JP2007170594A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速比を精度良く制御することができるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から駆動プーリと従動プーリとの差推力を算出し(S33)、検出した過給圧に基いて変速比フィードバック差推力を補正する補正係数を設定し(S35)、前記変速比フィードバック差推力と前記補正係数と乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を算出する(S4)ことにより、過給圧変動に伴う入力トルクの変化に起因する変速比の変化を抑制し、変速比を制御良く制御できる。
【選択図】図1
【解決手段】目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から駆動プーリと従動プーリとの差推力を算出し(S33)、検出した過給圧に基いて変速比フィードバック差推力を補正する補正係数を設定し(S35)、前記変速比フィードバック差推力と前記補正係数と乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を算出する(S4)ことにより、過給圧変動に伴う入力トルクの変化に起因する変速比の変化を抑制し、変速比を制御良く制御できる。
【選択図】図1
Description
車両、特にターボチャージャー付きエンジンとベルト式無段変速機とを備えた車両に関するものである。
ベルト式無段変速機は、駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡したベルトによって動力伝達を行うため、ベルトの滑りを防止することが重要である。このため、従来のベルト式無段変速機では、目標変速比とエンジンからの入力トルクとから目標従動プーリ圧を求め、この目標従動プーリ圧と変速速度とから目標駆動プーリ圧を算出し、この目標駆動プーリ圧がベルト滑りの下限圧以下の場合に駆動プーリ側ベルト滑り下限圧から目標従動プーリ圧を逆算している。このようにして目標駆動プーリ圧、目標従動プーリ圧を算出して、ベルトの滑りを防止するものである(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この従来技術においては、ダウンシフト時に駆動プーリ圧を減圧して変速を行う場合には、駆動プーリ圧がベルト滑り下限圧に達し、ベルト滑りを生じる恐れがある。
この課題を解決するために本出願人は、プーリ圧に対応するプーリ推力を、ベルト滑りが生じない下限推力であるトルク容量確保推力と実変速比を保持するのに必要な実変速比保持推力とに分け、変速比に応じてプライマリプーリ推力とセカンダリプーリ推力のいずれかをトルク容量確保推力とすることで、ベルト滑りを防止しつつ必要油圧の低減を図る制御を特願2005−202178号にて出願済みである。この制御において、変速比を変化させる際に、実変速比と目標変速比との差に基いて各プーリ間の推力差をフィードバック制御している。
特開2000−18347号公報
しかしながら、このようなベルト式無段変速機において、エンジンからプライマリプーリに入力される入力トルクが増大する際、プライマリプーリがベルトを引っ張る張力が大きくなることでプライマリプーリ上側のベルトの巻き付き半径が噛み込み方向(Lo側)に変化する現象、所謂トルクシフトが生じる。特にターボチャージャー付きのエンジンの場合には、トルク変化が大きいため、トルクシフトの影響も大きく、目標変速比に適切に追従させることが難しいという課題がある。
本発明は、こうした事実を鑑みてなされたものであり、ターボチャージャー付きのエンジンと、このエンジンに接続し、ベルトの滑りを生じないプーリ圧を確保しつつ、適切に変速比を制御することができるベルト式無段変速機を備えた車両を提供することを目的とする。
本発明は、ターボチャージャーを備えたエンジンと、ターボチャージャーによる過給圧を検出する過給圧検出手段と、前記エンジンに接続され、エンジンの回転数を所定の変速比に応じて変速するベルト式無段変速機とを備え、前記ベルト式無段変速機は、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを掛け渡し、前記駆動プーリに前記ベルトを挟持して目標変速比を実現するための目標駆動プーリ推力を発生させる駆動プーリ推力発生手段と、前記従動プーリに前記ベルトを挟持して目標変速比を実現するための目標従動プーリ推力を発生させる従動プーリ推力発生手段と、前記目標変速比を設定して前記駆動プーリ推力発生手段と前記従動プーリ推力発生手段を制御するコントローラとからなる車両において、前記コントローラは、目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から駆動プーリと従動プーリとの差推力を算出する変速比フィードバック差推力算出手段と、前記検出した過給圧に基いて前記変速比フィードバック差推力を補正する補正係数を設定する補正係数設定手段と、前記変速比フィードバック差推力と前記補正係数と乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を算出する変速比フィードバック用プーリ推力差算出手段とを備えた。
