JP2007180325A - ビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法及び製造装置において、貫通孔4を有する配線板9の両面側に一対のロール12a,12bを有するロールコータ10aを用いて絶縁性樹脂インク11aまたはソルダーレジストインク31aを塗布する際に、ローラー部30により、配線板を一対のロールの内の一方のロール10bの外周面に沿って湾曲させる。
【選択図】図4
Description
ロールコート法は、絶縁層やソルダーレジスト層を形成する際に、配線板を垂直に立てた状態で一対の塗布用ロールのロール間に挟み、絶縁性樹脂インクをロールを介して配線板の両面側に同時に塗布することが可能なので、片面ずつ塗布するスクリーン印刷法に比べて生産性に優れる。
また、絶縁層やソルダーレジスト層を形成する際に、安価な絶縁性樹脂インク及びソルダーレジストインクを用いることができるので、高価な絶縁性樹脂シートを用いる真空ラミネート法に比べて製造コストの低減に対して有利である。
従って、ロールコート法は、ビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法において、絶縁層及びソルダーレジスト層の形成方法として有効な方法である。
特許文献1の記載によれば、配線板の配線パターンの面積比率の小さい側の面に対する塗布圧力を、配線パターンの面積比率の大きい側の面に対する塗布圧力よりも小さくすることによって、表裏面で配線パターン面積比率の異なる配線板においても表裏面で均一な膜厚を有する絶縁層やソルダーレジスト層を形成可能としている。
スルーホール内ボイドを有するビルドアップ型多層プリント配線板に電子部品等をクリーム半田等を用いて実装する場合、クリーム半田を溶融させるリフロー工程において、配線板が加熱された際にスルーホール内ボイドが熱膨張して破裂し、スルーホールに対応した範囲及びその近傍に載置された電子部品等の載置位置がずれる可能性がある。電子部品の載置位置のずれ量が大きいと、配線板と電子部品との間で導通不良が発生し、実装基板としての機能に障害が生じる。
ソルダーレジスト層を形成する際の配線板の厚さは、絶縁層を形成する際の配線板の厚さよりも厚いので、IVHの内径とスルーホールの内径が略等しい場合、スルーホールのアスペクト比(スルーホールの内径に対する長さの比率)がIVHのアスペクト比よりも大きいため、スルーホール内ボイドは、IVH内ボイドGよりも高い確率で発生することが考えられる。
1)両面側にそれぞれ形成された配線パターン(8a,8b)とこの配線パターン同士を接続する導電層(5a,5b)が内面に形成された貫通孔(4)とを有する配線板(9)の前記両面側に、一対のロール(12a,12b)を有するロールコータ(10a)を用いてインク(11a,31a)を塗布するインク塗布工程を含むビルドアップ型多層プリント配線板(50)の製造方法であって、前記インク塗布工程は、所定方向(Ea,Eb)に回転させた前記一対のロールのそれぞれを前記配線板の各面に接触させると共に、前記配線板を前記一対のロールのいずれか(12b)の外周面に沿って湾曲させながら前記一対のロール間を通過させて前記配線板の各面側に前記インクを塗布する工程であることを特徴とするビルドアップ型多層プリント配線板(50)の製造方法である。
2)両面側にそれぞれ形成された配線パターン(8a,8b)とこの配線パターン同士を接続する導電層(5a,5b)が内面に形成された貫通孔(4)とを有する配線板(9)の前記両面側にインク(11a,31a)が塗布されたビルドアップ型多層プリント配線板(50)を製造するビルドアップ型多層プリント配線板の製造装置であって、一対のロール(12a,12b)と、該一対のロールに前記インクをそれぞれ供給するインク供給手段(14a,14b)と、前記一対のロールをそれぞれ所定方向(Ea,Eb)に回転させる第1の駆動手段と、前記一対のロールをそれぞれ接離する方向に移動させる第2の駆動手段とを有するロール部(16a,16b)と、前記第2の駆動手段により前記一対のロールの該各ロールを前記配線板の各面にそれぞれ接触させた際に、前記配線板を前記一対のロールの内の一方のロール(12b)の外周面に沿って湾曲させる湾曲手段(30)と、前記配線板を、前記湾曲手段により前記一対のロールのいずれかの外周面に沿って湾曲させながら前記第1の駆動手段により回転された前記一対のロール間を通過させる第3の駆動手段(15a)と、を有することを特徴とするビルドアップ型多層プリント配線板の製造装置である。
図1及び図2は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第1工程及び第2工程をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
