JP2007180718A - 撮像装置、撮像システムおよび撮像方法 - Google Patents

撮像装置、撮像システムおよび撮像方法 Download PDF

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【課題】高品質な画像が必要な画像モードでは高品質なDレンジ圧縮を施し、短時間での処理が必要な画像モードでは高速なDレンジ圧縮を施すことができ、かつ、高品質なDレンジ圧縮と高速なDレンジ圧縮との出力画像の差異の小さいDレンジ圧縮方法を備えた撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を提供すること
【解決手段】第1および第2の画像モードに応じて高品質な第1のDレンジ圧縮および高速な第2のDレンジ圧縮を選択することで、高品質な画像が必要な画像モードでは高品質な第1のDレンジ圧縮処理を施し、短時間での処理が必要な画像モードでは高速な第2のDレンジ圧縮処理を施すことができ、かつ、高品質なDレンジ圧縮と高速なDレンジ圧縮との出力画像の差異の小さいDレンジ圧縮方法を備えた撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を提供することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、撮像装置、撮像システムおよび撮像方法に関し、特に、画像モードによってダイナミックレンジ圧縮処理方法を選択する撮像装置、撮像システムおよび撮像方法に関する。
近年の撮像素子の小型化、高画素化の流れから、撮像素子の画素サイズは小型化の一途をたどり、それに伴い、撮像素子の撮像可能な照度範囲(所謂ダイナミックレンジ:以下、Dレンジと言う)が狭くなり、画質に大きな影響を与えている。そのため、撮像素子の広Dレンジ化が望まれている。
この課題を解決するために、露光量の異なる画面を複数回撮影し、それら複数の画面から適正レベルの画面部分を選択して画像合成することにより、個々の画面よりも広いDレンジの画像を合成する撮像装置(例えば、特許文献1参照)や、撮像素子の光電変換信号電荷を信号電圧に変換する電荷電圧変換部を持ち、電荷電圧変換部は異なる電圧依存性を有する複数の容量からなり、Dレンジが可変であるような撮像素子(例えば、特許文献2参照)、さらに、フォトダイオードの信号電荷を保持する容量を複数個備え、1回の露光で得られた信号電荷を、容量値を切り換えて複数回読み出し、読み出した信号を加算することでDレンジを拡大する方法(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
また、MOSFETのサブスレショルド特性を用いて光電流を対数圧縮電圧に変換する対数変換型撮像素子において、MOSFETに特定のリセット電圧を与えることで、固体撮像素子本来の出力特性、すなわち入射光量に応じて電気信号が線形的に変換されて出力される線形動作状態と、前述の対数動作状態とを自動的に切り替えることが可能(以下、リニアログ特性と言う)とされた対数変換型撮像素子(以下、リニアログセンサと言う)が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、撮影された画像を伝送、蓄積、表示する装置のDレンジは有限であり、たとえ上述した特許文献1〜4で提案された方法等により広Dレンジの画像が得られたとしても、得られた情報の全てを取り扱うことは難しい。そこで、上述した方法等で得られた広Dレンジの画像の持つ有用な情報を残しながら、画像を伝送、蓄積、表示する装置のDレンジとの整合をとる処理(以下、階調再生処理と言う)が必要となる。
階調再生処理としては、一般に、画像を照明成分(低周波成分)と反射率成分(高周波成分)とに分解し、照明成分を圧縮した後に再度反射率成分と乗算してDレンジを圧縮することが行われるが、その場合に、画像上の各位置毎のエッジ強度に基づいて、イプシロンフィルタの閾値を画素値の局所的な勾配に応じて変化させるようにすることで、線形ローパスフィルタや閾値固定のイプシロンフィルタを用いた場合よりもより正確に照明境界を抽出する方法(例えば、特許文献5および非特許文献1参照)等が提案されている。
特公平7−97841号公報 特開2000−165755号公報 特開2000−165754号公報 特開2002−77733号公報 特開2003−8935号公報 上田他「広ダイナミックレンジカメラ用階調変換処理の開発」映像情報メディア学会誌Vol.56、No.3、pp.469〜475(2002年)
しかしながら、特許文献5および非特許文献1に提案された方法では、画像全域にわたってイプシロンフィルタによる局所的な圧縮処理を繰り返し行うことから画像への処理が多く、画像処理手段への画像信号の入力から処理済み画像信号の出力まで非常に多くの時間を要し、例えばデジタルカメラ等の撮影後表示(以下、アフタービューと言う)や動画撮影では撮影後の画像処理は短時間での処理が必要であるため、特許文献5および非特許文献1に提案された方法は適用できなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、静止画撮影や記録媒体への記録用画像等の高品質な画像が必要な画像モードでは高品質なDレンジ圧縮を施し、デジタルカメラのアフタービューや動画撮影等の短時間での処理が必要な画像モードでは高速なDレンジ圧縮を施すことができ、かつ、高品質なDレンジ圧縮と高速なDレンジ圧縮との出力画像の差異の小さいDレンジ圧縮方法を備えた撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
(1) 被写体を撮影するための撮像装置において、
撮影された画像を第1の画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理手段と、
撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮手段と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮手段と、
前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段を選択する圧縮処理選択手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
(2) 前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段と前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段とは、同一の圧縮処理パラメータを使用することを特徴とする1に記載の撮像装置。
