JP2007182829A - 蒸気タービンおよび蒸気タービンケーシング冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気タービンの起動、停止時に蒸気タービンケーシングの変形を抑制すること。
【解決手段】上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの測温対象部位間の温度差が設定値以下か否かを温度差判定手段7、8で判定し、設定値を超えていると判定した場合、上半部ケーシング保温カバー移動手段3,4を作動させて上半部保温カバー2aを定格運転時の正規位置から移動させて上半部保温カバー2aと上半部ケーシン1aの間にクリアランス11を作って冷却空気がこのクリアランスを通るようにして、上半部ケーシンを直接冷却する。
【選択図】図2
【解決手段】上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの測温対象部位間の温度差が設定値以下か否かを温度差判定手段7、8で判定し、設定値を超えていると判定した場合、上半部ケーシング保温カバー移動手段3,4を作動させて上半部保温カバー2aを定格運転時の正規位置から移動させて上半部保温カバー2aと上半部ケーシン1aの間にクリアランス11を作って冷却空気がこのクリアランスを通るようにして、上半部ケーシンを直接冷却する。
【選択図】図2
Description
本発明は、蒸気タービンの起動時あるいは停止時に蒸気タービンケーシングの熱応力発生や変形を抑制するようにした蒸気タービンおよび蒸気タービンケーシング冷却方法に関する。
一般に、蒸気タービンケーシングは、蒸気タービンロータ軸中心線を含む水平面で上半部ケーシングと下半部ケーシングとに2分割されており、運転時の熱効率向上や火傷防止のためにその外側をそれぞれ断熱材で構成された保温カバーによって被覆された状態で使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この種の保温カバーは、保温性がよいため、蒸気タービンの停止時に蒸気タービンケーシングを蒸気タービン開放温度まで冷却するのに時間がかかってしまう。このため、蒸気タービンの点検時に蒸気タービンの冷却時間を短縮する目的で、この保温カバーを上下の2層に分割し、最外部に位置する上層の保温カバーのみを取り外すようにした発明もなされている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、最近の蒸気タービンは高効率化を図るため、高圧蒸気タービンに導入する蒸気温度はますます高くなり、600℃級超の機種も開発されて、高圧ケーシングにはボイラからの高温蒸気が上半部ケーシングから供給されるように構成されている。高温蒸気の供給開始される起動時では、高圧ケーシングの温度は運転時よりもかなり低い状態になっており、しかも、高温蒸気は起動時に蒸気タービンの全周に亘って均一に噴射されずに部分噴射される。このため起動時には蒸気タービンケーシング全体としての温度バランスが保てずに温度分布ができてしまい、上半部ケーシングの温度が下半部ケーシングの温度よりも高くなる。停止時においては、高温の蒸気が上半部ケーシング側に残るため、やはり上半部ケーシングの温度が下半部ケーシングの温度より高くなる。
この温度のアンバランスが極端になると蒸気タービンケーシングや蒸気タービンロータの変形を招き、運転に支障を来たす恐れがあるため、通常はこのような現象を回避させるための手段として、蒸気タービンケーシングを二重にし、外部ケーシングと内部ケーシングとの間に形成された流路に冷却空気を流す構成が採用されている(例えば、特許文献4参照)。
実開昭60−6802号公報
実開昭63−104605号公報
特開2000−38032号公報
特開2001−289007号公報
しかしながら、特許文献4のように蒸気タービンケーシングを二重にして外部ケーシングと内部ケーシングとの間に冷却空気を流すようにしても、起動あるいは停止時に蒸気タービンケーシングの熱応力発生や変形を回避できない場合もあり、また、蒸気タービンケーシングを二重にすることによる製造費用の増加や、製作・組み立て工数の増加が課題となっていた。