<生ゴミ処理装置の概要>
図1及び図2は、実施形態としての乾燥式の生ゴミ処理装置1の説明図である。図1は生ゴミ処理装置1の設置例を示す斜視図であり、図2は生ゴミ処理装置1の設置例を示す断面図である。図1及び図2に示す乾燥式の生ゴミ処理装置1は、厨芥物処理装置の一例を構成するものであり、流し台2を構成するシンク2a下のキャビネット2bの内部に設置された状態で使用される。キャビネット2bの扉2cには、キャビネット2b外の空気をキャビネット2b内に吸込むための吸気口の一例として、ガラリ2eが設けられている。また、蹴込み部2dには、キャビネット2b外の空気をキャビネット2b内に吸込むための吸気口の一例として、吸気口2fが設けられている。
ここで生ゴミ処理装置1はキャビネット2b内で、例えば蹴込み部2dに応じた高さに設けられた設置板2h上に設置されている。設置板2hの下方には矢印Bに示す吸気経路が形成される。また、この吸気経路を通じて吸気口2fと連通し、吸気経路と設置板2hの上方を連通する通風口2gが設けられる。
ガラリ2e、吸気口2f及び通風口2gは、矢印A及び矢印Bに示すように、キャビネット2bの外部からキャビネット2bの内部に空気を吸込み、生ゴミ処理装置1内に空気を取り入れて、装置内部で生ゴミを粉砕し乾燥して乾燥粒状体にするために設けられている。生ゴミ処理装置1での吸気動作についての詳細については、後述する。ガラリ2e、吸気口2f及び通風口2gには、例えばホコリや虫の進入を防止するため、着脱自在なフィルタが備えられる。
図1及び図2に示す生ゴミ処理装置1が設置される流し台2においては、扉2cのガラリ2e、及び蹴込み部2dの吸気口2fと通風口2gがそれぞれ設けられる例を示した。しかし、キャビネット2b内に吸込まれる風量に応じて、ガラリ2e若しくは、吸気口2fと通風口2gのどちらかを設けるとしてもよい。
図3は、生ゴミ処理装置1の構成例を示す断面図である。図3に示す生ゴミ処理装置1は、台所や食器洗い場で生じた野菜屑や、パンくず、鶏卵殻(以下生ゴミ7という)等を収容し粉砕、及び乾燥して乾燥粒状体に処理するようになされる。なお、生ゴミ処理装置1の内部構成を明確にするため、一部を断面図で示している。
生ゴミ処理装置1は、生ゴミ投入装置3と生ゴミ破砕乾燥装置4を備えて構成される。生ゴミ投入装置3は、生ゴミ7を収集して水を切り、生ゴミ破砕乾燥装置4に投入する機能を有している。生ゴミ投入装置3は、例えば、上部ユニット5や、排水口8,25、投入開口部9、蓋体11、上部ロック機構12、フィルタ26等から構成されている(図4参照)。上部ロック機構12には、図4に示す如く係合部の一例となる係止爪16が設けられ、この係止爪16で蓋体11をロックする。
生ゴミ破砕乾燥装置4は破砕装置の一例を構成し、生ゴミ投入装置3から投入された生ゴミ7を破砕して乾燥させる機能を有している。生ゴミ破砕乾燥装置4は、例えば、下部ユニット6や、蓋密閉構造20、底蓋22、撹拌構造40、処理容器42、撹拌翼44、カバーユニット58、破砕部62等を有して構成される。これらの機能について以下に説明をする。
<上部ユニットの構成>
図4は、上部ユニット5、蓋体11及び目皿95の組立例を示す斜視図である。図4に示す上部ユニット5(バスケットトップ)は筒体の一例を構成し、蓋体11が係合される投入開口部9及び蓋体11をロックする上部ロック機構12を有している。
上部ユニット5は、例えば、シンク2aの水等を排水する排水路94と、生ゴミの投入開口部9を備えている。排水路94は本例では投入開口部9の外側に形成され、排水口8に向かって下降する傾斜の斜面8b(図8参照)を備え、シンク2aの水が斜面8bにより排水口8の流入口8cに流れ込む構成となされている。排水路94の上部には、所定形状の目皿95が取付けられる。
投入開口部9には、取手付きの蓋体11が係合される。蓋体11の側面には、被係合部の一例を構成する第1の係止溝11aが所定の位置に設けられ、この係止溝11aの上部には第2の係止溝11bが設けられている。係止溝11bには更に突起部の一例を構成するリブ11cが設けられる。係止溝11aには投入開口部9の内壁に設けられた所定形状の突起部(後述するリブ10a)が係合される。
係止溝11bには上部ロック機構12の所定の形状を有した係止爪16が係合される。上述のリブ11cは、ユーザが、上蓋ロック時、蓋体11を回すことにより、上部ロック機構12の係止爪16を回転するように機能する。なお、蓋体11の側面で係止溝11bの上部にはパッキン11dが取付けられ、投入開口部9に装着された蓋体1に関して、投入開口部9内への水の浸入を阻止するようになされる。
蓋体11には更に、1組のマグネット18a及び18bが備えられる。マグネット18a及び18bは、例えば、蓋体11の内壁の所定の位置に90°の角度を隔てて配置され、蓋体11の回転位置を検出する際に利用される。マグネット18a及び18bは、例えば、蓋体11の側面に部品配置用の凹状の溝部が形成され、この溝部に接着するように形成される。これにより、蓋体11が投入開口部9に対して挿入離脱可能になされる。
<蓋ロック防水構造>
図5は、投入開口部9から見た上部ユニット5の構成例を示す上面図である。図5に示す上部ユニット5の投入開口部9は円形に開口され、蓋体着脱部10を備えている。蓋体着脱部10は、図4に示した蓋体11が着脱できるように設けられ、投入開口部9の所定の内壁位置には、リブ10aが設けられ、蓋体11に形成された係止溝11aに嵌る構造となされている。蓋体11を所定の向きで投入開口部9に嵌め、所定量回転させると、蓋体11の係止溝11aが蓋体着脱部10のリブ10aと係止され、蓋体11が上方に抜けない構造となされている。
この例で、上部ユニット5は蓋ロック防水構造90を有している。上部ユニット5は、排水路94を有している。排水路94は、上部ユニット5の投入開口部9の周囲に設けられ、所定の勾配部8bを有している(図8参照)。排水路94の最上流位置には、上蓋ロック機構12が設けられ、蓋体11をロックするようになされる。
図6は、上部ユニット5における蓋ロック防水構造90の組立例を示す斜視図である。図6に示す蓋ロック防水構造90によれば、上蓋ロック機構12の係止爪16が排水路94の最上流位置に設けられ、係止爪16の周囲には所定形状の防水壁94aが設けられる。係止爪16の凸状の係合部16aは、排水路94の最上流位置における上部ユニット5の投入開口部9の一部を切り欠いた切欠き部94cを介して蓋体11の係止溝11bに係合される。切欠き部94cは、排水路94の最上流位置において、当該排水路94側に入り込んだ末広がり状の防水壁94bを有している。防水壁94bと係止爪16の側面とは、その隙間が摺り合わされている。これは水の浸入を防ぐためである。
図7は、上部ユニット5における目皿95の取付け例を示す上面図である。図7に示す目皿95は、上蓋ロック機構12を含む排水路94に沿って環状に覆うように取付けられる。目皿95は、例えば、排水路94に水を通すための孔部95aと、水を通さない非孔部95bとを有しており、非孔部95bは、上蓋ロック機構12の上部領域を覆う位置に設定されてなる。
目皿95は、上蓋ロック機構12の真上に当たる部分の孔が塞っている形状を有している。目皿95は、例えば、厚み0.5mm〜1.5mm程度のステンレス板を環状に切出して、所定の部分をドリル等を使用して所定の配置ピッチで開口する。孔部95aは、排水路94に沿って環状に覆う領域に対応する部分を開口する。孔部95aはプレス加工等の打ち抜き加工で成型してもよい。上蓋ロック機構12の真上に当たる部分は、孔を開けずに塞がったままの形状にする。これにより、図7に示すような目皿95が形成される。
このように、蓋ロック防水構造90によれば、所定の領域に孔部95a及び非孔部95bを有した目皿95を上部ユニット5に取付けることで、流し台のシンクから上蓋ロック機構12への排水浸入を目皿95の非孔部95bにより阻止することができ、上蓋ロック機構12の汚れや排水の被水を防止できるようになる。
これにより、当該ロック機構防水構造90を装備した生ゴミ処理装置1を提供できるようになる。しかも、目皿95の非孔部95bがその孔部95aにおける排水を邪魔することがない。生ゴミ7を投入動作中でも、目皿95の周囲から投入開口部9の側への水浸入を抑止できる。
この例では、防水壁94bを設ける場合について説明したが、これに限られることはなく、排水路94の最上流位置に防水壁94bを設けないで、上蓋ロック機構12を設置してもよい。
<上蓋ロック機構>
図8は上蓋ロック機構12の構成例を示す一部断面を含む正面図である。図8に示す上部ユニット5には上蓋ロック機構12が取り付けられる。上蓋ロック機構12は、カム制限部材の一例を構成するソレノイド13a及びラック部材13bを有している。ソレノイド13aは、例えば、上部ユニット5に設けられた棚状部に取り付けられる。
ソレノイド13a及びラック部材13bは、係止爪16が取付けられたロックカム33の回転方向を制限するように機能する。ソレノイド13aは可動片14を有しており、この可動片14の先端には作用部の一例を構成するラック部材13bが取り付けられている。ラック部材13bは、ロックカム33の外周面であるカム当接面と摺動可能に設けられると共に、切り欠き部33aと係合可能に設けられている(図11参照)。ソレノイド13aとラック部材13bとの間には、圧縮バネ15が取り付けられ、常時、ラック部材13bをカム当接面に押付けるようになされる。
この例では、蓋体11を上部ユニット5の投入開口部9に挿入して所定方向に所定角度回転したとき、図5に示した係止爪16の係合部16aが当該蓋体11の係止溝11bへ係合されると共に、所定の位置でラック部材13bがロックカム33の逆回転を制限するようになされる(蓋体ロック)。
また、ソレノイド13aが一瞬動作して、圧縮バネ15の付勢力に打ち勝ってラック部材13bを引っ張ると、ロックカム33の逆回転制限が解除される。このロック解除によって、蓋体11の逆方向への回転が可能になされる。
この例で、ロックカム33の駆動シャフト35には、付勢部材の一例となる二重ねじりコイルバネ17が取付けられ、ソレノイド13aによってロックカム33への逆回転制限が解除されたとき、ロックカム33の切欠き部33aからラック部材13bが抜け出すと同時に、当該ロックカム33を逆回転方向に付勢するようになされる。この逆回転方向の付勢力により、駆動シャフト35が同方向に回転して蓋体11をロック領域から簡単に脱出するようになる。
<蓋体検出機能>
図9及び図10は、上蓋検出センサ19a及び19bの動作例(その1,2)を示す一部断面を含む上面図である。図11及び図12は、上蓋ロック機構12の動作例を示す係止爪16の遷移図である。
図9Aに示す上部ユニット5には、蓋体11のマグネット18a及び18bを検出する上蓋検出センサ19a及び19bを備えている。上蓋検出センサ19a及び19bは、磁気を検出し出力が変化するホール素子を有した磁気センサである。上蓋検出センサ19a及び19bは、蓋体11の側面凹状溝部に取り付けられたマグネット18a及び18bを検出するようになされる。
上蓋検出センサ19aは、蓋体11を上部ユニット5の投入開口部9へ挿入する際に最初に検出可能な位置であって、例えば、排水口8を左側に見たとき、その排水口8を基準にして、時計方向に90°進んだ第1の位置に配設される。しかも、上蓋検出センサ19aは、蓋体11を投入開口部9に嵌めて所定の方向に回転させ、蓋体11の係止溝11bのリブ11cが係止爪16に当接される位置であって、マグネット18aを検出できる位置に設けられる。なお、上蓋検出センサ19bは、第1の位置から所定回転角、例えば、90°を隔てた第2の位置に取り付けられる。この例で第2の位置は、排水口8と対峙した位置である。
図11Aに示す蓋体11の係止溝11bには突起部の一例となるリブ11cが設けられている。係止爪16は凸状の係合部16aを有し、ロックカム33は切欠き部33aを有している。これを前提にして、蓋閉じ時、図9Aに示す蓋体11を投入開口部9に挿入して回転することなく載せた場合(0°の状態=基準位置)、上蓋検出センサ19aがONし、上蓋検出センサ19bはOFFしたままである。このとき、図11Aに示すラック部材13bは、ロックカム33のカム当接面に位置した状態である。また、係止爪16はリブ11cの手前に位置した状態である。この例で、蓋体11が回転されると共に、蓋体11のリブ11cが係止爪16の凸状の係合部16aに当接して、当該係止爪16が反時計方向に回転する。
そして、蓋体11を例えば、20°だけ回転した場合、リブ11cがロックカム33を回転させる。このカム回転により、図11Aに示したラック部材13bは、図11Bに示すように切欠き部33aを乗り越える。換言すると、ラック部材13bが切欠き部33aに入り込む。更に、蓋体11を回転し続けて、45°だけ回転した場合も、図11Bに示すようにロックカム33の切欠き部33aを越えたロック領域に入り込んだ状態となされる。このとき、図9Bに示す上蓋検出センサ19aは今だOFFし、上蓋検出センサ19bもOFFしたままである。
更に、蓋体11を時計方向に回転して基準位置から90°回転した位置とすると、図10に示す上蓋検出センサ19aがONすると共に、上蓋検出センサ19bもONする。この2つの上蓋検出センサ19a及び19bのON動作は、図示しないシステムコントローラ92によって識別される。例えば、システムコントローラ92は、上蓋検出センサ19a及び19bのシーケンシャルな「10」、「00」、「11」を検出して蓋体11が投入開口部9に閉じられたか否かを判別するようになる。これにより、上蓋ロック機構12では、図11Cに示す切欠き部33aがストッパとなって、蓋体11の逆方向(反時計方向)への回転が制限されるようになされる。
また、蓋開き時には、図12Aに示すソレノイド13aに一瞬通電すると、この通電によって、ロックカム33の切欠き部33aからラック部材13bが抜け出すことによりロックカム33への逆回転制限が解除される。このとき、ソレノイド13aが圧縮バネ15の付勢力に打ち勝ってラック部材13bを引っ張ると同時に、二重ねじりコイルバネ17が、切欠き部33aからラック部材13bが抜け出した状態のロックカム33を逆回転方向に付勢するようになされる。図12Aに示したこの例では、二重ねじりコイルバネ17の回転付勢力によって、ロックカム33(蓋体11)が10°程度図示状態時計回り方向へ回転するようになされる。
