JP2007183231A - 渦電流探傷信号処理方法 - Google Patents

渦電流探傷信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007183231A
JP2007183231A JP2006027648A JP2006027648A JP2007183231A JP 2007183231 A JP2007183231 A JP 2007183231A JP 2006027648 A JP2006027648 A JP 2006027648A JP 2006027648 A JP2006027648 A JP 2006027648A JP 2007183231 A JP2007183231 A JP 2007183231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flaw detection
eddy current
defect
current flaw
detection signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006027648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4235648B2 (ja
Inventor
Shigeru Kanemoto
茂 兼本
Eiei Tei
衛英 程
Mitsuharu Shiba
光晴 志波
Ichiro Furumura
一朗 古村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA
HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA KYOKAI
Original Assignee
HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA
HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA KYOKAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA, HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA KYOKAI filed Critical HATSUDEN SETSUBI GIJUTSU KENSA
Priority to JP2006027648A priority Critical patent/JP4235648B2/ja
Publication of JP2007183231A publication Critical patent/JP2007183231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4235648B2 publication Critical patent/JP4235648B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】 欠陥部の自動識別や欠陥形状の正確な復元をおこない得る渦電流探傷信号処理方法を提供する。
【解決手段】 検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから教示された欠陥部及び非欠陥部のデータに基づいて、欠陥部と非欠陥部を識別する判別境界を算出するステップと、前記判別境界に直交する法線ベクトルに前記ベクトルデータを射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換し、所定の閾値以上の領域を欠陥部とするステップとを備える、非破壊検査のための渦電流探傷信号処理方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、検査対象物表面の金属組織内部の自然欠陥を非破壊で外部から計測するための渦電流探傷信号処理方法に関する。
渦電流探傷装置は、検査対象物表面の金属組織内部の自然欠陥を非破壊で外部から計測するために使用される。同装置は、検査対象物の金属片表面に高周波数の電流を流す送信コイルを置き、送信コイルが発生する磁場によって金属片表面に渦電流を発生させる。渦電流によって変化する磁場の応答を、同装置の同じコイル(送受信共用)又は別の受信コイルによって計測する。金属片に欠陥があると、発生する渦電流が変わり、受信コイルの応答が変化(振幅の変化及び位相の変化)する。この応答は一般的に、X−Y空間で表現され、X振幅、Y振幅と定義される。なお、本明細書において、自然欠陥とは、構造物の製造時や供用状態で自然に発生する溶接割れ、応力腐食割れ、および疲労割れ等をいう。
実際の非破壊検査においては、この送受信コイル(以下、「渦電流探傷プローブ」という。)を金属材料からなる構造物で通常2次元走査(欠陥の長手を基準にして、欠陥平行又は欠陥直交方向の走査)し、2次元空間のベクトルデータとして計測・表示する。以下、このようにして得られた表示をCスコープと称する。
また、プローブを一定方向に走査した際のX振幅及びY振幅の変化をX−Y平面にプロットし、そのプロットを結んで波形を得る。以下、この波形をリサージュ波形という。
従来の技術は、このCスコープを、X振幅若しくはY振幅、又は全振幅(sqrt(X*X+Y*Y))というスカラー量のいずれかで代表させて濃淡図で画像表現し、その形状から欠陥の有無を判定する。
しかしながら、実際は、金属材質の変化や溶接部の存在などの原因により、単一のスカラー量のみから欠陥の有無を判定することは難しい。そのため、リサージュ波形のパターンから欠陥か否かを判定しているのが実状である。この欠陥のパターンは、あらかじめ準備した既知の長さ及び深さを有する人工欠陥(EDMスリット)をもった校正用試験片から得られるリサージュ波形を参考にして、それに類似したパターンのリサージュ波形を持つ部分を欠陥と判定する。一例として、文献「A.Dogandzic & P.Xiang、”A Statistical Model for Eddy−Current Signals from Generator Tubes”,Review of Quantitative Nondestructive Evaluation,Vol.23,p.605−612(2004)」では、欠陥部から得られる信号を統計モデルで表現し、その統計モデルに基づいて欠陥の有無を判定している。なお、本明細書において、人工欠陥とは、金属片に加工装置等を用いて人工的に作成した模擬亀裂であって、その長さ、深さ、幅が既知の欠陥をいう。
