以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施形態に係る対物レンズ駆動装置は、加工対象物にレーザ光を集光することによって切断予定ラインに沿って加工対象物に改質領域を形成するレーザ加工装置(レーザ光照射装置)に搭載されている。そこで、まず、改質領域の形成について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるように、レーザ加工装置100は、レーザ光Lをパルス発振するレーザ光源101と、レーザ光Lの光軸(光路)の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、レーザ光Lを集光するための集光用レンズ(対物レンズ)105と、を備えている。また、レーザ加工装置100は、レーザ光Lを照射する対象物である加工対象物1を支持するための支持台107と、支持台107を移動させるための移動機構であるステージ111と、レーザ光Lの出力やパルス幅、パルス波形等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ステージ111の移動を制御するステージ制御部115と、を備えている。
レーザ加工装置100においては、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラー103によってその光軸の向きを90°変えられ、支持台107上に載置された加工対象物1の内部に集光用レンズ105によって集光される。これと共に、ステージ111が移動させられ、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予定ライン5に沿って相対移動させられる。これにより、切断予定ライン5に沿った改質領域が加工対象物1に形成される。なお、ここでは、レーザ光Lを相対的に移動させるためにステージ111を移動させたが、集光用レンズ105を移動させてもよいし、或いはこれらの両方を移動させてもよい。
加工対象物1としては、半導体材料で形成された半導体基板や圧電材料で形成された圧電基板等を含む板状の部材(例えば、基板、ウェハ等)が用いられる。図2に示されるように、加工対象物1には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、直線状に延びた仮想線である。加工対象物1の内部に改質領域を形成する場合、図3に示されるように、加工対象物1の内部に集光点(集光位置)Pを合わせた状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対的に移動させる。これにより、図4、図5及び図6に示されるように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1に形成され、切断予定ライン5に沿って形成された改質領域7が切断起点領域8となる。切断予定ライン5は、照射予定ラインに対応する。
集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、これらが組み合わされた3次元状であってもよいし、座標指定されたものであってもよい。切断予定ライン5は、仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際に引かれた線であってもよい。改質領域7は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。改質領域7は列状でも点状でもよく、要は、改質領域7は少なくとも加工対象物1の内部、表面3又は裏面に形成されていればよい。改質領域7を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域7は、加工対象物1の外表面(表面3、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。改質領域7を形成する際のレーザ光入射面は、加工対象物1の表面3に限定されるものではなく、加工対象物1の裏面であってもよい。
ちなみに、加工対象物1の内部に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、加工対象物1を透過すると共に、加工対象物1の内部に位置する集光点P近傍にて特に吸収される。これにより、加工対象物1に改質領域7が形成される(すなわち、内部吸収型レーザ加工)。この場合、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。一方、加工対象物1の表面3又は裏面に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、表面3又は裏面に位置する集光点P近傍にて特に吸収され、表面3又は裏面から溶融され除去されて、穴や溝等の除去部が形成される(表面吸収型レーザ加工)。
改質領域7は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質領域7としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくとも何れか一つを意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。更に、改質領域7としては、加工対象物1の材料において改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある。加工対象物1の材料が単結晶シリコンである場合、改質領域7は、高転位密度領域ともいえる。
溶融処理領域、屈折率変化領域、改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、及び、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域7と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域7の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。加工対象物1は、結晶構造を有する結晶材料からなる基板を含む。例えば加工対象物1は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、LiTaO3、及び、サファイア(Al2O3)の少なくとも何れかで形成された基板を含む。換言すると、加工対象物1は、例えば、窒化ガリウム基板、シリコン基板、SiC基板、LiTaO3基板、又はサファイア基板を含む。結晶材料は、異方性結晶及び等方性結晶の何れであってもよい。また、加工対象物1は、非結晶構造(非晶質構造)を有する非結晶材料からなる基板を含んでいてもよく、例えばガラス基板を含んでいてもよい。
実施形態では、切断予定ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することにより、改質領域7を形成することができる。この場合、複数の改質スポットが集まることによって改質領域7となる。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ光照射:レーザショット)で形成される改質部分である。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット若しくは屈折率変化スポット、又はこれらの少なくとも1つが混在するもの等が挙げられる。改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、加工対象物1の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することができる。また、実施形態では、切断予定ライン5に沿って、改質スポットを改質領域7として形成することができる。
次に、実施形態に係る対物レンズ駆動装置が搭載されたレーザ加工装置について詳細に説明する。以下の説明では、水平面内において互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、鉛直方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、対物レンズを構成する集光レンズユニット430の光軸方向である。
