JP2007195325A - 動力発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪みを有する無負荷誘導起電力を持つ電動機のトルクリプルを低減する。
【解決手段】インバータ94は、第1の物体119と第2の物体123の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルの回転角を、回転ムラを持たせることにより、発生トルクの変動が抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭用や業務用の洗濯機、衣類乾燥機、洗濯乾燥機などの衣類処理装置や電気掃除機などに使用される動力発生装置に関するものである。
従来、この種の動力発生装置は、モータ電流を検知してA/D変換し、sinおよびcosの関数を用いて、IdとIqを求めて制御する(例えば、特許文献1参照)。
図14は、特許文献1に記載された従来の動力発生装置の制御ブロック図を示すものである。図14において、起動後に定常状態に移った状態においては、3相モータ26をインバータ59からの電流供給で駆動し、抵抗で構成した電流検出手段76により、各相の電流を検知し、それをA/D変換部77を経て、UVW/αβ変換部78において、数式1の計算をおこない、
さらに電気角θの値を取り込みながら、αβ/dq変換部68にて、sinおよびcos(三角関数)を用いて、数式2の計算を行いIdとIqの値を求め出すものであった。
算出されたIdとIqの値は、速度制御手段65から出力される設定値IdrefとIqrefとの誤差を電流PI制御部(d)69dと電流PI制御部(q)69qにて増幅してVdとVqを決定し、電気回転角θと共にdq/αβ変換部70にてVαとVβとした上で、αβ/UVW変換部71で各相の電圧指令とした後、PWM形成部74にて16kHzのキャリア周波数でパルス幅変調されインバータ59の各スイッチング素子75(a〜f)がオンオフ制御されるものである。
なお、A/D変換部77がA/D変換を行うタイミングとしては、PWM形成部74内の一定周波数である16kHzの三角波(キャリア波)のカウンタ値”0”の時点とし、下アームのスイッチング素子(IGBT)がオンしている期間とするものであった。
特開2003−169993号公報
しかしながら、前記従来の構成は、速度が一定である定常状態、すなわちθが一定の時間的割合で変化する状況において、インバータ59から3相モータ26に供給される電流および電圧に関して、電気角120度(2π/3)ずつずれた位置に設けた巻線に供給される瞬時値を空間的に合成してなる回転電流ベクトルおよび回転電圧ベクトルは、いずれも時間とともにθが変化していくのにつれて、θの時間的変化と等しい速度で、すなわちリニアに(直線的に)変化していくものとなっているものであった。
図15は中性点からの各相の無負荷誘導起電力波形として正弦波の状態、図16は回転電流ベクトルの変化、図17は回転電圧ベクトルの変化の状態を示したグラフである。
3相モータが、図15に示されているような無負荷誘導起電力の波形が正弦波である場合には、例えば定常的に電流位相角β=0度、電圧位相角δ=17.5度、電流ベクトルIaの絶対値として3.14A、電圧ベクトルVaの絶対値として164.3Vの一定値とすることにより、回転子の回転の電気角に関わらず、常に1Nm等の一定トルクが得られるものとなり、負荷を良好に駆動できるものであった。
しかるに図15に示しているような正弦波の無負荷誘導起電力波形を持たせることは、3相モータ26の設計によっては困難な場合が多く、例えば集中巻と呼ばれるような3相モータの構成とした場合などには、永久磁石の磁束分布や、巻線幅の電気角の制限など構造上、無負荷誘導起電力波形にかなりの歪みを有する波形、別の言葉で言うならば高調波成分が含まれるものであるケースが多々ある。
図18は、その一例における無負荷誘導起電力波形を示しているもので、5次、7次という高調波成分が含まれたものとなっている。
このような、歪みのある無負荷誘導起電力波形を持った3相モータにおいて、従来の技術を用いた場合は、回転電流ベクトルおよび回転電圧ベクトルが回転子の回転の電気角に沿ってリニアに変化していくものになるが、発生するトルクは電気角によって変化するものとなる。
図19は、図18に無負荷誘導起電力波形を示した3相モータを回転とともに、回転電流ベクトルおよび回転電圧ベクトルをリニアに回転させていった場合の発生トルクの波形であり、電気角60度を周期とするトルク変動がみられるものとなっている。
