JP2007171376A - 含ケイ素重合体を含むレジスト保護膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広い波長領域において高い透明性と不感性とが得られ、PED効果抑制に優れ、アルカリ現像液に可溶であり、現行のレジストプロセスの現像工程にて除去可能であり、かつ高い撥水性を有するレジスト保護膜の提供。
【解決手段】C−F結合およびC−Si結合を有する含ケイ素重合体(A)を含むレジスト保護膜。ここで前記含ケイ素重合体(A)がC−F結合を有する単量体およびC−Si結合を有する単量体を共重合して得られる重合体が好ましい。また前記C−Si結合を有する単量体が、CH2=CR4−COO−X−Si(R1R2R3)で表される単量体であることが好ましい。ただしR1、R2、R3はエーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、R4は水素原子またはメチル基、Xは単結合または炭素数1〜8の2価の有機基。
【選択図】なし
【解決手段】C−F結合およびC−Si結合を有する含ケイ素重合体(A)を含むレジスト保護膜。ここで前記含ケイ素重合体(A)がC−F結合を有する単量体およびC−Si結合を有する単量体を共重合して得られる重合体が好ましい。また前記C−Si結合を有する単量体が、CH2=CR4−COO−X−Si(R1R2R3)で表される単量体であることが好ましい。ただしR1、R2、R3はエーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、R4は水素原子またはメチル基、Xは単結合または炭素数1〜8の2価の有機基。
【選択図】なし
Description
本発明は、含ケイ素重合体を含むレジスト保護膜に関する。
一般にフォトレジストパターンは、レジスト膜の形成、露光、露光後のベーク、現像等のプロセスを経てパターンが形成される。ここで化学増幅系レジストのように、化学線等の光線照射により生じる酸を触媒として反応機構に適用するレジストにおいては、前記酸が大気中の不純物(例えばアミン化合物)と反応して失活することがある。この失活により、レジスト像の形成が妨げられる、感度の変化が引き起こされる等の問題が発生する(非特許文献1参照。)。特に露光と露光後ベークとの間の放置は、レジスト特性に大きな悪影響を及ぼす。即ち露光と露光後ベークとの間の放置時間が長くなると、レジスト感度が急速に低下し、パターンの形成ができなくなる現象(PED効果(PostExposure Delay effect))がよく知られている。
PED効果を軽減するための方法として、レジスト膜と相溶しない高分子膜(レジスト保護膜)が得られる組成物(レジスト保護膜用組成物)をレジスト膜の上に塗布する技術が知られている(特許文献1参照。)。この方法では、塗布されたレジスト保護膜が、大気中に浮遊するアミン等がレジスト膜に侵入することを防止する。
またレジストの特性を損なわないために、前記レジスト保護膜は露光に使用される光線に対し「透明」でなければならない。すなわちレジスト保護膜は、X線、紫外線などの光線を吸収しないこと(透明性)、および、露光による不溶化等の副反応を起こさないこと(不感性)が要求される。しかしPED効果を抑制するためのレジスト保護膜としては、前記透明性と不感性とを同時に、かつ充分に満足する組成物は知られていない。
一方、近年技術開発が進展している液浸露光技術は、投影レンズとレジスト膜の間に屈折率の大きな液体(例えば水)(液浸媒体)を満たすことによって高解像露光が可能となるという特徴を有している。しかし該液浸媒体によりレジスト膜が膨潤すること、レジスト膜から発生する不純物が該液体に溶解し投影レンズ表面を汚染すること等の問題が指摘されている。
この問題を解決するために、液浸媒体およびレジスト膜のいずれにも相溶しないレジスト保護膜を用いることが提案されている(特許文献2参照。)。ここではレジスト保護膜として、環式または鎖式ペルフルオロアルキルポリエーテルを用いる技術が提案されている。しかしこの技術ではPED効果低減は不充分であり、さらにレジスト保護膜の除去にペルフルオロ化合物を溶媒として使用する必要があった。
本発明は前述した問題を同時かつ充分に解決することを課題とする。すなわち本発明は、幅広い波長領域において高い透明性と不感性とが得られ、かつ、PED効果抑制に優れるレジスト保護膜の提供を目的とする。特に透明性については、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、およびF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対して高い透明性が得られることを目的とする。
また同時に、アルカリ現像液に可溶であり、現行のレジストプロセスの現像工程にて除去可能なレジスト保護膜の提供も目的とする。さらには高い撥水性を有することにより、液浸露光工程においてレジスト膜を液浸媒体から高度に保護するレジスト保護膜を提供することも目的とする。
本発明は前述の課題を解決すべくなされた以下の発明である。C−F結合およびC−Si結合を有する含ケイ素重合体(A)を含むレジスト保護膜。ここで前記含ケイ素重合体(A)がC−F結合を有する単量体およびC−Si結合を有する単量体を共重合して得られる重合体であることが好ましい。特にまた前記C−Si結合を有する単量体が、下記式(1)または(2)で表される単量体であることが好ましい。
CH2=CR4−C(O)O−X−Si(R1R2R3) (1)
CH2=CR4−C(O)O−X−Si(R1R2R3) (1)
ただし、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合または炭素数1〜8の2価の有機基を表し、R5a〜R5gはそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表し、X’は単結合または炭素数1〜8の2価の有機基を表す。
また前記C−F結合を有する単量体が、下記式(3)、(4)または(5)で表される単量体であることが好ましい。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−(CH2)mCR7=CHR8 (3)
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))(CH2)nCR9=CHR10 (4)
CH2=CR11C(O)O−Y−C(CF3)2OH (5)
ただし、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に0、1または2を表す。またYは、単結合または炭素数1〜18の2価の有機基を表し、R11は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−(CH2)mCR7=CHR8 (3)
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))(CH2)nCR9=CHR10 (4)
CH2=CR11C(O)O−Y−C(CF3)2OH (5)
ただし、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に0、1または2を表す。またYは、単結合または炭素数1〜18の2価の有機基を表し、R11は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。
本発明のレジスト保護膜は、幅広い波長領域において高い透明性と不感性とが得られ、かつ、PED効果抑制に優れることを特徴とする。特に透明性については、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、およびF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対して高い透明性が得られる。これらの効果により、本発明にかかるレジスト保護膜は、精細なパターンの製造に好適である。
また本発明のレジスト保護膜は、水に不溶であり、水の浸透性も低く、かつ、高い撥水性を有するため、液浸露光工程において液浸媒体からレジスト膜を効果的に保護できる。また本発明のレジスト保護膜は、高い化学的安定性や耐熱性を備えている。
さらに本発明のレジスト保護膜は溶媒としていわゆるペルフルオロ溶媒(後述するC−H結合含量が100モル%である溶媒)を選択する必要がない。すなわちペルフルオロ溶媒以外の溶媒にも可溶である。さらに特定の構造を導入することにより、アルカリ現像液に可溶となる。これにより現行のレジストの現像工程において、含フッ素溶媒等の剥離液を用いる必要がなく工程が簡素化できる。