この逆回転方向の付勢力により、駆動シャフト35が同方向に回転して蓋体11をロック領域から簡単に脱出するようになる。これにより、図12Bに示す蓋体11の逆方向への回転が可能になされる。このとき、圧縮バネ15の付勢力によってラック部材13bがロック領域から抜け出たカム当接面を摺動するようになされる。この例では、ロック位置から−40°程度回転(図示状態で時計回り方向へ40°程度回転)した位置付近から、投入開口部9から蓋体11を取り出せるようになる。このように、ソレノイド13aを駆動してラック部材13bを引くだけで蓋体ロックが解除できるようになる。
このように、上蓋ロック機構12を備えた生ゴミ処理装置1によれば、上部ユニット5の投入開口部9に蓋体11を挿入して所定方向に所定角度回転したとき、係止爪16が当該蓋体11の係止溝11bへ係合されると共に、所定の位置で非通電状態のソレノイド13aの先端に取り付けられたラック部材13bがロックカム33の逆回転を制限するようになされる。
従って、蓋体11の逆方向への回転を制限できるようになり、当該蓋体11を上部ユニット5にロックできるようになる。しかも、従来方式の蓋ロック機構と比べると、底蓋ロック機構から分離独立して構成できるので、当該上蓋ロック機構12を簡素に構成することができる。これにより、上蓋ロック機構12を蓋スイッチ機構とする生ゴミ処理装置1を提供できるようになった。
しかも、ユーザが蓋体11を回転する操作とカム機構を介してソレノイド13aによって制限する構造である為、ロック解除に小さなソレノイド13aを瞬時に引くだけでの小スペース構造とすることができ、低ランニングコストを図ることができる。更に、上部ユニット5の型抜き構造が単純化し、生ゴミ処理装置1のコストダウンを図ることができる。
蓋体ロック機構12を上部ユニット5の上半分に備え付けたので、従来方式に比べて、ゴミ投入筒部を上下2つの部品に分割できるようになった。また、上蓋ロック機構12は、シンクナット(流し台係合ネジ)が潜るサイズ内に収められているので、現状のシンクナットを外して、当該生ゴミ処理装置1を後付け可能な単純なロック構造を有して構成される。
図13は、下部ユニット6における底蓋開閉機構23の構成例を示す断面図である。図13に示す下部ユニット6は、蓋密閉構造20、投入筒部21、底蓋22及び底蓋開閉機構23を備えて構成される。投入筒部21は上下端が開口され、上端部には接続部材24が備えられる。接続部材24は投入筒部21と上部ユニット5の投入開口部9と接続するものである。接続部材24にはゴム製の環状継ぎ手及びホースバンドが使用される。ここで、接続部材24において、投入筒部21と投入開口部9が嵌る部位の挿入部長さはゆとりを持たせてある。また、最低限必要な重ねしろが目視で判るように、目盛りを表示するとよい。
また、投入筒部21の下端側の内周面に、排水口25を備えている。排水口25の入り口には、フィルタ26が取り付けられる。フィルタ26は排水口25の入り口を覆う、例えば、半円筒形状で、生ゴミ類は捕獲し、水分は通す機能を備え、交換や洗浄が行なえるよう着脱自在となっている。
底蓋22は投入筒部21の下端に取り付けられる。例えば、底蓋22は下部ユニット6に対して回動自在に取付けられる。底蓋22は、投入筒部21の下端の開口に嵌る円板形状の蓋部27と、蓋部27の外周の一部から突出して形成される軸部28と、蓋部27において軸部28と対向する位置に形成される押圧部29を備えている。
底蓋22の軸部28は、蓋部27の外周より外側に形成され、軸部28を支点に回動することで、底蓋22は蓋部27で投入筒部21の下端の開口を開閉する。底蓋22は、蓋部27の上面に傾斜面27dが形成される。傾斜面27dは排水口25に向けて下降する方向に傾斜している。ここで、底蓋22を閉じた状態では、傾斜面27dの最下端が排水口25の下端とほぼ同等、若しくは排水口25の下端より若干上となる高さとなされる。
底蓋22は、後述する撹拌翼44の回転運動で、この撹拌翼44の突起部44aに押されて閉じる動作を行う。このため、底蓋22の下面に押上凸部32を備えている。押上凸部32は、底蓋22で投入筒部21を閉じた状態では、撹拌翼44の先端の軌跡に沿った形状で、かつ撹拌翼44の軌跡より若干大きな曲面で構成されている。
蓋開閉機構23は、所定の位置に押圧部(被係合部)29を有した底蓋22を開閉するものであり、投入筒部21の外側の下部ユニット上の所定の位置に駆動部36を有している。駆動部36は例えば、下部ユニット6のブラケット37に設けられる。駆動部36は、モータ36a及びギア36bから構成される。モータ36aにはステッピングモータが使用される。モータ36aは駆動部の一例を構成し、ギア36bに回転力を供給する。ギア36bは駆動シャフト35’を有している。駆動シャフト35’は、例えば、ブラケット37により支持され、モータ36aからギア36b等を介して駆動力が伝達される。ギア36bには減速ギアが使用され、モータ回転数を減速して、カムロック駆動用のトルクを得るようになされる。
駆動シャフト35’の一端には、第2のカム部材の一例となるロックカム34が取付けられ、底蓋22で被係合部の一例を構成する押圧部29に係合される。ロックカム34は扇状(シェル状)の係合部の一例を構成する押上面34aを有している(図17参照)。蓋部27の外周の一部から突出して軸部28が形成されている。押圧部29は、軸部28と対向する位置に形成され、ロックカム34で押圧するようになされる。底蓋22の押圧部29及び/又はロックカム34の押上面34aには、所定の向きに勾配が設けられる。勾配は、カム本体の回転と共に傾斜が高くなるように設定されている。
更に、ロックカム34の向きを検出するため、駆動シャフト35’にはマグネット38が取り付けられる。また、ブラケット37に、位置検出部の一例を構成するカム位置検出センサ39が取り付けられ、マグネット38を検出するようになされる。駆動シャフト35’はロックカム34が取り付けられるので、駆動部36の駆動力を受けてロックカム34は回転する。これにより、底蓋22のロックおよびロック解除を検出できるようになる。
この例では、図36で説明するシステムコントローラ92が設けられ、底蓋22が下部ユニット6の投入筒部21に到達したとき、カム位置検出センサ39が底蓋22の到達を検出して、カム位置検出信号S39をシステムコントローラ92に出力するようになされる。
システムコントローラ92は、カム位置検出信号S39に基づいてモータ36aを制御する。モータ36aがロックカム34を回転することにより、例えば、ロックカム34の押上面34aの勾配によって、当該ロックカム34の押上面34aが底蓋22の押圧部29を拾い込むと共に、ロックカム34の押上面34aが底蓋22の閉じ方向に当該底蓋22の押圧部29を押圧する。上述の投入筒部21に係合される底蓋22の所定の位置には、図14に示す如くシール部材30が取付けられ、底蓋22が下部ユニット6の投入筒部21に対して水密性を保持できるようになされている。シール部材30にはオイルシール等が使用される。
図14は、シール部材30を含む底蓋22の構成例を示す斜視図である。図14に示す底蓋22は、中央が扁平円柱状の凸部を有した蓋本体部22’を備えている。蓋本体部22’の凸状部には第1の密閉部材の一例を構成するパッキン30aが嵌合される。パッキン30aには、断面U状を成した環状のシリコンゴムが使用される。パッキン30aには、Oリングや、Y型リング等が使用できる。パッキン30aは、投入筒部21の内方側からの圧力が加わると広がる形状を有していればよく、例えば、中空状のチューブパッキンでもよい。これは、パッキン30aに圧力が加わると、図15に示す如くシール面31への押付力が強くなり、シール性が増すためである。
蓋本体部22’は、図13に示した投入筒部21の下端の開口に嵌る円板形状の蓋部27を有している。蓋部27は4個の脚部27e〜27h(すべては図示せず)を有している。蓋本体部22’の所定の位置には、例えば、4個の穴部22a〜22dが形成される。この穴部には、第2の密閉部材の一例となるパッキングカバー30bを係合して蓋部27の脚部が嵌合される。
パッキンカバー30bは平らなゴム部品であり、パッキン30aの上方に取付けるようになる。パッキンカバー30bは、外周が円弧形状を有しており、一般にパッキン30aに比較してつぶし荷重が小さくなされている。パッキンカバー30bは、底蓋22を閉じることによって、後述する投入筒部21の内壁リブ21aと当接して弾性変形するように設けられている。これにより、底蓋22の開時にあっては、生ゴミ7のパッキン30aへの付着を防止し、底蓋22の閉時にあっては、生ゴミ7のシール面31及びパッキン30aへの付着防止効果を得られるようになっている。これにより、確実かつ良好なシール効果を得ることができるようになる。
パッキングカバー30bにも蓋本体部22’と同じ位置に4個の孔部を有している。パッキングカバー30bは、底蓋22の凸部に取り付けられたパッキン30aを覆うように配置される。この例で、パッキンカバー30bの外周端部はガイド形状を有している。外周端部をガイド形状としたのは、底蓋開き時、垂れ下がった底蓋22で上部からの水分をその外周端部に沿って下方に導くためである。
図15は、投入筒部21と底蓋22における密閉構造例を示す拡大図である。図15に示す蓋密閉構造20は、下部ユニット6の投入筒部21と底蓋22との間を密閉する構造であって、投入筒部21と底蓋22との間に取付けられた複数の密閉部材(シール部材30)を備え、一方の密閉部材が他方の密閉部材の密閉機能を補助する多重密閉構造を有してなる。
図15に示す下部ユニット6の投入筒部21は、内周枠部の一例を構成する内壁リブ21aを有しており、内壁リブ21aは、蓋開口方向に突出する形態で配置されている。この内壁リブ21aの外側には、外周枠部の一例を構成する外壁リブ21bが設けられる。外壁リブ21bは、当該蓋開口方向に対して外側に傾斜した密閉面(以下シール面31という)を有している。この例で、シール面31は、水密性を良くするために投入筒部21の内壁リブ21aより外側に配置している。このため、内壁リブ21aは、シール面31を被覆する高さまで下に延設されている。
この例で、底蓋22が投入筒部21に閉じられたとき、図15に示すように底蓋22の凸部は、投入筒部21の内壁リブ21a内に入り込む位置に挿入され、パッキン30aは、投入筒部21の内壁リブ21aを跨るように組み合わされ、かつ、当該パッキン30aの外周面が外壁リブ21bのシール面31に接触され、パッキンカバー30bは、投入筒部21の内壁リブ21aで押さえ込むように組み合わされる。これにより、パッキン30aをシール面31に押し当てて確実なシールを行うことができる。
また、外壁リブ21bの外側には凹部21cが設けられ、この外壁リブ21bの凹部21cに、第3の密閉部材の一例を構成するダストシールパッキン30cが取付けられる。ダストシールパッキン30cは、円筒に近いリング形状を有しており、シール面31の外側に位置している。例えば、ダストシールパッキン30cは、その上部内周部が外壁リブ21bの凹部21cに保持されるように取り付けられ、底蓋22が投入筒部21に閉じられたとき、ダストシールパッキン30cの裾部分が底蓋22の外周面に沿って接触するようになされる。これにより、底蓋22を閉じたとき、ダストシールパッキン30cが底蓋22の外周面に密着し、処理容器内の乾燥した粉ゴミの飛翔による舞い込みからパッキン30a及びシール面31を保護できるようになる。
図16A及びBは、底蓋開閉機構23の動作例を示す断面図である。図16Aに示す底蓋22は、軸部28を支点に回転して開閉する。このため、蓋部27は、投入筒部21の内径に対して底蓋22が開閉し得るクリアランスが確保できる径である。そして、図16Aに示すように底蓋22を閉じた時に、シール部材30が投入筒部21のシール面31aに密着できるように、シール部材30の蓋部27および蓋本体部22’からの突出量が設定される。
さて、図16Aに示すように、底蓋22を閉じた状態では、シール部材30が露出する部分は、蓋部27と投入筒部21のクリアランス部分、および蓋本体部22’と投入筒部21のクリアランス部分である。例えば、底蓋22が閉じているとき、シール面31でパッキン30aを受けるシール構造によれば、投入筒部21の内方側からの圧力が加わるとパッキン30aが膨出する如く広がるようになる。
また、パッキンカバー30bは、内壁リブ21aに全周で接しているので、汁や水はパッキン30aまで流れていくとしても、固形の生ゴミ7はパッキンカバー30bと内壁リブ21aとの接している部位を通過できないために、パッキン30a及びシール面31に生ゴミ7が付着しない構造とすることができる。
なお、スプーン、フォーク等の固形物が誤投入した場合でも、蓋部27と投入筒部21とのクリアランス以下の小さなものでなければ、直接シール部材30を傷つけることはない。また、シール部材30と投入筒部21の接触面積は広く取れることから、密着性が向上する。
更に、図16Bに示すように底蓋22は、軸部28を支点に開閉し、シール部材30と投入筒部21のシール面31は面の突き当てで開閉する。図中、パッキンカバー30bは、底蓋22が開き始めて、生ゴミ7が処理容器42内に落下するとき、パッキン30aの上で傘の役割をしてパッキン30aへの生ゴミ7の付着を防止する。底蓋22は、図16Bに示すように投入筒部21から離脱されたのち、自重によって略鉛直状態となるまで垂下姿勢を保持する。このように、軽い力で底蓋22の開閉が可能となる。なお、底蓋22を閉じた時のパッキンカバー部材30bの露出部分に水分等に対応するコーティングを施しても良い。更に、径の異なるOリングを重ねて嵌めて、シール面31が形成されるようにしても良い。
このように、蓋密閉構造20を備えた生ゴミ処理装置1によれば、パッキン30a、パッキンカバー30b、ダストシールパッキン30c及びシール面31の内側に内壁リブ21aを備え、底蓋22で投入筒部21を閉じたとき、外周面が外周リブ21bのシール面31に接触されたパッキン30aを、投入筒部21の内周リブ21aにより押さえ込まれたパッキンカバー30bで覆うことができる。
従って、パッキン30aのシール効果を従来方式に比べて向上できるようになった。しかも、パッキンカバー30bによって、パッキン30aへの生ゴミ7の進入を阻止することができる。これにより、水密性良く底蓋22を閉じることができ、蓋密閉構造20を備えた高信頼度の生ゴミ処理装置1を提供できるようになった。
また、パッキン30aがシール面31を摺動する距離がほとんどないこと、及び、パッキン30aが撓みやすい形状であるため、底蓋22を閉じるトルクが小さくて済み、ロックカム34の駆動源を小さく設定できるようになった。
<ロックカム構造>
