JP2007179657A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生素子の耐圧特性を担保しつつ、シールド間隔を狭くすることにより、リード特性の優れた磁気ヘッドを実現する。
【解決手段】 上部シールドと下部シールドと、上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、磁区制御層の上に形成された第1電極膜と、下部シールドと磁気センサ層との間に配置された第1絶縁膜と、第1絶縁膜と前記磁区制御層との間に配置された第2絶縁膜と、第2絶縁膜の上に形成され、浮上面において磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第3絶縁膜と、磁気センサ層と上部シールドとの間に配置された第4絶縁膜とを有する磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、浮上面においてその領域からトラック幅より外れる方向の磁気抵抗センサ層の領域の上に磁区制御層を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 上部シールドと下部シールドと、上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、磁区制御層の上に形成された第1電極膜と、下部シールドと磁気センサ層との間に配置された第1絶縁膜と、第1絶縁膜と前記磁区制御層との間に配置された第2絶縁膜と、第2絶縁膜の上に形成され、浮上面において磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第3絶縁膜と、磁気センサ層と上部シールドとの間に配置された第4絶縁膜とを有する磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、浮上面においてその領域からトラック幅より外れる方向の磁気抵抗センサ層の領域の上に磁区制御層を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は磁気抵抗センサーを有する磁気ヘッドに係り、磁気ヘッドの構造とその製造方法に係るものである。本発明は特に、磁気抵抗センサーユニット下部及びその周囲に配置される電気絶縁層の構造と製造方法に関るものである。
磁気記録装置は磁気記録密度が年々向上し,記録密度の増加と変換速度の向上、誤謬率の低下が要求される状況となっており、記録ヘッド部及び再生ヘッド部はその記録密度の向上に対応した型で高性能化が要求されている。
現状の再生ヘッドは、一般に磁気抵抗効果を利用して信号を読み取る構造となっており、磁気抵抗効果積層構造にはいくつかの種類があり、その種類によって分類される。すなわち、その用いる磁気抵抗の原理からCIP型GMRヘッド、CPP-GMRヘッド、CPP-TMRヘッドなどに分類されている。それぞれCIP-GMR(Current In-Plane Giant Magneto-Resistance Head巨大磁気抵抗効果)、CPP-GMR(Current Perpendicular Plane Giant Magneto-Resistance Head効果)、CPP-TMR(Current Perpendicular Plane Tunneling Magneto-Resistance Headトンネル磁気抵抗効果)ヘッドと呼ばれ、磁気記録媒体から再生ヘッドに入ってくる入力磁界を電圧変化として取り出す構造となっている。
現状の再生ヘッドは、一般に磁気抵抗効果を利用して信号を読み取る構造となっており、磁気抵抗効果積層構造にはいくつかの種類があり、その種類によって分類される。すなわち、その用いる磁気抵抗の原理からCIP型GMRヘッド、CPP-GMRヘッド、CPP-TMRヘッドなどに分類されている。それぞれCIP-GMR(Current In-Plane Giant Magneto-Resistance Head巨大磁気抵抗効果)、CPP-GMR(Current Perpendicular Plane Giant Magneto-Resistance Head効果)、CPP-TMR(Current Perpendicular Plane Tunneling Magneto-Resistance Headトンネル磁気抵抗効果)ヘッドと呼ばれ、磁気記録媒体から再生ヘッドに入ってくる入力磁界を電圧変化として取り出す構造となっている。
この再生ヘッドは、高記録密度化時の高感度化、低ノイズ化及び信号品質の安定化の要求が近年増大しており、磁気センサー部の改良の検討のみならず、磁区制御膜や、電極膜、シールド膜及び電気絶縁膜の材料や構造、及び製造方法等、種種の検討が進められている。
特許文献1には、磁気抵抗効果素子の両側領域にトラック幅方向に間隔を開けて形成されたバイアス層、下層の電極層が複数層積層され、その両側には電気絶縁性の低下を抑制するための絶縁層が上層の電極層と下部ギャップ層との間で埋め込まれた構成が開示されている。下部シールドと端子層との絶縁性を向上させるために第2の実施形態では下部シールド層と下部ギャップ層との間に補助ギャップ層が設けられている。
特許文献2,3には、多層膜のトラック幅領域の両側領域を反強磁性層全て若しくは一部の深さまで掘り下げる構成、いわゆる中間止め(パーシャルミーリング)の構成が開示されている。
発明者らは、シールド間隔Gsの狭小化及び耐圧特性の改良について検討した。記録密度の増加に伴い、記録媒体に記録された磁気情報のトラック幅方向の密度は増加しており、磁化情報の間隔も狭小化が要求される。磁気シールドの間隔Gsは、磁化情報の間隔と同等程度の間隔が必要とされ、さらなるシールド間の狭小化が必要である。シールド間隔Gsを狭小化するためには下部絶縁膜を薄膜化する必要があるが、下部絶縁膜を薄膜化すると耐圧特性が劣化する。絶縁膜の耐圧特性は、絶縁膜の絶縁抵抗と面積によって決められ、絶縁抵抗特性は絶縁膜の膜厚が薄くなると大幅に低下するためである。その為、耐圧特性を維持しつつ、シールド間隔を狭めることは難しい。
特許文献1では、絶縁性を向上させるために、下部シールド層と下部ギャップ層との間に補助ギャップ層が形成されているが、これにより形成される段差はその後の工程のプロセスに影響を与え、特にトラック幅より離れた場所でシールド間隔を広げることになる。下部絶縁膜を平坦な下部シールド上で二段膜厚に構成するときに、外側の二段目の保護膜の内端径を後工程の精度の必要とするフォトレジストの概略径より大きく設定しなければならない。また、フォトレジストを剥離するプロセスにはメカノケミカルポリシュ(Chemical Mechanical Polishing)法によって剥離する手法があるが、プロセス適用の前工程の基板面に大きな段差があるとメカノケミカルポリシュが出来ずプロセスの適用に障害となる。
特許文献1では、絶縁性を向上させるために、下部シールド層と下部ギャップ層との間に補助ギャップ層が形成されているが、これにより形成される段差はその後の工程のプロセスに影響を与え、特にトラック幅より離れた場所でシールド間隔を広げることになる。下部絶縁膜を平坦な下部シールド上で二段膜厚に構成するときに、外側の二段目の保護膜の内端径を後工程の精度の必要とするフォトレジストの概略径より大きく設定しなければならない。また、フォトレジストを剥離するプロセスにはメカノケミカルポリシュ(Chemical Mechanical Polishing)法によって剥離する手法があるが、プロセス適用の前工程の基板面に大きな段差があるとメカノケミカルポリシュが出来ずプロセスの適用に障害となる。
リードヘッドの製造工程で下部絶縁膜を二段構造とすることは、磁気センサー層の下の絶縁膜自身を薄膜化するために有効ではあるが、そのために発生する段差は、上部後工程のレジスト形成プロセスの膜厚均一塗布が困難となり、その結果レジストによって形成するトラック幅の寸法精度に悪影響を及ぼす。寸法精度を精度良く形成するためには、段差寸法をレジスト膜厚より十分小さくするか、段差形状位置をレジスト形状形成位置より遠距離に設定する必要があるため、下部二段目の絶縁膜の厚さ及びその形状径を狭小化するには限界があり、十分に小さな半径の二段目の絶縁層を形成することは困難なものであるといえる。
本発明の第1の目的は、絶縁耐性を確保しつつ、上下のシールド間隔を狭めることにある。
また、CPP型構造のヘッドにおいては、磁気抵抗素子の側面に中間絶縁膜が設けられるが、この絶縁性能を維持するためには、少なくとも6〜8nm以上のアルミナ絶縁膜が必要となる。しかし、中間絶縁膜の膜厚を絶縁性能の維持のために厚くすると、自由層の側面に付着する絶縁膜の膜厚も増加してしまい、その結果、磁区制御膜と自由層端部との空隙が増加してしまう。その結果、自由層へ印加される磁区制御磁界が弱くなってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明の第2の目的は、CPP型ヘッドにおいて、磁気抵抗素子の側面に設けられる中間絶縁膜の絶縁特性を向上するとともに、この中間絶縁膜の膜厚を自由層端部で薄くすることにある。
また、CPP型構造のヘッドにおいては、磁気抵抗素子の側面に中間絶縁膜が設けられるが、この絶縁性能を維持するためには、少なくとも6〜8nm以上のアルミナ絶縁膜が必要となる。しかし、中間絶縁膜の膜厚を絶縁性能の維持のために厚くすると、自由層の側面に付着する絶縁膜の膜厚も増加してしまい、その結果、磁区制御膜と自由層端部との空隙が増加してしまう。その結果、自由層へ印加される磁区制御磁界が弱くなってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明の第2の目的は、CPP型ヘッドにおいて、磁気抵抗素子の側面に設けられる中間絶縁膜の絶縁特性を向上するとともに、この中間絶縁膜の膜厚を自由層端部で薄くすることにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
上部シールドと下部シールドと、上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、磁区制御層の上に形成された第1電極膜と、下部シールドと磁気センサ層との間に配置された第1絶縁膜と、第1絶縁膜と前記磁区制御層との間に配置された第2絶縁膜と、第2絶縁膜の上に形成され、浮上面において磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第3絶縁膜と、磁気センサ層と上部シールドとの間に配置された第4絶縁膜とを有する磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、浮上面においてその領域からトラック幅より外れる方向の磁気抵抗センサ層の領域の上に磁区制御層を形成する。