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、蒸気タービンの起動または停止時に、蒸気タービンケーシングの熱応力発生や変形を抑制することのできる蒸気タービンおよび蒸気タービンケーシング冷却方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、上半部ケーシングおよび下半部ケーシングに分割されて蒸気タービンロータを収納する蒸気タービンケーシングと、上半部および下半部に分割されてそれぞれ前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの外表面を被覆するように構成された上半部ケーシング保温カバーおよび下半部ケーシング保温カバーからなる保温カバーと、前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成するために当該上半部ケーシング保温カバーを移動させる上半部ケーシング保温カバー移動手段と、前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングに定めた測温対象部位の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値を用いて前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの対応する測温対象部位間の温度差が設定値以下か否かを判定する温度差判定手段と、を備え、蒸気タービンの起動時または停止時、前記温度差判定手段によって前記対応する測温対象部位間の温度差が設定値を超えていると判定された場合、前記上半部ケーシング保温カバー移動手段を作動させ、前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成して前記上半部ケーシングを冷却することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、上半部ケーシングと下半部ケーシングとに分割されて蒸気タービンロータを収納する蒸気タービンケーシングと、前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングそれぞれの外表面を被覆する上半部ケーシング保温カバーおよび下半部ケーシング保温カバーとを備えた蒸気タービンの蒸気タービンケーシング冷却方法において、蒸気タービンの起動時または停止時、前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの対応する測温対象部位間の温度差を計測し、当該温度差が設定値以下か否かを判定し、設定値を超えていると判定した場合、前記上半部ケーシング保温カバーを移動させて前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成し、前記上半部ケーシングを冷却することを特徴とする。
本発明によれば、蒸気タービンの起動時または停止時、上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの所定測温対象部位間の温度差が設定値を超えていると判定された場合、上半部ケーシング保温カバー移動手段を作動させて上半部保温カバーを定格運転時の正規位置から移動させて上半部保温カバーと上半部ケーシンの間にクリアランスを作って冷却風をこのクリアランスに流すようにしたので、上半部ケーシンを直接冷却して上半部ケーシングおよび下半部ケーシング間の温度差が急速に縮まり、蒸気タービンケーシングに熱応力発生や変形が生じることを抑制することができる。
以下、本発明に係る第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る蒸気タービンの第1の実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図1は蒸気タービンケーシングの軸方向横断面図である。
(第1の実施形態)
本発明に係る蒸気タービンの第1の実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図1は蒸気タービンケーシングの軸方向横断面図である。
1は、蒸気タービンのケーシングであり、図示しない蒸気タービンロータ軸の中心水平面で上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bに2分割され、水平フランジ部1afおよび1bfでボルトナットによって締結されるようになっている。これら上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの外表面は放熱効果の向上を図って粗く仕上げられている。2は保温カバーであり、蒸気タービンケーシング1に合わせて上半部ケーシング1a用の上半部ケーシング保温カバー2aと、下半部ケーシング1b用の下半部ケーシング保温カバー2bとに分割されている。なお、以下の説明では上半部ケーシング保温カバー2a、下半部ケーシング保温カバー2bをそれぞれ上半部保温カバー2a、下半部保温カバー2bと略称する。
上半部保温カバー2aは、上半部ケーシング1aの外表面の形状にぴったり合うように形成され、繊維質の物質によって形成された保温蒲団と、この保温蒲団の上に被覆されたエキスパンションメタル、耐熱織物、成型保温材等を積層してなる断熱ブロックとから構成されている。なお、保温蒲団は移動の際に型崩れしないように構成されていることは言うまでもない。
