JP2007171143A - 位置検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 移動体ごとに面倒な校正登録作業などの初期設定を要することなく、可動式の走査器を要することもなく、また移動体の受光部のダイナミックレンジを拡げる必要もなく、移動体の位置検出が可能な位置検出システムを提供する。
【解決手段】 互いに異なる方向に向く複数の発光ダイオード5が、光学ビーコン♯0〜♯26のそれぞれに設けられている。これにより、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度が、移動体3の位置にかかわらず、均一になる。
【選択図】 図2
【解決手段】 互いに異なる方向に向く複数の発光ダイオード5が、光学ビーコン♯0〜♯26のそれぞれに設けられている。これにより、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度が、移動体3の位置にかかわらず、均一になる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、移動体の移動空間たとえば屋内等における移動体の位置を検出する位置検出システムに関する。
従来、移動体の位置を知るための手段として、移動体に回転式のレーザレーダを設けるとともに、移動体の周りの空間に少なくとも3つの反射器を固定し、レーザレーダから発せられるレーザ光により移動体の周囲を走査するシステムが知られている。このシステムでは、レーザ光の走査に伴う各反射器からの反射光の有無、およびレーザ光の走査角度情報に基づいて、移動体から見た各反射器の方向を検知することができる。また、各反射器で反射した光が戻ってくるまでの時間を計ることにより、移動体と各反射器との間の距離を検知することができる。そして、検知した方向および距離に基づいて、移動体の位置を特定することができる(例えば、特許文献1)。
特開2003−302469号公報
上記のシステムでは、初期設定として、敷設後に移動体を定点に置いて校正登録作業を行う必要があることから、多数の移動体を用いるような場合には各移動体ごとに上記校正登録作業を行わねばならず、面倒であるため、このような用途には向いていなかった。また、それ以降も移動体の移動データを継続的に取得しながら各反射器の位置を監視し続け、場合によっては移動体の自律移動の制御データ(デッドレコニング)との比較をしなければならず、この点からも、多数の移動体が出入りしたり自由な移動を行うような用途には向いていなかった。また、回転式のレーザレーダのような可動式の走査器を設けねばならないために、移動体が大型化したり、故障の可能性およびコストが高くなるという問題がある。
これに対し、移動体の移動空間に複数の発光手段を設け、これら発光手段から発せられる光の方向を検出し、この検出結果に基づいて移動体の位置を検出するシステムが考えられている。このシステムによれば、上記のような可動式の走査器を設けることなく、移動体の位置を検出することが可能である。
ただし、このシステムでは、各発光手段から発せられる光の照射方向の拡がりのため、移動体が受ける光の強度は、同じ1つの発光手段から発せられた光であっても、受ける位置(発光手段からの距離)によって異なってしまうおそれがあり、移動体の受光を安定させて位置検出を行うことが望まれている。
この発明は、上記事情を考慮したもので、移動体ごとに面倒な校正登録作業などの初期設定を要することなく、可動式の走査器を要することもなく、また移動体が安定して受光でき、確実な移動体の位置検出が可能な位置検出システムを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の位置検出システムは、移動体の移動空間に分散して設けられ、それぞれの識別情報を含む発光パターンで発光する複数の発光手段と、上記移動体に設けられ、上記各発光手段により発せられる光の識別情報から少なくとも3つの発光手段を識別するとともに、識別した各発光手段からの光の方向を検出し、この検出結果に基づいて前記移動体の位置を検出する検出手段と、を備えている。そして、上記各発光手段が、互いに異なる方向に向けて設けられた複数の光源を有している。
この発明の位置検出システムによれば、移動体ごとに面倒な校正登録作業などの初期設定を要することなく、可動式の走査器を要することもない。これにより、多数の移動体を用いるようなものにも適用可能とすることができ、さらには、移動体が大型化したり、故障の可能性およびコストが高くなるといった不都合を生じることもない。しかも、移動体の位置にかかわらず、移動体が受ける光の強度をできるだけ均一にすることができ、これにより、移動体の位置検出を確実に行うことができる。
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、1は大型商店などの建物で、床、壁、天井で覆われ、内部に棚2を有している。この建物1の床面に移動体3が移動自在に存している。
図1に示すように、1は大型商店などの建物で、床、壁、天井で覆われ、内部に棚2を有している。この建物1の床面に移動体3が移動自在に存している。
