JP2007186903A - 鋼管鉄塔柱部材の継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各柱部材内部を密封し、各柱部材の内面腐食を最小限に留めることができる鋼管鉄塔柱部材の継手を提供すること。
【解決手段】 鋼管鉄塔柱部材の継手4、6、9は、鋼管鉄塔10を構成する主柱材1、腹材2等の柱部材3の端部に設けられる継手であって、その継手の端部穴内に密閉板42、61、92を溶接して柱部材内部を密封する。継手は、柱部材3の端部に設けられる鍛造成形フランジ継手4であって、フランジ内径部分に密閉板42が溶接された構成であるか、腹材2の端部に設けられるU字板継手6であって、腹材2の端部外径部分とU字板5の中間部分外面との間にそれぞれ密閉板61が溶接された構成であるか、腹材2の端部に設けられる十字板継手9であって、腹材2の端面と十字板91の中間部との間にそれぞれ密閉板92が溶接された構成であってもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 鋼管鉄塔柱部材の継手4、6、9は、鋼管鉄塔10を構成する主柱材1、腹材2等の柱部材3の端部に設けられる継手であって、その継手の端部穴内に密閉板42、61、92を溶接して柱部材内部を密封する。継手は、柱部材3の端部に設けられる鍛造成形フランジ継手4であって、フランジ内径部分に密閉板42が溶接された構成であるか、腹材2の端部に設けられるU字板継手6であって、腹材2の端部外径部分とU字板5の中間部分外面との間にそれぞれ密閉板61が溶接された構成であるか、腹材2の端部に設けられる十字板継手9であって、腹材2の端面と十字板91の中間部との間にそれぞれ密閉板92が溶接された構成であってもよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋼管鉄塔柱部材の継手に関し、特に鉄塔を構成する主柱材、腹材等の柱部材の端部に設けられた継手に関する。
一般に、従来の代表的な鋼管鉄塔10は、図17に示すように、主柱材1、腹材2等からなる柱部材3の各端部を組み付けて構築される。柱部材3の各端部には、継手が工場で予め溶接されており、この継手を現場において相互にボルト、リベット等の締結具によって連結・固定する。
この継手は、主として主柱材1の場合、鍛造成形フランジ継手や、平板状のフランジ板を柱部材3の端部に溶接した板フランジ継手や、この板フランジ継手のフランジ板に直交するリブを設けたリブ付き板フランジ継手などが用いられる。また、主として腹材2の場合、U字形に折り曲げた板部材を柱部材3の端部に割り込ませて溶接した管割込み式U字板継手や、十字形に組み合わされた板部材を柱部材3の端部に割り込ませて溶接した管割込み式十字板継手などが用いられる。
一方、腐食を防止するために、端部に継手を溶接された柱部材3の内外面には亜鉛メッキなどのメッキが施される。これらの柱部材3が現場において連結・固定されると、継手が鍛造成形フランジ継手や板フランジ継手などの場合、継手間の密閉が保たれている限りは柱部材3の内部に雨水が浸入したり、外気が侵入して結露したりするのを防止できるため、柱部材3の内面の亜鉛メッキ皮膜が腐食されるのを防止できる。しかしながら、鋼管鉄塔10が構築された後、長年月を経過すると、鋼管鉄塔10が風などで揺らされたり、シール剤の劣化などにより継手間の密閉が損なわれ、雨水、結露等によって柱部材3の内面の亜鉛メッキ皮膜が腐食されてしまう。このような腐食に対する補修作業は現場にて行われるのであるが、補修箇所が柱部材3の外面の場合は比較的簡単になされうるが、それらの内面の補修は極めて困難であった。また、継手がU字板継手や十字板継手などの場合、柱部材3の端部は開放された状態にあるため、雨水などが容易にその内部に浸入でき、柱部材3の内面の亜鉛メッキ皮膜を腐食してしまい易いものであった。