また、上部シールドと下部シールドと、上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、下部シールドと磁区制御層との間に配置された第1絶縁膜と第2絶縁膜と、第2絶縁膜の上に形成され、浮上面において磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第3絶縁膜とを有するCPP型磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、浮上面においてその領域からトラック幅より外れる方向の磁気抵抗センサ層の領域の上に第2絶縁膜を介して磁区制御層が形成され、第1絶縁膜が浮上面において不連続に変化する領域の下の磁気抵抗センサ層の側面からトラック幅より外れた方向に延在する。
磁気抵抗センサ層下の面積を狭小化することにより、絶縁ギャップ膜の膜厚を薄く形成しても、シールド間の間隔を狭めた信頼性の高いヘッドを供給することが可能となる。大電流センス電流を印加したときでも絶縁信頼性が高く,かつ,読み込み信号品質の高い磁気ヘッドを供給可能としたものである。
磁気記録装置に使用される磁気ヘッドは、信号情報を記録する記録ヘッド部と、記録された磁化信号を読み取る再生ヘッド部とから構成されている。電気信号情報は記録ヘッド部で磁化情報に変換され、記録媒体上に磁化情報として記録され、記録された磁化情報は、再生ヘッド部によって電気信号情報に変換され信号処理される。図10を用いて、本発明にかかる磁気ヘッドの概略構成を説明する。スライダとなる基板の上部に再生ヘッドが形成され、再生ヘッドの上部に絶縁体の分離膜27を介して記録ヘッドが形成される。再生ヘッドは、下部磁気シールド膜22と、下部磁気シールド膜22の上部に形成された下部ギャップ膜23と、下部ギャップ膜23の上部に形成された磁気抵抗センサユニット24と、磁気抵抗センサユニット24の両端部で下部ギャップ膜23の上部に形成された磁区制御膜・電極膜Mと、これら各膜の上部に上部ギャップ膜25を介して形成された上部磁気シールド膜26とを有する。記録ヘッドは、下部磁性膜28aと、下部磁性膜28aの浮上面側の端部に形成された下部磁極28bと、磁気ギャップ膜を介して下部磁極28bに対向して形成された上部磁極29bと、上部磁極29bのヨークでありバック・ギャップ部で下部磁性膜28aに接続される上部磁性膜29aと、下部磁性膜28aと上部磁性膜29aの間で絶縁膜の中に形成された導体コイル30とを有する。誘導型磁気記録ヘッド29aの上部は硬質の保護膜(図示せず)で覆われる。
以下、図を用いて本発明の実施例による再生ヘッドの構成について詳細に説明する。
<実施例1>
図1は本実施例にかかわる再生ヘッドを浮上面側から見た図である。図3は本実施例にかかわる再生ヘッドをスライダの端子と平行な面の構成を示した模式図である。
上部シールド19と下部シールド1との間には複数の絶縁膜2,18を介して磁気抵抗センサ層が形成されている。ノイズ信号となる外部からの磁界を遮断するとともに、媒体からの信号磁界が適正に磁気センサー部の自由層7に流入するように、磁気センサーの上部及び下部には強磁性のシールド膜1,19が配置されている。CIP型のGMRヘッドの場合、これらの磁気センサー部(3,4,5,6,7,8)、電極膜(12,14,16)、磁区制御膜部(10、11)は、上部及び下部のシールド膜19,1とは電気絶縁層(2,9,13,15,17,18)を介して電気的に絶縁された構造となっている。磁気抵抗センサ層の下には下部第1絶縁膜2が形成されている。後述するように、本実施例の磁気抵抗センサ層にはいわゆる中間止め構造が用いられているため、磁気抵抗センサ層を構成する積層膜3,4,5,6,7,8を堆積させ、パターニングした後、側面をミーリング処理しても、下部第1絶縁膜2はダメージを受けにくいため、膜厚を薄くすることが可能となり、10nm以下の絶縁膜でも絶縁性を担保することができる。絶縁膜材料としては、アルミナPVD膜、チッカアルミナ、ALDアルミナ、SiO2、アルミナSiO2等が挙げられる。後述するように通常のアルミナ膜よりもSiO2を混入したアルミナ膜の方が絶縁耐圧特性が良好なため、下部第1絶縁膜にはSiO2を混入したアルミナ膜を用いるのが好ましい。
<実施例1>
図1は本実施例にかかわる再生ヘッドを浮上面側から見た図である。図3は本実施例にかかわる再生ヘッドをスライダの端子と平行な面の構成を示した模式図である。
上部シールド19と下部シールド1との間には複数の絶縁膜2,18を介して磁気抵抗センサ層が形成されている。ノイズ信号となる外部からの磁界を遮断するとともに、媒体からの信号磁界が適正に磁気センサー部の自由層7に流入するように、磁気センサーの上部及び下部には強磁性のシールド膜1,19が配置されている。CIP型のGMRヘッドの場合、これらの磁気センサー部(3,4,5,6,7,8)、電極膜(12,14,16)、磁区制御膜部(10、11)は、上部及び下部のシールド膜19,1とは電気絶縁層(2,9,13,15,17,18)を介して電気的に絶縁された構造となっている。磁気抵抗センサ層の下には下部第1絶縁膜2が形成されている。後述するように、本実施例の磁気抵抗センサ層にはいわゆる中間止め構造が用いられているため、磁気抵抗センサ層を構成する積層膜3,4,5,6,7,8を堆積させ、パターニングした後、側面をミーリング処理しても、下部第1絶縁膜2はダメージを受けにくいため、膜厚を薄くすることが可能となり、10nm以下の絶縁膜でも絶縁性を担保することができる。絶縁膜材料としては、アルミナPVD膜、チッカアルミナ、ALDアルミナ、SiO2、アルミナSiO2等が挙げられる。後述するように通常のアルミナ膜よりもSiO2を混入したアルミナ膜の方が絶縁耐圧特性が良好なため、下部第1絶縁膜にはSiO2を混入したアルミナ膜を用いるのが好ましい。
磁気抵抗効果ヘッドの磁気センサー部は、下地層3、磁化方向が固定されている固定層4,5と、非磁性層6、自由層7とによって構成されているおり、その磁気センサー部の抵抗が、外部の磁界の方向によって変化することを利用し磁界情報を読み込む構造となっている。すなわち、自由層7は記録媒体に記録された磁化情報からの入力磁化方向によってその磁化方向を変化させ、固定層4,5との磁化方向との差によって磁気センサー部の抵抗が変化するものであり、この抵抗変化を電気信号に変換し読み取る構造となっている。本実施例におけるGMR磁気抵抗センサー膜は、BSV(Bottom Spin Valve)タイプのもので、自由層7は固定層4,5の上部に配置されているものを使用している。また、本実施例にかかわる磁気センサ層は、トラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、この境界領域の上層では下層に比べトラック幅方向の幅が小さくなっている。不連続に変化する領域は固定層4,5内に存在する。これは、イオンビームエッチング工程にて磁気センサー膜の途中で止めることによって実現される。本構造により、磁区制御膜11と自由層7に対する磁区制御磁界を最適化するとともに、センサ層を構成する積層膜の下面であり下部絶縁膜2の上面までミーリングが行われないため、下部絶縁膜(アルミナ)のイオンビーム照射によるダメージを防止することが可能となる。
下地層3は、固定層4,5の結晶配向を整える層であり、NiFeCr、NiFe等を用いる。固定層4,5は、固定される磁性層5とこれを交換結合磁界により固定する反強磁性層4を有する。反強磁性層4がなくても、固定できれば固定される磁性層5だけで構成される場合もある。固定される磁性層5は、単層のコバルト鉄(CoFe)層、2層のコバルト鉄(CoFe)層間にルテニウム(Ru)等の中間層が配置され、反強磁性結合された積層フェリ構造等によって構成される。反強磁性層4は白金マンガン(PtMn)、イリジウムマンガン(IrMn)、イリジウムマンガンクロム(IrMnCr)等を用いて形成される。不連続となる領域は反強磁性層4内にあることが自由層7の磁区制御を行う上で望ましい。
外部磁界が印加していないときの自由層7の磁化方向を制御する目的から自由層7端部には、磁区制御層10、11が配置されている。磁区制御層は磁区制御膜の下に形成された下地膜10と磁区制御膜11とを具備する。下地膜は、Ni系アモルファス合金膜、Co系アモルファス合金膜上に形成したCr膜もしくはCr合金膜、等が用いられ、上層の磁区制御膜11の積層時の配向を整える働きを行う。自由層7の磁区制御の働きを行う磁区制御膜はコバルトクロム白金(CoCrPt)等で形成される。磁区制御層10、11及びその上に形成される第一電極膜12は、磁気抵抗膜に中間止め構造が採用されることにより、GMR磁気センサーの自由層7端部に配置されている。
磁区制御層10、11は、磁気抵抗センサ層内の不連続な境界の下層の上面及びセンサ外端部絶縁膜9の上に形成されている。センサ後端部絶縁膜9を下部第1絶縁膜2と磁区制御層10、11との間に形成することにより、磁気抵抗センサ層よりトラック幅方向に外れた領域でも磁区制御層10、11と下部シールド1との間の最小絶縁膜厚を確保することができ、絶縁耐圧に良好であるとともに、シールド間に形成される膜を平坦化することにより、シールド間の距離を縮めることが可能となる。すなわち、磁気抵抗センサ層10,11と下部シールド1との間の下部絶縁膜2と、下部シールド1との間に絶縁膜をセンサ層より外れた領域で形成する2段保護膜構造よりも平坦化でき、シールド間の間隔を低減することができる。
下地層3は、固定層4,5の結晶配向を整える層であり、NiFeCr、NiFe等を用いる。固定層4,5は、固定される磁性層5とこれを交換結合磁界により固定する反強磁性層4を有する。反強磁性層4がなくても、固定できれば固定される磁性層5だけで構成される場合もある。固定される磁性層5は、単層のコバルト鉄(CoFe)層、2層のコバルト鉄(CoFe)層間にルテニウム(Ru)等の中間層が配置され、反強磁性結合された積層フェリ構造等によって構成される。反強磁性層4は白金マンガン(PtMn)、イリジウムマンガン(IrMn)、イリジウムマンガンクロム(IrMnCr)等を用いて形成される。不連続となる領域は反強磁性層4内にあることが自由層7の磁区制御を行う上で望ましい。