建物1の内壁上部、棚2の上部、および天井に、少なくとも3つ以上の発光手段たとえば27個の光学ビーコン♯0〜♯26が分散して取付けられている。これら光学ビーコン♯0〜♯26は、光源として赤外線光を発する発光ダイオードを用いており、取付け位置(平面座標)については敷設時に移動体3に設けられた後述する検出ユニットの位置データメモリに記憶されている。
光学ビーコン♯0〜♯26から発せられる赤外線光は、壁面や棚2に取付けられている場合に平面図上で最大180度(角部に取付けのものは90度または270度)の範囲で側方ないし下方向に拡がり、天井に取付けられている場合に平面図上で最大360度の範囲で側方ないし下方向に拡がる。
壁面や棚2に取付けられる光学ビーコンの具体的な構成を図2に示している。壁面1aに光学ビーコンの本体4が取付けられ、その本体4の湾曲状の外周面に複数の光源として発光ダイオード5が取付けられている。これら各発光ダイオード5は、本体4の外周面が壁面1aの側方から下方にわたって設けられていることにより、互いに異なる方向に向いて取付けられており、その結果互いに異なる方向(側方ないし下方)に光を発する。とくに、本体4の外周面の一部を縦方向(図2において上下方向)に見た場合に、外周面の上部に多くの個数の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に上部よりも少ない個数の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に略中央部よりも少ない個数の発光ダイオード5が取付けられている。このような発光ダイオード5の取付け位置および取付け個数の選定により、光学ビーコンの発光強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる。
天井面に取付けられる光学ビーコンの具体的な構成を図3に示している。天井面1bに光学ビーコンの本体4が取付けられ、その本体4の湾曲状の外周面に複数の光源として発光ダイオード5が取付けられている。これら各発光ダイオード5は、本体4の外周面が下方に向いた半円状に設けられていることにより、互いに異なる方向に向いて取付けられており、その結果互いに異なる方向(側方ないし下方)に光を発する。とくに、本体4の外周面の一部を縦方向(図3において上下方向)に見た場合に、外周面の上部に多くの個数の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に上部よりも少ない個数の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に略中央部よりも少ない個数の発光ダイオード5が取付けられている。このような発光ダイオード5の取付け位置および取付け個数の選定により、当該光学ビーコンの発光強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる。
なお、光学ビーコン♯0を除く光学ビーコン♯1〜♯26は、自身以外の少なくとも1つの光学ビーコンから発せられる光の到達領域に存している。図2および図3に示すように、光学ビーコン♯1〜♯26の本体4の上部に、他の光学ビーコンから発せられる光を受けるための受光部6がそれぞれ設けられている。
光学ビーコン♯0〜♯26のうち、発光順位が1番目の光学ビーコン♯0は、定期的に発光動作するもので、図4に示す制御回路を備えている。すなわち、制御部10にタイマ11,12、ID設定部14、変調駆動回路15が接続されている。
タイマ11は、当該光学ビーコン♯0の定期的な発光動作を設定するための一定時間すなわち発光パターンの周期T1をカウントする。タイマ12は、当該光学ビーコン♯0の発光パターンの中で、方向検出用の発光動作をする一定時間T2をカウントする。ID設定部14は、当該光学ビーコン♯0に固有の識別情報いわゆるIDを人為的な操作により可変設定するためのものである。変調駆動回路15は、所定周波数のキャリア信号を制御部10の制御に応じて変調し、その変調信号(パルス信号)によって発光素子(発光ダイオード)16を発光させる。
タイマ11は、当該光学ビーコン♯0の定期的な発光動作を設定するための一定時間すなわち発光パターンの周期T1をカウントする。タイマ12は、当該光学ビーコン♯0の発光パターンの中で、方向検出用の発光動作をする一定時間T2をカウントする。ID設定部14は、当該光学ビーコン♯0に固有の識別情報いわゆるIDを人為的な操作により可変設定するためのものである。変調駆動回路15は、所定周波数のキャリア信号を制御部10の制御に応じて変調し、その変調信号(パルス信号)によって発光素子(発光ダイオード)16を発光させる。
制御部10の制御による光学ビーコン♯0の発光動作を図5のタイムチャートに示している。
すなわち、タイマ11のカウントに基づく一定時間T1ごとに、開始コードを含む発光動作(オン,オフパターン)で先ず発光し、次にIDコードを含む発光動作で発光し、続いてタイマ12のカウントに基づく一定時間T2だけ方向検出用として連続的に発光し、最後に終了コードを含む発光動作で発光する。方向検出用の発光は、当該光学ビーコン♯0の方向を移動体3に確実に検出させるためのものである。