本発明のレジスト保護膜は、C−F結合およびC−Si結合を有する含ケイ素重合体(A)を含むことを特徴とする。ここでC−F結合とはフッ素原子が炭素原子に直接結合したものを意味し、C−Si結合とはケイ素原子が炭素原子に直接結合したものを意味する。またレジスト保護膜とは、レジスト膜の上に形成される樹脂製の膜である。
本発明において、含ケイ素重合体(A)を得る方法としては、以下の<1>〜<5>が例示できるがこれに限定されない。<1>C−F結合およびC−Si結合を有する単量体(a1)を単独重合または共重合する方法。<2>C−Si結合を有する単量体(a2)およびC−F結合を有する単量体(a3)を共重合する方法。<3>C−F結合を有する重合体(e3)の特定の官能基をC−Si結合を有する化合物(b2)で修飾する方法。<4>C−Si結合を有する重合体(e2)の特定の官能基をC−F結合を有する化合物(b3)で修飾する方法。<5>ある重合体(e4)の特定の官能基をC−F結合およびC−Si結合を有する化合物(b1)で修飾する方法。これらのうち<2>の方法が単量体の選択の自由度、すなわち官能基の割合等を含む分子構造の設計の自由度が高いため特に好ましい。以下にそれぞれの方法について説明する。
[<1>単量体(a1:C−FとC−Si)の重合]
前記<1>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−F結合およびC−Si結合を有する単量体(a1)を単独重合または共重合する。C−F結合およびC−Si結合を有する単量体(a1)としては、重合性不飽和結合、フッ素原子およびケイ素原子を有することが好ましい。
前記<1>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−F結合およびC−Si結合を有する単量体(a1)を単独重合または共重合する。C−F結合およびC−Si結合を有する単量体(a1)としては、重合性不飽和結合、フッ素原子およびケイ素原子を有することが好ましい。
重合性不飽和結合を含む原子団[CC]としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基が例示できる。またフッ素原子を含む原子団[CF]としては、フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアルコキシ基、オキシフルオロアルキレン基等が例示できる。これらのフッ素原子を含む原子団としては炭素数が1〜8のものが好ましい。
またケイ素原子を含む原子団[CSi]としては、シリル基、シリレン基が例示できる。ここでケイ素原子に結合する原子団としては、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよいアルキル基が好ましい。ただしこのアルキル基としては、環状構造を有するアルキル基であってもよい。ここで環状構造を有するアルキル基(炭化水素基)とは、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等の複環式飽和炭化水素基;1−デカヒドロナフチル基、2−デカヒドロナフチル基等の多環式飽和炭化水素基;1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等の架橋環式飽和炭化水素基、スピロ[3.4]オクチル基等のスピロ炭化水素基等を意味する。なおこれらの環にケイ素原子が含まれていてもよい。
上記ケイ素原子を含む原子団として、より具体的にはトリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、トリス(トリアルキルシロキシ)シリル基、トリス(トリアルコキシシロキシ)シリル基等が例示できる。これらのケイ素原子を含む原子団としては炭素数が1〜20のものが好ましい。
またさらにフッ素原子およびケイ素原子を含む原子団としては、フルオロアルキル基を有するシリル基が例示できる。このようなシリル基としては、
−Si(CH3)2(CH2)2CF3
−Si(CH3)2(CH2)2(CF2)5CF3
−Si(CH3)2(CH2)2(CF2)7CF3
が例示できる。
−Si(CH3)2(CH2)2CF3
−Si(CH3)2(CH2)2(CF2)5CF3
−Si(CH3)2(CH2)2(CF2)7CF3
が例示できる。
上記単量体(a1)は、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また上記単量体(a1)のみを単独重合しても、上記単量体(a1)とさらに他の単量体とを共重合してもよい。
[<2>単量体(a2:C−Si)と単量体(a3:C−F)の共重合]
前記<2>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−Si結合を有する単量体(a2)およびC−F結合を有する単量体(a3)を共重合する。
前記<2>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−Si結合を有する単量体(a2)およびC−F結合を有する単量体(a3)を共重合する。
前記C−Si結合を有する単量体(a2)としては、重合性不飽和結合およびケイ素原子を有することが好ましい。重合性不飽和結合を含む原子団としては、前述した重合性不飽和結合を含む原子団[CC]の項で例示したものが例示できる。
またケイ素原子を含む原子団としては、前述したケイ素原子を含む原子団[CSi]の項で例示したものが例示できる。さらに単量体が入手しやすいことから単量体(a2)におけるケイ素原子を含む原子団としては、−Si(R1R2R3)または下記式(2’)で表される原子団(シルセスキオキシル基)が特に好ましい。
ここでR1、R2、R3はそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等が好適に例示できる。
またR5a〜R5gはそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表す。具体的には、R5a〜R5gのいずれもがシクロペンチル基である場合(ヘプタシクロペンチル−シルセスキオキシル基)、イソブチル基である場合(ヘプタイソブチル−シルセスキオキシル基)等が好適に例示できる。
このような単量体(a2)としては、ビニルシラン類、スチリルシラン類、アクリロイルオキシシラン類、メタクリロイルオキシシラン類が例示できる。このうちアクリロイルオキシシラン類、メタクリロイルオキシシラン類が反応性が良好である点からより好ましい。このうち単量体(a2)としては、下記式(1)または(2)で表される単量体が好ましい。
CH2=CR4−C(O)O−X−Si(R1R2R3) (1)
CH2=CR4−C(O)O−X−Si(R1R2R3) (1)
ただし、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜9のトリアルキルシロキシ基、炭素数1〜9のトリアルコキシシロキシ基がより好ましい。またR4は水素原子またはメチル基を表す。またXは単結合または炭素数1〜8の2価の有機基を表す。ここで2価の有機基としては、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
またR5a〜R5gはそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基がより好ましい。またR6は水素原子またはメチル基を表す。またX’はXと同じく単結合または炭素数1〜8の2価の有機基を表す。
上記式(1)で表される単量体(a2)として入手が容易である化合物は具体的には、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランが例示できる。
また上記式(2)で表される単量体(a2)として入手が容易である化合物は具体的には下記に構造を示す、3−メタクリロイルオキシプロピル−ヘプタシクロペンチル−シルセスキオキサン、3−メタクリロイルオキシプロピル−ヘプタイソブチル−シルセスキオキサンが例示できる。
前記C−F結合を有する単量体(a3)としては、重合性不飽和結合およびフッ素原子を有することが好ましい。重合性不飽和結合を含む原子団としては、前述した重合性不飽和結合を含む原子団[CC]の項で例示したものが例示できる。
