JP2007191336A - セメント混和材、遠心力成形用仕上げ材、及び遠心力成形コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スルホコハク酸塩、カルシウムアルミネート、石膏類、及び凝結調節剤を含有してなるセメント混和材、セメントと該セメント混和材を含有してなるセメント組成物、細骨材を含有してなる該セメント組成物、セメント、スルホコハク酸塩、カルシウムアルミネート、石膏類、及び凝結調節剤を含有してなるセメント組成物、該セメント組成物からなる遠心力成形用仕上げ材、該遠心力成形用仕上げ材と練り水とを投入してなる遠心力成形コンクリート製品の製造方法、並びに、その遠心力成形コンクリート製品を構成とする。
【選択図】 なし
Description
遠心力成形する工程で、コンクリート中の水は遠心力によって脱水し、管の内側にはセメントや細骨材等の微粉末と水の混合物(以下、スラッジという)が発生する。
このスラッジは強アルカリ性であるため、公害防止の面から、そのまま工場外に排出することができず、多くの時間と費用を掛けて、固形分処理や排水中和処理等を行っている。
例えば、凝結促進剤と非(陰)イオン界面活性剤とにより、遠心力成形で生ずるスラッジ中の固形分をコンクリート内面に凝結させ、スラッジから水を分離し、コンクリート内面のコテ仕上げを容易にし、かつ、平滑にする方法(特許文献1参照)、アルカリ性で水溶性となるカルボキシル基を有する高分子を、酸性の水溶液中に微粒子状に分散させた液を、遠心力成形中のセメント製品の仕上げ層に添加する方法(特許文献2参照)、スラッジの発生を低減又は防止する遠心力成形方法により遠心力成形した後、遠心力成形体内面に形成された柔らかいペースト又はモルタル層の表面に、急硬性成分のスラリー、吸水性物質を、回転させながら投入して硬化させ、平均厚さ0.2〜10mmのライニング層を形成する内面仕上げ方法(特許文献3〜特許文献5参照)等が知られている。しかしながら、経済性の面から、さらにスラッジの発生を低減することが求められている。
本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
コハク酸塩は、セメント、カルシウムアルミネート、及び石膏類からなる結合材100部に対して、固形分換算で0.1〜5部が好ましく、0.3〜3部がより好ましい。0.1部未満ではスラッジ発生低減効果が得られない場合があり、5部を超えても増量の効果が期待できない場合がある。
CAの粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で3,000〜9,000cm2/gが好ましく、4,000〜8,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では初期強度発現性が充分でない場合があり、9,000cm2/gを超えると流動性や可使時間の確保が困難になる場合がある。
CAの使用量は、結合材100部中、1.5〜20部が好ましく、3〜15部がより好ましい。1.5部未満では仕上げ時間が長くなり、製造効率が悪くなる場合があり、20部を超えると内面の硬化が速くなり、遠心力成形体内面に波が生じる場合がある。
石膏類の粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン値で3,000〜9,000cm2/gが好ましく、4,000〜8,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では寸法安定性が悪くなる場合があり、9,000cm2/gを超えると流動性の確保が困難になる場合がある。
石膏類の使用量は、結合材100部中、1〜20部が好ましく、5〜15部がより好ましい。1部未満では内面の硬化が速く、遠心力成形体内面に波が生じる場合があり、20部を超えると仕上げ時間が長くなり、スラッジが多くなる場合がある。
凝結調節剤の使用量は特に限定されるものではないが、通常、結合材100部に対して、0.2〜3.0部が好ましく、0.5〜2.5部がより好ましい。0.2部未満では可使時間の確保が困難な場合があり、3.0部を超えると強度発現性が悪くなる場合がある。
本発明の遠心力成形用仕上げ材で使用する細骨材は、通常のモルタルやコンクリートに使用できるものが挙げられ特に限定されるものではないが、通常、珪砂が使用される。
遠心力成形用仕上げ材に使用する細骨材の使用量は、結合材100部に対して、50〜300部が好ましく、100〜200部がより好ましい。50部未満では仕上げ時間が長くなり、製造効率が悪くなる場合があり、300部を超えると流動性が悪くなり、遠心力成形体内面に波が生じる場合がある。
スラッジは遠心力成形時に発生するもので、固形分が30%未満であればそのまま使用可能であり、固形分が30%以上の場合は、固形分が30%未満になるよう水で薄めて使用することが可能である。
練り水の使用量は特に限定されるものではないが、結合材100部に対して、30〜50部程度が好ましい。
各材料の単位量を、セメントは450kg/m3、水は170kg/m3、細骨材Aは612kg/m3、粗骨材は1,145kg/m3、及び減水剤は2.7kg/m3で、スランプ8cm、s/a35%、及びW/C37.8%のコンクリート配合を用い、容量50リットルの遊星型強制練りミキサで3分間練混ぜ、30リットル分のコンクリートを作製した。測定したフロー値を表1に併記する。
作製したコンクリートを、直径20cm×長さ30cm×厚さ5cmの遠心力成形用型枠に厚さ4cmになるよう投入し、遠心力の低速G2.5で5分、中速G10で2分、高速G30で7分の三段階の遠心力成形条件でコンクリート管を成形した。
その後、セメント80部、CA10部、及び石膏類10部と、セメント、CA、及び石膏類からなる結合材100部に対して、固形分換算で表1に示すコハク酸塩Aと、凝結調節剤0.7部と、細骨材B150部と、水45部とを配合し、2リットル練りのモルタルミキサーを使用し練り混ぜ、モルタルを調製した。
調製したモルタルを、低速G2.5で、内層が6mm厚になるように投入し、モルタルが管内に張り付き伸びたのを確認後、高速G30で10分の条件で遠心力成形コンクリート製品の内面仕上げを実施した。成形後、発生したスラッジの量を測定した。
養生は、前置き5時間、昇温20℃/時間、65℃×5時間保持以後自然降温とした。
