本発明の配達システムは、配達業者が配達物を配達先に配達する配達システムであって、配達物に添付されており、無線通信可能であると共に配達物の配達先に関する情報である配達先情報を記憶している第1の識別装置と、配達業者による配達物の配達経路上に設置されており、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している第2の識別装置と、前記第1の識別装置と前記第2の識別装置とが互いに通信可能な範囲内に位置する際に、当該第1の識別装置に係る配達先と当該第2の識別装置に係る所在地との位置関係を対比する対比手段と、前記対比手段によって対比された結果を報知する報知手段とを備えている。
また、本発明の配達システムは、配達業者が配達物を配達先に配達する配達システムであって、1又は複数の配達物にそれぞれ添付されており、無線通信可能であると共に配達物の配達先に関する情報である配達先情報を記憶している1又は複数の第1の識別装置と、配達業者による配達物の配達経路上に設置されており、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している第2の識別装置と、無線通信可能であり、前記1又は複数の第1の識別装置に記憶されている前記配達先情報を取得可能であると共に、配達時において配達業者に携帯される携帯端末とを備えており、前記携帯端末は、前記携帯端末が前記第2の識別装置と通信可能な範囲内に位置する際に、前記1又は複数の第1の識別装置のうちの少なくとも1つに係る配達先と当該第2の識別装置に係る所在地との位置関係を対比する対比手段と、前記対比手段によって対比された結果を報知する報知手段とを備えている。
さらに、本発明の配達システムは、配達業者が配達物を配達先に配達する配達システムであって、1又は複数の配達物にそれぞれ添付されており、無線通信可能であると共に識別情報を記憶している1又は複数の第1の識別装置と、配達業者による配達物の配達経路上に設置されており、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している第2の識別装置と、無線通信可能であり、前記1又は複数の第1の識別装置に記憶されている前記識別情報を取得可能であると共に、配達時において配達業者に携帯される携帯端末とを備えており、前記携帯端末は、前記1又は複数の第1の識別装置に係る配達先と前記1又は複数の第1の識別装置に記憶されている前記識別情報とを互いに関連付けて記憶する関連情報記憶手段と、前記携帯端末が前記第2の識別装置と通信可能な範囲内に位置する際に、前記関連情報記憶手段の記憶内容に基づいて、前記1又は複数の第1の識別装置のうちの少なくとも1つに係る配達先と当該第2の識別装置に係る所在地との位置関係を対比する対比手段と、前記対比手段によって対比された結果を報知する報知手段とを備えている。
これらの構成によると、配達物を配達している配達者は、配達物に添付されている第1の識別装置、又は、携帯している携帯端末と、配達経路上に設置されている第2の識別装置とが通信可能である際、すなわち配達者が第2の識別装置から所定の範囲内にいる際に、配達先と当該第2の識別装置の所在地との位置関係を知ることができる。つまり、配達先と配達者の存在位置との位置関係を知ることができる。したがって、配達者が配達先の地域の地理に不慣れな場合であっても、配達物を簡易に配達することができる。また、配達者が配達先に設置されている第2の識別装置から所定の範囲内にいる際に、報知手段が配達先と配達者の存在位置とが一致している、すなわち、配達先に到着した旨を報知することで、配達先を素通りすることなく確実に配達することができる。
本発明の配達システムでは、前記携帯端末は、前記携帯端末が前記第2の識別装置と通信可能な範囲内に位置する際に、前記1又は複数の第1の識別装置のうち、配達物の配達先が当該第2の識別装置に係る所在地と最も近いものを特定する特定手段をさらに備えており、前記対比手段が、前記特定手段によって特定された前記第1の識別装置に係る配達先と当該第2の識別装置に係る所在地との位置関係を対比してもよい。この構成によると、複数の配達物を配達する際に、効率よく配達を行うことができる。
本発明の配達システムでは、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備えており、前記対比手段が、前記第1の識別装置と前記第2の識別装置とが互いに通信可能な範囲内に位置する際に、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づいて、当該第2の識別装置に係る所在地から当該第1の識別装置に係る配達先に向かうための案内情報を生成し、前記報知手段が前記対比手段によって生成された案内情報を報知してもよい。
また、本発明の配達システムでは、前記携帯端末が、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備えており、前記対比手段が、前記携帯端末が前記第2の識別装置と通信可能な範囲内に位置する際に、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づいて、当該第2の識別装置に係る所在地から前記特定手段によって特定された前記第1の識別装置に係る配達先に向かうための案内情報を生成し、前記報知手段が前記対比手段によって生成された案内情報を報知してもよい。
本発明の配達システムでは、前記携帯端末が、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶されている地図情報に係る地図を表示するディスプレイとをさらに備えており、前記第1の識別装置に係る配達先の位置を前記ディスプレイが表示し、且つ前記第2の識別装置と通信可能な範囲内に位置する際に、当該第2の識別装置に記憶されている前記所在地情報に基づいて、当該第2の識別装置の所在地を前記ディスプレイが表示してもよい。この構成によると、配達先と配達者の存在位置との位置関係を視覚的に知ることができる。
本発明の写真プリントシステムは、複数の写真プリント発注者が操作する複数の発注者端末と、所定の配達エリアをそれぞれ有しており、写真プリントを作成すると共に、作成した写真プリントを上述の配達システムによって配達する複数の事業者の事業所内に設置された複数の事業者端末とが、通信ネットワークを介してサーバと通信可能であり、前記発注者端末が、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、プリントを希望する画像データファイルを前記サーバに送信する写真プリントシステムである。そして、前記事業者端末が、前記第1の識別装置に情報を書き込むための書込装置を有しており、前記発注者端末が、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、配達先情報を前記サーバに送信し、前記サーバが、前記複数の事業者の中から抽出された、前記発注者端末から受信した配達先情報に係る住所を配達エリアに含んでいる1又は複数の事業者に関する事業者情報を前記発注者端末に送信し、前記発注者端末が、前記サーバにおいて複数の事業者が抽出された場合に、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、当該複数の事業者の中から写真プリント発注者が選択した事業者の選択情報を前記サーバに送信し、前記サーバにおいて1つの事業者が抽出された場合には、その抽出された事業者の前記事業者端末が、前記サーバにおいて複数の事業者が抽出された場合には、前記選択情報によって選択された前記事業者端末が前記サーバから当該画像データファイル及び配達先情報を受信すると共に、当該事業者端末の前記書込装置が前記第1の識別装置に前記サーバから受信した配達先情報を書き込む。