[レーザ加工装置の全体構成]
図7に示されるように、レーザ加工装置200は、装置フレーム210と、第1移動機構220と、支持台230と、第2移動機構240と、を備えている。更に、レーザ加工装置200は、レーザ出力部300と、レーザ集光部400と、制御部500と、を備えている。
第1移動機構220は、装置フレーム210に取り付けられている。第1移動機構220は、第1レールユニット221と、第2レールユニット222と、可動ベース223と、を有している。第1レールユニット221は、装置フレーム210に取り付けられている。第1レールユニット221には、Y軸方向に沿って延在する一対のレール221a,221bが設けられている。第2レールユニット222は、Y軸方向に沿って移動可能となるように、第1レールユニット221の一対のレール221a,221bに取り付けられている。第2レールユニット222には、X軸方向に沿って延在する一対のレール222a,222bが設けられている。可動ベース223は、X軸方向に沿って移動可能となるように、第2レールユニット222の一対のレール222a,222bに取り付けられている。可動ベース223は、Z軸方向に平行な軸線を中心線として回転可能である。
支持台230は、可動ベース223に取り付けられている。支持台230は、加工対象物1を支持する。加工対象物1は、例えば、シリコン等の半導体材料からなる基板の表面側に複数の機能素子(フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、又は回路として形成された回路素子等)がマトリックス状に形成されたものである。加工対象物1が支持台230に支持される際には、図8に示されるように、環状のフレーム11に張られたフィルム12上に、例えば加工対象物1の表面1a(複数の機能素子側の面)が貼付される。支持台230は、クランプによってフレーム11を保持すると共に真空チャックテーブルによってフィルム12を吸着することで、加工対象物1を支持する。支持台230上において、加工対象物1には、互いに平行な複数の切断予定ライン5a、及び互いに平行な複数の切断予定ライン5bが、隣り合う機能素子の間を通るように格子状に設定される。
図7に示されるように、支持台230は、第1移動機構220において第2レールユニット222が動作することで、Y軸方向に沿って移動させられる。また、支持台230は、第1移動機構220において可動ベース223が動作することで、X軸方向に沿って移動させられる。更に、支持台230は、第1移動機構220において可動ベース223が動作することで、Z軸方向に平行な軸線を中心線として回転させられる。このように、支持台230は、X軸方向及びY軸方向に沿って移動可能となり且つZ軸方向に平行な軸線を中心線として回転可能となるように、装置フレーム210に取り付けられている。
レーザ出力部300は、装置フレーム210に取り付けられている。レーザ集光部400は、第2移動機構240を介して装置フレーム210に取り付けられている。レーザ集光部400は、第2移動機構240が動作することで、Z軸方向に沿って移動させられる。このように、レーザ集光部400は、レーザ出力部300に対してZ軸方向に沿って移動可能となるように、装置フレーム210に取り付けられている。
制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。制御部500は、レーザ加工装置200の各部の動作を制御する。
一例として、レーザ加工装置200では、次のように、各切断予定ライン5a,5b(図8参照)に沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
まず、加工対象物1の裏面1b(図8参照)がレーザ光入射面となるように、加工対象物1が支持台230に支持され、加工対象物1の各切断予定ライン5aがX軸方向に平行な方向に合わせられる。続いて、加工対象物1の内部において加工対象物1のレーザ光入射面から所定距離だけ離間した位置にレーザ光Lの集光点が位置するように、第2移動機構240によってレーザ集光部400が移動させられる。続いて、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されつつ、各切断予定ライン5aに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる。これにより、各切断予定ライン5aに沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
各切断予定ライン5aに沿っての改質領域の形成が終了すると、第1移動機構220によって支持台230が回転させられ、加工対象物1の各切断予定ライン5bがX軸方向に平行な方向に合わせられる。続いて、加工対象物1の内部において加工対象物1のレーザ光入射面から所定距離だけ離間した位置にレーザ光Lの集光点が位置するように、第2移動機構240によってレーザ集光部400が移動させられる。続いて、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されつつ、各切断予定ライン5bに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる。これにより、各切断予定ライン5bに沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
このように、レーザ加工装置200では、X軸方向に平行な方向が加工方向(レーザ光Lの走査方向)とされている。レーザ加工装置200において、X軸方向は、レーザ光Lを走査する切断予定ライン5の延在方向である。レーザ光Lの走査は、レーザ光Lを照射しながら切断予定ライン5に沿って相対移動することである。
なお、各切断予定ライン5aに沿ったレーザ光Lの集光点の相対的な移動、及び各切断予定ライン5bに沿ったレーザ光Lの集光点の相対的な移動は、第1移動機構220によって支持台230がX軸方向に沿って移動させられることで、実施される。また、各切断予定ライン5a間におけるレーザ光Lの集光点の相対的な移動、及び各切断予定ライン5b間におけるレーザ光Lの集光点の相対的な移動は、第1移動機構220によって支持台230がY軸方向に沿って移動させられることで、実施される。
図9に示されるように、レーザ出力部300は、取付ベース301と、カバー302と、複数のミラー303,304と、を有している。更に、レーザ出力部300は、レーザ発振器310と、シャッタ320と、λ/2波長板ユニット330と、偏光板ユニット340と、ビームエキスパンダ350と、ミラーユニット360と、を有している。
取付ベース301は、複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360を支持している。複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360は、取付ベース301の主面301aに取り付けられている。取付ベース301は、板状の部材であり、装置フレーム210(図7参照)に対して着脱可能である。レーザ出力部300は、取付ベース301を介して装置フレーム210に取り付けられている。つまり、レーザ出力部300は、装置フレーム210に対して着脱可能である。
カバー302は、取付ベース301の主面301a上において、複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360を覆っている。カバー302は、取付ベース301に対して着脱可能である。
レーザ発振器310は、直線偏光のレーザ光LをX軸方向に沿ってパルス発振する。レーザ発振器310から出射されるレーザ光Lの波長は、500〜550nm、1000〜1150nm又は1300〜1400nmのいずれかの波長帯に含まれる。500〜550nmの波長帯のレーザ光Lは、例えばサファイアからなる基板に対する内部吸収型レーザ加工に適している。1000〜1150nm及び1300〜1400nmの各波長帯のレーザ光Lは、例えばシリコンからなる基板に対する内部吸収型レーザ加工に適している。レーザ発振器310から出射されるレーザ光Lの偏光方向は、例えば、Y軸方向に平行な方向である。レーザ発振器310から出射されたレーザ光Lは、ミラー303によって反射され、Y軸方向に沿ってシャッタ320に入射する。