(3) 前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段は、少なくとも照明成分抽出部と圧縮部とからなり、
前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段は前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段の圧縮部を使用してダイナミックレンジ圧縮処理を行うことを特徴とする1または2に記載の撮像装置。
(4) 前記第1の画像モードは記録媒体に記録する記録画像モードであり、前記第2の画像モードは表示媒体に表示する表示画像モードであることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
(5) 前記第1の画像モードは静止画像モードであり、前記第2の画像モードは動画像モードであることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
(6) 前記第1の画像モードは高解像度画像モードであり、前記第2の画像モードは低解像度画像モードであることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
(7) 被写体を撮影するための撮像装置を備えた撮像システムにおいて、
撮影された画像を第1画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理手段と、
撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮手段と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮手段と、
前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段を選択する圧縮処理選択手段とを備えたことを特徴とする撮像システム。
(8) 被写体を撮影するための撮像方法において、
撮影された画像を第1の画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理工程と、
撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮行程と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮工程と、
前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮工程を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮工程を選択する圧縮処理選択工程とを備えたことを特徴とする撮像方法。
本発明によれば、第1および第2の画像モードに応じて高品質な第1のDレンジ圧縮および高速な第2のDレンジ圧縮を選択することで、高品質な画像が必要な画像モードでは高品質な第1のDレンジ圧縮処理を施し、短時間での処理が必要な画像モードでは高速な第2のDレンジ圧縮処理を施すことができ、かつ、高品質なDレンジ圧縮と高速なDレンジ圧縮との出力画像の差異の小さいDレンジ圧縮方法を備えた撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を提供することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
まず最初に、本発明における撮像装置の一例であるデジタルカメラについて、図1および図2を用いて説明する。
図1は、デジタルカメラの外観模式図で、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。
図1(a)において、デジタルカメラ1のボディ10の正面には、交換レンズ20が取り付けれられている。ボディ10の上面には、撮影のための操作部材であるレリーズボタン101が設置されており、ボディ10の内部でレリーズボタン101の下部には、レリーズボタン101の押し込みの1段目で動作するAFスイッチ101aと、レリーズボタンの押し込みの2段目で動作するレリーズスイッチ101bを構成する2段スイッチが配置されている。また、ボディ10の上部には、フラッシュ102が内蔵され、デジタルカメラ1の動作モードを設定するモード設定ダイアル112が配置されている。
図1(b)で、ボディ10の背面には、デジタルカメラ1の電源をオン/オフするための電源スイッチ111、カメラの各種設定条件を変更する変更ダイアル113、上下左右と中央の5つのスイッチから成り、デジタルカメラ1の各動作モードでの各種設定を行うためのジョグダイアル115、ファインダ接眼レンズ121a、記録された画像や各種情報等を表示するための画像表示手段131が配置されている。
図2は、図1に示したデジタルカメラ1の回路の一例を示すブロック図である。図中、図1と同じ部分には同じ番号を付与した。
デジタルカメラ1の制御を行うカメラ制御手段150は、CPU(中央処理装置)151、ワークメモリ152、記憶部153、データメモリ154等から構成され、記憶部153に記憶されているプログラムをワークメモリ152に読み出し、当該プログラムに従ってデジタルカメラ1の各部を集中制御する。データメモリ154は、測光やAF等の各種データを記憶する。
また、カメラ制御手段150は、電源スイッチ111、モード設定ダイアル112、変更ダイアル113、ジョグダイアル115、AFスイッチ101a、レリーズスイッチ101b等の操作部材からの入力を受信し、光学ファインダ121上の測光モジュール122と交信することで測光動作を制御し、AFモジュール144と交信することでAF動作を制御し、ミラー駆動手段143を介してレフレックスミラー141及びサブミラー142を駆動し、シャッタ駆動手段146を介してシャッタ145を制御し、フラッシュ102を制御し、撮像制御手段161と交信することで撮影動作を制御すると共に、撮影された画像や各種情報を画像表示手段131に表示し、インファインダ表示手段132に各種情報を表示する。
また、カメラ制御手段150は、外部インターフェース(I/F)185を介して、デジタルカメラ1の外部に設けられたパーソナルコンピュータや携帯情報端末と、撮影された画像データやデジタルカメラ1の制御信号等をやり取りする。
さらに、カメラ制御手段150は、ボディ10と交換レンズ20の間の交信を行う、マウント(ボディ側)171上に設けられたBL交信手段(ボディ側)172と、マウント(レンズ側)271上に設けられたBL交信手段(レンズ側)272を介して、交換レンズ20のレンズインターフェース251経由で、レンズ211のフォーカスとズームの制御を行うレンズ制御手段241、絞り221の制御を行う絞り制御手段222、交換レンズ20の固有情報を格納しているレンズ情報記憶手段231と交信を行うことで、交換レンズ20全体を制御する。
