JP2007171703A - 形状可変鏡及び形状可変鏡を用いるレーザ加工装置 - Google Patents

形状可変鏡及び形状可変鏡を用いるレーザ加工装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 多数の駆動素子を持つ形状可変鏡は自由度が高いが、構造が複雑である。
【解決手段】 片側に反射面1Aを有する反射鏡1と、反射鏡1の裏面1Bに2箇所で固定された第1軸部材4と、反射鏡1の裏面1Bに固定された2本の足5Bを有し第1軸部材4を跨ぐ第2軸部材5と、第2軸部材5と第1軸部材4の間の距離を変化させる距離変更機構2とを備え、第1軸部材4を固定する箇所を結ぶ線分と第2軸部材5の足5Bを固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、レーザビームなどの光波の波面歪み、特に非点収差を補正する形状可変鏡及び形状可変鏡を用いるレーザ加工装置に関するものである。
形状可変鏡は光波の波面歪みを補正するもので、さまざまな光学製品で使用されている。例えば、天体望遠鏡では大気の揺らぎなどによる波面の歪み(収差)を補正し、像質を改善するために用いられる(例えば、特許文献1を参照)。また、CDやDVDなどの光ピックアップでは、光ディスク面の傾きやうねりなどによって発生する収差を補正するために用いられる(例えば、特許文献2を参照)。さらに、レーザ加工機では真円度が高くスポット径が小さいレーザビームを得ることができるように、レンズや反射鏡などの歪みによるレーザビームの波面歪みを補正するために用いられる(例えば、特許文献1を参照)。
形状可変鏡には一体鏡型のもの(例えば、特許文献1を参照)と分割鏡型のもの(例えば、特許文献3を参照)が有るが、いずれも多数の駆動素子例えばピエゾアクチュエータを駆動させて鏡面形状を変化させている。また、静電気力によって駆動する駆動素子を使用するものも報告されている(例えば、特許文献2参照)。これらは多数の駆動素子を持つため変形の自由度が高く、駆動素子数が十分に多ければ任意形状の反射面が作成でき、任意形状の波面歪みが補正可能である。
レーザビームの焦点距離などを調整するために、外周部が保持された板状の反射鏡に裏面から1個の駆動素子により力を加える形状可変鏡も報告されている(特許文献4を参照)。
特開平7−66463号公報 特開平2005−122878号公報 特開平5−136509号公報 特開平9−293915号公報
多数の駆動素子を持つ形状可変鏡は変形力の加え方の自由度が高いため、任意形状の反射面作成が可能であり、波面歪みの補正の自由度が大きいという長所が有る。しかし、駆動素子数が多く構造が複雑である。分割鏡型の場合はミラーも多数必要であることから、さらに部品数が多く構造が複雑になる。多数の部品が必要で精密に製造する必要が有るので、多数の駆動素子を持つ形状可変鏡は高価なものとなる。
用途によっては、波面歪みの補正の自由度が高い必要がなく、非点収差だけが補正できるだけでよい場合が有る。例えば、レーザビームによる切断、穴あけ、溶接などの加工において、レーザ発振器や加工点までの伝送光路を構成する反射鏡やレンズには、切削、研削、研磨などの製作工程で、アスと呼ばれる製造誤差が発生しやすい。アスとは、光軸に対し垂直な一軸方向をX方向、光軸とX方向双方に垂直な方向をY方向とした場合、X方向とY方向とで焦点距離が異なる誤差である。このアスにより非点収差が発生し、レーザ加工の品質が低下する場合が多い。非点収差の補正ができれば、レーザ加工における品質を向上させることができる。
1個の駆動素子により力を加える形状可変鏡は焦点距離などを変更するためのものしかなく、光波の非点収差を補正することを目的とした1個の駆動素子を用いた形状可変鏡は、これまでなかった。
本発明は、非点収差の補正が可能な形状可変鏡を得ることを目的とする。
この発明に係る形状可変鏡は、片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、前記反射鏡の裏面に固定された2本の足を有し前記第1軸部材を跨ぐ第2軸部材と、該第2軸部材と前記第1軸部材の間の距離を変化させる距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第2軸部材の前記足を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とするものである。
また、片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、該第1軸部材に一端が固定されもう一端が前記反射鏡の裏面に固定される第1及び第2の距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第1及び第2の距離変更機構を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とするものである。