このようなトルク変動(トルクリプル)があると、騒音や振動が大きくなったり、また負荷を含んだ慣性モーメントが小さい場合には、さらに回転子の速度変動(速度リプル)も生じるという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するもので、無負荷誘導起電力が歪みをもった場合でも、インバータが供給する電圧あるいは電流を、第1の物体と第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルあるいは回転電圧ベクトルの回転角を、回転ムラを有するものとすることにより、逆に発生トルクの変動を抑え、騒音や振動が少なく、慣性モーメントが小さい場合にも速度変動が起こりにくい動力発生装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の動力発生装置は、多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給するものである。
また、多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電圧ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給するものである。
これによって、無負荷誘導起電力波形に歪みを含む場合でも、発生するトルクが常に一定となるため、トルク変動が少なく、低騒音、低振動とし、また慣性モーメントが小さい場合にも速度変動が起こりにくい動力発生装置を提供することができる。
本発明の動力発生装置は、トルク変動が少なく、低騒音、低振動の動力発生装置を実現することができる。
第1の発明は、多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給するものとすることにより、無負荷誘導起電力波形に歪みを含む場合でも、発生するトルクが常に一定となるため、トルク変動が少なく、低騒音、低振動とし、また、慣性モーメントが小さい場合にも速度変動が起こりにくい動力発生装置を提供することができ、特に、電流値の帰還制御を有するインバータの構成に適している。
第2の発明は、特に、第1の発明の回転電流ベクトルの絶対値を、第1の物体と第2の物体の相対運動に対して、時間とともに変化するものとすることにより、トルク変動を低減する効果が大きいものとなる。
第3の発明は、多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電圧ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給するものとすることにより、無負荷誘導起電力波形に歪みを含む場合でも、発生するトルクが常に一定となるため、トルク変動が少なく、低騒音、低振動とし、また慣性モーメントが小さい場合にも速度変動が起こりにくい動力発生装置を提供することができ、特に、電流値の帰還制御がなく簡単、低コストとしたインバータの構成に適している。
第4の発明は、特に、第3の発明の回転電圧ベクトルの絶対値を、第1の物体と第2の物体の相対運動に対して、時間とともに変化するものとすることにより、トルク変動を低減する効果が大きいものとなる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明のインバータを、発生トルクが各相の巻線の無負荷誘導起電力の瞬時値の自乗に比例するように配分するものとすることにより、無負荷誘導起電力波形に歪みを含む場合でも、トルク変動を抑えるとともに、各相へのトルクの分配を、銅損の和が最も小さくなるようにすることができるものとなるため、損失が小さく、高効率を実現することができるものとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における動力発生装置のブロック図を示すものである。図1において、100V50Hzまたは60Hzの交流電源90から、リアクタ91と整流器92が接続され、整流器92の出力端子に接続された電解式のコンデンサ93に直流電圧VDCが得られ、これがインバータ94に供給される。
ただし、このような構成での直流電圧への変換以外にも、倍電圧整流回路や、昇圧回路を用いて、より高い直流電源を構成するなどの構成もあり、そのような構成を用いてもかまわない。