また、本発明の写真プリントシステムは、複数の写真プリント発注者が操作する複数の発注者端末と、所定の配達エリアをそれぞれ有しており、写真プリントを作成すると共に、作成した写真プリントを上述の配達システムによって配達する複数の事業者の事業所内に設置された複数の事業者端末とが、通信ネットワークを介してサーバと通信可能であると共に、前記第1の識別装置が前記識別情報を記憶しており、前記発注者端末が、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、プリントを希望する画像データファイルを前記サーバに送信する写真プリントシステムである。そして、前記事業者端末が、前記携帯端末と通信可能であり、前記発注者端末が、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、配達先情報を前記サーバに送信し、前記サーバが、前記複数の事業者の中から抽出された、前記発注者端末から受信した配達先情報に係る住所を配達エリアに含んでいる1又は複数の事業者に関する事業者情報を前記発注者端末に送信し、前記発注者端末が、前記サーバにおいて複数の事業者が抽出された場合に、写真プリント発注者の前記発注者端末への操作入力に従って、当該複数の事業者の中から写真プリント発注者が選択した事業者の選択情報を前記サーバに送信し、前記サーバにおいて1つの事業者が抽出された場合には、その抽出された事業者の前記事業者端末が、前記サーバにおいて複数の事業者が抽出された場合には、前記選択情報によって選択された前記事業者端末が前記サーバから当該画像データファイル及び配達先情報を受信すると共に、前記携帯端末に前記サーバから受信した配達先情報を送信し、且つ前記携帯端末の前記関連情報記憶手段が前記サーバから受信した配達先情報と前記第1の識別装置の記憶されている前記識別情報とを関連付けて記憶する。
なお、本発明においては、写真プリントの作成及び配達を行う事業者の事業者端末がサーバから画像データファイルを受信するタイミングが、配達先情報を受信するタイミングと同時でない場合も含んでいる。
これらの構成によると、発注者は、配達先住所を配達エリアに含んでおり、その地域に密着している事業者に写真プリントの作成及び配達を依頼することとなるので、安心して写真プリントを発注することができる。また、写真プリント配達時において、配達者が第2の識別装置から所定の範囲内にいる際に、写真プリントの配達先と配達者の存在位置との位置関係を知ることができるので、配達者が配達先の地域の地理に不慣れな場合であっても、配達物を簡易に配達することができる。さらに、報知手段が配達先に到着した旨を報知することで、例えば、配達者が新聞配達等をしつつ写真プリントの配達を行っている場合でも、写真プリントの配達先を素通りすることなく、確実に写真プリントを配達することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係る配達システムの概略構成を示す図である。
本実施の形態の配達システム1は、配達業者が配達物である写真プリントを配達先に配達するシステムであって、図1に示すように、写真プリント(詳細には写真プリントが封入されている封筒)に添付されており、無線通信可能であると共に写真プリント発注者の氏名情報、配達先住所情報、配達先電話番号情報等を含む発注者情報を記憶している第1のICタグ3と、配達業者による配達物の配達経路上に複数設置されており、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している第2のICタグ5a〜5c(以降の説明において、「第2のICタグ5a〜5c」の3つを区別せずに「第2のICタグ5」と称する場合がある)と、無線通信可能であり、配達時において配達業者に携帯される携帯端末50とを備えている。なお、図1に示すように、第2のICタグ5aは配達先の住宅に設置されており、第2のICタグ5b、5cは、道路標識に設置されている。第2のICタグ5の設置場所はこれらに限られず、例えば、電柱、ガードレール、道路上等に設置されていてもよい。また、本実施の形態では、写真プリントが封入されている封筒には、発注者の氏名及び住所が記載されていることとする。
第1のICタグ3、及び第2のICタグ5の構成は、いずれもほぼ同様であるので、第1のICタグ3の構成のみについて説明する。図2に示すように、第1のICタグ3には、半導体チップ3a及びアンテナコイル3bが内蔵されている。半導体チップ3aには、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェイス回路等が集積されている。アンテナコイル3bは、ICタグリーダとの間で電波を送受信する。また、アンテナコイル3bは、ICタグリーダからの電波を受けることによって電力を発生させると共に、半導体チップ3aへ電力を供給する。
携帯端末50は、図3に示すように、第1のICタグ3、及び第2のICタグ5との間で電波を送受信するアンテナ57を有しており、ICタグリーダとして機能する。なお、本実施の形態においては、携帯端末50と第1のICタグ3との間の通信距離は数センチ程度であり、携帯端末50と第2のICタグ5との間の通信距離は数メートル程度であるとする。したがって、第1のICタグ3は、携帯端末50にかざされることによって、携帯端末50との間で無線通信可能となる。また、図1に示すように、携帯端末50の周囲数メートルの範囲(破線で示す範囲)に位置する第2のICタグ5は、携帯端末50との間で無線通信可能となる。さらに、図3に示すように、携帯端末50は、発注者情報記憶部51、最近接配達先特定部52、地図情報記憶部53、及び対比部54を有している。
発注者情報記憶部51は、写真プリントに添付されている第1のICタグ3から受信した発注者情報を記憶する。最近接配達先特定部52は、複数の配達先に配達を行う場合において、携帯端末50が第2のICタグ5と通信可能な範囲内に位置する際に、複数の配達物に添付されている複数の第1のICタグ3から受信した配達先住所情報にかかる配達先のうち、当該第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地に最も近いものを特定する。