このように構成された上半部保温カバー2aは、図2および図3で示すように、蒸気タービンケーシング1の据付部の四隅に配置された上半部ケーシング保温カバー移動手段として機能する油圧シリンダ3およびピストンロッド4によって上下動することが可能になっている。なお、油圧シリンダ3に供給される圧油は図示しない圧油タンクから後述する条件成立時に供給されるようになっている。
ところで、蒸気タービンの起動時または停止時、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの外表面の最高温部、中温部および低温部はそれぞれ温度検出センサーによって温度測定されるようになっている。すなわち、上半部ケーシング1aの測温対象部位である最高温部、中温部および低温部に対し、熱電対5c、5bおよび5aの測温接点5ct、5btおよび5atをそれぞれ取り付け、同様にして下半部ケーシング1bの対応する最高温部、中温部および低温部に熱電対6c、6b、6aの測温接点6ct、6bt、6atをそれぞれ取り付けている。そして各熱電対5a、5b、5c、6a、6bおよび6cの基準接点を温度計測器7内に設置することにより、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの最高温部の温度、中温部の温度および低温部の温度を温度計測器7で計測することができるようになっている。なお、上記最高温度部の例としては、ケーシング(1a,1b)の蒸気入口管近傍が挙げられる。また、上記中温部の例としては、ケーシング(1a,1b)の長手方向のほぼ中央部近傍が挙げられる。さらに、上記低温部の例としては、ケーシング(1a,1b)の蒸気出口管近傍が挙げられる。
温度計測器7で計測された各測温対象部位の温度計測値は、温度差判定器8に入力されて対応する温度計測値同士を比較することにより最高温部相互間の温度差、中温部相互間の温度差および低温部相互間の温度差が計測され、それぞれの温度差が設定値以下か否かを判定されるようになっている。すなわち、対応する熱電対5aと6a、熱電対5bと6b、熱電対5cと6cの各計測温度値同士が比較され、この比較によって最高温部、中温部および低温部の3箇所について上半部ケーシング1aと下半部ケーシング1bとの温度差が計測されるようになっている。そして、計測された上半部ケーシング1a、下半部ケーシング1b間の最高温部、中温部、低温部の計3箇所の温度差は、それぞれ予め設定されている温度差設定値以下か否かを判定されるようになっている。なお、温度計測器7および温度差判定器8をまとめて温度差判定手段という。
この温度差判定手段によって前記3箇所の測温対象部位のいずれか1箇所でも温度差が設定値を超えていれば前述した図2および図3に示した油圧シリンダ3が油圧シリンダ操作装置9から操作されて上半部ケーシング1aの保温カバー2aが上方に移動し、上半部ケーシング1aを外気に直接に曝して冷却を速め、下半部ケーシング1bとの温度差を縮めるように構成されている。この操作によっても、上半部ケーシング1aと下半部ケーシング1bとの温度差がまだ設定値以下にならない場合には、送風機運転装置10(送風機自体は図示していない)によって上半部保温カバー2aと上半部ケーシング1aとの間に形成されたクリアランス11に、送風機より冷却風を強制的に通風することによって冷却効果を高めることを可能にしている。
図5は蒸気タービン起動時の上半部保温カバーの移動制御を行なうためのフロー図である。
まず、起動指令にもとづいて、ステップS1において、上半部ケーシング1aの最高温部、中温部、低温部の各温度Tuを計測し、同様に対応する下半部ケーシング1bの最高温部、中温部、低温部の各温度TDを計測する。
まず、起動指令にもとづいて、ステップS1において、上半部ケーシング1aの最高温部、中温部、低温部の各温度Tuを計測し、同様に対応する下半部ケーシング1bの最高温部、中温部、低温部の各温度TDを計測する。
次に、ステップS2において、上半部ケーシング1aの最高温部、中温部、低温部の各温度Tuが、それぞれ対応する下半部ケーシング1bの最高温部、中温部、低温部の各温度TDよりも高く(Tu>TD)、かつ、温度差(Tu−TD)が予め設定されている設定値K以下(Tu−TD≦K)という条件を満たすか否かを判定する。
このステップS2における判定の結果、上記の条件を満たす場合(Yes)、温度差にもとづく熱応力は蒸気タービンケーシングの変形を来たす程ではないので、上半部保温カバー2aの上方への移動操作は行なわず、定格運転に向けて起動を続ける。この場合、上半部保温カバー2aおよび下半部保温カバー2bは密閉しているので、余計な放熱が防がれ、熱効率の向上が図られている。よって、ステップS2において条件を満たす(Yes)の場合には、蒸気タービンの起動または停止の運転操作中であるか否かを判断(ステップS7)し、操作続行中の場合には、ステップS1に戻り、再度上半部ケーシング温度Tuおよび下半部ケーシング温度TDの計測を続ける。また、蒸気タービンの起動または停止の運転操作が完了している場合には、新たな温度計測は行なわず、上半部保温カバーの移動制御は終了する。