A.ドガンジック及びP.キング(A.Dogandzic & P.Xiang)共著、「定量的非破壊評価に関するレビュー誌(Review of Quantitative Nondestructive Evaluation; 論文タイトル:蒸気発生器から得られる渦電流信号の統計モデル(A Statistical Model for Eddy−Current Signals from Generator Tubes)」,Vol.23,2004年,p.605−612
しかしながら、欠陥から得られる信号の統計分布は、欠陥の形状やプローブの特性により異なるため、普遍的な形で使うのは難しい。したがって、より客観的な渦電流探傷信号処理方法を提供することが課題となる。
もう一つの課題は、渦電流探傷プローブがある範囲の大きさを持っているため、欠陥がプローブの大きさに依存して空間的に広がった形で計測されてしまう点である。このことは、プローブの点応答関数(Point Spread Function(PSF))又は線応答関数(Line Spread Function(LSP))に応じて、欠陥幅や長さが広がって計測されることを意味する。
このような不正確性を補正し元の欠陥形状を復元計測する方法として、デコンボルーション(Deconvolution)と呼ばれる方法がある。コンボルーション(Convolution;畳み込み積分)が欠陥形状に空間応答関数を掛け算処理した形で得られるのに対して、デコンボルーション処理は、微分処理に対応するような逆行列演算が必要である。したがって、デコンボルーションは一般的に、演算が難しいとされている。
一例として、文献「P.Xiang、et.al.,“Automated Analysis of Rotating Probe Multi−Frequancy Eddy Current Data From Steam Generator Tubes”,Intl.J.Applied Electromagnetics & Mechanic,Vol.12(3/4),p.151−164(2001)」では、Blind Deconvolutionという手法を導入し、計測された二次元空間ベクトルデータから、空間応答関数と元の欠陥形状の両方を同時に推定する方法が提案されている。しかしながら、実際の観測ノイズで汚れたデータから空間応答関数と元の欠陥形状の両方を同時に推定することは、実用的な観点からは困難であるというのが一般的な見方である。また、得られた空間応答関数も、真の値と比べると誤差が大きくなり、実用的ではない。
さらに、空間応答関数はPSF、LSFという形で定義されているが、渦電流探傷における問題は、PSFの加算がLSFにはならないという点にある。実際、点状の欠陥から得られる空間応答関数の実測値を足し合わせても、線状の欠陥から得られる空間応等関数の実測値にはならない。その理由は、渦電流の発生が欠陥形状に大きく依存し、線状欠陥の中央部と端部では応答特性が異なるからである。このため、欠陥の形状を考慮した空間応答関数を定義する必要がある。ここで、本願明細書において、空間応答関数とは線応答関数や点応答関数を包含した一般的概念としている。
したがって、本発明の目的は、欠陥部の自動識別や欠陥形状の正確な復元をおこない得る渦電流探傷信号処理方法を提供することである。
[課題を解決するための手段及び発明の効果]
本発明の渦電流探傷信号処理方法によれば、検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから教示された欠陥部及び非欠陥部のデータに基づいて、欠陥部と非欠陥部を識別する判別境界を算出するステップと、前記判別境界に直交する法線ベクトルに前記ベクトルデータを射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換し、この振幅値が所定の閾値以上の領域を欠陥部とするステップとを備える。
したがって、従来、リサージュ波形の定性的判断で行われていた欠陥の判定が客観的で定量的なものになり、欠陥の自動識別が可能になる利点がある。
さらに、検出性能の尺度となるSN比も定義できるので、異なる渦電流探傷プローブの検出性能の相互比較も可能になる。
好ましくは、前記判別境界は線形識別関数で決められる境界である。したがって、欠陥部と非欠陥部を統計的基準に基づいて客観的に分類識別できるという利点がある。
また好ましくは、所定の閾値以下の前記振幅値をゼロにすることにより、欠陥部の信号のみを残した閾値フィルタリングをするステップを更に備える。したがって、欠陥部以外をゼロとおくことで視認性を良くする他、後述するデコンボリューション演算において不要なノイズの混入を防ぐという利点がある。
また好ましくは、所定の校正用試験片を探傷して得られるベクトルデータから、渦電流探傷プローブの空間応答関数を人工欠陥の長手方向およびこれに直交する二つの方向に依存した形で求めるステップと、前記空間応答関数を用いて、前記検査対象物の前記ベクトルデータのデコンボルーションをおこない、前記空間応答特性を補正した前記検査対象物の自然欠陥の形状復元データを得るステップとを更に備える。
したがって、元の欠陥形状を正確に復元することが可能であり、従来の探傷信号処理方法と比較して探傷の精度が上がり得る利点がある。
また好ましくは、前記空間応答関数は等価PSFの形で求める。したがって、線形識別関数を用いて抽出した欠陥信号に対してこの等価PSFを適用することにより、計測データに含まれるノイズの影響を除いて、安定で精度の良い欠陥形状の復元が可能になり、複雑な欠陥に対して精度の良い長さ評価や、分岐形状の復元などが可能になる利点がある。
また好ましくは、前記空間応答関数を用いて、前記検査対象物の欠陥検出確率が所定の値以上になるように、前記プローブの前記検査対象物に対する走査ピッチを所定の値に設定する。したがって、検査時間の短縮に寄与できるほか、異なる特性の探傷プローブに関して、同等の検出確率になる探傷条件を設定できるなど検査手順の標準化にも役立てることができる利点がある。
また好ましくは、前記検査対象物及び前記校正用試験片を夫々探傷して得られる各前記ベクトルデータは夫々、探傷位置ごとのX振幅及びY振幅と前記探傷位置の近傍の探傷信号出力値であるX振幅及びY振幅とからなる。したがって、探傷位置のX振幅及びY振幅だけでなくその近傍のX振幅及びY振幅を使うことで、前記リサージュ波形のパターンと等価な情報とすることができ、従来の専門家による定性的判断結果により近い判断を自動的に行うことができるという利点がある。
