JP2007187291A - 自動変速機用油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーシュート及びアンダーシュートを低減しつつ油圧上昇時の応答性の悪化を防止する自動変速機用油圧制御装置を提供する。
【解決手段】ダンパ43aの緩衝作用のレベルを調整する切替機構44aを設け、調圧弁31aからソレノイド弁30aに向かう方向に作動油が流れるときは緩衝作用のレベルを上げ、ソレノイド弁30aから調圧弁31aに向かう方向に作動油が流れるときは緩衝作用のレベルを下げることにより、オーバーシュート及びアンダーシュートを低減しつつ油圧上昇時の応答性の悪化を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機用油圧制御装置に関する。
従来、自動変速機用の油圧制御装置では、入力摩擦板と出力摩擦板とを係合させるためにクラッチピストンに油圧を供給してストロークさせるとき、クラッチピストンが入力摩擦板に係止された瞬間に油圧が一時的に目標レベルを上回ってしまう所謂オーバーシュートが発生し、それにより変速ショックが起きることが知られている。
また、一般に油圧制御装置では、入力摩擦板と出力摩擦板との係合を解放するとき、始めに油圧を両者が滑らない限界近傍まで一端下降させ、その後に他の摩擦要素への油圧の供給に同期して油圧を下降させている。油圧制御装置ではこの一端下降させるときに油圧が一時的に目標レベルを下回ってしまう所謂アンダーシュートが発生することも知られている。アンダーシュートが発生すると入力摩擦板と出力摩擦板とが滑ってしまうのでエンジンにかかる負荷が減少し、エンジンが吹き上がってしまうという問題がある。
特許文献1に記載の油圧制御装置は、油圧が与えられていない状態から所定の油圧が与えられて第1設定時間経過するまでアキュムレータを有効にすることによってオーバーシュートを緩衝している。しかしながら、特許文献1に記載の油圧制御装置によると、油圧を下降させるときにアキュムレータが無効になってしまうので、アンダーシュートについては緩衝できないという問題がある。
特許文献2には、油路にダンパを設けた油圧制御装置が開示されている。特許文献2に記載の油圧制御装置によると、オーバーシュートを緩衝できるとともに、油圧が下降したときはダンパが油圧の下降を緩衝することによってアンダーシュートを緩衝できる。しかしながら、特許文献2に記載の油圧制御装置によると、クラッチピストンが入力摩擦板に係止された後、入力摩擦板と出力摩擦板とを完全係合するために油圧を更に上昇させるとき、油圧がダンパに緩衝されてしまい、油圧の応答性が悪化するという問題がある。
特許第3604887号明細書 特許第3510193号明細書
本発明は、上記問題に鑑みて創作されたものであって、オーバーシュート及びアンダーシュートを低減しつつ油圧上昇時の応答性の悪化を防止する自動変速機用油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1〜10に記載の自動変速機用油圧制御装置によると、オーバーシュートが発生して油圧制御装置と摩擦要素とを接続する油路内の油圧が上昇すると、第1のスプールが当該油路内の油圧に押圧され、指令圧に押圧されて移動する方向(以下「一方の方向」という)とは逆方向に移動する。第1のスプールが逆方向に移動すると第1の油路内にある作動油は油圧発生手段から指令圧発生手段に向かう方向に流れるので、緩衝レベル調整手段は緩衝手段の緩衝作用のレベルを上げる。その結果、油圧制御装置と摩擦要素とを接続する油路内の油圧の上昇が第1のスプールを介して緩衝手段に緩衝され、オーバーシュートが低減される。
その後に摩擦要素を係合するために更に指令圧を上昇させると、第1のスプールが前記一方の方向に移動する。第1のスプールが前記一方の方向に移動すると作動油は指令圧発生手段から油圧発生手段に向かう方向に流れるので、緩衝レベル調整手段は緩衝作用のレベルを下げる。その結果、作動油の油圧の上昇が緩衝手段に緩衝されなくなり、緩衝手段を設けたことによる油圧上昇時の応答性の悪化が防止される。