インバータ94は、IGBTとダイオードを並列に接続して構成した6個のスイッチング素子100、101、102、103、104、105、およびこの内の3個の低電位側スイッチング素子103、104、105のエミッタ端子にそれぞれ接続した106、107、108がコンデンサ93のマイナス端子との間に接続されており、A/D変換器109と共に電流検知手段110が構成された状況となっている。電流検知手段110から出力された検知出力Iu、Iv、Iwは、電圧コンバータ111に送られる。
インバータ94の出力には、3相の電動機115が接続されており、電動機115は、インバータ94の3本の出力端子U、V、Wに一端が接続されて電力の供給を受ける3相の巻線116、117、118を有する第1の物体119と、永久磁石121、122を有し第1の物体119に対して相対的に回転自在に設けた第2の物体を有しているものとなっている。
なお、説明では簡単のため2極としているが、現実には4極の構成としており、さらに6極、8極などの構成であってもかまわない。
本実施の形態においては、位置検知手段130は、相互に電気角120度隔てた3個のホール素子131、132、133を第1の物体119に取り付けて設け、第1の物体119に対する永久磁石121、122の位置を検知し、整形回路134にて3個のホール素子131、132、133からのアナログ信号を整形した3個の論理信号をさらに補間し、分解能として電気角60度よりも高い信号θを出力するものとなっている。
本実施の形態においては、A/D変換器109から電流値を検知したデジタル値が出力され、電圧コンバータ111は、これらの電流値に加え、無負荷誘導起電力波形と相似の信号波形を出力する歪み関数発生器138、トルク分配器139の出力を受け、電圧設定値の出力信号Vu、Vv、Vwの瞬時値が、各相電圧の設定値(=コンペアレジスタ値)の形で出力されるものとなっている。
Vu、Vv、Vwを受けたPWM回路144は、15.625kHzのキャリア周波数でパルス幅変調され、かつ上下のスイッチング素子の切換期間に上下のスイッチング素子が共にオフ指令となるデッドタイムを設けながら、インバータ94に出力されるものとなっている。
電流検知手段110のA/D変換器109は、3相の巻線116、117、118の電流を検知するため、低電位側のスイッチング素子103、104、105がオン状態となり、巻線116、117、118の電流が、それぞれ抵抗106、107、108に流れるタイミングとなるように、PWM回路144のキャリア信号の位相とも同期をとって行うものとしており、θ信号の変化があった直後に上記のスイッチングタイミングとなった状態で、電流検知動作が行われるものとなっている。
ただし、このような3個の抵抗器106、107、108を用いずに、3つの低電圧側のスイッチング素子103、104、105のエミッタ端子を共通に接続してしまい、その共通エミッタから1本の抵抗器を接続した構成としてもよく、スイッチング素子のオンオフタイミングに合わせて、適切に前記抵抗器の電圧検知を行うことにより、3相の巻線116、117、118の各電流、あるいは3相の内の2相分の電流が検知して残りの1相もキルヒホッフ計算により求め出すなどの構成とすることもできる。
なお、PIアンプ140は、速度設定手段150からの設定値ωrと、速度検知手段151の出力である実際の回転速度ωとの誤差を比例成分(P成分)と時間積分成分(I成分)との和として出力するものとなっており、速度検知手段151は、位置検知手段130の出力信号θを微分するなどして、現在の回転速度ωを得る構成となっているものである。
以上の構成により、設定速度と実際の速度との誤差信号により、トルクの設定値Trefが決まると、トルク分配器139は、それをU、V、WのトルクTuref、Tvref、Twrefに分配して出力するが、特に本実施の形態においては、各相の発生トルクが各相の巻線の無負荷誘導起電力の瞬時値の自乗に比例するように配分するように分配している。
これにより、とりわけSPM(表面に永久磁石を有する構成)においては、βをほぼ0とする制御を実現する場合、トータルとして必要なトルクTrefを実現するために発生する銅損は、最小に抑えることができるものとなり、低損失、高効率が実現できる構成となる。
図2は、本実施の形態における、各相の無負荷誘導起電力の波形、すなわち端子をすべてオープンにした状態で、第2の物体123を外部からの動力源によって、毎分3000回転で、回転させた場合に3相の各端子とスター結線した中性点との間の電圧を示した波形図である。
本実施の形態における巻線116、117、118は、集中巻と呼ばれる構成で設けていることから、磁束の有効利用に関しては有利なものとなるが、無負荷誘導起電力波形にはかなりの歪みが含まれているものとなっている。