地図情報記憶部53は、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶している。対比部54は、携帯端末50が第2のICタグ5と通信可能な範囲内に位置する際に、配達物に添付されている第1のICタグ3から受信した配達先住所情報にかかる配達先と、当該第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地との位置関係を対比する。より詳細には、対比部54は、地図情報記憶部53に記憶されている地図情報に基づいて、当該第2のICタグ5の所在地から配達先に向かうための案内情報を生成する。案内情報とは、具体的には、「そのまま直進」、「50m先を左折」、「目的地に到着」等の情報である。なお、配達物が複数ある場合には、対比部54は、最近接配達先特定部52によって特定された配達先と、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5の所在地とを対比する。
さらに、携帯端末50は、ディスプレイ58及びスピーカー59を備えている。ディスプレイ58は、地図情報記憶部53に記憶されている地図情報にかかる地図を表示する。加えて、ディスプレイ58は、第1のICタグ3から受信した配達先住所情報に係る配達先の地図上における位置を表示すると共に、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地の地図上における位置を表示する。なお、本実施の形態では、ディスプレイ58は、最近接配達先特定部52で特定された配達先に係る配達物の発注者情報である発注者の氏名情報、配達先住所情報、及び配達先電話番号情報を、文字情報として表示することとする。これにより、配達業者は、配達物が複数ある場合でも、ディスプレイ58が表示した発注者の氏名等と配達物に記載されている発注者の氏名等と照らし合わせることで、どの配達物の配達先に向かっているかを知ることができる。また、ディスプレイ58が表示した配達先電話番号により、到着前に発注者が在宅か否かを電話で確認することもできる。スピーカー59は、対比部54による対比結果を報知する。具体的には、対比部54によって生成された案内情報を報知する。
ここで、図4を参照しつつ、本実施の形態の配達システム1において、配達業者が写真プリントを配達する際に、携帯端末50で行われる処理について説明する。なお、ここでは、複数の配達先に配達物を配達する場合を考えることとする。
まず、各配達先に配達される写真プリントにそれぞれ添付された複数の第1のICタグ3から発注者情報を取得すると共に、発注者情報記憶部51に記憶する(ステップS101)。このとき、ディスプレイ58は、地図情報記憶部53に記憶されている地図情報に基づく地図、及び、ステップS101で取得した発注者情報に含まれている配達先住所情報に係る配達先の地図上における位置を表示する。次に、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5から信号を受信したか否かが判断される(ステップS102)。第2のICタグ5から信号を受信していないと判断された場合には(ステップS102:NO)、受信したと判断されるまでステップS102での判断が繰り返し行われる。一方、第2のICタグ5から信号を受信したと判断された場合には(ステップS102:YES)、ディスプレイ58が当該第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地の地図上における位置を、配達業者の現在位置として表示する(ステップS103)。
続いて、最近接配達先特定部52が、発注者情報記憶部51に記憶されている複数の第1のICタグ3に係る発注者情報に基づいて、ステップS102において信号を受信した第2のICタグ5の所在地と最も近い配達先を特定する(ステップS104)。さらに、対比部54が、ステップS102において信号を受信した第2のICタグ5の所在地と、ステップS104で特定された配達先との位置関係を対比し、当該第2のICタグ5の所在地から当該配達先に向かうための案内情報を生成する(ステップS105)。
ここで、図1を用いて、ステップS105において生成される案内情報について説明する。なお、図1において、第2のICタグ5aが設置された住宅がステップS104で特定された配達先であり、第2のICタグ5bがステップS102において携帯端末50が信号を受信した第2のICタグ5であるとする。また、携帯端末50は、第2のICタグ5bの信号を受信する直前に第2のICタグ5cの信号を受信していたとする。したがって、携帯端末50が第2のICタグ5bの信号を受信した際に、配達業者が矢印A方向に向かっていることが分かる。よって、「突当りを左折」という案内情報が生成される。
図4に戻って、ステップS105において対比された第2のICタグ5の所在地と配達先とが一致している、すなわち配達先に到着したか否かが判断される(ステップS106)。未だ配達先に到着していないと判断された場合には(ステップS106:NO)、スピーカー59によってステップS105で生成された案内情報が報知される(ステップS107)。その後、ステップS102に戻って、再び第2のICタグ5からの信号を受信したか否かの判断が行われる。一方、ステップS106において配達先に到着したと判断された場合には(ステップS106:YES)、スピーカー59によってステップS105で生成された案内情報、すなわち、配達先に到着した旨が報知される(ステップS108)。このように、案内情報をスピーカー59によって音声で報知することによって、例えば、配達業者が乗り物に乗って配達を行っており、運転に気を取られている場合等でも、音声によって注意を喚起することができる。
なお、本実施の形態においては、第2のICタグ5は、配達業者による配達物の配達経路上に複数設置されている。したがって、上述のような配達システム1によって、配達業者を配達先まで誘導することができる。
次に、上述の配達システム1を用いた写真プリントシステムについて説明する。図5は、本実施の形態に係る写真プリントシステムの概略構成を示す図である。
本実施の形態の写真プリントシステム101は、インターネット9を利用して写真プリントの注文を受け付け、写真プリントの作成及び配達を行うシステムであり、図5に示すように、写真プリント発注者が操作するパソコン10と、所定の配達エリアを有していると共に、商品の配送契約を消費者と結ぶことがある複数の事業者が操作する複数の事業者端末30と、サーバ70とを備えている。そして、パソコン10及び事業者端末30は、いずれもインターネット9を介してサーバ70と通信可能に接続されている。なお、本実施の形態の写真プリントシステム101において、配達物である写真プリントを配達する配達業者は、事業者端末30を操作する事業者である。
本実施の形態では、所定の配達エリアを有する事業者として、新聞販売店、コンビニエンスストア、及び酒屋の3業種を例に挙げて説明するが、これらは一例であり、例えば、米屋、牛乳屋等、既存の配達システムを有する事業者であればどのような業種の事業者を幾つ含んでいてもよい。また、図5では、新聞販売店、コンビニエンスストア、及び酒屋がそれぞれ1店舗ずつ記載されているが、写真プリントシステム101には、配達エリアの異なる複数の事業者の店舗に設置された複数の事業者端末30が設けられている。さらに、パソコン10についても、図5では1台だけ記載されているが、写真プリントシステム101には、全国各地の写真プリント発注者のインターネット9に接続されたパソコン10が多数設けられている。
