JP2007170178A - 鋼床版及びこれの補強方法 - Google Patents

鋼床版及びこれの補強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007170178A
JP2007170178A JP2007073276A JP2007073276A JP2007170178A JP 2007170178 A JP2007170178 A JP 2007170178A JP 2007073276 A JP2007073276 A JP 2007073276A JP 2007073276 A JP2007073276 A JP 2007073276A JP 2007170178 A JP2007170178 A JP 2007170178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deck plate
vertical
space
steel
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007073276A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Aiba
充 相場
Aiko Kikuchi
愛子 菊地
Hiroshi Katsuura
啓 勝浦
Yoshimichi Kawakami
善道 川上
Kazumi Tamura
一美 田村
Yasuaki Ono
泰明 小野
Kaoru Yokoyama
薫 横山
Shunzo Oka
俊蔵 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MM Bridge Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Bridge and Steel Structures Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Bridge and Steel Structures Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Bridge and Steel Structures Engineering Co Ltd
Priority to JP2007073276A priority Critical patent/JP2007170178A/ja
Publication of JP2007170178A publication Critical patent/JP2007170178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Abstract

【課題】 縦リブの閉断面空間内への充填物の注入、充填作業を簡単化して充填物の注入、充填作業工数を低減するとともにメインテナンス性を向上し、走行路の交通止めを要することなくあるいは短時間の交通止めで以って鋼床版の補強を可能とし、さらに縦リブ閉鎖空間及びデッキプレート下面と縦リブとの間の開放空間部の双方におけるデッキプレートの局部曲げ剛性を増大して鋼床版の強度を増大可能とした鋼床版及び該鋼床版の補強方法を提供する。
【解決手段】 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版において、前記縦リブの閉断面空間内に、エラストマー材、水等の流体、ゲル状物質等によりなる流動体または非圧縮性の変形体の何れか一方からなる充填物を充填したことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、橋梁や高架道路における床版等に適用され、走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置し該デッキプレートの下面に固着して構成された鋼床版、及び既設の鋼床版の補強方法に関する。
橋梁や高架道路における床版には、鉄筋により補強されたコンクリートによるいわゆるRC床版と、鋼板を用いる鋼床版とがある。
このうち前記鋼床版は、走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置し該デッキプレートの下面に固着して構成されており、従来、かかる鋼床版においてはその強度向上のための技術が多く提案されている。
かかる技術の1つに特許文献1(特開2001−248114号公報)の技術がある。かかる技術においては、走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記縦リブの閉断面空間内に、軽量発泡コンクリートからなる充填物を注入し、該閉断面空間内で固化して縦リブ閉鎖空間内におけるデッキプレートの局部曲げ剛性を高めている。
特開2001−248114号公報
特許文献1にて提供されている従来技術にあっては、縦リブの閉断面空間内に軽量発泡コンクリートからなる充填物を注入し、該閉断面空間内で固化しているが、該コンクリートは注入から固化するまでに比較的長い養生時間(固化時間)を要するため、かかる養生時間中は走行路の交通止めをしなければならない。
また、既設の鋼床版について、縦リブの閉断面空間内に軽量発泡コンクリートを注入、充填する作業は煩雑で多くの工数を要し、鋼床版の維持、補修が煩雑でメインテナンス性に課題がある。
また、軽量発泡コンクリートからなる充填物は体積弾性率が小さいため、縦リブの閉断面空間のような閉鎖領域で使用する場合には車両荷重によるデッキプレートの局部曲げ変形に対して抵抗力を生じ難いため、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部における応力集中の緩和による応力低減効果が小さい。
また、前記従来技術にあっては、縦リブの閉断面空間内に軽量発泡コンクリートからなる充填物を注入して、縦リブの閉鎖空間内のみにおけるデッキプレート自体の局部曲げ剛性増大をなしているにとどまり、デッキプレートの下面と縦リブとの間の開放空間部における剛性増大の手段は講じられていない。
従って、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、縦リブの閉断面空間内への充填物の注入、充填作業を簡単化して充填物の注入、充填作業工数を低減するとともにメインテナンス性を向上し、走行路の交通止めを要することなくあるいは短時間の交通止めで以って鋼床版の補強を可能とし、さらに縦リブ及びデッキプレート下面と縦リブとの間の開放空間部の双方における剛性を増大して鋼床版の強度を増大可能とした鋼床版及び該鋼床版の補強方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記縦リブの閉断面空間内に、流動体または非圧縮性の変形体の何れか一方からなる充填物を充填したことを特徴とする。
