JP2007183146A - 細胞電気生理センサとその製造方法 - Google Patents

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聡一郎 平岡
Masaya Nakatani
将也 中谷
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    • G01N33/48728Investigating individual cells, e.g. by patch clamp, voltage clamp

Abstract

【課題】基板と細胞の密着保持性を高めることによって、シール性の高い細胞電気生理センサおよびその製造方法を実現することを目的とするものである。
【解決手段】基板1に少なくとも1つ以上の貫通孔2を設け、この基板1の両面と貫通孔2に培養液5a、5bを蓄積させ、前記貫通孔2の開口部に細胞4を密着保持させて電気生理現象を測定する細胞電気生理センサであって、前記基板1の片面および貫通孔2において、少なくとも細胞4と培養液との接触部を光触媒作用を有した絶縁層3で被覆した構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、細胞の電気生理的活動の測定に用いられる細胞電気生理センサとその製造方法に関するものである。
従来、電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
このため、微細加工技術を利用した基板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要としない自動化システムに適している。例えば、基板の上に設けられた細胞保持手段を備えたウエルと、このウエルの電気信号を検出する測定用電極と、基準電極とを備えた細胞外電位測定用デバイスによって細胞外電位を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。図12はこの従来の細胞電気生理センサのウエル構造を模式断面図で示したものであり、ウエル26の内部に培養液27が入れられ、被験体細胞25は基板21に設けられた細胞保持手段によって捕捉または保持されている。細胞保持手段は基板21に形成された窪み22および開口部を介してこの窪み22に連絡する貫通孔23を備えた構成となっている。
さらに貫通孔23の内部にはセンサ手段である測定電極24が配置されており、この電極24は配線を経て信号検出部に連絡されている。
そして、測定の際には被験体細胞25を貫通孔23から吸引ポンプなどの手段により、この被験体細胞25が窪み22に密着保持される。このようにして被験体細胞25の活動により発生する電気信号はウエル26の内部の培養液27に漏れることなく、貫通孔23に設けた測定電極24と参照電極28によって電位の変化あるいは電流の変化を検出する。
このように、基板21に形成された貫通孔23はガラスピペットにおける先端穴と同様の役割を果たし、高精度な細胞の電気生理現象を記録できるとともに、基板21の裏面側からの吸引によって被験体細胞25が自動的に引きつけられ、被験体細胞25を容易に保持できるという利点を有している。このとき、被験体細胞25が高い密着性を持って保持されることは、低いバックグランドノイズでイオンチャネル活動によって生じる細胞外電位、或いは細胞内電位を測定するためには重要な要素である。
国際公開第02/055653号パンフレット
しかしながら、前記従来の技術においては、細胞の密着性に大きな影響を与える基板の最適な表面加工に関する技術の開示はなかった。
本発明は、基板と細胞の密着保持性を高めることによって、シール性の高い細胞電気生理センサおよびその製造方法を実現することを目的とするものである。
前記課題を解決するための本発明は、基板に少なくとも1つ以上の貫通孔を設け、この基板と細胞と培養液との接触部を光触媒作用を有した絶縁層で被覆し、この基板の両面と貫通孔に培養液を蓄積させ、貫通孔の開口部に細胞を密着保持させる構成とするものである。
本発明の細胞電気生理センサおよびその製造方法は、細胞が密着される面が光触媒作用により表面に吸着した炭素を含む分子鎖を分解除去することによって基板の表面を高い親水性とし、基板と細胞との密着性を高めて安定したシール性を実現できる細胞電気生理センサおよびその製造方法を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサおよびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの斜視図であり、図2はその断面図である。また、図3は細胞電気生理センサの動作を説明するための要部拡大断面図であり、図4は別の構成の例を説明するための断面図であり、図5は他の構成の例を説明するための断面図である。