またフッ素原子を含む原子団としては、前述したフッ素原子を含む原子団[CF]の項で例示したものが例示できる。さらに得られる含ケイ素重合体(A)のアルカリ現像液への溶解性が向上することから、単量体(a3)は、フッ素原子を含む原子団として−C(CF3)(OH)−を有することが特に好ましい。
さらに単量体(a3)が、下記式(3)、(4)または(5)で表される単量体であることが特に好ましい。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−(CH2)mCR7=CHR8 (3)
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))(CH2)nCR9=CHR10 (4)
CH2=CR11C(O)O−Y−C(CF3)2OH (5)
ただし、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表し、水素原子、(フッ素原子、)メチル基またはトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。またm、nはそれぞれ独立に0、1または2を表し、0または1が特に好ましい。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−(CH2)mCR7=CHR8 (3)
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))(CH2)nCR9=CHR10 (4)
CH2=CR11C(O)O−Y−C(CF3)2OH (5)
ただし、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表し、水素原子、(フッ素原子、)メチル基またはトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。またm、nはそれぞれ独立に0、1または2を表し、0または1が特に好ましい。
またYは、単結合または炭素数1〜18の2価の有機基を表す。ここで2価の有機基としては、飽和であっても不飽和でもよく、側鎖を有していても有していなくてもよく、鎖式であっても環式であってもよい。このYとしての2価の有機基としては、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基またはシクロアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
R11は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
このような単量体(a3)としては具体的には、
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−CH2−CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))−CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))−CH2−CH=CH2、
CH2=C(CH3)C(O)O−(CH2)3−C(CF3)2OH、
CH2=CH−C(O)O−Ad−CH2−C(CF3)2OH、
CH2=C(CH3)−C(O)O−Ad−CH2−C(CF3)2OH、
等が例示できる。ただし[−Ad−]はアダマンチレン基を表す。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−CH2−CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))−CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))−CH2−CH=CH2、
CH2=C(CH3)C(O)O−(CH2)3−C(CF3)2OH、
CH2=CH−C(O)O−Ad−CH2−C(CF3)2OH、
CH2=C(CH3)−C(O)O−Ad−CH2−C(CF3)2OH、
等が例示できる。ただし[−Ad−]はアダマンチレン基を表す。
上記特定の単量体(a2)または単量体(a3)としては、それぞれ1種のみを用いてもそれぞれの2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち1種の単量体(a2)と1種の単量体(a3)との共重合、1種の単量体(a2)と2種の単量体(a3)との共重合、2種の単量体(a2)と1種の単量体(a3)との共重合、2種の単量体(a2)と2種の単量体(a3)との共重合等のいずれであってもよい。またさらに他の単量体を併用してもよい。
さらに単量体(a3)として、前記式(3)、(4)または(5)で表される単量体を用いる場合に、他のC−F結合を有する単量体(a3)を併用してもよい。この併用してもよい単量体(含フッ素単量体)としてはジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン類;ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素環状単量体類;ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの環化重合しうるペルフルオロジエン類(ただし水酸基を有していない);環化重合しうるハイドロフルオロジエン類(ただし水酸基を有していない)等が例示できる。
[<1>または<2>の方法における重合方法]
前記<1>または<2>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために単量体(a1)を重合するか、または単量体(a2)および単量体(a3)を共重合する。ここで含ケイ素重合体(A)を得るために前記<1>の方法と前記<2>の方法とを組み合わせてもよい。すなわち単量体(a1)、(a2)および(a3)の3種類の単量体を共重合してもよい。
前記<1>または<2>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために単量体(a1)を重合するか、または単量体(a2)および単量体(a3)を共重合する。ここで含ケイ素重合体(A)を得るために前記<1>の方法と前記<2>の方法とを組み合わせてもよい。すなわち単量体(a1)、(a2)および(a3)の3種類の単量体を共重合してもよい。
また前記<1>または<2>の方法においては、含ケイ素重合体(A)がレジスト保護膜としての特性を著しく損なわない範囲で、単量体(a1)、(a2)または(a3)以外のその他の単量体(ax)を併用して共重合を行ってもよい。含ケイ素重合体(A)を製造する際に用いてもよいその他の単量体(ax)の割合は、製造に用いる全ての単量体のうち、0〜50モル%が好ましく、0〜15モル%がより好ましく、0〜5モル%が特に好ましい。ただし0モル%とはその他の単量体(ax)を用いないことを意味する。
例示しうる前記その他の単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類;アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のアクリルエステル類(ただしフッ素原子を有していない);酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アダマンチル酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;シクロヘキセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン類;無水マレイン酸等の不飽和酸無水物類;塩化ビニル等の含塩素オレフィン類;ビニルスルホン酸類;ビニルスルホン酸エステル類;ビニルスルホニルフルオリド類等が挙げられる。なかでも、アクリルエステル類、ビニルエステル類、環状オレフィン類が好ましい。
前記重合に用いる重合開始源(重合開始剤)としては、重合反応をラジカル的に進行させるものであれば限定されない。例えばラジカル発生剤、光、電離放射線などが挙げられる。特にラジカル発生剤が好ましく、ラジカル発生剤としては過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などが例示される。中でもアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、または以下に示す過酸化物が好ましい。