かかる発明において、前記充填物は、エラストマー材、水等の流体、ゲル状物質等により構成するのが好ましい。
かかる発明によれば、各縦リブの閉断面空間内に充填物を充填することにより該縦リブの剛性が増大して縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力が低減される。殊に、かかる発明においては、充填物として流動体または非圧縮性の変形体を用いているので、かかる充填物は体積弾性率が高く、閉鎖領域で使用する場合には車両荷重による前記デッキプレートの局部曲げ変形に対して抵抗力を生ずることから、従来のコンクリート充填物等に比べて、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力が低減される。
またかかる発明によれば、既設の鋼床版を補強する際において、前記充填物として流動体あるいは非圧縮性の変形体を用いているので、該充填物が水等の流体の場合には走行路上の交通を止めることなく流体を短時間に前記閉断面空間内に注入、充填でき、また該充填物がエラストマー材やゲル状物質等からなる非圧縮性の変形体の場合にも、従来のコンクリート充填物に比べて固化時間がきわめて短くて済むので、走行路上の交通を止める時間を大幅に短縮できる。
さらにかかる発明によれば、縦リブの閉断面空間内に、流動体または非圧縮性の変形体の何れか一方からなる充填物を注入、充填するのみで施工できるので、新設の鋼床版の場合は勿論、既設の鋼床版についても、きわめて簡単かつ少ない工数で以って鋼床版の補強ができ、鋼床版の維持、補修が容易となってメインテナンス性が向上する。
また本発明は、前記鋼床版構造において、縦リブの閉断面空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体を含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填するとともに、デッキプレートの下面と縦リブの側部との間に補強部材を架設する。
かかる発明によれば、各縦リブの閉断面空間内に充填物を充填することにより該縦リブ閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、デッキプレートの下面と縦リブの側部との間に補強部材を架設したことによって複数の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、結果として各縦リブ自体及び各縦リブの連結構造の剛性が増大して、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力の低減効果が大きくなる。
前記補強部材は、次のような形態で設置するのが好ましい。
(1)前記補強部材は、前記縦リブの側部に固定されて縦方向(走行線方向)に伸びる縦方向補強部材あるいは相隣り合う前記縦リブの間に架設されて前記縦方向補強部材とほぼ直角方向に伸び両端部を該縦リブに固定された横方向補強部材のいずれか一方または双方により構成されてなる。
このように構成すれば、縦方向(走行線方向)に伸びて縦リブの側部に固定された縦方向補強部材を設け、あるいは相隣り合う縦リブの間に架設されて両端を該縦リブに固定された横方向補強部材を縦リブの間に直交して設け、または前記縦方向補強部材と横方向補強部材とを併設しているので、各縦リブの連結構造の剛性がさらに増大して、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力の低減効果が大きくなる。
(2)前記補強部材は、上面が前記デッキプレートの下面に当接可能に配置されるとともに相隣り合う前記縦リブの間に配設されて該縦リブと同方向に伸び、両端部を横桁に取り付けられた縦方向補強部材とにより構成されてなる。
さらに具体的には前記縦方向補強部材を次のように構成する。
(1)前記縦方向補強部材は、取付部材を介して前記横桁にボルト締めにて固定される。
(2)前記縦方向補強部材は、垂直部の上端に前記デッキプレートと平行な水平部を連結するとともに該垂直部の下端に補強部を連結して形成された断面形状をそなえる。
(3)前記縦方向補強部材は、垂直部の上端に前記デッキプレートと平行な水平部を連結して形成された丁字状の断面形状をそなえる。
このように構成すれば、縦方向補強部材を前記デッキプレートの下面に当接可能に配置して両端部を横桁に取り付けるので、デッキプレート及び各縦リブの連結構造の剛性が増大して、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力が低減されるとともに、両端部を横桁に取り付けるのみで該縦方向補強部材を容易に装着可能となるので、既設の橋梁や道路でも溶接等の現地作業を最小限に抑え、あるいは現地での溶接作業を行うことなく鋼床版部の剛性向上が図れる。
また本発明は、前記鋼床版構造において、デッキプレートの下面と複数個の縦リブとの間の開放空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体を含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填し、該開放空間をカバー部材で流体密に覆ったことにある。
かかる発明によれば、複数個の縦リブ間に充填物を充填して該開放空間をカバー部材で流体密に覆うことにより、該充填物の充填によって複数個の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力を低減できる。
また本発明は、前記鋼床版構造において、前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填し、前記開放空間をカバー部材で流体密に覆ったことを特徴とする。
そして、かかる構成からなる鋼床版の補強方法の発明として、各縦リブの閉断面空間内及びデッキプレートの下面と複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記縦リブの閉断面空間内には該縦リブに該閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔してから該充填物注入孔を通して液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を該閉断面空間内に充填し、前記開放空間には開放空間を充填物注入孔を有するカバー部材で覆ってから該充填物注入孔を通して液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填することを特徴とする鋼床版の補強方法を提案する。