このような柱部材内面腐食を防止するために、柱部材3に対しては鍛造成形フランジ継手間に鍛造成形仕切り板を設ける構造が提案された。しかし、仕切り板は、機械加工および現場組立の繁雑さ、鉄塔の重量増加等のために好ましくない。さらに、仕切り板と継手との間は完全な密閉ではなく、接触部からの空気および雨水の流通があり、内部の腐食を完全に抑止することはできない。また、本出願人は、U字板継手または十字板継手の開放端部にゴムブッシュを取り付ける構造を先に提案した(特許文献1)。しかし、このゴムブッシュも経年変化により長期的な観点からは密封漏れを免れ得なかった。
特開2005‐113370号公報
本発明は、各柱部材内部を密封し、各柱部材の内面腐食を最小限に留めることができる鋼管鉄塔柱部材の継手を提供することを課題にしている。
本発明に基づく鋼管鉄塔柱部材の継手は、鋼管鉄塔を構成する主柱材、腹材等の柱部材の端部に設けられる継手であって、その継手の端部穴内に密閉板を溶接して柱部材内部を密封する。
継手が柱部材の端部に設けられる鍛造成形フランジ継手であってフランジ内径部分に密閉板が溶接された構成、継手が柱部材の端部に設けられる板フランジ継手であってフランジ板内径部分に密閉板が溶接された構成、継手が柱部材の端部に設けられるリブ付き板フランジ継手であってフランジ板内径部分に密閉板が溶接された構成、または継手が柱部材の端部に設けられるリブ付きメッキ穴穿孔板フランジ継手であってリブ付きメッキ穴穿孔フランジ板のメッキ穴内径部分に密閉板が溶接された構成のうちいずれでもよい。リブ付きメッキ穴穿孔フランジ板のメッキ穴は、柱部材に亜鉛メッキを施すさいに、メッキ液が流通するための通路として働く。
さらに、継手が腹材の端部に設けられるU字板継手であって、腹材端部外径部分とU字板中間部分外面との間にそれぞれ密閉板が溶接された構成、または継手が腹材の端部に設けられる十字板継手であって腹材端部と十字板中間部との間にそれぞれ密閉板が溶接された構成のうちいずれでもよい。
U字板継手または十字板継手においては、各密閉板に小孔が設けられ、各小孔を塞ぐように各密閉板の外側に追加小密閉板が溶接されるか、各小孔を塞ぐように直接溶接がなされてもよい。これらの小孔は、腹材、U字板、十字板、密閉板に亜鉛メッキを施すさいに、メッキ液が流通するための通路として働く。
本発明に基づく継手は、主柱材、腹材等を含む柱部材内部を個別に密封するので、柱部材内部に最初に密封された水分等による軽微な腐食は起こるとしても、その後は柱部材内に外部から水分の浸入が一切ないので、腐食は進行せず、柱部材は長年月の使用に耐えることができる。継手の加工は、すべて工場で予め行うことができるので、現場作業の省力化を図ることができる。
次に、本発明に基づく鋼管鉄塔柱部材の継手の好適実施例について、図1−16を参照して説明する。
本発明に基づく鋼管鉄塔柱部材の継手の第1実施例は、図1に示すように、鋼管鉄塔10(図17参照)を構成する柱部材3(主柱材1および腹材2を含む。)の端部に設けられる鍛造成形フランジ継手4である。鍛造成形フランジ継手4は工場において予め加工される。柱部材3の端部に鍛造成形フランジ継手4が溶接され、その後、継手4を結合された柱部材3は亜鉛メッキを施される。予め亜鉛メッキされた密閉板42が継手4の端部穴41の内径部分に溶接されて柱部材3の内部を密封する。参照符号43で示すものは溶接部であり、この溶接によるメッキの損傷部分は、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。このように密閉板42を溶接された鍛造成形フランジ継手4は現場において端面相互が突き合わされ、ボルト、リベット等の締結具8によって連結・固定される。このようにして、各柱部材3の内部は個別に密封されたまま組み立てられる。
第1実施例の変更形態について図2−4を参照して説明する。図2は第1実施例の第1変更形態を示す。この第1変更形態においては、図2の(A)に示すように、継手は柱部材3の端部に設けられる板フランジ継手4aである。図2の(A)および(B)に示すように、継手4aのフランジ板44aの端部穴41a内径部分に、予め亜鉛メッキされた密閉板42が溶接される。参照符号43で示すものは溶接部であり、この溶接によるメッキの損傷部分は、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。