本発明は、ターボチャージャーによる過給圧を検出し、検出した過給圧に基いて補正係数を設定し、この補正係数を目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から算出される変速比フィードバック差推力に乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を演算するため、過給圧の増大に伴う入力トルクに起因する変速比の変化を変速比フィードバック用推力差を大きく設定することで抑制し、変速比を精度良く制御することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係るVベルト式無段変速機の概略を示し、このVベルト式無段変速機1はプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3を両者のV溝が整列するように配し、これらプーリ2、3のV溝にVベルト4を掛け渡す。プライマリプーリ(駆動プーリ)2は図示しないターボチャージャー(以下、ターボという)を備えたエンジン5を同軸に配置し、このエンジン5とプライマリプーリ2との間にエンジン5側からロックアップトルクコンバータ6および前後進切り替え機構7を順次配置する。
プライマリプーリ2への回転はVベルト4を介してセカンダリプーリ(従動プーリ)3に伝達され、セカンダリプーリ3の回転はその後、出力軸8、歯車組9およびディファレンシャルギア装置10を経て図示しない車輪に至る。
上記動力伝達中にプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との間における回転伝動比(以下、「変速比」という)を変更するために、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3のV溝を形成するフランジのうち一方を固定フランジ2a、3aとし、他方のフランジ2b、3bを軸線方向へ変位可能な可動フランジとする。これら可動フランジ2b、3bはそれぞれ、後述の如くに制御するライン圧を元圧として作り出したプライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecとをそれぞれ、プライマリプーリ室2cとセカンダリプーリ室3cに供給することにより固定フランジ2a、3aに向かう推力を発生させ、Vベルト4をプーリフランジ間に挟持させてプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との間での前記動力伝達を可能にする。
但し、変速に際しては、後述の如く、目標変速比に対応して発生させたプライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecとの間の差圧により両プーリ2、3のV溝を変更して、これらプーリ2、3に対するVベルト4の巻き掛け円弧径を連続的に変化させることにより目標変速比を実現する。
プライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecとの出力は、変速制御油圧回路11により制御し、この変速制御油圧回路11は変速機コントローラ12からの信号に応答して制御される。このため、変速機コントローラ12には、プライマリプーリ回転数Npriを検出するプライマリプーリ回転センサ13からの信号と、セカンダリプーリ回転数Nsecを検出するセカンダリプーリ回転センサ14からの信号と、アクセルペダルの踏み込みストロークを検出するアクセルペダルストロークセンサ16からの信号と、運転操作による変速を優先するマニュアル変速モードまたは変速機コントローラ12からの変速指令に従う自動変速モードヘの選択を検出するマニュアル変速スイッチ17からの選択モード信号と、インヒビタスイッチ17からの選択レンジ信号と、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ18と、運転者が燃費を重視した走行を要求するためのエコノミーモードスイッチ19からの燃費要求信号と、エンジン5を制御するエンジンコントローラ20からの変速機入力トルクTiに関した信号(エンジン回転数や燃料噴射時間など)と、吸気圧力(=ターボ作動時の過給圧)を検出する圧力センサ30からの信号を入力する。