交換レンズ20のレンズ211によって撮像素子162上に結像される画像は、撮像素子162で光電変換された後、アンプ163で増幅され、アナログ/デジタル(A/D)変換手段164でデジタルデータに変換され、画像処理手段165で既定の画像処理が施され、一旦画像メモリ181に記録された後、最終的にはメモリカード182に記録される。これらの動作は、カメラ制御手段150の制御下で、撮像制御手段161によって制御される。撮像制御手段161、アンプ163、A/D変換器164および画像処理手段165は、撮像回路160を構成する。
撮像素子162は、例えば特許文献2乃至4に示されたような広Dレンジを持つ撮像素子であることが望ましいが、それに限るものではなく、線形の光電変換特性を持つCCD(電荷結合素子)型やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)型等の通常の撮像素子であってもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態について、図3乃至図7を用いて説明する。ここでは、例えばデジタルカメラ1で静止画像を撮影する場合等で、高品質の静止画像を得るために高品質なDレンジ圧縮が必要とされる記録媒体に記録するための記録画像モードと、記録画像ほどの高品質なDレンジ圧縮は必要ないが、撮影後すぐにアフタービューを表示するために高速でDレンジ圧縮が行われる必要のある表示媒体に表示するための表示画像モードとの2つの画像モードについて述べる。
図3は、本発明の第1の実施の形態を示す回路ブロック図で、図2に示した回路ブロック図の画像処理手段165の詳細およびその周辺部を示す回路ブロック図である。
まず、図2で述べたように、レリーズスイッチ101bがオンされると、レフレックスミラー141およびサブミラー142がミラーアップされ、シャッタ145が開口され、交換レンズ20のレンズ211により被写体像が撮像素子162上に結像され、撮像素子162で撮像が行われる。
図3において、撮像素子162で撮像された撮像データ162kは、アンプ163で増幅された後、A/D変換手段164でデジタル撮像データ164aに変換され、本発明における処理手段として機能する画像処理手段165に入力される。入力されたデジタル撮像データ164aは、WB部501でホワイトバランス処理された後、色補間部502で色補間処理が、色補正部503で色補正処理が施され、補正済み画像データ503aとして本発明における第1および第2のダイナミックレンジ圧縮手段として機能する第1のDレンジ圧縮手段504および第2のDレンジ圧縮手段514に入力される。WB部501、色補間部502および色補正部503で施される各々の処理は、一般的な周知の処理でよい。
第1のDレンジ圧縮手段504に入力された補正済み画像データ503aは、図4および図5で後述する第1のDレンジ圧縮処理が施された後、第1のDレンジ圧縮データ504aとして第1のγ補正部505でガンマ補正が、第1の色空間変換部506で色空間補正が施されて、第1の出力部507から記録画像信号165aとして撮像制御手段161に出力される。第1のγ補正部505および第1の色空間変換部506での各々の処理は、記録画像に施される処理として適切なものであれば、一般的な周知の処理でよい。
第2のDレンジ圧縮手段514に入力された補正済み画像データ503aは、図6および図7で後述する第2のDレンジ圧縮処理が施された後、上述したと同様に、第2のγ補正部515、第2の色空間変換部516および第2の出力部517を介して表示画像信号165bとして撮像制御手段161に出力される。第2のγ補正部515および第2の色空間変換部516での各々の処理についても、表示画像に施される処理として適切なものであれば、一般的な周知の処理でよい。
撮像制御手段161に入力された記録画像信号165aは、カメラ制御手段150の制御下で、撮像制御手段161により一旦画像メモリ181に記録された後、本発明における記録媒体として機能するメモリカード182に記録される。一方、同じく撮像制御手段161に入力された表示画像信号165bは、撮像制御手段161からカメラ制御手段150に送られ、画像表示手段131に表示される。ここに、カメラ制御手段150および撮像制御手段161は、本発明における圧縮処理選択手段として機能する。
なお、ガンマ補正部505および515、色空間補正部506および516、出力部507および517はそれぞれ共通であってもよく、この時は、高速処理が必要な表示画像を先行して処理し、その後に記録画像を処理することが望ましい。
次に、図3に示した第1のDレンジ圧縮手段504で施される第1のDレンジ圧縮処理について、図4および図5を用いて説明する。図4は、第1のDレンジ圧縮手段504の構成を示す図で、図4(a)は第1のDレンジ圧縮手段504の回路ブロック図、図4(b)は図4(a)の圧縮部5042で用いられる圧縮特性を示すグラフである。図3と同じ部分には同じ番号を付与した。
ここで、照明成分抽出方法について説明する。物体の明るさIは、物体に照射される照明光LSと物体表面の反射率Rの積で構成されている。
I=LS・R
この物体の明るさIから照明光成分LSを抽出する。第1のDレンジ圧縮手段504では高品質のDレンジ圧縮処理を目的としており、照明成分抽出部5041では、上述した非特許文献1で提案された方法、あるいは小林他による「Retinexモデルによる画像の見えの改善」カラーフォーラムJAPAN2001論文集、pp.151〜154(2001年)で提案された方法の何れかの従来から知られた高品質な照明成分抽出方法を用いることとする。
図4(a)において、第1のDレンジ圧縮手段504に入力された補正済み画像データ503aから、照明成分抽出部5041で、画像の照明成分である照明画像5041aが抽出される。除算器5043で補正済み画像データ503aが抽出された照明画像5041aで除算されることで、画像の反射率成分である反射率画像5043aが得られる。一方、照明画像5041aは圧縮部5042で輝度圧縮されて圧縮照明画像5042aが得られる。次に、乗算器5044で圧縮照明画像5042aと反射率画像5043aとが乗算されることで、同一照明下での画素間の反射率の関係(比率)が維持されたままで照明成分が圧縮された第1のDレンジ圧縮データ504aが得られる。
次に、図4(b)を用いて、圧縮部5042での圧縮処理について説明する。圧縮部5042では、照明画像5041a(x)に対して以下の(1式)で示される圧縮特性の圧縮処理を施すことで、高輝度側の照明成分が圧縮されて圧縮照明画像5042a(y)が得られる。