すなわち、タイマ11のカウントに基づく一定時間T1ごとに、開始コードを含む発光動作(オン,オフパターン)で先ず発光し、次にIDコードを含む発光動作で発光し、続いてタイマ12のカウントに基づく一定時間T2だけ方向検出用として連続的に発光し、最後に終了コードを含む発光動作で発光する。方向検出用の発光は、当該光学ビーコン♯0の方向を移動体3に確実に検出させるためのものである。
光学ビーコン♯1〜♯26は、自身以外の光学ビーコンから発せられる光を上記受光部6で受けることにより順次に動作して発光するもので、図6に示す制御回路を備えている。すなわち、制御部20にタイマ22,23、ID設定部24、変調駆動回路25、受信復調回路27が接続されている。
タイマ22は、当該光学ビーコンの方向検出用の発光動作を設定するための一定時間T2をカウントする。タイマ23は、当該光学ビーコンの直前に発光する光学ビーコンが方向検出用の発光を開始してから、当該光学ビーコンが発光を開始するまでの規制時間T3、をカウントする。ID設定部24は、当該光学ビーコンに固有のIDを人為的な操作により可変設定するためのものである。変調駆動回路25は、所定周波数のキャリア信号を制御部10の制御に応じて変調し、その変調信号(パルス信号)によって発光素子(発光ダイオード)26を発光させる。受信復調回路27は、他の光学ビーコンから発せられる光を受光部6内の受光素子(例えばフォトダイオード)28で受け、受けた光に含まれている開始コード、IDコード、終了コードを復調により抽出して制御部20に供給する。
制御部20の制御による光学ビーコン♯1〜♯26の一部の発光動作を図7のタイムチャートに示している。
すなわち、光学ビーコン♯1は、他の光学ビーコンから受けた光がどの光学ビーコンから発せられたものであるかを光から抽出されるIDコードに基づいて常に監視しており、予め定められている発光順序が1つ前の光学ビーコン♯0の発光を受けて、かつ光学ビーコン♯0の方向検出用の発光が開始されてからタイマ23のカウントに基づく規制時間T3が経過した後に、所定の発光パターンでの発光動作を開始する。まず、開始コードを含む発光動作で発光し、次にIDコードを含む発光動作で発光し、続いてタイマ22のカウントに基づく一定時間T2だけ方向検出用として連続的に発光し、最後に終了コードを含む発光動作で発光する。方向検出用の発光は、光学ビーコン♯1の方向を移動体3に確実に検出させるためのものである。
すなわち、光学ビーコン♯1は、他の光学ビーコンから受けた光がどの光学ビーコンから発せられたものであるかを光から抽出されるIDコードに基づいて常に監視しており、予め定められている発光順序が1つ前の光学ビーコン♯0の発光を受けて、かつ光学ビーコン♯0の方向検出用の発光が開始されてからタイマ23のカウントに基づく規制時間T3が経過した後に、所定の発光パターンでの発光動作を開始する。まず、開始コードを含む発光動作で発光し、次にIDコードを含む発光動作で発光し、続いてタイマ22のカウントに基づく一定時間T2だけ方向検出用として連続的に発光し、最後に終了コードを含む発光動作で発光する。方向検出用の発光は、光学ビーコン♯1の方向を移動体3に確実に検出させるためのものである。
光学ビーコン♯2は、他の光学ビーコンから受けた光がどの光学ビーコンから発せられたものであるかを光から抽出されるIDコードに基づいて常に監視しており、予め定められている発光順序が1つ前の光学ビーコン♯1の発光を受けて、かつ光学ビーコン♯1の方向検出用の発光が開始されてからタイマ23のカウントに基づく規制時間T3が経過した後に、所定の発光パターンでの発光動作を開始する。まず、開始コードを含む発光動作で発光し、次にIDコードを含む発光動作で発光し、続いてタイマ22のカウントに基づく一定時間T2だけ方向検出用として連続的に発光し、最後に終了コードを含む発光動作で発光する。方向検出用の発光は、光学ビーコン♯2の方向を移動体3に確実に検出させるためのものである。
同様に、光学ビーコン♯3〜♯26が順次に動作して発光する。
一方、移動体3は、図8および図9に示す検出ユニット(検出手段)30を備えている。検出ユニット30は、受光部40、演算部50、および位置データメモリ51を有している。そして、検出ユニット30は、光学ビーコン♯0〜♯26から発せられる光のうち受光した各光に含まれているIDコードを参照することにより少なくとも3つの光学ビーコンを識別するとともに、識別した各光学ビーコンからの光の方向を検出し、この検出結果及びIDコードによる位置データメモリ内の位置データに基づいて移動体3の位置を検出するものである。
受光部40は、軸方向が垂直となるように移動体3に設けられた円筒状の筐体41を有し、その筐体41の上部開口を遮光板42で閉塞し、上方からの光を遮光板42の略中央部に形成されている開口(絞り)42aを通して筐体41内に導入する。導入された光は、レンズ43により、二次元受光素子であるCMOSイメージセンサ44に集光する。すなわち、CMOSイメージセンサ44の上面に集光点Pが形成される。