図3は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における絶縁層及びソルダーレジスト層の形成方法を説明するための工程フロー図である。
図4及び図5は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第3工程を説明するための模式的断面図であると共に、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造装置の実施例を説明するための模式的断面図である。
図6は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第3工程を説明するための模式的断面図である。
図7及び図8は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第4工程を説明するための模式的断面図である。
図9〜図13は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第5工程〜第9工程をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
図14は、本発明のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法の実施例における第11工程を説明するための模式的断面図である。
実施例は、ロールコート法を用いて絶縁層及びソルダーレジスト層を形成する工程において、配線板を湾曲させた状態で、配線板に絶縁性樹脂インク及びソルダーレジストインクを塗布することにより、IVH(Interstitial Via Hole)及びスルーホール内に発生するIVH内ボイド及びスルーホール内ボイドを抑制するものである。
実施例を第1工程〜第11工程として、図1〜図15を用いて以下に説明する。
長さ340mm、幅510mm、板厚0.4mmの樹脂基板であるコア材1の表裏面に厚さ12μmの銅箔2a,2bがそれぞれ貼り合わせられた両面銅張り板3の所定位置に、銅箔2a,2b間を電気的に接続するためのIVH(Interstitial Via Hole)4を貫通孔として形成する。
このIVH4は、ドリル加工やレーザ加工により形成することができる。実施例では、ドリル加工により、その直径が約0.2mmであるIVH4を形成した。
なお、コア材1及び銅箔2a,2bの厚さやIVH4の直径は、実施例に限定されるものではない。
IVH4の内面及び銅箔2a,2bの表面に、例えば、銅からなる第1めっき層5a,5bを形成する。この第1めっき層5a,5bは、例えば、無電解銅めっきを行った後さらに電解銅めっきを行うことで形成され、実施例では第1めっき層5a,5bの厚さが約20μmとなるようにめっき条件を設定した。
次に、フォトリソ法により、所定の配線パターン8aが得られるように第1めっき層5a及び銅箔2aを選択的にエッチングして第1配線層6を形成し、所定の配線パターン8bが得られるように第1めっき層5b及び銅箔2bを選択的にエッチングして第2配線層7を形成する。
上述の工程を経た両面銅張り板3を両面配線板9と呼ぶ。
そこで、まず、この絶縁層の形成方法の概略を、図3を用いて説明する。
図3は、絶縁層の形成方法、及び、後述するソルダーレジスト層の形成方法の概略を説明するための工程フロー図である。
絶縁層の形成方法は、詳細は後述するが、図3に示すように、両面配線板9の両面に、第1の絶縁性樹脂インク11aを第1のロールコータ10aを用いて塗布して第1の樹脂インク層18a,18bを形成する第1塗布工程と、この第1の樹脂インク層18a,18bの上に、さらに、第2の絶縁性樹脂インク11bを第2のロールコータ10bを用いて塗布して第2の樹脂インク層19a,19bを形成する第2塗布工程と、この第1の樹脂インク層18a,18b及び第2の樹脂インク層19a,19bを、同時に硬化させて絶縁層20,21とする硬化工程とからなる。
第1塗布工程は、主として、IVH4内部に第1の絶縁性樹脂インク11aをIVH4内ボイドの発生を抑制して充填することを目的とした工程であり、第2塗布工程は、主として、第2の絶縁性樹脂インク11bで絶縁層の厚さを所定の厚さとすることを目的とした工程である。
この第1塗布工程は、第1のロールコータ10aを用いて、第1の絶縁性樹脂インク11aを両面配線板9の両面側に塗布する際、IVH4の内部、及び配線パターン8a,8bの間隙がこの第1の絶縁性樹脂インク11aで充填されることを目的にしている。