なお、比較として、セメント100部、細骨材B150部、及び水45部を混合してプレーンモルタルを調製し、同様に内層を成形した。
モルタルの硬化時間と、成形したコンクリート管の曲げ強度(外圧強度)を測定し、プレーンモルタルのスラッジ固形分と外圧強度から、スラッジ固形分比率と外圧強度比を算出した。結果を表1に併記する。なお、特記しない限り、実験は、温度20℃で行った。
セメント :普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製、比重3.15
細骨材A :新潟県姫川水系産天然砂、比重2.62
細骨材B :珪砂、N40 20部、N50 40部、及びN60 40部の混合品
粗骨材 :新潟県姫川水系産砕石、骨材寸法5〜20mm、比重2.64
減水剤 :ナフタレン系減水剤、市販品
コハク酸塩A:スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、東邦化学工業社製商品名「コハクール L−40」、固形分26%
CA :12CaO・7Al2O3組成の非晶質、ブレーン値5,800cm2/g
石膏類 :無水石膏、市販品、ブレーン値4,000cm2/g
凝結調節剤:試薬1級のクエン酸35部と試薬1級の炭酸カリウム65部の混合物
水 :水道水又は固形分25%のスラッジ中の水
スランプ :JIS A 1101に準じて測定
フロー値 :JIS R 5202に準じて測定
硬化時間 :180ccの容器にモルタルを入れ、そこに熱電対を挿入し水和熱を測定し、その温度が練り上がり温度より4℃昇温した時点を硬化と判断
スラッジ固形分比率:100℃の乾燥機を用いて水分を乾燥した後、計量器で乾燥重量を測定
、プレーンモルタルのスラッジ固形分から、スラッジ固形分比率を算出
外圧強度比:外圧強度試験、製管した、直径20×長さ30cm×厚さ4.6cmの試験体を、材齢14日にマルイ製作所社製商品名「HI-TRITRON(3000KN)圧縮試験機」を使用し、管軸方向に対して直角に上下から載荷して測定、プレーンモルタルの外圧強度から外圧強度比を算出
表2に示すコハク酸塩Bを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
コハク酸塩B:ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、東邦化学工業社製商品名「コハクール L−300」、固形分30%
表3に示すコハク酸塩Cを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
コハク酸塩C:ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、東邦化学工業社製商品名「コハクール L−400」、固形分28%
表4に示すコハク酸塩Dを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
コハク酸塩D:スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、東邦化学工業社製商品名「エアロール CT−1P」、固形分70%
表5に示すコハク酸塩Eを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
コハク酸塩E:コハク酸塩Cとコハク酸塩Dの等量混合物、固形分49%
表6に示すセメント、カルシウムアルミネート、及び石膏類と、結合材100部に対して、コハク酸塩Aを固形分換算で0.5部、凝結調節剤を0.7部、細骨材Bを150部、及び水を45部配合してモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に併記する。
表7に示すセメント、カルシウムアルミネート、及び石膏類と、結合材100部に対して、コハク酸塩Aを固形分換算で0.5部、凝結調節剤を0.7部、細骨材Bを150部、及び水を45部配合してモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表7に併記する。
セメント80部、CA10部、及び石膏類10部と、結合材100部に対して、コハク酸塩Aを固形分換算で0.5部、表8に示す凝結調節剤、細骨材Bを150部、及び水を45部配合してモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表8に併記する
セメント80部、CA10部、及び石膏類10部と、結合材100部に対して、コハク酸塩Aを固形分換算で0.5部、凝結調節剤を0.7部、表9に示す細骨材Bを150部、及び水を45部配合してモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表9に併記する
Claims (7)
- スルホコハク酸塩、カルシウムアルミネート、石膏類、及び凝結調節剤を含有してなるセメント混和材。
- セメントと請求項1に記載のセメント混和材とを含有してなるセメント組成物。
- さらに、細骨材を含有してなる請求項2に記載のセメント組成物。
- セメント、スルホコハク酸塩、カルシウムアルミネート、石膏類、及び凝結調節剤を含有してなるセメント組成物。
- 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のセメント組成物からなる遠心力成形用仕上げ材。
- コンクリートで遠心力成形した後、その内側に、請求項5に記載の遠心力成形用仕上げ材と練り水とを投入し、遠心力成形する遠心力成形コンクリート製品の製造方法。
- 請求項6に記載の遠心力成形コンクリート製品の製造方法で製造された遠心力成形コンクリート製品。
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JP2006009786A JP2007191336A (ja) | 2006-01-18 | 2006-01-18 | セメント混和材、遠心力成形用仕上げ材、及び遠心力成形コンクリート製品の製造方法 |
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2006
- 2006-01-18 JP JP2006009786A patent/JP2007191336A/ja active Pending
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