明の実施の形態1における製氷皿の斜視図、図2は、同実施の形態の製氷皿を備えた製氷装置の斜視図、図3は、同実施の形態の製氷皿の金属製の皿の斜視図である。
図4は、図3の要部斜視図、図5は、同実施の形態の製氷皿の金属製の皿の要部詳細図、図6は、同実施の形態の製氷皿の金属製の皿の要部斜視図である。
図1において、製氷皿11は、二個の取り付け部24と、取り付け部24とは別体で形成された金属製の皿31とを備えている。
金属製の皿31は、水を一時的にとどめる半円状の底部22aを有するセル21を7個備えた箱状部22と、箱状部22とは別体で形成され、7個のセル21に互いに水の出入りが可能な溝23aが設けられている箱状部22に結合された6枚の仕切り板23と、からなる。
金属製の皿31の箱状部22はプレス絞り加工にて、仕切り板23はプレス抜き加工にて製造されている。
取り付け部24は、冷蔵庫等の壁面にネジ等で固定するための固定部24aと、給水バルブ(図示せず)からの水を注入する注水口24bと、からなる。
また、25はヒーターであり、ヒーター25は、複数の取り付け板26により、箱状部22とともに取り付け部24にネジ27で共締め固定されている。
なお、金属製の皿31を構成する箱状部22と仕切り板23は、熱伝導性の高いアルミニウムであり、また、取り付け部24は樹脂製であり、ABS樹脂製である。
図2において、製氷装置は、製氷皿11と、氷排出機構、製氷皿の温度センサ、貯氷量検知機構、制御回路を有する製氷メカ12とからなる。
図3、図4において、金属製の皿31の箱状部22の外周端部22d近傍に仕切り板23の端部23bに設けられた下方方向に突出する突起23cに係合する角状の孔23dを設け、仕切り板23の突起23cを角状の孔23dに係合して加締める。
図5において、箱状部22の半円状の底部22aに、仕切り板23の厚みに相当する幅X寸法の溝部22cを設け、溝部22cに仕切り板23を差し込んでいる。溝部22cは、金属製の皿31の短辺方向に平行に等間隔で6本設けられている。
図6において、金属製の皿31の箱状部22の外周端部22dを、仕切り板の端部23bを覆うようにU字状に折り曲げている。
以上のように構成された製氷皿11について、以下その動作、作用について説明する。
金属製の皿31の仕切り板23で構成された所定のセル21に給水バルブ(図示せず)から注入口24bを経て水を供給すると、水はセル21aの仕切り板23の溝23aを通って隣接するセル21bへと流れていき、全てのセル21に水がいきわたる。
本実施の形態では一つのセル21に約15mlの水が入るように約105mlの水が供給される。
セル21に供給された水は、金属製の皿31の熱伝導により冷却が促進され、短時間で製氷を完了する。製氷完了後、ヒーター25が通電され、金属製の皿31を加温し、氷が金属製の皿31から剥離する。
次に、氷排出用の爪(図示せず)により、金属製の皿31の氷は排出される。
金属製の皿31は、箱状部22と、箱状部22とは別体で形成された6枚の仕切り板23とよりなるため、箱状部22はプレス絞り加工にて、仕切り板23はプレス抜き加工にて製造することができ、一般にダイカスト成形金型にくらべプレス金型は10倍以上の耐久性を有することから、金型の耐久性を向上できる。
また、冷蔵庫等への取り付け仕様が変更されても、取り付け部24の金型を新規に起こすのみで対応可能となり、金属製の皿31の金型は兼用できることから、金型の投資費用を削減できる。
いずれの金型も、従来のアルミダイカスト成形金型より耐久性は向上している。
また、氷の大きさを変えるとき、仕切り板23の数を変えることによって、容易に氷の大きさを変えることができる。
また、図3、図4に示すように、金属製の皿31の箱状部22の外周端部22d近傍に仕切り板23の端部23bに設けられた下方方向に突出する突起23cに係合する角状の孔23dを設け、仕切り板23の突起23cを角状の孔23dに係合して加締めることによって、仕切り板23の位置が確実に決まるとともに、箱状部22に固定することができ、仕切り板の保持信頼性を向上させることができる。