図2は、変速制御油圧回路11と変速機コントローラ12を示すシステム図であり、先ず変速制御油圧回路11について説明する。この回路11は、エンジン駆動されるオイルポンプ21を備え、このポンプ21から油路22への作動油を媒体として、これをプレッシャレギュレータ弁23により所定のライン圧PLに調圧する。
油路22のライン圧PLは、その一方が減圧弁24によりプライマリプーリ圧Ppriとして調圧されプライマリプーリ室2cに供給され、他方が減圧弁25によりセカンダリプーリ圧Psecとして調圧されセカンダリプーリ室3cに供給される。但し、プレッシャレギュレータ弁23は、ソレノイド23aへの駆動デューティによりライン圧PLを制御し、減圧弁24、25はそれぞれ、ソレノイド24a、25aへの駆動デューティによりプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecを制御する。
またプレッシャレギュレータ弁23のソレノイド駆動デューティ、減圧弁24、25のソレノイド駆動デューティは、変速機コントローラ12により決定する。つまり、変速制御油圧回路11および変速機コントローラ12が駆動プーリ推力発生手段および従動プーリ推力発生手段に相当する。
なお、変速機コントローラ12は、後述するように、上記アクセルペダル踏み込みストロークと車速VSP(ここでは、セカンダリプーリNsecに所定の定数を乗じたものとする)から、図示しないマップより目標変速比Iを求める。そして、上記プライマリプーリ回転速度Npriとセカンダリプーリ回転速度Nsecとから実変速比iを求め、上記目標変速比Iと実変速比iとの偏差から予め設定したマップなどを用いて目標変速速度V(I)を算出する。さらに、変速機コントローラ12は、目標変速比Iと実変速比iの偏差を解消するように、公知のPIフィードバック制御等を用いてフィードバック制御量を算出する。
図3は、変速機コントローラ12で実行される油圧制御の一例を示すフローチャートであり、このフローチャートは、エンジン始動をイグニッションキーONなどで検知したのち、所定時間、例えば、数10msec毎に繰り返し実行される。
まずステップS1において、プライマリプーリ2がVベルト4を滑らすことなく挟持するプライマリトルク容量確保プーリ推力Fpri(f1)と、セカンダリプーリ3がVベルト4を滑らすことなく挟持するセカンダリトルク容量確保プーリ推力Fsec(f1)とを変速機入力トルクTi、実変速比i、使用オイルの摩擦係数とから算出する。
続くステップS2において、現在の実変速比を維持するために必要な各プーリの変速比保持プーリ推力Fpri(f2)、Fsec(f2)を算出する。変速比保持プーリ推力Fpri(f2)、Fsec(f2)は、ステップS1にて算出したトルク容量確保プーリ推力F(f1)と現在の実変速比iとプーリ比とから実変速比となるバランス油圧を求め、バランス油圧からトルク容量確保プーリ推力F(f1)を差し引いて算出する。
次にステップS3において、運転状態に基づいて決定される目標変速速度V(I)を達成するのに要求される変速速度用プーリ推力差F(v)を算出する。つまり、ステップS3が変速速度用プーリ推力差算出手段に相当する。なお、変速速度用プーリ推力差F(v)は、例えば、後述する図4のサブルーチンを用いて算出してもよい。
ステップS4では、目標変速比Iと実変速比iとの差分に基づいてプライマリプーリ2またはセカンダリプーリ3における変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)を算出する。つまり、ステップS4が変速比フィードバック用プーリ推力差算出手段に相当する。なお、変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)は、例えば、後述する図7のサブルーチンを用いて算出する。
そしてステップS5にて、ステップS3で算出した変速速度用プーリ推力差F(v)と、ステップS4で算出した変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)とを加算して変速推力F(th)を算出する。
ここで、変速方向がプーリ比を小さくする方向(アップシフト時)の変速推力を正(+)として、プーリ比を大きくする方向(ダウンシフト時)の変速推力を負(−)と設定する。
続くステップS6にて、変速推力F(th)と所定値Fとを比較する。具体的には、所定値F=0とし、変速推力F(th)が所定値F=0を超えているかどうかを判断する。
したがって、ステップS6にて変速推力F(th)>0で、アップシフト時であると判断された場合には、ステップS7にて、ステップS1で算出したプライマリトルク容量確保プーリ推力Fpri(f1)とステップS5で算出した変速推力F(th)とステップS2で算出したプライマリ変速比保持プーリ推力Fpri(f2)とを加算して目標駆動プーリ推力Fpri(o)を算出する。そしてステップS8では、ステップS1で算出したセカンダリトルク容量確保プーリ推力Fsec(f1)をそのまま目標従動プーリ推力Fsec(o)(=Fsec(f1))とする。