なお、無負荷誘導起電力波形の高調波成分に関しては、対称性から偶数次はゼロとなり、また集中巻とした巻線116、117、118のコイル幅が、永久磁石121、122の幅に対して、ほぼ2/3となる構成となっていることなどから、3の倍数に相当する次数についても、ほぼゼロに近いものとなり、主として5次、7次、11次…というような次数の成分が影響した波形となっている。
図3は、無負荷誘導起電力波形を線間(U−V端子間)で観測した場合のものであるが、これもまた高調波成分を含んだものとなる。
図4は、静止座標x−y平面に対する回転電流ベクトルIaと、回転電圧ベクトルVaを示したものである。
q軸を永久磁石121、122に対して直交した軸とすると、Ia、Vaは、それぞれq軸からβ、δの位相角(電気角)を持ったものとなるが、第2の物体123の回転運動とともに、Ia、Va、q軸のいずれもが、例えば反時計方向に回転することになり、その回転速度が一定である場合には、q軸は一定の速度で回転することになるのに対し、本実施の形態においては、Ia、Vaの回転の速度は一定ではない。
図5は、U相に関して等価回路を示したものであり、静止座標におけるIaとVaの大きさと位相について考えるのに役立つものである。
インバータ94によって印加された電圧源170は、抵抗R171と、インダクタンスL172、無負荷誘導起電力173の直列回路に加わるものとなる。
例えば毎分3000回転で、回転ムラが無い状態で、第2の物体123が回転している場合には、無負荷誘導起電力173の電圧Eu(t)は、ちょうど図2のUに示したものとなり、U相にて電気パワーから機械パワーに変換させる仕事率としては、Iu(t)・Eu(t)となり、トルクについては、これを機械角速度で除したものである。
ここで、前述のように本実施の形態においては、トルク分配器139が、瞬時の各相の無負荷誘導起電力の自乗で分配することから、Iu(t)の値もまた歪みを持ったものとなる。
同様にしてIv(t)、Iw(t)を求めて、3相分のベクトル合成すると、回転電流ベクトルIaが求まる。
特に、本実施の形態においては、電流検知手段110を設けていることから、実際の電流の瞬時値が把握でき、これが上記のIu(t)、Iv(t)、Iw(t)値と等しくなるように、電流帰還制御をすることができることから、トルクの発生をかなり精度高く制御することが可能となる。
この場合、電圧に関しては、Vu(t)の値は、Eu(t)に、抵抗171とインダクタンス172の直列回路となる同期インピーダンスでの降下分を加えあわせたものとなり、これについてもかなりの歪みを有したものとなる。
同様に、Vv(t)とVw(t)についても同様に求めることができるので、これも3相分のベクトル合成を行うことにより、結果的に回転電圧ベクトルVaが求まる。
図6は、回転電流ベクトルIaの回転角について、回転子の回転の電気角との関係として示したグラフである。
上記のような計算により求められた回転電流ベクトルIaは、一定の速度で変化していくものではなく、電気角60度を周期として、変化の速度が変わるものとなっており、回転ムラを有するものとなっている。ちなみに、従来の技術においては、破線で示したような直線での変化となる。
図7は、同様に回転電圧ベクトルVaの回転角について、回転子の回転の電気角との関係として示したグラフである。
上記のような計算により求められた回転電圧ベクトルVaについても、一定の速度で変化していくものではなく、電気角60度を周期として、変化の速度が変わるものとなっており、回転ムラを有するものとなっている。
特に、回転電圧ベクトルVaの回転角に関しては、速度の変動が大きく、傾きが負すなわち逆方向に回転している期間も存在するほど、大きな回転ムラを持ったものとなっている。ちなみに、従来の技術においては、破線で示したような直線での変化となる。
一般に、位置検知手段130の分解能は有限であり、本実施の形態においても電気角60度の信号がホール素子131、132、133から直接得られる分解能ということになるが、その60度内を、直前の60度期間の所要時間を用いて、さらに細かく推定しているため、分解能はある程度高いものとなっている。
位置検知手段130の分解能が有限であることから、それによる制御が行われれば、回転電流ベクトルIaや回転電圧ベクトルVaは、不連続に動くことになるため、自然に回転ムラを有するものとなるが、本実施の形態においては、回転電流ベクトルIaと回転電圧ベクトルVaの回転角については、それ以上の回転ムラを与えたものとなっている。