摩擦要素を解放するために指令圧を下降させると、第1のスプールが逆方向に移動する。第1のスプールが逆方向に移動すると油圧発生手段から指令圧発生手段に向かう方向に作動油が流れるので、緩衝レベル調整手段は緩衝作用のレベルを上げる。その結果、油圧制御装置と摩擦要素とを接続する油路内の油圧の下降が第1のスプールを介して緩衝手段に緩衝され、アンダーシュートが低減される。
請求項5に記載の自動変速機用油圧制御装置によると、流路面積を徐々に増減させることによって緩衝作用のレベルの急激な変化を防止でき、それにより油圧の変化をより滑らかにできる。
請求項6に記載の自動変速機用油圧制御装置によると、絞り手段の前後に生じる差圧を利用することにより、簡素な構成で緩衝作用のレベルを調整できる。
請求項9に記載の自動変速機用油圧制御装置によると、流量に基づいて緩衝作用のレベルを調整するので、緩衝作用のレベルの急激な変化を防止でき、それにより油圧の変化をより滑らかにできる。
なお、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による自動変速機用油圧制御装置(以下、「油圧制御装置」という)10を示している。油圧制御装置10は自動変速機11とともに車両に搭載されている。
始めに自動変速機11について説明する。
自動変速機11は、摩擦板2a〜2dと駆動部3a〜3dとで構成される摩擦要素を備えている。摩擦板2a〜2dは駆動部3a〜3dのうち末尾のアルファベットが同じ駆動部に対応しており、対応する駆動部によって駆動される。各摩擦板2a〜2dは図1に示すように入力摩擦板4と出力摩擦板5とから構成されている。入力摩擦板4は車両のエンジン側からトルクが入力される入力軸6に軸方向へ相対移動可能に装着されており、出力摩擦板5は車両の駆動輪側へトルクを出力する出力軸7に軸方向へ相対移動可能に装着されている。入力摩擦板4および出力摩擦板5は潤滑油によって潤滑された状態で互いに摩擦接触可能であり、当該摩擦接触により入力軸6のトルクを出力軸7へと伝達する。各駆動部3a〜3dは、クラッチピストン8とピストン室9とから構成されている。
クラッチピストン8には油圧制御装置10から油圧が供給され、クラッチピストン8は供給される油圧(以下「印加油圧」)に応じて軸方向へストロークする。コイルばね12はクラッチピストン8を入力摩擦板4から離間させる方向に付勢しており、クラッチピストン8への印加油圧が低圧のときクラッチピストン8と対応する入力摩擦板4との間には図1に示すように隙間δがあいた状態となる。このとき入力摩擦板4と出力摩擦板5とは互いに離間するため、入力軸6から出力軸7へのトルク伝達を遮断する解放状態となる。
クラッチピストン8への印加油圧が増大すると、クラッチピストン8が入力摩擦板4側へのストロークを開始する。クラッチピストン8はストロークすると直近の入力摩擦板4に当接し、当該入力摩擦板4によって一旦係止される。
入力摩擦板4に係止されているクラッチピストン8への印加油圧がさらに増大すると、クラッチピストン8が入力摩擦板4を押し動かしてストロークを再開する。その結果、入力摩擦板4と出力摩擦板5とが摩擦接触し、入力軸6から出力軸7へトルクが伝達される。
図2は、自動変速機11の変速段と摩擦要素との関係を示す模式図である。自動変速機11にはシフトレンジとして駐車レンジ(Pレンジ)、中立レンジ(Nレンジ)、前進レンジ(Dレンジ)および後進レンジ(Rレンジ)が用意されており、Dレンジにおける変速段が4段用意されている。Dレンジにおける変速段は図示するように摩擦板2a〜摩擦板2cの係合及び解放の組み合わせを変化させることによって切り換えられる。ここで図2に示す「○」は該当する変速段が実現されるときに係合する摩擦板を示している。
次に、油圧制御装置10について説明する。
図1に示す油圧制御装置10は、図示しないオイルポンプ、図示しないモジュレータ弁、T−ECU(Transmission − Electric Control Unit)32、各摩擦要素に対応する複数のソレノイド弁30a〜30d、調圧弁31a〜31d、ダンパ43a〜43d、切替機構44a〜44dなどを備えている。