かかる発明によれば、各縦リブの閉断面空間内に該縦リブに穿孔した充填物注入孔を通して充填物を充填することにより、該縦リブ自体の閉鎖空間内におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、複数個の縦リブ間にカバー部材に設けた充填物注入孔を通して充填物を充填して、該開放空間をカバー部材で流体密に覆うことにより、複数個の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、該縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力低減効果がより大きくなる。
また本発明は、前記鋼床版構造において、走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、前記各縦リブの閉断面空間内及び開放空間内にのみ、前記充填物を充填する。
そして、かかる構成からなる鋼床版の補強方法の発明として、走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、各縦リブの閉断面空間内及びデッキプレートの下面と複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記各縦リブの閉断面空間については該縦リブに該閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔してから該充填物注入孔を通して該閉断面空間内に液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填し、前記開放空間については充填物注入孔を有するカバー部材で該開放空間を覆ってから該充填物注入孔を通して該開放空間内に液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填することを特徴とする鋼床版の補強方法を提案する。
かかる発明によれば、車両荷重が局部的に負荷される該車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する縦リブの閉断面空間内及び開放空間内にのみ、充填物注入孔を通して液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填して剛性を増大する一方、前記車両荷重の作用部位以外の軽荷重部位には、前記充填物の充填による補強を省略するので、充填物の充填による補強作業工数が最小限の工数でかつ最小限の材料コストで以って、デッキプレートと各縦リブとの溶接接合部における所要の応力低減効果を得ることができる。
また本発明は、前記鋼床版構造において、前記各縦リブの閉断面空間内または前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に、前記デッキプレート寄りの上層側とこれよりも下層側との2層に亘って、エラストマー材、コンクリート等の固化可能な材料からなる充填物を充填し、前記上層側の充填物の材料を下層側の充填物の材料よりも固化速度の大きい材料にて構成する。
そして、かかる構成からなる鋼床版の補強方法の発明として、前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記閉断面空間については前記各縦リブに前記閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔し、前記開放空間については充填物注入孔を有するカバー部材で該開放空間を覆い、前記閉断面空間あるいは開放空間の下層側に固化可能な第1の充填物を注入、充填し、次いで該第1の充填物よりも前記デッキプレート寄りの上層側に前記第1の充填物よりも固化速度の大きい材料からなる第2の充填物を注入、充填することを特徴とする鋼床版の補強方法を提案する。
かかる発明によれば、各縦リブの閉断面空間内あるいはデッキプレートの下面と縦リブとの間の開放空間内に、デッキプレート寄りの上層側とこれよりも下層側との2層に亘って充填物を充填するように構成し、先ず閉断面空間あるいは開放空間の下層側にコンクリート等の固化速度が小さくても(養生時間が長くても)低コストの第1の充填物を注入、充填し、次いでデッキプレート寄りの上層側に前記第1の充填物よりも固化速度の大きい材料からなる第2の充填物を注入、充填する。
これにより、前記閉断面空間あるいは開放空間の下層側にコンクリート等の固化速度が小さい第1の充填物を充填した時点では、第1の充填物の上層側つまり該第1の充填物とデッキプレートの下面との間には間隙が存在するので、車両の通行による車輪荷重が掛かっても該第1の充填物側に亀裂の発生はなく、従って走行路における交通止めは不要となる。
さらに、該第1の充填物の上層側の間隙部に充填する第2の充填物は第1の充填物よりも固化速度が大きいため速やかに固化するので、該第2の充填物の充填時にも交通止めは不要となる時間を大幅に短縮できる。
従って、かかる発明によれば、走行路における交通止めを全く不要と時間を大幅に短縮して鋼床版の補強を行い、その強度を高めることができる。
本発明によれば、充填物として用いている流動体または非圧縮性の変形体は体積弾性率が高く、閉鎖領域で使用する場合には車両荷重による前記デッキプレートの局部曲げ変形に対して抵抗力を生ずることから、従来のコンクリート充填物等に比べて、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力が低減される。
また、既設の鋼床版を補強する際においては、充填物として流動体あるいは非圧縮性の変形体を用いているので、該充填物が水等の流体の場合には走行路上の交通を止めることなく流体を短時間に閉断面空間内に注入、充填でき、該充填物がエラストマー材やゲル状物質等からなる非圧縮性の変形体の場合にも、従来のコンクリート充填物に比べて固化時間がきわめて短くて済むので、走行路上の交通を止める時間を大幅に短縮できる。
さらに、縦リブの閉断面空間内に、流動体または非圧縮性の変形体の何れか一方からなる充填物を注入、充填するのみで施工できるので、新設の鋼床版の場合は勿論、既設の鋼床版についても、きわめて簡単かつ少ない工数で以って鋼床版の補強ができ、鋼床版の維持、補修が容易となってメインテナンス性が向上する。
また本発明によれば、縦リブの閉断面空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体を含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填するとともに、デッキプレートの下面と縦リブの側部との間に補強部材を架設したので、各縦リブの閉断面空間内に充填物を充填することにより該縦リブの閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、デッキプレートの下面と縦リブの側部との間に補強部材を架設したことによって複数の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、結果として各縦リブ自体及び各縦リブの連結構造の剛性が増大して、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力の低減効果が大きくなる。