外部磁界が印加していないときの自由層7の磁化方向を制御する目的から自由層7端部には、磁区制御層10、11が配置されている。磁区制御層は磁区制御膜の下に形成された下地膜10と磁区制御膜11とを具備する。下地膜は、Ni系アモルファス合金膜、Co系アモルファス合金膜上に形成したCr膜もしくはCr合金膜、等が用いられ、上層の磁区制御膜11の積層時の配向を整える働きを行う。自由層7の磁区制御の働きを行う磁区制御膜はコバルトクロム白金(CoCrPt)等で形成される。磁区制御層10、11及びその上に形成される第一電極膜12は、磁気抵抗膜に中間止め構造が採用されることにより、GMR磁気センサーの自由層7端部に配置されている。
磁区制御層10、11は、磁気抵抗センサ層内の不連続な境界の下層の上面及びセンサ外端部絶縁膜9の上に形成されている。センサ後端部絶縁膜9を下部第1絶縁膜2と磁区制御層10、11との間に形成することにより、磁気抵抗センサ層よりトラック幅方向に外れた領域でも磁区制御層10、11と下部シールド1との間の最小絶縁膜厚を確保することができ、絶縁耐圧に良好であるとともに、シールド間に形成される膜を平坦化することにより、シールド間の距離を縮めることが可能となる。すなわち、磁気抵抗センサ層10,11と下部シールド1との間の下部絶縁膜2と、下部シールド1との間に絶縁膜をセンサ層より外れた領域で形成する2段保護膜構造よりも平坦化でき、シールド間の間隔を低減することができる。
磁気シールドの間隔は、磁気センサー部の膜厚とその上下に配置された電気絶縁膜の膜厚、及び上部磁気シールド膜のシード膜等の和によって決定される。磁気センサー部及びその端部に配置された磁区制御層10、11及び電極膜12は、上下に配置された磁気シールド膜と電気絶縁膜によって、電気的に絶縁された構造となっている。磁気センサー部と電極膜には、抵抗変化を検地するために電圧が印加され電流が流される。その為、電気絶縁特性が不十分な場合、ノイズ信号となるとともに、信頼性が低下することとなるが、本実施例では、センサ後外部絶縁膜9を下部第1絶縁膜2と磁区制御下地層10との間に形成することにより、磁気抵抗センサ層よりトラック幅方向に外れた領域でも磁区制御層の上部に形成される電極層と下部シールド1との間の絶縁を確保することができ、磁気センサーの上下に配置された磁気シールドの間隔Gsを狭小化することにより、記録媒体からの外部磁界を効率よく磁気センサー部に流入させることができる。磁気シールドの間隔Gsは、磁化情報の間隔と同等程度の間隔が必要とされるが、本実施例により最適なシールド間隔を実現することができる。
磁気センサー部の自由層7端部には、磁気センサー部に電流を流す電極膜が配置されている。浮上面に露出した部分で電極膜は第1電極膜12と第2電極膜14と二層化され、磁気センサー自由層7端部近傍での電極膜を薄膜化することにより上部形状を平坦化することが可能となる。第1電極膜12と第2電極膜14はAu、Rh等の低抵抗材料で形成される。下層の第1電極膜12は磁区制御層10,11と、同じマスクでパターニングされ、浮上面においてトラック幅より外れる方向の側面よりトラック幅より外れる方向に下部第3絶縁膜13が形成されている。上層の第2電極膜14は、下部第3絶縁膜13形成後に形成される。図2に示すように第2電極膜14は、トラック幅方向においては、第1電極膜12の形成される領域より小さい幅で形成されているが、ハイト方向には第1電極膜12より長く延在する。二段目の第2電極膜14を形成した後にその上部に追加した第一保護絶縁膜15が形成されている。上層の第2電極膜14は浮上面より後退した領域で第3電極膜16と接続され、素子のハイト方向(奥行き方向)に延在する第3電極膜16により、スライダの再生端子との接続をとるための引き上げ線と接続される。上部電極膜14,16を二層化することにより、磁気センサー上の絶縁膜を薄膜化することが可能となる。上部電極膜の絶縁膜は、アルミナ混入型のSiO2膜とすることで耐圧特性を改良することが出来る。この構造を採用することにより、上部保護ギャップ膜(上部第3保護絶縁膜)18の膜厚を10nm以下に薄膜化することが可能となる。上部保護膜を薄膜化するために、上部電極膜を二層化するとともに、二段目の電極膜14に上部保護絶縁膜15を追加している。これは以下の理由による。低抵抗化の為には電極膜を厚く設定しなければならないが、その際電極端部の傾斜角が増加する。一般に傾斜角が増加するとその斜面の保護絶縁膜は薄くなってしまい絶縁耐圧が低下する。それを避ける目的から、上部保護ギャップ層18は厚く設定しなければならないが、本発明では第二電極膜14への保護絶縁膜15を追加することにより上部保護ギャップ層18の膜厚を抑えている。
本構造を採用することにより、図1に示すように磁気センサーの固定層4,5下部、及び、磁区制御層10,11及び第一電極層12下部、及び第二もしくは第三電極膜14,16の下部に形成されている第一、第二、第三保護膜各々の面積と膜厚を、(Sp,tp), (Shb,thb), (Sue,tue)とした場合、Sp<Shb<Sue であり、かつtp<thb<tue となるように下部電気絶縁保護膜を三層以上の層構造として構成できる。磁気センサー層の下面の面積Spをできる限り小さく構成することにより、下部第一保護膜2の膜厚tpを最小化する事ができる。この下部第一保護膜膜厚tpを最小化することが可能となり、リードヘッドのシールド間隔Gsが狭小化可能となりリードヘッドの高周波時の読み込み特性が改善できる。尚、磁気センサーの固定層4,5下部、及び、磁区制御層10,11及び第一電極層12下部、及び第二もしくは第三電極膜14,16の下部に形成されている下部第一、第二、第三保護膜各々の面積とは、固定層の下面、磁区制御層の下面、及び第二又は第三電極膜の下面が下の絶縁膜と接する面積をいい、膜厚とは、下部シールド1との最小距離をさす。
次に、本構造の製造方法について図7の工程フローを用いて説明する。本実施例の特徴を説明するために、図2及び図4に示すような磁気抵抗センサ層の下部第1絶縁膜2と下部シールド1との間に下部第2絶縁膜21を設けた構成の製造方法と比較して説明する。図2及び図4は比較例となるヘッドの浮上面から見た図とスライダの端子面と平行な面の模式図を示す。下部絶縁膜は、下部第一絶縁ギャップ膜2及び下部第二絶縁膜21によって構成され、下部第一絶縁ギャップ膜は単膜で形成され、下部第二絶縁膜21をフォトレジストプロセスによって、図4に示すように半円形の形状に設定してある。その半円形のトラック幅は6ミクロンに設定した。絶縁歩留まりの下部第一絶縁ギャップ膜2の膜厚依存を求めるために、下部第二絶縁膜21の膜厚は膜厚の影響を受けないように100nmの厚めに設定した。下部第一絶縁ギャップ膜2は電子サイクロトン共鳴法(Electron Cyclotron Resonance法)で形成されたSiO2-Al2O3膜であり、下部第二絶縁膜21としては物理堆積法(Physical Vapor Deposition法)により形成されたAl2O3膜である。比較例の製造工程を図7の右側に、本実施例の磁気ヘッドの製造工程を左側に示す。右側の比較例のリードヘッド工程では、下部シールド1形成、下部第一絶縁膜2形成、下部第二絶縁膜21形成、磁気センサー膜3,4,5,6,7,8形成、磁気センサー部の外端部形状形成(図4、4,5斜線部)及び磁気センサー外端部絶縁膜(図4斜線部の後方外端部に形成される絶縁膜)形成、磁気センサーのトラック幅形成、磁区制御層10,11・上部第一電極膜12形成、上部第二電極膜14形成、上部第一保護膜15形成、上部第三電極膜形成、上部第二保護膜17形成、上部第三保護膜18形成、上部シールド19形成の工程が順次行われる。比較例において、下部第一絶縁ギャップ層2の膜厚を薄膜化するために、下部第二絶縁層2のトラック幅を狭小化し、下部第一絶縁層2の面積を狭小化することにより絶縁耐圧特性を改善することも考えられるが、下部第二絶縁膜2のトラック幅方向の幅131を狭小化すると後工程でその上部に形成されることとなる、センサー膜のトラック幅71形成・磁区制御10,11・第一電極膜12形成のトラック幅精度、第二電極膜形成時の位置決め精度、上部第二保護膜トラック幅171の制御等の問題が発生するため、本実施例のように下部第1絶縁膜2は全面的に下部シールド1に堆積させ、磁気抵抗センサ層の側面に絶縁膜9を形成することが望ましいと言える。
一方、本実施例では下部絶縁層の形成を多段階に分割し、プロセス工程順に形成してゆくとともに、パターンニングする順に、磁気センサー膜、磁区制御層10、11・第一電極膜12、第二電極膜14と面積を増加するようにした。すなわち、下部第一絶縁ギャップ層2形成・磁気抵抗センサ層(3,4,5,6,7,8)形成を行った後、面積を狭小化した磁気センサー端部形成・外端部絶縁膜9形成を行い、その後、磁区制御層10、11・第一電極膜12形のパターン形状の外端に下部第二絶縁膜13形成し、その後第二電極膜14及び第三電極膜16を形成していく。下部シールド1形成、下部第一絶縁膜2形成、磁気センサー膜形成、磁気センサー部の後端部形状形成及び保護膜9形成、磁気センサーのトラック幅71形成、磁区制御層10、11・上部第一電極膜12形成、下部第二絶縁膜13形成、上部第二電極膜14形成、上部第一保護絶縁膜15形成、第三電極膜16形成、上部第二保護絶縁膜17形成、上部第三保護絶縁膜18形成、上部シールド19形成と、プロセス工程順を変更し、プロセス工程を合理化することにより、いわゆる中間止めを採用したヘッド構造に最適な下部絶縁膜構造を提供することが可能となる。
プロセス工程順を変更することにより、磁気センサー下部の絶縁膜は下部第一絶縁膜2となり、かつ、磁区制御層10、11及び第一電極膜12の下部保護膜は、下部第一絶縁膜2とセンサー外端部絶縁膜9との積層保護膜となり、かつ、第二電極膜14及び第三電極膜16の下部絶縁膜は、下部第一絶縁膜2とセンサー外端部保護膜9と下部第三絶縁膜13との積層保護膜となり、下部絶縁膜膜厚を面積に従い暫時増加できる。またマスクパターン寸法を制御し面積の最適化が可能である。下部第三絶縁膜13は、磁区制御層10、11と第一電極膜12の積層した膜厚と略同じ膜厚に設定し、次工程である第二電極膜14形成及び第三電極膜16形成時には可能な限り平坦な基盤面を現出するように構成すると良い。以下、各工程を詳細に説明する。