本発明の他の渦電流探傷信号処理方法によれば、既知の長さ及び深さを有する人工欠陥を付与した校正用試験片を提供するステップと、前記校正用試験片の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから教示された欠陥部及び非欠陥部のデータに基づいて、欠陥部と非欠陥部を識別する判別境界を算出するステップと、前記検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータを得るステップと、前記判別境界に直交する法線ベクトルに前記検査対象物の前記ベクトルデータを射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換し、この振幅値が所定の閾値以上の領域を欠陥部とするステップとを備える。
この方法の利点は、段落0010で述べた利点と大略同様である。
図1乃至図10を使用して、本発明に係る渦電流探傷信号処理方法の第1の実施例を説明する。
図1中、探傷装置1は、検査対象物である金属片4の組織内部の(例えば線状の)自然欠陥4aを非破壊で外部から計測するための装置である。渦電流探傷プローブ2及び情報処理装置3は夫々、同装置1に接続されている。
探傷プローブ2を金属片4の表面上で欠陥4aの長手方向に対して平行に走査4bして、探傷位置ごとの渦電流探傷信号出力値を計測する。ここで、渦電流探傷信号出力値のうち、プローブを構成するコイルのインダクタンスとレジスタンス(抵抗)に対応する量、またはそれらの位相回転したものに対応する量を夫々X振幅、Y振幅という。
情報処理装置3によりX振幅又はY振幅のデータを処理し、同装置3のディスプレイ3a上に探傷プローブ2の位置に対応させた二次元空間に濃淡表示することでCスコープ3bを表示する。Cスコープ3bにおいて、プラス領域を暖色(値が大きくなるにしたがって暖色は漸次濃くなる)で表し、マイナス領域を寒色(値が小さくなるにしたがって寒色は漸次濃くなる)で表す(Cスコープについて、以下同様)。なお、X振幅又はY振幅に代えて、X振幅とY振幅の2乗和の平方根で定義される全振幅値を濃淡表示してもよい。
また、同ディスプレイ3a上に、特定の位置について欠陥4aの長手方向に対して水平方向及び垂直方向にプローブ2を走査した際のX振幅とY振幅の軌跡をリサージュ波形3cとして表示する(図2にディスプレイ3aに表示されたCスコープ3b及びリサージュ波形3cの拡大図を示す)。
図3は本発明に係る渦電流探傷信号処理方法の第1の実施例の手順を示す。
上述のようにCスコープ及びリサージュ波形を得た後、上記2次元空間ベクトルデータを、注目(探傷)位置の近傍の出力値からなるデータ(X振幅及びY振幅)と合わせて多次元空間のベクトルデータに変換する。X振幅及びY振幅は夫々、複素空間の信号と同じであるので、実部と虚部の信号とみることにより、Yre(x,y)、Yim(x,y)で表す。小文字の(x,y)は、検査対象物の空間座標位置である。
続いて、上記多次元空間ベクトルから欠陥部と非欠陥部を教示する。一般的に、検査対象物とは別に用意した人工欠陥を入れた試験片(校正用試験片)から得られた信号を欠陥部として教示する。なお、見つけたい欠陥が人間の視覚により明確に分かる場合は、検査対象物の欠陥の信号を欠陥部として教示してもよい。
次ぎに、判別境界を求めるための線形識別関数を計算する。この線形識別関数に直交する法線ベクトルと上記多次元空間ベクトルとの内積をとることにより、多次元空間ベクトルを法線ベクトルに射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換する。この振幅値はスカラー量であるから、Cスコープ画像を生成することができる。このようにして得られたCスコープ画像を利用して、所定の閾値以上の領域を欠陥部とすることにより、欠陥部の識別をすることができる。
すなわち、従来の典型的な探傷方法が、Cスコープ画像とリサージュ波形とから、探傷プローブごとに検査員の経験則に基づいて欠陥か否かを判定するのに対して、本発明に係る渦電流探傷信号処理方法は、線形識別関数を用いて欠陥を自動識別する点で相違する。
なお、検査員の経験に基づく従来の欠陥の判定は、リサージュ波形の特徴による。すなわち、
式1
というパターンベクトルの形状で欠陥を認識する。n>0,m=0の場合は、x方向リサージュ波形で欠陥を判定し、n=0,m>0の場合は、y方向リサージュ波形で欠陥を判定する。また、n>0,m>0の場合は、x、y両方向のリサージュ波形で欠陥を判定する。
線形識別関数を用いた欠陥自動識別方法について更に詳細に説明する。
図4中、符号3dはCスコープ3b上の欠陥部ベクトルを示し、符号3eはCスコープ3b上の非欠陥部ベクトルを示す。
図5中、符号3fは欠陥部ベクトル3d(図4参照)に対応する欠陥部の代表的なリサージュ波形を示し、符号3gは非欠陥部ベクトル3e(図4参照)に対応する代表的なリサージュ波形を示す。なお、図5中のグラフの横軸は探傷プローブの出力のうちX振幅に対応する電圧値(V)であり、縦軸は探傷プローブの出力のうちY振幅に対応する電圧値(V)である。
本実施例では、y方向に−5〜+5点の合計11点のリサージュ波形を、各探傷位置で定義する。したがって、式1中のZは、22次元のベクトルを構成する。勿論、リサージュ波形をとる点の数は11点に限られない。すなわち、点の数は複数であればよく、自然欠陥の長さや深さ等の条件により適宜決定される。
従来の判別法では、
式2
といった量でおおまかな欠陥識別をおこなう。したがって、欠陥端部の正確な判断はリサージュ波形のパターンの定性的判断に依存する。
一方、本実施例では、式1で定義する多次元空間ベクトルを用いて欠陥識別をおこなう。多次元ベクトル空間で定義される二つのグループ(欠陥部と非欠陥部)の識別方法には、さまざまな手法が既に存在する。一番基本的な方法は、Fisherによる線形識別関数によるものである。この線形識別関数は、以下のように定義される。
まず、式1の計測信号Z(x,y)を次の二つのグループに分ける。
1)欠陥信号部 ω : {Zs(x,y) | (x,y)∈欠陥部}
2)ノイズ信号部 ω : {Zn(x,y) | (x,y)∈非欠陥部}
この二つのグループの平均値を
とし、分散を
とすると、この二つのグループを識別する最適な線形識別関数は、Fisherにより次のように与えられる。
式3
これは、各クラスの中心をつないだ方向への射影を意味しており、その中心間の中点を通り、固有軸Pに直交する平面が識別境界となることを意味する。このg(Z)を用いれば、検査対象物の探傷位置でスカラー量として、リサージュ波形の特徴が定義される。
上記式3(Fisherの線形識別関数)を本願発明に係る渦電流探傷信号処理方法に適用すると、以下のようになる。
まず、検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータZを得る。
続いて、次式
g(Z)=0