また、前記補強部材を、上面がデッキプレートの下面に当接可能に配置するとともに相隣り合う縦リブの間に配設して該縦リブと同方向に伸び、両端部を横桁に取り付けられた縦方向補強部材により構成すれば、該補強部材を前記デッキプレートの下面に当接可能に配置して両端部を横桁に取り付けるので、前記と同様な溶接接合部の応力低減効果とともに、両端部を横桁に取り付けるのみで補強部材を容易に装着可能となることから、既設の橋梁や道路でも溶接等の現地作業を最小限に抑えて鋼床版部の剛性向上が図れる。
また本発明によれば、デッキプレートの下面と複数個の縦リブとの間の開放空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体を含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填し、該開放空間をカバー部材で流体密に覆ったので、該充填物の充填によって複数個の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力を低減できる。
また本発明によれば、各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内に、液体を含む流動体またはコンクリート及び非圧縮性の変形体を含む固体の、何れか一方または双方からなる充填物を充填し、前記開放空間をカバー部材で流体密に覆ったので、各縦リブの閉断面空間内に充填物を充填することにより該縦リブ自体の閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、複数個の縦リブ間に充填物を充填して該開放空間をカバー部材で流体密に覆うことにより複数個の縦リブ間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、該縦リブとデッキプレートとの溶接接合部の応力低減効果がより大きくなる。
また本発明によれば、走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、前記各縦リブの閉断面空間内及び開放空間内にのみ、前記充填物を充填するので、車両荷重が局部的に負荷される該車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する縦リブの閉断面空間内及び開放空間内にのみ充填物を充填してデッキプレートの局部曲げ剛性を増大する一方、車両荷重の作用部位以外の軽荷重部位には充填物の充填による補強を省略するので、充填物の充填による補強作業工数が最小限の工数でかつ最小限の材料コストで以って、デッキプレートと各縦リブとの溶接接合部における所要の応力低減効果を得ることができる。
また本発明によれば、各縦リブの閉断面空間内またはデッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に、デッキプレート寄りの上層側とこれよりも下層側との2層に亘って、エラストマー材、コンクリート等の固化可能な材料からなる充填物を充填するようにし、上層側の充填物の材料を下層側の充填物の材料よりも固化速度の大きい材料にて構成し、閉断面空間あるいは開放空間の下層側にコンクリート等の固化速度が小さい第1の充填物を注入、充填し、次いで上層側に第1の充填物よりも固化速度の大きい材料からなる第2の充填物を注入、充填するので、前記下層側に第1の充填物を充填した時点では、該第1の充填物とデッキプレートの下面との間における間隙の存在により、車輪荷重による該第1の充填物側の亀裂の発生はなく、従って走行路における交通止めは不要となる。
さらに、該第1の充填物の上層側の間隙部に充填する第2の充填物は第1の充填物よりも固化速度が大きいことから速やかに固化するので、該第2の充填物の充填時にも交通止めは不要となり時間は大幅に短縮され、結果的に、走行路における交通止め時間を大幅に短縮を全く不要として鋼床版の補強を行い、その強度を高めることが可能となる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る鋼床版におけるデッキプレートと縦リブとの溶接接合部近傍の部分正面図(走行路線方向に視た図)である。図2は第2実施例を示す図1対応図、図3は第3実施例を示す図1対応図である。図4は第4実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は(A)におけるA−A線断面図、(C)はAにおけるB−B線断面図である。
図5は第5実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は鋼床版の道路幅方向の構造図である。図6は本発明が適用される橋梁の鋼床版構造部の斜視図である。図7は第6実施例を示し(A)は充填物の充填後の状態を示す図1対応図、(B)は充填物の注入状態を示す図1対応図である。図8は前記第6実施例における縦リブへの充填物の注入要領を示し(A)は下層部への充填物の充填後の状態を示す図1対応図、(B)は(A)におけるC−C線断面図である。
図9は第7実施例を示す図1対応図である。図10は前記第7実施例における図9のE矢視図である。図11は前記第7実施例における図9のD−D矢視図である。図12は第8実施例を示す図1対応図である。図13は第9実施例を示す補強部材の要部正面図である。
本発明が適用される橋梁の鋼床版構造部を示す図6において、100は鋼床版、1は該鋼床版100の床版を構成するデッキプレート、4は該デッキプレート1の走行路側上面である。35は前記デッキプレート1の下面に固定されて走行線方向に沿って複数個設けられた横桁である。2はデッキプレート1の縦方向(走行線方向)に延設された縦リブで、該デッキプレート1の幅方向に複数個配置されて該デッキプレート1の下面に溶接により固着されている。2aは溶接接合部である。3は前記デッキプレート1の下面から垂下された橋桁である。
本発明は、かかる鋼床版100におけるデッキプレート1及び縦リブ2の補強構造及び補強方法に係るものである。
第1実施例を示す図1において、1はデッキプレート、2は該デッキプレート1の下面に溶接により固着された(2aは溶接接合部)複数の縦リブで、略U字状断面の閉断面に形成され、両上端部が前記デッキプレート1に溶接されている。
各縦リブ2の内部つまり閉断面空間には、流動体または非圧縮性の変形体等からなる充填物10が充填されている。該充填物10は水等の流体、あるいはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体からなり、何れも前記縦リブ2の閉断面空間への注入時には該に縦リブ2に設けた注入孔(図示省略)を通して注入可能な材料からなる。3は橋桁である。
