JP2007182967A - 一方向クラッチ - Google Patents

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Yasumasa Hibi
康雅 日比
Hiromi Nojiri
博海 野尻
Takahide Saito
隆英 齋藤
Koji Akiyoshi
幸治 秋吉
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Abstract

【課題】スプラグの外輪の側壁への当たり面に大きな摩耗を生じさせないようにする。
【解決手段】外周円筒面を有する内輪と、同軸に配置され前記外周円筒面に対向する内周円筒面と内径方向に延びる側壁1a、1bとを有する外輪1と、一端に凸部が形成されると共に他端に凹部が形成された複数のスプラグ2と、前記凹部に当接するように配置され前記各スプラグ2を前記凸部側へ付勢すると共に前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する第1の弾性部材と、前記側壁1a、1bのうちの一方と前記各スプラグ2の凸部との間にその各スプラグ2を前記凹部側に付勢する付勢手段とを備える一方向クラッチの構成を採用した。このようにすれば、スプラグ2は外輪1に対し両側から弾性的に保持されて、その弾性力でスプラグ2から外輪1に作用する強い軸方向荷重を吸収する。このため、外輪1の側壁への当たり面に大きな摩耗を生じさせない。
【選択図】図2

Description

この発明は、動力伝達経路上で動力の伝達と遮断の切換えをする一方向クラッチに関する。
一方向クラッチは、方向性を持つカップリングであり、駆動側の回転速度が従動側より速いと、動力を伝達し、駆動側の回転方向が反転したり、従動側の回転速度が駆動側より速くなったりすると、動力の伝達を遮断するものである。
この一方向クラッチには、内輪と外輪間にスプラグを介在し、このスプラグを内外輪にその相対的な動きに応じて噛み合い・離脱をさせてトルクの伝達・遮断をするスプラグ型のものがある。
また、そのスプラグを内外輪に介在する態様として、複数のスプラグを互いに適当に隔てて設けたものと、複数のスプラグを互いに隣接して設けたものとが知られている。
前者の例として、内外輪間に多数のスプラグを環状に配置し、そのスプラグを、リテーナにより所定間隔に保持するとともに、スプリングで係合方向に付勢し、スプラグの両側面(クラッチの軸方向の両側面)に一対の環状側板を設けたものがある(特許文献1 第3図 参照)。
後者の例として、内外輪間に多数のスプラグを環状に配置し、その各スプラグをガーターばねとリテーナにより挟持するとともに、各スプラグを係合方向に付勢し、環状側板をスプラグ側面とリテーナ間に配設したものがある(特許文献2 第6図 参照)。
特開昭59−73632号公報 特開昭58−163832号公報
一般に、一方向クラッチは、コンパクトなものやより低コストなものが望まれている。 コンパクトで、低コストな一方向クラッチとして、例えば、図8に示す一方向クラッチが挙げられる。その構成は、外周円筒面を有する内輪と、前記内輪に対して同軸に配置され前記外周円筒面に対向する内周円筒面と前記内周円筒面の両端から各々内径方向に延びる側壁1a、1bとを有する外輪1と、前記外周円筒面と前記内周円筒面との間に配置され一端に凸部が形成されると共に他端に凹部が形成された複数のスプラグ2と、前記凹部に当接するように配置され前記各スプラグ2を前記凸部側へ付勢すると共に前記各スプラグ2が前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する弾性部材3とを備えている。
スプラグ2に対して外輪1内面への当接力を付与する弾性部材3自身に、そのスプラグ2を軸方向に付勢する機能が付加されているので、部品点数が少なく、幅寸法がコンパクトで、コストの安価な一方向クラッチとし得る。