図3は第1実施例の第2変更形態を示す。この第2変更形態においては、図3の(A)に示すように、継手は柱部材3の端部に設けられるリブ付き板フランジ継手4bである。図3の(A)および(B)に示すように、継手4bのリブ付きフランジ板44bの端部穴41b内径部分に、予め亜鉛メッキされた密閉板42が溶接される。参照符号43で示すものは溶接部であり、この溶接によるメッキの損傷部分も、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。
図4は第1実施例の第3変更形態を示す。この第3変更形態においては、図3の(A)および(B)に示すように、継手は柱部材3(主柱材1および腹材2を含む。)の端部に設けられるリブ付きメッキ穴穿孔板フランジ継手4cである。図4の(B)および(C)に示すように、継手4cのリブ付きメッキ穴穿孔フランジ板44cに設けてあるメッキ穴41cの内径部分に、予め亜鉛メッキされた密閉板42cがそれぞれ溶接される。参照符号43で示すものは溶接部であり、この溶接によるメッキの損傷部分もまた、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。リブ付きメッキ穴穿孔フランジ板44cのメッキ穴41cは、柱部材3に亜鉛メッキを施すさいに、メッキ液が流通するための通路として働く。
本発明に基づく鋼管鉄塔柱部材の継手の第2実施例を図5−7に示す。第2実施例の継手は、腹材2の端部に設けられるU字板継手6であって、腹材2の端部外径部分とU字板5の中間部分外面との間にそれぞれ密閉板61を溶接して腹材2の内部を密封する。参照符号63で示すものは溶接部である。第2実施例のU字板継手6においては、腹材2にU字板5を溶接した後、U字板5と共に腹材2に亜鉛メッキを施す。次いで、亜鉛メッキされた密閉板61を溶接し、溶接により生じたメッキ損傷部分を塗装、亜鉛溶射等によって補修する。
第2実施例のU字板継手6の変更形態について、図8−13を参照して説明する。
図8−10は第2実施例のU字板継手6の第1変更形態を示す。第2実施例の第1変更形態のU字板継手6においては、図8−10に示すように、各密閉板61に小孔64が設けられ、各小孔64を塞ぐように各密閉板61の外側に追加小密閉板65が溶接される。この第1変更形態においては、腹材2にU字板5および密閉板61を溶接し、亜鉛メッキを施し、予め亜鉛メッキされた追加小密閉板65を小孔64に溶接する。溶接によるメッキ損傷部分は、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。
図11−13は第2実施例の第2変更形態を示す。第2実施例の第2変更形態のU字板継手6においては、図11−13に示すように、各密閉板61に小孔64が設けられ、各小孔64を塞ぐように直接溶接がなされて穴埋め部66を形成する。この第2変更形態においては、腹材2にU字板5および密閉板61を溶接し、亜鉛メッキし、小孔64を塞ぐように直接溶接を施し、穴埋め部66を形成する。溶接によるメッキ損傷部分は、塗装、亜鉛溶射等によって補修される。
第1および第2変更形態において、密閉板61に設けた小孔64は、腹材2、U字板5、密閉板61を亜鉛メッキするさいに、メッキ液が流通するための通路として働く。
本発明に基づく鋼管鉄塔柱部材の継手の第3実施例について図14を参照して説明する。第3実施例の継手は腹材2の端部に設けられる十字板継手9であって、腹材2の端面と十字板91の中間部との間にそれぞれ密閉板92が溶接された構成になっている。参照符号93で示すものは溶接部である。第3実施例の十字板継手9においても、第2実施例の第1および2変更例と同様に、図15に示すように、各密閉板92に小孔94が設けられ、各小孔94を塞ぐように各密閉板92の外側に追加小密閉板95が溶接されるか、図16に示すように、各小孔94を塞ぐように直接溶接して穴埋め部96を形成してもよい。これらの小孔94は、腹材、十字板、密閉板に亜鉛メッキを施すさいに、メッキ液が流通するための通路として働く。第3実施例においても、第1および第2実施例と同様に、溶接により生じたメッキ損傷部分は塗装、亜鉛溶射等によって補修される。