またステップS6にて変速推力F(th)≦0で、ダウンシフト時と判断された場合には、ステップS9にて、ステップS1で算出したプライマリトルク容量確保プーリ推力Fpri(f1)をそのまま目標駆動プーリ推力Fpri(=Fpri(f1))とする。そしてステップS10では、ステップS1で算出したセカンダリトルク容量確保プーリ推力Fsec(f1)とステップS5で算出した変速推力の絶対値|F(th)|とステップS2で算出したセカンダリ変速比保持プーリ推力の絶対値|Fsec(f2)|とを加算して目標従動プーリ推力Fsec(o)を算出する。
ステップS11では、ステップS7または9で算出した目標駆動プーリ推力Fpri(o)を基に減圧弁24で調圧すべき目標駆動プーリ圧Ppri(o)を算出する。この目標駆動プーリ圧Ppri(o)は、具体的には、目標駆動プーリ推力Fpri(o)をプライマリプーリ室2cの受圧面積Spriで除算して算出する。そしてステップS12では、ステップS8または10で算出した目標従動プーリ推力Fsec(o)を基に減圧弁25で調圧すべき目標従動プーリ圧Psec(o)を算出する。この目標駆動プーリ圧Psecは、具体的には、目標駆動プーリ推力Fsecをセカンダリプーリ室3cの受圧面積Ssecで除算して算出する。
なお、ステップS6で設定した変速方向と変速推力との関係を逆に設定してもよい。つまり、変速方向がプーリ比を小さくする方向(アップシフト時)の変速推力を負(−)として、プーリ比を大きくする方向(ダウンシフト時)の変速推力を正(+)と設定する。この場合にはステップS6の判定が、変速推力F(th)が0未満でステップS7に進み、0以上でステップS9に進む制御となる。
以下、ステップS3およびステップS4にて用いられる算出方法を例示しておく。
図4は、ステップS3において実行される変速速度用プーリ推力差F(v)の算出方法を例示するサブルーチンである。
図4を参照すると、まずステップS21にて、セカンダリプーリ回転数Nsecから求めた車速VSP、選択レンジ信号、選択モード信号、アクセルペダルストローク量等の運転状態に基づいて目標変速速度V(I)を算出する。次にステップS22にて、図5に示す変換倍率算出マップを用い、このマップを基に、実プーリ比ipに対応する変換倍率mg(=Vp/V(I))を求め、この変換倍率mgをステップS23にて、目標変速速度V(I)に乗算することによりプーリの軸方向の変化速度Vp(=mg×V(I))を算出する。
そしてステップS24にて、図7に示す変速速度用プーリ推力差算出マップを用い、ステップS23で算出したプーリの変化速度Vpを基に変速速度用プーリ推力差F(v)を求める。なお、本形態のマップでは、目標プーリ比Ipが大きくなるとき(ダウンシフト時、負(−)の方向とする。)には、変速速度用プーリ推力差F(v)はセカンダリプーリ推力Fsecが大きくなるように設定されており、目標プーリ比Ipが小さくなるとき(アップシフト時、正(+)の方向とする。)には、変速速度用プーリ推力差F(v)はプライマリプーリ推力Fpriが大きくなるように設定されている。また図6のマップでは、変速速度用プーリ推力差F(v)のうち目標プーリ比Ipが大きくなる側、即ち、セカンダリプーリ推力Fsecは、ステップS21で算出した目標変速速度V(I)を達成するのに必要な変速速度用プーリ推力差よりも所定の余裕代または余裕率分が加算された値に設定されている。
図7は、図3に示すフローチャートのステップS4において実行される変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)の算出方法を例示するサブルーチンである。
図7を参照すると、まずステップS31にて、目標変速比Iから実変速比iを減算して目標変速比Iと実変速比iとの偏差を算出し、この偏差を用いてステップS32にて、変速システムのフィードバック制御量を演算する。ステップS33では、ステップS32で算出したフィードバック制御量に基づき各プーリ間の差推力である変速比フィードバック差推力を算出する。
一方、ステップS34では、圧力センサ30を用いて過給圧を検出し、ステップS35で、検出した過給圧に基いてフィードバック補正係数(補正係数≧1)を設定する。フィードバック補正係数は、エンジンに備えられたターボの過給圧に応じて設定され、具体的には過給圧が高いほどフィードバック補正係数は大きく、低いほど小さく設定される。
そしてステップS36にて、ステップS35で設定した補正係数と、ステップS33で算出した変速比フィードバック差推力とを乗算してプライマリプーリ2またはセカンダリプーリ3に負荷する変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)を算出する。したがって、変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)は、変速比フィードバック差推力を一定とすると、補正係数が大きい程、つまり過給圧が高いほど大きくなり、セカンダリプーリ圧Psecをトルク容量確保油圧に設定すると、プライマリプーリ圧Ppriを大きく設定する。このようにして、ターボの過給による入力トルクが増大する場合でも、加給圧に応じてプライマリプーリ圧Ppriを増大して、シフトトルクによる変速比の変化を抑制できる。