ここで、上述の新聞販売店等の事業者の配達エリアについて説明する。本実施の形態では、かかる事業者のうち、同種事業者同士の配達エリアは、重複することなく分布していることが想定できる。一方、異種事業者同士の配達エリアは、その全て又は一部が互いに重複している地域が存在していることとする。すなわち、本実施の形態のように、3業種の事業者を考えている場合には、ある特定の住所を配達エリアに含んでいる事業者は、1つ、2つ、又は3つ存在することとなる。
パソコン10には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等のハードウェアが収納されており、ハードディスクには各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、パソコン10が機能している。また、パソコン10には、図6に示すように、パソコン10に関する各種情報を表示するディスプレイ15と、パソコン10に対して指示を入力するためのキーボード16及びマウス17と、CD−ROM、FD、MO等の各種メディアに記録された画像データファイルを読み出すメディアドライブ18と、インターネット9に接続するための通信インターフェース19とが接続されている。
したがって、パソコン10を操作する写真プリント発注者は、発注者情報(具体的には、自身の氏名、仕上がった写真プリントの配達先住所、配達先電話番号等)、写真プリントシステム101に含まれる複数業種の事業者のうちから写真プリントを発注する事業者として選択した事業者の選択情報、メディアドライブ18によって読み出された画像データファイルのうちプリントを希望する画像データファイル、当該画像データファイルに係るサムネイル画像データファイル、当該画像データファイルに係る画像のプリント枚数、及び当該選択した事業者が販売している商品の購入情報等をインターネット9を介してサーバ70にアップロードすることができる。
事業者端末30は、図7に示すように、互いに接続されておりデータの送受信が可能な汎用のパソコン40とプリンタ31とで構成されている。パソコン40には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等のハードウェアが収納されており、ハードディスクにはパソコン40を機能させるためのプログラムを含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、後述する発注情報記憶部41が構成されている。また、パソコン40には、図7に示すように、ICタグに情報を書き込むためのICタグライタ44と、各種情報を表示するディスプレイ45と、インターネット9に接続するための通信インターフェース49とが接続されている。
したがって、パソコン40は、発注者のパソコン10からサーバ70にアップロードされた発注情報、すなわち発注者情報や画像データファイル等を取得し、発注情報記憶部41に記憶する。そして、ICタグライタ44が、発注情報記憶部41に記憶されている発注者情報をICタグに書き込む。続いて、プリンタ31が、発注情報記憶部41に記憶されている発注情報に含まれる画像データファイルに基づいて、写真プリントを作成する。なお、事業者は、プリンタ31で作成された1オーダー分の写真プリントを1つの封筒に封入すると共に、ICタグライタ44によって当該オーダーに係る発注情報が書き込まれたICタグを第1のICタグ3として封筒に添付する。
サーバ70には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等のハードウェアが収納されており、ハードディスクにはサーバ70を機能させるためのプログラムを含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、後述するウェブファイル記憶部71、事業者情報記憶部72、発注情報記憶部73、補正部74、発注先抽出部75、及び発注準備完了信号生成部76(図8参照)が構築されている。また、サーバ70には、図8に示すように、インターネット9に接続するための通信インターフェース79が接続されている。
ウェブファイル記憶部71には、サーバ70にアクセスしてきたクライアントパソコンに対して、写真プリントサービスのコンテンツを提供するために、HTMLファイルなどの多数のウェブファイルが格納されている。したがって、サーバ70は、インターネット9を介してサーバ70にアクセス可能であるパソコン10に対してオンラインプリント注文を受け付けるためのWebサイトを提供することができる。
事業者情報記憶部72には、写真プリントシステム101に写真プリントの作成及び配達を行う事業者として登録している複数業種の事業者の情報が記憶されている。具体的には、事業者の名称、業種、住所、電話番号、営業時間、定休日等の基礎的な情報に加えて、配達エリア、販売している商品の販売情報、配達予定日時に関する情報等が記憶されている。なお、事業者情報記憶部72の記憶内容を書き換えることによって、事業者の登録/抹消を行うことができる。
ここで、配達予定日時に関する情報とは、発注者が注文を行った時間帯及び曜日から配達予定日時を決定することができる情報である。配達予定日時の決定方法としては、例えば、事業者の営業時間及び定休日に基づいて行われる。具体的には、定休日の前日の営業時間終了後に注文が行われた場合には、定休日の翌日を配達予定日とする。
発注情報記憶部73には、パソコン10からアップロードされた発注情報、すなわち、発注者情報、画像データファイル、サムネイル画像データファイル、選択された事業者の選択情報、発注者が写真プリントの配達を依頼する事業者が販売している商品の購入情報等が記憶される。補正部74は、パソコン10からアップロードされた画像データファイルに対して、画像の色濃度、シャープネス、コントラスト、彩度等を補正するための補正処理を施す。
発注先抽出部75は、写真プリントシステム101に登録されている複数の事業者の中から、発注情報記憶部73に記憶される配達先住所を配達エリアとする事業者を抽出し、発注先リストを生成する。なお、このとき、事業者情報記憶部72に記憶されている複数の事業者の中から、1つ、2つ、又は3つの事業者が抽出される。例えば、新聞販売店については和歌山市北部エリア、コンビニエンスストアについては和歌山市梅原エリア、酒屋については和歌山市梅原国道26号線付近エリア等が配達エリアとして存在し、特定の住所を配達エリアに含む事業者がピックアップされる。また、発注先リストに含まれる事業者数は、発注先抽出部75によって抽出された事業者数、すなわち配達先住所を配達エリアに含んでいる事業者数を超えることはできない。抽出された全ての事業者が発注先リストに含まれるようにしてもよいし、抽出された事業者の中から抜粋された事業者のみが発注者リストに含まれるようにしてもよい。そして、発注先抽出部75によって生成された発注先リストは、インターネット9を介してパソコン10に送信される。