指令圧発生手段としてのソレノイド弁30aは、T−ECU32からの指示電流に応じた指令圧を発生する電磁弁である。ソレノイド弁30aにはオイルポンプによって生成されたライン圧をモジュレータ弁で調整したモジュレート圧が元圧として供給され、ソレノイド弁30aはモジュレート圧をT−ECU32から入力される指示電流に比例した油圧に調整し、指令圧として調圧弁31aに出力する。ソレノイド弁30b〜30dについても同様である。
油圧発生手段としての調圧弁31aは、油圧制御装置10のハウジング10aに形成されている収容室33、収容室33に往復移動可能に収容されている第1のスプール34、および第1のスプール34を付勢するコイルばね35を有している。ハウジング10aには、指令圧が供給される指令圧ポート36、ライン圧が供給されるライン圧ポート37、ライン圧を出力する出力ポート38、油路41内の油圧が供給されるポート50が形成されている。指令圧ポート36は第1の油路39を介してソレノイド弁30aに接続されており、ライン圧ポート37は油路40を介してオイルポンプに接続されている。また、出力ポート38は油路41を介してピストン室9に接続されており、ポート50は油路41から分岐する油路42に接続されている。第1のスプール34は指令圧ポート36から供給される指令圧によって一方の方向(X方向)に押圧されるとともに、ポート50から供給される油路42内の油圧によって逆方向(Y方向)に押圧されている。コイルばね35は第1のスプール34をY方向に付勢している。調圧弁31b〜31dについても同様である。
T−ECU32からの指示電流が上がって指令圧が上昇し、油路42内の油圧が第1のスプール34をY方向に押圧する力とコイルばね35の付勢力との合力よりも指令圧が第1のスプール34をX方向に押圧する力の方が大きくなると、第1のスプール34がX方向に移動してライン圧ポート37と出力ポート38とが連通する。このとき第1のスプール34が指令圧に比例して移動することにより、ライン圧ポート37と出力ポート38との間の流路面積が指令圧に比例して増大し、それにより油路41内の油圧は指令圧の上昇に比例して上昇する。
T−ECU32からの指示電流が下がって指令圧が低下するかまたは油路42内の油圧が上昇し、指令圧が第1のスプール34をX方向に押圧する力よりも油路42内の油圧が第1のスプール34をY方向に押圧する力とコイルばね35の付勢力との合力の方が大きくなると、第1のスプール34がY方向に移動し、ライン圧ポート37と出力ポート38との連通が遮断される。
緩衝手段としてのダンパ43aは、油路39から分岐する第2の油路45に接続されている。ダンパ43aは収容室46、導入口47、ピストン48、および付勢手段としてのコイルばね49を有している。ダンパ43aは、油路45内にある作動油の油圧が上昇するとピストン48が受圧してコイルばね49を圧縮することにより、油圧の急峻な上昇を緩衝する。また、ダンパ43aは作動油の油圧が下降するとコイルばね49がピストン48を付勢して作動油を油路45に押し出すことにより、油圧の急峻な下降を緩衝する。ダンパ43b〜43dについても同様である。
緩衝レベル調整手段としての切替機構44aは、ダンパ43aの緩衝作用のレベルを調整するための機構である。切替機構44b〜44dについても同様である。以下、切替機構44aの詳細について説明する。
図3は、切替機構44aの模式図である。切替機構44aは、油路45を開閉する切替弁61、油路39を流れる作動油を切替弁61に供給する油路であって油路45よりも調圧弁31a側に設けられている油路62、油路39を流れる作動油を切替弁61に供給する油路であって油路45よりもソレノイド弁30a側に設けられている油路63、および油路62と油路45との間で油路39に設けられ油路39の流路面積を絞るオリフィス64を有している。