図4に示すように、第1塗布工程で用いる第1のロールコータ10aは、一対のロール12a,12bと、この一対のロール12a,12bそれぞれと接触するように配置された一対のドクターバー13a,13bと、第1の絶縁性樹脂インク11aを溜めておくための貯蔵部14a,14bと、上述の第2工程で作製した両面配線板9を把持すると共にこの両面配線板9を一対のロール12a,12b間を通過させるための駆動手段を有する取り付け部15aと、両面配線板9を湾曲させる湾曲手段であるローラー部30と、を有している。
また、ロール12a,ドクターバー13a,及び貯蔵部14aからなるロール部16aと、ロール12b,ドクターバー13b,及び貯蔵部14bからなるロール部16bとは、それぞれを接離する方向に移動させる駆動手段(図示せず)と接続されている。
また、ローラー部30を矢印Edの方向に移動させることにより、両面配線板9を矢印Edの方向に移動させる際に、両面配線板9が湾曲した状態をより長い時間保持することが可能である。
図5に示すように、一対のロール12a,12bは、それぞれが円柱形状であり、ロール12aの外周部には周方向に延在する溝17aが一定のピッチ(開口幅に相当する)Laで複数形成されており、ロール12bの外周部には周方向に延在する溝17bが一定のピッチ(開口幅に相当する)Lbで複数形成されている。
また、この溝17a,17bは、一定のピッチ(開口幅に相当する)La,Lbで周方向にスパイラル状に延在するように形成してもよい。
また、ロール12aの溝17aは、ピッチ(開口幅)Laが120μm、深さtaが60μm、開口角θaが90度であり、ロール12bの溝17bは、ピッチ(開口幅)Lbが120μm、深さtbが60μm、開口角θbが90度である。
また、上述したロール12a,12bの溝17a,17bの形状及び寸法は実施例に限定されるものではないが、例えば、両面配線板に非貫通孔(有底穴ともいう)が形成されている場合、この非貫通孔の有する開口径よりも開口幅La,Lbを狭くすることが好ましい。非貫通孔の有する開口径よりも開口幅La,Lbを狭くすることにより、第1の絶縁性樹脂インク11aを両面配線板に塗布した際に非貫通孔内の空気が抜けやすくなるので、非貫通孔内に発生するボイドを抑制することができる。
第1の絶縁性樹脂インク11aを、所定の粘度、例えば、3〜6Pa・sの範囲内の粘度になるように粘度調整した後、貯蔵部14a,14bに供給する。
次に、一対のロール12a,12bを、図示しない駆動手段により、矢印Ea,Ebの方向に回転させると、貯蔵部14a,14bに溜められた第1の絶縁性樹脂インク11aが一対のロール12a,12bの溝17a,17bに入り込む。実施例では、一対のロール12a,12bの各外周部における回転スピードを1.2m/minに設定した。なお、この回転スピードは、実施例に限定されるものではないが、後述する両面配線板9の搬送速度よりも速くなるように設定することにより、両面配線板9に所定量の第1の絶縁性樹脂インク11aを安定して供給することができる。
その後、ロール部16a及びロール部16bを、図示しない駆動手段により、それぞれが離れる方向に移動させる。
さらに、取り付け部15aを、図示しない駆動手段により矢印Ec1の方向に移動させて、両面配線板9の両面側の所定領域が一対のロール12a,12bの間を通過し終わった時点で、取り付け部15aを停止させる。
両面配線板9は、まず、矢印Ec1の方向に移動し、一対のロール12a,12bの間を通ってローラー部30に接触する。
そして、ローラー部30に接触した両面配線板9は、ローラー部30をその軸Oが両面配線板9の厚さ方向の中心線c1よりもロール12a側に位置するように配置しているので、ローラー部30とロール12bとの間を矢印Ec2の方向に移動する。
両面配線板9は、樹脂を主成分とするコア材1と銅からなる配線パターン8a,8bとにより構成されているので湾曲可能であるが、湾曲の度合いは、上述したように基板の厚さや材質、及び基板の構成等によってことなるため、プリント基板に損傷を与えない範囲でプリント基板を湾曲させる必要がある。
両面配線板9が一対のロール12a,12bの間を完全に通過し終わった後、取り付け部15aを停止させる。
その後、取り付け部15aから両面配線板9を取り外す。
IVH4の内部及び配線パターン間は、第1の絶縁性樹脂インク11aで充填されており、従来問題となっていたIVH内ボイドGが発生していないことを確認した。なお、IVH内ボイドGが発生しなかった理由については、後で詳述する。
また、第1配線層6及び第2配線層7上の第1の樹脂インク層18a,18bの厚さは約5μm以下と非常に薄く形成されており、また、第1の樹脂インク層18a,18bの表面は、配線パターン8a,8bの段差を第1の絶縁性樹脂インク11aで埋めたことにより、略平滑な面になっていることを確認した。
次に、第4工程である第2塗布工程について説明する。