かかる構成からなる鋼床版100において、前記デッキプレート1の走行側上面4(図6参照)の上側に設けられている走行路上を走行する車両による車両荷重は、デッキプレート1及び複数の縦リブ2に局部曲げ荷重で負荷され、前記各縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aには該曲げ荷重による応力集中を伴う応力(引張応力あるいは圧縮応力)が発生する。
然るにかかる実施例によれば、各縦リブ2の閉断面空間内に充填物10を充填しているので、該充填物10によって各縦リブ2の閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、該縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aにおける前記応力集中が緩和されて該溶接接合部2aの応力が低減される。
殊に、かかる実施例においては、前記充填物10として非圧縮性の変形体であるエラストマー材を用いているので、かかる充填物10は体積弾性率が高く、前記閉断面空間内のような閉鎖領域で使用する場合には車両荷重による前記デッキプレート1の局部曲げ変形に対して抵抗力を生ずる。これにより、非圧縮性の変形体であるエラストマー材を充填物10として用いることにより、従来のコンクリート充填物等に比べて、縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aにおける応力が低減される。
またかかる実施例によれば、既設の鋼床版100を補強する際においては、前記充填物10として水等の流体あるいはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体を用いているので、該充填物10が水等の流体の場合には走行路上の交通を止めることなく流体を短時間に前記各縦リブ2の閉断面空間内に注入、充填できる。
また該充填物10がエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体の場合にも、従来のコンクリート充填物に比べて固化時間がきわめて短くて済むので、走行路上の交通を止める時間を大幅に短縮できる。
さらにかかる実施例によれば、前記縦リブ2の閉断面空間内に、水等の流体またはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体等からなる充填物10を注入、充填するのみで鋼床版100を補強を施工できるので、新設の鋼床版100の場合は勿論、既設の鋼床版100についても、きわめて簡単かつ少ない工数で以って鋼床版100の補強ができる。
図2に示す第2実施例においては、前記デッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内に、充填物10を封入、充填し、該充填物10が充填された該開放空間をカバー部材11で流体密に覆い、該カバー部材11を複数のボルト12で縦リブ2に締め付けている。尚、図において3は橋桁である。
尚、前記充填物10は前記第1実施例のような水等の流体またはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体が好適であるが、液体を含む流動体や、コンクリート等の充填時に流動性を有する固体であってもよい。
かかる実施例によれば、複数個の縦リブ2間に充填物10を充填して該開放空間をカバー部材11で流体密に覆うことにより、該充填物10の充填によって複数個の縦リブ2間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、該縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aの応力が低減される。
図3に示す第3実施例においては、前記各縦リブ2の閉断面空間内及び前記デッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内に充填物10を充填している。前記該充填物10が充填された開放空間は、前記第2実施例と同様に、該充填物10が充填された該開放空間をカバー部材11で流体密に覆い、該カバー部材11を複数のボルト12で縦リブ2に締め付けている。尚、図において3は橋桁、5は走行車両の車輪である。
前記充填物10は前記第1実施例のような水等の流体またはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体が好適であるが、液体を含む流動体や、コンクリート等の充填時に流動性を有する固体であってもよい。
かかる実施例によれば、各縦リブ2の閉断面空間内に該縦リブ2に充填物10を充填することにより、該縦リブ2自体の閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、複数個の縦リブ2間の開放空間にも充填物10を充填して、該開放空間をカバー部材11で流体密に覆うことにより、複数個の縦リブ2間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、該縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aの応力低減効果がより大きくなる。
図4(A)、(B)、(C)に示す第4実施例においては、前記各縦リブ2の閉断面空間内に、充填物10を充填するとともに、デッキプレート1の下面と各縦リブ2の側部との間に縦方向(走行線方向)の補強板14及び横方向(走行路幅方向)の補強板13を架設している。尚、該縦方向(走行線方向)の補強板14あるいは横方向(走行路幅方向)の補強板13はいずれか一方を設けてもよい。
前記充填物10は前記第1実施例のような水等の流体またはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体が好適であるが、液体を含む流動体や、コンクリート等の充填時に流動性を有する固体であってもよい。尚、図において3は橋桁である。
かかる実施例によれば、各縦リブ12の閉断面空間内に充填物10を充填することにより該縦リブ2の閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大するとともに、デッキプレート1の下面と各縦リブ2の側部との間に直角な2方向の補強板14または13を架設したことによって、複数の縦リブ2間連結部におけるデッキプレートの局部曲げ剛性が増大し、結果として各縦リブ2自体及び各縦リブ2の連結構造の剛性が増大して、該縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部2aの応力の低減効果が大きくなる。