次に本形態の具体的な動作を図8に示すタイムチャートを用いて説明する。このタイムチャートで説明する制御の条件としては、目標変速比は一定で、かつ、実変速比と目標変速比との変速比偏差は一定とし、したがって、変速比フィードバック差推力も一定値の場合を説明する。
まず時間T0でアクセルを開き、アクセルを開くタイミングから所定の遅れ、タイムラグを持って過給圧が上昇する(時間T1)。この過給圧が上昇するまで、プライマリプーリ3にはトルク容量確保油圧と、過給圧が低い状態(≒0)での変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)に対応する油圧とが加算されて作用し、セカンダリプーリ4にはトルク容量確保油圧のみが作用する。ここで、過給圧が低い状態での変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)を算出するためのフィードバック補正係数Aは1であり、つまり変速比フィードバック差推力が変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)に設定される。
時間T1で過給圧が増圧し、過給圧の上昇に伴い、フィードバック補正係数にはAより大きいBが設定され、変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)が時間T1以前より大きな値に設定される。
したがって、プライマリプーリ圧Ppriは、トルク容量確保油圧と変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)とが加算された油圧が作用し、ここで変速比フィードバック用プーリ推力差F(fb)は、フィードバック補正係数比(B/A)だけ時間T1以前の値より大きな値となる。また、トルク容量確保油圧は過給圧が増大する時間T1時点では変化しない。
そして、時間T1から第2のタイムラグを経過した時間T2で入力トルクが増大し、通常であれば、変速比が入力トルクの増大に起因するトルクシフトによってLo側に変速しようとする(図中一点鎖線で示す)が、本実施形態では、時間T1で予めプライマリプーリ圧Ppriを増圧してあるため、トルクシフトによる変速を抑制することができ、変速比を精度良く制御することが可能となる。アクセルを開く時間T0から入力トルクが立ち上がる時間T2までのタイムラグが、所謂ターボラグに相当する。
また、入力トルクの増大に応じてトルク容量確保油圧が増大するため、プライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecともにトルク容量確保油圧が増圧した分、増圧してベルト滑りが防止できる。
時間T3で、アクセルペダルをさらに踏み込み、入力トルクの増大を要求すると、時間T1と同様に、まず時間T4で過給圧が上昇し、これに伴い補正係数がBより大きいCに設定され、プライマリプーリ圧Ppriがさらに増圧する。そしてタイムラグを経て入力トルクが増大し、同時にトルク容量確保油圧が増圧され、プライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecともに増圧される。この時、入力トルクの増大によるトルクシフトは、予めプライマリプーリ圧Ppriを増圧することにより抑制される。
したがって、本発明では、ターボによる過給圧を検出し、検出した過給圧に基いて補正係数を設定し、この補正係数を目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から算出される変速比フィードバック差推力に乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を演算するため、過給圧の増大に伴う入力トルクに起因する変速比の変化を変速比フィードバック用推力差を大きくすることで抑制し、変速比を精度良く制御することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
1 Vベルト式無段変速機
2 プライマリプーリ
2a 固定フランジ
2b 可動フランジ
2c プライマリプーリ室
3 セカンダリプーリ
3a 固定フランジ
3b 可動フランジ
3c セカンダリプーリ室
4 Vベルト
5 エンジン
11 変速制御油圧回路
12 変速機コントローラ
13 プライマリプーリ回転センサ
14 セカンダリプーリ回転センサ
16 アクセルペダルストロークセンサ