切替弁61は、ハウジング73、ハウジング73に往復移動可能に収容され、往復移動することにより油路45の流路面積を増減する第2のスプール65、第2のスプール65の一端を他端側に向けて付勢するコイルばね66、第2のスプール65の他端を一端側に向けて付勢するコイルばね67を有している。ハウジング73には第2のスプール65の一端に油路63の油圧を供給するためのポート68、第2のスプール65の他端に油路62の油圧を供給するためのポート69、油路45を介して油路39に接続されるポート70、油路45を介してダンパ43aに接続されるポート71が形成されている。また、第2のスプール65には図示するように第2のスプール65の軸線を中心線とする円錐面状のテーパ面72が形成されている。
作動油が調圧弁31aからソレノイド弁30aに向かって流れると、オリフィス64を挟んで調圧弁31a側はソレノイド弁30a側よりも相対的に高圧になるので、第2のスプール65が図3に示すW方向へ移動して流路面積が増大する。従って、作動油が調圧弁31aからソレノイド弁30aに向かう方向に流れるときはダンパ43aの緩衝作用のレベルが上がる。このときテーパ面72によって流路面積は徐々に増大するので、緩衝作用のレベルが急激に上がることが防止される。
作動油の流れが止まるとオリフィス64の前後の油圧が均衡し、第2のスプール65はコイルばね66とコイルばね67とが互いに押し合う力によって油路45を遮断する位置に定位する。従って、作動油の流れが止まるとダンパ43aの緩衝作用のレベルが下がる。このとき、テーパ面72があることにより流路面積は第2のスプール65の移動に伴って徐々に減少するので、緩衝作用のレベルが急激に下がることが防止される。
逆に、作動油がソレノイド弁30aから調圧弁31aに向かう方向に流れると、オリフィス64を挟んでソレノイド弁30a側は調圧弁31a側よりも相対的に高圧になるので、第2のスプール65が図3に示すV方向に移動する。換言すると、第2のスプール65はW方向には移動しないので、作動油がソレノイド弁30aから調圧弁31aに向かう方向に流れるときはダンパ43aの緩衝作用のレベルは下がった状態に維持される。
上述したように切替機構44aはオリフィス64の前後に生じる差圧を利用してダンパ43aの緩衝作用のレベルを調整する。このように差圧を利用して調整すると、簡素な構成で緩衝作用のレベルを調整できる。
なお、本実施形態ではテーパ面72を有する第2のスプール65を用いて油路45の流路面積を調整することによって緩衝作用のレベルを無段階に調整できる場合を例に説明したが、緩衝作用のレベルは例えば流路面積が最大の最大レベルと流路を完全に遮断した最小レベルの二段階だけであってもよい。換言すると、切替機構44aは緩衝作用の有効、無効を切り替えるものであってもよい。
指令圧発生手段としてのT−ECU32は、マイクロコンピュータを主体に構成されている電気回路である。T−ECU32はメモリに記憶された制御プログラムを実行することでソレノイド弁30a〜30dへの指示電流を決定する。
次に、油圧制御装置10の作動について説明する。
ここでは、2速から3速へのアップシフトを例に説明する。2速から3速へのアップシフトでは摩擦板2bが解放され、摩擦板2cが係合する。このとき、仮に摩擦板2bを先に解放してその後に摩擦板2cを係合すると、一時的に摩擦板2aのみが係合している状態になり、2速から3速へのアップシフトであるにもかかわらず一時的に1速へのダウンシフトが実現されてしまうことになる。これを避けるため、2速から3速へのアップシフトでは摩擦板2bの解放と摩擦板2cの係合とが並行して実行される。本実施例ではこのとき係合する摩擦板2cのことをアップシフトの係合側といい、解放される摩擦板2bのことをアップシフトの解放側という。
図4(A)は、アップシフトの係合側に対応する指令圧の変化を示すグラフである。図中において破線は指示電流値を示し、実線は指令圧を示している。
時点t1〜時点t2の区間では、T−ECU32はクラッチピストン8を入力摩擦板4の近傍まで短時間に移動させるために高い指示電流を与える。ここで時点t2は、クラッチピストン8が入力摩擦板4に係止される時点t3より前になるように設定されている。時点t1〜時点t2の区間ではダンパ43cの緩衝作用のレベルは下がった状態にある。