この発明に係る形状可変鏡は、片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、前記反射鏡の裏面に固定された2本の足を有し前記第1軸部材を跨ぐ第2軸部材と、該第2軸部材と前記第1軸部材の間の距離を変化させる距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第2軸部材の前記足を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とするものなので、反射鏡が反射する光の非点収差を補正できるという効果が有る。
また、片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、該第1軸部材に一端が固定されもう一端が前記反射鏡の裏面に固定される第1及び第2の距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第1及び第2の距離変更機構を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とするものなので、反射鏡が反射する光の非点収差を補正できるという効果が有る。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1における形状可変鏡の概念を説明する図を示す。反射鏡である円形反射鏡1は、光を反射する反射面であるミラー面1Aと裏面1Bが円形の互いに平行な平面である。裏面1B上で、外周円の中心を通る第1軸であるX軸とX軸に直角に外周円の中心で交差する第2軸であるY軸を定義する。裏面1Bの外周円とX軸との交点である2箇所のX軸交点1C付近で、裏面1Bに対して垂直に押す方向で荷重Aを加える。一方、裏面1Bの外周円とY軸との交点である2箇所のY軸交点1D付近では、裏面1Bに対して垂直に引く方向で荷重Bを加える。こうすると、円形反射鏡1のミラー面1AがX軸に平行な直線上では中央がへこんだ凹形であり、Y軸に平行な直線上では中央が出た凸形である鞍形に、ミラー面1Aが変形する。なお、荷重Aと荷重Bの大きさは同じであり、X軸上での凹形の曲線形状と、Y軸上での凸形の曲線形状とは、向きが反対で同じような形状になる。
円形反射鏡1で反射する光の焦点距離が短いすなわちパワーが強い方向をY軸に合わせると、Y軸では凸面なので反射する光の焦点距離が長くなり、X軸では凹面なので反射する光の焦点距離が短くなる。これは、X軸とY軸のパワーの差を減少させることを意味する。つまり、鞍形の変形の度合いを適切に調整すれば、X軸とY軸のパワーを同じにして非点収差を補正できることになる。円形反射鏡1の変形の度合いは、数10mmの直径の円形反射鏡1に対して、0.1〜10μ程度を想定している。なお、変形の度合いがこの想定よりも大きい場合も小さい場合にも、この発明を適用できる。また、X軸を凸にY軸を凹に変形させてもよい。
実施の形態1での形状可変鏡の構造を説明する組立図を、図2に示す。この実施の形態1での形状可変鏡は、ピエゾ逆圧電効果により電圧を印加することにより長さを正確に制御できる1個のピエゾアクチュエータ2により、図1に示す2箇所のX軸交点1C付近で円形反射鏡1を押す方向の荷重Aと、2箇所のY軸交点1D付近で円形反射鏡1を引く方向の荷重Bを発生できる。円形反射鏡1の裏面側には、円形反射鏡1のミラー面1Aを鞍形に変形させる力を発生させる変形力発生機構3がある。変形力発生機構3は、図1におけるX軸上のX軸交点1C付近に対応する位置の2箇所で円形反射鏡1の裏面1Bに固定される第1軸部材であるX軸部材4と、Y軸上のY軸交点1D付近に対応する位置の2箇所で円形反射鏡1の裏面1Bに固定されX軸部材4を跨いで配置される第2軸部材であるY軸部材5と、X軸部材4とY軸部材5との間に配置されその間の距離を変化させる距離変更機構であるピエゾアクチュエータ2とから構成される。このように、4点に力を加える簡易な構造の変形力発生機構3により、円形反射鏡1を鞍形に変形できる。
X軸部材4は、円形反射鏡1とほぼ同じ径の円形で所定の厚さのX軸裏板4Aと、X軸裏板4Aの円形反射鏡1側の面からX軸裏板4Aに垂直に立った角柱状の2本のX軸足4Bとから構成される。2本のX軸足4Bの長さは同じなので、円形反射鏡1に固定された状態ではX軸裏板4Aは円形反射鏡1と平行になる。X軸足4Bの長さ方向に垂直な断面での形状はほぼ正方形で、長さ方向に同じ断面形状とする。X軸足4Bの底面をX軸足底面4Cと呼ぶ。2本のX軸足4BはX軸裏板4Aの端部にあり、2個のX軸足底面4Cの中心を結ぶ線分はX軸裏板4Aの中心を通る。ここで、2個のX軸足底面4Cの中心を結ぶ直線がX軸になる。X軸裏板4Aの中心を通りX軸と直交するY軸と外周円との交点付近には、Y軸部材5を通すための切欠き4Dを設けてある。X軸裏板4AとX軸足4Bは一体に形成してもよいし、別部品として形成したものを接合したものでもよい。さらには、X軸部材4と円形反射鏡1とを同一材料から切削などにより形成してもよい。Y軸部材5に関しても同様である。