レーザ発振器310では、次のように、レーザ光Lの出力のON/OFFが切り替えられる。レーザ発振器310が固体レーザで構成されている場合、共振器内に設けられたQスイッチ(AOM(音響光学変調器)、EOM(電気光学変調器)等)のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。レーザ発振器310がファイバレーザで構成されている場合、シードレーザ、アンプ(励起用)レーザを構成する半導体レーザの出力のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。レーザ発振器310が外部変調素子を用いている場合、共振器外に設けられた外部変調素子(AOM、EOM等)のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。
シャッタ320は、機械式の機構によってレーザ光Lの光路を開閉する。レーザ出力部300からのレーザ光Lの出力のON/OFFの切り替えは、上述したように、レーザ発振器310でのレーザ光Lの出力のON/OFFの切り替えによって実施されるが、シャッタ320が設けられていることで、例えばレーザ出力部300からレーザ光Lが不意に出射されることが防止される。シャッタ320を通過したレーザ光Lは、ミラー304によって反射され、X軸方向に沿ってλ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340に順次入射する。
λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、レーザ光Lの出力(光強度)を調整する出力調整部として機能する。また、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、レーザ光Lの偏光方向を調整する偏光方向調整部として機能する。λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340を順次通過したレーザ光Lは、X軸方向に沿ってビームエキスパンダ350に入射する。
ビームエキスパンダ350は、レーザ光Lの径を調整しつつ、レーザ光Lをコリメート(平行化)する。ビームエキスパンダ350は、発散レンズ及びコリメートレンズを有し、コリメートレンズが光軸方向に沿って移動可能に構成されている(詳しくは、後述)。ビームエキスパンダ350を通過したレーザ光Lは、X軸方向に沿ってミラーユニット360に入射する。
ミラーユニット360は、支持ベース361と、複数のミラー362,363と、を有している。支持ベース361は、複数のミラー362,363を支持している。支持ベース361は、X軸方向及びY軸方向に沿って位置調整可能となるように、取付ベース301に取り付けられている。ミラー362は、ビームエキスパンダ350を通過したレーザ光LをY軸方向に反射する。ミラー362は、その反射面が例えばZ軸に平行な軸線回りに角度調整可能となるように、支持ベース361に取り付けられている。ミラー363は、ミラー362によって反射されたレーザ光LをZ軸方向に反射する。ミラー363は、その反射面が例えばX軸に平行な軸線回りに角度調整可能となり且つY軸方向に沿って位置調整可能となるように、支持ベース361に取り付けられている。ミラー363によって反射されたレーザ光Lは、支持ベース361に形成された開口361aを通過し、Z軸方向に沿ってレーザ集光部400(図7参照)に入射する。つまり、レーザ出力部300によるレーザ光Lの出射方向は、レーザ集光部400の移動方向に一致している。上述したように、各ミラー362,363は、反射面の角度を調整するための機構を有している。ミラーユニット360では、取付ベース301に対する支持ベース361の位置調整、支持ベース361に対するミラー363の位置調整、及び各ミラー362,363の反射面の角度調整が実施されることで、レーザ出力部300から出射されるレーザ光Lの光軸の位置及び角度がレーザ集光部400に対して合わされる。つまり、複数のミラー362,363は、レーザ出力部300から出射されるレーザ光Lの光軸を調整するための構成である。
図10に示されるように、レーザ集光部400は、筐体401を有している。筐体401は、Y軸方向を長手方向とする直方体形状を呈している。筐体401の一方の側面401eには、第2移動機構240が取り付けられている(図11及び図13参照)。筐体401には、ミラーユニット360の開口361aとZ軸方向において対向するように、円筒状の光入射部401aが設けられている。光入射部401aは、レーザ出力部300から出射されたレーザ光Lを筐体401内に入射させる。ミラーユニット360と光入射部401aとは、第2移動機構240によってレーザ集光部400がZ軸方向に沿って移動させられた際に互いに接触することがない距離だけ、互いに離間している。
図11及び図12に示されるように、レーザ集光部400は、ミラー402と、ダイクロイックミラー403と、を有している。更に、レーザ集光部400は、反射型空間光変調器410と、4fレンズユニット420と、集光レンズユニット430と、対物レンズ駆動装置440と、一対の測距センサ450と、を有している。
ミラー402は、光入射部401aとZ軸方向において対向するように、筐体401の底面401bに取り付けられている。ミラー402は、光入射部401aを介して筐体401内に入射したレーザ光LをXY平面に平行な方向に反射する。ミラー402には、レーザ出力部300のビームエキスパンダ350によって平行化されたレーザ光LがZ軸方向に沿って入射する。つまり、ミラー402には、レーザ光Lが平行光としてZ軸方向に沿って入射する。そのため、第2移動機構240によってレーザ集光部400がZ軸方向に沿って移動させられても、Z軸方向に沿ってミラー402に入射するレーザ光Lの状態は一定に維持される。ミラー402によって反射されたレーザ光Lは、反射型空間光変調器410に入射する。
反射型空間光変調器410は、反射面410aが筐体401内に臨んだ状態で、Y軸方向における筐体401の端部401cに取り付けられている。反射型空間光変調器410は、例えば反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)であり、レーザ光Lを変調しつつ、レーザ光LをY軸方向に反射する。反射型空間光変調器410によって変調されると共に反射されたレーザ光Lは、Y軸方向に沿って4fレンズユニット420に入射する。ここで、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とがなす角度αは、鋭角(例えば、10〜60°)とされている。つまり、レーザ光Lは、反射型空間光変調器410においてXY平面に沿って鋭角に反射される。これは、レーザ光Lの入射角及び反射角を抑えて回折効率の低下を抑制し、反射型空間光変調器410の性能を十分に発揮させるためである。なお、反射型空間光変調器410では、例えば、液晶が用いられた光変調層の厚さが数μm〜数十μm程度と極めて薄いため、反射面410aは、光変調層の光入出射面と実質的に同じと捉えることができる。
4fレンズユニット420は、ホルダ421と、反射型空間光変調器410側のレンズ422と、集光レンズユニット430側のレンズ423と、スリット部材424と、を有している。ホルダ421は、一対のレンズ422,423及びスリット部材424を保持している。ホルダ421は、レーザ光Lの光軸に沿った方向における一対のレンズ422,423及びスリット部材424の互いの位置関係を一定に維持している。一対のレンズ422,423は、反射型空間光変調器410の反射面410aと集光レンズユニット430の入射瞳面430aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。これにより、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの像が、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに転像(結像)される。スリット部材424には、スリット424aが形成されている。スリット424aは、レンズ422とレンズ423との間であって、レンズ422の焦点面付近に位置している。反射型空間光変調器410によって変調されると共に反射されたレーザ光Lのうち不要な部分は、スリット部材424によって遮断される。4fレンズユニット420を通過したレーザ光Lは、Y軸方向に沿ってダイクロイックミラー403に入射する。
