JP2007177622A - シリンダヘッド構造及びその製造方法 - Google Patents

シリンダヘッド構造及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007177622A
JP2007177622A JP2005373343A JP2005373343A JP2007177622A JP 2007177622 A JP2007177622 A JP 2007177622A JP 2005373343 A JP2005373343 A JP 2005373343A JP 2005373343 A JP2005373343 A JP 2005373343A JP 2007177622 A JP2007177622 A JP 2007177622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
cylinder head
plane
dividing
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005373343A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Harada
高宏 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005373343A priority Critical patent/JP2007177622A/ja
Publication of JP2007177622A publication Critical patent/JP2007177622A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】シリンダヘッドの構成部材が、機械加工が容易になるように平面で構成された分割面を持つ、シリンダヘッド構造を提供する。
【解決手段】吸気ポート11及び排気ポート12等の複数のポートを有するシリンダヘッド10であって、各々が分割面B―Bを備えるポートパーツ上10bとポートパーツ10cが成形され、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cが分割面B―Bで接合されたシリンダヘッド10のシリンダヘッド構造において、吸気ポート11及び排気ポート12等の複数のポートのうち少なくとも1つのポートが、第1直線部分20aと第2直線部分20bが平行に内周に形成されたポート断面25を備え、分割面B―Bの一部を構成するポート分割平面が、ポート断面25の第1直線部分20aと第2直線部分20bとを通過すること。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンのシリンダヘッドを2以上の構成部材に分割して鋳造し、それらを接合することにより一体化する技術に関するものである。
自動車のエンジンには、重量の軽減、及び冷却性能の向上その他の目的で、アルミニウム合金製のシリンダヘッドが広く採用されている。
このシリンダヘッドは、その内部に、吸気ポート、排気ポート、燃料を爆発させる燃焼室、及び冷却水を流通させるウォータジャケットを備えており、通常は鋳造によって一体成形されている。
吸気ポート、排気ポート、燃焼室、及びウォータジャケットは、中に流体を通すために、シリンダヘッドに中空部を形成する複雑な構造となっている。
このようにシリンダヘッドは中空部を有する複雑な構造となっているため、従来では、吸気ポート、排気ポート、ウォータジャケットを成形するための多数の中子を用いて鋳造されていた。
また、シリンダヘッドを一体鋳造する場合、複雑な形状が鋳造可能な低圧鋳造法を用いることが通例であった。
しかし、低圧鋳造法は鋳造速度の制限から鋳造速度を上げることが出来ないので、生産性を向上させるのが難しいという問題がある。
鋳造速度を上げることができない理由は、溶湯を供給するための圧縮空気の圧力を、一定値以上高くすることができないためである。
さらに、シリンダヘッドを低圧鋳造法によって製作するにあたっては、多数の崩壊性の中子を用いて鋳造を行うために、鋳造が終わった後に、崩壊性の中子の除去工程が必要となる。
また、鋳造の度に取り出すために崩壊させてしまうため、崩壊性の中子は、製品1つ辺りに1セットの崩壊性の中子を制作する必要がある。崩壊性の中子を形成するのに用いるケイ砂は、再利用をしているが、毎回制作を要するために、コストと手間がかかる。
このように、鋳造速度が上げられない点や、中子を複数用いなければならず、鋳造後に中子を崩して取り出さなければならない等の手間がかかり、シリンダヘッドの生産コストを下げることが出来なかった。
この点に着目して、崩壊性の中子を用いず、かつ、鋳造速度の速いダイカスト鋳造にて製造するシリンダヘッドについて開示しているのが、特許文献1である。
図10は特許文献1の接合構造シリンダヘッドの断面図を示している。
特許文献1のシリンダヘッド10は、上方の冷却水室116を横切り、図の紙面に対し前後方向に延在する接合面X−X及び吸気ポート11、及び排気ポート12を横切る接合面Y−Yによって分割された上部ヘッド部材110a、中部ヘッド部材110b、及び下部ヘッド部材110cの3つの構成部材に分割されている。
これら3分割された、シリンダヘッドの構成部材は、何れも冷却水室116、122、及び吸気ポート11、及び排気ポート12を形成するための崩壊性の中子を必要としない。したがって、従来の低圧鋳造法よりも著しく生産性が高い例えばダイカスト機を用いることで極めて生産性良く製造することが出来る。
なお、接合面Y−Yが曲面で分割される理由については記載がないが、吸気ポート11及び排気ポート12の断面が円形状であり、それぞれの中心線で分割することでアンダーカットが発生することを防いでいるものと考えられる。
アンダーカットとは、鋳造において型を抜くための抜き勾配とは逆の勾配が付いており、出口よりも内部の方が広い構造となる部分のことを言う。
ポートが円形である場合、円の中心線を切断面が通過すれば、アンダーカットは出来ないが、切断面が中心線よりずれれば、円弧の長い側に必ずアンダーカットができる。すなわち、吸気ポート11及び排気ポート12を中部ヘッド部材110bと下部ヘッド部材110cに上下で分割する際に、接合面Y―Yが円の中心線からずれると、中部ヘッド部材110bと下部ヘッド部材110cのどちらかに必ずアンダーカットが出来てしまう。
アルミニウムをダイカスト成形する場合には、金型を用いて鋳造するが、アンダーカットのある鋳物を鋳造すると、金型を抜く際に金型とアルミ鋳物が干渉し、金型からアルミ鋳物が抜けなくなってしまう。
したがってこの様な形状は避けられるのが一般的である。
仮にアンダーカットの形状を持つ鋳物を鋳造する場合は、崩壊性の中子を用いる必要がある。特許文献1では、崩壊性の中子を避けるために分割しているため、アンダーカットがあっては分割鋳造する意味が無くなってしまう。
そこで、接合面Y―Yが曲面で構成され、吸気ポート11及び排気ポート12の中心線を通過するように切断することで、中部ヘッド部材110bと下部ヘッド部材110cはアンダーカットのない形状とすることが出来る。そうすることで、他の部分同様に鋳造時に崩壊性の中子を用いる必要が無くなる。
このように、特許文献1では、シリンダヘッド10を分割することで、崩壊性の中子を用いないで鋳造する方法についての技術を開示している。これにより、生産性を向上している。
昭62−162756号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、接合面Y−Yが曲面で構成されるために機械加工が困難であるという問題が考えられる。以下にこの点について説明する。
ダイカスト鋳造では他の鋳造方法に比べて比較的精度の良い面が得られるとはいえ、そのまま接合面とするだけの精度を得ることは困難である。
これは、アルミニウムの溶湯が凝固する際に部分的に縮む等の理由で凹凸が出来るためであり、また、鋳肌にはヘヤークラックやヒートチェック、エアの巻き込み等による巣などの欠陥が生じる場合もある。
つまり、ダイカスト鋳造したアルミ鋳物の鋳肌は、接合するには面精度が不十分で、表面欠陥も存在する。
一方、シリンダヘッドの吸気ポート、排気ポートには、一定の流速を持った吸気エアや、高圧の排気ガス、周囲に設けられたウォータジャケットを流れる冷却水が、それぞれ漏れないように、シール性を保持して接合する必要がある。
したがって、接合面Y―Yを接合する際にシール性を確保するためには、前述したダイカスト鋳造による鋳肌の面精度や表面欠陥の問題を解決する必要がある。