Figure 2007180718
ただし、a、γは圧縮処理パラメータで、1.0未満の定数である。
以上の第1のDレンジ圧縮手段504による画像データ圧縮動作を、図5を用いて説明する。図5は第1のDレンジ圧縮手段504による画像データ圧縮動作を説明するための模式図で、図5(a)は入力画像から照明画像が抽出されて圧縮されるまでの画像の変化を示す図、図5(b)は処理の途中で得られる反射率画像を示す図、図5(c)は最終的に得られる出力画像を示す図である。
図5(a)において、入力画像として最大値0.25の第1および第2の山と最大値1.0の第3および第4の山とからなる画像を想定する。また、第1および第2の山は強度0.25の第1の照明成分により照明され、第3および第4の山は強度1.0の第2の照明成分により照明されているとする。さらに、入力画像の中で、第1の山で0.125の値を持つ画素P1、第2の山で0.25の値を持つ画素P2、第3の山で0.5の値を持つ画素P3、第4の山で1.0の値を持つ画素P4の4つの代表画素を考える。
次に、照明成分抽出部5041で、上述した何れかの方法を用いて強度0.25の第1の照明成分と強度1.0の第2の照明成分とからなる照明画像が抽出され、入力画像を抽出された照明画像で除算することで反射率画像が得られる。本例では、図5(b)に示すように、反射率画像は最大値1.0の4つの山からなる画像となる。この時の4つの代表画素(P1〜P4)の入力画像、照明画像、反射率画像は、それぞれ(表1)の通りである。
Figure 2007180718
次に、(1式)において、例えば圧縮処理パラメータを、a=0.5、γ=0.45に設定した圧縮特性カーブ(y=0.5・x0.45)を想定し、抽出された照明画像に想定した圧縮特性カーブによる圧縮処理を施すことで、強度0.27の第1の圧縮照明成分と強度0.5の第2の圧縮照明成分とからなる圧縮照明画像が得られる。
得られた圧縮照明画像と反射率画像とを乗算することで、最大値0.27の第1および第2の山と最大値0.5の第3および第4の山とからなる出力画像を得ることができる。この時、4つの代表画素(P1〜P4)の圧縮照明画像および出力画像(=圧縮照明画像×反射率画像)は(表2)の通りとなる。
Figure 2007180718
(表1)および(表2)において、同一照明下にある代表画素間(P1とP2およびP3とP4)の画像の関係を見ると、
P1の入力画像/P2の入力画像=0.125/0.25=0.5
P1の出力画像/P2の出力画像=0.135/0.27=0.5
P3の入力画像/P4の入力画像=0.5/1.0=0.5
P3の出力画像/P4の出力画像=0.25/0.5=0.5
となって、同一照明下にある代表画素間(P1とP2およびP3とP4)の画像の比すなわち反射率の比は入力画像と出力画像とで保持されており、照明成分のみが圧縮されて出力されていることが分かる。
よって、第1のDレンジ圧縮手段504による画像データ圧縮を行うことで、画像の持つ有用な情報(ここでは同一照明下にある画素間の反射率の比)を完全に保持しながら、画像を伝送、蓄積、表示する装置のDレンジとの整合をとること、つまり階調再生処理が可能となる。
次に、図3に示した第2のDレンジ圧縮手段514で施される第2のDレンジ圧縮処理について、図6および図7を用いて説明する。図6は、第2のDレンジ圧縮手段514の構成を示す図で、図6(a)は第2のDレンジ圧縮手段514の回路ブロック図、図6(b)は図6(a)の圧縮部514bで用いられる圧縮特性を示すグラフである。図3および図4と同じ部分には同じ番号を付与した。
図6(a)において、第2のDレンジ圧縮手段514に入力された補正済み画像データ503aは、照明成分、反射率成分の抽出を行わずに、圧縮部5142で輝度圧縮されて第2のDレンジ圧縮データ514aが得られる。この時に用いられる圧縮特性を図6(b)に示す。図6(b)の圧縮特性は、図4(b)の説明で(1式)に示したものと同じ特性である。
以上の第2のDレンジ圧縮手段514による画像データ圧縮動作を、図7を用いて説明する。図7は第2のDレンジ圧縮手段514による画像データ圧縮動作を示す模式図で、図7(a)は入力画像から照明画像が抽出されて圧縮されるまでの画像の変化を示す図、図7(b)は最終的に得られる出力画像を示す図である。図5と同じ部分には同じ番号を付与した。
図7(a)において、入力画像、照明画像、4つの代表画素P1〜P4および圧縮処理パラメータaとγは、図5(a)に示したと同じパラメータを用いる。第2のDレンジ圧縮手段514では、照明成分、反射率成分の抽出を行わずに、入力画像に直接(1式)の圧縮処理を行う。その結果として、図7(b)に示す出力画像が得られる。この時の4つの代表画素P1〜P4の入力画像と出力画像の値を(表3)に示す。
Figure 2007180718
(表3)から上述した第1のDレンジ圧縮手段504での場合と同様に、同一照明下にある代表画素間(P1とP2およびP3とP4)の画像の関係を見ると、
P1の入力画像/P2の入力画像=0.125/0.25=0.5
P1の出力画像/P2の出力画像=0.2/0.27=0.74
P3の入力画像/P4の入力画像=0.5/1.0=0.5
P3の出力画像/P4の出力画像=0.36/0.5=0.72
となって、第1のDレンジ圧縮手段504による画像データ圧縮動作の結果とは異なり、同一照明下にある代表画素間(P1とP2およびP3とP4)の画像の比すなわち反射率の比は入力画像と出力画像とで保持されてはいない。しかし、同一の反射率を持つ代表画素間(P1とP3およびP2とP4)での出力画像の比、すなわち照明成分の圧縮率を第1のDレンジ圧縮手段504と第2のDレンジ圧縮手段514とで比較してみると、
第1のDレンジ圧縮手段504の場合、
P1の出力画像/P3の出力画像=0.135/0.25=0.54
P2の出力画像/P4の出力画像=0.27/0.5=0.54
第2のDレンジ圧縮手段514の場合、
P1の出力画像/P3の出力画像=0.2/0.36=0.56
P2の出力画像/P4の出力画像=0.27/0.5=0.54
となって照明成分は同様に圧縮されており、第1のDレンジ圧縮手段504と同様の照明成分の圧縮が可能であることが分かる。
よって、第2のDレンジ圧縮手段514による画像データ圧縮方法を行うことで、第1のDレンジ圧縮手段504による画像データ圧縮方法のような複雑な処理を施すことなく、出力画像のDレンジを高速に、かつほぼ同様に圧縮することが可能であり、さらに、同一の圧縮処理パラメータを用いて照明成分を圧縮しているので、第1のDレンジ圧縮手段での圧縮後の出力画像に近い出力画像を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図8乃至図10を用いて説明する。ここでは、例えばデジタルカメラ1での静止画と動画の撮影について述べる。静止画の撮影(静止画像モード)では高品質の画像を得るために高品質なDレンジ圧縮が必要であり、動画の撮影(動画像モード)では静止画ほどの高品質なDレンジ圧縮は必要ないが、フレームレート内の時間で処理を完了する必要があるために高速でDレンジ圧縮が行われる必要がある。