発注準備完了信号生成部76は、補正部74による補正処理が終了した際に、事業者端末30に対して、写真プリントを発注する準備が完了したことを報知するための発注準備完了信号を生成する。発注準備完了信号生成部76で生成された発注準備完了信号は、発注者によって選択された事業者の事業者端末30に送信される。
ここで、本実施の形態の写真プリントシステム101において、写真プリントを作成する手順について説明する。まず、パソコン10における処理手順を示すフローチャートである図9を用いて、パソコン10を用いて写真プリントの発注を行う際の手順について説明する。
まず、写真プリントの発注者がパソコン10を用いてサーバ70にアクセスすると、オンラインプリント注文のWebサイトのトップページ(図示せず)がディスプレイ15に表示される。さらに、プリントの注文を行うためのページにアクセスすると、メディアドライブ18によってメディアから画像データファイルが読み出された後(ステップS201)、当該画像データファイルとサーバ70から取得したウェブファイルとが合成され、図10に示すような注文画面91がディスプレイ15に表示される(ステップS202)。なお、本実施の形態では、図10に示すように、注文画面91には6コマ分の画像が表示されることとする。このとき、発注者は、キーボード16又はマウス17を用いて各コマ画像に対してプリント枚数等を入力する。
続いて、注文画面91の確定ボタン91aが操作されたか否かが判断される(S203)。確定ボタン91aが操作されていないと判断された場合には(ステップS203:NO)、確定ボタン91aの操作が行われたと判断されるまで、ステップS203での判断が繰り返し行われる。一方、確定ボタン91aの操作が行われたと判断された場合には(ステップS203:YES)、未だ注文画面91に表示されていない画像があるか否かが判断される(ステップS204)。
未だ注文画面91に表示されていない画像があると判断された場合には(ステップS204:YES)、ステップS201に戻って、再びメディアからの画像データファイルの読み出しが行われる。一方、全ての画像が注文画面91に表示されたと判断された場合には(ステップS204:NO)、図11に示すような発注者情報入力画面92が表示される(ステップS205)。本実施の形態では、発注者情報入力画面92において、図11に示すように、発注者氏名、配達先住所、及び配達先電話番号を発注者情報として入力するようになっているが、あらかじめ会員登録されている場合には、IDやパスワード等を入力するようにしてもよい。
そして、発注者情報入力画面92の確定ボタン92aが操作されたか否かが判断される(ステップS206)。確定ボタン92aが操作されていないと判断された場合には(ステップS206:NO)、確定ボタン92aの操作が行われたと判断されるまで、ステップS206での判断が繰り返し行われる。一方、確定ボタン92aの操作が行われたと判断された場合には(ステップS206:YES)、発注者情報入力画面92で入力された発注者情報がサーバ70に送信される(ステップS207)。
続いて、サーバ70から発注先リストを受信したか否かが判断される(ステップS208)。リストを受信していないと判断された場合には(ステップS208:NO)、リストを受信したと判断されるまで、ステップS208での判断が繰り返し行われる。一方、リストを受信したと判断された場合には(ステップS208:YES)、図12に示すような、発注先選択画面93が表示される(ステップS209)。
図12に示すように、発注先選択画面93には、事業者の名称、及び現在の日時と当該事業者の営業時間・定休日とから予想される配達予定日時が表示される。したがって、発注者は、配達予定日時を知ることができる。ここで、図12の発注先選択画面93には、新聞販売店、コンビニエンスストア、及び酒屋の3つの事業者が表示されているので、発注者は、これら3つの事業者のうちから写真プリントの作成及び配達を依頼する事業者として1つの事業者を選択した後、確定ボタン93aを操作する。なお、事業者が1つしか表示されていない場合には、発注者は、その表示されている事業者にプリントを依頼することとなる。
そして、発注先選択画面93の確定ボタン93aが操作されたか否かが判断される(ステップS210)。確定ボタン93aが操作されていないと判断された場合には(ステップS210:NO)、確定ボタン93aの操作が行われたと判断されるまで、ステップS210での判断が繰り返し行われる。一方、確定ボタン93aの操作が行われたと判断された場合には(ステップS210:YES)、発注先選択画面93で選択された事業者の選択情報が、サーバ70に送信される(ステップS211)。
その後、発注先の事業者の販売情報を受信したか否かが判断される(ステップS212)。販売情報を受信していないと判断された場合には(ステップS212:NO)、販売情報を受信したと判断されるまでステップS212での判断が繰り返し行われる。一方、販売情報を受信したと判断された場合には(ステップS212:YES)、図13に示すような商品選択画面94が表示される(ステップS213)。
このとき、発注者は、商品選択画面94に表示されている商品の中から、写真プリントと一緒に配達を希望する商品を選択することができる。続いて、商品選択画面94の確定ボタン94aが操作されたか否かが判断される(ステップS214)。確定ボタン94aが操作されていないと判断された場合には(ステップS214:NO)、確定ボタン94aの操作が行われたと判断されるまで、ステップS214での判断が繰り返し行われる。一方、確定ボタン94aの操作が行われたと判断された場合には(ステップS214:YES)、画像データファイル、及び発注先の事業者が販売している商品の購入情報等の発注情報をサーバ70に送信する(ステップS215)。
次に、サーバ70のパソコン10とのやり取りを示すフローチャートである図14を用いて、サーバ70における写真プリントの発注が行われる際の手順について説明する。
まず、パソコン10からのアクセスに対応して、ウェブファイル記憶部71に記憶されているウェブファイルをパソコン10に送信する。そして、パソコン10から送信された発注者情報を受信したか否かが判断される(ステップS301)。発注者情報を受信していないと判断された場合には(ステップS301:NO)、発注者情報を受信したと判断されるまで、ステップS301での判断が繰り返し行われる。一方、発注者情報を受信したと判断された場合には(ステップS301:YES)、発注先抽出部75によって発注業者が抽出されると共に発注先リストが生成される(ステップS302)。そして、ステップS302で生成された発注先リストが、パソコン10に送信される(ステップS303)。
さらに、パソコン10から送信された発注者が選択した事業者の選択情報を受信したか否かが判断される(ステップS304)。選択情報を受信していないと判断された場合には(ステップS304:NO)、選択情報を受信したと判断されるまでステップS304での判断が繰り返し行われる。一方、選択情報を受信したと判断された場合には(ステップS304:YES)、発注者によって選択された事業者の販売情報がパソコン10に送信される(ステップS305。)