このような接合面の面精度や表面欠陥の問題を解決するには、接合面に機械加工を施す必要がある。
しかし、一般的に曲面を精度良く機械加工することは困難であり、加工を実現するには高いコストがかかってしまう。
金型を用いて中部ヘッド部材110b及び下部ヘッド部材110cをダイカスト鋳造した後、面精度を向上させ、表面欠陥の影響を無くすために、部品ごとに曲面を含む接合面Y―Yに機械加工を施す必要がある。
近年はNC制御によって複雑な形状の加工が比較的容易に出来るようになっているが、中部ヘッド部材110bと下部ヘッド部材110cの両方の曲面である接合面Y―Yを、接合可能に高精度に加工することは困難であり、加工を実現するには時間も手間もかかる。
このように、特許文献1に記載の技術においては、シリンダヘッドを分割鋳造した後、分割面のシール性を確保するために分割面に機械加工を施すことが必要であるが、分割面に曲面を含んでいるので機械加工が困難であり、加工を実現するにはコストがかかるといった問題があった。
また、接合面Y―Yを含む中部ヘッド部材110bと下部ヘッド部材110cは、ダイカスト鋳造で作られているために、これらを鋳造するための金型も高精度な曲面形状を含んだ形状に仕上げる必要がある。
そこで、本発明ではこのような問題を解決するためになされたものであり、分割面の機械加工が容易な分割型のシリンダヘッド構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明によるシリンダヘッド構造及びその製造方法は以下のような特徴を有する。
(1)複数のポートを有するシリンダヘッドであって、各々が分割面を備える第1構成部材と第2構成部材が成形され、前記第1構成部材と前記第2構成部材が前記分割面で接合されたシリンダヘッド構造において、前記複数のポートのうち少なくとも1つのポートが、第1直線部分と第2直線部分が平行に内周に形成されたポート断面を備え、前記分割面の一部を構成するポート分割平面が、前記ポート断面の前記第1直線部分と前記第2直線部分とを通過することを特徴とする。
ここでいう「複数のポート」とは、吸気ポート、排気ポート等のシリンダヘッドに有するポートであり、その内部を流体が通るもののことを指す。
またここでいう「第1直線部分と第2直線部分が平行に内周に形成されたポート断面」とは、ポートを構成する「ポート断面」が第1直線部分と第2直線部分の2つの直線部分を有しており、第1直線部分と第2直線部分は相互に平行となる形状のことを意味する。例えば、同じ長さを持つ平行な線分の両端に半円等の円弧で結ばれている長円形状のものや、あるいは角部にRをつけた長方形などでも良い。
なお、「第1直線部分」及び「第2直線部分」は、概念的に直線状であるということを意味し、幾何学的に直線という意味まで限定はしていない。すなわち、この部分を鋳造で形成するにあたって一般的には抜き勾配が必要となるが、「ポート分割平面」で切り取られる一方と他方で、製造上の制約によって抜き勾配が設けられ、「第1直線部分」及び「第2直線部分」を分割する分割点を頂点に勾配がつくことを妨げない。このことは「平行」についても同じことがいえる。
またここでいう「ポート分割平面」とは、第1構成部材と第2構成部材の有する分割面の一部であって、平面で構成される、ポート部分を分割する面のことを指す。よって、ポート分割平面によってポートが分割され、第1構成部材に含まれる部分と第2構成部材に含まれる部分とに分かれる。なお、このポート分割平面は、1枚の平面で構成されるものだけでなく、複数の平面から構成されるものも含むものとする。
またここでいう「前記第1直線部分と前記第2直線部分とを通過する」とは、第1直線部分及び第2直線部分の上であればどこを通過しても良いという意味である。したがって、例えば、第1直線部分と第2直線部分が円弧で接続される、それぞれの接続点を「ポート分割平面」が通過する場合も含まれる。
このように、第1直線部分と第2直線部分をポート断面の内周に含み、ポート分割平面が第1直線部分と第2直線部分を通過してポートを分割するため、分割面は平面で構成されることになる。
前述したように、特許文献1で接合面Y―Yを曲面としたのは、円形断面を持つ吸気ポート11及び排気ポート12の中心線を通り、アンダーカットを防ぐ目的があったと考えられるが、(1)では第1直線部分と第2直線部分を設け、ポート分割平面がその上を通過する構成とすることで、同目的に対応している。
第1直線部分と第2直線部分は相互に平行であればよいので、例えば排気ポートの入り口から出口にかけて広がるような形状であっても良いし、4バルブのシリンダヘッドでは、吸気ポートや排気ポートは、同じ燃焼室から出る隣り合うポート同士で一つにまとめられることが多いが、そのような形状であってもよい。
すなわち、ポート断面に第1直線部分と第2直線部分を含み、第1直線部分と第2直線部分をポート分割平面が通過することで、ポートは第1構成部材に含まれる部分と第2構成部材に含まれる部分の2つに分割される。
(2)(1)に記載のシリンダヘッド構造において、前記ポート分割平面が、2以上の平面から構成され、折れ線状に連続していることを特徴とする。
ここでいう「折れ線状に連続」とは、シリンダヘッドがシリンダブロックに当接する面と垂直で、かつポートの中心線を通るように切断したポート分割平面の断面が、折れ線状に見えるようポート分割平面が構成されているという意味である。
このように折れ線状に構成されたポート分割平面が、ポート断面を構成する第1直線部分と第2直線部分を通過することで、分割面は平面だけで構成することが出来る。
(3)(1)又は(2)に記載されるシリンダヘッド構造をもつシリンダヘッドを、鋳造工程と、機械加工工程と、接合工程を経て製造するシリンダヘッドの製造方法において、前記鋳造工程では、前記第1構成部材を第1分割型及び第2分割型を用いて鋳造し、前記第1構造部材を前記第1分割型又は前記第2分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、前記第2構成部材を第3分割型及び第4分割型を用いて鋳造し、前記第2構造部材を前記第3分割型又は前記第4分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、前記機械加工工程では、前記第1構成部材と前記第2構成部材の前記分割面を機械加工し、前記接合工程では、前記第1構成部材と前記第2構成部材を接合することを特徴とする。
ここでいう「ポート断面が減少する方向」とは、第1構成部材であれば、第1分割型又は第2分割型から抜く方向であって、第1構成部材を抜き方向に移動させることによって、第1構成部材の有するポート断面の断面積が、前記第1分割型又は前記第2分割型によって切り取られる部分が減少する方向のことを指す。第2構成部材についても、同じである。
またこの方向は、鋳造に用いる型が上型と下型の2つの型から構成されている場合、ポート断面の有する第1直線部と第2直線部と平行な方向でもある。
(4)(3)に記載されるシリンダヘッドの製造方法において、前記シリンダヘッドが、前記ポートに接続する未加工部分を有し、前記接合工程の後、一体化された前記シリンダヘッドの仕上げ加工を行う仕上げ工程で、前記未加工部分を加工することを特徴とする。
ここでいう「未加工部分」とは、ポートと接続し、加工された後にポートの一部となって流体を流通させることが可能な部分のことを指す。
このような特徴を有する本発明によるシリンダヘッド構造及びその製造方法により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)第1構成部材と第2構成部材を分割面で接合したシリンダヘッド構造において、シリンダヘッドに備えるポートの少なくとも1つが、第1直線部分と第2直線部分が平行に内周に形成されたポート断面を備え、ポート分割平面が、前記ポート断面の前記第1直線部分と前記第2直線部分とを通過することを特徴とするので、第1構成部材と第2構成部材の分割面は平面だけで構成することが可能となる。
すなわち、シリンダヘッドを第1構成部材と第2構成部材に分割するにあたり、流体を流通させるポートのポート断面の形状を、相互に平行な第1直線部分と第2直線部分を含むものとし、ポートを分割するポート分割平面が第1直線部分と第2直線部分を通過するようにすることで、ポートを平面で分割してもアンダーカットとなる部分は出来なくなる。