まず、本実施の形態1における細胞電気生理センサの構成について説明する。
図1〜図3において、基板1はシリコン基板で形成しており、基板1にはエッチング加工などにより貫通孔2を複数形成している。この貫通孔2の最小開口径は3μmとしており、貫通孔2の最小開口径は測定する細胞の大きさ、形状、性質によって決定することができる。例えば、細胞4の大きさが5〜50μm程度の場合、細胞4が高い密着性を持って保持されるには貫通孔2の最小開口径を3μm以下とすることが望ましい。
そして、基板1および貫通孔2の表面は、光エネルギーの照射に伴う光触媒作用を有した絶縁層3で被覆している。この光触媒作用を有した絶縁層3に最適な光エネルギーを照射することで、絶縁層3で光触媒反応が起こり、基板1および貫通孔2の表面に吸着した炭素を含む有機化合物の分子鎖を分解して除去することによって、基板1の表面および貫通孔2の内壁面は高い親水性を示すことができる。
ここで、細胞4は水酸基を含んだ親水性の表面を有しており、基板1の表面および貫通孔2の内壁の表面を高い親水性に保持することによって、細胞4は高い密着性をもって保持できるという効果が得られる。そして、この効果は少なくとも細胞4と細胞外液5aが基板1と貫通孔2の接触部において光触媒作用を有した絶縁層3で被覆していることによって発揮することができる。
このように、細胞4を高い密着性を持って保持する上では、細胞4が水酸基を含んだ親水性の表面を有していることから、細胞4が密着される面は高い親水性であることが重要な要素となる。
さらに、基板1の第一面1aと第二面1bおよび貫通孔2の内壁を絶縁層3で被覆することによって培養液の浸透を速やかに行うことができるという利点を有している。特に、貫通孔2は微少な穴径を有していることから、この貫通孔2の内壁面を絶縁層3で被覆し、光触媒作用によって親水性を高めておくことによって培養液の充填を速やかに確実に行うことができる。
次に、本発明の細胞電気生理センサの動作について説明する。
図3に示すように、基板1の上部に細胞4を含んだ細胞外液5aと共に満たした後、基板1の第1面1aから加圧するか、第2面1bを減圧することによって細胞4と第1面1aの細胞外液5aは、貫通孔2に引き込まれ、細胞4は貫通孔2を塞ぐように保持される。このとき、第2面1bは細胞内液5bによって満たしておく。
通常、細胞内液5bは、ほ乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl−イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、後に述べる細胞外液5aは、K+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl−イオンが123mM程度添加された電解液である。
ここで、培養液はこの細胞外液5aと細胞内液5bを含んでおり、細胞外液5aのみ、あるいは細胞内液5bのみを用いて行う測定も含むものである。
次に、第2面1bから吸引、もしくは薬剤(ナイスタチン)を投入して細胞4の細胞膜に微細小径を形成する。
その後、細胞4への刺激となりうる行為を第1面1aから施す。この刺激の種類としては、例えば化学薬品、毒物などの化学的な刺激に加え、機械的変位、光、熱、電気、電磁波などの物理的な刺激などによって細胞4に刺激を与える。
そして、細胞4がこれらの刺激に対して活発に反応する場合、例えば細胞4は細胞膜が保有したチャネルを通じて各種イオンを放出あるいは吸収する。この結果として、細胞内外の電位勾配が変化し、その変化を検出することができる。この電位勾配の変化を細胞外液5aに設けた電極7と細胞内液5bに設けた電極8によって測定する。
このとき、細胞4が高い密着性を持って貫通孔2の開口部に保持されることは、前記のように低いバックグランドノイズで細胞4の電気生理現象を測定するために重要な要素となり、少なくとも基板1の第一面1aおよび貫通孔2において、少なくとも細胞4と細胞外液5aとの接触部を光触媒作用を有した絶縁層3で被覆することによって前記のようなシール性に優れた細胞電気生理センサを実現することができる。
また、図4に示したように、さらに細胞4との密着性を高めるために貫通孔2の第一面1a側に窪み6を形成し、この窪み6の表面に光触媒作用を有する絶縁層を形成することによってさらにシール性の高い細胞電気生理センサを実現することができる。
