JP2007191597A - 超低温度用非共沸冷媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温下で運転可能な超低温度用冷凍装置システムに適用できる非共沸混合冷媒。
【解決手段】 コンプレッサー1、凝縮器2、キャピラリー(絞り弁)5、蒸発器6からなる冷凍装置において、凝縮器からキャピラリーに至る冷媒と蒸発器からコンプレッサーに至る冷媒との間で熱交換する熱交換器4を備え、該熱交換器における、キャピラリーに至る冷媒の凝縮過程を液相線以下、コンプレッサーに至る冷媒の気化過程を気相線以上で作動するシステム構成とするため、
室温で冷凍装置を作動可能な高沸点冷媒とー50℃以下の低温度を達成する低沸点冷媒とを組み合わせてなる非共沸混合冷媒において、
低沸点冷媒としてのR−23、又はR−116に対し、高沸点冷媒としてのイソブタンをそれぞれ40〜60wt%又は50〜80wt%とした超低温用非共沸混合冷媒。
【選択図】 図1

Description

本発明は、−50℃以下の超低温用冷媒に関し、特に超低温度を達成するための低沸点の冷媒と室温環境で運転可能とするための特性を付与する高沸点冷媒とを組合わせて混合した非共沸冷媒に関する。
現在、冷凍装置用に用いられる冷媒について、オゾン層の破壊原因となるいわゆる特定フロンの使用が禁止され、また温室効果ガスとして影響の大きいフロン類の使用が制限されつつある。このため、これら特定フロン以外のフロンや炭化水素系の冷媒を用いるべく種々検討されているが、−50℃以下の超低温度を達成する冷凍装置用として使用可能な冷媒の種類には限りがある。
このため、2種以上の冷媒を用いてそれぞれ独立に作動する冷凍装置システムを組合わせたり、混合した2種以上の冷媒を多段階に気化させてその気化熱により目的とする超低温度を達成する低沸点の冷媒を凝縮させる、などの手法が試みられているが複雑な構造とならざるを得ない。
これに対して2種以上の冷媒を混合して目的とする特性に調整して単純な単一の凝縮・気化プロセスにより作動する冷凍装置システムに適用する手法もあるが、これらの混合冷媒の多くは非共沸特性を有するため、連続して安定な運転を継続することが困難である。
これらの非共沸特性は、圧力、温度の広い範囲にわたって液相と気相とが共存し、また温度・圧力の変化と共にこれら各相の組成が変化するなど、特有の性質を有するため、これらの冷凍装置に適用すると冷凍装置システム内のそれぞれの過程に相当する温度・圧力下でそれぞれに組成の異なる液相と気相とが共存する状態を生じる。
このため、エバポレータやコンプレッサーに至る過程で気液分離手段を設ける必要があり、また、その気液平衡条件も冷却対象や外気温の変化などの冷凍機の運転条件に応じた負荷によって変動するため、一層複雑な制御が必要とされるためその普及に到っていない。
特開平8−166172号公報 特開平6−317358号公報
これに対し、本発明者らは、目的とする低温度を達成するための、一般に低沸点となるほど臨界温度も低く、かつ高蒸気圧となる超低温度用冷媒に対して、
室温環境で凝縮可能な高沸点、かつ低蒸気圧の冷媒を組合せた非共沸冷媒を使用し、
冷凍装置システムの構成を、
冷凍庫(エバポレータ)からコンプレッサーに送られる高沸点冷媒の凝縮相を含む低温度冷媒とコンデンサーを経てキャピラリなどの絞り弁に向かう低沸点冷媒の気相を含む高温度の冷媒との間で熱交換し、
この熱交換によって、絞り弁に向かう冷媒中の気相状態にある低沸点冷媒を凝縮させると共に、コンプレッサーに向かう冷媒中の高沸点冷媒を気化することにより、
非共沸冷媒の絞り弁に向かう冷媒をその圧力下での液相線以下、
コンプレッサーに向かう冷媒をその圧力下で気相線以上の温度となる条件を実現し、これら非共沸冷媒の特性を利用して気液分離手段を必要とせず、共沸冷媒と同様の安定した運転を可能とした。
WO2004/051155号公報
このシステムによれば、超低温度を実現する低沸点冷媒と室温環境下で凝縮可能な冷媒とを混合して非共沸特性を呈する冷媒により、室温環境下で単純な一元単段式冷凍装置システムにより、超低温度が達成可能となるのであって、コンプレッサーとして実用可能な圧力範囲で運転できるように圧力条件を考慮して、冷媒の特性、組成を選択すればよい。