これは、ポート分割平面が第1直線部分と第2直線部分を通過することで、ポートを分割し、第1構成部材に一方の半割ポートが、第2構成部材に他方の半割ポートが含まれることになる。この時、第1直線部分と第2直線部分は金型の移動方向と平行とすれば、アンダーカットとなる部分は出来ない。
例えば、第1構成部材を2分割の金型でダイカスト鋳造する場合、金型の一方は移動型となり、他方は固定型となる。前述したように、半割ポートの第1直線部分と第2直線部分が、移動型の移動方向と平行となっている。したがって、流体が通過するポートのポート断面に、第1直線部と第2直線部を平行に有する場合、ポート分割平面が第1直線部及び第2直線部のどの部分を通過したとしても、分割された半割ポートはアンダーカットとならない。
このように、第1構成部材の、第1直線部と第2直線部を平行に内周に有するポート断面を有するポートを分割した場合、半割ポートはアンダーカットとならないので、その部分に崩壊性の中子を用いずに鋳造することが可能となる。
すなわち、分割面で分割するポート全てが、このようなポート断面を有していれば、この分割面の通過する部分では、崩壊性の中子を用いる必要がなくなる。
このことは、もちろん第2構成部材においても同様の効果が得られる。
これによって、ダイカスト鋳造するにあたり、ポート断面の内周に平行に形成された第1直線部分と第2直線部分の上を分割平面が通過する部分では、崩壊性の中子を用いる必要が無くなるので、安価に第1構成部材と第2構成部材を鋳造することが可能となる。
また、第1構成部材と第2構成部材の分割面は、ポート分割平面も平面で構成されるので、分割面は平面だけで構成することが可能となる。
その結果、分割面が平面だけで構成されることで分割面の機械加工が容易になり、安価に精度良く接合面を加工することが出来る。
また、精度良く加工が行えるため、高いシール性を発揮できるように接合することが可能となる。したがって、機械加工が容易な分割面を持つ構成部材からなるシリンダヘッド構造を提供することが可能となる。
(2)(1)に記載のシリンダヘッド構造において、前記ポート分割平面が、2以上の平面から構成され、折れ線状に連続していることを特徴とするので、曲率の大きいポートをポート分割平面で分割する場合であっても、接合面を平面だけで構成することが可能になる。
これは、例えば、ポート分割平面が1枚の平面で構成されるとすると、ポートが吸気ポートであった場合、吸気ポートの中心線の曲率は、シリンダヘッド外面に形成される吸気ポート入口から、燃焼室側に形成される吸気ポート出口までの距離と、第1直線部分又は第2直線部分の長さに制限されることになる。
第1直線部分及び第2直線部分の長さを無限に長くとることが出来れば、吸気ポートの中心線の曲率も自由にとることが可能であるが、エンジンの体格の要請からシリンダヘッドの高さは制限され、必然的にシリンダヘッドの高さ方向に形成される第1直線部分又は第2直線部分の長さも制限されることとなる。したがって、吸気ポートの中心線の曲率も制限される。
このような問題も、接合面が一対の平行な内面を折れ線状に通ることで解決される。これにより、(1)の効果を有したまま設計自由度を高めることが可能なシリンダヘッド構造となる。
なお、ポート分割平面の折れ線の折れる回数を増やすほど、複雑な形状に対応できるようになるが、複数の面からなる加工面は、折れ線の折れる回数が増えるほど、加工容易性を損なう結果となるため、2〜3回程度の折れ部分を含む折れ線にすることが望ましい。
ただし、曲面を加工する場合と複数の平面を加工する場合とでは大きな違いがある。曲面は、連続的に角度が変化する形状であるためフライス加工する場合は通常のエンドミルで加工をすることは困難であり、曲面に対応した専用のエンドミルを必要とする。また、曲面の曲率が変わるような場合は更に加工が困難となる。一方、平面で構成される面であれば、エンドミルの角度を変えることで加工が可能となるので、接合面に用いる場合であれば、平面から構成される面の方が格段に加工しやすくなる。
したがって、2以上の平面からなるポート分割平面の加工は、曲面の加工をする場合に比べて機械加工が容易となり、加工コストを下げることが出来る。
(3)(1)又は(2)に記載されるシリンダヘッド構造をもつシリンダヘッドを、鋳造工程と、機械加工工程と、接合工程を経て製造するシリンダヘッドの製造方法において、前記鋳造工程では、前記第1構成部材を第1分割型及び第2分割型を用いて鋳造し、前記第1構造部材を前記第1分割型又は前記第2分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、前記第2構成部材を第3分割型及び第4分割型を用いて鋳造し、前記第2構造部材を前記第3分割型又は前記第4分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、前記機械加工工程では、前記第1構成部材と前記第2構成部材の前記分割面を機械加工し、前記接合工程では、前記第1構成部材と前記第2構成部材を接合することを特徴とするので、接合面が平面だけで構成することができる。接合面が平面だけで構成されることで接合面の機械加工が容易になり、加工時間も短縮できることから加工コストの低減を図ることが可能なシリンダヘッドの製造方法を提供することができる。
また、ポートを分割するポート分割平面が、相互に平行な第1直線部分と第2直線部分を通過するようにすることで、アンダーカットとなる部分を無くすことができるので、ポートを形成するために崩壊性の中子を用いる必要がなくなり、崩壊性の中子の使用量を削減でき、生産コストを下げることが可能となる。
(4)(3)に記載されるシリンダヘッドの製造方法において、前記シリンダヘッドが、前記ポートに接続する未加工部分を有し、前記接合工程の後、一体化された前記シリンダヘッドの仕上げ加工を行う仕上げ工程で、前記未加工部分を加工することを特徴とする。
これによって、例えば、シリンダヘッドの燃焼室部分に接続される、吸気ポート及び排気ポートの、燃焼室部分に接続される部分が未加工であり、接合工程の後、一体化されたシリンダヘッドの仕上げ加工を行う仕上げ工程で、未加工の部分を、機械加工することで、吸気ポートと排気ポートを、燃焼室部分と連通させるような加工を行えば、吸気ポート及び排気ポートが燃焼室部分に接続される部分が鋳造の際にはアンダーカットを発生する部分となってしまい、崩壊性の中子や抜き方向の異なるスライド型を組み込まずともよくなる。
燃焼室部分と吸気ポート及び排気ポートが接続される部分は、エンジン稼働時にはバルブが開閉して流路を連通、遮断するため、通常バルブシートリングが打ち込まれる。
このバルブシートリングを打ち込むための穴は、バルブがスムーズに動くように精度を出す必要があるために仕上げ工程で加工され、この加工の際に、ポートに接続する未加工部分をも加工することで、加工コストをかけずに加工が可能となる。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例についての構成を、図面を用いて説明する。
図1はシリンダヘッドの全体斜視図である。
シリンダヘッド10は、直列4気筒のエンジンに用いられるもので、図1では図示しないヘッドカバーが上面に、下面には図示しないシリンダブロックが取り付けられる。
また、シリンダヘッド10の側面には吸気ポート11が設けられ、図示しないインテークマニホールドが接続される。
また、吸気ポート11と対向する側面には、図示しない排気ポート12が設けられ、図示しないエキゾーストマニホールドが接続される。
このシリンダヘッド10はアルミニウム合金製のものが近年では多くなっている。これは、エンジンそのものの重量を軽量化する目的がある他、エンジン自体が小型化かつ高出力化をしているために、鉄よりも熱伝達性が良いアルミニウム合金を材料に用いた方が、熱伝達性が良くなり冷却効果が高くなるためである。
図2には、このシリンダヘッド10の模式断面図を示す。
また、図3には、シリンダヘッド10を分割して鋳造した状態の、構成部材の断面図を示す。
シリンダヘッド10には、図示しないシリンダブロックが組み付けられる側に燃焼室13が設けられている。また、この燃焼室13に、吸気ポート11及び燃焼室13が接続されている。
エンジン稼働時には、動力を取り出すために燃焼室13で気化した燃料を爆発させるため、高温高圧のガスが発生する。この燃料を燃焼させるための空気をとり入れるポートが吸気ポート11であり、燃焼後のガスを排気するポートが排気ポート12である。
なお、燃料の供給を行う図示しないインジェクションは、吸気ポート11の途中に設けられるか、直噴型のエンジンであれば、燃焼室13に設けられることになる。このインジェクションから、燃料となるガソリンや軽油等の燃料を供給する。