図8は、本発明の第2の実施の形態を示す回路ブロック図で、図2に示した回路ブロック図の画像処理手段165の詳細およびその周辺部を示す回路ブロック図である。図3と同じ部分には同じ番号を付与した。
図8において、第1の実施の形態と同様に、撮像素子162で撮像された撮像データ162kは、アンプ163で増幅された後、A/D変換手段164でデジタル撮像データ164aに変換され、本発明における処理手段として機能する画像処理手段165に入力される。入力されたデジタル撮像データ164aは、WB部501でホワイトバランス処理された後、色補間部502で色補間処理が、色補正部503で色補正処理が施され、補正済み画像データ503aとしてDレンジ圧縮部524に入力される。WB部501、色補間部502および色補正部503で施される各々の処理は、一般的な周知の処理でよい。
カメラ制御手段150は、例えばモード設定ダイアル112によって設定された画像モードが静止画像モードか動画像モードかを読み取り、撮像制御手段161に読み取り結果を送信する。本発明における圧縮処理選択手段として機能する撮像制御手段161は、送信された読み取り結果から静止画像モードまたは動画像モードのいずれかの圧縮処理選択信号161aをDレンジ圧縮部524に出力する。
本発明における第1および第2のダイナミックレンジ圧縮手段として機能するDレンジ圧縮部524に入力された補正済み画像データ503aは、撮像制御手段161から出力された圧縮処理選択信号161aに従って、静止画像モードの場合は図9で後述する第1のDレンジ圧縮処理が、動画像モードの場合は図9で後述する第2のDレンジ圧縮処理が施された後、γ補正部525でガンマ補正が、色空間変換部526で色空間補正が施されて、出力部527から静止画像信号165aまたは動画像信号165bとして撮像制御手段161に出力される。γ補正部525および色空間変換部526での各々の処理は、静止画像または動画像に対して適切な一般的な周知の処理でよい。
圧縮処理選択信号161aに従って撮像制御手段161に入力された静止画像信号165aまたは動画像信号165bの何れかは、カメラ制御手段150の制御下で、撮像制御手段161により一旦画像メモリ181に記録された後、本発明における記録媒体として機能するメモリカード182に記録される。
図9は、図8のDレンジ圧縮部524の第1の実施の形態を示す回路ブロック図である。図4(a)および図6(a)と同じ部分には同じ番号を付与した。
図9において、Dレンジ圧縮部524に入力された補正済み画像データ503aは、照明成分抽出部5041に入力されるとともに、第1のスイッチ5045の一方の入力端子と、除算器5043の一方の入力端子とに接続される。照明成分抽出部5041の出力である照明画像5041aは、第1のスイッチ5045のもう一方の入力端子に接続されるとともに、除算器5043のもう一方の入力端子に接続される。第1のスイッチ5045の出力は圧縮部5042に入力され、圧縮部5042の出力5042aは、乗算器5044の一方の入力端子に接続されるとともに、第2のスイッチ5046の一方の入力端子に接続される。
除算器5043の出力5043aは乗算器5044のもう一方の入力端子に接続され、乗算器5044の出力5044aは第2のスイッチのもう一方の入力端子に接続される。第2のスイッチ5046の出力はDレンジ圧縮出力524aとして出力される。第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046は、撮像制御手段161の圧縮処理選択信号161aによって制御され、連動して動作する。
画像モードが静止画像モードの場合、第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046は図の下側に切り換えられ、Dレンジ圧縮部524に入力された補正済み画像データ503aは、図4(a)で説明したと同様に、照明成分抽出部5041で照明成分が抽出され、圧縮部5042で照明成分が圧縮され、除算器5043で反射率成分が抽出され、乗算器5044で圧縮された照明成分と反射率成分が乗算されて第1のDレンジ圧縮出力として出力される。この時のDレンジ圧縮部524の圧縮動作は、図5に示したものと同じで、入力画像と出力画像とで反射率の比が保持されて照明成分のみが圧縮されて出力される。
画像モードが動画像モードの場合、第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046は図のように上側に切り換えられ、Dレンジ圧縮部524に入力された補正済み画像データ503aは、図6(a)で説明したと同様に、照明成分、反射率成分の抽出が行われずに圧縮部5042で直接圧縮され、第2のDレンジ圧縮出力として出力される。この時のDレンジ圧縮部524(=圧縮部5042)の圧縮動作は図7に示したものと同じで、反射率の比は入力画像と出力画像とで保持されてはいないが、照明成分は静止画像モードの場合と同様に圧縮される。
つまり、Dレンジ圧縮部524全体は、本発明における第1のダイナミックレンジ圧縮手段として機能し、Dレンジ圧縮部524の内の圧縮部5042は、本発明における第2のダイナミックレンジ圧縮手段として機能する。また、撮像制御手段161と、第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046とは、本発明における圧縮処理選択手段として機能する。
本実施の形態によれば、第2のダイナミックレンジ圧縮手段は第1のダイナミックレンジ圧縮手段の一部を使用するため、第1のDレンジ圧縮処理と大枠での差異が少なく、Dレンジ圧縮処理後の出力画像の差異を小さくすることができ、かつ、複雑な演算を繰り返し行う照明成分と反射率成分の抽出処理を行わないために、高速にDレンジ圧縮処理を行うことができる。