を使用して判別境界を得る。すなわち、式3の関数gにより、多次元空間ベクトルである計測信号Zの次元を1次元減じ、判別境界を得る。例えば、計測信号Zが平面の場合は、判別境界は線として得ることができ、計測信号Zが3次元空間の場合は、判別境界は平面として得ることができる。
次ぎに、関数gのZに(x,y)位置での計測値Z(x,y)を代入したときの関数値tを次式にて得る。
t=g(Z(x,y))
このことは、判別境界に直交する法線ベクトルに多次元空間ベクトルである計測信号Z(x,y)を射影して数値tを得ることと等価である。ここで、数値tは探傷位置ごとの振幅値を意味する。すべての走査位置(x,y)に対して、t=g(Z(x,y))の最大値を求めることで、欠陥信号部の最大振幅値tmaxとその最大位置(xmax,ymax)、すなわち、最大欠陥深さの位置を求めることができる。また、この最大振幅値tmaxを基準にして所定の閾値(例えば、−12dB相当の閾値)を求め、それ以上の値を持つ部分を欠陥部として自動識別することができる。
もちろん、この信号の大きさは、中点の定義にも依存するので、
式4
とすれば、ノイズ部の中心をゼロにして最大信号強度を定義することになり、−12dB評価長さなどの結果は異なってくる。
本発明によれば、欠陥部を自動識別するだけでなく、従来の欠陥検出性能などを定義するSN比のような考え方を多次元空間ベクトルデータであるリサージュ波形に対して定義できるため、種種の探傷プローブの計測性能の相互評価などにも役立てることが可能になる。
ここで、欠陥信号部は、実際の検査対象物の計測データそのものを用いて教示したが、既知の長さ及び深さを有する人工欠陥を付与した検査対象物とは別の校正用試験片について同じ条件で測定したデータを用いることも可能である。
すなわち、検査対象物を探傷した渦電流探傷プローブにより、校正用試験片を探傷して得られる探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから、式(3)における欠陥信号部のmとΣを求める。欠陥信号部のmとΣを用いて、線形識別関数を求める。そうすると、未知の検査対象物に対して、前記の方法を適用することが可能になる。
このような校正用試験片を使用する方法により、実際の検査対象物では明確な欠陥信号がみられない条件下においても、欠陥を明確に自動識別し得る利点がある。なお、校正用試験片は渦電流探傷では標準的に用いられているため、実施上の制約にはならない。
続いて、図6を使用して、本発明に係る渦電流探傷信号処理方法を使用した結果の一例を説明する。
同図中、X振幅のCスコープ5aとY振幅のCスコープ5bは、検査対象物の金属片を渦電流探傷して結果である。なお、各Cスコープに付された目盛りの単位はcmであり、プローブの走査の空間位置を示す。
金属片は、溶接部と溶接部の近傍に溶接線平行に長さ10mm、深さ2mmの矩形の人工欠陥とを有する。X振幅Cスコープ5aの中央に見られる横長部分5c(Cスコープ5a中、特に濃い寒色で描かれている)が、人工欠陥に対応する。
しかし、金属片を水平方向に横切っている溶接部のノイズ信号に対応する横長部分5d(Cスコープ5a中、特に濃い暖色で描かれている)の影響で、欠陥を明確に識別できない。
渦電流探傷結果から欠陥の代表部と非欠陥の代表部との2箇所を教示する。欠陥の代表部として、人工欠陥である横長部分5cを指定する(X振幅のCスコープ5a中、横長部分5cを囲み部分5eで囲んで示す。)。非欠陥の代表部として、X振幅のCスコープ5a中、四角で囲んだ部分5fを指定する。
なお、図7は囲み部分5eの拡大図であり、図8は囲み部分5fの拡大図である。
続いて、X振幅のCスコープ5a及びY振幅のCスコープ5b夫々に対応する二つの信号グループを教示信号にして、式3に基づいて線形判別関数を求める。この際、多次元空間ベクトルとしては、探傷位置のy方向±5点のリサージュ波形を用いる。
図9は、この線形識別関数の値をCスコープ6として表現したものである。Cスコープ6において、欠陥部がプラス領域6a(Cスコープ6中、暖色で表示される)を表し、非欠陥部がマイナス領域6b(Cスコープ6中、6a以外の寒色で表示された領域)を表す。
したがって、同図をみれば明らかなように、明確に欠陥部を識別することができる。
図10は、閾値として例えば最大信号振幅値の25%、すなわち−12dBを設定し、−12dB以下の値をゼロにして、欠陥部の信号のみを残した閾値フィルタリングした後のCスコープ7である。
Cスコープ7中、欠陥部がプラス領域7a(Cスコープ7中、暖色で表示される)を表し、非欠陥部がマイナス領域7b(Cスコープ7中、7a以外の寒色で表示された領域)を表す。図10をみれば明らかなように、この閾値フィルタリング後のCスコープ7を使用することにより、上記溶接部のノイズ信号5dの影響を排除して、より一層明確に欠陥部の自動識別をすることが可能である。
なお、探傷信号処理をする際に、上述のように2次元空間ベクトルデータから多次元空間のベクトルデータに変換することなく、2次元空間ベクトルデータのみに基づいて処理してもよい。
次ぎに、第1の実施例で得られた欠陥部の信号から欠陥の長さをより正確に求めるための、本発明に係る探傷信号処理方法の第2の実施例について述べる。
渦電流計測信号は、プローブの大きさが有限であるため、空間的に広がった応答特性をもつ。したがって、以下の式5のように、欠陥信号W(x,y)が点応答関数(Point Spread Function、又はPSF(x,y))によって平滑化された形で観測される。式5は、畳み込み積分の形をしており、通常、コンボルーション(Convolution)と呼ばれる。なお、W(x,y)及びPSF(x,y)中のx、yは、プローブの空間位置を示す。
式5
欠陥信号そのものの形状や長さを正確に評価するためには、観測された渦電流計測信号の値であるH(x,y)から、欠陥信号W(x,y)を推定する必要がある。PSF(x,y)がわかっている場合、式5に基づいて観測値H(x,y)から元の欠陥信号W(x,y)を求める方法は、デコンボリューション(Deconvolution)と呼ばれる。すなわち、概念的には、式5から、
式6
により復元する方法である。
しかしながら、PSFの逆行列は一般に、悪構造であり逆行列が発散してしまい、式6を精度よく求めることができないことが多い。このため、画像解析の分野では、Bayesの事後確率を用いた最尤推定法を使用してデコンボリューションをおこなう、Rechardson−Lucyアルゴリズム(W.H.Rechardson,”aysian−based Iterative Method of Image Restoration”、J.Opt.Soc.Am、Vol.62,No.1,pp.55−59(1972)参照)がよく用いられる。これは、以下の式7のようなアルゴリズムを用いて元の信号を復元する手法である。なお、式7は、PSFが既知の際のアルゴリズムである。