図17A〜Dは、往復回転式のロックカム34の構成例を示す図である。図17Aは、ロックカム34の斜視図、図17Bはその正面図、図17Cはその上面図、図17Dはその背面図を各々示している。この例で、ロックカム34の上方には、底蓋22が開く方向に底蓋22の被係合部を押圧する押下面34bが設けられる。これにより、シール部材30が生ゴミ7や汁の粘り気等でロック解除後に、投入筒部21に張り付いていた場合であっても、ロックカム34の上方に設けられた、押下面34bが蓋開き方向に底蓋22の被係合部を押圧するので、再現性よく、かつ確実に投入筒部21から底蓋22を離脱できるようになる。
図17Aに示すロックカム34は、駆動シャフト35’を挟んで押上面34aと押下面34bを備える。押上面34aは、図17Cに示す扇状のロックカム34の左下部分に設けられている。ロックカム34の押上面34aは上向きの斜面と斜面から連続する平面で構成され、ロックカム34が所定の一の方向に回転することで、底蓋22の押圧部29に下側から当接し、底蓋22を押し上げる。
また、ロックカム34の押下面34bは、図17Bに示すように下向きの斜面で構成され、ロックカム34が他の方向に回転することで、押下面34bは底蓋22の押圧部29に上側から当接し、底蓋22を押し下げる。ここに、底蓋22に対するロックカム34による力の作用点を軸部28と反対側とすることで、底蓋22を閉状態でロックするときに、確実にロック可能となる。なお、図17Dは、180°回転したロックカム34の姿勢を示している。
図18及び図19は、底蓋22に係るロックカム34の動作例(その1、2)を示す底面図である。この例で、下部ユニット6には、固定機構の一例を構成する底蓋開閉機構23を備え、底蓋22を閉じて投入筒部21に固定したり、投入筒部21から底蓋22を引き外して開くようになされる。例えば、底蓋22を開くとき、蓋閉じ時に対してロックカム34を逆回転させれば、ロックが解除される。ロック解除をしても、底蓋22が開かない場合を想定して、更に回転を進めると、ロックカム34の上側に配置した底蓋押し下げ用の押下面34bが底蓋22に干渉して底蓋22を押し下げるようになる。
図18はロックカム34が原点位置にある状態例を示す図である。図18に示すロックカム34は、押上部34aの平面部分が底蓋22と接触しており、底蓋22を閉状態でロックする。このロック状態は、図17Bに示した上向きの斜面と斜面から連続する平面で構成されたロックカム34の押上面34aが、ロックカム34が所定の一の方向に回転することで、底蓋22の押圧部29に下側から当接し、底蓋22を押し上げた状態である。
また、底蓋22を開く場合は、システムコントローラ92が上蓋検出センサ19a、19bの出力から、蓋体11が閉められた否かを検出し、蓋体11が閉められたことを確認すると、ロックカム34を回転して底蓋22を開くようになされる。
図19は、図18に示したロックカム34が原点位置から矢印b方向に180度回転した状態例を示す図である。このとき、図17Bに示したように、ロックカム34が原点位置から180°付近に至るまで回転しても、底蓋22が投入筒部21から離脱しない場合が想定される。これは汁や粉ゴミにより自重で底蓋22が離脱しない状態である。この現象に対して、下向きの斜面で構成されたロックカム34の押下面34bは、ロックカム34が同方向に更に回転することで、底蓋22の押圧部29に上側から当接し、底蓋22を押し下げるようになされる。後は自然落下で底蓋22が垂れ下がる。これにより、図16Bに示したように、投入筒部21から底蓋22を開くことができ、投入開口部9からの生ゴミを処理容器42内へ落下させ得る状態となる。
また、底蓋22を閉じる場合は、システムコントローラ92が上蓋検出センサ19a、19bの出力から、蓋体11が閉められているか否かを検出し、蓋体11が閉められていることを確認すると、撹拌翼44を回転させて、底蓋22の下端面の押上凸部32に翼本体46のリブ44aを押し当てて底蓋22を閉じる。システムコントローラ92は、撹拌翼44が真上に到達したことを検出すると、駆動部36を制御してモータ36aを逆回転する。このとき、ロックカム34を、開き時と反対の方向へ回転させる。
システムコントローラ92は、底蓋22の閉じ動作時、カム位置検出センサ39の出力からロックカム34が原点位置に戻ったことを検出すると、モータ36aの回転を停止する。これにより、ロックカム34は、回転を停止して底蓋22を閉じ固定する。
上述したように、ロックカム34が原点位置にある状態では、押上面34aが底蓋22に当接して押し上げている。なお、ロックカム34で底蓋22を閉じている状態では、押上凸部32の下端面は、撹拌翼44の翼本体46の回転軌跡の外にあり、閉じた状態の底蓋22が撹拌翼44の回転の妨げになることはない。
<他のロックカム構造>
図20A〜Dは、回転循環式のロックカム34’の構成例を示す図である。図20Aは、ロックカム34’の斜視図、図20Bはその正面図、図20Cはその上面図、図20Dはその背面図を各々示している。
この例で、ロックカム34’は、図17Aに示したロックカム34に比べて扇形状が半分となされる。例えば、ロックカム34の扇形状を構成する開広角を90°とすると、ロックカム34’の扇形状を構成する開広角はその半分の45°程度である。このように開広角を半分にしたのは、ロックカム34’を往復回転することなく一方の方向へ回転するようにしたためである。
この例でも、ロックカム34’の上方には、底蓋22が開く方向に底蓋22の被係合部を押圧する押下面34b’が設けられる。これにより、シール部材30が生ゴミ7や汁の粘り気等でロック解除後に、投入筒部21に張り付いていた場合であっても、ロックカム34’の上方に設けられた、押下面34b’が蓋開き方向に底蓋22の被係合部を押圧するので、再現性よく、かつ確実に投入筒部21から底蓋22を離脱できるようになる。
図20Aに示すロックカム34’は、駆動シャフト35’を挟んで押上面34a’と押下面34b’を備える。押上面34a’は、図20Cに示す扇状のロックカム34’の左下部分に設けられている。ロックカム34’の押上面34a’は上向きの斜面と斜面から連続する平面で構成され、ロックカム34’が所定の一の方向に回転することで、底蓋22の押圧部29に下側から当接し、底蓋22を押し上げる。
また、ロックカム34’の押下面34b’は、図20Bに示すように下向きの斜面で構成され、ロックカム34’が一方の方向に回転することで、押下面34b’は底蓋22の押圧部29に上側から当接し、底蓋22を押し下げる。ここに、底蓋22に対するロックカム34’による力の作用点を軸部28と反対側とすることで、底蓋22を閉状態でロックするときに、確実にロック可能となる。なお、図20Dは、180°回転したロックカム34’の姿勢を示している。
図21〜図23は、底蓋22に係る他のロックカム34’の動作例(その1〜3)を示す底面図である。この例でも、下部ユニット6には底蓋開閉機構23を備え、底蓋22を閉じて投入筒部21に固定したり、投入筒部21から底蓋22を引き外して開くようになされる。
図21はロックカム34’が原点位置にある状態例を示す図である。図21に示すロックカム34’は、図20Aに示した押上部34a’の平面部分が底蓋22と接触して、底蓋22を閉状態でロックするようになる。このロック状態は、図20Bに示した上向きの斜面と斜面から連続する平面で構成されたロックカム34’の押上面34a’が、ロックカム34’が所定の一の方向に回転することで、底蓋22の押圧部29に下側から当接し、底蓋22を押し上げた状態(原点位置)である。
また、底蓋22を開く場合は、システムコントローラ92が上蓋検出センサ19a、19bの出力から、蓋体11が閉められた否かを検出し、蓋体11が閉められたことを確認すると、ロックカム34’を回転して底蓋22を開くようになされる。
図22は、底蓋22の第1の開き位置での状態例を示す底面図である。図22に示す第1の開き位置は、ロックカム34’が原点位置から90°回転し、底蓋22の押圧部29がロックカム34’の押上面34a’及び押下面34b’のいずれにもオーバーラップしていない状態である。この状態は、底蓋22が自重で開くことが可能な位置である。この例でも、図20Bに示したロックカム34’が原点位置から90°付近に至る部分に回転を実行しても、汁や粉ゴミにより自重で底蓋22が離脱しない場合がある。
図23は、底蓋22の第2の開き位置での状態例を示す底面図である。図23に示す第2の開き位置は、ロックカム34’が原点位置から矢印b方向に270°(第1の開き位置から180°)回転し、底蓋22の押圧部29がロックカム34’の押上面34a’及び押下面34b’のいずれにもオーバーラップしていない状態である。
この状態は、上述の現象に対して、下向きの斜面で構成されたロックカム34’の押下面34b’が、ロックカム34’の同方向回転によって、底蓋22の押圧部29に上側から当接して、底蓋22を強制的に押し下げした後、今まさに底蓋22が自重で開かんとする寸前の位置(又は開き開始直後の位置)である。後は自然落下で底蓋22が垂れ下がる。これにより、図16Bに示したように、投入筒部21から底蓋22を開くことができ、投入開口部9からの生ゴミを処理容器42内に落下される状態となる。
また、底蓋22を閉じる場合は、システムコントローラ92が上蓋検出センサ19a、19bの出力から、蓋体11が閉められているか否かを検出し、蓋体11が閉められていることを確認すると、撹拌翼44を回転させて、底蓋22の下端面の押上凸部32に翼本体46のリブ44aを押し当てて底蓋22を閉じるようになされる。システムコントローラ92は、撹拌翼44が真上に到達したことを検出すると、駆動部36を制御してモータ36aを逆回転する。このとき、ロックカム34’は、開き時と同方向へ90°回転するようになされる。
システムコントローラ92は、底蓋22の閉じ動作時、カム位置検出センサ39の出力からロックカム34’が原点位置に戻ったことを検出すると、モータ36aの回転を停止する。これにより、ロックカム34’は、回転を停止して底蓋22を閉じ固定するようになされる。
このように、回転蓋方式の蓋開閉機構23を備えた生ゴミ処理装置1によれば、ロックカム34の押上面34aには、所定の向きに勾配が設けられ、底蓋22が投入筒部21に到達したとき、モータ36aがロックカム34を回転することにより、押上面34aの勾配によって、当該押上面34aが底蓋22の押圧部29を拾い込む共に、この押上面34aが底蓋閉じ方向に当該底蓋22の押圧部29を押圧するようになる。
従って、底蓋22の回転軸に駆動力を加えて直接的に下部ユニット6の投入筒部21に当該底蓋22を押付ける方法に比べて、低いトルクでより高い締め付け力により底蓋22を投入筒部21にロックすることができる。これにより、投入筒部21に水密性よく底蓋22を密着させることができ、シール面31に押し当てられたシール部材30のシール効果を向上させることができる。また、蓋開閉機構23を構成する部品が単純で、ロックカム一部品で底蓋ロック機能及び蓋強制開き機能の2役を担うため、生ゴミ処理装置1の低コスト化を図ることができる。
<生ゴミ破砕乾燥装置の構成>
図24は、生ゴミ処理装置1における処理容器42の構成例を示す斜視図である。この例では、半円筒形状の処理容器42内で撹拌翼44が往復回動及び回転し、生ゴミ7を撹拌、及び破砕する構造を有している。この例で軸部45から5本のシャフト48a〜48eを突き出し、これらのシャフト48a〜48eの先端に撹拌翼本体46を装着する構造となされる。
<処理容器の構造>
図24に示す処理容器42は、図1に示した生ゴミ破砕乾燥装置4の主要部の1つを構成し、上部が開口され、底部が半円筒形状を成している。この例で、図中、処理容器42の右側手前には、排出口53(図34参照)が設けられ、この排出口53には開閉蓋の一例を構成するカバーユニット58が可動自在に取り付けられている。排出口53は処理容器42の正面となる位置に備えられる。排出口53は例えば長方形の開口である。排出口53の左右の両側には、図34などに示す如くガイドリブ54a,54bが備えられる。ガイドリブ54は側板の一例である。
左右のガイドリブ54a,54bの各々の下方には、フック部57a,57bが設けられて、カバーユニット58のロック用のシャフト60a,60aを係合するようになされる。図中、円内図に示すシャフト60a(,60b)56及びフック部57a(,57b)は、カバーユニット58におけるロック機構50を構成する。ロック機構50については、図33で説明する。
処理容器42の上部には、図13に示した下部ユニット6が取り付けられる。また、処理容器42は内部に撹拌・乾燥空間43が形成されると共に、撹拌翼(撹拌手段)44が取り付けられる。撹拌・乾燥空間43は、少なくとも下半分は撹拌翼44の軌跡に沿って円筒形状を有している。
処理容器42は、撹拌翼44の位置を検出する原点位置検出センサ51aと、底蓋押上位置検出センサ51bを備えている。図24に示す例では、撹拌翼44が軸部45を挟んで排出口53に対峙する位置に停止している状態である。本例では、撹拌翼44の原点位置は、撹拌翼本体46が鉛直下向きとなる状態である。後述するが、下部ユニット6の底蓋22が開いた状態で、撹拌翼44を底蓋押上位置検出センサ51bで検出される位置まで回転させると、撹拌翼44で底蓋22を押し上げて、底蓋22を閉じる動作を行う。
この処理容器42の底部付近の外周にはPTCヒータ52(加温手段)が設けられている(図3参照)。例えば、PTCヒータ52は、断熱材で被覆され、底部に貼り付けられ、処理容器42内を加温するようになされる。処理容器42内の温度は、生ゴミ7の初期撹拌時は45℃程度であり、乾燥粉体へ状変した時点で65℃程度に保たれる。
PTCヒータ52は、正極性のサーミスター特性を有するヒータで、温度が上昇すると抵抗値が上昇し、これにより消費する電流が制御される共に温度上昇が緩やかになり、その後、消費電流および発熱部の温度が、飽和領域に達して安定していくものであり、自己温度制御を行う。このように、PTCヒータ52の温度が上昇すると消費電流が低くなり、その後一定温度の飽和領域に達すると、消費電流が低い値で安定する特性があるために、これを用いることにより、消費電力の節約ができるとともに、発熱体の温度の異常上昇を防止可能であるという利点がある。
上述した処理容器42には1組の軸受部42a,42aが設けられ、この軸受部42a,42aには軸部45が回転自在に取り付けられる。この例で、軸部45を含めた撹拌翼構造40が備えられている。
<撹拌翼の構成>