この第2塗布工程は、後述する第1絶縁層20及び第2絶縁層21が、所定の厚さ(実施例では60μm)が得られるように、第2の樹脂インク層19a,19bを形成することが目的である。
図7に示すように、第2塗布工程で用いる第2のロールコータ10bは、一対のロール12c,12dと、この一対のロール12c,12dそれぞれと接触するように配置された一対のドクターバー13c,13dと、第2の絶縁性樹脂インク11bを溜めておくための貯蔵部14c,14dと、第1塗布工程で作製した両面配線板9を固定し、この両面配線板9を一対のロール12c,12dの間を通過させるための駆動手段を有する取り付け部15bとを有している。
なお、ロール12c,ドクターバー13c,及び貯蔵部14cからなるロール部16cと、ロール12d,ドクターバー13d,及び貯蔵部14dからなるロール部16dとは、それぞれを接離する方向に移動させる駆動手段と接続されている。
また、この溝17c,17dは、一定のピッチ(開口幅に相当する)Lc,Ldで周方向にスパイラル状に延在するように形成してもよい。
また、ロール12cの溝17cは、ピッチ(開口幅)Lcが1mm、深さtcが0.5mm、開口角θcが90度であり、ロール12dの溝17dは、ピッチ(開口幅)Ldが1mm、深さtdが0.5mm、開口角θdが90度である。
図7に示すように、第2の絶縁性樹脂インク11bを貯蔵部14c,14dに供給する。実施例では、第2の絶縁性樹脂インク11bとして、第1塗布工程で用いた第1の絶縁性樹脂インク11aと同じものを用いた。
次に、一対のロール12c,12dを、図示しない駆動手段により、矢印Ea,Ebの方向に回転させると、貯蔵部14c,14dに溜められている第2の絶縁性樹脂インク11bが一対のロール12c,12dの溝17c,17dに入り込む。実施例では、一対のロール12c,12dの各回転スピードを1.2m/minに設定した。なお、この回転スピードは、実施例に限定されるものではないが、後述する両面配線板9の搬送速度よりも速くなるように設定することにより、両面配線板9に所定量の第2の絶縁性樹脂インク11bを安定して供給することができる。
その後、ロール部16c及びロール部16dを、図示しない駆動手段により、それぞれが離れる方向に移動させる。
さらに、取り付け部15bを、図示しない駆動手段により、矢印Efの方向に移動させて、両面配線板9の両面側の所定領域が一対のロール12a,12bの間を通過し終わった時点で、取り付け部15bを停止させる。
次に、ロール部16c及びロール部16dを、図示しない駆動手段により、それぞれが接近する方向に移動させて、ロール12c及びロール12dそれぞれを両面配線板9に接触させる。
さらに、両面配線板9が一対のロール12c,12dの間を完全に通過し終わった後、取り付け部15bを停止させる。
その後、取り付け部15bから両面配線板9を取り外す。
硬化されていない第1の絶縁性樹脂インク11aからなる第1の樹脂インク層18a,18bと、硬化されていない第2の絶縁性樹脂インク11bからなる第2の樹脂インク層19a,19bとは、その界面近傍において互いに混ざり合うため、その境界面をはっきりと確認することが困難である。
そこで、第1の樹脂インク層18a,18bと第2の樹脂インク層19a,19bとの総厚te,tf(第1配線層6の表面から第2の樹脂インク層19aの表面までの厚さ,第2配線層7の表面から第2の樹脂インク層19bの表面までの厚さ)を測定した結果、総厚te,tfはいずれも約80μmであり、その表面はほぼ平滑な面であることを確認した。
上述の工程を経た両面配線板9を、例えば150℃で1時間加熱することによって、第1の樹脂インク層18a,18b及び第2の樹脂インク層19a,19b中の溶剤を蒸発させると共に、第1の樹脂インク層18a,18b及び第2の樹脂インク層19a,19bを硬化させて、第1絶縁層20及び第2絶縁層21を得る。なお、第1の樹脂インク層18a,18bを形成するための第1の絶縁性樹脂インク11aと、第2の樹脂インク層19a,19bを形成するための第2の絶縁性樹脂インク11bとは各主成分が同じなので、第1絶縁層20及び第2絶縁層21は均一な樹脂成分を有する。
第1絶縁層20及び第2絶縁層21の厚さtg,th(第1配線層6の表面から第1絶縁層20の表面までの厚さ,第2配線層7の表面から第2絶縁層21の表面までの厚さ)は、それぞれの平均値が約60μmであり、それぞれの厚さのばらつきは±8μmである。
また、配線パターンの面積比率の小さい領域と大きい領域とにおける第1絶縁層20及び第2絶縁層21の各厚さはほぼ等しいことを確認した。
以上詳述したように、上述した工程により、IVH内ボイドGの発生を抑制すると共に、配線パターンの面積比率に因ることなく厚さのばらつきが±10μm以下と良好である第1絶縁層20及び第2絶縁層21を形成できることを確認した。