位置データメモリ51は、光学ビーコン♯0〜♯26の位置データを同光学ビーコン♯0〜♯26のIDコードに対応付けて記憶している。
演算部50は、受光部40のCMOSイメージセンサ44で受けた光に含まれているIDコードを解読する解読手段と、この解読手段で解読された各IDコードに基づいて位置データメモリ51を参照することにより少なくとも3つの光学ビーコンを識別する識別手段と、この識別手段で識別された各光学ビーコンからの光(方向検出用の発光)の方向を上記CMOSイメージセンサ44の出力から検出する検出手段と、この検出手段で検出された光の方向により移動体3の位置を演算する演算手段と、を有している。
各光学ビーコンからの光の方向については、CMOSイメージセンサ44の中心点を原点とした集光点PのX,Y座標から算出することができる。
CMOSイメージセンサ44における集光点Pの一例を図9および図10に示している。
CMOSイメージセンサ44bにおける各画素のうち、受光強度が最も大きい画素のX,Y座標であるXp,Ypが、CMOSイメージセンサ44における集光点のX,Y座標として検出される。このXp,Ypを用いた下式で得られる角度の方向に、発光元の光学ビーコンが存在する。
tan−1(Yp/Xp)±π
以上のように、IDコードを含む発光パターンで発光する複数の光学ビーコン♯0〜♯26を移動体3の移動空間に分散して設けるとともに、移動体3には、光学ビーコン♯0〜♯26から発せられる光に含まれているIDコードから少なくとも3つの光学ビーコンを識別し、識別した各光学ビーコンからの光の方向を検出し、検出した光の方向に基づいて移動体3の位置を検出する検出ユニット30を設けることにより、従来のような敷設後に各移動体を所定の位置に置いて行う校正登録作業などの初期設定を要することなく、可動式の走査器を要することもない。したがって、移動体3が大型化したり、故障の可能性およびコストが高くなるといった不都合を生じることなく、移動体3の位置検出に関して高い信頼性を確保することができる。
CMOSイメージセンサ44bにおける各画素のうち、受光強度が最も大きい画素のX,Y座標であるXp,Ypが、CMOSイメージセンサ44における集光点のX,Y座標として検出される。このXp,Ypを用いた下式で得られる角度の方向に、発光元の光学ビーコンが存在する。
tan−1(Yp/Xp)±π
以上のように、IDコードを含む発光パターンで発光する複数の光学ビーコン♯0〜♯26を移動体3の移動空間に分散して設けるとともに、移動体3には、光学ビーコン♯0〜♯26から発せられる光に含まれているIDコードから少なくとも3つの光学ビーコンを識別し、識別した各光学ビーコンからの光の方向を検出し、検出した光の方向に基づいて移動体3の位置を検出する検出ユニット30を設けることにより、従来のような敷設後に各移動体を所定の位置に置いて行う校正登録作業などの初期設定を要することなく、可動式の走査器を要することもない。したがって、移動体3が大型化したり、故障の可能性およびコストが高くなるといった不都合を生じることなく、移動体3の位置検出に関して高い信頼性を確保することができる。
しかも、互いに異なる方向に光を発する複数の発光ダイオード5を光学ビーコン♯0〜♯26のそれぞれに設けているので、光学ビーコンは広範囲にわたって発光することができる。このため、光学ビーコンから遠い位置に移動体3が移動しても確実に受光することができる。
また、移動体3の受光部6よりも上方に位置するように設けられる各光学ビーコンにおいて、その発光強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなるように、各光学ビーコンにおける各発光ダイオード5の取付け位置および取付け個数を選定している(本体4の外周面の上部に多くの個数の発光ダイオード5を取付け、外周面の略中央部に上部よりも少ない個数の発光ダイオード5を取付け、外周面の下部に略中央部よりも少ない個数の発光ダイオード5を取付けている)、このため、光学ビーコンは、床面上の遠い位置に対してより強い発光強度で発光することになるので、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度を、移動体3の位置にかかわらず、均一化することができ、移動体3の受光部6のダイナミックレンジを広げることなく、受光精度を向上させることができる。
また、移動体3の受光部6よりも上方に位置するように設けられる各光学ビーコンにおいて、その発光強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなるように、各光学ビーコンにおける各発光ダイオード5の取付け位置および取付け個数を選定している(本体4の外周面の上部に多くの個数の発光ダイオード5を取付け、外周面の略中央部に上部よりも少ない個数の発光ダイオード5を取付け、外周面の下部に略中央部よりも少ない個数の発光ダイオード5を取付けている)、このため、光学ビーコンは、床面上の遠い位置に対してより強い発光強度で発光することになるので、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度を、移動体3の位置にかかわらず、均一化することができ、移動体3の受光部6のダイナミックレンジを広げることなく、受光精度を向上させることができる。