また、本発明者らは先に目的とする超低温度を達成する冷媒としてR−23(トリフルオロメタン:CHF3)及びR−116(パーフルオロエタン:C26) を選び、これに対して室温環境下で凝縮可能な高沸点冷媒としてノルマルブタンを組合わせた非共沸混合冷媒を提案した。
特開2001−99498号公報 WO1999/064536号公報
R−23及びR−116は、いわゆるフロンであるが、塩素を含まないことからオゾン層を破壊することなく、温暖化係数が高いためフロン回収破壊法の対象となって回収義務が課せられているものの使用可能なガスであり、表1にも示すように−50℃以下の超低温度を達成するために優れた特性を発揮する。
これらと組合わせるノルマルブタンは、表−1に示すように標準沸点が室温近傍にあり、冷媒を凝縮させる圧力下では室温で容易に凝縮する。更に、ノルマルブタンは、その蒸気圧が極めて低く、低沸点冷媒と組合わせることによって混合冷媒の蒸気圧を低下させることが期待できるためであった。
特に、R−116及びR−23とがいずれも蒸気圧が非常に高いため、いずれにせよその凝縮過程ではコンプレッサーの実用限界を超える圧力となることが予想されることか
ら、混合冷媒の蒸気圧を低下させなければ実用化は望めないため、この蒸気圧を低減することは重要である。
非共沸混合冷媒として上記冷凍システムに適用するためには、室温20℃以上という温度条件と1.数MPa 以下という実用可能なコンプレッサーの吐出圧条件下でこの冷凍システムを稼動するに充分な熱量を大気中に放出して高沸点成分のリッチな凝縮相を形成しなければならないのであって、この高沸点成分のリッチな凝縮相はその後のエバポレータを経由した圧力下でも残存して熱交換においてその気化により、1.数MPaの圧力下にある低沸点成分のリッチな気相を完全に凝縮することが必要である。
ノルマルブタンは、上記の冷凍システムに適合するものとして、その標準沸点はマイナスであるが室温に近く、混合冷媒としてその低沸点成分由来の高い蒸気圧に対してコンプレッサーの実用限界近傍の吐出圧力でシステムを稼動するものであった。
ところで、ノルマルブタンは、上記のような観点から採用したものであるが、一般に市販されているガスとしては燃料用などを含め、ブタンの異性体であるイソブタンが一般的であり、冷媒調達の便宜上もコスト上も有利である。 しかしながら両者は化学式は同じであるが、異性体としての化学構造の相違から、イソブタンの標準沸点は表−1に示すようにノルマルブタンに比して約11℃も低く、それに連れて臨界温度も約18℃低いうえ、蒸気圧もまた約2倍の0.22MPaである。
このため、これら非共沸混合系冷媒の特性は、成分組成の算術和として予測できないこと、ノルマルブタンについては上記したとおり標準沸点が室温近傍とはいえ、マイナスであって余裕のあるものではないから、ノルマルブタンを用いた結果からイソブタンの採否は判断できない。
Figure 2007191597
解決しようとする問題点は、−50℃以下の超低温度を達成する冷媒であるR−23及びR−116を用いて上記冷凍システムの室温環境下での運転を可能とする冷媒として、ノルマルブタンに替わって広く市販されているイソブタンとの組合せを検討し、上記冷凍装置システムの室温環境下での運転を可能とする冷媒の特性と組成条件を解明する。
本発明は、コンプレッサー、凝縮器、キャピラリー(絞り弁)、及び蒸発器からなる冷凍装置において、凝縮器からキャピラリーに至る冷媒と蒸発器からコンプレッサーに至る冷媒との間で熱交換を行い、
該熱交換によって、キャピラリーに至る冷媒の凝縮過程を冷媒状態図の液相線以下、コンプレッサーに至る冷媒の気化過程を気相線以上で作動するシステム構成とするため、
室温で冷凍装置を作動可能な高沸点冷媒とー50℃以下の低温度を達成する低沸点冷媒とを組み合わせてなる非共沸混合冷媒において、
低沸点冷媒としてのR−23に対し、高沸点冷媒としてのイソブタンを40〜60wt%としてなることを特徴とする、超低温用非共沸混合冷媒であり、
また、上記冷凍装置のシステム構成に適用する超低温用非共沸混合冷媒として、
低沸点冷媒としてのR−116に対し、高沸点冷媒としてのイソブタンを50〜80wt%としたことを特徴とする、
超低温用非共沸混合冷媒である。