式7
一方、PSFが不明の場合、PSFも同時に推定するBlind Signal Deconvolutionというアルゴリズムがある。例えば、文献「P.Xiang、et.al.,“Automated Analysis of Rotating Probe Multi−Frequancy Eddy Current Data From Steam Generator Tubes”,Intl.J.Applied Electromagnetics & Mechanic,Vol.12(3/4),p.151−164(2001)」によれば、渦電流探傷にBlind Signal Deconvolutionを適用して、PSF(x,y)と元の欠陥信号W(x,y)を同時に求めている。
しかしながら、単一の渦電流計測信号の計測値H(x,y)から、欠陥信号W(x,y)と、点応答関数PSF(x,y)の両方を求めるには精度的に限界がある。さらに、PSF(x,y)の形状は、一般の画像解析と異なり、渦電流探傷の場合、欠陥の長手方向に依存するなどの欠陥形状依存性がある。この欠陥形状依存性を言い換えると、点欠陥への応答関数であるPSF(x,y)を線積分しても、線欠陥への応答関数(Line Spread Function(以下、適宜「LSF」という。))にはならないということである。したがって、デコンボリューションを考慮する必要がある。
一般の自然欠陥は、線状のものが大半である。本実施例では、LSF(x,y)を等価的に表現する等価PSF(Equivalent Point Spread Function、又はEPSF)を求める。
本発明に係る信号処理方法において、この等価PSF(x,y)とLSF(x,y)の関係は、次式で定義される。
式8
等価PSFの特徴は、欠陥に平行な方向をx軸に、直交する方向をy軸にとった際に、それぞれの方向で広がり幅(R、R)が異なる異方性をもったPSFの積分としてLSFを定義していることである。この広がり幅は、既知の長さと深さを持つ線状欠陥の実測データと式8の結果が一致するように最小2乗法で決めることができる。
図11及び図12は、長さ10mm、深さ2mmの線状の人工欠陥を探傷した際のLSFである。
図11中、符号8aは実測値(全振幅)のLSF(x,y)のCスコープ図を示す。符号8bは前記実測値のLSF(x,y)の広がり幅(R、R)をフィッティング(最適化)した後の式8から得られるCスコープ図を示す。なお、各Cスコープ8a,8bに付された目盛りの単位は、cmでプローブの空間位置に対応したものである。
上記フィッティングにより、広がり幅は、欠陥平行方向をxとして、
と求まる。
図12中、符号8cはLSF(x,y)欠陥平行方向分布を示し、符号8dはLSF(x,y)欠陥直交方向分布を示す(いずれの分布においても、実線のグラフが実測値を示し、破線のグラフがフィッティング値を示す。)。両分布8c、8dにおいて、欠陥平行及び直交方向の実測値とフィッティング値のプロファイルはよく一致しており、妥当なLSFが求まっていることがわかる。
図13中の符号9は、上記フィッティングしたLSFに対応する等価PSFのCスコープ図を示す。同図中の横方向の広がり、すなわち、欠陥平行方向の広がり幅は、同図中の縦方向の広がり、すなわち、欠陥直交方向より小さいことがわかる。ここで、欠陥の長手方向は、同図の横方向に対応する。
従来の方法では、フィッティングしたLSFを等方近似してPSFを求めている。これに対して、本発明に係る方法では、異方性を取り入れることが可能であり、より正確な欠陥形状の復元ができる利点がある。
図14及び図15は、上記等価PSF(図13参照)を用いて、式7の手法により実測Cスコープから元の欠陥形状を復元した結果を表す。
図14中、符号10aは実測Cスコープを表し、符号10bはデコンボリューション後(復元後)の欠陥Cスコープを表す。
図15中の符号11は、LSF(x,y)欠陥平行方向分布を示す。同図中、実線のグラフ11aが実測値を示し、破線のグラフ11bがフィッティング値を示す。なお、同分布中、横軸がプローブの走査位置(単位:mm)、すなわち欠陥長さに対応し、縦軸が全振幅の電圧値(V)である。
図14中の復元前のCスコープ10a及び復元後のCスコープ10bと、図15中の実測値(復元前)のグラフ11a及びフィッティング値(復元後)のグラフ11bとを参照すると、復元後の欠陥形状がより鋭くなっており、元の欠陥形状(長さ10mm、深さ2mmの線状欠陥)により近くなっていることがわかる。
図15中、フィッティング値のグラフ11bは横軸上の9−19に亘っており、復元後の長さは約10mmである。一方、実測値のグラフ11aは横軸上の8−20に亘っており、復元前(実測値)の長さは約12mmである。すなわち、実測値(復元前)のグラフ11aは欠陥の長さを過大評価している。したがって、本手法は、定量的にも非常に精度よく復元評価している。
このデコンボリューション操作は、微分操作と同様の処理になるため、観測データにノイズが含まれている場合、精度のよい結果が求まらないことが多い。しかしながら、本手法は、線形識別関数と組み合わせることにより、安定した精度のよい復元が可能となる利点がある。
次ぎに、本発明に係る探傷信号処理方法の第3の実施例として、探傷プローブの探傷のピッチを誤検出確率に基づいて決定する方法について以下に述べる。
微小欠陥を探傷する場合、空間的な走査ピッチを小さくするほど欠陥を見逃す検出確率を小さくできる。
しかしながら、過度に小さな走査ピッチでは、検査時間が長くかかり効率的ではない。さらに、プローブの大きさに依存した空間応答特性を考慮すると、過度に小さな走査ピッチは、検出確率の向上に寄与しない場合がある。従来技術として、実測したLSFを元に走査ピッチを決定する手法が提案されている(T.Ray,et.al,”Index size determination with varying coil diameters for improved automated eddy current inspections on aerospace engine components”,Review of Quantitative Nondestructive Evaluation,Vol.24,p.767−774(2005))。
本実施例は、上述した第2の実施例の式8で求めたLSF(x,y)に基づいて走査ピッチを適切に設定する。
図16中、符号12は第2の実施例で求めたLSF(x,y)のCスコープ図を示したものであり、符号13はY方向断面の分布(プロファイル)13aを示すためのグラフであり、符号14はX方向断面の分布(プロファイル)14aを示すためのグラフである。