図8は、回転電流ベクトルIaの絶対値の変化を示したもので、横軸は第2の物体123(回転子)の回転角を電気角で、0度から60度の範囲でしか示していないが、以降は図8に示した波形が繰り返されるものとなり、第1の物体119と第2の物体123の相対運動に対して、時間的にも周期的に変化するものとなる。
なお、破線で示しているのは従来の技術に相当するもので、同等の動力出力を得る場合のIaの絶対値は3.14Aの一定値であるが、その場合には図19に示したように発生トルクには変動が生ずるものとなる。
図9は、回転電圧ベクトルVaの絶対値の変化を示したもので、横軸は第2の物体123(回転子)の回転角を電気角で、0度から60度の範囲でしか示していないが、以降は図9に示した波形が繰り返されるものとなり、第1の物体119と第2の物体123の相対運動に対して、時間的にも周期的に変化するものとなる。
なお、破線で示しているのは従来の技術に相当するもので、同等の動力出力を得る場合のVaの絶対値は164Vの一定値であるが、その場合には図19に示したように発生トルクには変動が生ずるものとなる。
図10は、本実施の形態におけるトルクであり、第2の物体123(回転子)の回転角の電気角に関わらず、常に1Nmの一定値とすることができており、トルクリプル(トルク変動)がないため、それに起因する振動や騒音が極力抑えられたものとすることができる。
また、第2の物体123も含んだ慣性モーメントが小さい場合であっても、トルクリプルによる回転ムラが発生することもなく、安定した運転が可能となるものである。
図11は本実施の形態での電流位相角β、図12は本実施の形態の電圧位相角δをそれぞれ横軸に第2の物体123、すなわち回転子の位置を電気角で示しているものであるが、いずれに関しても、電気角で60度を周期として変動を与えたものとしている。
従来の技術における破線は、電流位相角βと電圧位相角δともに一定の値であり、かなりの差があることがわかる。
このように、本実施の形態においては、回転電流ベクトルIaと回転電圧ベクトルVaの両者に対して、回転角の変化に変化を加えた回転ムラを有するものとしたことに加え、両ベクトルの絶対値に関しても、変動するものとしたことにより、歪みを持った無負荷誘導起電力波形を有する条件においても、変動のほとんどないトルクを発生させることができるものとなっている。
ただし、これらの要素すべてに変動を加えることが絶対に必要なものでもなく、発生するトルクの変動が実用的に問題とならない範囲に抑えられるように、回転電流ベクトルIaと回転電圧ベクトルVaの一方に回転ムラを与えるようにして制御したり、絶対値の変動を行わないという構成についても、それによるトルク変動の効果が十分であれば用いることができるものであり、本発明の効果が十分得られたものとなる。
(実施の形態2)
図13は、本発明の第2の実施の形態における動力発生装置のブロック図を示すものである。本実施の形態においては、インバータ160が電流検知のための抵抗器を持たない簡単な構成とし、電圧コンバータ161についても現在の電流値を用いずに、設定された各相のトルク設定値Turef、Tvref、Twrefと、現在の回転角θ、および図5に示した抵抗171のR値、インダクタンス172のL値から決める構成としている。その他の構成については、前実施の形態と同等のものを用いているものとなっている。
ただし、インバータ160については、低電位側のスイッチング素子103、104、105のエミッタ端子を共通とした上で1本の電流検知用の抵抗を設け、過電流が発生した場合の保護などに使用してももちろんかまわない。
本実施の形態においても、PIアンプ140からは、速度ωの誤差増幅の出力として、必要なトルクの指令Trが出力され、これがトルク分配器139に入力される点は前実施の形態と同等である。
ただし、本実施の形態においては、電流検知手段が無い簡単な構成としているため、例えばU相であれば図5に示される把握できるEu(t)、R、Lの値から、Vu(t)の値は計算して求めるものとなる。
Iu(t)についても同時に求め出すことになるが、インダクタンス172のL値が大きい場合などには、どうしても誤差が発生するものとなるため、回転電流ベクトルIaの精度については、前実施の形態よりも若干劣るものとなる。
あらかじめ、回転電圧ベクトルVaに与える回転ムラを関数として、例えばε(θ)などとして持たせておいて、従来の技術のような電圧位相の回転角を求める際に、例えば、θ+δ+ε(θ)などとして、回転ムラ要素を出力させる構成もあり得る。