本発明の冷媒は、上記の冷凍装置システムに適用して、室温環境下において−50℃以下の超低温度を容易に且つ安定して達成することができる。
本発明においては、R−23及びR−116に対して、室温で使用可能な特性を付与する冷媒としてイソブタンを加えた非共沸混合冷媒を調整し、上記した熱交換器を備えた超低温度用冷凍システムに適用して、室温以上の温度環境とコンプレッサーの吐出圧力の能力範囲で稼動するための条件を検証し、
超低温度用非共沸混合冷媒としての特性を確認した。
実機運転に使用した冷凍装置システムの構成模式図を図1に示す。これらのシステム構成は、上記した本発明者らによる先行出願の発明におけるものと基本的に変わらない。
コンプレッサー1で圧縮された冷媒は、ファン3によって冷却される凝縮器(コンデンサー)2、ドライヤー20、熱交換器4、キャピラリーチューブ(絞り弁)5を経て断熱材で囲まれた冷凍庫7の蒸発器6に送られ、再び熱交換器4を経てコンプレッサーに送られる。
図中、10、11、12、15、16及び17は、温度センサー及び圧力計などの配置を示す。 それぞれ、10はコンプレッサー吐出圧力及び温度、11及び12は高圧側冷媒の熱交換器入口及び出口の温度、15は冷凍庫温度、16,17はエバポレーターから出た低圧冷媒の温度を測定した。
実験条件:
冷凍装置:リーペヘル社製(ドイツ:形式名GS-360)
冷凍庫内容積: 300リットル
外気温:27.3〜32.5℃
充填冷媒総量(標準装備):165g
熱交換は、コンデンサーからキャピラリーに至る高圧の冷媒とエバポレーターからコンプレッサーに至る低圧の冷媒間で行い、それぞれの冷媒の通る銅管をロウ付けによりサイド・バイ・サイドで結合した約2mのものを使用した。
この構造の熱交換器は、従来より冷凍装置における凝縮効率を向上するため小規模のものが使用されているが、本発明においては上記冷凍システムの熱交換条件を達成するため約2mとして使用した。
なお、コンプレッサー圧力は、ゲージ圧である。
以上のシステム構成により、R−23及びとR−116に対してイソブタンを加えた非共沸混合冷媒の特性を確認した。これらの非共沸混合冷媒の特性を確認するため、まずイソブタン単体の冷媒により実機運転を行い、そのデータに基づいてR−23及びR−116との非共沸混合冷媒の特性を確認する。
なお、R−23及びR−116はそれぞれ臨界温度25.9℃及び19.7℃であって、冷媒の特性上室温環境下では使用できないので、イソブタンを冷媒として冷凍装置を運転し、順次これらの低沸点冷媒を添加・増量して混合冷媒としての特性を確認した。
(1)上記冷凍装置システムによるイソブタン単体冷媒の特性。
イソブタン充填量と実機運転による結果を表−2及び図−2に示す。
なお、表中コンプレッサー圧力の「高圧」はコンプレッサー吐出圧、「低圧」はコンプレッサー吸入口における圧力で、「−」は大気圧よりも低いゲージ圧となっていることを示す(以下、各表において同じ。)。
また、コンプレッサー入口温度は、熱交換器を経てコンプレッサーに吸引される冷媒配管の温度で測定しているため、コンプレッサーからの熱伝導により若干温度が上昇しており、配管内を通る冷媒の温度よりも数℃以上高めと考えられる。さらに、キャピラリー入口温度も熱交換器を経てキャピラリー(絞り弁)に送られる冷媒の通る配管の温度であるため、熱交換器とキャピラリーの双方からの伝熱の影響があるが、熱交換器からの影響が大きく、冷媒温度よりも若干高めに表れると思われる。
Figure 2007191597
図−2において、充填量40g近傍で庫内温度−30℃でほぼ一定となり、圧力も吐出圧(高圧)及びコンプレッサー吸引側(低圧)側共に安定した状態となる。このことから、実機運転における最低充填容量は、ほぼ40g以上とみられるが、コンプレッサー吸引側で負圧となり、イソブタンの標準沸点−11.7℃よりも低い庫内温度を達成している。
イソブタンの充填量がさらに増加して、120gを越えると却って庫内温度が上昇し、同時にコンプレッサー吐出圧の低下と吸入圧の上昇が連動する。
このとき、備考に摘記したように熱交換器の著しい温度低下を生じており、エバポレータで気化しきれない状態となって、コンプレッサー吸入側で気化して吸入圧の上昇を生じ、またコンデンサーでの凝縮促進のため吐出圧が低下するものと思われる。