図25は、生ゴミ処理装置1における撹拌翼構造例を示す斜視図である。図25に示す撹拌翼構造40は、生ゴミ7を撹拌する撹拌翼44及び軸部45から構成される。撹拌翼44は、撹拌翼本体46と、棒状体の一例を構成するシャフト48a〜48eから構成される。撹拌翼本体46はプレート状を成し、一方の側には例えば、5個の鋤状部46a〜46eを有している。個々の鋤状部46a〜46eに対応して撹拌翼本体46の他方の側には5本のシャフト48a〜48eが取付けられている。シャフト48a〜48eは、所定の太さの軸部45に取り付けられている。
撹拌翼本体46は、撹拌プレート47及びその補強板49(図26参照)を有して構成される。撹拌プレート47は撹拌翼部材の一例を構成し、鋤状部46a〜46eを設けた樹脂成形品が使用される。撹拌プレート47の裏面は、補強板49で裏打ちされる。補強板49は、耐腐食性を有した金属板、例えば、ステンレス(SUS)板が使用される。また、撹拌プレート47の他方の側は突出部47aとなされ、この突出部47aに所定形状のリブ44aが設けられ、底蓋22を閉める際に、リブ44aで底蓋22を押し上げるようになされる。
図26は、撹拌翼44の組立例を示す斜視図である。図26に示す撹拌翼44において、撹拌翼本体46は、鋤状部46a〜46eを設けた撹拌プレート47が補強板49で裏打ちされた状態で、5本のシャフト48a〜48eに取り付けられる。補強板49で裏打ちされた撹拌プレート47は、例えば、11本のネジ86でシャフト48a〜48eに取り付けられる。撹拌翼本体46の5本のシャフト48a〜48eは、軸部45に設けられた5個の孔部45aにそれぞれ嵌合されて固定される。これにより、撹拌翼構造40を有した撹拌翼44を組み上げることができる。
図27は、処理容器内の撹拌翼44の取付け例を示す断面図であり、処理容器42を軸部45の軸線方向に沿った面で切断した図である。図27に示す撹拌翼構造40によれば、処理容器42の両外側に設けられた軸受部42a,42bに撹拌翼44の軸部45が取り付けられる。撹拌翼44は、撹拌翼本体46の鋤状部46aと鋤状部46bとの間が所定の開口幅(隙間)d1を有している。同様にして、他の鋤状部46b及び46c、鋤状部46c及び46d、鋤状部46d及び46eが所定の開口幅d2、d3,d4を各々有している。この開口幅d1〜d4を有した鋤状部46a〜46eの間には、4枚の破砕刃62(図29参照)を通すようになされる。これにより、破砕刃62への生ゴミ7の搬送及び排出操作時の排出口53への生ゴミ7の搬送を円滑に行うことができる。
また、軸部45に取付けられたシャフト48aとシャフト48bとの間が所定の配置幅w1を有している。他のシャフト48b及び48c、シャフト48c及び48d、シャフト48d及び48e間も同様な配置幅w2、w3、w4を有している。この配置幅w1〜w4を有したシャフト48a〜48eの間には、乾燥用の空気を通すようになされる。
撹拌プレート47はシャフト48a〜48eの先端のみに装着され、軸部45から撹拌プレート間が5本のシャフト48a〜48eのみとなる構造が採られる。この構造によって、余分な生ゴミ7は、その隙間から撹拌翼44の後方へ落下する。これにより、撹拌負荷を低減することができる。なお、撹拌翼44は、後述する如く、処理容器42内の下方側で往復回動をしたのち、一定時間毎に処理容器42内を1周するように回転動作する。この回転によって、撹拌翼44の後方へ落下した生ゴミ7も、次回の往復回動運動の際に破砕乾燥できるようになる。
この例の如く、撹拌翼44の隙間やシャフト48a〜48e間の空間を大きくすることで、処理容器42中の乾燥用の空気の流路が確保され、スムーズな空気の流れとすることができる。シャフト48a〜48eの隙間が従来方式に比べて大きくなり、撹拌翼44から生ゴミ7が落下し易くなったので、実質的に、撹拌翼44の後方へ落下した生ゴミ7も撹拌される。例えば、撹拌翼44の後方へ落下したものは、1回/30秒の動作速度で行われる撹拌翼44の1回転動作によって再び集めることができる。撹拌中の余分な生ゴミ7を、その撹拌翼後方に適度に落下させたことで、処理容器42内の生ゴミ7が撹拌翼44上の一定位置に留まらないようになった。
上述の撹拌翼44を取り付けられた軸部45の一端には、ギアユニット65が係合される。ギアユニット65には、駆動部を構成するモータ67が取り付けられ、駆動力をギアユニット65を介して撹拌翼44の軸部45に伝達するようになされる。例えば、ギアユニット65は、図示しない平ギア、小ギア及びカウンタギアを有しており、モータ67を回転させると、小ギア、カウンタギアおよび平ギアを介して撹拌翼44に駆動力が伝達され、撹拌翼44は軸部45を中心軸として往復回動動作及び回転動作するようになされる。モータ67は駆動手段の一例である。
モータ67には正転及び逆転が可能な直流電動機が使用される。モータ67には、システムコントローラ92が接続され、モータ制御信号S67をモータ67に出力して撹拌翼44の正転及び逆転制御を実行する。例えば、システムコントローラ92は、破砕刃62を含む所定の領域で撹拌翼44を往復回動動作させ、所定時間経過後、処理容器42内で撹拌翼44を回転動作させるようにモータ67を制御する。
このように、撹拌翼構造40を備えた生ゴミ処理装置1によれば、一方の側に5個の鋤状部46a〜46eを有した撹拌翼本体46の他方の側には5本のシャフト48a〜48eが取付けられ、このシャフト48a〜48eが個々の鋤状部46a〜46eに対応して所定の軸部45に取付けられている。
従って、生ゴミ7を撹拌する場合に、撹拌翼本体46の5個の鋤状部46a〜46eの個々の隙間、及び、軸部45の5本のシャフト48a〜48eの個々の空間に各々風路を形成できるので、各々の風路を利用して乾燥用の空気を流通させることができる。これにより、従来方式の回転翼軸から空気を吹き出す回転翼構造に比べて、軸部45を細くすることができ、撹拌翼部品の省スペース化、応用装置のコンパクト化、及び、そのコストダウンを図ることができる。
図28は、カバーユニット58の構成例を示す斜視図である。図28に示すカバーユニット58は、排出口53から離脱され、処理容器42から分離された状態である。カバーユニット58はハンドル60を備えている。ハンドル60はT状を有しており、左右にシャフト60a,60aを備えている。
図29は、破砕刃62の構成例を示す斜視図である。図29に示す破砕刃62は破砕手段の一例を構成し、処理容器42の内部所定の位置の一例となるカバーユニット58の裏面側に設けられる。この例で、4個の破砕刃62がカバーユニット58の裏面側に固定されている。各破砕刃62は、排出口53を閉じた位置にあるカバーユニット58の裏面から処理容器42内に突出し、撹拌翼44の回転周方向に対する位置と撹拌翼44の軸部45の軸線方向に対する位置が互いにずれて配置される。各破砕刃62は、所定の大きさの金属板から打ち抜き切り起し加工され、扇状に形成され、その一側縁部に鋸歯状の刃部62aが形成される。
4枚の破砕刃62は、例えば、カバーユニット58の内側で千鳥状に固定されている。この例で、4つの破砕刃62で千鳥状に設けられた最も上部の破砕刃62は、処理容器42の軸部45の高さとほぼ等しい位置に配置される(図3参照)。これは、往復回動動作において、生ゴミ7を極端に上方まで掻き上げると、生ゴミ7の大半が撹拌翼44から後方へ落下し、破砕刃62に生ゴミ7が届かなくなるからである。このため、生ゴミ7が極端に後方に落ち過ぎない高さに設定するようにしたことによる。
図30から図33は、カバーユニット58の構成を示す説明図である。図30はカバーユニット58を開いた状態を示す斜視図であり、排出口53を破線で示している。図31及び図32は、カバーユニット58を開いた状態を示す断面図である。図31はカバーユニット58が後述する排出位置にある状態を示し、図32はカバーユニット58が後述する異物取出し位置にある状態を示している。
図33はカバーユニット58のロック機構50の説明図である。図33Aは、カバーユニット58が処理容器42を閉じている図である。図33Bは、操作レバーがカバーユニット58のロックを解除した図である。図33Cは、カバーユニット58が処理容器42から開かれた図である。
図30から図33に示すように、カバーユニット58は排出口53を覆う形状に形成され、カバーユニット回転軸55にて処理容器42の吊元部42gに回動自在に取り付けられる。図28等に示すように、カバーユニット58の下端部近傍には、シャフト60aを有してT状に形成されたハンドル60が備えられている。シャフト60aの両端部はカバーユニット58の両側面より所定量突出した状態となっている。また、カバーユニット58の両側面には円弧状に形成されたシャフト溝42hが備えられており、シャフト60aはこのシャフト溝42h内を移動自在となっている。
更にシャフト60aは、図示しないバネ等により、シャフト溝42hの下方に付勢されており、ハンドル60及びシャフト60aは、力が加えられていない場合、図33Aに示すようにシャフト60aがシャフト溝42hの最下部に位置する状態となる。図33Bの矢印pに示すように、ハンドル60を下方に押すことにより、矢印qに示すようにシャフト60aはシュフト溝42h内を上方に移動する。
また、処理容器42の排出口53下端部近傍のシャフト60aに対応した箇所には、鉤状に形成されたフック部57が備えられる。図33Aに示すように、カバーユニット58が閉じ、シャフト60aが鉤状のフック部57に嵌ることにより、カバーユニット58は排出口53を閉じてロックされた状態となる。
またカバーユニット回転軸55に、例えば、トルクリミッター等を備えることにより、カバーユニット58が所定の回動位置で固定される。カバーユニット58は、例えば、図31及び図32にそれぞれ示す排出位置及び異物取出し位置に固定される。例えば、排出位置はカバーユニット58が排出口53を閉じる位置から約27度回転した位置であり、異物取り出し位置はカバーユニット58が排出口53を閉じる位置から約80度回転した位置である。
シャフト60aはマグネットを備える。また、フック部57は排出口開閉検出センサ61を備える。排出口開閉検出センサ61はマグネットセンサで、シャフト60aがフック部57による係止位置にあるとマグネットを検出する。これにより、シャフト60aがフック部57により係止され、カバーユニット58が排出口53を閉じてロック状態にあることを開閉検出信号S61に基づいて判別できる。排出口開閉検出センサ61は開閉検出手段の一例である。
<前面パネルの構成>
図34は前面パネル41aを開いた状態を示す説明図である。図34の矢印に示すように、前面パネル41aは開閉自在にカバー41に取り付けられる。また、カバー41には、前面パネル41aの開閉を検出するセンサ93を備える。センサ93としては、例えばボタンスイッチが用いられる。
<吸気機構>
図2及び図34に示すように、前面パネル41aは、カバー41内へ空気を吸気するための吸気口73を備える。吸気口73には、逆止弁として機能する逆止弁72を備える。逆止弁72は、例えば、送風ファン69を駆動することによる吸気でカバー41内の圧力が負圧となると開口して吸気口73より外気を吸気できる状態となる。また、送風ファン69の駆動を停止することで、カバー41内部と外部との圧力差がゼロあるいはカバー41内の圧力が正圧となると、ばねまたは自重により閉じる構成を有する。
これにより、送風ファン69を駆動することによる吸気で吸気口73では逆止弁72が開き、外気を吸気する。これにより、送風ファン69は処理容器42の内部に送風を行う。また、送風ファン69の駆動を停止すると、逆止弁72は閉じ、カバー41内部の空気が吸気口73からカバー外へ漏れることを防ぐ。
<送風機構>
図35から図38は、生ゴミ処理装置1の送風機構、排気機構の概略を示す構成図である。送風機構、排気機構は吸排気手段の一例をなしている。図35は、生ゴミ処理装置1の概略平面図であり、説明のため一部を透視した状態で破線にて示している。図36は生ゴミ処理装置1を斜め前方から見た状態を示す概略斜視図であり、図37は生ゴミ処理装置1を斜め後方から見た状態を示す概略斜視図である。図38は処理容器42の斜視図である。
図35から図37に示すように、生ゴミ処理装置1は、送風ファン69を処理容器42の側部に備える。送風ファン69はいわゆるシロッコファンである。送風ファン69の送風ファン吸込口69aはカバー41の内部にて前述した吸気口73と連通した状態となる。また、送風ファン排気口69bが送風ダクト70で処理容器42の処理容器吸気口42uに接続されている。更に、図35及び図38に示すように、処理容器42の処理容器吸気口42uの近傍には、処理容器吸気口42uと平行で、鉛直方向に伸びた整流板42jが備えられる。整流板42jは、図38に破線で示す如く延設部42jjを備えているとより好ましい。吸気の案内を確実に行えるからである。送風ファン69は乾燥手段の一例である。
<排気機構>
図39は、処理容器42からの吸排気手段の一例である排気機構の構成を示す説明図である。図39(a)は排気機構の概略を示す斜視図であり、図39(b)は排気機構の概略を示す断面図である。図3、図38及び図39に示すように、処理容器42は上部に排気口74が形成される。図39に示すように排気口74の上部には塵芥捕集手段の一例であるフィルタユニット75、フィルタ塵除去ユニット71及び排気ファン97を備える。フィルタユニット75は、排気口74を覆う位置に備えられるフィルタ78を有する。フィルタ塵除去ユニット71は、シャフト79aで矢印gに示すように回動自在に取り付けられた断面がL状となる櫛状のプレート79と、モータ79bにより駆動されプレート79を押圧するカム77を有し、フィルタ78の上部に備えられる。排気ファン97はフィルタ塵除去ユニットの上部に備えられる。
プレート79は、図示しないバネ等によりフィルタ接触部79cがフィルタ78へ接触する方向に付勢されている。モータ79bによりカム77を回転させることにより、プレート79はシャフト79aにて往復回動し、フィルタ接触部79cにてフィルタ78に衝撃が加えられ、フィルタ78に付着した塵を除去することが可能な構成となっている。また、フィルタユニット75は取り外して交換可能であり、装置全体としても性能を維持することができる。
また、排気口74は、フィルタ78,フィルタ塵除去ユニット71及び排気ファン97を介して排気ダクトA85に接続される。排気ダクトA85には逆止弁として、矢印rに示すように回動自在に取り付けられた逆止弁76を備える。逆止弁76は、例えば、送風ファン69又は排気ファン97を駆動することによる排気で開口する。これにより、図39(a)の矢印及び図39(b)の矢印fに示すように、排気口74より排気ダクトA85へ排気できる状態となる。また、逆止弁76は、送風ファン69及び排気ファン97の駆動を停止することで自重により閉じる構成を有する。
図39に示すように、フィルタ78は排気経路において排気ファン97よりも上流に位置する。これにより、処理容器42内から飛散した粒状粉体はフィルタ78により捕集され、粒状粉体が排気ファン97に付着することを防ぐことができる。
図35から図37に示すように、排気ダクトA85はエルボーダクト85a及び排気ダクトB86を介して排水管87に接続される。このような構成を備えることにより、送風ファン69又は排気ファン97を駆動することで、逆止弁76が開き、処理容器42内の空気が、排気ダクトA85及び排気ダクトB86を介して排水管87内に排気される。また、送風ファン69及び排気ファン97の駆動を停止することで逆止弁76は閉じ、排水管87内の空気が処理容器42内へ進入することを防ぐ。吸気口73、送風ファン69、送風ダクト70、排気ダクトA85、エルボーダクト85a及び排気ダクトB86は吸排気手段の一例である。
<乾燥ゴミ粉収納手段設置機構・乾燥ゴミ粉収納手段の構成>
処理容器42は、図3及び図36に示すように、排出口53の下方にゴミ収納トレー設置部111及び袋アダプタ設置部110a,110bを備える。ゴミ収納トレー設置部111は、平面状に形成される。袋アダプタ設置部110a,110bは、ゴミ収納トレー設置部111を挟んで排出口53の左右両側に、それぞれ所定の高さの階段状に形成される。
また、図3に示すように処理容器42は、排出口53の下側に排出板64を備える。排出板64は一対のガイドリブ54a,54bの間に取り付けられ、排出口53の下端付近から斜め前方下向きに延在して、排出口53の下側の一部を覆う形状である。
図40は、袋アダプタ120の構成を示す説明図である。袋アダプタ120は、把手120aを備える長方形の枠状に形成される。袋アダプタ120の枠状の形状と、生ゴミ処理装置1の各袋アダプタ設置部110a,110bの位置はそれぞれ対応する。
図41は、ゴミ収納トレー121の構成を示す説明図である。ゴミ収納トレー121は、把手121aを備え、上部が開放された直方体状に形成される。ゴミ収納トレー121の直方体の形状と、生ゴミ処理装置1のゴミ収納トレー設置部111の形状はそれぞれ対応する。
<処理容器の分割構造>
図38に示すように、処理容器42の上部には、容器上部ケース42cが取り付けられる。容器上部ケース42cには、上述した下部ユニット6が組み合わされる。処理容器42と容器上部ケース42cとは、例えば、ネジ止めにより分解可能に取り付けられる。これにより、図34に示す容器上部ケース42cを取り外すと、図24に示した処理容器42の撹拌翼44を取り外して交換できる構成となっている。
容器上部ケース42cの上面には、開口部42fが設けられ、この開口部42fには、図13に示した下部ユニット6が取り付けられる。ここで、下部ユニット6はシンク2aに取り付けられる上部ユニット5と接続部材24を介して接続される。処理容器42の分解時に、下部ユニット6が装置本体側に残る構造にしたので、処理容器42の分解を容易にしている。
<生ゴミ処理装置の制御構成>
図42は、生ゴミ処理装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。図42に示すシステムコントローラ92は、制御部(手段)の一例を構成するもので システムコントローラ92は制御部の一例を構成し、カム位置検出センサ39から出力されるカム位置検出信号S39に基づいてモータ36aの出力を制御する。システムコントローラ92は、例えば、A/D変換部92a、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)92b、ワーク用のRAM(Random Access Memory)92c及びROM(Read Only Memory)92dを有して構成される。ROM92dには当該生ゴミ処理装置全体を制御するためのシステムプログラムデータや、運転モードを制御するための情報が格納される。RAM92cには、運転モード実行時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU92bは電源がオンされると、ROM92dからシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、当該装置全体を制御するようになされる。
システムコントローラ92には操作部98が接続され、図示しない電源スイッチのON/OFF情報や、異物詰まり時の確認情報等の操作信号S98をシステムコントローラ92へ出力するようになされる。CPU92bは、操作信号S98及び、複数のセンサ19a,19b,39,51a〜51c,61,93及び撹拌翼モータ電流値検出用の電流電圧変換部(以下IV変換部68という)に基づいて各種モータ67,69c,97aや、上蓋ソレノイド13a、PTCヒータ52、モニタ91及びブザー96等の出力を制御するようになされる。システムコントローラ92には前面パネル開閉検出用のセンサ93を含む8個のセンサ19a,19b,39,51a〜51c,61が接続されている。A/D変換部92aは、各センサ出力をアナログ・デジタル変換して各々信号に対応したデータを出力するようになされる。
[検出系]
センサ93は、図34に示したカバー41において、前面パネル41aが開閉されたとき、この前面パネル41aの開閉を検出して、パネル開閉検出信号S93をシステムコントローラ92へ出力するようになされる。排出口開閉検出用のセンサ61は、図24に示したカバーユニット58が、図31に示した排出口53から開かれ又は閉じられたとき、カバーユニット58の開閉を検出して、排出口開閉検出信号S61をシステムコントローラ92へ出力するようになされる。これにより、CPU92bでセンサ61の出力からカバーユニット58の開閉を判別できるようになる。
上蓋開閉検出用のセンサ19a,19b(上蓋センサ1,2)は、図9に示した投入開口部9への蓋体11の開閉を検出して、上蓋開閉検出信号S19a,S19bをシステムコントローラ92へ出力するようになされる。システムコントローラ92では、CPU92bが上蓋検出センサ19a,19bから出力された2つの上蓋開閉検出信号S19a,S19bをA/D変換した後の開閉検出データD19に基づいて蓋体11のロック有無を判別する。例えば、CPU92bは開閉検出データD19が「10」,「00」,「11」のようにシーケンシャルに検出された場合に、投入開口部9へ蓋体11が閉じられたことを認識する。これにより、システムコントローラ92では、上蓋検出センサ19a,19bの出力から、蓋体11が投入開口部9を塞いでロック状態となっているかどうかを検出できるようになる。
撹拌翼原点位置検出用のセンサ51aは、図3に示した処理容器42内の撹拌翼44の回転位置を検出して、撹拌翼原点位置検出信号S51aをシステムコントローラ92へ出力するようになされる。撹拌翼底蓋押上位置検出用のセンサ51bは、図3に示した処理容器42内の撹拌翼44の押上位置を検出して、撹拌翼押上位置検出信号S51bをシステムコントローラ92へ出力するようになされる。これにより、CPU92bでセンサ51a及び51bの出力から撹拌翼44の位置を判別できるようになる。撹拌翼排出位置検出用のセンサ51cは、図3に示した処理容器42内の撹拌翼44の排出位置を検出して、撹拌翼排出位置検出信号S51cをシステムコントローラ92へ出力するようになされる。
底蓋閉じ検出用のセンサ(カム位置検出センサ)39は、図13に示した投入筒部21に対する底蓋22の回転位置を検出してカム位置検出信号S39をシステムコントローラ92出力するようになされる。これにより、CPU92bで、カム位置検出センサ39の出力から底蓋22のロックおよびロック解除を行うロックカム34の状態を識別できるようになる。システムコントローラ92は、カム位置検出信号S39をトリガにして、撹拌動作に移行するようにモータ制御するようになされる。
[駆動系]
上述のシステムコントローラ92には、各種モータ67,69c,97aや、上蓋ソレノイド13a、PTCヒータ52、モニタ91及びブザー96等の出力系が接続される。システムコントローラは、各センサ19a,19b,39,51a〜51c,61の出力及び、所定のプログラムに基づいて、モータ67,69c,97aや、上蓋ソレノイド13a、PTCヒータ52、モニタ91及びブザー96等を駆動するようになされる。
送風ファン用のモータ69cは、生ゴミ破砕乾燥時に、システムコントローラ92からモータ駆動電圧V69cを入力して図35等に示した送風ファン69を駆動するようになされる。これにより、生ゴミ破砕乾燥時、CPU92bにおいて、送風ファン69を断続運転制御できるようになる。
排気ファン用のモータ97aは、粒状粉体排出時にシステムコントローラ92からモータ駆動電圧V97aを入力して図示しない排気ファンを駆動するようになされる。これにより、粒状粉体排出時、CPU92bにおいて、排気ファンを断続運転制御できるようになる。室内への臭気の漏れを低減できるようになる。
撹拌翼用のモータ67は、生ゴミ破砕乾燥時に、システムコントローラ92からモータ駆動電圧V67を入力して図27に示した撹拌翼44を往復回動動作及び回転動作するようになされる。これにより、撹拌翼運転時、CPU92bにおいて、撹拌翼44を往復回動制御及び回転制御できるようになる。例えば、システムコントローラ92では、底蓋22が開動作する前に、処理容器42の投入筒部21の下部投影領域から外れ、かつ、底蓋22の回転軌跡から外れた位置に撹拌翼44を移動して停止させるようにモータ67を制御する。これにより、生ゴミ投入時における撹拌プレート47の停止位置を投入筒部21の下の領域(ゴミ落下領域)から外れたところに設定することができる。
この例では、処理容器42の軸部45の回転に関して、撹拌翼44が破砕刃62に噛み合う方向を正回転としたとき、システムコントローラ92は、軸部45を逆回転して処理容器42の投入筒部21の下部投影領域から外れた位置に撹拌翼44を移動するようにモータ67を制御する。これにより、撹拌翼44の裏側に生ゴミ7を追いやることができる。
また、図42に示す上蓋ソレノイド13aは、蓋体11のロック解除時に、システムコントローラ92からソレノイド駆動電圧V13aを入力して図11Bに示したソレノイド13aを一瞬駆動するようになされる。これにより、ユーザは、蓋11を投入開口部9から外すことができる。上蓋ロック解除後、CPU92bにおいて、蓋体11が投入開口部9から外されたことを判別して、他の制御へ移行できるようにしてもよい。例えば、底蓋22の閉じ後の撹拌翼44の往復回動動作、回転動作及び停止を含めたモータ断続運転等である。
フィルタ塵除去用のモータ79bは、生ゴミ破砕乾燥動作停止時に、システムコントローラ92からモータ駆動電圧V79bを入力して図38に示したモータ79bを駆動するようになされる。これにより、フィルタ清掃時、CPU92bにおいて、フィルタ塵除去制御を実行できるようになる。
PTCヒータ52は、生ゴミ破砕乾燥時に、システムコントローラ92からヒータ駆動電圧V52を入力して図3に示した処理容器42の底部から加熱するようになされる。これにより、撹拌翼断続運転時、CPU92bにおいて、PTCヒータ52のオン及びオフ制御を実行できるようになる。
ブザー96は、異物詰まり時に、システムコントローラ92から警報信号S96を入力して図示しないブザーを鳴動し、ユーザに異常を知らせるようになされる。これにより、異物詰まり時、CPU92bにおいて、ブザー鳴動制御を実行できるようになる。
図43A〜Cは、生ゴミ処理装置1における断続運転例を示すタイムチャートである。この例では、撹拌翼駆動用のモータ67の消費電力を抑えるために、撹拌翼44の駆動を断続(間欠)する制御が採られる。撹拌及び乾燥動作中には、紛状となった粒状物が舞い上げられてフィルタ78に貼り付くことで、フィルタ78の目詰まりを引き起こし、排気風量を落としてしまうが、この例では、撹拌動作を止めると同時に、送風ファン69も止めるようにすることで、ファン停止期間を利用して、フィルタ78の掻き落とし動作を行って、フィルタ78に貼り付いた粒状粉体物を落下させるようにしている。
図43Aに示す撹拌動作において、ハイ・レベルの区間は撹拌翼44の駆動モータ67が通電される撹拌翼駆動期間T1である。ロー・レベルの区間は駆動モータ67が非通電となる撹拌翼駆動停止期間である。この例では撹拌翼駆動期間T1は、150秒(2分30秒)に設定される。撹拌翼駆動期間T1では、撹拌翼44の往復回動動作、及び正回転動作が行われる。なお、撹拌翼44の往復回動動作を行うことで、撹拌翼44の回動方向面に貼り付いていたペースト状のゴミが逆回動時に処理容器内壁との摩擦力で撹拌翼44から剥がされて落下するようになる。
図43Bに示すファン駆動において、ハイ・レベルの区間は送風ファン69の送風ファンモータ69cが通電されるファン駆動期間であり、ロー・レベルの区間は送風ファン69cが非通電状態となるファン停止期間T2である。この例ではファン停止期間T2は、30秒に設定される。もちろん、設定値は30秒に限定されることはない。
図43Cに示すフィルタ掻き落とし動作において、ロー・レベルの区間はフィルタ塵除去用のモータ79bが非通電状態であるフィルタ清掃非実行期間であり、ハイ・レベルの区間は、モータ79bが通電されるフィルタ清掃期間T3である。フィルタ清掃期間T3は、5秒に設定され、フィルタ78から粒状粉体物を掻き落とす。フィルタ清掃期間T3は、撹拌翼駆動停止期間であって、T2=30秒に設定されたファン停止期間に実行される。
このとき、フィルタ塵除去用のモータ79bには、システムコントローラ92からモータ駆動電圧V79bが出力される。図39Aに示したモータ79bを駆動することで、カム77が回転し、シャフト79aに支持されているプレート79の先端のL状部位がフィルタ78を叩き、そこに付着していた粒状粉体物を掻き落とす。これにより、フィルタ78を自動的に清掃できるようになる。
この粒状紛体の落下後、再度、図43Bに示すように送風ファン69にモータ駆動信号S69を出力して再度動作させる。このとき、図43Aに示す撹拌動作は、ロー・レベルで止まっているため、粒状紛体を舞い上げることがなくなって粒状粉体がフィルタ78に付着せず、排気風量が増加し、乾燥性能を向上できるようになる。
<ファンによる風量制御>
上述した処理容器42内でのゴミ処理量が増加して、満タンになると、排出動作実行を促すが、ゴミ処理量の増加に伴い、撹拌翼44で掻き上げるゴミ処理量が増加してくる。ゴミ処理量が増加すると、送風ファン69の圧力損失が増加する。また、排気用の配管内等に汚れが付着することでも圧力損失が増加する。通常、圧力損失が増加すると、送風ファン69の回転数が増加するので、システムコントローラ92では送風制御が実行される。
図44は、システムコントローラ92における制御テーブル例を示す表図である。図44に示す制御テーブルは、例えば、システムコントローラ92内のROM92dに記述される。この制御テーブルによれば、ゴミ量が多い場合は、回転数「大」及び風量「多」とする内容に設定される。ゴミ量が中の場合は、回転数「中」及び風量「中」とする内容に設定される。ゴミ量が少ない場合は、回転数「小」及び風量「小」とする内容に設定される。システムコントローラ92は、制御テーブルに基づいて自動運転モードを実行する。
この例では、送風ファン69の回転数を検出し、図44に示した制御テーブルを参照して、一定風量を保持できるように送風ファン69の回転数を制御する。例えば、制御テーブルで指示された風量と現在の印加電圧から、指示された風量で送風ファン69を駆動するための回転数を選択した後、選択した回転数と実際の回転数を比較し、回転数が同一となるようにモータ駆動電圧V69cを制御するようになされる。
<吸気・排気動作>
次に、図2及び図45を用いて、生ゴミ処理装置1における吸気・排気動作について説明する。図45は、前面パネル41a及び排出口53が閉じ、送風ファン69のみが駆動している状態の生ゴミ処理装置1の吸気及び排気の空気の流れを示す平面図である。図46は、前面パネル41a及び排出口53が閉じ、送風ファン69のみが駆動している状態の処理容器42内の空気の流れを示す断面図である。
まず、送風ファン69が駆動することにより、図2の矢印Aに示すようにキャビネット2bの扉2cに形成されたガラリ2eから、キャビネット2b外の空気がキャビネット2b内に吸込まれる。また、図2の矢印Bに示すようにキャビネット2bの蹴込み部2dに形成された吸気口2f、及び通風口2gを通じてキャビネット2b外の空気がキャビネット2b内に吸込まれる。キャビネット2b内の空気は、図2の矢印C及び図45の矢印hに示すように、前面パネル41aの吸気口73から外部の空気がカバー41内に吸気され、送風ファン吸込口69aより送風ファン69内に吸気される。送風ファン69内に吸気された空気は、図45の矢印iに示すように送風ファン排気口69bより送風ダクト70内に送風され、処理容器吸気口42uより処理容器42内に送風される。
処理容器42内に送風された空気は、図45の矢印j及び図46の矢印に示すように、処理容器42内の処理容器吸気口42uに設けられた整流板42j及び延設部42jjにより、処理容器42内部の撹拌・乾燥空間の下方へ流れた後、処理容器42の上部に設けられた排気口74へ向けて流れる。排気口74へ流れた空気は、図45の矢印k及び矢印lに示すように、排気ダクトA85、エルボーダクト85a及び排気ダクトB86を介して排水管87内へ流れる。
生ゴミ処理装置1においては、キャビネット外の空気をキャビネット内へ吸込むための吸気口として、設置されるシンク2a下のキャビネット2bの扉cのガラリ2e及び蹴込み部2dの吸気口2fを備える。これにより、ガラリ2e及び吸気口2fを備えないキャビネットに設置される生ゴミ処理装置と比較して、キャビネット2b外の空気を吸込む際の圧力損失が小さくなり、生ゴミ処理装置1の吸気に必要な風量が確保される。これにより、後述する生ゴミ処理装置1の破砕乾燥処理の効率の低下を防ぐことができる。また、ガラリ2e及び吸気口2fを備えないキャビネットに設置される生ゴミ処理装置と比較して、吸気の際の風きり音を低減することができる。
また、生ゴミ処理装置1においては、処理容器42内から排気される空気は、排気ダクトA85、エルボーダクト85a及び排気ダクトB86を介して排水管87へ流れる。これにより、生ゴミ7の臭気が居室等へ漏れることを防ぐことができる。更に上述したように、生ゴミ処理装置1においては、吸気に必要な風量が確保されることから、必要な風量で排気が行われる。
更に、後述する破砕乾燥動作を停止している間に、送風ファン69による処理容器42内の吸気及び排気を定期的に行うことにより、処理容器42内の空気を換気することができる。
続いて、生ゴミ処理装置1における動作例について、図16A、図18、図19、図47〜図51を参照しながら説明をする。図47は、生ゴミ投入時及び底蓋閉じ時の動作例を示すフローチャートである。図48〜図50は、底蓋閉じ時の動作例(その1〜3)を示す断面図である。なお、この例では、ステップSA1〜SA4で上蓋をロックし、ステップSA5及びSA6で底蓋22のロックを解除し、ステップSA7〜SA9で底蓋22のロックする動作例について説明する。
この例では、蓋体11が投入開口部9にロックされた後に、底蓋ロック解除がなされる。また、生ゴミ破砕乾燥装置4には生ゴミ7を破砕する撹拌翼44が設けられ、撹拌翼44にはリブ44aが設けられ、下部ユニット6の投入筒部21から離脱した底蓋22は、底蓋22の閉じ時、撹拌翼44のリブ44aが押し当てられて当該底蓋22を閉じるようになされる。
<生ゴミの投入動作>
まず、蓋体11が開いた状態では、図3に示したように、底蓋22は投入筒部21の下端を閉じている。また、図13に示したように、ロックカム34の押上部34aで底蓋22の押圧部29を押し上げている。これにより、図15に示したように、底蓋22に取り付けられたシール部材30は、パッキン30aが投入筒部21のシール面31に押圧された状態である。
投入筒部21に接続された投入開口部9から生ゴミ7を投入すると、投入された生ゴミは底蓋22上に集積される。上述したように、底蓋22はシール部材30が投入筒部21のシール面31に押圧されているので、生ゴミに含まれる水分の底蓋22からの漏れが抑えられる。
そして、底蓋22の上面に傾斜面27dが形成されるので、水分は傾斜面27dに沿って排水口25から排水トラップの上流に排水される。ここで、排水口25にはフィルタ26が取り付けられるので、生ゴミ類はフィルタ26を通ることはなく、水分が排水口25へ排水される。
さて、図16Aに示したように、底蓋22を閉じた状態では、投入開口部9側でシール部材30が露出する部分は、底蓋22の蓋部27と投入筒部21のクリアランス部分である。このため、誤ってフォーク等が投入されても、シール部材30を傷つけることはない。
[生ゴミ投入時の処理]
投入開口部9に投入された生ゴミを生ゴミ処理装置1で処理するため、まず、図47に示すフローチャートのステップSA1において、蓋体11で投入開口部9を閉じる。このとき、ユーザは、蓋体11を投入開口部9に嵌め、所定の方向に回転させると、蓋体11の係止溝11bに上蓋ロック機構12の係止爪16が嵌り、蓋体11の回転が規制される。また、蓋体11のリブ11aが投入開口部9のリブ10aに嵌り、蓋体11の上方への移動を規制する。これにより、蓋体11は投入開口部9に閉状態でロックされる。
また、ステップSA2でセンサ19a,19bは蓋体11の位置を検出する。例えば、蓋体11の係止溝11bに係止爪16が嵌る位置となると、蓋体11のマグネット18aを上蓋検出センサ19aが検出する。更に蓋体11が回転されて、上蓋検出センサ19bがマグネット18bを共に検出する位置に回転される。上蓋検出センサ19aは位置検出信号S19aをシステムコントローラ92に出力し、上蓋検出センサ19bは位置検出信号S19bをシステムコントローラ92に各々出力する。システムコントローラ92は、位置検出信号S19a、s19bに関して「10,00,11」を検出すると、蓋体11が開口投入部9に嵌り、閉状態でロックされたことを認識する。
システムコントローラ92は、上蓋検出センサ19a、19bで蓋体11のロックを検出すると、ステップSA3で原点位置検出センサ51aの出力から撹拌翼44の位置を検出する。すなわち、撹拌翼44が回転している場合は、原点位置検出センサ51aが撹拌翼44を検出するので、モータ67の回転を停止して、撹拌翼44を原点位置O”で停止させる。
次に、システムコントローラ92は、ステップSA4で送風ファン69を駆動するファンモータの回転を停止する。本例では、送風ファン69の回転を停止すると、カバー41内部と外部との圧力の関係で逆止弁72が閉じる。更に、モータで図示しない逆止弁ユニットの逆止弁を閉じ、PTCヒータ52を停止する。
システムコントローラ92は、上蓋検出センサ19a、19bで蓋体11のロックを検出すると、一定時間経過後に、モータ36aの駆動を開始する。ここで、システムコントローラ92は、上蓋検出センサ19a,19bで蓋体11のロックを検出してから、一定時間経過するまでに、上述したステップSA3およびステップSA4の処理を行う。
[底蓋開き時]
次に、図47に示したステップSA5で、ロックカム34で底蓋ロックを解除する。ロックカム34は、図18に示したように、原点位置O’にある状態では、押上部34aが図16Aに示したように底蓋22に当接して押し上げている。また、システムコントローラ92は、上蓋検出センサ19a,19bで蓋体11のロックを検出して一定時間経過すると、モータ36aを駆動してロックカム34を矢印a方向に回転させ、底蓋22を開く。このとき、ロックカム34は、図3に示したように駆動シャフト35’及び減速ギア36bを介してモータ36aに連結されるので、モータ36aを回転するとロックカム34も回転する。
モータ36aの駆動によって、ロックカム34が原点位置O’から矢印a方向に約130度回転すると、底蓋22は、押上部34aから離れる。これにより、ロックカム34による底蓋22の閉状態でのロックが解除され、底蓋22は、自重および生ゴミの重さで軸部28を支点にして開く。
図48に底蓋22が開いた状態を示している。図48に示すロック解除後の底蓋22は略鉛直方向に垂下した状態で開いている。底蓋22の載せられた生ゴミは、処理容器42内に投入され、処理容器42内に底蓋22が垂れ下がった状態となる。生ゴミ7は、撹拌翼44の後ろ側に落ちている。このとき、撹拌翼44は原点位置O”で停止しているので、底蓋22の開放動作中に、底蓋22が撹拌翼44に接触することはない。
さて、通常は底蓋22はロックカム34によるロックが解除されれば、図16Bに示したように、自重等で自動的に開くが、シール部材30が貼り付く等によって、自重では開かない状態が考えられる。そこで、ステップSA6で、ロックカム34によって底蓋22を強制的に開くようになされる(底蓋強制ロック解除)。図19はロックカム34を原点位置O’から矢印a方向に180°回転させた状態を示す底面図である。図19に示すようにロックカム34が原点位置O’から矢印a方向に180°回転すると、押下面34bが底蓋22の押圧部29を上方から押圧する。これにより、底蓋22には強制的に開く力が加わり、シール部材30が貼り付く等によって、自重では開かない状態であっても、強制的に開くことができる。
システムコントローラ92は、ロックカム34を原点位置O’から矢印a方向に180°回転させると、モータ36aの駆動を停止する。ここで、ロックカム34の回転角度は、カム位置検出センサ39で原点位置O’を検出しておき、モータ36aの回転位相で制御する。このとき、蓋体11は閉状態でロックされたままである。このため、底蓋22が開いた状態で、蓋体11を開くことはできず、処理容器42からの臭気の逆流および処理容器42内への水分の流入を防いでいる。
さて、上蓋検出センサ19a、19bで蓋体11のロックを検出してから、モータ36aの駆動を開始して底蓋22を開くまでの時間としては数秒程度、例えば5秒程度に設定する。これは、投入開口部9に投入された生ゴミは水分を含んでいると考えられるので、蓋体11が閉じられた後でも底蓋22上で待機させることで水分を切ってから、処理容器42内に投入するためである。
[底蓋閉じ動作]
次に、ステップSA7でシステムコントローラ92は、ロックカム34を原点位置O’から矢印a方向に180°回転させてモータ36aの駆動を停止する。また、モータ67により撹拌翼44を図48に示す位置から図49に示す矢印c方向に回転させる。すなわち、底蓋22が開放した状態で、原点位置O”にある撹拌翼44を矢印c方向に回転させると、底蓋22は撹拌翼44の回転軌跡中に存在するので、撹拌翼44のリブ44aが底蓋22の押上凸部32に接触する。更に、図50に示すように、撹拌翼44を底蓋押上検出センサ51bで検出されるまで回転させると、撹拌翼44の撹拌プレート47は底蓋22を押し上げ、底蓋22は軸部28を支点とした回転動作で閉じる。
この動作に連続して、ステップSA8で、システムコントローラ92は、底蓋押上検出センサ51bが撹拌翼44を検出してモータ67の回転を停止すると、モータ36aを回転させ、ロックカム34を図19に示した矢印b方向に回転させる。これにより、ロックカム34は、図19に示した開き状態から図18に示した閉じ状態に移行するようになる。このとき、ロックカム34が図19に示した開き状態から図18に示した閉じ状態に至る矢印b方向に回転すると、底蓋22の押上面34aが底蓋22の押圧部29に接触して、底蓋22を押し上げる。そして、ロックカム34が図18に示した閉じ状態まで矢印b方向に回転すると、押上面34による押上動作は完了する。ステップSA9でロックカム原点復帰で動作を終了する。
[例外処理]
なお、システムコントローラ92は、底蓋押上検出センサ51bが撹拌翼44を検出すると、モータ67の回転を停止する。これにより、底蓋22は撹拌翼44に支持された状態で、投入筒部21を塞ぐ。ここで、モータ67の回転を開始してから、所定時間経過しても底蓋押上検出センサ51bが撹拌翼44を検出しない場合は、システムコントローラ92は、モータ67を所定量逆転させて撹拌翼44を原点位置O’あるいは原点位置O’を多少越える程度まで戻し、リトライする。なお、複数回のリトライでも底蓋押上検出センサ51bが撹拌翼44を検出しない場合は、アラームを発生してエラーとする。
このエラー時では、底蓋22は開放した状態であると考えられるので、システムコントローラ92は蓋体11を閉状態でロックしたままとする。また、図3、図4に示したように、シンク2aの投入開口部9の周囲には、排水口8へ導かれる排水路94が形成され、排水口路94は蓋体11では塞がれないので、蓋体11を閉じたままでも、通常のシンクとしての機能は果たすようになっている。