C6H5−C(O)O−OC(O)−C6H5、
C6F5−C(O)O−OC(O)−C6F5、
C3F7−C(O)O−OC(O)−C3F7、
(CH3)3C−C(O)O−OC(O)−C(CH3)3、
(CH3)2CH−C(O)O−OC(O)−CH(CH3)2、
(CH3)3C−C6H10−C(O)O−OC(O)−C6H10−C(CH3)3、
(CH3)3C−O−C(O)O−OC(O)−O−C(CH3)3、
(CH3)3C−O−OC(O)−C(CH3)3、
(CH3)2CH−O−C(O)O−OC(O)−O−CH(CH3)2、
(CH3)3C−C6H10−O−C(O)O−OC(O)−O−C6H10−C(CH3)3。
C6F5−C(O)O−OC(O)−C6F5、
C3F7−C(O)O−OC(O)−C3F7、
(CH3)3C−C(O)O−OC(O)−C(CH3)3、
(CH3)2CH−C(O)O−OC(O)−CH(CH3)2、
(CH3)3C−C6H10−C(O)O−OC(O)−C6H10−C(CH3)3、
(CH3)3C−O−C(O)O−OC(O)−O−C(CH3)3、
(CH3)3C−O−OC(O)−C(CH3)3、
(CH3)2CH−O−C(O)O−OC(O)−O−CH(CH3)2、
(CH3)3C−C6H10−O−C(O)O−OC(O)−O−C6H10−C(CH3)3。
ラジカル発生剤としては、tert−ブチルペルオキシピバレート(PBPV)[(CH3)3C−O−OC(O)−C(CH3)3]、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(IPP)[(CH3)2CH−C(O)O−OC(O)−CH(CH3)2]、または、ビス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシド(PFB)[C3F7−C(O)O−OC(O)−C3F7]が、好ましいレジスト保護膜が得やすいため特に好ましい。
含ケイ素重合体(A)を得るための重合方法もまた特に限定されるものではない。単量体を溶媒等を用いずにそのまま重合するバルク重合法;前記各単量体を溶媒中に溶解し重合する溶液重合法;前記各単量体を分散媒中に分散させて重合する懸濁重合法;水性媒体に乳化剤を添加して前記各単量体をこの分散系中に分散させて重合する乳化重合法等が例示できる。
重合を行う温度や圧力も特に限定されるものではない。モノマーの沸点、加熱源、重合熱の除去などの諸因子を考慮して適宜設定することが望ましい。例えば、0〜200℃の間で好適な温度の設定を行うことができ、室温〜100℃程度ならば実用的にも好適な温度設定を行うことができる。また重合圧力としては減圧下でも加圧下でもよく、実用的には常圧〜10MPa、さらには常圧〜1MPaで好適な重合を実施できる。
[<3>含フッ素重合体(e3)の化合物(b2:C−Si)による修飾]
前記<3>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−F結合を有する重合体(e3)の特定の官能基をC−Si結合を有する化合物(b2)で修飾する。ここで修飾方法としては、カップリング反応、エステル結合(−COO−)形成反応、ウレタン結合(−NHCOO−)形成反応、ウレア結合(−NHCONH−)形成反応、シロキシ結合(−SiO−)形成反応等の化学修飾が好ましい。すなわちC−F結合を有する重合体(e3)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b2)として、イソシアネートシラン類、シラノール類、ハロゲン化シラン類等を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
前記<3>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−F結合を有する重合体(e3)の特定の官能基をC−Si結合を有する化合物(b2)で修飾する。ここで修飾方法としては、カップリング反応、エステル結合(−COO−)形成反応、ウレタン結合(−NHCOO−)形成反応、ウレア結合(−NHCONH−)形成反応、シロキシ結合(−SiO−)形成反応等の化学修飾が好ましい。すなわちC−F結合を有する重合体(e3)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b2)として、イソシアネートシラン類、シラノール類、ハロゲン化シラン類等を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
これらの各種結合形成反応のうち、得られる含ケイ素重合体(A)の安定性、反応性および化合物(b2)の入手容易性からシロキシ結合形成反応が好ましい。シロキシ結合形成反応の具体的な方法としては、C−F結合を有する重合体(e3)の水酸基とハロゲン化シラン類とを反応させる方法が例示できる。さらにC−F結合を有する重合体(e3)の水酸基と有機塩化シラン化合物とを反応させる方法が好ましい。ここでC−F結合および水酸基を有する重合体としては、前記式(3)、(4)または(5)で表される単量体を重合して得られる重合体が好ましい。またハロゲン化シラン類としては、クロロトリアルキルシラン類が好ましい。より具体的には、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロトリイソブチルシラン、クロロ−tert−ブチルジメチルシラン、クロロトリイソプロピルシラン、クロロジメチルテキシルシラン等が例示できる。
[<4>含ケイ素重合体(e2)の化合物(b3:C−F)による修飾]
前記<4>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−Si結合を有する重合体(e2)の特定の官能基をC−F結合を有する化合物(b3)で修飾する。ここで修飾方法としては、<3>の修飾方法で例示した化学修飾が好ましい。すなわちC−Si結合を有する重合体(e2)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b3)として、含フッ素カルボン酸類、含フッ素アルコール類、含フッ素イソシアネート類等を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
前記<4>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、C−Si結合を有する重合体(e2)の特定の官能基をC−F結合を有する化合物(b3)で修飾する。ここで修飾方法としては、<3>の修飾方法で例示した化学修飾が好ましい。すなわちC−Si結合を有する重合体(e2)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b3)として、含フッ素カルボン酸類、含フッ素アルコール類、含フッ素イソシアネート類等を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
これらの各種結合形成反応のうち、得られる含ケイ素重合体(A)の安定性、反応性および化合物(b3)の入手容易性からエステル結合形成反応が好ましい。エステル結合形成反応の具体的な方法としては、シラノールを有するシリコーン化合物(水酸基を有するジメチルシリコーン重合体が例示できる。)と含フッ素カルボン酸(トリフルオロ酢酸等)との反応が挙げられる。
[<5>重合体(e4)の化合物(b1:C−FとC−Si)による修飾]
前記<5>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、ある重合体(e4)の特定の官能基をC−F結合およびC−Si結合を有する化合物(b1)で修飾する。ここで修飾方法としては、<3>の修飾方法で例示した化学修飾が好ましい。すなわちある重合体(e4)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b1)として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基とフルオロアルキル基を有するシラン化合物を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