ところが、ステップS2において、上半部ケーシング1a、下半部ケーシング1bの最高温部、中温部、低温部の温度差(Tu−TD)がいずれか1つでも設定値Kを超える(Tu−TD>K)場合(No)、このまま起動を続けると熱応力が大きくなって蒸気タービンの運転に支障をきたすほどに蒸気タービンケーシング1が変形する恐れがある。
このため、ステップS3において、油圧シリンダ3に圧油を供給し、ピストンロッド4を上方に操作し、上半部保温カバー2aを定格運転時の正規位置(図1の位置)から上方へ移動させ、上半部保温カバー2aと上半部ケーシング1aとの間にクリアランス11を形成する。このクリアランス11を形成した結果、上半部ケーシング1aは直接外気に曝されるようになって急速な冷却が行われ、下半部ケーシング1bとの温度差が縮まる。
上記ステップS3で上半部保温カバー2aを上方へ移動させた後、上半部ケーシング1aが冷却されていき、ステップS4において上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1b間の温度差(Tu−TD)が設定値K以下(Tu−TD≦K)になった場合(Yes)、直ちに(あるいは予め定めた時間をおいて)油圧シリンダ3を操作して、ピストンロッド4を下げ、上半部ケーシング1aを図1に示した正規の位置すなわち、上半部保温カバー2aを上半部ケーシング1aに密着した状態に戻し、定格運転に向けて蒸気タービンの起動を続ける(ステップS5)。そして、再度ステップS1に戻り、上半部ケーシング温度Tuおよび下半部ケーシング温度TDの計測を続ける。
しかし、ステップS4において、上半部ケーシング1a、下半部ケーシング1b間の温度差(Tu−TD)が設定値Kを超える状態を継続する場合(No)は、ステップS6において送風機を運転し、上半部保温カバー2aおよび上半部ケーシング1a間のクリアランス11に強制的に冷却空気を流して、上半部ケーシング1aの冷却を速めて上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1b間の温度差を縮め、設定値K以下(Tu−TD≦K)になるように制御する。
そして、再びステップS4に戻り、上半部ケーシング1a、下半部ケーシング1b間の温度差(Tu−TD)が設定値K以下か否かを判定する。温度差(Tu−TD)が設定値K以下(Tu−TD≦K)になった場合(Yes)、ステップS5により、直ちに(あるいは予め定めた時間をおいて)油圧シリンダ3を操作して、ピストンロッド4を下げ、上半部ケーシング1aを図1に示した正規の位置に戻し、定格運転に向けて蒸気タービンの起動を続ける。そして、再度ステップS1に戻り、上半部ケーシング温度Tuおよび下半部ケーシング温度TDの計測を続ける。
なお、上半部ケーシング2aおよび下半部ケーシング2bの温度差(Tu−TD)に応じて、上半部保温カバー2aの上方への移動量つまりクリアランス11の幅と、送風機運転10による強制冷却する空気流量との双方を同時にまたはいずれか一方のみを制御することで、蒸気タービンケーシングの熱応力発生、変形の更なる抑制が可能になる。
次に蒸気タービンの停止時について説明する。
起動時と同様に上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの温度差によって上半部保温カバー2aと上半部ケーシング1aとのクリアランス11を制御することにより、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの温度差を設定値以下に制御し、熱応力発生を抑制し、蒸気タービンケーシングの変形を抑制することが可能になる。また、急速に冷却を要する事情がある場合は、クリアランス11が最大量となるまで上半部保温カバー2aを上昇させ、冷却空気を強制的に上半部ケーシング1aに当てることで上半部ケーシング1aの急速冷却が可能となる。
起動時と同様に上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの温度差によって上半部保温カバー2aと上半部ケーシング1aとのクリアランス11を制御することにより、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1bの温度差を設定値以下に制御し、熱応力発生を抑制し、蒸気タービンケーシングの変形を抑制することが可能になる。また、急速に冷却を要する事情がある場合は、クリアランス11が最大量となるまで上半部保温カバー2aを上昇させ、冷却空気を強制的に上半部ケーシング1aに当てることで上半部ケーシング1aの急速冷却が可能となる。