X軸足底面4Cは、X軸足4Bに対して垂直な平面でありほぼ正方形の形状である。2個のX軸足底面4Cは、円形反射鏡1の裏面1Bにネジ止め、ロウ付け、接着剤による接着などの適当な方法により、引っ張り力で固定面がはがれることが無いように固定される。他の箇所における固定方法でも同様な点に注意する。
Y軸部材5はX軸部材4と同様な形状であり、Y軸裏板5Aと2本のY軸足5Bから構成される。Y軸部材5の2個のY軸足底面5Cは、円形反射鏡1の裏面1Bに固定する。Y軸部材5の形状がX軸部材4と異なる点は、以下の2点である。(1)Y軸足5Bの長さが、X軸足4Bよりも長い。(2)Y軸裏板5Aには切欠きが無い。2個のY軸足底面5Cの中心を結ぶ直線を、Y軸と呼ぶ。なお、X軸裏板4Aの2個の切欠き4Dの中心を結ぶ直線はX軸と直交するので、この2個の切欠き4Dにそれぞれ1個ずつ入る2個のY軸足5Bから規定されるY軸はX軸と直交することになる。
ここで、X軸裏板4AとY軸裏板5Aに関して、第1面と第2面を以下のように定義する。第1面とは、円形反射鏡1側とは反対側に有る面とする。第2面は、第1面の裏側に有る面とする。X軸裏板4Aの第1面のX軸裏板中心4E(図示せず)とY軸裏板5Aの第2面のY軸裏板中心5Eとには、ピエゾアクチュエータ2のそれぞれ一端を固定する。X軸裏板中心4EとY軸裏板中心5Eはともに、円形反射鏡1の中心を通り円形反射鏡1に垂直な直線上に有るので、ピエゾアクチュエータ2もこの直線上に有る。つまり、ピエゾアクチュエータ2は、円形反射鏡1に垂直な直線上でその両端の距離を変化させることになる。
X軸足4BとY軸足5Bの長さの差は、ピエゾアクチュエータ2の長さをその変化可能範囲のほぼ中間に有る時の長さと同じになるようにしておく。ピエゾアクチュエータ2に所定の電圧を印加しておき、ピエゾアクチュエータ2の長さがX軸足4BとY軸足5Bの長さの差と同じになる状態で、X軸足底面4CとY軸足底面5Cを円形反射鏡1の裏面1Bに固定する。こうすると、ピエゾアクチュエータ2の長さを長くするとX軸で凹かつY軸で凸にミラー面1Aが鞍形変形し、ピエゾアクチュエータ2の長さを短くするとX軸で凸かつY軸で凹にミラー面1Aが鞍形変形することになる。
X軸足4Bの断面の形状及び大きさとX軸裏板4Aの厚さは、印加される力により破損しないような強度が得られるように適切に調整する。また、X軸足底面4Cの形状及び面積は、円形反射鏡1の裏面1Bへの固定が可能であり、かつ鞍形変形が適切に行え、かつ固定面での引っ張り力で固定面がはがれないように調整する。Y軸裏板5AとY軸足5Bに関しても、同様な点に注意して調整する。
円形反射鏡1、X軸部材4及びY軸部材5の剛性は、適度な変形が発生できるようにする。X軸部材4とY軸部材5の剛性を円形反射鏡1よりも小さくしてやれば、距離変更機構による距離の変化に対する円形反射鏡1の変形の比が小さくなり、円形反射鏡1の細かな変形の制御がしやすくなる。
形状可変鏡は変形力発生機構3も含めて円柱状の形状であり、円筒形のミラーホルダー6(図示せず)の中にミラーホルダー6に対して回転可能に収納される。このため、任意の回転角で形状可変鏡を設置でき、より精度良く非点収差を補正できる。また、Y軸裏板5Aには、ピエゾアクチュエータ2を駆動する電気を送るための配線を通す穴(図示せず)を設けておく。
次に、レーザ加工装置のレーザビームの非点収差を形状可変鏡で補正する場合を例にして、動作を説明する。レーザ加工装置の構成は示さないが、レーザ発振器から加工点までの伝送光路の途中に、形状可変鏡が設置されているとする。なお、レーザ加工装置以外に適用する場合でも、同様な動作により非点収差を補正できる。
非点収差が有る場合には、レーザビーム形状が楕円になる。円柱状の形状可変鏡をミラーホルダー6の中で回転させて、レーザビーム形状の径が長い方向または径が短い方向と形状可変鏡のX軸またはY軸を一致させる。ピエゾアクチュエータ2の長さを長くまたは短くする方向に所定量だけ変化させる。所定量だけ変化させるとレーザビーム形状が楕円から真円に近くなれば、そのままピエゾアクチュエータ2の長さを同じ方向に変化させていき、レーザビーム形状が最も真円に近くなる長さに設定する。ピエゾアクチュエータ2の長さを所定量だけ変化させると、レーザビーム形状の扁平の度合いが大きくなる場合は、ピエゾアクチュエータ2の長さを反対方向に変化させて、レーザビーム形状が最も真円に近くなる長さに設定する。レーザ加工時に常にレーザビーム形状を監視し、真円からずれる場合は、ピエゾアクチュエータ2の長さを変化させて、最も真円に近くなるように補正する。なお、最も真円に近いというのは、最も真円に近い状態から所定の許容できる範囲の状態に有ることを意味する。
ピエゾアクチュエータ2の長さを初期状態から長くまたは短くの両方向に調整できることの効果を説明するために、ピエゾアクチュエータ2の長さを初期状態から長くまたは短くの1方向にしか変化できない場合の動作についても説明する。円柱状の形状可変鏡をミラーホルダー6の中で回転させて、レーザビーム形状の径が長い方向または径が短い方向と形状可変鏡のX軸またはY軸を一致させる。ピエゾアクチュエータ2の長さを変化できる方向に所定量だけ変化させるとレーザビーム形状が楕円から真円に近くなれば、そのままピエゾアクチュエータ2の長さを同じ方向に変化させていく。ピエゾアクチュエータ2の長さを所定量だけ変化させると、レーザビーム形状の扁平の度合いが大きくなる場合は、ミラーホルダー6内で形状可変鏡を90度回転させた後で長さを変化させていく。レーザビーム形状を監視しながらピエゾアクチュエータ2の長さを変化させて、レーザビーム形状が最も真円に近くなる長さに設定する。
ピエゾアクチュエータ2の長さを初期状態から長くまたは短くの両方向に変化できるので、長くまたは短くの1方向にしか変化できない場合よりも、非点収差の補正のための形状可変鏡の操作が簡単になる。ピエゾアクチュエータ2の長さを初期状態から長くまたは短くの両方向に変化できようにするために、円形反射鏡1にピエゾアクチュエータ2および変形力発生機構3を接着させ、ピエゾアクチュエータ2に通電して調整可能範囲のほぼ中間の長さにした状態で、円形反射鏡1のミラー面1Aを平面に加工してもよい。
ピエゾアクチュエータ2を用いることにより、非点収差の大きさが時間により変化する場合でも、ピエゾアクチュエータ2を連続的に制御でき、非点収差を補正できる。非点収差が時間によりほとんど変化しない場合は、ピエゾアクチュエータ2の替わりにネジなどの、長さの調整が可能であり、かつその長さを保持できる距離変更機構であれば、どのような機構を用いても非点収差を補正できる。
1個の距離変更機構を用いたが、2個以上の距離変更機構を用いてもよい。
ここでは、形状可変鏡を円形としたが、円形でなくてもよい。なお、円形の方が、形状可変鏡の形状が変形する2つの軸の何れかを焦点距離が最大または最小になる方向に合わせるために、形状可変鏡を容易に回転できるという利点が有る。
形状可変鏡が変形する2つの軸を直交させるとしたが、必ずしも直交していなくてもよい。変形する2つの軸が直交していない場合でも、変形が凹に最大となる箇所と凸に最大になる箇所の角度差はほぼ90度になり、変形が凹に最大となる箇所を通る直線をX軸と考え、変形が凸に最大となる箇所を通る直線をY軸と考えて、X軸またはY軸のどちらかを光の形状の長さが長い方または短い方の方向と合わせて、形状可変鏡を変形させることにより非点収差を補正できる。
2個の第1軸部材の固定箇所を結ぶ線分と2個の第2軸部材の固定箇所を結ぶ線分との交点が、その線分の中間点に位置するようにしたが、少なくともどちらかの線分で中間点の位置に交点が無くてもよい。なお、第1軸部材の固定箇所を結ぶ線分において交点が中間点に無い場合は、この線分の両端に働く力は、交点の両側の回転モーメントが同じになるように交点からの距離の逆数に比例した大きさになる。第2軸部材の固定箇所に関しても同様である。力の釣り合いから、2個の第1軸部材の固定箇所に働く力の合計と、2個の第2軸部材の固定箇所に働く力の合計は同じになる。
第1軸部材の固定箇所及び第2軸部材の固定箇所に働く力を、反射鏡に対して垂直に働くとしたので、不要な変形が発生する可能性が小さい。なお、不要な変形が発生しないように、反射鏡及び変形力発生機構の剛性を十分に大きくしてやれば、第1軸部材の固定箇所及び第2軸部材の固定箇所に働く力を、反射鏡に対して垂直にしなくてもよい。なお、形状可変鏡に望ましい変形を発生させるために垂直でない力の成分が有用であれば、垂直でない所定の方向に力を加えるようにしてもよい。
ピエゾアクチュエータ2を円形反射鏡1に垂直でX軸とY軸の交点を通る直線上に配置したので、形状可変鏡を望ましい形に変形させるために不要または邪魔になる力を少なくできる。形状可変鏡を望ましい形に変形させるために不要または邪魔になる力を、何らかの手段により少なくまたは無害化できる場合は、ピエゾアクチュエータ2が距離を変化させるその両端の2点を通る直線が反射鏡に垂直でなかったり、X軸とY軸の交点を通らなかったりしてもよい。
第1軸部材及び第2軸部材として、裏板に2本の足を持つ形状のものを使用したが、これ以外の形状のものでもよい。第1軸部材は、ピエゾアクチュエータ2の一端が固定される箇所が第1軸部材の固定箇所に対して所定の位置に配置するものであればどのようなものでもよい。第2軸部材に関しても同様である。
反射鏡の反射面は、凸面や凹面などのような用途に適した所定の形状であってもよい。
以上のことは、他の実施の形態にもあてはまる。
実施の形態2.
この実施の形態2は、ピエゾアクチュエータの替わりにネジ部品を距離変更機構として使用するように、実施の形態1を変更した場合である。図3に、実施の形態2での形状可変鏡の構造を説明する組立図を示す。実施の形態1の場合での図2と比較して、異なる点だけを説明する。
1個のピエゾアクチュエータの替わりに、両端に異なるピッチの雄ネジを切った1個のネジ部品7が有る。
X軸裏板4Aの第1面のX軸裏板中心4E(図示せず)には、ネジ部品7の片側のネジに螺合する雌ネジを有するネジ穴4Fが、その中心をX軸裏板中心4Eに合わせて設けてある。Y軸裏板5Aの第2面のY軸裏板中心5E(図示せず)には、ネジ部品7のもう一方の側のネジに螺合する雌ネジを有するネジ穴5Fが、その中心をY軸裏板中心5Eに合わせて設けてある。
X軸部材4のネジ穴4Fにネジ部品7を捻じ込み、ネジ部品7の反対側をY軸部材5のネジ穴5Fに捻じ込み、ネジ部品7を所定の方向に回して、X軸足底面4CとY軸足底面5Cが同一平面上にあり、かつネジ部品7が両方向に必要なだけの回転ができる位置になるように調整する。このような調整ができるように、X軸足4BとY軸足5Bの長さの差と、ネジ部品7の両側に有るネジ部分の長さ、両側に有るネジのピッチの差、ネジ部品7の全体の長さなどを適切に製作しておく。このような状態で、X軸足底面4CとY軸足底面5Cを円形反射鏡1の裏面1Bに固定する。
次に動作を説明する。実施の形態1と同様に、レーザビーム形状の径が長い方向または径が短い方向と形状可変鏡のX軸またはY軸を一致させる。ネジ部品7を所定量だけ回転させる。レーザビーム形状が楕円から真円に近くなれば、そのままネジ部品7を同じ方向に回転させていき、レーザビーム形状が最も真円に近くなる長さに設定する。ネジ部品7を所定量だけ回転させると、レーザビーム形状の扁平の度合いが大きくなる場合は、ネジ部品7を反対方向に回転させて、レーザビーム形状が最も真円に近くなる位置までネジ部品7を回転させる。
このように、ネジ部品を用いる場合でも、形状可変鏡を鞍形変形させることにより、形状可変鏡が反射する光の非点収差を補正できる。
ネジ部品を使用することにより、形状可変鏡の変形力発生機構の構造が簡単になる。なお、ネジ部品を使用するので、非点収差が時間によりほとんど変化しない対象に対して適用する必要が有る。
ネジ部品7の両側のネジは、所定のピッチの差があればよく、右ネジと左ネジとによりピッチの差を出してもよい。ピッチの差を小さくすれば、形状可変鏡の鞍形変形を微妙に調整することが容易になる。また、両側にピッチが異なるネジ穴を設けたネジ部品を使用し、X軸部材とY軸部材に雄ネジを設けた棒状の部分を設け、ネジ部品のネジ穴に挿入するようにしてもよい。
以上のことは、他の実施の形態にもあてはまる。
実施の形態3.
この実施の形態3は、通常のネジを距離変更機構として使用するように、実施の形態2を変更した場合である。図4に、実施の形態3での形状可変鏡の構造を説明する組立図を示す。実施の形態2の場合での図3と異なる点だけを説明する。
片側にネジが切られもう一方の側に頭が有る通常のネジ8を使用している。反射鏡から遠い方の部材であるY軸部材5には、ネジ穴5Fの替わりにネジ8の径よりも僅かに大きくネジ8の頭の径よりも小さい径の貫通穴5GをY軸裏板5Aの中心に設ける。X軸足底面4CとY軸足底面5Cを円形反射鏡1の裏面1Bに固定した状態で、ネジ8をこの貫通穴5Gを通して、X軸裏板4Aの中心に設けたネジ8の雄ネジと螺合する雌ネジを切ったネジ穴4Fに捻じ込む。ネジ8の頭の裏側をY軸裏板5Aに接触させ、さらにネジ部品7を捻じ込むと、円形反射鏡1が鞍形変形することになる。
ネジ8の頭の裏側とY軸裏板5Aが接触しなくなると、反射鏡を鞍形変形させる力を発生できないので、X軸が凸状になる方向でしか鞍形変形できない。
次に動作を説明する。実施の形態1と同様に、レーザビーム形状の径が長い方向または径が短い方向と形状可変鏡のX軸またはY軸を一致させる。ネジ8を所定量だけ回転させる。レーザビーム形状が楕円から真円に近くなれば、そのままネジ8を同じ方向に回転させていく。ネジ8を所定量だけ回転させるとレーザビーム形状の扁平の度合いが大きくなる場合は、ミラーホルダー6内で形状可変鏡を90度回転させた後で、同じ方向にネジ8を回転させていく。レーザビームの形状を監視しながらネジ8を回転させて、レーザビーム形状が最も真円に近くなる位置までネジ8を捻じ込む。
このように、通常のネジを用いる場合でも、形状可変鏡を鞍形変形させることにより、形状可変鏡が反射する光の非点収差を補正できる。
実施の形態4.
この実施の形態4は、2個のピエゾアクチュエータを使用した場合である。図5に、実施の形態4での形状可変鏡の構造を説明する組立図を示す。
円形反射鏡1は実施の形態1〜3までの場合と同じである。変形力発生機構3が、構造部材9と2個のピエゾアクチュエータ2から構成される。構造部材9の形状は、実施の形態1の場合でのX軸部材4の形状とほぼ同じであり、裏板9Aと2本の足9Bを有する。ただし、実施の形態1の場合でのX軸部材4にあった切欠き4Dは無く、切欠きがあった位置にはピエゾアクチュエータ2が固定される。2本の足9Bの長さは同じであり、ピエゾアクチュエータ2の長さが変化可能範囲のほぼ中間に有る時の長さに等しい。
足9Bの底面を足底面9Cと呼ぶ。2個の足底面9Cの中心を結ぶ直線をX軸と呼び、X軸と裏板9Aの中心で直交する直線をY軸と呼ぶ。Y軸上に有る裏板9Aの両側の端部9Dには、それぞれ1個のピエゾアクチュエータ2の一端を固定する。ピエゾアクチュエータ2に通電させてピエゾアクチュエータ2の長さが足9Bと同じになった状態で、ピエゾアクチュエータ2のもう一端と足底面9Cを、円形反射鏡1の裏面1Bに固定する。なお、2本の足9Bの長さをピエゾアクチュエータ2が最短の時の長さと同じにしてもよい、そうすれば円形反射鏡1の裏面1Bとの固定時にピエゾアクチュエータ2を通電しなくてもよくなる。ただし、Y軸で中央部がへこむ鞍形変形しかできなくなるか、ピエゾアクチュエータ2を通電した状態でミラー面1Aを平面に研磨する必要が有る。
ここで、構造部材9が第1軸部材であり、ピエゾアクチュエータ2が第1及び第2の距離変更機構である。円形反射鏡1の裏面1Bにおいて、2本の足9Bを固定する箇所を結ぶ線分と2個のピエゾアクチュエータ2の一端が固定される箇所を結ぶ線分とは交差する。
次に動作を説明する。2個のピエゾアクチュエータ2の長さを同じにするという制約を守って長さを調整してやれば、形状可変鏡を鞍形変形できる。形状可変鏡の向きと非点収差が発生している向きとを合わせて、鞍形変形の度合いを適度に調整してやれば、非点収差を補正できる。
このように、2個のピエゾアクチュエータ2を用いて形状可変鏡を鞍形変形させることにより、形状可変鏡が反射する光の非点収差を補正できる。
ピエゾアクチュエータの替わりに、ネジ部品などを距離変更機構として使用してもよい。一端が第1軸部材に固定されもう一端が反射鏡の裏面に固定され、その長さを変更できる距離変更機構であれば、どのようなものでもよい。
以上のことは第1及び第2の距離変更機構を使用する他の実施の形態にもあてはまる。
実施の形態5.
この実施の形態5は、形状可変鏡を鞍形ではなく蒲鉾形に変形させるように、実施の形態2を変更した場合である。図6に、実施の形態5での形状可変鏡の構造を説明する組立図を示す。実施の形態2の場合での図3と異なる点だけを説明する。また、図7は、実施の形態5での形状可変鏡の概念を説明するための図である。
X軸足4Bの横幅が長く、X軸上でネジ穴4Fでない部分にはすべてX軸足4Bを設けている。そのため、X軸上のほぼ全体に均等に荷重Aが加わるので、X軸に平行な直線上では変位が同じになり、形状可変鏡は鞍形ではなく図7に示すように蒲鉾形に変形することになる。なお、図7に示すようなY軸に平行な直線上で中央が出てX軸に平行な直線上では変位が同じになるような変形だけでなく、Y軸に平行な直線上で中央がへこみX軸に平行な直線上では変位が同じになるような変形(蒲鉾の表面を内側から見るような変形)も、蒲鉾形に変形すると呼ぶことにする。
X軸足4Bが横長なので、X軸上のネジ穴4F以外の箇所でX軸足4Bは円形反射鏡1の裏面1Bに固定されることになり、X軸足4Bの両端を結ぶ線分の中央のY軸との交点付近でも円形反射鏡1の裏面1BにX軸部材4は固定される。Y軸との交点付近にX軸部材4が固定されず鞍形に変形する場合は、Y軸足5Bの2箇所の固定箇所に働く荷重BによりY軸との交点付近が、両端と比較してX軸上では最も変位が大きくなる。これに対して、X軸上のY軸との交点付近にX軸部材4が固定されると、この固定箇所ではほとんど変位できなくなり、X軸上及びX軸に平行な直線上での変位は位置によらずほぼ同じになる。
蒲鉾形に変形させた円形反射鏡1で反射する光の焦点距離が短いすなわちパワーが強い方向をY軸に合わせると、Y軸では凸面なので反射する光の焦点距離が長くなり、X軸では直線なので反射する光の焦点距離は変化しない。これは、Y軸のパワーをX軸のパワーに近づかせパワーの差を減少させることを意味する。つまり、蒲鉾形の変形の度合いを適切に調整すれば、X軸とY軸のパワーを同じにして非点収差を補正できることになる。
この実施の形態5でも、形状可変鏡を鞍形ではなく蒲鉾形に変形させる点は異なるが、実施の形態2と同様に動作する。
このように、形状可変鏡を蒲鉾形に変形させることにより、形状可変鏡が反射する光の非点収差を補正できる。
なお、ネジ部品7の替わりにピエゾアクチュエータを用いてもよい。
X軸部材4が横長の2個のX軸足4Bを有し、ネジ穴4F以外のX軸上のほぼ全体に同じ方向の力を加えられるようにしたが、どちらか一方のX軸足4Bだけを横長にしてもよいし、X軸足4Bの数を増やして、X軸上の3箇所以上でX軸部材4を反射鏡の裏面に固定してもよい。なお、両端以外の少なくとも1箇所は、X軸上ではほとんど変位の差が発生しないように、両端のX軸足4Bを結ぶ線分の中央のY軸との交点付近すなわち鞍形変形の場合にX軸上で両端と比較して最も変位が大きくなる位置付近に配置する。また、ネジ穴4Fが不要の場合には、1個の線状のX軸足4Bにより、X軸上のほぼ全体でX軸部材4を反射鏡の裏面に固定してもよい。
以上のことは他の実施の形態でもあてはまる。
実施の形態6.