グラフ13において、欠陥直交方向(Y方向)の走査ピッチとして、dyを設定すると、LSFのX座標中心位置x0の位置でのY方向断面プロファイルで、最大位置y0を中心にしてdy/2の点、すなわち、
式9
の値が、観測しうる最小の振幅値になる。
Y走査ピッチの初期値は、欠陥位置に対してランダムに決まると考えられるので、最良の場合、LSF(x,y)の最大値、すなわち、
式10
を横切る走査ピッチになるが、最悪の場合は、走査ピッチの1/2、すなわち、dy/2だけ最大ピーク位置からずれた振幅値が計測される。
この両者の比から、走査ピッチdyを決めた際の、欠陥のピーク検出確率を、
式11
と定義できる。走査ピッチが十分に小さい場合、α=αmaxとなるので、ピーク検出確率は100%となる。
逆に、欠陥ピーク検出確率Pdを所定の値に決めると、式11と式9から
式12
を満たす走査ピッチdyが決まることになる。これは、欠陥平行走査ピッチ(X方向走査ピッチ)の決定においても同様である。
このように、線状欠陥に基づいたLSFを求めることで、欠陥検出確率をある値以上にした走査ピッチを決めることができる。通常の自然欠陥は、ほとんどが線状であるため、本発明によるLSFは広い範囲に応用可能である。このLSFに基づく走査ピッチの決定方法は、欠陥検出確率を所定値以上に担保したうえで走査ピッチを大きく取ることができ、検査の効率向上に寄与できる利点がある。
また、不必要に小さな走査ピッチになっていないことの確認や、大きさの異なるプローブを用いた探傷をおこなう場合においても同等の検出確率での走査ピッチを設定できるなど、探傷手順の標準化にも役立てることができる利点がある。
さらに、式8のLSF(x,y)が等価PSFの積分という解析関数で表現されているため、検査時の要求仕様として定義できる線状欠陥の長さに応じて、LSF(x,y)の形状を計算で求めることができる。したがって、実際に用いる際の柔軟性が増し得る利点がある。さらに、線状欠陥の長手方向に応じて異なる広がり幅を考慮できるため、より精度の良い走査ピッチの評価が可能になる利点がある。
本発明に係る渦電流探傷信号処理方法の第1の実施例を説明するための渦電流探傷装置の概略図である。 図1中の渦電流探傷装置により検査対象物を探傷した結果としてのCスコープ及びリサージュ波形を示す図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第1の実施例の手順を説明するためのステップ図である。 図2中のCスコープにおいて、欠陥部ベクトル及び非欠陥部ベクトルを示すための図である。 図4中の欠陥部ベクトル及び非欠陥部ベクトルに夫々対応するリサージュ波形を示すための図である。 図3中の手順に示される第1の実施例を使用した結果の一例として、X振幅及びY振幅のCスコープを示すための図である。 図6中のX振幅Cスコープの欠陥部の拡大図である。 図6中のX振幅Cスコープの非欠陥部の拡大図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第1の実施例により得られた線形識別関数の値をCスコープに表現した図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第1の実施例により得られた線形識別関数の値をフィルタリングした後の値をCスコープに表示した図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第2の実施例により人工欠陥を探傷した際のLSFを表示した図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第2の実施例により人工欠陥を探傷した際のLSFを表示した図である。 図11中のフィッティングしたLSFに対応する等価PSFを表示した図である。 図12中の等価PSFを用いて実測Cスコープから元の欠陥形状を復元した結果を示すためのCスコープを表示した図である。 図12中の等価PSFを用いて実測Cスコープから元の欠陥形状を復元した結果を示すための欠陥平行方向分布を表示した図である。 本発明に係る探傷信号処理方法の第3の実施例を説明するためのCスコープ及び断面分布(X方向及びY方向)を表示した図である。
符号の説明
1 渦電流探傷装置
2 渦電流探傷プローブ
3b Cスコープ
5a X振幅Cスコープ
5c 人工欠陥に対応する横長部分
6 Cスコープ
6a 欠陥部に対応するプラス領域
8a 実測値のLSF(x,y)のCスコープ

Claims (8)

  1. 検査対象物表面の金属組織内部の自然欠陥を非破壊で外部から計測するための渦電流探傷信号処理方法において、
    前記検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから教示された欠陥部及び非欠陥部のデータに基づいて、欠陥部と非欠陥部を識別する判別境界を算出するステップと、
    前記判別境界に直交する法線ベクトルに前記ベクトルデータを射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換し、この振幅値が所定の閾値以上の領域を欠陥部とするステップとを備えることを特徴とする、渦電流探傷信号処理方法。
  2. 前記判別境界は線形識別関数で決められる境界であることを特徴とする、請求項1に記載の渦電流探傷信号処理方法。
  3. 所定の閾値以下の前記振幅値をゼロにすることにより、欠陥部の信号のみを残した閾値フィルタリングをするステップを更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の渦電流探傷信号処理方法。
  4. 既知の長さ及び深さを有する人工欠陥を付与した校正用試験片を提供するステップと、
    前記検査対象物を探傷した渦電流探傷プローブにより、前記校正用試験片を探傷して得られる探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから、前記プローブの空間応答関数を前記人工欠陥の長手方向およびこれに直交する方向に依存した形で求めるステップと、
    前記空間応答関数を用いて、前記検査対象物の前記ベクトルデータのデコンボルーションをおこない、前記プローブの空間応答特性を補正した前記検査対象物の自然欠陥の形状復元データを得るステップとを更に備えることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の渦電流探傷信号処理方法。
  5. 前記空間応答関数を等価PSFの形で求めることを特徴とする、請求項4に記載の渦電流探傷信号処理方法。
  6. 前記空間応答関数を用いて、前記検査対象物の欠陥検出確率が所定の値以上になるように、前記プローブの前記検査対象物に対する走査ピッチを所定の値に設定することを特徴とする、請求項4又は5に記載の記載の渦電流探傷信号処理方法。