時点t2では、T−ECU32は指示電流を下げる。これは、入力摩擦板4の近傍まで移動したクラッチピストン8が入力摩擦板4に急激に当接しないようにするためである。指示電流を下げることでクラッチピストン8に供給される油圧が低下し、クラッチピストン8はストローク速度を落として入力摩擦板4に当接する。時点t2では指令圧が低下するので第1のスプール34がY方向に移動する。それにより作動油が油路39を調圧弁31cからソレノイド弁30cに向かって流れるので、切替機構44cによって緩衝作用のレベルは一時的に上がる。その後は時点t3まで油圧が概ね安定するので緩衝作用のレベルは下がる。
時点t3では、クラッチピストン8が入力摩擦板4に当接して係止される。クラッチピストン8が入力摩擦板4に係止されるとクラッチピストン8のストロークが停止するので、クラッチピストン8のストロークにともなって油路41を流れていた作動油の流れが止まり、オーバーシュートが発生する。オーバーシュートが発生すると第1のスプール34が図1に示すY方向に移動する。それにより作動油が油路39を調圧弁31cからソレノイド弁30cに向かって流れるので、ダンパ43cの緩衝作用のレベルが上がる。その結果、油路41内の油圧の上昇が第1のスプール34を介してダンパ43cに緩衝され、オーバーシュートが低減される。その後は油圧が概ね安定するので緩衝作用のレベルが下がる。アップシフトの係合側ではその後は常に緩衝作用のレベルは下がった状態に維持される。
時点t4〜t5の区間では、T−ECU32は摩擦板同士を完全係合するために指示電流を緩やかに上昇させる。指示電流が上昇するとそれにともなってソレノイド弁30cの指令圧が上昇し、それにより第1のスプール34がX方向に徐々に移動する。その結果、クラッチピストン8に加わる油圧が徐々に増大し、クラッチピストン8に加わる油圧は摩擦板同士が滑らない限界近傍の油圧に達する。このときダンパ43cの緩衝作用のレベルは下がった状態にあるので、作動油の油圧の上昇がダンパ43cに緩衝されず、指示電流に対する油路41内の油圧上昇の応答性の悪化が防止される。
時点t6では、T−ECU32は指示電流を所定の設定値まで上げる。以上によりアップシフトの係合側に対する油圧制御が完了する。
図4(B)は、アップシフトの解放側に対応する指令圧の変化を示すグラフである。図中において破線は指示電流値を示し、実線は指令圧を示している。
時点t0〜時点t7の区間では、T−ECU32は完全係合状態を維持するために高い指示電流を維持する。時点t0〜時点t7の区間では油圧が概ね安定しているのでダンパ43bの緩衝作用のレベルは下がった状態にある。
時点t7では、T−ECU32は油路41の油圧を摩擦板同士が滑らない限界近傍まで下げるために指示電流を下げる。指示電流を下げると指令圧が下降し、第1のスプール34が図1に示すY方向に移動する。それにより作動油が油路39を調圧弁31bからソレノイド弁30bに向かって流れるので、ダンパ43bの緩衝作用のレベルが上がる。その結果、油路41内の油圧の下降が第1のスプール34を介してダンパ43bに緩衝され、アンダーシュートが低減される。その後は時点t8まで油圧が概ね安定するので緩衝作用のレベルは下がる。
時点t8(=t4)〜時点t9では、T−ECU32は係合側のソレノイド弁30cに供給する指示電流を緩やかに上げるのに同期してソレノイド弁30bに供給する指示電流を緩やかに下げる。指示電流を下げるとソレノイド弁30bの指令圧が下降し、それにより第1のスプール34はY方向への移動を再開する。その結果、油路41内の油圧が下降し、クラッチピストン8に加わる油圧が徐々に減少する。クラッチピストン8はコイルばね12に付勢されているので、油圧の減少に伴って入力摩擦板4から離間する方向に移動し、最終的に入力摩擦板4との間に隙間δがあいた状態に戻る。なお、時点t8〜時点t9では緩衝作用のレベルが上がって油圧の下降がダンパに緩衝されるが、一般に油圧下降時は油圧上昇時に比べて応答性はよいので、油圧の下降が緩衝されることによる応答性の悪化は問題にならないかあるいは無視できる程度である。以上によりアップシフトの解放側に対する油圧制御が完了する。