この種の一方向クラッチにおいて、スプラグ2は、前記凹部側に設けた弾性部材3により凸部側へ付勢されているので、例えば、そのスプラグ2がスキューの状態(スプラグ回転軸が内外輪の回転軸に対して傾いた状態)になった際に、スプラグ2が両側側壁1a,1b間に噛み込み、そのスプラグ2の凸部が前記側壁1a内面に強い当たりを生じることがある。すなわち、外輪1の側壁1aに強い軸方向荷重が作用することがある。このため、この状態でスプラグ2が係合(伝達)、空転(遮断)の姿勢変化を繰り返すと、その当たり面に大きな摩耗を生じ得る。
外輪1の側壁が大きく摩耗すると、スプラグ2の姿勢が不安定となりやすくなる。姿勢が不安定になれば、噛合い不良等が発生するので好ましくない。
そこで、この発明は、スプラグの外輪の側壁への当たり面に大きな摩耗を生じさせないようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、外周円筒面を有する内輪と、前記内輪に対して同軸に配置され前記外周円筒面に対向する内周円筒面および前記内周円筒面の両端から各々内径方向に延びる側壁が形成された外輪と、前記外周円筒面と前記内周円筒面との間に配置され一端に凸部が形成されると共に他端に凹部が形成された複数のスプラグと、前記凹部に当接するように配置され前記各スプラグを前記凸部側へ付勢すると共に前記各スプラグが前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する第1の弾性部材と、前記側壁のうちの一方と前記複数のスプラグの凸部との間に前記複数のスプラグを前記凹部側に付勢する付勢手段とを備えた構成としたものである。
このようにすれば、スプラグは外輪に対し両側から弾性的に保持されて、その弾性力でスプラグからの強い軸方向荷重を吸収する。このため、外輪の側壁への当たり面に大きな摩耗を生じさせず、スプラグの姿勢を安定させて噛合いを確実にし得る。
また、スプラグは、外輪に対し両側から弾性的に保持されるので、スキューの発生をも防止し得る。
この構成において、前記複数のスプラグを前記凹部側に付勢する付勢手段は、皿ばね、ゴム、メタル弾性体から選択される第2の弾性部材としてもよい。
なお、その第1及び第2の両弾性部材で協働して、各スプラグを前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する構成としてもよい。例えば、第1の弾性部材、及び第2の弾性部材の双方の弾性部材で挟み込むようにスプラグを付勢することにより、その付勢によりスプラグが外径方向、係合方向に併せて付勢されるようなスプラグの形状及び両弾性部材との組合わせを採用してもよい。
また、上記の構成において、前記複数のスプラグを前記凹部側に付勢する付勢手段として、コイルばね、皿ばね、ゴム、メタル弾性体から選択される第2の弾性部材を採用し、その第2の弾性部材と前記各スプラグの凸部との間に軸方向移動可能に設置された当て板を設けても良い。
スプラグが外輪の側壁に直接当接する場合、そのスプラグに一端に凸部を設けて、その凸部と外輪の側壁内面とを点接触又は線接触とすれば、スプラグと外輪内面との摺動摩擦抵抗が小さくなって、スプラグの動きがスムースとなるが、上記のごとく、スプラグの凸部と外輪の側壁との間に第2の弾性部材を介在させる場合には、そのスプラグには第2の弾性部材の付勢力が安定して作用しない場合がある。凸部の表面は、湾曲あるいは屈曲しているので、力の作用方向が一定しにくいからである。このとき、その弾性部材と凸部との間に当て板を介在させれば、弾性部材から当て板へは付勢力が安定して作用する。したがって、スプラグに作用する付勢力の方向も安定する。このため、そのスムースな動きを確保し得る。
さらに、前記外輪の一方の側壁の先端縁に内側に向く鍔部を設け、前記内周円筒面と前記鍔部の外周面によって前記当て板の軸方向の動きがガイドされるようにすれば、スプラグの外輪に対する弾性的な保持はより安定する。このため、スプラグの動きはさらにスムースとなる。
なお、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、両者を同一の構成からなる弾性部材としてもよいし、別の構成としてもよい。