以上述べたように、本実施形態によれば、蒸気タービンの起動時または停止時、上半部ケーシング1aの最高温部、中温部および低温部の各温度Tuが、それぞれ対応する下半部ケーシング1bの最高温部、中温部および低温部の各温度TDよりも高く(Tu>TD)、かつ、温度差(Tu−TD)が予め設定されている設定値K以下(Tu−TD≦K)という条件を満たすか否かを判定し、この条件が満たされない場合は、油圧シリンダ3の操作によりピストンロッド4を介して上半部保温カバー2aを定格運転時の正規位置から上方へ移動させ、上半部保温カバー2aと上半部ケーシン1aの間にクリアランス11を作って上半部ケーシング1aを外気に直接に曝すようにしたので、冷却空気がこのクリアランス11を通って上半部ケーシン1aを直接冷却することができるので、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1b間の温度差を縮めることができ、それによって、蒸気タービンケーシング1の熱応力発生および変形を抑制することができる。また、蒸気タービンの停止時には上半部保温カバー2aを上方に上げてクリアランス11に冷風を流すことにより冷却速度を高め、逆に閉じることにより冷却速度を緩和させることができる。
(第2の実施形態)
本発明に係る蒸気タービンの第2の実施形態について、図6および図7を参照して説明する。
なお、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明に係る蒸気タービンの第2の実施形態について、図6および図7を参照して説明する。
なお、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、図6に示すとおり上半部保温カバー2aが蒸気タービンロータ軸と直交する方向に2a1と2a2とに2分割されて観音開きに構成されており、しかも上半部保温カバー2a1および2a2が水平フランジ部1af、1bfの近傍で下半部保温カバー2bと衝合する部位にそれぞれ油圧式のロータリシリンダ(ロータリアクチュエータ)30を設置している。
本実施形態において、蒸気タービンの起動時または停止時に、上半部ケーシング2aを冷却する場合は、上半部ケーシング1a、下半部ケーシング1b間の温度差に応じてロータリシリンダ30の回転角度を調整し、図7のように上半部保温カバー2a1および2a2を観音開きに開くことで、第1の実施形態のように上半部保温カバー2aを大きく上昇させなくても上半部ケーシング1a全面に冷却空気を当てることが可能になる。
なお、本実施形態においても、上半部ケーシング2aおよび下半部ケーシング2bの温度差(Tu−TD)に応じて、上半部保温カバー2a1,2a2の開く角度と、送風機運転装置10による強制冷却する空気流量との双方を同時にまたはいずれか一方のみを制御することで、更に蒸気タービンケーシングの応力発生および変形を抑制することが可能になる。
そして、上半部ケーシング1aおよび下半部ケーシング1b間の温度差が設定値以下の場合は、ロータリシリンダ30を操作して第1の実施形態と同様に保温カバー2a、2bを密閉し、余計な放熱を防いで定格運転時の効率向上を図っている。
以上述べたように本実施形態によれば、蒸気タービンの起動時または停止時に、上半部保温カバーを観音開き構造にすることで上半部ケーシング全体を大気中に曝して冷却空気を上半部ケーシングに直接当てることができるので、上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの温度差を縮め、蒸気タービンケーシングの熱応力発生および変形を抑制することができる。また、蒸気タービンの停止時には上半部保温カバー2a1、2a2が開くことにより冷却速度を高め、逆に閉じることにより冷却速度を緩和させることができる。
(その他)
上半部ケーシング保温カバー移動手段として、油圧シリンダや油圧式ロータリシリンダに替えて、電動式のアクチュエータあるいは空気圧式のシリンダに替えてもよい。
上半部ケーシング保温カバー移動手段として、油圧シリンダや油圧式ロータリシリンダに替えて、電動式のアクチュエータあるいは空気圧式のシリンダに替えてもよい。
1…蒸気タービンケーシング、1a…上半部ケーシング、1b…下半部ケーシング、2a…上半部ケーシング保温カバー、2b…下半部ケーシング保温カバー、3…油圧シリンダ、4…ピストンロッド、5…熱電対、6…熱電対、7…温度計測器、8…温度差判定器、9…油圧シリンダ操作装置、10…送風機運転装置、30…ロータリシリンダ(ロータリアクチュエータ)。
Claims (8)
- 上半部ケーシングおよび下半部ケーシングに分割されて蒸気タービンロータを収納する蒸気タービンケーシングと、