図51は、処理容器内における撹拌動作例を示す断面図である。図51に示す処理容器42の撹拌翼44は往復回動動作及び回転動作するように制御される。上述した撹拌翼断続運転時、撹拌翼44の停止中の待機位置は、図48に示した原点位置0”に対して図51の二点鎖線で示す撹拌翼44のように後退した位置αに設定される。待機位置の条件としては、撹拌翼44に吸気された送風が邪魔されずに生ゴミ7に当たることが挙げられる。これは、底蓋22の閉動作を伴う場合は、底蓋22の閉動作時、撹拌翼44上のゴミが邪魔にならない位置であることによる。なお、破砕刃62の最上位置(以下で帰点ともいう)βを撹拌翼44の待機位置とすると、停止時に逆転する必要がある。停止位置αであると、撹拌翼44を逆転する必要がなくなる。
この例では、撹拌翼44の動作範囲を狭くし、往復回動動作させている。例えば、撹拌翼44の回動範囲をθαβとし、θαβ=120°とした場合、撹拌翼44は、1往復回動動作あたり240°の回動動作範囲となる。この動作範囲の限定により、生ゴミ7が破砕刃62を通過する回数が撹拌翼44を360°回転させる場合よりも増加する(破砕速度がアップする)ので、効率的に生ゴミ7を破砕できるようになる。
この例では、撹拌翼44の往復回動動作によって、下部が半円筒状を有した処理容器42内の生ゴミ7と、その処理容器42の内壁との摩擦力で、撹拌翼44に貼り付いたゴミが正逆方向に変化する。これにより、当該撹拌翼44に貼り付いた生ゴミ7を撹拌翼44から剥がすことができる。
なお、この例で、後方に落ちた生ゴミ7を再度撹拌するため、一定時間(例えば、30秒)毎に撹拌翼44を1回転させるようなシーケンスを組んでいる。このように、破砕効率を高めたことで、撹拌翼44を常時動作させておく必要が無くなり、一定時間(例えば、150秒)で断続運転ができるようになった。
このように、撹拌翼44を狭い動作範囲で往復回動動作させることにより、生ゴミが単位時間当たりに破砕刃62を通過する回数を増加させることができ、トータルで破砕速度をアップさせることができる。撹拌翼44の動作範囲を上側は、帰点位置βとする、ほぼ水平付近までとし、撹拌翼44の後方側に大量のゴミを落下させない構造を採ることができる。下側は鉛直真下よりも、待機位置αとして設定した位置まで、撹拌翼44を回動させることで、撹拌翼44の隙間から後方に落ちたゴミを撹拌翼44の前方に戻す構造とすることができる。
<破砕乾燥動作>
上述した投入動作で生ゴミ投入装置3から生ゴミ破砕乾燥装置4に投入された生ゴミは、処理容器42で破砕および乾燥するようになされる。処理容器42での破砕・乾燥動作は、底蓋22が閉じている必要があるので、上述した投入動作で底蓋22を閉じる動作を行い、正常に閉じたことが検出されると、システムコントローラ92は破砕・乾燥動作を開始する。すなわち、システムコントローラ92はヒータ駆動電圧V52をPTCヒータ52に供給してオンとし、処理容器42を加熱する。また、モータ69bにモータ駆動電圧V69bを供給して送風ファン69を回転させ、撹拌翼44の撹拌翼本体46のシャフト48a〜48eの間を通して送風を開始する。更に、モータ67の回転を開始し、撹拌翼44を矢印c方向に回転させる。
撹拌翼44を矢印c方向に往復させると、処理容器42内の生ゴミは、シャフト48a〜48eを通過した送風を受けながら、撹拌翼本体46によりかき上げられる。撹拌翼44の撹拌翼本体46がカバーユニット58に備えた破砕刃62を通過すると、破砕刃62は撹拌翼本体46の撹拌プレート47の隙間を通過することになるので、撹拌翼本体46でかき上げられた生ゴミは破砕刃62で破砕される。その後、撹拌翼44を1回転するように制御する。
また、破砕刃62は撹拌翼44の軸線方向に沿って複数枚設けてあるので、生ゴミを細かく破砕することができる。更に、各破砕刃62は周方向に対しても位置をずらしてあるので、例えば1つの物体を複数の破砕刃62で同時に切断するような事象が発生しにくく、撹拌翼44に過大な力が加わることを防ぐ。
このように、撹拌翼44を往復回動動作させてから回転動作させることで、処理容器42内で生ゴミは撹拌されながら、シャフト48a〜48eを通過した送風で水分を蒸発させ、乾燥させる。またPTCヒータ52で処理容器42を加熱することで、水分の蒸発を促進する。PTCヒータ52は自己温度制御機能を有するので、必要以上の電力を消費せず、低電力化が図れる。
なお、処理容器42内部への送風を温風とするためには、図35等に示した送風ファン69からの送風経路途中にヒータを設けると共に、温度管理が必要となって、構造が複雑になるが、PTCヒータ52を処理容器42に貼り付けて使用することで、常温の送風を行いつつ、処理容器42内の生ゴミを加熱して、乾燥を促進させることができる。また、乾燥することで微生物の活動を弱め、臭気の発生を抑えることができる。
処理容器42内の空気は、図45の矢印k及び矢印lに示すように、排気口74から排気ダクトA85、排気ダクトB86してより下流の排水管87へ排気される。排気口74は、処理容器42の上部に配置したので、水分が直接流入することを防ぐ。また、フィルタユニット75を介していることで、破砕されて乾燥した乾燥ゴミ粉が排気と共に排出されることを防ぐ。
上述したように、フィルタユニット75に自動清掃可能な先端L状のプレート79を備えることで、フィルタユニット75を取り外すことなく、フィルタ78の清掃が可能であり、フィルタ78の目詰まりを防ぐことができる。また、プレート79を備えると共に、フィルタ78を着脱できるようにして、洗浄可能としても良い。
なお、処理容器42からの排気は排水トラップ84の下流に行うので、通常、汚水が逆流することはない。但し、排水管87が詰まった場合等は、汚水が逆流する可能性がある。このため、逆止弁76から排水管までの経路中に汚水の流入を検出するセンサを備えて、もし、汚水が逆流してきた場合は逆止弁76を閉じ、処理容器42内への汚水の逆流を防ぐ。
このように、往復回動動作及び回転動作を伴う撹拌動作機構を備えた生ゴミ処理装置1によれば、システムコントローラ92が、破砕刃62の最上位の刃部62aを基準(帰点β)にして撹拌翼44が往復するようにモータ67を制御する。これにより、撹拌翼44の動作範囲θαβの上側位置を水平付近とすることで、大塊ゴミを高い位置から落下させないようにできるので大塊ゴミの落下衝撃音を防いで、装置本体を静音化できるようになった。
このように、生ゴミ破砕乾燥装置4を備えた生ゴミ処理装置1によれば、システムコントローラ92は、破砕刃62を含む所定の領域で撹拌翼44を往復回動動作させ、所定時間後、処理容器42内で撹拌翼44を回転させるようにモータ67を制御するようになる。
従って、生ゴミ7が破砕刃62と撹拌翼44との間に挟まれて、単位時間当たりに破砕される回数を、四六時中、処理容器42内で撹拌翼44を回転動作させて生ゴミ7を破砕する場合に比べて多くできるので、生ゴミ7を効率良く破砕粉体にすることができる。しかも、従来方式に比べて撹拌翼44の上に載って破砕に至らない生ゴミ7の量を少なくすることができ、単位量当たりの処理時間を短縮できるようになる。これにより、高破砕乾燥機能を備えた乾燥式の生ゴミ処理装置1を提供できるようになる。
また、生ゴミ破砕乾燥装置4を備えた生ゴミ処理装置1によれば、生ゴミ7を処理容器42に投入する場合に、システムコントローラ92は、底蓋22が開動作する前に、処理容器42の投入筒部21の下部投影領域から外れ、かつ、底蓋22の回転軌跡から外れた位置に撹拌翼44を移動して停止させるようにモータ67を制御する。
従って、底蓋22の開動作を支障を来すことなく行なえ、しかも、投入筒部21の下部投影領域に生ゴミ7を多く投入できるようになる。これにより、処理容器42内の既存の生ゴミ7が投入領域から避けられ、ゴミ収容スペースを大きくすることができ、処理容器42の最下部に新たな生ゴミ7を溜めることができる。
<処理容器内のゴミ量検出及び異物検出機能>
図52は、ゴミ量検出及び異物検出系の構成例を示すブロック図である。この例では、鳥骨等の硬い物も破砕するので、何度か破砕物が破砕動作を繰り返すようになされる。モータ67のモータロック現象が連続で検出されたときのみ、モータ67への通電を休止して撹拌翼44を停止させる。このとき、異物が破砕刃62と撹拌翼44との間に挟まったままだと除去し難いので、撹拌翼44を逆転させて異物を取出し易くする位置に待避する機能(構造)が採られる。
図52に示すゴミ量検出及び異物検出系は、IV変換部68、モニタ91、システムコントローラ92及び操作部98が構成される。IV変換部68は検出部の一例を構成し、撹拌翼用のモータ67に接続され、そのモータ67へ流入するモータ電流Imのピーク値Imaxを検出してアナログのピーク検出電圧Vmを出力するようになされる。IV変換部68にはアナログ/デジタル(以下A/Dという)変換器92aが接続され、ピーク検出電圧VmをA/D変換してピーク電流情報DmをCPU92bに出力するようになされる。ROM92dには、第1及び第2の閾値データDth1、Dth2が格納されている。
システムコントローラ92は、まず、IV変換部68からA/D変換器92aを経て得られるピーク電流情報と設定された第1の閾値データDth1とを比較し、閾値データDth1を越えるピーク電流情報(値)Dmの連続検出回数を検出する。その後、ピーク電流情報Dmの連続回数と設定された第2の閾値データDth2とを比較し、ピーク電流情報Dmの連続回数が閾値データDth2を越えた場合にモータ67を停止するようになされる。これはスプーンや箸等の異物が撹拌翼44と破砕刃62a等に挟まった場合が想定されるためである。そして、システムコントローラ92は、アラームをモニタ91等に出力したり、ブザー96を鳴動する処理がなされる。モニタ91は例えば、カバー41の操作パネル面に設けられる。
この例で、ピーク電流情報Dmの連続回数が閾値データDth2を越えた場合に、システムコントローラ92は、破砕刃62の領域から離れた位置に撹拌翼44を停止させるようにモータ67を制御する。ここで、生ゴミ処理装置1の排出口53を右手に向けて正対したとき、処理容器42の軸部45の回転に関して反時計方向を正回転とし、時計方向を逆回転とする。撹拌翼44を停止させる場合、システムコントローラ92は、ピーク電流情報Dmの連続回数が第2の閾値データを越えた場合に、軸部45を逆回転して破砕刃62の領域から離れた位置に撹拌翼44を停止させるようになされる。これは撹拌翼44と破砕刃62a等に挟まったスプーンや箸等の異物を除去しやすくするためである。なお、ユーザは異物除去後、操作部98を操作して異物除去完了を示す送信信号S98をシステムコントローラ92に出力するようになされる。このように、撹拌翼駆動用のモータ67への電流Imを読込み、連続で閾値Dth2を越えたときは、モータ67を停止できるようになる。
前述したように、例えば、吊元部42gに備えられた、図示しないカバーユニット回転軸55には、トルクリミッター等の、カバーユニット58を所定位置で固定する固定手段を備えるため、図32で示す異物取出し位置及び、図31で示す排出位置等の所定位置に固定される。後述する排出動作においては、カバーユニット58は排出位置に固定される。処理容器42内に誤って落としたスプーン等を取り出す際には、カバーユニット58は異物取出し位置に固定される。これにより、ユーザの使用勝手が良くなる。
<カバーユニットの開閉動作>
上述した破砕乾燥動作中は、カバーユニット58は処理容器42の排出口53を閉じている。処理容器42内で破砕され乾燥された乾燥ゴミ粉は、後述する動作で排出口53から排出される。そこで、排出動作に先立つカバーユニット58の開閉動作について図33等を参照して説明する。
図33Aに示すように、カバーユニット58が閉じ、シャフト60aが鉤状のフック部57に嵌ることにより、カバーユニット58は排出口53を閉じてロックされた状態となる。また、シャフト60aがフック部57に嵌ると、排出口開閉検出センサ61の出力から、システムコントローラ92はカバーユニット58が閉じられていることを検出できる。
図33Bの矢印pに示すように、カバーユニット58がロックされた状態からハンドル60を下に押すことにより、矢印qに示すようにシャフト溝42h内をシャフト60aが上方へ移動してシャフト60aとフック部57のロックは解除される。これにより図33Cの矢印に示すように、カバーユニット58を回転させて排出口53を開くことが可能となる。この時、排出口開閉検出センサ61の出力から、システムコントローラ92はカバーユニット58が開いていることを検出できる。
またカバーユニット回転軸55には、トルクリミッター等の、カバーユニット58を所定位置で固定する固定手段を備えるため、図31で示す排出位置又は図32で示す異物取出し位置等の所定位置に固定される。後述する排出動作においては、カバーユニット58は排出位置に固定される。処理容器42内に誤って落としたスプーン等を取り出す際には、カバーユニット58は異物取出し位置に固定される。
図31に示すように、カバーユニット58が排出位置にある状態においては、開放したカバーユニット58の下方と排出口53の間に多少の隙間は形成されるが、狭い隙間なので、手を入れることはできず、破砕刃62に手を触れることができないようになっている。
また、カバーユニット58は、処理容器42から取り外し自在な構成となっており、破砕刃62を交換する場合は、カバーユニット58ごと交換する。また、スプーン等の異物を取り出す際にカバーユニット58を処理容器42から取り外すとしても良い。
<排出動作>
図53は排出時の処理の流れを示すフローチャートである。図34に示すようにカバー41の前面パネル41aが開かれたことを、センサ93から検出すると(ステップB1)、システムコントローラ92は、原点位置検出センサ51aの出力から撹拌翼44の位置を検出する。すなわち、撹拌翼44が回転している場合は、原点位置検出センサ51aが撹拌翼44を検出すると、撹拌翼モータ67の回転を停止して、撹拌翼44を原点位置で停止させる(ステップB2)。
また、システムコントローラ92は送風ファン69の回転を停止する。本例では、送風ファン69の回転を停止すると、逆止弁72が閉じる。更にシステムコントローラ92はPTCヒータ52を停止し、排気ファン97を回転させる。(ステップB3)。なお、前面パネル41aの開放時に、上述した投入動作が行われている際には、排出動作を行えないので、ブザーやランプなどアラームを発する。