燃焼室13では、燃料を爆発させることで高温高圧のガスが発生する。その温度は2000℃以上にも達し、一方、シリンダヘッド10の材料であるアルミニウムの融点は660℃程度しかない。したがって、冷却しなければアルミニウムが溶け、シリンダヘッド10そのものが形状を保てないため、ポート上部ウォータジャケット15aやポート下部ウォータジャケット15bなどのウォータジャケットが随所に設けられ、冷却水を流してシリンダヘッド10を冷却している。
図2の分割面A―A、分割面B―B、及び分割面C―Cは、シリンダヘッド10の分割面である。本発明に係る第1実施例では、分割面A―A、分割面B―B、及び分割面C―Cにて、シリンダヘッド10を4つに分割して鋳造する。
そして、図3に示すように、シリンダヘッド10を動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dのように分割して鋳造し、鋳造後に接合する。このうち、ポートパーツ上10bが第1構成部材に相当し、ポートパーツ10cが第2構成部材に相当する。
この分割面A―A、及び分割面C―Cは、ポート上部ウォータジャケット15a及びポート下部ウォータジャケット15bを分割する位置に設けられる。
また、分割面B―Bは、吸気ポート11及び排気ポート12を切断する位置に設けられ、何れの分割面も平面で構成されている。
なお、図2及び図3は概念図であるため、分割部分は例示に過ぎない。
エンジン稼働時には、図示していないが、シリンダヘッド10には吸気ポート11及び排気ポート12の数だけバルブが備えられ、燃焼室13と吸気ポート11及び排気ポート12が接続される部分にバルブシート14が備えられ、バルブがバルブシート14に当接離間することで、吸気ポート11及び排気ポート12を開閉する。
吸気ポート11は、燃焼室13とバルブシート14部分で接続され、シリンダヘッド10の吸入口11aと結ぶ流路である。また、排気ポート12は、燃焼室13とバルブシート14と排気口12aを結ぶ流路である。
吸気する際には、吸気ポート11側のバルブが開けられ、燃焼するための空気等を取り込み、バルブを閉めた後に点火、爆圧で図示しないピストンが動作し、燃焼が終わったガスは、排気ポート12側のバルブが開けられてエキゾーストマニホールド側に排出される。これを繰り返すことで、エンジンは動力を取り出すことが出来る。
第1実施例のエンジンは直列4気筒であり、4バルブのエンジンであるため、1気筒あたりバルブは4本必要となる。つまり、燃焼室13に設けられるバルブシート14も4カ所あることになる。
なお、バルブはディスク形状のバルブフェースに、バルブステムと呼ばれるシャフトが付いたような形をしており、このバルブフェースがシリンダヘッド10に設けられたバルブシート14を開閉することで吸気ポート11及び排気ポート12の流路を、流通遮断する。したがって、このバルブが当接する部分であるバルブシート14の部分も円形になっている。
一方、シリンダヘッド10の側面に設けられた吸気ポート11の吸入口11aと、排気ポート12の排気口12aは、バルブシート14とは形状が異なる。
図4は、吸気ポート11の断面拡大図であり、図5は図4で示すD―D断面、E−E断面、及びF−F断面を示すポート断面25である。
図5に示すように、バルブシート14が円形であるのに対し、吸入口11aは平行な第1直線部分20aと第2直線部分20bが円弧で接続される長円形状である。
この吸入口11aの形状に関しては、長円形状に限定されるものではないが、第1直線部分20aと第2直線部分20bが平行である必要がある。
また、図示しないが、排気ポート12の有する排気口12aは、吸入口11aと同様に第1直線部分20aと第2直線部分20bが平行に設けられている。ただし、同じ燃焼室13から出た排気ポート12は1つにまとめられて排気口12aに接続されている。したがって、図1に示される吸入口11aのように8カ所ではなく、排気口12aはシリンダヘッド10の側面に4カ所設けられている。
このように吸気ポート11は、燃焼室13との接続部であるバルブシート14の部分では円形に、シリンダヘッド10の側面に設けられた吸入口11aでは第1直線部分20a及び第2直線部分20bを円弧で繋いだ長円形状になっている。
排気ポート12についても、排気口12aで合流しており、若干形状が異なるものの、同様にバルブシート14では円形に、排気口12aでは第1直線部分20aと、隣の排気ポート12の第2直線部分20bが円弧で繋いだ長円形状になっている。
吸気ポート11の断面は図4に示すように燃焼室13に設けられたバルブシート14と、シリンダヘッド10側面に設けられた吸入口11aを繋ぎ、その流路は円弧状に曲がっている。
これは、バルブシート14の位置が燃焼室13に対して所定の位置に設けられるためであり、バルブシート14の位置は燃焼効率等を考慮して決定される。一方、吸入口11aはシリンダヘッド10の側面に設けられるため、その流路は円弧状に曲がって設けられる。なお、吸気ポート11の流路の形状は図示しないバルブガイドを設ける位置からも制限される。
この吸気ポート11を分割面B―Bのポート分割平面30は図4の様に切断する。図4には示される長さaの幅を持つポート内面平面20で示される領域上を、分割面B―Bのポート分割平面30部分は通過する。
図4のバルブシート14に近い部分を切断した、図5に示すD―D断面では、ポート断面25の内周に形成された、ポート内面平面20上にある線分である第1直線部分20a及び第2直線部分20b上を分割面B―Bのポート分割平面30が通過していることが示されている。
図4の中央部分を切断した図5に示すE−E断面でも同様に、分割面B―Bのポート分割平面30が、ポート断面25の内周に形成された、第1直線部分20a及び第2直線部分20bの上を通過している。
図4の吸入口11aに近い部分を切断した図5に示すF−F断面でも同様に、分割面B―Bのポート分割平面30が、ポート断面25の内周に形成された、第1直線部分20a及び第2直線部分20bの上を通過している。
このように図4で描かれる分割面B―Bのポート分割平面30は、どの部分のポート断面25でも、第1直線部分20a及び第2直線部分20bの上を通っていることが分かる。
なお、分割面B―Bは2カ所で折れて、図2で示したように、一部は吸気ポート11を切断し、一部は排気ポート12を切断し、一部は燃焼室13の上を通過する切断面となっている。
このように構成されるシリンダヘッド10を図3のように動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dをそれぞれ鋳造する際には、それぞれが専用の金型でダイカスト成形される。
このとき、図示しない固定型と可動型が用いられてダイカスト成形されるが、可動型の移動方向と平行に第1直線部分20a及び第2直線部分20bが設定される。
また、ポートパーツ10c及び燃焼室パーツ10dに関しては、シリンダヘッド10として接合されてから加工される部分であるバルブシート加工部18が備えられている。
このバルブシート加工部18は、鋳造する際にはアンダーカットとなるため、後から追加工することとしている。したがって鋳造時にはバルブシート加工部18は形成されない。
動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dは鋳造後、亜鉛系の接合材料で接合されて、シリンダヘッド10の状態になる。
その際にバルブシート14は図示しないバルブシートリングが打ち込まれる必要があるため、機械加工が必要である。よって、この際にバルブシート加工部18も同時に加工され、吸気ポート11及び排気ポート12と連通する。
なお、図2及び図4に示すように、吸気ポート11及び排気ポート12の有する第1直線部分20a及び第2直線部分20bが構成するポート内面平面20を、燃焼室13の手前で止めるのではなく、燃焼室13に続くようにして、分割面B―Bの一部であるポート分割平面30で、燃焼室13まで分割するようにすれば、バルブシート加工部18のような、後から追加工する部分は無くすことができるので、その様に構成してもよい。
この際には、分割面C―Cはポート下部ウォータジャケット15bを切断できる範囲で下側に移動させ、燃焼室13を切断することとなる。
次に、本発明に係る第1実施例の作用効果を説明する。
(1)本発明に係る第1実施例によって、機械加工が容易な平面から構成される分割面を持つ構成部材からなるシリンダヘッドが実現可能となった。
まず、分割面A―A、及び分割面C―Cは、図3に示す通り平面で分割可能である。
吸気ポート11及び排気ポート12を切断する分割面B―Bについては、課題に示したように、吸気ポート11及び排気ポート12のポート断面25が円形であれば、アンダーカットを作らないために吸気ポート11及び排気ポート12の中心線に沿った形状で分割面を作ることになる。
図6(a)に、ポート断面25が円形である吸気ポート11の断面図を示す。図6(b)は、図6(a)を切断した場合である。また、図7(a)にポート断面25が長円形状である吸気ポート11の断面図を示す。図7(b)は、図7(a)を切断した場合である。
ポート断面25が円形である場合、中心線からずれた位置で切断するとどちらかに必ずアンダーカットを生じる。図6(a)では、ポート断面25の中心位置よりも下側で切断している。この場合、図6(b)に示すように円弧の長い上の構成部材にアンダーカットを生じている。下の構成部材は、円弧が短くアンダーカットは生じていない。
一方、図7(a)では、ポート断面25の中心位置より下側で切断しているが、図7(b)に示すように、上の構成部材にも、下の構成部材にもアンダーカットは生じない。
このように、第1直線部分20a及び第2直線部分20bを円弧で繋いだ長円形状の吸気ポート11は、分割面B―Bのポート分割平面30によって、どの位置で切断されても、上の構成部材にも下の構成部材にもアンダーカットを生じない。
なお、ここで示す第1直線部分20a及び第2直線部分20bは、概念的に直線状であり、平行である。したがって、幾何学的に直線という意味ではなく、第1直線部分20a及び第2直線部分20bと分割面B―Bが交わる点を頂点に、2〜3度程度の抜きテーパが形成され、第1直線部分20aと第2直線部分20bは、この抜きテーパを含んで直線であり、平行である。
製造上の要請から、金型からの抜けを良くするために2〜3度程度の抜きテーパを設ける必要がある。このような抜きテーパは、鋳造するにあたっては大抵の場合設けられ、歩留まりを良くするためにも必要である。
図6、図7で説明されたように、図5のポートパーツ上10b及びポートパーツ10cに備えられる吸気ポート11の分割された部分は、各々に第1直線部分20a及び第2直線部分20bを備えており、分割面B―Bのポート分割平面30はポート内面平面20の領域を切断しているためポートパーツ上10b及びポートパーツ10cは、どちらもアンダーカットを生じていない。
そして、分割面B―Bのポート分割平面30は、吸気ポート11の有するポート内面平面20を直線で通過することが可能となる。これは排気ポート12側でも同じことが言える。このため、即ちシリンダヘッド10を切断する分割面B―Bは平面だけで構成することが可能となる。
このようにシリンダヘッド10を分割する面である、分割面A―A、分割面B―B、及び分割面C―Cが全て平面だけで構成されるので、動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dの分割面も平面で構成されることになる。
これらの動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dの分割面が、平面で構成されることで、ダイカスト成形する際の鋳縮み等による面精度の悪化や、鋳肌にはヘヤークラックやヒートチェック、エアの巻き込み等による巣などの表面欠陥が鋳肌に発生していたとしても、機械加工で分割面を容易に加工することが可能となる。
課題で説明したように、分割面が曲面である場合には、機械加工で分割面が合う精度まで加工することは困難であるが、分割面が平面のみで構成されることで、高精度な機械加工が容易になり、面精度を出すことが出来るので、接合時に均一に接合が可能でシール性を高める結果にも繋がる。
(2)本発明に係る第1実施例によって、崩壊性の中子を用いることなくシリンダヘッド10を鋳造可能になった。
シリンダヘッド10に備えられる、ポート上部ウォータジャケット15a、及びポート下部ウォータジャケット15b等のウォータジャケットには冷却水を、吸気ポート11には燃焼に用いる空気を、排気ポート12には燃焼後のガスを流通している。
したがって、シリンダヘッド10には多数の中空部が存在するので、鋳造でシリンダヘッド10を成形するには崩壊性の中子を用いる必要がある。
しかし、第1実施例ではシリンダヘッド10を動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dの4つの構成部材に分割することで、ポート上部ウォータジャケット15aは分割面A―Aに分割され、吸気ポート11、及び排気ポート12は分割面B―Bに分割され、ポート下部ウォータジャケット15bは分割面C―Cに分割されることで、シリンダヘッド10の構成部材の何れにも中空部が無くなるので、崩壊性の中子を用いないでシリンダヘッド10のダイカスト鋳造を可能としている。
崩壊性の中子を用いないで鋳造が可能になったことで、崩壊性の中子を成型し、鋳造前に金型にセットし、鋳造後にシリンダヘッド10の中から崩して取り出すといった中子に関する工程を省くことが可能になる。
中子を用いないで鋳造をすることが出来れば、このような複数の工程を省くことが可能となる。
また、崩壊性の中子を用いないで鋳造することが出来るので、高い鋳造圧がかかるダイカスト鋳造が可能となる。ダイカスト鋳造は、大量生産する場合にコストメリットが高く、高い寸法精度で鋳造が可能な方法である。
また、ダイカスト鋳造では金型を用いるために、寸法精度が向上するほか、金型表面が鋳肌に転写され、表面粗さが向上する。
レースに用いられるエンジンでは、エンジンの振動を低減するために燃焼室13の容積を揃えたり、乱流の発生を防止し、空気抵抗を減らすなどの目的で、吸気ポート11及び排気ポート12の内面を研磨したりすることは、チューニングのメニューとして行われている。
シリンダヘッド10の寸法精度が向上し、表面粗さが向上することで、燃焼室13の容積は金型の精度で揃い、吸気ポート11及び排気ポート12の内面の面粗度が上がるため、同様の効果が得られることになり、エンジンの性能向上に寄与する。
また前述したように、動弁系パーツ10a、ポートパーツ上10b、ポートパーツ10c、及び燃焼室パーツ10dを接合するにあたっては、分割面A―A、分割面B―B、及び分割面C―Cが平面で構成されるために、機械加工が可能であり、ダイカスト鋳造した鋳肌が接合に不十分な面精度であっても、フライス加工などの機械加工した後に接合することで、接合強度とシール性を確保することが可能となる。
吸気ポート11や排気ポート12に、ポート上部ウォータジャケット15aやポート下部ウォータジャケット15bからの冷却水が入り込めば、燃焼時に水分が混ざることになって燃焼効率が落ちたり、燃料を燃焼させることが出来なくなってしまったりと、エンジンの性能にかかわる問題となる。したがって、接合部のシール性の確保は、エンジンの性能確保にあたっては重要である。
また、エンジンは稼働時には常に大きな力や振動が発生するために、接合部の接合強度も重要となる。十分な接合強度が得られない場合、エンジン稼働中にクラックが発生し漏れの原因になるなど致命的な欠陥となる可能性がある。
このような、シール性や接合強度の問題においても、接合面に機械加工を施し、面精度を高めることで、解決することが可能となる。
したがって、第1実施例に示した発明により、以下のような効果が得られる。
(1)吸気ポート11及び排気ポート12等の複数のポートを有するシリンダヘッド10であって、各々が分割面B―Bを備えるポートパーツ上10bとポートパーツ10cが成形され、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cが分割面B―Bで接合されたシリンダヘッド10のシリンダヘッド構造において、吸気ポート11及び排気ポート12等の複数のポートのうち少なくとも1つのポートが、第1直線部分20aと第2直線部分20bが平行に内周に形成されたポート断面25を備え、分割面B―Bの一部を構成するポート分割平面が、ポート断面25の第1直線部分20aと第2直線部分20bとを通過することを特徴とするので、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cの分割面B―Bは平面だけで構成することが可能となる。
すなわち、シリンダヘッド10をポートパーツ上10bとポートパーツ10cに分割するにあたり、流体を流通させるポートのポート断面25の形状を、お互いに平行なポートパーツ上10bとポートパーツ10cを含むものとし、ポートを分割する分割面B―Bが第1直線部分20aと第2直線部分20bを通過するようにすることで、ポートを分割面B―Bで分割してもアンダーカットとなる部分は出来なくなる。
これは、例えば吸気ポート11を分割するポート分割平面30が第1直線部分20aと第2直線部分20bを通過することで、吸気ポート11を分割し、ポートパーツ上10bに一方の半割ポートが、ポートパーツ10cに他方の半割ポートが含まれることになる。この時、第1直線部分20aと第2直線部分20bは金型の移動方向と平行とすれば、アンダーカットとなる部分は出来ない。
例えば、ポートパーツ上10bを2分割の金型でダイカスト鋳造する場合、金型の一方は移動型となり、他方は固定型となる。前述したように、半割ポートの第1直線部分20aと第2直線部分20bが、移動型の移動方向と平行となっている。したがって、流体が通過する吸気ポート11のポート断面25に、第1直線部分20aと第2直線部分20bを平行に有する場合、ポート分割平面30が第1直線部分20a及び第2直線部分20bのどの部分を通過したとしても、分割された半割ポートはアンダーカットとならない。
このように、ポートパーツ上10bの、第1直線部分20aと第2直線部分20bを平行に内周に有するポート断面25を有する吸気ポート11を分割した場合、半割ポートはアンダーカットとならないので、その部分に崩壊性の中子を用いずに鋳造することが可能となる。
すなわち、分割面で分割するポート全てが、このようなポート断面を有していれば、この分割面の通過する部分では、崩壊性の中子を用いる必要がなくなる。
このことは、もちろんポートパーツ10cにおいても同様の効果が得られる。
これによって、ダイカスト鋳造するにあたり、吸気ポート11のポート断面25の内周に平行に形成された第1直線部分20aと第2直線部分20bの上を分割面B―Bが通過する部分では、崩壊性の中子を用いる必要が無くなる。そして、排気ポート12や他のポートにも適用が可能であるので、安価にポートパーツ上10bとポートパーツ10cを鋳造することが可能となる。
また、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cの分割面である分割面B―Bは、ポート分割平面も平面で構成されるために、全体も平面だけで構成することが可能となる。その結果、分割面の機械加工が容易になり、安価に精度良く接合面を加工することが出来る。
また、精度良く加工が行えるため、高いシール性を発揮できるように接合することが可能となる。したがって、機械加工が容易な分割面を持つポートパーツ上10b、ポートパーツ10cからなるシリンダヘッド10の、シリンダヘッド構造を提供することが可能となる。
(2)(1)に記載されるシリンダヘッド構造をもつシリンダヘッド10を、鋳造工程と、機械加工工程と、接合工程を経て製造するシリンダヘッド10の製造方法において、鋳造工程では、ポートパーツ上10bを第1分割型及び第2分割型を用いて鋳造し、ポートパーツ上10bを前記第1分割型又は前記第2分割型から、ポート断面25が減少する方向に抜き、ポートパーツ10cを第3分割型及び第4分割型を用いて鋳造し、ポートパーツ10cを第3分割型又は第4分割型から、ポート断面25が減少する方向に抜き、機械加工工程では、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cの分割面B―Bを機械加工し、接合工程では、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cを接合することを特徴とするので、分割面B―Bが平面だけで構成することができる。分割面B―Bが平面だけで構成されることで分割面B―Bの機械加工が容易になり、加工時間も短縮できることから加工コストの低減を図ることが可能なシリンダヘッドの製造方法を提供することができる。
また、例えば吸気ポート11を分割するポート分割平面30が、相互に平行な第1直線部分20aと第2直線部分20bを通過するようにすることで、アンダーカットとなる部分を無くすことができるので、吸気ポート11を形成するために崩壊性の中子を用いる必要がなくなり、崩壊性の中子の使用量を削減でき、生産コストを下げることが可能となる。
(3)(2)に記載されるシリンダヘッド10の製造方法において、シリンダヘッド10が、例えばシリンダヘッド10の燃焼室13に接続される、吸気ポート11及び排気ポート12の、燃焼室13に接続されるバルブシート加工部18が未加工であり、接合工程の後、一体化されたシリンダヘッド10の仕上げ加工を行う仕上げ工程で、バルブシート加工部18を、機械加工することで、吸気ポート11と排気ポート12を、燃焼室13と連通させるような加工を行えば、吸気ポート11及び排気ポート12が燃焼室13に接続される部分が鋳造の際にはアンダーカットを発生する部分となってしまい、崩壊性の中子や抜き方向の異なるスライド型を組み込まずともよくなる。
燃焼室13と吸気ポート11及び排気ポート12が接続される部分は、エンジン稼働時にはバルブが開閉して流路を連通、遮断するため、通常、図示しないバルブシートリングが打ち込まれる。
このバルブシートリングを打ち込むためのバルブシート14は、バルブがスムーズに動くように精度を出す必要があるために仕上げ工程で加工され、この加工の際に、吸気ポート11及び排気ポート12に接続するバルブシート加工部18をも加工することで、加工コストをかけずに加工が可能となる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例の構成について説明を行う。
第2実施例の構成は、第1実施例の構成とほぼ同じであるが、分割面B―Bに関して構成が異なる。
図8は、第2実施例の吸気ポート11の断面拡大図であり、図9は図8で示すD―D断面、E−E断面、及びF−F断面を示すポート断面25である。
図8の分割面B―Bは、吸気ポート11を第1ポート分割平面31及び第2ポート分割平面32によって分割している。また、第1ポート分割平面31と第2ポート分割平面32は連続しており、図8に示されるようにポート内面平面20を折れ線状に通る。
したがって、第1ポート分割平面31及び第2ポート分割平面32は、ポート内面平面20上を折れ線状に切断し、図9に示すように、各ポート断面25において、第1直線部分20a及び第2直線部分20b上に分割面B―Bが通過している。
図8のバルブシート14に近い部分を切断した、図9に示すD―D断面では、ポート断面25の内周に形成された、ポート内面平面20上にある線分である第1直線部分20a及び第2直線部分20b上を分割面B―Bの第1ポート分割平面31が通過していることが示されている。
図8の中央部分を切断した図9に示すE−E断面でも同様に、分割面B―Bの第1ポート分割平面31が、ポート断面25の内周に形成された、第1直線部分20a及び第2直線部分20bの上を通過している。
図8の吸入口11aに近い部分を切断した図9に示すF−F断面でも同様に、分割面B―Bの第2ポート分割平面32が、ポート断面25の内周に形成された、第1直線部分20a及び第2直線部分20bの上を通過している。
なお、吸気ポート11と排気ポート12は同様に構成されており、分割面B―Bは図4と同様に、一部は吸気ポート11を切断し、一部は排気ポート12を切断し、一部は燃焼室13の上を通過する切断面となっている。
次に、本発明に係る第2実施例の作用効果を説明する。
前述したように第2実施例の吸気ポート11は、第1実施例とは異なり第1ポート分割平面31及び第2ポート分割平面32の2つの折れ線状に連続した2以上の平面で分割される。
このように2以上の平面で吸気ポート11を分割することは、吸気ポート11の形状が、曲率が大きく1枚の平面で分割出来ない場合に有効である。
第1実施例のように、吸気ポート11のポート内面平面20がポート分割平面30だけで分割されるように構成されていれば、第2実施例のように第1ポート分割平面31と第2ポート分割平面32の2つの面で構成されている場合に比べ、加工回数が少なくなるため、コスト的にはメリットが高い。
ただし、第1実施例のようにポート内面平面20をポート分割平面30で分割することにすると、吸気ポート11の形状を制限してしまう場合がある。
エンジンの大きさは、極力小さい方が良い。これは、車の性能にも関わり、エンジンが小さくなることで使用する材料が少なくて済み、エンジン自体が軽量になるため、結果的に加速性能が向上するなどのメリットがあるからである。
また、エンジンルームの広さや、取り付け位置の制約でも、エンジンの体格は制限される。
したがって、決められた空間の中で吸気ポート11の形状は決定され、前述した、バルブシート14の位置や、図示しないバルブガイドを設ける位置からも吸気ポート11の形状は制限されるが、その形状によっては1枚の平面で分割できないような曲率になっている場合もある。
この様な場合でも、吸気ポート11のポート内面平面20を2以上の平面で分割すれば、分割面を平面だけで構成できることになる。
第2実施例では吸気ポート11のポート内面平面20を、第1ポート分割平面31と第2ポート分割平面32の2つの折れ線状に連続した平面で分割しているため、図8に示すような曲率の大きな吸気ポート11であっても、分割面B―Bがポート内面平面20上を通過して分割することが出来る。
このことで分割面B―Bは、平面だけで構成されることになるので、機械加工も曲面を加工する場合に比べて容易であり、精度を出すことも可能となる。
このように、分割面B―Bの面精度が向上することで、第1実施例同様に、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cを接合したときに、シール性を確保することができ、接合強度も向上する。
また、吸気ポート11のポート内面平面20を2以上の平面で分割することは、言い換えれば、ポート内面平面20を折れ線状に平面だけで分割すればいいので、第1実施例の効果を有したまま、吸気ポート11の設計の自由度が上がることを意味する。
このことは排気ポート12でも同様のことが言える。
したがって、第2実施例に示した発明により、以下のような効果が得られる。
(1)第1実施例に記載のシリンダヘッド構造において、ポート分割平面30が、例えば第1ポート分割平面31及び第2ポート分割平面32のように、2以上の平面から構成され、折れ線状に連続していることを特徴とするので、曲率の大きいポートを第1ポート分割平面31及び第2ポート分割平面32で分割する場合であっても、分割面B―Bを平面だけで構成することが可能になる。
これは、例えば、第1実施例のようにポート分割平面30が1枚の平面で構成されるとすると、吸気ポート11の中心線の曲率は、シリンダヘッド10の外面に形成される吸入口11aから、燃焼室13側に形成されるバルブシート14までの距離と、第1直線部分20a又は第2直線部分20bの長さに制限されることになる。
第1直線部分20a及び第2直線部分20bの長さを無限に長くとることが出来れば、吸気ポート11の中心線の曲率も自由にとることが可能であるが、エンジンの体格の要請からシリンダヘッド10の高さは制限され、必然的にシリンダヘッド10の高さ方向に形成される第1直線部分20a又は第2直線部分20bの長さも制限されることとなる。したがって、吸気ポート11の中心線の曲率も制限される。
このような問題も、分割面B―Bが一対の平行な内面を折れ線状に通ることで解決される。これにより、(1)の効果を有したまま設計自由度を高めることが可能なシリンダヘッド構造となる。
なお、ポート分割平面の折れ線の折れる回数を増やすほど、複雑な形状に対応できるようになるが、複数の面からなる加工面は、折れ線の折れる回数が増えるほど、加工容易性を損なう結果となるため、2〜3回程度の折れ部分を含む折れ線にすることが望ましい。
ただし、曲面を加工する場合と複数の平面を加工する場合とでは大きな違いがある。曲面は、連続的に角度が変化する形状であるためフライス加工する場合は通常のエンドミルで加工をすることは困難であり、曲面に対応した専用のエンドミルを必要とする。また、曲面の曲率が変わるような場合は更に加工が困難となる。一方、平面で構成される面であれば、エンドミルの角度を変えることで加工が可能となるので、接合面に用いる場合であれば、平面から構成される面の方が格段に加工しやすくなる。
したがって、2以上の平面からなるポート分割平面の加工は、曲面の加工をする場合に比べて機械加工が容易となり、加工コストを下げることが出来る。
(2)(1)に記載されるシリンダヘッド構造をもつシリンダヘッド10を、鋳造工程と、機械加工工程と、接合工程を経て製造するシリンダヘッド10の製造方法において、鋳造工程では、ポートパーツ上10bを第1分割型及び第2分割型を用いて鋳造し、ポートパーツ上10bを前記第1分割型又は前記第2分割型から、ポート断面25が減少する方向に抜き、ポートパーツ10cを第3分割型及び第4分割型を用いて鋳造し、ポートパーツ10cを第3分割型又は第4分割型から、ポート断面25が減少する方向に抜き、機械加工工程では、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cの分割面B―Bを機械加工し、接合工程では、ポートパーツ上10bとポートパーツ10cを接合することを特徴とするので、分割面B―Bが平面だけで構成することができる。分割面B―Bが平面だけで構成されることで分割面B―Bの機械加工が容易になり、加工時間も短縮できることから加工コストの低減を図ることが可能なシリンダヘッドの製造方法を提供することができる。
また、例えば吸気ポート11を分割するポート分割平面30が、相互に平行な第1直線部分20aと第2直線部分20bを通過するようにすることで、アンダーカットとなる部分を無くすことができるので、吸気ポート11を形成するために崩壊性の中子を用いる必要がなくなり、崩壊性の中子の使用量を削減でき、生産コストを下げることが可能となる。
(3)(2)に記載されるシリンダヘッド10の製造方法において、シリンダヘッド10が、例えばシリンダヘッド10の燃焼室13に接続される、吸気ポート11及び排気ポート12の、燃焼室13に接続されるバルブシート加工部18が未加工であり、接合工程の後、一体化されたシリンダヘッド10の仕上げ加工を行う仕上げ工程で、バルブシート加工部18を、機械加工することで、吸気ポート11と排気ポート12を、燃焼室13と連通させるような加工を行えば、吸気ポート11及び排気ポート12が燃焼室13に接続される部分が鋳造の際にはアンダーカットを発生する部分となってしまい、崩壊性の中子や抜き方向の異なるスライド型を組み込まずともよくなる。
燃焼室13と吸気ポート11及び排気ポート12が接続される部分は、エンジン稼働時にはバルブが開閉して流路を連通、遮断するため、通常、図示しないバルブシートリングが打ち込まれる。
このバルブシートリングを打ち込むためのバルブシート14は、バルブがスムーズに動くように精度を出す必要があるために仕上げ工程で加工され、この加工の際に、吸気ポート11及び排気ポート12に接続するバルブシート加工部18をも加工することで、加工コストをかけずに加工が可能となる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、シリンダヘッド10を分割する、分割面A―A、分割面B―B、及び分割面C―Cは、ポート上部ウォータジャケット15a、及びポート下部ウォータジャケット15b等のウォータジャケットと、吸気ポート11、及び排気ポート12の位置によって左右されるものであるので、その分割位置を変更することを妨げない。また、シリンダヘッド10の分割数は4でなくともよく、設計の範囲内で変更が可能である。
また、第1位実施例ではバルブシート加工部18をポートパーツ上10b及びポートパーツ10cに設け、後に加工するシリンダヘッド構造、及び、分割面B―Bの切断部分を燃焼室13まで延長し、分割することでバルブシート加工部18を設けなくとも良いシリンダヘッド構造について説明しているが、バルブシート加工部18部分だけ崩壊性の中子を用いたり、この部分に抜き方向の異なるスライド型を組み込む等の方法を用いるなど、通常鋳造で使用される様々な方法を組み合わせることを妨げない。
第1実施例の、シリンダヘッドの全体斜視図を示している。 第1実施例の、シリンダヘッドの模式断面図を示している。 第1実施例の、リンダヘッドを分割して鋳造した状態の、構成部材の断面図を示している。 第1実施例の、吸気ポートの断面拡大図を示している。 第1実施例の、図4で示す吸気ポートのD―D断面、E−E断面、及びF−F断面を示すポート断面を示している。 (a) ポート断面が円形である吸気ポートの断面図を示している。 (b) 円形ポート断面を切断した場合の断面図を示している。 (a) ポート断面が長円形状である吸気ポートの断面図を示している。 (b) 長円形状ポート断面を切断した場合の断面図を示している。 第2実施例の、吸気ポートの断面拡大図を示している。 第2実施例の、図8で示す吸気ポートのD―D断面、E−E断面、及びF−F断面を示すポート断面を示している。 特許文献1の、接合構造シリンダヘッドの断面図を示している。
符号の説明
10 シリンダヘッド
10a 動弁系パーツ
10b ポートパーツ上
10c ポートパーツ
10d 燃焼室パーツ
11 吸気ポート
11a 吸入口
12 排気ポート
12a 排気口
13 燃焼室
14 バルブシート
15a ポート上部ウォータジャケット
15b ポート下部ウォータジャケット
18 バルブシート加工部
20 ポート内面平面
20a 第1直線部分
20b 第2直線部分
25 ポート断面
30 ポート分割平面
31 第1ポート分割平面
32 第2ポート分割平面

Claims (4)

  1. 複数のポートを有するシリンダヘッドであって、各々が分割面を備える第1構成部材と第2構成部材が成形され、前記第1構成部材と前記第2構成部材が前記分割面で接合されたシリンダヘッド構造において、
    前記複数のポートのうち少なくとも1つのポートが、第1直線部分と第2直線部分が平行に内周に形成されたポート断面を備え、
    前記分割面の一部を構成するポート分割平面が、前記ポート断面の前記第1直線部分と前記第2直線部分とを通過することを特徴とするシリンダヘッド構造。
  2. 請求項1に記載のシリンダヘッド構造において、
    前記ポート分割平面が、2以上の平面から構成され、折れ線状に連続していることを特徴とするシリンダヘッド構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されるシリンダヘッド構造をもつシリンダヘッドを、鋳造工程と、機械加工工程と、接合工程を経て製造するシリンダヘッドの製造方法において、
    前記鋳造工程では、
    前記第1構成部材を第1分割型及び第2分割型を用いて鋳造し、前記第1構造部材を前記第1分割型又は前記第2分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、
    前記第2構成部材を第3分割型及び第4分割型を用いて鋳造し、前記第2構造部材を前記第3分割型又は前記第4分割型から、前記ポート断面が減少する方向に抜き、
    前記機械加工工程では、
    前記第1構成部材と前記第2構成部材の前記分割面を機械加工し、
    前記接合工程では、
    前記第1構成部材と前記第2構成部材を接合することを特徴とするシリンダヘッドの製造方法。
  4. 請求項3に記載されるシリンダヘッドの製造方法において、
    前記シリンダヘッドが、前記ポートに接続する未加工部分を有し、
    前記接合工程の後、一体化された前記シリンダヘッドの仕上げ加工を行う仕上げ工程で、
    前記未加工部分を加工することを特徴とするシリンダヘッドの製造方法。
JP2005373343A 2005-12-26 2005-12-26 シリンダヘッド構造及びその製造方法 Withdrawn JP2007177622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005373343A JP2007177622A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 シリンダヘッド構造及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005373343A JP2007177622A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 シリンダヘッド構造及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007177622A true JP2007177622A (ja) 2007-07-12

Family

ID=38303070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005373343A Withdrawn JP2007177622A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 シリンダヘッド構造及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007177622A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012081521A1 (ja) * 2010-12-15 2012-06-21 日産自動車株式会社 接合方法および被接合部材
JP2012125804A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Nissan Motor Co Ltd 接合方法および被接合部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012081521A1 (ja) * 2010-12-15 2012-06-21 日産自動車株式会社 接合方法および被接合部材
JP2012125804A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Nissan Motor Co Ltd 接合方法および被接合部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1993756B1 (en) Method for producing cylinder head and cylinder head
EP2829337B1 (en) Gravity casting mold
CN100404171C (zh) 进气口用分隔板、进气口成形用型芯和气缸盖
US9140207B2 (en) Cylinder head
US7980206B2 (en) Cooling water passage structure of cylinder head
US9574522B2 (en) Assembly with cylinder head having integrated exhaust manifold and method of manufacturing same
JP5062071B2 (ja) 内燃機関のシリンダブロック
JP2007177622A (ja) シリンダヘッド構造及びその製造方法
KR20170124371A (ko) 내연 기관용 피스톤 및 냉각 채널 코어
JP4250723B2 (ja) シリンダヘッドの冷却水通路構造及び製造方法
EP2955364B1 (en) Gas pipe for exhaust gas recirculation
JP6201858B2 (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JP4028974B2 (ja) 内燃エンジン用シリンダの製造方法
JPS62282763A (ja) 消失性模型による内燃機関用シリンダヘツドの直冷鋳造法
JP4383992B2 (ja) 内燃機関用ピストン
JPH1130152A (ja) ブリッジを有するシリンダ・クランク・ハウジングおよびその製造方法
JP2007187125A (ja) シリンダヘッド又はシリンダブロックの構造
EP3244050B1 (en) Internal combustion engine equipped with a cylinder head, and internal combustion engine equipped with a cylinder head manufacturing method
JP2008215155A (ja) 多気筒内燃機関のシリンダヘッド及びその製造方法
JPWO2020051607A5 (ja)
WO2014007178A1 (ja) 気流制御装置
JPH09317551A (ja) サイアミーズ型シリンダブロック
JP4206025B2 (ja) 吸気ポート用の仕切り板、吸気ポート成形用砂中子およびシリンダヘッド
JP2007192089A (ja) シリンダヘッド又はシリンダブロックの構造
Brooks et al. Lightweight piston design for increased reliability and productivity requirements

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080311

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20081224