その後、パソコン10から送信された発注情報を受信したか否かが判断される(ステップS306)。発注情報を受信していないと判断された場合には(ステップS306:NO)、発注情報を受信したと判断されるまで、ステップS306での判断が繰り返し行われる。一方、発注情報を受信したと判断された場合には(ステップS306:YES)、受信した発注情報が発注情報記憶部73に記憶される(ステップS307)。
続いて、サーバ70の事業者端末30とのやり取りを示すフローチャートである図15を用いて、サーバ70における事業者に写真プリントの発注を行う際の手順について説明する。
まず、補正部74によって、上述のパソコン10とのやり取りの手順におけるステップS306においてパソコン10から取得した画像データファイルに対して、補正処理が施される(ステップS401)。その後、発注準備完了信号生成部76によって、発注準備完了信号が生成される(ステップS402)。さらに、ステップS402で生成された発注準備完了信号が、インターネット9を介して、発注者がプリントを依頼する事業者の事業者端末30に送信される(ステップS403)。
さらに、事業者端末30における処理手順を示すフローチャートである図16を用いて、写真プリントを作成する際の手順について説明する。
まず、パソコン40において、サーバ70から送信された発注準備完了信号を受信したか否かが判断される(ステップS501)。信号を受信していないと判断された場合には(ステップS501:NO)、信号を受信したと判断されるまで、ステップS501での判断が繰り返し行われる。一方、信号を受信したと判断された場合には(ステップS501:YES)、サーバ70にアクセスし、発注情報記憶部73に記憶されている発注情報を取得する(ステップS502)。その後、ステップS502でダウンロードされた発注情報は、発注情報記憶部41に記憶される(ステップS503)。
続いて、ディスプレイ45に、図17に示すような発注状況報知画面95が表示される(ステップS504)。図17に示すように、発注状況報知画面95には、発注情報記憶部41に記憶された発注者情報やプリント枚数や商品の購入情報等が表示される。また、例えば発注者が当該事業者と定期配送契約を結んでいる場合には、顧客ナンバー等が発注状況報知画面95に表示され(図17においては、発注者氏名の右横に表示されている)、発注者が顧客であることが示される。
その後、ICタグライタ44によって、発注情報記憶部41に記憶されている発注者情報がICタグに書き込まれる(ステップS505)。さらに、発注情報記憶部41に記憶されている画像データファイル及び当該画像データファイルのプリント枚数等の情報がプリンタ31に送信され、プリンタ31において写真プリントが作成される(ステップS506)。
上述のような手順で作成された写真プリントは、1オーダー分の写真プリントが1つの封筒に封入されると共に、ICタグライタ44によって当該オーダーに係る発注者情報が書き込まれたICタグが第1のICタグ3として封筒に添付され、写真プリントを作成した事業者によって配達システム1を利用して配達先住所まで配達される。なお、発注者が、写真プリント発注時に事業者が販売している商品を購入した場合には、購入商品と共に写真プリントの配達を行う。また、発注者が事業者と定期配送契約を結んでいる顧客である場合には、契約している商品と共に写真プリントの配達を行う。
以上のように、本実施の形態の配達システム1は、1又は複数の配達物(写真プリントが封入された封筒)にそれぞれ添付されており、無線通信可能であると共に写真プリント発注者の発注者情報を記憶している1又は複数の第1のICタグ3と、配達業者による配達物の配達経路上に設置されており、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している第2のICタグ5と、無線通信可能であり、配達時において配達業者に携帯される携帯端末50とを備えている。さらに、携帯端末50は、携帯端末50が第2のICタグ5と通信可能な範囲内に位置する際に、1又は複数の第1のICタグ3のうちの少なくとも1つに係る配達先と、当該第2のICタグ5に係る所在地との位置関係を対比する対比部54と、対比部54によって対比された結果を報知するスピーカー59とを有している。したがって、写真プリントを配達している配達業者は、携帯端末50と配達経路上に設置されている第2のICタグ5とが通信可能である際、すなわち配達者が第2のICタグ5から所定の範囲内にいる際に、配達先と当該第2のICタグ5の所在地との位置関係を知ることができる。つまり、配達先と配達者の存在位置との位置関係を知ることができる。よって、配達業者が配達先の地域の地理に不慣れな場合であっても、写真プリントを簡易に配達することができる。また、配達業者が配達先に設置されている第2のICタグ5から所定の範囲内にいる際に、スピーカー59が配達先と配達者の存在位置とが一致している、すなわち、配達先に到着した旨を報知することで、配達先を素通りすることなく確実に配達することができる。
また、本実施の形態の配達システム1では、携帯端末50が、携帯端末50が第2のICタグ5と通信可能な範囲内に位置する際に、複数の第1のICタグ3から受信した配達先住所情報にかかる配達先のうち、当該第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地と最も近いものを特定する最近接配達先特定部52を有しており、対比部54は、最近接配達先特定部52によって特定された配達先と、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5の所在地とを対比する。したがって、複数の配達物を配達する際に、効率よく配達を行うことができる。
また、本実施の形態の配達システム1では、携帯端末50が、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶している地図情報記憶部53を有している。そして、対比部54が、地図情報記憶部53に記憶されている地図情報に基づいて、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5の所在地から配達先に向かうための案内情報を生成し、スピーカー59が、対比部54によって生成された案内情報を報知する。したがって、配達業者は、スピーカー59によって報知された案内情報に基づいて配達することができるので、写真プリントの配達がより簡易となる。
さらに、本実施の形態の配達システム1では、携帯端末50は、地図情報記憶部53に記憶されている地図情報にかかる地図と、第1のICタグ3から受信した配達先住所に係る配達先の地図上における位置と、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地の地図上における位置とを表示するディスプレイ58を有している。したがって、配達先と配達業者の存在位置との位置関係を視覚的に知ることができる。