まず、アルチックの基板上にめっき法によりNiFe等の磁性膜からなる下部シールド1を形成する。その後、下部第1絶縁ギャップ膜2を堆積させる。10nm以下に形成することにより、平坦性とシールド間の間隔を狭めることができる。次に、IrMn/CoFe/Ru/CoFe等の固定層4,5、Cu等の非磁性層6、CoFeの自由層7、TaO2等のキャップ層8をスパッタ法により順次積層し、マスクでトラック幅方向とハイト方向とを順次パターニングする。その後、パターニングにより除去された領域を埋めるように、磁気抵抗センサ層の周りを、磁気抵抗センサ層の高さと同じとなるように下部第1絶縁膜2上にセンサ外端部絶縁膜9を堆積させる。この際、磁気センサー膜とセンサー後端部保護膜9の膜厚を出来る限り同じとし、トラック幅71形成時には平坦な基板面が現出するようにする。各工程が平坦な基板面に施工されることとなり、レジストプロセスの位置精度や制御性が向上する。センサ端部絶縁膜9はAl2O3-SiO2混成膜などミーリングレートが磁気抵抗効果センサ層を形成する膜の組成よりも比較的遅いものを選択する方がよい。これは、次の磁気抵抗センサ層のトラック幅を形成する工程において、積層されパターニングされた磁気抵抗センサ層にレジストを積層させた状態でArガスを用いてイオンミーリングを行うためである。この際に、ミーリングは固定層4,5の途中で止まるように制御するが、磁気抵抗センサ層の周りに堆積されたセンサ端部絶縁膜9もその高さのところまで削られる。ミーリングレートがセンサ外端部絶縁膜9の方が磁気抵抗効果センサ層内の材料よりも早い場合に、センサ外端部絶縁膜9が低くなるような段差が生じるため、センサ外端部絶縁膜9はSiO2などミーリングレートが遅いものが好ましい。ミーリングによるトラック幅71形成で、磁気抵抗センサ層の側面に45度程度の傾斜が形成される。イオンミーリングを行う前に、センサ外端部保護膜9を形成することにより、センサ外端部絶縁膜9の膜厚を平坦に形成することができる。
磁気抵抗センサ層の上のレジストを残したまま、磁区制御層10,11、第1電極膜12を堆積させ、浮上面におけるトラック幅方向の両端をパターニングにより除去する。磁区制御層10,11は、下地膜10をスパッタした後、磁区制御膜11をスパッタすることにより形成される。パターニングにより磁区制御層10、11、下部電極膜12の両端が定まってから、レジストをリフトオフ法により除去する。レジスト除去後、センサ外端部保護膜9の上に形成され、浮上面において磁区制御層10,11、下部電極膜12の側面からトラック幅71より外れる方向に延在する下部第3絶縁膜13を堆積させる。磁区制御層10、11及び第一電極膜12と合わせた膜厚と下部第3絶縁膜層13の膜厚を出来る限り同じとし、第二電極膜14形成時には平坦な基板面が現出するように構成する。次に第2電極膜14を第1電極膜12の上に形成する。この際に、浮上面において、第2電極膜14のトラック幅方向の外側幅は第1電極膜12のトラック幅方向の外側幅より小さくなるようにパターニングされる。浮上面から所定のハイト方向部分まで上部第1保護絶縁膜15を形成する。これにより、第2電極膜の浮上面部分での上部シールド19との絶縁が担保される。上部第1保護絶縁膜15形成後、第3電極膜16が浮上面より後退して形成される。上部第1絶縁膜15はハイト方向では途中までしか形成されていないため、第2電極膜と第3電極膜は電気的及び物理的接続を取ることができる。第3電極膜16形成後、上部第2保護絶縁膜17を第3電極膜16を覆うように形成し、その後全面的に上部第2電極膜14よりも薄く上部第3保護絶縁膜18を堆積させる。最後に上部シールド19をめっき法により形成して、再生部の工程が完成する。上部シールド19を形成後、主磁極と副磁極、コイルを具備する記録部が形成され、アルミナの保護膜が形成され、ウエハがダイシングされ、最終的な浮上面が研磨により決定される。浮上面に溝が彫られることにより、スライダのパッドが形成され、磁気ヘッドが完成する。
磁気センサー部の自由層7端部には、磁気センサー部に電流を流す電極膜が配置されている。浮上面に露出した部分で電極膜は第1電極膜12と第2電極膜14と二層化され、磁気センサー自由層7端部近傍での電極膜を薄膜化することにより上部形状を平坦化することが可能となる。第1電極膜12と第2電極膜14はAu、Rh等の低抵抗材料で形成される。下層の第1電極膜12は磁区制御層10,11と、同じマスクでパターニングされ、浮上面においてトラック幅より外れる方向の側面よりトラック幅より外れる方向に下部第3絶縁膜13が形成されている。上層の第2電極膜14は、下部第3絶縁膜13形成後に形成される。図2に示すように第2電極膜14は、トラック幅方向においては、第1電極膜12の形成される領域より小さい幅で形成されているが、ハイト方向には第1電極膜12より長く延在する。二段目の第2電極膜14を形成した後にその上部に追加した第一保護絶縁膜15が形成されている。上層の第2電極膜14は浮上面より後退した領域で第3電極膜16と接続され、素子のハイト方向(奥行き方向)に延在する第3電極膜16により、スライダの再生端子との接続をとるための引き上げ線と接続される。上部電極膜14,16を二層化することにより、磁気センサー上の絶縁膜を薄膜化することが可能となる。上部電極膜の絶縁膜は、アルミナ混入型のSiO2膜とすることで耐圧特性を改良することが出来る。この構造を採用することにより、上部保護ギャップ膜(上部第3保護絶縁膜)18の膜厚を10nm以下に薄膜化することが可能となる。上部保護膜を薄膜化するために、上部電極膜を二層化するとともに、二段目の電極膜14に上部保護絶縁膜15を追加している。これは以下の理由による。低抵抗化の為には電極膜を厚く設定しなければならないが、その際電極端部の傾斜角が増加する。一般に傾斜角が増加するとその斜面の保護絶縁膜は薄くなってしまい絶縁耐圧が低下する。それを避ける目的から、上部保護ギャップ層18は厚く設定しなければならないが、本発明では第二電極膜14への保護絶縁膜15を追加することにより上部保護ギャップ層18の膜厚を抑えている。
本構造を採用することにより、図1に示すように磁気センサーの固定層4,5下部、及び、磁区制御層10,11及び第一電極層12下部、及び第二もしくは第三電極膜14,16の下部に形成されている第一、第二、第三保護膜各々の面積と膜厚を、(Sp,tp), (Shb,thb), (Sue,tue)とした場合、Sp<Shb<Sue であり、かつtp<thb<tue となるように下部電気絶縁保護膜を三層以上の層構造として構成できる。磁気センサー層の下面の面積Spをできる限り小さく構成することにより、下部第一保護膜2の膜厚tpを最小化する事ができる。この下部第一保護膜膜厚tpを最小化することが可能となり、リードヘッドのシールド間隔Gsが狭小化可能となりリードヘッドの高周波時の読み込み特性が改善できる。尚、磁気センサーの固定層4,5下部、及び、磁区制御層10,11及び第一電極層12下部、及び第二もしくは第三電極膜14,16の下部に形成されている下部第一、第二、第三保護膜各々の面積とは、固定層の下面、磁区制御層の下面、及び第二又は第三電極膜の下面が下の絶縁膜と接する面積をいい、膜厚とは、下部シールド1との最小距離をさす。
次に、本構造の製造方法について図7の工程フローを用いて説明する。本実施例の特徴を説明するために、図2及び図4に示すような磁気抵抗センサ層の下部第1絶縁膜2と下部シールド1との間に下部第2絶縁膜21を設けた構成の製造方法と比較して説明する。図2及び図4は比較例となるヘッドの浮上面から見た図とスライダの端子面と平行な面の模式図を示す。下部絶縁膜は、下部第一絶縁ギャップ膜2及び下部第二絶縁膜21によって構成され、下部第一絶縁ギャップ膜は単膜で形成され、下部第二絶縁膜21をフォトレジストプロセスによって、図4に示すように半円形の形状に設定してある。その半円形のトラック幅は6ミクロンに設定した。絶縁歩留まりの下部第一絶縁ギャップ膜2の膜厚依存を求めるために、下部第二絶縁膜21の膜厚は膜厚の影響を受けないように100nmの厚めに設定した。下部第一絶縁ギャップ膜2は電子サイクロトン共鳴法(Electron Cyclotron Resonance法)で形成されたSiO2-Al2O3膜であり、下部第二絶縁膜21としては物理堆積法(Physical Vapor Deposition法)により形成されたAl2O3膜である。比較例の製造工程を図7の右側に、本実施例の磁気ヘッドの製造工程を左側に示す。右側の比較例のリードヘッド工程では、下部シールド1形成、下部第一絶縁膜2形成、下部第二絶縁膜21形成、磁気センサー膜3,4,5,6,7,8形成、磁気センサー部の外端部形状形成(図4、4,5斜線部)及び磁気センサー外端部絶縁膜(図4斜線部の後方外端部に形成される絶縁膜)形成、磁気センサーのトラック幅形成、磁区制御層10,11・上部第一電極膜12形成、上部第二電極膜14形成、上部第一保護膜15形成、上部第三電極膜形成、上部第二保護膜17形成、上部第三保護膜18形成、上部シールド19形成の工程が順次行われる。比較例において、下部第一絶縁ギャップ層2の膜厚を薄膜化するために、下部第二絶縁層2のトラック幅を狭小化し、下部第一絶縁層2の面積を狭小化することにより絶縁耐圧特性を改善することも考えられるが、下部第二絶縁膜2のトラック幅方向の幅131を狭小化すると後工程でその上部に形成されることとなる、センサー膜のトラック幅71形成・磁区制御10,11・第一電極膜12形成のトラック幅精度、第二電極膜形成時の位置決め精度、上部第二保護膜トラック幅171の制御等の問題が発生するため、本実施例のように下部第1絶縁膜2は全面的に下部シールド1に堆積させ、磁気抵抗センサ層の側面に絶縁膜9を形成することが望ましいと言える。
一方、本実施例では下部絶縁層の形成を多段階に分割し、プロセス工程順に形成してゆくとともに、パターンニングする順に、磁気センサー膜、磁区制御層10、11・第一電極膜12、第二電極膜14と面積を増加するようにした。すなわち、下部第一絶縁ギャップ層2形成・磁気抵抗センサ層(3,4,5,6,7,8)形成を行った後、面積を狭小化した磁気センサー端部形成・外端部絶縁膜9形成を行い、その後、磁区制御層10、11・第一電極膜12形のパターン形状の外端に下部第二絶縁膜13形成し、その後第二電極膜14及び第三電極膜16を形成していく。下部シールド1形成、下部第一絶縁膜2形成、磁気センサー膜形成、磁気センサー部の後端部形状形成及び保護膜9形成、磁気センサーのトラック幅71形成、磁区制御層10、11・上部第一電極膜12形成、下部第二絶縁膜13形成、上部第二電極膜14形成、上部第一保護絶縁膜15形成、第三電極膜16形成、上部第二保護絶縁膜17形成、上部第三保護絶縁膜18形成、上部シールド19形成と、プロセス工程順を変更し、プロセス工程を合理化することにより、いわゆる中間止めを採用したヘッド構造に最適な下部絶縁膜構造を提供することが可能となる。