図8および図9に示したDレンジ圧縮処理の動作の流れを、図10を用いて説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS101で、デジタルカメラ1の電源がオンされると、ステップS102でデジタルカメラ1の画像モードが静止画像モードであるか否かが確認される。静止画像モードに設定されている場合(ステップS102;YES)、ステップS103で、第1のDレンジ圧縮手段が選択されて第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046が静止画像モードに切り換えられ、ステップS104で静止画像の撮影が行われる。ステップS105で、撮影された静止画像に第1のDレンジ圧縮処理が施され、ステップS106で第1のDレンジ圧縮処理された静止画像が一旦画像メモリ181に記録された後、ステップS107でメモリカード182に記録される。ステップS108で静止画像モードを終了するか否かが確認され、終了する場合は(ステップS108;YES)そのまま終了する。静止画像モードを終了しない場合は(ステップS108;NO)ステップS104に戻って、以後、上述した静止画像撮影動作を繰り返す。
静止画像モードに設定されていない場合(ステップS102;NO)、ステップS112で動画像モードに設定されているか否かが確認される。動画像モードに設定されていない場合(ステップS112;NO)、設定されているその他のモードでの動作に移行する。その他の動作モードでの動作の説明は省略する。
動画像モードに設定されている場合(ステップS112;YES)、ステップS113で、第2のDレンジ圧縮手段が選択されて第1のスイッチ5045および第2のスイッチ5046が動画像モードに切り換えられ、ステップS114で動画の撮影が行われる。ステップS115で、撮影された動画像に第2のDレンジ圧縮処理が施され、ステップS116で圧縮処理された動画像が画像メモリ181に記録され、ステップS117で動画像モードを終了するか否かが確認され、終了する場合は(ステップS117;YES)、ステップS118でそれまでに画像メモリ181に記録された第2のDレンジ圧縮処理された動画像が全てメモリカード182に記録されて動作を終了する。動画像モードを終了しない場合は(ステップS117;NO)ステップS114に戻って、以後、上述した動画像撮影動作を繰り返す。
ここに、ステップS102からステップ108までの各ステップおよびステップS112からステップS118までの各ステップは、各々本発明における第1および第2の処理工程である。また、ステップS105およびステップS115は、各々本発明における第1および第2のダイナミックレンジ圧縮行程であり、ステップS102とS103およびステップS112とS113とは、本発明における圧縮処理選択工程である。
次に、上述した本発明の第2の実施の形態における処理を、他の画像モード、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)規格による動画像記録に適用した例について、図11を用いて説明する。MPEG規格での動画像記録においては、高品質の基準画像と、その後の数コマの基準画像からの差分画像の組を記録する。
図11は、本発明の第2の実施の形態を他の例に適用した場合における動作の流れを示すフローチャートである。図11において、ステップS151でデジタルカメラ1の電源がオンされると、ステップS152で画像モードがMPEG記録モードであるか否かが確認される。MPEG記録モードでない場合(ステップS152;NO)には、設定されている他のモードでの処理に移行する。他のモードでの処理については説明を省略する。
MPEG記録モードである場合(ステップS152;YES)、ステップS153で第1のDレンジ圧縮手段524が選択され、ステップS154で画像が1フレーム撮影され(基準画像)、ステップS155で、ステップS154で撮影された基準画像にステップS153で選択された第1のDレンジ圧縮処理が施され、ステップS156で第1のDレンジ圧縮が施された圧縮基準画像が画像メモリに記録される。
ステップS157で第2のDレンジ圧縮手段が選択され、ステップS158で画像が1フレーム撮影され、ステップS159で、ステップS154で撮影された基準画像とステップS158で撮影された画像の差分画像が作成され、ステップS160で、ステップS159で作成された差分画像にステップS157で選択された第2のDレンジ圧縮処理が施され、ステップS161で第2のDレンジ圧縮が施された圧縮差分画像が画像メモリに記録される。
ステップS162で、差分画像が既定のフレーム数だけ撮影されたか否かが確認され、既定のフレーム数だけ撮影されていない場合は(ステップS162;NO)、ステップS158に戻って既定フレーム数に達するまで上述した動作が繰り返される。既定のフレーム数だけ撮影された場合は(ステップS162;YES)、ステップS163で撮影を継続するか否かが確認される。撮影を継続する場合は(ステップS163;YES)、ステップS153に戻って、以後、上述した動作が繰り返される。撮影を終了する場合は(ステップS163;NO)、ステップS164で画像メモリ181に記録されている圧縮基準画像と圧縮差分画像の組が全てメモリカードに記録され、動作が終了される。
上述した第2の実施の形態をMPEG規格による動画像記録に適用した例によれば、高品質が要求される基準画像には高品質な第1のDレンジ圧縮処理を施し、さほど高品質を求められない差分画像には高速処理が可能な第2のDレンジ圧縮処理を施すことで、高品質と高速処理を両立することが可能である。
次に、図8に示した本発明の第2の実施の形態におけるDレンジ圧縮部524の第2の実施の形態について、図12および図13を用いて説明する。図12は、Dレンジ圧縮部524の第2の実施の形態における動作の流れを示すフローチャートであり、図13は図12の各ステップでの処理を説明するための模式図である。ここに示したDレンジ圧縮方法は、画像の局所的なヒストグラムを均等化することでDレンジを圧縮するもので、例えば小林他による「自然画像表示のための高速な局所的コントラスト強調」電子情報通信学会誌、D−II、Vol.J77−D−II、No.3、pp.502−509(1994年3月)や、「特開2000−57335号公報」等に提案されているものと同様のものである。
図12において、ステップS201で、入力された画像データをもとに、各画素の画像データ(画素値)から画像全体の画素値の分布(ヒストグラム)が算出され(図13(a))、ステップS202で、ステップS201で算出された画像全体のヒストグラムが画素値の小さい方から累積されて、画像全体のヒストグラムが平均化される階調変換特性が算出される(図13(b))。ステップS203で、ステップS202で算出された画像全体の階調変換特性に基づき画像全体が階調変換されることで、画像全体のDレンジ圧縮が行われ、ステップS204で、第1のDレンジ圧縮処理を行うか否かが確認される。ステップS201からステップS204までが第2のDレンジ圧縮手段である。