光学ビーコン♯0〜♯26の発光については、常に発光させることなく、所定の順序で発光させるので、光学ビーコン♯0〜♯26の発光に要する電力が少なくてすみ、省エネルギー効果が得られる。しかも、光学ビーコン♯0〜♯26が同時に発光しないので、移動体3側の受光システムの複雑化や高コスト化を招くことなく、光学ビーコン♯0〜♯26の光を移動体3側でそれぞれ確実に捕らえることができる。
光学ビーコン♯0は定期的に発光し、かつ♯1〜♯26は自身以外の光学ビーコン(発光順序が1つ前の光学ビーコン)から発せられる光を受けて順に発光するので、光学ビーコン♯0〜♯26の相互を配線接続する必要がない。よって、構成の簡略化およびコストの低減が図れるだけでなく、設置する位置の自由度を高めることができる。
光学ビーコン♯0が定期的に発光し、それに続いて残りの光学ビーコン♯1〜♯26が順に発光するので、光学ビーコン♯1〜♯26の一連の発光が何らかの原因で一時的に途切れた場合でも、それにかかわらず、光学ビーコン♯0〜♯26の発光を確実に継続することができる。この点でも、移動体3の位置検出に関して高い信頼性を確保することができる。
ID設定部14,24によって光学ビーコン♯0〜♯26のIDコードを可変設定できるので、光学ビーコン♯0〜♯26の構成を共通化することができる。すなわち、光学ビーコン♯0は図4の構成を有し、光学ビーコン♯1〜♯26は図6の構成を有しているが、両者は部品数、制御機能、符号が異なるだけで、基本的なハードウェアは同じである。このうち、光学ビーコン♯0が有する2つのタイマ11,12、および光学ビーコン♯1〜♯26がそれぞれ有する2つのタイマ22,23に関しては、ID設定部14,24で設定されるIDコードに応じて各タイマの機能(カウント時間T1,T2,T3)を設定することにより、ハードウェアとしての共通化が可能である。このように、光学ビーコン♯0〜♯26の構成を共通化できることにより、コストの低減が図れる。
光学ビーコン♯0〜♯26から発せられる光を移動体3の受光部40に取込み、取込んだ光をレンズ43を通して二次元受光素子であるCMOSイメージセンサ44に集光し、その集光点から光の方向を検出し、検出した光の方向から移動体3の位置を検出する構成であるから、従来のように移動体に回転式のレーザレーダを設けて移動体の周囲をレーザ光により走査するようなシステムに比べ、移動体3の構成がコンパクトになる。移動体3の構成がコンパクトであることにより、スーパーマーケットのような狭い移動空間においても、移動体3のスムーズな移動が可能となる。
移動体3に設けられる検出ユニット30の演算部50は、各光学ビーコンからの光に含まれているIDコードをCMOSイメージセンサ44の出力から解読し、解読した各IDコードに基づいて位置データメモリ51内の位置データを参照することにより少なくとも3つの光学ビーコンを識別し、識別した各光学ビーコンからの光の方向をCMOSイメージセンサ44の出力から検出し、検出した光の方向に基づいて移動体3の位置を演算するので、CMOSイメージセンサ44への集光に基づく位置検出を精度よく確実に実現することができる。
[2]第2の実施形態について説明する。
光学ビーコンは、図11に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。この縦方向の3個の発光ダイオード5ごとに、図12に示す駆動回路が構成されている。
光学ビーコンは、図11に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。この縦方向の3個の発光ダイオード5ごとに、図12に示す駆動回路が構成されている。
すなわち、図12に示すように、駆動電圧Vdが、NPN型トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間および抵抗8aを介して、上部の発光ダイオード5に印加される。同様に、駆動電圧Vdが、NPN型トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間および抵抗8bを介して、略中央部の発光ダイオード5に印加される。同様に、駆動電圧Vdが、NPN型トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間および抵抗8cを介して、下部の発光ダイオード5に印加される。抵抗8a,8b,8cの抵抗値は、互いに異なり、8a<8b<8cの関係がある。
トランジスタ7のベース・エミッタ間に電圧が印加されてトランジスタ7がオンすると、抵抗8a,8b,8cを通して各発光ダイオード5に電流が流れ、各発光ダイオード5が発光する。このとき、抵抗8a,8b,8cの抵抗値の関係により、上部の発光ダイオード5に流れる電流がもっとも大きく、略中央部の発光ダイオード5に流れる電流が次に大きく、下部の発光ダイオード5に流れる電流がもっとも小さい。したがって、上部の発光ダイオード5の発光量がもっとも大きく、略中央部の発光ダイオード5の発光量が次に大きく、下部の発光ダイオード5の発光量がもっとも小さくなる。