前記第1〜第4実施例において、各縦リブ2の閉断面空間内に充填物10を充填するにあたっては、該縦リブ2に該閉断面空間に連通する充填物注入孔(図示省略)を穿孔してから、該充填物注入孔を通して該閉断面空間内に流動状態にある充填物10を注入、充填する。
また、前記デッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内に充填物10を充填するにあたっては、カバー部材11に充填物注入孔(図示省略)を設けて該カバー部材11により前記開放空間を覆ってから、該充填物注入孔を通して該開放空間内に流動状態にある充填物10を注入、充填する。
図5(A)、(B)に示す第5実施例においては、前記デッキプレート1の上方にある走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、前記各縦リブ2の閉断面空間内及び前記デッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内にのみ、前記充填物10を充填している。
前記充填物10を充填するにあたっては、前記各縦リブ2の閉断面空間については、該縦リブ2に該閉断面空間に連通する充填物注入孔(図示省略)を穿孔してから、該充填物注入孔を通して該閉断面空間内に流動状態にある充填物10を注入、充填する。
また、前記開放空間については、カバー部材11に充填物注入孔(図示省略)を設けて該カバー部材11により前記開放空間を覆ってから、該充填物注入孔を通して該開放空間内に流動状態にある充填物10を注入、充填する。
前記充填物10は前記第1実施例のような水等の流体またはエラストマー材、ゲル状物質等の非圧縮性の変形体が好適であるが、液体を含む流動体や、コンクリート等の充填時に流動性を有する固体であってもよい。
かかる実施例によれば、車両荷重が局部的に負荷される該車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する縦リブ2の閉断面空間内、及びデッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内内にのみ、充填物注入孔を通して流動状態にある充填物10を充填して閉鎖空間におけるデッキプレートの局部曲げ剛性を増大する一方、前記車両荷重の作用部位以外の軽荷重部位には、前記充填物10の充填による補強を省略するので、該充填物10の充填による補強作業工数を最小限の工数でかつ最小限の材料コストで以って、デッキプレート1と各縦リブ2との溶接接合部2aにおける所要の応力低減効果を得ることができる。
図7(A)、(B)及び図8(A)、(B)に示す第6実施例においては、前記各縦リブ2の閉断面空間内及び前記デッキプレート1の下面と前記複数個の縦リブ2との間の開放空間内の何れか一方または双方に、前記デッキプレート1から離れた下層側にコンクリート等の固化速度は小さいが低コストの第1の充填物20を充填し、デッキプレート1寄りの上層側にエラストマー材等の前記第1の充填物20よりも固化速度の大きい材料からなる第2の充填物21を充填している。その他の構成は、前記第2、第3実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第1、第2の充填物20、21を充填するにあたっては、図7(B)及び図8(A)、(B)に示すように、前記縦リブ2の閉断面空間内、及びデッキプレート1の下面と複数個の縦リブ2との間の開放空間内の上部空間に連通する充填物注入装置23を前記縦リブ2の底部及び前記開放空間のカバー部材11に取り付ける。
そして、図8(A)、(B)に示すように、先ず前記閉断面空間及び前記開放空間の下層側にコンクリート等の固化速度が小さくても(養生時間が長くても)低コストの第1の充填物20を注入、充填する。このとき、該第1の充填物20の上層側つまり該第1の充填物20とデッキプレート1の下面との間に間隙部25が存在するように、該第1の充填物20の注入量を調整する。前記間隙部25の空気は、前記縦リブ2の長手方向適所から排出する。
次いで、前記デッキプレート1寄りの上層側に形成されている前記間隙部25に、エラストマー材等の前記第1の充填物20よりも固化速度の大きい材料からなる第2の充填物21を注入、充填する。
かかる実施例によれば、前記閉断面空間あるいは開放空間の下層側にコンクリート等の固化速度が小さい第1の充填物20を充填した時点では、該第1の充填物20の上層側つまり該第1の充填物20とデッキプレート1の下面との間には間隙部25が形成されているので、車両の通行による車輪荷重が掛かっても該第1の充填物20側に亀裂の発生はなく、従って走行路における交通止めは不要となる。
さらに、該第1の充填物20の上層側の間隙部25に充填する第2の充填物21は前記第1の充填物20よりも固化速度が大きいため速やかに固化するので、該第2の充填物21の充填時にも交通止めは不要となる時間を大幅に短縮できる。
従って、かかる実施例によれば、走行路における交通止めを全く不要として時間を大幅に短縮して鋼床版100の補強を行い、その強度を高めることができる。
図9〜図11に示す第7実施例においては、相隣り合う前記各縦リブ2,2の間に該縦リブ2と同方向つまり走行線方向に伸びる縦方向補強部材30を設けている。
即ち図9〜図11において、30は縦方向補強部材で、垂直部30aと、該垂直部30aの上端に連結された水平部30bと、該垂直部30aの下端に連結された補強部30cとにより形成される。前記水平部30bの上面は、前記デッキプレート1の下面に接着材33により接着されている(接着材33を用いずに、該水平部30bの上面をデッキプレート1の下面に当接させるのみでもよい)。
前記縦方向補強部材30は、図11に示されるように、横桁35の間毎に複数個設けられ、その両端部にボルト32により固定されたL字状の取付部材31を介して前記横桁35の両面にボルト32によって固定されている。
また、前記縦方向補強部材30は、垂直部30aと補強部30cとを一体化して、JI
S G3192の球平型鋼を用いることもできる。
図12に示す第8実施例においては、前記縦方向補強部材30をコの字状断面を有する
鋼材、いわゆるチャンネル鋼材で構成している。この場合は規格品をそのまま使用でき、また該縦方向補強部材30を溶接を伴うことなく一体形成できるので、該縦方向補強部材30の製造コストが低減される。
また、図13に示す第9実施例においては、前記縦方向補強部材30は、垂直部30aの上端に前記デッキプレート1と平行な水平部30bを連結して形成された丁字状の断面形状をそなえている。