  7. 前記検査対象物及び前記校正用試験片を夫々探傷して得られる各前記多次元空間ベクトルデータは、探傷位置ごとのX振幅及びY振幅と前記探傷位置の近傍の探傷信号出力値であるX振幅及びY振幅とからなることを特徴とする、請求項4乃至6の何れか1項に記載の渦電流探傷信号処理方法。
  8. 検査対象物表面の金属組織内部の自然欠陥を非破壊で外部から計測するための渦電流探傷信号処理方法において、
    既知の長さ及び深さを有する人工欠陥を付与した校正用試験片を提供するステップと、
    前記校正用試験片の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータから教示された欠陥部及び非欠陥部のデータに基づいて、欠陥部と非欠陥部を識別する判別境界を算出するステップと、
    前記検査対象物の探傷位置ごとの渦電流探傷信号からなる多次元空間のベクトルデータを得るステップと、
    前記判別境界に直交する法線ベクトルに前記検査対象物の前記ベクトルデータを射影して、探傷位置ごとの振幅値に変換し、この振幅値が所定の閾値以上の領域を欠陥部とするステップとを備えることを特徴とする、渦電流探傷信号処理方法。
JP2006027648A 2006-01-06 2006-01-06 渦電流探傷信号処理方法 Expired - Fee Related JP4235648B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006027648A JP4235648B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 渦電流探傷信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006027648A JP4235648B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 渦電流探傷信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007183231A true JP2007183231A (ja) 2007-07-19
JP4235648B2 JP4235648B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=38339450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006027648A Expired - Fee Related JP4235648B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 渦電流探傷信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4235648B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009216559A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 渦電流検査装置
JP2010117370A (ja) * 2010-02-22 2010-05-27 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 渦電流検査装置
JP2012533752A (ja) * 2009-07-23 2012-12-27 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所の蒸気発生器細管の処理方法
JP2014077764A (ja) * 2012-10-12 2014-05-01 Tokyo Rigaku Kensa Kk 渦流探傷装置
WO2016011235A1 (en) * 2014-07-18 2016-01-21 Westinghouse Electric Company Llc Total integrated tube analysis
CN105357578A (zh) * 2015-12-24 2016-02-24 深圳市九洲电器有限公司 一种机顶盒测试方法与装置
JP2018048906A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 川辺食品 株式会社 異物検出装置
JP2018124154A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 学校法人五島育英会 鋼橋溶接止端部の疲労き裂に対する渦流探傷結果のc−スコープ画像化システム
CN109884182A (zh) * 2019-04-04 2019-06-14 中国兵器科学研究院宁波分院 一种涡流c扫描成像检测方法
CN111351836A (zh) * 2018-12-20 2020-06-30 核动力运行研究所 一种阵列探头涡流检测信号图形成像优化方法
CN118010843A (zh) * 2024-04-07 2024-05-10 上海纪岩电力科技有限公司 一种高压电缆封铅涡流探伤方法及系统

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8183862B2 (en) 2008-03-11 2012-05-22 Hitachi, Ltd. Eddy current testing device
JP2009216559A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 渦電流検査装置
JP2012533752A (ja) * 2009-07-23 2012-12-27 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所の蒸気発生器細管の処理方法
JP2010117370A (ja) * 2010-02-22 2010-05-27 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 渦電流検査装置
JP2014077764A (ja) * 2012-10-12 2014-05-01 Tokyo Rigaku Kensa Kk 渦流探傷装置
US9945814B2 (en) 2014-07-18 2018-04-17 Westinghouse Electric Company Llc Total integrated tube analysis