図11は壁取付け用の光学ビーコンの構成であるが、天井取付け用の光学ビーコンの構成もほぼ同じである。
このように、各発光ダイオード5から発せられる光の強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなるように、各発光ダイオード5の発光量が互いに異なる値に設定されることにより、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度を、移動体3の位置にかかわらず、確実に均一化することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
他の構成、作用、効果は、第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[3]第3の実施形態について説明する。
図13に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。上部の発光ダイオード5の発光量、略中央部の発光ダイオード5の発光量、下部の発光ダイオード5の発光量は、互いに同じである。
図13に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。上部の発光ダイオード5の発光量、略中央部の発光ダイオード5の発光量、下部の発光ダイオード5の発光量は、互いに同じである。
そして、本体4の外周面および各発光ダイオード5の全体を被う状態に、プラスチックなどの半透明のカバー9が設けられている。カバー9は、透明度が側部から下部にかけて徐々に小さくなっている。
したがって、各発光ダイオード5が点灯したとき、カバー9の上部から照射される光の量がもっとも大きく、カバー9の略中央部から照射される光の量が次に大きく、カバー9の下部から照射される光の量がもっとも小さくなる。
図13は壁取付け用の光学ビーコンの構成であるが、天井取付け用の光学ビーコンの構成もほぼ同じである。
上記のようなカバー9を採用して、各光学ビーコンから発せられる光の強度を側方から下方にかけて徐々に小さくすることにより、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度を、移動体3の位置にかかわらず、確実に均一化することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、第3の実施形態においては、半透明部材を通すことにより、光が散乱されることにより、強度がさらに均一化される。
他の構成、作用、効果は、第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
他の構成、作用、効果は、第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[4]第4の実施形態について説明する。
図14に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。各発光ダイオード5の発光量は互いに同じであるが、上部の発光ダイオード5が発する光の照射角がもっとも小さく、略中央部の発光ダイオード5が発する光の照射角が次に小さく、下部の発光ダイオード5が発する光の照射角が最も大きい。
図14に示すように、本体4の外周面の一部を縦方向に見た場合に、本体4の外周面の上部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の略中央部に1個の発光ダイオード5が取付けられ、外周面の下部に1個の発光ダイオード5が取付けられている。各発光ダイオード5の発光量は互いに同じであるが、上部の発光ダイオード5が発する光の照射角がもっとも小さく、略中央部の発光ダイオード5が発する光の照射角が次に小さく、下部の発光ダイオード5が発する光の照射角が最も大きい。
照射角の違いは、各発光ダイオード5へ封入する樹脂の形状を変えたり、各発光ダイオード5にそれぞれ異なるレンズを設けることにより、達成することができる。
図14は壁取付け用の光学ビーコンの構成であるが、天井取付け用の光学ビーコンの構成もほぼ同じである。
このように、発光量が互いに同じ複数の発光ダイオード5を光学ビーコンごとに設け、各発光ダイオード5が発する光の照射角を側方から下方にかけて徐々に大きくすることにより、移動体3が1つの光学ビーコンから受ける光の強度を、移動体3の位置にかかわらず、確実に均一化することが、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
他の構成、作用、効果は、第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
他の構成、作用、効果は、第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