前記第7〜第9実施例によれば、前記縦方向補強部材30を前記デッキプレート1の下面に当接可能に配置して両端部をL字状の取付部材31を介して前記横桁35に取り付けるので、デッキプレート1及び各縦リブ2の連結構造の剛性が増大して、縦リブ2とデッキプレート1との溶接接合部の応力が低減されるとともに、前記縦方向補強部材30両端部を横桁35に取り付けるのみで該縦方向補強部材30を容易に装着可能となるので、既設の橋梁や道路でも溶接等の現地作業を最小限に抑え、あるいはボルト締めのみで現地での溶接作業を行うことなく鋼床版部の剛性向上が図れる。
本発明によれば、縦リブの閉断面空間内への充填物の注入、充填作業を簡単化できて、充填物の注入、充填作業工数を低減することができ、メインテナンス性が向上して、走行路の交通止めを要することなくあるいは短時間の交通止めで以って鋼床版の補強を可能となり、さらに縦リブ及びデッキプレート下面と縦リブとの間の開放空間部の双方における剛性が増大して鋼床版の強度が増大された鋼床版及びその補強方法を提供できる。
本発明の第1実施例に係る鋼床版におけるデッキプレートと縦リブとの溶接接合部近傍の部分正面図(走行路線方向に視た図)である。 第2実施例を示す図1対応図である。 第3実施例を示す図1対応図である。 第4実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は(A)におけるA−A線断面図、(C)はAにおけるB−B線断面図である。 第5実施例を示し、(A)は図1対応図、(B)は鋼床版の道路幅方向の構造図である。 本発明が適用される橋梁の鋼床版構造部の斜視図である。 第6実施例を示し(A)は充填物の充填後の状態を示す図1対応図、(B)は充填物の注入状態を示す図1対応図である。 前記第6実施例における縦リブへの充填物の注入要領を示し(A)は下層部への充填物の充填後の状態を示す図1対応図、(B)は(A)におけるC−C線断面図である。 第7実施例を示す図1対応図である。 前記第7実施例における図9のE矢視図である。 前記第7実施例における図9のD−D矢視図である。 第8実施例を示す図1対応図である。 第9実施例を示す補強部材の要部正面図である。
符号の説明
100 鋼床版
1 デッキプレート
2 縦リブ
2a 溶接接合部
3 橋桁
4 走行路側上面
10 充填物
11 カバー部材
12 ボルト
13、14 補強板
20 第1の充填物
21 第2の充填物
23 充填物注入装置
30 縦方向補強部材

Claims (17)

  1. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを、該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記縦リブの閉断面空間内に、流動体または非圧縮性の変形体の何れか一方からなる充填物を充填したことを特徴とする鋼床版構造。
  2. 前記充填物は、エラストマー材からなることを特徴とする請求項1記載の鋼床版構造。
  3. 前記充填物は、水等の流体からなることを特徴とする請求項1記載の鋼床版構造。
  4. 前記充填物は、ゲル状物質からなることを特徴とする請求項1記載の鋼床版構造。
  5. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記縦リブの閉断面空間内に充填物を充填するとともに、前記デッキプレートの下面と縦リブの側部との間に補強部材を架設したことを特徴とする鋼床版構造。
  6. 前記補強部材は、前記縦リブの側部に固定されて縦方向(走行線方向)に伸びる縦方向補強部材と、相隣り合う前記縦リブの間に架設されて前記縦方向補強部材とほぼ直角方向に伸び両端部を該縦リブに固定された横方向補強部材とにより構成されてなることを特徴とする請求項5記載の鋼床版構造。
  7. 前記補強部材は、上面が前記デッキプレートの下面に当接可能に配置されるとともに、相隣り合う前記縦リブの間に配設されて該縦リブと同方向に伸び、両端部を横桁に取り付けられた縦方向補強部材とにより構成されてなることを特徴とする請求項5記載の鋼床版構造。
  8. 前記縦方向補強部材は、取付部材を介して前記横桁にボルト締めにて固定されたことを特徴とする請求項7記載の鋼床版構造。
  9. 前記縦方向補強部材は、垂直部の上端に前記デッキプレートと平行な水平部を連結するとともに該垂直部の下端に補強部を連結して形成された断面形状をそなえたことを特徴とする請求項7記載の鋼床版構造。
  10. 前記縦方向補強部材は、垂直部の上端に前記デッキプレートと平行な水平部を連結して形成された丁字状の断面形状をそなえたことを特徴とする請求項7記載の鋼床版構造。
  11. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内に充填物を充填し、該開放空間をカバー部材で流体密に覆ったことを特徴とする鋼床版構造。
  12. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内に充填物を充填し、前記開放空間をカバー部材で流体密に覆ったことを特徴とする鋼床版構造。
  13. 前記走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、前記各縦リブの閉断面空間内及び開放空間内にのみ、前記充填物を充填したことを特徴とする請求項12記載の鋼床版構造。
  14. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着してなる鋼床版構造において、前記各縦リブの閉断面空間内または前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に、前記デッキプレート寄りの上層側とこれよりも下層側との2層に亘って充填物を充填し、前記上層側の充填物の材料を下層側の充填物の材料よりも固化速度の大きい材料にて構成したことを特徴とする鋼床版構造。
  15. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着して構成された鋼床版であって既設の鋼床版を補強する鋼床版の補強方法において、前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記縦リブの閉断面空間内には該縦リブに、該閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔してから該充填物注入孔を通して充填物を該閉断面空間内に充填し、前記開放空間には開放空間を充填物注入孔を有するカバー部材で覆ってから該充填物注入孔を通して液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填することを特徴とする鋼床版の補強方法。