図54及び図55は袋101を取り付けた袋アダプタ120を、袋アダプタ設置部110(110a,110b)に設置した状態を示す説明図である。図54は斜視図であり、図55は断面図である。図56はゴミ収納トレー121をゴミ収納トレー設置部111に設置した状態を示す断面図である。ステップB3の終了後、図54から図56に示すように、袋101を取り付けた袋アダプタ120又は、ゴミ収納トレー121を、生ゴミ処理装置1に対して設置する(ステップB4)。
図57は袋101を取り付けた袋アダプタ120を設置した状態で、カバーユニット58を開いた状態を示す断面図であり、図58はゴミ収納トレー121を設置した状態で、カバーユニット58を開いた状態を示す断面図である。ステップB4の終了後、図57及び図58に示すように、図5で示す排出位置までカバーユニット58を開く。ここでシャフト60aがフック部57から外れたことを、排出口開閉検出センサ61の出力からシステムコントローラ92は検出する。
また、図57及び図58に示すように、袋101を取り付けた袋アダプタ120及びゴミ収納トレー121が設置された状態で、袋アダプタ120及びゴミ収納トレー121の処理容器42側の端部は、排出口53の下方に設けられている排出板64より奥側に位置する。これにより、カバーユニット58を開いた際に、排出口53及びカバーユニット58等から落下する乾燥ゴミ粉が、袋101若しくはゴミ収納トレー121に収納されずに周囲に散乱することを防ぐことができる。
図59及び図60は、袋アダプタ120を生ゴミ処理装置1に対して固定した状態を示す説明図である。図59は斜視図であり、図60は断面図である。ステップB5の終了後、袋101を取り付けた袋アダプタ120を設置している場合は、図59及び図60に示すように、袋101を取り付けた袋アダプタ120を固定する(ステップB6、ステップB7)。袋アダプタ120の処理容器42側の端部を排出板64に引っ掛けた状態で、袋101により各ガイドリブ54及びカバーユニット58を覆うようにして、把手120a側を持ち上げ、図示しない固定手段により、袋アダプタ120を固定する。
ゴミ収納トレー121を使用する場合はステップB6の終了後、袋101を取り付けた袋アダプタ120を使用する場合はステップB7の終了後、ユーザは操作部98に備えられている排出ボタンを押す(ステップB8)。
生ゴミ処理装置1においては、例えばユーザにより操作部98の排出ボタンが押されている間のみ、システムコントローラ92はゴミ排出モードを実行する(ステップB9)。ここで、ゴミ排出モードは、ハンドル60によるカバーユニット58のロック解除と、排出ボタンの押下の両方を検出した場合に実行される。
図61から図63は、ゴミ排出モード時の動作の説明図である。システムコントローラ92は、ゴミ排出モードでは、撹拌翼モータ67を駆動して、原点位置にある撹拌翼44を図61に示すようにまず矢印方向に回転させる。システムコントローラ92は、撹拌翼44の回転量が撹拌翼本体46の先端が排出口53の下端を越えない位置で停止するように、排出位置検出センサ51cからの検出信号を用いて、撹拌翼44の回転を制御する。ここで、排出位置検出センサ51cを用いずに、例えば撹拌翼44の駆動時間を計測する計測手段と、原点位置検出センサ51aによる撹拌翼44の位置の検出結果と、原点位置からの撹拌翼44の回転駆動時間の計測結果により撹拌翼44の位置を判別する演算手段を備え、撹拌翼44の駆動時間を制御することで、撹拌翼44の回転量を制御するとしても良い。なお、この停止位置をゴミ排出位置と称す。
撹拌翼44を原点位置からゴミ排出位置まで回転させると、処理容器42の底部に溜まった破砕されて乾燥された乾燥ゴミ粉が、撹拌翼44の撹拌翼本体46によりかき上げられて、排出口53から排出される。
この時、図58及び図60に示すように、排出口53には袋101を取り付けた袋アダプタ120若しくはゴミ収納トレー121が設置されているため、排出口53から排出された乾燥ゴミ粉は、袋101若しくはゴミ収納トレー121に収納される。
また、排出口53の下側の排出板64及び、排出口53の両側のガイドリブ54を備えることで、排出動作時に乾燥ゴミ粉が袋101若しくはゴミ収納トレー121に入らず外部に散乱することを防いでいる。
システムコントローラ92は、撹拌翼44を原点位置からゴミ排出位置まで回転させると、撹拌翼モータ67を逆転させ、図62に示すように、撹拌翼44を矢印方向に所定量回転させる。システムコントローラ92は、図63に示すように撹拌翼44の回転量が原点位置を越えた所定位置で停止するように、例えば駆動時間を制御することで、撹拌翼44の回転量を制御する。なお、この停止位置を戻り位置と称す。
そして、システムコントローラ92は、ゴミ排出位置から戻り位置までの往復回動動作を複数回行った後、撹拌翼44を原点位置で停止させ、ゴミ排出動作が終了したことを、ブザーやランプ等でユーザに通知する(ステップB10)。
このように、撹拌翼44をゴミ排出位置から戻り位置まで往復回動動作を行うことで、処理容器42の底部に溜まった乾燥ゴミ粉を集めて、排出口53から確実に排出することができる。なお、撹拌翼44の往復回動動作としては、約90度位の間とする。
上述したように、生ゴミ処理装置1においては、撹拌翼44のゴミ排出位置を撹拌翼本体46の先端が排出口53の下端を越えない位置とすることで、ゴミ排出モード時に撹拌翼44が排出口53の開口部の範囲を通過することがない。これにより、ゴミ排出モード時に人の手等を処理容器42内の撹拌翼44により挟むおそれが無く、乾燥ゴミ粉を排出する作業を安全に行うことが可能となる。
また、生ゴミ処理装置1においては、ユーザにより操作部98の排出ボタンが押されている間のみゴミ排出モードが動作するとした。これにより、ゴミ排出モードの動作中はユーザの手が排出ボタン上にあることにより、ユーザが誤って排出口53内に手をいれて動作中の撹拌翼44、破砕刃62との接触により怪我をすることを防ぐことができる。
更に、生ゴミ処理装置1においては、前面パネル41aが開いた状態では排気ファン97が回転する。これにより、ゴミ排出モード動作中は、処理容器42内の空気は排気口74から排気ダクトA85等を介して排水管87へ排気され、処理容器42内の空気が排出口53を通じて居室側へ漏れることを防ぐことができる。
ステップB9の、ゴミ排出位置から戻り位置までの回転翼の往復回動動作で、例えばゴミ排出位置から撹拌翼44を図62の矢印方向に回転を開始してから、所定時間経過しても原点位置検出センサ51aが撹拌翼44の通過を検出しない場合は、異物等が詰まって撹拌翼44が回転できなくなったと判断し、撹拌翼44の回転を停止すると共に、ブザーやランプ等でアラームを発する。
ゴミ排出動作が終了したことを、ブザーやランプ等で通知されると、ユーザは袋101を取り付けた袋アダプタ120若しくはゴミ収納トレー121を、生ゴミ処理装置1から取り外す(ステップB11)。
袋アダプタ120若しくはゴミ収納トレー121を、生ゴミ処理装置1から取り外した後、ユーザはハンドル60を操作して、カバーユニット58を閉めてシャフト60aをフック部57に嵌めてカバーユニット58をロックさせる(ステップB12)。ここでシャフト60aがフック部57に嵌ると、排出口開閉検出センサの出力からシステムコントローラ92はカバーユニット58のロックを検出する。
排出口53を閉めた後、ユーザはカバー41の前面パネル41aを閉じる(ステップB13)。カバー41の前面パネル41aが閉じたことをセンサ93の出力から検出し、且つ、システムコントローラ92は、排出口開閉検出センサ61の出力からカバーユニット58のロックを検出していれば、上述した生ゴミ投入動作の待機状態となる。なお、カバー41の前面パネル41aが閉じたことを検出したが、カバーユニット58のロックを検出していない場合は、システムコントローラ92は、ブザーやランプ等でアラームを発する。
ステップB13の終了後、システムコントローラ92は、排気ファン97を停止させる(ステップB14)。更にユーザは袋101若しくはゴミ収納トレー121に収納された乾燥ゴミ粉を廃棄する。
ここで、上述した排出動作例では、ユーザが排出ボタンを押している間のみゴミ排出モードで動作する構成とした。しかし、ユーザが排出ボタンを押して離した後、撹拌翼44のゴミ排出位置から戻り位置までの往復動作が所定回数行われることとしても良い。
また、上述した排出動作例において、撹拌翼44の、ゴミ排出位置から戻り位置までの回転を、戻り位置からゴミ排出位置までの回転より速い速度で行うとしてもよい。これにより、排出動作に必要な時間を短縮することが可能となる。
また、戻り位置に対応した箇所に撹拌翼44の位置を検出する戻り位置センサを設け、この戻り位置検出センサを用いて図53のステップB9における撹拌翼44の往復回動の制御を行うとしてもよい。
また、上述した動作例では、前面パネル41aが開かれた際に、撹拌翼44が回転している場合は、原点位置検出センサ51aが撹拌翼44を検出すると、撹拌翼モータ67の回転を停止して、撹拌翼44を原点位置で停止させるとした。しかし、撹拌翼44が回転している状態で前面パネル41aが開かれた際に、撹拌翼44が排出口53以外の位置にいる場合は、その場で撹拌翼44を停止させるとしても良い。撹拌翼44が排出口53以外の位置で停止することにより、ゴミ排出モードが実行され撹拌翼44が動作した際に、ユーザが誤って排出口53内に手を入れて撹拌翼44と接触により怪我をすることを防ぐことができる。
このように、本発明に係る生ゴミ処理装置1によれば、乾燥ゴミ粉に手を触れることなく、処理容器42内から乾燥ゴミ粉を排出し、排出口53に設置された袋101又はゴミ収容トレー121に収納することができる。このため、処理済の乾燥ゴミ粉を処分する作業を容易に行うことが可能となる。
また、図53に示す排出処理時のフローチャートにおいては、前面パネル41aの開放が検出された際に排気ファン97が回転するとした。しかし、前面パネル41の開放ではなく排出口53の開放が検出された際に排気ファン97が回転するとしてもよい。排出口53の開放が検出された際に排気ファン97が回転するとしても、ゴミ排出モード動作中は、処理容器42内の空気は排気口74から排気ダクトA85等を介して排水管87へ排気され、処理容器42内の空気が排出口53を通じて居室側へ漏れることを防ぐことができる。
更に、前述したフィルタユニット75の着脱を検出するセンサを別途設け、フィルタユニット75の装置本体からの取り外しが検出された際に排気ファン97が回転する構成としてもよい。これにより、処理容器42内の空気は排気口74から排気ダクトA85等を介して排水管87へ排気され、処理容器42内の空気がフィルタユニット75の取付け部から居室側へ漏れることを防ぐことができる。
<生ゴミ処理装置の設置>
図64は、生ゴミ処理装置の設置例を示す側面図である。生ゴミ処理装置1は、カバー41の内部に、上述したように処理容器42及びその周辺機器が取り付けられて、装置本体を構成する。また、処理容器42には生ゴミ投入装置3を構成する下部ユニット6が取り付けられる。そして、カバー41は、上面から下部ユニット6の投入筒部21を露出する形態である。
生ゴミ処理装置1を設置するには、図64に示すように、まず、シンク2aの下の所定の位置に、下部ユニット6を含む装置本体を取り付ける。次に、上部ユニット5をシンク2aの開口部に上側から嵌める。このとき、図3に示したように、上部ユニット5の投入開口部9と、下部ユニット6の投入筒部21とを接続部材24で嵌るようにする。ここで、接続部材24において、投入筒部21と投入開口部9が嵌る部位の挿入部長さはゆとりを持たせてあり、最低限必要な重ねしろが目視で判るように、目盛りを表示してある。これにより、防水が必要な投入開口部9と投入筒部21が確実に接続されたことを施工時に容易かつ確実に判断できる。
この例では、シンク2a下の上下方向の寸法の違いを、接続部材24で吸収するため、装置本体の高さ方向の微調整が容易になった。そして、上部ユニット5に図示しない固定リングをねじ込む方式とで、上部ユニット5はシンク2aに固定される。なお、上部ユニット5の取付固定は、既存技術によりシンクに合わせて適宜選択可能である。これにより、装置本体の高さ調整に伴う水平出し作業等が不要となり、施工時間の短縮および施工時の組み付け不良等が減少する。また、カバー41に高さ調整機構を備えないことで、カバー41の下部と設置面との間の隙間を少なくでき、長期使用による埃等の堆積を防ぐことができる。
1・・・生ゴミ処理装置、2・・・流し台、2a・・・シンク、2b・・・キャビネット、3・・・生ゴミ投入装置、4・・・生ゴミ破砕乾燥装置、5・・・上部ユニット、6・・・下部ユニット、8・・・排水口、9・・・投入開口部、10・・・蓋体着脱部、11・・・蓋体、11b・・・係止溝部、12・・・上蓋ロック機構、13a・・・ソレノイド、14・・・可動片、14b・・・カム当接面、15・・・圧縮バネ、16・・・係止爪、17・・・ねじりコイルバネ、18a,18b・・・マグネット、19a,19b・・・上蓋検出用のセンサ、21・・・投入筒部、22・・・底蓋、23・・・底蓋開閉機構、24・・・接続部材、27・・・蓋部、27d・・・傾斜面、28・・・軸部、29・・・押圧部、30・・・シール部材、30a・・・パッキン、31・・・シール面、32・・・押上凸部、33・・・ロックカム、34・・・ロックカム、34a・・・押上面、34b・・・押下面、35,35’・・・駆動シャフト、36a・・・モータ、38・・・マグネット、39・・・カム位置検出用のセンサ、41・・・カバー、41a・・・前面パネル、42・・・処理容器、42c・・・容器上部ケース、44・・・撹拌翼、45・・・軸部、46・・・撹拌翼本体、46a〜46e・・・鋤状部、48a〜48e・・・シャフト、49・・・補強板、49a・・・ネジ、50・・・ロック機構、51a・・・原点位置検出用のセンサ、51b・・・底蓋押上位置検出用のセンサ、51c・・・底蓋排出位置検出用のセンサ、52・・・PTCヒータ、53・・・排出口、54a,54b・・・ガイドリブ、55・・・被取付部、57a,57b・・・フック部、58・・・カバーユニット、59・・・パッキン、60・・・ハンドル、60b・・・マグネット、61・・・排出口開閉検出用のセンサ、62・・・破砕刃、63・・・ゴミ袋アダプタ、64・・・排出板、67・・・モータ、69・・・送風ファン、92・・・システムコントローラ(制御部)、92a・・・A/D変換部、92c・・・CPU、92c・・・RAM、92d・・・ROM、93・・・前面パネル開閉検用のセンサ、97・・・排気ファン、101・・・袋、110・・・袋アダプタ、111・・・ゴミ収納トレー、120a,120b・・・袋アダプタ設置部,121・・・ゴミ収納トレー設置部