上半部および下半部に分割されてそれぞれ前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの外表面を被覆するように構成された上半部ケーシング保温カバーおよび下半部ケーシング保温カバーからなる保温カバーと、
前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成するために当該上半部ケーシング保温カバーを移動させる上半部ケーシング保温カバー移動手段と、
前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングに定めた測温対象部位の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値を用いて前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの対応する測温対象部位間の温度差が設定値以下か否かを判定する温度差判定手段と、を備え、
蒸気タービンの起動時または停止時、前記温度差判定手段によって前記対応する測温対象部位間の温度差が設定値を超えていると判定された場合、前記上半部ケーシング保温カバー移動手段を作動させ、前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成して前記上半部ケーシングを冷却することを特徴とする蒸気タービン。 - 前記測温対象部位は、少なくとも前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングそれぞれの最高温部を含むことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記上半部ケーシング保温カバー移動手段は、前記蒸気タービンケーシングの側部に設置され、推力により前記上半部保温カバーを上方に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記上半部ケーシング保温カバーを蒸気タービンロータの軸線方向に沿って左右に2分割するように構成し、当該上半部保温カバーを前記上半部ケーシング保温カバー移動手段により観音開き状に開閉させることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記上半部ケーシング保温カバー移動手段を回転型アクチュエータで構成し、当該回転型アクチュエータを前記下半部ケーシングの側部に設置したことを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン。
- 前記蒸気タービンケーシングの長手方向に送風手段を設置し、前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間に形成されたクリアランスに当該送風手段から送風することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記温度差判定手段が設定値を超えていると判定した場合、その温度差に応じて前記上半部ケーシング保温カバー移動手段による保温カバーの移動量および前記送風手段による送風量のいずれか一方または双方を制御することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 上半部ケーシングと下半部ケーシングとに分割されて蒸気タービンロータを収納する蒸気タービンケーシングと、前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングそれぞれの外表面を被覆する上半部ケーシング保温カバーおよび下半部ケーシング保温カバーとを備えた蒸気タービンの蒸気タービンケーシング冷却方法において、
蒸気タービンの起動時または停止時、前記上半部ケーシングおよび下半部ケーシングの対応する測温対象部位間の温度差を計測し、当該温度差が設定値以下か否かを判定し、設定値を超えていると判定した場合、前記上半部ケーシング保温カバーを移動させて前記上半部ケーシング保温カバーと前記上半部ケーシングとの間にクリアランスを形成し、前記上半部ケーシングを冷却することを特徴とする蒸気タービンの蒸気タービンケーシング冷却方法。
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JP2009174530A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | General Electric Co <Ge> | タービンケーシング |
JP2010242538A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Ishikawa Gasket Co Ltd | 内燃機関用インシュレータ及びその製造方法 |
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