前記<5>の方法においては、含ケイ素重合体(A)を得るために、ある重合体(e4)の特定の官能基をC−F結合およびC−Si結合を有する化合物(b1)で修飾する。ここで修飾方法としては、<3>の修飾方法で例示した化学修飾が好ましい。すなわちある重合体(e4)の特定の官能基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等を選択し、化合物(b1)として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基とフルオロアルキル基を有するシラン化合物を選択し、反応させることでこれらの修飾が行える。
本発明にかかる含ケイ素重合体(A)は、上記<5>の方法の応用として、ある重合体(e4)の特定の官能基を、C−F結合を有する化合物(b3)およびC−Si結合を有する化合物(b2)の双方を用いて修飾してもよい。また<2>の方法で重合体を得た後に、さらに化合物(b1)、(b2)、(b3)で追加的に修飾を行ってもよい。
[含ケイ素重合体(A)]
本発明において、含ケイ素重合体(A)は透明性の観点から非結晶性であることが好ましい。また主鎖に脂肪族環構造を有することがやはり透明性の観点から好ましい。
本発明において、含ケイ素重合体(A)は透明性の観点から非結晶性であることが好ましい。また主鎖に脂肪族環構造を有することがやはり透明性の観点から好ましい。
また本発明において、含ケイ素重合体(A)のC−H結合含量は1〜80モル%が好ましく、5〜75モル%がより好ましく、10〜50モル%が特に好ましい。ただしC−H結合含量とは、C−H結合の量(C−H結合の本数)を、C−H結合、C−CL結合およびC−F結合の合計量で割った値である。例えばトリフルオロエタンであれば、C−H結合含量は50モル%である。C−H結合含量が上記割合であれば、レジスト保護膜とレジスト層との相溶も少なく、C−H結合を有するフッ素系溶媒への溶解性も良好となるため好ましい。
また本発明において、含ケイ素重合体(A)が有していることが好ましい原子団(部分構造)として、トリフルオロメチル基が結合した炭素原子に結合した水酸基が挙げられる。すなわち同一の炭素原子にトリフルオロメチル基および水酸基が結合している部分構造である。この原子団を有していることにより、当該水酸基の酸性度が高くなり、塩基性水溶液(後述する現像液等)に可溶になる。これによりレジスト保護膜の除去に現像液以外の溶媒を使用する必要がなくなり工程全体が簡素化できる。このような原子団としては、−C(CF3)2OH、−C(CF3)(OH)−等が例示できる。
また反対に含ケイ素重合体(A)が有していないことが好ましい原子団として、芳香環、遊離のカルボキシル基が挙げられる。芳香環を有していると短波長領域(例えば193nm以下)の波長の透過率が低下し、レジストの現像に影響を与える可能性が高くなりやすい。また遊離のカルボキシル基を有していると、撥水性が低下するため、保護膜の機能自体が低下する可能性が高くなりやすい。
[レジスト保護膜用組成物]
本発明のレジスト保護膜は上述の含ケイ素重合体(A)を含む。本発明のレジスト保護膜は含ケイ素重合体(A)以外の重合体を含んでもよいが、含まないことが好ましい。また本発明のレジスト保護膜は、含ケイ素重合体(A)の溶液をもとに形成されることが好ましい。すなわちレジスト保護膜は、本発明で提供される含ケイ素重合体(A)と、含ケイ素重合体(A)を溶解しうる溶媒(C)とを含むレジスト保護膜用組成物をもとに形成されることが好ましい。レジスト保護膜用組成物のうちの樹脂全体における含ケイ素重合体(A)の割合(レジスト保護膜のうちの含ケイ素重合体(A)の割合)は50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%が好ましい。
本発明のレジスト保護膜は上述の含ケイ素重合体(A)を含む。本発明のレジスト保護膜は含ケイ素重合体(A)以外の重合体を含んでもよいが、含まないことが好ましい。また本発明のレジスト保護膜は、含ケイ素重合体(A)の溶液をもとに形成されることが好ましい。すなわちレジスト保護膜は、本発明で提供される含ケイ素重合体(A)と、含ケイ素重合体(A)を溶解しうる溶媒(C)とを含むレジスト保護膜用組成物をもとに形成されることが好ましい。レジスト保護膜用組成物のうちの樹脂全体における含ケイ素重合体(A)の割合(レジスト保護膜のうちの含ケイ素重合体(A)の割合)は50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%が好ましい。
前記溶媒(C)としては含ケイ素重合体(A)を溶解しうるものであれば特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ペンタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等のグリコールエステル類;ペルフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ペルフルオロエーテル類、フルオロアルコール類、フルオロケトン類、ハイドロフルオロエーテル類、フルオロベンゼン類、フルオロアルキルベンゼン類等の含フッ素化合物類等が例示できる。また上記の化合物以外の化合物(例えば水等)を含んでもよい混合物であってもよい。本発明においては、溶媒(C)として、上記のうちアルコール類、ケトン類、グリコールエステル類、含フッ素化合物類(特にフルオロエーテル類、フルオロアルコール類、フルオロケトン類)が好ましい。作業性が良好であり、安価であり、比較的粘度が低いことからアルコール類が好ましく、炭素数4〜6のアルコール類が特に好ましい。
溶媒(C)の室温における含ケイ素重合体(A)の溶解度(溶液中に溶解しうる重合体濃度)は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。また溶媒(C)としては、レジスト膜を溶解しないことが好ましい。
溶媒(C)の25℃における比重は、スピンコート等における取り扱いの容易性から、1.8g/cm3以下が好ましく、1.6g/cm3以下がより好ましい。通常比重の下限は0.6g/cm3以上である。また溶媒(C)の沸点は、スピンコート等における取り扱いの容易性から、80〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。
本発明のレジスト保護膜用組成物において、含ケイ素重合体(A)の割合は、組成物全体を100質量%としたとき、0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
また本発明のレジスト保護膜用組成物は、各成分を均一に混合した後、公称目開きが0.1〜2μmのフィルターでろ過した後に用いることが好ましい。
また本発明のレジスト保護膜を用いたフォトレジストパターン形成方法としては、基材の表面にレジスト層を形成する工程、該レジスト層の上に前記レジスト保護膜用組成物を用いてレジスト保護膜を形成する工程、露光工程、および、アルカリ現像する工程の各工程を有する方法が例示できる。
前記基材としてはシリコーンウエハが例示できる。ウエハの大きさは直径200〜300mmが主である。レジスト層の形成は公知の方法が採用される。代表的にはスピンコート法が例示できる。形成されたレジスト層の上に、前記レジスト保護膜用組成物を用いてレジスト保護膜を形成する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法が例示できるが、得られる膜の均質性の点からスピンコート法が好適である。本発明のレジスト保護膜は、前記レジスト保護膜用組成物をコートし、乾燥(溶媒除去)して得られる。形成されるレジスト保護膜の厚さは、20〜200nmが好ましく、30〜150nmがより好ましい。
また本発明のレジスト保護膜は、前記フォトレジストパターン形成方法において液浸リソグラフィ法を採用する場合に好適である。また液浸リソグラフィ法の露光工程において、液浸媒体としては水が好ましい。本発明にかかる含ケイ素重合体(A)をレジスト保護膜に採用することにより、水に不溶で、水の浸透性が小さく、良好なパターンが安定して得られる。露光に用いられる光としては、波長436nmのg線、波長365nmのi線等の紫外線;波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の遠紫外線;波長157nmのF2エキシマレーザー等真空紫外線が挙げられる。本発明のレジスト保護膜は、波長250nm以下の紫外線、特に波長200nm以下の紫外線を用いるプロセスに好適である。