また、細胞外液5aおよび細胞内液5bにおいても親水性を有していることから貫通孔2の内壁と基板1の第二面1bにも光触媒作用を有する絶縁層3を形成することによって、速やかに細胞外液5aまたは細胞内液5bを貫通孔2の内部に充填することができるとともに、気泡などの発生を抑制することができることからより効率の高い細胞電気生理センサを実現することができる。
なお、細胞外液5aと細胞内液5bを同じ培養液とし、別途薬剤などをどちらかの培養液に添加し、そのときの細胞4の反応を測定するときも同様の方法によって測定することができる。
次に、本発明の光触媒作用を有した絶縁層3の効果について詳細に説明する。
例えば二酸化チタンに代表されるような光触媒作用物質の作用は、この二酸化チタンに光をあてると電子と正孔が生成し、水や溶存酸素などとの反応によりOHラジカルやスーパーオキサイドアニオンなどの活性酸素を生じる。このとき、絶縁層3は光照射によって光触媒作用を有するときには半導体化すると考えられている。このOHラジカルは120kcal/mol相当の非常に大きなエネルギーを持っており、これ対して有機物を構成する分子中の結合エネルギーは100kcal/mol前後である。このことから、より大きなエネルギーを持つOHラジカルは有機物の結合を簡単に切断して分解することができる。この光触媒作用により、有機物を完全に分解して基板1の表面あるいは貫通孔2の内壁に付着した有機物を分解除去することができる。これは、バンドギャップエネルギー以上のエネルギーを照射することによって生成されたキャリアが近傍に存在する化合物と反応するものと考えられている。特に、近傍に存在する化合物の結合エネルギーが弱い場合には、分解したり除去したりすることが可能である。
前記の理由により、光触媒作用を有した絶縁層3に最適なエネルギーを照射することで、光触媒作用により、表面に吸着した有機物の炭素を含む分子鎖が分解あるいは分解除去されることによって、光触媒作用を有した絶縁層3を形成した基板1の表面および貫通孔2の内壁表面が高い親水性を示す。そして、細胞4は水酸基を含んだ親水性の表面を有している。そこで、基板1の表面および貫通孔2の内壁表面が高い親水性を示すとき、細胞4は基板1の表面および貫通孔2近傍で高い密着性をもって保持されるという効果が得られる。このことは高いシールド性を実現することとなり、高精度に細胞4の電気生理的変化を測定することができる。
なお、光エネルギーを照射した後、純水などで光エネルギーを照射した基板1の表面を洗浄した後、培養液と細胞4を用いて測定することによって、不純物の影響を完全に排除した測定が可能となる。
また、図5に示したように光触媒作用を有した絶縁層3を形成した部分が、細胞4を密着させる基板の第1面1aに形成した構造としてもよい。このような構成の細胞電気生理センサを作製するとき、貫通孔2を形成した基板の第一面1aに光触媒作用を有した絶縁層3である二酸化チタンなどをスパッタ法などの技術を用いて製膜したとき、貫通孔2の上部付近においても二酸化チタンの薄膜が回り込むように製膜される。これによって、生産性に優れた細胞電気生理センサを提供することが可能となる。
なお、光触媒作用を有した絶縁層3は、例えば二酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ビスマス、チタン酸ストロンチウム、およびこれらの混合物のような光触媒作用物質で構成することが効果的である。
その中でも、化学的に安定であり、励起波長が380nm以下であるアナターゼ型の二酸化チタンが特に好ましい。励起波長を380nm以下としたとき、意図的に光エネルギーを照射しない限りは光触媒作用を示さないことから、光触媒作用による細胞4への細胞4への悪影響を抑制する上で有効である。
また、光触媒作用を有した絶縁層3は、前記の光触媒作用物質と非光触媒作用物質の混合物で構成することが可能である。このとき、非光触媒作用物質中に微細化された光触媒作用物質が分散した構造を有することが望ましい。微粉化された光触媒作用物質は、高効率の光触媒作用を示すものを容易に入手することが可能であるという利点を有するとともに、光触媒作用を有した絶縁層3を基板1へ形成する場合のプロセス工法についてその自由度を高めることができる。例えば、光触媒作用物質である二酸化チタンと非光触媒作用物質である有機材料を均一に分散可能な有機溶剤を用いることで、簡便な製造方法であるスピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法などの塗布法により塗布形成した後、有機材料を硬化させることによって、光触媒作用を有した絶縁層3を容易に形成できる。