これらの結果から、実機運転の条件において、最低充填容量40gであって、充填量120gで冷却能力上充填量が飽和、すなわち冷却能力に余裕が生じると考えられる。
以上の結果から、R−23の凝縮にはこの余剰の冷却能力を利用するため、イソブタン100gからR−23との混合比率を確認する。
(2)R−23とイソブタンとの非共沸混合冷媒の特性
そこで、イソブタン充填量100gを基準として、R−23を10g刻みで添加した効果を表−3に示す。
Figure 2007191597
これらの結果を図−3に示す。
R−23の添加による効果は、添加量増加と共に表れ、R-23:30wt%近傍で−65℃に達し、ほぼ−65℃近傍で一定となる。
それ以上は充填量の増加に伴なって、60%近傍まで庫内温度など温度条件はほぼ一定であるが、圧力が若干上昇気味であり、特に低圧側の圧力上昇が見られるのは、冷媒充填量の増加によるものと考えられ、冷凍システムは稼動するが、R−23充填量を増す効果はほぼ飽和し、他方イソブタンの冷却能力の不足があると考えられる。
なお、これらの現象と共にコンプレッサーの吐出圧力の上昇と熱交換後のキャピラリ入口温度の低下が見られ、R−23の増加により凝縮温度の低下とその凝縮のための圧力上昇が連動していることがわかる。
そこでこれらの混合冷媒の冷却効果は、室温環境で凝縮するイソブタンの熱交換作用によることから、イソブタンの冷却効果を確認するため、R−23含有量を最大限の150g一定とし、さらにイソブタンの含有量を100g以上で増加してその効果を確認した。その条件及び結果を表−4及び図−4に示す。
Figure 2007191597
図−4に示すとおり、イソブタンの増加は庫内温度を低下するがその効果は小さく、むしろ熱交換によるコンプレッサー入口温度、キャピラリー入口温度の低下が著しい。
すなわち、イソブタンの冷却容量は充分にあるが、庫内温度を低下させる低沸点冷媒であるR−23の凝縮に活かされないこと、総充填量から見ても限界である、ということができる。
そこで、この非共沸冷媒の能力を見極めるため、イソブタン含有量を先に最低庫内温度となった60wt%として、最適総充填量を確認した。
その結果を表−5及び図−5に示す。
Figure 2007191597
表−5及び図−5から、イソブタン60wt%近傍で最も低い庫内温度を達成でき、また総充填量にはかなりの許容幅があることから、これらの条件を実機の容量に合わせる上で有利であることがわかる。
以上の結果から、R−23とイソブタンの非共沸混合冷媒は、上記の冷凍システムに適しており、広い組成範囲においてこの冷凍装置システムを稼動可能であることがわかる。
実機運転であるため、個別の装置固有の性能や熱交換器の能力、冷媒充填量などにより左右されるが、上記の結果から一般的に好適な組成範囲は、R−23に対してイソブタンは広い比率の組成範囲で適用可能であって、超低温度用冷媒としてイソブタン40wt%からほぼ80wt%までが実用範囲と考えられる。
又、以上の実験結果から、R−23・イソブタン系非共沸冷媒の特性は、先に確認されたR−23・ノルマルブタン系非共沸冷媒と比較してなんら遜色はなく、意外なことに前述した標準沸点がノルマルブタンより低く、蒸気圧が高いことによる支障はなく、むしろ沸点の低いことが冷却効果において有利に作用していることがわかった。
(3)R−116とイソブタンとの非共沸混合冷媒の特性
R−116に対するイソブタン添加の効果を確認するため、イソブタン(100g)に対してR−116を10g刻みで順次添加した結果を表−6及び図−6に示す。
Figure 2007191597
図から明らかなように、R−116とイソブタンの組み合わせにおいても、R−23とイソブタンとの混合冷媒とほぼ同様な傾向を有するが、コンプレッサー吐出圧は、R−23の場合に比較してR−116ではかなり低い。
庫内温度は、R−116が20wt%(充填量:130g)近傍でー60℃近傍に達し、R−116が50wt%(充填量:200g)、庫内温度−65℃程度まで安定して低下するが、それ以上では不安定となり、庫内温度低下効果も飽和する傾向にある。
そこで、イソブタン130gにR−116を漸次増量して加えて実験した結果を表−7及び図7に示す。
Figure 2007191597
図−7に示すように、R−116:10wt%から増加するに従って庫内温度が低下し、