さらに、本実施の形態の写真プリントシステム101では、複数の写真プリント発注者が操作する複数のパソコン10と、所定の配達エリアをそれぞれ有しており、写真プリントを作成すると共に、作成した写真プリントを配達システム1によって配達する複数の事業者が操作する複数の事業者端末30とが、インターネット9を介してサーバ70と通信可能である。事業者端末30は、第1のICタグ3に情報を書き込むためのICタグライタ44を有している。サーバ70は、パソコン10から送信された配達先住所を配達エリアに含んでいる事業者として発注先抽出部75が複数の事業者の中から抽出した1つ、2つ、又は3つの事業者に関する事業者情報を発注者のパソコン10に送信する。パソコン10は、プリントを希望する画像データファイル、及び発注先抽出部75が複数の事業者を抽出した場合には当該複数の事業者の中から発注者が選択した事業者の選択情報等をサーバ70に送信する。そして、発注先抽出部75が1つの事業者を抽出した場合には、その抽出された事業者の事業者端末30が、発注先抽出部75が複数の事業者を抽出した場合には、発注者が選択した事業者の事業者端末30が、サーバ70から発注情報を受信すると共に、当該事業者端末30のICタグライタ44が第1のICタグ3にサーバ70から受信した発注情報に含まれる発注者情報を書き込む。したがって、発注者は、配達先住所を配達エリアに含んでおり、その地域に密着している事業者に写真プリントの作成及び配達を依頼することとなるので、安心して写真プリントを発注することができる。また、写真プリント配達時において、事業者が第2のICタグ5から所定の範囲内にいる際に、写真プリントの配達先と事業者の存在位置との位置関係を知ることができるので、事業者が配達先の地域の地理に不慣れな場合であっても、写真プリントを簡易に配達することができる。さらに、スピーカー59が配達先に到着した旨を報知することで、例えば、事業者が新聞配達等をしつつ写真プリントの配達を行っている場合でも、写真プリントの配達先を素通りすることなく、確実に写真プリントを配達することができる。
次に、図18を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態に係る配達システムについて説明する。第2の実施の形態に係る配達システムの構成が、第1の実施の形態に係る配達システム1の構成と主に異なる点は、配達システム1では、第1のICタグ3が発注者情報を記憶しているが、本実施の形態の配達システムでは、第1のICタグ3には識別番号(後で詳述する)が記憶されている点である。その他の構成については、第1の実施の形態とほぼ同様である。第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
ここで、識別番号について説明する。本実施の形態において、識別番号とは、本実施の形態の配達システムによって配達される写真プリントを作成する事業者端末30が受信した写真プリントのオーダーに対して、1オーダー毎に個別に割り振られる番号である。
図18に示すように、本実施の形態の携帯端末150は、関連情報記憶部151、配達先記憶部152、地図情報記憶部153、及び対比部154を有している。関連情報記憶部151は、第1のICタグ3に記憶されている識別番号と、当該第1のICタグ3が添付される配達物に係る発注者情報とを互いに関連付けて記憶している。配達先記憶部152は、第1のICタグ3から識別番号を取得した際に、関連情報記憶部151の記憶内容に基づいて、取得した識別番号に対応する発注者情報を記憶する。なお、配達先記憶部152の記憶内容は、第1のICタグ3から識別番号を取得する度に書き換えられる。地図情報記憶部153は、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶している。対比部154は、配達先記憶部152に記憶されている発注者情報に係る配達先と、携帯端末150と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5の所在地とを対比し、地図情報記憶部153に記憶されている地図情報に基づいて、当該第2のICタグ5の所在地から配達先に向かうための案内情報を生成する。
また、携帯端末150は、第1の実施の形態のアンテナ57、ディスプレイ58、スピーカー59と同様の機能をそれぞれ有するアンテナ157、ディスプレイ158、スピーカー159を備えている。さらに、携帯端末50は、本実施の形態の配達システムによって配達される写真プリントを作成する事業者端末30のパソコン40と接続するためのUSB端子156を備えている。したがって、携帯端末150は、発注者情報及び識別番号をパソコン40からUSB端子156を介して取得することができる。
本実施の形態の配達システムにおいて、配達業者が写真プリントを配達する際に、携帯端末150で行われる処理については、第1の実施の形態の配達システム1において携帯端末50で行われる処理とほぼ同様である。第1の実施の形態における手順と異なる点は、第1の実施の形態のステップS101の処理の前に、パソコン40から発注者情報及び当該発注者情報に係る配達物に添付される第1のICタグ3に記憶される識別番号を取得すると共に、関連情報記憶部151が、当該発注者情報及び当該識別番号を関連付けて記憶する点、及び第1の実施の形態においては、ステップS101で複数の第1のICタグ3から発注者情報を取得すると共に、発注者情報記憶部51に記憶するが、本実施の形態では、1つの第1のICタグ3から発注者情報を取得すると共に、取得した識別番号に対応する発注者情報を配達先記憶部152に記憶する点である。また、本実施の形態の手順では、第1の実施の形態における手順のステップS104に相当する処理は省略される。
以上のように、本実施の形態の配達システムでは、第1の実施の形態の配達システム1と同様に、写真プリントを確実且つ簡易に配達することができる。また、第1のICタグ3には発注者情報よりも情報量が少ない識別番号が記憶されるので、第1のICタグ3として比較的安価なICタグを用いることができる。さらに、本実施の形態の配達システムを第1の実施の形態の写真プリントシステムと同様のシステムに用いることで、第1の実施の形態の写真プリントシステムと同様に、安心して写真プリントを発注することができると共に、写真プリントを確実且つ簡易に配達することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、上述の第1及び第2の実施の形態にける、対比部54(154)による対比結果を報知するための報知手段としてのスピーカー59、159の一変形例として、図19に示すような、配達物である写真プリントが封入された封筒に添付された第1のICタグ3に備えられたLED等の発光素子155が考えられる。具体的には、例えば、配達先に近づくにつれて発光素子155を速く点滅させることで、対比部54(154)による対比結果、すなわち、配達先と携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5との位置関係を報知することができる。また、本変形例のように、報知手段として第1のICタグ3に備えられた発光素子155を用いることで、配達物が複数ある場合でも、報知手段がどの配達物の配達先と第2のICタグ5との位置関係を報知したかを容易に知ることができる。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、配達システムが、配達物に添付された第1のICタグ3と、配達物の配達経路上に設置された第2のICタグ5と、配達時に配達業者によって携帯されると共に、第1及び第2のICタグ3、5とそれぞれ通信する携帯端末50(150)とを備えている場合について説明したがこれには限られない。例えば、配達システムが携帯端末50(150)を備えておらず、第1のICタグ3と第2のICタグ5とが直接通信するようにしてもよい。