第1のDレンジ圧縮処理を行わない場合、つまり第2のDレンジ圧縮処理だけで終了する場合は(ステップS204;NO)、ステップS221に進み、Dレンジ圧縮された画像が出力されて処理が終了される。第1のDレンジ圧縮処理を行う場合は(ステップS204;YES)、ステップS211に進み、ステップS203で画像全体でDレンジ圧縮された画像が所定の領域毎に分割され、分割領域毎に局所的ヒストグラムの算出が行われ(図13(c))、算出されたヒストグラムに所定のレベル(CL)で度数制限(クリッピング)処理が行われることで、過度な階調変換が行われないように制限が加えられる(図13(d))。
ステップS212で、上述したと同様に、クリッピングされた局所的ヒストグラムが画素値の小さい方から累積されることにより局所的階調変換特性が算出され(図13(e))、ステップS213で、分割領域の画像データに対して局所的階調変換処理が行われる。クリッピング処理を行った局所的ヒストグラムをもとに局所的階調変換特性が算出されるため、画像全体の階調変換特性に所定の制限が設けられて局所的に階調変換処理が行われるので(図13(f))、領域毎の階調特性の差が大きくならず、スムーズに局所的にDレンジ圧縮された画像が得られる。
ステップS214で、全ての分割領域に対する局所的階調変換処理が終了したか否かが確認され、終了していない場合は(ステップS214;NO)、ステップS211に戻って処理が継続され、全ての分割領域の処理が終了した場合は(ステップS214;YES)ステップS221でDレンジ圧縮された画像が出力されて処理が終了される。ステップS201からステップS221までのDレンジ圧縮部524全体が第1のDレンジ圧縮手段である。
本実施の形態によれば、第2のDレンジ圧縮手段は第1のDレンジ圧縮手段の一部であり、最初に第2のDレンジ圧縮手段で画像全体に大まかなDレンジ圧縮を行い、次に画像の分割領域毎に第2のDレンジ圧縮手段でDレンジ圧縮された画像データを用いて再度Dレンジ圧縮を行うため、第1と第2のDレンジ圧縮処理の結果には大枠での差異がなく、かつ、第2のDレンジ圧縮では計算時間のかかる局所的な処理は行わないので、高速なDレンジ圧縮処理を行うことができ、第1のDレンジ圧縮では高品質なDレンジ圧縮処理を行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図14を用いて説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態である撮像システム1000の構成を示す回路ブロック図である。図3と同じ部分には同じ番号を付与した。
撮像システム1000は、撮像装置100、撮像制御装置300、操作手段400、画像処理装置500、記録装置600およびカメラ制御装置700等からなる。ここでは一例として、高解像度画像(例えば静止画像)と低解像度画像(例えば静止画像のサムネイル画像)とのどちらか一方を記録装置600に記録する場合について説明する。
撮像装置100は、撮影レンズ200、撮像素子162、アンプ163、A/D変換手段164等により構成され、カメラ制御装置700および撮像制御装置300により制御されて、撮影レンズ200により撮像素子162上に結像された被写体像が撮像素子162で光電変換されて撮像データ162kとされ、アンプ163で増幅された後、A/D変換手段164でデジタル撮像データ164aに変換され、画像処理装置500に向けて出力される。
画像処理装置500に入力されたデジタル撮像データ164aは、WB部501でホワイトバランス処理された後、色補間部502で色補間処理が、色補正部503で色補正処理が施され、補正済み画像データ503aとして本発明における第1および第2のダイナミックレンジ圧縮手段として機能する第1のDレンジ圧縮手段504および第2のDレンジ圧縮手段514に入力される。WB部501、色補間部502および色補正部503で施される各々の処理は、一般的な周知の処理でよい。
第1のDレンジ圧縮手段504に入力された補正済み画像データ503aは、図4および図5で説明した第1のDレンジ圧縮処理が施された後、第1のDレンジ圧縮データ504aとして第1のγ補正部505でガンマ補正が、第1の色空間変換部506で色空間補正が施されて、第1の出力部507から高解像度画像信号500aとして撮像制御装置300に出力される。第1のγ補正部505および第1の色空間変換部506での各々の処理は、高解像度画像として適切な処理であれば、一般的な周知の処理でよい。
第2のDレンジ圧縮手段514に入力された補正済み画像データ503aは、図6および図7で説明した第2のDレンジ圧縮処理が施された後、上述したと同様に、第2のγ補正部515、第2の色空間変換部516および第2の出力部517を介して低解像度画像信号500bとして撮像制御装置300に出力される。第2のγ補正部515および第2の色空間変換部516での各々の処理についても、低解像度画像として適切な処理であれば、一般的な周知の処理でよい。ここに、画像処理装置500は本発明における処理手段として機能し、第1のDレンジ圧縮手段504および第2のDレンジ圧縮手段514は本発明における第1および第2のダイナミックレンジ圧縮手段として機能する。
カメラ制御装置700により、操作手段400によって設定された画像モードが、高解像度画像記録モードと低解像度画像記録モードのどちらに設定されているかが確認され、確認結果が撮像制御装置300に送信される。送信された確認結果に従って、画像モードが高解像度画像記録モードの場合は、撮像制御装置300により高解像度画像信号500aが選択されて記録装置600に記録され、画像モードが低解像度画像記録モードの場合は、撮像制御装置300により低解像度画像信号500bが選択されて記録装置600に記録される。ここに、撮像制御装置300は本発明における圧縮処理選択手段として機能し、記録装置600は本発明における記録媒体として機能する。
以上に述べた撮像システムにより、静止画像のような高解像度が必要とされる画像には第1のDレンジ圧縮手段により高品質なDレンジ圧縮処理を施すことができ、サムネイル画像のようなさほど高解像度が要求されない画像には第2のDレンジ圧縮手段により高速にDレンジ圧縮を施すことができる。さらに、第1のDレンジ圧縮手段504と第2のDレンジ圧縮手段514とは同一の圧縮処理パラメータを用いて照明成分を圧縮するので、第1と第2のDレンジ圧縮手段でのDレンジ圧縮処理には大枠での差異が少なく、Dレンジ圧縮処理後の出力画像の差異を小さくすることができる。
なお、上述した第1、第2および第3の実施の形態では、入力画像は撮像素子162によって撮像された画像として説明したが、これに限るものではなく、例えばメモリカード182や記録装置600に記録された画像を入力画像として、記録された画像の再生、再記録あるいは表示等を行う場合においても同様に有効である。