本発明においてレジスト保護膜の除去工程として特別な工程は不溶であり、アルカリ現像工程の際に、含ケイ素重合体(A)は現像液に溶解する。
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。下記例に用いられた略称は以下のとおりである。R225:ジクロロペンタフルオロプロパン、THF:テトラヒドロフラン、PFBTHF:ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、PFnO:ペルフルオロ−n−オクタン、IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、PEGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、Pst:ポリスチレン、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン、TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド。
(実施例1)
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2(以下、単量体a3aと記す)の2.0g、CH2=C(CH3)C(O)O(CH2)3Si(OCH3)3(以下、単量体a2aと記す。)の0.28g、酢酸エチルの11.3gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.54gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A1と記す。)の1.7gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3,100、重量平均分子量(Mw)6,900であり、Mw/Mn=2.21であった。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2(以下、単量体a3aと記す)の2.0g、CH2=C(CH3)C(O)O(CH2)3Si(OCH3)3(以下、単量体a2aと記す。)の0.28g、酢酸エチルの11.3gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.54gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A1と記す。)の1.7gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3,100、重量平均分子量(Mw)6,900であり、Mw/Mn=2.21であった。
示差走査熱分析(DSC)を用いて測定したガラス転移点(Tg)は115.6℃であり、室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3aに由来する繰り返し単位/単量体a2aに由来する繰り返し単位=83.7/16.3モル%であった。得られた重合体A1はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノールには可溶であり、R225、PFBTHF、PFnOには不溶であった。
(実施例2)
CF2=CFCH2C(C(CF3)2(OH))CH2CH=CH2(以下、単量体a3bと記す。)の2.0g、単量体a2aの0.67g、および酢酸エチルの10.7gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.535gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させ、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A2と記す。)の2.23gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子(Mn)3,600、重量平均分子量(Mw)5,800であり、Mw/Mn=1.61であった。
CF2=CFCH2C(C(CF3)2(OH))CH2CH=CH2(以下、単量体a3bと記す。)の2.0g、単量体a2aの0.67g、および酢酸エチルの10.7gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.535gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させ、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A2と記す。)の2.23gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子(Mn)3,600、重量平均分子量(Mw)5,800であり、Mw/Mn=1.61であった。
DSCを用いて測定したTgは70.5℃であり、室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3bに由来する繰り返し単位/単量体a2aに由来する繰り返し単位=67.8/32.2モル%であった。得られた重合体A2はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225には可溶であり、PFBTHF、PFnOには不溶であった。
(実施例3)
単量体a3aの3.0g、CH2=C(CH3)C(O)O(CH2)3Si(OSi(CH3))3(以下、単量体a2bと記す。)の0.46g、および酢酸エチルの11.92gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.615gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させ、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A3と記す。)の2.22gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子(Mn)8,300、重量平均分子量(Mw)16,800であり、Mw/Mn=2.03であった。
単量体a3aの3.0g、CH2=C(CH3)C(O)O(CH2)3Si(OSi(CH3))3(以下、単量体a2bと記す。)の0.46g、および酢酸エチルの11.92gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.615gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させ、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A3と記す。)の2.22gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子(Mn)8,300、重量平均分子量(Mw)16,800であり、Mw/Mn=2.03であった。
室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3aに由来する繰り返し単位/単量体a2bに由来する繰り返し単位=96.5/3.5モル%であった。得られた重合体A3はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、には可溶であり、R225、PFBTHF、PFnOには不溶であった。
(実施例4)
単量体a3bの1.5g、単量体a2bの0.11g、および酢酸エチルの6.4gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.321gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、60℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A4と記す。)の1.05gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6,000、重量平均分子量(Mw)10,800であり、Mw/Mn=1.80であった。