この発明は、スプラグを外輪に対し両側から弾性的に保持したので、外輪の側壁に大きな摩耗を生じさせない効果を奏するとともに、スプラグの姿勢を安定させて噛合いを確実にし得る。また、スプラグがスキューの状態になることをも防止し得る。
図1、図2に第一の実施形態を示し、図1(a)は正面図、同(b)は同(a)の矢視B−Bの断面図、図2(a)は図1(a)の部分拡大図、同(b)は図1(b)の部分拡大図をそれぞれ示す。
この実施形態の一方向クラッチCは、外周円筒面を有する内輪と、前記内輪に対して同軸に配置され前記外周円筒面に対向する内周円筒面と前記内周円筒面の両端から各々内径方向に延びる側壁1a、1bとを有する外輪1とを備えている。また、その外周円筒面と前記内周円筒面との間には、複数のスプラグ2が配置されている。
前記外輪1は、内輪をなす内軸AXi側にその内軸と当接可能な鍔部1、1を有してその鍔部間が開放状の断面コ字状の環状部材であり、前記スプラグ2は、この外輪1の開放された中空断面内に互いに隣接して複数設けられている。また、これらスプラグ2の軸方向端面の片面に沿ってリング状の第1の弾性部材3が設けられている。第1の弾性部材3には、後述するコイルばね、ガーターばね、皿ばね、その他各種のスプリングやゴムなどの弾性材が用いられる。
この外輪1は、所定厚さの円盤状平鋼板を、プレス成形によりその外縁側を曲げ加工してカップ状としたのち、内径部を打ち抜くとともに、前記曲げた外側縁部の外側部をさらに曲げて、断面視でコ字形の開放断面状に形成する。また、外輪1の後記外周部1cと同一径のパイプ状鋼材の両端部を内側に曲げ加工して断面視でコ字形の開放断面状に形成することもできる。
このとき、図2(b)に示すように、軸方向(クラッチの軸方向)の断面では、外輪1の図中での一方の側壁(左の側壁)1aはフラットに、他方の側壁(右の側壁)1bは外側へ曲線状の凸面として形成され、外軸AXOに接合する外周部1cはフラットに形成されている。
なお、少なくとも外輪1の転走面であるスプラグ当接部(外周部1cの内周面)は、クラッチとしての必要な硬さを有するように、高周波焼き入れ・浸炭焼き入れ等により予め硬化処理(熱処理等)を施してある。
外輪1の中空断面内に収容されているスプラグ2の左右の端部2a、2bは、一方の端部(左端面)2aが円弧面の凸状、他方の端部(右端面)2bが円弧面の凹状に形成されている。その左端面2aの凸状の部分を凸部2d、右端面2bの凹状の部分を凹部2eとする。その円弧面は、柱面でも球面でも良いが、この実施例では、前者を球面、後者を柱面としており、前者は点接触、後者は線接触となっている。このとき、前者も柱面とすることができる。
前記外輪1の中空断面内には、その外輪1の前記他方の側壁1bと前記各スプラグ2との間に、各スプラグ2の右端面2bの凹部2eに沿って前記第1の弾性部材3が装填されている。第1の弾性部材3は、前記各スプラグ2を前記凸部2d側へ付勢すると共に、前記各スプラグ2が前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する。
また、その外輪1の前記側壁1aと上記各スプラグ2の左端面2aの凸部2dとの間には、フラットな当て板10を介して第2の弾性部材13が設けられている。この第2の弾性部材13としては、図1(b)に示すように、コイルばねが用いられる。
前記第1の弾性部材3によってスプラグ2は、外輪1の内面(外周部1cの内面)に当接され、第1の弾性部材3は、スプラグ2と外輪の側壁1bの間に、第2の弾性部材13は、スプラグ2と外輪の一方の側壁1aの間にあるため、その当接付与力に基づくその両者2、1b及び2、1aへの突っ張りによって外輪1内に自分自身を保持し、スプラグ2は、その付与力により保持された第1の弾性部材3と第2の弾性部材13とともに外輪1内面への当接によって外輪内に保持される。
また、その第1の弾性部材3の付勢力によって、常に、クラッチの軸中心と平行なスプラグ中心線を中心にスプラグ2が外輪1と係合するようになっているとともに、すなわち、その付勢力により、図2(a)に示すfと−fの偶力が生じてその偶力によってスプラグ2が外輪1と係合するようになっているとともに(直立する方向に付勢されているとともに)、スプラグ2は一方向クラッチCの軸方向及び周方向への移動と、ねじれを防止され、かつ取扱い時にスプラグ2が脱落するのを防止される。