この実施の形態6は、2個のピエゾアクチュエータを用いて形状可変鏡を蒲鉾形に変形させるように、実施の形態4を変更した場合である。図8に、実施の形態6での形状可変鏡の構造を説明する組立図を示す。実施の形態4の場合での図5と異なる点だけを説明する。
構造部材9の足9Bが3本であり、X軸上の両端以外に中央のY軸との交点付近でも足9Bが円形反射鏡1の裏面1Bに固定される。なお、足9Bの高さはすべて同じである。真中の足9Bがあるため、2個のピエゾアクチュエータ2の長さを変えても、X軸に平行な直線上では変位がほぼ同じになり、形状可変鏡は蒲鉾形に変形することになる。
この実施の形態6でも、2個のピエゾアクチュエータ2の長さを変えることにより、形状可変鏡を蒲鉾形に変形でき、蒲鉾形に変形することにより、形状可変鏡が反射する光の非点収差を補正できる。
実施の形態7.
この実施の形態7は、実施の形態1〜6の何れかの形状可変鏡をレーザ加工装置に適用した場合である。図9に、レーザ加工装置の構成図を示す。レーザ発振器50より出射されたレーザビーム51は、光路途中の反射鏡52等によって伝送され、2組のガルバノメータ53およびガルバノメータ53の回転により回転駆動されるガルバノスキャナミラー54で2次元スキャンされ、集光レンズ55によって被加工物56上に位置決め、照射される。被加工物56上の点線で囲んだ四角の範囲は、スキャン可能範囲57である。被加工物56はテーブル58に載せられ、テーブル58は2個のテーブル駆動機構59によって2次元に所定の範囲で移動可能である。
図10に、非点収差の補正を行わない場合にレーザ加工装置により穴あけ加工された被加工物表面の写真を示す。図における上下方向に、焦点位置を光軸方向に等間隔で変化させながら(集光レンズ55もしくは被加工物56を光軸方向に沿って、等間隔で移動させながら)、穴あけ加工を行ったものである。1回だけだと加工精度のよしあしの判断が困難なので、同一条件で複数回実施している。そのため、図10には、複数列の穴あけ加工された穴が有る。図10ではレーザビームとして許容できるのは、上から4列目の1列だけである。レーザビームとして許容できかどうかは、あけられた穴の真円度が例えば90%以上であるなどの所定の基準で判断する。
焦点位置が変化するにつれ、加工穴形状が縦長楕円から横長楕円へと変化している。加工穴形状は、被加工物表面におけるレーザビームスポットの形を表している。すなわち、この加工光学系には無視できない非点収差が発生している。
この加工光学系に対し、実施の形態1〜6の何れかの形状可変鏡を反射鏡52として使用し、非点収差を補正する。図10に示した加工穴の楕円の長軸方向もしくは短軸方向に、前記形状可変鏡のX軸もしくはY軸を合わせるように形状可変鏡を設置し、楕円の加工穴が真円に近づくように形状可変鏡の変形量を、ピエゾアクチュエータの駆動電圧もしくはネジの回転量により制御する。このようにして非点収差を補正した後で図10と同じ条件で穴あけ加工を行って得られた被加工物表面の穴の写真を、図11に示す。図11ではレーザビームとして許容できるのは、上から3〜7列目の5列である。非点収差が減少し焦点深度が拡大していることが分かる。
焦点深度の拡大により、被加工物表面にうねりなどがあったとしても、安定したレーザ加工を実現できる。なお、反射鏡52以外の光路途中の鏡を形状可変鏡としてもよい。
この実施の形態7では、図9に示すようにレーザビーム51も、被加工物56を保持するテーブル58も2次元スキャンされるレーザ加工装置を用いたが、形状可変鏡を使用する効果は加工光学系の非点収差に対して作用するものであり、スキャンの方法に依存するものではない。すなわち、レーザビーム51、集光レンズ55、テーブル58のいずれが1次元、2次元もしくは3次元のスキャン、あるいはスキャンをしないレーザ加工装置においても、同様の効果が得られる。レーザビームは、単パルス、複数パルスあるいは連続発振の何れであってもよい。加工内容は、穴あけに限定されず、切断、変形、溶接、熱処理、あるいはマーキングなどのレーザにより加工可能なものであればどのようなものでもよい。また、被加工物には、燃焼、溶融、昇華あるいは変色などのレーザにより発生できる変化であればどのような変化を発生させてもよい。
単パルス、複数パルスあるいは連続発振のレーザビームを被加工物面上で位置決め照射して、被加工物を燃焼、溶融、昇華あるいは変色させて、切断、穴あけ、変形、溶接、熱処理、あるいはマーキングなどの加工を行うレーザ加工装置において、反射面が鞍形または蒲鉾形になるように変形できる形状可変鏡を有する非点収差補正機構を備えるレーザ加工装置であれば、レーザビームの非点収差を補正でき、加工精度を向上できる。
また、単パルス、複数パルスあるいは連続発振のレーザビームを、被加工物面上で位置決め照射して、被加工物を燃焼、溶融、昇華あるいは変色させて、切断、穴あけ、変形、溶接、熱処理、あるいはマーキングなどの加工を行うレーザ加工方法において、伝送光路途中の反射鏡を反射面が鞍形または蒲鉾形になるように変形させることで、レーザビームの非点収差を補正するレーザ加工方法によれば、レーザビームの非点収差を補正でき、加工精度を向上できる。