本発明に基づく継手は、鋼管鉄塔ばかりではなく、一般の鋼構造物にも適用できる。
1 主柱材
2 腹材
3 柱部材
4 鍛造成形フランジ継手
4a 板フランジ継手4a
4b リブ付き板フランジ継手
4c リブ付きメッキ穴穿孔板フランジ継手
5 U字板
6 U字板継手
8 締結具
9 十字板継手
10 鋼管鉄塔
41 端部穴
41a 端部穴
41b 端部穴
41c メッキ穴
42 密閉板
43 溶接部
44a フランジ板
44b リブ付きフランジ板
44c リブ付きメッキ穴穿孔フランジ板
61 密閉板
63 溶接部
64 小孔
65 追加小密閉板
66 穴埋め部
91 十字板
92 密閉板
93 溶接部
94 小孔
95 追加小密閉板
96 穴埋め部
2 腹材
3 柱部材
4 鍛造成形フランジ継手
4a 板フランジ継手4a
4b リブ付き板フランジ継手
4c リブ付きメッキ穴穿孔板フランジ継手
5 U字板
6 U字板継手
8 締結具
9 十字板継手
10 鋼管鉄塔
41 端部穴
41a 端部穴
41b 端部穴
41c メッキ穴
42 密閉板
43 溶接部
44a フランジ板
44b リブ付きフランジ板
44c リブ付きメッキ穴穿孔フランジ板
61 密閉板
63 溶接部
64 小孔
65 追加小密閉板
66 穴埋め部
91 十字板
92 密閉板
93 溶接部
94 小孔
95 追加小密閉板
96 穴埋め部
Claims (9)
- 鋼管鉄塔を構成する主柱材、腹材等の柱部材の端部に設けられる継手であって、該継手の端部穴内に密閉板を溶接して前記柱部材内部を密封する鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、前記柱部材の端部に設けられる鍛造成形フランジ継手であって、フランジ内径部分に前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、前記柱部材の端部に設けられる板フランジ継手であって、フランジ板内径部分に前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、前記柱部材の端部に設けられるリブ付き板フランジ継手であって、リブ付きフランジ板内径部分に前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、前記柱部材の端部に設けられるリブ付きメッキ穴穿孔板フランジ継手であって、リブ付きメッキ穴穿孔フランジ板のメッキ穴内径部分に前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、腹材の端部に設けられるU字板継手であって、前記腹材端部外径部分とU字板中間部分外面との間にそれぞれ前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記継手は、腹材の端部に設けられる十字板継手であって、前記腹材端部と十字板との間にそれぞれ前記密閉板が溶接された、請求項1に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記各密閉板に小孔が設けられ、各小孔を塞ぐように前記各密閉板の外側に追加小密閉板が溶接された、請求項6または7に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
- 前記各密閉板に小孔が設けられ、各小孔を塞ぐように直接溶接がなされた、請求項6または7に記載の鋼管鉄塔柱部材の継手。
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JP2006005776A JP2007186903A (ja) | 2006-01-13 | 2006-01-13 | 鋼管鉄塔柱部材の継手 |
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- 2006-01-13 JP JP2006005776A patent/JP2007186903A/ja active Pending
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