ダイクロイックミラー403は、レーザ光Lの大部分(例えば、95〜99.5%)をZ軸方向に反射し、レーザ光Lの一部(例えば、0.5〜5%)をY軸方向に沿って透過させる。レーザ光Lの大部分は、ダイクロイックミラー403においてZX平面に沿って直角に反射される。ダイクロイックミラー403によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿って集光レンズユニット430に入射する。
集光レンズユニット430は、レーザ光Lを加工対象物1に集光する対物レンズを構成する。集光レンズユニット430は、Y軸方向における筐体401の端部401d(端部401cの反対側の端部)に、対物レンズ駆動装置440を介して取り付けられている。集光レンズユニット430は、Z軸方向を軸方向とする円柱形状の外形を呈している。集光レンズユニット430は、ホルダ431と、複数のレンズ432と、を有している。ホルダ431は、複数のレンズ432を保持している。複数のレンズ432は、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)に対してレーザ光Lを集光する。対物レンズ駆動装置440は、レーザ加工装置200において集光レンズユニット430を駆動する駆動機構である。対物レンズ駆動装置440は、圧電素子の駆動力によって、光軸方向であるZ軸方向に沿って集光レンズユニット430を移動させる(詳しくは後述)。
一対の測距センサ450は、X軸方向において集光レンズユニット430の両側に位置するように、筐体401の端部401dに取り付けられている。各測距センサ450は、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)のレーザ光入射面に対して測距用の光(例えば、レーザ光)を出射し、当該レーザ光入射面によって反射された測距用の光を検出することで、加工対象物1のレーザ光入射面の変位データを取得する。なお、測距センサ450には、三角測距方式、レーザ共焦点方式、白色共焦点方式、分光干渉方式、非点収差方式等のセンサを利用することができる。
レーザ加工装置200では、上述したように、X軸方向に平行な方向が加工方向(レーザ光Lの走査方向)とされている。そのため、各切断予定ライン5a,5bに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる際に、一対の測距センサ450のうち集光レンズユニット430に対して相対的に先行する測距センサ450が、各切断予定ライン5a,5bに沿った加工対象物1のレーザ光入射面の変位データを取得する。そして、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されるように、対物レンズ駆動装置440が、測距センサ450によって取得された変位データに基づいて集光レンズユニット430をZ軸方向に沿って移動させる。
レーザ集光部400は、ビームスプリッタ461と、一対のレンズ462,463と、プロファイル取得用カメラ464と、を有している。ビームスプリッタ461は、ダイクロイックミラー403を透過したレーザ光Lを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ461によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿って一対のレンズ462,463及びプロファイル取得用カメラ464に順次入射する。一対のレンズ462,463は、集光レンズユニット430の入射瞳面430aとプロファイル取得用カメラ464の撮像面とが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。これにより、集光レンズユニット430の入射瞳面430aでのレーザ光Lの像が、プロファイル取得用カメラ464の撮像面に転像される。上述したように、集光レンズユニット430の入射瞳面430aでのレーザ光Lの像は、反射型空間光変調器410において変調されたレーザ光Lの像である。したがって、レーザ加工装置200では、プロファイル取得用カメラ464による撮像結果を監視することで、反射型空間光変調器410の動作状態を把握することができる。
更に、レーザ集光部400は、ビームスプリッタ471と、レンズ472と、レーザ光Lのスポット位置(ポインティング)観察用の撮像装置であるスポット観察用カメラ473と、を有している。ビームスプリッタ471は、ビームスプリッタ461を透過したレーザ光Lを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ471によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿ってレンズ472及びスポット観察用カメラ473に順次入射する。レンズ472は、入射したレーザ光Lをスポット観察用カメラ473の撮像面に向けて集光する。レーザ加工装置200では、プロファイル取得用カメラ464及びスポット観察用カメラ473のそれぞれによる撮像結果を監視しつつ、ミラーユニット360において、取付ベース301に対する支持ベース361の位置調整、支持ベース361に対するミラー363の位置調整、及び各ミラー362,363の反射面の角度調整を実施することで(図9及び図10参照)、集光レンズユニット430に入射するレーザ光Lの光軸のずれ(集光レンズユニット430に対するレーザ光の強度分布の位置ずれ、及び集光レンズユニット430に対するレーザ光Lの光軸の角度ずれ)を補正することができる。
複数のビームスプリッタ461,471は、筐体401の端部401dからY軸方向に沿って延在する筒体404内に配置されている。一対のレンズ462,463は、Z軸方向に沿って筒体404上に立設された筒体405内に配置されており、プロファイル取得用カメラ464は、筒体405の端部に配置されている。レンズ472は、Z軸方向に沿って筒体404上に立設された筒体406内に配置されており、スポット観察用カメラ473は、筒体406の端部に配置されている。筒体405と筒体406とは、Y軸方向において互いに並設されている。なお、ビームスプリッタ471を透過したレーザ光Lは、筒体404の端部に設けられたダンパ等に吸収されるようにしてもよいし、或いは、適宜の用途で利用されるようにしてもよい。
図12及び図13に示されるように、レーザ集光部400は、可視光源481と、複数のレンズ482と、レチクル483と、ミラー484と、ハーフミラー485と、ビームスプリッタ486と、レンズ487と、観察カメラ488と、を有している。可視光源481は、Z軸方向に沿って可視光Vを出射する。複数のレンズ482は、可視光源481から出射された可視光Vを平行化する。レチクル483は、可視光Vに目盛り線を付与する。ミラー484は、複数のレンズ482によって平行化された可視光VをX軸方向に反射する。ハーフミラー485は、ミラー484によって反射された可視光Vを反射成分と透過成分とに分ける。ハーフミラー485によって反射された可視光Vは、Z軸方向に沿ってビームスプリッタ486及びダイクロイックミラー403を順次透過し、集光レンズユニット430を介して、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)に照射される。
加工対象物1に照射された可視光Vは、加工対象物1のレーザ光入射面によって反射され、集光レンズユニット430を介してダイクロイックミラー403に入射し、Z軸方向に沿ってダイクロイックミラー403を透過する。ビームスプリッタ486は、ダイクロイックミラー403を透過した可視光Vを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ486を透過した可視光Vは、ハーフミラー485を透過し、Z軸方向に沿ってレンズ487及び観察カメラ488に順次入射する。レンズ487は、入射した可視光Vを観察カメラ488の撮像面上に集光する。レーザ加工装置200では、観察カメラ488による撮像結果を観察することで、加工対象物1の状態を把握することができる。
ミラー484、ハーフミラー485及びビームスプリッタ486は、筐体401の端部401d上に取り付けられたホルダ407内に配置されている。複数のレンズ482及びレチクル483は、Z軸方向に沿ってホルダ407上に立設された筒体408内に配置されており、可視光源481は、筒体408の端部に配置されている。レンズ487は、Z軸方向に沿ってホルダ407上に立設された筒体409内に配置されており、観察カメラ488は、筒体409の端部に配置されている。筒体408と筒体409とは、X軸方向において互いに並設されている。なお、X軸方向に沿ってハーフミラー485を透過した可視光V、及びビームスプリッタ486によってX軸方向に反射された可視光Vは、それぞれ、ホルダ407の壁部に設けられたダンパ等に吸収されるようにしてもよいし、或いは、適宜の用途で利用されるようにしてもよい。
レーザ加工装置200では、レーザ出力部300(特にレーザ発振器310)の交換が想定されている。これは、加工対象物1の仕様、加工条件等に応じて、加工に適したレーザ光Lの波長が異なるからである。そのため、出射するレーザ光Lの波長が互いに異なる複数のレーザ出力部300が用意される。ここでは、出射するレーザ光Lの波長が500〜550nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300、出射するレーザ光Lの波長が1000〜1150nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300、及び出射するレーザ光Lの波長が1300〜1400nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300が用意される。
一方、レーザ加工装置200では、レーザ集光部400の交換が想定されていない。これは、レーザ集光部400がマルチ波長に対応している(互いに連続しない複数の波長帯に対応している)からである。具体的には、ミラー402、反射型空間光変調器410、4fレンズユニット420の一対のレンズ422,423、ダイクロイックミラー403、及び集光レンズユニット430のレンズ432等がマルチ波長に対応している。ここでは、レーザ集光部400は、500〜550nm、1000〜1150nm及び1300〜1400nmの波長帯に対応している。これは、レーザ集光部400の各構成に所定の誘電体多層膜をコーティングすること等、所望の光学性能が満足されるようにレーザ集光部400の各構成が設計されることで実現される。なお、レーザ出力部300において、λ/2波長板ユニット330はλ/2波長板を有しており、偏光板ユニット340は偏光板を有している。λ/2波長板及び偏光板は、波長依存性が高い光学素子である。そのため、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、波長帯ごとに異なる構成としてレーザ出力部300に設けられている。
[レーザ加工装置におけるレーザ光の光路及び偏光方向]
レーザ加工装置200では、支持台230に支持された加工対象物1に対して集光されるレーザ光Lの偏光方向は、図11に示されるように、X軸方向に平行な方向であり、加工方向(レーザ光Lのスキャン方向)に一致している。ここで、反射型空間光変調器410では、レーザ光LがP偏光として反射される。これは、反射型空間光変調器410の光変調層に液晶が用いられている場合において、反射型空間光変調器410に対して入出射するレーザ光Lの光軸を含む平面に平行な面内で液晶分子が傾斜するように、当該液晶が配向されているときには、偏波面の回転が抑制された状態でレーザ光Lに位相変調が施されるからである(例えば、特許第3878758号公報参照)。一方、ダイクロイックミラー403では、レーザ光LがS偏光として反射される。これは、レーザ光LをP偏光として反射させるよりも、レーザ光LをS偏光として反射させたほうが、ダイクロイックミラー403をマルチ波長に対応させるための誘電体多層膜のコーティング数が減少する等、ダイクロイックミラー403の設計が容易となるからである。
したがって、レーザ集光部400では、ミラー402から反射型空間光変調器410及び4fレンズユニット420を介してダイクロイックミラー403に至る光路が、XY平面に沿うように設定されており、ダイクロイックミラー403から集光レンズユニット430に至る光路が、Z軸方向に沿うように設定されている。
図9に示されるように、レーザ出力部300では、レーザ光Lの光路がX軸方向又はY軸方向に沿うように設定されている。具体的には、レーザ発振器310からミラー303に至る光路、並びに、ミラー304からλ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340及びビームエキスパンダ350を介してミラーユニット360に至る光路が、X軸方向に沿うように設定されており、ミラー303からシャッタ320を介してミラー304に至る光路、及び、ミラーユニット360においてミラー362からミラー363に至る光路が、Y軸方向に沿うように設定されている。
Z軸方向に沿ってレーザ出力部300からレーザ集光部400に進行したレーザ光Lは、図11に示されるように、ミラー402によってXY平面に平行な方向に反射され、反射型空間光変調器410に入射する。このとき、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とは、鋭角である角度αをなしている。一方、上述したように、レーザ出力部300では、レーザ光Lの光路がX軸方向又はY軸方向に沿うように設定されている。
したがって、レーザ出力部300において、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340を、レーザ光Lの出力を調整する出力調整部としてだけでなく、レーザ光Lの偏光方向を調整する偏光方向調整部としても機能させる必要がある。
[反射型空間光変調器]
図14に示されるように、反射型空間光変調器410は、シリコン基板213、駆動回路層914、複数の画素電極214、誘電体多層膜ミラー等の反射膜215、配向膜999a、液晶層(表示部)216、配向膜999b、透明導電膜217、及びガラス基板等の透明基板218がこの順に積層されることで構成されている。
透明基板218は、XY平面に沿った表面218aを有している。この表面218aは、反射型空間光変調器410の反射面410aを構成する。透明基板218は、例えばガラス等の光透過性材料からなり、反射型空間光変調器410の表面218aから入射した所定波長のレーザ光Lを、反射型空間光変調器410の内部へ透過する。透明導電膜217は、透明基板218の裏面上に形成されており、レーザ光Lを透過する導電性材料(例えばITO)からなる。
複数の画素電極214は、透明導電膜217に沿ってシリコン基板213上にマトリックス状に配列されている。各画素電極214は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる。複数の画素電極214の表面214aは、平坦且つ滑らかに加工されている。複数の画素電極214は、駆動回路層914に設けられたアクティブ・マトリクス回路によって駆動される。
アクティブ・マトリクス回路は、複数の画素電極214とシリコン基板213との間に設けられている。アクティブ・マトリクス回路は、反射型空間光変調器410から出力しようとする光像に応じて各画素電極214への印加電圧を制御する。このようなアクティブ・マトリクス回路は、例えば図示しないX軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第1ドライバ回路と、Y軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第2ドライバ回路とを有しており、制御部500によって双方のドライバ回路で指定された画素の画素電極214に所定電圧が印加されるように構成されている。
配向膜999a,999bは、液晶層216の両端面に配置されており、液晶分子群を一定方向に配列させる。配向膜999a,999bは、例えばポリイミド等の高分子材料からなり、液晶層216との接触面にラビング処理等が施されている。
液晶層216は、複数の画素電極214と透明導電膜217との間に配置されており、各画素電極214と透明導電膜217とにより形成される電界に応じてレーザ光Lを変調する。すなわち、駆動回路層914のアクティブ・マトリクス回路によって各画素電極214に電圧が印加されると、透明導電膜217と各画素電極214との間に電界が形成され、液晶層216に形成された電界の大きさに応じて液晶分子216aの配列方向が変化する。そして、レーザ光Lが透明基板218及び透明導電膜217を透過して液晶層216に入射すると、このレーザ光Lは、液晶層216を通過する間に液晶分子216aによって変調され、反射膜215において反射した後、再び液晶層216により変調されて、出射する。
このとき、制御部500(図7参照)によって各画素電極214に印加される電圧が制御され、その電圧に応じて、液晶層216において透明導電膜217と各画素電極214とに挟まれた部分の屈折率が変化する(各画素に対応した位置の液晶層216の屈折率が変化する)。この屈折率の変化により、印加した電圧に応じて、レーザ光Lの位相を液晶層216の画素ごとに変化させることができる。つまり、ホログラムパターンに応じた位相変調を画素ごとに液晶層216によって付与することができる。換言すると、変調を付与するホログラムパターンとしての変調パターンを、反射型空間光変調器410の液晶層216に表示させることができる。変調パターンに入射し透過するレーザ光Lは、その波面が調整され、そのレーザ光Lを構成する各光線において進行方向に直交する方向の成分の位相にずれが生じる。したがって、反射型空間光変調器410に表示させる変調パターンを適宜設定することにより、レーザ光Lが変調(例えば、レーザ光Lの強度、振幅、位相、偏光等が変調)可能となる。
[4fレンズユニット]
上述したように、4fレンズユニット420の一対のレンズ422,423は、反射型空間光変調器410の反射面410aと集光レンズユニット430の入射瞳面430aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。具体的には、図15に示されるように、反射型空間光変調器410側のレンズ422の中心と反射型空間光変調器410の反射面410aとの間の光路の距離がレンズ422の第1焦点距離f1となり、集光レンズユニット430側のレンズ423の中心と集光レンズユニット430の入射瞳面430aとの間の光路の距離がレンズ423の第2焦点距離f2となり、レンズ422の中心とレンズ423の中心との間の光路の距離が第1焦点距離f1と第2焦点距離f2との和(すなわち、f1+f2)となっている。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至る光路のうち一対のレンズ422,423間の光路は、一直線である。
レーザ加工装置200では、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径を大きくする観点から、両側テレセントリック光学系の倍率Mが、0.5<M<1(縮小系)を満たしている。反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径が大きいほど、高精細な位相パターンでレーザ光Lが変調される。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至るレーザ光Lの光路が長くなるのを抑制するという観点では、0.6≦M≦0.95であることがより好ましい。ここで、(両側テレセントリック光学系の倍率M)=(集光レンズユニット430の入射瞳面430aでの像の大きさ)/(反射型空間光変調器410の反射面410aでの物体の大きさ)である。レーザ加工装置200の場合、両側テレセントリック光学系の倍率M、レンズ422の第1焦点距離f1及びレンズ423の第2焦点距離f2が、M=f2/f1を満たしている。
なお、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径を小さくする観点から、両側テレセントリック光学系の倍率Mが、1<M<2(拡大系)を満たしていてもよい。反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径が小さいほど、ビームエキスパンダ350(図9参照)の倍率が小さくて済み、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とがなす角度α(図11参照)が小さくなる。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至るレーザ光Lの光路が長くなるのを抑制するという観点では、1.05≦M≦1.7であることがより好ましい。
[対物レンズ駆動装置]
次に、第1実施形態に係る対物レンズ駆動装置440について、詳細に説明する。なお、便宜上、対物レンズ駆動装置440においてZ軸方向の加工対象物1側を下側とし、その反対側を上側として説明する。
図16〜図20に示されるように、対物レンズ駆動装置440は、レーザ加工装置200(図7参照)において集光レンズユニット430を保持し且つ当該集光レンズユニット430をZ軸方向に沿って移動させる装置である。対物レンズ駆動装置440は、保持する集光レンズユニット430の光軸G(以下、単に「光軸G」ともいう)を通り且つX方向と直交するYZ面を対称面とする面対称の構造とされている。対物レンズ駆動装置440は、固定部材10、取付部材20、圧電素子30、及び一対の駆動筐体40を備えている。
固定部材10、取付部材20及び一対の駆動筐体40は、一体で構成されている。固定部材10、取付部材20及び一対の駆動筐体40は、接着及び機械的接合を用いずに、例えばワイヤ放電加工を利用した削出しによって互いに一体で成形された一体成形品である。固定部材10、取付部材20及び一対の駆動筐体40の材料としては、ステンレス系の合金が用いられている。
固定部材10は、X軸方向を長手方向とし且つY軸方向を厚さ方向とする直方体形状を呈している。固定部材10は、レーザ加工装置200におけるレーザ集光部400の筐体401(図12参照)に、ネジ等で固定されている。
取付部材20は、集光レンズユニット430が取り付けられる部材である。取付部材20は、Z軸方向を軸方向とする円環板状のリング部21を有している。リング部21の内径は、集光レンズユニット430の外径に対応する。リング部21には、集光レンズユニット430が同軸で挿入されて螺着されている(螺合作用により取り付けられている)。
圧電素子30は、対物レンズ駆動装置440の動力源である。圧電素子30としては、積層型の圧電素子が用いられている。圧電素子30は、長尺の柱状に形成されている。圧電素子30は、電力の印加により、当該電力に応じて圧電素子30の軸方向に変位(ここでは伸長)する。圧電素子30には、シリコーン樹脂等の樹脂によるポッティングが施されておらず、圧電素子30の少なくとも一部は樹脂で覆われていない。つまり、圧電素子30の少なくとも一部は、むき出しとなっており、空気に対して露出する。圧電素子30は、制御部500(図7参照)に接続され、その変位量が制御部500により制御される。
駆動筐体40は、内部に圧電素子30を収容する筐体である。駆動筐体40は、固定部材10に連結された第1連結部分41と、取付部材20に連結された第2連結部分42と、第1及び第2連結部分41,42に架設された一対の板部43と、を有している。駆動筐体40は、圧電素子30を伸長させることにより作用する力で光軸方向に歪むことで、固定部材10に対して取付部材20を光軸方向に移動させる。
第1連結部分41は、駆動筐体40の固定側(不動部分)を構成する。第1連結部分41は、固定部材10と一体で連なるように設けられている。第2連結部分42は、駆動筐体40の可動側を構成する。第2連結部分42は、取付部材20と一体で連なるように設けられている。第1連結部分41及び第2連結部分42は、駆動筐体40における高い剛性を有するブロック状(塊状)の部分である。第1連結部分41と第2連結部分42とは、Y軸方向に互いに離間して設けられている。具体的には、第1連結部分41は、駆動筐体40におけるY軸方向の一端側に配され、第2連結部分42は、駆動筐体40におけるY方向の他端側に配されている。
一対の板部43は、Z軸方向を厚さ方向とする板状を呈し、第1連結部分41から第2連結部分42へ向かってY軸方向に延在する。一対の板部43は、互いに対向する。板部43におけるY軸方向(延在方向)の両端部の厚さは、板部43における当該両端部以外の厚さよりも薄い。これにより、板部43の両端部の剛性が、それ以外よりも低くなっている。第1連結部分41と第2連結部分42と一対の板部43とは、圧電素子30を収容する収容空間Rを画成する。
駆動筐体40は、収容空間R内に配置されると共に第1連結部分41に連結された第1回転支持部45と、収容空間R内に配置されると共に第2連結部分42に連結された第2回転支持部46と、を有している。
第1回転支持部45は、圧電素子30の長手方向の一端部を回転支持する。第1回転支持部45は、圧電素子30の一端面に対して当接するように取り付けられている。第1回転支持部45は、第1連結部分41の収容空間Rを構成する壁面において下側に、揺動可能に設けられている。第2回転支持部46は、圧電素子30の長手方向の他端部を回転支持する。第2回転支持部46は、圧電素子30の他端面に対して当接するように取り付けられている。第2回転支持部46は、第2連結部分42の収容空間Rを構成する壁面において上側に、揺動可能に設けられている。これにより、駆動筐体40は、圧電素子30の変位方向(長手方向)をY軸に対してZ軸方向に傾いた方向とした状態で、当該圧電素子30を収容空間R内にて収容する。つまり、圧電素子30の変位方向は、切断予定ライン5に沿うX軸方向に対して直交する方向であり、具体的には、YZ平面上にてY軸方向と交差する方向である。なお、駆動筐体40には、収容空間Rを外側から塞ぐようにカバーが設けられていてもよい。
図21は、駆動筐体40の構造をモデル化した図である。図21(a)は圧電素子30の非伸長時を示し、図21(b)は圧電素子30の伸長時を示す。図21(a),(b)に示されるように、駆動筐体40は、旋回軸であるピボットを有する構造モデルMLでモデル化することができる。構造モデルMLでは、Y軸方向に対向する柱51,52と、Z軸方向に対向する梁53,54と、がピボット55で接続されて矩形枠56が形成されている。そして、Y軸に対してZ軸方向に傾斜して延び且つ伸長可能な伸長部材57が、矩形枠56内において、ピボット58,59を介して柱51,52に連結されている。柱51,52及び梁53,54は、変形不可の剛体とみなすことができる。
柱51は、第1連結部分41に対応し、柱52は、第2連結部分42に対応する。梁53,54は、板部43における高剛性の両端部以外(厚板部分)に対応し、ピボット55は、板部43における低剛性の両端部(薄板部分)に対応する。伸長部材57は、圧電素子30に対応する。ピボット58は、第1回転支持部45に対応し、ピボット59は、第2回転支持部46に対応する。
構造モデルMLに表されるように、伸長部材57が伸長することで、矩形枠56が歪んで平行四辺形形状となり、固定側の柱51に対して可動側の柱52が上方に移動する。すなわち、図22に示されるように、駆動筐体40内に組み込んだ圧電素子30の伸長(変位)により駆動筐体40に歪む力が与えられ、第1連結部分41を基準に第2連結部分42がZ軸方向に沿って相対的に移動するように駆動筐体40が変形する。このように駆動筐体40が変形することで、取付部材20をZ軸方向に移動させて、集光レンズユニット430をZ軸方向に移動させることができる。
図16〜図20に戻り、一対の駆動筐体40のうちの一方の駆動筐体40Aにおいて、第1連結部分41Aは、固定部材10のX軸方向の一端部に連結されている。一対の駆動筐体40のうちの他方の駆動筐体40Bにおいて、第1連結部分41Bは、固定部材10のX軸方向の他端部に連結されている。
一対の駆動筐体40のうちの一方の駆動筐体40Aにおいて、第2連結部分42Aは、リング部21のX軸方向における一方側に連結されている。一対の駆動筐体40のうちの他方の駆動筐体40Bにおいて、第2連結部分42Bは、リング部21のX軸方向における他方側に連結されている。第2連結部分42A,42Bは、リング部21において集光レンズユニット430の光軸Gを挟んでX軸方向に対向する位置に、それぞれ連結されている。ここでの第2連結部分42は、上側の板部43よりも上方へ突出する突部48を含み、この突部48を介してリング部21に連結している。これにより、リング部21は、上側の板部43よりも上方に位置されている。
以上、対物レンズ駆動装置440では、固定部材10を介してレーザ加工装置200に固定された一対の駆動筐体40A,40Bは、取付部材20において集光レンズユニット430よりもX軸方向の一方側及び他方側のそれぞれに連結されている。これにより、X軸方向における両持ち構造で集光レンズユニット430を保持することができる。その結果、集光レンズユニット430の共振周波数を高周波域化でき、集光レンズユニット430の高速駆動を実現するための障害となる低周波域での振動を抑制できる。例えば従来構造では共振周波数が370Hzであるのに対し、対物レンズ駆動装置440では、共振周波数を550Hzまで高周波域化できる。
したがって、対物レンズ駆動装置440によれば、集光レンズユニット430の高速駆動が可能となる。また、集光レンズユニット430の速応性を向上させることができる。これらの効果は、ナノテクノロジ分野にて焦点補正技術として動的特性が求められるレーザ加工装置200において、特に有効である。
対物レンズ駆動装置440が搭載されたレーザ加工装置200は、切断予定ライン5に沿ってレーザ光Lを走査する装置である。そして、対物レンズ駆動装置440における圧電素子30の変位方向は、レーザ光Lを走査する切断予定ライン5の延在方向(加工方向)であるX軸方向に対して、直交する方向とされている。変位方向がX軸方向に対して直交する方向であると、圧電素子30が変位した場合にX軸方向には駆動筐体40が変形しにくくなる(歪みにくくなる)。これにより、駆動筐体40の変形で集光レンズユニット430の光軸GがX軸方向に沿ってずれるのを抑制できる。加工方向であるX軸方向における光軸Gの位置精度は、焦点補正技術として動的特性が求められる対物レンズ駆動装置440では重要であることから、当該効果は特に有効である。
なお、駆動筐体40の変形に伴い、Y軸方向にも駆動筐体40が僅かに変形して光軸GがY軸方向に僅かにずれる場合があるが、このY軸方向における僅かな光軸Gのずれについては、レーザ加工装置200の実使用上、光軸調整の許容誤差に比べて1桁以上小さく、問題とならない。
対物レンズ駆動装置440では、圧電素子30の伸長で第2連結部分42がZ軸方向に沿って相対的に移動する際、取付部材20には第2連結部分42を介してZ軸方向に力が加わる。このとき、第2連結部分42は取付部材20において集光レンズユニット430の光軸Gを挟む位置にそれぞれ連結されているため、光軸Gを揺動させるモーメント(角度振れ)が当該力に起因して集光レンズユニット430に生じることを抑制でき、集光レンズユニット430の応答遅れを抑制できる。
対物レンズ駆動装置440の駆動筐体40は、ピボットを有する構造モデルML(図21参照)でモデル化される構造を有している。すなわち、第1及び第2連結部分41,42が互いに離間して設けられたブロック状を呈し、第1及び第2連結部分41,42の間に一対の板部43,43が設けられ、これらで画成された収容空間R内にて圧電素子30が第1及び第2連結部分41,42によって回転支持されている。板部43における延在方向の両端部の厚さは、板部43における当該両端部以外の厚さよりも薄くされている。これにより、圧電素子30の変位で第2連結部分42がZ軸方向に沿って相対移動するように駆動筐体40が変形することを、具体的に実現できる。
対物レンズ駆動装置440では、固定部材10、取付部材20及び駆動筐体40は、一体で構成されている。これにより、対物レンズ駆動装置440の剛性を高め、共振周波数を一層高周波域化することができる。
対物レンズ駆動装置440では、圧電素子30の少なくとも一部が樹脂で覆われていない。これにより、圧電素子30を覆う樹脂に含まれた水分によって圧電素子30が絶縁破壊することを抑制し、圧電素子30に印加する許容電圧を高め、圧電素子30の変位範囲を大きくすることができる。その結果、集光レンズユニット430の光軸方向に沿う駆動範囲(ストローク)を大きくすることが可能となる。