なお、このスプラグ2を外輪1内面へ当接する付与力、及びスプラグ2の係合方向への付勢は、上記第2の弾性部材13によって付与するようにしてもよいし、また、第1及び第2の両弾性部材3,13によって付与されるようにしてもよい。
スプラグ2の軸(一方向クラッチCの軸方向)と直交方向の断面は、図2(a)に示すように、上下の端面が外に突出する凸の曲面状のカム面2、2をそれぞれ有する非対称な樽形に形成されている。カム面2、2が周方向に対し直立する状態(両カム面2、2の外輪1内面との接点間の距離が比較的大きい状態)で内軸AXiと外輪1間でのトルクの伝達が行なわれ(図2(a)実線状態)、スプラグ2が周方向に傾斜するにつれて内軸AXiは外輪1に対しすべり、トルクの伝達が遮断される(図2(a)鎖線状態)。
なお、トルクの伝達・非伝達時のスプラグ2の動きは僅かであるが、図中に示す実線状態と鎖線状態とは、理解がし易いように大きく動いたように記載している。
その伝達時、各スプラグ2は、その下部側面が隣接する他のスプラグ2の下部側面に当接するようになっており、係合方向(f矢印方向)の過大なトルクが作用し、そのトルクによる回転力がその当接面に作用すると、当接する両スプラグ2,2は互いに反対方向に回転させようとし(反対方向の反力が作用し)、ロック状態となる。すなわち、各スプラグ2は相互に接触して過大トルクを受けても転倒しないようになっている。これにより、スプラグ2の外輪1との係離作用が安定してクラッチ動作が円滑になされる。
外輪1の鍔部1内径面(内軸AXiに当接する面)には油溝5(図1(b)参照)を形成して、その鍔部1と内軸AXiの間に油溜めを設けて、両者間の潤滑条件を良好にしている。油溝5を形成しなくても、十分な潤滑条件となる油溜めとなる場合には、油溝5を省略できる。そのとき、鍔部1がなくても、側壁1a、1bの端面と内軸AXiの間で十分な油溜めを形成できる場合には、その鍔部1も省略できる。
また、上記第1の弾性部材3は、各スプラグ2を外輪1の他方の側壁1b側から一方の側壁1a側に向かって付勢し、また、上記第2の弾性部材13は、各スプラグ2を外輪1の一方の側壁1a側から他方の側壁1b側に向かって付勢するので、スプラグ2は外輪1に対し軸方向両側から弾性的に保持されて、その弾性力でスプラグ2からの強い軸方向荷重を吸収する。このため、外輪1の両側壁1a,1bに大きな摩耗を生じさせないという効果を奏する。
さらに、上記当て板10は、その外輪側に向く端縁11と内輪側に向く端縁12がそれぞれ上記外輪1の内面(外周部1cの内面)と前記鍔部1の内面に摺動して、その摺動により前記当て板10の上記両側壁1a,1b間を結ぶ方向への動きがガイドされる。このため、スプラグ2の外輪1に対する弾性的な保持はより安定する。
なお、外輪1の他方の側壁1bには、図1(a)(b)に示すように、所定の間隔(等間隔)で切欠き4が形成されているので、一方の側壁1aを形成した後、その側壁1aと外周部1cの内側にスプラグ2及び両弾性部材3,13、あて板10等を装填し、その後、他方の側壁1bのプレス成形がし易いようになっている。図2(b)中の4aは切欠き4の端面である。
但し、外輪1を断面コ字状にプレス成形した後、その外輪1内に、スプラグ2を鍔1、1の間から斜めにして挿入して装填することもできる。この場合には、切欠き4を省略できる。一方、切欠き4から、上記スプラグ2等を外輪1内に装填することもできる。切欠き4は、曲げ加工時の曲げ皺の発生を防ぐ作用も行うため、その作用が得られるように、その幅(外輪周方向)及び間隔を適宜に設定する。
外輪側壁1a、1bのそれぞれの内軸AXi寄りの端の内側に向く鍔部1、1は、内軸AXiの曲面に対し極くわずかな隙間が生じるように設けられている。