以上に述べたように、本発明によれば、第1および第2の画像モードに応じて高品質な第1のDレンジ圧縮および高速な第2のDレンジ圧縮を選択することで、高品質な画像が必要な画像モードでは高品質な第1のDレンジ圧縮処理を施し、短時間での処理が必要な画像モードでは高速な第2のDレンジ圧縮処理を施すことができ、かつ、高品質なDレンジ圧縮と高速なDレンジ圧縮との出力画像の差異の小さいDレンジ圧縮方法を備えた撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を提供することができる。
尚、本発明に係る撮像装置、撮像システムおよび撮像方法を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明における撮像装置の一例であるデジタルカメラの外観模式図である。 図1に示したデジタルカメラの回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示す回路ブロック図である。 図3の第1のDレンジ圧縮手段の回路ブロック図と圧縮特性を示すグラフである。 図3の第1のDレンジ圧縮手段による画像データ圧縮動作を説明するための模式図である。 図3の第2のDレンジ圧縮手段の回路ブロック図と圧縮特性を示すグラフである。 図3の第2のDレンジ圧縮手段による画像データ圧縮動作を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施の形態を示す回路ブロック図である。 図8のDレンジ圧縮部の第1の実施の形態を示す回路ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の他の例における動作の流れを示すフローチャートである。 図8のDレンジ圧縮部の第2の実施の形態における動作の流れを示すフローチャートである。 図12の各ステップでの処理を説明するための模式図である。 本発明の第3の実施の形態である撮像システムの構成を示す回路ブロック図である。
符号の説明
1 デジタルカメラ
10 ボディ
112 モード設定ダイアル
131 画像表示手段
141 レフレックスミラー
142 サブミラー
144 AFモジュール
145 シャッタ
150 カメラ制御手段
151 CPU(中央処理装置)
152 ワークメモリ
153 記憶部
154 データメモリ
160 撮像回路
161 撮像制御手段
162 撮像素子
163 アンプ
164 アナログ/デジタル(A/D)変換手段
165 画像処理手段
504 第1のDレンジ圧縮手段
514 第2のDレンジ圧縮手段
524 Dレンジ圧縮部
181 画像メモリ
182 メモリカード
20 交換レンズ
211 レンズ
221 絞り
100 撮像装置
200 撮影レンズ
300 撮像制御装置
400 操作手段
500 画像処理装置
600 記録装置
700 カメラ制御装置
1000 撮像システム

Claims (8)

  1. 被写体を撮影するための撮像装置において、
    撮影された画像を第1の画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理手段と、
    撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮手段と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮手段と、
    前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段を選択する圧縮処理選択手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段と前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段とは、同一の圧縮処理パラメータを使用することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段は、少なくとも照明成分抽出部と圧縮部とからなり、
    前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段は前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段の圧縮部を使用してダイナミックレンジ圧縮処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の画像モードは記録媒体に記録する記録画像モードであり、前記第2の画像モードは表示媒体に表示する表示画像モードであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の画像モードは静止画像モードであり、前記第2の画像モードは動画像モードであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記第1の画像モードは高解像度画像モードであり、前記第2の画像モードは低解像度画像モードであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 被写体を撮影するための撮像装置を備えた撮像システムにおいて、
    撮影された画像を第1画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理手段と、
    撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮手段と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮手段と、
    前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮手段を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮手段を選択する圧縮処理選択手段とを備えたことを特徴とする撮像システム。
  8. 被写体を撮影するための撮像方法において、
    撮影された画像を第1の画像モードと第2の画像モードとで処理可能な処理工程と、
    撮影された画像のダイナミックレンジを、高品質に圧縮処理する第1のダイナミックレンジ圧縮行程と、高速に圧縮処理する第2のダイナミックレンジ圧縮工程と、
    前記第1の画像モードにおいては前記第1のダイナミックレンジ圧縮工程を選択し、前記第2の画像モードにおいては前記第2のダイナミックレンジ圧縮工程を選択する圧縮処理選択工程とを備えたことを特徴とする撮像方法。
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