さらに、上述の第1及び第2の実施の形態では、配達物の配達経路上に第2のICタグ5が設置されている場合について説明したが、これには限られない。配達経路上に設置される装置は、無線通信可能であると共に所在地に関する情報である所在地情報を記憶している装置であれば、どのような装置であってもよい。
加えて、上述の第1の実施の形態では、携帯端末50が、配達業者が写真プリントを配達する複数の配達先の中から、携帯端末50と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5に係る所在地に最も近い配達先を特定する最近接配達先特定部52を有しており、対比部54が、最近接配達先特定部52によって特定された配達先と、当該第2のICタグ5の所在地とを対比する場合について説明したが、これには限られない。携帯端末50は、最近接配達先特定部52を有していなくてもよい。この場合、対比部54が、複数の配達先のうちの任意の1つと第2のICタグ5の所在地とを対比するようにしてもよい。また、例えば、配達業者がこれから向かいたい配達先の配達物に添付されている第1のICタグ3を携帯端末50にかざすことによって、携帯端末50にこれから向かう配達先を認識させておき、対比部54が当該配達先と第2のICタグ5の所在地とを対比するようにしてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、携帯端末50(150)が、配達業者による配達物の配達経路を含む地図情報を記憶している地図情報記憶部53(153)を有しており、対比部54(154)が、地図情報記憶部53(153)に記憶されている地図情報に基づいて、携帯端末50(150)と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5の所在地から配達先に向かうための案内情報を生成し、スピーカー59(159)が、対比部54(154)によって生成された案内情報を報知する場合について説明したが、これには限られない。携帯端末50(150)は、地図情報記憶部53(153)を有していなくてもよい。この場合、対比部54(154)は、例えば、配達先が「和歌山市梅原579−1」であり、第2のICタグ5の所在地が「和歌山市野崎5」である場合には「遠い」、「和歌山市梅原470」である場合には「近い」、「和歌山市梅原579−2」である場合には「間近」等の案内情報を生成するようにしてもよい。
さらに、上述の第1及び第2の実施の形態では、携帯端末50(150)が、地図情報記憶部53(153)に記憶されている地図情報にかかる地図と、配達先の地図上における位置と、携帯端末50(150)と通信可能な範囲内に位置する第2のICタグ5から受信した所在地情報に係る所在地の地図上における位置とを表示するディスプレイ58(158)を有している場合について説明したが、ディスプレイ58(158)はなくてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、第2のICタグ5が、配達業者による配達物の配達経路上に複数設置されている場合について説明したが、第2のICタグ5は、配達経路上に少なくとも1つ設置されていればよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、配達先の住宅に第2のICタグ5が設置されている場合について説明したが、第2のICタグ5は、配達先に設置されていなくてもよい。
加えて、上述の第1及び第2の実施の形態では、スピーカー59(159)が、対比部54(154)による対比結果を音声によって報知する場合について説明したが、報知手段は音声には限られない。例えば、ディスプレイ58(158)に文字で表示されるようにしてもよい。
また、上述の第1の実施の形態では第1のICタグ3に、第2の実施の形態では携帯端末150に、それぞれ発注者の氏名情報、配達先住所情報、配達先電話番号情報等を含む発注者情報が記憶される場合について説明したが、これには限られない。発注者情報の代わりに、例えば、あらかじめ各地域や配達先に対して割り振られた番号等、少なくとも配達先を特定することができる情報が記憶されていればよい。
また、上述の第2の実施の形態では、第1のICタグ3に記憶される識別番号は、写真プリントを作成する事業者端末30が受信した写真プリントのオーダーに対して、1オーダー毎に個別に割り振られる番号である場合について説明したが、これには限られない。例えば、識別番号は、あらかじめ各ICタグに個別に割り振られている番号であってもよい。
さらに、上述の第1及び第2の実施の形態では、発注者のパソコン10と、事業者端末30とが、インターネット9を介してサーバ70と通信可能である場合について説明したが、これには限られない。パソコン10、及び事業者端末30が、インターネット9を経由せず、別の通信ネットワークを経由してサーバ70と通信を行うようにしてもよい。また、2つ以上の通信ネットワークを経由してサーバ70と通信を行うようにしてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、サーバ70の補正部74がパソコン10から送信された画像データファイルに対して補正処理を施す場合について説明したが、これには限られない。例えば、補正処理は、事業者端末30で行われてもよい。また、例えば、パソコン10から送信された画像データファイルまたは当該画像データファイルに係るサムネイル画像データファイルを、写真に関する専門知識を有する画像処理業者が操作する画像処理装置に送信し、当該画像処理装置で算出された補正値に基づいて補正処理を行うようにしてもよい。
加えて、上述の第1及び第2の実施の形態では、事業者端末30が、インターネット9に接続されたパソコン40と、パソコン40に接続されたプリンタ31とで構成されている場合について説明したが、これには限られない。例えば、プリンタ31がパソコン40に接続されておらず、パソコン40がサーバ70から画像データファイル等を取得すると共に、取得した画像データファイル等をメディアに記録し、プリンタ31が当該メディアから画像データファイルを読み出してプリント処理を行うようにしてもよい。