17 マニュアル変速スイッチ
17a インヒビタスイッチ
18 ブレーキスイッチ
19 エコノミモードスイッチ
20 エンジンコントローラ
23 プレッシャレギュレータ弁
24 プライマリプーリ側減圧弁
25 セカンダリプーリ側減圧弁
2 プライマリプーリ
2a 固定フランジ
2b 可動フランジ
2c プライマリプーリ室
3 セカンダリプーリ
3a 固定フランジ
3b 可動フランジ
3c セカンダリプーリ室
4 Vベルト
5 エンジン
11 変速制御油圧回路
12 変速機コントローラ
13 プライマリプーリ回転センサ
14 セカンダリプーリ回転センサ
16 アクセルペダルストロークセンサ
17 マニュアル変速スイッチ
17a インヒビタスイッチ
18 ブレーキスイッチ
19 エコノミモードスイッチ
20 エンジンコントローラ
23 プレッシャレギュレータ弁
24 プライマリプーリ側減圧弁
25 セカンダリプーリ側減圧弁
Claims (2)
- ターボチャージャーを備えたエンジンと、
ターボチャージャーによる過給圧を検出する過給圧検出手段と、
前記エンジンに接続され、エンジンの回転数を所定の変速比に応じて変速するベルト式無段変速機とを備え、
前記ベルト式無段変速機は、
駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを掛け渡し、前記駆動プーリに前記ベルトを挟持して目標変速比を実現するための目標駆動プーリ推力を発生させる駆動プーリ推力発生手段と、
前記従動プーリに前記ベルトを挟持して目標変速比を実現するための目標従動プーリ推力を発生させる従動プーリ推力発生手段と、
前記目標変速比を設定して前記駆動プーリ推力発生手段と前記従動プーリ推力発生手段を制御するコントローラとからなる車両において、
前記コントローラは、
目標変速比と実変速比との差分に基づくフィードバック制御量から前記駆動プーリと前記従動プーリとの差推力を算出する変速比フィードバック差推力算出手段と、
前記検出した過給圧に基いて前記変速比フィードバック差推力を補正する補正係数を設定する補正係数設定手段と、
前記変速比フィードバック差推力と前記補正係数と乗じて変速比フィードバック用プーリ推力差を算出する変速比フィードバック用プーリ推力差算出手段とを備えることを特徴とする車両。 - 前記補正係数は、前記変速比フィードバック用プーリ推力差が前記ターボチャージャーの過給に応じて生じるトルク変動に基づく変速比の変化を抑制するように設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005371663A JP2007170594A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005371663A JP2007170594A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 車両 |
Publications (1)
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---|---|
JP2007170594A true JP2007170594A (ja) | 2007-07-05 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005371663A Pending JP2007170594A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007170594A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012202440A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Jatco Ltd | 無段変速機の変速制御装置及びその変速制御方法 |
JP2012202441A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Jatco Ltd | 無段変速機の変速制御装置及びその変速制御方法 |
JP2014181766A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Fuji Heavy Ind Ltd | 無段変速機の制御装置 |
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2005
- 2005-12-26 JP JP2005371663A patent/JP2007170594A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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