第5工程を経た両面配線板9の所定位置に、後述する第3配線層25と第4配線層26とを電気的に接続するためのスルーホール29を貫通孔として形成する。
このスルーホール29は、ドリル加工やレーザ加工により形成することができる。実施例では、ドリル加工により、その直径が約0.2mmであるスルーホール29を形成した。
具体的には、第1絶縁層20及び第2絶縁層21の所定位置にレーザ光を照射し、第1配線層6及び第2配線層7の表面が露出するように、レーザ照射された領域における第1絶縁層20及び第2絶縁層21を除去することにより、開口径が約150μmであるLVH22,23を形成する。このLVH22,23は、炭酸ガス(CO2)レーザやYAGレーザを用いたレーザ加工により形成することができる。
スルーホール29及びLVH22,23の内面を覆うように、第1絶縁層20及び第2絶縁層21の表面上に、例えば銅からなる第2めっき層24a,24bを形成する。この第2めっき層24a,24bは、無電解銅めっきを行った後、さらに電解銅めっきを行うことで形成され、実施例では第2めっき層24a,24bの厚さが約20μmとなるようにめっき条件を設定した。
その後、フォトリソ法により、所定の配線パターン27a,27bが得られるように、第2めっき層24a,24bを選択的にエッチングして、第3配線層25及び第4配線層26を形成する。
上述の工程を経た両面配線板9を4層配線板28と呼ぶ。
まず、ソルダーレジスト層の形成方法の概略を、図3を用いて説明する。
図3に示すように、ソルダーレジスト層の形成方法は、4層配線板28の両面側に、第1のソルダーレジストインク31aを上述した第3工程で用いた第1のロールコータ10aにより塗布して第1のレジストインク層38a,38bを形成する第3塗布工程と、この第1のレジストインク層38a,38b上に、さらに、第2のソルダーレジストインク31bを上述した第4工程で用いた第2のロールコータ10bを用いて塗布して第2のレジストインク層39a,39bを形成する第4塗布工程と、この第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39bを同時に乾燥させる乾燥工程とからなる。
第3塗布工程は、上述した第3工程(第1塗布工程)で使用した第1のロールコータ10aを用いて、第1のソルダーレジストインク31aを4層配線板28の両面側に塗布する際、スルーホール29及びLVH22,23の内部がこの第1のソルダーレジストインク31aでスルーホール内ボイド及びLVH内ボイドの発生を抑制して充填されることを目的としている。
次に、第3工程(第1塗布工程)で詳述した手順と同様の手順に従って、図12に示すように、4層配線板28の表裏面側の所定領域に、第1のソルダーレジストインク31aからなる第1のレジストインク層38a,38bを形成する。
スルーホール29及びLVH22,23の内部は、第1のソルダーレジストインク31aで充填されており、スルーホール内ボイド及びLVH内ボイドが発生していないことを確認した。
なお、スルーホール内ボイドが発生しなかった理由については、上述したIVH内ボイドGが発生しなかった理由と合わせて、後で詳述する。
第4塗布工程は、後述するソルダーレジスト層40,41が所定の厚さ(実施例では20μm)となるように、第2のレジストインク層39a,39bを所定の厚さに形成することを目的としている。
次に、第4工程(第2塗布工程)で詳述した手順と同様の手順に従って、図13に示すように、4層配線板28の第1のレジストインク層38a,38b上に、第2のソルダーレジストインク31bからなる第2のレジストインク層39a,39bを形成する。
そこで、第1のレジストインク層38a,38bと第2のレジストインク層39a,39bとの総厚ti,tj(第3配線層25の表面から第2のレジストインク層39aの表面までの厚さ,第4配線層26の表面から第2のレジストインク層39bの表面までの厚さ)を測定した結果、総厚ti,tjはいずれも約25μmになっていることを確認した。
上述の工程を経た4層配線板28を、例えば図示しない乾燥炉を用いて80℃で20分加熱することによって、第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39b中の溶剤を蒸発させて乾燥させる。乾燥後の第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39bは未硬化状態である。
乾燥後の第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39bにフォトリソ法により所定の露光及び現像を行って、開口部44a,44bを形成する。