次に、3速から2速へのダウンシフトを例に説明する。3速から2速へのダウンシフトでは摩擦板2bは係合側であり、摩擦板2cは解放側である。
図5(A)はダウンシフトの係合側に対応する指令圧の変化を示すグラフであり、図5(B)はダウンシフトの解放側に対応する指令圧の変化を示すグラフである。図中において破線は指示電流値を示し、実線は指令圧を示している。ダウンシフトでは係合側において時点t11〜時点12の区間で指示電流が急激に上がる点と、解放側において時点t13(=t11)〜時点t14の区間で指示電流が急激に下がる点とを除いてアップシフトと実質的に同じである。図示するようにダウンシフトの係合側ではダンパ43bによってオーバーシュートが低減され、ダウンシフトの解放側ではダンパ43cによってアンダーシュートが低減される。
以上説明した本発明の一実施例に係る油圧制御装置10によると、油路39内の作動油の流れ方向に応じてダンパ43a〜43dの緩衝作用のレベルを調整することにより、オーバーシュートおよびアンダーシュートを低減しつつ油圧上昇時の応答性の悪化を防止できる。
なお、本実施形態ではオリフィス64の前後に生じる差圧を利用して油路45の流路面積を増減することにより緩衝作用のレベルを調整しているが、油路39内の作動油の流れ方向を検出するセンサを備え、検出した流れ方向に基づいて流路面積を増減してもよい。具体的には例えば、油路45の流路面積を増減するための電磁弁を備え、センサで検出した流れ方向に基づいてT−ECU32が電磁弁を制御することによって流路面積を増減してもよい。流れ方向の検出は、例えば第1のスプール34の移動方向を検出するセンサを設け、第1のスプール34の移動方向を検出することによって検出してもよいし、油路39内に流れ方向を検出するためのセンサを設けることによって検出してもよい。ここでセンサは特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当する。
また、本実施形態では第2のスプール65にテーパ面72を設けることによって油路45の流路面積を徐々に増減しているが、流路面積を上述した電磁弁で制御する場合は、作動油の流れ方向に加えて流量を更に検出し、検出した流量に応じて流路面積を徐々に増減してもよい。流量の検出は、例えば第1のスプール34の移動速度を検出するセンサを設け、第1のスプール34の移動速度を検出することによって検出してもよいし、油路39内に流量を検出するためのセンサを設けることによって検出してもよい。
また、本実施形態では油路45の流路面積を増減することによってダンパ43aの緩衝作用のレベルを調整しているが、緩衝作用のレベルを電気的に調整可能なダンパを用い、流れ方向や流量に基づいてT−ECU32がダンパの緩衝作用のレベルを電気的に調整してもよい。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る自動変速機用油圧制御装置の模式図。 本発明の一実施形態に係る変速段と摩擦要素との関係を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る緩衝レベル調整手段の模式図。 (A)及び(B)は本発明の一実施形態に係る油圧の変化を示すグラフ。 (A)及び(B)は本発明の一実施形態に係る油圧の変化を示すグラフ。
符号の説明
2a〜2d 摩擦板(摩擦要素)、3a〜3d 駆動部(摩擦要素)、10 油圧制御装置、11 自動変速機、30a〜30d ソレノイド弁(指令圧発生手段)、31a〜31d 調圧弁(油圧発生手段)、32 T−ECU(指令圧発生手段)、34 第1のスプール、39 第1の油路、43a〜43d ダンパ(緩衝手段)、44a〜44d 切替機構(緩衝レベル調整手段)、45 第2の油路、64 オリフィス(絞り手段)、65 第2のスプール

Claims (10)