プロセス工程順を変更することにより、磁気センサー下部の絶縁膜は下部第一絶縁膜2となり、かつ、磁区制御層10、11及び第一電極膜12の下部保護膜は、下部第一絶縁膜2とセンサー外端部絶縁膜9との積層保護膜となり、かつ、第二電極膜14及び第三電極膜16の下部絶縁膜は、下部第一絶縁膜2とセンサー外端部保護膜9と下部第三絶縁膜13との積層保護膜となり、下部絶縁膜膜厚を面積に従い暫時増加できる。またマスクパターン寸法を制御し面積の最適化が可能である。下部第三絶縁膜13は、磁区制御層10、11と第一電極膜12の積層した膜厚と略同じ膜厚に設定し、次工程である第二電極膜14形成及び第三電極膜16形成時には可能な限り平坦な基盤面を現出するように構成すると良い。以下、各工程を詳細に説明する。
まず、アルチックの基板上にめっき法によりNiFe等の磁性膜からなる下部シールド1を形成する。その後、下部第1絶縁ギャップ膜2を堆積させる。10nm以下に形成することにより、平坦性とシールド間の間隔を狭めることができる。次に、IrMn/CoFe/Ru/CoFe等の固定層4,5、Cu等の非磁性層6、CoFeの自由層7、TaO2等のキャップ層8をスパッタ法により順次積層し、マスクでトラック幅方向とハイト方向とを順次パターニングする。その後、パターニングにより除去された領域を埋めるように、磁気抵抗センサ層の周りを、磁気抵抗センサ層の高さと同じとなるように下部第1絶縁膜2上にセンサ外端部絶縁膜9を堆積させる。この際、磁気センサー膜とセンサー後端部保護膜9の膜厚を出来る限り同じとし、トラック幅71形成時には平坦な基板面が現出するようにする。各工程が平坦な基板面に施工されることとなり、レジストプロセスの位置精度や制御性が向上する。センサ端部絶縁膜9はAl2O3-SiO2混成膜などミーリングレートが磁気抵抗効果センサ層を形成する膜の組成よりも比較的遅いものを選択する方がよい。これは、次の磁気抵抗センサ層のトラック幅を形成する工程において、積層されパターニングされた磁気抵抗センサ層にレジストを積層させた状態でArガスを用いてイオンミーリングを行うためである。この際に、ミーリングは固定層4,5の途中で止まるように制御するが、磁気抵抗センサ層の周りに堆積されたセンサ端部絶縁膜9もその高さのところまで削られる。ミーリングレートがセンサ外端部絶縁膜9の方が磁気抵抗効果センサ層内の材料よりも早い場合に、センサ外端部絶縁膜9が低くなるような段差が生じるため、センサ外端部絶縁膜9はSiO2などミーリングレートが遅いものが好ましい。ミーリングによるトラック幅71形成で、磁気抵抗センサ層の側面に45度程度の傾斜が形成される。イオンミーリングを行う前に、センサ外端部保護膜9を形成することにより、センサ外端部絶縁膜9の膜厚を平坦に形成することができる。
磁気抵抗センサ層の上のレジストを残したまま、磁区制御層10,11、第1電極膜12を堆積させ、浮上面におけるトラック幅方向の両端をパターニングにより除去する。磁区制御層10,11は、下地膜10をスパッタした後、磁区制御膜11をスパッタすることにより形成される。パターニングにより磁区制御層10、11、下部電極膜12の両端が定まってから、レジストをリフトオフ法により除去する。レジスト除去後、センサ外端部保護膜9の上に形成され、浮上面において磁区制御層10,11、下部電極膜12の側面からトラック幅71より外れる方向に延在する下部第3絶縁膜13を堆積させる。磁区制御層10、11及び第一電極膜12と合わせた膜厚と下部第3絶縁膜層13の膜厚を出来る限り同じとし、第二電極膜14形成時には平坦な基板面が現出するように構成する。次に第2電極膜14を第1電極膜12の上に形成する。この際に、浮上面において、第2電極膜14のトラック幅方向の外側幅は第1電極膜12のトラック幅方向の外側幅より小さくなるようにパターニングされる。浮上面から所定のハイト方向部分まで上部第1保護絶縁膜15を形成する。これにより、第2電極膜の浮上面部分での上部シールド19との絶縁が担保される。上部第1保護絶縁膜15形成後、第3電極膜16が浮上面より後退して形成される。上部第1絶縁膜15はハイト方向では途中までしか形成されていないため、第2電極膜と第3電極膜は電気的及び物理的接続を取ることができる。第3電極膜16形成後、上部第2保護絶縁膜17を第3電極膜16を覆うように形成し、その後全面的に上部第2電極膜14よりも薄く上部第3保護絶縁膜18を堆積させる。最後に上部シールド19をめっき法により形成して、再生部の工程が完成する。上部シールド19を形成後、主磁極と副磁極、コイルを具備する記録部が形成され、アルミナの保護膜が形成され、ウエハがダイシングされ、最終的な浮上面が研磨により決定される。浮上面に溝が彫られることにより、スライダのパッドが形成され、磁気ヘッドが完成する。
この工程とパターン変更によって、第二電極膜14及び第三電極膜16の下部絶縁膜は、下部第一絶縁ギャップ層2及び磁気センサー外端部絶縁膜9及び下部第二絶縁膜13の三層積層膜となり、磁区制御層10、11及び第一電極膜12の下部絶縁膜は、下部第一絶縁ギャップ層2及び磁気センサー後端部絶縁膜9の二層積層膜となり、磁気センサー膜の下部絶縁膜2は、下部絶縁ギャップ膜のみの単層膜となる。この構造を採用することにより、磁気センサー下部の面積は狭小化可能となり、さらに、下部絶縁ギャップ膜の薄膜化が可能となる。
また、本実施例による製法により、各層の平坦性が確保され、メカノケミカルポリシュによってレジストを剥離するプロセスを適用するのに最適な、基板プロセスを供給することも可能となる。
また、本実施例による製法により、各層の平坦性が確保され、メカノケミカルポリシュによってレジストを剥離するプロセスを適用するのに最適な、基板プロセスを供給することも可能となる。
次に、本実施例による効果を比較例との比較で示す。本実施例及び比較例のヘッドにおける、絶縁耐圧歩留まりの下部第一絶縁ギャップ膜の膜厚(Tp)依存性の結果を図5及び図6に示す。横軸は下部ギャップ膜の膜厚Tp(nm)、縦軸は耐圧に対する歩留りYVP(%)を示す。Aは、比較例として反強磁性層4にミーリングしていない部分を残す、いわゆる中間止め構造を採用したものの膜厚に対する耐圧歩留まりを示したものである。固定層トラック幅51は25ミクロンのものである。B,Cは、本発明の実施例において固定層トラック幅51が、夫々1.2ミクロンと0.6ミクロンの場合を示したものである。A,B,Cとも使用した下部第一絶縁ギャップ膜材料は、ECR成膜手法によって形成した高SiO2-Al2O3膜である。比較例D及びEは、磁区制御膜中間止め構造ではなく、トラック幅を形成する際に下部第一絶縁ギャップ膜の深さ2nmまでイオンミルを行ったもので、DとEの違いは、D条件、E条件各々の下部第一絶縁ギャップ膜の低SiO2−Al2O3薄膜及び高SiO2−Al2O3薄膜で、SiO2の濃度が異なるものである。DとEの固定層トラック幅51はそれぞれ、0.01ミクロンである。いずれの例においても、固定層4,5はPtMn反強磁性とCoFe強磁性膜の組み合わせのものを使用し、磁区制御層10,11及び電極膜及び上部保護膜は、実施例に準拠したものを使用し、電極膜及び上部保護絶縁膜は夫夫3層構造のものを使用して比較した。また、絶縁耐圧歩留まりの下部第一絶縁ギャップ膜膜厚依存性を調べる目的から上部第三保護ギャップ膜18は厚く設定し20nmに設定した。図6より、耐圧歩留まりを10%以下に抑えようとしたとき、比較例A,D,E各々では、下部ギャップ層絶縁膜厚が10nm、17nm、19nm以上必要であることが判る。下部第一絶縁ギャップ膜に高SiO2−Al2O3薄膜を使用することにより2nm下部絶縁ギャップ膜を薄膜化できる。また、いわゆる磁区制御中間止め構造を採用することにより、それを用いない構造のものより7nm下部絶縁ギャップ膜を薄膜化可能となる。イオンミーリング工程によってトラック幅を形成する際に、下部第一絶縁膜がイオンミルされ膜厚が(2nm)減少するためと、イオン照射により下部第一絶縁膜ダメージを受け、絶縁性能が劣化するためにD,E、では膜厚が上昇してしまうからである。図6より、イオン照射によるダメージ層損失膜厚は約5nm存在すると推定される。A、B、C、D,Eの磁気センサー後端部高さは、0.1ミクロンで同一である。図5に示された結果で、耐圧歩留まりを10%以下に抑えようとしたとき、A,B,C各々で、下部SiO2-Al2O3ギャップ層絶縁膜厚は10nm、7.5nm、6nm以上必要であることが判る。この結果は、磁気センサー下部の面積を小さくすることにより、下部第一絶縁ギャップ膜の膜厚を薄膜化することが可能であることを示すものである。本構造は、レジストプロセスを改良することにより、磁気センサー下部の面積をもっと小さくすることが出来、下部第一絶縁ギャップ膜の膜厚をさらに薄膜化することが可能であるといえる。
本実施例により、下部絶縁膜を三層構造にすることができるとともに、各層の膜厚に対応した面積コントロールが可能となった。すなわち、最小の膜厚の絶縁層に対しては最小の面積に設定することが可能となる。このことは、下部絶縁層によって生成する電気容量Capacitanceを最小化することが可能となり、高周波読み取りに適切なリードヘッドになる。
本実施例の構造を用いる事で、磁区制御層10,11及び第一電極膜12が中間止め構造を採用した磁気抵抗効果センサー膜の下部絶縁膜構造を最適化することができる。すなわち、本発明構造を採用することにより、磁気抵抗効果センサー膜の下面の面積を、磁気センサ層より外れた下部ギャップの下で絶縁膜を形成する工程をふやさずに、最小化することが可能となるとともに、下部絶縁ギャップ膜の膜厚を最小化する事が可能となる。その結果、絶縁耐圧特性を維持しながらシールド間距離Gsを狭小化可能となり、高記録密度時にリード特性を改善することができる。
<実施例2>
本実施例では、CPP型磁気ヘッド(TMR/GMR)における好適な形態を示す。CIP型ヘッドは、電流がGMRセンサー部のトラック幅端部から他方のトラック幅端部へ流れるのに対し、CPP型のリードヘッドは、電流が固定層から自由層へ(、もしくは自由層から固定層へ)トラック幅方向に対して垂直方向に流れる構造を持っている。従って、CIP型ヘッドと比較した場合、CPP型ヘッドはその電極膜構造と絶縁膜層構造が大きく異なっている。すなわち、CPP型ヘッドの電極膜は、磁気センサー膜の上部下部に配置され、下部シールド膜及び上部シールド膜・磁区制御層上部に形成されたキャップ電極膜夫々が電極膜の役割を併用する構造となっている。また、CPP型ヘッドの絶縁膜構造は、CIP型ヘッドとは異なり、センサー下部絶縁膜及び上部保護絶縁膜をもたず、磁区制御膜下部に中間絶縁層が挿入された構造となっている。