また、図5に示すように、金属製の皿31の箱状部22の半円状の底部22aに仕切り板23の厚みに相当する幅X寸法の溝部22cを設けることによって、仕切り板23の位置決めが容易になり、組立て工数の削減ができ、また氷の大きさの均一化を図ることができる。
また、図6に示すように、金属製の皿31の箱状部22の外周端部22dを、仕切り板の端部23bを覆うようにU字状に折り曲げることによって、仕切り板23の両端部を固定することにより、少ない工数で組立てることができる。
箱状部22と仕切り板23とを結合後、メッキ処理または塗装を施すことにより、製氷皿11の耐食性を向上するともに、金属製の皿31の各セル21の外周表面は滑らかになる為、各セル21から氷への加温を均一に行うことができ、氷の排出を良好に行うことができる。また、仕切り板23と箱状部22との隙間を埋めることができ、水残りを防止できる。
また、図1に示すように、取り付け部24に金属製の皿31内に水を注入する注水口24bをさらに設けたことにより、給水バルブ(図示せず)から製氷皿11へ給水する際に、製氷皿11の周囲に水跳ねがなく注水できる。
なお、本実施の形態では、金属製の皿31を構成する箱状部22と仕切り板23は、熱伝導性の高いアルミニウムとしたが、熱伝導性の高い銅としてもよく、また、取り付け部24はABS樹脂としたが、PP樹脂等の他の汎用プラスチックとしてもよい。
なお、本実施の形態では、セル21を7個、仕切り板23を6枚としたことで、7個の氷が作ることができるが、必要に応じて、例えば、大きな氷を作りたいときは、仕切り板23を一枚置きに配置することによって、仕切り板23を6枚としたときに比べて、大きな氷を作ることができる。
なお、本実施の形態では、溝部22cを金属製の製氷皿21の短辺方向に平行に等間隔で6本設けたが、溝部22c間の間隔を変えることにより、異なる大きさの氷を作ることができ、氷の大きさの自由度が大きい製氷皿を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる製氷皿は、金型の耐久性を向上させることができ、かつ、金型の投資費用の削減が可能となるので、冷蔵庫等の製氷皿として適用できる。
11 製氷皿
21 セル
22 箱状部
22c 溝部
22d 外周端部
23 仕切り板
23b 仕切り板の端部
23c 突起
23d 孔
24 取り付け部
24b 注水口
25 ヒーター
31 金属製の皿
21 セル
22 箱状部
22c 溝部
22d 外周端部
23 仕切り板
23b 仕切り板の端部
23c 突起
23d 孔
24 取り付け部
24b 注水口
25 ヒーター
31 金属製の皿
Claims (9)
- 一時的に水を蓄え冷却することにより氷を生成する製氷皿において、前記製氷皿は取り付け部と前記取り付け部とは別体で形成された金属製の皿とを備え、前記金属製の皿は箱状部と前記箱状部とは別体で形成され前記箱状部に結合された複数の仕切り板とよりなる製氷皿。
- 前記取り付け部を樹脂製とした請求項1に記載の製氷皿。
- 前記箱状部の底面に前記仕切り板の厚みに相当する複数個の溝部を設けた請求項1または2に記載の製氷皿。
- 前記箱状部の外周端部近傍に、前記仕切り板の端部に設けられた突起に係合する孔を複数個設け、前記仕切り板の前記突起を前記孔に係合して加締めることにより、前記箱状部と前記仕切り板とを結合させた請求項1から3のいずれか一項に記載の製氷皿。
- 前記仕切り板の両端部を前記箱状部の外周端部を折り曲げ固定した請求項1から3のいずれか一項に記載の製氷皿。
- 前記箱状部と前記仕切り板とを結合後、メッキ処理または塗装を施した請求項4または5に記載の製氷皿。
- 前記金属製の皿から氷を剥離させるヒーターをさらに備えた請求項1から6のいずれか一項に記載の製氷皿。
- 前記取り付け部に前記金属製の皿内に水を注入する注水口をさらに設けた請求項1から7のいずれか一項に記載の製氷皿。
- 前記複数の溝部は、間隔を変えて設けた請求項3に記載の製氷皿。
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