次に、この開口部44a,44bが形成された4層配線板28を、例えば150℃で30分加熱することによって、第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39bを硬化させる。この硬化された第1のレジストインク層38a,38b及び第2のレジストインク層39a,39bは、ソルダーレジスト層40,41となる。
また、ソルダーレジスト層40,41は、第1のレジストインク層38a,38bを形成するための第1のソルダーレジストインク31aと、第2のレジストインク層39a,39bを形成するための第2のソルダーレジストインク31bとは各主成分が同じなので均一な樹脂成分を有した層となっており、また、ソルダーレジスト層40,41の表面は略平坦な面になっていることを確認した。
即ち、両面配線板9の搬送方向Edにおけるロール12bと両面配線板9との接触面の長さ150bを、ロール12aと両面配線板9との接触面の長さ150aよりも長くすることにより、絶縁性樹脂インク11aは、まずロール12b側から供給されてIVH4の内部を充填する。このため、IVH4の内部の空気はロール12a側に押し出されるので、IVH内ボイドGの発生を抑制できるものと考えられる。
従って、IVH内ボイドGの発生を抑制するためには、IVH4の内部がロール12b側から供給される絶縁性樹脂インク11aで充填されるように、長さ150bを長さ150aよりも長くすればよい。
また、第1のソルダーレジストインクと第2のソルダーレジストインクを同じ樹脂成分としたがこれに限定されるものではなく、異なる樹脂成分であっても構わない。
ところで、第1の絶縁性樹脂インク及び第2の絶縁性樹脂インクの粘度は、インクの溶剤体積比率を変えることによって調整することができる。即ち、溶剤体積比率を大きくすることによって粘度を低くすることができ、逆に、溶剤体積比率を小さくすることによって粘度を高くすることができる。
そこで、第1の絶縁性樹脂インク11aの溶剤体積比率を小さくすることにより、この第1の絶縁性樹脂インク11aを硬化する際に蒸発する溶剤の量を少なくすることができるので、IVH4の範囲に対応する絶縁層の表面に生じる窪みの窪み量を低減することができる。窪み量の大きい窪みを有する絶縁層の表面上に配線パターンを形成すると、この窪み上に形成された配線パターンが断線したり、配線パターン間でショート不良が発生する場合がある。
従って、実施例のように、第1の絶縁性樹脂インク11aをIVH4の内部及び配線パターンの段差を埋めるように充填し、かつ、第1配線層6及び第2配線層7上に第1の樹脂インク層18a,18bがほとんど形成されない程度になるように、塗布条件を設定することが望ましい。
Claims (2)
- 両面側にそれぞれ形成された配線パターンとこの配線パターン同士を接続する導電層が内面に形成された貫通孔とを有する配線板の前記両面側に、一対のロールを有するロールコータを用いてインクを塗布するインク塗布工程を含むビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法であって、
前記インク塗布工程は、
所定方向に回転させた前記一対のロールのそれぞれを前記配線板の各面に接触させると共に、前記配線板を前記一対のロールのいずれかの外周面に沿って湾曲させながら前記一対のロール間を通過させて前記配線板の各面側に前記インクを塗布する工程であることを特徴とするビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法。 - 両面側にそれぞれ形成された配線パターンとこの配線パターン同士を接続する導電層が内面に形成された貫通孔とを有する配線板の前記両面側にインクが塗布されたビルドアップ型多層プリント配線板を製造するビルドアップ型多層プリント配線板の製造装置であって、
一対のロールと、該一対のロールに前記インクをそれぞれ供給するインク供給手段と、前記一対のロールをそれぞれ所定方向に回転させる第1の駆動手段と、前記一対のロールをそれぞれ接離する方向に移動させる第2の駆動手段とを有するロール部と、
前記第2の駆動手段により前記一対のロールの該各ロールを前記配線板の各面にそれぞれ接触させた際に、前記配線板を前記一対のロールの内の一方のロールの外周面に沿って湾曲させる湾曲手段と、
前記配線板を、前記湾曲手段により前記一対のロールのいずれかの外周面に沿って湾曲させながら前記第1の駆動手段により回転された前記一対のロール間を通過させる第3の駆動手段と、
を有することを特徴とするビルドアップ型多層プリント配線板の製造装置。
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