以上のような構成により、本実施の形態においても、電流検知手段無しという簡単で低コストの構成でありながら、歪みを持った無負荷誘導起電力を有する場合に、トルクリプルを抑え、低騒音、低振動が実現できる動力発生装置を実現することができるものとなる。
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、特に3相としてインバータ94、160、また電動機115の巻線116、117、118が構成されていることから、第1の物体119の構成が簡単なものとなり、また6つのスイッチング素子100、101、102、103、104、105で構成したインバータ94、160が比較的部品点数が少なく、簡単なものとすることができ、低コストのものとすることができるという特徴がある。
しかしながら、特に3相でインバータおよび巻線を構成することが必須となるものでもなく、例えば5相などであってもよい。
また、3相のインバータ94、130においては、周知のように3次高調波、6次高調波、…などのような3n次の高調波成分については、出力電圧として出力しても同相となって、線間電圧として作用しなくなることから、インバータ94、130の出力電圧をなるべく高くとれるように用いること、また2相変調を行うことなどについては、本発明のものに対しても行っても用いることができる。
電流に関しては、3n次に相当する高調波成分は、供給することができないものとなるが、本実施の形態においては、歪み関数発生器138の関数として、3n次高調波を含まないように設定していることから、矛盾が生ずることもほとんどなく、問題ない制御ができるというものである。
以上のように、本発明にかかる動力発生装置は、多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給することにより、無負荷の誘導起電力の波形の歪みが大きい場合でも、発生トルクの変動を抑えることができ、低騒音、低振動の動力発生装置の実現が可能となる。
本発明の実施の形態1における動力発生装置のブロック回路図 同、動力発生装置の各相の中性点からの無負荷誘導起電力波形図 同、動力発生装置の線間の無負荷誘導起電力波形図 同、動力発生装置の回転電流ベクトルおよび回転電圧ベクトルの説明図 同、動力発生装置の等価回路図 同、動力発生装置の回転電流ベクトルの電気角の変化グラフ 同、動力発生装置の回転電圧ベクトルの電気角の変化グラフ 同、動力発生装置の回転電流ベクトルの絶対値の変化グラフ 同、動力発生装置の回転電圧ベクトルの絶対値の変化グラフ 同、動力発生装置の発生トルク波形図 同、動力発生装置の電流位相角βの変化グラフ 同、動力発生装置の電圧位相角δの変化グラフ 本発明の実施の形態2における動力発生装置のブロック回路図 従来の技術における動力発生装置の制御ブロック図 同、動力発生装置の歪みがない場合の無負荷誘導起電力波形図 同、動力発生装置の回転電流ベクトルの変化グラフ 同、動力発生装置の回転電圧ベクトルの変化グラフ 同、動力発生装置の歪みがある場合の無負荷誘導起電力波形図 同、動力発生装置の無負荷誘導起電力波形に歪みがある場合の発生トルク波形図
符号の説明
94、160 インバータ
116、117、118 巻線
119 第1の物体
121、122 永久磁石
123 第2の物体

Claims (5)

  1. 多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電流ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給する動力発生装置。
  2. 回転電流ベクトルの絶対値は、第1の物体と第2の物体の相対運動に対して、時間とともに変化する請求項1記載の動力発生装置。
  3. 多相の巻線を有する第1の物体と、永久磁石を有し前記第1の物体と相対的に可動に設けた第2の物体と、前記巻線に電力を供給するインバータを有し、前記インバータは、前記第1の物体と前記第2の物体の相対運動に対して、時間とともに回転する回転電圧ベクトルの回転角を、回転ムラを有するように前記巻線に供給する動力発生装置。
  4. 回転電圧ベクトルの絶対値は、第1の物体と第2の物体の相対運動に対して、時間とともに変化する請求項3記載の動力発生装置。
  5. インバータは、発生トルクが各相の巻線の無負荷誘導起電力の瞬時値の自乗に比例するように配分する請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力発生装置。
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