WO2016011235A1 (en) * 2014-07-18 2016-01-21 Westinghouse Electric Company Llc Total integrated tube analysis
CN105357578A (zh) * 2015-12-24 2016-02-24 深圳市九洲电器有限公司 一种机顶盒测试方法与装置
CN105357578B (zh) * 2015-12-24 2018-07-24 深圳市九洲电器有限公司 一种机顶盒测试方法与装置
JP2018048906A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 川辺食品 株式会社 異物検出装置
JP2018124154A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 学校法人五島育英会 鋼橋溶接止端部の疲労き裂に対する渦流探傷結果のc−スコープ画像化システム
CN111351836A (zh) * 2018-12-20 2020-06-30 核动力运行研究所 一种阵列探头涡流检测信号图形成像优化方法
CN111351836B (zh) * 2018-12-20 2023-09-12 核动力运行研究所 一种阵列探头涡流检测信号图形成像优化方法
CN109884182A (zh) * 2019-04-04 2019-06-14 中国兵器科学研究院宁波分院 一种涡流c扫描成像检测方法
CN118010843A (zh) * 2024-04-07 2024-05-10 上海纪岩电力科技有限公司 一种高压电缆封铅涡流探伤方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4235648B2 (ja) 2009-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4235648B2 (ja) 渦電流探傷信号処理方法
US7933441B2 (en) Method of inspection for inner defects of an object and apparatus for same
JP3870044B2 (ja) パターン検査方法及びパターン検査装置
Zanini et al. Two-spheres method for evaluating the metrological structural resolution in dimensional computed tomography
US20070288177A1 (en) Advanced processing of active thermography signals
US9846931B2 (en) Pattern sensing device and semiconductor sensing system
CA2964021A1 (en) Determination of localised quality measurements from a volumetric image record
JP2002162216A (ja) パターン評価方法、パターン評価装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN106461615B (zh) 用超声波进行的基于仿真的缺陷分析
JPWO2017130550A1 (ja) 欠陥検査装置、方法およびプログラム
CN110060293A (zh) 一种ct检测系统的缺陷检出性能极限评估方法
CN115836218A (zh) 检查装置、检查方法、以及检查程序
Villarraga-Gómez et al. Effect of geometric magnification on dimensional measurements with a metrology-grade X-ray computed tomography system
US7711499B2 (en) Eddy current data interpolation/extrapolation
Fleßner et al. Assessment of the single point uncertainty of dimensional CT measurements
US5424640A (en) Method for removal of random noise in eddy-current testing system
Tian et al. Signal processing schemes for Eddy Current Testing of steam generator tubes of nuclear power plants
Arenhart et al. Characterization of the metrological structural resolution of CT systems using a multi-wave standard
Bartscher et al. The resolution of dimensional CT-An edge-based analysis
JP2009186375A (ja) 超音波センサ付きの検査装置を用いた導管の腐食状態の検査方法及び腐食状態の検査方法の適用に適した導管の構造
US6285183B1 (en) Method and system for measuring the volume loss of a metal substrate
Amrhein et al. Characterization of computer tomography scanners using the probability of detection method
Villarraga-Gómez et al. Assessing the effect of penetration length variations on dimensional measurements with X-ray computed tomography
Kanzler et al. Observer POD for radiographic testing
Probst et al. Focal spot characterization of an industrial X-ray CT scanner

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081215

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4235648

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees