JP2007173940A - 画像処理装置及び画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラスタデータにJPEG2000符号化規格に従った処理を施すことによりそのラスタデータを圧縮符号化したエンベデット符号列を生成し圧縮画像データとして他の装置へ伝送する。また、JPEG2000が採用する機能の1つであるROIを応用することにより、処理対象となるラスタデータのうち秘匿情報などを描画した特定領域の画質を任意のレベルで低下させる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、これまでの圧縮符号化規格においては、このような要請に応えるためにはリソース及びアルゴリズムの難解さが増大してしまっていた。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、JPEG2000に採用された機能の一部を応用することにより、ラスタデータの特定領域の解像度だけをその他の領域よりも意図的に下げた圧縮画像を取得して他者に伝送できるような仕組みを提供することを目的とする。
本願発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、以下の2つの特徴を有する。
1つ目の特徴は、ラスタデータにJPEG2000符号化規格に従った処理を施すことによりそのラスタデータを圧縮符号化したエンベデット符号列を生成し、圧縮画像データとして他の装置へ伝送するようにした点である。ここで、「エンベデット符号列」は、復号化するビットのビット量とその復号化により得られるラスタデータの画質との間に比例関係が成り立つような構造を成す符号列を意味する。
2つ目の特徴は、JPEG2000が採用する機能の1つであるROI(Region of Interest)を応用することにより、処理対象となるラスタデータのうち秘匿情報などを描画した特定領域の画質を任意のレベルで低下させると共にその他の領域は復号化するビットのビット量の如何にかかわらず一定レベルの画質が保証されるようなエンベデット符号列を生成するようにした点である。
第1の画像処理装置10は、画像入力部11、画像メモリ12、表示部13、表示制御部14、特定領域指定操作部15、レベル設定操作部16、圧縮符号化部17、ROI制御部18、トランケーション制御部19、及び通信制御部20を備える。
表示部13は、例えば、コンピュータディスプレイであり、表示制御部14による制御の下に、画像メモリ12に記憶されたラスタデータを画像として表示する。
レベル設定操作部16は、例えば、キーボードであり、特定領域の画質レベルを指定する。なお、冒頭にも示したように、本実施形態は、特定領域の画質を任意のレベルで下げることが特徴であるので、このレベル設定部は、「−1」、「−2」、「−3」といったように、画質の低下の度合いを段階的に示す文字列によって画質レベルを指定する。
ウェーブレット順変換部17aは、垂直方向用のローパスフィルタ及びハイパスフィルタと水平査方向用のローパスフィルタ及びハイパスフィルタを組み合わせた4つのフィルタパスを内蔵しており、画像メモリ12のラスタデータの各画素を表す信号である画像信号をこれらのフィルタパスにてフィルタリングすることによって4つの変換係数を取得する。そして、垂直方向用のローパスフィルタ及び水平方向用のローパスフィルタとを透過した画像信号をダウンサンプリングして再入力する処理を再帰的に繰り返していくことにより、サブバンドと呼ばれる周波数帯域毎の変換係数群を取得する。
図3は、フィルタパスへの入力を2回繰り返した時点で得られる変換係数を示す図である。図を参照すると、画像メモリ12に記憶されたラスタデータが、垂直方向用と水平方向用のハイパスフィルタによる1度目のフィルタリングを経た1HH、垂直方向用のハイパスフィルタと水平方向用のローパスフィルタによる1度目のフィルタリングを経た1HL、垂直方向用のローパスフィルタと垂直方向用のハイパスフィルタによる1度目のフィルタリングを経た1LH、垂直方向用と水平方向用のハイパスフィルタによる2度目のフィルタリングを経た2HH、垂直方向用のハイパスフィルタと水平方向用のローパスフィルタによる2度目のフィルタリングを経た2HL、垂直方向用のローパスフィルタと垂直方向用のハイパスフィルタによる2度目のフィルタリングを経た2LH、及び垂直方向用のローパスフィルタと垂直方向用のローパスフィルタによる2度目のフィルタリングを経た2LLの7つのサブバンドに分割されていることが分かる。フィルタへの画像信号の再入力を、3回、4回・・・と再帰的に繰り返していくことにより、その入力回数の3倍に1を加算した数のサブバンドの変換係数が得られることになる。
係数ビットモデリング部17cは、量子化部17bによる量子化を経た変換係数を2値化して得たビット列を同じ桁に位置するビット毎に取り纏めて複数のビットプレーンに展開した後、各ビットプレーンを形成するビットの関係を基にそれらの符号化手順を示す符号化パスを特定する。
図4は、ビットプレーンへの展開の様子を示す図である。この図は、「10」、「1」、「3」、「7」の各変換係数を4つのビットプレーンに展開する様子を示している。図によると、「10」の絶対値は「1010」、「1」の絶対値は「0001」、「3」の絶対値は「0011」、「7」の絶対値は「0111」の2値4桁のビット列に夫々変換されている。そして、これらのビット列を同じ桁のビット毎に取り纏めることにより、1桁目ビット、2桁目ビット、3桁目ビット、4桁目ビットを夫々取り纏めた4つの層のビットプレーンが形成される。なお、以降の説明においては、係数ビットモデリング部17cにより形成される複数のビットプレーンのうち、各変換係数を2値化して得たビット列の最も上位の桁のビットから形成されるビットプレーンをMSB(Most significant bit plane)と称し、最も下位の桁のビットから形成されるビットプレーンをLSB(Least significant bit plane)と称する。
レイヤ別パケット生成部17eは、エントロピー符号化部17dにより生成されたエンベデッド符号列をレイヤと呼ばれる単位にグループ化し、それらのレイヤの符号列をパケットと呼ばれるセグメント毎に取り纏めてヘッダを付することにより圧縮画像データを生成する。
通信制御部20は、レイヤ別パケット生成部17eにより生成された圧縮画像データを第2の画像処理装置30に宛てて伝送する。
Maxshift 法について、図5を参照して説明する。図5(a)は、係数ビットモデリング部17cにより取得された複数のビットプレーンの階層構造を示す図である。エントロピー符号化部17dがMSBからLSBに向かって順次符号化を行うことは上述したところであるが、Maxshift 法では、図5(b)に示すように、各ビットプレーンを成すビットのうちROI領域の変換係数から得たビットを背景領域の変換係数から得たビットよりも上位のビットプレーンへシフトアップさせてから符号化させる。そして、本実施形態におけるROI制御部18は、このシフトアップを特定領域指定操作部15を介した特定領域の指定と連動して行う。つまり、図5(c)に示すように、特定領域と抵触しない領域の変換係数から得たビットを特定領域の変換係数から得たビットよりも上位のビットプレーンへシフトアップさせてからエントロピー符号化部17dへ引き渡すのである。これにより、特定領域でない領域の符号化の優先度を特定領域よりも高めることができる。
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態においては、レベル設定操作部16を通じて特定領域の画質レベルを段階的に指定するようになっていたが、「ぼやけさせる」と「はっきりさせる」といったように2者択一的な指定を行うこととしてもよい。
上記実施形態における特定領域指定部はスタイラスペンとして構成したが、これをマウスなどのポインティングデバイスとしてもよい。
上記実施形態を周知の課金システムと連動させた文書閲覧サービスを提供してもよい。この文書閲覧サービスにおいては、利用者たるユーザが所定の課金額を支払うまでは、重要な情報を記した領域を特定領域としてぼかした状態の圧縮画像データを提供する。そして、そのユーザが課金額を支払うと、特定領域をはっきりさせた圧縮画像データを提供する。
Claims (6)
- ラスタデータの特定領域とその他の領域とを異なる画質で圧縮符号化する画像処理装置であって、
圧縮符号化の対象となるラスタデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたラスタデータから特定領域を指定すると共にその特定領域の画質レベルを指定する操作子と、
前記ラスタデータの画素情報に所定の直交変換処理を施すことによって変換係数を取得する変換手段と、
前記取得した変換係数を表す各ビット列を同じ桁に位置するビット毎にそれぞれ取り纏めることによって複数のビットプレーンに展開するビットモデリング手段と、
前記展開された複数のビットプレーンの各々を成すビットのうち前記特定領域と抵触しない領域の画素情報から前記変換手段が取得した変換係数のビット列と対応するビットを、より上位の桁のビットが属するビットプレーンへとシフトさせるシフトアップ手段と、
前記シフトアップ手段がビットをシフトさせた後、複数のビットプレーンのうち最も上位のビットプレーンからその下位の指定されたビットプレーンまでを順次エントロピー符号化することによってラスタデータの圧縮符号列を生成する符号化手段と、
前記符号化手段にエントロピー符号化を行わせる最も下位のビットプレーンを前記操作子を介して指定された画質レベルに応じて切り換えるトランケーション手段と
を備えた画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記所定の直交変換処理は、ウェーブレット順変換処理である
画像処理装置。 - 請求項1又は2に記載の画像処理装置において、
前記生成された圧縮符号列をネットワークを介して外部装置へ伝送する伝送手段
を更に備えた画像処理装置。 - 請求項1乃至3に記載の画像処理装置において、
情報の表示手段と、
前記記憶手段に記憶されたラスタデータを読み出し、読み出したラスタデータを画像として前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備え、
前記操作子は、
前記表示手段に表示された画像から特定領域を指定する
画像処理装置。 - 請求項1乃至4に記載の画像処理装置において、
前記操作子は、
スタイラスペンである
画像処理装置。 - 請求項1乃至5に記載の画像処理装置と
前記画像処理装置からネットワークを介して伝送された圧縮符号列に所定のアルゴリズムに従った伸長処理を施すことによりラスタデータを復元する伸長装置と
を備えた画像処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005364942A JP2007173940A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 画像処理装置及び画像処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007173940A true JP2007173940A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38299971
Family Applications (1)
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2005
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