この発明の実施の形態1での形状可変鏡の概念を説明するための図である。 この発明の実施の形態1での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態2での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態3での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態4での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態5での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態5での形状可変鏡の概念を説明するための図である。 この発明の実施の形態6での形状可変鏡の構造を説明する組立図である。 この発明の実施の形態7でのレーザ加工装置の構成図である。 この発明の実施の形態7での非点収差の補正を行わない場合にレーザ加工装置により穴あけ加工された被加工物表面の写真である。 この発明の実施の形態7での形状可変鏡の変形による非点収差の補正を行う場合にレーザ加工装置により穴あけ加工された被加工物表面の写真である。
符号の説明
1 :円形反射鏡(反射鏡)
1A:ミラー面(反射面)
1B:裏面
1C:裏面1Bの外周円とX軸との交点(X軸交点)
1D:裏面1Bの外周円とY軸との交点(Y軸交点)
2 :ピエゾアクチュエータ(距離変更機構)
3 :変形力発生機構
4 :X軸部材(第1軸部材)
4A:X軸裏板
4B:X軸足
4C:X軸足底面
4D:切欠き
4E:X軸裏板中心
4F:ネジ穴
5 :Y軸部材(第2軸部材)
5A:Y軸裏板
5B:Y軸足
5C:Y軸足底面
5E:Y軸裏板中心
5F:ネジ穴
5G:貫通穴
6 :ミラーホルダー
7 :ネジ部品(距離変更機構)
8 :ネジ(距離変更機構)
9 :構造部材(第1軸部材)
9A:裏板
9B:足
9C:足底面
9D:Y軸上の端部
50 :レーザ発振器
51 :レーザビーム
52 :反射鏡(形状可変鏡)
53 :ガルバノメータ
54 :ガルバノスキャナミラー
55 :集光レンズ
56 :被加工物
57 :スキャン可能範囲
58 :テーブル
59 :テーブル駆動機構
A :荷重
B :荷重

Claims (10)

  1. 片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、前記反射鏡の裏面に固定された2本の足を有し前記第1軸部材を跨ぐ第2軸部材と、該第2軸部材と前記第1軸部材の間の距離を変化させる距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第2軸部材の前記足を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とする形状可変鏡。
  2. 片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に2箇所で固定された第1軸部材と、該第1軸部材に一端が固定されもう一端が前記反射鏡の裏面に固定される第1及び第2の距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分と前記第1及び第2の距離変更機構を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とする形状可変鏡。
  3. 片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に線状に固定された第1軸部材と、前記反射鏡の裏面に固定された2本の足を有し前記第1軸部材を跨ぐ第2軸部材と、該第2軸部材と前記第1軸部材の間の距離を変化させる距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所の線分と前記第2軸部材の前記足を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とする形状可変鏡。
  4. 片側に反射面を有する反射鏡と、該反射鏡の裏面に線状に固定された第1軸部材と、該第1軸部材に一端が固定されもう一端が前記反射鏡の裏面に固定される第1及び第2の距離変更機構とを備え、前記第1軸部材を固定する箇所の線分と前記第1及び第2の距離変更機構を固定する箇所を結ぶ線分とが交差することを特徴とする形状可変鏡。
  5. 前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分上の前記第2軸部材の前記足を固定する箇所を結ぶ線分との交点付近でも前記第1軸部材を前記反射鏡の裏面に固定することを特徴とする請求項1に記載の形状可変鏡。
  6. 前記第1軸部材を固定する箇所を結ぶ線分上の前記第1及び第2の距離変更機構を固定する箇所を結ぶ線分との交点付近でも前記第1軸部材を前記反射鏡の裏面に固定することを特徴とする請求項2に記載の形状可変鏡。
  7. 前記距離変更機構にピエゾアクチュエータを用いることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の形状可変鏡。
  8. 前記距離変更機構にネジを用いることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の形状可変鏡。
  9. 前記距離変更機構に両側にピッチが異なるネジを設けたネジ部品を用いることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の形状可変鏡。
  10. レーザビームを発振するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から被加工物にレーザビームを伝送する加工光学系とを有するレーザ加工装置において、請求項1〜請求項9の何れかに記載の形状可変鏡を前記加工光学系に有することを特徴とするレーザ加工装置。
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