このとき、非光触媒作用物質として重要なことは、光触媒作用によって分解されないという特性を有していることが重要であり、非光触媒作用物質として用いる有機材料としては光触媒作用によって分解されないことが必要である。このような特性を有する有機材料の中でも特にシリコン樹脂が光触媒作用に対する安定性、生産性の観点から好ましい。このことにより、化学的に安定で耐久性に優れた光触媒作用を有した絶縁層3を形成可能となる。
また、本発明の細胞電気生理センサの構成において十分な効果を得るには、光触媒作用を有した絶縁層3の表面における吸着炭素元素と、光触媒作用を有した絶縁層の非被覆面に対する吸着炭素元素の比は1未満であることが好ましい。これによって、細胞4は親水性の高い光触媒作用を有した絶縁層3の上に滞留することの確率が高くなり、吸引などの手段によって簡単に貫通孔2の開口部に細胞4を密着保持することができる。
なお、ここで用いた吸着炭素元素の比とは、光触媒作用を有した絶縁層3の被覆面と非被覆面の表面に吸着した炭素元素の比を示しており、例えば非光触媒作用物質に含有されるような炭素元素を含むものではない。
本実施の形態1における細胞電気生理センサは、最適な光エネルギーを照射するなどの何らかの刺激を与えることにより、前記条件を満たすことが可能であり、そのような細胞電気生理センサを全て含む。これにより、何らかの原因で親水性が悪化した場合にも、最適な光エネルギーを照射することで容易に親水性を向上させることが可能となる。
次に、本実施の形態1における細胞電気生理センサの製造方法について説明する。
図6〜図11は本実施の形態1における細胞電気生理センサの製造工程を説明するための断面図である。
この細胞電気生理センサの製造方法は、図6に示すようにシリコン基板からなる基板1を用意し、基板1の第1面1aに所定のパターンでレジストマスク11を形成する。
次に、図7に示すように基板1をエッチングによって貫通孔2を形成する。このときのエッチング方法としては貫通孔2の寸法形状を高精度に作製するためにはドライエッチングを用いることが好ましく、そのときのエッチングガスとしてはエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを交互に用いる。エッチングを促進するガスにはXeF2、SF6、CF4などを用いるが、これらはシリコンのエッチングを深さ方向だけではなく、横方向へも促進する作用がある。そこで、CHF3、C48等のエッチングを抑制するガスを混合させておくことで、エッチングの壁面にCF2のポリマーである保護膜を作製するので、ドライエッチングによる貫通孔2の形成をレジストマスク11の下方のみに進行させることが可能となり、アスペクト比の高い貫通孔2を高精度に形成することができる。
その後、図8に示すようにレジストマスク11を除去する。
次に、図9に示すように基板1の第1面1aおよび貫通孔2の内壁表面にスパッタ法によって二酸化チタンを光触媒作用を有した絶縁層3として製膜する。このとき、貫通孔2の内壁面にも二酸化チタン膜が形成できるようにスパッタ装置を工夫することによって容易に光触媒作用を有した絶縁層3を形成することができる。
そして、さらに培養液との濡れ性を高めるために、図10に示すように基板1の第2面1bからも同様の方法によって光触媒作用を有した絶縁層3を形成する。
このとき、光触媒作用を有した絶縁層3が光触媒作用物質のみから構成する場合には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の真空成膜法を用いることが可能である。そして、貫通孔2の穴径に対する深さ方向のアスペクト比が5倍程度まではスパッタ法などで形成することができるが、アスペクト比が10倍程度の高い場合にはCVD法などが効果的である。
これにより、基板1および貫通孔2の内壁表面に均一に絶縁層3を形成することが可能となる。
また、光触媒作用を有した絶縁層3を光触媒作用物質と非光触媒作用物質の混合物で構成する場合には、光触媒作用物質である二酸化チタン粉末と非光触媒作用物質である有機材料を溶剤中に均一に分散させた塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等で塗布した後、有機材料を硬化することによっても絶縁層3を形成することが可能である。
これにより、簡便な製造方法にて絶縁層3を形成することが可能となる。
その後、図11に示すように光触媒が作用するのに最適な紫外線ランプ、あるいは紫外線レーザなどの光エネルギーを絶縁層3に照射する。この光エネルギーを照射するタイミングは測定の直前に行うことが好ましい。すなわち、測定の直前に付着した有機物を除去することによって最善の親水性を実現することができる。