図3〜図5に他の実施形態の一方向クラッチC、C、Cを示し、それぞれの(a)は正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの部分拡大断面図を示す。いずれの実施例も基本構成は第一実施例(図1)と同じであり、同じ構成、機能部材には同じ符号を付し、以下では異なる点について説明する。
図3の実施形態の一方向クラッチCは、第一の実施形態の弾性部材3としてリング状の直径の異なる複数個のコイルばね3’を用いている。このとき、そのコイルばね3’を一本のばね線からなる円錐台状に螺旋させたものとすることもできる。
図4の実施形態の一方向クラッチCは、上記第一の実施形態の弾性部材3としてスプリング材を小径のらせん状に巻き全体をリング状としたガーターばね(コイルばね)3aを用いている。
図5の実施形態の一方向クラッチCは、弾性部材3として第三の実施形態よりさらに小径としたらせん状のコイルを全体にリング状としたガーターばね(コイルばね)3a’を用いている。この実施形態では、切欠き4の領域を円周方向に大きく広げ、かつ側壁1bを短いものとして、図示の例では3箇所に設けている。又、外輪1の側壁1bの内面に沿って全円周に延びるドーナツ状のスペーサ6(外周の一部が直線状にカットされている)を設け、ガーターばね3a’を保持している点で外輪1の構造も若干異なっている。
この図3〜図5に示す各実施形態の弾性部材3(3’、3a、3a’)も、上記第一の実施形態と同様に、図2(a)で見た場合に、常、クラッチの軸中心と平行なスプラグ中心線を中心にスプラグ2が外輪1と係合するよう付勢する弾性力をスプラグ2に加えるべく、各スプラグ2の片側の端面2bの凹部に沿って係合するように設けられている。
この各実施形態の一方向クラッチC〜Cの作用は同じであり、各スプラグ2には、弾性部材3(コイルばね3’、ガーターばね3a、3a’)により、そのリング径が拡径する方向に常に弾性力が作用している。このため、図2(a)、(b)に示すように、各スプラグ2は、クラッチの軸中心と平行な回転中心線xを中心として転動するように付勢され、上下の非対称なカム面2、2を介して−f、fの方向の力(偶力)が作用して、外輪1の外周部内面、内軸AXiにそれぞれ係合する。
従って、外輪1が駆動側、内軸AXiが従動側のときは、外輪1への回転力が矢印−f方向であれば、スプラグ2が直立する方向となり、このため、クラッチC〜Cが係合されて静止している内軸AXiを同一方向(矢印fの方向)に回転させる。
一方、外輪1への回転力が反対方向であれば、弾性部材3による弾性力に逆って各スプラグ2を上記と反対方向に傾かせ、このため、図2(a)の鎖線で示すように、各スプラグ2は直立状態から傾き、内軸AXiへ回転力は伝達されず、クラッチオフ(遮断)の状態となる。又、内軸AXiが駆動側、外輪1が従動側のときは、上記と全く逆の関係で、すなわち、内輪AXiへの回転力が矢印fの方向であれば、クラッチC〜Cが係合されて静止している外輪1を同一方向(矢印−fの方向)に回転させ、一方内輪への回転力が反対方向(矢印fの方向)であれば、外輪1への回転力は伝達されず、クラッチオフ(遮断)の状態となる。
いずれの実施形態も、外輪1の一方の側壁1aと上記各スプラグ2との間に、フラットな当て板10を介して前記他の弾性部材13が設けられている点は同じである。なお、当て板10は、スプラグ2に弾性部材13の付勢力が安定して作用する限りにおいて省略してもよい。
図6にさらに他の実施形態を示し、この実施形態は、鍔1をなくしたものである。外輪1の一方の側壁1aと上記各スプラグ2との間には、当て板10を介さずに他の弾性部材13が設けられている。この弾性部材13としては、ゴム、メタル弾性体などを用いることができる。もちろん、必要に応じて当て板10を設けてもよい。当て板10を設ける場合は、その当て板10が脱落しないようにする。
さらに、図7は、弾性部材13として別の手段を用いたものを示す。図7(a)は、弾性部材13として外輪の径とほぼ同じ径を有するコイルばねをその周方向に沿って設けた例を示し、(b)は、弾性部材13として皿ばねを、(c)は、ゴム、メタル弾性体等を採用した例を示す。