  1. 摩擦要素の係合及び解放によって変速段を切り替える自動変速機の前記摩擦要素に供給する油圧を制御する自動変速機用油圧制御装置であって、
    前記摩擦要素に供給する油圧を制御するための指令圧を発生させる指令圧発生手段と、
    往復移動可能に設けられ前記指令圧によって一方の方向に押圧されるとともに前記摩擦要素と接続する油路内の油圧によって逆方向に押圧される第1のスプールを有し、前記第1のスプールが前記一方の方向に移動すると前記油路内の油圧を上昇させ、前記逆方向に移動すると前記油路内の油圧を下降させる油圧発生手段と、
    前記指令圧発生手段で発生した前記指令圧を前記油圧発生手段に供給する第1の油路と、
    前記第1の油路内にある作動油の油圧の変化を緩衝する緩衝手段と、
    前記緩衝手段の緩衝作用のレベルを調整する緩衝レベル調整手段であって、前記油圧発生手段から前記指令圧発生手段に向かう方向に前記作動油が流れるときは前記緩衝作用のレベルを上げ、前記指令圧発生手段から前記油圧発生手段に向かう方向に前記作動油が流れるときは前記緩衝作用のレベルを下げる緩衝レベル調整手段と、
    を備えることを特徴とする自動変速機用油圧制御装置。
  2. 前記緩衝レベル調整手段は、前記作動油の流れが止まっているときは前記緩衝作用のレベルを下げることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  3. 前記緩衝手段は前記第1の油路内の油圧を受圧して一方の方向に移動するピストンと前記ピストンを逆方向に付勢する付勢手段とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  4. 前記第1の油路から分岐する第2の油路を更に備え、
    前記緩衝手段は前記第2の油路に接続され、
    前記緩衝レベル調整手段は前記第2の油路の流路面積を増減することによって前記緩衝作用のレベルを調整することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  5. 前記緩衝レベル調整手段は往復移動可能な第2のスプールを有し、前記流路面積が前記第2のスプールの移動に伴って徐々に増減することを特徴とする請求項4に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  6. 前記緩衝レベル調整手段は、前記第1の油路の流路面積を絞る絞り手段を有し、前記絞り手段の前後に生じる差圧を利用して前記緩衝作用のレベルを調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  7. 前記緩衝レベル調整手段は、前記作動油の流れ方向を検出する検出手段を有し、前記検出手段で検出した流れ方向に基づいて前記緩衝作用のレベルを調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  8. 前記検出手段は、前記第1のスプールの移動方向を検出することによって前記作動油の流れ方向を検出することを特徴とする請求項7に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  9. 前記検出手段は前記作動油の流量を更に検出し、前記緩衝レベル調整手段は前記検出手段で検出した流れ方向及び流量に基づいて前記緩衝作用のレベルを調整することを特徴とする請求項7又は8に記載の自動変速機用油圧制御装置。
  10. 前記検出手段は、前記第1のスプールの移動速度を検出することによって前記作動油の流量を検出することを特徴とする請求項9に記載の自動変速機用油圧制御装置。



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CN111692230A (zh) * 2020-05-25 2020-09-22 中国北方车辆研究所 一种适用于高转速的低拖扭型离合器

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