図8に浮上面からみたCPP/TMR型の構造ヘッドを例にした図を示す。抵抗変化を検知する電流を自由層207及び固定層203,204の積層膜面に垂直に流すように、電極層201、215は磁気センサーの上下に配置された構造となっている。ここでは、磁気センサーの上下には位置される磁気シールド膜を電極と併用する構造を採用する。これらの磁気センサーの周辺には電気絶縁層が配置され電極間の絶縁特性が良好に維持する構造となっている。
本実施例の構造を用いる事で、磁区制御層10,11及び第一電極膜12が中間止め構造を採用した磁気抵抗効果センサー膜の下部絶縁膜構造を最適化することができる。すなわち、本発明構造を採用することにより、磁気抵抗効果センサー膜の下面の面積を、磁気センサ層より外れた下部ギャップの下で絶縁膜を形成する工程をふやさずに、最小化することが可能となるとともに、下部絶縁ギャップ膜の膜厚を最小化する事が可能となる。その結果、絶縁耐圧特性を維持しながらシールド間距離Gsを狭小化可能となり、高記録密度時にリード特性を改善することができる。
<実施例2>
本実施例では、CPP型磁気ヘッド(TMR/GMR)における好適な形態を示す。CIP型ヘッドは、電流がGMRセンサー部のトラック幅端部から他方のトラック幅端部へ流れるのに対し、CPP型のリードヘッドは、電流が固定層から自由層へ(、もしくは自由層から固定層へ)トラック幅方向に対して垂直方向に流れる構造を持っている。従って、CIP型ヘッドと比較した場合、CPP型ヘッドはその電極膜構造と絶縁膜層構造が大きく異なっている。すなわち、CPP型ヘッドの電極膜は、磁気センサー膜の上部下部に配置され、下部シールド膜及び上部シールド膜・磁区制御層上部に形成されたキャップ電極膜夫々が電極膜の役割を併用する構造となっている。また、CPP型ヘッドの絶縁膜構造は、CIP型ヘッドとは異なり、センサー下部絶縁膜及び上部保護絶縁膜をもたず、磁区制御膜下部に中間絶縁層が挿入された構造となっている。
図8に浮上面からみたCPP/TMR型の構造ヘッドを例にした図を示す。抵抗変化を検知する電流を自由層207及び固定層203,204の積層膜面に垂直に流すように、電極層201、215は磁気センサーの上下に配置された構造となっている。ここでは、磁気センサーの上下には位置される磁気シールド膜を電極と併用する構造を採用する。これらの磁気センサーの周辺には電気絶縁層が配置され電極間の絶縁特性が良好に維持する構造となっている。
磁気抵抗効果ヘッドの磁気センサー部は、磁化方向が固定されている固定層203,204と、絶縁層205、自由層207とによって構成されているおり、その磁気センサー部の抵抗が、外部の磁界の方向によって変化することを利用し磁界情報を読み込む構造となっている。自由層207は記録媒体に記録された磁化情報からの入力磁化方向によってその磁化方向を変化させ、固定層203,204との磁化方向との差によって磁気センサー部の抵抗が変化するものであり、この抵抗変化を電気信号に変換し読み取る構造となっている。本実施例における磁気抵抗センサー膜は、BSV(Bottom Spin Valve)タイプのもので、自由層207は固定層の上部に配置されているものを使用している。また、本実施例にかかわる磁気センサ層は、トラック幅方向の幅が不連続に変化する領域を有し、この境界領域の上層では下層に比べトラック幅方向の幅が小さくなっている。不連続に変化する領域は固定層内に存在する。これは、イオンビームエッチング工程にて磁気センサー膜の途中で止めることによって実現される。本構造により、磁区制御層210と自由層207に対する磁区制御磁界を最適化するとともに、センサ層を構成する固定層積層膜のまでミーリングが行われないため、固定層203,204を構成する積層膜へのイオンビーム照射によるダメージを軽減することが可能となる。固定層203,204は、固定される磁性層204とこれを交換結合磁界により固定する反強磁性層203を有する。反強磁性層203がなくても、固定できれば固定される磁性層204だけで構成される場合もある。固定される磁性層204は、単層のコバルト鉄(CoFe)層、2層のコバルト鉄(CoFe)層間にルテニウム(Ru)等の中間層が配置され、反強磁性結合された積層フェリ構造等によって構成される。反強磁性層203は白金マンガン(PtMn)、イリジウムマンガン(IrMn)、イリジウムマンガンクロム(IrMnCr)等を用いて形成される。不連続となる領域は反強磁性層の上面にあることが自由層207の磁区制御を行う上で望ましい。絶縁層205は酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の酸化物により形成される。外部磁界が印加していないときの自由層207の磁化方向を制御する目的から自由層207端部には、磁区制御層210が配置されている。磁区制御層210は磁区制御膜の下に形成された下地膜と磁区制御膜とを具備する。下地膜は、Ni合金アモルファス膜、Co合金アモルファス膜やCr,もしくはCr合金膜及びその組み合わせの層構成によって構成され、上層の磁区制御膜の積層時の配向を整える。自由層207の磁区制御の働きを行う磁区制御膜はコバルトクロム白金(CoCrPt)合金やコバルトニッケルクロムCoNiCr合金等で形成される。磁区制御層210は、磁気抵抗膜に中間止め構造が採用されることにより、磁気センサーの自由層207とほぼ同等の高さの端部に配置されるか、少なくとも磁区制御膜下面高さが自由層207高さと同等の位置にくるように配置される。
磁区制御層210は、中間絶縁膜層209を介して磁気抵抗センサ層内の不連続な境界の下層の上面及び第1絶縁膜層の上に形成されている。第1絶縁膜層は下部電極膜の上に浮上面において磁気抵抗センサ層のパターニングされた側面よりトラック幅方向より外れた方向に延在する。すなわち、第一絶縁膜は、磁気センサー後端部及び磁気センサー固定層203,204外端部に配置される。第1絶縁膜と磁区制御層との間に中間絶縁膜層209を形成することにより、磁気抵抗センサ層よりトラック幅方向に外れた領域でも磁区制御層210と下部電極膜201との間の最小間隔を確保することができ、絶縁耐圧に良好であるとともに、電極間に形成される膜を平坦化することにより、シールドとして機能する電極間の距離を縮めることが可能となる。
第二絶縁膜212は、磁区制御層210及び第一電極膜211の外端部に配置形成される。第一絶縁膜208及び第二絶縁膜212の合成した膜厚が50nm以下のとき、場合によっては第三絶縁膜213が形成される。CPP型TMRもしくはGMRヘッドの場合、上下部シールド電極膜間での絶縁膜は、第一絶縁膜208、第二絶縁膜212、第三絶縁膜213、中間絶縁膜209によって形成される。
トラック幅261形成を行い、磁区制御層210を形成する際、磁区制御層210中間止め構造を採用し中間絶縁膜209の形成を行う際に、電気絶縁性を向上させるためには、中間絶縁膜の膜厚を厚く構成しなければならないが、中間絶縁膜209の膜厚を厚く構成すると自由層207と磁区制御膜の間隙が大きくなり、自由層207への磁区制御磁界が弱まってしまう問題があったが、本構造により、磁気センサー下部の面積は狭小化が図れるようになるとともに、中間絶縁膜209の薄膜化を推進することが可能となる。
磁気抵抗センサーの固定層後端と側面、及び、磁区制御層210側面、及び、第一の上部シールド膜215の下面、各々に配置された絶縁膜層の面積をSps, Shbs,Sess,とした場合、Sps<Shbs<Sess となるように上下部シールド201、215間の電気絶縁層を三層以上の層構造として構成し、かつ、Spsをできる限り小さく構成することにより、磁気センサー自由層207側面であり、かつ、磁区制御層210下面に配置された中間電気絶縁層209の膜厚を最小化すると良い。このような構造を採用することにより、中間電気絶縁膜を薄膜化しても、電気絶縁耐圧特性が低下することがなくなる。すなわち、中間電気絶縁膜を薄膜化することによって、自由層207へ与える磁区制御磁界が弱まることがなく、信号安定性を確保することができる。
図9に製造工程フロー図を示す。まず、アルチックの基板上にめっき法によりNiFe等の磁性膜からなる下部シールド(電極膜)201を形成する。次に、NiFe、NiFeCr等の下地層202、IrMn/CoFe/Ru/CoFe等の固定層203,204、チタン酸化物等の絶縁層、CoFeの自由層207、TaO2等のキャップ層207をスパッタ法により順次積層し、マスクでトラック幅方向とハイト方向とを順次パターニングする。その後、パターニングにより除去された領域を埋めるように、磁気抵抗センサ層の周りを、磁気抵抗センサ層の高さと同じとなるように下部シールド201上に第1絶縁膜208を堆積させる。すなわち、センサー後端部及び固定層トラック幅241側面に第一絶縁膜208が形成される。この際、磁気センサー膜と第1絶縁膜208の膜厚を出来る限り同じとし、トラック幅形成時には平坦な基板面が現出するようにする。各工程が平坦な基板面に施工されることとなり、レジストプロセスの位置精度や制御性が向上する。第1絶縁膜208はAl2O3膜やAl2O3-SiO2混成膜などミーリングレートが磁気抵抗効果センサ層を形成する膜のミーリングレートよりも比較的遅いものを選択する方がよい。Al2O3-SiO2混成膜の混成比を調整し後工程でのミーリング後の高さを平坦化することも可能である。
次に、磁気抵抗センサ層のトラック幅を形成する工程において、積層されパターニングされた磁気抵抗センサ層にレジストを積層させた状態でArガスを用いてイオンミーリングを行う。この際に、ミーリングは固定層の途中で止まるように制御するが、磁気抵抗センサ層の周りに堆積された第1絶縁膜208もその高さのところまで削られる。ミーリングレートが第1絶縁膜208の方が磁気抵抗効果センサ層内の材料よりも早い場合に、第1絶縁膜208が低くなるような段差が生じるため、第1絶縁膜208はAl2O3膜やAl2O3-SiO2混成膜などのミーリングレートが遅いものが好ましい。ミーリングによるトラック幅形成で、磁気抵抗センサ層の側面に45度以上の傾斜が形成される。ミーリングを行う際には、センサー固定層トラック幅241を狭小化し面積を小さく構成したパターンが望ましい。