対物レンズ駆動装置440は、集光レンズユニット430の光軸Gを通り且つX軸方向と直交するYZ面を対称面とする面対称の構造である。このような面対称の構造により、集光レンズユニット430の振動を抑制することが可能となる。
対物レンズ駆動装置440では、駆動筐体40が一対備えられており、圧電素子30が2つ用いられている。2つの圧電素子30は、同期して変位するように制御部500により制御される。このように2つの圧電素子30を利用することで、集光レンズユニット430の駆動力及び速応性を高めることが可能となる。
対物レンズ駆動装置440では、上側の板部43よりもリング部21が上方に位置している。これにより、固定部材10、取付部材20及び一対の駆動筐体40を、一体で形成しやすくすることが可能となる。例えば、固定部材10、取付部材20及び一対の駆動筐体40についての削出しによる一体成形を容易化できる。
次に、第2実施形態に係る対物レンズ駆動装置600について説明する。本実施形態の説明では、上記対物レンズ駆動装置440と同様な説明は省略し、異なる点について主に説明する。
図23〜図25に示されるように、対物レンズ駆動装置600は、直方体形状の外形を有している。対物レンズ駆動装置600は、固定部材610、取付部材620、上記圧電素子30、及び一対の駆動筐体640A,640Bを備えている。固定部材610、取付部材620及び一対の駆動筐体640は、それぞれ別体で構成されている。
固定部材610及び取付部材620は、直方体形状の外形となるように互いに組み合わされた状態で、ネジ等により一対の駆動筐体640A,640Bと連結されている。図25及び図26に示されるように、固定部材610は、リング部611と、リング部611におけるY軸方向の一方側に連続する基部612と、を含んでいる。
リング部611は、Z軸方向を軸方向とする円環板状に形成されている。リング部611の内周面には、光軸Gに沿った貫通孔651を有する固定クランプ650(図23参照)が取り付けられている。固定部材610は、固定クランプ650を介して、レーザ加工装置200(図7参照)に固定されている。
基部612は、固定部材610において駆動筐体640と連結する部分である。基部612は、リング部611よりも下方に突出するように設けられている。基部612のY軸方向における内側の壁面612aは、リング部611の外縁に沿った曲面とされている。一方、基部612のY軸方向における外側の壁面612bは、XZ面に沿った平面とされている。また、基部612は、駆動筐体640と当接する平面であってYZ面に沿った壁面612cを、X軸方向における両端面に有している。
図25及び図27に示されるように、取付部材620は、リング部621と、リング部621におけるY軸方向の他方側に連続する基部622と、を含んでいる。リング部621は、Z軸方向を軸方向とする円環板状に形成されている。リング部621には、集光レンズユニット430が同軸で挿入されて螺着されている(図23参照)。リング部621の内径は、固定部材610の内径と同一とされている。
基部622は、取付部材620において駆動筐体640と連結する部分である。基部622は、リング部621よりも上方に突出するように設けられている。基部622のY軸方向における内側の壁面622aは、リング部621の外縁に沿った曲面とされている。一方、基部622のY軸方向における外側の壁面622bは、XZ面に沿った平面とされている。また、基部622は、駆動筐体640と当接する平面であってYZ面に沿った壁面622cを、X軸方向における両端面に有している。
図24及び図25に示されるように、取付部材620は、そのリング部621が固定部材610のリング部611と同軸で対向するように重ねられている。取付部材620のリング部621の外周面は、固定部材610の基部612の壁面612aに当接ないし近接している。取付部材620の基部622の壁面622aは、固定部材610のリング部611の外周面に当接ないし近接している。これにより、固定部材610及び取付部材620は、直方体形状の外形となるように互いに組み合わされる。
図24、図25及び図28に示されるように、駆動筐体640A,640B(駆動筐体640)は、その内部に圧電素子30を収容する筐体である。駆動筐体640は、固定部材610及び取付部材620に連結されている。駆動筐体640は、固定部材610の基部612にネジ等で連結された第1連結部分641と、取付部材620の基部622にネジ等で連結された第2連結部分642と、第1及び第2連結部分641,642に架設された一対の板部643と、収容空間R内に配置された第1及び第2回転支持部645,646と、を有している。
第1連結部分641は、駆動筐体640の固定側を構成する。第2連結部分642は、駆動筐体640の可動側を構成する。第1連結部分641及び第2連結部分642は、駆動筐体640における高い剛性を有するブロック状の部分である。第1連結部分641は、駆動筐体640におけるY軸方向の一端側に配され、第2連結部分641は、駆動筐体640におけるY方向の他端側に配されている。板部643は、上記板部43と同様に、第1及び第2連結部分641,642に架設されている。第1及び第2回転支持部645,646は、上記第1及び第2回転支持部45,46と同様に、収容空間R内に揺動可能に設けられている。
図24及び図25に示されるように、一対の駆動筐体640A,640Bは、組み合わせられた固定部材610及び取付部材620に対して、X軸方向に挟み込むように当接されている。そして、第1連結部分641が、固定部材610の基部612にネジ等で連結されている。これと共に、第2連結部分642が、取付部材620の基部622にネジ等で連結されている。これにより、一対の駆動筐体640A,640Bと固定部材610と取付部材620とは、直方体形状の外形となるように互いに組み合わされている。
以上、対物レンズ駆動装置600では、固定部材610を介してレーザ加工装置200に固定された一対の駆動筐体640A,640Bは、取付部材620において集光レンズユニット430よりもX軸方向の一方側及び他方側のそれぞれに連結されている。これにより、X軸方向における両持ち構造で集光レンズユニット430を保持することができる。その結果、対物レンズ駆動装置600においても、集光レンズユニット430の共振周波数を高周波域化でき、集光レンズユニット430の高速駆動を実現するための障害となる低周波域での振動を抑制できる。集光レンズユニット430の高速駆動が可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態のレーザ加工装置100,200は、アブレーション等、他のレーザ加工を実施する装置であってもよい。上記実施形態のレーザ加工装置100,200は、加工対象物1の内部にレーザ光Lを集光させるレーザ加工に用いられる装置に限定されず、加工対象物1の表面1a,3又は裏面1bにレーザ光Lを集光させるレーザ加工に用いられる装置であってもよい。更に、本発明が適用されるレーザ光照射装置は、レーザ加工装置100,200に限定されず、レーザ光Lを対象物に照射するものであれば、種々のレーザ光照射装置であってもよい。上記実施形態では、切断予定ライン5を照射予定ラインとしたが、照射予定ラインは切断予定ライン5に限定されず、照射されるレーザ光Lを沿わせるラインであればよい。
上記実施形態の対物レンズ駆動装置440,600では、レーザ加工装置200の加工方向であるX軸方向に両持ち構造とし、X軸方向に対して直交する方向を圧電素子30の変位方向としたが、対物レンズ駆動装置の構造は加工方向との関係には限定されない。対物レンズ駆動装置では、任意の所定方向に両持ち構造であればよい。圧電素子の変位方向は、当該圧電素子の変位により第1連結部分に対して第2連結部分がZ軸方向に沿って相対的に移動するように駆動筐体が変形する方向であればよい。
上記実施形態の対物レンズ駆動装置440,600は、面対称の構造であるが、非対称の構造であってもよい。なお、ここでの対称構造は、完全対称の構造だけでなく、略対称の構造及び実質的に対称の構造を含む。上記実施形態では、圧電素子30の伸長により駆動筐体40,640が変形したが、圧電素子30の縮小により駆動筐体40,640が変形してもよい。