単量体a3bの1.5g、単量体a2bの0.11g、および酢酸エチルの6.4gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.321gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、60℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A4と記す。)の1.05gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6,000、重量平均分子量(Mw)10,800であり、Mw/Mn=1.80であった。
室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3bに由来する繰り返し単位/単量体a2bに由来する繰り返し単位=98.4/1.6モル%であった。得られた重合体A4はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225には可溶であり、PFBTHF、PFnOには不溶であった。
(実施例5)
単量体a3bの1.5g、単量体a2bの0.22g、および酢酸エチルの6.9gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.345gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をメタノール/水(容積比1:1)混合溶液中に滴下して、重合体を再沈させた後、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A5と記す。)の1.25gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)4,200、重量平均分子量(Mw)7,500であり、Mw/Mn=1.78であった。
単量体a3bの1.5g、単量体a2bの0.22g、および酢酸エチルの6.9gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの0.345gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をメタノール/水(容積比1:1)混合溶液中に滴下して、重合体を再沈させた後、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A5と記す。)の1.25gを得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)4,200、重量平均分子量(Mw)7,500であり、Mw/Mn=1.78であった。
室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3bに由来する繰り返し単位/単量体a2bに由来する繰り返し単位=88.1/11.9モル%であった。得られた重合体A5はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225には可溶であり、PFBTHF、PFnOには不溶であった。
(実施例6)
単量体a3aの19.4g、酢酸エチルの11.7g、および2−プロパノールの11.35gを内容積100mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの4.5gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、110℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体E3aと記す)の12.8gを得た。
単量体a3aの19.4g、酢酸エチルの11.7g、および2−プロパノールの11.35gを内容積100mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPの4.5gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、重合体を再沈させた後、110℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体E3aと記す)の12.8gを得た。
100mLのガラス製反応器に水素化ナトリウムの0.09gとTHFの50gを入れ0℃に冷却し撹拌した。そこに、上記で合成した重合体E3aの2.5gをTHFの5gに溶解したものをゆっくり滴下した。30分撹拌後、クロロトリメチルシランの0.264gを添加し、室温で12時間撹拌した。反応液に水を添加して反応を停止し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出、二層分離して有機層を濃縮した。濃縮液をアセトンの10gに溶解し、メタノール/水(容積比1:1)混合液中に滴下して、重合体を再沈させた後、95℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A6と記す)の2.16gを得た。
THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3,500、重量平均分子量(Mw)5,700であり、Mw/Mn=1.63であった。室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定によりこの重合体のトリメチルシリル化率(重合体E3aの水酸基に対して、シリル基が導入された割合)は9.5モル%であった。
(実施例7)
100mLのガラス製反応器に水素化ナトリウムの0.287gとTHFの50gを入れ0℃に冷却し撹拌した。そこに、実施例6で合成した重合体E3aの2.5gをTHFの5gに溶解したものをゆっくり滴下した。30分撹拌後、クロロトリメチルシランの0.845gを添加し、室温で12時間撹拌した。反応液に水を添加して反応を停止し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出、二層分離して有機層を濃縮した。濃縮液をアセトンの10gに溶解し、水中に滴下して、重合体を再沈させた後、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A7と記す)の2.59gを得た。
100mLのガラス製反応器に水素化ナトリウムの0.287gとTHFの50gを入れ0℃に冷却し撹拌した。そこに、実施例6で合成した重合体E3aの2.5gをTHFの5gに溶解したものをゆっくり滴下した。30分撹拌後、クロロトリメチルシランの0.845gを添加し、室温で12時間撹拌した。反応液に水を添加して反応を停止し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出、二層分離して有機層を濃縮した。濃縮液をアセトンの10gに溶解し、水中に滴下して、重合体を再沈させた後、80℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A7と記す)の2.59gを得た。
THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3,400、重量平均分子量(Mw)5,300であり、Mw/Mn=1.54であった。室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定によりこの重合体のトリメチルシリル化率は48.2モル%であった。
(実施例8)
単量体a3bの5.0g、3−メタクリロイルオキシプロピル−ヘプタイソブチル−シルセスキオキサン(以下、単量体a2cと記す。)の0.3g、およびR225の23.2gと2−プロパノールの0.5gとを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPのR225溶液(濃度は50質量%)の0.884gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A8と記す。)の3.98gを得た。
単量体a3bの5.0g、3−メタクリロイルオキシプロピル−ヘプタイソブチル−シルセスキオキサン(以下、単量体a2cと記す。)の0.3g、およびR225の23.2gと2−プロパノールの0.5gとを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に入れた。次に、重合開始剤としてIPPのR225溶液(濃度は50質量%)の0.884gを添加した。反応器内を減圧脱気した後、恒温振とう槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して重合体を再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性重合体(以下、重合体A8と記す。)の3.98gを得た。
THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子(Mn)8,800、重量平均分子量(Mw)16,100であり、Mw/Mn=1.83であった。室温で白色粉末状の重合体であった。19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算された重合体組成は、単量体a3bに由来する繰り返し単位/単量体a2cに由来する繰り返し単位=99.3/0.7モル%であった。得られた重合体A8はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225に可溶であった。
(実施例9〜13)
実施例1、3、4、6、7に記載の方法で合成した重合体(A1、A3、A4、A6、A7)をPEGMEAに溶解させ、公称目開きが0.2μmのPTFE製フィルターを用いてろ過し、各重合体を10質量%含有するPEGMEA溶液とした。
実施例1、3、4、6、7に記載の方法で合成した重合体(A1、A3、A4、A6、A7)をPEGMEAに溶解させ、公称目開きが0.2μmのPTFE製フィルターを用いてろ過し、各重合体を10質量%含有するPEGMEA溶液とした。
上記重合体溶液をシリコン基板及びフッ化カルシウム板上に回転塗布し、塗布後100℃で90秒間加熱処理して、薄膜を形成した。窒素置換した透過率測定装置(分光計器 KV−201AD型 極紫外分光測定装置)内に、上記の薄膜を形成したフッ化カルシウム板を入れ、157nmおよび193nmの透過率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例14〜21)
ヘキサメチルジシラザンで処理(BARC処理)したシリコン基板上に、実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を回転塗布し、塗布後100℃で90秒加熱処理して、膜厚0.15μmの重合体薄膜を形成した。次いで、このシリコン基板上の重合体薄膜を30秒間水に浸漬させた。その後110℃にて90秒間乾燥し、水浸漬前後の膜厚変化を測定した。結果を表2に示す。
ヘキサメチルジシラザンで処理(BARC処理)したシリコン基板上に、実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を回転塗布し、塗布後100℃で90秒加熱処理して、膜厚0.15μmの重合体薄膜を形成した。次いで、このシリコン基板上の重合体薄膜を30秒間水に浸漬させた。その後110℃にて90秒間乾燥し、水浸漬前後の膜厚変化を測定した。結果を表2に示す。
(実施例22〜29)
シリコン基板上に、実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を回転塗布し、塗布後100℃で90秒加熱処理して、膜厚0.3μmの重合体薄膜を形成し、水に対する静的接触角および転落角を測定した。結果を表3に示す。
シリコン基板上に、実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を回転塗布し、塗布後100℃で90秒加熱処理して、膜厚0.3μmの重合体薄膜を形成し、水に対する静的接触角および転落角を測定した。結果を表3に示す。
(実施例30〜33)
実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を水晶振動子上に回転塗布し、さらに100℃で90秒間加熱処理することによって、膜厚0.2μmの重合体薄膜を形成した。次いで同水晶振動子をTMAH2.38%水溶液(以下、TMAH溶液と記す)に浸漬し、水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を用いて、重合体のTMAH溶液への溶解速度(以下、現像速度と記す)を測定した。結果を表4に示す。
実施例8と同様に調整した重合体溶液組成物を水晶振動子上に回転塗布し、さらに100℃で90秒間加熱処理することによって、膜厚0.2μmの重合体薄膜を形成した。次いで同水晶振動子をTMAH2.38%水溶液(以下、TMAH溶液と記す)に浸漬し、水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を用いて、重合体のTMAH溶液への溶解速度(以下、現像速度と記す)を測定した。結果を表4に示す。
(実施例34、35)
実施例5で得られた重合体A5をn−ブタノールに溶解し、1.0%溶液とした(以下、保護膜組成物A5Pと記す)。有機反射防止膜(BARC:Rohm and Haas Electronic Materials社製 AR−26)で処理したシリコン基板上に、住友化学社製レジスト(PAR715)を回転塗布し、塗布後130℃で60秒加熱処理して、膜厚150nmのレジスト膜を形成した(以下、ウエハ1Xと記す。)。次いで、このシリコン基板上のレジスト膜にさらに保護膜組成物A5Pを回転塗布して、膜厚30nmのレジスト保護膜を形成した(以下、ウエハ1Yと記す。)。
実施例5で得られた重合体A5をn−ブタノールに溶解し、1.0%溶液とした(以下、保護膜組成物A5Pと記す)。有機反射防止膜(BARC:Rohm and Haas Electronic Materials社製 AR−26)で処理したシリコン基板上に、住友化学社製レジスト(PAR715)を回転塗布し、塗布後130℃で60秒加熱処理して、膜厚150nmのレジスト膜を形成した(以下、ウエハ1Xと記す。)。次いで、このシリコン基板上のレジスト膜にさらに保護膜組成物A5Pを回転塗布して、膜厚30nmのレジスト保護膜を形成した(以下、ウエハ1Yと記す。)。
上記ウエハ1Xおよび1Yを、波長193nmのレーザー光を用いた二光束干渉露光装置にて、Dryおよび液浸(液浸媒体:超純水)にて90nmL/Sの露光試験を行い、そのパターン形状をSEM画像にて比較した。結果を表5に示す。なお、露光後の処理条件は、以下の通りである。露光後加熱:130℃、60秒;現像:TMAH溶液(23℃)、60秒。
本発明のレジスト保護膜組成物は、KrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性に優れ、特に液浸リソグラフィ工程にてレジスト膜を液浸溶媒から保護する保護膜組成物として有用である。
Claims (6)
- C−F結合およびC−Si結合を有する含ケイ素重合体(A)を含むレジスト保護膜。
- 前記含ケイ素重合体(A)がC−F結合を有する単量体およびC−Si結合を有する単量体を共重合して得られる重合体である請求項1に記載のレジスト保護膜。
- 前記C−Si結合を有する単量体が、下記式(1)で表される単量体である請求項2に記載のレジスト保護膜。
CH2=CR4−C(O)O−X−Si(R1R2R3) (1)
ただし、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、エーテル性酸素原子および/またはSi原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合または炭素数1〜8の2価の有機基を表す。 - 前記C−F結合を有する単量体が、下記式(3)または下記式(4)で表される単量体である請求項2、3または4に記載のレジスト保護膜。
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)−(CH2)mCR7=CHR8 (3)
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OH))(CH2)nCR9=CHR10 (4)
ただし、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に0、1または2を表す。 - 前記C−F結合を有する単量体が、下記式(5)で表される単量体である請求項2、3または4に記載のレジスト保護膜。
CH2=CR11C(O)O−Y−C(CF3)2OH (5)
ただしYは、単結合または炭素数1〜18の2価の有機基を表し、R11は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。
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