磁気抵抗センサ層の上のレジストを残したまま、中間絶縁膜209を第1絶縁膜208及び不連続領域の下の反強磁性層203の上面を含め全面的に堆積させる。その後、磁区制御層210、第1電極膜211を堆積させ、磁区制御層210、第1電極膜211の浮上面におけるトラック幅方向の両端をパターニングにより除去する。これにより、両端の幅2101が形成される。磁区制御層210は、下地膜をスパッタした後、磁区制御膜をスパッタすることにより形成される。磁区制御膜の面積は、磁気特性の熱的安定性のため、際限無く小さくすることは出来ない。一般に磁区制御外端トラック幅及び奥行き寸法は、0.5ミクロン以上、もしくは1ミクロン以上必要であると考えられる。パターニングにより磁区制御層210、下部電極膜211の両端が定まってから、レジストをリフトオフ法により除去する。レジスト除去後、中間絶縁膜209の上に形成され、浮上面において磁区制御層210の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第2絶縁膜212を堆積させる。磁区制御層210及び第一電極膜211と合わせた膜厚と第2絶縁膜膜212の膜厚を出来る限り同じとし、上部シールド215形成時には平坦な基板面が現出するように構成する。第2絶縁膜212よりもトラック幅方向においてトラック幅より外れた領域に第3絶縁膜213を形成する。次に上部シールド215を第1電極膜211、第2絶縁膜212、第3絶縁膜213の上に形成する。上部シールド215はシールド下地層214を介してめっき法により形成し、これにより再生部の工程が完成する。上部シールド215を形成後、主磁極と副磁極、コイルを具備する記録部が形成され、アルミナの保護膜が形成され、ウエハがダイシングされ、最終的な浮上面が研磨により決定される。浮上面に溝が彫られることにより、スライダのパッドが形成され、磁気ヘッドが完成する。
上記工程により、上下シールド電極間の絶縁膜は、第一絶縁膜208、中間絶縁膜209、第二絶縁膜212、第三絶縁膜213の積層絶縁膜となり、上部シールド215トラック幅位置近傍では、第一絶縁膜208、中間絶縁膜209、第二絶縁膜212、の積層絶縁膜となる。また磁区制御層210と下部シールド電極膜201の間の絶縁膜は、中間絶縁膜209と第一絶縁膜208の積層絶縁膜となる。また磁区制御層210と磁気センサー固定層間の絶縁膜は、中間絶縁膜208となり、磁気センサー固定層の上部の面積を最小化しているために、中間絶縁膜を薄膜化しても絶縁耐力が低下することがない。磁気センサー固定層トラック幅241を1.2ミクロンに設定し試作をおこなった結果、中間絶縁膜の磁気センサー近傍での膜厚を4nmまで低下することが出来ることを確認した。
磁区制御層210は、中間絶縁膜層209を介して磁気抵抗センサ層内の不連続な境界の下層の上面及び第1絶縁膜層の上に形成されている。第1絶縁膜層は下部電極膜の上に浮上面において磁気抵抗センサ層のパターニングされた側面よりトラック幅方向より外れた方向に延在する。すなわち、第一絶縁膜は、磁気センサー後端部及び磁気センサー固定層203,204外端部に配置される。第1絶縁膜と磁区制御層との間に中間絶縁膜層209を形成することにより、磁気抵抗センサ層よりトラック幅方向に外れた領域でも磁区制御層210と下部電極膜201との間の最小間隔を確保することができ、絶縁耐圧に良好であるとともに、電極間に形成される膜を平坦化することにより、シールドとして機能する電極間の距離を縮めることが可能となる。
第二絶縁膜212は、磁区制御層210及び第一電極膜211の外端部に配置形成される。第一絶縁膜208及び第二絶縁膜212の合成した膜厚が50nm以下のとき、場合によっては第三絶縁膜213が形成される。CPP型TMRもしくはGMRヘッドの場合、上下部シールド電極膜間での絶縁膜は、第一絶縁膜208、第二絶縁膜212、第三絶縁膜213、中間絶縁膜209によって形成される。
トラック幅261形成を行い、磁区制御層210を形成する際、磁区制御層210中間止め構造を採用し中間絶縁膜209の形成を行う際に、電気絶縁性を向上させるためには、中間絶縁膜の膜厚を厚く構成しなければならないが、中間絶縁膜209の膜厚を厚く構成すると自由層207と磁区制御膜の間隙が大きくなり、自由層207への磁区制御磁界が弱まってしまう問題があったが、本構造により、磁気センサー下部の面積は狭小化が図れるようになるとともに、中間絶縁膜209の薄膜化を推進することが可能となる。
磁気抵抗センサーの固定層後端と側面、及び、磁区制御層210側面、及び、第一の上部シールド膜215の下面、各々に配置された絶縁膜層の面積をSps, Shbs,Sess,とした場合、Sps<Shbs<Sess となるように上下部シールド201、215間の電気絶縁層を三層以上の層構造として構成し、かつ、Spsをできる限り小さく構成することにより、磁気センサー自由層207側面であり、かつ、磁区制御層210下面に配置された中間電気絶縁層209の膜厚を最小化すると良い。このような構造を採用することにより、中間電気絶縁膜を薄膜化しても、電気絶縁耐圧特性が低下することがなくなる。すなわち、中間電気絶縁膜を薄膜化することによって、自由層207へ与える磁区制御磁界が弱まることがなく、信号安定性を確保することができる。
図9に製造工程フロー図を示す。まず、アルチックの基板上にめっき法によりNiFe等の磁性膜からなる下部シールド(電極膜)201を形成する。次に、NiFe、NiFeCr等の下地層202、IrMn/CoFe/Ru/CoFe等の固定層203,204、チタン酸化物等の絶縁層、CoFeの自由層207、TaO2等のキャップ層207をスパッタ法により順次積層し、マスクでトラック幅方向とハイト方向とを順次パターニングする。その後、パターニングにより除去された領域を埋めるように、磁気抵抗センサ層の周りを、磁気抵抗センサ層の高さと同じとなるように下部シールド201上に第1絶縁膜208を堆積させる。すなわち、センサー後端部及び固定層トラック幅241側面に第一絶縁膜208が形成される。この際、磁気センサー膜と第1絶縁膜208の膜厚を出来る限り同じとし、トラック幅形成時には平坦な基板面が現出するようにする。各工程が平坦な基板面に施工されることとなり、レジストプロセスの位置精度や制御性が向上する。第1絶縁膜208はAl2O3膜やAl2O3-SiO2混成膜などミーリングレートが磁気抵抗効果センサ層を形成する膜のミーリングレートよりも比較的遅いものを選択する方がよい。Al2O3-SiO2混成膜の混成比を調整し後工程でのミーリング後の高さを平坦化することも可能である。
次に、磁気抵抗センサ層のトラック幅を形成する工程において、積層されパターニングされた磁気抵抗センサ層にレジストを積層させた状態でArガスを用いてイオンミーリングを行う。この際に、ミーリングは固定層の途中で止まるように制御するが、磁気抵抗センサ層の周りに堆積された第1絶縁膜208もその高さのところまで削られる。ミーリングレートが第1絶縁膜208の方が磁気抵抗効果センサ層内の材料よりも早い場合に、第1絶縁膜208が低くなるような段差が生じるため、第1絶縁膜208はAl2O3膜やAl2O3-SiO2混成膜などのミーリングレートが遅いものが好ましい。ミーリングによるトラック幅形成で、磁気抵抗センサ層の側面に45度以上の傾斜が形成される。ミーリングを行う際には、センサー固定層トラック幅241を狭小化し面積を小さく構成したパターンが望ましい。
磁気抵抗センサ層の上のレジストを残したまま、中間絶縁膜209を第1絶縁膜208及び不連続領域の下の反強磁性層203の上面を含め全面的に堆積させる。その後、磁区制御層210、第1電極膜211を堆積させ、磁区制御層210、第1電極膜211の浮上面におけるトラック幅方向の両端をパターニングにより除去する。これにより、両端の幅2101が形成される。磁区制御層210は、下地膜をスパッタした後、磁区制御膜をスパッタすることにより形成される。磁区制御膜の面積は、磁気特性の熱的安定性のため、際限無く小さくすることは出来ない。一般に磁区制御外端トラック幅及び奥行き寸法は、0.5ミクロン以上、もしくは1ミクロン以上必要であると考えられる。パターニングにより磁区制御層210、下部電極膜211の両端が定まってから、レジストをリフトオフ法により除去する。レジスト除去後、中間絶縁膜209の上に形成され、浮上面において磁区制御層210の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第2絶縁膜212を堆積させる。磁区制御層210及び第一電極膜211と合わせた膜厚と第2絶縁膜膜212の膜厚を出来る限り同じとし、上部シールド215形成時には平坦な基板面が現出するように構成する。第2絶縁膜212よりもトラック幅方向においてトラック幅より外れた領域に第3絶縁膜213を形成する。次に上部シールド215を第1電極膜211、第2絶縁膜212、第3絶縁膜213の上に形成する。上部シールド215はシールド下地層214を介してめっき法により形成し、これにより再生部の工程が完成する。上部シールド215を形成後、主磁極と副磁極、コイルを具備する記録部が形成され、アルミナの保護膜が形成され、ウエハがダイシングされ、最終的な浮上面が研磨により決定される。浮上面に溝が彫られることにより、スライダのパッドが形成され、磁気ヘッドが完成する。
上記工程により、上下シールド電極間の絶縁膜は、第一絶縁膜208、中間絶縁膜209、第二絶縁膜212、第三絶縁膜213の積層絶縁膜となり、上部シールド215トラック幅位置近傍では、第一絶縁膜208、中間絶縁膜209、第二絶縁膜212、の積層絶縁膜となる。また磁区制御層210と下部シールド電極膜201の間の絶縁膜は、中間絶縁膜209と第一絶縁膜208の積層絶縁膜となる。また磁区制御層210と磁気センサー固定層間の絶縁膜は、中間絶縁膜208となり、磁気センサー固定層の上部の面積を最小化しているために、中間絶縁膜を薄膜化しても絶縁耐力が低下することがない。磁気センサー固定層トラック幅241を1.2ミクロンに設定し試作をおこなった結果、中間絶縁膜の磁気センサー近傍での膜厚を4nmまで低下することが出来ることを確認した。