その効果が表れるが、30wt%近傍で(イソブタン70wt%)のその効果が低下し、むしろR−116の増量に伴なう吐出圧の上昇とこれに対するキャピラリー入口温度の低下などからイソブタン:70wt%近傍でイソブタンによる冷却効果は飽和しているものと考えられる。
そこで、イソブタンの冷却容量を若干見込んでR-116:30wt%(イソブタン70wt%)とした冷媒の総充填量の変化と効果を以下に確認した。(表−8及び図−8)
Figure 2007191597
表−8及び図−8から、冷媒総充填量の140g以上の増加は、あまり庫内温度降下に寄与していない。むしろ、R−116との組み合わせにおいては、コンプレッサーの吐出圧を低く抑制することに特徴が見られる。
一方、冷媒の総充填量と庫内温度との関係では、これらのほぼ全域においてフラットな特性を有しており、図−6に表されるイソブタン50〜80wt%の範囲において幅広く安定した冷媒特性を発揮し、安定して−50℃以下の超低温度を維持できる事と相俟って、冷媒として優れた特性を有することが解る。
以上から、R−116とイソブタン混合冷媒においては、上記の冷凍システムに適用するイソブタン含有量の実用範囲は、50〜80wt%ということができる。
また、R−116とイソブタン系非共沸混合冷媒においても、室温環境で稼動する上でイソブタンの低沸点沸点及び高い蒸気圧による支障は見られず、ノルマルブタンに劣らない優れた添加成分であることがわかった。
本発明の非共沸混合冷媒は、上記した室温環境下で運転可能な単純なシステムからなる冷凍装置によって容易に−50℃以下の超低温度を達成することができ、医療用や食品用を始めとする多くの用途に対して実用的な冷凍装置を提供することができる。
これらの用途は、バイオ医療を始めとして著しい発展を遂げており、これらの需要に対して容易に且つ適切に応えることができる。
本発明を適用する冷凍装置システム模式図。 イソブタン単体による冷媒の特性。 イソブタン100gに対するR−23添加の効果。 R−23:150gに対するイソブタン添加量を120〜160gに増加した効果。 イソブタン:60wt%R−23系混合冷媒の充填量と冷却効果。 イソブタン100gに対してR-116を添加した効果。 イソブタン:130gに対してR−116を添加した効果。 イソブタン:70wt%R−116系混合冷媒の充填量と冷却効果。
符号の説明
1 コンプレッサー
2 凝縮器(コンデンサー)
3 ファン
4 熱交換器
5 キャピラリーチュ
6 蒸発器(エバポレーター)
7 冷凍庫
10 温度、圧力センサー
11、12、15、16、17 温度センサー
20 ドライヤー

Claims (2)

  1. コンプレッサー、凝縮器、キャピラリー(絞り弁)、及び蒸発器からなる冷凍装置において、凝縮器からキャピラリーに至る冷媒と蒸発器からコンプレッサーにいたる冷媒との間で該熱交換を行い、
    該熱交換によって、キャピラリーに至る冷媒の凝縮過程を冷媒状態図の液相線以下、コンプレッサーに至る冷媒の気化過程を気相線以上で作動するシステム構成とするための、室温で冷凍装置を作動可能な高沸点冷媒とー50℃以下の低温度を達成する低沸点冷媒とを組み合わせてなる非共沸混合冷媒において、
    低沸点冷媒としてのR−23に対し、高沸点冷媒としてのイソブタン含有量を40〜60wt%としたことを特徴とする、
    超低温用非共沸混合冷媒。
  2. コンプレッサー、凝縮器、キャピラリー(絞り弁)、及び蒸発器からなる冷凍装置において、凝縮器からキャピラリーに至る冷媒と蒸発器からコンプレッサーにいたる冷媒との間で該熱交換を行い、
    該熱交換によって、キャピラリーに至る冷媒の凝縮過程を冷媒状態図の液相線以下、コンプレッサーに至る冷媒の気化過程を気相線以上で作動するシステム構成とするための、室温で冷凍装置を作動可能な高沸点冷媒とー50℃以下の低温度を達成する低沸点冷媒とを組み合わせてなる非共沸混合冷媒において、
    低沸点冷媒としてのR−116に対し、高沸点冷媒としてのイソブタン含有量を50〜80wt%としたことを特徴とする、
    超低温用非共沸混合冷媒。


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