なお、上記各実施形態では、外輪1に対する切欠き4は、図1(b)に示す右の側壁1bにのみ設けた例を示したが、切欠き4は右と左の両側壁1a,1bに設けてもよいし、反対に左の側壁1aのみに設けてもよい。又、両側壁1a、1b及びスプラグ2の凹凸面2a、2bの関係も図示の例と逆であってもよい。さらに、弾性部材3,13として上記各実施例に限られず、他の形状のものでも、同じ機能を有するものであればよい。
また、上記各実施形態は、内輪を内軸AXiで構成したが、環状の内輪として、その内輪に軸を嵌める等によって連結した構成も採用できる。また、外輪1も、筒状の軸で構成することもできる。さらに、各スプラグ2を外輪1の周方向に所要間隔に保持する保持器を設けたものとすることもできる。また、弾性部材3(コイルばね3’、ガーターばね3a、3a’)は、そのリング径が縮小する方向に常に弾性力が作用するものとすることもできる。
第一の実施形態の一方向クラッチを示し、(a)は正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの一部断面を含む側面図 (a)、(b)は図1(a)、(b)のそれぞれ部分拡大断面図 第二の実施形態の一方向クラッチを示し、(a)は半正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの部分拡大断面図 第三の実施形態の一方向クラッチを示し、(a)は半正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの部分拡大断面図 第四の実施形態の一方向クラッチを示し、(a)は正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの部分拡大断面図 第五の実施形態の一方向クラッチを示し、(a)は半正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの部分拡大断面図 さらに他の実施形態を示す要部拡大図 内輪無しでスプラグが脱落しないようにした構成を有する一方向クラッチを示し、(a)は正面図、(b)は同(a)の矢視B−Bの一部断面を含む側面図
符号の説明
1 外輪
1a、1b 外輪側壁
1c 外輪外周部
鍔部
2 スプラグ
2a 左端面
2b 右端面
2d スプラグの凸部
2e スプラグの凹部
スプラグの外輪側カム面
スプラグの内輪側カム面
3 弾性部材
3’ コイルばね
3a、3a’ ガーターばね
4 切欠き
5 油溝
Xi 内軸
XO 外軸
〜C 一方向クラッチ

Claims (4)

  1. 外周円筒面を有する内輪と、前記内輪に対して同軸に配置され前記外周円筒面に対向する内周円筒面および前記内周円筒面の両端から各々内径方向に延びる側壁(1a、1b)が形成された外輪(1)と、前記外周円筒面と前記内周円筒面との間に配置され一端に凸部が形成されると共に他端に凹部が形成された複数のスプラグ(2)と、前記凹部に当接するように配置され前記各スプラグ(2)を前記凸部側へ付勢すると共に前記各スプラグ(2)が前記外周円筒面と前記内周円筒面に当接するように付勢する第1の弾性部材と、前記側壁(1a、1b)のうちの一方と前記複数のスプラグ(2)の凸部との間に前記複数のスプラグ(2)を前記凹部側に付勢する付勢手段とを備える一方向クラッチ。
  2. 前記複数のスプラグ(2)を前記凹部側に付勢する付勢手段は、皿ばね、ゴム、メタル弾性体から選択される第2の弾性部材である請求項1記載の一方向クラッチ。
  3. 前記複数のスプラグ(2)を前記凹部側に付勢する付勢手段は、コイルばね、皿ばね、ゴム、メタル弾性体から選択される第2の弾性部材と、前記第2の弾性部材と前記各スプラグ(2)の凸部との間に軸方向移動可能に設置された当て板(10)である請求項1記載の一方向クラッチ。
  4. 前記外輪(1)の一方の側壁(1a)の先端縁に内側に向く鍔部(1)を設け、前記内周円筒面と前記鍔部(1)の外周面によって前記当て板(10)の軸方向の動きをガイドする請求項3記載の一方向クラッチ。
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