  16. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着して構成された鋼床版であって既設の鋼床版を補強する鋼床版の補強方法において、前記走行路を走行する車両の車輪を通して負荷される車両荷重の作用部位の下方及びその近傍に位置する、前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記各縦リブの閉断面空間については該縦リブに該閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔してから該充填物注入孔を通して該閉断面空間内に充填物を充填し、前記開放空間については充填物注入孔を有するカバー部材で該開放空間を覆ってから該充填物注入孔を通して該開放空間内に液体または固化可能な流動体の何れか一方からなる充填物を充填することを特徴とする鋼床版の補強方法。
  17. 走行路の床版を構成するデッキプレートの縦方向(走行線方向)に延設され閉断面に形成された縦リブを該デッキプレートの幅方向に複数個配置して該デッキプレートの下面に固着して構成された鋼床版であって既設の鋼床版を補強する鋼床版の補強方法において、
    前記各縦リブの閉断面空間内及び前記デッキプレートの下面と前記複数個の縦リブとの間の開放空間内の何れか一方または双方に対して、前記閉断面空間については前記各縦リブに前記閉断面空間に連通する充填物注入孔を穿孔し、前記開放空間については充填物注入孔を有するカバー部材で該開放空間を覆い、前記閉断面空間あるいは開放空間の下層側に固化可能な第1の充填物を注入、充填し、次いで該第1の充填物よりも前記デッキプレート寄りの上層側に第2の充填物を注入、充填することを特徴とする鋼床版の補強方法。
JP2007073276A 2004-01-30 2007-03-20 鋼床版及びこれの補強方法 Pending JP2007170178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007073276A JP2007170178A (ja) 2004-01-30 2007-03-20 鋼床版及びこれの補強方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004023011 2004-01-30
JP2007073276A JP2007170178A (ja) 2004-01-30 2007-03-20 鋼床版及びこれの補強方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004335543A Division JP4037862B2 (ja) 2004-01-30 2004-11-19 鋼床版及びこれの補強方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007170178A true JP2007170178A (ja) 2007-07-05

Family

ID=38297070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007073276A Pending JP2007170178A (ja) 2004-01-30 2007-03-20 鋼床版及びこれの補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007170178A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205024A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 新日鐵住金株式会社 鋼床版
CN112160256A (zh) * 2020-08-03 2021-01-01 中交路桥建设有限公司 一种桥梁横向整体加固施工方法
CN113832872A (zh) * 2021-10-18 2021-12-24 中铁四局集团有限公司 一种正交异性钢桥面板局压区域临时加劲板释放方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205024A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 新日鐵住金株式会社 鋼床版
CN112160256A (zh) * 2020-08-03 2021-01-01 中交路桥建设有限公司 一种桥梁横向整体加固施工方法
CN113832872A (zh) * 2021-10-18 2021-12-24 中铁四局集团有限公司 一种正交异性钢桥面板局压区域临时加劲板释放方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100946449B1 (ko) 교량체 갑판 패널 및 그 제조방법
KR101203978B1 (ko) 교량의 상부 구조물
JP2007138467A (ja) 高架道路の荷重支持型伸縮装置とその施工法
JP4834197B2 (ja) 連続桁橋の施工方法、合成床版および連続桁橋
CN104594190B (zh) 一种桥梁无缝化伸缩装置及其施工方法
JP4037862B2 (ja) 鋼床版及びこれの補強方法
JP6371571B2 (ja) サンドイッチ型複合頂版を用いた鋼コンクリート複合構造物
CN104674650A (zh) 基于加劲型跨缝板的桥面无缝化伸缩装置及其施工方法
KR100615471B1 (ko) 강합성 콘크리트 가로보를 이용한 스틸 플레이트 거더교 및그의 시공방법
JP2008285906A (ja) 橋梁上部構造および橋梁上部構造の構築方法
CN104762873A (zh) 一种桥台处隐式伸缩装置及其施工方法
JP2007170178A (ja) 鋼床版及びこれの補強方法
CN112281663B (zh) 一种新、旧桥上部结构连接拓宽的施工方法
JP4650255B2 (ja) 鋼床版の補強構造及び既設鋼床版の補強方法
KR200403801Y1 (ko) 혼성 신축이음장치
JP6642884B2 (ja) 橋梁鋼床版の補強構造、及び橋梁鋼床版の補強方法
KR101272472B1 (ko) 탄성수지 고정방식의 저진동 철도교
JP4585614B1 (ja) 合成鋼床版橋の施工方法、並びにリブ付き鋼床版、及び合成鋼床版橋
JP5043879B2 (ja) 道路橋用幅員拡張材の設置方法
KR101447723B1 (ko) 바닥판과 주형 거더의 조합으로 이루어진 조립식 가설 교량
CN109356020A (zh) 新型桥梁连接板的结构及其施工方法
CN203256597U (zh) 一种采用摆梁的无缝桥新构造
KR101985285B1 (ko) 철도차량용 궤도상판본체의 설치방법
KR20060085054A (ko) 일체식 교대 교량의 합성구조
JP3850405B2 (ja) まくらぎ、有道床軌道および工事桁

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090206