1…建物、1a…壁面、1b…天井面、3…移動体、4…本体、5…発光ダイオード(光源)、6…受光部、8a,8b,8c…抵抗、9…カバー、♯0〜♯26…光学ビーコン、30…検出ユニット、40…受光部、41…筐体、42…遮光板、42a…開口(絞り)、43…レンズ、44…CMOSイメージセンサ(二次元受光素子)
Claims (6)
- 移動体の移動空間に分散して設けられ、それぞれの識別情報を含む発光パターンで発光する複数の発光手段と、
前記移動体に設けられ、前記各発光手段により発せられる光の識別情報から少なくとも3つの発光手段を識別するとともに、識別した各発光手段からの光の方向を検出し、この検出結果に基づいて前記移動体の位置を検出する検出手段と、
を備え、
前記各発光手段は、互いに異なる方向に向けて設けられた複数の光源を有することを特徴とする位置検出システム。 - 移動体の移動空間に前記移動体より上方に位置するように分散して設けられ、それぞれの識別情報を含む発光パターンで発光する複数の発光手段と、
前記移動体に設けられ、前記各発光手段により発せられる光の識別情報から少なくとも3つの発光手段を識別するとともに、識別した各発光手段からの光の方向を検出し、この検出結果に基づいて前記移動体の位置を検出する検出手段と、
を備え、
前記各発光手段は、側方ないし下方に光を照射するための複数の光源を有し、発光強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる構成であることを特徴とする位置検出システム。 - 前記各発光手段は、前記各光源から発せられる光の強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる状態に、前記各光源の位置および個数が定められていることを特徴とする請求項2に記載の位置検出システム。
- 前記各発光手段は、前記各光源から発せられる光の強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる状態に、前記各光源の発光量が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の位置検出システム。
- 前記各発光手段は、前記各光源を被う半透明のカバーを有し、そのカバーの透明度が同カバーの側部から下部にかけて徐々に小さくなる構成であることを特徴とする請求項2に記載の位置検出システム。
- 前記各発光手段は、前記各光源から発せられる光の強度が側方から下方にかけて徐々に小さくなる状態に、前記各光源の光の照射角が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の位置検出システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005373289A JP2007171143A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 位置検出システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005373289A JP2007171143A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 位置検出システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007171143A true JP2007171143A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38297884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005373289A Pending JP2007171143A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 位置検出システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007171143A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015093148A1 (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 株式会社メガチップス | 照明システム及び制御装置 |
-
2005
- 2005-12-26 JP JP2005373289A patent/JP2007171143A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015093148A1 (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 株式会社メガチップス | 照明システム及び制御装置 |
JP2015118072A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 株式会社メガチップス | 照明システム及び制御装置 |
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