そして、光触媒作用を有した絶縁層3の表面の吸着炭素元素の量が絶縁層3を形成していない表面の吸着炭素元素の量に対する吸着炭素元素比が少なくとも1未満となるまで照射し、その後、測定に用いられる培養液および細胞4を投入して測定を行うと、細胞4が高い密着性を持って保持されることから、低いバックグラウンドノイズで細胞4の電気生理現象を測定することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理センサおよびその製造方法は、細胞が密着保持される近傍の基板および貫通孔の内壁の表面が高い親水性を有することにより、細胞が高い密着性を持って保持されることから高精度な細胞電気生理センサとして有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの斜視図 同断面図 同要部拡大断面図 同別の構成を有した細胞電気生理センサの要部拡大断面図 同別の構成を有した細胞電気生理センサの要部拡大断面図 同製造方法を示すための断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図
符号の説明
1 基板
1a 第1面
1b 第2面
2 貫通孔
3 光触媒作用を有した絶縁層
4 細胞
5 培養液
5a 細胞外液
5b 細胞内液
6 窪み
7 電極
8 電極
11 レジストマスク

Claims (12)

  1. 基板に少なくとも1つ以上の貫通孔を設け、この基板の両面と貫通孔に培養液を蓄積させ、前記貫通孔の開口部に細胞を密着保持させて電気生理現象を測定する細胞電気生理センサであって、
    前記基板の片面および貫通孔において、少なくとも細胞と培養液との接触部を光触媒作用を有した絶縁層を設けた細胞電気生理センサ。
  2. 細胞と貫通孔の間に光触媒作用を有した絶縁層で被覆した窪みを設けた請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  3. 貫通孔の内壁を光触媒作用を有した絶縁層で被覆した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  4. 絶縁層を光触媒作用物質で構成した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  5. 絶縁層を光触媒作用物質と非光触媒作用物質の混合物で構成した請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  6. 光触媒作用物質を二酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ビスマス、チタン酸ストロンチウムの中から選ばれた少なくとも一種を含む光触媒作用物質とした請求項4または請求項5に記載の細胞電気生理センサ。
  7. 非光触媒作用物質を有機材料とした請求項5に記載の細胞電気生理センサ。
  8. 有機材料をシリコン樹脂とした請求項7に記載の細胞電気生理センサ。
  9. 光触媒作用を有した絶縁層と、この絶縁層以外の基板の表層部における炭素元素比を1未満とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  10. 基板に少なくとも1つ以上の貫通孔を設け、この基板の両面と貫通孔に培養液を蓄積させ、この基板の貫通孔の片面の開口部に細胞を密着保持し、この細胞の電気生理現象を測定する細胞電気生理センサの製造方法であって、
    前記基板の一面側のドライエッチングによって所望の形状の貫通孔を形成する工程と、光触媒作用を有した絶縁層で被覆する工程と、光触媒が作用する光エネルギーを照射する工程を含む細胞電気生理センサの製造方法。
  11. 光触媒作用を有した絶縁層で被覆する工程を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法のいずれか一つを用いて行う請求項10に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  12. 光触媒作用を有した絶縁層で被覆する工程を、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法のいずれか一つを用いて行う請求項10に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
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JP2009288080A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 細胞外マイクロ電極及びその製造方法

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