1…下部シールド層、2…下部第一絶縁ギャップ層(第一絶縁膜)、21…下部第2絶縁ギャップ層、3…下地層、4…反強磁性層、5…固定される磁性層、6…非磁性導電層、7…自由層、8…磁気センサー保護膜、9…磁気センサー外端部絶縁層(第2絶縁膜)、10…磁区制御下地膜、11…磁区制御膜、12…第1電極膜層、13…磁区制御第1電極膜外端部絶縁層(第3絶縁膜)、14…第2電極膜、15…上部第1保護絶縁膜、16…第3電極膜17…上部第2保護絶縁膜、18…上部第3保護絶縁膜、19…上部シールド層、51…外端固定層トラック幅、(下部第2絶縁層トラック幅、)71…自由層トラック幅、141…第二電極トラック幅、171…第二保護絶縁膜トラック幅、51…固定層外端トラック幅、71…磁気センサー自由層トラック幅、72…磁気センサー後端部奥行き高さ、73…磁気センサー固定層後端部奥行き高さ、91…磁区制御層・第一電極膜層外端トラック幅、101…第二電極膜層外端トラック幅、121…下部第二絶縁ギャップ膜トラック幅、131…下部第二絶縁膜のトラック幅方向の幅、201…下部シールド電極層、202…下地層シード層、203…反強磁性層、204…固定される磁性層、205…磁気センサー絶縁層、206…磁気センサー自由層、207…磁気センサーキャップ層、208…第一絶縁膜層、209…中間絶縁膜層、210…磁区制御層、211…第一電極膜層、212…第二絶縁膜層 、213…第三絶縁膜層、214…上部シールドシード層、215…上部シールド電極層、241…固定層トラック幅、261…自由層トラック幅 、2101…磁区制御外端トラック幅、2131… 上部シールド第一トラック幅、22…下部磁気シールド膜、23…下部ギャップ膜、24…磁気抵抗センサーユニット、25…上部ギャップ膜、26…上部磁気シールド膜、27…分離膜、28a…下部磁性膜、28b…下部磁極、29a…上部磁性膜、29b…上部磁極、30…導体コイル、M…磁区制御膜・電極膜。
Claims (19)
- 上部シールドと下部シールドと、
前記上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、
前記磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、
前記磁区制御層の上に形成された第1電極膜と、
前記下部シールドと前記磁気センサ層との間に配置された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜と前記磁区制御層との間に配置された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上に形成され、浮上面において前記磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第3絶縁膜と、
前記磁気センサ層と前記上部シールドとの間に配置された第4絶縁膜とを有し、
前記磁気抵抗センサ層は、固定層と,非磁性層と,自由層とを具備し、前記磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する第1領域を有し、浮上面において前記第1領域から前記トラック幅より外れる方向の前記磁気抵抗センサ層の領域及び第2絶縁膜の上に前記磁区制御層が形成される磁気ヘッド。 - 請求項1の磁気ヘッドはさらに、
前記第1電極膜の上に形成された第2電極膜と、
前記第2電極膜と電気的に接続され、浮上面より後退して形成された第3電極膜とを有する磁気ヘッド。 - 請求項2の磁気ヘッドにおいて、
前記磁気抵抗センサ層と前記第1絶縁膜の接する第1面積は、前記磁区制御層膜と前記第2絶縁膜が接する第2面積より小さく、
前記磁気抵抗センサ層と前記下部シールドとの間の最小距離は、前記磁区制御層と前記下部シールドとの間の最小距離より小さい磁気ヘッド。 - 請求項3の磁気ヘッドにおいて、
前記第2面積は、前記第3電極膜と前記第3絶縁膜の接する第3面積より小さく、
前記磁区制御層と前記下部シールドとの間の最小距離は、前記第3電極膜と前記下部シールドとの間の最小距離より小さい磁気ヘッド。 - 請求項1の磁気ヘッドにおいて、
前記固定層は、固定される第1磁性層と前記第1磁性層を固定する反強磁性層とを有し、前記第1領域は前記反強磁性層内にあり、
前記第2絶縁膜は浮上面において前記第1領域の前記磁気抵抗センサ層の側面からトラック幅より外れた方向に延在する磁気ヘッド。 - 請求項1の磁気ヘッドにおいて、
前記磁区制御層は、前記磁区制御膜の下に形成された下地膜と磁区制御膜とを具備する磁気ヘッド。 - 請求項2の磁気ヘッドにおいて、
浮上面において、前記第2電極膜のトラック幅方向の幅は前記第1電極膜のトラック幅方向の幅より小さい磁気ヘッド。 - 上部シールドと下部シールドと、
前記上部と下部シールドとの間に配置された磁気抵抗センサ層と、
前記磁気抵抗センサ層内の磁区を制御する磁区制御層と、
前記下部シールドと前記磁区制御層との間に配置された第1絶縁膜と中間絶縁膜と、
前記中間絶縁膜の上に形成され、浮上面において前記磁区制御層の側面からトラック幅より外れる方向に延在する第2絶縁膜とを有し、
前記磁気抵抗センサ層は、固定層と,中間層と,自由層とを具備し、前記磁気抵抗センサ層のトラック幅方向の幅が不連続に変化する第1領域を有し、浮上面において前記第1領域から前記トラック幅より外れる方向の前記磁気抵抗センサ層の領域の上に前記中間絶縁膜を介して前記磁区制御層が形成され、
前記第1絶縁膜は、浮上面において前記第1領域の下の前記磁気抵抗センサ層の側面からトラック幅より外れた方向に延在する磁気ヘッド。 - 請求項8の磁気ヘッドはさらに、
前記上部シールドと前記第2絶縁膜との間に配置された第3絶縁膜とを有し、
前記磁気抵抗センサ層の下面の第1面積は、前記磁区制御層層の下面の第2面積より小さい磁気ヘッド。 - 請求項8の磁気ヘッドにおいて、
前記固定層は、固定される第1磁性層と前記第1磁性層を固定する反強磁性層とを有し、前記第1領域は前記反強磁性層内にあり、
前記磁区制御層は、前記磁区制御膜の下に形成された下地膜と磁区制御膜とを具備する磁気ヘッド。 - 請求項9の磁気ヘッドは、さらに
前記第2絶縁膜と前記磁気抵抗センサ層との間に電極膜を有し、
前記中間層は絶縁物である磁気ヘッド。 - 下部シールドを形成する工程と、
前記下部シールドの上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜の上に複数の膜を積層しパターニングした後、前記複数の膜の一部を残してミリングし、第1側面と第2側面を有する磁気抵抗センサ層を形成する工程と、
第2絶縁膜を前記第1絶縁膜上に前記磁気抵抗センサ層に浮上面において前記第1側面からトラック幅より外側の方向に形成する工程と、
前記第1と第2側面との間の前記磁気抵抗センサ層の上と前記第2絶縁膜の上に磁区制御膜、第1電極膜を形成する工程と、
前記第1電極膜を形成後、第3絶縁膜を浮上面において前記磁区制御膜及び前記第1電極膜の側面からトラック幅より外側の方向に形成する工程と、
前記第3絶縁膜を形成後、第2電極膜を第1電極膜の上に形成する工程と、
前記第2電極膜の上に第4絶縁膜を形成する工程と、
前記第4絶縁膜の上に上部シールドを形成する工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項12の磁気ヘッドの製造方法はさらに、
前記第2電極膜と電気的に接続され、浮上面より後退した第3電極を形成する工程を有し、
前記第3電極膜は前記第4上部絶縁膜に覆われている磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項12の磁気ヘッドの製造方法はさらに、
前記磁気センサ膜の複数の膜は、固定層、非磁性層、自由層であり、前記ミーリングの結果、固定層の一部が残され、
前記固定層の側面の一部は前記第1側面となり、
前記固定層の側面の一部及び前記非磁性層と前記自由層の側面は前記第2側面となる磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項14の磁気ヘッドの製造方法において、
前記固定層は、固定される層と、前記固定される層を交換結合により固定する層とを有する磁気ヘッドの製造方法。 - 下部シールドを形成する工程と、
前記下部シールドの上に複数の膜を積層しパターニングした後、前記複数の膜の一部を残してミーリングし、第1側面と第2側面を有する磁気抵抗センサ層を形成する工程と、
第1絶縁膜を前記第1側面からトラック幅より外側の方向に形成する工程と、
前記第1と第2側面との間の前記磁気抵抗センサ層の上と前記第1絶縁膜の上に中間絶縁膜と磁区制御膜を形成する工程と、
前記磁区制御膜を形成後、第2絶縁膜を浮上面において前記磁区制御膜の側面からトラック幅より外側の方向に形成する工程と、
前記中間絶縁膜を形成後、上部シールドを形成する工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項16の磁気ヘッドの製造方法はさらに、
前記第2絶縁膜の上に第3絶縁膜を形成する工程を有する磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項17の磁気ヘッドの製造方法はさらに、
前記磁気センサ膜の複数の膜は、固定層、非磁性層、自由層であり、前記ミーリングの結果、固定層の一部が残され、
前記固定層の側面の一部は前記第1側面となり、
前記固定層の側面の一部及び前記非磁性層と前記自由層の側面は前記第2側面となる磁気ヘッドの製造方法。 - 請求項14の磁気ヘッドの製造方法において、
前記固定層は、固定される層と、前記固定される層を交換結合により固定する層とを有し、
前記非磁性層は絶縁層である磁気ヘッドの製造方法。
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JP2005377337A JP2007179657A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 磁気ヘッド及びその製造方法 |
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JPH11191206A (ja) * | 1997-10-22 | 1999-07-13 | Hitachi Ltd | 薄膜磁気ヘッド |
JPH11316919A (ja) * | 1998-04-30 | 1999-11-16 | Hitachi Ltd | スピントンネル磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
JP2004172434A (ja) * | 2002-11-21 | 2004-06-17 | Alps Electric Co Ltd | 磁気検出素子及びその製造方法並びにこの磁気検出素子を用いた磁気ヘッド及びその製造方法 |
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2005
- 2005-12-28 JP JP2005377337A patent/JP2007179657A/ja active Pending
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